Michael Bloomfield - Live At Bill Graham's Fillmore West

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 やはり自分的にはロックの基本はブルースにある、とヒシヒシと感じる。メタルとか聴いているとそういうのはあんまり感じないけど、やはりロックはブルースが基本です。それもポール・コソフ辺りを聴いているとつくづく思う。そういえば昨年末にはマイク・ブルームフィールド関連の紙ジャケが6アイテムほどリリースされて何枚かを入手したので、それを書こう書こうと思いつつもなかなか機会に恵まれずに結局2ヶ月ほど遅れてしまったがようやく書ける。

 ここでようやく初めてCD化された素晴らしいアルバム「永遠のフィルモア・ウェスト」。更に続編であるニック・グレイヴナイツの「マイ・レイバー」も一緒に取り上げておかないといけない。「スーパー・セッション」で一躍ギターヒーローになったマイク・ブルームフィールドがその勢いのまま新たなるメンバーとセッションを繰り広げていた頃の熱い演奏を収録したライブ盤で、フィルモア・ウェストの閉店記念という意味もあったらしいけど、やはりこのライブは凄い。最初からマイク・ブルームフィールドの強烈なギターフレーズによるイントロで始まるが、一瞬で音が途切れてしまって、また演奏し直してから始まる展開。実はこれ、アナログの時から不思議に思っていたが、どうやらこの時マイク・ブルームフィールドはピックを落としてしまって、演奏し直しているらしい、と何かで見かけて初めてその事実を知って納得した。ピックなんて普通そんなに落とさないから、ここで?って思うけど。しかしライブアルバムにするならそこカットすれば良いに、そのまま入れておくのもユーモアだろう。自信とも言うか。

 ギタープレイはもちろん強烈で、いつものようにレスポールでやや線の細い音で細かく弾いている姿、って感じ。最初の「It Takes Time」は弾きまくってるけど、他はそれほどでもなく曲に合わせてサイドギタリストしている。この人はジャズのセッションマンみたいにあちこち呼ばれるけど、強く自己主張をするのは少なくて、仕事をこなすだけの場合が多い。それでもやればできちゃうからヒーローになるけど、実際ソロアルバム「マイケル・ブルームフィールドの冒険」では地味にアメリカンミュージックしてるし、ブルースだけに囚われない幅広い音楽性も打ち出している。自分的には思い切り弾きまくるブルースソングが好きなので、もっともっと聴きたいと思うが、そうするとこの「永遠のフィルモア・ウェスト」もちょっと物足りない。続編の「マイ・レイバー」の方が弾きまくってる姿をたくさん聴けるのも面白い。

 ボーナストラックも同じライブから加えられているから嬉しいし、どうせなら二枚組増強盤でライブ丸ごとリリースしてほしいと思う。やはりブルースの音色って良い。スローブルースの「Blues On A Westside」でも心地良いし、心に染み入るギターを存分に聴けるのは有り難い。

 アルコール片手に一人でゆっくりと聴き入りたいアルバム。そういう意味ではジャズに近い感覚で聴いているかも。裏ジャケットのフィルモア・ウェストの街並みもジャズっぽくてよろしい。

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フレ
Posted byフレ

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いたち野郎  

永遠のフィルモア・ウェスト、CDが出たんですね!早速CD屋行ってきます(笑)
たしかこの人の60年代のインタビューだったと思うのですが「自分がブルース・ライヴを演るのは、若い音楽ファンにマディ・ウォーターズの素晴らしさを知って欲しいからなんです」みたいなことを言っていて、そういえばクラプトンも今はブルース布教に近い活動してますし…やはりブルースに行き着くってのはあるんですね。それでも結局ロックに戻ったりしてしまうんですが…(笑)

2009/03/08 (Sun) 00:56 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>いたち野郎さん

そうそう出たんです、ただ割と売れるの早かったからもうないかも(笑)。やっぱねぇ、ブルースに戻るんですよ、ロック好きは…。ただ、またどっかで発散したくなってロックに行く、みたいな繰り返し(笑)。

2009/03/08 (Sun) 17:20 | EDIT | REPLY |   

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