Jeff Beck - Beck Ola

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 ロック好きを自認してからオールドタイムなホンモノのロックを漁りまくるまでは当然時間がかかっていて、後追いならではの苦労なのだが、あちこちの雑誌などでディスコグラフィやら影響を受けたアルバムやら読み漁り、またレコードのライナーノーツに書いてあるわずかな情報を頼りにありとあらゆるレコードショップを探し回るという日々。そもそもレコード屋だって一般的な新品販売のショップじゃ意味ないワケで、その筋の店ってのはどこにあるのかっつうところから探さないとレコードなんて見つからない。おかげで見つけた時の嬉しさとそのレコードに対して聴く意欲というのもハンパじゃなくって、決して悪くは聞こえないというものだ。しかし見つからない場合は見つからないので、そのうち興味が失せてしまうものもある。自分に取ってベックってのはそういう存在に近かった。

ベック・オラ(紙ジャケット仕様) トゥルース(紙ジャケット仕様)

 1969年リリースのセカンドアルバム「ベック・オラ」。何かでこのアルバムを知ってそれこそレコードや屋を探し回っていた頃には全然手に入らない状態で、見かけることがなかったが故に全然聴くことなく時間が過ぎ去っていったレコードのひとつ。CD時代になってから聴いたもんな。ファーストの「トゥルース」はレコード見つけて聴いてたんだけど、イマイチ面白味に欠けるっていう印象だったからセカンドの本作にもそれほど強い欲求を感じなかったんだよね。

 ところがどっこい、この「ベック・オラ」を聴いてみるとファーストよりも全然ハードでギター弾きまくっているじゃないか。トリッキーというか、キュインキュインとヘヴィーなギターが鳴っていて面白い。しかもワイルドなサウンドと歪みまくったギターで相当に気合い入ったプレイ。しかもボーカルはロッド・スチュワートだから圧倒的にロック名歌とサウンドだし、ハードロックを歌うロッド、ってとこか。ベースはロン・ウッド、だよね。ロニーってさ、ベックの所脱退してからベックと一緒にやったのってあったっけ?あの人の良さそうなロニーがロッドとは久々の共演とかやってたけどベックとはやってないってのは相当因縁があるのかな。そしてドラムは、ミック・ウォーラーかエインズレー・ダンバー?トニー・ニューマン?ま、誰にしてもロック界では強烈なドラミングを誇る方々でして、この跡はコージー・パウエルなワケで、ベックはドラマーにうるさいってのがよくわかる。

 さて、この「ベック・オラ」という作品、トリッキーなギタープレイをハードに楽しむというのもひとつの魅力だけど、ロッドの歌はともかく、楽曲のバラエティも豊富。「監獄ロック」のカバーにしても凄いグルーブの曲に変貌しているし、とにかくグルーブとノリと言う意味では凄い迫力をカマしてくれるアルバム。アナログ時代の最後の「Rice Pudding」に至っては即席の強烈なセッションがそのまま聴けるのも迫力もの。

 今CDで聴ける「ベック・オラ」ではライブバージョンがボーナストラックで入っているのでナマナマしいアレンジでプレイされている楽曲が4曲聴けるが、プレイはライブの方が良いものの音質面ではちょっと軽い感じ。かと言ってアルバムの音質もちょっと問題あるのでなかなか難しいが、アルバムそのものの迫力と良さは文句なし。もっと早い段階で聴いておきたかったなぁ…。

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フレ
Posted byフレ

Comments 6

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music70s  

ベック・オラはジャケットもプレイもインパクトありましたね。
ロッド・スチュアートのボーカルもこの頃が一番カッコ良かった。
ドラムも太鼓を叩いてるっていう感じの音が素敵です。
こういうムキ出しのロックっていうのが最近少ないような・・・。

2008/09/23 (Tue) 01:24 | EDIT | REPLY |   
ひで  

うちも田舎(奈良)だったから聴きたいレコード探すのが一苦労でした。大人になってからやっと聴けたのも多くて、これもそうだったかも。
「トゥルース」も聴き込むと良いアルバムだけどやっぱ地味ですね…これは始めからガツ〜ンと来て一発で好きになりました。
楽曲バラエティ、豊かですよね。個人的にNホプキンスのピアノが印象的な"girl from mill valley"が好きです。

2008/09/23 (Tue) 08:26 | EDIT | REPLY |   
リュウ  

これは今でもターンテーブルに乗ることの多い1枚!
お気に入りです。
ロンがあんなにBassが弾けるとはというのもビックリですが、やっぱりBandのグルーブが凄い!!
ロックって・・・って感じのアルバムですね♪

2008/09/23 (Tue) 10:41 | EDIT | REPLY |   
D.K  

フェイセス同様この手のブリティッシュロックに欠かせないのが小気味の良いピアノにベックのテクニカルでありながら粗削りな音、ロニーのギタリストだからこそ出せるベースライン、そしてロックをするための喉ロッド節、演出や計算では出来ない何かを持っているアルバム!気持ち良すぎ!あと余談ですがベックがトーキングモジュレーターを多様しているお勧めアルバムって何かありますかね~?

2008/09/23 (Tue) 14:25 | EDIT | REPLY |   
elmar35  

こんばんは。
これは昔、Truthとほぼ一緒に良く聴いてました。
PlynthとかRicePuddingのハードな感じもさることながら、JailhouseRockの意外なアレンジが面白かったですね。
やっぱロッドは良いシンガーだと思います。

2008/09/24 (Wed) 21:16 | EDIT | REPLY |   
フレ  
多数感謝!

>music70sさん
ロッドいいっすよねぇ…。なんでこんなにロックなんだろ?って思うくらいの歌声と音。ほんとこういうロックの生音らしいアルバムって最近聴かないっす。テクノロジーの進化のせいかもしれないですが…。

>ひでさん
うん、地方だとホント探すだけで一苦労でして…。特にベックはなかなか入手しにくかったんです。楽曲の幅の広さはベックの音楽性の広さと何が来てもギター弾けるっていう自信でしょうね。

>リュウさん
お~、今でも、ってのがいいね。ロンのベースってギター並に弾いているからじゃないかな。っつうかメンバー良いよなぁ~、これ。ホントロックです!

>D.K.さん
トーキングモジュレーター…、昔、これを使うとバカになるって言われてました(笑)。音が頭の中で響いて脳みそ破壊するんだって(笑)。だからベックは止めたとか、エアロスミスのジョー・ペリーはバカになった、とか…。いや、丁度エアロボロボロの頃ね。

>elmar35さん
ベックのギターやアレンジもともかくやっぱロッドの声に引きずられる部分多いですよね。ファーストよりこっちのが良いなぁ~、と♪

2008/09/24 (Wed) 22:45 | EDIT | REPLY |   

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  • 2008.09.23 (Tue) 08:28 | 迷走ぶろぐ
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