Pink Floyd - The Wall

9 Comments

 いつものことだが朝は全く気分が乗らないので、うだうだと適当なものをiPodで聴きながらってことになるんだけど、今朝は更に気分が乗らなかったのでとてもじゃないが元気で脳天気なロックなんぞ聴いてられない、ってことでおもむろにチャチャチャっとiPodシャッフルするとおもむろにピンク・フロイドの「The Wall」から「In The Fresh?」が流れてきて、おぉぉ~!と一気にハマった(笑)。なんつうか、凄く重いの聴きたい気分だったのかもしれないね。帰宅時も同じようにヘヴィーなものが聴きたくてまた「The Wall」のライブを聴いて帰ってくるという、正にピンク・フロイド以外今日はあり得ないってことで、ここまでのブログの流れを一切無視してピンク・フロイド「The Wall」、イキましょう。たまには粋な作風で書いてみようかな…。

 「The Wall」。あまりにもロジャー・ウォーターズの私的な想いから作られた1980年のピンク・フロイドが放つ問題作と云われたものの、今となっては稀代の傑作としてしっかりとフロイド史、及びロック史に燦然と光り輝き続ける作品で、今までにスタジオ盤、そして奇才アラン・パーカーによる映画版「The Wall」、1990年にベルリンの壁が崩壊したことを記念するイベントとしてロジャー・ウォーターズが多数の意外なゲストを迎えて正に1980年当時のライブ版の「The Wall」を復刻してベルリンの地で再演した「The Wall In Berlin」とその映像版DVD、そして2000年には遂に1980年当時のライブを収録した「The Wall Live Earl's Court 1980-81」がロジャーとギルモアの監修にて発売。これだけ多数の作品がリリースされる程にファンの関心が高いコンセプトアルバムとも云える。冒頭の「In The Fresh?」から今でもどのバンドよりも重い音で奏でられ、衝撃的なインパクトを放っており続く「The Thin Ice」との対比は見事なもので、こういったコンセプチュアルな面がピンク・フロイドの、というよりロジャーの抜群のセンス。更に「Another Brick In The Wall (Part.1) - The Happiest Days Of Our Lives - Another Brick In The Wall (Part.2) 」の素晴らしい組み合わせと楽曲。子供の合唱がロックで取り入れられたのも珍しいし、そしてそれでなくてはいけない歌詞の内容は後に語られたところによれば、偶然の産物のアイディアから具体化されたレコーディングだったようだ。そして一気に飛ぶがギルモア作の「The Comfortably Numb」の繊細な美しさと空を舞うような舞い上がるギターソロに聞き惚れる。特に最後部で演奏されるギターソロはブリティッシュロック界広しと云えどもなかなか聴けるプレイではない。

 途中途中に挟み込まれている楽曲も当然一曲ずつ完成度が高いもので、正直にこのアルバムをアルバムとして聴くよりはひとつの楽曲として聴くことに慣れ親しんでいるとも云えよう。そして映像によるインパクトもかなり強く、映画版での映像が各曲で鮮明に頭の中で描かれる。またある時はロジャーのベルリンライブでの模様が頭をよぎる。例えば「Good Bye」と共に最後のレンガがステージを覆っていまうシーンや、壁が崩壊するシーンなどは映像での印象が非常に強く残っている。もちろんピンク氏が独裁者となるシーンではあの場面がいくつも浮かび上がってくることだし、ハンマーが歩くシーンも印象深い。もっとも馴染みがないのは本当に1980年のツアーで行われたライブの映像だったり音だったりすることが今となっては哀しいものだ。この時代のライブを見れれば後の「The Wall」に対する見方も違っただろう。そして今音だけが聴ける状態ならばなおさら映像も出してもらいたかったものだ。

 「The Wall」。その前のツアーでライブの最中に観客に唾を吐きかけ、聴衆と自分たちの間に見えない壁が立ちはだかっていることを感じたロジャーが、実際に壁が存在することを観客に示した、ある意味自虐的な発想が受け入れられたのも面白い。人は所詮そんなものか、とさぞや笑いがこみ上げてきたことだろう。少なくとも人の本質的な部分に音楽を当て嵌めていくロジャーのセンスこそがピンク・フロイドの根本であり、ロジャーの本質なのだ。だから故にギルモアのフロイドは異なるバンドとして捉えられ、ロジャーのソロがフロイドの本質を伝えるべきものとして認知されてきたのだろう。しかし、ライブ8での和解ライブによりこれらの議論は終結を迎えたワケだ。

 な~んてね。しかし凄い作品だよな、ほんと。聴いていて飽きない。いや、C面あたりになるとキツいんだけど良い曲が待ってるから聴きたくなる。そして、邪道的裏技なんだが、歌詞の意味が素直に耳に入ってこない英語音痴のロック好きの輩にオススメなのはディスク1とディスク2の間で次作「Final Cut」を入れると更に重さとボリュームと音的流れの広さを感じられます。そういう3枚組なんだって聴くと見事にハマるんですねぇ。コレ、キツイけど結構一気に聴ける。もちろん邪道、ですって(笑)。



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フレ
Posted byフレ

Comments 9

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リュウ  
あいや~!

これは信じられないかもしれないけど、マスト・アイテムです!
Real Timeで買って(Pink Floydとの出会い!)、それからアナログ→C.Dと変化をとげつつも、未だ肌身離さず、ウン十年!
聴いても聴いても、飽きることなく、緻密で丹念に作られたAlbumだと思います。
時代の状況にもマッチした感もありますが、ホント良く出来たコンセプト・アルバムかと・・・。
いやあ、Another Brick ・・なんて、反抗期の中坊には、うってつけのテーマでした!
長くなりそうなので、この辺で!

2006/02/04 (Sat) 00:53 | EDIT | REPLY |   
evergreen  
何か おありでしたか?

私のZEPと同じく、フレさん 何かおありでしたのねん!

というか、ジャリロックばかり聞いていると(すみません、口悪いな~)、こうなりますよね^^~~よーくわかる!

WALLか~
私のフロイドを最悪にしたロジャーは、許せん!(笑)・・・でもな~、そういえば、WALLのマスターテープ(色々加工する前のやつなんていいましたっけね?)ていうか、そういうCD興味本意で持っているんですが、すごいです!別物!ヘイ・ユーとか弾き語りだし・・・これ聞いて、いっきにWALL好きになりましたね、あのどぎつい音じゃなくて、神秘のようなくぐもった音で、フロイドでしたねー、まさしく。・・・すみません、自分勝手なコメント、いつも残して行きます!失礼!

2006/02/04 (Sat) 01:52 | EDIT | REPLY |   
夜響  

ピンク・フロイド・・・・ん~
はたして「狂気」はプログレでござろうか?
私的にはやはり「WALL」か「あなたがここにいてほしい」がピンク・フロイドでござる。プログレ的なら「原子心母」あたりでござるかな。
どちらにしてもピンク・フロイドはバランスがいい。

2006/02/04 (Sat) 07:52 | EDIT | REPLY |   
ミモサク  
問答無用の傑作

もしかするとピンクフロイドの作品の中で一番好きかもしれません。

特に「コンフォタブリー・ナム」でのギルモアとウォーターズの唄の掛け合いは絶品ですよね。
名曲!

公式ライヴ盤「Is There Anybody Out There?」はリリースされてすぐに買ったのですが、もったいなくて未聴なんです。

2006/02/04 (Sat) 09:38 | EDIT | REPLY |   
Hiroshi-K  
『The Wall』と言えば...

またまたこんにちは。

つい最近、『The Wall』を丸ごとカバーした、『Back Against The Wall』なるアルバムが出ましたが、聴きましたか?

私はかなり不安があったのですが、とりあえず購入しちゃいました。まだ聴き込んでませんが...

2006/02/04 (Sat) 14:32 | EDIT | REPLY |   
いたち野郎  

「The Comfortably Numb」のギターソロは泣けますね…アルバム通して聴くことはあまりありませんが、「hey you」とか、聴き所多いんですよね。

2006/02/04 (Sat) 14:58 | EDIT | REPLY |   
papini  
聴きどころ満載のアルバム

こんにちは、フレさん!
最近のiPodの再生曲が「Wall」の曲ばっかりのちょっと病みがちなpapiniです。
The Comfortably Numbのギターソロはもう芸術品。問答無用のご馳走アルバム♪
プログレ聴き始めの頃、一気には聴けなかったアルバム(え
今ではヘヴィ・ローテの一員になってるんだから、フロイドってやっぱり怖いなぁ、と。

2006/02/05 (Sun) 08:57 | EDIT | REPLY |   
フレ@ロック好きの行き着く先は…  
コメント多数感謝っす!

>リュウさん
やっぱそうでしょうねぇ…。聴くほどに味が出てくるアルバムですから。リュウさんの音楽趣味からしても異質なんでしょうけど、いや、やっぱりフロイドはブルースバンドですからおかしくないか(笑)。

>evergreenさん
いやぁ、特に何もないんですけどHR聴いてたら飽きちゃって重いのが聴きたくなったんで、たまたまコレなワケです。ヘビメタって重くないんですもん(笑)。ジャリロックばっかりは聴けません~(笑)。The Wallの「デモテープ」ですね。これも見事な代物でして(ってブートCDでしか出てません~)、ロジャーのアコギで演奏されるものやバンドでやってる物などあれこれあるけど、骨格が良くできてるからアレンジの問題は後回しでOKみたいな感じ、あります。これはこれでぜっbぜん別のバージョンとして聴くとすごく興味深い。人間くさいんですよね♪

>夜響さん
いつも記事書く度に夜響さんトコにトラバするんですけど、何故かトラバできたりできなかったりでお返しできてないもの多くてすみませんっ!原因不明なので何ともしようがないのですが…。トラバ打ってもトラバされない要因って何かあるでしょうか?知ってる人、教えて下さい~。
 で、「狂気」がプログレか…?いや、確かに「狂気」以降はロジャーの偏執的音楽作品であってプログレッシブなワケではなさそうですね。「原子心母」はプログレだけど。フロイドはやっぱブルースが入っているってことでかなり異質なプログレバンドなので、ちょっと違うってのが個人的認識です。ま、んでも凄い作品の連発なので特別枠なのかな。

>ミモサクさん
フロイド作品中で一番にコレを挙げるって云う人も結構いるんでしょうね。「Comfortably Numb」の掛け合い、ライブ8で超感動ものでした。公式ライヴ盤「Is There Anybody Out There?」ももう一枚買って聴いた方が良いのでは(笑)?いや、まあ、そのままなのでスタジオ盤で十分楽しめるんですけどね♪

>いたち野郎さん
確かにアルバム全体を通して聴かないってのもありですね。昔はそういうの許さなかったので全部聴いてたんですけど、最近はそういう聴き方してます(笑)。でも結局全部聴いちゃうかな…。

>papiniさん
iPodの再生曲が「The Wall」ばっかってわかります(笑)。たまにフロイドの然アルバムでシャッフルして聴いてますから。ま、途中でアルバム単位で聴きたくなるのでまっとうしたことないんですけどね(笑)。

2006/02/05 (Sun) 21:17 | EDIT | REPLY |   
もりたん  
同じく♪

ワタシもコレを聴くときは
アタマの中で映画の各シーンがよみがえってきてます♪
それほどまでに映像的にも
衝撃度の高い映画だったのだな~なんて改めて思ってマス☆彡

2006/02/07 (Tue) 17:07 | EDIT | REPLY |   

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