Steeleye Span - Ten Man Mop Or Mr. Reservoir Butler Rides Again

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 伝承音楽ってのは日本でもあるけどどうやって伝承されてきたのか、なんて考えることある?誰がいつ頃作ったものなのか知らないけど、どこかで口伝えされて世代を超えて伝承されているもの、なんだよね。もちろんテープみたいな録音機器はないワケだから…。そんなのつい最近、せいぜい60~70年前くらいのものなら記録として音が残せるようになったけど、それ以前のモノってのは全部口伝えの伝承、せいぜい紙に歌詞が振ってあったのかもしれない。楽譜ってのはいつ頃から普及したものなんだろ?なかなか興味深いテーマだ…。

テン・マン・モップ(紙ジャケット仕様) プリーズ・トゥ・シー・ザ・キング(紙ジャケット仕様)

 1971年リリースのスティーライ・スパンの大名作「テン・マン・モップ」。トラディショナルの求道者アシュリー・ハッチングスがこのバンドでやった最後の作品、もうこれ以上できることがなかったというか、新たなる挑戦に出向いたと言うか…。しかし、この「テン・マン・モップ」というアルバムは凄い。Zepの「Led Zeppelin IV」と同レベルの凄さを持っているかもしれない。ポピュラーさはないけど、貫禄、重鎮さ、荘厳さ、そして格調高さという英国ならではの風格を全て兼ね添えており、しかもそれがドラムレスで迫ってくる。もう日本で言えば永平寺の中で奏でられている音楽というようなもんで…、わからんか(笑)。

 どういう形でかわからないがアシュリー・ハッチングスは伝承音楽を自分でかき集めてきては録音していたが、もちろんスティーライ・スパンではエレクトリックトラッド形式でそれらを残しているので、アーティスティックなエゴは出てきてしまうだろう。それでもドラムレスは凄い。それでこの重さだもんな。また歌い手のマディ・プライアのトラッド好きも見事なモノで以降のスティーライ・スパンはマディ・プライアの意思で継続していくことを考えると非常に貴重な存在のバンドなのだ。

 スティーライ・スパンはフェアポート・コンヴェンションから離脱したアシュレー・ハッチングスが新たにウッズ夫妻と組んだバンド、だったがフェアポート・コンヴェンションと同様にバンドメンバーの入れ替えが非常に激しく、ほぼアルバム毎にメンバーが異なっている。もっともマディ・プライアがいれば、という看板にはなっているのだが。しかしロックファンでこのアルバムに辿り着いた人はどれくらいいるだろう?そして感銘を受けるくらいにこのアルバムを聴いている人というのはやっぱり多いのかな。ホントに凄いんだよ。ジャンルとかそういう次元じゃなくてロックとしてというか音楽としてっていうか…、気軽に聴ける作品じゃないのは確か。でも楽しげにやってるんだろうなぁ。

 アマゾン見たら何、今はアルバムに加えてBBC音源がカップリングされたものが紙ジャケで出てるんだ?いやぁ、知らなかった。そこまでじっくり聴くのって結構大変だろうけど魅力はあるな…。しかしまだまだこの本編だけでたっぷり楽しめることは間違いない、うん。せっかくあるものならとことん楽しまないとね。未だに飽きることのない作品です♪

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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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いたち野郎  

僕の中でも伝承音楽は一番のテーマで、様々な伝承音楽のロックとの絡み方、時代を追っていくというのはロック聴く上で一番の醍醐味かもしれないです。
スティーリー・スパンもそうですが、トラディショナル系やフォーク系を聴いて、少しずつネタの形が分かってきたのも束の間、結局ビートを求めてロックを聴き直す繰り返しです(笑)

2008/11/12 (Wed) 01:31 | EDIT | REPLY |   
papini  

タルから入ったpapiniです。
いやね、タルの「Songs from the wood」の英語版のレビューに
「その頃、タルはスティーライ・スパンとバンドぐるみの交流があって・・・うんぬん」書かれてて・・・。
おお、なんじゃ?スティーライ・スパンって!?
んで、聞いた。ウチのマニアに。そしたら、何枚か貸してくれた(笑
こういう時便利だ(笑
この辺って、ハマるともう、そりゃ深くて楽しいんだけど
キリがない、というか(笑
でも、また少しずつ追ってもいいかな、って最近思う。
正直、追い切れてないからね、どうしても。

2008/11/12 (Wed) 09:15 | EDIT | REPLY |   
フレ  
>感謝!

>いたち野郎さん
あ、でも、それはよくわかります。追求するんだけど、やっぱ自分はロック好きなんだ、って実感するもん。なんか音楽だけじゃないんだよね、ロックって。だからそっちが心地良い。うん。

>papini嬢
そうなんだよね。近所づきあいであのアルバムがああなった、っていうのもあるらしいし。まぁ、いつも追ってくもんじゃないけど、年数回ハマることがある。その度にコレクション増えてくんだけどさ(笑)。でもなかなか違いを明確に表せっていうのはできないなぁ。やっぱ深い。

2008/11/12 (Wed) 23:05 | EDIT | REPLY |   

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