Archive2022年05月 1/2
Curved Air - Phantasmagoria (1972)

クラシック音楽とロックを融合させて、その上で美しい女性ボーカルを乗せる手法を実践したのはルネッサンスが最初だが、別の角度から同じ手法論を採ったバンドがカーブド・エア。アルバムデビューは1970年だから、第二期ルネッサンスと同時期で、よくルネッサンスとカーブド・エアは比較されるが音的には相当質が異なる。ルネッサンスの煌びやかな華のあるクラシカルロックに対しカーブド・エアは妖しげな艶のあるバイオリンバン...
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801 Live - 801 Live (1976)

クラシック畑で育っているフランシス・モンクマンがカーヴド・エアーを出た後に行き着いた先は興味深く、クラシックをやっていたことで音楽的な幅が出てきたりバンドに貢献する側面は大きかったが、クラシックを中心としたバンドはほとんどやっていない。それだけ野心的で複合的な刺激を求めていた人かもしれないが、ブライアン・イーノはもともとロカビリーが好きな人で、ただロカビリーでも音楽ではなくスコッティ・ムーアのリ...
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Phil Manzanera - Diamond Head (1975):

昔レコードを一生懸命探し周ってコレクトしてた頃、様々な理由で手に入れられなかったモノもあったし、逆にどこでも見かけるレコードもあって、結構勘違いしてた事も多かった。どこでも見るレコードは今買わなくても良いから後回しにしてて、きっとつまらないから皆中古で売るのだろうと思ってたから見かけないレコードを見つけて喜んで買う方が多かった。後はまるで見かけないとか高くて到底買えないのもあったけど、後者は記憶...
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Bryan Ferry - Let's Stick Together (1976):

今回は全く記憶から消え去っていた人のレコード発見して、どういう音を一人でやってるのか興味あったと思うが、好みかと言われるとそういう領域に入ってくる以前の問題でして…。ブライアン・フェリー1976年ソロ作三枚目のアルバム「Let's Stick Together」だが、ブライアン・フェリーと言えばロキシー・ミュージックのフロントマンとして有名で、しかも「ダンディ」の異名を取るオシャレで正に英国紳士らしいおじさん。そして時...
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Roxy Music - Country Life (1974):

ロキシー・ミュージックが1974年にリリースした4作目の「Country Life」は、やはりどうしたってジャケットに目が釘付けになるのは今の時代も同じだろう。レコード時代はホント、マジマジと眺めたくなったし眺めてたが、自分が「Country Life」を知ったのはリアルタイムじゃなく、色々な噂を聞いた後なので余計にマジマジと見入った。日本では過去から右側の女性が実は元男性だと言われていたが実際それはない様子らしいので都市...
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Mott The Hoople - Mott (1973):

R&Rは元来楽しむためのもので、それ以外の何者でもないが、そこに多様なメッセージの手法や音楽的な考え方が入ってきて複雑拡大化して、そもそもに戻ってプレイする試みに感じられるMott The Hoopleの回帰作品「Mott」。1973年のリリース、即ち前回「All the Young Dudes」でBowieに救われた反面、今回は独自でやろうと戻ってきたのがこのR&R。 邦題「革命」は昔からMott The Hoopleは割と探してたけど手に入らなくて、レコード...
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Ian Hunter - You're Never Alone With a Schizophrenic (1979):

イアン・ハンター=Mott The Hoopleのフロントマン=英国バイオレンスロックの扇動者とも呼ばれた張本人によるソロアルバムは盟友ミック・ロンソンと組んでリリースした渾身の一作で、イアン・ハンターのキャリアの中ではかなり上位に位置するアルバム。驚くのは「You're Never Alone With a Schizophrenic」のバックバンドにあのブルース・スプリングスティーンのバックバンドとして名高くなったEストリートバンドを配していると...
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Mick Ronson - Play Don't Worry (1975):

ボウイの相棒と言えば真っ先に思い付くのはミック・ロンソンと言うベタなチョイスですが、割と自分もミック・ロンソンのソロ作品や経歴作品はあまり追いかけていなかった。それよりも手に入れにくかったから、レコード探してる間に意識が薄くなったのが正しいが、CD時代にはさほど聴かなきゃ的感覚も無く、中古で見かけた時に買った気がする。結果的にはさほど熱心に聴かずに、こんな感じか、とお蔵入りだったが、それを久々に引...
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David Bowie - Glass Spider (1987):

David Bowieの1987年のライブツアーの映像「Glass Spider」ではピーター・フランプトンがギタリストとしてツアーに参加しているので、時代が時代なら素晴らしい組み合わせとして騒がれたであろう二人の夢が実現している。ところが1987年はボウイ(一般的に)全盛期なのでピーター・フランプトンは所詮バックギタリストの位置付けでしかないトコロが残念だが、何でまたそんな事になったのか分からないけど、ピーター・フランプト...
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Peter Frampton - Frampton Comes Alive (1976):

1976年の大ヒットアルバム、ピーター・フランプトンの「Frampton Comes Alive」は自分はリアルタイムで通ってなかったのでどれだけブームだったか話題性が高かったか全然知らないが、ロックを聴くようになってあれこれ見てるとホントにどこでも評価されて絶対出てくるし名盤扱いされてて、Humble Pie絡みもあったしロック脈で語られる時には必ず出てきた。普通ならそういうのは大抵初期に聞いているが、ジャケットが悪くて当時は...
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Humble Pie - Smokin' (1972):

クレム・クリムソンの栄光と言えば「スモーキン」だが、大英帝国ロック好きとしては、と探して聴いてたら案の定最初の「Hot'N Nasty」のスティーヴ・マリオットの歌でやられた。この人の歌は凄まじいパワーの塊でグイグイとグルーブするベースも去ることながら、クレム・クリムソンのギターも見事にマリオットの嗜好とマッチしていて、ブルースに走りすぎず、味のあるソロになってる。そこへマリオットのこの声の「スモーキン」...
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Bakerloo - Bakerloo (1969):

アッチのバンドとコッチのバンドのメンバーのアイツが昔どこそこにいて、そこであいつと出会って一緒にやってて、その後で前の仲間が登場して意気投合したから一緒にバンドやって、みたいなのが見えてくるのもこの時代に凝縮された英国のロックシーンならではの楽しみ。王道バンドなら誰かがどこかに必ず書いているから分かりやすいけど、アングラになってくると全く取り上げられなくて、突如としてシーンに登場してくるし、実際...
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Eyes of Blue - In Fields of Ardath (1969):

60年代末期頃になると英国のロックシーンが活性化して、雨後の竹の子のようにバンドを輩出してきたが、対するレーベルも正に青田刈り状態による契約の嵐となるが、その中には本当に才能に長けたバンドや人物によるプロフェッショナルなバンドも存在してて、後のシーンの源流ともなったバンドがいくつか存在する。有名なのはカンタベリーシーンでのワイルド・フラワーズがあるが、そしてサイケデリックの洗礼を受けながらテクニカ...
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The Gods - Genesis (1968):

こういうバンド名を付けるあたりからして相当の自信があっただろうと思うが若気の至りだろう。昔、The Godsというバンドにユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーがいたらしいから探してみるかと思って、アチコチのレコード屋を漁ってたけど、これとは全然異なるジャケットが見つかって、その時はアルバムジャケットがどういうのか知らなかったからそのアルバムを買ったが、家に帰ってレコード聴いててもどうも違う感じがする。ク...
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The Spencer Davis Group - Steve Winwood (1967):

黒い声を持つボーカリストとして名高いスティーブ・ウィンウッドも天才少年と呼ばれて半世紀以上経つが、声は早々に衰えるものでもなく今でも相変わらずソウルフルな声を聴かせてくれる。しかし、ロックファンにとって彼の凄さはどのアルバムで、どの時期が最も認知されているのだろうか?コレと云ったバンドとしてもあまり印象がない。精々ブラインド・フェイスだろうけど、才能が云々と言う前にバンドとしてきちんと活動できな...
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The Pretty Things - Parachute (1970)

プリティ・シングスの1970年作「Parachute」は初期プリティーズのラスト作に位置するアルバム、そして金字塔の一つにも挙げられている作品。自分では随分前からこの「Parachute」はレコードで聴いてたけど、あまり響かなかったという不感症だったので、今更ながら何か云えるか?って話。流れで久々に取り出して聴いてるけど、何となく好みではない?と思う。ただ、聴いているとそれが変わっていくので面白い。 英国ロックらしい...
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The Kinks - Something Else (1967):

日本で人気がなく世界的には人気あるバンドはいくつかあるけど筆頭に出されるのはThe WhoとThe Kinks。Status Quoもそういう部類だが、とりあえず。基本的にその辺のバンドは好きなので大体聞いてて、好きなバンド群だけど、やっぱり日本でブレイクしないのも何となく分かる。文化的にはロック黎明期に来日したことのあるバンドは今でも人気が高くて神格化されているが、70年代に来日しなかったバンドはどうしても人気が追いやら...
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Ray Davies - See My Friends (2010):

正に英国人でしかあり得ないという代名詞でもあるレイ・ディヴィスの声とサウンド。それでいて今でも元祖HR/HMのリフを創り上げたバンド、The Kinksのフロントマンだ。そんなレイ・ディヴィスももう結構な年齢だが、全く衰えない創作意欲とセンスにはホントに脱帽。ここのところはThe Kinksの昔の名曲群をオーケストラと再演した「ザ・キンクス・コーラル・コレクション」でまたしても世間を賑わせたりしたが、昨年の「R&R Hall ...
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Bruce Springsteen - Born To Run (1975):

あまりハマって聴いたことのない音楽集もこんな機会でもなければ一生聴かないが、新しいモノや新たなる刺激は欲するし、それは新旧どちらでも良いし、昔聴いてピンと来なかった音でも今聴けば変わるし、色々なシチュエーションで音楽が心に響く度合いは変わる。これも歳を経てから分かって昔だったらダメなものは一生ダメだった。 ブルース・スプリングスティーンの1975年リリースの三枚目にして頂点とも呼ばれる「明日なき暴走...
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Patti Smith - Easter (1978):

ニューヨークのCBGBはストリートロッカーにとって憧れのライブハウスで、日本からもCBGBに渡る、またCBGBでライブをやる目的でニューヨークに飛ぶバンドもいる程だが、実際CBGBでプレイする事自体はそれほど難しくないらしい。パンクスの登竜門で名が知れ渡っている以上、ヘタでも何でもライブをやらせるだろうが、しかしそこにいる観客は相当シビアで白熱させてくれなければビールでも投げつけてくる粋がった連中で、そんなイメ...
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Bob Dylan - Highway 61 Revisited (1966):

ここをよく訪れてくれる人はご存じのように自分はアメリカの音楽に詳しくないし、興味もそそらない事を知ってくれているだろう。メタルやブルースは好きだし、カントリーやブルーグラスも興味はあるけど、モロにアメリカテイストな音はあまり聴かないし、レイドバックしたサウンドも苦手だしそれは好みだからしょうがないものだ。 超有名な作品で1965年リリースの名盤「追憶のハイウェイ61」。ボブ・ディランは始めは苦手で触れ...
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Love - Forever Changes (1967):

昔ちょっと触れたけど全然理解出来なくて、さっさと捨て去ったアメリカンサイケだが、どのヘンのバンドをそう言うかはあるが、デッドもザッパもジェファーソンも入って、広げれば67年から69年頃のヘンなロック系全部でメジャー所から聞いたけど面白くなくて、フワフワした音の洪水に身を任せる程ゆとりはなかったから名盤の類すらも聞いてなかった。 黒人ボーカル、アーサー・リー率いるLoveの1967年の3枚目の作品「Forever Cha...
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Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's (1967):

60年代のアンダーグラウンドカルチャーは何故に発生して、その定義も何だろうと思うし、しかもアーティスト側のサイケデリックとドラッグカルチャー、トリップした世界を意識して作ってたのか、ビートルズみたいに自分たちの体験を音に出来た才能か、まったくドラッグをやらないくせにそういう音を作れるザッパもいるから作り方があるはず。でも、そんな事を考えずに出来上がってくるリアルな体験を音にする人達の方がリスナーか...
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Iron Butterfly - In-A-Gadda-Da-Vida (1968):

何となく古きフラワームーヴメントのロックに行ったのでついでにもう一枚、実はアルバム通して聴いた事がないけど何故か知っているアイアン・バタフライは、これだけロックばかり聴いていれば不思議はないけど、こんな長い曲まで知ってるとは我ながら不思議。 1968年リリースのセカンドアルバム「ガダ・ダ・ヴィダ」、ちなみにファーストは「ヘヴィ」で、それもどうかと思うが、タイトル通りヘヴィで、時代が時代だから、ニュー...
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Vanilla Fudge - Vanilla Fudge (1967):

ティム・ボガートとカーマイン・アピスのリズム隊は日本でもセッションしてるので整理すると面白い系譜が出来上がり、特にカーマイン・アピスは無節操で、あちこち顔出してる。原点のヴァニラ・ファッジを改めて聴き直しているが強烈に重く、卓越したアレンジ能力の中にヴァニラ・ファッジ独特の個性を入れて、バンドの雰囲気を確立してて鍵盤とベースでひたすらベタに攻めてくる図式。ティム・ボガートのベースはこの頃からとん...
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Beck Bogert & Appice - Beck Bogert & Appice (1973):

ジェフ・ベックが熱烈に欲したリズム隊だったボガートとアピスは、ちょっと彼らの音に触れてみればそれはよく分かるし、ジェフ・ベックにとってクリームのようなサウンドの発展形は簡単にできる構想もあっただろうし、Zeppelinのような音も分かっていたはずだ。ところだ、自分の周辺にはたまたまそういうリズム隊との出会いがなく、時代を築き上げられなかったジレンマ、だったかどうか分からないが若気の至りによる悔しさはあっ...
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Cactus - 'Ot 'N' Sweaty (1972):

BB&Aのリズム隊と言えばヴァニラ・ファッジかカクタスだが、ヴァニラ・ファッジは古いのでカクタスへ行こう。ベックとバンドを組むためにヴァニラ・ファッジを脱退した二人が、ベックが事故って話がお流れになり、カクタスを結成した。4枚目の「'ot 'N' Sweaty」が一番脂の乗っているアルバムで、重さとグルーブと妙な英国風ロックもカッコ良くて英米中間的な音が魅力的で、このアルバムは変則的でA面がライブ盤でB面がスタジオ...
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Hydra - Land of Money (1975):

ハイドラ名を持つアメリカのバンドの1975年にリリースしたセカンドアルバム「Land of Money」のジャケットはヒプノシスのデザインで、英国のハードロックに影響を受けた音を出していたハイドラはさほど知られてもいないバンドだけど、割とアチコチで露出している。CDも出ているので懐かしがる人も多いし、カタログも何となく揃えられるが、昔は何枚もレコードを買えないから聴けてないバンドも多く、友人にカセットテープで貰っ...
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Montrose - Paper Money (1974):

この時期のアメリカはもうハードロックが定着した頃と1974年周辺を見渡して思うが、エアロスミスもキッスも出て来てるから、70年前後のアメリカンロックとはシーンの状況も変わってて、既にZeppelinに影響されたバンドも出てきているし、この頃はロックシーンの流れが速くて刺激的だった。そこに独自で組み立てていくロックが入って、ようやくアメリカらしいロックの構築が行われた。 1974年リリースのモントローズのセカンド・...
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Riot - Narita (1979):

思わぬ人から思わぬ発言が続々と飛び出し、そこにいたメンツは多少驚き喜びながら、更なるバンド名が出てきて話題は盛り上がるが、「Riotの」「お~、懐かしい!」と呼応するメンツ。やや後追いの中にいる自分は一番弱い所と思ったので酒の席だけど猛烈にインプットされ、会話上で「ナリタ」と言ってて「??」。 そんなきっかけで聴いたRiotの1979年リリースのセカンドアルバム「Narita」は、会話上では「どれもフクロウのジャ...
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