Ramases - Space Hymns

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 70年代英国ロックの世界に舞い込んだことのある人ならわかると思うが、そこは有象無象の世界観に溢れた個性豊かなバンドが繁殖していてとてもじゃないがジャンルなどというものでは区切れない、どこれもこれも自分が新たなジャンルの旗手となるのだというくらいに個性的な世界を実験し、そして失墜していったものだ。しかしどれもこれもが確実に英国の誇りを背負い、どこかに媚びる音楽ではなく風格や品位を保ったサウンドに聞こえるというのも面白い。そんなところに心惹かれるロック好きは多いんじゃないだろうか。

Space Hymns

 1971年リリースのラマセスというバンドのアルバム「Space Hymns」。この後二作目「Glass Top Coffin」もリリースしたので一発屋じゃないことに驚いたものだが、まずはレーベルからしてヴァーティゴなので期待できる♪って思うもんね。アナログでは変形6面開きジャケットで、ロジャー・ディーンによるものだけど見たことないです。そこまで必至に探す音かどうかっつうのもあったしジャケットセンスがもう少し欲しいなぁという感じではあったからだと思う。ただ、その後CDになってからは割と早く入手したかな。ヴァーティゴは見れば入手しておきたいもん。

 それで中味、だが…、面白いよなぁ、こういうコンセプト。偉大なるエジプト神の生まれ変わりラマセスがその妻セルと共に地球を救うんだ、みたいな感じなのか…、いやぁ、コンセプト的には実にふざけていて、それでこそ英国なのだが(笑)。驚くことに10ccのメンバーが4人ともバックに参加して演奏していることの方が有名になってしまっているので、その筋から名前を聞いたことがある人もいるかもしれない。サウンド的にはだな…、やっぱ宗教的ではあるコンセプト作品。うん、結構ポップス的なロックっつうのか最初の曲はえらく快調で軽快な歌で楽しくなってくる。「Life Child」♪なんてサビがキャッチーでね。そこからどんどん宗教色が強くなってくる…、実は最後まで救われない音が続くのでストーリー的にも多分救われてないんじゃないかと思うんだよな、このアルバム。

 思うに、入手したいという欲は発生するんだけど何度も聴くかっつうと絶対聴かないような気がするアルバムで、だからこそよく二枚目の作品がリリースされたものだと思う。よほど強い関係者がいたんだろうなぁ…。

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フレ
Posted byフレ

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