Archive2022年01月 1/2
This Heat - This Heat (1978):

アヴァンギャルドサウンドはマニアックな世界でどんな評論を見てもカッコ良く「名盤」「世紀の傑作」と書かれていて購買意欲をそそる。しかも全然手に入らなかったから余計に聴いてみたくなる。無理して入手するけど結局アヴァンギャルドだから何回も聴けないし、正直それがカッコ良いかも分からない。だけど探して苦労して手に入れた想いが強いから「名盤」として持っている事に満足する。 This Heatもそんな類のひとつで、ア...
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Quiet Sun - Mainstream (1975);

深みにハマると楽しくなってどんどん突っ込んでいきたくなる英国ロック。その中でも泥沼化していくのがカンタベリー。一律にカンタベリー一派と言われるものの、その幅はかなり広くてで、音楽的ジャンルでは括れない状況になっていく。ある種の淡々としたテイストにユーモア、ポップセンスに浮遊するジャズ感覚を持ち合わせた技術集団的音楽。元祖はソフツやキャラバンなので、その辺の影響下にあるケースが多いけど、独自解釈で...
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Camel - Mirage (1974)

音楽の叙情詩は重要だ。残念ながらアメリカからは出てこないサウンドだろうと決めつけてはいけないが、事実ではないかと。偏見とも言うが。でもヨーロッパの伝統的な側面はある。殊に英国の叙情性は他のヨーロッパ諸国のモロに露骨な、例えばイタリアとは異なり大げさにはならない。それでも深くしっとりと染み渡ってくる叙情性。そんな叙情詩を音にしているバンドの代表がフロイドだったり、キャメルもその一角だ。 1974年リリ...
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Steve Hillage - Green (1978):

イマイチよく解っていないギタリストの一人、スティーブ・ヒレッジ。ゴング時代からそのスペイシーなギターの音はヘンだ、よく出せるなと思ったけど、ギタリスト的な側面よりも奇人的な意味で聴いていた感が強い。ギターをきちんと弾かせたら多分相当に弾けると思うが、それをしないで宇宙音の再現にひたすら取り組んでいる。その可能性をひたすら追い求めているギター弾き。ギターの可能性をどこまでも追求している。そのおかげ...
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Caravan - New Symphonia (1974):

ふと優しい音楽に触れた時の暖かさが心に響いたりする。どことなくオーケストラとかクラシックをアレコレと気にしてライブラリ探ししてるが、どうしても起伏に富んだ展開が多くなるからハートに優しい音を聴いて、改めて感動すら覚えたキャラバン。元々大好きなバンドなので聴くだけで満足だが、今回はまたしても名盤だとつくづく感じた。 1974年にリリースされたCaravanの「キャラバン&ニュー・シンフォニア」。オーケストラと...
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Darryl Way's Wolf - Canis Lups (1973):

70年代英国のロックバンドではバイオリンを主に据えたものも多く、有名どころではクリムゾン、カーヴド・エアだろう。デヴィッド・クロス、エディ・ジョプスン、そしてダリル・ウェイの三人が有名。バンドで言えば他にもイースト・オブ・エデンやエスペラント、ハイ・タイドが浮かぶ。バイオリニストのアルバムで思い出したダリル・ウェイのソロアルバム、ウルフのファーストアルバム。 1973年リリースの「カニス・ループス」。...
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Gong - Expresso 2 (1978):

そもそも英国でSoft Machineを組んでサイケデリックの世界では名を馳せ、Pink Floydと双璧のバンドとしてUFOクラブの顔となったデヴィッド・アレンがSoft Machineでフランスに行ったら英国に戻してもらえなかったという嘘か真か、ほんとにそんな事あるのか?戦争中ではないし、国籍がオーストラリア人だから不法滞在していたが故の入国拒否らしいが、ならばフランスならいいのか?そんな基本的なところで不思議な逸話があるが、...
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Soft Machine - Six (1973):

英国音楽は実に奥深いとつくづく感じさせられるバンドばかり。中でもあまり一般的ではないけどとんでもなく凄いバンドの位置付けで聴いているソフトマシーン。アルバム毎にメンバーは違うし内容も異なるので実態が掴みにくいバンドで、自分でも最初は不思議感多かった。簡単明瞭に言えば初期はサイケ、中期がジャズロック、それからフュージョンバンド。今回はその狭間、中期から末期の間にリリースされて究極の美しさを保ってい...
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Nucleus - Elastic Rock (1970):

1970年にリリースされた時代は正に英国何でもあり時代のNucleusのファーストアルバム「Elastic Rock」。Vertigoレーベルもこのイメージ戦略に一味買っているけど、1970年のVertigoから出てきたバンドは気になる人は気になります。ホントはジャズ系のレーベルから出てきた方が良かったバンド。Nucleusはプログレの中で語られ、更にジャズロックで語られるけど、明らかにジャズです。エレクトリック時代のマイルス・デイヴィスを踏...
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Elton Dean - Just Us (1971):

英国フリージャズの波は本場アメリカのジャズから遅れる事十数年、着実にその芽を伸ばしながらこの時期にロックの発展と共に進化した。もしかしたらもっと早い時期にあったのかもしれない。早くてキース・ティペット、またはグラハム・ボンドあたりだろうか。いずれも60年代中期頃にようやくその芽が出て来た。その頃はポップもジャズもロックも同じフィールドで自分の腕に自信のあるミュージシャンや、才能を信じていたアーティ...
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Hugh Hopper - 1984 (1973):

Soft Machineのヘンな方向性の要因のひとつにはHugh Hopperのアヴァンギャルドなジャズ志向が大きく影響していた事は想像に難くなく、むしろその指向性があったからSoft Machineの方向性になったとも思う。もっともHugh Hopper一人の志向ではなくメンバー編成も含めてそうなっただろうが。 それで、随分昔にHugh Hopperの最初のソロアルバムので探して手に入れた。1973年のSoft Machine在籍中にリリースしたソロアルバム「1984...
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Robert Wyatt - Rock Bottom (1974):

元ソフトマシーンの肩書きすら今や遠い昔。今のワイアットのファンはその事を気に掛けない世代が増えているだろう。80年代を風靡したラフトレードレーベルから作品をリリースして新たな世代へ訴えかけたカンタベリーの重鎮。彼が半身不随の人生を歩んでいる事はその世代に知られているのかどうか。 ソフトマシーンからマッチングモウルと遍歴を重ねたワイアットはパーティの席上で酔ってそのまま階段から落下して下半身不随。ド...
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Pierre Moerlen's Gong - Time Is The Key (1979):

Mike Oldfieldと急接近していたPierre Moerlenもその頃はGongを継承して活動していた事から、双方が影響を受けた部分あったのか、Pierre Moerlen's Gongの1979年リリース作「Time Is The Key」では見事にMike Oldfieldの作品に近い作風を繰り広げている。ミニマルサウンドではないが、軽やかなサウンドが繰り返され、テクニカルなインストがアルバム全体を包み込んでいる。ここまで来るとイージーリスニングやフュージョンポップ...
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Mike Oldfield - Ommadawn (1975):

1975年にリリースされたマイク・オールドフィールドの3枚目のアルバムにしてミニマルミュージックの完成形「Ommadawn」。今更ここで声を大にして言う作品でもなく、あちこちで大絶賛されているレビューしか見たことがない。おかげで「OMMADAWN」を聴くのは時間がかかった。そこまで褒め称えられるならいつでも聞けるしレコード屋でも見かけて安いし、いつでも手に入ると思ってたおかげで全然聴かなかった。「Tubular Bells」はエ...
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Boxer - Below The Belt (1976):

英国生まれのハードロックバンドはそれこそ数限りなく存在しているが、A級メジャーバンドを渡り歩いた人がいればそこそこ話題にもなろう。オリー・ハルソールとマイク・パトゥーはタイムボックスで知り合い、バンドをPattoに変えて一緒にプレイし、数年の間だけ袂を分かって仕事をしている。この間オリー・ハルソールはテンペスト在籍。そこからオリー・ハルソールとマイク・パトゥーは合流してボクサーを結成。1975年にはまだプ...
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Kevin Ayers - Confessions of Doctor Dream & Other Stories (1974):

オリー・ハルソールのもう一人の相棒として知られている、実際には多分逆だが、ケヴィン・エアーズの相棒として知られているオリー・ハルソールもいるが、そのケヴィン・エアーズの名作と誉れ高い「Confessions of Doctor Dream & Other Stories」も1974年にリリースされている。オリー・ハルソールはこの時期は忙しくて環境が目まぐるしく変わっただろう。「Confessions of Doctor Dream & Other Stories」がケヴィン・エアーズ...
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Patto - Hold Your Fire (1971):

英国ハードロックバンドと呼ぶべきかどうかも多々あって、それは皆ひとつのカテゴリーに収まりきらない多様なサウンドの塊のためだが、それこそが英国ロックの深みで時代の産物だった。 一見ハードロック的な仮面を被っているパトゥーだが、聴くと何とも言えない音で、このバンドの場合は音が云々よりもボーカルのマイク・パトゥーのダミ声による圧倒的な迫力とその隙を縫って恐ろしい超絶テクニックを披露してくれるオリー・ハ...
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Tempest - Living In Fear (1974):

ジョン・ハイズマンはそれほど一般に知られている名前ではないし、普通にロック好きな人でもそれほど知られてはいないが目立ちたがり屋の音数の多いドタバタする、ジャズ系ロックの名手といえば名前が出てくる人でジャック・ブルースとも一緒にプレイしてる人で圧倒的に印象深いのはColosseumの活動でドラムセンスを世に知らしめているが、解散後に組んだバンドがTempest。最初はアラン・ホールズワースを迎えてアルバム「Tempes...
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Atomic Rooster - Made in England (1972):

バンドの美しい姿とはメンバー交代がないこと、という考え方とプロジェクト的に見てバンドメンバーを次々と替えて音楽性も変化させていく考え方だ。後者はジャズの世界ではリーダー作のスタイルを取ってセッションメンバーが変わっていく姿だが、ロックバンドではソフト・マシーンとか、ホワイトスネイクとかそんな感じで、ホワイトスネイクは音楽性変わらないからソフツくらい。前者のメンバー交代なしで音楽性の変化を追い続け...
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Colosseum - Daughter of Time (1970):

英国ロック史の中で目立たないけれど実は重鎮バンド、重要なバンドがいくつかある。古くはアレクシス・コーナーやジョン・メイオールのバンドがそんな英国ロックを産み出すメンバーの巣窟だったし、ヤードバーズは言わずもがな、クリムゾンもその類だ。バンドメンバーがコロコロ変わるのも、ある種スクール的になっている面はあると思う。そういうバンドから巣立ったメンバーが活躍して英国ロック史に残る作品が幾つも生まれたの...
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Chris Farlowe - Out of Time:

イミディエイトレーベル最大のスターはクリス・ファーロウだ、と言われるトコロもある。もちろんあのColloseumに参加していた時期がロックファンには一番知られている、あのクリス・ファーロウだが、諸説によるとロッドやポール・ロジャース、マリオットやウィンウッドの比にならない歌声で圧倒していたらしい。自分的には生で接したらその凄さに圧倒されるだろうけど、そこまでは思わなかった。やっぱり録音が古いのを聴いてた...
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Brian Auger & The Trinity - Definitely What! (1967):

ハモンドオルガンってやっぱりいいな、とモッズバンドを聴いて思った。自分の中ではハモンドオルガンはプログレハードの代名詞的な楽器で、歪んだギターに対抗すべくハモンドオルガンにレスリースピーカーをカマせて爆音で弾きまくると音の壁がギターを超える、みたいな感覚で聞いてた。かなりヘンな聴き方だろうとは思うけど。ところがいくつか聴いてると全てそんな風ではなく、普通にムード的な鍵盤のひとつの音として使われて...
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Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity - Streetnoise (1969):

1969年混沌とした時代が終演を迎えようとしていた時、既に本格的なサウンドをプレイしていたにもかかわらずあまり表舞台に出ることもなくマニア向けになってしまった感のある実力派バンドがいた。ハモンドオルガンと女性ボーカルを主とした独特なサウンド世界はこの頃に英国に溢れてきたゴッタ煮バンドとは一線を画した洗練された音で、それはブライアン・オーガーという実力のあるオルガニストとジュリー・ドリスコールというソ...
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High Tide - Sea Shanties (1969):

ここのところ英国まみれになってB級路線も久しぶりにアレコレ聴いているのでかなり本人ハマってしまって、時間の無い中で楽しんでる。昔はどれもこれもある意味プログレだという認識で聴いていた部分もあったけど、改めて聴き直してみると、何となくハードロック要素の強いバンドやプログレ、サイケ風味、フォーク、アシッド?とか色々あるなと。細分化して聴かないとダメか、と思ったりした。好みなのはハードロック系統のB級バ...
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The Artwoods - Steady Gettin' It :

クールなモッズバンドの原点はどのヘンだ?とモータウンあたりの源流まで行くとちょいと違ってて、60年代のモッズバンドはそんなのと英国のビートバンドが混ざり合って出来たスタイルだろうと。それが妙にクールでカッコ良くて、多分その頃は、音だけが英国に入ったから、若者達もそれが黒人の歌だとは意識しなかったからだ。ブルースもそうだけど、とにかく強烈なレコードと言うだけで、それに影響されてたというか、純粋にその...
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Andwellas Dream - Love & Poetry (1969):

英国サイケデリックとポップを語る時に必ず出てくるのが、Andwellas Dreamの「Love & Poetry」やデイヴ・ルイスのアルバムや改名後のバンドAndwellaだが、何を紐解いてもぶつかるバンドなのに全く手に入らない状況が続いてて困ったモノだ。今ではCDが再発されているので探せば手に入るしネットにもあるけど前は再発なんてあり得なかったし、アナログ盤なんて見かけなかったし、見かけてもとても買える値段だったし、結局カウンタ...
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The Pretty Things - S.F.Sorrow (1968):

コンセプトアルバムはいくつもリリースされており、そのパイオニアとなったバンドがどれかは議論にケリが付かないが、プリティ・シングスの「SF SORROW」もその狭間に位置している作品だ。英国ではアルバムリリースはザ・フーの「Tommy」よりも早かったもののそれを世に知らしめる役割を担うレコード会社の方が難色を示したため、売り出されなかった不運もあり、一般的知名度を獲得することなく「SF SORROW」はサイケの名盤とし...
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Small Faces - From the Beginning (1967):

イアン・マクレガンとロン・ウッドの仲間意識は割と強かったようで、そもそもはフェイセスからだろうけど、その前からかもしれない。それで容易にストーンズとスモール・フェイセスが繋がってしまうのもこれまた面白い。世代的には若干ストーンズの方が早い程度だけど、インパクトのあるサウンドは圧倒的にスモール・フェイセスの方だったと思う。いや、分からないけど。 スモール・フェイセスのセカンドアルバム「From the Beg...
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The Kinks - Arthur or The Decline And Fall of The British Empire (1969):

CD屋さんを覗いて何を見るワケでもなく新譜コーナーではあれが出るのかこれが出るのか…、そしてまだやってたんだこの人ってのもあったりネットで探す情報とは全く角度の違う見た目で多数の情報が収集できる楽しさはあるが、中古のコーナーも一巡りすると同じようなときめきを得られる。でも最近の傾向としてはとにかくCDって山のようにありすぎる、ってことだ。同じタイトルでももう何回もリリースされてるじゃない?リマスター...
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The Who - Quadrophenia (1973):

The Whoとジミヘンは所属レーベルが同じだったので顔を合わせていた事も多かったようで、ジミヘンのライブを見たピートは「あんな天才に敵うはずがない」と自覚したと云うから面白い。ピート・タウンジェンドが敵わないと思うほどの天才を果たして凡人に区別できるだろうか?恐らく難しいだろう。天才ピートは更なる天才を見てそう思ったらしいから恐れ入るが、ジミヘンに負けないために派手に楽器をぶっ壊すライブステージを繰...
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