Archive2021年10月 1/2

Robert Fripp - Exposure (1979):

 ヨーロッパの音楽に傾倒したBowieが名盤をリリースしていった頃、その雰囲気を作り上げていた稀代の音師、ブライアン・イーノだが、その脇で不思議な前衛感覚を音にしていくギタリストにロバート・フリップ卿がいた。そこで二人の化学反応を持ち込みながら、らしさを失わない強力なサウンドが出来上がった。クリムゾンの音は好みで聴きまくってるが、ソロ活動は着手していなかった。参加メンバーに食指をソソられなかったのと前...

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Fripp & Eno - No Pussyfooting (1973):

 キング・クリムゾンの要であるロバート・フリップ卿はその人の独特な性格と独自の楽曲センスによりクリムゾンをひとつの表現方法として使っているようだが、一方では個人の特徴的なギターを生かすためかなり様々なセッションに参加している。その発端となった作品がロキシー・ミュージックを脱退したばかりのブライアン・イーノとのコラボレーションアルバムだ。 アルバムリリースは1973年なので丁度クリムゾンが「太陽と戦慄」...

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David Sylvian & Robert Fripp - The First Day (1993):

 ひとつのバンドが解体するとまた新しいバンドやソロアーティストが誕生する。中にはとんでもない面々がタイミングの運命によってひとつのバンドを結成する時もあり、スーパーバンドと迎えられるが往々にして長続きはしないし、また成功もしない。ソロアーティストとしてポツポツとアルバムをリリースして、バンド解体後はバンド時代の曲をプレイしないで、ソロキャリアを築き上げる。ここでファンの求めるものとギャップが生じて...

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Japan - Tin Drum (1981):

 坂本龍一とコラボレーションした英国アーティストは数多くいるが、古くから今に至るまで長々と友情を保ちながら作品も出しているのはデヴィッド・シルヴィアンくらい。そもそもの出会いはジャパンの四枚目「孤独な影」に収録されている「Taking Islands in Africa」のセッションから。話によれば坂本龍一がアルバム録音のためにロンドンに渡っていた時に隣のスタジオで録音していたのがジャパンで、そこからのつきあいらしい。 ...

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Depeche Mode - Construction Time Again (1983):

 80年代に出て来た本物のバンド郡といわゆるエイティーズと後に呼ばれる売れ線バンドの違いは当時MTVでPVを見ているだけでは判別出来なかった。音を聞いてもその差は分からなかった。その違いは何だったか。もしかしたら何も違わなかったかもしれない。普通にバンドで仕事をこなしたか出来なかったか、商品に成り切れたか否かだ。今回ディペッシュ・モードのPVを見てもDuran DuranやTears for Fearsとの違いは分からない。同じよ...

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Howard Jones - Human's Lib (1984):

 無機質サウンドも80年代のひとつの特徴と挙げられるが、中でもダントツの無機質さを担っている孤独なアーティスト、ハワード・ジョーンズ。1984年3月にリリースされた「Human's Lib」は、シングルヒットの方が先だった。「New Song」がデビューシングルで一人で全てのパートを演奏してアルバムを作ったオタクな人。 サウンドは完全なる無機質テクノポップ路線で、今ではコンピュータと一緒に戯れていれば簡単に出来るけど、当時...

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Eurythmics - Sweet Dreams (1983):

 アニー・レノックスがロックシーンで名を上げたフレディ・マーキュリー追悼コンサートの出演。デヴィッド・ボウイとコラボレーションによる強烈なインパクトを放った演出が今でも目に焼き付いているが、もともと英国的ビッグイベントには必ず出演しているから彼女へのリスペクトが表れている。 彼女の存在が広まった理由は栄光の80年代、時は1983年にリリースされたユーリズミックスのセカンドアルバム「Sweet Dreams」に収録さ...

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Arcadia - So Red The Rose (1985):

 1980年代を風靡したデュランデュランはシングルヒットを立て続けに連発した後、音楽性の方向性の問題から二つのグループに分裂して更なるセールスを稼いだ。、今となっては再評価して然るべきタイミングかもしれない。元々ロキシー・ミュージックやジャパンと云ったデカダンで妖しげなバンドをモチーフとしていた事は一目瞭然だが、パワー・ステーションとアーケイディアの二つのグループに分裂するとバンド内の趣味嗜好の差がこ...

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Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger (1983):

 「懐かしのエイティーズ」なんてフレーズでしばらく前に巷を賑わせていたが、リアルタイムでまともにその時代に洗脳されていた自分は単純にひとつずつの曲にそれぞれ何かしらの思い出があったて、世間と波長を合わせる事はないが密やかにレコードやカセットテープで持っていた音源をCD媒体で入手しやすくなった環境に甘んじて集め直していた。聴き直す度にそれぞれの思い出が甦ってきて楽しいやら嬉しくないやら。そんな若かりし...

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The Power Station - The Power Station (1985):

 デュラン・デュランで一世を風靡したジョン・テイラーとアンディ・テイラーが正に全盛期に別バンドを結成し、そこでもまた当然の事ながらも大ヒットを放ったザ・パワー・ステーション。ドラムに80年代ドラマーを代表するトニー・トンプソンを据え、更にボーカルに至ってはロバート・パーマーの布陣で挑んだデュラン・デュランチームのロック魂が実を結ばないはずがない。当時はデュラン・デュランを蹴ってまでこのメンバーで妙な...

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Robert Palmer - Double Fun (1978):

 ロバート・パーマーのヒット作「Every Kinda People」は1978年のヒット作で、ここからロバート・パーマーはスター街道へと進むが、この曲の作曲はアンディ・フレイザーという話は聞いた事なかった。アナログ時代はそこまで広げなくて、いつしか知って聴いたけど全然つまらないから知識程度の話で、今回思い出したのは奇跡かも。 収録されているアルバムは「Double Fun」で、売れたからオープニングナンバーになってて、「Mr.Big...

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Andy Fraser - Andy Fraser Band (1975):

 フリーを語る時、話題は必ずベーシストのAndy Fraserになる。フリー独特のあのノリを出しているのは紛れもなくAndy Fraserでしかなく、今に至るまでこのようなベースプレイを前面に出した人はいないし、こんなベース弾く人もいない。時代の産物なのか、どうにも他では受け入れられないタイプのベースなのか、とにかく稀有な存在。それでいてフリーは今でも聴かれているから奇跡に近い存在だったとも思う。 そんな天才ベーシスト...

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Paul Rodgers - Now (1997):

 1993年の「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」で派手にシーンに返り咲いて以来、それまでのフーテン状態から一気にビジネスマンと化してセッションやアルバム制作にライブ活動とここぞとばかりに働いたPaul Rodgers。丁度時代はロック壊滅期とも言える90年代だったが、独自の活動を繰り広げていた。「Muddy Water Blues: A Tribute to Muddy Waters」が好評だったし、往年の歌声復活もあってファン側も認識して聞い...

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The Law - The Law (1991):

 1991年リリースの唯一の作品「The Law」。思いのほか売れることがなく、また積極的な宣伝活動もなかったが故の商業的失敗が大きく足を引っ張ったのか、アルバム一枚で解体。ちなみにこのバンド、CDでは詳細クレジットが全然書かれていなくて、バンドメンバーご当時気になってしょうがなかった。なんとなく漏れ伝えわってきたのは、ブライアン・アダムスが参加してる、クリス・レアもギター弾いてるくらい。ブライアン・アダムス...

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The Who - Live At The Isle of Wight Festival 1970:

 イギリス南部の女王御用達の島、ワイト島では1968年から音楽の祭典が開かれるようになり、当初からドノヴァンやザ・フーなどのバンドは出演していたが、1969年アメリカでのウッドストックフェスティバルに触発されたのか、翌年1970年第三回目のワイト島フェスティバルはかなり気合いの入ったイベントとなり、過去最も豪勢な出演者を集めて開催された。近年になってようやくその模様が映像でリリースされ、単発ではザ・フーのワイ...

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The Doors - Live At The Hollywood Bowl 1968:

 60年代を代表するバンドでありながら60年代を代表するフェスティバルであるモンタレー、ウッドストック共に出演しなかったザ・ドアーズ。質の高いライブを繰り広げていた事は最近の彼等のライブ盤のリリース状況を見れば一目瞭然で、ジミヘン並みに当時のライブをオフィシャルサイト経由で流通させている。21世紀の新たな販売戦略のひとつであるネット販売が主であるが、もちろんファンはこれに享受して何でも揃えているに違いな...

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Cream - Wheels of Fire (1968):

 1968年に最も熱いライブをアメリカ国内で繰り広げていたのは実はアメリカのバンドではなくイギリスのバンドだった。クリームはサイケデリック・ムーヴメントもアメリカ戦略と仕組まれ、大人になればなるほどに彼等のアメリカ侵略の上手さに舌を巻く。そしてその熱狂の様子を収めてリリースされたアルバムが「Wheels of Fire」である。 AB面は3枚目のスタジオアルバム、CD面はここで陽の目を見た1968年3月頃のフィルモアイースト...

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Led Zeppelin - Coda

Led Zeppelin - Coda (1982) Led Zeppelin最終楽章「Coda」は解散発表から約2年後の1982年にリリースされている。当初はショックが大きくてツェッペリンのソースを聴く気も起きなかったとジミー・ペイジも回想していたが、徐々に企画を温めてライブアルバムシリーズを計画するも頓挫して未発表曲集の発掘になった。その名残が1970年ロイヤルアルバートホールのライブソース2曲の収録に残されている。以前からどの曲もいつ頃の録音...

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Foo Fighters - There Is Nothing Left to Lose

Foo Fighters - There Is Nothing Left to Lose (1999) 90年代はそれまでのロックがほぼ息を止めた時代ながら、代わりに新たなロックの系譜が台頭して時代を担った。後から思えばそう解釈する方がロックの系譜を整理しやすいが、世界的なシーンとアメリカの流れは別の道を歩んでいる姿もこれまで以上に顕著になっている。ヨーロッパも含めて辺境の地までロックやメタルが広がりつつあった頃、英米ではメタルは死に絶え、代わりに...

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Red Hot Chili Peppers - By the Way

Red Hot Chili Peppers - By the Way (2002) レッチリの名盤は人によってかなり異なり、バンドの歴史も同じく微妙に変化しているから当然だが、大枠で見るとレッチリはレッチリだからと思われる範疇に収まっているから大成功しているバンドだ。傍目から見れば随分と好き勝手にやっている部類に入るバンドで、売れたからこそ好きに出来ているが、そもそもがフザけたハチャメチャなバンドのスタンスは靴下アビーロードを見れば一目...

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Ohio Players - Honey

Ohio Players - Honey (1975) Ohio Playersの1975年名盤「Honey」は良い。さほどファンクやソウルを知らない自分が聴いても拒絶感も違和感もなく全曲良いと感じたアルバムだ。ロックを聴き漁り、多方向に食指を伸ばした結果のファンクソウルにチャレンジを何度もした結果の今、初めて聴いて良いと感じたアルバム。ロックと意気込んでいた頃に聴いても良いとは感じなかった可能性はあるので、万人に薦める作品かは分からないが、ア...

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Kool & The Gang - Light of Worlds

Kool & The Gang - Light of Worlds (1974) 黒いサウンド系に着手して改めて不思議に、また意外にも感じた事のひとつが案外ファンク系とジャズファンク系がジャズフュージョン、フュージョンの世界とリンクしている姿。イメージだけで書けばフュージョンは爽やかなインストサウンドだが、ファンクはドロドログリグリのJB筆頭の世界と思っていたから、そのリンクの意外性を感じる理由で大いなる勘違いか、一定のバンドにリンク性が...

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The Meters - Cabbage Alley

The Meters - Cabbage Alley (1972) 1972年リリースのソウル・ファンク系裏方ミュージシャンバンド、The Metersの4枚目のアルバム「Cabbage Alley」は以前からロックよりと言われて興味は持っていたが、積極的に取り組む機会もなくて後回しになっていたので、ようやく着手している。なるほどThe Metersが黒人ファンクバンドと意識しなければロックとファンクの融合サウンドで、ロック側からの良い解釈で書けばLed Zeppelinの中期...

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Dr. John - In the Right Place

Dr. John - In the Right Place (1973) ニューオーリンズサウンドからドクター・ジョンのアプローチが気にかかり、1973年にリリースされたアルバム「In the Right Place」を引っ張り出しているが、アメリカンロックのアルバムを何も知らない年齢の頃に見つけては買っていた時期以来、好みではないと判断してからは特定のアルバム以外には着手していない。幾つかトライしたがなかなか好む程の音にはならないまま時は過ぎ去ったが、...

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「note」マガジン発刊

■過去記事を「note」でカテゴリ別アーティスト別に再編集、改訂版でリリースしました。カテゴリ別リンクは下記 ↓...

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Little Feat - The Last Record Album

Little Feat - The Last Record Album (1975) リトル・フィートの捉え方も人ぞれぞれで、正当な来歴からはザッパバンドを離脱したローウェル・ジョージが自身の才能を発揮するために組んだワンマンバンド。しかもザッパと同じくアメリカの音楽を全て網羅した姿をイメージして、ニューオリンズ風味を掛けているからひとつの個性を発揮している。一方でローウェル・ジョージのスライド・ギターがギタリストの個性を発揮しているから...

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Bruce Springsteen - The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle

Bruce Springsteen - The Wild, the Innocent & the E Street Shuffle (1973) ブルース・スプリングスティーンは全米の英雄ロックンローラーだ。1973年にフォークシンガーの流れで出てきたから、その系統のミュージシャンと思えば実はロックミュージシャンで、才能あふれる若者と知られており地元ニュージャージーでは既に有名なロックバンドミュージシャンだった。アメリカは広いからそれだけでは世界に出てこれない。ニューヨー...

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Ry Cooder - Paradise & Lunch

Ry Cooder - Paradise & Lunch (1974) 若い頃は情報が限られていたが、その中でもギタリストを聴くなら誰それと雑誌の特集や本で語られている記事を読みながら、レコードハントに出向いては探していたが、いつしかそれ自体が楽しくなり時間さえあればレコード屋を巡るような生活にもなるが、その初期の頃に様々なロックギタリストとその周辺を知った。多種多様で好みもあれば理解不能のギタリストあり、色々聴けたが当然好みのギ...

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Grateful Dead - American Beauty

Grateful Dead - American Beauty (1970) グレイトフル・デッドの世界はサイケデリックから始まりブルーグラスやカントリーへ進化していく。その過程でロックも取り入れてしまい独特のヒッピー思想が根を張り、意識しないままにサザンロックの源流にもなりオールマンやリトル・フィートへも因子を残している不思議。グレイトフル・デッド自体はこだわりを持たずに気ままに奏でる音、心地良さを探求した音を取り入れてペダルスティ...

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Santana - Santana

Santana - Santana (1969) 1969年ウッドストックフェスティバルは様々なロックレジェンドを生み出した。イベントそのものから、ジミヘンやジャニス、ザ・フーの伝説にジョニー・ウィンターやマウンテンの知られざる出演にドアーズの未出演伝説、また、リッチー・ヘブンスの度肝を抜くパフォーマンスもやむを得ない対処と今は知られている。更にスライがロックファンの市民権を獲得したイベントお目見えもあり、デビュー前の新人が...

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