Stevie Ray Vaughan - Live At Philadelohia, PA 1987

Stevie Ray Vaughan - Live At Philadelohia, PA 1987
BLUES YOU CAN USE

 昔はFMラジオで誰かのライブを放送してくれてたりしていたので、番組チェックなんかも割とやったりしてこれはってのがあればタイマーなんか無かったから勿論その日、その時間にラジカセの前で待機してカセットテープを準備してRECボタンを押していたものだ。懐かしい。今じゃそんなん考えられないもんな。それでもね、そうやって聴いて録音したものって自分の想い入れもあるから財産になってるんだよ。んで、大抵はいつしかそういったカセットテープも処分したりされたりで無くなっていくものなのだが…。自分もカセットテープってどっかの時点で相当一気に処分したもんな。皆そうなんだろうけど、レコードにしてもカセットにしても時代の変化のどこかで処分してるでしょ。このFMで放送されて録音したテープなんてのからライブ盤と称したCDがアンオフィシャルでリリースされたりしててね、今じゃそれがアマゾンで売ってる始末。しかも手を変え品を変えとレーベルも変わったり誰がどうやってリリースするのか、不思議なものだが大抵市場にはこの手のがあるんだから面白い。

 Stevie Ray Vaughanの「BLUES YOU CAN USE」は1987年6月30日のフィラデルフィアでのライブの模様がそれこそFMで放送されていて、時代も時代だから割と良い音質で録音されたのがアチコチに残ってたりした事から幾つものタイトルで昔からリリースされていたライブ音源。レイヴォーンの場合は早くに亡くなってしまったのでそこからの市場の需要が高まっていることもあってこうしたライブ盤なんかも割と受け入れられてたし、オフィシャル側でも結構な数のライブ映像とか出してたし、上手い具合に商売できてたとは思うんだけどね。近年でもレアトラックスやレアライブバージョンとか色々とリリースしてるし、そこにアングラ市場商品も相乗りしてたりして相当数のアイテムがアマゾンにいる。古くからの定番ライブであるこのソースは確かにいつ聴いても全盛期まっしぐらのレイヴォーンの充実したライブが聴けるんでなかなか気に入っているライブのひとつ。ここからオフィシャルソースにも用いられていたりするし、やっぱり充実してたんだろう。全編通しての安定感と迫力は他の割とボロボロのライブに比べると雲泥の差がある。

 デビューした辺りの音源はそれほど多くは残ってなくて、1985年頃から増えてくるんだが、この頃からはもうかなりのアル中とジャンキーな感じで覇気のあるライブってのがあんまりないんだよ。オフィシャルソースもこの辺からのが多いんだけどそこあmで名盤と言われてないのはこのヘンの理由があるからどうしても本来のレイヴォーンのプレイと比べると地味に聴こえちゃう。87年頃になるとようやくそのヘンから脱出してきて円熟したミュージシャンになりつつあって安定し始めたトコロになるんだが、結局89年には飛行機事故に合ってしまうんで実に短命なミュージシャンになってしまったのだが、それでもこのライブはレイヴォーンのライブの中でも割と上位に位置するライブに入るんじゃないだろうか。鍵盤が入ってることで音圧稼いでいるってのもあるか。まぁ、もうちょっとハジけまくってるライブの方が好ましいとも言えるが、手軽に聴けるんだったらこういうのいくらでも手に入れて聴いちゃうしね。

Jimi Hendrix - Both Sides Of The Sky

Jimi Hendrix - Both Sides Of The Sky (2018)
BOTH SIDES OF THE SKY

 アングラ音源があまりにも数多く出過ぎててオフィシャル側が自分たちがリリースする音源に苦労するというミュージシャンもいたりするのは良いことなのかどうか…、ってのはあるんだがジミヘンなんかも没後に無茶苦茶なリリース状況になっていって、オフィシャルだろってのも実はアングラリリースだったり、権利関係が複雑になってて玉石混交状態でリリースされまくってた。それもまた面白く集めてたものだが、90年代頃からは遺族が中心になって音源の権利関係を整理してって、そこに馴染みのエディ・クライマーとかも巻き込んでジミヘンコレクションを整理しつつ市場を見ながら着々と残された音源をリリースしていってくれている。おかげでリスナー側も安心して集めていける状況にはなったんだが、それでも色々な纏め方があって、そう来たか、みたいなリリースもあったりしてまだまだ混乱は収まらずにリリースされ続けている状況。

 世の中がiPhoneとかSNS中心になってしまった事でWebでのブログや普通のネットの情報蓄積が薄れてきて、近年、特にココ10年くらいの例えばジミヘンのリリースされた音源が曲単位でどのアルバムにどのソースが入っているのか、みたいなマニアックなサイトが更新されることもなく、放置されてしまっていることから今の状況を知る事が簡単にはできなくなっている。結局は好きな人が自分なりに情報を整理してまとめてコツコツと続けていくしかなくて、本来のマニアックな楽しみ方に戻りつつあるのかもしれないな。海外サイトまで漁ればあるとは思うけど、例えば今回未発表って言ってる音源って、オフィシャルのあのヘンのアルバム(編集盤)に入ってるけど、録音日が違うとか、アングラ音源まで含めて出回っているソースだとこうだああだ、ってのも含めて情報としては整理したいじゃない?ん?そんなこと思わないって?ま、そうかもな…。

 Jimi Hendrixの個人的にはかなり快心の編集盤だと感じた一枚「Both Sides Of The Sky」がリリースされた。未発表バージョンの感動ってのもあるけど、音が良い。ここまで音良く復元出来てジミヘンのギターも迫力満点に再現出来ているんだから素晴らしい。今時の録音っても通じるんじゃないか、ってとまでは言わないけどさすがのサウンド。作り上げたメンツにエディ・クライマーがいたからこその音なのか、凄いなぁって感動。そこに来て初っ端からしてあまり耳にした事のないスタジオ録音の楽曲が続く。この編集盤の売りは全部スタジオ録音ソースってところで、それもセッションレベルじゃなくってきちんと楽曲の体を成している、即ち普通にスタジオ録音アルバムとして位置付けられるソースばかりということで、なるほどオリジナルアルバムとしての色が強く、これまでの「ピープル、ヘル・アンド・エンジェルス」とか「VALLEYS OF NEPTUNE」の続編、言い換えれば3枚目の没後オリジナルアルバムみたいなもんだ。ほとんどBand of Gypsysの演奏中心だしね。そこへ来てスティーブン・スティルスやジョニー・ウィンターとのジョイント、ちょいと知名度落ちるけどロニー・ヤングブラッドも一緒にやってるね。んで、もちろん目玉にもなってる「Here My Train a Comin'」はExperienceの二人が参加しての録音という、50年経ってもまだこんだけのアルバムがリリース出来るのかって驚きの方が大きいが、実に素晴らしいアルバムが届けられた。普通に作品としても多様なアプローチの音楽が詰め込まれていてゲスト陣も豊富で、良いアルバム、アメリカの情景を思い起こさせるサウンドが聞こえてくる名盤だ。






Cream - Detroit Wheel 1967

Cream - Detroit Wheel 1967
デトロイト・ホイール 1967

 時代は着々と変化しているなぁと。こんなもんが何でまたAmazonの通販に出てくるんだ?ってのと出てきてもおかしくはないな、ってのとあるんだが、そんな無法状態で誰でも何でも載せて良いのか?ってのを考えるとあんだけビッグなサイトなのにやっぱり所詮はな…みたいなのも思ってしまう。消費者側からすりゃ別に何でも色々なものが買えれば良いんで、そんなこと気にしないでどんどんアイテム増やしてくれってな話だろうね。自分的にもそうは思う。ただ、昔からしたらあり得ない事だし、それも堂々と誰の目にも触れるトコロでアングラ音源をネットで売りさばいちゃうってさ、良いのか?50年経過したから著作権切れてるから良いとか、そもそも誰の著作権があるんだ?とか実際アングラ音源ってのはそこまで言うなら録音した人に著作権あるんじゃないか、とか色々議論があってややこしいみたいなのだが…。

 GWだし、ちょいと目新しいシリーズやってみるかなってことでやっぱり自分のロック好きの原点ともなる70年代前後の王道ロックバンドの音源漁り。オフィシャルでも発掘シリーズ出てきたり、到底オフィシャルじゃないだろ、ってのからも出てるけどアマゾンで誰でも買えるんなら立派にオフィシャル権あるんだろ、って解釈でいいかと。そんなことで目についたものを片っ端から…ってか昔からその辺のアングラものを聴くのも普通だったし、往年のリスナーはどうしてもそっち入っちゃうでしょ。それが万人が聴けるものになったってことは喜ばしいことでもある。ただ、ミュージシャン側への印税が入らないだろうな、ってのは気が引けるので大々的に紹介ってのはあまりしない方が良いんだろうなと本能的には思ったわけで。

 Creamの「Detroit Wheel 1967」。オフィシャルのクリームのライブ音源はほぼ1968年のライブソースからのもので、割と落ち着いた演奏、あれでもね、まだ落ち着いている、というか完成している演奏を収録しているんだけど、1967年頃ってのはまだまだ荒っ削りで魂迸ったプレイだけでアドリブをガシガシやってるんだな。いや、68年はもっと完成してたけど、バトルにまで発展しちゃったじゃない?ここではその手前、まだバンドアンサンブルというかホントにアドリブのぶつかり合いを楽しんでいるという様相が聴けてクラプトン圧倒的に有利、という感じでどの曲もプレイされている気がするもん。ジャック・ブルースももちろんブイブイ出てきてるけどさ、クラプトンスゲェよ、ここは。こんなのやってたら命削るだろって思うんだが今でも健在っていう不思議。ジミヘン並みの激しさをガンガンに出しててこりゃもう聴いてるモン皆が皆唖然としてたに違いないっていうライブ。普通にクリーム好きだな、あのライブ盤かっこよかったもんな、なんて思ってる人がコレ聞いたらもう戻れないよ、間違いなく。オフィシャルのライブ盤がつまらなく思えてくるからさ、それくらいの衝撃ってのを覚悟してほしい。ってかオフィシャルで出してくれよ。

 ライブアルバムリリースも目論んでいたんだったら分かるんだけど、しっかりと聴きやすいっていうか普通に卓録されたテープが元音源だから生々しさはそのままだけどしっかりと音源に集中できるレベルのクォリティで真面目にライブにハマっちゃう見事なライブ。こういうのがロックだよ、ホント。今の時代ではまずあり得ないロックの熱さ、魂のぶつかり合い、みたいなのがココにある。

Live in Detroit '67

The Who - Live At The Fillmore East 1968

The Who - Live At The Fillmore East 1968
LIVE AT THE FILLMORE

 アンダーグラウンドで出回っていたソースがオフィシャルからリリースされるという事がいつからか割と行われるようになってきた。もちろんリスナーの一人としてはオフィシャルからアーティストなりプロデューサーなりがきちんとスタンスを理解してリミックスやリマスタリングを施して出してくるのだから生々しいアングラ音源とは異なり作品としての側面が強調されるものとなり、それは即ち商品価値を持つレベルのモノになるってことで期待しては購入していた。やっぱりね、どんだけアングラで知っててもオフィシャルになったら入手して聴き比べたりするんですよ。それによってマスターテープからいじってるんだ、とかやっぱりイコライジングレベルか、とか色々とオフィシャルでの苦労加減を知るっていうのも楽しみのひとつだし。

 The Whoのとても良く知られた1968年のフィルモア・イーストでのライブが今回「Live At The Fillmore East 1968」としてオフィシャルリリースされた。ソースそのものはアングラで古くから知られているもので、それなりに音の良いものも出てきていたので目新しさはさほどないが、その音の作り方ってのはやっぱり生々しいアングラモノとは一味違った、しかも今時の機材でのリマスタリングだからね、当然良くできてる、って思ってるけど、やっぱり時代が時代の代物だからここまでなんだろうなっていう音であるのも確か。んでもさ、ジョンのベースがこんだけ聴けるってやっぱりうるさかったんだろうなぁ…とかキースのドラムだってどんだけドタバタシャリシャリ鳴らしてたかってのもよく分かるし、そもそもThe Whoってのはとんでもなくうるさいバンドだったんだから音源として記録出来たってこと自体が奇跡なのかもしれない。だから物凄く音が割れないようにして全ての音を録ってたんだろうなぁ、と。まだ精々4トラックの時代で、ライブ録音なんて本気でやらなきゃ2トラックがいいところでしょ。それをどんだけの音に仕上げるか、だったんだもんな…、そりゃそうか。

 このライブ音源ってこの頃既にライブアルバムをリリースする構想があって、それ向けに録音してたから残ってたって話。何らかの理由でライブアルバムは見送られたらしいけど、多分ピートの作曲能力の高さからライブアルバム出すまでに新作まるごと出来上がるくらいの曲が仕上がったじゃないだろうか。まだまだ駆け出しの頃のThe Whoと勢い有りまくりの頃のピートだし、だからこそ「Tommy」だったワケで。うん、まだ「Tommy」なんて無かった頃のライブで、スタジオ盤だととってもおとなしく聞こえる楽曲郡がこんだけうるさく恐ろしいまでに暴れまくっている曲に変貌していて、どんだけのライブバンドなんだってのをマジマジと知ることになるだろうライブ。挙句アングラでも出てきたことのない長尺版の「My Generation」の30分以上のジャムセッション、いやはやどんだけThe Whoの事を知ってるとか好きだとか言っててもこんだけのライブを聴いちゃうと圧倒される。もちろんここで始めて初期The Whoのライブに接する人はライブ全編とにかく圧倒されまくること間違いないだろう。それくらいに世界を制するライブバンドと言われたThe Whoの凄さを味わえるぶっ飛びの一枚。スゲェ…。




The Jam - All Mod Cons

The Jam - All Mod Cons (1978)
オール・モッド・コンズ

 誰もが皆誰かの音楽の影響を受けていて、そうなりたいそういうのがやってみたい、自分ならこうだ、ってのが色々あって、更に才能がそこをプッシュする形で初めて自分自身の音楽的なモノってのが出てくる。それは新しいものになる事もあるだろうし、所詮は何かをなぞるものでしかないのかもしれない。面白いことに才能のあるミュージシャンって大抵はそれほど多くの音楽を聴いてなかったりする。才能があるってのはそういうことだからさほど他人の音楽を聴いてそこから吸収するなんてことをしなくても自分の音楽が出てくるんだろうね。もちろんそうじゃなくてコレクター気質な人もいるんで一概にとは言えないけど、たくさんの音楽を聴いてオリジナリティを探すのではなくって、何かのきっかけで音楽を始めて勝手にオリジナリティが確立されるのがミュージシャン。…意味不明だ(笑)。

 The Jamの1978年サード・アルバム「All Mod Cons」。パンクシーンの流れにノッて出てきたバンドと思われがちではあるけど、元々はモッズバンドとして確立していこうとしていたのは有名な話。モロにThe WhoやThe Kinks、SMall Facesからの影響を受けてて、そのまんまのサウンドをちょっとソリッドにした形で出している、それが若気の至りとパンク的アプローチが強かったから丁度シーンで受けたって事だ。とは言え、しっかりと独自性を打ち出して生き残っていった数少ないバンドのひとつだし、今じゃポール・ウェラーって言えば大御所ミュージシャンの一人なワケで、まぁ、そこからThe Jamを思い出す人も多くはないんだろうけど、それくらいThe Jamよりもポール・ウェラーの方が有名になってしまったってことで、良かろう。

 さて、この三枚目のアルバム「All Mod Cons」では相変わらずの尖ったパンク的エッセンスに包まれたビートの聴いたサウンドが繰り広げられており、そのスタンスはデビュー時からあまり変わっておらず、どころかむしろソリッド感が増してThe Jamって個性がどんどん出されているかのように思える。それでいながら英国ロックさながらの風味はしっかり出しているからししっかりとそこに根を張っているのも分かる。要するにロック的なアルバム、ってことでカッコ良い。面白いのはそれだけじゃなくてきちんとチャレンジもしていたり、正に英国ロックと言わんばかりのメロディラインを打ち出したロックもあったりして、そりゃ好まれるわな、ってニヤリとしてしまう。ある種全然昔と変わらないロック魂そのまま、自身の曲をオマージュに入れ込んでみたり逆回転やったり、色々と楽しんでるなぁ…。


The Damned - Music for Pleasure

The Damned - Music for Pleasure (1977)
Music for Pleasure

 英国人が一番最初にパンクなるものに触れた瞬間って大抵はダムドだったんじゃないだろうか。ピストルズやクラッシュってのはその後に出てきているし、もちろんピストルズのセンセーショナルな言動がテレビを賑わせたことでパンクって…みたいなイメージを強烈にしたのは間違いないだろうが、音として一番最初に聴いた妙なサウンドってのは多分ダムド。音楽シーンに敏感であればあるほどダムドを最初に聴いたんじゃないだろうか。そして「何これ?」ってなったんじゃないかなぁ…と勝手に想像。その勢いや適当さ加減、それでいて妙に尖ったスタイルと元々ロックが持っていた反抗心みたいなのが思い切り出ているというのかね、それこそロックだよ。

 The Damnedの1977年にリリースされたセカンドアルバム「Music for Pleasure」。これにて翌年に一旦ダムドは解散している。恐ろしく短命なパンクバンドだったが再結成までの時間も早かった。やっぱり適当と言うか考えてないっつうか、勢いだけって感じなのか、とにかくそれでも英国ロック史では音楽的にも重要な役割を担っていくことになったんだからこの後の復活劇は良かった出来事と見るべきだろうし、実際自分的にもその辺のダムドって好きだからね、良かったんだよ。んで、一方このアルバムをリリースした時のバンドの状態はあまりよろしくなかったようだ。そもそもプロデューサーにシド・バレットを要請したってさ、どうしんだよ、ってな話だけど、それ自体はダムドらしい。結果的にはニック・メイソンになってしまって、しかもその流れからロル・コックスヒルまで参加するという英国ロックの歴史でこんな融合を果たしたことはまずないだろうし、これからも多分無かろうと思う。パンクとプログレがくっついてんだぜ?

 それ自体は驚きだけど、中味は明らかにパンクが勝ってる(笑)。いや、プログレ的にパンクを処理しようとしても無理だからさ、結果的にパンクエッセンスが出ちゃうんだよ。それを制御なんて出来ないもん。最後の「You Know」くらいかな、ロル。コックスヒルのサックスが出てきてるからちょいと落ち着いたロック的に聞こえるのは。他はもう相変わらずのダムド節。全体的にレベルアップしてるってのもあるんだが、粒ぞろいになっちゃった感が強くて飛び抜けた曲が見当たらないのがちょいと残念。聴き込んでいくとなかなか練られてるしエッセンスはしっかりパンクそのものというのは分かるんだが、キャッチーさが足りなかったか。んでもさ、案外ギターが生々しくって良い音してるんだよね。ヘンに処理されてないからこれはこれで好きなサウンドです。


Girlschool - Demolition

Girlschool - Demolition (1980)
DEMOLITION

 あまり意識したことなかったけどモーターヘッドのサウンドってのは明らかに英国ロックの脈流で、その流れを組むバンドも世界中に出てきているというんだよね。ハードロックでもパンクでもメタルでもないモーターヘッドロック、と言うべきひとつのジャンルかもしれない。同じような流れってのはハノイ・ロックスなんかもそうで、R&Rとパンクとちょいとブルースやジプシーの流れみたいなのでね、割と不思議なところを縫っていくバンドだった。それら含めてメタル系ってのはあまりにもあまりにもだったなぁ…。

 モーターヘッドの妹分バンドとして知られているGirlschoolの1980年最初のアルバム「Demolition」。全く驚くことにモーターヘッドが出していたR&Rとパンクのエッセンスと疾走感を煽るかのようなサウンドをそのまま打ち出して、さらに女性バンドだから当然だけど、普通に女性の歌声でそれを歌われるワケだ。そうした結果どうなったかってぇとモーターヘッドと同じような世界観に加えて女性ボーカルならではのキャッチーさ、ポップ感ってのが出てきて更に融合された完成していくサウンドが出来上がっているのだな。だから今でも当然そんなバンドのフォロワーすら出てこないし、いやいや、本人たちもほぼオリジナルメンバーで今の時代でも活動しているってのが凄い。もう30年やってるんだよ、おばちゃん達さ。自分の周辺のおばちゃん、おばあちゃんを想像してほしい、それがこんなサウンドをステージでやってるんだよ。有りえん…。

 「Demolition」は当然デヴューアルバムだけど、ある種オリジナリティは全く無くってモーターヘッドを女性が歌っているというだけ、とも言えるサウンド。ただ、やっぱりキャッチーなのは面白いね。何がそんなに普通のバンドと違うんだろ?ってぇと英国らしさ、なのかもしれない。やっぱりそこは当然だけど香りが強烈なんだもん。どこかプリテンダーズ的でもあるけど、当然もっとハード、今聞いてても新鮮な音です。そして、カッコよい。そこはもうしっかりしてる。ロックってのは生き方なんだよな。









Tank - Breath Of The Pit

Tank - Breath Of The Pit (2013)
Breath Of The Pit

 雑誌が売れない、新聞も売れない、テレビも見なくなる、全てスマホ系に移り変わっていくという始末、それはそれで便利な方向なのだろうけど、本をゆっくり読むにしても何にしてもスマホやiPadなんだから始末が悪い。それひとつでやることが移り変わっていくんだからラクなんだが、依存症のようになってしまうんだな。そんなのが世間に山ほどいる。多分これからの時代は支払いやカードなんかもそっちに移っていくだろうし、ますます依存型が進むんだろう。ある種怖い気がするから自分的には色々と分散しておきたいな、とは思う。ただ、少数派だろうから残れないだろうな…。

 Algy Word's Tank、昔のTankからアルジー・ワードが抜けたんでTankは解体かと思われたらミック・タッカー達はそのままオリジナルメンバーがいないままでTankを再結成してアルバムをリリースしていった。ところがその音楽性は以前の面影の欠片もなく、単に名前だけを使って新たなメタルをやっているというバンドで、Tankの面白味には欠けるものだった。それもあってか、オリジナルメンバーのアルジー・ワードは自分の方がTankだろ、ってことでメンバーを集めて別のTankで再起動、それがアルジー・ワードのTankなワケだが、ややこしい。そのアルジー・ワードの再起動Tankの最初のアルバム「Breath Of The Pit」、2013年リリース作品。ちょっと待て、2013年でこの音か?いいのか?80年代のあの頃のアルバムと同じくらいのドンシャリ音でのアルバムだぞ?狙ってるんだろうな、きっと。だって、ボーカル同じ人だから衰えなんてこれじゃ分からないし、バンドの音も潰れてるから昔のTankの音に近いし、もちろん楽曲も昔のTankの勢いと攻撃性を保ったままの作品なので1986年の発掘アルバムっても皆信じるレベル。それくらいに見事な出来映えでこの手の音が好きなリスナーには受けるはずだ。

 どうしても新しい録音のアルバムってのは昔と比べると云々なんて思うんだが、そんなこたない、しっかりと面白いです。ってかこういう音を出してくれるバンドがなかなかいないから楽しませてくれる。楽曲のレベルそのものは昔に比べりゃ、イマイチ感はあるが、それでもこのレベルなので文句も出ない。ガンガンやってくれ、とばかりにロックしてくれている。物事の流れ的にはあっちのTankが本流なのだろうが、音的にも声的にもこっちのTankの方がど真ん中。


Warfare - Metal Anarchy

Warfare - Metal Anarchy (1985)
Metal Anarchy

 どのミュージシャンもそうだろうと思うのだが、自分がこのジャンルをやりたいとか極めたいとか思って始めている人もそれほど多くないだろうが、結果的にはどこかの何かのジャンルに括られていくものだ。それが今思えば新しいジャンルの創始者だったと言われることはあるだろうけど、それでもどこかに属する。先日モーターヘッド聴いてて、彼ら自身はパンク的なバンドという認識だったんだろうが、結果的にはメタルの世界と同列で扱われることが多かった。それはロゴインパクトだったり音のヘヴィさなんかもあっただろう。そうやって括られるのもよろしく思っていなかったみたいだけど、どうしようもないもんなぁ…、自分たちで発信するしかないけど、そんなもんイチイチ語ってられるかってのも男らしく黙って音楽聴け、的なトコもあったし、なかなか難しい。ただ、ファンは分かってるからそれで良しとしていたんだろう。ジャンルの間にいるバンドはなかなか悩ましいトコロもあろうかと。

 Warfareってこれもまた英国のバンドの1985年のセカンド・アルバム「Metal Anarchy」。何とプロデュースにレミーが参加してて、元motorheadの肩書を持つメンバーも参加しているという作品で、Warfareの最高傑作と言われるアルバム。さてさて、なんて思ったらこのジャケットだ。再発盤じゃ随分スマートにカッコよくまとめられているけどオリジナル盤は色鉛筆でのメンバーイラスト…、う〜ん、センス無さ過ぎってウケただろうなぁというか言いたいこととかバンドのポリシーとか分かる気がする。やったるで〜的なメッセージを感じるもんな(笑)。このインパクト通りにアルバム全体感としてはハードでスラッシーで暴力的なサウンドが正にモーターヘッド的なスタンスも含めて収録されてて、決してハイトーン金切り声ではなく、さすがにレミープロデュースと唸らせるモーターヘッド直系サウンドが詰め込まれている。難を言うならばこの時代のこの手の音の処理の仕方がよろしくおなくって、ドンシャリな音になってる事だ。楽器の音聞こえないだろ、これじゃ、って感じ。

 一般的にはスラッシュやなんとかメタルの出だし、みたいな言われ方もされているし音を聴くとそれもよく分かるんだが、やっぱりモーターヘッド的、というのと案外共通項を見いだせているのがGastunk。パンク+ハードコア+メタル的要素ってのはGasyunkもかなり世界に先駆けてカラーを作っていたから、ここで世界的なレベルでの同種が表れていたとも言える。しかもレミーの手を経て、ってのは面白い。このWarfareの傑作も聴いているウチにやっぱり名盤ってことに気づくし、パワーがひたすら詰め込まれているのもともかく、しっかりとそのサウンドを作り込んでいるってのも見えてくるし、名盤って言われるのが納得。面白いもん。



Motorhead - Motorhead

Motorhead - Motorhead (1977)
Motorhead

 無骨な連中によるロックバンドで一番代表的だと思うのはやっぱりmotorheadなんだけど、モーターヘッドは英国のバンドで皆英国人だから実は世間的に思っているバイクに乗った野郎達=イージーラーダーやヘルズエンジェルズの世界であるアメリカの雄大なもの、とは大きく違うんだが、外から見ていると同じ種に見えてしまうのだろう。そもそも日本ってのはアメリカも英国もどこも白人さん世界は同じように日本じゃない白人世界という見方があるから、それが英国だろうがアメリカだろうがオランダだろうが樹にしてないというにはあるか。文化や風土、音楽やファッションみたいなのを歴史的に紐付けてくと当たり前に違うんだが、見ただけじゃ分からんのもしょうがない。ガイジンさんだもん、今の時代でもあんまり変わらんだろう。多分そいつらから見たら日本も韓国も中国も台湾も変わらんってのと同じだろう。

 motorheadの1977年のアルバムリリース的には最初の作品となる「Motorhead」。この前に録音されていた「On Parole」は1979年にリリースされているので、そっちとの比較も面白くて、再録音したりしてる曲もあるからフムフムと味わえる。もっともそこまでするのは相当のマニアだろうし、一般的にmotorheadでこのヘンから聴くってのもあまり今はいないだろうし、どうしてもヒットしていた黄金期のレベル感を求めるだろうから、今となってはあまり日の当たるアルバムじゃないだろう。持論的に言えばどんなバンドもファーストアルバムってのは一番気合が入っていてその時にやりたいっていうバンドの音が詰め込まれているんで、バンドの本質を図る意味では好きなんだな。もちろんそこから発展していくバンドも多いから、原点、とは異なるのもあるけどさ。モーターヘッドの場合はレミーがプロデビューってんでもなく、音楽的な才能の発揮という意味では初の自分のバンドだったけど、その前のホーウィンドもあったからさ。

 さてさて、そのモーターヘッドの最初のアルバムはと言えば、これまた不思議、というか時代背景的にはパンク全盛期、そこにこの音、もちろんメタルじゃないしパンクとも違うそれはギタープレイに比重が置かれているのもあるし、ベースプレイだってもちろんもっと硬派だ。さて、となると、ってことでメタルが引き合いに出されるが、それにしては粗暴でアグレッシブすぎる、R&Rと言うにはそんな軽快さはない、ってことで今でも唯一無二の世界観を持ったバンドなのだが、このアルバムでもそれは全く変わらないし、そのまま、ただ、もっと粗雑でラフな感触が大きい。若さと言えば若さかもしれないし、パンク時代だから余計にその傾向が強かったのかもしれない。もしかしたらバンド全員の技術が未熟だったのかもしれない。でもさ、凄く格好良いんだな、これ。ノリが良いとかそういうんじゃなくて多分ライブで目の前で見ててもノリノリなんてのはなくってひたすら頷く、みたいな納得感。黙らされる説得力っつうのか、不思議だ。その意味じゃやっぱりブリティッシュロックなんだなぁと思う。Zeppelinもそうだしさ、単にノリが良いなんてのはまるで無くって曲を知ってるからこそ分かる、みたいなのあるじゃない?モーターヘッドも単純に乗れるなんてのはほとんどない、というかそういう風に聞かせてくれないんだよ、レミーの声が(笑)。凝ったことしてないけど、音は紛れもなく英国ロック。それが顕著に出ているのがこのアルバムかも。最初から全部聴いてみたくなるけど、どれもこれも同じエッセンスだろうな。やっぱり格好良い。




Circus of Power - Circus of Power

Circus of Power - Circus of Power (1988)
Circus of Power

 昔は違うジャンルのバンドとしてカテゴライズされていたのが、いつしかこういうカテゴリのジャンルに属しているんだよ、みたいな事が起きる。ジャンルやカテゴリの細分化によるものだったりブームから名付けられたカテゴリなんてのは後になればきちんと音楽性に準じたカテゴリに戻されるというような事も多い。それでもその時代で聴いていれば何でそんなカテゴリになるんだ?なんて思うのもあったりしてなかなか頼もしい。カテゴリってのは識別するものとしては便利なんだよね。

 Circus of Powerって80年代末期頃に出てきたバンドのファーストアルバム「Circus of Power」。何でまたここで登場かってぇと、ちょいとサザンロック系列でワイルドなの何かないかな…ってググってたら何故かこのバンドがヒットしてきて、何でこの入れ墨だらけの当時R&Rバンドと呼ばれたのが出てくるんだ?って見てたら、いわゆるバイカー、バイク乗り連中の入れ墨野郎バンドだったってことで、サザンロック的なワイルド感の中に入っているらしい。いや、そういう位置付けとしても捉えられることがあるらしい。んで、今また再結成して復活アルバムをリリースしてもいるらしいから現役バンドになってるみたいだが、このままの音で現役感あるバンドになっていたら結構アメリカン・ロックを代表するバンドの音になってるだろうな。そのウチ聴くようにしよう。

 今回は1988年リリースのファーストアルバムだけど、当時ちょこっと耳にしていた程度であまり聴いてはいなかった。何か怖そうなバンドってイメージがあっただけで、その後あまり目にすることなかったからかな。んで聴き直してみると、かなりシンプルなR&Rで確かにアメリカンな大陸的サウンド、ワイルド感もあるし大らかな雰囲気でのR&R、ハードロックテイストなサウンドでサザン系と言われても納得感ある。フックのある曲があまりないからか地味に印象に留まってしまうけど、カッコよさはあるし、風格も出ているが、ウリ文句に困るってトコだ。


Black Stone Cherry - Black to Blues

Black Stone Cherry - Black to Blues (2017)
Black to Blues

 3コードしかダメという制約がある訳じゃないけど概ね3コードの中でしかかき鳴らされることのないブルースという枠組みの中、如何にしてあんだけのブルースメンが歴史に名を残せているのか、もちろんそれぞれに個性はあるし、強烈なインパクトを放っていたからというのもあるだろう。それでも大して発展してない3コードの世界でその功績は凄い。後世の連中がそれを崇めて独自解釈していったことで脈々と引き継がれている事でその価値を高めているのだが、ここでまたひとつユニークなカバーアルバムが出てきた。

 Black Stone Cherryが2017年にEP6曲入りの作品としてリリースした「Black to Blues」だ。若手サザン・ヘヴィーロックの代表格でもあり、その年でその風格かよ、ってくらいにワイルドで大陸的な正にアメリカンなサウンドを出すバンドで、自分的にもキライじゃない昔ながらの音を引き摺ってるバンドで好意的なんだが、そのBlack Stone Cherryがブルースのカバー作品って、そのまんまじゃないか、なんて。いや、ところがさ、ある種Black Stone Cherryってバンドはそのままだけどやってる曲の元ネタが王道ブルース曲ってだけで聴いてると、カバー?ってくらいにはバンドの色が強く出てきていてとてもカバーには思えない。こんな王道ブルースの、しかも3コードしかない作品ばかりをここまで今のバンド、自分たちのBlack Stone Cherry風に仕上げてしまえるのかっていうのが凄い。各曲でのアレンジやそもそもの骨子なんてのも自分たち流に作り上げてからのアプローチ、完全に自分たちの音の中に取り込んでしまっている。

 いや〜、こんだけギター弾いてくれると嬉しいね。気持ちよく今時の、と言うかホワイトブルースギターが聴けて流れていく、バックはヘヴィメタルだろってくらいにはハードな音で殴りかかってくるんで、そこでのブルースソロってのmこれまた新鮮で、正にワイルド。アメリカ人は好きだろうなぁと思うし、こういうのはホントアメリカでしか出てこれない。幾つかYouTube見てたら昔からライブではこういうカバーを幾つかやってたんだね。だからそれらをまとめてみたって事もあるのかな。オリジナル作品を出し続けていってもおそらく大きな変化にはならないだろうし、ここでこんだけのカバー作をリリースして一区切り付けておくってのは良い発想だったかも。それでバンドの株も上がるってなもんだ。実に快活で心地良い昔ながらのブルース・ロックアルバムの現代版。




The Quireboys - White Trash Blues

The Quireboys - White Trash Blues (2017)
White Trash Blues

 やっぱりブルースってのが一番いつまで経ってもやっていられるし聴いていられるのかもな。若い頃からブルースってのはよ、みたいなのを思ってたからやっぱり聞いてたし、年取ってからもやっぱりブルースってのはよ、みたいなのあって、ジジイになったらそれはそれでまたブルースってのはこんだけ味が出てから初めて出来るんだよ、みたいなのもあって結局一生ブルースなんじゃねぇか、みたいにね(笑)。しかも流行りものと無縁だから青春の1ページみたいなのとはちょいと違うし、取り組もうと思わないと取り組まないし、やっぱりロック聴くならブルースありきだよなってのも普通でさ。

 The Quireboysの2017年作品「White Trash Blues」。クワイアボーイズってアレ?って人、そう、アレです。80年代終盤に出てきたバンドそのまま。途中解散したけどここ最近は復活していてもちろんオリジナルアルバムもリリースしているんだけど、今回の「White Trash Blues」は王道ブルースの名曲郡のカバーアルバムで、多分彼らもずっとやってみたかったんじゃないだろうか。物凄くロック的に仕上がっていて、ホワイトブルースそのままになってるし、しかもスパイクのあの歌声は年を経て一層しゃがれてきているから迫力を増しているし、どの曲もバンドとして熟成したサウンドに仕上がってるからかなりの名盤になっちゃってる。原曲知らなくてもブルースアルバムとして普通に楽しめるレベルになってて、カバーって知らなきゃ分からないのもある。妙に格好良いぞ、これ。

 ちょっと驚いたのはクワイアボーイズってこんなにブルースバンドだったっけ?ってトコで、自分的にはそんな認識はなかったんで改めて聴いてて、なんか本物、って感じだったんだよな。英国人だからあのブリティッシュブルース的な香りももちろん入っているし、だから70年代初頭のブルースロックバンドらしくなってるって意味で、ここから入ったらかなりお気に入りにはなるアルバムですな。







George Throgood - Party of One

George Throgood - Party of One (2017)
PARTY OF ONE [CD]

 ン十年もロックし続けるってなかなか出来ないのは当然だし、一般人じゃそんなのは多分社会的に抹消されるだろうからやっぱりそれなりにそういう仕事じゃないと続かないだろう。じゃ、R&Rを職業にしている人達はどうかとなるが、それでもそのままでいる人達なんてのは大して多くない。そう考えると本来R&Rなんてのは数年の寿命のハズで今じゃジジイでもR&Rだぜ、なんてのはおかしな話なんだけどね、実際にはストーンズを筆頭にジジイのロックンローラーってのは何人もいたりする。まぁ、イメージだけの話だから何がR&Rなんだ、ってトコからして定義はないんだけどさ。

 George Throgoodの2017年作品「Party of One」。このアルバムは見事にジョージ・サラグッドのギターと歌声だけで作られているアルバムで、それもオーバーダブはほぼ見当たらずの一発録りなんじゃないか?って感じのシンプルな作品。楽曲群はもちろん過去のブルースメンの作品だったりストーンズやディランってトコで、有名なものばかりになるのだが、それを自身のギターと歌だけでプレイしていて見事にサラグッド節に仕上げている。この人のカバー局に対するリスペクト度合いはホント見事だ。それでもプレイヤーとしての個性を発揮していて、しかもどんどん上達してるもんな。今回はバンドがいないから余計にギタープレイのテクニカルさが目立つ。

 こんだけギター弾けて歌えたら楽しいだろうよって思うくらい多様なギタープレイが満載で、それぞれアプローチが結構違ってる。ある種スタンダードに弾いてるのが少なくってギターバッキングのくせにドラムみたいに聞こえていたりね、何か面白いなぁと。普通こういうのって飽きてくるんだけど、しっかりと飽きさせない音作りやアレンジなんかが施されていてアイディア一発で作りましたってだけでもなく、しっかりと練られている。




Dan Baird And Homemade Sin - Rollercoaster

Dan Baird And Homemade Sin - Rollercoaster (2017)
Rollercoaster

 デジタルコンテンツ時代になるとジャケットアートワークが画面上に並ぶことからか、それなりに目に付くアルバムジャケットってのは気になる事も多くなった。CD時代は背表紙がショップに羅列しているからジャケット買いみたいなパターンはなかったし、レコード時代は大抵ジャケットをパタパタとめくっていくように置いてあったことからジャケットを目にすることが多かったからジャケット買いも割とやってた。デジタル時代はジャケットしか目に入らないんだからそりゃジャケ買いってのもアリになるわな、と改めて思った。最も買うかどうかってのは聞いてからという選択肢もあるから単純にジャケ買いってワケでもないんだが。

 Dan Baird And Homemade Sin名義での2017年のアルバム「Rollercoaster」のジャケット、凄く良い感じでさ、ジャケ買いってんでもなくってもちろんジョージア・サテライツのダン・ベアードの今のバンドのアルバム。だから中味は言われなくても想像出来たんだが、それに加えてのこのジャケットがよろしくって、アルバムタイトル通りにローラーコースターではしゃいでいる女性ってのが何か夢溢れててノスタルジックでもあっていいなぁ〜と。もうね、ジャケットだけ。中味は聞いても聴かなくても分かる。いつものR&Rがたっぷりと詰め込まれている作品で全く裏切ることのない作品。軽快でご機嫌なナンバーからしっとりとしたテンポで訊かせる曲、もちろんバラードチックなのもあって、ギターにしても乾いたサウンドでばっちりと聞かせてくれるしね、金太郎飴状態のアルバムってのはいつものことだ。しかしいつ聞いても楽しめる、っつうかやっぱりR&Rってかっこいいな、って思わせてくれるんだよね。それがこの人の強いトコロ。

 日本での今の人気ってあるのかな?多分アメリカでの人気は根強くあるんだろうけど、その他の国では知名度ゼロに近いんだろうという気がする。それでも多分カントリーシンガーと同じく永遠のアメリカンロックンローラーとして活動していけるバリューはあるんだろうな。アルバムもコンスタントにリリースしているし、それもソロ名義や異なるバンド名義ってのもあったりするんだからそれなりに売れているんだろうし、こういうR&Rです、ってサウンドも他にはそうそういないだろうし、ある種唯一無二の存在でもあるか。


Soundcloudで全曲試聴可能

Sonny Landreth - Recorded Live in Lafayette

Sonny Landreth - Recorded Live in Lafayette
Recorded Live in Lafayette

 いつまで経っても朝早く起きるというのが苦手だ。年取ると朝目が覚めるもんだ、と聞いてたけど全然そんな気配がなく寝れるんだったらずっと寝てるぜ、ってくらいには朝が苦手だ。夜は全然平気なのだが…。用事があって朝早く起きないといけないって時に前の日にちょっと早めに寝れば大丈夫だろうと思ってもそれはその分余計に眠れるというだけでやっぱり朝が苦手だったりする。だったら前の日にもっと好きなことしてりゃ良かったなんて思うのだが、そんなもんだ。早起き出来るってのはやっぱりクセになればそうだろうし、習慣の問題の方が大きい気がする。まぁ、早起き苦手だからまだまだジジイには程遠いぜ、って思ってるのはあるが…、いや、実際そんなジジイではない、です。

 Sonny Landrethの2017年リリースのライブアルバム「Recorded Live in Lafayette」。1枚目はアコースティックブルースライブ、2枚目はエレキでのブルースバンドライブとサニー・ランドレスのカントリー・ブルースを多彩な側面から楽しめるライブアルバム。やっぱりこの手のはライブアルバムが良いな。幾つかはPVでライブそのものが見られるんで、その辺から見ちゃったんだけど、上手いよなぁ…やっぱり。どうやって弾いてるんだろ?ってじっくり見ちゃうのもあるしね、指使いがちょっと珍しいと言うのか、どこを抑えてあの音なんだろ?なんて気になっちゃってさ。いわゆるR&Rパターンの7th入れてるんだけど、人差し指で入れてて、どんな弾き方だ?ってね。その他もスライドの絶妙な使い方、もちろん指使いも絡めてのフレーズで、こういうのも一般的になってきたんだろうなぁとジョニー・ウィンターのフレーズで度肝を抜かれた時代からの進化を感じた。

 ライブアルバムだからね、もちろん前半はしっとりとカントリータッチでのスタイルで、アコーディオンの音色が新鮮、それとアコースティックベースも乾いた良い感触の音色で心地良い。ブルースというかカントリーに近いかな。気楽に楽しめるサウンドでブルースの定番「Key To The Highway」なんかもさらりとやってたりする。んで、後半のエレキブルースになるとストラト片手に渋く弾きまくってくれてて当然楽しめる。超ブルースって人でもないけど当然ブルースベースのスタイルで、そこに色々と混ぜ込んでいるハイブリッド型サウンドなのかもな、なんて思った。そうだなぁ、自分的にはもうちょっと白熱ぶりが長いと好きかもな、って思いはするけど、バンドアンサンブルが楽しめるという意味ではバランスの良いショウなんだろう。しっかしスライドを上手く使う人だ。





Juana Molina - halo

Juana Molina - halo (2017)
ヘイロー

 ひとつ新しい扉を開くと次から次へと新たな飛びたが開いてゆく…、音楽の世界でもちょっとしたチャレンジをきっかけにゾクゾクと新たな世界が広がっていくことは多々ある。もちろんそれは自分が知らなかったというだけで普通にその一報からは好かれていた世界だったのだろうけど、その扉ってのはなかなか開かなくて、というか見つけなくて知らないままだったりするだけだ。今回はテルミンスタイルから始まって、ならばってところで出てきたのがどういうワケだかアンビエントなエレクトニカの世界…ってのかな?よくわかんないけど手を付けたことがないから斬新でマジマジと見入ってしまった次第。

 Juana Molinaという女性の、見ていたのはスタジオライブ映像なんだけど、2017年リリースの「halo」というアルバムのプロモーションだったんだろう、きっと。この手のを知らない人は映像見ることをオススメします。アルバムだけ聴いててもよく分からないんで。自分の音だけで聴いてたら別にそんなに気にならず、ふ~ん、ってくらいだったと思うんだが、映像見てて、こういうのって有りなのか?でも音楽と言えば音楽…どころか高尚な部類にすら入る音世界じゃないか、ってのあるが、でもさ、みたいな自己矛盾との葛藤もあって見入ってた。大体ドラマーがドラムマシン叩いてるとか、ギターもループサウンドがバッキングになってるとかいじるのがミキサーのつまみとか何でそんなんありうる?とかね。ところがフアナ・モリーナその人の歌声はとんでもなく美しくてジャストに音が出てきて見事なアンビエントな歌声…ってのもヘンだけど、言うならばSlapp Happyみたいなもんか。いやはや驚くばかりの構成とライブで、目からウロコ的に見入った。

 冷静に見ればそりゃそうか、なんだけど、こういう音作りでのライブとかは考えられなかったからね。それでいてギターのフレーズや音作りなんてのはもう自分的にはヴェルヴェッツなんだが、そうとも言い切れず、現代の実験的アーティストとも言うべきところなのだろう。それでもキャッチーに出来上がっているから進展している。ヴェルヴェッツの革新性を今時のデジタル楽器、さらに時代性、見事なに出来上がっている芸術に恐れ入る。まだまだ知らない世界の面白さはたくさんありそうだ。




Carolina Eyck - Tarnow: Theremin Sonatas

Carolina Eyck - Tarnow: Theremin Sonatas (2015)
Tarnow: Theremin Sonatas

 アーティストの活動がかなり変わってきているのは当然のことなのだろうけど、これが一般的な活動だ、みたいなのがネット時代にはなかなか出来てこなくて、各自創意工夫をしながら活動している感じ。昔ならそういうのは事務所なりが路線を敷いて手伝っていったりしたのが、今じゃアーティスト自らが発信する事で直接的にリスナーを獲得していく、面白いもので熱意がなけりゃ知られることすらないってのはある意味では昔の原点に戻っていってるとも言える。だからリスナーの心の響くものはシンプルに売れるし聴かれる。もちろん商業主義だってよければ売れるんだけどね。特殊な環境下のアーティストは結構大変だろうなぁなんて思いながら色々と楽しませてもらっているのだが…。

 Carolina Eyckっていうドイツの美人さん、演奏楽器は何とテルミン。ちょこっと流れてきた情報で知ったんだが、テルミンでこれだけ知名度あって美人さんでしかもボイスもあるからどうやってるんだろ?って興味津々で見てみれば何か驚くばかりに普通に音楽になってて音階までしっかり出ている。テルミンってこんなに多様な対応出来たんだっけ?って不思議なものを見る聴く感じでズブズブとYouTube漬けになっていって、Carolina Eyckの魅力にどっぷりとハマってしまった。アルバムがどうの、とか曲がどうの、ってのよりもテルミンってものがこんな風に使われるのか、ってのが大きくて、しかも当然それを身に着けてからクラシックとのアンサンブル、ポップとのアンサンブルに自身のボイスや他の楽器との組み合わせなど色々とチャレンジして発展させていってる。鍵盤楽器なんかと一緒にやるってことは音階が絶対的になるってことで、どこにも調律性のないテルミンでそれを正確にやるってのは正に楽器と一体化していなければ無理だし、見事なものだ。そしてテルミンの音色もかなりマイルドなアナログ音で、耳に優しいサウンドだから聴きやすい。

 今のところの最新シングル「Reja」では新たにボイスとの絡みと自身の多重コーラスの面白さを重ね合わせたポップス界への進出とも言えるスタイルで、一般リスナーのつかみには最適だろう。こういうアーティストはどんどんとシーンに進出して新しい試みを楽しませてくれるべきだ。合わせて他のビデオなんかでも本人がYouTubeに色々とアップしていて楽しませてくれる。ここでケイト・ブッシュとか出てくるのはやっぱりアーティスティックな証拠か、あんだけの音域のモノをテルミンで出来ちゃうのも驚き。古いモンばかりでああだこうだじゃなくて新しいチャレンジをどんどんと楽しむのも良いね。








Auri - Auri

Auri - Auri (2018)
Auri

 自分にとって知りたい、知っておきたいという情報が勝手に流れてくるように仕向けておきたいんだけど、なかなかそれが出来なくて余計な情報ばかり入ってくる。大抵の情報ってのはそういうものだけど、その中に欲しい情報もちゃんと混ざっててほしいなぁとは考える。でも、そのための努力してるかってぇとさほどしていないんだからしょうがない。今回はそんな中からへぇ〜ってな情報を感じ取ってたどり着いた作品で、普通だったら知らないまま埋もれてったのかも、って思う。そこから新たに発見した世界ってのもあるし、ひとつのきっかけが色々と波及して広がるってのは面白いものだ。

 Auriというフィンランドのユニットの作品「Auri」。フィンランドのNightwishのブレインでもあるツォーマスと彼の奥様ヨハンナ・クルケラをボーカルに従えて味付けはNightwishの盟友トロイを入れてのフィンランドの情景を映し出した心落ち着く作品が仕上がった。元々ヨハンナ・クルケラはフィンランドでそこそこ知られたアイドルってか歌手で、ユーロビジョンにも出演していくほどの音楽英才教育なセンスのある女性で、その歌声が実に透明感あって美しく聴いていて惚れ惚れする。英国のフィメールシンガー達とはまた一線を画す透き通り方と優しさを実感できる歌声とでも言うのかな。やや角が丸いというのもあるかもしれないが、かなり興味深い作品。トロイは英国人だからそのセンスもあるのかもしれないしツォーマスは彼女の歌声と世界観をしっかりと実現しているようだし、ホント天才だな、って思う。こういうのもしっかりとハイレベルに仕上げてくるし、プロ中のプロ、なんだろう。

 作品は当然ながらヨハンナ・クルケラの歌声を中心した牧歌的な…、フィンランドの哀愁とか情景が思い浮かぶような世界観で明るいわけじゃないけど心落ち着く、休まるというような雰囲気。愛が溢れているというほどの嫌らしさはなくて祖国への恋慕みたいなトコかな。そこにトロイが色々な楽器で色を添えて雰囲気を変えてくれる。時にはコーラスで参加しての男女ボーカル曲もあったりして大活躍。それだけツォーマスの信頼が厚いミュージシャンなんだろうね。久しぶりにこういうのを味わえてじっくりとアルバムまるごと聴いて堪能してしまった。そしてヨハンナ・クルケラの歌声が大変気に入ったので他の作品も探して聴いてみようかなと。これからも夫婦でのマイペースな活動になるのだろうけど楽しみに聴いていきたいユニット。




Helloween - Pink Bubbles Go Ape

Helloween - Pink Bubbles Go Ape (1991)
Pink Bubbles Go Ape

 巷ではチョコチョコとAIで出来ることや可能性って話が出て来る。夢があって面白そうだな、という反面仕事が無くなるとか人間が要らなくなるとかともすれば経済が変わってしまう、主義が変わってしまうみたいなトコロまで予言する人達もいてなかなか面白い。更に面白いのは感性や本能的なものはAI化出来ないけどロジカルなものは確実に出来るので一生懸命勉強して定型的なものを作り上げた仕事ほど不要になるという皮肉なお話。そのAIロジックを作るというところに回らなけりゃ不要になるんだもんね。んで、そのパラメータの要素をどんだけ組み込めるからそれぞれの差別点にしかならない…、どれくらい先にこれが来るんだろ?早く見てみたい世界ですね。

 Helloweenの1991年、モメにモメた後の、更に衝撃的な作品群の後にリリースされた期待されまくって外したアルバム「Pink Bubbles Go Ape」。この頃はもうこの手の音を追い求めてなかったからリアルタイムでは脇道を流れるアルバムでしかなかったんだけど、このジャケットは覚えてるわ。なんだこりゃ?ってくらいダサくて意味がわからなくてバンドも前まで聞いてたのと全然違うし、どんなバンドなんだろ?って程度には知らなかった。その後色々と漁ったりしてると結構Helloweenって出てくるんだけどそれってもうあの頃のアルバムの金字塔感が強くて、オリジネイターな意味での存在感だったりする方が強いのかアルバムとして語られるのは何枚もないという不思議。そんなことでこの流れで改めて聞いてみたこの「Pink Bubbles Go Ape」。想い入れがない分、素直に良質な作品として聴けたんで作品の方向性の違いに云々ってのはあまり影響しなかった。確かに良質なポップ傾向の強いアルバム、とは言え、この頃のメタル勢からしたらそんなキャッチーさに寄ってもいないとは思うんだが、それは多分ドイツというお国柄の影響かもしれない。

 マイケル・キスクって凄い歌唱力だなとつくづく思うのは確か。こんだけの器量で歌ってたらそりゃカリスマ化するわな、ってのもね、納得です。前作よりも派手にメロディックな作品ではないと言われつつも自分からすれば何曲もそういうの入ってるし、ギターにしてもそういうのあるから酷評される程じゃないんだろうなとは思う。まだね、よく理解できてないんです、このバンド(笑)。ドイツだしキライな部類じゃないからある程度入れるとは思うんだが、そこにイケてないってのは相性かなぁ…、なんてのはあるが、多分真剣に聴けてないだけだろう。事あるごとに頑張ろう、まだまだ人生は長い。

Vandenberg - Alibi

Vandenberg - Alibi (1985)
Alibi

 デジタル本が見当たらなくてしょうがなくて普通に紙の本を買ってきたのだが、これっていつ、どうやって読むんだろ?なんて思ってしまった。本を読むなんてのはすっかりとiPhoneなんかでさらさらっと読むもんだ、くらいになっていたので、昔の資料的に本を漁るってのはあったけど読み物としての本を丸ごと読むなんてのも最近は全然してなかったんでちょっと不便、と言うかこんだけ時間と場所が制限されて読まないといけなかったのかと改めて思った次第。まぁ、手持ちでどこでも読めるってんじゃなかったな、というだけなんだが、それが割と不便で、文明の利器の便利さを実感してしまったトコロ。それでも読みたいから読むんだけど、場所選ぶってのは時間かかるな。

 ホワイトスネイクでデヴィッド・カヴァデールの相棒として活躍した姿が有名になってしまったAdrian Vandenbergってのは元々Vandenbergってバンド名で1982年頃に世界デビューした人なんだが、アルバム3枚くらいでバンドは終焉、その後がホワイトスネイクなワケだが、その三枚目の作品となった1985年リリースの「Alibi」。これまでのオランダ人系を活かしたヨーロッパ風味なハードロック作品から方向転換していてかなりアメリカに近づいた作風になってたからかバンドはここで解体。理由はなんだったんだろ?売れてなかったからか?それでもアメリカ進出してたんだからそれなりに売れたような気もするけどどうなんだろ?多分エイドリアンの力量とバンドメンバーとの差が顕在化してしまったとかあるのかもな。

 このアルバム、アメリカン的とは言えども決して作品的には悪くないんだけど、ギターの音がちょっと勿体無いなぁ…。前のアルバムまではレスポールからマーシャル直結の快活な音だったんだが、何やら色々とカマしているような音になっちゃっててエッジが立ってない。どこか中途半端な印象を持ってしまうアルバムだけど、曲は悪くないし勢いもあるんだよな。ちょっと不思議だが、多分曲の引っ掛かりが足りないってことなんだろう。アルバムジャケットはもちろん本人作品で、アマゾンなんかでセカンドとか並んでると作風が分かる気がするね。






Rainbow - Straight Between the Eyes

Rainbow - Straight Between the Eyes (1982)
Straight Between the Eyes

 産業全体が売れ線に走っていくのは当然金儲けという資本主義的思想から出てくる発想なワケで、純粋に音楽だけを云々という人ももちろんいただろうけど、時代的にはそれらを大衆化させる方向が強まっていたってことか。だから故少しでもその恩恵に肖ろうとして産業ロック的な路線にシフトして一般大衆に受ける方向を模索していったのだな。そういうバンドは数多い。簡単に言えば英国のロックバンド達がアメリカンな要素を入れて演奏し始めたというような話だ。あ、自分的にはアメリカからの視点はあんまりなくって、それはアメリカではある種当たり前だからという理由だ。アメリカってそもそも国がデカいからヘンな形ではそもそもシーンに登場し得ないと思ってるから。ところが他の国はそこまで気づいていないから何でも出て来る。これが面白かったのだ。

 Rainbowの1982年の作品「Straight Between the Eyes」。ご存知アメリカ人のジョー・リン・ターナーがボーカルとなってからのアルバムで、一般的にはすごぶる評判のよろしくないアルバムとして知られているものの「Death Alley Driver」のように知られた曲もあったりしてバッサリと切り捨ててしまうアルバムという程でもないのが悩ましいアルバム。悩ましいのは80年代のリリースにもかかわらず、まるでそんな風潮を感じさせることのない70年代のままの音で作られているという時代錯誤感溢れる作品という点か。いや、そう聞こえるんだよね、レインボウだからか、ってのはあるが…。んでもやってることは産業ロックへの迎合、とは言わないけどジョー・リン・ターナーのゴリ押しによるアメリカナイズ化、もしくはアメリカンなセンスの曲が入り込んできたというトコロ、これはリッチーが期待していた事だったのかどうかだけど、出てきたアルバムや楽曲がそうなんだからやっぱり市場を取るにはこういう快活なのも必要だろうという判断だったのは確かだろう。

 ん〜、序盤は悪くない、どころかリッチー、やっぱりスゲェなぁ…、こんだけ弾けるししっかりカッコ良いじゃないか、と来て、「Stone Cold」でもキレも良いしやっぱり違うな…って思ったけどそこからが結構残念。ギターは悪くないんだけど、曲そのものがアメリカンへ向いてきた。それにしては貧弱なプロダクションというアンマッチな音作りもあって70年代風になっちゃうんだな。しかしボーカル替わって作風変わるとバンドってのは変わるもんだな、当たり前だけどそこを感じさせないだけのプレイがあれば良いのだが、それも結構難しい。この辺も何聴いてるんだろ?って感じになる曲あるし…、リッチーのギターだけで救われてるからやはり見事なものだ。いや、アルバムとしては悪くもないと言うかギタープレイと幾つかの曲では相変わらずのレインボウ節なので良いのだが、捨て曲もいくつもあるのが難点なだけ。




Slade - The Amazing Kamikaze Syndrome

Slade - The Amazing Kamikaze Syndrome (1983)
The Amazing Kamikaze Syndrome

 70年代のバンドが80年代に入ってからあのキラキラ感に戸惑い、自信の方向性を見失ったりしたパターンも多いようだが、単純に売れなくなってそのまま80年代に入っちゃったってなのもあっただろう。そんなに明確に時代の区切りで変わるってワケでもないけど、このヘンって割とその分け方が出来ちゃうくらいはっきりしてた…と後になって思える。やっぱりデジタル機材の登場による新しい時代の流れが大きいんだろうなぁとここのところ色々聴いてて毎回思う。だからこそチープな音色に仕上がってしまったりワイルドな音にまとめられたり。上手く使えばもちろん素晴らしいんだけど使いこなせないまま新しいものってことで遊ぶと全然ダメ、みたいな感じか。

 Sladeの1983年リリースのアルバム「The Amazing Kamikaze Syndrome」。人によりけりだが、スレイドをQuiet RiotやOasisのカバーから知ったって人も多いだろうし、そもそも知ってたよっていうオールドなリスナーもいるだろうが、自分は前者だ。もちろんQuiet RiotやOasisからたどり着いたのでもなく、70年代を漁ってって知った時に、曲が出てきてこれって…オリジナルがスレイドだったんだ、って気づいたパターン。だからある意味では70年代そのままで終わってたバンド。ところがリアルタイム時代にもスレイドってアルバム見たけどな…ってことで今回の「The Amazing Kamikaze Syndrome」。そうそう、このダサすぎるジャケットで中味がメチャクチャキャッチーでポップでデジタルな感触だったんだよな…ってことで聴き直してみたのだが、案外、どころかこんなにカッコ良かったっけ?ってちょいとびっくりした。もっと売れ線なアルバムだと思ってたし、軽い印象だったんだけどな。

 オリジナルなスレイドを通ってから聴いてみればこの「The Amazing Kamikaze Syndrome」だってしっかりとスレイドしてて相変わらずな世界だ。単純に音がチープなだけで、やってることはスレイドそのまま。ダサ格好良いと言うのか、そりゃあのままじゃ通じないだろとは思うけど、そのまんまやってる。オリジネイターってことでこの時も幾つかヒット曲あったんだよね。だから知ってたんだろうし…。しかしこんなにロックしてたとはなぁ…、魂売る前からそもそもこういう音楽性だったんだからもっと売れただろうに、とは思うがそこが産業ロックに成り切れていないトコロ、いやそもそもそういう概念すらなかっただろう。だって、これがスレイドそのまんまだもん。






Bad Company - Fame & Fortune

Bad Company - Fame & Fortune (1986)
Fame & Fortune

 往年のロックバンドが魂売りまくっていたのが80年代、ここまで数多くのバンドが変貌していった時代もそうそう見当たらない、どころかそこまで音楽性を変化させていくってのも実はそれほど多くないのかも。ミュージシャンという職業からしたらそりゃ何でもある程度は出来てプロだし、それ以上に個性を放つのがプロでもある。が、自分たちで生み出す事ではなくある楽曲をきちんと演奏するのもまたミュージシャンという職業。一般的にロックバンドなんてのは両方あって当たり前なんだけど、産業ロックに走ると外部ライターの曲を演奏して稼ぐってのもありになる。まぁ、こういうのを魂売った、という書き方してるんだけどね。

 1986年にリリースされた久しぶりのBad Company名義の作品「Fame & Fortune」。ポール・ロジャースの歌声だったらジミー・ペイジとのThe Firm終わったのかな、なんて思ってたら逆でバドカンのボーカルが変わってたって話。んで、そこに白羽の矢が立ったのがブライアン・ハウって人。よく言われているんだが、テッド・ニュージェントのトコで歌ってたっていうからアメリカ人かと思ってたら何てことはなく、イギリス人だった。このアルバム、フォリナーのミック・ジョーンズもプロデュースで絡んでいるんだけど、この人もイギリス人なので、アメリカの産業ロックを思い切り排出しているアルバムと叩かれていた時期ではあるが、その実ほぼイギリス人がそれを作り上げていたという事実。確かにな…、アメリカのああいうAORとは路線違ってるもんな、納得。んで、次はこういう産業ロック的なのをあのミック・ラルフスが作るのか?ってぇともちろんそんな事なく、半分くらいしかミック・ラルフスは絡んでいない。ってことは何だ…、誰のアルバムなんだ?って話になるんだが、それこそが魂売ったアルバムって事になってるワケ。

 もはやバドカンである必要性は全く見当たらず、ミック・ラルフスのギターじゃなきゃいけない理由もないし、サイモン・カークのドラムである必要も全くない。ボーカルは既に替わってるからポール・ロジャースである必要もないし、もちろんブライアン・ハウである必要もない。だから誰でも良かったんだが、たまたま知名度も残っていたし、メンバーも仕事必要だし、ならば売れるってことをきちんとやろう、ってことか。そもそもオリジナルバドカン結成時からそういう信念だったワケだし、ってことか。その甲斐あって往年のリスナーからは無視されている時代だけどAOR作品としてはかなりの良作。ロックのロの字もないが、産業ロック的によく出来てる。そこは結構評価されてるんで確かにな、って気はするがそもそもロックじゃないからな…。ミック・ラルフス作の曲はポール・ロジャースが歌ってたらなぁ…って思うのも多いが、歌が違うのと出て来る音がこれじゃちょっと…ってな嫌悪感が大きいか。





Whitesnake - Slip of the Tongue

Whitesnake - Slip of the Tongue (1989)
Slip of the Tongue

 やっぱりメジャーな世界で大成功を達成するレベルのアルバムってのは出来栄えが全く違う。ましてや80年代以降、即ちデジタル技術が出てきた事と音楽産業が思い切り伸び盛りだったことがその発展に拍車を掛けた事はあるだろうけど、それに乗っかったバンドやプロデューサーもあって、そんな作品を聴いてみるとそりゃもう明らかに違うワケよ。何がって、音の作り方からエフェクトから作品の取り組む姿勢も何も音も作り方も全て。やっぱりバンドが曲作りました、出来ましたアレンジして録音しました、ってレベルだけではこれは達成仕切れないものだ。そこでプロデューサーの出番、そんな素材をいじりながら全米達成出来るレベルの作品にまで仕上げちゃうというワザ。見事な仕事です。それによって損する人はいないんだから商売考えたらやらない理由はない。が、ロックバンドというのはそういうトコロに目線を置かないでどうしても自分たちというのを優先してしまうキライがあるので大抵のバンドはそこまでたどり着かない。やっぱり魂売らないと成功しないんかもね(笑)。

 Whitesnakeの1989年リリースの「Slip of the Tongue」。もちろん売れまくったのは記憶にある人も多いだろうし、そりゃもうこの頃のホワイトスネイクと言えば飛ぶ鳥落とす勢いでデフレパと双璧をなすメジャーシーンに切り込んでいけたハードロック・メタルバンドのひとつに食い込んでいった頃。このアルバムだってその何相応しい超メジャーな音作りで実によく出来てる。今聴いてもよく出来てる、って思うし古臭くないし見事な作品だ。あ、自分的に好みかどうかってのは別の話です。その意味では全然好みではないし、ピンと来るものは何もない。デヴィッド・カヴァデールがこんだけのハイトーンで歌ってくるってのが少々意外で、こんな声出るのか、とか思ったくらい。前作あたりからのメンバーの入れ替わりや本作でのメンツの変更なんかはアチコチで書かれているからくどくど書かないけど、ここでのスティーブ・ヴァイの職人芸プレイは実に素晴らしい。何らホワイトスネイクという看板に傷をつけることなくサラリと助っ人が出来てしまっている。彼にとってこれくらいは朝飯前だったろうな…。

 ヴィヴィアン・キャンベル…Dioからホワイトスネイク入ってアルバム残さず離脱、そしていまはデフレパという実はアイルランド人という人がこのあたりの架け橋になってるんだが、ここで一気にスティーブ・ヴァイに持ってかれてるな。曲自体はヴァンデンヴァーグの才能が大きかったようだが、腱鞘炎で不参加、この人もオランダ人だし、結局英国なカヴァデールと他の血を混ぜた曲をアメリカ人がプレイしたみたいな図式で、だからこそどこか英国的でもないしアメリカン、とも言い切れない感触が漂うのだろう。もっともこんだけのサウンドプロダクションされてたらアメリカンになっちゃうけどさ。英国産でこの音はまずない。アレコレ書いたけど、一言で言えばホントに良作秀作傑作。ただし薄っぺらい、かな。


Def Leppard - High 'n' Dry

Def Leppard - High 'n' Dry (1981)
High 'n' Dry

 80年代に入ってからのハードロックからメタルへのシーンって明らかに洗練されて垢抜けていった感強いんだなとつくづく思った。ココのトコロ色々聴いてて70年代のもっさり感からすると格段に突き抜けて行った感が強くて、それは音楽性の進化もあるのだろうが、機材の発展や産業の成長ってのが大きく寄与しているように思う。それに加えて履いて捨ててもまだ履けるくらいの数のバンド郡の数々によるシーンの下支えというのもあっただろう。そこから出てきてシーンに残るんだからそりゃもう才能と運と意欲無きゃ出てこれないよ。それで出てきて世界を取るってのはやっぱり相当の事。だからカネもかけるしプロダクションもきちんとしていく当たり前の構図。それでも難しのはリスナーからするとカネ儲けで魂売ってるってレッテルが貼られてしまうってことか。

 Def Leppardの1981年リリースセカンド・アルバム「High 'n' Dry」。出てきた時から一気に垢抜けてこのまま世界を取れるレベルまで抜き出たアルバムが本作とも言え、冒頭から快活に世界制覇を狙っているかのようなチューンが並ぶ。デフレパってバンドのポテンシャルをここで見せつけているのだが、その割には結果論として売上は上がっていったが、バンドとしての何と言うのか個々人の力量による知名度という意味ではほぼ達成されていない。それどころかバンドとしての知名度が高くなっていった故に単なる売れ線バンドとも思われている部分の方が大きい。その辺から自分的にはまっとうに評価できていなくて一番売れてた頃はほとんど聴いてなかったもんな。ところがこのセカンドアルバムを聴いてると野心剥き出しな姿そのままが映し出されていて、かなり心地よく聴けるという代物。その状態でのプロダクションからの期待があったからしっかりとした音作りが出来てて、なるほどこの跡売れていったのがよく分かるというアルバム。そんな先入観なしでもデフレパ歴代アルバム通してもかなりの傑作に入るアルバムなんじゃないか?今まで自分も聴いたアルバムの中では一番良いわ。

 ジョー・エリオットってこんなに歌えた人なの?って思ってしまったのと、そもそもギターとかメンバー違った時代の作品じゃないか、ってのあったりフィル・コリンってまだ参加してなかったのかやらドラマーはまだ両腕ある時代?とか素人がデフレパって名前から想像するネタがそんだけあるってことはやっぱりバンドとして色々な事を抱えていたんだろうね。それでも進むぜ的な意思の強さがバンドの強みになったのかもしれない。どのバンドも何かとそういう苦労話しはあるけど、デフレパの場合はちょっと次元が違うから余計に印象深い。こりゃ当時聴いてたら絶対に注目しただろうし売れても何の不思議もなく聴いてただろうと思うレベルのアルバム。これをしてブリティッシュハードロックというのはかなり抵抗があるので自分的にはそういう括り方は出来ないけど、きっとそういう位置付けになるんだろうな。この跡出て来るLA系のシーンとはちょいと違う堂々たるサウンドとでも言うべきか、ブレない姿も見事。そしてジャケットはもちろんヒプノシスという、往年のロックファンには響く要素が詰め込まれているんで自分的に気に入ってもおかしくないかと納得。


Ozzy Osbourne - The Ultimate Sin

Ozzy Osbourne - The Ultimate Sin (1985)
罪と罰(紙ジャケット仕様)

 ハードロックの時代はボーカルって個性的であれば上手いとかいう次元でなくても良かったんだけど、ヘヴィメタルという時代に入ってくるとボーカルも演奏も上手くないと成り立たないというレベルアップが図られている。意図的ではないにしてもそうじゃないと音が出来上がらないんだよ。だから速い曲なんてのは圧倒的に上手くないと全てが成り立たないし、そうじゃないにしても聴けるレベルの歌じゃないと成り立たない。そりゃプロレベルなんだからそうだろ、ってのもあるけど、事実そうじゃないのも多いから改めて売れてるバンドはその最低要素はクリアしているというものだ。その辺が70年代のバンドとの大きな違いかな。確実にシーン全体がレベルアップしてて…今の時代じゃもうかなり超越してしまっているんだが、そう思うとどういう風に進むんだろうか、と不思議に思う。

 Ozzy Osbourneの1986年リリースの「The Ultimate Sin」。ギターはもちろんJake E Leeであのフラッシーなプレイがたっぷりと堪能出来る反面、楽曲自体はかなりアメリカナイズされたキャッチーな作品として語れる事も多く、確かに少々オジーの作品の中では違和感を感じるアルバムとも言えるかも。ただ、それでも当時から割と聴いてたし、そういうモンだろってのもあったから普通だったけどね。色々とオジーを知ってからこのあたりに辿り着くと確かにこんだけ明るい側面を見せます的な作品はないかも。それでもジェイクのギターがああいうのだからそこにぴったりと当てはまってるんだよ。だからジェイクのためにはぴったりとした作品に仕上がってて、当然オジーがそんなのまで狙って作るとは思えないので、制作陣がこの布陣での最強なスタイルを導き出したと考えるべきなのだろう。そしてそれは大正解だったと思う。

 しかしまぁジェイクのギターはホント、カッコ良い。何がどうってのが明快に言えないんだけど、カッコ良いプレイとスタイルで音が自己主張して飛び込んでくる。珍しいギタリストだよね、ホント。それでいてメロディアスな部分もあるしさ、見事なギタープレイヤーです。そしてオジーも持ち前の歌い方ではあるけど、こんだけ明るめなサウンドになってくると独特のおどろおどろしさってのは影を潜めて、抜けたハイトーンボーカリスト的な歌になってくるんだから面白い。もちろんオジーの声って分かるけど、普通に高い声で歌って出てるんだもん。当たり前だが。全盛期…だったのかな。そこに若さ溢れるジェイクの活気が入ってきて良いバランスで成り立ってた時期でもある。




Scorpions - World Wide Live

Scorpions - World Wide Live (1985)
World Wide Live

 80年代の音楽シーンをようやく見直す時期に来たか?なんて大層なことを思ったんだけど、今更…、いや、70年代ばかりをひたすら追いかけてて、80年代以降なんて薄っぺらいから後で追いかけても大丈夫だなんて思っててさ、その時々でそれなりの情報量があればシーンも分かるし、外さなきゃ平気かって考えてたんです。実際そうだったんだけど、それでもやっぱり時間が経過してから聴くのは全然異なった印象を持つもので、そんな事昔は思わなかったから想像もしなかった。それが今そういうのばかりに出会えてて、なるほどねぇ…と唸るワケだ。今更でもなんだが、毎回そういうモンで、常に新たな取組で聴くってのは楽しみで良いんだ。

 Scorpionsの1985年リリースのライブアルバム「World Wide Live」。当時は普通に売れてたからそういうバンドだと思ってたけど、70年代初頭からドイツで地道に活動してて、それなりにシーンの異端児として知られててギタリスト的にもウリ・ロートやマイケル・シェンカーと名だたるメンツが出入りしてて、更にクラウス・マイネの独特の歌の上手さと鼻にかかった声質、マティアス・ヤプスになってからのフラッシーなプレイ、そこにルドルフ・シェンカーの切れ味抜群のギターリフというカッコよさ、それがドイツのバンドとかを意識することなく普通にシーンにいた。知れば知るほどに不思議なバンドで、ドイツのバンドでこんだけ世界進出して成功してったのってそうそうないだろ?って事に気づいていくるのだ。バンドのメンバーも当然そう思っていたようで、記念品さながらのワールドツアーの模様を記録してレコード化してくれた。それがこのライブアルバムで今やDVDも付いてのリリースもあるようだが、当時はアルバム二枚組で結構大変だよな、ってな感じだった。辛かったもん。

 ところが今聴けばなんて格好良い白熱のライブが詰め込まれているアルバムってことは即分かる。いやはや売れてた時代ってのはホント全盛期で絶頂期なんだな。勢いもテンションも演奏も余裕も全然違う。正にワールドワイドなバンドになってて当然ながら演奏は上手いし、どの曲もカッコよく仕上げているし、何ら文句の出るトコロがない。アメリカの同世代のバンドよりも硬質で徹底している部分はさすがドイツらしいし、その一致団結感も見事。やっぱり歌が上手いってのは強いなぁ…、聴いてて惚れ惚れするもん。そんな見事なライブアルバム。




Dio - Sacred Heart

Dio - Sacred Heart (1985)
Sacred Heart

 音楽ってのは発展していくものなのだ。今でも多分発展してって、新しい融合が出来上がっているんだろうと思う。シーンの流れは速いんだけど、音楽が夕ごく融合して出来上がって市場が認めてくれるまではやや時間がかかる。そしてその融合の斬新さに気づく敏感なリスナーがどれだけいるかってのも要素としては重要な要因になるし、そうじゃなきゃ単なるカルトバンドになっちゃうし、なかなか難しいところ。それでも今やヘヴィメタルは市民権を獲得しているし、もっとドギツイ音もそれなりに認知されているんだから面白い世界だ。ロックンロールからハードロック、そしてメタルへと進む流れはほんの10年強の間で歩んでいった道ではあるけど、今それを聴いてみればそれすらも大した区別なくって良かったのかもね、なんて思った。

 Dio…、もちろんロニー・ジェイムズ・ディオのバンドの3枚目の作品「Sacred Heart」。レインボウで知名度アップが出来たのもあって自身の名をバンド名にしてシーンに再登場、それはもちろんディオのやりたい世界観に溢れていて英国のハードロックからメタルへの進化系として価値ある作品をリリースしてきたが、ここに来て結構アメリカナイズされたアルバムをリリースしてきた。それでも当然ディオの歌声なので何ら違和感なく、これもありだよなってくらいには快活に聴ける。冒頭からして「あれ?これライブアルバムだっけ?」って錯覚しながらその盛り上がりにカッコよさを実感する「King of R&R」だったりする。ヴィヴィアン・キャンベルってここから出てきたんだよな…こういう風に弾けるギタリストって当時山のようにいたからその中の一人程度にしか思わなかったけど、そんなことはなくってしっかりと名を成したギタリストになっていった…、ディオってのはやっぱり見る目あるんだろうね。

 さて、作品そのものは基本的にはR&Rだよ…ってのもおかしいんだが、メタル的ではあるもののこんだけの起伏がしっかりとあってグルーブしているってのはR&Rだよなぁって感じる。当時はこれでも硬質なメタル的アルバムと思われたんだが…。まだまだ市場が熟していなかったからね、十分にハードな音だったんですよ、これも。んで、終盤ダレるんだけど前半は勢いが凄い。こんな良質なバンドだっけ?って思ったくらい今じゃ作品の印象が異なっている。う〜ん、やっぱり昔のも聴き直していかないと分からんな。昔っても80年代のヤツね。後で聴けば良いやって思ってから30年経ってるし(笑)。


Iron Maiden - No Prayer for the Dying

Iron Maiden - No Prayer for the Dying (1990)
ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイング

 4月って好きじゃない人ってあんまりいない気がする。昔から期の変わり目…それは入学式や学年変わるとかから始まって新しい出会いのある時期などなどと刺激的で機構的にも過ごしやすくなる春っていう季節の到来でもあるし、ひとつの節目としてもどことなく価値が高い日だったりね。刷り込みによる洗脳なんだろうけど、それが日本だし多分皆そういう感覚あるんじゃなかろうかと。大人になってからはそういうのもさほど無いけれど、それでもやっぱり4月になったな、みたいな区切り感はあるからね。ウチのブログ的にはだからどうとかも特にないし、エイプリルフールってのも別に意味ないし、淡々と物語っていくだけで毎回思うがもうちょっと時勢に合わせて云々とかあるんじゃないかと考えはするが、流行りモン書いてもしょうがないし、結局いつも通りに戻る。

 Iron Maidenの1990年作「No Prayer for the Dying」。このあたりからアイアン・メイデンも陰りが見えてきた感のある作品な感じだけど当然そんな風潮はさほど大きなものじゃなかったのだろうか。ご存知エイドリアン・スミスが脱退して、後釜にヤニック・ガーズが参加してのアルバム、言われるほどそのギターの交代撃によるバンドサウンドへの影響は無くって、そりゃソングライティングではスティーブ・ハリスメインなんだからそうなんだけど、それもある意味怖い。ギタリストがもっと目立っても良いジャンルなんだが、その辺もアイアン・メイデンがちょいと他と異なるバンドの立ち位置でもある理由か。発売当初はあまり受け入れられなかったみたいだけど、じっくり聴いてみれば何てことはない、普通にアイアン・メイデンの力作と言えるアルバムに仕上がっている。自分もこのヘンは後回しかな、って思ってたんだけど、悪くない。そりゃ黄金期を過ぎているからってのはあるのかもしれないが、十分にアイアン・メイデンなアルバムだ。物足りないのは粗雑さやパワフルさとか勢いみたいな部分だけど、一方では完成度が高い作品とも思えるね。

 アイアン・メイデンってアルバムジャケットがチョコチョコっと変わる事が多い。それでもあのアルバムかってのが分かるような変え方だから面白いんだけど、それもこれもエディ君のインパクトによるものだろうか。このアルバムのオリジナルジャケットには亡霊みたいなおっさんが背後に居たのだが再発では見事に消されていて、エディ君だけのいつものアイアン・メイデンらしいジャケットになっている。こっちの方が良いのは確かだ。それにしてもこうもアイアン・メイデンらしい音ってのがしっかりと確立されていて、安心して良質な作品が楽しめるってのは見事なものだ。コンパクトにまとまったアルバムで聞きやすいのもありがたいし、今なら相当に楽しめるアルバム。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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