Archive2023年01月 1/2
Andy Fraser - Andy Fraser Band (1975):

フリーを語る時、話題は必ずベーシストのAndy Fraserになる。フリー独特のあのノリを出しているのは紛れもなくAndy Fraserでしかなく、今に至るまでこのようなベースプレイを前面に出した人はいないし、こんなベース弾く人もいない。時代の産物なのか、どうにも他では受け入れられないタイプのベースなのか、とにかく稀有な存在。それでいてフリーは今でも聴かれているから奇跡に近い存在だったとも思う。 そんな天才ベーシスト...
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Uncle Dog - Old Hat (1972):

英国のジャニス・ジョプリンと異名を取った女性の歌姫はもう一人いた。キャロル・グライムズで、聴けば一発でなるほどだけど、ちょっと過大解釈しすぎているか。それは彼女の経歴を漁っていると、とてもジャニス・ジョプリンの世界とは近くないのが分かるから。それでも聴くと確かにホンモノのソウルフルでブルースな歌声が事実だから良いでしょう。 1972年にリリースされたUncle Dogとしては恐らく唯一の作品、「Old Hat」。ア...
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Paul Kossoff - Live at Fairfield Halls 1975:

やっぱね、ロックはギターです。ギターが目立ってかっこ良くないとイカンです。今時のバンドはどうか知らないけど古いバンドでは必ずそうあるべきで、そういうバンドがカッコ良かった。そういえば年末にそんな話を酒を飲みながらグダグダと熱く語っていた事を思い出して、そうそう、マイナーもいいけどやっぱりきちんとメジャーなのを抑えてこそだよ、なんて話で聴きまくりましたよ色々と。もちろん既出のアルバムも何度も聴いて...
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Free - Free At Last (1972):

英国ブルース・ロックバンドもたくさんあるけどグイグイとグルーブをウネラせてくれるバンドはそう多くない。そういう意味ではどれもこれもブルースらしい形態でロックしてくれているバンドが多いが、中でも突然変異的なバンドはいくつかあるし、純粋なるブルース・ロックからはかけ離れていくバンドも実験精神旺盛な70年代には多かった。ところが純粋にブルース・ロックだけをやり続けていたバンドもあった。しかもそれが思い切...
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Humble Pie - Town And Country (1969):

60年代のバンドの話は既に骨董品、クラシックの扱いに劣らぬ古さを語ることになるが、それでもきちんと音源が残されているどころか、再三に渡り今でも手を替え品を替えて何かしらリリースされ続けているバンドもそれなりにあるし、主要メンバーが鬼籍に入って、残党が好きにリリースしているケースもあるが、それでもリスナーから見ればありがたい音源を聴けるのは喜ばしい事には違いない。ただ、Humble Pinの場合はちょいと嫌ら...
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Peter Frampton - Frampton (1975):

本能的にロック的なものとそうでないものを嗅ぎ分けるのか、聴いてないアルバムは有名なミュージシャンでもかなり多いし、ロック畑のミュージシャンでも聴いてなかったりするが、それは何かの評論やアルバム紹介という要素から自分なりの解釈なので間違ってるのもあるし、聴いてみなきゃ分からんのもホントだ。ただ、一般的に売れたかはほとんどアテにしてなくて、ロック的とはちょいと違うだろう、みたいに思ってて、だからと言...
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Steve Marriott - Marriott (1976):

英国は不思議だ。時代時代でなんとなく常に黒人並みの歌声を持つボーカリストが出てくる、しかもそれは紛れもなく本物だったりして黒い声を持つ白人として、またはソウルフルな歌声をもつ歌手として評されるが、大抵はあまり売れることなく渋いマニア向けの世界で留まるケースが多い。ジョス・ストーンくらいになるとちょっとメジャー感もあるが、それだって一般人にはあまり知られていないから、やっぱりソウルフルな歌声だけじ...
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Ron Wood - Now Look (1975):

70年代の10年単位と今の10年単位では大きく異なるが、特にロックの世界においてはもう70年代の10年の違いは天と地ほどの差があったし、ともすれば数年の違いだって時代を左右するものだったからその意味では音楽の革新スピードは昔の方が速かった。そりゃ皆が皆アイディアをどんどんと出して試して、何が当たるか分からなかった時代だったし、とにかくロックの世界が若者しかいなかったからエネルギーが充満していたのが一番大き...
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Ronnie Lane - Anymore for Anymore (1974):

ロニー・レインがフェイセスを離脱した背景にはロッドとロンによる酔いどれR&Rバンドの傾向が強くなりすぎて自分の求める音楽像からかけ離れてしまった点があり、ロッドの作品を聴いているとロニー・レインはフェイセスの中ではちょっとインテリジェンスな雰囲気を出していたから参加しててもおかしくないと思うけど、派手なショウマンシップな世界を好まなかったのかもしれない。そんな事で人気絶頂だった1973年頃にフェイセス...
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Faces - Long Player (1971):

酔いどれロックンロールバンドとして名高いフェイセスも後期には山内テツを迎えて活動を継続するもやっぱりバンドメンバーの自由勝手さが祟って解散と、しょうがないな、って感じでそこもいい加減なところが彼等の強み。しかし山内テツさんは凄い人で、フリーが上手くいかなくなったらフェイセスに加入と、しかもほんの数年の間の出来事なのに。そんな山内テツさんがフェイセスでレコーディング的に残してあるのは「ロッド・スチ...
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Rod Stewart - Gasoline Alley (1970):

世紀のボーカリストと宣伝文句で書かれてもどこか信憑性に欠けると思いながら斜めに見ていたロッド・スチュワート。それもそのはず、時代は金髪美女を抱きしめるのが最高のロックスターな頃にロッド・スチュワートに会ったからで、一般的に大西洋を超えてからのロッド・スチュワートはロックから見放された、もしくはロックを見放した風潮がある。別に反対もしないけど、そうなのか、と思っていながらもなかなか手を出さなかった...
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A.R.M.S. Concert (1983):

ロック好きなヤツならば三大ギタリストと云えばピンと来るが、それが一堂に介して行われたライブが過去に一度だけあった。有名な「アームズ・コンサート ~三大ギタリスト夢の競演~」で、ベック、ペイジ、クラプトンの三人で最後に「レイラ」をセッションしまくるものだが、そもそもはロニー・レインの筋ジストロフィーという病気の治療方法にカネがかかるってことで、その研究支援機関の資金集めを目的としたものらしく、英国で...
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The Yardbirds - Having A Rave Up (1966):

ジェフ・ベックの衝撃的なライブを見た人も多いと思うが、実際ナマで見たタルちゃんはもちろん問題なくプレイしていたとは思うけど、どうだっただろうか?ベックのソロアルバムもなかなか制覇仕切れていないなと思いつつ、それでもベックを祭り上げておきたいので、古くに遡って今とは別人のように普通にロックしていた頃、40年以上前のお話…。 ヤードバーズは結構皆さん制覇仕切れていない人も多いハズで、英国のバンドで3大ギ...
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Jeff Beck - Flash (1985):

80年代にアルバムをリリースしたロック界の大物達はこぞって最先端の音を採り入れて、自分達もその輪の中に入ろうとした作品が目立つが、ボウイやミックのソロ、ストーンズはいつもの事としてもフィル・コリンズもクラプトンもだ。そこでまさかこんな人が別に媚びを売らなくても良いだろう、と思うのにやってしまったジェフ・ベック…もちろん良い事もあっただろうが…。 1985年リリースの「Flash」は当時「There and Back」から5...
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Beck, Bogert & Appice - Live In Japan (1973):

伝説の日本公演がそのまま歴史的名盤になってしまったベック、ボガード&アピスのライブ盤「ベック・ボガート&アピス・ライヴ・イン・ジャパン」だが、何故かベックはあまりハマり込んでなくて、このアルバムに手を付けるのも結構遅かった気がする。聴いた時にはもっと早く聴いておくべきだったなと後悔した記憶があるが、それでも出会えたから良しと。 云わずと知れた1973年5月の大阪公演の模様が収録されたライブ盤で、初っ端...
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Jeff Beck - Beck Ola (1969):

ロック好きを自認してからオールドタイムなホンモノのロックを漁りまくるまでは当然時間がかかっていて、後追いならではの苦労だが、あちこちの雑誌でディスコグラフィや影響を受けたアルバムを読み漁り、またレコードのライナーノーツに書いてあるわずかな情報を頼りにありとあらゆるレコードショップを探し回る日々。そもそもレコード屋だって一般的な新品販売のショップじゃ意味ないから、その筋の店はどこにあるのかと言うと...
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Jeff Beck - Blow By Blow (1975):

知的なギターとクールなプレイと言えば英国からのこの人、ジェフ・ベック。孤高のギター達人とも呼ばれるベックの場合は天才にしてなかなかセールスには結びつかない不運な人でもあるけど、確かにヤードバーズから始まり三大ギタリストと呼ばれる中、決して派手な活動があったワケでもなく、それでも普通に比べれば全然派手だけど、比較対照がクラプトンとペイジだからしょうがない。しかし今でも現役バリバリのギタープレイと相...
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Jeff Beck - Jeff (2003):

通好みのギタリストの世界は自分的にはまだまだ全然近づけなくて表面上聴いた程度で、超絶ギタリストはギターだけで自分を表現できてしまうのもあって、そこにはバンドもボーカルも要らない、ロックとか何とかではなく音楽的にギターをチョイスして表現している人たちなのでちょっと普通のロックギタリスト達とは違い、もっと音楽的。何でも弾ける人達と言うのか、別に誰がどうのではなく、そういう方々の作品は大抵ギターがフュ...
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Salamander - The Ten Commandments (1971):

モーゼの十戒と言えば海が真っ二つに割れるシーンが印象深いが、あくまでも映画の演出上の映像で、実際その事象が起きたかは知らないし、あり得ないと思うがインパクトは強い。何かとそのシーンが会話に持ち出されるから、実際映画を見てなくても知っているくらいで、モーゼの十戒はモーゼが神から与えられた十の戒律で、神と人との関係、そして人と人との関係を記したものと言われているが、その十の戒律を曲名としてアルバムを...
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Robert John Godfrey -Fall of Hyperion (1973):

The Enidの中心人物Robert John Godfreyは英国プログレッシブロックの真ん中を歩いていた人で、その名はBarclay James Harvestのオーケストラアレンジャーとして知られていたが、そこから離脱して自身の求めるオーケストレーションを追求したサウンドを構築すべくソロアルバムを一枚制作する。これが「Fall of Hyperion」だが、その昔からレアアルバムとして名を馳せており、CD創世記のVirginからリリースされたので難なく聴けた...
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Raw Material - Time Is... (1971)

英国の知られざる世界の奥深さには驚くものだが、自分がハマった世界なのに久々にその世界を漁って、聴き直してもその作品のレベルの高さに驚きを隠せない。決してメジャーのバンドにヒケを取らない作品のクォリティと演奏力と何よりもロックである熱いプレイと魂が響いてくる音色と優しさと陰りと、そんな当たり前の音も今の時代ではなかなか聴けない。演奏側はそうしているつもりだけどやはり違うが、そんなことを考えた名盤、...
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Rare Bird - As Your Mind Flies By (1970):

Rare Birdのセカンドアルバム「As Your Mind Flies By」はプログレ系に手を付け始めた随分昔に入手して聴いてたがあまり好みじゃなかったし面白味もさほど感じなかったので、ジャケットの目立ち具合だけで終わってた。今回聴いてて、なるほど自分が好まなかった理由がよく分かったが、簡単に言えばギターがないのとオルガン鍵盤系の音が鍵盤しすぎてる。 冒頭からプロコル・ハルムかと思うオルガンの音で、アルバム全体がこのオ...
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Tonton Macoute - Tonton Macoute (1971):

英国的にクールで物静かな独特のしっとりさが出て、それがバンドの特徴にもなっているが、そういった傾向はB級バンドに表れてくる傾向があり、マイナーな存在と思われる一例をピックアップ。サウンド的にはファンタジー的傾向のあるジャズっぽいロックで漁って引っ張り出した。 Tonton Macouteの1971年のリリース唯一作でネオンレーベルで貴重だったが、ネオンは11枚しかリリースしてないのでレーベル面の美しさと残されたバン...
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Titus Groan - Titus Groan (1970):

1970年リリースのタイタス・グローンの唯一作「タイタス・グローン」はDawnレーベルからの登場で、60年代の風味を残しつつも70年代の幕開けに相応しいミクスチュアーなロックを展開しており、ジャズ風味と言われるのはオーボエを持ち込んでいるからだろうが、オーボエもジャズの世界で使われない次元のヘンなバンド。 重厚な大英帝国を見事に打ち出すサウンドで、60年代のキャッチーさを持つポップなメロディとサイケデリック風...
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Cressida - Asylum (1971):

オルガン=プログレッシヴロックの象徴はEL&Pがもたらした産物だが、もしかしたら英国B級ロックをひたすら聴き続けた時に根付いた意識かもしれない。通常のロックンロールを主体としたサウンドからプログレを聴き始めた時、音を楽しむ面から音を学ぶ図式に変わり、何処かでこういうサウンドを分からなければダメとの強迫観念的もあって聴いていたが、そのうち心地良くなりハマり込んだが、そういう行為と意識によって英国B級ロッ...
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Indian Summer - Indian Summer (1971):

1971年英国RCA傘下のネオンレーベルからのリリースで、ジャケットがキーフの作品で共通項のあるバンドがIndian Summerだが、いわゆる4人編成のバンドでキーボード兼リード・ボーカルなのでライブ映えは良くなかったと勝手に想像出来る。見た事ないので中ジャケットの写真に頼るしかないが、英国のB級路線のいかがわしい風貌がなかなか良い。 サウンドは取り立てて書くほどのモノではないが、ボーカルは熱唱タイプながらも線が細...
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Julian's Treatment - A Time Before This (1969)

名盤の誉れ高いJulian's Treatmentの最初のアルバム「A Time Before This」は1970年リリースなのでかなりサイケデリックな雰囲気が曲調に表れていて、楽曲レベルが高いが、バンド的にはオルガンやハモンド、メロトロンなどの鍵盤系が強く女性ボーカルがヒステリックに、妙にSFチックにエロティックに音の中に紛れ込んでいるので、アヴァンギャルド的な雰囲気さえ漂う不思議な音世界。曲にドラマ性があって、コロコロと展開するプ...
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Jade Warrior - Jade Warrior (1971):

ロックフォーマットにこだわりを持たない発想が第一だが、バンドメンバーと担当楽器にもこだわらないパターンもある。普通はメンバーによって担当楽器がある程度決まるので、その限られた中で何をどうやって音楽するかの考え方もあるが、初めから狙った音楽を作るためにメンツを揃えるほどの人脈や明確なビジョンを持っていた人は多くないだろう。 Jade Warriorの1971年のデビューアルバム「Jade Warrior」は表現方法に困るサウ...
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Fantasy - Paint A Picture (1973):

昔アナログを漁っていた時にどうしても手に入れたかった一枚でアルバムガイドで紹介されて、その時にアルバムジャケットを見て、かなり欲しくなって探したけど見る事なかったし、カウンターフィットではなく一応ダブルジャケットで再発アナログ盤を買ったのが最初だけどそれでも良いと思ってた。 バンド名がこれまたそそられる、Fantasyで1973年リリースのアルバム「ペイント・ア・ピクチャー」が、バンド名とジャケットと英国...
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England - Garden Shed (1977):

時は1977年、英国では既にパンクムーヴメント真っ只中になぜか超メジャーなアリスタレーベルからズバリその名もイングランドと言う実力派プログレッシヴバンドがデビューアルバムをリリースし、当時はよく知らないけど今でも名前が残る名盤が残されている。しかも30年近くぶりに再結成して行った来日公演ではこの唯一のアルバム全編を演奏していったようだ。England - 「Garden Shed」 まず、ジャケットが良く、英国のシンボル...
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