Paul Kossoff - Back Street Crawler


ポール・コソフさんの最初のソロアルバム「バック・ストリート・クローラー」。今やデラックス・エディション+SHM-CDというこれ以上はないだろうと言うくらいの贅沢な究極バージョンが手に入るので買い時かも。自分的には古き良きオールドなオリジナルなレコードで聴いているので、ボーナストラックは聴いてないのが残念だけど、きっとそれくらいが丁度良いのだろう。(…とどこかのブロガーさんが書いてたので鵜呑みです(笑))。
それはともかく、これだけ感動できるギタリストのソロアルバムっつうのもロック界ではそれほど多くなくって、しかもどこかのバンドに所属していた人のソロアルバムってあまり良い印象がない。ところがコソフの「バック・ストリート・クローラー」はギタリスト的エゴもしっかりと達成させて、しかも生半可じゃなくって18分近くのインストを、しかもセッションをこなして出来上がった楽曲を最初に持ってきてライブ感たっぷりの熱いセッションを聴かせてくれるのが素晴らしく、デラックス・エディションではそのセッションの多数のテイクが収録されているのだな。何とも魅惑的なお話。やっぱ早いウチに入手しなければ…。そうなんだよな、一曲の中でここまで飽きさせずにギターを聴かせるってのがなかなか難しいし、起承転結喜怒哀楽がしっかりと詰め込まれているので曲的に聴きやすいし、何よりもギター的なたくさんの技巧が組み込まれているところがよろしいのだ。最後の最後がコソフ特有のギタートーンで終わるのも嬉しいし。そしてこの曲で凄いなと再認識したのがアラン・ホワイトのドラム。イエス加入の前、だと思うけど、やっぱり凄いドラマーなんだな、と。シャープでロール効いててツボを得たドラミングでさ、コソフと息合ってる感じだもん。やっぱ上手いんだよなぁ。それでもイエスではブツブツ…。でもジョンとやってたんだから折り紙付きではあるか…。
それで、2曲目と4曲目がボーカル入りなんだが、2曲目「I'm Ready」はJess Roden。なかなかこれ、と言ったバンドに所属したことないので知名度が低いんだけど良いんだよ、この人の歌。割とコソフに合ってると思うけどね。無茶苦茶ソウルフルでロジャースほどお上品でなくってもっと野性的なソウル感がある。そのおかげで後に参加するブロンコとかは黒っぽい印象を持つ作品になっちゃうんだよね。これもスワンプの始まりと呼ばれるところ。コソフはスワンプ好きだったみたいだし、いいよね。ちょっと驚いた発見だった。4曲目「Molten Gold」は云わずとしれたフリーの面々+ラビットなのでもうフリーっつっても良いでしょ。
んでギタリスト的に相当お勉強になるのが「Time Away」っつうインスト。このギターがもうねぇ~泣きまくってるんだよ。音色が違うから多分ストラトの音。ジャケットに写ってるヤツかな。レスポールのしつこい音に慣れているのでやっぱこういう違いは出てくるねぇ。枯れたトーンが出てて良いメロディ奏でてくれます。最後はアルバムタイトル曲「バック・ストリート・クローラー」、これもギター的に聴いてしまう曲で…。うわっ、全部名曲。だからこれくらい短めのアルバムで一気に聴き通すのが一番良いんだ。
ボーナストラックって難しい。コソフが生きてて、こんなスタジオセッションを正式にリリースしたか?って重うと、多分ないと思う。好きなリスナーは聴きたいけど、アーティスト側はやっぱ、ね、出さないだろうし。アルバムの構成的にも重くなっちゃうしさ。だから…どうなんだろ?でもやっぱ聴ければ嬉しいよな…。やっぱデラックス・エディション買わなきゃ(笑)。
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