年末のご挨拶

本年も拙いブログへの訪問、感謝です。

早、12年目に突入していて、それって小学校1年生から高校卒業まで?ってくらいってのが年月の長さを感じます。もっとも書いてる側はさすがにネタ切れてきたな〜ってのありますが、新しいのも聴いたりハマったりするし、楽しんでますね。ただ、以前に比べるとそれはもう全然聴く時間とか回数が減ってるから、アレどんなんだっけ?ってのも多くなってきたのも事実…。

などなどありますが、ロック、良いよね。
レジェンドたちがどんどん逝去していくけど、聴き続けたいし。

てなことで年末のご挨拶♪

Humble Pie - Street Rats

Humble Pie - Street Rats (1975)
ストリート・ラッツ(UKヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

 2016年最後のアルバムレビューになってしまうのだが、毎年さほどそれが誰になるかとか誰にするとか決めてることもなく、流れのまま、思いつくままに進めているだけなので何のリアルタイム性もなく、実に一方的な書き方ではあるワケですが、そういうトコです。もっときっちりとリアルタイム的に時勢と合わせて書ければ良いんでしょうけどね、ちょいとそこまでは難しいかな。なのでこんなスタイル、それでも長々とやってますね。まだまだロック、聴き続けて行きます。

 Humble Pieの9作目となった1975年リリースのアルバム「Street Rats」。第二期Humble Pieの最終章、一旦これでバンドは解散になって、しばらくしてからの再結成となるんだけど、この「Street Rats」の時点で既にメンバーでのアルバム作成という形態が取れていない作品、実質解散状態にあった中でのスティーブ・マリオットの自宅スタジオでのセッション活動を纏め上げたようなシロモノなので、当時からHumble Pieの最終作にして駄作、やる気なし作品のように言われていたし、実際その通りではあるんだけど、今の時代に来れ聴いてみてそうは思わないんじゃないかな。そういうのもあるけど、相変わらずマリオットの黒い素晴らしきボーカルは健在だし、R&Rとソウルの組み合わせによるHumble Pie独自のスタイルは健在だし、クレム・クレムソンのギターも良い味出してるし、勢いとかゴージャスさってのは無いけど、Humble Pieとしての魂はしっかりと存在している作品だ。カバーが多いからやる気なしっての思われるけどさ、ビートルズの曲だからってマリオットの魂が変わるワケじゃない。それだって普通にやってないしさ。

 バンドってこういう経路を辿っていくんだな、ってのをモロに実感するアルバムではあるけど、捨てきれないでやり続けていくっていう意志の強さと言うのか、想いってがあって、それを実感させてくれてるアルバム、っていう珍しいパターンか。ビートルズだって最後はそういう作品だから、バンドってのはそういうのがあるのかもな。それでもリリースしないといけない、ってバンドの方が多くないってことかもしれない。その意味ではHumble Pieってのはそういうバンドだったワケだ。しかし、聴いてるとどんどん切なくなってくるアルバムだな…。空回りしまくってると言うか、思い入れとちぐはぐですれ違いな作品っつうか…、それもロックだ。





Rory Gallagher - Blueprint

Rory Gallagher - Blueprint (1973)
BLUEPRINT

 年の瀬にはR&Rだよ、やっぱ。意味もなく勝手にそう思い込んで聴きまくってる次第だけど、やっぱり古いロックのエネルギーには敵わんよ、ってのも勝手に思ってる。今時のバンドでも当然パワーが有ったり熱意やテクニックがあったりするのも当然なんだけど、どういうわけかオールドロックのエネルギーまでを感じることが多くない、ってか全くない。ライブハウスなんかじゃそんなことないのかもしれないけど、それでもあのガツガツしたハングリーさは今じゃほとんど見当たらないだろうよ。もっともそれを求めている連中もいないだろうからそういうのは自分達みたいにそういうのが好きな連中と共に世の中から消えていくのだろう。う〜ん、寂しい限りだがそれもロックの宿命。

 Rory Gallagherの1973年リリースの3枚目のスタジオ・アルバム「Blueprint」。いや、もうね、昔から好きな人だったんだけど、長い年月掛けつつ聴いている中で、ジワジワとどんどんと好きになっていく人でして、昔は曲が良いの少ないからギターとかエネルギーとかパワーとか熱気とかそういうロック的なところが凄く好きだったんだけど、ここの所は割と曲も好きになってきてて、そりゃもちろん聞き慣れてきたからってのも大きいんだが、ワビサビを感じる歌心とか曲のセンスとか、そういう所で良いなぁ…と思うことが多くてさ。そこに気づかなかったらあまり聴かなかっただろうけど、そのあたりが繊細でよろしくてね、単にギター小僧って話じゃなくて、ようやくにしてRory Gallagherって人の非凡な才能を味わってる所とでも言うのか、ジワジワた楽しんでます。

 そんな中のこの「Blueprint」というアルバム、鍵盤奏者をメンバーに加えてのアルバムで、挨拶とばかりにバンバンと鍵盤が加えられてて躍動感溢れる作品に仕上がっているって言えるかな。それまでのトリオ編成でのギタープレイが好きだった人はちょいと邪魔が入ったか、って感じはするんだろうけど、それくらいの変化は良いじゃないか、どうせまたもとに戻るんだし(笑)。TYAみたいなもんだよ、と。当時はそういうのもイマイチ感だったんだろうなと思うが、今ならそういうのも関係なくフラットに聴けるってなモンだろう。相変わらずのギタープレイ、切ないアコギのプレイも含めてこの熱さはやっぱり痺れるよ。



Traffic - Traffic

Traffic - Traffic (1968)
トラフィック+5

 今年はどうだった、来年はこうしたい、などなど色々ケジメを考える時期になってきて、それこそ日本人、ってなトコですが一切お構いなしに進みまくる当ブログ、いやはや11年も軽く過ぎ去り12年目に突入中、それってよ、中学生くらいでロックに目覚めたヤツが既に社会人になってるって事だよな?そんなのは稀だろうけど、そこまで行くと誰かの人生に影響及ぼしているんじゃないか?なんて気にもなる(笑)。これほどに無責任に一方的に影響与えているんだとするならば結構怖いものあるな、などとふと思った。でも、そういうミュージシャンやアルバムってのもたくさんあるんだろうな。作り手の意思じゃなくても凄く影響を受けたアルバムってあるし、人生変わった、ってのもあるもんね。

 …てなこととはまるで関係なく、普通に男の歌ものって何かあったかな、とあんまり聞く事のない作品郡の中から引っ張り出してみたのがスティーブ・ウィンウッド、Trafficの1968年のセカンド・アルバム「Traffic」です。どうもスティーブ・ウィンウッドのソロ作は多分自分的にはダメなんだろうな、と思ってて、ならばTrafficの方がまだ聴くだろう、ってことでチョイス。冒頭から、と言うか全編的にバンド的に基本カントリータッチ、スワンプ色が強いアルバムで、それは単純にデイヴ・メイソンの志向性なんだろうけど、その時のスティーブ・ウィンウッドはもちろんブルース系統の方になるんで、自分的にはそっちなんだけど、バンドの構成上ではデイヴ・メイソンと半分づつの負担になってる。聴いてるとどうしてもスワンプ色の方が強く聴こえてしまうんだな。自分が苦手な音世界だからだろうか、気分は悪くないんだけど、このタッチってどうにもねぇ…。

 で、スティーブ・ウィンウッドの作品郡ではデイヴ・メイソンも良いギター弾いてるし歌はさすがに引き締まったかっちょいい歌で、やっぱりこっちのが良いよな、って思うんだけど、そのヘンがごちゃ混ぜになってるからTrafficはスゲェ、ってのとバランス悪いなぁってのと両方ある。ただ、この作品、恐ろしくハイレベルハイセンスな音作りされてるのは確か。これまで苦手だってだけであんまり聴いてこなかったけどさ。じっくりと聴いてくと多分好きになるんだろうという気もする。カントリータッチじゃないのは英国的な雰囲気がもちろん大きいし。でも、スティーブ・ウィンウッド的にはもっともっと歌を強調したかったんじゃないだろうか。それでソロに向かいたがる、解散に向かう、ってのも分かる。そんな事露知らずで個性と才能をぶつけ合って作り上げた作品だから悪いワケがない、が、自分的にはまだまだじっくり聴かないといけないバンドのひとつ。



Helen Merrill - Helen Merrill with Clifford Brown

Helen Merrill - Helen Merrill with Clifford Brown (1954)
ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン

 年の瀬のイメージは雪がコンコンと降っていて家の中で団欒の時間を過ごしている、そんなイメージなんだけど実際にはそういう事はまずなくっていそいそと何か日常と変わらない生活をしているだけ、な気がする。そもそもそういう雰囲気とかは自分が意識しないとそうならないものだし、それで決め事をして季節や行事の節目を創っていくものだ。そういうのを意識すると色々と時間の感覚が替わってくるとも言う。そうかもな。この時期にはこれやって、とかそろそろこんな時期だから…などなど。まぁ、年末年始ってのはそういうのを意識しやすいタイミングだから日常とちょっと変えるってのは重要だ。…って多分自分は変わらないんだろうって気がするが。

 そんな年の瀬をイメージしてみるとこのヘレン・メリルの名作「Helen Merrill with Clifford Brown」は更にその夜に一人でグラスを傾けて暖炉の前のソファに座って聴きたいアルバム。若きクリフォード・ブラウンのトランペットが強烈に刺さり、クインシー・ジョーンズも参加し、そういう才能ある連中を従えつつのヘレン・メリルの素晴らしき歌声。20代初頭でこの歌声と切なさ、疲れ具合、ため息的な歌、どこを取ってもどうしてそんなの歌える?みたいな歌唱に惚れ惚れする。アルバムは1954年にリリースされている、そう、もう半世紀以上昔に吹き込まれた作品がこれだけの生命力を持って現代に訴えかけてくるというこの変わらない凄さ、熱気が今でも伝わってくるんだもんな、生で見れてたらどんだけ失神できたことか…。

 ジャズに興味を持った最初の頃に聴いてたアルバムで、その時からもう大好きでね、かと言って何度も何度も聴いてたワケじゃないですが、ただ、聴くといつも凄いなぁという感じ。トランペットの存在感が圧倒的でクリフォード・ブラウンのソロ作なんかももちろん聴いたりしたけど、ここでの静と動的なヘレン・メリルとの対比ほど生かされている作品はなかなかないんじゃないかな。これもキライな人は多分いないと思うアルバム。





Alexis Cole - You'd Be So Nice To Come Home To

Alexis Cole - You'd Be So Nice To Come Home To (2011)
ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ

 最近はジャズ歌ものを選ぶのに悩むことなくアルバムジャケットで選んでいる。元々中身はさほど違いを理解できていないので、聴いていて心地良いかどうか、みたいな所だけなのでそうそう合わないというモノもないし、普通に聴ける範囲が多いのが当たり前なので割と気分のときには無差別に漁って聴いている事が多い。その中でとっても好みだ、っていうのに当たることもあって、それは嬉しいよね。ジャケット買いなのに自分好みでピッタンコ、ってのはさ、ホント、そうそう多くないからね。

 Alexis Coleという女性ジャズボーカルの2011年の作品「 You’d Be So Nice To Come Home To」。この人、そう言えばなかなかいつもセクシーなジャケットで心ソソられる作品が多いんだけど、そっちの話はともかく、この「 You’d Be So Nice To Come Home To」では(自分は知らないけど)One For Allという著名なスウィングジャズバンドと一緒にやってるということで、ふたつの大型アーティストが合体した作品との事で話題になったらしい。それは結果論としてのお話でしか思えてないけど、普通に聴いてとっても素晴らしい作品。自分の好みど真ん中の音が出てきているからなんだけど、こんなに自分はこの手の音が好きだったのか、と思ったくらいだ。アレクシス・コールのちょいと舌足らず的な歌声に加えてバックのこのスウィング感、正にジャズ、と言った感じのバンドの音がね良いわ。それでいて現代的。日本のEgo Wrappin’聴いているかのような感覚にもなる雰囲気があるから、純粋にスウィングジャズボーカルアルバムとも言い切れないのかもね。何が違うのかがよくわからん。スタンダードな歌ものなんだが…。

 んで、ジャケットがさ、ヨーロッパの黒電話とかだったらもっと雰囲気出たのかもしれないけど、プッシュ式の公衆電話ってんでもこんだけ雰囲気出ているのは見事。何気ない一コマなのにこうして切り取ると芸術的なショットに見えるんだから面白い。写真好きな人はこういうテクニック知ってるんだろうけど、やっぱりアイディアありき、もあるだろうし目にしたシーンを絵にするというセンスなのかもしれない。何というか、こういうのいいな、って思う欲望なんだが、素敵です。それでいて中身の歌も音も素敵でごきげんなスウィングを満喫した時間でした。多分キライな人いないでしょ、こういうの。





Karen Souza - Essentials 2

Karen Souza - Essentials 2 (2014)
essentials 2

 歌モノをゆったりと聴いている時間がなかなか無い自分のライフリズム、どこかでゆったりと時間が取れたら聴こうなんて思ってたけど、ホントは時間の問題じゃないんだよね。そういう気分で聴きたいか、っていう自分のお話。たまたまクリスマスでジャズボーカルモンを聴いてゆったりしてしまったので、こういうの良いんだよねぇ…、でも何枚も聴いてると飽きるから、適度に…なんて思ってて、ふと見つけてしまったアルバムがこれ。いつものブログ仲間灰とダイアモンドと月の裏側の世界の風呂井戸さんトコにはもちろんあったので参考に…。

 2014年作品のカレン・ソウザの「Essentials 2」。「2」ってことは、なんだけど、そうそうもちろん「Essentials」ってのもあって、強烈に覚えてるんです。こんなに若いジャズボーカリストが80年代のポップスをジャズ流にカバーして歌ってて、それがまたかなり良い感じだったんで、自分のコレクションにもしっかり加わってるんです。それの続編ってことだろうから、これはこれは…ってことで聴いてるんですがね。今度は90年代以降も含めてのカバー作品で、ほとんど元ネタ知らないという(笑)。それでももちろん幾つか認識してて、不思議な事にその多くはCorrsで知ってたと言う…。カレン・ソウザってアルゼンチンだからそうそう関連性もないとは思うが、まぁ、ロック系に近いものを多くカバーしているのは無謀と言えば無謀では?スタンダードじゃ面白くないってのは同感だけどさ。

 想像以上に良かったのがTanita Tikaramの「Twist In My Sobriety」。しっかりしたメロディなんだろうね、ぴったりとマッチしててしかもジャズボーカル作品としても味わい深くて良かった。「Dreams」とか「Everybody Hurts」、「Think for a Minute」あたりはポップス系統だからってのもあるんだろうけど、ちょいとカバーシきれていない、と言うかポップス系でのカバーだからジャズにこだわれてないというかね、普通に静か目でカバーしてるだけでカレン・ソウザを活かしきれてないかなぁ。エルビスの「Can’t Help Falling In Love」はここまでやってくれるか…ってのあるけど、そっか、カレン・ソウザってのはもうジャズボーカルという位置づけで考えてはいけないんだな、と気づいた。ポップスでもジャズボーカルスタイルのポップスシンガーと言うかね、そういうのがたくさんあるワケだし、多分世の中的にもBGMとして役立つこと多いんだろうし。

 しかし面白いアルバムだ。何だかんだ言いつつも、ず〜っと聴いてて、楽しんでしまったもん。ついつい原曲漁ったりさ、聴いてて心地良いのは確かだし、心にゆとりの持てる幸せな世界に浸れる時間だった。







Diana Krall - Christmas Songs

Diana Krall - Christmas Songs (2015)
Christmas Songs

Merry Xmas!

…ってな気分の所で、硬いことは言わない、しかもロックとも言わない(笑)。とっても素敵なアルバムがあるからそいつをオススメしておきたいだけ、です♪

 Diana Krallの「Christmas Songs」。2015年リリースの思い切りジャズシンガーなクリスマスアルバムです。しかも甘くないテイストのジャズボーカルモノ(笑)。ロッド・スチュワートの「Merry Christmas, Baby」もいいな〜って思ったんだけど、甘くて甘くてアマすぎるからさ、ダイアナ・クラールの方が全然尖ってていいかな、って。ちょっと刺したくなる気分でもあるし、甘甘じゃ面白くないでしょ。

 曲はスタンダードばかりだし、歌の旋律だって基本的にそのまま、アレンジはジャズボーカル用にピアノ中心だけど、何だろな、この歌のキツさ、っつうかジャズボーカルなんだから甘いハズなんだけど、性格が出るのだろうか?強さが前に出ているとでも言えば良いのかな、タフな女性の歌声。シビれるねぇ…、クリスマスとかどっちゃでも良くなってきて、歌の世界に入り込めてしまう感じ。

Happy Xmas!!







The Brian Setzer Orchestra - Rockin' Rudolph

The Brian Setzer Orchestra - Rockin' Rudolph (2015)
Rockin' Rudolph

クリスマスイヴ♪

ワクワクする特別な一日って思える日♪

 なんて気分が盛り上がっている人も多いことだろうからシンプルに、こんなBGMいかが?ってなトコで、The Brian Setzer Orchestraの「Rockin' Rudolph」。こういう作品って毎年登場させられるから良いよね。こんだけ徹底してアメリカを代表するクリスマスソング集のロカビリー盤なんてあり得ないし、こんだけ楽しませてくれるのも他にないし、ホント、独自の作品。しかも軽快に楽しめるし、基本カントリータッチだから誰でも気軽に聴けるし、多分こういうのキライな人いないと思う。だからちょっと置いてあればとっても楽しめること間違いないし盛り上がることも間違いない。一人でこれ聴いてクリスマス気分を盛り上げよう!ってのは寂しすぎるけど、そんくらいは楽しめちゃうアルバム。ってか、誰かがいても一人で悦に入って楽しんじゃうアルバム、かな。

 こんだけ歌えてギター弾けてムード出せてオーケストラも従えて美女もたくさんいるように聞かせて楽しませるって凄いよ。古き良きアメリカってこういうモンだったし憧れや夢をそのまま見せてくれる作品で、誰が聴いてもハッピーです。ギター弾きまくりがちょいと少ないのはあるけど、まぁ、そういう作品でもないし良いんじゃ?しっかりと楽曲R&Rしてるしホーンセクションもカッコ良いし、何も言うこと無いわ。

Happy Xmas!





Patti Smith - Trampin’

Patti Smith - Trampin’ (2004)
トランピン

 昔からの女流ロッカーはどんどんと重鎮化していく。面白いことにシーンから消えるということはなく重鎮化していくのは、男も同じだけど作り出す作品が重みを持っているからだろうか、軽いのはどんどん消えていくワケだからやっぱりロックというアルバムに意味があったものが残っている、そういう人たちが残っているという解釈もあるかもね。スジの通ったのばっかりが残ってるしさ。もう相当なおばあちゃんになっているであろうパティ・スミスを聴いていてそう思った。

 2004年にリリースされたPatti Smithの作品「Trampin’」。圧倒的な重さを持ってして復帰してきた90年代からアルバムを重ねるごとにその重みは意味合いを変えてきたが、今回の「Trampin’」ではまた新たな新境地とも呼べるロックスタンスが打ち出されているのか、大きく色合いが異なる。全く相容れることはないんだけど、自分的にはこういう作風はロジャー・ウォーターズなんかと同じで、音楽よりも言葉に重きを置いたメッセージ性の強い作品で、それはビートでもなくノリでもなく重み、そして言葉を伝えていくという事に重点が置かれているからか、アレンジは割とシンプル、構成だって至ってシンプル、メロディですらさほど凝っていない、ひたすらに言葉を音楽に乗せて紡いでいく、歌唱力がどうのとかってのはもう遠い彼方の話で、言葉を書いた人が意思を持って説得力を持って歌っているという重み、そんな作品。歳を重ねて世の中の一員としての責務を果たしつつ生きている中で、ロックだから、と現実ではない事を歌っていたらそれこそ嘘つきになってしまうからこそ、正面から向き合っての作品、簡単に放棄も出来ない義務、そんな姿をヒシヒシと感じる、だから重いし説得力がある。

 レニー・ケイのギター、良い音してるなぁ。基本ストラトのハズなのでこういう音なんだけど、歌の重さとは裏腹にバランスの良いサウンドが細かい所もザクザクした所も上手く出してる。フレーズがどうの、なんてのはまるでお門違いでパティの生み出す言葉とメロディを如何に邪魔しないで曲に仕立て上げて音楽にしていくのか、そんな所が見えるギターの在り方。だから自分でも普段聞いているロックの聞き方とは全く異なるスタンスで聴いていくんだよね、こういう作品って。意識してなくてもそういう聞き方になるだろうけどね。しかしやっぱり何だかんだとパティの真髄発揮とも言える傑作、70年代の作品よりもカッコ良いかも、と言えるアルバムに仕上がっているね。





The Pretenders - Alone

The Pretenders - Alone (2016)
Alone

 世界が高齢化してきているのは間違いないだろう。テレビを見たって映画を見たって30年前から変わらない面々が出て同じことしてる。音楽の世界だってそうだ、今でも古くからのネームバリューを持つミュージシャンの作品が売れるし雑誌の表紙にもなるし、ライブでも大会場はそんなのばっかりだ。確実に高齢化社会から超高齢化に進んでいる事が目に見える。だからどうだ、ってのもあるけど、改めてそれを感じつつも凄いな、さすがだな、ってのもあってさ、まぁ、時間が止まっている中に生きているという感覚は安心感をもたらすからそれはそれで精神安定上は良いが、発展無き世界は衰退のみでもある…、難しいですな。

 こないだリリースされてたのを知らなかったんだけど、聴いてみたら何かやっぱり良いなぁ、クリッシー姉さん、いや婆さん、になっているんだろうけど、相変わらずのThe Pretenders名義でリリースされたアルバム「Alone」、クリッシー姉さん65歳ですか…、声に衰えは感じるけど、歌い方もトーンも変わらない相変わらずのシニカルなセンスと歌唱だし、全然これまでのプリテンダーズの歴史からしたら並んでておかしくない作品に仕上がっている、だからこそのThe Pretenders名義だったんだろうな。そりゃエネルギッシュなビートの効いたロックなんてのは無いけどさ、音楽的に広がりを見せつつもしっかりとブレない自信のスタイルがきっちりと歌われているのでどうやったって、バックのアレンジがどう変わろうともそのままだ。そこが彼女の強さだしプリテンダーズというバンドのスタンスでもあろうよ。何だかんだと紆余曲折ありつつも結局今でもあるワケで、40年バンドがあるってのは凄いことだ。

 これがさ…、普通に聴いてて良い作品に聞こえるんだから質悪い。ノスタルジックだったり、作品作りのプロ的に良く出来てるって話なら分かるんだけど、何も知らずに聴いても響く作品なんだもん。何だろうね、この響き具合は。自分は全然知らないけどThe Black Keysのなんとかって人を引っ張ってきてのプロデュース作品との事で、それがどんだけの事か理解してないからその影響なのかどうかもわからないが、多分そういう影響による作品の深さとか味わいとかが出てきてるのかな。もっと本質的なクリッシーの部分が出ているからと思うんだけど、それを活かしているプロデュースの力もあるんだろう。いずれにせよオールドファンには嬉しいくらいの作品だし、新しいリスナーにはその何とかってバンドのネームバリューでこういう味わいのある作品と素敵な人に出会えたんであれば良いな。何かね、泣けるんだよ、このアルバム…。何でアローンなんだよ、って。





Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me

Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me (1965)
ズート・マネー登場

 モッズサウンドってのは所詮はJBのカバーを白人がやっている、みたいなトコに集約されるんだろうな。それが何故かオシャレな雰囲気に聴こえてしまうというのか、その頃のJBってそんなに洗練されてなかっただろうから、英国人のフィルターを通したらオシャレになっちゃったという感じか?まぁ、多分違うと思うけど(笑)。自分的にそういう出会いは多分The Whoなんだろうけど、何かカッコ良いな、このクールさ、みたいなのがさ。かと言ってロックに忙しかったからあんまりモッズを深掘りするに至らなくて、それは今でもなんだけど、興味はあるからちょいちょい手を出す。ただ、数曲で飽きちゃうのもあるから深掘りしないでダラダラとカッコ良さを味わってるってのかな。今回もそうだけど。

 Zoot Money & The Big Roll Bandの1965年の最初のアルバム「It Should’ve Been Me 」。う~ん、The Whoと同じ頃じゃないか…、そこにはもちろんアンディ・サマーズが参加してたんだけど、かなり脇役です。主役はこのイタ公なZoot Moneyであることは疑いもなくって、一人パフォーマンスが凄い。鍵盤のウネリ具合が凄くてさ、これぞモッズ、JBの曲から始まるってのはインパクト強くて、うわっ、カッコいい!ってなるもん。聴いてるとだんだんやっぱり飽きてくるんで長持ちはしないんだが、でもこのオルガンサウンドでのグルグル感は好きだね。アンディ・サマーズのギターを取れば、瞬間的な所でのああいうギターは顔を見せてくるからそういう思想はあったのかな、なんて気がする。色々考えてた頃だろうから当然と言えば当然か。

 しかし、音が古い(笑)。だからこそのモッズ感ありありなんだろうけど、今の時代にこれを真面目に聴いていられる若者たちはいるのだろうか?ってくらいには音が悪い。こないだストーンズが「Blue & Lonesome」をリリースして、この頃の音に似せてたけどさ、やっぱりそれとは熱気が違うし、こんだけ音が密集したものってのは聴きにくいしね、その反面パワーとエネルギーは集約できているんで良し悪し…。ロックはエネルギーとパワーだからこれで良かったんだけど、改めて古さを実感している次第。でも、凄いわ。こんだけのモンが詰め込まれているって、この時代だからって誰でも出来たワケじゃないし、今にしてこのZoot Moneyの凄さを味わうという…。





Eric Burdon & The Animals - Love Is

Eric Burdon & The Animals - Love Is (1969)
Love Is

 ロックはやっぱり熱気と想いが主なんだよな。技術や才能やセンスや売り出すチームワークなど色々重なるのはあるけど、音楽、というのとロックってのは本質にどちらに軸があるかの違いで、音楽に軸があるロックはやっぱり熱気から入るロックを好む人間にはちょっと違うな、という感を持たせてしまう。いや、それは屈折なだけで、ってのもあるだろうけど、どこかそういうのはあるんだよ。だからロックまがいのを聴いていても、ありゃロックじゃねぇだろ、と本能的に一蹴されるものもあるワケで。面白いよな、そういうの。かと言って音楽的なのわかんなきゃその世界で残れないんだし、そのヘンがバランスというか一発屋の本能と言うか…、やってる側はビジネスも絡むからね、もちろん何かに秀でていかなきゃならんだろうし。

 Eric Burdon & The Animalsの「Love Is」、1969年リリースの作品。なぜに?うん、アンディ・サマーズで思い出したから(笑)。ポリスで活躍したアンディ・サマーズってもう60年代からロックの世界にいて、実はジミヘンだろうとピンク・フロイドだろうとほとんど一緒の世界でその頃からシーンにいた人でね、花開いたのがポリスだったってだけな人。それでも凄いのはそんな古くからプロでやってたのに、ポリス結成前には一旦全部辞めてアメリカへ音楽学校へ言って理論から何から全部学んでいたみたい。だから自分のセンスと才能だけじゃなくて、きちんと音楽を知ろうと決断したんだよね。それが花開いてああいう独特のコードワークによるギターの展開が生まれたのだろうし、それはポリス結成前の作品郡ではさほど聴かれないプレイスタイルだから一目瞭然なんだよね。ある程度ああいう分散的なギターだったり単に歪んでるだけってのとは違うから素地はもちろんあったんだろうけど、あそこまで発展させたのはそういう背景からなんじゃないだろうか。

 そういうのもあって引っ張り出してきたのが「Love Is」。ほとんどがカバー曲で、エリック・バードンも心機一転というか、歌に専念していたというかそういうアルバムで、かなりの力作。そこでの鍵盤奏者はあのズート・マネー、そこからアンディ・サマーズなワケで、このサイケモッズ野郎たちがエリック・バードンのサイケ感に合流したというべきか、時代なんだろうな、根底にその空気が流れている…のは多分オルガンの雰囲気とかか。アンディ・サマーズってこのあたりでソフト・マシーンにも参加したりしてるというのも面白くてね、しっかりと英国のアングラシーンに通じてるんだもん。一方ではアニマルズのエリック・バードンという超メジャーなトコでしょ?器用な人だったんだろうね、アルバム聴いてるとどうしてもエリック・バードンの歌声とか楽曲そのものに耳が向いてしまうんだけど、思い出したようにギターに耳を傾けてみるともちろん鳴ってる…けどそこまで個性はないかな。こういうのからそのバンドや歌手に興味を持ってしまう人の方が多いんじゃないだろうか。それくらいに強烈なインパクトのある歌声と鍵盤です。

The Clash - Pearl Harbour ‘79

The Clash - Pearl Harbour ‘79
パール・ハーバー’79(紙ジャケット仕様)

 ロックを聴くようになって長いけど、最初の頃=ガキな頃にレコード屋さん行ってしげしげと眺めて買った、または何かで見て、知ってどうしても聴きたい、欲しい、って思ってアチコチ探し回って買ったってレコードはやっぱり思い入れがある。しかもそれで中身が無茶苦茶カッコ良かったら最高だ。そうそう巡り合うこともなかったそんな機会だけど、The Clashの「パール・ハーバー’79」は自分的にそういう最高の一枚だった。時代的にはちょいとズレていたのでリアルタイム感はなかったんだけど、まだこのレコードが新品で売ってたから良かった。中古でこの状態で出てくるのもあったんだろうけど、そんなの知らないから近くのレコード屋全部覗いて探していた一枚だったんだよね。きっかけは多分ロックな先輩のトコでThe Clash聴いて凄く欲しくなって、それは多分セカンドの「」だったんで、同じのじゃなくてちょっと違うのがいいな、って思ったんだと思う。んで、このレコード、全面に厚紙な帯ってのか、一枚くるりと厚紙で巻かれているのでレコード屋の棚に入ってても、分厚くて目立つしその分丈夫だし、なんか特別感があってさ、しかもシングルまで付いてるんだからなんて豪華なレコードなんだ、って感じ。もちろん「パール・ハーバー’79」なんてタイトルもイカしてたしカッコ良すぎ♪

 実態は1977年にリリースされたThe Clashのファーストアルバム「白い暴動」の曲順が異なっていて幾つかのシングル曲が加えられたアメリカリリースバージョンの国内盤で、このピンクの熱い帯をズラすとあのジャケットが出てきます。こういうジャケが印刷されてるジャケットでなくて、これはあくまで太い帯なワケで、と。もちろんそんなの外してたら破れそうだったんでちょっとしかズラしたことないけど(笑)。だから自分のThe Clashとの最初の邂逅がこの「パール・ハーバー’79」なんだよね。もうね、ひたすらに聴きまくった。最初からカッコ良いから音がどうのとか気にしなかったもん。どうやってるんだろ?とかこういうコードなんだ、とか…、当時もうギター触ってたから一生懸命音探しながらさ、それでもなんかやっぱ違って出来ないし、パンクなんだから簡単なハズなんだが、どうもこういう感触で弾けない。ヘンなの、なんて。まぁ、とにかく捨て曲なしどころか初期の傑作名曲ばかりが詰め込まれてて、今聴き直しててもやっぱり凄くかっこいい。これを二十歳すぎくらいのガキが作ってやってたんだ…ってのがホント、驚き。「Clash City Rockers」のシンプルだけど強烈なインパクトを放つリフ、「反米愛国」の堂々とした反米なサビとメロディ、「Complete Control」の美しい寂しさすら覚える秀逸なコーラスメロディ、大好きだ、これ。裏から入ってヘンな「白い暴動」(笑)、この勢いの中で妙なレゲエ感が心地よい「ハマースミス」、叩きつけるようなサビが当時の熱気を伝える「London’s Burning」、問答無用に体制批判している「I Fought The Law」、イギリスオリジナル盤のオープニングを飾っていた実質くクラッシュのアルバム一発目の「Janie Jones」、勢いを叩きつけていくスピード感満載の「出世のチャンス」、シンプルだけど非凡なセンスが感じられる「What’s My Name」、さすが英国と言わんばかりのメロディとバンドのイメージをも打ち出したメッセージが強烈な「Hate And War」、こんだけレゲエを全面にこの時点で出してきたのは他にはないだろってくらいにベースラインとツインギターの辛みがよろしい「Police and Thieves」、ガレージサウンド満載ながらもスタンダードにロックをやっている感の強い「Jail Gutar Doors」、いつだって最高のThe Clashサウンドの代表とも言える、秀逸なメロディとまんまガレージな音と瞬間的になる美しいクリーンなギターの音、そんな組み合わせがかっちょよい「Garageland」。

 アルバムはこんな感じで流れていくので全く時間の流れを感じさせないスピーディな展開に呑まれていくんだよなぁ。今聴いたってそんだけ流されていくんだからさ、しかも一曲づつが短いから聴きやすいワケさ。アナログだったから途中の息継ぎがあるのも余計にそれを感じさせるのかもね。絶対アメリカ盤のファーストの方がカッコ良いと思う。んで、しかも「Groovy Times」「Gates of The West」ってシングルが付いててさ、当時の、だから1979年頃のクラッシュのシングルだからこのアルバムで聴ける最初期の勢いあるサウンドからは既に大人になってしまっているので、全然違う印象を持つのは間違いないだろうけど、それでもその時のクラッシュの最新の音を一緒に届けようということで付けられていたワケで、ありがたくその恩恵を享受していた。が、当時は何かおとなになってるなぁ…という印象しかなかった(笑)。どちらの曲もかなりスタンダードなロック、アコギまで入ってるから普通のロック的でやはりアルバム「ロンドン・コーリング」あたりに入ってて良い感じだもんね。時系列に入ってるシングル集あたりで聴くと違和感なく聴けるんだけど、こういう所で聴くとちょいと大人しいのは当たり前ではあるか。

 そんなカッコ良いクラッシュの「パール・ハーバー’79」を久々にフルで満喫。何か自分の若い頃の熱いロックへの想いが再燃してきたもん(笑)。





The Police - Ghost in the Machine

The Police - Ghost in the Machine (1981)
ゴースト・イン・ザ・マシーン

なかなか一般の方の…、いや、そんなにロックを聴くってんでもなくて普通程度に音楽を聴くくらいとか、興味がそこにはまるで無い人たちなど、のことだけど、そういう方々との会話のほうが世の中的には多くて、専門職種であればそうでもないのだろうけど、一般人を装って生きているので、どうしたってそういう人たちとの会話が多いワケです。その中で、ちょいと誰かの名前が出てくると結構驚く。その辺の名前って知られてるんだ…とかね。こないだはそれがスティングの名前で、ポリスじゃなくてスティングの方だったんで、そういう知名度になってるのか?って。何でそんなの知ってるんだろ?ソロで爆発的に売れたとかあったっけ?なんて色々考えたりしちゃったんだが…。

 この冬にスカやレゲエってんでもないけど、流れ上そうなってるんでちょうど良いかってことでThe Policeの1981年の4枚目の作品「Ghost in the Machine」。これまでの作品はシンプルに3人で奏でたレゲエ風味なパンク的エッセンスを持った楽曲が特徴的だったのが、ここに来てもっとワールドミュージック的な域にまで発展したと言うか、ホーンや鍵盤なんかも入れたりしてトリオ編成のソリッドさを活かしつつも要所要所でサウンドの幅を広げたという感じだ。それこそがこの後の「Synchronicity」での大ヒットに繋がるのだろうけど、その手前の作品としては納得感の高いアルバム。当時は結構かったるいなぁ…って感じに聴いてたけど、不思議と飽きることはなかった。あまり好んで聴かなかったけどさ。今聴いてもそれは同じで凄く面白いようには感じないけど、このソリッド感とか唯一無二なサウンドだってのは変わらないし、深みをシンプルさが同居しているのもやっぱり不思議。

 アメリカでも結構売れたアルバムだし、もちろんその波は日本にも来ていたんだろうけど、そんなに売れてたイメージはないなぁ…、ポリスのアルバムの中ではどちらかと言えば地味な部類だと思ってたし。でも、全然そんなことないなぁ、やっぱ。深いし、聴いていくとどんどんとヒートアップしていくユニークな作りのアルバム。そしてやっぱり一線を画しているのはアンディ・サマーズのギターセンスだし、スティングのベースラインであり、コープランドのヌケの良いドラムなど、うん、どれも飛び抜けてたバンドだったんだな。やっぱりカッコ良いわ。



Chase Long Beach - Gravity Is What You Make of It

Chase Long Beach - Gravity Is What You Make of It (2009)
Gravity Is What You Make of It

 ロックの凄い所は誰かが編み出したミックスサウンドってのは大抵誰かフォロワーってのが出てきてそのバンドをリスペクトしてます、みたいなのが出てくることだ。そしてそれなりになるとその本家本元を何かしら引っ張り込んで憧れのアーティストとの共演だったりプロデューサーに仕立てたり、バンドを復活させたりといろいろとネタになることをするケースが多い。このChase Long Beaschってのもその類なのだろうか、プロデュースに先のReel Big Fishを従えて2009年にシーンに出てきた強者バンドで、売りは圧倒的に女性ボーカリストによるスカコアな音ってトコだ。

 Chase Long Beach「Gravity Is What You Make of It」、よくわからんけど、やっぱりカリフォルニア出身のバンドで、脈々とNo Doubtからのスカコア路線をやってくれていたバンドで、スカコアの期待の星としてメジャーに出てきたようだけど、メジャーデビュー後しばらくして解散、なのかな、結局この面白さを世に知らしめる前にバンドがなくなってしまったようで、残念。そこまで聴くかってのは疑問だけど、こういう脳天気なバンドはやっぱりいつでもこういうの聴きたいな、って時にあると便利だし、やっぱり年に一回くらいはそういう気分になるだろうよ、そんな時のお供になったりするしね。そういう音を出していたバンド。

 ボーカルのカレン嬢の歌声がおてんば的で見事にマッチしているホントにスカな音、曲調も軽やかでキャッチーなんで、そこそこ売れても良かったんじゃないだろうか、って具合だけどバンドにその意思がなかったからか埋もれてしまったようだ。時代を経ているから当然楽器陣営のプレイヤーのテクニックもしっかりしているしホーンセクションもあるし、曲も単純なだけでもなくって展開しているのもあるし、割と飽きずに楽しめる。勿体無いな。







Reel Big Fish - Turn the Radio Off

Reel Big Fish - Turn the Radio Off (1996)
Turn the Radio Off

 たまに飲みに行く若手のヤツ、まぁ、こっちがロック好きなのは知ってるしかなりマニアなのも知っているんで、深い話はそんなにないけどそれでもこっちが「最近何聞いてる?」って聴くとiPhoneの中身を見せてくれるが、大抵知らないものばかりだ。別に新しいモノじゃないけど、自分がほぼ通ってないモノばかりだからね、それでもポップスとかじゃなくってそれなりにロック的な世界だったりするので、その微妙な違いでの自分の知らなさ加減が面白くて、ちょこちょこと刺激を受けたりもする。そんな中にこのReel Big Fishってバンドも入ってたので、へぇ〜ってな感じで聞いてたりするが、この流れなのでついでに。

 Reel Big Fishのメジャーデビューアルバム「Turn the Radio Off」は1996年リリースの作品、その前にアルバム出てるけど自主制作だったのかな、よく分からんけど、このバンドも何とNo Doubtと同じくカリフォルニア州オレンジカウンティーのバンド、この頃のオレンジカウンティはこういうスカロック的馬鹿騒ぎが受けてたのかもしれない(笑)。もう、これで解説になっちゃったのかもしれないけど、No Doubtのあの馬鹿さ加減のスカロック感が更に強烈になったような感じの超能天気なスカコアバンドの作品。ペットやトロンボーンもメンバーに配しているから普通にスカバンド、でもやっぱりロックテイストだから見事な融合でして、何も考えずにバカ騒ぎ的に流して楽しむなら実に気分の良い作品。アメリカ的能天気な音楽そのもので、こういうのは世界のどこからも出てこない、確実にアメリカのみ。冗談そのままだもんな(笑)。

 最初に教えられて聞いた時に見事に頭の中空っぽになっちゃって、笑ったもんなぁ…、こんなん聴いて学生時代過ごしてたらホント、アホだったろ?なんて思い切り訊いてしまったが、それくらい能天気でサイコー。アルバム単位で聴くっつうよりかベスト盤で一気にそのまま全部聴いちゃうってんで良いのかもしれない。そこまで曲に大差を求めてないからだけど、どのアルバム聴いてもそんなに差がないんじゃないかな、多分全編こんな感じ。いいわ、こういうの(笑)。





No Doubt - No Doubt

No Doubt - No Doubt (1992)
No Doubt

 あの頃何聴いてたっけな、なんて記憶を思い起こすって難しいな。ロックのルーツ、みたいなのを地力で漁って覚えてったのに比べるとリアルタイムでのロックの流れって、アンテナが行き届いていない所が多くて結果的にほんの少ししか知らない事になってる。その分後追いで探すと体系立ててもれなくその線で漁っていけるのがあるから記憶しやすい。その分羨ましさは増すだけになるので、どっちが良いってぇとリアルタイムで全て網羅するのが良いのだが、そりゃ無理だろってな話。そんな事を思いつつ何聴いてたっけ?ってふと思い出した。

 No Doubtの1992年デビューアルバム「No Doubt」。自分が知ったのはもうちょっと後になってからだけど、記念すべきファーストアルバムってことで、久々に耳にするってのもあって聴き直してるけどさ、案外色々なチャレンジしてて、こういうのが音楽の進化とミクスチュアなんだな、なんて感じたりする。当時も多分そういうのを新鮮に感じて聴いてたんだろうし、まぁ、見てくれも良いから聴かない理由もなかったんだろうけど、これもPVでの印象が強かったから聴き始めたバンド、やはりメディアの効果はそれなりにあるものだ。当時はマドンナみたいな白人美女が一生懸命歌っているスタイル、しかもバンド形式で妙なスカバンドやってるし、くらいのモンで、決して何かに秀でていたような感じじゃなかったけど、こういうのってなかなかなかったし、新鮮だったのはあるね。

 スカそのものとポップス、ロックの融合で、昔ポリスがレゲエと融合して成功しているのと同じ感じか。The Clashがスカとの融合を試みてたけど、ここまで能天気な感じにはならなかったし、どっちかと言えばSpecialsと同じアプローチ、ってかそのもの。ただ、可愛い女の子が引っ張るからとってもユニークでキュートな感覚になってきてるのとカリフォルニア出身って空気がもう能天気(笑)。実際バンドのライブなんかもバカ騒ぎそのままだしね。ただ、今改めてYouTubeで当時のライブなんかも初めて見たんだけど、やっぱ凄いテクニックなんだよね、バックの演奏陣営が。音楽を完璧に演奏するってのはもう最初から出来てるんで、どうやって音を作って売っていくか、イメージも含めて、みたいな所だったんだろう。超絶的なライブパフォーマンスはやっぱりメジャーになるべき条件を持ってるもん。地力はやはりあっての話なんだよな。

 このアルバム、デビュー作でまだ方向性も定まっていないのとグウェンの兄ちゃんがまだ仕切ってた時期なので、ちょいと煩雑な感じに曲が入ってるからアルバムとしてのまとまりはないけど、それこそがNo Doubtって感じもある。バンドの出来るスタイルはこういうもんだ、ってのはブレずに出来上がっているんで、名刺代わりの一発としては傑作の部類になるだろうね。面白いもん。







Foo Fighters - Foo Fighter

Foo Fighters - Foo Fighters (1995)
Foo Fighters

 90年代って自分何聴いてたか、ってぇとひたすらに70年代の英国ロックとかを漁りまくってた頃で、当時のリアルタイムでのロックは後回しでいいやって思ってた(笑)。今20年前を漁らないと、後になるともっと漁れなくなる、みたいに思っててひたすらそのヘンばっかりだったなぁ…。90年代のが後々残るなら聴いてもいいけど、リアルに聴いてるとどれが残るのかなんて分からないし、青春の音楽なんて風にも思えなかったわけだし(笑)、まぁ、インパクトあるのは聴くか、くらい。結局あまり聴かなかったけど、もうちょっと真面目に取り組んでた方が良かったのかなぁとも思う、うん。

 1995年に最初のアルバムをリリースしたFoo Fightersのアルバム「Foo Fighters」。あんまり情報通でもなかったからFoo FighterがNirvanaのドラマーが作ったバンドなんてのは全然知らなくて、普通にMTV見てる時に面白いビデオ作る奴らがいるんだなぁ、と思ってた事から知ったバンド名で、それでも別にアルバム買って聴こうなんてのは思わなかったし、普通にロックだもんな、くらいだった。それ以外に聴くのが多すぎて追いつかねぇって感じで(笑)。でも、結果的に割と早くからFoo Fightersは聴いたかな。数枚で離れていってしまったけどね。んでも、やっぱりPVのインパクトから曲の、と言うか、パンク的な要素のあるアグレッシブなロック的姿勢が好ましかった。きちんとビジネスしながらロック的な印象付けで、曲はキャッチーだし、売れて当然だよね。バカさ加減も見事だったし。

 そんな事をどこまで意識していたのか、このファーストアルバムではバンドの自己紹介的な作品だったんだろうとは思うけど、以降の自分達のスタイルを既に描いているアルバムだった、と今なら思えるだろう。ここからそれほど変化している事はないバンドだ。だから原点だよ、って聴けるし、音が少々チープな面はあるけど、骨格はホントそのまま。若さ溢れる勢いってのもそこまではなくってFoo Fightersってバンドらしいサウンド…、実際はデイブのソロ作のようだけど、この人起用だったんだねぇ。いろいろな楽器を全部出来ますって人だったみたいで、ドラムとギター弾けて、後は歌えたら大体こなせるだろうし、そこにピアノ弾けたらロックバンドフォーマットなら全部一人で出来ますってなるしね。ただ、バンドのマジックを信じてる人だから面白い方向に進んだんだろうし、正解だったワケで。

 Foo Fighters初期3枚か4枚くらいは面白いなぁって感じで好きだった。ただ、やっぱり似たような雰囲気になっちゃうから徐々に飽きてったのもあるけど、それは本人たちも判ってやってるとこあるし、それでも20年最前線にいるんだからもう立派なベテランバンドだしなぁ。



Rage Against The Machine - Evil Empire

Rage Against The Machine - Evil Empire (1996)
イーヴィル・エンパイア

 90年代のロックはかなり死んでた、でも、そこから色々なのが出てきていたのは事実で、華やかな時代から暗黒の時代へ、今それを語られてもピンと来ない人も多いのかもしれないな。割と知られたバンドも続々と出てきていた時代だしロックが死んでたって言われてもね(笑)。70年代にパンクが出てきてロックを一度ぶち壊してるんだけど、それ以来なんだろう、90年代のぶち壊れ方は。復活することはなかったワケだが、その分新しい解釈がたくさん出てきて、そのヘンが受け入れ難いということからも70年代への回帰って路線が強くなっているのも多いのかな、なんて思ったり。

 1996年リリースのRage Against The Machineのセカンド・アルバム「Evil Empire」。当時は名前だけはよく耳にしていたけど、さほど聴くこともないバンドだった。反体制の代表みたい所は良かったんだけど手法にラップが入っていたので当時も今もだけど、自分的には苦手な所でね、ポリシーやスタイルは分かるんだけど音楽として苦手で聴きづらいというシロモノ、かな。レッチリなんかも同じなんだけどさ。でも、ホントはそういうのも飲み込んでロックを組み立てているというのが音楽の進化であって、古きこだわりなんてのはノスタルジックでしかないという事なんだけどね。その意味ではかなりミクスチュアで斬新なアプローチをやっていたバンドでもあったと思う。自分的にはそういう野心的なものは排除していた方に近いから結構勿体無いことしてたのかもしれん。ま、しょうがないね。

 さて、このアルバム、やっぱりボーカルのザックの主張が強く、彼のパワーが圧倒的にバンドの原動力になっているんだろうなぁ、と云うのは相変わらずだと思うけど、結構シンプルですっきりした音作りでやってたんだな、なんて思ったり、割と古いハードロックを参考にしながらのアルバムなのかな、とかそんなフレーズを実感したりすることもあって、今聴くとさすがにちょいと古めなんだろうってのはあるか。当時は革新的な音だったんだろうけど、今だから聴けるし、ギターもかなり弾いててそんなにミクスチュアながらもラップ的でもないか…、歌はそっちのが強いけど、そういう部分が受けたんだろう。バックの音だけなら結構オーソドックスなスタイルだったのかも。今じゃ逆にここまでミクスチュアしたのってあまりないし、もっと自然に融合しちゃってるんだからその意味では創始者だしね。



Red Hot Chili Peppers - One Hot Minute

Red Hot Chili Peppers - One Hot Minute (1995)
One Hot Minute

 そのベビメタが今レッチリの英国ツアーのオープニングアクトで大いに会場を盛り上げているようで、レッチリのメンバーもご満悦だとか。そりゃそうだろ、あんな面白い存在を毎回見れるんなら楽しいもんさ。基本的にヘンなの好きな人たちだし、テクニカルな部分も持ち合わせているワケで、それはBabymetalのバックバンドもものすごいテクニックだし、そういう意味では職人同士の面白さはあるんだろうな。そう思うとああいう回り方って刺激し合える仲になるのは分かる。日本だとオープニングアクトっていうのがまだまだ多くはないし、前座か、的な扱いだけど、会場を盛り上げるとか温めるとかっていう意味で結構重要な任務を負ってるんだよね。リスナーもそういうので新しい発見や出会いを好む好まざるにかかわらず出来るってのは良いきっかけだし。やっぱりチャンスは活かすに越したことはない。

 そのレッチリの1995年6枚目の作品「One Hot Minute」。まぁ、これもまた自分は通ってないバンドなのでギターが替わって云々とかこれ一枚だけでまたギターが替わったとか、色々バンドの中であったような事は知ってるだけで、それがどういうふうに影響していったのかなんてのはまるで知らない。作品ごとに音を聴いて、なるほど、なんて楽しんでるだけないい加減なリスナーでしかないか、あレッチリに関しては。ただ、凄いのとかヘンなのとははものすごく認識してて、音の好みは自分には理解できてないだけで、プレイヤーとしてのメジャー度は凄いよね。んで、そういうのを楽しみに聴くって側面の方が大きいんだけど、音楽的にはどうにも…ね(笑)。

 フリーのベースとチャドのドラム、凄いなぁ…。ギターもかなりヘヴィに色々弾いててグルーブしてるし全然違和感ないんだけど、ダメだったんだ…。レッチリの何がダメって歌が一番かも。基本的に歌ってるけどボーカリストの域にあるような歌い方じゃないしさ、それが個性なんでしょうがないし、そういうバンドじゃないからさ。ただ、ものすごいロックだよね。ファンクよりも全然ロックで、バンドもそもそもがロック。アホとも言うが、才能が凄いからアホになれるのか…、分からないんだが、ホント、面白いってのは分かる。でも自分にはあまり入り込める余地がない気がする。でもこのアルバムはかなりギター比重が高くてキラキラした感があるから聴きやすい。



Babymetal - Live At Wembley

Babymetal - Live At Wembley
LIVE Blu-ray 「LIVE AT WEMBLEY」 BABYMETAL WORLD TOUR 2016 kicks off at THE SSE ARENA, WEMBLEY

 そのBabymetalが2016年の4月にセカンド・アルバム「Metal Resistance」をリリースした翌日に行われたロンドン・ウェンブリーアリーナでのワンマンライブの模様を全て記録したライブ映像がようやくリリースされた。「Live At Wembley」というタイトルでの登場で音源盤も別にリリースされるらしいけど、そっちは13曲しか入ってないので少々物足りないものになるのだろう。やっぱり映像付きで見て聴くのがばっちりなベビメタなので、いいのかなぁ、これで…と思いつつさっさと見るワケだ(笑)。既にWowowでもほぼ8割方放送されてるし、それも数回見ているのにもかかわらず、何故にここでまたパッケージを入手して見ているのか…、我ながら呆れるばかりだが、それだけの魔力を持っているのが今のベビメタ、恐るべし。

 そもそもが12,000人をロンドンで集める、というところからしておかしい。そこで繰り広げられているのは普通のベビメタのライブ、即ちほぼMCなしで日本語の歌で占められたライブショウそのまま、もちろん新曲が多数織り込まれたものになっていたし、これからの海外ツアーの幕開けという意味もあったが、やってることはホント日本のライブそのまま。それだけ完璧に出来上がっているショウとも言えるが、それでも毎回見る毎にスケールアップして良いショウになっているしどんどん成長しているし、計り知れないパワーと野心的な挑戦心が見えるし、何よりも夢を着々と実現しているという姿に惚れる人が多いんだろう。そしてスキの全くない完璧な出来映え、完成品、ここまでやれば世界に対抗できるだろう、ってくらいの完璧さが見事。もちろん偽物感もアイドル感もヤラされ感もあるだろうけど、それを超越して凄い、ってのがあるからなぁ。でも、それが全然響かないという人もいて、やっぱりニッチな世界のお話になるようだ…、ま、それでこそロックだけどさ(笑)。あ、彼女たちはまるでロックじゃないし、やってる音もロックじゃない。何だろね、やっぱBabymetal、なんだよな。

 これだけのボーカリストってのも日本の歌手の中でそうそういない。クセがなくストレートにそのまま、テクニックも何もなくそのままストレートに歌声がまっすぐ出てきて感情表現して歌を歌っている、しかもこんなうるさい音をバックにして、そしてこんなに速いビートに乗せての歌で声が真っ直ぐに抜けてくるという才能、アイドルの道を歩まなかったら本格的シンガーになっていただろうか?多分そうはならなかっただろうし、もっと妙なテクニックなんかが付いたんじゃないだろうか。それが幼少時代からプロのレッスンを受けていたことでこんだけの才能が開花しているワケで、なるほどアイドル教育も悪くないのかも、などと思うが、それはこういう事を思いついた人がいたから出来ただけで、ほんとに偶然の産物でもあるワケで、面白いものが出来上がるモンだと多々感心。そんな冷静に思っててもこういう映像見たりするとついつい見入ってしまってダメだ(笑)。

 先日の東京ドームでのライブは恐らくこのウェンブリー公演を凌駕する出来映えだったので、そのライブ映像を早く楽しみたい所だが、とりあえずこのウェンブレー、音はホントに良いし、しっかりとミックスして作り込まれているし映像も完璧だし、どこを取っても楽しめない所がないという作り混み具合。ライブそのものが完璧な上に作品としてのクォリティが異常に高くて売れないワケはないだろうとここでも思うのだが、それを無意識に見ているから余計にその凄さを楽しめる。感動的だもんなぁ、最後まで見てるとさ。乗る曲は凄く乗るし、アイドル的なのはアイドルだし、聞かせる曲はホントに聴かせる、聴かせてくれるし、踊る曲はとことん踊るし、ひとつの物語、演劇を見ているかのようなバリエーションの広さとストーリ展開のような起承転結と感動を味わえる作品、やっぱり素晴らしい。まだまだ飽きることはなく、これからもひっそりと大胆に追い続けていこう(笑)。





Guns'n Roses - Use Your Illusion 2

Guns'n Roses - Use Your Illusion 2 (1991)
USE YOUR ILLUSION 2

 BabymetalがGuns’n Rosesの日本公演のオープニングアクトを務めるとな…、何とも凄い事になってきたものだ。更にBbaymetalは韓国でのMetallicaのオープニングアクトまでも務めることになっているし、今はRed Hot Chili Peppersのオープニングアクトで英国ツアーしてるし、いや〜、ホント、そんなことが出来ちゃうって、しかもオファーされて来ての仕事ってんだから驚く。日本でのGuns’n Rosesのオープニングアクトなんてねぇ…、ってそもそもガンズってさ、なんて思ってふと聴いてみようかなと。リアルタイムだったけどファーストくらいしか通ってないしさ、どうなんだろ、と。

 Guns’n Rosesの1991年作「Use Your Illusion 2」。最初に書いておくと、ここまで良い作品だとは思わなかった。かなり自分自身でそう思うことにも驚いているくらい。何だろうな、ロックなのかな、音もエッジが立ってるし、そもそもバンドの全盛期だからってのもあるのか、余裕も貫禄も実力もエネルギーも充実度も艶っぽさも何もかもを感じさせる、詰め込まれている作品で曲はともかくアルバムとしてのムダがない。作り込まれてる。アメリカの凄いのはこういうところの妥協ってないんだよな。徹底的に作り込むなら作り込む。妥協した作品ってのは売れないから出さない。それよりもやっぱりバンドの充実感なんだろうなぁ、この満たされ具合は。決して好きだという程のバンドじゃないけど、これは見事なアルバムだわ。ギターのからして好みだもん。んで歌声はもちろんアクセルのあの声が全開だからなぁ…この声は天性のものだから凄いし、それをどの曲にもきちんと情感豊かに聖域を使って歌っててパフォーマー、アーティスト的に素晴らしいもんね。

 曲はねぇ、ダレるとかあるし言われるけどこんだけ引き締まった作品ならそういうのも今は当てはまらないんじゃないかな。かなり充実した傑作だと思う。単なるハードロック的なものとはちょいと一線を画しているし、見事なまでにカッコ良い曲も散りばめられてるし、やっぱギターが良いんだな…、やっぱり騒がれてそれだけで生き残ってる人だから、そういう所はすごかったんだって改めて認識。ちょいと映画的な効果音というかMCとか入ってるのが邪魔と言えば邪魔だけど飽きさせないという部分では効果的か、その分歌が引き締まる。オチャメな遊びもたっぷり詰め込まれているし、ドライブしてるし、いや〜、驚いたなぁ、こんなに良く出来たアルバムとは…。昨今色々聴いてるし幅も広げているけど、こんだけのアルバムはなかなか聴けないわ。やっぱり凄いバンドです。



Hanoi Rocks - All Those Wasted Years

Hanoi Rocks - All Those Wasted Years
燃えるロンドン・ナイト

 ロックの歴史の中でもかなり最悪な出来事のひとつでもあるハノイ・ロックスのドラマー、ラズルの事故死話。それもLAでの1984年12月8日の出来事で、モトリー・クルーのヴィンス・ニールが酒とドラッグバリバリの状態でラズルを助手席に乗せて車で買い物に、の状況で激突、ヴィンス・ニールは大した怪我もなかったがラズルは即死。このことについてヴィンス・ニールって何か語ったのかな…、語りようもないか。どちらもど派手なパーティ大好きバンド的だし、きっとウマが合っただろうしなぁ。あ、ここで面白いのはハノイ・ロックスのボーカルのマイケル・モンローは酒もタバコもドラッグも全然やらない人って知ってた?イメージとは裏腹に健全な人だからその場にもいなかったみたい。

 そんな事でHanoi Rocksのラズル在籍時唯一のライブアルバム「All Those Wasted Years」。1時間程度の映像も出てるんで、そっちのがインパクト強いけど、レコードの方は2枚組で長いからね、これもまた結構なインパクト。何が凄いってこれぞロックバンドだよ、と言わんばかりの勢いとハチャメチャ感とドライブ感と無茶苦茶感(笑)。今じゃこういうの考えられないんじゃないか、ってくらいにライブだと無茶苦茶になってる姿が記録されてるから、Hanoi Rockの中でも評価は分かれるのかも。いや、でも、大多数はこれぞハノイ!って言うのかもしれない。自分もそういう面もあるし、これぞハノイ!って言いたくなるけど、冷静に聴くと、どれもこれも走りまくってるし演奏は無茶苦茶だし、そもそも最後はマイケル・モンローがドラム叩いてるしステージ無茶苦茶だし…、ライブハウスのマーキーだからそれはありなんだろうけど、ハチャメチャだもん。その替わり勢いとかライブ感とか、ロック的なカッコ良さとかはホント凄い。だからライブアルバムを聴くという意味では聞きづらいんだけど、ライブを味わうって意味では正にこれぞライブアルバム、ってなる。やっぱり映像見てるとその雰囲気が判って音がそこまで気にならなくなるんで、映像付きをオススメしたい。

 オープニングはベンチャーズ、そこからはもちろんハノイの名曲オンパレード、それでもまだ最高傑作の「Two Steps from the Move」がリリースされる前のフィンランド〜ロンドン進出成功時なので、その時点でのハチャメチャなR&Rばかりで凄い勢いが味わえる。終盤はカバー曲ばかりなんだけど、そのチョイスが面白くてね、初めて聴いた時はまだ原曲知らないのばかりだったから気にならなかったけど、原曲知ってからはその無茶苦茶なカバーぶりに驚くばかりの壊し具合。いや、本人たちはそこまで壊していると思ってないだろうけど、聴いてると凄い壊れてる(笑)。アリス・クーパーにイギーの「I Feel Alright」、元はヤードバーズだけどエアロとかZeppelinあたりからの流用だろうなぁと思われる「Train Kept A Rollin’」なんかをハノイがやってるってのはなかなか貴重な瞬間かも。この頃のライブってもっと発掘音源で出て来ないかな。結構ヘンなのやってるんじゃないだろうか。演奏の下手さがそれを上回っているのかもしれないけど、それでも貴重な瞬間だからね。

 しかし、無茶苦茶だけど、改めて曲の良さは実感するね。R&R魂も。だからあの時代でフィンランドから世界に出ていけたバンドだったんだろうし、ヨーロッパからだってアバとかあったけど、やっぱりポップの世界だったもん。それがこんだけ本物のR&Rで英国に出て日本に好かれ、アメリカまで進出していったんだから希少な存在だったハズで、フィンランドでは伝説扱い、のハズ。今はもうたくさんのバンドが世界に出ていってるけど、この頃はハノイだけだよ、そんなの。このアルバムも日本独自企画での録音、今は世界でリリースされてるけど、日本人気すごかったし。だから一番良いジャケット作って使ってるでしょ。他のは世界各国でCD出す時のだからジャケットが結構色々あって適当な扱いなのは残念。そんだけ権利関係も海外向けには曖昧だったのかも。まぁ、それでも中身が面白いから存分に味わえる毒々しいR&R♪



The Beatles - Live At The Hollywood Bowl

The Beatles - Live At The Hollywood Bowl
LIVE AT THE HOLLYWOOD

 毎年この時期になるとクリスマスのムードが街に溢れて年の瀬を盛り上げていくのが風潮だけど、ついでにこの頃になると毎年思うのはジョン・レノンの命日ってことだったりする。自分がロックを知ってからのミュージシャンの訃報については大体の季節感で覚えていたりするんできちんとした命日なんてのは知らないのが多いんだけど、その前のはロックレジェンド達の命日、みたいなのを記憶してたから今でもよく覚えててね…、それとジョン・レノンの場合は昔入り浸ってたジャズバーが毎年この日だけはビートルズデーになってて、自分達も集まってたからよく覚えてる。いつしか行かなくなってしまったし、今どうしてるのかも知らないんだけど…。

そんな所でジョン・レノンかなぁ…とも思ったけど、そういえば妙に明るい印象のジャケットが最近アマゾンに出てるな、ってのを思い出したのでビートルズの「Live At The Hollywood Bowl」を。昔アナログ時代には「ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!」としてリリースされていたアルバムの拡張リマスター盤のようだ。1964年と65年8月のハリウッドボウルでのライブから抜粋されて編集されてるライブアルバムで、1965年のこの時期ってぇとアルバム「Help!」のあたり、64年だと多分「A Hard Day’s Night」の頃らしいから、それに準じたセットリストになってるんだろう。いずれにしても初期ビートルズの持つエネルギッシュなライブパフォーマンスの模様がぎっしりと入ってて、邪魔なのは黄色い歓声がひたすら入ってるって所だ。無いとこれまた寂しいのだろうからある方がライブ盤らしくて良いのだが、ここまでうるさいとねぇ…。でも、これ、実際に歓声が凄すぎてステージでの音が聴こえなかったとか言われてるヤツだから、録音してたら普通に入っちゃったレベルなんだろう。つまりこの黄色い声を避けての録音は出来なかったってことらしい。いやはや、そりゃしょうがない。

 そんな経緯がアリつつもここでのビートルズのライブの模様ときたらそんな黄色い歓声なんぞに負けるはずもない、凄く熱くてハードで熱気ムンムンなステージを聞かせてくれている。これぞライブバンド、ハンブルグで鍛えたライブバンドの勢いを見せてやるよってばかりにバンドが息の合った所をきっちりと見せてくれている。これ聴いて今から50年前のどでかい会場でのライブって思うか?んで、こんだけの熱気溢れるライブって出来るか?ってな話。ビートルズなんてポップバンドだからロックじゃねぇよ、って思ってるフシのある人が今どんだけいるのか知らないけど、これぞロックンロールバンドの本質をやってるバンドで、そのライブだよ。こういう熱気があるからロックは魅力的だったんだよ。だから聴いてみれば良いし、ロックって何?っての、何かちょっとは分かるかも。やっぱ凄い。



David Bowie - Lazarus

David Bowie - Lazarus (2016)
Ocr: Lazarus

 ちょっと前にリリースされてて、もちろん聴いてたんだけど、どう聴いたもんかな、ってので消化しきれなかったんでそのままにしていたアルバムが「Lazarus」という作品。ボウイの遺作が入ってるとして知られているし、さらに言えばBowieが亡くなる間際まで参加していたミュージカルの出演者によるボウイカバーアルバムとも言える作品でもあるし、ミュージカルのサントラとも言えるのだろうか、そんなアルバムなんで、曲は全部ボウイのだからそりゃ知ってるし、聴いているとどうもその雰囲気なども似ているのがあって、本人?みたいに思うレベルのもある。本人も混じってるからそりゃ事実かもしれないけど(笑)、よく出来たカバー作品で、聴いてると無性に辛くなるのであまり聴きたくないのが本音。んでも、レベルはかなり高いカバー集。

 2枚組で最初のディスクはそういうカバー作品ばかり中心。2枚目は正にボーナストラックでウワサのボウイの最期の録音作品が入ってる。狙いはこちらなので、じっくり聴くんだけど、当然と言えば当然ながらも「Blackstar」と同じ経路の作品が並ぶ。ただ、こちらの方がもっとアグレッシブなロックテイストが強いかな、「Blackstar」がジャジー色が強いのとはちょいと違う感じではある。ただ、色としては同じトーンで、斬新なカッコ良さを誇るさすがにボウイの作品だし、最先端のカッコ良さを放っているところも見事。こういうのは他の誰にも出し切れないワザだからね。1枚目のカバーの方はそこまで思い入れ無い人なら聴きやすい、というかオススメしたいくらいによく出来たカバーアルバム、さすがミュージカル連中なだけあって、上手く表現しているしね。

 「Lazarus」ってミュージカル、見れるのかな。ニューヨーク行かないと見れないのかもしれないし、そもそももうやってないかもしれないし、そもそも上演しなかったのかもしれないし、程度の事しか知らない。どういう話なのかとかも知らないなぁ…、ダメだね、そういうのから調べてこれ聴かないと面白味半減なんじゃね?とか。ま、そういう興味が沸かないんだからしょうがない。単に「Lazarus」のボーナス聴いて、そうかぁ…と思ってるのが精一杯。もうじき一年経つのか…。





Kate Bush - Before the Dawn

Kate Bush - Before the Dawn (2016)
Before the Dawn

 稀代のアーティストと言われる人はいるけど、言われ続ける人はそう多くはない。それでも確かに英国だけでなく世界的に稀代のアーティストという言葉が似合う人がケイト・ブッシュじゃないかな。自分的な感覚でしかないけど、ミュージシャンっていう言葉よりもアーティストってのがしっくりくるし、偉大な、というよりも稀代なという方がしっくりくる。昔は精神異常者とまで言われたくらいの変人とも思われていたけど、やっぱり偏執的なまでのこだわるアーティスト気質の成せる業のひとつでもあろうし。そんなケイト・ブッシュがロンドンでライブを行う、しかも同一会場での20公演程度、なんていうミュージカルであるかのようなスタイルもアーティスティックな手法だ。随分と話題にはなったけど、こういうのの残念なのはその最中やその後どういうライブだったのかとかトピックスってのはあまり出回ってこないことで、売るための宣伝はあちこちに残ってるけどさ、中身はよくわからないままなんだよ。ネットってそういうもんになっちゃったなぁ。

 そんな不満を解消するかのようなライブアルバムのリリース情報は嬉しかったね。Kate Bush「Before the Dawn」って3CDの作品、全貌を収録したものってことで話題もあるんだけど、ライブの状況とか知ってればそりゃそうだろ、って話。それもこれも自分がライブの中身を掌握していなかったから驚いていただけなんだけどね、こういう構成とセットで組まれたライブだったのかと。自分が思い描いていた馴染みのあるあの数々の狂気の作品はまったく姿を表すことなく、はて?と思ったら、そうか、そういう構成で演出されていたんだなと気づいて、それはそれでなるほど、と感激した。アルバム「Hounds Of Love」と「エアリアル」まるごとをそのままシアトリカルショウとして演出していたという…、多少のその周囲の曲を最初と最後には配置しているけど、これでライブが盛り上がったというのではないと思う。結局がKate Bushが思い描いたショウを皆が満喫して楽しんだ、テーマに基づいた演出が歌声とライブと相まって感動を巻き起こした、それはもう多少の衰えはあるものの相変わらずの説得力のある歌声と表現力による所が大きいし、実際見ていればそういうのは感動的なまでに感じたことだろうし、いいなぁ…、後でこうしてアルバムだけで接すると自分がその曲を知ってるかとか馴染みがあるかとかっていう次元が先にあるから、そうじゃなくてライブに感動したい。そういうショウだったんだろうと思う。だからこういうセットでの納得感、そして音源を聞き始めた時からの圧倒的なケイト・ブッシュの世界にどんどん引き込まれていく。見事。ホントに素晴らしい。こんなのが目の前で繰り広げられていたら本気で見入ってしまうだろう。それが音からも分かるくらい気迫と気合の籠もったステージング、これが20公演以上続いた、ってのはそりゃもう伝説の域でしょ。

 最初はね、そこまでのモンだと思ってなかったし、単なるミーハー的に復活したライブだ、いいなぁ、見れるなら見たいけど、ってくらい。んでこのアルバム聴いてて、やっぱりこの手の人はやることが違うって実感。曲なんて知らなくてもその世界を感じられるからそこから聴いていけば良いし、ケイト・ブッシュって人のやる事がどんだけ楽しめるかって方が重要だし、多分、じっくり聴いているとその世界観が見えてくる、かも。今は割と普通の域にあるしね。歌詞がわかって何を描いているかってのが分かるともっと楽しめるだろうし、表情までもそこに投影しているハズなのでもっとわかりやすいだろう…って映像出ないのかな。さすがに映像は出したくないか…。かなり長い作品だけど結構一気に聴いちゃったなぁ…、こういう密度の濃いアルバムってのをじっくり聴くことも最近はそうそうないけど、やっぱり好きなんだろうな、自分が。アデルがこれ見て復帰すること決めたって何かで言ってたけど、納得するもん。こんな世界に浸ってみたい、やってみたい、凄い、って普通に思うだろうし。いいなぁ…。ここんところのアルバムはそんなに真面目に聴いてもいなかったけど、こうしてライブアルバムで出てくるとまたきちんと聴かないと、って思うよね。やっぱり凄い人です。





The Rolling Stones - Blue & Lonesome

The Rolling Stones - Blue & Lonesome (2016)
【早期購入特典あり】ブルー&ロンサム(通常盤)【特典:ザ・ローリング・ストーンズ特製2017カレンダー(B2ポスター仕様)】

 ストーンズがブルースカバーアルバムをリリースする、ってのは随分前から話題になってたので、割と楽しみにしていた。元々がそういう出自のバンドだし、初期のアルバムなんかはモロにそのままだったのもあるし、それでカッコ良かったしね。初期のアルバムって大好きだからさ、まさかああいうのにはならないだろうけど、やっぱり原点回帰ってのは楽しみでもあった。クラプトンにしてもそういう回帰はちょこちょことやってるからネタ的にもありだろうし。とは言え、どういう風にやるんだろ?ってなるとあまり考えることもなく、そんなにアレンジもしないだろうし、そのままストーンズなんだろうと漠然と思ってた。それをいよいよ聴けるってのは嬉しい限り。

 2016年リリースのThe Rolling Stones「Blue & Lonesome」。正に昔のラジオで鳴っているかのようなモノラルみたいな音で、しかもラフなスタジオでのチープな録音を再現しているカネ掛けた安っぽい音作り(笑)。どうも馴染みやすいなと思ったらこの音だ。ブルースにはこういう音作りがちょうど良い。ハイファイな音だとどうにも味気ないし、そもそもがスカスカの音楽なんだから音が分離してるとスッカスカになっちゃうから、こういう真ん中に音を集めたのが良い。実際はきちんとステレオなので上手い定位で鳴らしているので楽器ごとの音は聴きやすいしね。それでいてこのガレージサウンド…、一発録りに近いんだろうなぁ、これ。マイク並べてせーの、で録音みたいな。ドラムの音だって生々しく鳴ってるし、シンバルだって、近年こういう音でのなんて聴いたことないしな。ウソかホントか知らないけど、録音している時に隣のスタジオにクラプトンがいたからゲストで参加してもらって、ってのも話題のひとつ。ちょこっと弾いてるだけで無茶苦茶引き締まるのはさすがの風格で、アトランタのライブの様相を思い起こす。同じブルース好きでのブルースルーツのスタイルなんだからもっとマッチするかと思いきや、割と水と油的なスタイルの違いがユニーク。

 キースがこんだけギター弾いてるのをじっくりと聴けるのもいいなぁ…、こうして聴いてると割とロニーとのギターの違いが顕著になると言うか、そんなに違いを追求したことなかったけどわかるモンだな、多分(笑)。テレキャスなのかな、これ。どの曲も二人のギタリストがこうしようああしよう、なんて決めて弾いている風は全くなくて、曲決めてそれぞれのスタイルでカバーしてそのままの解釈で鳴らしているというか、だからふたりのギタリストがそれぞれの思いで弾いているからユニークだよね。ソロパートはどっちって決めてるからそういう鳴り方だけど、やっぱりさすがだ。しかも凄いのはどの曲もストーンズなんだ、当たり前だけど。ミックなんかもう何歌ったってストーンズだもん。ハープ吹きまくりが楽しかったんだろうかね、リトル・ウォルターのカバーがちょいと多めに見えるし。チャーリーのドラムも、いつもとは全然違って鳴りが良いからか、生な音で響いてくるから全然ストーンズらしくはないんだけど、全体としてはやっぱストーンズ。案外バンドらしさが出ちゃってるのも面白いな。

 総じてストーンズはやっぱりストーンズだったし、ここまで完全にブルースをロックにしちゃったバンドはいないし、原点回帰してみたら自分達がブルースを飲み込んでいたってのがアリアリと分かる作品。50年やっての原点回帰だもんな。スゲェわ。こういうの聴いてるとこのジジイ達まだまだやれるんだろうな、って思う…ホントかよ(笑)。さりとていつもの如く、この手のアルバムはギター的には結構何度聴いても楽しめるしじっくりとフレーズを研究するには持って来いのアルバムだけど、リスナー的には何度も聴けないアルバムになるのかな。そこはブルース、やっぱり満腹にはなる。





Paris - Big Towne 2061

Paris - Big Towne 2061 (1976)
パリス・セカンド~ビッグ・タウン2061(紙ジャケット仕様)

 この辺りの英国のロックってのは何でも出てこい的なのがあって、そりゃ売れりゃ儲かるって判ってきたから何でも当たりそうなのは出してくるってのは商売の鉄則なのだろうが、それにしても何でも出てきていた。そういう事情が一番音楽のシーンの変貌に関わりが大きいという事はさておきながら、Parisというバンドのレコードはたまに目にしていた。昔々ね。んでも、どうも小洒落た感じのジャケットでどこか不信感があったんで後回しだったんだが、どこかでZeppelinのクローンみたいな・ってのを見て、う〜ん、と。それはファーストアルバム「Paris」だったんだけど、そうかねぇ…、まぁ、そうか、と。

 んで次のセカンドアルバム「Big Towne 2061」もすぐにリリースされていたみたいで1976年の作品として出ているんだけど、どうなのかね?と思って手を出してみるともうね、全然ダメダメな感じで大して聴かなかった。それをこの流れでまた聴いてみるかね、と。アレコレ読んでるとボブ・ウェルチって人は才能はあったんだろうけど、こういうのが、みたいなスタンスは特に無かったようで、ファーストの「Paris」もあの頃はああいうのが刺激的だった、みたいな感じがあって、それは自分のやりたい、自分の中にあるミュージシャン気質で作り上げたものではないってことで、だからこそこのセカンド「Big Towne 2061」は全然異なる路線へ進んでしまうのだな。なるほど。才能はあるけど手法が見えてないってのか、なかなかユニークな人かも、なんて思う。

 その「Big Towne 2061」だが、どうにも不思議なのはParisには普通に好きだと言うリスナーが多い。アルバムを耳にする機械が多かったのだろうか、アイドル的に…と言うかリアルタイムな方は割とよく耳にするバンドでもありアルバムでもあったようなんだよね。だから好きな人が多い。後学の者たちからするとよくわからない。ちょいとヘン感はあるけど、カッコ良さ感はさほどないし、激しさもないしブルースでもないし…、あぁ、そういうならばAOR的聴きやすさ、商業ロック的な軽さってのはあるから、そっちの意味で新鮮だったのかもな。いずれにしても自分的にはそれほど響く所はなかったような気がする。アンテナ鈍ってきてるから余計にそうかもしれんけど…。

Roxy Music - For Your Pleasure

Roxy Music - For Your Pleasure (1973)
For Your Pleasure-remaste

 Roxy Musicというバンドについてはこれまでも書いてきた通りに、とんと興味が沸かなかったバンドで、どこが面白いのかさっぱり理解できない自分だった。こういうナヨっとしたのは好きじゃないってのが大きな要因だろうけど、それだけでもなく、バンドの見地からしてもそれぞれの楽器的に別に面白味もないし、一般的にはブライアン・フェリーの歌がどうのってのと、イーノのセンスが云々ってのが大きいようだけど、それでも前者はそもそもそこが好きじゃないからさ、って話で自分的にはさほど気にする必要のないバンドとして捉えておけば良いかと。

 まぁ、そうも言ってられず、と言うか、折角の機会には何度も聴き直したりするんですよ、実は。好きじゃないというだけじゃちょっと勿体無いし、ってね。だから再発見することも多くて、そういう風に聴けば分かるんだ、とかあってね。今回もそういう意味ではようやく少しだけRoxy Musicの面白さが理解できたかも。1973年リリースのRoxy Musicのセカンド・アルバム「For Your Pleasure-remaste」。アマンダ・レアの美しいジャケット、というものの、アマンダ・レアって何者?って…、モデルかと思ってたけど歌手なんだね、しかもアルバムたくさん出てるんだ、ってことを知らなかった。へぇ…、聴いてみる?ネタでしかないだろうけど。そんでもってサルバドール・ダリの愛人だった、って…ちょっと待てよ、年齢差どんくらいあるんだ?40歳差?んでボウイやミックやブライアン・フェリーですか…、何だろなぁ…と。話が逸れまくりますな(笑)。

 Roxy Musicのセカンド・アルバム「For Your Pleasure-remaste」。ようやく判ってきたのはブライアン・フェリーの歌の世界がバンドを持たせている、世界観を作っている、って所だ。どういうロックに進もうとしていたのかもわからないし、確かにアートバンドでしかないから音的にどんな、ってのもない。ただ、ブライアン・フェリーの世界があって、そこを皆が味付けている、そういう集団。だから音的に好きとかキライとかしょうがない話になる。Velvet Undergroundもそんな世界だけど、彼らは音楽の中でアートをやってたからまだ分かる。ところがRoxy Musicはアートの手段の一つに音楽があるだけ、に近い。だからプログレッシブであるとも言えるのはそこだね。なるほど。しかしフィル・マンザネラのギターは良い音してるな…。

 そんなことを思いながらじっくりと聴いてみたんです、マジマジと。そしたら判ってきたことがあって、イーノのしごとの必要性とかも含めて、あぁ、なるほどな、こういう混沌とした世界に結びつけていくことでブライアン・フェリーのアート性が実現できているのか、と。でもそこまでだったんだろうね、イーノがこの後バンドを捨てて出てっちゃうってのはさ。そしたらバンドはまともに音楽するようになったってか?う〜ん、ロックは深い。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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