Budgie - Never Turn Your Back on a Friend


伝説的名盤のサードアルバム「Never Turn Your Back on a Friend」。この頃が一番の全盛期で、この前後のアルバムがどれも素晴らしくヘヴィーで鋭利でプログレッシヴなスタイルが出ている。もう少し時代が前後にズレていたらもっと売れていたんじゃないかと思うんだけど、見事に英国ロックが素晴らしく全盛期に出てきてしまったので、他と比べてみるとB級になってしまったというところか(笑)。
う~ん、なんつっても最初の「Breadfan」の鋭利で金属的なギターリフだな、シビれるのは。これだけアタック時に金属音を出すのもなかなか難しい。ピックを縦に近い感じにして上から叩くように弾いているんだと思うけど、慣れないとリフそのものがきちんと弾けないし、いや、狙ってやってるんだろうから大変だろう。しかしまぁ、ベースも凄い音してるし…。二曲目の「Baby Please Don't Go」はブルース界での有名曲で、アレですな。ライトニン・ホプキンス、マディ・ウォーターズ、ストーンズ、フーなんかでも有名なヤツです。後にAC/DCがやってたらしいがまだ聴いてないな、それは。んで、このバッジーバージョン…、割と考えられないアレンジっつうかバッジーらしいっつうか、ブルースの代表曲だってことを完全に忘れ去ってしまうくらいのパワーで迫ってくるのが面白い。そしていかにも英国らしい、フォークでのバラードというか静かな楽曲「You Know I'll All」、こういうのが英国のセンスで、単なるハード&ヘヴィーバンドじゃないよ、ちゃんと英国のこと知ってるよ、みたいなね、音色がある。だから一辺倒なだけではなくってちゃんとスジを通したバンドの理屈ってのがしっかり通ってる。まぁ、次のドラムソロから始まる曲はちとセンス悪い…、さすがにB級バンド。その代わりリフが始まってからのインパクトはもの凄い。
…と、まぁ、ベタ~な部分も持っているんだけどキラリと輝くセンスももちろん見え隠れしていて、トータル的には名盤って感じになるんだけど、ハマり込める人とそうでない人を分けてしまうかもしれない。ただ、これにハマれると深くて楽しい英国の世界へ入るセンスが備わっているってトコか。いや、ホントに小細工無しだ。ちなみに最後の「Parents」っつう曲はB面ラストを飾る大作で、どこかウィッシュボーン・アッシュの名盤「Argus」を想い出すような雰囲気から始まる…、う~ん、狙ってないにしてもやはり出てくるんだねぇ、こういう音の作り方。ドラマティックな展開がワクワクする傑作で、プログレではなくってあくまでもハードロックの中での大作と感動。うん、いいね。
言う必要もないけどもちろんジャケットはロジャー・ディーン作。色使いやバランス含めて全ての面でバッジーのロジャー・ディーン作品の中では一番好きなジャケ。なんかさぁ、ジャケットと「Breadfan」の印象が重なるんだよ。本来のジャケットの在り方っていうか、そんな感じが良くて好き。しかし、アマゾン…どころか他も含めて全然CDがないのな…。まぁ、売れないからしょうがないけど、勿体ないっ!探して聴く価値あると思う。
- 関連記事
-
- Budgie - Budgie
- Budgie - Never Turn Your Back on a Friend
- Budgie - In For The Kill!