Albion Country Band - Battle of the Field

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 伝承音楽の虜となったアシュレー・ハッチングスによる一大プロジェクトとも云えるバンドがアルビオン・カントリー・バンドだ、これはもうアイリッシュミュージックへの傾倒を諦めた一人の英国人による英国の音にこだわったバンドという信念が生み出したモノで、その意思をきちんと継承すべくエレクトリックトラッドの世界での重鎮達がみな手を貸して創り上げたアルバムがシャーリー・コリンズを筆頭とした作品「No Roses」だ。この名盤さ加減は既に有名な事実として認識されていて聴いている人もまぁ、いるんだろうなとは思うけれど、実はその時に使ったバンドの名がアルビオン・カントリー・バンド。今度はその名前での楽曲集をレコーディング。メンバーはリチャード・トンプソンやジョン・カークパトリックなどなどのやはり勝手知ったる重鎮達。

Battle of the Field Morris on (Reis)


 1976年リリースだが実際には1973年にレコーディングしていた作品「Battle of the Field」。単純にレコーディング後にバンドが解体してしまって、アルバムリリースのタイミングを逸してしまったがためにリリースされなかったらしい。しかし1976年になってアシュレー・ハッチングスは再度アルビオン・バンドで復活したため、別レーベルからのリリースではあるが、この名盤と誉れ高い「Battle of the Field」が市場にお目見えすることになったらしい。その間にはダンスチューンをまとめた傑作「Morris on」ってのもあって、まぁ、大体が身内で固めて作った作品なんだけど、その分まとまった音が聞けて作品の質の高さを見せてくれるのもさすが。

 うん、アルビオン・カントリー・バンドっていう形態だけど、結局この人のこのバンドってプロジェクトに近いので都度都度アルバムリリースしたりしているので、バンド名とかにあまり深い意味は求めていない。でも、この作品は「No Roses」の次に位置するアルバムでもあるし、やはり時代の空気もパッケージしていることもあって今でも愛聴しているファンは多いはず。

 リチャード・トンプソン作の「Albion Sunrise」というシンボル曲が聴けるのもこの作品でだけ、っていうのも面白い。印象深い曲だから余計にそう思う。うん、音はエレクトリックトラッドそのもので伸び伸びと聴いていられるものだけどフォークらしくはなくって…、もっと土臭いっつうか、民族的ってトコ。重さや格調とかってのは全然ないからスティーライ・スパンとは大きく趣が異なっているね。

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フレ
Posted byフレ

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