Slade - slade In Flame

Slade - slade In Flame (1975)
slade In Flame Cd+dvd

 ロック的、そして色々なところにその影響力を落としているバンド、でもそんなに知名度が日本では高くないってバンドがいくつもあるけど、Sladeほど不毛な扱いなバンドもそうそうないんじゃないか?70年代に出てきた時から相当にインパクトを放っていたのに、時代とともに消え去りつつ、それでもQuiet Riotのカバーで名を思い出され、同じくOasisあたりまでもカバーしているということで英国では国民的バンドの一端でもあったのだが、日本じゃ多分一発屋のひとつ。まぁ、だからどうだってモンでもないのだが。

 Sladeの1975年のアルバム「slade In Flame」。そうは言っても自分だってSladeのオリジナルアルバムって70年代で何枚出てるんだ?って聴かれて即座に答えられない程度には知らない。80年代になってからもメタルバンドのふりして活動してたのは知ってるけどさ、70年代にアルバムって「Slayed?」くらいじゃないの?程度だもん。そんなにたくさんアルバム出てるなんて思いもしなかったんだから適当だ。昔のお話。ちょこっと調べたりすると普通に出て来るし、レコード屋行ったってそれなりにジャケット見かけるんだからそんなに少ないこともなかろうよと。

 んで、この「slade In Flame」、いや〜、やっぱりね、これこそSladeだし、ロックだよ。このダミ声健全だしそれでいてキャッチーでポップな歌メロにアレンジ、全然ロックじゃないのにロックに聞かせてしまう歌ってのが凄い。だからカッコ良かったんだと思う。そういう曲がたくさん散りばめられていてものすごく聴きやすいんだよ、これ。それでいて要所要所にはギターが鳴ってるからカッコ良いしベースだって普通に弾いてないし、とにかく練られてて楽しめるようになってる。見事な全盛期の作品で割と繰り返し聴いてても飽きない。いいねぇ〜、こういうの♪



Status Quo - Blue for You

Status Quo - Blue for You (1975)
Blue for You

 ブギの王者として知られているStatus Quoだが、その実自分的に今でも不思議なのがブギって何ぞや?って事。3連でシャッフルしてて軽いのはシャッフルで、ブギってのはどっちかっつうともっとハードなシャッフルの事か?くらいにしか思っていないのだけど、じゃ、どっちもやるようなバンドってのはどうすんだ?とかブギバンドったってブギばっかじゃやってらんねぇだろ、って思ったり、まぁ、色々とヘンなの、って思うこともあるのだが、世間的にそれで通っているならそれで良いのかもしれない。不思議ではあるけど。

 んで、Status Quoの1975年リリースの作品「Blue for You」、かなりの名盤として知られている、のか自分でもそう思うだけなのかアレだけど、かなり快活で爽快なアルバムです。正にブギバンドの快心の一枚、と言わんばかりにスカッとするアルバム。なるほど、これがブギの王者と呼ばれるバンドのブギなのか、ってのが納得できます(笑)。うん、確かにその通りだわ。説明しきれないけど、とにかくアルバム一枚聴いてみるとブギの王者に納得、そしてこういうのがブギバンドってのにも納得すること間違いない。何も考えなくても心地良く軽快にビートが進んでいく…、ある意味ラモーンズのそれをほとんど同じような感覚に陥るワケで、ただ、あそこまで攻撃的でもないから快活に聴けるっつうかね、うん、分かる。

 このスタイルだけでン十年やってて、今でも英国民皆に愛されているというStatus Quo、凄いなぁ。英国人の文化的にこういうのが好きだとはあまり思えないんだけど、そんだけ密着してしまうくらい身近にStatus Quoってのがあったんだろうか。昔からよくわかんなくてあまり真面目に聴いてなかったんだけど、ここに来てこうして聴いていると悪くないよな、いや、良いんじゃね?って感覚になってくるから面白い。多少かったるい所もあるけどさ、ここにブルースの概念が入ってこないってのがこれまた面白い。



Sweet - Strung Up

Sweet - Strung Up (1976)
Strung Up

 アメリカのマイナーなハードロックな世界も英国のハードロックをモチーフとしているバンドが多かったことから結果的に出て来る音は似たような雰囲気のバンドも多かった。一方英国のハードロック連中は見事に消化してからハードロックとして出してきたので唯一無二の個性的なバンドが多くなったけど、全部が全部そうでもなくて中途半端な音世界のバンドもこれまた多く、独自に進化していったバンドも多い。その中には先日のNazarethなんかもいるけど不思議とそういう道を歩んでいったSweetも愛すべきバンドのひとつだろう。

 Sweetの1975年リリースの「Strung Up」。アナログ時代は2枚目のレコードがベスト盤として、1枚目のレコードがライブアルバムとしてのリリースで、これがまた結構白熱のライブでさ、ともすれば無視されがちなライブをこうやってフォーカスして出してきたのは自信の表れであろう、それに相応しい勢いあるライブが聞き所。Sweetってこんなライブ出来ちゃうバンドだったの?って思った人も多いんじゃないかな。バンドの一体感とか見事でさ、難しいことはないからそりゃ勢いだけってなモンだけど、それでもここまでのテンションは凄い。こういうことがしたかったバンドなんだな、というか…、そうは思わなかったけど、そうなのか、的な。

 初期のグラムな時代とか何だったんだろ?ってくらいなシロモノだけど聴いているとその時代があってのこういうライブなのか、こういう曲調が名残なんだな、ってのも多くて、そこに同年代のロックバンドの影響を重ねてきているから個性が薄まってきてるのと、どうしても本物からするとちゃっちいスケールになってしまっているのは自分の偏見か。やっぱりロックってのは重くないとね。ただ、こういう楽しみ方でのロックもあるね。しかし、ライブ盤の方、良いな。





Nazareth - Expect No Mercy

Nazareth - Expect No Mercy (1977)
Expect No Mercy

 ブルースの入らないロックバンドってのは偽モンだよ、って思ってて、若い頃はあまり熱心に聴かなかった。まぁ、そういう軸だけでもなくて何だかんだと結局聴いてたんだけど、古いのを遡る時にはやっぱりひとつの指標ではあった。まさかこんなに星の数ほどあるロックバンドを全て聴くなんてこと出来ないと思ってたし、自分が聴くのなんてごく一部だけだろうし、って思ってたからブルース色の強いのを知っておきたい、って思ってたんだよね。悪くなかったけど、その分面白いのとかに出会うのに時間がかかったかもしれない。

 Nazarethの1977年の作品「Expect No Mercy」。もう既にこの時点でアルバム何枚目?ってくらいにリリースしていたバンドで、この「Expect No Mercy」がオリジナルメンバーが揃ってた最後の作品らしい。1971年から活動してるんだよねぇ…、そんなに長いキャリアのあるバンドなんてのは知らなかったし、名盤と言われる「Hair of the Dog」あたりしか聴いてなかったから全然きちんと取り組めていないバンドのひとつだった。何枚か何度となく聴いていると、ちょっと面白いかな…なんて判ってきた部分もあったりしてたまにつまみ食いしていたバンドだけど結局全部は未だ聴いてない。ってこともあって、この1977年という時代にリリースされた気合の一発の作品「Nazareth - Expect No Mercy」をじっくりと聴いていた。

 一言で言うと何ともチープなハードロック。気合と根性は思い切りハードロックなんだが出て来る音はホントに可愛げのあるロックな音で、ましてやこの時代だからこんだけハードなのが精一杯だろう、KISSが頭の上にいる以上、それ以上のインパクトはなかなか出せないと言ったところか。ただ、愛らしい部分が多いから根強いファンは多いだろうな、ってのは分かる。AC/DCみたいなボーカルスタイルがあったりSweetみたいな所あったり、Cheap Trickだったりとなかなかあなどれないスタイル…以前はそんなでもなかったんだけど時代の産物ではあるのだろう。案外面白い作品です。全体的にディスコを反映したリズムってのは正に時代だね。



Strapps - Secret Damage

Strapps - Secret Damage (1977)
Secret Damage

 後の時代になってからハードロックバンドだとかプログレだとかってがきちんと…きちんとって言うのか、ある程度カテゴライズされて確立されているバンドが多い中、どうしてもそういう秤からは漏れてしまうバンド郡ってのがいくつもある。英国70年代のB級バンド郡なんてのはそれ自体がひとつのカテゴリみたいなものだから何があっても許される世界観なんだけど、後半くらいになるともうある程度それぞれのカテゴライズが確立されてて、その間にいるバンドは淘汰されてしまっていったのだった。その中のひとつになるのかな、このバンド。

 Strappsのセカンド・アルバム「Secret Damage」は1977年リリース作品。ファーストはミック・ロックの小洒落た写真によるインパクトのあるアルバムジャケットでバンドのイメージが随分とスタイリッシュに保たれて存在感を示したんだけど、セカンドアルバムになるといきなりムサい兄ちゃん達の顔の寄せ集めになってしまて、あのスタイリッシュさはどこへ?ってなモンだけど、そのジャケットが醸し出す雰囲気のままに随分とハードロックにシフトしたアルバムに仕上げてきているのが特徴的。それにしてはセンスの無いジャケットな気もするけど、中身の音はかなりハード路線なので今にして思えば、結構なカッコ良さもあるしオルガンも入ったりしててなかなか野心的なハードロックをやってたりもする。

 ところが難しいのはコレと言ったインパクトや名曲みたいなものが見当たらなかったことだろうか。ユニークな試みでもありポップでキャッチーな面も持ちつつのハードロックに振ったアルバムだったけど、やっぱり認められなかったんだろうなぁ…、いや、この時代を共に歩んでいた年代にはかなり印象深いバンドだったんだろうけど、それはアイドルと同じくその時代だけのもので、後の世代にロックとして受け継がれていっていないバンド、ってことになるのだな。それでも良いんだけどね、しっかり楽しめる部分は持ってるしさ。ただ、やっぱり歴史ってのは見事で、多くのリスナーが認めているものはその後のリスナーも評価しているし、その時々だけのってのはやっぱり後から正当に評価されている、ってことが多い。まぁ、ロックやポップスなんてのはそんなのどうでも良くて、その時自分のフィーリングで楽しめるかどうかってのが一番なんだが。

 しかし、結構パワフルな歌出ビートも聴いてるし歪んでるし、どこかZeppelin的でもあるし、目一杯ハード路線な曲も多いしルックスも良いし、実は結構イケたんじゃない?





Magnum - Kingdom of Madness

Magnum - Kingdom of Madness (1978)
Kingdom of Madness

 旅に出るぞ、と決める動機は色々あるのだろうが、意図せずして出かけないといけない旅ってのもあって、そうなるとやっぱり行きたくないのか、行くべきなのか、みたいなことを悶々と考える。行った方がそりゃ良いし楽しめるんだろうけど、突然すぎるし…と計画が定まらないままで進むのがちょっとイヤな気がするとか理由は色々とある。ただ、結局行けばいいか、となる。かかるカネと見返りの楽しみ、というトレードオフが旅の楽しみなワケだし、今までも旅ってのはあまり後悔したこともないので、良いところしか思い出さないのだろうよ。

 Magnumの1978年デヴューアルバム「Kingdom of Madness」。いや〜、恥ずかしながらこのMagnumってそんな古いバンドって認識があまりなくってバンド名だけでメタル系とかそのヘンのバンドなんだろう、って勝手に思ってました。いや、それが英国プログレハードの筆頭株なんて思いもしなかった。え〜?そうなの?って聴いてみて初めてその意味を知った次第。そこからは随分と楽しませてもらったバンドにはなるんだけど、とことんまで好きだと言えないのはやっぱり産業ロック的ポップさと言うか、そんなの狙ってなかったにしても音作りがそのまんまなので、何かな〜ってのはある。ただ、やってるサウンドは随分と面白くてQueenでもありプログレでもありELOでもあり、みたいな所で、アメリカのあのヘンのヌケの良いサウンドとは大きく異なる湿った空気たっぷりなサウンドが好ましい。

 ファーストアルバムなのにこの完成度の高さは今後を期待させるアルバムだったんだけど、時代の波がそれとは交わらない方向に進んでいったからか、随分と苦労してバンド活動を続けていたようだけど、少なくともこのアルバムあたりでは一つの光を見るかのような方向性だったんじゃないだろうか。ポップでいながらハードロックでアレンジは結構凝っててサウンド的にはメロトロンまで出て来る始末、というロックファンには堪らない要素が含まれているしね。何かのきっかけさえあればブレイクしていったバンドなのかなぁ…、時代に呑まれてしまったバンドなのかな…、なかなか難しいけど、こういう音が英国からも出ていたってのがやはりユニークな存在。だから歴史漁りはやめられないね。



Queen - On Air

Queen - On Air
オン・エア~BBCセッションズ(通常盤)

 QueenってのもPink Floydと同様に英国ではビートルズに並んでの人気、もしかしたらそれ以上かも、みたいに言われることもあるバンドで、コレクター的にもかなり多々あり、集め甲斐があるバンドのようだ。もちろん好きは好きなんだけど、Queenって良い曲と捨て曲との差が大きくて、良いのはとことん有名でヒットしたりアチコチで使われたりしてるんでその人気や知名度も納得なんだけど、そうじゃない曲ってかなり多くてね、そっちはどうなんだよ?と。その辺がとことんまで追求したことない所かな。

 Queenの「On Air」。タイトル通りBBC音源の蔵出しで、以前に「Queen at the Beeb」ってのがリリースされてたけど、まぁ、怪しげなリリースではあったんで、今回の「On Air」は明らかにオフィシャルで2枚組に出演ソースをひたすらに収録してあって嬉しいクォリティでリリース。それにしてもBBCのライブ音源でこんだけオーバーダブ被せてたってのは珍しいバンドだろうな。だからオフィシャルでBBCソースとしてリリースされるのも遅かったのかもしれない。特にギターのオーバーダブが激しくて、堂々と数本のギターが鳴っているワケです。作品として捉えればそりゃそうだけどね、よくやるわ。

 1枚目のディスク分は概ね以前からリリースされていたソースが多く入ってるので、何となく聴き慣れていた人も多いか。2枚目のソースは初登場なのでなるほど魅力的。デラックス盤では更に73年9月のライブや81年ブラジルや86年マンハイムのライブなんてのも抜粋されて入っててお得なようだ。しかもCD3枚に渡ってアチコチのインタビューがまとめて入ってて英語が堪能な方なら楽しめるアイテムに仕上がっているみたい。自分なんかは逆にその辺要らねぇな、ってことで通常盤でいいか、って話だけど。やっぱりね、全盛期のバンドの演奏は波はあるけどひたすらに前向きでパワーが有るライブをやってるよね。だから艷やかだしそのスタンスが聴いてて伝わってくるし、良いわ。それこそ70年代のロックの面白さ。







Pink Floyd - Cre/Ation - The Early Years 1967-1972

Pink Floyd - Cre/Ation - The Early Years 1967-1972
アーリー・イヤーズ・クリエイション

 Pink Floydってのは取っ付きにくいバンドのハズだ。ところがいつの間にか普通にロックファンなら聴いていておかしくないはずのバンドになっていて、英国や世界各国でもビートルズと同等扱いのレベルのバンドになってしまっているようだ。何でだ??そんなにみんな簡単にフロイドの世界って理解出来ちゃうのか?ってのがまず不思議。実はそこまで広く普及しているんじゃなくて好きだっていう人が増えてる、ってだけなのかもしれない。それでも不思議だけどさ。初期フロイドからサイケやってる頃までのなんてそんなに聴けるかね?分からんなぁ…、それでも27枚組なんていう化け物ボックスをリリースしちゃうんだからそれなりの商業的見込みがあるワケだし、何か凄い。

 んで、今回はその27枚組からの抜粋版2枚組の「Cre/Ation - The Early Years 1967-1972」なんてのを。先行リリースされてたんだけど、まぁ、今じゃ27枚組も手に入るし、どうせ買う人は両方買ってるだろうし。そもそも27枚組なんて買う人、マニアしかいないでしょ。だったらこっちも手軽に買えちゃうし、正に手軽だし。ちょいと収録曲が中途半端な感じあるから、プロモの意味も含めているのだろう。それでも結構な演奏が聴けるから重宝するんじゃない?BBCのはともかく、「原子心母」の70年のライブで4人のみでの演奏…、あのテーマメロディとか入ってないから新鮮さはあるけど、物足りなさ感倍増(笑)、それでもあのままだから凄い。やはりおかしい、この人達。続いての「Echoes」セッションの抜粋版で、これまた見事にあの世界観がこの時点からしっかりと映し出されている作品として緊張感も含めて聴き甲斐のある一曲で、このあたりからかな、さすがの蔵出し音源集、みたいに思えたのは。見事にミックスしたり音も作られてて聴きやすくなってるのは当たり前で、音の古さを感じさせないところも凄い。

 27枚組の方はどうなんだろ?もちろん聴き甲斐のあるソースが揃っているようで魅惑的ではあるけど、まだ手出ししてないでいる(笑)。まぁ、時間の問題だろうけど…。昔ほど真剣にアレがどうのとかいう感覚で聴いてないからコレクトしていく意欲もさほど強くはないし、それでも聴いてみて驚きはある方が嬉しいし、さてさてどうしたものか。それまではこの2枚組でもじっくり聴いている方がコンパクトでわかりやすくて良いのかも…、なんて負け惜しみ。





Metallica - Hardwired...To Self-Destruct

Metallica - Hardwired...To Self-Destruct (2016)
Hardwired...To Self-Destruct (3CD Deluxe)

 久しぶりにアルバム出すんだな…、そういうバンドになったのか、とどことなく懐疑的な見方もしていたメタリカの新作リリース。始めに書いておくと自分的にメタリカは全然ハマったこともないし、多分今まで凄さを実感したことってほとんどないバンドでして、即ちそれほど自分的にはメタリカへの愛着があるワケでもないし、コレクトしているワケでもないバンドです。それでももちろんメタル界の存在意義や価値、取組姿勢なんかも含めてその存在の大きさは認識しているバンドです。まぁ、アメリカだからそこまでの深さが感じられないってのが大きくて、その意味では偏見もあるけどそういうモンです(笑)。

 なので、初期作品のメタリカらしさを追求するよりも変化してからのメタリカの方が取っ付きやすかったし、今回の新作「Hardwired...To Self-Destruct」もどっちかっつうと「Load 」「Reload」の流れに近い感覚もあるので、好みはその辺で分かれるのかなと。今回の面白い所は2枚組にしながら実はレコード時代のA面B面的な聴かれ方を想定しているんだろうなぁと勝手に解釈している。そもそも2CDで80分以内なんだから全部を一枚に入れようと思えば出来たハズなのに、わざわざ入れなかったのはやっぱり気分変えてもらうためでしょ。そんな事で聴く前からきっとそうだろうなぁと思ってたから、1枚目聴いて2枚目聴く時にまた新たに期待しちゃったもんね。うん、いいよ、そういう感覚。んで、その通りに1枚目はアグレッシブなスタイルの曲が多め、2枚目はちょいとミドル的な雰囲気な曲で占められているようだ。大雑把に書けば初期と後期、みたいな感じ。まぁ、最初期ほどの速いのはないけどさ。

 驚いたのはその楽曲レベルの高さ。深みはないけど、練られまくってて音も作りまくってて、メロディは相変わらずだけど、それもメタリカ、そして恒例の軽めの音作り、歌にしてもそれほどの劣化は感じないし、パワーに関しても相変わらずのパワーだな、という感じなので、時間をかけてじっくりと作り上げたのかな、そんな雰囲気。もちろんメタリカレベルなので妥協なしで作られているのは間違いないけど、8年ぶりにリリース、の期待を超える作品に仕上がっているのは確か。ボーナスディスクでは色々なカバー曲やライブが入っていて、楽しめるようになっているけど、まぁ、そんなモンだろう。今回のは割と聴くかもなぁ…、精神的な重さを持ったバンドって減ってるから、こういう重みってちょいと欲しい時もあるし。自分でも意外に思うけど、「Hardwired...To Self-Destruct」は良いアルバムだと思う。これまでのメタリカのどのアルバムよりも良い作品と言えるかもしれない程度には良いと思ってる。うん、初期とかに影響されてないからさ(笑)。





The Rolling Stones - Havana Moon

The Rolling Stones - Havana Moon
Havana Moon (2CD+Blu-Ray)

 特に前情報もなく、YouTube漁ってる時に見つけたストーンズのキューバ公演のライブ映像、キューバでやったんだ…って思って凄いたくさんの人の中でやってる映像がいくつもあってね、それを何となく見てたらエラくかっこよく見えて…、多分ホントにカッコ良かったんだけど、あぁ、ストーンズってやっぱスゲェな…と。しばらくしたらもっと映像がキレイなのが幾つかあって、オフィシャルからリリースされてたのを見てて、こりゃまたやっぱスゲェなと。そしたら映画館上映とその後にはBru-Rayのリリース、ついでにCDもリリースみたいな話で、新作前にこんなライブが届けられたので早速。

 「Havana Moon」、2016年3月にキューバのハバナでのライブって…、こうやって世界はひとつになっていくんだ、みたいな姿だったら嬉しいんだけど、実際はそんな単純じゃない。でも、こんな事でひとつになれてる瞬間ってのはあるワケで、その時間は重要だし、可能性を見せてくれているのかもしれない。そんな大人の意思はともかくながら、演奏するストーンズ側ももちろん気合の入った姿を振り絞ってくれているからなのか、いつもの姿そのままなのか、とにかく呼吸の合ったライブパフォーマンスを味わい深く見せて聞かせてくれてて、ココ最近で見たストーンズのライブの中ではダントツ出来映えなんじゃない?まぁ、実際ライブの音だけ聴いてるとこんな下手だっけ?みたいなのは多いんだけどさ、それでもやっぱりスゲェな〜と。

 ミックの歌い方にしても息継ぎは多いし、ロンやキースだって何かもう音出てないし…っての多いし、チャーリーのドラムもパワーなんてないし、鍵盤やベース、コーラス陣営なんかは相当に頑張っているんでバランスは保てているんだけど、やっぱりロックバンドのパワーとしてはジジイ的でちょいと寂しいが、それでもやっぱりストーンズ、きちんとカッコ良さを伝えてくれてる。ロニーのスライドとかやっぱりかっこよいなぁ〜とかキースもここ一発のギターとかやっぱり圧倒的なカッコ良さだし。70過ぎたジジイ達のプレイじゃないだろ、ってのは確かだ。こんなん見せられると他のロックバンドってツライよな。そういうのも含めてストーンズってのは革命者だし唯一無二の存在だしっていう存在感を見せつけてくれているようだ。今度リリースされる新作「ブルー&ロンサム」も楽しみだな。







Keef Hartley Band - Halfbreed

Keef Hartley Band - Halfbreed (1969)
Halfbreed-exp.+remaste

 はっきり言ってしまうと何言ってるんだ!と叱られるのは分かっているのだが、敢えて書いておくと英国ブルースロックは当然偽物で好きなヤツがなりきりたくてモノマネをひたすらとことんやってみた結果出てきたシロモノでしかない、が故にオリジナルの黒人ブルースを超えることはないし、アメリカのブルースを超えることもない、それだけでは。だからどうしてもモノマネでしかないし、軽さが伴うのも英国ならではなのだろう。だからダメなのか、悪いのか、って話ではなくって、それこそが英国のこの時期のブルースロックの特徴だったってことで、そこから逸脱していったストーンズみたいなバンドは独自のロック路線があったってことでね、そうはならない多数のバンドを聴いている身としてはそのモノマネ感が好きではあるが…。

 Keef Hartley Bandの1969年のデビューアルバムとなった「Halfbreed」。一番驚くのはまずゲイリー・セインがベースを弾いていたバンド、アルバムだ、って事だろう。そう、あのUriah Heepのベーシストのあの人です。だからロックは面白い。色々な下積みがあってこそ花形のバンドにいられたのだ、的なトコあってさ、このゲイリー・セインって出てきた時はマイク・ヴァーノンのブルース畑でベース弾いてたんだよね。独特のボコボコのベースの音でさ。それがこの後3年したらUriah Heepのあのノリでのベーシストで、強烈なラインを聴かせるベーシストですよ。悪魔に魂売ったんだろうか、だから感電するわその後すぐにあの世に行ってしまったりしたけど、それはロックと悪魔のお話で、ここではピュアなベーシストとしてブルースロックの名演のいち員としてしっかりと聞かせてくれてます。

 いきなりゲイリー・セインから入ってしまったけど、キーフ・ハートレーってドラマーね、この人も色々なのに挑戦する人だったけど、この頃はもちろんブルースロック、ギターの人も良いギター弾いてるんだけど無名なママで終わっていったようだ。しょうがない。アルバム的には全編ブルース、しかもギター中心で個人的好みからしたら結構よろしい感じなブルースロックですね。もちろん人生でコレを聞かなくて損するって程のアルバムじゃないけど、どっぷりとハマれる音ではある。ミラー・アンダーソンってボーカルなんだけど、これがまたソウルフルな声の出る人で、粘っこくて嫌いじゃない。でも、しつこい(笑)。そんな感じで湿られている個性的なバンドとアルバムの作品、まだまだこういうのいっぱいあるんだよなぁ。







John Dummer Blues Band - Cabal

John Dummer Blues Band - Cabal (1969)
Cabal/John Dummer Band (2in2)

 英国60年代中期から後期にかけて圧倒的人気を誇ったのがブルースロックだったが、それは黒人ブルースをそのまま自分達風にアレンジして演奏するというもので、オリジナリティがあるものというものは多くはなかった。今聴いてもその頃のブルースロック系でオリジナリティ溢れる作品というのはそう多くない。どちらかと言うと本気のブルースをよくぞここまで出来ている、というような評価で名盤になっているものが多い。その辺をぶち壊したのはCreamやZeppelinになるんだけど、Freeってのもその意味ではかなり個性的なブルースバンドだった。

 John Dummer Blues Bandってのがあってね、1969年に「Cabal」というアルバムをリリースしている。その頃はもちろんこの手のブルースロックバンドとしてはとても評価されていたし、今でもそりゃ評価されているバンド、アルバムだし、これぞ英国ブルース・ロックアルバムだ、と言い切って良いと思う。Fleetwood MacにしてもSavoy BrownにしてもChecken Shackにしてもみなこの路線だ。その路線ってのはっやっぱり焼き直しでしかないと言うか、先が読めるブルースそのままというもので、バンドのオリジナリティがプレイや歌声でしかなく、曲じゃないんだよ、っていうもの。CreamやZeppelin、Freeなんかと比べてみれば言いたいことは判ってもらえるのだろうとは思うけど。

 それはさておき、ギターには後にGroundhogsを結成するT.S.マクフィーを迎えてのブルースアルバムだから、モロにそのままのブルースギターが聴けます。この人もGroundhogsの時には進化系ブルースロックをやっていったワケで、その下積みにはこういうオーソドックスなブルースってのがあったのだな。もちろん、ドハマリで全然良いギタープレイ、ってかそれが全編を制していると言っても良いくらいだ。だから普通に好きなブルースギターをたっぷり聞けるアルバムで、名盤と呼ばれるのはもちろん当たり前。一度は聴いてもらいたいアルバムの一つです。でもねぇ、自分的にはこういうのは割ともう飽きてるってか、そんなに差がないからかなぁ…、やっぱりどっか違う。歌の深さなのかギターの深さなのか、バンドの重さなのか…、それぞれ嫌いじゃないんだけどな…。



Free - VINYL COLLECTION/LTD.7 [12 inch Analog]

Free - VINYL COLLECTION/LTD.7 [12 inch Analog]
VINYL COLLECTION/LTD.7 [12 inch Analog]

 やっぱロックはいい。一人でレコードと向かい合ってるといつもワクワクして心躍らせながらギターを聴いて歌を聴いてバンドのカッコ良さに感動してジャケットを見て思いを馳せて楽しめる、と言うか夢を見ていられる。そんな事やってんのか、アホだろって話だけど実際そうだったい今でもそういう風に思うワケで、それって別に思い出してやってるワケじゃなくて今でも聴いてて普通にそう思っちゃうんだから致し方ない、そういうのが好きなんだし、そうやって聴いてたんだもん。大人になってきてからは同じアルバムを毎日毎日何回も聴いてってのが減ったから聞く間隔が空いてるんだよね、すると、聴く度に久々感もあってまたカッコ良いって思える度合いが上がってるんだよ。それでまた惚れちゃうってかさ。

 Freeってホント好きでさ、何か出てないかなぁ〜、発掘ライブとかあったら面白いんだけどなぁ〜とフラリと探してみたりしていると、何か知らないジャケットが目について…何だこりゃ?と気になって、買ってはいないけどふ〜んって思ったのでご紹介。もちろん自分はオリジナルアルバムを最初から聴きながらのお楽しみ♪ 何と、最新リマスター音源をアナログに詰め込んで7枚セットにしてのリリース、こんなもん売れるのか?って話だけど、一部にはアナログ盤の人気が復活しているとあったりするし、そこでこんなFreeみたいなバンドのが出てくるってのがなかなかニッチ。アナログ盤回帰傾向にあるってもFreeの全アルバムセットを今更欲しがるヤツっているのか?いや、いたとしてもどんだけだ?昔の連中はもう全部普通にアナログで持ってるワケだろ?自分なんかはそれに加えてのリマスターCDだったりするし、そこでこの7枚組のアナログセット…買うか?

 そんな疑問はさておき、やっぱりね、最初からFreeです。うん。ホントに英国のブルースロックバンドの代表格でしかないくらいにFreeです。名盤とか色々言われるけど、やっぱりファーストアルバムから順に全部聴きまくっていけばこのバンドの面白さ、深さ、オリジナリティさ、コソフのギターの魂、アンディ・フレイザーのヘンな感覚のベースライン、ポール・ロジャースの渋すぎる歌など全てがわかります。うん、ホントにZeppelinのブルース部分だけを比較したら大して差がないバンドですよ。しかし、Freeがこんなアナログ7枚組って…不思議な事だ。





Albert King - King of The Blues Guitar

Albert King - King of The Blues Guitar (1969)
キング・オブ・ザ・ブルース・ギター

 ロックはブルースの子供だ、って言われてて確かにその通りだった時代もあったが、今となってはそれも単なる歴史の一コマでしかなかったのかも。今のロックからブルースに辿り着くのは相当色々と辿らないと行けないだろうし、そもそもそんなところに辿り着かないものも多数ある。ロックはブルースの子供であるが、ブルースは全てのロックの父ではない、ってことだ。昔ながらのロックが好きな人にはあり得ないだろうけどね。ま、だからと言って何か変わるってもんでもなく、ブルースの面白さってのは確実にロックに受け継がれているんだから良いってもんだ。

 Albert Kingの1969年作品「King of The Blues Guitar」。何と英国ブルースロックが全盛期の頃にリリースされた名曲揃いのアルバムってことで売れたとか…、しかもタイトルが「」だからブルースロック好きな連中が多かったあの時代には気になるヤツも多かっただろうしそりゃ皆聴いただろうよ。しかもきちんと嘘じゃなくてAlbert Kingなんだから。個人的に思ってるのはこの人のフライングVから出てくる音色がハムバッカーのピックアップのくせに妙に線が細いってのが気になって気になって…なんだが、ずっとこの音なんだからこの人の音なんだよね。そんなのが顕著に聞けるのもあるんだけど、アルバムそのものはやっぱりいつもの、と言えばいつもの、名盤と言えば名盤になるであろう安定の作風とギタープレイ。周囲がどんなロックをやっていようとも、己のスタイルはそのままでシンプルなギタープレイと歌を中心にした作品ばかりで占められたホーンセクションも当たり前に入ってるブルースアルバム「King of The Blues Guitar」、ベスト盤とも言うが…。

 いや〜、この時代のロックと併せて聴くとなるほど、あちこちでこんな影響受けてるじゃないか、ってのはいくらでも発見できます。曲のカバーにしてもそうだし、ギターのフレーズにしたってそのまま丸パクリだし、曲だってそうだ。だからロックってのはブルースの子供って言われるんだ。単なるパクリじゃなくてね、子供、なんだよ。ここから発展させて自分達のものにして時代を作って今じゃ伝説になってるんだから。そんな事に思いを馳せながらこの古臭い音を聴いていると夢がある。うん、いいじゃないか。



Chris Duarte - Tailspin Headwack

Chris Duarte - Tailspin Headwack (2000)
TAIL SPIN. HEAD WHAC

 昔から散々レコードだのCDだのを買いまくってたヤツと話してたけど、もう今は全然買ってないわ、と。聴くのは聴いてるけどネットからのDLかYouTubeかそんなのばっかで店なんて行かなくなっちゃったし…って。そいつCD屋やってるんだけどさ(笑)。まぁ、だからこそ特色のあるショップ作りに特化するしかないみたいな話になるんだろうけど、そこまでは突っ込まなかった。それでも割とお客さんいたから自分が思うよりはCDを買う人って多いのかもしれないなんて思った。

 ブルースギターに入っちゃうと色々聴きたくなるけど、そんなに心揺さぶられるギタリストが多いわけじゃないし、しかも古いのはもういいや、って部分あるから新し目ので…ってなると決まってきてしまう。それでも、よく聴いてるワケじゃないからいいかな、ってことでChris Duarteの2000年の二枚目のアルバム「Tailspin Headwack」。今から16年前なんだからまだ彼も若い頃のセカンド・アルバムだ。案の定ブルース一辺倒なんて方向にも進まずにブルースロック的作風が多数並んでいる中途半端な印象な作品で、別に悪くもないけど、どこか特化したアルバムなのかな、ってのがない。普通にアダルトな作品にしか聞こえなくて、ギターがスゲェ歌ってるってんでもないし、ちょっと大人の仕事風味に惑わされてるか。

 それでも色々な試みしていて、ギターはもう弾けるの判ってるから、どういう風に作品にそのギターを味ある風味で入れていくかってのがテーマだったのかな。この頃を見ると、当然ながらオールドタイムなブルースギタースタイルだけで世間を渡っていけるほどじゃなかろうっていう判断もあったからこういう作風なんだろうけど、その御おかげで妙にマルチなプレイヤーになれてるのかも。似合わなかったけど(笑)。Chris Duarteを聴き始めた時にやはり最初のアルバムから順番に聴いていったんだけど、2枚目、3枚目あたりは何かよくわからんなぁ〜ってのあって、その後ハジケてからの作品の方が男臭くて好きだった。これはそのイマイチな中の一枚だけど、改めてどうだっけ?って聴いてみたけどやはり印象は変わらず。ただ、こういうギターをこういう曲調で使うってのはなるほどね、ってのはある。そのプレイは見事だからさ。





Phillip Sayce - Scorched Earth

Phillip Sayce - Scorched Earth (2016)
Scorched Earth

 エネルギッシュな日々を送るには必要なロック、それでも元気になれない時もあるけどやっぱり生きの良いのを聴いてるとエネルギーを貰った気になり、ちょいとはやってみようかなって気になる。こういう惚れ込み具合ってのがね、常に必要なんだよ。好奇心とか興味本位とか含めてね、なんじゃこりゃ?みたいな事。街歩いててもそういうのあるんだけど、やっぱりじっくりと聴くロックからそういうのを感じると対面で向き合えて良いものだ。

 Phillip Sayceのライブアルバム「Scorched Earth」がいつの間にかリリースされてた、と友人が騒いでてその翌日には買いに行ってたので、そこからの拝借。あの若造がこんな迫力のベテラン領域に入っちゃってなぁ…、自分の年の重ね具合なんてのも気になろうってもんだ。そんな事考えながら聴いてみると、おぅおぅ〜冒頭からこんなにぶっとい音でるのかストラトってさ、みたいな音でキュイーンキュイーンと鳴らしてブルースから始まる素晴らしきサウンドと魂のしっかり籠もったギタープレイで始まる。正にSRVの再降臨とも言わんばかりのそのサウンドとプレイと迫力のライブを満喫できる一枚。2016年4月のライブらしいけど、いや〜、こんな立派なブルースメンになってたんだなぁ…。歌もSRVに似てきたか…、もっともっと露出して若いロックファンを虜にして欲しいものだが、そうはなかなかいかないのだろう。ジジイなロックファンあたりが飛びつくのはとても良くわかる。ここまでギター弾きまくって魅せてくれる人って少ないからさ、しかも若さ溢れるワイルドなステージだからジジイロックたちのノスタルジックなのとは違ってその場その場のエネルギッシュな臨場感がそのまま伝わってくるこれぞライブ、というのが良い。

 このライブシリーズどんどん続いてくれると良いなぁ…、曲なんて基本的にさほど変化ないんだからライブでどんどん進化させて熱いプレイをどんどんと伝えていくって方が好ましい気がする。こういうライブでいくつかカバーの名曲なんてのがあったらそれなりに知られるだろうし、プレイは問題ないんだからちょいとそんなのやっても良いんじゃない?この人だったらボナマッサの代わりも出来るだろうしなぁ…、まぁ、ちょいと方向性違うけど。昔The Answerと一緒に来日公演来たこと合ってね、その時まだ新人でさ、見たことあるんだけどこんなに滑らかなギターの音じゃなかったし、こういう風になるとは思わなかったから嬉しい。思い切りブルースの道を貫いててカッコ良いよ。





John Mayall’s Bluesbreakers

John Mayall’s Bluesbreakers - Live in 1967
Live in 1967

 60年代のブルースロックってのは英国が火を点けたってのあるけど、アメリカでもごく一部の変わった白人のティーンエンジャー達がそのカッコ良さに取り憑かれていたってのあるが、英国の方ではブームにまでなってたし、そんなバンドもどんどん出てきていたから勢いあったしね、その中で一番中心的な役割を果たしていたとして知られているのがJohn Mayallで、クラプトン、ミック・テイラー、ピーター・グリーンを輩出していったことは知られているお話。それでもそんなにアルバムやライブが聴けたかってぇとそうでもなくて、割と限られた音しか聴けなくてね、追求したくてもなかなか出来なかったんだよ。それがだ、ココ最近の発掘シリーズでピーター・グリーン時代のライブなんてのが出てきてたみたいで、それを聴いてたワケです。

 John Mayall’s Bluesbreakersの「Live in 1967」。タイトル通り1967年の英国でのアチコチのライブから抜粋して出来上がっている発掘ライブアルバムなんだけど、良くこんだけ録音してあったな、ってのと残ってたなって。だったらもっと早く出せてたんじゃないか?って思うけど、だからこそ発掘音源なんだろう、聴けただけ幸せと思えって話。いや〜、ピーター・グリーン、凄いね。クラプトンのフレーズだろうが普通に気合と熱気も込めて弾くワケで、そこに自身のブルースイズムもしっかりと入れてのプレイ。John Mayallってホント、どんだけすごい人なのかってのは今でも分かってないんだけど、こういうプレイヤーが伸び伸びと弾いているっていうのを出せる場ってのはなかなかないだろうし、その器が凄いのかも。

 しかしこういうライブアルバムって聴いてるとその場にいるかのような感じでハマってくな(笑)。音悪いから余計に時代的にトリップしててそこにいるみたいにね、要は多分生々しい音すぎて何の加工もされてないからライブ会場で聞ける音そのままってことで、だからその場にいるかのような感じなんかな。ただ、難を言うならばやっぱりアメリカの同時代のそれよりは明らかに骨っぽさが劣る、っつうのか本物さ加減が違うっつうか…、これはもうしょうがないけどね。







Paul Butterfield Blues Band - Got A Mind To Give Up Living live 1966

Paul Butterfield Blues Band - Got A Mind To Give Up Living live 1966
Got A Mind To Give Up Living--live 1966

 ブルースはやっぱいいよ、ホントに、惚れ惚れする。もう何度も何度も何度も聴いているのに聴く度にスゲェ〜って思うし、感動するしその熱さに堪らなくなる。初期のロックもそういうのあったけどブルースも然りだ。アマゾン眺めてて、あぁこんなの出てるんだ、と何気なくね見てて、そう言えば多分持ってるな、このライブ、って思って聴き直してたんだよ。そしたらやっぱりその凄さに感激してて冒頭の言葉です。何だろなぁ、この熱さ、フレーズだってテクだって何がどうってんじゃないのにこの熱さと凄さと迫力と魂の入り具合の違いってのかな、ともすればブルースって括りですらないのにさ、凄いんだよね。

 Paul Butterfield Blues Bandの1966年のライブが発掘音源としてリリースされた「Got A Mind To Give Up Living live 1966」。昔からそのテープはアングラで流れてて割と容易に手に入ったし、ここで普通に流通したんだ〜っていうのがあるけど、それでもオフィシャルでリリースされたってのはやっぱり良いよね。これからこの世界に入ってく人でも聞く機会があるワケで、その凄さを少しでも理解してくれる人が増えるかもしれないし。何せもう50年くらい前のライブサウンドなんだから音は古いよ、全然良くないよ、普通にテープでの録音でさ、マイクだって2本くらい立ってるだけなんじゃない?そんな感じのライブ録音モノだけどさ、だからこその熱気がすごくて、何が一番凄いって、やっぱりMike Bloomfieldのギタープレイだよ。Elvin BishopもそうだしPaul Butterfieldのハープだってスゲェんだけどやっぱり圧倒的なのはBloomfieldのギター。黄金のフレーズをビシバシ決めてるってワケじゃなくてその手前だからまだフィーリングで弾いてるんだけど、それがもう意気込みが違うしさ、ライブ全編で圧倒的な存在感、に聞こえる。

 ファーストアルバムはリリースしてたのかな…、んでセカンド・アルバムまでの間のボストンでのライブでね、やっぱりとにかくの圧巻は「Work Song」かな、いつものことだけどバンドのアドリブ全開で、単なるブルースでもなくモード的にも展開されるからミュージシャン的器量も試される曲だしね、それをこんだけの熱気でこのギターでホントに艶っぽい音色で聴かせてくれるんだもんな。もうね、このギターに酔いしれてほしい。



Doyle Bramhall II - Rich Man

Doyle Bramhall II - Rich Man (2016)
RICH MAN

 ココの所街に出て新しい音楽を知るってことが実に減った。店でもバーでもレコ屋でもいいんだけどさ、そういうところにあまり行かなくなったから聴かなくなったってのもあるのかな。バーなんかでも古い音楽が流れてる所には行くから結局新しいのはあまり聴かないことになるし、賑やかな所で流れているのは耳に入らないし、皆どうやって新しい音楽を仕入れているんだろうか。テレビなんか見ないし、なかなか不思議だなぁといつも思う。新しいの仕入れよう、と意識しない限り新しいの入ってこないからさ。ブログやってるからまだ意識するけど、これ、普通に聴いてるだけだったら多分もう全然新しいの聴いてなかったんじゃないかな、なんて思う。

 Doyle Bramhall IIが放つ15年ぶりのソロアルバム「Rich Man」。凄いよなぁ…、15年ぶりってさ、もちろんその間のセッション活動は広く知られているだろうからネームバリューはオールドロックファンにはかなり知られているだろう。クラプトンやロジャー・ウォーターズのサポータとあたりが一番広く知られている所だろうし、自分もその辺でこのレフティーなギタリストを知ったもんだ。その辺と一緒にやってるんだから基本ブルースロックなハズで、ソロアルバムでどこまでそういうのが出てきてるかが楽しみで聴いてるんだけどね、意外な事に良い意味でそういう方向性に縛られて無くってもっとアダルトなロックでギターは聴かせるところをしっかりと聴かせるみたいな感じで、やっぱりそれなりにポップな路線でのアルバムに仕上がっていると言えるか。

 普通に考えれば普通な音で、普通にロックでギターを聴かせる面があるけど歌と曲とムードでしっかりと主張しているという感じ。面白いかどうかと言われるともちろんそんなことなくって(笑)、ただ、聞き所と言えるようなギターの入り方とかメロディの聴かせ方みたいなのはアダルトな展開で、さすがに往年のミュージシャンとやってただけあって随分鍛えられている。ギターの方もここぞって言うフレーズがあちこちで使われてるけどしつこく弾きすぎることなくグイッと入ってサラッと終わる、みたいなね、さすがベテランです。





Lordi - Monstereophonic (Theaterror vs. Demonarchy)

Lordi - Monstereophonic (Theaterror vs. Demonarchy) (2016)
モンステレオフォニック(シアテラーVSデモナンシー)

 15年選手のバンドって既にベテラン領域に入るだろうし、それだけ一線にいるってことは実力も人気もあるのだろうし、そりゃそうだよな。中高生頃に聴いてたとしたってもう家庭持ちくらいの年月なワケで…、ん〜、自分からするとついこないだ知ったバンドで面白かったから今でも新譜が出ると普通に聴いてるというだけなんだが15年…、早いモンだ。ふと気づけばなんでコレ聴いてるんだろ?って程度でしかないんだけど、それでも今でも唯一無二の音とインパクトのバンドに変わりはない。

 Lordiの何枚目だろ、8枚目になるのかな、「Monstereophonic (Theaterror vs. Demonarchy)」。ここ三枚くらいはメンバー固定でやってるのもあって安定した一枚。もっともMr.Lordiのワンマン体制なのでバンドメンバーによる変数はさほど大きくはないだろうけどね。うん、だから今回もこれまでとまるで変わらない安定のフィンランドメランコリックポップなメロディをメタル調で聴かせてくれるけど、モンスター衣装でやってるからイメージはオドロオドロしてるけど、曲はかなり軽いしメロディーがしっかりしてるので意外なほどに聴きやすいのが特徴的だ。それはこれまでの作品と大して変わらずにそのままの路線で、良くも悪くも毎回ほぼ同じアルバムが続いていると言えるか。そういう意味ではどこに向かうのか、って気はするけど…。

 多分歌詞の世界で結構色々と深掘りしているんだろうなぁとか勝手に思ってるんだけど、そこまで聴いてないのでやはり曲で好みかどうかなんだよな。でも、途中のインストとかテーマとか含めて、またアルバムのサブタイトルとか見ても、とある世界を打ち出しているハズで、そういうシアトリカルな方向性がひとつあるのだろう。Mr.Lordiの趣味嗜好からすればきっとそうだろうとも思えるし。まぁ、難しいこと考えずに相変わらずの良質なロックを聞けるってことで楽しもう。





Black Stone Cherry - Kentucky

Black Stone Cherry - Kentucky (2016)
Kentucky

 そもそもメタルっぽいのが好きで、サザンロック好きなんだけどってな会話から始まって、オールドタイムなバンドのお話ばかりになっていったんだけど、それってさ、今時だとその両方をきちんと兼ね添えたバンドって幾つもあるよ、って話。そんなんあるの?と新しいモノに疎くなっていく年代の連中はそうなのだ、知り得ないんだよ、もちろん。自分だってこんなブログやってなきゃそんなにそこまで色々と漁ってなかっただろうし、知らないままで問題なしに楽しんでいた(?)だろうし、そういう世界があるなんて事を人に聞いても何とも思わなかっただろうし…、このブログやってて面白いのはそういうのが全て好奇心へと変換されてチャレンジしていくっつうのをやっていられる事だね。

 Black Stone Cherryのこないだ出た作品「Kentucky」。どうやらレーベルを変わっての一発目ってことでそれなりに色々あったのだろう、自らの出身地である「Kentucky」をタイトルにして気分一新、新たに取り組みましたっていう意思だろうな。アルバム冒頭から気合を感じる作風で、聴き進んでいってもその気合は全然変わること無くハイレベルな楽曲と演奏が繰り広げられている。もちろん一発録音じゃないのに、この一体感はさすがだよなぁと、ライブバンドらしい一面が聞ける。正に大陸的な大らかなサザンロックのスタイルと歪んだギターの音でのゆったりとした味わいはありそうで無かった…、ホントにレイナードのもうちょいハードロック版ってトコで、時代に合ってる…ってか、今ならアリ的。それでいてもちろん70年代ハードロックへのオマージュと言うか、リスペクトは当然見え隠れしていて、そのヘンがあるからこうなっているんだろうなぁ、なんて想いを馳せることが出来る。

 バンドの資質柄なかなかメリハリの付いた曲ができにくいのかもしれないけど、Black Stone Cherryならコレ!みたいなのあるのかな、あるといいな。レイナードならアレしかないじゃない?オールマンだとあのアルバム、しかないしさ。まぁ、それだけってのも寂しいから幾つかの話題があるに越したことはないが…、そこまでまだ知らないんだよな。ただ、そこらのバンドと並べてみた時ってかなりの確立で人を惹き付けちゃうんじゃないだろうか。生でライブ見たら多分そうだろうという気がする。





The Answer - Solas

The Answer - Solas (2016)
ジ・アンサー『ソーラス』【CD(歌詞対訳付き/日本語解説書封入)】

 こないだから少々Led Zeppelinばかりを聴いている日々が続いていて、もちろんライブものばかりなんだけどさ、やっぱりスゲェなぁとアレコレ聴いてるワケ。今の時代でもこんなライブやってる奴っているのか?コピーじゃなくて自分達のライブとしてやってるって意味でね、多分いないだろうし、ロックのフォーマットでこういうスタイルってのはもうあり得ないでしょ、きっと。それがまた皆が狂喜して聴くなんてあり得ないし…、幾つかの曲でああいう白熱のぶつかり合いみたいなのが聴けたり見れたりすると盛り上がるのはあるだろうけど、ライブの大半がそういうので占められてるって…ないわなぁ。んで、思い出した会話の流れ…。

 The Answerってどうしてる?って話でね、いや、確か新しいアルバム出してたような…、とそうそう、これです「Solas」。こないだ出たばかりの作品で相変わらずの70年代風ハードロックバンドやってるんじゃないかと期待して聴くんですが…、冒頭から相変わらずZeppelin的なスタイルの曲で、良くも悪くも期待通り。ただなぁ、何となくだけどフックが弱いのはいつも通りか。どこか求めてしまう部分があって大抵それを下回る所でのアルバムだったりするので、いつももうちょい期待してるのに、ってコメントになるんだが、多分実際は相当にレベルアップしているんだと思う。今回のアルバムで言えば、深みと重さ、曲の重さじゃなくてロックに対する姿勢とか愛情の重さみたいなのが出ている感じ。ただ聴いているだけの自分がそんなこと書いてても何の重みもないけど、こういうのって聴いてると何となくそのバンドの歩んできた意味合いというか苦労とかそういうのが出てくる気がするんだよね。そこが好き嫌いを超えて出て来るバンドに対するリスペクトってかさ。

 今回の「Solas」はかなり幅広く、深いところでロックしてる感触があって、曲のバリエーションが実に増えてる。アコースティックなんかも上手く使っててナチュラルなところも聞かせてくれてるし、アイルランドだっけ…、そういう寒さみたいなのもあって良い風味がする。もうThe Answerってバンドのオリジナリティの域なんだろうな、と云うのは感じるんだけど、どうしてもこのままだと70年代のあのヘンのバンドとの比較とか追いかけてる感から脱却できないようにも思える。どこかアメリカの郷愁的な所もあったりするけど、どうなんだろうな…、他のバンド知らなきゃかなり深みのあって面白いバンドって聞こえるからそれで良いのかもね。なまじっか他の古いバンド知ってるから文句ばっか言ってるけど、そうやって聴けばロックのど真ん中斬ってるバンドじゃねぇの?ってくらいの音だ。うん。多分もっともっと聴いてるとそういう見方が強くなるんだろう。





Amaranthe - Maximalism

Amaranthe - Maximalism (2016)
MAXIMALISM(デラックス・エディション)(初回限定盤)(DVD付)

 聴いたことない音だ、ってのが一番差別化出来てて商業的に売り文句にもなるし、宣伝しやすいのはわかるけど、それは新しすぎて受け入れられるかどうかって疑問符は付くので難しいところだ。それでも新しいのが無いとどんなトコでも何でも衰退していくんだからきちんと新陳代謝を図っていかないといけない。ましてやロックの世界なんてそうだろうし、音楽の世界そのものがそうやって膨らんできていたものだ。

 スウェーデンからの新進バンドAmarantheの2016年作「Maximalism」、4枚目くらいかな。そもそもがディスコ(ユーロビート系)とメタルの融合ってトコで、そのミックス具合は時々によるし曲次第でもあったんだけど、これまではやっぱりメタル寄りな音から見ての異質感が強かった。ところが今回は逆にユーロビート感が強い中でのメタル度って感じで、それが好き嫌いを分けているようだけど、そんなモンだろう。いつも聴いてて笑っちゃうんだけど、今回も大爆笑してしまったアルバムで、いや、何度も絶対聴かないし、何だろなぁ、これさ〜、って思うんだが、面白い試みだよなぁと云うのはいつも思う。ホントにユーロビートとメタルの融合だからさ、相反する世界が同居してて絶対イヤだもん。でも、こりゃよく出来てるわ…っていうのはある。

 同じような世界をやっててもっと世界に通用しているのがBabymetalなんだろうけど、ユーロビートというカテゴリがちょいと狭かったか。Babymetalはアイドルというものを合わせてるから幅広いもんな。そこがAmarantheの難しい所で、だからアルバムごとに新しい試みをしていてもなかなか広がり切れないのかも。それでもこんだけミクスチュアなのをこのクォリティでどんどんと立て続けに出してくるのは凄い制作陣だと思う。もっと凝っても良い気がするけどな。メタル側のどの世界のリスナーに訴えていくのかもちょいと中途半端だし、ユーロビート側も然り。その辺の戦略の甘さはある気がするが、面白いのは面白い。



Green Day - Revolution Radio

Green Day - Revolution Radio (2016)
REVOLUTION RADIO

 何気ない会話の中でアレ結構良かったよ、なんて話を聞くことはよくあるし、自分的にも何となくのヒント探しは常にしているんで頭の中にメモメモしてたりする。知らないバンドなんからとしっかり記憶したりしないといけないけど、新譜なんかは、あ、リリースされたんだ、って程度で良いからふとした時に思い出して調べられるね。もうちょっと会話が弾む時はどんな感じだった?とか聞けてね、大抵はなかなか良かったよ、ってな事だけど、そりゃま人に言うのにあまりヘンな印象を与えてもいけないし、そう言うのが普通か。自分なんかは偏見の塊だからダメだ、ありゃ、とか平気で言っちゃうけど(笑)。

 Green Dayの新作「Revolution Radio」。このバンドももう20年選手のベテランパンクバンドなワケで、パンクっても昔ながらのああいうパンクってだけじゃなくて、しっかりと進化しているメロディーもキャッチーなロックバンドで、ポリシーやスタイルがパンク的ってだけでなかなかユニークな路線を歩んでいる。しっかり商業主義をも手玉に取ったパンクバンドとも言えるか。自分的にはそんなによく聞くバンドじゃないけど、聴くといつも思うのは最新作が大抵一番良い作品に仕上がっているって事だ。メロディーにしてもアレンジにしても曲の作り方やアレンジにしてもオーソドックスなんだけど古い作品群よりもちょいと良さが増しているってのかな、前作から流れて磨いていくとこうなるんだ、的なバンドの質に仕上がっててね、好みは色々あるんだろうけど、いつも良い作品作るな、って感じ。

 今回の「Revolution Radio」もそりゃ昔みたいにビートで押しまくるなんてのはほぼ無くてきちんと聴かせてくれるのとかビートは利いてるけどひたすらに快活という所で、普通にロックバンド的とも言える感触だけど、そこでの尖った所があってさ、それって面白いんだよ。根底にロック的パンク的なのがないと出てこないんじゃないかなぁ…。何でも今作は3人で集まって絵自分達でプロデュースしてレコード会社に言われるからじゃなくて勝手に作ってたっていうことらしく、そんだけ好きなことを自身持って好きに作って認めてもらって、っつうプロセスがあったからか、商業主義を知り尽くした後自分達の初心に戻ってやってみたという…。なるほどね、そういうプロセスだったのかと。だから音は自分達の生身そのままだけど経験値上がってるからそれだけ上手く作れてるっつう所か。名盤とは言わないけど、根底のロック的部分が分かるなぁ…ってアルバム。



A Maschera Di Cera - A Maschera Di Cera

A Maschera Di Cera - A Maschera Di Cera (2002)
肉の蝋人形(直輸入盤・帯・ライナー付き)

 昔は何かロック本を買ってくるともうそればかり貪るように読んでて、記憶にあるのを買ってきては聴いて、またその本を見直してフムフム…こうれだとこういう音がこういう書き方になるのか…とか思いながらその本を書いた人の個性的な感覚を何となく意識してまたレコード買いに行って聴いて、今度はライナーなんか入ってたりするとそっちをまた読んで、なるほど…などなどと繰り返していくのだが、CD時代になってからももちろんそういうのはあったけど、DL時代になってからはもうどうしようもない。ロック本もまともに読んでないし、ネットの情報とDLした音源で聴いてるだけだし、情報はあるけどどれも薄いっつうか、自分なりの納得感とか聞き込み感や貪り感が薄くて、それはもう単に時間不足ってのが大きいと思うけど多分それよりもそこに向かう自分の心構えかな。

 2002年、イタリアン・ロック…往年のイタリアン・ロックへのオマージュとも言える名作アルバムをリリースしたLA MASCHERA DI CERAってバンドの最初の作品「A MASCHERA DI CERA」。聴いて驚くなかれ、70年代のあのイタリアン・プログレそのままの音で現代版に進化した作品が流れてくる。メロトロンだろうがムーグだろうが何だろうが、そしてまた暑苦しい巻き舌のボーカルも含めて一体どこからこんなのが出てくるんだ?ってくらいに楽曲のセンスもメロディもアレンジもオールドタイムなままなオマージュ作品、こういうの聴きたかったんだよ、ってなユーロファンにはものすごくアピールするアルバム。カンタトゥーレの流れも入ってるしバロックでもあるし、もちろんイタ語で唾吐きまくってるし、それでいて美しいフルートなんかも入ってて、もう何とも言えないあの時代の音。ムゼオを最初に聴いた時のような感覚が蘇る…とかね、そんな気分。

 やっぱねロックは進化してる。あの頃才能を使って出してきた音をそのまま難なくやれちゃってあのレベルが出来ちゃうんだから凄いよ。しかもちゃんと感動できるレベルでロックしてるんだもん。盛り上がってギターが入る!ってとこでもメタルのああいうのにはならずにきちんと古いロックのギターソロとかオルガンやフルートで攻めてくるし、今時のギタリストじゃ何でだよ、ってなのもあるんじゃなかろうか(笑)。この辺のセンスがよく出来てる。普通にあのヘンのロック好きな人に聴かせたら、発掘音源にしか聞こえないってのも分かる。



Lacuna Coil - In a Reverie

Lacuna Coil - In a Reverie (1999)
In a Reverie

 ほとんど自分のブログの過去記事って見たことないんだけど、先日調べ物してる時に見ることが合って、ずいぶん古い記事だったんだけど、長々と背景から曲の骨格とか思い入れとか色々書いてあって、知ってるからだろうけどよく書いてるなぁと感心した。それが普通の姿だろうし、知らないのとか聞きかじったのなんて書いててもそんなに思い位入れたっぷりに書けないだろ、ってのも分かる。近年の自分のを見ると、そこまで思い入れ持って書いてあるのは実に少ない…、そんだけロックへの思い入れから心離れているのだろうか…と。そりゃまいつまでも同じ思い出聴いてるワケじゃないけどさ。

 1999年にリリースされたイタリアの当時はゴシックメタルバンドと言われたLacuna Coilのファーストフルレンスアルバム「In a Reverie」。前に聴いてた時は初期作品ってイマイチ面白味ないかな〜って聴いてたんだけど、ここの所のイタリアの流れもあるし聴いてみるかってことで引っ張り出してきたけど、いやいや…、驚くばかりのハイレベルなスタイルの確立にちょいとびっくり。こりゃ世界レベルになったハズだわ。もっとイモくさい印象あったんだけど…、しっかりと男女ボーカルも最初から確立されてるのとメロディもきちんと英米向けな方向に仕上がってるし、バンドの音だってそれ向け…だけでもなく、きちんと先端のスパイスも入れてあるからか古臭くならないような感じでの楽曲。今の新作っても通じちゃうんじゃないか、ってくらいのレベル感はあるもんな。若さだけの勢いじゃなくて作り込まれてる作品で、良くも悪くも今と変わらないバンド。イタリアらしさはまるで見当たらないというのが良い方向に進んで、世界レベルできちんと勝負しているってのは凄いな。

 この後しばらくはこの手の音がちやほやされていたけど、結局淘汰されてった中で、Lacina Coilってのはちょいと違う方向性へと走ってって、上手く生き延びている。しかも一般向けな路線でもしっかりと足場を作っているんだからその幅の広さは見事、やはり男女ボーカルの面白さと特にクリスティーナ嬢の歌に魅了される部分が多いか。ファーストアルバムという所で言えば、メジャーブレイクするほどのキャッチーなラインがまだここでは登場してきていないから、その手前にある部分が若さとも見えるが、今になってしまえばそのラインを超えるのは大して遠くない将来だったな、というのも分かってしまうくらいのものだ。今から初期アルバム郡にハマるのもアレだが、悪くないなぁ、これ。いいよ。



Alphataurus - Alphataurus

Alphataurus - Alphataurus (1973)
Alphataurus

 消費するだけの人生から生産する人生へと変えていきたいですね、なんてのを聞いてて、ふとそれって自分だとどうなんだろ?なんて考えてしまった。コレクションするのは消費するだけだけど、それらをこんなブログの形で残しているのは生産になるのだろうか?何か自分で学習してそれを違う形で吐き出していくことってのがそんな内容なんだろう。できることならもっと大きな形でのリターンがあれば良いのに(笑)。

 イタリアン・ロックの暑苦しさが暑苦しく聞こえない季節にもなってきたのがあるのか、専らイタリアン・ロックを聴いているのだが、今回はきちんとオールドタイムなAlphataurusというバンドが1973年にリリースした「Alphataurus」、唯一作になるようだ。イタリアと言えば恐ろしい名盤を一枚だけ出して消えていくバンドばかりで歴史的背景があるにせよ勿体無いことだ。このアルファタウルスもそんな一つで、ムゼオやマクソフォーネに劣ることのない屈指の名盤。これこそイタリアン・ロックと言わんばかりの暑苦しさと展開、こういうの好きだなぁ。もっと熱いロック的な側面が強いかもしれない。シンフォニックでよく出来てる展開なんだけど、根底が反抗心なんじゃない?すごくロック的な魂を感じるアルバム。

 バンドの背景とか全然知らないんだけど、こんだけの作品作ってた連中が黙ってるか?って思うわ。案の定再結成してアレコレしているようだけど、この「Alphataurus」という作品の室の高さ、今でも十二分に通じる破壊力と美しさ、イタリアンならではの巻き舌のカンタトゥーレ的歌唱法もそのまま、バロック的な展開にアコギも混ぜて、ザッパみたいなギターも随所に入ってくるってのもあってかロックの方向へかなり軸が振られている傑作。素晴らしい。



Ubi Maior - Incanti Bio Meccanici

Ubi Maior - Incanti Bio Meccanici (2015)
Incanti Bio Meccanici

 ちょっと深堀ってみると70年代イタリアン・ロックを踏襲しているイタリアの若いバンドってのもあるみたいで幾つか出てきた。全部聴いたってしょうがないからちょこっと聴いてみて楽しんでいる所なんだけど、面白いよなぁ、他の国のバンドがどんだけやってもこういう風にはならないけど、イタリアの若いのが歌ってやるとこうなる。見事に70年代がリバイバルされるってのは何だろ?結局国民性の持つ本来のパワーなりエネルギーなりの発散方法としては同じになるってことか。音までしっかりとバロック調になってしまうと、正にそのまま70年代のイタリアン・ロック。

 Ubi Maiorなるバンドの2015年作品「Incanti Bio Meccanici」、3枚目だそうで…、いや〜、驚くよ、これ。ちょっと音が新しいくらいで70年代そのままの音が出て来ててね、何ら遜色ない。レ・オルメやらイルバレやらムゼオやらそのヘンのゴツゴツ感とか歌の妙な熱さとか巻き舌の歌やらメロトロンにバイオリンなどなどと音色もそのままでとにかく濃い。この濃さこそがイタリアン・ロックで、熱さ濃さも健在でホント、お前いつの時代の人間なんだ?ってバンドです。ここから入っていくイタリアン・ロックってのもあるんだろうし、あまり聴いたことない人には結構衝撃だったり?今のイタリアのロックってこういうの出てこないでしょ?

 リバイバルの重要性ってやっぱりあるよ。ここから入る人いるだろうし、そこでたどり着くこともあるだろうし、別にオリジネイター知らなくても楽しめりゃいいから、そういう音なんだってのも広がるし。知ってる人は知ってるで、別に聴かなきゃいいだけだし。もうね明らかにロックはそういう時代になってる。クラシックに近づいてる。でもまだ繰り返すことで新しいのが出て来ることもあるだろう。所詮は音楽、楽しむ音楽なんだからそれでも良いんだ、きっと。





Unreal City - Il Paese Del Tramonto

Unreal City - Il Paese Del Tramonto (2015)
Il Paese Del Tramonto

 自宅のPCなりMacなりってのはもう使い方が決まっちゃってる人多いんだろうか。話したことないから分からないんだけど、人それぞれ目的あったり使い方あったりしただろうしさ。ただ、iPhoneとかiPadが出てきてそっちでアレコレ出来ちゃってるからわざわざPC開くとかしない人も増えてるだろうし、もともと使ってた人は動画とか音楽作るとか何か書くとか写真いじるとかそういうのはPCでやると思うんだけど、普通の人はそこまで色々やらないだろうから結果的にPCってのは要らなくなってきているんじゃないかと。ウチのブログだってアクセスの半分くらいは多分モバイル系だろうしね。たださ、あのスマホで見れる画面インターフェースが好きじゃなくてね、PCビューで見ちゃうけど。

 イタリアから2015年作品をリリースしたUnreal Cityってバンドの「Il Paese Del Tramonto」。このバンド名からするとどっかチャラい感じしてしまうんだけど、思い切りイタリアンプログレッシブロック=ユーロロックそのままで驚く。70年代のあのイタリアン・ロックそのものが40年後の今出てきたという…、面白いよなぁ…、メロトロンにピアノにハモンド、ムーグ、更に舌を巻いた歌、バロック調のゴツゴツしら音の組み立て方、実に自分的には聞き慣れた音ですんなりとカラダに入ってくる(笑)。ムゼオ・ローゼンバッハみたいなトコあってね、メリハリも優しさもあるから面白い。こういうの出せるバンドっているんだね。

 よくよく聞いているとずいぶん古い楽器の音を使ってるから余計に70年代の音に聞こえるのか…、今時のは凄いな。しかしそれだけじゃなかなか出来ないだろうし、素質的にこういう曲があったからビンテージな楽器が登場してきているのだとも思いたい。ギターの音色だってあの時代のままだもん。曲の質も遜色ないし、バンドのテンションも高いし、あのヘン好きだととっても納得して楽しめるバンド、アルバム。





Sieges Even - Paramount

Sieges Even - Paramount )2007)
Paramount

 聴いてみないと好みか否かってのはもちろん分からないけど、一回聴いたくらいで判断するのも勿体無い。かと言って何回も聴いてみるってのはそれなりに琴線に引っかからないとやらないし、じゃ、どうやってその良さを認識するんだ?ってなるんだな。まぁ、最初から何となく分かる部分あるんだけど、何度となく気になって聴いているウチに好きなところが見えてくるってのはあるな。そこまで無理してトライする必要性は全くないので別にそんなことをわざわざしなくても何かの情報でフラリと聴いてみて気に入ったらじっくりハマれば良いだけだ。こんなことをわざわざするのは…、何だろ?好奇心?

 Sieges Evenなるドイツ出身のバンドで80年代からやってるベテランのようだけど、世界中に名が知られていたワケではないみたい。自分も知ったのは最近だし、聴いたのももちろんだ。2007年のアルバム「Paramount」なんてのが紹介されてて聴いてみて、ん〜、ん?みたいな気がしたから。ただ、やっぱりちょいと足りないのかなぁ、とも思える今だけど今後はわからない。言われているのはプログレメタル、なんだけど聴いてみるとそうでもないんじゃ?ってな気もする。もうちょっと軽いし爽やかだしメロディもしっかりと古臭くてしっかりしているし、音色は確かに新しいプログレの音を用いているけど、曲構成がモロに凝ってるってんでもなくて細かい所が凝っているって感じで、聴いているとお?となる箇所は多いけど、それをメロディが覆い被さって見えなくしちゃってるというのか。歌声だってやたらと爽やかで、この声は好きじゃないんだが、個性的ではありますな。

 ドイツらしさってのをあまり感じない。その分ワールドワイド的な音に近いのかもしれないし、メタル的な部分も強くないからってのもあるか、やっぱり暗さと重さが必要な自分にはちょいと物足りないか。音は面白いしフロイド的な側面もあるんで聴きやすいが。それにしてもそのキャリアで今でもこういう音を出し続けているってのは見事。しかもこの頃のプログレ連中と遜色ない作風だし、若々しいよね。





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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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