Steppenwolf - The Second

Steppenwolf - The Second (1968)
Steppenwolf the Second

 60年代のバンドの栄光が現代まで続けられているのはさほど多くはない。バンド名や代表曲レベルなら割とあるのだが、その活動歴やその後なんてのはほとんど知られていないし、知ろうとしないと出てこないし、まぁ、昔の一発屋程度な話題で終わってしまう。リアルタイムな人はそうでもないんだろうけど、さすがにこんだけ時代が経ってくると文化の一面でしかないからそうなるよね。そんな中にカナダのバンドって…って思って引っ掛かってたのがSteppenwolfでね。そう、あの「Born To Be Wild」で「イージーライダー」なSteppenwolf。「ワイルドで行こう」以外の活動って知ってる?ってな話ですな。

 1968年リリースのSteppenwolfの二枚目のアルバム「The Second」からも当時は「Magic Carpet Ride」ってのがヒットしたらしいけど、今になってはそれほど知られてないだろうし、結局失速してしまっているので、歴史の一ページにしかならなかったってのはまぁあながちハズレでもない。それでだ、このセカンドアルバム「The Second」を聴いているんだけど、これがまたなかなか、っつうかかなり時代性はあるもののロック的に楽しめるアルバムでしてね、粗雑感と言うかワイルド感はあるんだけど、それが売りでもあるし、だからと言って雑なモンでもないから割としっかりしたアルバムが創られてる。ファーストで売れたから予算回せたのもあるのかな、じっくりと練って作ったんだろうな、って具合の曲が多く聴けるし、凝ってる所は凝ってる。まだサイケの波も一部あるけど、本質的には骨太なハードロック的スタンスで湿られてて悪くない。

 概ねベスト盤だけで片付けてしまいがちなステッペンウルフだけど、その実アルバムではしっかりとコンセプト的に、バリエーション豊かに曲を取り揃えてメジャースタンスなアルバムが出来上がっているので、シングル曲なんかと同時に楽しめる。ジョン・ケイのこのダミ声ってかロック声は野性味を感じさせてくれてバンドのスタイルを確率してくれているし、軽やかでもないので好み。案外良かったんで軽く驚いたけど、そりゃそうか、とも思う。







The Guess Who - American Woman

The Guess Who - American Woman (1970)
American Woman

 1970年前後、ハードロック旋風が吹き荒れていた…、とはちょいと過剰だが、そういうロックが出てきて若者が皆飛び付いたのはそういう事だろうと。それで英国ハードロックの波はアメリカにもカナダにもヨーロッパにも上陸し、しばらくしたら日本にも上陸していてハードロックという大枠での解釈が一気に発展していった。もっともその解釈は様々あって、ブルースから始まったもののどんどんと色々なものを取り込みながら進化していったので、世界各地でのバンドがお国柄をも持ち込んで売れていったものだ。

 Guess Whoは1965年からシーンに登場している老舗バンドながらハードロックという解釈に進んだのはしばらくしてから、おそらくは英国のハードロックバンドを知ってから一気に自分たちの方向性を確立したのだろう。1970年リリースの「American Woman」が傑作として知られているってことで聴いてみればそこには明らかに英国ロックからの影響を聴くことのできる作品が立ち並ぶ。この後のアメリカン・カナディアンハードロックで顕著になる粗雑なスタイルではなく、まだまだきちんと繊細さをも持ち込んだロックという枠の中での演奏が収められているからだ。しかもメロディアスにソフトに歌を聞かせる的なのもあるからロックというよりも音楽的に優れた作品として作り上げていることは見えてくるし、その挑戦もなるほどと。一般的にゲス・フーはサイケ・ハードロック路線と言われるのはこの辺りを指しての事なんだろう。

 この「American Woman」というアルバム、タイトル曲が冒頭にあって、コレは…って思うんだけど、冷静に聴いてるとどっかで聴いたような曲調で、何だっけなぁ…と、ふと気づくと何だ、「Whole Lotta Love」じゃないか、ってことに気づいて笑った。そういうモンかね…ってな感じだが、気を取り直して他の曲を聴いていくと結構な名盤らしい作りで、決してハードロックなんてもんじゃなくてもっと繊細でアコースティクなスタイルも存分に入っているし、割と掴みどころの無いバンドと言うか、どこ向いてるんだろ?ってな具合のバンドではある。コーラスワークだって見事だし、実は歪んだギターが多くはないし、何とも形容しがたいけど、ロックという時代の産物としては良作だと思う。





Bachman Turner Overdrive - Four Wheel Drive

Bachman Turner Overdrive - Four Wheel Drive (1975)
Four Wheel Drive - 2nd - EX

 カナダとアメリカの関係ってのも結構不思議と言うかなるべくしてなっている関係と言うか、外から見るとほとんど同じ国のような、カナダ州とでも言わんばかりの関係性に見えるんだけど、実際どうなんだろう。まぁ場所柄敵国になるような事もないのだろうけど、陸地繋がりでの国境ってのは中東辺りへ行くと常に戦争の境目的な場所でもあるワケだし、日本の場合は隣国が海を隔てているからってのはあるが、色々と世界を見ているとさほど平和とも言えない状況なんだろうな、と思わざるを得ない、か。

 カナダのハードロックバンドとして一世を風靡したBachman Turner Overdriveの1975年4枚目のアルバム「Four Wheel Drive」。先日のWalter TroutのアルバムでRandy Bachmanがセッションでの参加で出てきたんで、そうかぁ、ランディ・バックマンか…ってちょいと気になってね、こっちに進んでみた次第。カナダ、というかアメリカもカナダもだけど70年代ロック好きなくせにそのヘンってほとんど通ってないんです。リアルタイムじゃなかったからってのもあるけど、どうしても繊細な英国風なロックからすると粗雑で粗野すぎての大雑把なロックってのに不慣れでね、実際それがアメリカ系の大陸型ロックの醍醐味でもあるんだが、このバックマン・ターナー・オーヴァードライブもカナダだけど大雑把な荒っぽいスタイルのハードロックスタイルで、だからこそ売れたし人気もあったようだけど、好まなかった。グランド・ファンクだって似たようなもんだったけどさ、そこまでラフなのを聴く必要性も無かったんだろうね。

 4枚目、全盛期なバンドのスタンスで前作「Not Fragile」と類似するアルバム作りという事らしいけど、そもそもこういうスタイルのバンドなんだからそうなるだろう。何だろうね、ギターリフが格好良いとかじゃなくて曲のキャッチーさがあってのギターバックが出来てきて、って感じなんだろうか、パワーコード的展開がやたらと多いイメージ。更に曲中でもオブリ的なのはほぼ皆無で一発の強引さで曲を引っ張ると言うのかな、それこそ大味な醍醐味。歌も正に、という感じだからなぁ、苦手だわ、やっぱ(笑)。ただ、このパワーとかロック魂的なのはよく分かる。文化がさ、車で長距離走るってのがあるとこういうのは聞きやすいんだよね。日本だとそこまでの長距離って日常じゃないからさ、大陸だとそういうのが日常だからこういう大雑把なスタイルが受ける。そのヘンの違いは明らかにあるもん。





Walter Trout - We're All in This Together

Walter Trout - We're All in This Together (2017)
We're All in This Together

 ブルースメンの世界ってのはやっぱり同じような場所で同じようなのをやっているからアチコチで会ったり意気投合したりするのかね。皆それなりに知り合い的なコミューンになっているようで、アチコチの人のアチコチのアルバムに誰かが参加してたりして割と面白い。今の時代でもそうだし、多分昔もそのままだったんだろうから、今回のウォルター・トラウトの作品のように新旧織り交ぜての超ベテランから同期まで含めての交流をひとつに纏めちゃいましたってアルバムはなかなかユニークで面白い。

 2017年リリースの「We're All in This Together」。モノの見事にすべてが誰かとセッションしているというアルバムで、そこに連なる顔ぶれは今の時代のブルースメンを筆頭としてシーンそのものを象徴するかのような面々が並んでいる。

Kenny Wayne Shepherd / Sonny Landreth / Charlie Musselwhite / Mike Zito / Robben Ford / Warren Haynes / Eric Gales / Edgar Winter / Joe Louis Walker / John Németh / Jon Trout / Randy Bachman / John Mayall / Joe Bonamassa

 古い所ではジョン・メイオールやランディ・バックマン、ロベン・フォード、エドガー・ウィンターあたり、途中はゴソッと抜けてボナマッサあたりからの世代が並ぶ。まぁ、実際作品を聴いているとそこまで意識しなくても何となく、あぁ雰囲気違うのが入ってきてるな、なんてのは分かるからゲスト陣営の目立ち具合は結構くっきり出ている。そもそもウォルター・トラウト自身が目立たなくなってるのか?ってのもあるけど、多分そうでもないんだろう。話題的には十二分な作品だったんだけど、自分的には全然知らなかったな。やっぱり定期的になんかこのヘンも漁らないとこういう面白いアルバムに出会えない。良かった。

 さて、中身の熱気ぶりはどの曲もバトルが繰り広げられるのでやっぱり楽しいよ。ブルースロックの醍醐味のひとつにこういうバトルってあるワケで、ハープとのバトルもあるしギターとのバトルもあるし、ただそれもバトルじゃなくて一緒に熱演していくっていうんでカッコよく仕上がっていくし、そこはもう曲というよりもプレイヤーの楽しみってなるし、聴いている方もそのバトルらしい展開にどうしても耳を引っ張られる。こんなセッションアルバム、なかなか聞けないんで久々にブルースギター好きな側面がクローズアップされて燃えたぎった作品。







Alastair Greene - Dream Train

Alastair Greene - Dream Train (2017)
Dream Train

 イヤフォンを耳に挿しながら歩いていたり電車に乗っていたりする人って凄く多いんだけど、やっぱりみんな音楽なんかを聞いているんだろうな。YouTubeなんかを見ながら、とか英会話レッスンしているとかってのもあるんだろうけど、大抵はなんか聴いているようだし。こんだけ音楽があって手軽に聴ける環境になっているし、色々なサービスがあるからそんだけ需要があるとは分かってるけど、自分からしたらどんなのが聴かれているんだろ?ってのはちょいと気になるよね。電車なんかに乗った時に周りのスマホの画面って見えるから見ててもさ、やっぱり自分がしってる音楽世界を聴いているようなのってほぼ見ることがないんだよ。ロックの世界なんてそんなモンだろうなぁ、ってかやっぱり狭い世界しか知らないんだろうなぁ、と。それでもこんだけあるワケで、一般の世界に出るとどんだけあるんだ?って不思議になる。凄い広い世界なんだろうと。

 ブルース・ロックは心地良い。そんな事で眺めていたらこれもジャケットからして結構な弾き方するんじゃない?って気になって聴いてみたのがAlastair Greeneって人の2017年アルバム「Dream Train」。カリフォルニア出身のギタリストで、アラン・パーソンズん所でやってる人みたいだけど、あまりにも情報無さすぎてよく分からん。既に5枚目のアルバムらしいので結構なキャリアだろうし、そういうセッションやってるんだから職人的にも上手いワケで、それこそニッチな世界でのプロなんだろうと。んで、聴いてみると初っ端からご機嫌なレスポールサウンドなのかな、これ。歪んだブルース・ロックが流れてきて、しかもキャッチーでスライドも刺激的に刺さってくるパターンで、音色もやっぱり好み。ハンバッカーのこの音はやっぱり良いねぇ〜、伸び伸びとしたトーンでグイグイ来る。自分のギターもこういう音出すもんなぁ、とか思ったりして楽曲云々よりもギターの音色が嬉しい一枚だ。

 アルバムの中身的にはブルース・ロックだけどロック寄りなスタンス、かな。ある種とっても自然にギターを弾いたロックバンド、凝った展開もなく普通にギター持って弾いたらこういう音になるよってくらい。自分だけがそう思うのかもしれないけど、そういう印象でね、ギターソロにしても色々なスタイルでの入り方とかプレイスタイルなんてのは研究している感はあるけど、基本本能に従ってのプレイかね。一曲ギターソロの掛け合いみたいにやってて、なかなか熱気あるので誰が参加してるのかと思ったらWalter Troutだった。なるほどそういう交流もあるわけか、と。こういうのは聴いてて燃えてくるね。あとはやっぱり大らかなカリフォルニアの大陸感は漂っているからいかにもアメリカン、というのもあってサザンロックじゃないけど、そういう気質的なのは出てくるんだね。色々な意味で聴いていて馴染みやすい音で英国のとは違うけどアメリカらしい、ブルース・ロックらしいサウンドを出しているナイスなアルバム。









Sean Chambers - Trouble & Whiskey

Sean Chambers - Trouble & Whiskey (2017)
TROUBLE & WHISKEY

 iPhoneのタッチIDが使えなくなってしまって、パスコード入れるのなんてもう面倒で面倒で…。慣れってのは怖いモンだ。しかしそれ以外は普通に使えているから修理出すほどでもないし、そもそもこないだバッテリー交換してからおかしくなってるんだから、と言いたいけど、その因果関係が証明できるワケでもないし、そのままにしとこうかと。新しいのにするかとも思うけど、10万も出して替えるのもね、そこまでの理由もないし、かと行ってホントに壊れてしまってからだと何かと不便だろうし、実は買い替えタイミングって結構難しいのかも。その意味で無条件に2年縛りで交換ってキャリアの戦略はアリなのかもね。

 ブルース・ロックってのはいつの時代もそれなりの人間たちがやっていて、いつも色々と探したりしているけど常に誰かを発見したり発掘したりしてとことん深い世界だと実感するが今回もそのヘンをちょこっと漁ってみるとまだまだ出てきます。Sean Chanbersというフロリダ出身のブルース・ロックギタリストで2017年リリース作の「Trouble & Whiskey」てのを。アルバムデビューは2003年頃って話だし、既にアルバムも何枚も出しているし、ヒューバート・サムリンとツアーもしていたっていうツワモノとのことで、そんなキャリアあってもなかなか知られてないモンなんだよね。このアルバム聞いてみようって思ったのはもちろんこのアルバムジャケットの熱血ぶり。どう見たって暑苦しく弾くブルースメンの姿じゃないですか。こういうの、ハズれないでしょ。

 ってことで聞いているんだけどもちろん想像通りのブルース・ロックそのまま。何ら変わったことのない曲調にギターフレーズ、熱いプレイに熱いボーカルスタイル、お決まりの進行とパターンで堂々と攻め立ててくるという素晴らしき熱血漢。ここまで想像通りに来てくれると実に心地良い。ギターソロはこう入るんだ、とか次の展開はこうなんだ、とか大抵のパターンは自分の思い通りに出てくる、すなわち自分ではテクニックがないから出来ないけど、彼がそのまま弾いてくれているというのか(笑)、だから心地良いんだよ。意外性はないけど、ホントにブルース・ロック、そのまま。オールドタイムなファンは疑うこと無く馴染むギタリストで味わえる人です。





Snakecharmer - Second Skin

Snakecharmer - Second Skin (2017)
SECOND SKIN

 オーソドックスなロックのスタイルはいつの時代でも受け入れられるものであろうけど、どこか新しいエッセンスが無いと当然すぐに飽きられるし、存在意義が見つからなければ淘汰されてしまうのはいつものこと。それでもオールドスクールなスタイルが好まれるという風潮もあってストーナー系なんてのも出てきてシーンになっていたりするし、70年代ロックのパターンは多分今後も踏襲されていくことだろう。その中で、ベテラン勢が集まって往年のスタイルを堂々とやってくれているというパターンもあって、それがまた面白かったりするので頼もしい。

 Snakecharmerの2017年リリース二枚目のアルバム「Second Skin」。当初はミッキー・ムーディーとニール・マーレーの発案バンドだったようで、そりゃもう初期ホワイトスネイク紛いのサウンドをベースとしたバンドってことで売り込まれていたんだけど、今回ミッキー・ムーディーは離脱しているる。新たなギタリストを入れていrのだが、これまたかなり地に足着いた往年の大映帝国ハードロックスタイルなプレイでしっかりと馴染んでいる所は見事。ローリー・ワイズフィールドの貢献も去ることながら、ボーカルのCheris Ouseyの素晴らしき歌声がバンドをグイグイと引っ張っていて実に快活。オールドスクールなスタイルながらもメロハー的な躍動感やブルースベースのくせにドライブしていくスタイルの歌唱で結構新鮮な感触を味わえる傑作。楽曲レベルもかなりのモノなので飽きることないし、これはこれは化けてきたぞ、ってな感じだ。

 一口にブルース・ロックスタイル、っていうパターンだけでもなく、多様なロックのスタイルを当然ながらアプローチに入れていてバンドの深みを出している。鍵盤はリック・ウェイクマンの息子さんで、結構なキャリアを築いているし、サウンドそのものも良い。いつの時代の音を聴いてるんだ?って思うけど、こういう音、結構オールドファンは欲しかったんじゃないか。それを結構満足させてくれる一枚。





Muse - Simulation Theory

Muse - Simulation Theory (2018)
シミュレーション・セオリー【デラックス盤】

 期せずしてまるで異なる方向へとこのブログは進むものだ。昔ほど方向性をきちんと決めて書いていないから結構その場その場の流れによるのだが、それでも漠然とこのヘン聴こうかな、とかそのヘン深掘っていけるなら面白いかも、なんて自分でも楽しみにしてたりするんだけど、何の拍子かわからんが、想定していない方向に進む。読む側はそんなん大して気にしてないだろうから何が出てきても良いとは思うんで、気にしてるのは自分だけってのも分かってるのだが、単純に自分が聴こうとしていた辺りに辿り着かないのかもなぁ…という残念感か(笑)。

 Museの新作が出てた。「Simulation Theory」ってアルバムで、今度はエレクトロニクス的サウンドだとか云々。結局評判なんかを見ている限りではMuseの音楽性の変化についていけないとかハードロック的なMuseを求めていたからどうにも許せないとか受け入れられないとかそういうのが多いようだ。そんなん意識しないで聴いてたんだけど、コレもまた凄いアルバム出してきたなぁという印象。もう相当のベテラン大御所なのにここに来てまだ更に突き進むというかチャレンジしていくスタイルも見事だし、その方向性がこれまた斬新なんだからさすがの才能だ。簡単に書けば確かにハードロック路線じゃないし、エレクトリカ路線なんだけど、それは表面の音だけの話で、どっちかっつうとロックとかMuseらしさ、ってのをそういうスタイルでどんだけ表現できるか、みたいな事に挑戦している感じか。そしてそれはしっかりと成功していて、どっからどう聴いてもMuseの音だし、同じくどっからどう聴いてもロックでしかない。ただエレクトリカ的ではあるっていうだけで。

 そういうのって既成概念ぶっ壊してのスタイルで面白いし、そんな事出来る人も多くないし、それが実現されてて、リスナーはそういう変化に対応仕切れない、正に昔のボウイもそういう風に受け止められていたけど、やっぱり結局は作品の質の高さと時代性が評価されて歴史になっている。このアルバムもMuse史の中ではそういう位置付けになるアルバムだろうと思う。むちゃくちゃレベル高いんだよ、とにかく作品がさ。だから曲がつまらないとかアレンジがどうのって話にならない。それが自分の耳に馴染んでしまう頃には好きになっちゃってるし認めている頃だろう。見事な傑作。やっぱりこの人達の信念はホントに突き抜けてる。それが作品に表れてるもん。それにしてもこういうのってどうやって作るんだろ?凄いなぁ…。







Lacuna Coil - The 119 Show

Lacuna Coil - The 119 Show
119 Show -.. -CD+DVD-

 様々な国のバンドがアメリカなりの市場を攻めようとする時、以前はアメリカの土俵に乗ってどんだけやれるか、みたいなアプローチが普通だったけど、いつしかそれを意識しなくても自分たち自身のまま、すなわち言葉も作風も曲調もすべて自分たちの国でやっているもののまま、それがどんだけアメリカで受け入れられるか、みたいな方向になっていった。Babymetalもだし、Rammsteinもそんな感じだ。そして今回のLacuna Coilは前者、すなわちLoudnessと同じくアメリカの土俵に挑んで成功を掴んだバンドとも言える。

 Lacuna Coilの2018年1月19日ロンドンでの結成20周年記念一夜限りのライブをそのまま記録したアルバム/DVD「The 119 Show」をリリース。自分的には随分と久しぶりに名前を聴いたバンドだったんで、そういえば結構面白くて好きだったな、と思いだしてYouTubeを見ながら…、ってコレ、誰?ってくらいにバンドイメージを変えていた。何でまた今はそんなメイクと衣装でやってるんだ?ってちょいと驚いたが、今でもシーンに刺激を与えていく意味で進んでいってるってことか。映像を見ているとその異様な雰囲気と、更に暗黒パノラマサーカス団を招き入れてのジョイントショウを組み上げているので、これはこれでまた新たな境地を実現している、正にイタリアならではの劇趣味が開花したショウといえるだろう。サーカスの狂気じみた雰囲気とバンドのイメージでいずれも狂い咲きピエロ的な印象を持つ。

 バンドメンバーがかなり変わっているのもあって、ギターが一本ってのだけがちょいとアレだなぁ…と。ギターソロ入るとバックの音が寂しくてね、それ以外はもう重低音とアルペジオが入り混じって、男女ツインボーカルの効果も発揮できている素晴らしいライブ。往年の楽曲にしても新し目のにしてもそのそもレベル高いから文句ないし、バンドも上手いし、それよりもフロント二人のボーカルのクォリティの高さが凄い。バンドの重い音に負けない太い歌声が強みだし、そのまま突き抜けてくる歌声はやはり素晴らしい。随分印象変わったけど、バンドの神話はそのまま生きているのでたっぷり二時間のライブを存分に楽しんだ。







The Killdares - Up Against the Lights

The Killdares - Up Against the Lights
Up Against the Lights

 昔はお国柄によってトラディショナルな音階や旋律が割とはっきりしていて、これはもうどこそこの国のだろう、とか明らかにどこそこのバンドだろうな、ってのあったんだが、今は結構通じなくって不思議。そんなにお国柄な音楽が世界を股に掛けて伝播していくなんてのは無いから、元々その土地にもコミューンなりがあってそこかで出てきているんだろうな、って勝手に想像しているんだが、どうだろうか。日本でもそういうのあったりするんだろうし…、って自信ないわ。

 The Killdaresというアメリカのダラスのバンドなんだけど、やってる音はモノの見事にアイリッシュケルト音楽そのままで、きっとダラスあたりに居着いていたアイルランド人達の子孫が集まって伝承音楽をそのままやっているバンドに違いない、と思っている。それくらいに本物のケルトサウンドが出てきているんだもん。「Whiskey In The Jar」ってやっぱ良いなぁ、って調べてたらYouTubeで綺麗な女性がフィドル弾いてるのがあったから聴いてみたらコレでした。2010年にリリースしたバンドとしてはかなり気合の入った、そして今や代表的な作品になっている「Up Against the Lights」というライブアルバム、DVDのセットモノ。冒頭からこれはこれは…って雰囲気バリバリなんで、実はロックファンもかなり聞きやすいんじゃないだろうか。Thin Lizzyの「ブラック・ローズ」好きだったら聴けるよ。歌が野郎なのがちょいと個人的にはテンション下がるんだけど、それも田舎臭くて良いのかもしれん。所々でZeppelinのリフが出てきたりするし、色々とロック好きだとニヤリとしてしまうシーンも多いし(笑)。

 なんと言ってもフロントでバイオリン=フィドルを奏でるロベルタ嬢の紅一点な華やかさがバンドに華を添えている。そうかぁ、こういうバンド出てたんだなぁ…と。The Corrs以来こういうのは出てこないかと思ってたけど、きちんとあったんですね。しかもギタリストがかなりクローズアップされた形態だからちょいとオリジナリティも強力になってるし、かなり面白い。調べてみれば結構キャリアも長くて地道に続けているようで、知らなかったなぁ。期待の「Whiskey In The Jar」はこうして立て続けに見て聴いていると違和感ないし、そこまでクローズアップされるモノでもないんだけど、バンドを知るには丁度良かった。ありがたい代物に出会えました。







Noel Redding Band - Clonakity Cowboys

Noel Redding Band - Clonakity Cowboys (1975)
Clonakity Cowboys & Blowin'

 つくづく自分の知識ってのは甘いモンなんだと痛感する。色々と漁っていきながら常に新しい発見があるワケで、そんな事も知らなかったんだ、とか忘れてるだけなのかもしれないけど、ネット時代になって何でもググって調べられるってのがやっぱり大きいわ。書籍やライナーからとかだけで情報収集するよりも一瞬で怒涛のような情報の洪水が得られるワケだし、そりゃま、知らない事の方が多いことに気付かされるだろうよ。Thin Lizzyのエリック・ベルがジミヘンとこのノエル・レディングと一緒にバンド組んでアルバム数枚リリースしていたってのは知らなかった。ノエル・レディングがバンド組んで活動してたのは知ってたけど、そのギタリストがエリック・ベルだったとは…。

 1975年リリースの「Clonakity Cowboys」なんてのから聴いてみようじゃないか…、ってNoel Reddingって人は果たしてどういう音楽的才能と言うか趣味志向の持ち主だったんだろ?ってトコから始まるのだが、ジミヘンが凄すぎて、そこに無難に普通にハードに着いていけてるだけでそりゃ才能というかプレイヤーとしての資質は余りあるのだろうけど、作る側になったらどういうのが趣味なのか、どういう音楽性を求めているのかってのは分からないからさ。その意味もあって聴いてみると、まずはそのキャッチーさにびっくりする。基本ビートルズだったんだな、って気がするもんな。そこに今度はエリック・ベルが加わっているワケで、その意味合いは?ってなトコもあるんだが、きっちりと仕事こなしてます。どころかかなり良いギター弾いてるのもあって、割とエリック・ベルもこういうのやりたかったのかな、なんて気もする。

 いずれも有名なバンドでやっていながらも地味な存在でしか無かったという共通項目もあったのか、気が合ったのかもなぁと余計な妄想。ジミヘンのバックの人達の存在や個性なんて誰も気にしてなかったんだから本人からしたらそりゃ辛いだろう。ミッチ・ミッチェルは一緒にやってたのを嬉しく思っていたという単純さはあるが、ノエル・レディングは自分のやりたい事もあったんだろうから、ジミとは離れたってのもあるだろう。その結果は売れなかったにしても一応やり遂げているのかな、という事か。アルバム的には統一性もないし中途半端な印象が強いんで残りようもないと思うけど「After All」って曲、かなり哀愁漂っててエリック・ベルのギターも見事に冴えてる。





Eric Bell - Live Tonite Plus

Eric Bell - Live Tonite Plus
Live Tonite Plus

 風の冷たさが心地良い季節、日中の日差しがやや刺さる気もするが気持ちの良い快晴な天気、正に秋から冬になろうとしている季節柄、日本、だね。ずっと外にいたら寒いんだろうけど、そんな事もないから丁度良い。丁度良いってのはホント難しいバランス。何につけてもアレコレと文句が出てきそうなものだけど、丁度良い、は気持ちが良い。ロックを聴いていても同じ様に感じるもので、気分や気候、時間や環境などに日々左右されている中で聴くロックが心地良くハマる、そういう瞬間も気持ち良い。そこまで期待していなかったけど聴いてみたら物凄く良い気分になれて得した気になる、そんな瞬間は実に嬉しい。

 Eric Bellの1996年リリースのライブアルバム「Live Tonite Plus」。まさかEric Bellが今でもアルバムリリースしているなんて知りもしなかったし、そもそも90年代だって活動していたなんて気にしてなかったしさ。ふと、フィル・リノット関連で、なんてちょこっと探してたらEric Bellのこのライブ盤が出てきて、クレジット見ればそりゃもう見事なまでにブルースアルバムで、最近の作品でもほとんどがブルース名曲群のカバーをやっているようで、なるほど、この人はブルースメンだったんだっけ、と。Thin Lizzyの頃はそういう感じしなかったけど、根本的にはあの時代の人だからブルースメンなんだわな。ボロボロのストラトで生々しい音でガシガシ弾いてくれています。別にどこか特徴的なプレイでもないし、流暢なもんでもないし危なっかしいくらいなんだけどさ、エリック・ベルか…ってなトコが感慨深い。

 ブルースの名曲群から入ってくるんだけど、歌ももちろん歌っててそりゃまそれなりな歌だし、十分にパフォーマーの役割は果たしているし、フレーズだって好きなんだなぁってのが良く分かるくらいのモンでね、何となく心地良く聴いていたんだけどやはり焦点は「Whiskey in the Jar」や「The Rocker」になるワケで、「Whiskey in the Jar」が流れてくると感極まるものがあるもんね。ヨレヨレプレイなんだけどロングバージョンになってて酒場のプレイみたいでなんか微笑ましい。これで食っていけたんだ、ってな曲だし哀愁漂ってる。そこで引っ込んでからアンコールでの「The Rocker」もボロボロってかヨレヨレってか…、あぁノスタルジック、みたいな感覚はある。なんだろう、別にどこがってんじゃないけど、響くものがある。仕事じゃないといったらおかしいけど、そこまで気を張って商売してるんじゃなくて、これしかないんだよな、って感じでライブやってるからかな。その疲れ具合が妙にハマってしまってね…、ブルースっていいな、と。





Phil Lynott - Live in Sweden 1983

Phil Lynott - Live in Sweden 1983
Live in Sweden

 ちょこっとアイルランドの香りを味わった所で、やっぱりこの郷愁のメロディーは良いなぁ、好みだなぁとつくづく思いながら聴いていたので、ちょいとそのヘンも聴き直したいな、と思ってライブラリを散策して引っ張り出してきたのが、よくわからないアルバムだったフィル・リノット名義での「Live in Sweden 1983」なるヤツ。昔は情報不足もあって、これが一体どういうモノだったのかよく分からなくて、調べ切ってもいないから単にフィル・リノットのソロライブあたりかグランド・スラム名義あたりになるんだろう、と思ってたけど。どうにもペタペタな音のおかげでライブの貴重さが損なわれてしまっていて、あまり真面目に聞けていなかった。なので、ここらでちょいと…。

 1983年の春先くらいまではThin Lizzyが存在していたので、フィル・リノットもそっちに専念していたんだろうけど、このライブは8月のライブってことで、そもそもがドラムにブライアン・ダウニー、ギターにジョン・サイクスが参加しているくらいだからThin Lizzyでのライブの予定があったところに、バンド解散で穴開けるワケにもいかないからってことでフィル・リノットのライブってことで出ていったのかもしれない。契約がきちんとしていたらそうは出来ないだろうけど、まだそのヘングダグダだったんじゃないかな…なんて邪推。その頃の新バンドとしてのGland Slam構想も出来上がってきていた、とかそんな感じなのかな。バンドなんてそんなもんだ。いずれにしても30年経過しててもしっかりとそのライブの音源がこうして聞けてしまうという事はありがたいお話。

 別に素晴らしいライブでも何でもない。ただ、Thin Lizzyやソロ曲も含めてフィル・リノット主役の楽曲でジョン・サイクスが弾きまくってるってのが若くて面白いかもしれない。そこまで弾きまくるのか、ってくらいに弾いてるんで、かなり好き勝手に出来たんじゃないか。その分きちんとギタリストとして様々な曲を弾いているものだが、そのヘン、ゲイリー・ムーアからクレームが来るのも納得するくらいに曲を無視したソロが展開される。良いじゃないか、ってね。でも彼がいたからこのライブだってきちんとドライブして成り立ってるんだよ。その功績は大きいし、しっかりと感じられる楽しみだ。決して万人進めるライブじゃないけど、ちょいとThin Lizzyってさ…ジョン・サイクスって、って思う人なら良いかもね。

 まぁ、笑えると言うかリラックスしてるな、ってのが分かるのが「The Boys Are Back in Town」の前にやってるポリスの「Every Breath You Take」だろうか。何かと思ったらそれ遊んで弾いてるってのも凄いが(笑)。



Rory Gallagher - Deuce

Rory Gallagher - Deuce (1971)
DEUCE / REMASTERED 2011

 普段の忙しい日々から離れてフラリと近場を散歩すると何とも実は伸びやかな空気が広がっている事だろう。そんなことにも気づかないでイソイソとしている日常ってのはアホみたいだな、などと思ったりする。基本的には自分の存在など無くても世の中が困ることは無いし、狭い世界の中でもそんなに影響ないだろうなぁなどとも思う。個人間になるとそりゃそうは言えなくなるとは思うけど、そう考えてるなら日常の多少のアホらしいことはおざなりにしても別に問題なかろうよ、なんて考えてしまうものだ。現実逃避したいが故のお話なのだろうけど、そういう心構えがないとねぇ…、大変ですよ、ホント。

 Rory Gallagherの1971年リリースのセカンド・アルバム「Deuce」。元々がTasteのハードブルーストリオから出てきているんだから最初のアルバムは基本その路線を踏襲していったものの、早い段階でリリースされてきたこのセカンドアルバム「Deuce」、冒頭からして意外性の高い曲が並ぶ。何が、って基本アコースティックなプレイが多い作品で、ストラトでブルースを奏でるだけじゃなくてアコギでこんだけ繊細なフレージングをしっかりとキメてくれているという作品。ストラトにしてもさほど歪ませずに割とクリーンな音でプレイをじっくりと聴かせてくれているんで、ギターを弾くという才能はアコギだろうとエレキだろうと構わないようで、しっかりとギタリストとして唸らせてくれる。なんかねぇ、ものすごく繊細なんですよ。弾き方だけじゃなくて音色の使い方とかが良く考えれてて、なのかセンスなのかだけど、ギターそのものの音の良さもきちんと出してくれてるし。

 それでさ、黄金フレーズとか展開もあるんだけど、しっかりと出してくれてて、スライドの楽しみ、派手じゃないけどブルースプレイの味わい、アイリッシュからカントリータッチまで、ハープとギターもあれば、みたいなね。歌声も若々しいから艷やかで、正直この作品だけを切り取って聴いているとブルースギタリスト専門職とは思えないんじゃないかな。多様性に富んだ優れたギタリストのアルバム、みたいなさ。多分それが本質だったんだろうと思う。時代的にブルースギターを前面に出してただけで、後々のアルバムなんかでも聴けるけど、民族的なのやアコギも含めて色々やってるもんね。その才能をここで初めて見せ始めていったというところか。初期の名盤と言ってよいアルバムだろうね。








The Prodigy - No Tourists

The Prodigy - No Tourists (2018)
NO TOURISTS

 歴史モノ読みたいなぁ…、でも最近はもう紙の本って面倒だなぁって思ってしまってやっぱりデジ本がラクだわ…となると、じゃ、どんな本買う?みたいになる。別に紙の本屋でも同じ悩みにぶち当たるんだけど、何となくパラパラ見ながらこれでいいかな、とか自分なりに納得して買えるじゃない?デジ本でもなんとなくそれらしき事できるんだけどすべてが揃っているというだけあって今度はすべてをそうやって見れるのか、となる。紙の本屋だとそこにある中で、とか出来るけど…。結局どれが良いのか色々調べることになって余計面倒…、そんな手間かかるならさっさと適当なの買って読んどけ、って話だな。そこがさ、まだデジタルな人間になれてないって事で、中途半端にアナログの良さなんかを実感しちゃってるのかな。

 The Prodigyの2018年の作品「No Tourists」。このバンド、自分のロックという歴史の中で何で登場するのかわからないくらい割と対極にあるバンドだったんだけど、どこかの何かで知ってからは大抵チェックしている。どっからどう聴いてもパンクだからだと自分では思ってるけど、今となっては古い攻撃性のあるテクノ、なんだろうと。しかも我流を変えないから古臭さも残っていくというわがまま、それが古くならない、古く聴こえない、っていうところに彼らのセンスの良さと時代への反応がある。一方どの作品も確かにあまり変わらないという気もするから、やっぱり自分ではこの手の音の深みは理解できないのかと。単にアルバム出してるだけで、もちろん作風なんてさほど大きくは変わらないよ、って言うならわかりやすいんだけど。

 そんな適当な感覚だけど聴いてて心地良いんだから面白い。ノイズのビート、そこに歌がラップ的に乗っているけどビートのひとつとして存在しているという感覚、ギターなんかないのに歪んでいるヘヴィな音達、デジタル音そのままでロックらしさはないのに、ここまでロックになってるのはやっぱり彼らの面白さ。だからずっと聴いていられる。その代わり、違いも大して分からない、でもいいんだ、それで。トリップできて興奮するんだから。そんなサウンド。





Curved Air - Lovechild

Curved Air - Lovechild
ラヴチャイルド

 昔は万人が知ってるバンドとかアーティストってのがいて、今でもそんなのから話題は繋がっていくのだが、これだけ様々な音楽が氾濫してくるともう万人が知ってるなんてのはほとんど無くなってて、アイドルですら皆が知らなくても良い地下アイドルの世界になるワケだからバンドやアーティストの世界なんてもうあり得ない。だからそういう会話もなかなか繋がりにくいのだが、一方でSNSを筆頭にそういうつながりを求める人達のツールや溜まり場ってのも見つけやすくなっていて、コミュニケーションはそこで発達させられるという時代。故にリアルで顔見ながらとか偶然に同じような趣味からっていう非効率な出会いはどんどんと削られていき、高確率で会話が成立する世界が尊重される時代。眼の前に友達だと思ってるヤツが居て、一緒にメシ食っててもスマホでSNSやってたら多分自分よりもそっちの画面の先にある方が信頼度友人度が高いから信じちゃいけない(笑)。

 Curved Airのソーニャ・クリスティーナもロック史に於いては実に際立った女性ボーカルの一人で、それはもうルックスも含めての妖しさが一番なのだが、シーンから遠ざかって21世紀になってまた登場した時のギャップの大きさから自分はもう姿を見ないようにしているのだが、歌声の方もさすがにあの妖しさをキープできておらず、なかなか残念感が倍になっている…。それはともかく90年代に突如としてリリースされた「Lovechild」というCD、当時から持っていて聴いてたのだが、果たしてこれが何なのかってのはその頃は情報無くて全然分からなかったんだよ。今の時代は便利だ。このCDに収められている音源は1973年5月頃にほぼバンドが解体している時に誰かが…、ソーニャなのかエディ・ジョブソンなのか、が中心となって録音したCurved Airの次なるアルバムに向けてのデモテープ、だそうだ。一部「Air Cut」のアウトテイクなんかも入っているみたいなので、良く分からない事に変わりはないけど、それでもすっきりした。バンドの躍動感とか一体感とかグルーブ感ってのが皆無で、ホントにこういう曲だからね、っていうくらいにしか聴こえないから全然面白みが無いんだよ。デモだって分かれば納得だもん。

 それにしてもこんだけのデモを録音しているんだから真面目に取り組むつもりだったんだろうけど、結局は未発表のまま、ドラマーもスチュワート・コープランドじゃないのはソーニャと既に別れてたって事か?などと邪推までしてしまう始末だが、それはともかく、収められている楽曲はデモだからという事を差っ引いても全く面白くないと思うのは自分だけか?CD買った当時もつまらん…って全然聴かなかったけど、そりゃそうか。こういう歴史的記録物ってのはきちんと来歴や貴重度を表してくれてないとダメですな。





Renaissance - A Symphonic. Journey

Renaissance - A Symphonic. Journey
A Symphonic.. -CD+DVD-

 レトロでノスタルジックなライブって…なんて言ってた矢先にアマゾン漁ってて見つけちゃったんで、やっぱりそれはそれで気になって聴いちゃうんだが(笑)、やっぱりそれでも新しい時代のものを見たり聴いたり出来るのはありがたいなぁ…と。幻滅しても新しいアイテムがあるということに満足するのだろうか、どうにもこの辺の心境というのは理詰めでは成り立たない所なのだ。他にも色々と出てるし、ホントにさ、このブログ設立する頃は過去作品全部書き切ってライブラリ出来たらいいな、ってくらいだったのにその間に新作とか発掘モノとか新たなる世界とかどんどん出てきちゃうんだから最初の思惑なんて何処へやら、現在進行系について行くので精一杯になっている現状、面白いよね、全く。

 Renaissanceの2017年のオーケストラを従えて行われたライブを丸ごと記録した一枚が「A Symphonic. Journey-」としてリリースされている。へぇ〜って思って曲目見ればそりゃ昔から知ってる曲ばかりなワケで、その中でもいくつかはあまり見ない曲…、「Island」ってジェーン時代の「Renaissance」に入ってる曲じゃないか?ってのもあって聴いてみちゃうんですな。冒頭の「プロローグ」からしてもうあのままだけど、機材が進歩してもっと迫力あって凄い音になってるかと思ったら案外そんなこともなく、割とライブそのままの音でちょいと軽い感じに仕上がっている、ってかミックスに手間かけてないんだろう。それでも楽曲の勝利だろうな、全部良く知ってるワケだからメロディにしてもバックにしても旋律が頭の中で鳴ってるから、そこをどうなぞってくれるかみたいな感じだしさ。その分劣化のイメージは避けられない…、そこまでアニー・ハスラムの歌声は劣化してないのが恐ろしいのだが、それでももちろん艶やパワーは無くなってるから、そのヘン補正して…、やっぱ凄い歌手だ。70歳過ぎてこの歌声と音程をキープしているのか。このヘンはもう人間国宝級だね。

 久しぶりにルネッサンスの楽曲聴いたんで、十分なライブアルバムとして自分的にはOKだったけど、やっぱり最後まで音の細さによる迫力の無さが気になったかな。歌声のパワーを考えるとそういう風に音を出すしかないのかもしれんなぁ。でも、まぁ、アニー・ハスラムの今の歌声と改めてルネッサンスの楽曲のセンスの良さを味わえたんだから良しとしよう。





Evanescence - Synthesis Live

Evanescence - Synthesis Live
シンセシス・ライヴ [DVD]

 新しいバンドだな、って思っててもそれはもう90年代のバンドだから20年以上前だぞ、ってなくらいには年月の経つのが早いなと思うようになった。00年代なんてもう超最近の話だろ、ってさ。特に音楽、ロックの事になるとそう思ってしまう。でも、そりゃもう十年単位で時間が経過していたら色々と変わってるよな、と頭では理解しているんだが、まだまだその感覚は抜けない。多分オールドリスナーは皆そうなんだろうと思うが…。その昔ゴシック・メタルをメジャーにしたバンドの筆頭格にEvanescenceがあった。アルバム「FALLEN」での衝撃的な出会いはシーンそのものを変えたと言っても過言じゃない。それくらいにインパクトがある音楽性、アルバムだったが、あっという間にメインソングライターが離脱、どうにもバンドが前に進まなくなってしまって…、ってなトコて停滞した感があったけど、その後も何枚かアルバムをリリースしてって、実はEvanescenceってバンドはエイミー・リーのプロジェクトバンドになっていた、って…、

 そのEvanescenceの2017年のライブツアーを映像化したものが「シンセシス・ライヴ」としてリリースされたが、オーケストラとの共演という事で実に気合が入っている。どころか冒頭からしてエイミー・リーがど真ん中でオーケストラを率いてピアノを弾いてて、それだけでも実にミュージシャンとしての一流さを感じられるんだけど、そこに歌が入った瞬間からもう圧倒的にエイミー・リーのEvanescenceの世界が創られていく。こんな凄い歌唱力だったんか?と疑うくらいの歌唱力の披露が彼女の最大の自信だし、Evanescenceってバンドの看板を引き受けるプライドだったのだろう。ホント、凄い歌。昔よりも太い歌声になり、声量が更に増しているんじゃないか、って思うくらいのもので、ゴシックバンドの云々がどうとかってのをすべて振り払って余りある説得力を持つ歌声。その意味ではまるでゴシック・メタルなんて無いし、そもそもメタル的な要素すらない、エイミー・リーのソロパフォーマンスだけ、ピアノとオーケストラと多少のリズムセクションだけど歌い上げられるライブ、バンド、とも言える作品だ。

 小細工なしの歌唱方法はそのままストレートにリスナーに刺さってくるし、この歌声で圧倒されない人もいないんじゃないだろうか。曲を知ってる知らないという次元は既に通り抜け、この歌声で奏でられるハートのどうやって受け止めてよいのか、みたいなところに戸惑ってしまうくらい。ホントに本気で歌ってる真摯なエイミー・リーの姿が心に刻まれる、そんな素晴らしいライブ。今どきこんだけ歌だけで感動させられるライブなんで出来るヤツいるのか?アデルが出来るくらいかな、それでもこのパワフルさはないから、圧倒的な存在感だ。それでもマイナーな世界な人なんだろう、勿体無い。この作品で世間にもっともっと知られていくと良いな。昔の名前で、じゃなくて今の凄さを知らしめてほしい。そんな素晴らしい作品。







Powerwolf - The Sacrament of Sin

Powerwolf - The Sacrament of Sin (2018)
パワーウルフ『ザ・サクラメント・オブ・シン』【初回限定盤CD+ボーナスCD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

 バンド主催のフェスってオジーのが有名で、Slipknotもやってたりするけど、後はそんなにメジャーなの知らなくて、それこそスウェーデンではSabatonが自らのフェスを開催している。それこそヨーロッパじゃ結構デカいフェスになってきてて、そこでのトリがサバトンなんで、そんなバンドを日本に呼んで一緒にやったのか、と改めてbabymetalの凄さを感じるのだが、それそれとして一方のサバトンが自国で開催した2018年のフェスのメンツが凄くてさ、最終日のトリが自分たちとしても、その前がBattle Beastで、その前がPowerwolfなんだよ。何とも漢らしいバンドが続いて聞けて、それは楽しいだろうなぁと。そのフェスだったら行きたいと思うわ。

 なことでPowerwolfの2018年の新作「The Sacrament of Sin」。ドイツのメタルバンドだけど、イメージのキワモノさ加減に比べて出てくる音はかなりキャッチーで80年代風なメタル部分があるのと鍵盤もキラキラしてたりして見た目とのギャップがあるのが売りなバンド。音楽性だけで言えばもう先の3バンドとも似たような方向性ではある。それぞれ国が違うんで、同時代的に出てきただけとも言えるけど、お互いにカバーしたりしてるから刺激しあってるんだろうな。このPowerwolfが一番キャリア的にも存在感的にも大物になるのかな、サバトンもかなり肉薄しているらしいが、そのヘンの感覚が日本からでは分からん。ま、それにしてもPowerwolfのアルバムもいつも似たようなパワフルサウンドで、今回も相変わらずキャッチーでバリエーションに富んでて名盤の域に入るレベルの作品だ。

 自分的には好きなんだけどやっぱりどこか飽きが来るのはバンドのサウンドの特性上しょうがないのか日本人の性なのか、じっくりと向き合って聴いているつもりなんだけど、どうしても似たような方向性の曲に聞こえるので集中力に欠けるのだ。バリエーション豊かでもあるんだけど、なんだろうね、その感覚。音の質感が同じだからか?でもそれはアルバムってそういうモンだし…、要は自分の取り組み方次第か。数曲単位をバラバラと聴いてるとどれも感動的なんだけどさ。多分ここのところこの手のパワフルなのを聴いてばかりいたからってのもあるから、また機を見て聴いていくアルバムにしておこう。





Babymetal - Starlight

Babymetal - Starlight (2018)
Starlight


 最近はライブもご無沙汰的になってて、それと言うのも自分が一番好きなのって70年代のバンドばっかだから、もう終わってる、ってのが大きい。そのヘンが再結成とかベストヒット的なライブで来日とかあるけどほとんど行ってない。ノスタルジックな気分で見るならそれもありなんだが、どうも今見に行っても多分何のパワーももらえないだろうし、単に思い出に浸るだけになりそうでね。まぁ、何回か色々と見に行った時にそりゃ感激したのもあるけど、いつも悲しいのはあんなパワーが無かったっけなぁ、と当たり前の事。若くて新しいバンドなんかを見ると、曲への思い入れは全然ないけど、ライブがものすごくパワフルで見てて気持ち良かったりするから、自分はライブに何を求めるのか、って思うと、多分ノスタルジックじゃなくてパワーやエネルギーをもらって刺激を受けるって事なんだな。だから出来るだけそういうライブを選んで見に行きたいなと考えるけど、今度はそもそもバンドを知らなかったりするという…。悩ましいですなぁ…。

 Babymetalは年に1回くらいしか日本で見られない。あとは海外ツアーなんだが、それも長々とはやらないからどこでもみな一回くらい見れれば良いだろうという感じで、しかもライブ時間がとても短い。1時間強がせいぜいだ。んで、値段はバカ高い。その代わり面白い刺激やネタ、パワーやエネルギー、そして斬新なインパクトなんかをたんまりと与えてくれるという何ともハイレベルなトレードオフのあるライブなのだな。今年も5月からワールドツアーしてて、それはもうYouTubeで全部チェックしてて、どうなってるとか何をやってるとか新曲云々とかスタイルが変わってどうなんだ、とか全部ね、好きだから漁ってチェックしてるワケ。んで、10月になっての日本公演が発表されたは良いけど、まるでチケットを発売する気配なし、実際チケットを一般に発売したのは多分10月入ってしばらくしてからじゃないか?普通何ヶ月も前から予約取るのがほんの二週間程度前でさ、それも凄いなぁと。まぁ、転売防止目的が大きいのだろうけど、実際入手する側には別に問題ないから良いんだが、そもそもチケット取れるのか?って思ったが、割とすんなり取れた。せっかくなのでGalactic EmpireとSabatonも見れる日で取ったから存分にライブを楽しんだことは言うまでもない。

 そしてメンバーを一人欠いたBabymetalだが、もちろんそこは大所帯のダンサー揃えて一大パフォーマンスを見せる事で圧倒的なライブを仕掛けてきてとにかく客を黙らせてしまったという力技。それに加えてのジョイントバンドからの大称賛と日本で多分初めてだと思うのだが、日本のバンドが海外のバンドも呼んでのバンド主催のフェスティバルスタイルの大成功、というまた一歩新たなステップに歩みを進めたようだ。この部分はあまり触れられる事もないけど、それって凄いと思う。日本のバンドが日本の小僧バンド集めてフェスだぜ、ってのはあるけど、日本のバンドが海外のメジャー級のバンド呼んでフェス演るぜ、って無理でしょ。ラウドネスくらいじゃないか、できるの。それでもラウドネスを超えるクラスのバンドが来たら霞んじゃうから、そこがBabymetalは出来ちゃうってのが凄い。来年あたり、もうちょっと大きめなイベントにしてってくれると面白くなるな。

 そのbabymetalの新曲が「Starlight」って最初聴いた時は何だこのアニソンは?って思ってあまり得意じゃないスタイルだなぁって思ったんだけど、ライブで聴いててその神々しさにちょいと驚いて聴き直していた。もうね、ベビメタの曲ってスルメ曲になってきてるのが多いのか、何度も何度も聴いていくとどんどんわかってくるというか…、たかがアイドルのくせにそんな深い仕掛けがしてあって、ホント完璧に出来上がっている。ニッチなリスナーにも楽しみを与えられるというか、勝手にそういう聞き方しているってか、いずれにしてもつまらないものはリリースしてこない。その信頼感は見事だ。正に完璧なチームで成り立っているから今後も期待したいしどんどん追っていきたいね。



Battle Beast - Unholy Savior

Battle Beast - Unholy Savior (2015)
Unholy Savior

 旅ってのを気軽に出来るようになると良いな、と。自分の性格の要素の方が大きいんだろうけど、突然どっか行きたい、って思う事の方が多くて、予定を立ててしっかり準備してっていうのは割と苦手だし、かと言って突然の行き当たりばったりでは不安がよぎるし、っていうどっちつかずなルーズなとこあってね。そういうのに慣れてたり大金持ちだったりすれば、そういうの気にすること無くフラリと旅に出れるのだろうが、そういうんでもないからさ。特に飛行機使う場合はそういうの出来ないから、多少は計画的にならないといけない。先日も、とある旅ブログで海外のを見てたんだけど、見事にその場で色々決めてって、飛行機にしようと思ったけど車に乗せてもらって、とかあって、それって飛行機キャンセルか?それともその場で取らなかっただけ?とか色々疑問符はあるのだが、その場での適当な判断と成り行きが羨ましい。そんな気楽な旅、してみたいね。

 女性ボーカルだけどサウンド的に漢なバンド、Battle Beastの3枚目のアルバム「Unholy Savior」。ボーカルがノーラ姫に替わってまだ2枚目のアルバムで、全体的な評判としては前作ほどのパワフルさが鳴りを潜めてしまって云々と語られているのが多いか。そうかなぁ…って聴いてみるんだけど、多少そういう感じもするけどバンドの音の範疇内での変化な気がするけどな。80年代風な雰囲気の中でのアクセプト的なスタイル、実はそこに加えて要素としてダンサンブルってのもこのバンドは内包しているし、クリーンに歌い上げるみたいなのもできちゃうし、そんな技あるなら使わなきゃ勿体無いじゃない、って考えたんだろうか、聴きやすく出来上がっているし、全然素晴らしいアルバムだ。オープニングからもうスピードチューンで何か文句あるか?って感じだし、続く曲もそりゃ軽やかと言えば軽やかだけど鍵盤の活躍でキラキラしているだけで本質はそのままだろうし、新しい血を入れている部分もあるからこういう融合としてのメタルチックなのは見事だと思う。

 あれこれ言っても皆こういうスタイルのバンド、好きだから余計にうるさいのかもね。メタルファンって言うかリスナーって基本的に変化を好まないから、結局なんか文句は出てくる。でも、大抵それを認めさせるしかないし、もとに戻る必要もない。ミュージシャン側はそれを分かってるし、自身の成長を含めて、またリスナーに飽きられない、新しいリスナーを獲得する、的なのを考えればこういう進化はありだと思う。そんな難しく考えないで、そのままキャッチーなメロディとパワフルなサウンドを楽しめればそれで良いでしょ。ホント、凄いんだ、この時代にこんだけ肉体的に暑苦しく攻め込んでくる音ってさ。このバンドは毎回次作が楽しみ。メインソングライターが抜けてしまった今でもそれは変わらない。どういう進化で来るのか、抜けた穴の埋め方にしても楽しみ。こんだけの逸材が揃ったバンドだから何とかしてくるだろうし、ボチボチそのヘンの噂も聴ける頃だろう。






Sabaton - Heroes

Sabaton - Heroes (2014)
ヒーローズ

 ロックってのはホント、自分に影響を与えてくれるし刺激を与えてくれる。自分が学んだ事、学ぼうとした事、興味を抱くことについてのきっかけとなるのは大抵ロックからだ。ポリシーとかプライド、それから英語や詩というもの、メッセージの発し方から英国という歴史、世界各国の歴史、音楽のルーツからその国々の文化、宗教、信仰と人種、そこに様々国の考え方や傾向や経済まで、古代文学や伝統文学なんかもあるし、政治への追求なんてのも出てくるし、そりゃもう何でもロックがきっかけです。何かを聴いて、これってどういう事なんだろ?って興味から調べて、そういうのを歌ってるのか、とか納得したかったし。音でもどこからこういうフレーズとか思いつくんだろ?って来歴調べてったりしてそっちにハマるとかね。それが今でもあるんだから面白い。

 Sabatonの2014年リリースの「Heroes」。コンセプトはタイトル通りそのままに「英雄たち」の物語ってことで、戦争の歴史に埋もれてしまっていた英雄たちをひとりづつクローズアップして歌詞にしているという奇妙なアルバム。これまでも様々なバンドが時事ネタ的にそういう側面からのアプローチで取り扱った曲なんかはあっだろうけど、Sabatonならではのこのコンセプト、説得力があるってモンだ。そこからこれって誰?とかどういう戦争だったんだ?とか世界史に目を向けるきっかけになるんだよね。自分なんかは世界史ってどこからどうやって着手して良いか分からない人間だから、ピンポイントの出来事をひとつづつ漁っていくというタイプで、なかなか全体がつながらないという不器用なアプローチで、何とかしたいと思ってはいるものの、なかなか纏めきれてないので、こういうピンポイントでの取り組み方ってのはわかりやすい。ただ、時代も場所もあちこちに散らばっているんでまたまた繋がらないという難点は残るが…。Sabatonって歌詞が気になってさ、歌詞が分かればもっと興味持てるじゃない?そんな時Spotifyとかだとダメだよなぁ。今どきって日本語の和訳ってやっぱりCD買わないと手に入らないんだろうな。それだけで価値あるんだろうと思う。全部日本盤CDを買わないと分からないか。どっかの英語歌詞をGoogleで訳しても意味不明になるだろうしなぁ…。

 そういいう面からCDっていうフィジカルなアイテムはニッチな価値を誇っているのかもしれない。それとHDD消失というリスクから見れば切り離されたCDは当然優位、音質もMP3とは違って密度が濃い、なんで衰退したんだ?って気もするが…、自分もあまり手に取らないからそういう事なんだが。話が別の方向ばかりに進んでいるがSabatonのこのアルバム、ベテラン領域に入っているからか安定的なSabatonサウンド、80年代メタルのテイストと分かりやすさ、そこにパフォーマンスの高さと漢らしさと戦争というテーマで見事にリスナーを虜にしているし、歌いやすい聞きやすい、それでもメタルリスナーに限らず昔のロックリスナーにも優しいという素晴らしさ、本作でも見事なまでにそのカッコよさはきちんと、以上に発揮されててメンバーがほぼ一新されたにもかかわらず一層ステップアップしていると言えよう。むしろそのおかげで曲作りもスピードチューンが減り、キャッチーな作風へと流れた気もするんで、良い方向に向かってるんじゃないかな。なんかね、一回聴いたり見たりするとどんどんハマってくんだよ。そこに歌詞の面白さとか深みってのが加わってくるから探求したくなるバンドだし、自分の興味的に物凄く刺激的なバンド。んなことでこのあたりのアルバムは良く聴いてる。





Soft Machine - British Tour 75

Soft Machine - British Tour 75
British Tour 75

 電車に乗ってると周囲の人達がスマホに熱中、というかスマホで暇つぶしをしている人ばかりを見かける。別にのぞき見する気もないけど見てくれよ、と言わんばかりに画面が見えるので、どうせならどういう年代や性別の人達がどういうことをスマホでしているんだろ?って分析なんかも面白いな、って視点でサラッと見渡したりする。それ自体をどうのって話は置いといて、女性のメルカリ率は高いし、男女問わずでゲーム率もかなりのもの。LINEやってるのは若めの女性が多いかな。オジサン連中内でのポケモンGo率もまだまだある。全般的にイヤフォン率も結構多いから当然何か聴いてるんだろうが、その中身はなかなかパッと見るだけじゃ分からないんでアレだけど、案外動画見てる人もいるから音楽に限らない。読書なんてのは結構少ないなぁ。あとキャリア的な人達で株式市場なんかを見ているのもちょこちょこ見かける。どっかにそういう分析データもあるのだろうけど、なるほどなぁ…て思って、ブログを見てる、なんてのは結構貴重な存在なんだろうし、しかもロックブログなんて今どき…とか思うワケです。やっぱり世界はニッチが楽しい(笑)。

 Soft Machineの1975年10月のライブを完璧なサウンドボードというかオフィシャルだからちゃんとミックスされた音源でリリースされた「British Tour 75」。2000年代に入ってからのリリースだけど、こんだけ音良いのも出てくるんだなぁ、とちょっと驚いた代物ではある。ソフツのライブ系はそこまで音悪いのなかったか。カセット録音的なのもあった気がするが、まぁ、このライブアルバムは素晴らしいクォリティで最先端のジャズ・ロックに挑戦していたソフツのバリバリな姿が聴けるので、結構オススメ。残念ながらアラン・ホールズワースは脱退してて、ギターはジョン・エサリッジだけど、別にそれはもうそれで、見事なギタープレイを、どころかギター弾きまくりのフュージョンソフツを聴かせてくれてるんで楽しめる。そのフュージョンソフツ、と思っていたのが自分は割と苦手で後期ってあまり熱入れて聞けてなかったんだけど、こうして色々と聴き漁ってからまたここに戻って聴いてみると、どっからどう聴いてもロックバンドだよ、ソフツは、って思う。やっぱりジャズエッセンスを入れてるだけでバリバリにロックだ。それが嬉しかった。

 このライブツアーの後にマイク・ラトリッジが抜けてしまうのでオリジナルソフツメンバーのいるバンドとしてはもう終わりになるんだが、それでもバンドは存続していくところが凄い。更にこの後、ジョン・エサリッジという武器を手に入れたことから「Softs」というアルバムをリリースしているワケだからバンドに対する思いも強かったんだろうなぁ。フュージョン全盛期に入る時に一緒にそっちに仲間入りしてればまだ存続してたのかも。そこまでの舵取りに至らなかったんだろうか、そういえばソフツって解散の理由知らないな。自然消滅的な気がしてるけど、セールス面での影響も大きかったのだろうか、そもそもそこまで売れてたのか?ってのはあるが…。そんな邪推はともかくとして、このライブ盤、かっこいいわ。これを格好良いって思う自分も変わったなって思うが、バビントンのベースも生き生きとバンドを引っ張ってるし、カール・ジェンキンスもソフツ的なフワフワを出してるし、いやいや、熱演ライブ・アルバムです。





Galactic Empire - Galactic Empire

Galactic Empire - Galactic Empire (2017)
Galactic Empire

 先日認識されなくなったHDDを諦めきれずにたまにスイッチ点けたり繋げたりしてたら、とある時にたまたま認識した…、これ幸いとばかりに一気にそのままバックアップを丸ごと取って凌いだ。ラッキーだったなぁ…、まぁ、それでバックアップ取れたってことは微妙な劣化だったんだろうとは思うけど良かった。4TBのHDDが1万円程度だったんで買ってたんだけど、1TB程度のバックアップでも一晩で終わらなかったりもするのがさすがの大容量。しかも最後の手前で止まってるし…。結局チマチマとやらないと完全なバックアップは取れなかったりするもんだ。RAIDとかならラクなんだろうか?あんまりそういう気がしないんで、ひたすら定期的に移し替えするしかないかな。

 Galactic Empireっつうアメリカ…出身のスターウォーズで使われている楽曲をバンド単位でメタルチックに演奏するフュージョンバンド、とでも言うべきか、の2017年最初のアルバム「Galactic Empire」。ネット時代の産物のようで、YouTubeでの演奏テクニックから選ばれたというかメンバーが集められたというのか、そりゃま結構な腕前のミュージシャン達がプレイしているので演奏はものの見事にスターウォーズの楽曲のメタルインストバージョン。聴いてて凄いなぁって思うのは、当然元々がクラシックと言うかオーケストラが雰囲気に合わせて奏でる楽曲だからロックとかみたいに8ビートとか変拍子ってレベルじゃなくて、リズムそのものがない、とか変化しまくってる、とか雰囲気で変わっていく、ってものだから、それをバンド単位でやるってのはそもそも全員のリズム感なりがそれなりに技量がないと成り立たない。故にメンバーのセンスがかなり問われるのだが、それを持ってしても見事に巧くて味わいもある、そしてロック的にノーミス的にプレイヤーとして素晴らしいレベルで聴かせてくれるのがこのバンドの凄いとこ。

 自分自身はスターウォーズの楽曲なんて大して覚えてないし、そうなのか、ってのばかりだけど普通に見てて聴いてて面白い、引き込まれる。ザッパなんかもそうだったんだろうし、もしかしたらスティーブ・ヴァイとかそういう方々も同じように楽しませてくれるのだろうけど、ふと後期ソフト・マシーンを思い出した。そこまでじゃないけど、ギター三人がそれぞれの役割をきちんと決めて鍵盤なしで聴かせてくれるんだから見事。しかもあの衣装着ての演奏でフレットも見にくいだろうし、それでも生で聴かせて飽きさせないんだから大したものだ。名称や衣装なんかの版権問題に発展しないように心がけながら活動しているって事らしいんで、もうちょっとオフィシャルとは言えないけど黙認するよ、ってくらいのお墨付きになれば大々的に出ていけるんだろうけど、まだそのヘン、アマチュアに毛が生えた程度なので難しいようだ。今後どうなってくんだろ?ってのはあるけど、アルバム2枚出してて、飛び抜けたバンドになることはないだろうけど、職人芸バンド的に好かれるんじゃないだろうか。なぜかず〜っと聴いててしまうんだなぁ…。



Michael Monroe - Life Gets You Dirty

Michael Monroe - Life Gets You Dirty (1999)
ライフ・ゲッツ・ユー・ダーティー

 バンドのフロントマンによるソロアルバムってのは話題にはなるけど実際さほどの作品に仕上がっている事はあまり多くなくって、やっぱり面白いモノで何かが足りないというような感じになる事が多い。全く別の方向性の作品というのもあるけど、それでもやっぱりそこまで方向性が違う作品というのでもなく、そうなると物足りない、になるんだな。結局元の鞘に収まると言うか、その方がしっくりくる、ってのかね、大体そんな感じが多い気がする。当然ソロアルバムなんだから当人がやりたいように作れるのが面白いところなんだろうけど、そこまで音楽的に幅広い才能の持ち主でもない事も多いのかね、天才という人たち以外がどうにも凡作になってしまうものだが…。

 Hanoi Rocksという稀代のバンドのフロントマンだったMichael Monroeの1999年のソロアルバム「Life Gets You Dirty」。紆余曲折ありながらこの頃にはようやく誰かに頼りながらの音楽活動から見切りを着けての自分で全部やろうとしている作品。その裏には今は亡き奥様の支えがあったからこそのソロ活動だったようだ。音楽的に良いパートナーだったみたいで、粗野なマイケル・モンローの適当な音楽にきちんと彩りを着けていたようで、しっかりと作品色になってきている。それまでマイケル・モンローって人は歌ってサックス吹くくらいの人で、とにかくハチャメチャなスタイルとあのグラマラスな美貌が売りだったからきちんと作曲なんて出来たことはなかったんじゃないだろうか。

 それがこのアルバムではドラムとベース以外はすべて自分で演奏しているという代物で、そもそも音楽的才能はあったんだろうなぁ、ギターもピアノも全部そうですか?ってくらいに弾けてる。ギターのフレーズなんかは少々ワンパターンになってる部分もあるけど、勢いあるパンクロック的なギターになってるし、やりたいリズムで弾けてるんだろうな、って気がするし。何よりも楽曲が自分自身に似合っている。ここにアンディ・マッコイのエッセンスあったらなぁ…なんて思ってしまうんだけど、それは言わずもがな。マイケル・モンローそのものの作風が見事に開花しているアルバムでジャケット以外は見事だと思う。





Heavy Metal Kids - Kitsch

Heavy Metal Kids - Kitsch (1977)
KITSCH: EXPANDED EDITION

 基本的にこのブログって何となく関連性のあるものが流れで出てくるという一大ファミリーツリー的なスタンスで書いてたんだけど、最近はあんまりそれも意識してなくって、ふと連鎖反応的に思いついたのを聴いては書いてる。それでももうかなりの数の記事が書かれているからそれ以外でってなってくるから新しいものへの比重がかかるにはかかる。それでも昔のアルバムとかまだ書き切れていないし、聞けてないものもあるからそのヘンのコレクションをきちんと聴いて埋めていかないと総まとめできないじゃないか、なんて思ったりもする。ただ、そうやっていくのも目的じゃないから基本的には楽しめるものをどんどん聴いていくだけなんだけどね。

 Heavy Metal Kidsの1977年三枚目のアルバム「Kitsch」。レーベルをアトランティックに移籍しての作品で、単純に快作。ゲイリー・ホルトンの歌声は結構好きなのでそもそもが楽しめるけど、このバンドの曲調ってのもグラマラスロック的、そしてR&Rとパンクの合いの子的、Silverhead的でもあってニッチな世界観だけど好きな世界。この辺はHanoi Rocksのマイケル・モンローが好きな世界ってのは知られた話か。グラム時代のボウイもこんな感じだったし、割と聴いたら好きな人も多いんじゃないだろうか。このアルバムでは鍵盤奏者が入れ替わってて、ジョン・シンクレアが参加、この後ユーライア・ヒープに行く事で割と知られるようになった人らしいけど、自分的にはヒープの鍵盤ってケン・ヘンズレーだからどうにもピンと来ない肩書。それはともかくとして、このアルバムリリースしてしばらくしたら解散しちゃったんだよね。そしたら「She's So Angel」が売れてしまったという皮肉。

 その「She's so Angel」は先のマイケル・モンローがカバーしてずっと歌っている曲で、自分もそこでその関連性を知ったんだけど、このアルバムに収録されているバージョンがこんなにキャッチーでポップで安っぽいシンセ中心のダサいアレンジとは知らなかった。時代だな。もっとR&R色強くしてパンクバンドと渡り合えるようなアルバムに仕上げたら良かったんだろうに、とも思うけど、このキャッチーさもなかなか見事。ちなみにHeavy Metal Kidsってのはどうもウィリアム・バロウズの「Nova Express」なる小説の主人公の名前から取られているそうな…、確かに英国ではバロウズ人気あったみたいだし、そういうもんかね、とも思うが…。





Slade - Nobody's Fool

Slade - Nobody's Fool (1976)
Nobody's Fool

 何かのアルバムの事を調べたりしようとググってみても最近じゃもうショップサイトかオークションサイトに書かれている評論程度しか目にすることもなく、昔みたいに素人の好き者が好きで書いているアルバム評なんてどこへやら…。Webだから残っていくんだろうと思ってたら何のことはない、Web貸し出しサービス停止に伴ってどんどんと消えていってるばかりで、何だかんだと結局きちんと淘汰されていってる。多分ブログサイトなんかもそのうちサービス終了です、って勝手に消えていく運命になるんだろうな。そうすると物凄い量のページが消えるからこれも打撃だろう…、ってか既にそうなってるとこもあったか。ライブラリの保管をどうするかを真面目に考えないといけないのかねぇ…。

 Sladeの1976年リリースアルバム「Nobody's Fool」。一般的に…、ま、一般的と言ってもごく一部な一般的であろうけど、Sladeってもうちょっと前のあたりで終わってるもんだと思ってただろうけど、実は結構長寿なバンドでしつこく活動しているんだよ。だからアルバムも結構リリースされていて、佳作も少なくないんだけど、何せ一度売れてしまったバンドだから故、そこで終わったイメージを持たれてしまっているのが残念。今回の「Nobody's Fool」なんてアルバムは全盛期の勢いとはまた異なる、実に味わいのある円熟味に長けたアルバムに仕上がっているとも言えるくらいの名盤。これこそスレイドの歴史的アルバムだよ、ってくらいの代物だけど全く評されることもなくひっそりと今もライブラリに埋もれている。今回なんか無いかな…って引っ張ってきたんだけど、こんなに良い作品だったっけ?ってくらいには驚いた。脳天気なカッコ悪いスタイルのロックバンドじゃなくて、きちんと地に足着けた、しっとりと聞かせる作風も持った奥深さを知らしめている。

 スライド・ギターはマンドリン、ピアノなんかも登場して実に英国らしい音を出している。R&R的なのが少ないと言えば少ないのだが、そこはもうThe Kinksみたいなモンで、大道芸人そのままのバンド感、素晴らしく音楽していて楽しい。スレイドだったらこのアルバムが実は一番良いよ、もちろんヒット曲満載の作品も聴いておくべきだけど、一発屋じゃないし、こういうアルバム作ってるからもっと聴いた方が良いよ、ってオススメするね。ジャケットがベスト盤みたいなのがよろしくないけど、奥深くて味わえる作品。素晴らしい。モノ悲しさと美しさと儚さとR&Rが同居した快作。





Sweet - Funny Funny How Sweet Co-Co Can Be

Sweet - Funny Funny How Sweet Co-Co Can Be (1971)
Funny Funny How Sweet Co-Co Can Be

 シーンで聴かれる音楽を直接自分が耳にすることがリアルタイムでは今はほとんど無いのかな。売れてるのを聴くでもなくどっかで漁るんでもないから結局何かの話題から聴いてみるみたいな事になるし、昔は大手CD屋なんて行けばそれなりに情報がたくさん入ってきてたんだけど、それもないし、ネット上だけだと新しいモノってのはなかなか入りにくくて入ってこない。格好良いのいっぱいありそうなんだけどね。ブルース系なんかもありそうだが、真面目に漁るのも結構この辺は時間かかるしね。それよりも新しい今のの流行のリズムとかパターンみないなのを知っておきたい。何らかの融合が果たされているだろうから、それこそ斬新なモノとしてね。

 Sweetの1971年リリース実質ファーストアルバム「Funny Funny How Sweet Co-Co Can Be」。この前にもFontanaからリリースしているアルバムが一枚あるけど、失敗作ってことでそういう数え方されている。どっちでも良いけど、スウィートって結構不遇なバンドで、1968年にはシーンに出てきてるけど、このアルバムが1971年リリース、その後のセカンドアルバムは1974年リリースだから結構なキャリア主。もっともその間はバブルガムポップバンドとしてシングルが売れてったので、後に歴史を紐解くと出てこないヒット曲が多数ある、だからSweetってのはベスト盤が多く出てるんだ、納得。昔レコード集めてた時、売れてた曲ってのが全然アルバムに入ってなくて、ベスト盤には入ってるのばかりで、ベスト盤ってなんか後回しって思ってたから全然聞けなくて、何だろな、って思ってたけど、そういう事か。だからこの頃のヒット曲集になってるベスト盤は必須なんだな。どっかにあるかな…。

 それにしてもこのファーストアルバム、見事なまでに売れ線ポップ曲路線ばかりである種完璧なアルバムだ。こんなにキャッチーでポップで美しい作品を聴きたくてスウィートに手を出したんじゃないけど、見事さに惚れ込んで聴いてしまった(笑)。最後の2曲だけが後につながるハードロック調ではあるけど、それ以外はもう見事に売り出されているアイドルの如く売れ線ポップバンド、いやはや、苦労するとこういうのも妥協して本来の姿とは異なる事をやらないといけないものなのだ。それでも見事なアルバムだと思う。本来やりたいのはハードロック的なのなんだけど、っていう主張があるのもなかなかよろしい。なまじっか歌上手いからこうなるんだろうね。



Red Dragon Cartel - Patina

Red Dragon Cartel - Patina (2018)
パティナ

 先日外付けのHDDに入ってるのを久々に聴こうとしたら全く認識してくれなかった。ランプも付いてるし中のHDDも回っているようなのに認識しないって事はそもそもの物理的欠陥?するとその中に入っているデータは無事なんだろうけど、このハコでは読み出せないという事か…、それも困ったなぁ、まだ思案中。思案してもしょうがないし、多分それなりに対処しないとデータは読めないままなのはわかっているんだけどさ、何かこう、こないだまで普通に繋がって聞けてたワケだから何とかなるんじゃないか、なんて甘い期待を抱いているんだよ。なんかのきっかけで繋がったらその間にバックアップ取っちゃえば良い、ってのあるし。しかしこのままだと困るなぁ…。

 Red Dragon Cartelの2枚目のアルバム「Patina」。二枚目がリリースされる事そのものが意外と言えは意外で、そこまでパーマネントなメンバーでやっているとは思ってなかったし、一発再起だぜ、ってくらいなモンで稼いでまたしばらく姿を消すのかも、なんて勝手に思ってたからさ。それがこのアルバムリリースで、へぇ〜ってなくらいに本格的な音になってきてちょいと楽しめている。ご存知ジェイク・E・リー主導のバンドで往年のギターハードロックスタイルでのバンド、案外古臭さを持ち合わせた土着的なスタイルでのバンドなので、Badlandsとオジーん時の中間というような感じではある。ただ、相当洗練されているからバンドの年齢も合わせて音と見合ったムードが出ているから地に足着いた感じか。派手派手なスタイルじゃないけど、要所要所で聴けるプレイは往年のスタイルから円熟した味のあるプレイで、さすがだなと唸らされる見事なギター。やっぱりセンスある人なんだなと。

 楽曲そのものの良さなんかはあまりこだわらなくても良いのかもね。スタイル的に十分に楽しめるバンドの音になっているし、キャッチーな事する必要もないし、バンドらしいバンドの音そのままだし、コレ、結構じっくりと向き合えるアルバムなんじゃないだろうか。フラッシーなプレイもリフとしてはいくつも入ってるし、キャリアと自信に裏付けられた本格的ロック作としての快作だと思う。ところどころのギターのエッジもジェイクらしいし、案外何度も聴いてしまいそうだ。





The Struts - Young & Dangerous

The Struts - Young & Dangerous (2018)
YOUNG&DANGERROUS

 ココ最近のいくつかの新しいバンドのアルバムを聴いていて思うが、案外まだまだロック、捨てたもんじゃないのかもしれない。そこでしっかりとリスナーが着いていけばいいな、と思う。もっとも自分が好んで聴くのはどうしたって70年代のロックの風味やテイストがオマージュされているものが多いので、結局はそこに幻想を見ているだけなんだけど、それでもロックそのものが持つ勢いやパワー、ってのが聴けるから、そうだよなぁ、ロックって格好良いモンなんだよ、と。んでどこか着いて行きたくなるカリスマ性だったり求心力だったりがあるからこそ魅力的なんだし、スターって言われるワケなんだ。そんな幻想を思い出させてくれたのがこれ。

 The Strutsの待望の2枚目のアルバム「Young & Dangerous」。2014年のデビューからの二枚目だから4年目での新作というペースでその大物感が味わえるのだが、実際はそんだけ苦労していたとも言えるのか。ライブで地道に実力を付けて自分たちの可能性を更に模索して音楽的な側面でも磨きをかけていったのかもしれない。そう思えるくらいの成熟した今の彼らを出し切っているアルバムなんだろうな、というのが聴いてて分かる。多分絶頂期。サウンド的には改めて書けば、ポップスの歴史のラインにあるロック、スター性のあるロックソング。今のメタルとかコアなものを好む連中からしたらテイラー・スウィフトと大して変わらないのかもしれないけど、昔のロック、ってこういうもんだったし、それをそのままやってるとも言えるし、当然昨今の流行も取り入れているとも言える。ギターで攻めるぜ、なんてロックじゃなくってしっかりそれぞれの役割がここ一番で出てくるようなロックソング、そんな使い方。

 やっぱり何よりもThe Strutsの魅力はボーカルにあるだろう。ここまで伸びやかに歌が出てくるバンドもそうそう見当たらない、そうクイーンのフレディ・マーキュリーのように。どうしたってダブった姿がイメージされるんだけど、それはそれで良しとして新たな若かりしフレディ的な歌を味わえる魅力。楽曲はちょうど70年代中後半のグラマラスなポップ・ロックバンドのあたりを彷徨いていて、コーラスワークやキャッチーな旋律が見事。ライブでの力が本当に付いてくると物凄いバンドになるんだろうけど、ちょこっと見た昔のライブパフォーマンスはまだまだ貧弱なものだった。どんだけ化けてくれるかなという期待感満載のバンド、アルバムはひたすら流しまくるくらいに格好良いので文句なし。気持ち良い。







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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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