Archive2023年04月 1/1

The Gathering - Nighttime Birds (1997)

 時代の産物とも思えるThe Gatheringの傑作「Mandylion」からアルバムに参加したボーカルのアネクの続く1997年にリリースされた4枚目の作品「Nighttime Birds」で既に音楽的な変化を伴ってて、当時のリスナーはまだそこまで気にしなかったが「Nighttime Birds」もそんな片鱗が存在しているので今なら分かる。 1997年だから既に14年も前の話になるが、そこでようやくゴシックメタルがメジャーに出てきつつあった。The Gatheringが...

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Xandria - Kill the Sun (2003)

 混沌としたドイツのロックも洗練され、当然の如く世界標準に追いつき追い越し状態となった近代は欧米のロック程度の認識。ドイツらしさもさほど意識されないが、かすかにドイツらしいメロディやサウンドの名残で香りを楽しむレベル。日本でも同じだけど、まだ日本らしさは独特だから残ってるし、元来ドイツも歌詞や発音で判るだろう。 Xandriaの2003年リリースのファーストアルバム「Kill the Sun」は世界中でゴシックメタルが...

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Forever Slave - Tales for Bad Girls (2008)

 昔からアルバムはジャケットに左右されるが、今の時代でも重要であってほしい。70年代の英国ロックが重宝されるのは音とアートワークの二つの美術性が相互にイメージを補っていた産物として一般人を魅了した。相互の関係が密接だった時期で、アルバムのジャケットをひとつのアートワークと捉え、ミュージシャンは自身の音を表現できるアートワークを冠して見て音を分かってもらおうとしていた時代だった。それがCD時代になってか...

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After Forever - Invisible Circles (2004)

 Nightwishのライブ盤「Showtime, Storytime」の凄さは今でも印象的だが、そもそもこのフロールが在籍していたAfter Foreverはつまみ食いはしたけど、と思い出して聴いていた。After Foreverは9年くらい活動してアルバムをリリースしながらヨーロッパでは結構な人気を博していた。さらにフロールの無敵の歌声のおかげで絶大な実力を誇っていたが解散、そしてReVampを経由してNightwish加入は、昔で言うならばロバート・プラントが...

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Epica - The Phantom Agony (2003)

 ヘヴィメタルの奥の深さはここまであるのかと思うほどに底の見えない世界で、当初のロックとは一線を画した明らかにクラシックに源流を持つスタイルの様式美で、そこから普通に発展しただけならともかく、ロックと同じく幾つもの音楽世界と融合を果たしながら世界を深めていった。メタルの場合は幅を広げるよりも深く掘っていく方が近い気がしてて、それは恐らくヘヴィメタル=ヘヴィに歪んだギターリフありきの枠でどこまで出来...

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浜田 麻里 - Soar (2023)

 今になって浜田麻里さんの名前をこれほど耳にする、目にする機会が多くなるとは思いもしなかったが、ここのところ、どういうワケかYouTubeでも生配信のインタビューをたまたま目にして見入ってしまったり、その流れで割と細かく長々とキャリア統括的に答えていたインタビュー記事も出ていたのでどっぷりと読んでしまったりして、すっかりそうだったのか、と分かった事も多くて悦に入っている次第。時代的にリアルタイムでほぼ通...

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Pete Townshend - Can’t Outrun The Truth (2023)

ピートのコメント:パンデミックの年月はチャリティにも大変なものだった。ティーンエイジ・キャンサー・トラストは毎年、お金を募るコンサートを毎年ロイヤル・アルバート・ホールで開催したり、様々なことをやるために作られたけど、すべてがなしになってしまったんだ」「この曲のアイディアはロックダウンから精神疾患についての曲として生まれてきたんだけど、なによりチャリティのためでもあった。ガンを抱えた家族やティーン...

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Metallica - 72 seasons (2023)

 しばらくぶりのメタリカの新作「72 seasons」は今の時代でも恐らく何万枚以上もアルバムが売れるバンドの作品がリリースされる事から、事前の広告や広報がかなり充実していたように思う。コロナ禍から徐々に世界が戻ってきているのも要因だろうが、作品を作る側もじっくりと根を詰めて仕上げられただろうし、売る側はその間に売るものを探すのも大変だったろうが、このタイミングが一番良いリリースだと踏んだのだろう、見事に戦...

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Jimmy Page - The Seasons (2023)

Jimmy Pageのコメント:「Houses of the Holy」のオープニング・トラックに関する私の最初のアイデアは、短い序曲がエレキギターを重ねた盛り上がるインストゥルメンタルの導入部となり、「The Seasons」、後に「The Rain Song」と題されるようになる、というものでした。ここでもメロトロンと対照的なアコースティックギターのインストゥルメンタルがあり、アルバムの最初のボーカルと曲の最初のヴァースにつながる。 「The Seaso...

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WigWam - Out of The Dark (2023)

 2005年にユーロビジョンコンテストに登場して世間に認められてのシーンへの切り込みがきっかけでブレイクしたものの、それまでのメンバーのキャリアからいくつかの確執も深くなっていってしまったのか、アルバムを重ねる毎に本来求められていたバンドの良さから徐々に離れてしまい、挙句にはどうにも収集つかない状況のまま自然消滅状態的にまで溝が深まってしまって2013年には解散の道を歩んでいた。それも後になって知った話で...

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Orianthi - Rock Candy (2022)

 10代の頃からシーンで騒がれて数々の名ギタリストとセッション活動をしながらアルバム制作やライブも重ねていき、女性ギターヒロインの圧倒的な代表格にものし上がったオリアンティは、その極めつけとしてマイケル・ジャクソンのツアーギタリストの座をも射止めて映画「This Is It」でその堂々としたギタープレイを見せてくれた。ここでその地位と人気とテクニックは不動のものとしてシーンに根付いたハズだったが、その前後でボ...

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Taylor Swift - Midnights (2022)

 コロナ禍になり、歌姫テイラー・スウィフトは驚くべきアルバム「foloklore」を唐突に発表してシーンの度肝を抜き、続けて同系統の作品「evermore」を即リリースして、更に再録盤「fearless」「Red」をも短期間で投入してきた。その創作意欲やモチベーションの原点がどこにあるのか、ホントに才能豊かな歌姫、一流ミュージシャンでなければなかなか出来ないだろうから、ルックスやアイドル性だけに振り回されてはいけないと見てい...

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Janis Joplin & Jorma Kaukonen - The Legendary Typewriter Tape: 6/25/64 Jorma's House

 ジャニスがシーンに登場する数年前のセッションテープがオフィシャルでリリースされた。この時の相棒は後のジェファーソン・エアープレインのオリジナルメンバーともなるJorma Kaukonenだが、この時点でそんな二人がJorma Kaukonenの家でセッションしている時点で既に何か違う。同じサンフランシスコのベイエリアに居たとは言え、相当の好きモノで嗜好が近くなければそんなところで知り合ってもいないだろうし、セッションもして...

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Jeff Beck and Johnny Depp - 18 (2022)

 ジェフ・ベック生前最後のアルバムとライブがジョニー・デップとのジョイントと言うのもどこか寂しい部分もあるが、人生はきっとそんなモノなのだろう。ロックスターがハリウッドスターの夢を叶えてくれたのだから満更悪い話ではない。そんな風雨に斜に構えていたからこの二人のアルバム「18」を特段耳にしていないままジェフ・ベックの訃報に接してしまったので、結局没後に初めて聴く作品になってしまったが、まず最初から驚い...

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The Who - With Orchestra Live At Wembley 2019

 2023年4月時点で御大77歳とロジャー79歳…、このライブ音源の時は4年前だが、それにしてもその歳でこのライブが出来てしまっているのが凄い。同じ事はストーンズにも言えるのだが、The Whoも二人が生き残って活動しているし、ストーンズも今となってはオリジナルメンバーはミックとキースの二人のみだが、ビル・ワイマン自体は存命。ちなみにビートルズはポールとリンゴが存命ながら当然二人の活動はなく友人としてのゲスト参加の...

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Måneskin - Rush! (2023)

 現代最高にカッコ良いロックバンド、マネスキン。それも驚く事にイタリアから出てきている不思議だが、そこには往年のイタリアらしい雰囲気はさほど見られないので、普通に世界レベルのロックバンドとして見ていられる楽しみがあるから世界は狭くなった、と言うよりも情報ネットワークが整備されて世界中がほぼ均一にカッコ良いものや面白いものを発見出来る環境が整ってきたと言う方が正しいだろう。世界がそのバンドを見つけて...

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Babymetal - The Other One (2023)

 コロナ禍の途中でライブ活動停止宣言を行ったから解散かとも言われていたが、その実そもそも10年やったら一旦休息を入れてから考えよう的な事を決めていただけで、コロナ禍とは無関係の活動停止宣言だったようだ。その後しばらくしたらメタバースならぬメタルバースと言うキーワードでWeb上で楽曲のパーツが公開されていき、完全復帰を匂わせながらタイミングを伺っていたようだが、2022年暮れ頃からようやく復活の兆しがリーク...

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Beyond The Black - Beyond The Black (2023)

 ジェニファー・ハーベン女史率いるドイツのメタルバンドの新作「Beyond The Black 」はバンド名をタイトルにした心機一転の様相を感じる傑作アルバム。コロナ禍に身動き出来なかった時間を有意義に使ってじっくりと曲作りとアレンジに勤しんだようで、5枚目のオリジナルアルバムながらも過去最高の充実度を誇る作品に仕上がっていると言えるレベルにあり、それは楽曲やアレンジにも反映されているが、同時にバンドメンバーも一新...

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Riverside - ID.Entity (2023)

 AIの筆頭格ChatGPTまで出現して世間を騒がせている現在の世の中、それよりも一足先にそんな世界になってしまったら人間は皆考える事を止めてしまうのではないか、考えないでも良い世界になってしまうのではないか、もっと自身の主体性を持って個人を確立する努力をしないと危険だ、とのテーマをモチーフにして仕上げてきたポーランドプログレッシブ・ロックバンドの雄、Riversideの2023年作「ID.Entity」だが、そのテーマのせい...

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Larkin' Poe - Blood Harmony (2022)

 レベッカとメーガン姉妹によるアメリカはジョージア州出身のバリバリ南部カントリー・ブルース地帯のバンド、Larkin' Poeによる2022年作「Blood Harmony」を最初に聴くと、アルバム冒頭の「Deep Stays Down」からしてLed Zeppelinの「When The Levee Breaks」のドラムサウンドそのままが出てくるから、その瞬間にキライになれないし、好感を持って聴いてしまう。ギターの音色にしても当然ながらあの時代の音色のママなので特にメ...

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David Bowie - Moonage Daydream - A Brett Morgan Film (2022)

 過去いくつかボウイのドキュメンタリー映画の構想が上がったものの、どれもこれもがボウイ自身に否認されたために楽曲を使う事の許可も降りず、または名前を出してくれるなという時もいくつかあったが、没後何年もしてようやくボウイ自身が認可した映画が完成した。その認可とはどの段階でどのような認可なのかはかなり不思議ではあるが、本作品「Moonage Daydream - A Brett Morgan Film」の映画を見ると、なるほどボウイが認可...

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U2 - Songs of Surrender (2023)

 アルバムリリースの報を最初に見た時は果たしてこれは何ぞや?と不思議に思ったが、それはジャケットを見ると恐らく今の姿であろう二人と、昔の若い姿のままの二人が並べられていたからで、その後に本作品が以前リリースした楽曲のアコースティックな再録集だと聞いて、なるほど、このジャケットの意味はそこにあったのかと納得。 ウクライナとロシアの戦争が勃発してしばらくしてからU2のエッジとボノは二人でキーウの地下壕へ...

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Arzachel - Arzachel (1969):

 サイケだスペーシーだと言う言葉が出てくるとやはり60年代みたいな空気があって、あまり深くないので詳しくない。ただ、何年聴いていなくてもジャケットやバンド名を思い出したり、見ると音の記憶は蘇るもので面白い。多分アルバムジャケットと音のイメージだけが格納された記憶にあるのだろう。細かい音はもちろん覚えていないので、インデックス的な記憶の仕方をしている自分の脳を実感する。そんなに何回も聴いてないと断言で...

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Nucleus - We'll Talk About It Later (1971)

 中期以降のソフト・マシーンは明らかにカール・ジェンキンスが中心となって音を引っ張ったので更にジャズ色が強くなった。そして同胞のジョン・マーシャルを引き込むと最早それはイアン・カーのいないニュークリアスとなった。しかしソフツにはまだマイク・ラトリッジのカラーが残っており、ソフト・マシーンであり続けた。一方のニュークリアスも同じくイアン・カーがいる事でニュークリアスであり続けた。イアン・カーの場合は...

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National Health - Of Queues & Cures (1978):

 カンタベリーは面白くて、同じようなメンツがちょっとメンバー替えたら違うバンドになり、全然違うメンバーなのに似たような音を出したり、兄弟姉妹みたいなバンドがアチコチにあって、それぞれに影響を与えるからバンド名はその時限りの名称だ。ジャズみたいに個人プレイヤーでアルバム作れば良いのに、と思うがそこがポップ・ミュージックである所。National Healthのセカンド・アルバム「Of Queues & Cures」は1978年リリース...

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Mike Oldfield - Hergest Ridge (1974):

 マイク・オールドフィールドの「Ommadawn」にはClodagh Simondsがクレジットされているが、Clodagh Simondsはアイルランドの女性歌手であのメロウキャンドルの歌姫として有名で、メロウキャンドルがあまりにも素晴らしくて幾つかのセッションを探したが、マイク・オールドフィールドの作品には結構参加しているみたいで、「Hergest Ridge」「Ommadawn」「Amarok」「Tubular Bells III」でクレジットされている。自分的にはマイク...

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Kevin Ayers - Shooting At The Moon (1970):

 勝手な解釈だが、シド・バレットとケヴィン・エアーズってセンスは似てて、同じ香りがするが、一方は向こうの世界に行ってしまったけど一方は脳天気に同じような世界を披露している。印象だけなのでファンからしたら一緒にしないでくれと言われるかもしれない。 ケヴィン・エアーズのソロセカンドアルバム「Shooting at the Moon」が1971年にリリースされているが、この時はバンドThe Whole World名義でのリリースで、メンツは...

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Soft Machine - Noisette (2000):

 カンタベリー一派のライブの殿堂でもあったのか、英国クロイドンにあるFairfield Hallでは盛んにライブが行われていた。あとよく見かけるのはDrury Lane。この辺はライブ盤で出てくる会場。先のCaravanが1974年のライブをリリースしたりRobert WyattはDrury Laneでの1974年のライブ「Theatre Royal Drury Lane」をリリースしているが、同様にライブ盤の発掘が異常に高まっているSoft Machineのライブも出ているし、しかも最高傑...

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Pink Floyd - The Dark Side Of The Moon (1973):

 云わずと知れた本家本元「狂気」は1973年リリースの化け物的な売れ行きを博している、今でも多分売れ続けているアルバムだが、こういう作品が全世界的に売れる事自体が狂気じみている気もする。それくらいに完成度の高い作品だとはここで書くまでもなく、世界の売上げとその知名度が証明しており、確かに「狂気」と題されるだけあって、ロジャーの偏執狂的にクリエイティブなこだわりが表れてて、且つギルモアのアレンジセンスの...

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Robert Wyatt - The End Of An Ear (1970):

 ピンク・フロイドの世界とソフト・マシーンの世界は最初期は割と繋がっていたと知られている。それは多分UFOクラブへの出演が双方とも重なっていたからだろうし、お互いにインスピレーションを与え合ったのも想像に難くない。ソフト・マシーンは次々とジャズに傾倒し、初期のサイケデリック度合いはまるで影を潜めるが、それは多分ソフト・マシーンの方が音楽的に進化していくメンバーに替わったからか。シド・バレットの脱退か...

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