EL&P - The Everlasting Best of ELP

EL&P - The Everlasting Best of ELP
ジ・エヴァーラスティング ~ベスト・オブ・ELP~ 【6CD/日本初発売テイク収録/完全生産限定】

 本調子に戻らない今日此の頃、それでも月末になり秋から冬へと突入していく季節の移り変わり、思えば早いものだなんて言おうものなら既にジジイ化している証(笑)、故に早いなぁとは言わないようにしているのだが、やっぱり早くも冬か、と思うものだ。ロックのアイコン達がどんどんといなくなっていく中、今年は今のところそれほどでもない気がしているが知らないだけなのだろう。

 EL&Pの突貫工事的とも言えるベストアルバム6枚組「The Everlasting Best of ELP」。リアルタイムで聴いていた人達が多い中、どんなものを作っても満足は得られないだろうけど、かなりのボリュームと価値ある音源なんかも引っ張ってきての気合の逸品だったと思う。それにしても今でも不思議だなぁと思うのはこの頃高校生くらいだった人達=今は50代だろうけど、その頃ってこんなのを高校生が普通に聴いて友達と話してたってのが凄い。他になかったからってのもあるんだろうけど、こんな訳の分からないモンを聴いてああだこうだ、それに今聴いても燃えるぜ、的な会話があるってのが凄い。時代の産物とは言え、聴くセンスを作られた世代でもあるんじゃないかな。ある種羨ましいけど、そんなヘンな高校生とかじゃなくて良かったかも(笑)。

 歌メロが、とかじゃなくてクィーンなんかもそうだけど、インパクトなんだろうね。EL&Pってガツンガツン来るからそれだけでロック的だし、見てくれもなんじゃこりゃ?感あるからロック的だし、出て来る音楽なんてのがどうであれ、ロック的な印象が強くて聴いちゃうんだろうね。思春期の若者達はそれだけで良かったってかさ。それでいて他にもそういうバンドばっかりだったワケで、ユーライア・ヒープも人気あったとかってのは正にそういう所だったろうし、面白いもんだ。

 50超えたオッサン達がどこかでこういうの聴いて、あぁ、EL&Pのナントカだ、とかつぶやいてるんだからさ、若者でこういうの一生懸命聴いて漁ってる連中からしたら何だそりゃ?何でそんなんイントロ聴いただけで分かるんだ?とか思いそうじゃない?歴史とかリアルタイムってのはそういうもんだ…。



Procol Harum - Novum

Procol Harum - Novum (2017)
乙女は新たな夢に(原題:Novum)【日本盤ボーナス・トラック2曲収録】

 まだまだ本調子には戻らないのだが、自分の忘備録的には書いておきたいこのブログ、そもそもの意味や方向性なんてのはとうにあっちこっちに行ってしまって今じゃ何を理由に書いているのかもよくわからないんだけど、単なるライフワークとして割り切って書き続けよう。無理するまでもないんだけど、やっぱ無理してでも書いちゃうよね。

 Procol Harumの2017年作「Novum」。そう、2017年作なんだよ、これ。春先頃にアマゾンでジャケット見て、ホントかよ?って思ったけど普通にゲイリー・ブルッカーが作ってピート・ブラウンが歌詞書いてるっていうお話です。メンバーはもうオリジナルとかはあんまりいないんだけど、どこかで絡んだりしてたメンバーもいるし、デイブ・ペグの息子さんがいたり、IFのジェフ・ホワイトホーンなんかも90年代のプロコル・ハルムに参加してたんだなぁ…、そっか。そういう歴史を紐解いていちゃうのも面白いけど、肝心の音楽はどうなのか、って気になるよね。

 うん、ちょいとポップな方向に進んでて、昔の荘厳な作品とはちょいと違うけど、歌声も雰囲気も昔風にはなってるかな。好みで言えばそうでもないけど、聴きやすいし雰囲気あるんで悪くない。まさかこの年代であんなのやってリリースするワケにもいかないんだろうからこういうのも正解なんだろうね。軽快でなかなかよろしい。



The Moody Blues - Timelss Flight-Box Set

The Moody Blues - Timelss Flight-Box Set
Timelss Flight-Box Set  (11cd/6dvd)

 インフルエンザじゃねぇの?ってくらいに体調不良なままなのだが、病院キライだか実際どうなのか分からない。ナントカなんだろ、ってな気分で相変わらずの不調。もちろんガンガンにロック聴いているワケにもいかず、静かに安静にはしているのだが、動けないほどでもないので、ネットでアレコレと見ていたりすると色々とリリースされてるんだなぁとつくづく感心する。商魂溢れると言うのか、ここまで出すか、とかそれでも売れるんだろうから見事なものなのだが、ファンからしたら嬉しい贈り物になるんだろうしね。

 Moody Bluesの箱モノ集大成作品「Timelss Flight-Box Set」。ここまで歴史がまとまってたらそりゃ嬉しいよね。イメージ映像なんて普通のバンドじゃ意味をなさないけどムーディーズだったらなるほどね、となる。じっくりと味わえば相当な時間を要して楽しめる出来映えだから面白そうだよな…とは思うけどもちろんそこまで時間が取れないんだろうなぁ…と。なので眺めているだけではあるんだけど、ちょいと興味津々。

 異世界にどっぷりと使って初期アルバム全部を一気に聴くっていう事もしてみたいしさ、何かと深みにハマれるバンドなのは証明済みいつかそんな極楽気分を味わおう…。



Gentle Giant - Three Peace Suite

Gentle Giant - Three Peace Suite
スリー・ピース・スイート(初期三部作)(CD+Blu-Ray)

 いやはや風邪をこじらせてての執筆、なかなかツライものがある。単純にアタマ回らないってのと音なんか聴いてたらうんざりするし、余計にアタマ痛くなるし、もちろんそんな時は安静にしておきましょう。とは言え、何にするかなぁ〜と考えつつのうたた寝、アチコチ進んでみるのも良いし、なんて考えてたこともあるが、そこまで体がついてかないんでショートにまとめてみちゃった。

 Gentle Giantの初期3部作が蘇った作品「Three Peace Suite」なんてのがリリース。恒例のスティーブ・ウィルソンのミックスなど残されていた音源を使い倒しての再構築作品のようだ。自分的にはそこまで追いかけることもないバンドだけど、いつ聴いても不思議なジェントル・ジャイアントの音はキライじゃないんで良質な音で聴けるならそれに越したことはないんだろう。これだけの繊細な音を妙に体調不良の時に聴いてもツライだけなんでいずれまたきちんと聴くなりしないとな…。

 なことで、ブログに穴を開けない程度のメモ代わりな記事だけど、結構興味そそるアルバムですね。

Jethro Tull - Thick A s A Brick Live In Iceland 2012

Jethro Tull - Thick A s A Brick Live In Iceland 2012
『ジェラルドの汚れなき世界』完全再現ツアー~ライヴ・イン・アイスランド 2012 [DVD]

 英国からしか出てこないだろうなぁっていうくらいには典型的に英国的なバンドってのもいくつかあるが、ほとんどは当然ながらそれほど売れているようなモンではない。名前は知られていたり代表曲があったりはするけど、それは一時期だけの話でその時期が過ぎればまた英国の田舎に戻っての生活が待っているというようなロックスターからはちょいと離れたライフスタイル、そんなバンドが一番居心地良いのだろうか。それだけでの生活となると結構しんどい部分は出て来るんだろうけどね。

 Jethro Tullもそんな英国らしいバンドのひとつだが世界では割と成功したバンドのひとつだろう。何でそれなりに受け入れられたのかってのは今のポップスファンレベルではよく理解できないと思うんだけど、70年代あたりのまだ今ほど多くない市場の中では特異なバンドとして、それは演劇的でひとつの物語を演じているかのような芸術作品をリリースしていったことでミュージカルと同じような評判を得たことが大きいのだろうか。コンセプトアルバムってのが市場で受け入れられていったのはそういう元々の文化に依るところが大きいハズなので、すんありと演劇的なのが受けたといるだろう、ってか、エンターティンメントってのが演劇なんだからシェイクスピア的なのやミュージカル的なのが当たり前だろってな発想も根本にあるのかな。日本ではあまりない文化だからなかなか難しいけどね。そんな特異な部分を持ったジェスロ・タル=イアン・アンダーソンが2012年に「ジェラルドの汚れなき世界」の再現ツアーを行って大好評、その模様を納めたライブ映像「Thick A s A Brick Live In Iceland 2012」をリリースしていた。

 昔からの一本足フルート奏法などは健在なんだけど、歌にしてもアクションにしてもフルートにしてもギターにしても見事にこなしていて、そりゃ勢いはアレだけどこんなに再現できるのか?ってくらいに再現していた。若手の歌手を演劇チックに登場させてサポートボーカルとしてたりもあるけど、この人の世界観で作られたステージはやっぱり素晴らしい。昔どういうライブしてたのかもさほど知らないけど、ココで見れるライブではジェスロ・タルというバンド、世界を見事に体現したユニークなショウだ。音の繊細さも含めて楽曲の精度の高さ、ライブパフォーマンスの素晴らしさ、美しい映像でそれらがきちんと見れるのはありがたいね。これで「ジェラルドの汚れなき世界」ってアルバムがグンと身近に感じられる作品になったのが一番大きな収穫だ。




Wishbone Ash - 40th Anniversary Concert - Live In London

Wishbone Ash - 40th Anniversary Concert - Live In London
40th Anniversary Concert - Live In London [DVD] by Wishbone Ash

 Wishbone Ashって凄いわ。70年代を風靡したバンドとしては知られているし、名盤も行くt化あって歴史に残る作品になっているけれど、実は継続して今までもずっとやっている、オリジナルメンバーのアンディ・パウエルがすたすら頑張って活動しているってのは知られていない。ニッチな世界ではこないだ来日公演やったじゃないか、とかあるけど、そんなのもさほど知られてはいなかっただろうし、知ってもライブ行くか?ってぇとそうでもないって話。んなこともあってさ、近年のライブの映像ってのはライブに行ってみようかな、っていう動機づけになると思うんだな。何せ昔よりうまくなってるってのも多いし、やっぱり70年代を知ってると違う、と思うし。

 Wishbone Ashの40周年記念ライブを丸ごと記録してリリースされている「40th Anniversary Concert - Live In London」。アンディ・パウエルが過去の名曲を惜しむことなくプレイして歌っているし、しかもさ、あのフライングVのギターの音色そのままなんだよ、あの線の細い繊細な音色そのままで変わらない。他のメンツはすべて変わっているんで、これがWishbone Ashか?ってな姿ではあるけど、アンディ・パウエルが楽しんでやってるからなぁ…、元々ライブやってる時にどこかに華があるようなバンドでもなかったし、ただ単にプレイするバンドって感じだったから、もしオリジナルメンバーで再結成されていたとしてもこんな感じに地味な演奏者の集団って感じだったんじゃないだろうか。それを思うとこういうメンツでの楽曲再演って姿は悪くないのだな。むしろ昔は弱かったプレイ面を今の若さとテクニックで補強して演奏できるという良さもあるしね。

 そんなことを思いつつも見ているんだけど、やっぱり味わい深い。Wishbone Ashってツインギターの云々なんかで広まっているけど、その実もっと深くてトラッドやプログレッシブな志向性も強いし、その繊細さを紡ぎ出す中心にギターの音色を持ってきているという特性のあるバンド、だからうるさくはなくて音楽的に美しく聴いていられる。ギターでメロディを奏でる所になればホント、瞬時に空気が澄み渡ってのツインギターが飛び出してくるし、この美しさは普遍なんだ…ってつくづく思い知らされる。やっぱり「アーガス」の楽曲群の美しさはここでも圧倒的に郡を抜いて素晴らしい。


Uriah Heep - Live at Koko 2014

Uriah Heep - Live at Koko
Live at Koko [Blu-ray] [Import]

 結構今でも活動しているバンドはいくつもあるのは知ってるけど、あんまり積極的に見たり聴いたりってのはやっぱりしなくてね、ジジイのノスタルジック的なのってイメージあるからだけど、実際はそうでもなくって中規模以下のレベルでのライブハウスなんかでやってるバンドは今でも熱いライブを繰り広げていて、一生現役でやるぜ、ってなくらいの勢いのもある。ユーライア・ヒープなんて一世を風靡したバンドなんかもその類で、デカい所でのライブはもうないんだろうなぁ、という感じだけどコアなファンと共にずっとやるぜ、ってくらいのライブを繰り広げている。その中の一つとしてリリースされているのが「Live at Koko」というライブ映像。

 アルバムも幾つも出してるしライブも出してるし、何だかなぁと思う部分はあるものの、出されているライブのクォリティは高いもので、このジジイ達、なんか凄いな、ってのはすぐ実感できると思う。ユーライア・ヒープなんてさ、オリジナルメンバーはもうミック・ボックスしかいないんだけど、そのミック・ボックスが出てきた途端に銀色の長い髪を振り回してのヘヴィなリフを奏でてくれる。いやはや、こんなトコにもハードロックジジイがいるし、ってね。んで、今歌っているのはバーニー・ショウって、Praying Mantis最初期にいたボーカルで、その後はクライブ・バーのバンドでも歌っていたという強者、これがまたやっぱり歌が上手くて迫力あって、タイミング合わなかったけど、実力のあるシンガーなので、ユーライア・ヒープと合流してからのそのハマり具合は見事なモノ、このライブでも聴けるけど、デヴィッド・バイロンのあのトーンで歌えちゃうんだもんね。違和感あんまりないしさ。後はヒープと言えばケン・ヘンズレーの鍵盤になるんだけど、これはまぁ、あそこまでではないにしてもオルガン中心というスタンスは守りつつやっているし、ちゃんとユーライア・ヒープってバンドのイメージ自体は守りつつ延命措置しているのか。

 やっぱり古い曲になるとコーラスワークもノリもリズムも歌も良いねぇ…、これぞれユーライア・ヒープってのが漂うので観客も大盛り上がりで、うまい具合にセットリストに入り込んでいる。バーニー・ショウの歌はデヴィッド・バイロンよりも人間味に溢れてるのでその分無機質感から人間的にはなっているかな。んでもしっかりとノスタルジックなだけでなくて現役感を持ったバンドのライブとして見れるし、古いユーライア・ヒープだけしか興味ないひとにとってもちょいと面白さが味わえるライブです。


Black Sabbath - California Jam 1974

Black Sabbath - California Jam 1974
California Jam 1974 + 3 bonus tracks

 1974年のカリフォルニア・ジャムと言えばディープ・パープルとEL&Pという印象が強くて他に誰かいたんだっけ?って調べてみれば何とブラック・サバスとかEW&Fなんてのが。カリフォルニアとサバスという組み合わせの妙に違和感を覚えつつも、品質管理にうるさいブラック・サバスの視点からすると多分こういうフェスもののライブってオフィシャルリリースされていないのだろうな、なんて想像はしていたけど案の定、ただし最近はこの手の古いもので権利関係が曖昧に見えるようなものはアマゾンで「California Jam 1974」としてリリースされていたりするので、探してみるとあるのはあるんだな。まがい物ではあるんだろうけど、聴けないより聴けた方がありがたいってなもんだろう。もちろんYouTubeにもあったりするけどね。

 Brack Sabbath出演はトリのEL&P、Deep Purpleの前となる夕方あたりか。それでも物凄い大観衆の前でのチープなステージでのプレイ、出てきた瞬間からメンバーの若さにおののく。オジーが動いてる…、そんな感じ。トニー・アイオミのヒゲが無い、とか。カリフォルニアって土地柄でこの手の音が受けるとも思えないんだけど、映像で見ていると爽やかなファッションに身を任せたメンバーがステージでちょっとハード目なのをやってる程度にしか見えないので、別に大半の聴衆はブラック・サバスのおどろおどろしいイメージを持つことは無かったんじゃないだろうか。知ってているようにも思えないし、ちょっと歌がヘンなうるさいバンド、ってくらいだろう。そう見るとバンドってのは如何にイメージを演出するのが大事かってのがわかる。逆にそういう戦略を描くとイメージとしては売りやすくなるってことだ。そんなのに一足早く気づいて実践していたのがBrack Sabbathでもある。

 さて、この「California Jam 1974」、結構な曲数をプレイしてまるまるのステージをやったようだけど、YouTubeで見つけられた映像は4曲のみ、それでもオープニングから知ってるひとには嬉しい全盛期オリジナルメンバーでの演奏で、青空の下でっていう設定さえ除けばそんな時のブラック・サバスの貴重なライブなのだ。それにしてもオジーの動きとリズムと歌のチグハグ感の凄さは若い頃からなんだなぁ…、ヘンだもん。絶対ヘンだもん。それにしても声がよく出ている、当時の人気ぶりが納得できるライブ、こんな歌い方するヤツもいないし、アイオミのギターもやっぱり個性的で上手いし速いし…、もうちょっとファッションがなぁ…ってくらいだ(笑)。


Deep Purple - California Jam 1974

Deep Purple - California Jam 74
California Jam 74 [Blu-ray] [Import]

 歌が上手いバンドってのは普通に受け入れられやすいし、バンド感と言うよりも聴きやすさが入ってくるのかな。ロックの世界でも素晴らしく歌の上手い人ってのが何人もいるんで、そういうのをホント目の当たりにすると凄さに痺れてしまう。ポール・ロジャースとか生で聴くと素晴らしく歌が上手いの分かるしさ、素人でもアレ、ハンパない上手さだ、って感じるもん。ただ、それだけじゃやっぱ受け入れられなくて、そこはスター性だったりカリスマ性だったりその存在感の強さみたいなのがボーカリストとして大きくなっていくための必要条件なんだろうな。そんなことを強く感じだのがこれ。

 Deep Purpleの有名な「California Jam 74」のライブ映像。いや、あんまり興味なかったから昔々にチラリと見た程度で、全然ギター目立ってないしなぁ…って忘れてたんです(笑)。何回かリリースされてるみたいだけど別に素晴らしい画質になったとか何かがあるワケでもないし、普通に流してたんだけど、そっか、ってな事で見てみた。全員若い(笑)。それが最初の印象なんだが、こんだけリッチーが前に出てこない、と言うか映像的に目立って映ってこないってのはどうなんだ?Deep Purpleって不思議でさ、別にリッチーのバンドじゃないんだもんね。だからギターが目立たなくても不思議はないんだけど、どうしてもリッチーのギターの印象があるからこうして映像的なアイテムになった時にギターヒーロー的なカメラワークになっていないのはちょいと面白い。明らかにグレン・ヒューズのバンドになってる。デヴィッド・カヴァーデールの若々しい歌声とステージ慣れしていないぎごちなさ、それに比べてのグレン・ヒューズの胴に入ったスタイルは圧倒的にバンドを制覇してしまっている、少なくともステージ上では。ルックスも派手でカッコ良いしベースも派手で歌は上手いしステージでも動くし、ど真ん中って感じ。その辺リッチーは繊細というかいつも通りなんだが、昔ほど派手派手でもないし。

 ここでのカヴァーデールってまだまだ無名のシンガーでしかないんだよね?それでこのライブか…、凄いタフじゃなきゃ出来ないわ。だからこそのこの後のカヴァーデール産業が出来上がるんだろうけど、今普通に見てても音だけならヒケを取ってないし、凄い歌い方。ただ、個性的かってぇとそうでもないし、そこはもうグレン・ヒューズの方が圧倒的だし、なかなか悩ましい時代だったんだろう。収録されている楽曲もこの頃の曲ばかりで、そりゃそうだけど、イマイチ地味感漂うしなぁ…、第二期の派手さが良くも悪くもパープルにイメージを作りすぎたのか。ま、そんな流れであっても結局は最後の最後のギターぶっ壊しパフォーマンスでライブのすべての印象を作り変えてそこに持ってってしまう所はやっぱりリッチーのエンタメバンドと言うべきなのかもなぁ…。やっぱりこのインパクト凄いもん。


Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago

Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago
35 Years & A Night in Chicago [Blu-ray] [Import]

 この時期に台風ですか…、秋雨前線による天候不具合に加えてのトドメの一撃、スカッとした秋晴れの空の下でお散歩したいですねぇ…。お散歩ってお散歩じゃないけどさ、雨や曇り空ばかりの日々ってどうしてもどことなく陰鬱になっちゃうじゃない?キライじゃないんだけど長すぎる。ロンドンなんてのはそんな天候ばかりだからああいう湿った音が出来上がるってのあると思うんだが、日本もやっぱりあるんだろうね。そこへ行くとアメリカってのは逆にああいう土地と天候だからそりゃ州ごとに違うだろうけど、アメリカらしいサウンドってのが出来上がる土壌もあるワケだ。

 Night Rangerって来日してたの?って友人からの問いかけに「いや、知らない」って話になって、ホントに来日してたっていう…。大体が来日情報発表してから実際ライブやるまでの期間が長いとすっかり忘れてるんだよね。その時にチケット取ってれば良いけどさ、そんなのがあったんでちょいとNight Ranger見たいな、ってことで35周年記念ツアーからのライブ映像「35 Years & A Night in Chicago」を見てみた。何とも素晴らしきアメリカンハードロック、AORに近いバンドなんだが、快活で心地良い、そして正にアメリカンなスタイルとそれ以外の何者でもないサウンド、メンバーの気性もきっとそんなアメリカンなんだろうなぁと思ってるけど、オリジナルメンバーはジャック・ブレイズにブラッド・ギルズ、ケリー・ケイギーの3人、ジェフ・ワトソンがいないのはやっぱり残念だけど、それでも全盛期を支えてたメンバーが一緒にやってるんだから迫力は昔のNight Rangerそのものと言って良いんだろう。

 途中活動が途切れていたバンドだけど復帰してきてからはコンスタントに活動していて、それこそ来日公演もそれなりに成功させているんだから息の長いバンドになるし、80年代の黄金組からしたら今でもそんなに劣化しないで活動しているバンドなんてのはないんだから貴重な存在ですね。その辺はAORの強みか。そんな事を思いながら見ていたんだけど、やっぱりメロディはしっかしているしボーカル専門員を置かないでも二人の秀逸なボーカリストを抱えていて、演奏力もしっかりしているという、確かにバンドとして見ると売れない要素は無いし、今でも活躍できるのも当たり前。懐かしい曲が並ぶこのライブ映像はそんなバンドの現在進行形を証明しているし、ノスタルジック感で売っているワケでもないというライブが見られる。それにしても知った曲が多いこと多いこと。


T-Rex - Born To Boogie The Motion Picture

T-Rex - Born To Boogie The Motion Picture
ボーン・トゥ・ブギー ~ ザ・モーション・ピクチャー(デラックス・エディション)(完全生産限定盤)(日本語字幕付) [Blu-ray]

 こないだ何かでちょこっと耳に入ってきたギターがカッコ良いな〜、って思ったら次の瞬間、あぁ、マーク・ボランか…、って判っちゃうんだけど、それでもつかの間そのカッコ良さってのを味わえたから、やっぱり本能的にカッコ良いと思えるギターだったんだろうし、実際カッコよかったもんね。当然気になったからどんなんだっけな…、って色々と見たり聴いたりするワケですよ。アルバムだとちょいとアレなんで、何か…って思ってたら丁度こないだ映画「」がリミックスリマスターとボーナス付きでリリースされたって事だったんで、そのヘンにしとこうかな、って。実際そのDX盤は手にしてないけど、昔の映像でもそれはそれで良いか、ってことで。

 T-Rex&Marc Bolan主演の「Born To Boogie The Motion Picture」。有名な話だけどビートルズのリンゴが監督やった映画で本人もちょこっと出てきてるしエルトン・ジョンなんかも思い切り出て来るし、映画的にはちょいとコメディタッチなスタイルの映画で、実際にそういう映画がアメリカあたりにはありそうだなぁって感じ。コンテンツ的にはT-Rexの1972年のウェンブリー2公演が主になっているんだけど、映画ではその辺はかなりショートカットされていて、貴重なT-Rexのライブがなぁ…って話だけどこないだのDX盤ではCD音源だけでそのライブ丸ごと発掘されてたんで楽しめるみたい。その内ちゃんと聴かないと、って思うけど音だけ聴いてるのもちょいと飽きそうだ。

 細かいこと言わずに映画のマーク・ボランを存分に楽しむってことで、改めて個性的なスタイル、ギターにしても歌にしても曲にしても画期的な発想でのスタイルだよなぁってえ思った。こんなおもちゃみたいなので熱狂的なファンを作って後世に残るまでのスターでいられるんだからさ、やっぱり光る何かがある人だもんね。こんだけのって今でも出てこれてないでしょ?正にブギーの王者、そして愛くるしい哀しきロックスター、生きてたらどんなんだったんだろ?結構悲惨な人だったかもなぁ…とか色々思うけど、残されたこの映画だけ見ててもその愛くるしさと赤裸々な姿はあらゆるシーンで見られる。アコギ一本での歌なんて結構シミジミしちゃうしさ。そうかと思えばレスポール引っさげてのロックスター。うん、ロックスターってのはこういうモンだ。


David Gilmour - Live At Pompeii

David Gilmour - Live At Pompeii
LIVE AT POMPEII [2CD]

 バンドが分裂するとこういう事にもなるのだなぁ、と言うのは他のバンドでも知ってたけど、ピンク・フロイドの両名に於ける分裂劇とその後の歩みは他のバンドのそれとは結構違う気がする。結果的に今となってはロジャー・ウォーターズの演じる世界観とデイヴ・ギルモアが演じている世界観が中味は異なれども出てくる音には大差ない状態になっている、即ち音楽的な面ではまったく分裂した意味がなかった、という事だ。もちろんそれは両名ともファンとも知っている事だろうし、ロジャー派だ、ギルモア派だ、などと睨み合っていた時期もあったが、今では時間さえ合えばライブへのゲスト出演すらするという間柄にもなっているようだ。何とも微笑ましい話だけど、もう再結成ってのはあり得ないからそのままの形で進むのだろう。それにしても同じような雰囲気を醸し出すライブを二人が別々の所でやってるってのが冒頭の文になるのだな。

 David Gilmour の2016年のポンペイでのライブの模様を収録した一大スペクトラムライブショウ作品「Live At Pompeii」がリリースされた。もちろんピンク・フロイド時代からの思い入れもあるし、時代を経ての文明の発展もある。そしてレーザー光線も多用した最先端のステージ作りとコンセプト、それにギルモアが築き上げてきた音世界によるスペクトラム、もちろんピンク・フロイド時代の曲が大きくショウを盛り上げているし、雰囲気を生み出しているのは当然だが、ここまで大きく成功させたのは素晴らしい。作品として見ていても長老となり果てているギルモアが気持ち良さそうに伸び伸びと歌い遊びギターを弾き、また他にも幾つかの楽器を遊んでショウを楽しんでいる。もちろんコロシアムの中はピンク・フロイド時代とは異なり、超満員の観客で埋まっている。素晴らしい。

 ピンク・フロイド時代の曲はピンク・フロイド以上に丹念に作り上げられているし、自身の曲にしてもそういう雰囲気に似合う形で演奏されているかのように見える。いや、もうそのままなんだろう、ギルモアの世界はこういう世界なんだという感じ。昔から聴いていると、この世界は虚構、ショウアップされている世界とも思えるけど、もうここにしか行かないんだろうな。対するロジャーは自身をそのまま持っていくとこういう世界観になる。中味はまるで違うけど、手法としてはギルモアと同じようなものになっちゃう。もちろんロジャーは俺のものだ、って言うだろうけど(笑)。どっちが演奏しても名曲郡は名曲だし、演奏だってプロ中のプロが演奏しているんだから遜色ないしさ。だからこの二人が一緒にやればもっと凄いのになぁ、なんてマジマジと思うんだが、そうはならない。ン十年経っても同じ世界観でのショウを続けているという…、変えられないか。もうね、とやかくも何もないんだけど、単純に凄い世界だなぁ…と浸れる。そういう作品。






The Rolling Stones - Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015

The Rolling Stones - Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015
ザ・ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ~ライヴ・アット・ザ・フォンダ・シアター2015』【初回限定盤Blu-ray+CD(日本先行発売/日本語字幕付/日本語解説書封入)】

 往年のジジイ達の近年の作品はホントに侮れない。近年の作品っても最近のライブをそのままリリースなんてのだから今の姿そのままなんだよね。んで、そこにはレトロ感やノスタルジー感だけじゃやっぱり面白いモノにはならなくて、どこか現役感があって初めて楽しめるモノになっている、ことが多い気がする。それにしてもThe Rolling Stonesの現役さ加減は実驚くばかりの素晴らしさだ。ミック・ジャガーはあれでもう70歳中盤を過ぎているんだよな?70歳だぜ?それであの声とパフォーマンスなんて普通考えられないだろ?あのスタイルもそうだけどさ、とんでもない化け物だ…。

 ロック史上に残る名盤の一枚でもある「スティッキー・フィンガーズ」を2015年になって丸ごと再現してみましょう、って企画から始まった特別ライブ「Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015」で、いつもはデカい会場を満員にしてショウマンシップたっぷりの一大イベントばかりをツアーしているストーンズだが、ここぞと言う時のライブでは割と小さなハコで昔ながらのライブ感をやってくれることもある。今回の「スティッキー・フィンガーズ」再現ライブは正にその小さなハコでのライブ、フォンダシアターでのショウで、「スティッキー・フィンガーズ」そのままかと思いきや、初っ端から「Start Me Up」で始まるというずっこけた話なのだが、そこからはもう「スティッキー・フィンガーズ」に収録の曲が乱発される。乱発ってのはアルバムの曲順通りじゃないからさ、馴染みのある曲順じゃなくってそれはそれで楽しみ。んでも見てるとねぇ…、ミック・ジャガーの驚異的な体力と歌声もあるんだけど、キースのギターがカッコ良い。とにかく凄くカッコ良い。どんなギターを弾いても独特のトーンとフレーズと言うか、もうコードから離れてコードトーンを鳴らすワザにまで入っているから何弾いてるか分かんないもん(笑)。面白いのはロニーも同じようなブロークンな弾き方になってて、随分と贅肉の削がれたギタースタイルで成り立っているバンドになってるのだな。アルバムとの印象の違いはもちろんだけど、今のストーンズだからこその音、そして当時のライブよりも完成度が高くてカッコ良いという…。スライドギターもアコギも何も全部出てきて、やっぱり70年代を生きてきたバンドだからこそのプレイスタイル、世界最高のロックバンドってのはホントにそう思う。ここにはたどり着けないんじゃないかな…。

 ミック・ジャガーもギター弾いたりするし、アドリブで「You Gotta Move」のコーラスが突然繰り返さりたりするし、やたらと楽しめる。一番はストーンズの原点であるブルースってのをここまでたっぷりと味わっていられるライブってのもないし、セットリストもヒット曲からちょいと離れてマニアックな曲ばかりでのライブ、皆練習したんだろうと思うけど、だからこそ何とも完成度の高いライブに仕上がっている。古い過去のアルバムで出来るものなら幾つかはこうして再現ライブなんてのをやっってほしいものだ。ミック・テイラーだって呼べるだろうしね。そしてストーンズの現役感がたっぷり出ているライブで、さすがのストーンズ、スゲェかっこいい。






The Who - Tommy Live At The Royal Albert Hall

The Who - Tommy Live At The Royal Albert Hall
トミー ライヴ・アット・ロイヤル・アルバート・ホール [Blu-ray]

 ジジイ共、スゲェなってののひとつがまたまたリリースされていた。もういい加減いいんじゃね?って思うんだけど、続々とライブをリリースしてくるのがThe Who。ストーンズなんかだと一応今でも新作をリリースしてのツアーだったりライブだったりするからセットリストやステージなんかも凝ってて現役的な活動というのはあるが、The Whoになるともう新作出してもしょうがないし、かと言ってベストヒットライブってのもうなかなかなので、「四重人格」と「Tommy」中心のライブというのがThe Whoの強みとなっていて、それも何度も何度も繰り返してツアーが組まれている。さすがにもういいんじゃね?ってつくづく思うけど、それごとに映像やCDがリリースされていて、どんどんジジイになっていくピートとロジャーがクローズアップされって、ドラムのザックだって90年代の頃はまだ若かったんだけど、今じゃ立派なオヤジ、それでもライブを見ているとぶっ飛ぶくらいのパフォーマンスとプレイを繰り広げてくれるんだから脱帽だ。

 The Whoの「Tommy Live At The Royal Albert Hall」。2017年春の、と言うか毎年春の恒例ティーンエイジカンサートラストライブで「Tommy」を繰り広げたってことでその模様を丸ごとパックしたライブショウの映像化だが、久々に見ても見かけも歌も演奏も対して変わってないな、ってのが最初印象。ベースがピノ・パラディーノじゃなくて若者ってのが少々似つかわしくないけど、さほどの影響はないか。それにつけても「Tommy」の楽曲のクォリティの高さは改めて聴いていてもハンパないな。全部耳タコくらいに聴いているんで全部分かるんだけど、それでもいちいち感動的なまでのプレイがあるもん。やっぱりライブパフォーマンスの強さだよね、ピートがどんどんと繊細なプレイになっていってそれでもワイルドに腕を振り回したりジャンプしようとしたりしてて、もう70歳半ばの爺さんがやることじゃないだろ、と。んでもロックスターなんだよ、やっぱりオーラが漂ってるし、ステージを仕切ってるし。この二人はもうアレだね、若い頃よりもジジイになってきてからの絆がものすごく強いよね。最後に二人で肩組むシーンってのは毎回泣ける。

 今回は鍵盤も入れて「Tommy」を再演しているんで補助的な音も幾つか出されているみたいで、弟のサイモン・タウンゼントの気合も含めてテンションはかなり高い。下手したら昔のトミーライブよりもテンション高いかも。このイベントももう17年続いているというからそれなりに成果はあるんだろうか。オアシスやフーが中心になってるから結構な金額が集まるんだろうし、毎年の収入源にもなっているのかも。そんな理由でもこうしてライブが見られるのはやっぱりありがたいわ。ジジイ共何してるんだ、ってのあるけど見るとやっぱカッコ良いんだもんな。また色々な「Tommy」を聴きたくなってきました(笑)。



Jeff Beck - Live At The Hollywood Bowl

Jeff Beck - Live At The Hollywood Bowl
LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL [2CD+BLU-RAY]

 一体何歳までロックをやり続けるんだ?ってくらいにジジイロッカー達の活躍が止まらない。しばし姿を見せないことはあってもふとしたことで大きなイベントやライブを行ったりして、健在さを見せつけてくる。もっともそのライブの観客の方も随分な年齢の方々が多いのでお互いそういうペースくらいが良いのだろう。それにつけてもどうしたってノスタルジックな演奏会になってしまうムードは否めないが、新しい取り組みを持って挑んでいる今でも現役なミュージシャン、即ちレトロに縛られない発展途上系のミュージシャンやバンドってのもあるのが凄い。中でもジェフ・ベックのアグレッシブさは90年代終盤から一気に駆け上がってきて20年、そのままライブとアルバム、DVDリリースなどと枚挙に暇がない。

 Jeff Beckの「Live At The Hollywood Bowl」の映像がリリースされた。ゲスト陣も爺さんばかりだけど、ビリー・ギボンズ、バディ・ガイ、ステイーブン・タイラー、ヤン・ハマーの参加などなど、更には女性ボーカルも迎えベースはロンダ・スミス、なるほど。一応アルバム「」のお披露目ってのがメインだからその辺から始まるけど、歌ってるお姫様と観客の年齢差がありすぎてどうにも拍子抜けと言うか調子っぱずれと言うか…、そんなのはあるけど、久々にこんだけブルースやロックレベルのプレイをするベックを見たかも。もっとテクニカルフュージョンロック的なのが多かったし、ゲスト陣とやる時くらいしかスタンダードなのはやってるの見ることもなかったし、それにしては勿体無いバンドの面々だなと思いつつもやっぱりカッコ良い。どこにも属さないジェフ・ベックというギタージャンル、どんだけビリー・ギボンズやバディ・ガイが弾こうがその斜め上を行ってるベックのプレイ、そりゃもう流石ですわ…ってな具合。スティーブン・タイラーが歌った「Train Kept A Rollin'」や「Shapes of Things」なんかはやっぱりロックスターなんだなぁ…、一気にステージの主役に躍り出てしまうし、ベックももり立てるし、二人が近寄ってジャムってる姿はやっぱりカッコ良いしサマになってる。ジジイと言うのが無いんだよね、そこには。ロックスターが二人、って感じで貫禄と圧巻のセッションだった。スティーブン・タイラーからしても憧れのベックとのプレイだけど、当然そんなのは場馴れしてるから見せることも臆することもなく、ただただカッコ良いステージを見せてくれた。バディ・ガイはなぁ、ワンパターンだけど迫力は凄いね。ビリー・ギボンズも然りだけど、こっちのがまだバンドに馴染んでいるか(笑)。

 んでもってプリンス追悼ってのもあっての「Purple Rain」を歌うのがBEth Hartって実力派の女性ボーカル。歌メロの崩し方がハンパないが、さすがの歌声。期待してたのはベックのギターソロなんだけど、そこまで気合い入れて弾いてはいないからサワリ程度のプレイでちょいと残念。プリンスってホント、ミュージシャンから慕われていたミュージシャンだったんだな、と。天才は天才を知るってところか。御大71歳、それこのプレイ、バディ・ガイなんても75歳くらいなんじゃないか?一体どうなってるんだロックってのは。いやいや、終わってるのは間違いないが、随分楽しませてくれるものだ。そんな余計な事を思いながらじっくりと見てこのパフォーマンスを楽しめたライブ。素晴らしい。






Robert Plant - Carry Fire

Robert Plant - Carry Fire (2017)
キャリー・ファイア

 自分にとってLed Zeppelinってのはやっぱり特別な存在であって、そのフォロワーなんてのもそれなりに楽しんだりもする。Black Country Communionのジェイソンのドラムはやっぱり強烈にボンゾだったなぁ…ってのは他の人がやってもやっぱり違うってのを完全に上回っていて、ボンゾそのままじゃないか、なんてくらいに思ってしまうんだからえこひいきってモンだろう。曲の作りも実にLed Zeppelin的でニタニタしながら何度も聴いているんだが、そこで何が単調になっているのかと思うと、あんだけ熱唱しているグレン・ヒューズのボーカルラインがZeppelin的じゃないってトコなのだ。そっか、そこで全然違うんだよなぁ…、プラントだったらどんな感じに歌ったんだろ?なんて思うけど、今やロックからは離れた世界にいるロバート・プラントにそれは酷というものなので、何となくイメージするしかない。そんな所にロバート・プラントの新作が…、結構あちこちで宣伝してるからちょいと気になってね、あんまりソロアルバムまで聴くこともないけど、もうさ、最後のあがきって感じだし。

 Robert Plantの2017年作品「キャリー・ファイア」。11枚目のアルバムってことらしい。良いペースだろうね、もうソロになってから30年くらいになるんだろうから、数年に一枚のペースでしょ?うん、凄い。最近のプラントと言えばZeppelinの名曲郡も超アコースティック民族アレンジにしちゃってやってるみたいなのあって、そこからすると民族系バンドを組んで上手くその世界で作り上げている、それでバンドとの一体感も熟成扠せながらのツアーを重ねての新作リリース、という流れのようなので音的にはなかなか面白いものに仕上がったんだろうと。聴いていると、今更なんだけどLed Zeppelinの声です(笑)。廊下によっての衰えなんかはあるんだろうけど、やっぱりZeppelinの声。聴いた瞬間からやっぱりこの声と歌い回しなんだよなぁ…と納得しちゃってさ、やってる音楽的には幅広いアコースティック民族系な風景だったりするし、下手したら英国の新しいバンドの音って言われてもおかしくないくらいの落ち着いた大人のロック、とも言えるのか、いつしかこんな新世界的な音を作り上げていた。

 面白いよな〜って思うのが、ここにジミー・ペイジがちょっとリフめいたものを入れたらZeppelinになっちゃうんだ、みたいな感じが、やっぱりロバート・プラントってZeppelinの人なんだっていう感じ。メロディセンスがそのままなんだからそうなるんだろうし、今でも高音域な歌と歌い方は昔から変わらない、馴染みのある歌声で様々なロックが聞こえてくる。そういえば、民族系から随分と普通のロック系に戻ってきた作品も多いので、そもそも好きな事やります、ってアルバムなんだろうな。あと何枚もリリース出来ないだろうから、ここでの気迫はリスナー的に嬉しい。アルバムジャケットの潔さと言うか御大ここにありき、的なジジイ姿も立派だ。そしてどういう繋がりだったのか、プリテンダーズのクリッシー・ハインドがゲスト参加していて「Bluebirds Over The Mountain」なんて曲をデュエットしている。案の定クリッシーの方が低い歌声ってのは通常の男女のデュエットってのと違っててユニーク、というかゲストの意味ってあんまりないんじゃ?って思ったけどね。クリッシー・ハインドってZeppelinが似合わないんだが…。

 単純にね、アルバム的に良い。聴きやすいし、馴染んだ声が出てくるし、大人の音だし、さらりと聴けるのもあるしじっくり聴いてもそんだけ作り込んでるし他には聞く事のない音楽の世界だし。ペープラの時の音の発展系というような雰囲気か、唯一無二の世界観を作り上げてる。Zeppelin時代はそう思わなかったけど、実はロバート・プラントって音楽を作るという才能も相当持ち合わせていたのか?って思うくらいの作品。見事。



Zeppelin Cover満載のBBCライブ!

Black Country Communion - BCCIV

Black Country Communion - BCCIV (2017)
Bcciv

 フラリとPC関連ショップを覗くと随分と洗練されてしまった感があって、それでも妙なモノが幾つかは置いてあったから楽しんだけど、昔はもうもっと怪しいモノばかりで店構えだってジャンク屋に近い様相だったのになぁ…と思いつつフラフラ。こんなスピーカーあるんだ?今時だとBluetooth対応の無線スピーカーってのもあるのは当たり前にしても、JBLからこんなん出てるとは…、ハーマンになってからJBLブランドも路線変わってて、こういう手軽なブランドにも進出したんだな、などと今更ながらその汎用品路線に驚くが、それが故に見かけて面白そうだったから買っちゃうという始末。しかも小さいからどうなってるんだ?って思って不思議に見てたら驚きのフルレンジ1発しかないモノラルでのパワフルスピーカー。モノラル一発?今更かよ?そこをJBLがやる??オーマイガーッ!な感じですがね、その意外性に負けて聴いてみると、これがまたパワフル。さすがだ…。ちなみにコレ↓


 アマゾン見てて、あれ?って思って初めてリリースを知ったBlack Country Communionの「BCCIV」。見たことないジャケットだしさ、「BCCIV」って新作って今度のギタリスト誰にしたんだ?って思ったらジョー・ボナマッサが戻ってきてるからびっくり。結局そういう事か?ジェイソンとグレンはCalifornia Bleedまで作って同じことやってて、速攻解散しちゃったのはその布石?まぁいいや、ボナマッサのギターで聴けるならそりゃ良いもん。ってことでBlack Country Communionの新作、とにかく70年代のロック好きな連中なら皆歓喜する期待の音そのままが出てきます。古臭い音の作り方もあるけど、ジェイソン・ボーナムのドラムがもうジョン・ボーナムの域にあって、本人も親父の大ファンだからフレーズもパクりまくっててついついイヤリとしちゃうドラミングもアチコチで聴ける。そこへボナマッサもトーンやフレーズなんかをモロにZeppelin風にして入ってくるもんだからもうね、ニタニタもんです。歌も曲もグレン・ヒューズだから質は高品位でキープ出来ているでしょ、この年でこんだけ歌えてしかも覇気があるってのはやっぱり若いメンツに囲まれてるからかね、年齢を感じさせない歌。

 今作はそんな感触だけど、アコギとリール楽器によるバラードというか静かめな曲もあったりして正にZeppelinの世界に近づいているのか?単なるリスナーの愚痴ではあるけど、Zeppelinみたいな音って表面は出来るし、ここまでやってりゃそりゃ凄いんだけど、アコースティックやワールドミュージック的な部分を吸収して取り入れてロック的に発展させるみたいな創造性のあるアプローチがあっても良いんじゃないかな、とも思う。ま、別の方向でのチャレンジやアプローチがあるからまた大いに発展していく可能性はたっぷり残されているのも頼もしい。多分今作は彼らのアルバムとしては最高傑作だと思う。アルバムタイトルからしても最高傑作じゃないとマズイだろうし(笑)。んで、長尺な曲がいくつかあって、それはもうね、かなり圧巻というか圧倒的な曲に仕上がっててロックってこういうモンだよな、ってのを納得しちゃうくらいの迫力。グレン・ヒューズの気合と根性で出来上がっているのかね、この迫力は。凄いモノがある。今の時代にこういうのがどういう風に受け取られるのか分かんないけど、王道ロック好きな人はまず聴いて欲しい。「The Cove」とか凄いよ。最後の最後までニヤリとさせてくれます…Zeppelin好きなら分かるか?

 そんな感じで全曲聴きどころあるし、グレン・ヒューズが自身の作品としてリリースしたのも頷くアルバム。全編に渡ってのジェイソン・ボーナムのドラムの存在感のデカさが自分的には凄く響いててね、今度はボナマッサにも印象的なギターリフを練ってもらって、それ一発での曲とか作って欲しいくらい。後は民族系との融合を果たした圧巻の楽曲とか…、あぁ、キリがないけど、このバンドにはどうしてもZeppelinの直系の幻想を抱いてしまう。うん、素晴らしい、バンザイ!ってなトコだ。


McAuley Schenker Group - PErfect Timing

McAuley Schenker Group - PErfect Timing (1987)
パーフェクト・タイミング

 季節が変わるタイミング、様々な変化を実感できる時期なので好きな季節でもある。着るものも食べるものも変わり、自分的にも色々変化していかなきゃってのも思うしね、今年は他の要因もあったから環境を割と変えている。勝手に変えられる環境変化じゃなくって自分で意識して変えていってるからその変化を楽しんでるし、新たな時流に乗った環境ってのはここまで変わったんだ、とか随分と進歩しているんだな、なんてのが多くて驚く。このまま年重ねてったら何だこれは?みたいな時代になるんだろうか。なるべく時流に着いていってるつもりなんだけど、全然追いつかないってことが分かった。もっともっと敏感に触れ続けていかないとやっぱり取り残される。

 1987年にリリースされたM.S.Gの「Perfect Timing」。M.S.Gったらマイケル・シェンカー・グループかマジソンスクエアガーデンだろ、ってな話だが、当時からマイケル・シェンカーがインタビューなんかで言ってたのがこれはマッコリー・シェンカー・グループだ、ってな事。コイツ、何言ってるんだ?って思ったんだが、それくらいにフロントボーカルのロビン・マッコリーを重宝してたんだろう、アルバムジャケットだって二人しかいないしさ。元々好きだったんで新作リリースなんて時に気にしてたんだが、MTVで見たシングルはどうにもパッとしない、と言うかあの神懸かったマイケル・シェンカーのギタープレイはなく、どうにもキャッチーで普通にそこらへんにあるハードロックなバンドの音にしか聴こえなくて、中途半端にAORなサウンドに近かったし、陰のない、抜けた明るさを持つような音で引っ掛かりがなかったもんだ。なのでアルバムも全然聴かなくってM/S/Gは終わった感あった。

 ロビン・マッコリーってアイルランド出身なんだ…、マイケルがドイツでしょ、他のメンバーは仕事で参加している感じだから英国、アメリカなどLionheart組もあるけど、そこまでアルバムの音に反映されていないのでは?と思ったら初っ端の曲はロッキー・ニュートンとロビンの作品ですか…、正に多国籍軍なバンドがアメリカ進出のサウンドを皆で狙ったというような作品。おかげで個々人のテクニックや技量は十分ながらも肝心の音楽が面白くないという結果に終わっている気がする。もっともこのヘンでマイケルを知った人も多いだろうからあながち失敗とも言えないのだろう。そんな経緯もあったけどアルバム自身は何回か聞いたことあったくらい。今回また久々に聴いてみたけど、やっぱりこの音作りが一番のネックか。曲もどうにも面白味なく、マイケル・シェンカーのギターも冴えてない、ってかそこまで聴かせるプレイが多くない。でてきた時はさすがのメロディアスギターを聴かせてくれるし、いくつかはインパクトあるリフなんかもあるから思ってるよりも悪くないんだろう。ただ、ここまでキャッチーな歌メロと曲構成が好ましくないんだろう。

 マッコリー・シェンカー・グループを思い出したのはこないだのマイケル・シェンカー・フェストでのライブで歌ってたのを見てからさ、ロビン無茶苦茶歌上手い、ってのを実感して…、周りが如何に下手くそな歌い手で味わい深い歌手だったかってのを思ってしまってさ、それでロビンの歌ってこんだけ歌えたんだったら全盛期も凄かったんだろうな、ってのがあったから。んでアルバム聴くんだけど、そこまで突出した歌には聴こえないんだから不思議。色々とプロデュースミスだったんじゃないか、このユニット、とか思うワケです。まぁ、次作「セイヴ・ユアセルフ」ではその辺払拭してのアルバムに仕上がっていてファンも増えたらしいから初めてのトライでの反省点は大いにあった、ってことか。どうにもうだつの上がらないアルバムという印象。マイケルのプレイも何か鬼気迫ったフレーズが見当たらないんだよね。

Black Earth - 20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016

Black Earth - 20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016
20イヤーズ・オブ・ダーク・インサニティ・ジャパン・ツアー・2016 [DVD]

 今年はあんまり誰かのライブに出かけたという記憶がない。自分が好きなど真ん中のバンドなんて70年代のばっかりだから今来ても見たくないくらいに爺さんだし、ロックってのはパワーがないとやっぱりエネルギーにならないし、そういうのがなくって懐メロだけってのも情けなくってヤだからあまりないし、かと言って若手のバンドのどれかライブ行くか?ってのもあるのだが…、いや、行きたいけど分かんないとかチケット取れないとかそういうのばかり。サマソニでのThe Strutsみたいなのがあると良いんだけど、あ、そういう意味ではBabymetalくらいしか見てないかも(笑)。

 2016年になってからかな、初期Arch Enemyのメンバーが再結集してArch Enemyの初期三枚からの曲だけでライブやるって聞いたんだよね。その頃既にその初期のメロディと悲壮感漂う歌には慣れてたからそりゃ面白そうだ、まさかああいうのを生で見れるとも思わなかったし、ってことでひっそりとチケット取って、ってか取れたのも不思議なくらいだけど、普通にチケット発売日に「あ、今日だっけ?」って覚えてたから登録したら取れたってだけで、後で聞いたら相当の競争で全然取れなかった人も多かったらしい。お陰様で無事に当日見に行けたんだけど、もう若いんだよ、周りが。伝説になってたんだよな、ヨハンが歌うのがさ。俺らで言えばいつしかZeppelin再結成だぜ、ってなモンかもしれん。若い連中からしたらまさかそんなのが見れるなんて思いもしなかったって話。そうなんだ…ってことで、当日もちろんのことながら超満員オールスタンディングでの2時間強、後ろの方で見てました。それでもライブハウスだからメチャクチャ近かったしフロアは暴れまわってるし、それでいてマイケル・アモットの繊細なギタープレイはじっくり見つつ、やっぱりものすごく丁寧にじっくりと一音一音弾いているという感じで、それでもオーディエンスとの一体感を楽しむとかバンドとのアイコンタクトでのプレイは慣れたモノ、ヨハンはともかくながらクリスとはホント、見事な呼吸ぶりで、多少離れていてもプレイスタイルでの息の合い方が凄い。まさかノスタルジック的なこの編成でここまで現役感のあるライブが見れるとは思わなかったんでそうとう色々な意味で驚いた。

 そのライブの模様がCD+DVD化されて「20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016」としてリリース、多分日本限定盤なんじゃないだろうか、日本だと人気あるバンドだからね。ドイツのWackenのトリであの聴衆を前にプレイしているバンドと二名しか変わらないオリジナル・メンバーなのに目の前だよ。こっちの方が確かにアングラ感漂ってるんだけど、バンドらしい。ライブハウスが似合うバンド。今のArch Enemyはあんな音楽性なのにきちんとWackenでも聴衆が納得できるパフォーマンス性や超A級な楽曲を持っているからさ、その違いを実感してるのは現役メンバーの3人だろうな。一方そういう意味では大成できなかったメンツとしては悲しい現実か。そんなに綺麗に分かれるほどのものじゃないだろうけど、こういうの見てるとそっか、違うんだなってのがよく判ってくるから面白い。それもこれも含めて、ヨハンのダサいスタイルが思い切り泣ける素晴らしいライブ、よくぞリリースしてくれた。

Arch Enemy - Will to Power

Arch Enemy - Will to Power (2017)
Will to Power

 格安ケータイへの移行がもう結構なシェアで普通になりつつあるみたいで、自分的にもそうなんだけど、キャリアはうんざりなので、さっさと移行するワケだが、その時になって初めて知ったという自分のナントカポイントとかプリペイドカードへの残額とか、そもそも何がなんだか分からない状態での契約やサービスだったからそこそこのカネを全部捨て去ってしまった。解約するわ、って言った後にアレコレありますが…って話だからさ、別に今更じゃ止めとくわって話でもないからそのまま無駄に解約。汚ねぇよなぁ…しょうがないけどさ。何でキャリアのために消費者が調べて学習しないといかんのだ、ってのもあるしさ。競争社会を残るために複雑怪奇なサービスを作り上げて結果的に消費者を混乱させるというのはどうなんだ?だから格安ケータイへどんどんと流出していくんだろう。サービスも良いしね。ああいうビジネスは天狗になってしまう所あるから、こういう違う世界への競争へ持ち込むってのはとても良いと思う今日この頃。最近は身近な所をいくつかアップデートしているので、また新たな気分で色々と楽しんでいけづだろうよ。

 さて、Arch Enemyだ。このバンドをまともに聴けるようになるのに相当時間かかったし、アルバムを聴き続けるってのも結構な時間がかかった。更に初期ボーカルは割とまだ理解出来たモンだが、アンジェラ時代ってのが一番辛くてさ、ここを乗り切れなかったんだよねぇ。それでも楽曲の複雑かつユニークな構築美とメロディアスなギタープレイとヨーロッパ的なエッセンスと品格…、あれで品があるってのはヘンな話だけど、実際品格を保ったバンドなんだから面白い。その辺りを何度もぶち当たりながら聴いてたワケよ。何でそこまでして聴かなきゃならんのだ、って思うけど、どっか引っ掛かるし何か良いってのもあったし耳に入ってくるギタープレイの美しさがきっと擽るんだろうね。初期の絶望感も凄かったけど。そして2017年、ボーカルがアリッサになってから2枚目の作品として「Will to Power」がリリースされたんでこれもまたちょいと時間掛けながら聴いてた。初っ端から攻撃的且つ美しき旋律のギターメロの炸裂するSE的インストで、既に耳奪われてるという始末。アルバム全体としてはどことなくプレイ自体が初期に戻っていったような作風を感じる。ギターソロのメロディなんかはモロに踏襲している気がするしね。おなじみの楽曲作りという部分はあるけど、それでもそもそも複雑怪奇なメロデスというコンセプトだったからそれがかなり生きている。凄いよなぁ…この完成度の高さ。以前よりも丸くなった音と評されている部分もあるみたいだけど、自分的にはこれくらいが良いや。

 そして一番驚いたのはこれまでのArch Enemyの歴史の中でクリーンボイスでの楽曲があっただろうか?今作の中でアリッサがデス・クリーンの両方を使った悲壮感あふれるバラードが収録されてるんだけどさ、冒頭からクリーンなワケよ。盛り上がる部分はデスだったりするんで「らしさ」がなくなったワケじゃないけど、かなり新鮮に響くよね、これは。Arch Enemyです、って言っても分からないし、アルバムに入ってるから良いけど、単体で流れてたら妙な気分になるかも。かと言ってArch enemyらしさはきっちりとあるから浮いてはいない。こういう試みがあっても良いんだろう。何だかんだともう20年以上のベテランバンドだし、いつまでも色々と引き摺ってられないだろうし。結果的に聴いてみれば今回の「Will to Power」も相当にArch Enemyらしい作品に仕上がっているベテランバンドのアルバムだ。そこらのメタルバンドだと自分もほとんど聴かないんだが、これは何故か普通に聴いていられるという不思議。作品の出来映えが良いのかバンドに不思議な魅力があるのか…、かっこいいわ。




Steve Vai - Modern Primitive

Steve Vai - Modern Primitive (2017)
Modern Primitive

 基本的にギタリストのアルバムってのはチャレンジ的なのが多いから自分的にはそんなに面白みのあるアルバムだなぁって思うものは多くはない。バンドでやってる音が好きなんでギタリストだけのアルバムだとどうしてもちょいと方向が変わるしね。だからそれだけで食ってる人達って凄いなぁって思う。インギーにしてもヴァイにしてもさ、ギタリストの名前でアルバム作ってバンド組んでアルバム作ってるけど、もちろんバンド形態ではあったりするものの、あまりにもバンドになっちゃうとギタリスト名義の意味も無くなるし、その辺のやり方ってもちろん出来てるんだろうけど、ギター弾くと言う側面だけじゃないもんな。

 スティーブ・ヴァイの新作「Modern Primitive」、2016年リリース。日本盤だと「モダン・プリミティヴ/パッション・アンド・ウォーフェア25周年記念盤」ってカップリングもあるみたいだが、どうにもその当時から書き溜めていた、ってか残ってた楽曲郡をまとめてのリリースというお話。まぁ、どこがどうで、そういうもんか、みたいなのはよく分からん。ただ、相変わらずいつものように変幻自在にギターが歌っているアルバムと、さほど面白味を感じることのないインストばかりでどうにも自分的にはなじまない人、もっと真摯にギターをプレイしている人には響く作品な気がする。だってどうやってこういう音弾いてるの?とか出してるの?って全然想像できないレベルの音色が多数あるし、プレイだって伸びやかなサウンドから速弾き、シャカシャカなバッキングとかメロディアスなプレイなどなどホントになんでも出てくるからカラフルです。ひとつの曲でも10人くらいが歌っているかのように10通りくらいのギターの音色とプレイが鳴ってくるのもある。一体何なんだこれ?ってくらいには理解不能な作品。この領域まで来てしまうと、ホント、どこ目指してギター弾いていくんだろ?バンドとか恋しくなるのか、それともバンドなんぞやってるよりも思う存分音楽世界を構築する方が楽しいのか…、Zappaの世界に近いとも言えるのかな、さすがはヴァイ。

 ってもね、聴いてると結構BGM的にも馴染みやすいサウンドではある。歌入りもあるしさ。あまりにもテクニカルすぎるBGMだけど、決して暗くない、明るいムードの楽曲が多いから結構当てはまるんじゃないかな。耳の肥えてる人とかが聴いたら気になってしょうがないけど、普通には妙な雰囲気で面白いかも。そういう音楽じゃないけどね。それにしてもベースもドラムも凄いし、どうやったらこういう音楽を作っていけるのか…。ある種ジェフ・ベックと同じ世界に到達している感もあるな。






Crossroad

Crossroad (1986)
クロスロード [SPE BEST] [DVD]

 そういえば昔々に話題になった「 Crossroad 」って映画があって、スティーブ・ヴァイのギタープレイは映画の中でも思い切り派手にクローズアップされてたんで素人が映画を見ても何かスゲェな〜っての分かるんだろうけど、主役の方はテレキャスで地味なブルースプレイをしていたというものだった。んでもって、そのヴァイの方は本人がプレイしているんで映画でもそのままアフレコしてるんだけど、ブルースプレイの方は実はライ・クーダーがプレイしていたというお話。当時はそんなの知らなかったんだけど、すぐ話題になったのかな、へぇ〜、ってな感じだったね。どっちかっつうと注目はスティーブ・ヴァイの方だった人も多かったが、ま、そりゃそうか、とは思うがやっぱりブルースプレイ奥深さってのが出ててユニークな映画だったものだ。残念なのは最後の最後でスティーブ・ヴァイのド派手なパフォーマンスプレイに対抗するのに、最後の手段として出されたのがブルースじゃなくて、クラシックのパガニーニをギターでプレイした速弾きというもので、ブルース映画っていいながら最後はクラシックかよ…、なんてお話。

 話自体は今見れば大したこともなく、かなりダサい感があるのはどんな映画でも今から30年前ともなればそんなモンだ。それよりも影に隠れていながらしっかりと映画全編を通してブルースフレイバーを振りまいていたのがライ・クーダーのプレイで、役者の演技もともかくながら、味わい深いブルースギターを聴かせてくれている。改めて聴いていると、乾いた感触のギターで、正にデルタブルースと言わんばかりのプレイが聴ける。な〜るほどなぁ…、と。当時もそうだったけど、やっぱりブルースと言えばロバート・ジョンソン、そのロバジョンが悪魔に魂を売ったと言われているのが十字路=クロスロードだったという神話からこの映画が作られているのは明白で、ただ時代が時代だからフォークギターでのプレイじゃなくって如何にも悪魔とエレキ的なのが面白い試みではある。スティーブ・ヴァイの悪魔的なイメージの演技も見事なモノだし、対する主役も大人しい顔してコイツ、的に悪魔に魂売らないままここまで来ましたという感じが出てるか。

 ロックやブルースを題材にした映画って色々あるけど、昔ならそれなりに感動したりそういうもんかぁ、って思ったりしたけどさすがに今の時代で、今のキャリアではそうそう感動はしないなぁ…、時代のせいなのか自分の歳のせいなのか、そもそもチープなものばかりなのか分からないが、単純にロックスターが映画に関わるというのも才能がないと出来ない部分もあるし、ましてや映画音楽を担うなんてのは結構な重責なんだろうし。才能ある人はチャレンジしたがるんだろうね。ロックスターってよりも音楽家、の道ですな。


Ry Cooder - Ry Cooder

Ry Cooder - Ry Cooder (1970)
Ry Cooder

 そういえば昔ライ・クーダーって何かと名前聴いたしアルバムもそこそこ聴いたよな、と思い出した。何でライ・クーダーがそんなに名前売れてたのかよくわからなかったけど、ストーンズの「Let It Bleed」に参加していたなんてのが一番フックだったのかもしれない。後は「Boomer's Story」が実に素晴らしきアルバムだったこともあって他のアルバムもこれくらい素晴らしいに違いない、って思って割と見かけると買ってた人。まぁ、大抵はあんまり面白味がないいう印象しかなかったんだが…。

 1970年のライ・クーダー待望のファーストアルバム「Ry Cooder」リリース。これまでのセッションマン時代からソロ活動時代に入ったワケだが、当然ながら最初から既にプロのレベルにあって、音楽性にしても自分が常々やりたいと思っていたことをごっちゃ混ぜにしてプレイしている感じ。この時ライ・クーダー23歳、物凄い才能を感じるのは間違いなくって、テクニックも当然だけど、こういう音楽性の開花、新たなミクスチュアな感覚、そしてスライドギターの効果的な使い方、そして音楽という世界へのチャレンジ、ロックファンという感覚からするとさほど面白味があるワケでもないけど、ギター好きで音楽楽しいなって視点からすると実にバリエーションに富んだサウンドとアレンジ、どういうんだろうね、こういうのって。基本的にはザ・アメリカな音楽が入っているんだけど、ギターのフレーズなんかもカッコ良いし、サザンロックへの流用なんてのもできそうな感じ。

 アメリカの音楽に惹かれる人ってのはこういうのから入るのかもね。スライドギターもこういう音楽には実にマッチしているし、やっぱりカントリーフレーバーな中にあるのが生きるみたい。ストーンズの「Let It Bleed」もそういう雰囲気を持ち込みたかったからのアルバムだし、ライ・クーダー一人がそれを奏でているワケじゃないけど、絶大なインパクトだったことは容易に想像が付く。なるほど、このアルバムはそんなライ・クーダーの名刺代わりの一枚とも言える快作。聴き込んでいくとザ・アメリカな音の虜になるかもね。


Little Feat - Little Feat

Little Feat - Little Feat (1970)
リトル・フィート・ファースト

 アメリカはホントにデカい。行った時にもそう思ったけど、色々な音楽を聴いていてもそう思う。チッキとかエリアという概念がひとつの国に近いモンだから、当然ながら毛色が全然異なる。ものすごく保守的に地域の音楽スタイルを守り続ける部分とやっぱりミックスされて進化していく所と色々あるので、地元の音楽なんかを漁って歩いてアメリカ横断なんてしたら面白いんだろうな〜って思う。ブルース路線から南部あたりに行ったのでそのまま南部のサザンロックでも良いかと思ったけど、サザンロックってちょいと飽きるの早いしな…なんてのもあって、スライドギターって言えば、ってことでローウェル・ジョージですね、みたいな。

 Little Featの1970年のファーストアルバム「Little Feat」。まぁ、思い切り目一杯ニューオリンズサウンドっつうのかね、最初っからリトル・フィートってこういう音だったんだよな。ザッパの所から出てきてどうしてこういう音になるんだ?ってのが全く分からなかったんだけど、それはそれとしてリトル・フィートのサウンドは実にアメリカ的で大らかで空気を感じるサウンド。イメージはゴチャゴチャなサウンド、なんだけどカントリータッチってのかな、軽快さがあってスライドギターももちろんその中ではすべての楽器の間を縫っていくような音色での存在感で心地良い。こういう音階を辿っていけるのはスライドギターしかないからね、その音色を上手く使ったトコってのが面白い。1970年だもんな、この頃流行ったんだろうな。

 ファーストアルバムにしていきないライ・クーダーのゲスト出演というのも随分なバンドだ。ザッパの所にいた面々と言えどもデビューアルバムでゲストあり、しかもこの頃のライ・クーダーってまだそんないメジャーじゃなかっただろうし、スライドギターを味わせるための出演依頼だったのかな。見事な相乗効果が相俟った作品に仕上がってるけどね。ただ、やっぱりちょいとレイドバック的な空気感が漂うのはどうしても自分好みからはズレてくるのはいつものこと、それでもこの雰囲気を楽しむ味わうのはリトル・フィートの特有サウンドによるからだろうね。ホント、アメリカ、だもん。


The Allman Brothers Band - The Allman Brothers Band

The Allman Brothers Band - The Allman Brothers Band (1969)
オールマン・ブラザーズ・バンド

 やりたいこと、やらなきゃいけないことなんかが多すぎてなかなか時間が取れない…、そんなに多趣味というワケでもないけど、好奇心は旺盛なのでロック聴く以外にもしたいことはたくさんあるし、それを真面目に追いかけてるとキリがないんだが、ロックから離れた音楽ってのもやっぱり興味があって、ちょいと耳にすればなんとなく気になったりするし、会話の節々での情報も頼もしい。そんなことしてても好きだってものはやっぱり好きだな、って反応するしダメなのはやっぱりダメだ。面白いモンだと思う。

 The Allman Brothers Bandのデビューアルバムとなった「The Allman Brothers Band」、1969年リリースの作品にして、サザンロック、サザンブルースロック最初の作品となったアルバム、と言われている。聴いてみると一発で分かるように、全くのサザンロック。当人たちはブルースをちょいとエレクトリックなロックで自分たちの好きなようにプレイしたというものだろうけど、それこそが南部の若者たちの集まった結果で、しっかりとブルースを吸収しつつも南部の雰囲気、自身の持つ特性をそのままぶち込んだ何とも大らかなアルバムが仕上がった。もちろんヂュエイン・オールマンのスライド・ギターが気になる所だけど、それよりもディッキー・ベイツの方が活躍している感じだ。二人のギタリストが思う存分ブルースをプレイしているからそれはもうこの時代からしたら革新的なアルバムだったんじゃないだろうか。ジャケットだけはやっぱりアメリカなダサさはあるが。

 英国の若者たちはそのままプレイしないで自分たちのエッセンスを加えていったけど、アメリカ南部の連中はそのまま出し切っている、そのストレートな豪快さこそがサザンロック、このアルバムでも伸び伸びと大らかにプレイされているし、聴いていて嫌味のある曲やプレイはひとつもない、全くない。これぞ自分たちのブルースとばかりにそのまんま出してきてて心惹かれた連中は多かっただろうことが用意に想像できる。正にサザンロックの原点。そしてデュエイン・オールマンのプレイ…、いやはやインパクzト絶大なスライドで、それもきちんと曲にマッチしたインパクトでね、奇をてらったというものじゃないし、ひとつのステータスとして機能しているけど、しっかりサウンドに入ってる。反対にディッキー・ベイツのプレイは白人ブルースらしいプレイで実に微笑ましい。そして一番は若さゆえの熱気がヒシヒシと伝わってくる所かな。


Boz Scaggs - Boz Scaggs

Boz Scaggs - Boz Scaggs (1969)
ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン

 AOR畑の方々ってああいうのが好きでやってるもんだと思ってるけど、結構そうでもないのかな。売れなかったから売るためにやってった結果と自分の好きな方向性との妥協点があの辺になるってミュージシャンが多かったのかもしれないな。結構実力ある人達が、なかなか売れなくてAOR路線行ったら売れたっての多いんだもん。元々AOR路線を作っていった人は別としても、過去キャリアがあってからそこに向かった人はそんな所なんだろうなぁ…、ある種魂売ってるけど、商売上しょうがないだろう。

 Boz Scaggsの1969年のソロアルバム「Boz Scaggs」。昔からコイツは凄い、何が凄い、ってギターのデュアン・オールマンのプレイが凄い、って話だけを聴いてて、それがさ実はアルバムの終盤に入ってる「Loan Me A Dime」って曲が強烈でね、このアルバムって言えばそれしかかけないっていう感じだったからアルバム全般ってのがどういうのかよく把握してないという(笑)。いや、ホント、ここでのデュアン・オールマンのプレイはね、レイラのあのスライドの強烈さとは異なったプレイスタイルでの評判です。エグいく曲に絡んできて独特のトーンで、決して流れるようなブルースギターが、なんて形容することのできないアクの強い、引っ掛かりの大きいギタープレイが終盤に向けてのホーンセクションも交えての迫力に華を添えて舞い上がっていく、その中でも力強いギターの音が主張してて…、カッコ良い、ってのかな、迫力満点に盛り上がるっていう方が賢明か。凄いバンド感でロックしてます。フェイドアウトが残念だけど、こりゃ凄いって言わざるを得ないだろうね。

 さてさてアルバム全般を聴いていると結構バリエーションに富んだ作品が並んでいて、思い切りカントリーなのからAOR的なのやブルース、歌ものなどなどと歌の巧さを武器にアメリカ的なサウンドをやりまくっててなかなか飽きさせない。好みじゃないけど飽きさせないってのは見事で、そこかしこで突出してくるギタープレイはデュアン・オールマンなんだろうなぁ、きっと。ドブロ弾いてたり何気にスライドじゃないか、ってのもあるし、結構掴みどころのないアルバムなんだけど、アメリカのああいうスワンプ的なのが好きな人は抵抗ない音なんだろうね。




George Harrison - Living In The Material World

George Harrison - Living In The Material World (1973)
リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド(紙ジャケット仕様)

 ビートルズを語る事ってのが今でも割とあったりする。まぁ、自分からってのはあんまりないけど、振られる事は割とあるんでね、それなりなんだけど好き嫌いで言えばそんなに好きってワケでもない。ましてやメンバーのソロアルバム辺りになってくるとそれはもう、そこまで追いますかね?って程度の認識しかない。もちろんそれでもほぼすべて持ってて聴いてたりはするんで、あぁ、あれか、くらいには付いていけるんだけど、そもそもがそんなに好きじゃないから熱を入れてどうのってほどに何か話せるってんじゃない。特にリンゴのはダメだし、ポールはキライだから聴いてないし、じゃ、ジョンとジョージかってぇと、そうだね、そんなモンです…。

 George Harrisonの1973年のソロアルバム「Living In The Material World」。書評によれば歌詞はジョージが物質主義の社会に対する主張が謳われている傑作、なんてのがあるけど、何のこっちゃ、って程度にしか認識してない。タイトルがそうだから物質主義云々になるのだろうし、そりゃ意見意思がある歌詞なんだろうから、そういう方面なのかもしれないが、そこは取り敢えずとして音的な所はどうよ?ってな感じだけど、割とジョージの作品ってのは聴きやすくて面白い挑戦もしているから好きな部類に入る。クセになる中毒性はないんだけど、ちょいと引っ掛かりがある作品が多いね。このアルバムもスライドで結構引っ掛かりが来るし、ポップスです、なんて方向性はかなり薄いのもそれでも売れるから出来るワザ、このアルバムも初っ端はキャッチーな「Give Me Love」でスタートしてるから取っ付きやすいけど、聴いていくどんどんと暗くなっていくアルバムの重さに気づくだろう。そうして不幸にしていくのはジョンもジョージも同じだ(笑)。

 それにしても美しいアルバムだ。鍵盤にニッキー・ホプキンス、ゲイリー・ライトでベースにクラウス・ヴォアマン、ドラムはリンゴやジム・ケルトナー、ジム・ゴードンとレイラ組、う〜ん、それでこの音の彩りなんだからやっぱり製作者のセンスによって音色が変わるってのは大きいんだろうなぁ。微妙にギターだけ強化しないまま自分で弾いててロックらしさからやや離れたポジションにいるような所がジョージらしい。何か凄く久々に聴いたんだけど…、いいな、これ。こんな良かったっけ?ってくらい良かった。心があるんだよな…。


Delaney & Bonnie & Friends - On Tour With Eric Clapton

Delaney & Bonnie & Friends - On Tour With Eric Clapton
オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン

 聴かず嫌いのままでほっといたアルバムもたくさんある。会話してると「え?聴いてないの?」なんてことを言われることも多いんだけど、そりゃそうだろ、全部聴いてないだろ、普通、とか思うんだけどな。ロックの名盤らしきものは全部通ってるみたいに思われてるけどさ、そりゃ聴けるなら聴いておくべきとは思うけどさ、何か性に合わないのなんて別に聴かないじゃない?特にアメリカモノではそんなの多いし、かなり聴いてないと思う。だから今この年にして初めて聴いてかんどうするようなアルバムもあるワケですよ。それもまた楽しくてね、良いです。

 Delaney & Bonnie & Friendsの「On Tour With Eric Clapton」、そうもちろん有名なエリック・クラプトンが参加した、ってヤツですがね、自分も大して調べてなかったのもあるけど、まず、メンツがほぼ英国人のスワンプ・ロック好きな連中ばかりで、デイブ・メイスンやボビー・キーズ、リタ・クーリッジなどなどで何でデラニー&ボニーのバンドでそうなる?と不思議に思ってると彼らの英欧ツアーのバックとして参加したのがその面々ってことね。自分たちのバンドだけじゃなくて一緒に多数のメンツでやったってことらしいけど、それにしてもデイブ・メイスンの曲演ってたりとかするし、結構な密接度合いだなぁともうちょっと背景を知っていかないと何でこういうメンツになっていったのか分かんないや。適当に音楽だけ聴いて良し悪しじゃなくってね、そういうのって自分的には結構重要。そういえばクレジットないけどジョージも参加しているとかいないとか…、それはまぁどっちでも良いけど、アメリカ南部のサウンドにブルースギターが入ったもので、まだまだその発想が斬新だった頃の創成期アルバムになるのかな。

 ん?いいじゃん、これ。 ってのが最初の感想。ボニーさんの歌い方ってジャニスみたいだしさ、熱唱型で好きですよ、こういうの。クラプトンのギターも結構エグい音で鳴ってて雰囲気出てるし、ジャニスのバンドみたいな雰囲気だしさ、ゴチャゴチャしたホーンセクションとの融合もそれらしいし、何だ、南部の音でとかレイドバックしたクラプトンの原点はここにあるとかそんな事が書かれてるのばかり読んでたから聴く気にならなかったけど、普通にサンフランシスコ風味なジャニスのバンド風味なロックじゃないか。それならもっと早く聴いてたのにな(笑)。


Al Kooper / Shuggie Otis - Kooper Session

Al Kooper / Shuggie Otis - Kooper Session (1969)
Kooper Session

 ちょいと漁っているシュギー・オーティスの世界、どうやら若かりし頃にはブルースにどっぷりと浸かってたけど、父親のバンドで演奏するようになってからはかなり幅広いサウンドを吸収していったこともあってか、ブルースという枠組みだけではない音楽性の広がりを見せていった。更に言えば、その幅が広すぎたが故にブルースというところに立ち返ることもそれほどなく、どんどんと発展していったという傾向が強いみたいで、ミュージシャンの一つの過程がたまたま垣間見れたのが初期のシュギー・オーティスのブルースプレイというだけのことだ。普通はそういうのは出てこないでもうちょっと完成されてからシーンに出てくるからそういう誤解を与えないで済むんだけど、来歴が来歴だからしょうがないね。

 ってこともあるけど、その若かりし頃のブルースギターの白熱ぶりが聴いている自分なんかには結構響いてきて頼もしかったりするので、アル・クーパーとのセッションアルバム「Kooper Session」なんてのも聴いてみた。このアルバム、存在は知ってたけど、何せマイク・ブルームフィールドとの「スーパー・セッション」があって、その二番煎じ的な言われ方してて、更にそこまでの名盤ではないが…みたいな評論も多かったためか、自分は全然通っていなかったアルバムです。アル・クーパー単体で聴きたいって思うことはないからなぁ…、シュギー・オーティスってのも知らんかったし、ジャケットもダサいし、ちょいと失敗したかな。まぁ、今からでも聴けるなら良いじゃないか、ってことでシュギー・オーティスをひたすら漁りまくってる中で、重要な一枚、何と言っても15歳のシュギー・オーティスのプレイだからね。

 A面はアル・クーパーの歌中心のセッションで、マーク・ナフタリンなんかも参加しているけど、あんな感じの作風で、シュギー・オーティスはギターソロフューチャーのところで思い切り出て来るんで、その使い方はマイク・ブルームフィールドとのセッションと同じようなものだけど、なかなか聴かせてくれるギターが頼もしい。んでB面はもうブルースサイドってことで歌なしのブルースセッションのインストばかりで、最後の「Shuggie's Shuffle」が一番だろうなぁ、ペケペケのギタープレイでガツンガツンとカマしてくれます。リズムも無視した白熱のプレイなんかも出てきてさすがに若い、若すぎるってくらいにフレーズの味わいは見事なんだけど、まだこなれてきてない、というのか、セッションは凄いけど、やっぱキャリア不足っつうか、それもあってのこのアルバム、マイク・ブルームフィールドとのヤツに比べるとどうしても評価は低くなる。んでもさ、それは比較論であってだ、こういうひとつのアルバムとして聴くと、そこらへんのよりも面白いブルースギターを展開してくれてて聴き応えある一枚に仕上がっていうのは間違いない。


The Johnny Otis Show - Live at Monterey!

The Johnny Otis Show - Live at Monterey!
Live at Monterey!

 R&Bってのは時代を物語る音楽ジャンルの呼び方のひとつにもなってるんだろうけど、自分的解釈では単純に黒人ソウル系の音楽という感じ。リズム&ブルースではあるけどブルースな音楽スタイルの話ではないので、やっぱりソウル、ってトコだ。んで、黒人であることがその条件という印象だったんで、今回のJohnny Otis ShowのJohnny Otisが白人…ってかギリシャ移民系ってんでR&Bの帝王的に言われていたのはちょいと「??」だった。来歴を漁るとその由来はよく分かるお話で、結局R&B的なのが好きで周囲にもそういうのを配していたのとそれが昂じて自身のクラブを立ち上げて演奏させて巡業にも出てレコードも出していったことでひとつのパッケージとして成り立たせた、それがJohnny Otis Showと呼ばれ、R&B界隈の帝王になるワケだ。自身が音楽的なアイコンになったワケじゃなくて、ビジネス方法がR&Bに貢献したって話が大きかったようだ。

 そのThe Johnny Otis Showの最高傑作と誉れ高いライブアルバム「Live at Monterey!」。1970年リリース作品で、この頃ともなると実はR&Bの連中からすると既に終わってる感のある時代にもなるんだが、どうしてどうして、そんな素振りなんぞ全く感じさせない円熟感の乗った熱〜いライブをたっぷりと聴かせてくれます。息子のシュギー・オーティスは全部参加しているんだけど、そこまでハードなブルースギターが登場するのはさほど多くはなくって、基本的にはハコバンのギタリスト的な演奏がメインだが、リトル・エスターのブルースナンバーなんかではもう大活躍してくれてて、これぞブルースギタリスト、ってな感あるから楽しめる。もちろんそこに至るまでのアルバムの流れ的にはさ、歌う人がコロコロ変わってて、名の知れた歌い手が次々に登場して得意の風味で歌い上げていってくれるんで、一大パーティ的なライブアルバムになっている。そこがこのアルバムの飽きないところ。更にテンション高いから凄いんですな。こういうライブやってみたいよな、って思うくらいの楽しみ方がそのまま入ってる。

 こういうの、何ていうんだろうな。R&Bなんだけどそれだけでも括れないし、自分みたいなロック野郎が聴いても面白いな、ブルースだなってのもあったり熱唱に惚れ込んだりもあるしさ、良い音楽、ってのはこういうのなのかもね。ライブだから余計に自分もその雰囲気を一緒に味わってるのもあるしさ、ホーンにしてもうるさくないし、その筋ではスゲェ名盤で有名な作品だからあまり今更くどくどと書けることもないけどさ、ちょっと何度か聴きまくってて楽しいな、ってのが一番大きい。んで、たまに「お?」って思うブルースギターの音が聞こえてくるから気になるし。その言い方で聴くとモダン・ブルースな流れにある面が大きいか。シュギー・オーティス自体はもっとシカゴ的エッセンスが大きいみたいだが。それにしてもソロであんだけの天才的なブルースギター弾いてて、こういうバンドで何年もギター弾いてて、結果的にそこから生まれたソロアルバムではブルースから飛躍したサウンドが多くって、やっぱりアーティストだったんだろうなぁ…、などと余計な事も考えつつ、この作品でのブルースギターを聴いて楽しんでいるという変わった聴き方。それでも名盤です。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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