The Rolling Stones - Aftermath

秋の空気も深まってきた今日この頃、英国ロックをじっくりと堪能するのに相応しい時期になり、9月の命日イベント企画シリーズの合間でもある本日、ふと思い出した美少年…とは云えない俗世から離れたイメージを持ち合わせた本当の不良少年で天才ミュージシャンでもあったブライアン・ジョーンズ。もちろんストーンズのブライアン・ジョーンズだが、何かマーク・ボランの浮遊感を聴いてたらブライアンを思い出した。彼は自分の作品としてのソロアルバムは出してないし、「Brian Jones Presents: The Pipes of Pan at Jajouka」はモロッコの音を録音したものでブライアン・ジョーンズの作品じゃないし。もっとも彼の場合はあまり自分で作曲をするミュージシャンではなかったからそういう欲もなく、だからこそストーンズの中でも浮いてしまったのだろう。ある意味悲劇のストーンズ創始者でもある。有名な話だけどドラッグをキメて車でプールに突っ込んで絶命という、実は…なんて話はいくつもあるけど、どうなんでしょ。ただ、生き方が完全にロックで、今イメージされているストーンズとは全然異なるイメージを一人で放っていた人。
最初期はブライアン・ジョーンズがリーダーで、カバー曲も多かったのでミックやキースよりもブライアンこそストーンズだったけど、徐々にミックとキースが曲を作るようになるとブライアンが浮いてきた。ただしブライアンの場合はミュージシャンとしての才能に恵まれていたので、様々な楽器をプレイする事でストーンズの音色に幅を与えてバンドに貢献していた。それがまだまだ輝いていた頃の作品が60年代の傑作アルバム「アフターマス」じゃないかと。改めて聴いてみると、何と今でもライブでやってる曲が多数入っているし、過去にもライブで取り上げられた曲が結構多い。アメリカ盤と英国盤では楽曲が異なるが、もちろん英国盤で聴くべき。ブライアン活躍のシタールやダルシマーやらと妙な音があちこちに散りばめられているのはともかく、楽曲も素晴らしい。そしてロックだなんだと叫ばれているけれど、この頃のストーンズのギターの音って歪んでないんだよ。ほとんどアコギだし、せいぜい軽くファズがかかっている程度。それでもロックしてたっていうアルバムで、今のストーンズがプレイしても全然ハマる曲ばかりなのも面白い。「Doncha Bother Me」の独特のブルースなんて誰もカバーしてないのだろうか?と言うくらいに白人ブルースとしては面白い。やっぱブライアンのエルモア・ジェイムズ完コピからの影響だろうけど実によろしい。
いい曲入ってるよ。最初から「Mother's Little Helper」でその後、「Stupid Girl」の軽快なロック。ほろりとする「Lady June」、そして今でも有名な「Under My Thumb」のかっちょよいリフ、がまだまだしょぼくて。「Flight505」だって今やったら凄くかっちょよいロックに仕上がるだろ?って思う。ストーンズももう新作出さなくて良いからもう一度最初期の録音をやり直したライブ盤でも出してほしいものだ。珠玉のR&Rの数々が堪らない。
アメリカ盤の冒頭に収録している「Paint It Black」もまたブライアンのシタールがカッコ良くて、何かのテレビ番組でブライアンが弾いているのあるじゃない?あれが凄くインパクト強くて、クールってのはこういう時のためにあるんじゃないかってくらい。英米の差を楽しむのもこの時期のストーンズならではの楽しみだが、ちなみに1966年にリリースされた作品なので既に42年前なのも凄い。
- 関連記事
-
- Mick Taylor - Mick Taylor
- The Rolling Stones - Aftermath
- The Rolling Stone Classics - Compilation