Larry Carlton - Renegade Gentleman
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ラリー・カールトンというギタリストは非常に変化の激しい人だ。本人の個性でもあるが、一番の変化は暴漢に銃で撃たれて重傷を負ったことだろう。それゆえ、腕と喉ともちろん精神的に打撃を被り、以前の美しいジャズ、フュージョンギターから手を引いてブルースの世界に入り込んでいる。まぁ、この事件の前からブルースに興味を抱いていたらしいので直接的ではないのかもしれないけど、以降のアルバムでは別人とも言って良いほどに世界が変わっているようだ。それでもこれだけのギターを弾くのだから才能豊かな人なんだなぁ。
1993年リリースの「Renegade Gentleman」。何も知らない頃に入手して、てっきり華麗なるフュージョンギターでも鳴るんだろうな、と思いBGM的に流したところ何の引っ掛かりも美しさもなくブルースが流れてきて、しばらくラリー・カールトンを流したことすら忘れてしまって、何のCDだっけ?と途中でCDを見直した程だ。やっぱりラリー・カールトンと書いてあったので、中味間違いでもなさそう…と。それくらいにイメージと異なるアルバムで驚いた。聞いていても途中で誰聴いてるんだっけ?と思うもん。この人、ブルースマンだっけ?って。
そういう衝撃を除くとブルースにしてはブルースらしくなく、華麗な側面が残された土臭いブルースリズムの音楽、と言うのかな。もちろんギター的にはフィーリングもしっかりしてるし音ももちろん完璧なんだけど、どうしてもブルースのブルースらしいところってのは難しいみたい。だからサラリと聴けてしまうブルースリズムギター。これはこれで大変良いんだけど。ただBGMになっちゃってさ、環境音楽的ブルースになっちゃうので自分的にはちょっともったいないなぁ~という感じ。多分狙ってる。背景とか何も知らないで聴くと好き嫌い分かれるだろうな。ただ、背景知ると良い作品に聞こえてくると思う。
しかし…、スティーヴィー・レイ・ヴォーンにそっくりなんだよな…。何か接点あったのか、それとも単に影響されているだけなのか真似しているのか、たまたま同じなのか…、と思ったらやはりハマっていたらしい。へぇ~、ラリー・カールトンがレイ・ヴォーンにハマるって面白い。ホント、レイ・ヴォーンみたいな曲調がいっぱいあって、聞きやすいハズ。ま、それ以上は何も書くことないけど(笑)。
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