Archive2022年12月 1/2

King Crimson - In The Court of The Crimson King (1969):

 1960年代末期、英国ではブルースロックが全盛となりその最たるモノがクリームで、その後にレッド・ツェッペリンが世界を制した図式だがポップス界ではビートルズが「Abbey Road」をリリースして解散という時期と時代はロックへと流れていったが、英国の奥深いところはそれだけでは済まされなかった。サイケデリックムーヴメントからプログレッシヴロックへと変革したグループが多く見受けられ、その意味ではピンク・フロイドは最...

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Judy Dyble - Talking With Strangers (2009):

 プログレとフォークの間を取り持っていた女性と言えば知る人ぞ知るジュディ・ダイブルはフェアポート・コンヴェンションのボーカルからキング・クリムゾンの「風に語りて」のボーカルへと変貌し、トレイダー・ホーンでその歌声を存分に披露してシーンから消え去っている。21世紀には何が起こるか分からないもので、突如としてシーンに復活して、更に驚くことに復帰後二枚目となる「Talking With Strangers」が今回のお題でもある...

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Fairport Convention - House Full : Live 1970 (1977):

 英国ロックとトラディショナルフォークの境目は存在していない時もあり、アコースティックだけでトラッドを奏でているバンドとギンギンにハードロックを演奏しているバンドと差はあるけど、どちらも数多くないし、70年代だと尚更少ない。70年代英国ロックには多彩な音楽が入り交じっているし、その全てを包括したのがLed Zeppelinで、一方トラッドの世界でLed Zeppelinと同格の地位を築き上げたフェアポート・コンヴェンション。...

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Richard & Linda Thompson - Hokey Pokey (1975)

 1970年前後のフェアポート・コンベンションはもの凄い過渡期、全盛期でもあり白熱度も実験度もロック創世記と同じように英国フォークも革命期で、その旗手だから激しく、そんな時代の中心にいたのがサンディ・デニーでありリチャード・トンプソンであり、伝道師アシュレー・ハッチングスだったり、デイブ・マタックスもその真ん中。要するにその頃フェアポート周辺を支えていた面々は革新的で、様々なミュージシャンが関わってく...

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Bert Jansch - Rosemary Lane (1971)

 1960年代、三大ギタリストと呼ばれるクラプトン、ベック、ペイジやストーンズの面々など多くの英国ギタリスト達がこぞって夢中になった音楽がアメリカ本場の黒人ブルースや英国内ではスキッフルと呼ばれる音楽だったことは有名で、ほとんどのギター少年はいずれかに夢中になってギターを一日中弾きまくっていたと云う。ジミー・ペイジも同様だが彼の面白いトコロはそれ以前にエルビス・プレスリーにも夢中で、その時はスコッティ...

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John Renbourn - A Maid In Bedlam (1977)

 英国は実に深い懐を持った文化的な国と思う。バート・ヤンシュと共に時代を生き、早くから一緒に共演していたジョン・レンボーンもギターミュージックの先駆者で、その方向性もいつの間にか英国伝承音楽の探究者へと進んでいき、自分も全部の作品は聴いてないが、1977年のジョン・レンボーン・グループの作品「Maid in Bedlam」はよく聴いた。 最初の「Black Waterside」からバート・ヤンシュと異なるアプローチの収録。そして...

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Pentangle - Cruel Sister (1970)

 バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンと英国フォーク界二人のギタリストが想いを込めて結成したグループがペンタングルで、その相乗効果は英国音楽に於いて見事に傷跡を残し、今でも語り継がれるバンドになっているが、美しき歌声を聴かせるジャッキー・マクシーの引き込まれる声が拍車をかけている事も忘れてはいけない。また音楽的にも変化に富んだバンドで、基本的にアコースティック楽器ばかりの演奏だが、ジャズ風中近東風...

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Mellow Candle - The Virgin Prophet (1970):

 優しいフォークに出会って、随分長い事聴いてないと思い出したメロウキャンドル。自分が初めてメロウキャンドルを聴いたのは20年以上前で、当時からかなり萌えて何十回聴いたか、細かい情報もないままに当時はアナログで、それも本物は見つからなかったのでカウンターフィット盤だが、それでもとにかく聴いてみたくて、CD時代になってすぐにエジソンからリリースされたからまた買ってまともな音質で聴いたけど、それもアナログ起...

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Sally Oldfield - Water Bearer (1978):

 ご存じMike Oldfieldのお姉様のSally Oldfieldは19歳の時にサリアンジーでデビューしているから、1978年に最初のソロアルバムをリリースするまでの10年程度の期間が空いていた。何が彼女をそうさせたのか、無事に素晴らしいクォリティでのアルバムリリースに漕ぎ着けてくれているが、その合間にSteve Hackettの「Voyage of the Acolyte」の最後にコーラスに参加しているけど、他はそれほど目立たないし、弟君の作品にも登場して...

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Spirogyra - St Radiguns (1971):

 70年代英国フォークの三種の神器と呼ばれたバンドはその筋では有名な話だが、Mellow Candle、Tuderlodge、そしてSpirogyraで、どれも女性ボーカルが美しく響き渡るバンドだが、純粋に女性だけが歌うバンドでもない。更に、Mellow CandleとTuderlodgeはアルバム一枚だけでその称号を得ているが、三枚のアルバムをリリースしながらその一端に名を連ねているSpirogyraは、ともすれば別の評価にもなろうものだが、しっかりと君臨して...

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Vashti Bunyan - Just Another Diamond Day (1970):

 真の意味で英国伝承フォークソングを奏でていた人達、そして確実にそのスタイルでファンの心を掴み取り、永遠に愛されて止まないアルバムのひとつがVashti Bunyanで、素朴、英国的、伝統的な楽曲、そして何よりも優しい。このアルバムこそがトラッドフォーク世界を聴きたくなり、出会えた事に至福の歓びを感じるに相応しいアルバム。 褒めすぎだけど、それくらい最高の作品。Vashti Bunyanの1970年の唯一の作品「Just Another D...

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Tudor Lodge - Tudor Lodge (1970):

 英国音楽探求の旅に出ると最初の方で出逢う名盤がいくつかあり、入る人それぞれに道は異なるが、多くの人はこのバンドに早いウチに出会うと思う。Tudor Lodge、Mellowcandle、Spirogyraと三美神による心洗われるほどに美しく落ち着いた雰囲気を堪能できる英国サウンドもそうそう見つからないし、素朴な音で聴く者を和ませるVashti Bunyanもあるけどこういう素朴で美しい音を聴くには心地良い。 1971年リリースのちょっと前まで...

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Trees - On The Shore (1970):

 あまりにもそのジャケットだけが有名になってしまったTreesのセカンドアルバム「オン・ザ・ショア」はご存じのようにヒプノシスの手によるアートワークで、オリジナル盤でなら味わえる微妙なニュアンスの色合いが非常に重要な気がするが、なかなかオリジナル盤に出会えず、また決して入手出来る金額でもなく、高嶺の花だったが今ではデラックスエディション2枚組CDがリリースされており、ジャケットもかなりオリジナルに近い色合...

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Tea & Symphony - An Asylum for the Musically Insane (1969):

 Tea & Symphonyの「An Asylum for the Musically Insane」はEMIハーヴェストカタログの中でも相当変わり者のバンドで、随分昔にアナログのコピー盤で入手したけど不思議で、聴いた事ない音世界だが、基本アコースティックギター中心で、ドラムよりもパーカッションが入っていて、歌はオトコだけど宗教的な旋律を印象的に歌っている。しかもトリップする世界観を詰め込んでいるので時代通り、1969年作品だからサイケフラワーの頃...

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Comus - First Utterance (1970):

 シド・バレットの奏でていた狂気は普通のサウンドと紙一重の部分が大きく、だからこそ故にそれはホンモノの狂気だったとも云えるが、英国にはサウンドで狂気を表現できるバンドがいくつか存在していて、今では恐らくシーンに出てこないと思う。1970年前後ならロック界は何でもありの世界だったが故に、まず売れないバンドも平気で世に出てきたが、更にそれが今は幻のアルバム、コアなマニア向けで有名になり、少なくとも面白く興...

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Catherine Howe - What a Beautiful Place (1971):

 もう30年以上前から英国ロックとフォーク周辺漁りを始めたが、様々な情報を辿り、そんなのあるのか、こんなんあるのか、一体どこで見つかるのか、と思いながらアルバムジャケットとアーティストを覚えてはレコード屋に漁りに行き、挙句は中古レコード屋でバイトして更にディープな世界を覗き見たりレア盤も現物を見て納得した。思い出してみれば珍しいアルバムにも接する機会があり、更に買い出しにも出かけるからアルバムは揃っ...

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Anne Briggs - Anne Briggs (1971)

 ロックに限らず常にカリスマ的なオリジネイターが存在していて、時が流れても歴史的に名前が残る人がいるがロックの世界でもエルビス、ビートルズ、更にロバジョン、JBも出てくるし、メタルならサバスなど色々ある。女流トラッドフォークの歌手に名が挙がるのはサンディ・デニーだがオリジネイターの存在ではなく、そこはアン・ブリッグスになるが、聴くと瞬時に頷くくらいには納得する歌唱とスタイルの1971年にリリースしたデヴ...

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Maddy Prior & June Tabor - Silly Sisters (1976):

 英国の伝承音楽を歌う女性がここまで多いのは割と不思議で、日本で言えば民謡歌手がメジャーのフィールドに出てくるようなものだが、沖縄民謡や島唄をアレンジして出てくるのは何年かに一度くらいだろう。英国のトラッドをアレンジした曲もメジャーなフィールドではないかもしれないけど、それでも遠い島国の日本にこれだけ情報が入ってくるのは知られている証で、その辺の感覚はまたマニアックに違う部分があるか。 1976年にリ...

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Albion Country Band - Battle of the Field (1976):

 伝承音楽の虜となったアシュレー・ハッチングスによる一大プロジェクトバンドがアルビオン・カントリー・バンドはもうアイリッシュミュージックへの傾倒を諦めた一人の英国人による英国の音にこだわった信念が生み出したバンド。その意思をきちんと継承すべくエレクトリックトラッドの世界の重鎮達が手を貸して創り上げたアルバムがシャーリー・コリンズを筆頭とした作品「No Roses」だが、この名盤加減は既に有名な作品と認識さ...

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Morris On - Ashley Hutchings etc (1972):

 ちょっと堅い話かもしれないけど、英国伝承音楽の歴史を紐解くと深いところに行き着いて、アシュリー・ハッチングスに行き当たる。英国では伝統的にダンス音楽が継承されていたが、口頭による伝承音楽のため文化の形が残っておらず半ば消えかかっていたが、それをセシル・シャープが1899年に発掘、再発見して以来きちんとした形、例えば譜面で残しておくべきと落ち着いたが、それを更にロックバンドが演奏してメジャーな音楽に仕...

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Steeleye Span - Ten Man Mop Or Mr. Reservoir Butler Rides Again (1971):

 伝承音楽はどうやって伝承されてきたのかと考えると、果たして誰がいつ頃作ったものなのか、口伝えされて世代を超えて伝承されている。もちろんテープはないから、古い音楽は全部口伝えの伝承、せいぜい紙に歌詞が振ってあった程度だが、楽譜はいつ頃から普及したかも気になり始めてきた。 1971年リリースのスティーライ・スパンの大名作「テン・マン・モップ」はトラディショナルの求道者アシュリー・ハッチングス最後の参加作...

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Sandy Denny - Sandy Denny (1972):

 英国トラッドフォークの歌い手として有名な人、サンディ・デニーはロックファンにはレッド・ツェッペリンの「Led Zeppelin IV」の「限りなき戦い」でプラントと掛け合いで歌っているボーカリストとして知られているが、1971年時点で彼女をチョイスするのもさすがにZepの面々のセンスが光る。Fairport Conventionで既に話題になっていたけど、英国の話だから時代的感覚は後追いでは分からない。 1972年リリースのサンディ・デニ...

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Mandy Morton & Spriguns - Magic Lady (1978):

 英国トラッドは暗い歌詞で悲惨な家族の結末や殺人、恨みを歌っているけど、オリジナリティを出したロック系のトラッドはそうでもなく歌詞の暗さはともかく、どことなく田園風景を思い起こさせるから良い季節に聴きたくなる。サンディ・デニーを敬愛していたシンガーは今に至るまで数多くいるが、中でも一際目立っていたSprigunsのマンディ・モートンで、Sprigunsもカルトバンドになっているのであまり知られていないけど、変な音...

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Christine Perfect - Christine Perfect (1970):

 突如の訃報にどんなんだっけ、と改めて聴き直していたが、本作に収録されている「I'd Rather Go To Blind」は、名曲さ加減から多数のミュージシャンやシンガーがカバーしてそれなりにヒットを収めているし、有名なところではロッド・スチュワートだが、チッキン・シャックでもカバーしてた。その流れからかクリスティン・パーフェクト女史の名義でもリリースされていて、これが大ヒットと、その成功を受けて急遽アルバム作りが進...

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Chicken Shack - 40 Blue Fingers, Freshly Packed and Ready to Serve (1968):

 突然の訃報に驚いたが、後のフリートウッド・マックで活躍するクリスティン・パーフェクトはマックのジョン・マクヴィーと結婚してクリスティン・マクヴィーとして有名となっている。最初は同じ英国ブルースロックバンドのチキン・シャックに参加しており、その才能を開花させていたが、それにしてもこのバンド=チキン・シャックは実に認知度が低い。普通に英国ロックが好きでもあまりこのバンドをきちんと聴いている人も多くは...

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Bud Powell - The Scene Changes (1958):

 バド・パウエルが1958年にブルーノートで録音した「ザ・シーン・チェンジズ」はジャケットとブルーノートなだけで聴くし、ジャケットでジャズのレコードも買ってたから歴史的背景も知らなくて良かったけど、今はすぐネットで背景が分かるから良いか悪いか…、バド・パウエルの「ザ・シーン・チェンジズ」は下り坂の頃の作品で名盤扱いはされていないが、もっと前のバド・パウエルを聴いている人には物足りないらしい。ただ、「ザ...

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Horace Silver - Blowin' The Blues Away (1959)

 最近ピアノが心地良くて色々な人の作品や演奏を見たり聴いたりしているが、クラシックもジャズもアニメもロックもすべてごちゃ混ぜにしてアウトプットしてくる新進プレイヤーもいて、時代は常に進化していると実感するし、それを見て聴いてきちんとついてくるリスナーのレベルの高さも素晴らしいと思う。自分と来たら相変わらずロックに近くないと聞けない部分はあるものの、オーソドックスなジャズピアノに立ち戻るとその美しさ...

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Phil Woods & The European Rythm Machine - Alive and Well in Paris (1968):

 アルトサックスの名演と云えば、チャーリー・パーカー直系の影響下にあったフィル・ウッズがフランスに渡って録音した作品「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」があり、アルバムジャケットを見る限りではこの作品「Alive And Well In Paris」と1968年当時パリに渡りこの名作を作った時をタイトルにしているが何故か邦題は「フィル・ウッズ&ヨーロピアン・リズム・マシーン」。 アルバム一発目に入っている「若か...

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Jackie McLean - Swing Swang Swingin (1959):

 ジャズな気分に浸ってアルトサックス奏者ジャッキー・マクリーンの1959年にブルーノートからリリースされた名盤「Swing Swang Swingin」で、冒頭の「What's New」からしっとりと軽快に、そしてビバップなプレイとサウンドが心地良いカルテットの演奏で、メロディアスに吹いており、聴いてる側も同じ気分で盛り上がれる至福の音が心を満たす独特の空気で魅了してくれる。内に向かって発散して心地良くするプレイがジャズの醍醐味...

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Helen Merrill - Helen Merrill with Clifford Brown (1954):

 雪の降る年の瀬をイメージするとヘレン・メリルの名作「Helen Merrill with Clifford Brown」は更にその夜に一人でグラスを傾けて暖炉の前のソファに座って聴きたいアルバム。若きクリフォード・ブラウンのトランペットが強烈に刺さり、クインシー・ジョーンズも参加し、才能ある連中を従えつつのヘレン・メリルの素晴らしき歌声で、20代初頭でこの歌声と切なさと疲れ具合とため息な歌唱に惚れ惚れする。アルバムは1954年にリリ...

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