801 Live - 801 Live
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クラシック畑で育っているフランシス・モンクマンがカーヴド・エアーを出た後に行き着く先というのは結構興味深いものがある。もちろんクラシックをやっていたことで音楽的な幅が出てきたりバンドに貢献するという側面は大きかったのだが、クラシックを中心としたバンドはほとんどやっていないのも面白いのだ。それだけ野心的で複合的な刺激を求めていた人なのかもしれない。ブライアン・イーノという人はもともとロカビリーが好きな人らしく…、ただロカビリーっつっても音楽ではなくってスコッティ・ムーアのリバーブの音とかが好きだったという逸話もあって、さすが変わり者、と思う次第。マジメにWindowsの起動音を作曲したと云えるのも凄いことだと思うが。
話は戻してフランシス・モンクマンがイーノのプロジェクト「801ライヴ」に参加…、まぁ、一般的にはフィル・マンザネラのプロジェクトという言い方かもしれないんだけどさ。801ライヴと称されたプロジェクトで鍵盤に座ってます。ここでの凄さはいっぱいあってさ、第一に印象的なのはドラムのサイモン・フィリップスのセンスあるテクニック。ビル・ブラッフォードになる素質十分に出しているドラミングで、大物相手にまるでビビることなく、それよりも自分に絶対の自信を持ったドラミングを聴かせてくれるというのも凄い。テクニック論で言ったらこの頃にはもう完成されていて大物ブリを発揮しているってところ。「East of Asteroid」っつう曲でそれは思い切り発揮されていて、まずぶっ飛ぶ。
合わせてベースのビル・マコーミックの音も凄い自己主張していて、ちょっとやそっとのセッションではないことが一発でわかるでしょ。それくらいに気合い入りまくった凄いライブ。曲そのものなんてそれほど貴重ではなくって演奏力がこのライブの白熱さを出しているってとこかな。ま、それでもビートルズの「Tomorrow Never Knows」のカバーなんてのは凄くイーノらしくて、迫力あって面白い。「You Really Got Me」にしてもそうだけど、モチーフとしてるだけで凄い充実したプレイが聴いているものを興奮させるね。だからこのアルバムって名盤扱いされているのを知ってる人は知ってる。ただ、ポップさはないので、そりゃもちろんイーノだからヘンなポップさはあるけど、一般的ではないわな(笑)。
あ、フィル・マンザネラのギターももちろんそつなくよろしいし、モンクマンの鍵盤もしっかりと裏方しているので期待はハズしません。ハズすのは歌くらいか…。いや、気にならないけどね。曲そのものはQuiet Sunやマンザネラのソロ作「Diamond Head」、イーノの作品で構成されてます。いや、しかしサイモン・フィリップスのドラム凄いわ。
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