Archive2021年07月 1/2
Night Ranger - Big Life
Night Ranger - Big Life (1987) Night Rangerは普通にハードロックバンドでギターテクニシャンが二人いてどちらも目立つ個性的なプレイヤーのイメージで、決してバラードバンドでもAORバンドでもなかったが、時代を振り返ると結果的にそういうバンドだったと見える。同時代をそのまま聴いていた自分からはアルバムありき、シングルはその後にカットされた曲でしかなかったからハードな曲を好んでいたし、聴いていたからバラード...
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Van Halen - Live: Right Here, Right Now
Van Halen - Live: Right Here, Right Now (1993) 70年代後期に出て来て80年代でブレイクして時代の波に乗るどころか時代の波を作り上げたバンド、Van Halenはデイヴ・リー・ロスの脱退をモノともせずに80年代を乗り越えて90年代へ突入した珍しいパターン。最初期からデイヴ・リー・ロス脱退までの方が音楽的には深みがあって、その分暗めのマイナー調が重厚だった。サミー・ヘイガー加入後の垢抜けたアメリカンなサウンドが時代...
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AC/DC - Ballbreaker
AC/DC - Ballbreaker (1995) 1995年リリースのアルバムでこのサウンドとはさすがAC/DCと唸らされる、あまりにもAC/DCらしいアルバム。キラリと光るヒットナンバーやキャッチーな曲が見当たらないので地味で印象の薄いアルバム、または前作のヒット曲ほどカラフルに目立つ作品がないから逆にこのシンプルなスタイルに戻った気もするが、その証拠にドラムには元メンバーのフィル・ラッドが復帰して古き良きAC/DCを蘇らせている。そ...
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Alice Cooper - Raise Your Fist & Yell
Alice Cooper - Raise Your Fist & Yell (1987) アメリカのミュージシャンは変わり身が早い。職業意識が強いとも言えるが、自身の音楽性が売れるならそれだけをやり続ける強さもあれば、下火になれば即座にシーンを見渡して自分の入り込む隙間を見つけてねじ込んでいく時もある。それが自分のこれまでの音楽性と相見えなくても親和性があれば突き進む。キッスのヘヴィメタル化は正にそんな代表だが、アリス・クーパーも同じく低迷...
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Cheap Trick - Lap of Luxury
Cheap Trick - Lap of Luxury (1988) ボン・ジョヴィが提示した外部ライターの曲をバンドで演奏して売れる手段はエアロスミスでも成功を果たし、その他幾つものバンドで用いられてアイドルのみならず元来音楽集団であるべきロックバンドにも用いてしまう商品化。70年代から活躍したエアロスミスの再生は同時期を生きたバンドの大半が80年代中盤には低迷していた事を考えると、自らもその手段を試してみたくもなるだろう。音楽の才...
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Ratt - Reach for the Sky
Ratt - Reach for the Sky (1988) 70年代に華々しく散ったと思われていたエアロスミスは後のバンドに大きく影響を与えており、80年代初頭に出てきたLAメタル=ヘアメタル勢の格好の指標となり、特にRattはそのファッションを大きく真似てLAメタルの代表的なバンドとスタイルを世間に示していた。思えば1983年にシーンに登場してウォーレンのトリッキーなギタープレイやPVの奇抜さも手伝って一躍スターダムにのし上がり飛ぶ鳥落とす...
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Aerosmith - Classics Live 2
Aerosmith - Classics Live 2 今では盤石のアメリカンロックバンドに君臨しているエアロスミスも70年代終盤から80年代初頭にバンドはボロボロになり崩壊していたと知られていはいるが、あまりピンと来ないくらいには古い話になっている。自分がエアロスミスを知ったのは丁度その狭間の時期でジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが戻る直前頃の最も低迷していた頃なので表舞台でエアロスミスの話題を見る事はなかった。専...
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Kiss - Animalize
Kiss - Animalize (1984) キッスの音楽的遍歴を聴くと時代の変化の著しさを激しく感じる。70年代はキャッチーでポップなR&Rながらもイメージは悪魔的インパクトを放ち、愛らしいギャップがウケたが、徐々に激しい音になりつつディスコブーム到来時は「(I Was Made For) Lovin' You Baby」でヒットを放ち、その後に陰りを見せた時代は驚きの必殺技でメイクを落として話題をさらった。そこにギタリストの交代も重なり音楽的には当時...
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Lenny Kravitz - Let Love Rule
Lenny Kravitz - Let Love Rule (1989) レニー・クラヴィッツの登場とシーンの活躍、ヒット曲とMTVの露出と時代は80年代末期頃から名を聞くようになり、90年代初頭にはかなりの名声を博していた記憶。最初出てきた時の立ち位置の難しさ、あくまでもリスナー側がどう聴けば良いのか困ったアーティストだった。当時既にロック小僧、特にハードロックやブルース・ロック小僧と化していた自分ではレニー・クラヴィッツをプリンスと同...
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Queen - The Miracle
Queen - The Miracle (1989) 80年代でほぼ活動を満了したQueenが現代でも今そこにいるかのようにメディアに取り上げられ、普通にサウンドが流れる状況は想像すらしなかった。ところが今聴けるQueenの曲の大半は80年代ではなく70年代のクィーンの楽曲が多く、80年代に大ヒットを飛ばした作品群はベスト盤には入ってくるが、名曲と語られて愛される中にはさほど入らない。どうしても時代を反映したサウンドが織り込まれているから楽...
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Trail of Tears - Disclosure in Red
Trail of Tears - Disclosure in Red (1999) ゴシックメタルと定義してもそれなりに成長過程があり、当初はヨーロッパの荘厳で陰鬱な雰囲気、即ちゴシック風味を音で表すにはひたすらスローで重くゆったりと雰囲気を出す演奏に重点が置かれ、メタルと言ってもギターの音色もヘヴィに鳴り響くチューニングやエフェクトが選ばれて編み出されていた。ボーカルに至ってはメタル特有のハイトーンボーカルではなく、地を這うような悲痛...
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To Cast A Shadow - All Alone
To Cast A Shadow - All Alone (2007) 耽美的な雰囲気の中で浮遊するか弱き女性の歌が流れる姿をメランコリックで美しいゴシック要素と捉え、背景は歪んだギターがスロウなリズムをバックにムードを出しながら楽曲が暗く展開していく姿がいわゆる嬢メタル、ゴシックメタルのスタンダードなスタイル。メランコリックなメロディであれば更にその雰囲気が強調され、美貌であれば持ち上げられる要素が増えて男世界のヘヴィメタル界で...
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Sirenia - Arcane Astral Aeons
Sirenia - Arcane Astral Aeons (2018) ロックでもメタルでも時代の潮流があり、新たな息吹が登場する際にはひとつのシーンや流行が形成されるように似た系統のバンドが続々と現れてくる。不思議なのは、シーンの流れは分かるものの同じ国から出てくるのではなく、異なる国々から幾つかづつがシーンに浮上してくるので、示し合わせたかのように次なる流行を作り上げているサミットでもあるのかと思うばかり。実際そんな事はあり得...
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Madder Mortem - Eight Ways
Madder Mortem - Eight Ways (2009) これまでに聴いた事のないサウンドとの出会いは何度もあるが、衝撃を受けて取り憑かれる場合と凄いけど好まないので二度は聴かない音に分かれる。アンビエントやアバンギャルドと形容される世界は後者になる場合が多く、聴いた時の衝撃は凄まじいがずっと聴いていられないので凄さとインパクトだけを良しとして次に移る。前者は好みが合致した場合なので数多くはないが、それでも10年スパンで...
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Imperia - Queen of Light
Imperia - Queen of Light (2007) ノルウェーのバンドを取り立てて探求した事もないが、21世紀に入ってからのロック、メタルシーンはヨーロッパのバンドの発掘と活性化、ワールドワイドシーンへの拡大とインターネットの普及も手伝って続々と日本にも情報が入り、音が聴けるようにもなっていった。一昔前ならヨーロッパのバンドは全てユーロロックと括られて、ほぼ大半がプログレだった事から思うとその情報量の変化はあまりにも...
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White Willow - Signal to Noise
White Willow - Signal to Noise (2006) 今の自分の耳で色々なアルバムやバンドのサウンドを聴き直すと以前聴いた時は気づかなかった音楽性に気づく時がある。十年単位の期間に聴き漁った多様な音楽の経験と知識が自ずと幅を広げ、時代を考慮して捉えればどの辺りの融合作でシーンに流行を意識した作り方かも推測して聴ける。素人レベルで分かる範囲だからプロが分解すると当然の事もあるが、そうして一時期限りしか聴かなかった...
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Mortal Love - All the Beauty
Mortal Love - All the Beauty (2002) 以前フィメールゴシックメタル、通称嬢メタルを散々聴き漁っていた頃も思ったが、結局この路線のサウンドを出すバンドが山のように出て来てもひとつかふたつのバンドが残ればそれで間に合ってしまい、それぞれのバンドの個性や、特に嬢メタルと言われるだけあってボーカルの女性の個性や愛らしさや歌唱力が際立っていなければ何枚ものアルバムは不要になる。生み出す側はサウンドを進化させ...
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Theatre of Tragedy - Musique
Theatre of Tragedy - Musique (2000) 90年代に進化したゴシックメタルの延長線から嬢メタルが騒がれ、創始者的バンドの数々は後の世代のアイディアに負けじとアイデンティティの確立と独自進化を狙い、それぞれユニークな方向に進化した。The Gatheringはアンビエントとゴシック・ロックの融合に進み、Within Temptationは歌謡メタルを確立したが、Theatre of Tragedyはやや遅れながらもエレポップ,デジタルポップとゴシックの...
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The Gathering - The West Pole
The Gathering - The West Pole (2009) 嬢メタル、フィメールゴシックメタルを目にして耳にした時から自分の好みがそこに留まるとはあまり思わなかったが、元来の女性ボーカル好きに加えてヨーロッパの雰囲気と荘厳なムード、シンフォニックでヘヴィなスタイルが案外マッチして今でも割と聴いている部類。一方嬢メタルを奏でるバンドは瞬時にしてシーンから消え去り、残るべきバンドしか残っていない音楽産業の厳しさも明白に見え...
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Pale Forest - Transformation Hymns
Pale Forest - Transformation Hymns (1998) 1998年にリリースされたノルウェーのPale Forestのファーストアルバム「Transformation Hymns」の衝撃が凄かった。それなりに北欧のメランコリック的サウンドも聴いた気になっていたが、リアルタイムでその頃に追いかけてはいなかったので、そもそもPale Forestを知らなかったし、後に嬢メタルにハマってからも情報量が多すぎて見過ごしていたから未着手状態だった。少々前からこの辺...
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The Third and the Mortal - Tears Laid in Earth
The Third and the Mortal - Tears Laid in Earth (1994) リアルタイムの90年代にThe Third and the Mortalのファーストアルバム「Tears Laid in Earth」を聴いたとしても恐らく当時の自分の音楽的好みからすると全く受け入れなかったし、好まなかったのは間違いない。また、その革新性にも気づかなかったし名盤と言われてもピンと来ないアルバムだったと思う。必ずしもリアルタイム時に聴いた方が良いアルバムや音ばかりでもなく...
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Ramones - Too Tough to Die
Ramones - Too Tough to Die (1984) 1984年のラモーンズはアルバム「Too Tough to Die」をリリースした時期で、ドラマーも3代目に代わり、逆にプロデュースに初代ドラマーのトミーが戻ってきている。どうにもバンド内のギクシャクした人間関係を何とか潤滑にしようとディーディーが苦心したと言うから面白い。音楽性がはっきりと決まっているから合うか合わないかだけでバンドに在籍するかしないかも決まるし、一方では人間関係く...
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Iggy Pop - Free
Iggy Pop - Free (2019) Stoogesから50年後、そのシンガーIggy Popの2019年新作タイトルは「Free」だ。世間に自由を魅せていたイギーは全く自由でなく、自由を演出していたのか、ここで初めて自由を味わっている作品をリリースと。深すぎる人の生き様。アルバムに耳を通してみればこれまでのイギー・ポップのイメージ全てを覆す最高に素晴らしいアルバム。デヴィッド・ボウイが最後の最期まで新しいサウンドの創出にこだわって作...
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The Stooges - Live at Goose Lake: August 8th 1970
The Stooges - Live at Goose Lake: August 8th 1970 The Doorsのライブパフォーマンスは当時以降のロックバンドを志す若者には相当の衝撃を与えていた。今でも伝説的に名が残りそのパフォーマンスが注目されるくらいのインパクトはリアルにナマで見ていた若者にはぶっ飛ぶほどショッキングだっただろう。クールな仕草もカッコ良いし、常軌を逸したパフォーマンスも魅力的で、存在感の凄さは天下一品。そのステージを何度か目撃し...
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The Doors - London Fog 1966
The Doors - London Fog 1966 アメリカでブルースに影響を受けて演奏していたバンドやギタリストも当時は多数いたと思われるが、後の時代に残される程のバンドやギタリストはさほど多くなく、知られている所ではオールマンやジョニー・ウィンターくらいで、もう少しマイナーなアグレッシブなスタイルを聴いておきたかったが見つからない。ところが冷静に見渡すとこの頃やたらブルースに熱を上げて演奏していた超有名バンドを思い...
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The Blues Project - Live at Cafe Au Go Go
The Blues Project - Live at Cafe Au Go Go (1966) The Blues Projectによる1966年デビューアルバム「Live at Cafe Au Go Go」。ファーストアルバムの最初からライブ盤はヤードバーズ譲りだろうか、アメリカでもこれくらいのブルースバンドはいるとばかりに本格的なブルースカバー曲ばかりを収めたカッコ良い作品。決して英国ロック連中だけがブルースをモノにしてシーンに出てきただけではないが、結果的にはあまり受け入れられ...
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The Elvin Bishop Group - Feel It!
The Elvin Bishop Group - Feel It! (1970) 時代を斬ってロックシーンを眺めると随分と移り変わりも激しいし、アメリカと英国のアプローチの違いも大きく感じる。1970年を捉えた時、英国ロックは全盛期なので当然ブルース・ロックからあらゆるタイプのロックへと発展している時期で、最も面白く見ている時代だが、アメリカに目を移してみればそこまでの進化は目立たず、オーソドックスな方向へ自然に流れているように感じる。一部...
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The Paul Butterfield Blues Band - East West (2013 Remastered)
The Paul Butterfield Blues Band - East West (2013 Remastered) (1966) 60年代の黒人ブルースのシーンも目まぐるしく進化変化していたが、英国からはブルースに影響を受けた若者達が見よう見まねでブルース・ロックを奏で始め、アメリカでは本場シカゴの白人の若者がブルースを取り入れてシーンに登場してきた。何度この歴史を紐解いてもポール・バターフィールドとマイク・ブルームフィールドの両名は特異な志向に目覚めた若者...
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Willie Dixon - Willie's Blues
Willie Dixon - Willie's Blues (1960) シカゴはジャズの歴史が深いが、同時にブルースの歴史も深く、50年代のジャズやブルースを聴くとどちらとも言い難い心地良くスウィングしたサウンドが耳に入ってくる。ウィリー・ディクソンは50年代から活躍を始めたブルースのソングライターだが、最初期はベースを弾いて歌っていた。ピアノのメンフィス・スリムを相棒にして連名でアルバム「Willie's Blues」をリリースしている。それ以...
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Otis Spann - Is the Blues
Otis Spann - Is the Blues (1960) 50年代頃の黒人ブルースを奏でていた連中の中でピアノを弾くプレイヤーが何人か目立つが、時代性を考慮すると当然正式な音楽教育でピアノを弾いていたとも思えないので、恐らくはピアノや鍵盤がある環境で育った人と思うが、それでも教会くらいしか思い付かず、稀な境遇の中から更にジャズやブルースやゴスペルを自然に吸収して演奏にのめり込んでいったのだろうか。それを言えばギターもハープ...
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