Tarja - The Brightest Void

Tarja - The Brightest Void (2016)
The Brightest Void

 音楽の世界ってそれなりの人たちがそれなりの人たちとセッションしたり一緒にやるなんていうことでファンの夢を煽ると言うか膨らませてくれたりするし、それがウリになるってことも結構あったりするんでゲスト参加にそれなりの人というのを持ってくるのはある話だけど、やっぱり匂いとか組み合わせとかあるじゃない?異種格闘技戦ってのもあるけどさ、それにしてもかなりの意外性で聴いてみるまでよくわからんな、ってのもある。今回は正にそれに当てはまるので興味を持って聴いてみた一枚。

 Nightwishから離れて久しいターヤのソロアルバム「The Brightest Void」が先日リリースされたばかりなので、そのプロモビデオなどでどんな作風になるのかな、とか勝手に想像は出来るのだが、まさか嬉しそうにマイケル・モンローとのセッション曲がある、なんて言われてもさ、「え?」ってなモンですよ。そりゃフィンランドのロックの第一人者的な扱いだろうし、ある意味生きた伝説でもあるし、それなりのバリューある人だろうけどさ、ターヤの世界に入ってないでしょ、それ(笑)。ハノイ・ロックスのマイケル・モンローだよ?歌下手だし、ロケンローだけで生きてる人だよ、それをさ、本格的な音楽教育を受けてきてオペラティックな唱法まで出来てしまうターヤと一緒にどうやって歌うんだよ、っていう興味深さが気になって気になって(笑)。

 そしたらさ、意外なことに、と言うか当たり前ではあるけど、歌の大部分はマイケル・モンローが歌ってた。コーラスとかサビとか差し障りの無い所でターヤが歌ってるからセッションっていうかゲストコーラスで参加してマス的なトコ。そりゃそうだよな。それでもサビのトコ一緒に歌っててねぇ…、まぁ、ターヤは超ハイトーンだから被らないし邪魔にもならないから根本的にはマイケル・モンローの歌曲なんだが…、それがターヤのに入ってるのはマイケル・モンロー側のイメージの問題か?あの世界にターヤの名前出すとちょっと色が違うしね。

 それはともかく、このアルバム、相変わらず音楽的に何がしたいのかってのはさておき、ターヤの歌世界を味わう意味では変わらないクオリティを聴かせてくれる作品で、バリエーションに富んだ作品に仕上がっているしマイケル・モンローの絡みもあるし飽きさせはしない作品。ただ、やっぱりあの時代のあのテンションはないからなぁ…、もう諦めれば良いんだけどさ。



Amaranthe - Amaranthe

Amaranthe - Amaranthe (2011)
Amaranthe

 女性がメタルを歌う、ってのはそりゃ古くからあるけどさほど一般的な事でもないし歌おうという人もそうは多くなかっただろうし、世界レベルでもそれはあまり変わらなかっただろうけど、いつしか女性が歌うということすらも普通になり、しかも女性独特の効果を使いながらバンドのイメージもそこに合わせながら、いつしかそれはアイドル商法と同じような領域で使われていることも多くなっているが、人に言われてやってるワケじゃないから多分いいんだろうな。自分たちが売れるためにやってる、みたいなトコだからバンドのイメージも作るプロはいつつも自分たちの意思も入れられているだろうし。まぁ、そんな世界になってたらそりゃロックじゃなくなるわな。

 びっくりしたバンドのひとつ、Amarantheというスウェーデンのバンドの2011年リリースのデビューアルバム「Amaranthe」。スウェーデンって結構独創的な発想がある所なんじゃないかと古くから思ってるんだが、このAmarantheもそういう意味ではかなり独創的なアプローチで簡単に言えば古い言葉でのユーロビートみたいなのとデスメタルをくっつけて楽曲はポップでキャッチーに3分で仕上げるという快挙。楽曲のレベル感はかなりハイレベルでポップとして良質な部類にはいるだろうし、歌の巧さや弾け具合も見事だし、最初聴いた時は自分が何聴いてるんだ?って錯覚を起こすくらいのインパクトがあった。世間的なアプローチはデスメタル側から来てるからなんじゃこりゃ?だけどポップ側から出せば、ちょっと音をハードにメタルチックに入れてみたけど基本3分間ポップスだからね、ってことだろう。

 捻りが足りないからか、やっぱり途中で飽きてしまうので、そのヘンの幅の広げ方が上手く出来てればアルバムごとの進化も楽しめたのだろうが、ずっとこのままやるのかな、というような感じで曲が並んでいるのが残念。アプローチが面白いだけにそこまで突き詰めていけばなぁと勝手な事を思うけど、そこにはBabymetalがいるからいいや(笑)。それでもそこそこ人気のあるバンドだろうと思うし、まだまだ変わっていくだろうし、楽しめるんじゃないか。



After Forever - Remagine

After Forever - Remagine (2005)
リマジン

 時代に流されて消えていく音楽、ジャンルは常にあるし、それがいつしかネオなんとかとかになってリバイバルブームが来ることも普通にあってしまう音楽業界、その中で幾つかは融合を果たして新しい世界を生み出すし、ネオなんとかもどこかで自身の生き残りを賭けて進化していかなきゃ残れないし、そういうのがずっと起こってる。最初は何が起きてるんだ?単なる冗談みたいなバンドでもウケるんだな、程度だったのが今や一大ジャンルになってのリバイバルバンドだらけとかでね、なかなか面白いモンだ。本の10年くらい前までは掃いて捨てるほどのバンドが出てきたゴシックメタルの世界、自分的には好きなのでもうちょっと生き延びてるバンドがあっても良いだろうよ、とは思うものの、それ以上に進化していくバンドも多くなく大抵はそのまま沈黙…。まぁ、しょうがない。

 その一端を担っていたけど、新しい世界を求めてどんどんと進化していったけどなかなか難しかったのか活動停止になってしまったAfter Forever、今じゃNightwishのボーカルでもあるフロール・ヤンセンが若かりし頃に参加していたバンドで、ゴシックメタル的なとことから始めるもバンドが優秀だったことで、コンセプトアルバムへの取り組みへと進化し、一方のフロール姫もオペラからデス声までこなせることで表現力の幅が異常に広くてドラマティックな世界観をどんどんと打ち出せるようになっていったのが大きかったか。2005年にリリースされた4枚目のアルバム「Remagine」は恐るべしフロール姫の歌声の幅の広さを実感できるだろうし、トータル的な音楽面も楽しめる。悩ましいのは楽曲のレベルがどれも高すぎて似たようなサウンドが多くなってしまっていることだろうか。多分歌詞がきちんと聞き取れて物語を追いかけられる人なら楽しめるんじゃなかろうか。

 しかし、ここまで綺麗に唄い上げつつデス声まで同一人物で、これかい、と驚くばかり。歌にしてもホントにオペラティックな唱法から普通に上手い歌唱法、ややコケティッシュな歌い方など実に多彩で面白くなってくる。音楽面でも幾つかデジタルサウンドへのアプローチを試みつつも底辺はオーソドックスなメタルサウンドでそこにこの歌声、ある種完全に新種なアプローチを試みていたバンドだったしそれなりの人気もあったようなのでもうちょっと深くやれればね、なんて思うけどさ。もうちょっと以前のアルバムとかも聴き直してみようかな。



Lacuna Coil - Delirium

Lacuna Coil - Delirium (2016)
Delirium

 世の中は色々変わっていくし、昔は考えられなかったような事も平気で起きていく。自分にしても聴くとは思わなかった音楽のジャンルをを聴いていたり、飽きることはないだろうって思ってたのも今じゃ全然聴かないなんてのもあったり時間は様々な事物を変えていくのは歴史が証明しているか。ただ、それでも本質的な所はやはり変わらないのはこれまた人間のお話。ココ最近の色々な出来事を見ていて思うのは、そんなお話で、適当に相変わらずロックらしきものを聴いていたりする毎日。

 Lacuna Coilの2016年新作、6枚目?くらいになるのかな、「Delirium」。何でも楽器演奏陣の大半がバンドから離脱していて、一体どうなることやらみたいな雰囲気だったらしいが出てきた作品の音を聴く限りではバンドメンバーって結局誰でも良かったんだろうなぁ、みたいな感じに大して音的には変わらない印象。一方で楽曲そのものへのアプローチはかなり変化していて、これまでよりも一層ヘヴィにダークに仕上げてきている感触が強く、それは時代に合わせてきたと言う部分もあるだろうし、思い切りこっちに軸を振ったというバンドの判断でもあるだろうか、この世界に軸足持ってくると、男女ツインボーカルという特性個性がより一層生きてくるというのも読みとしてあるだろうね。唯一無二と言っても良いくらいのメーターぶっちぎりの歌い手二人ではあるし。

 今回は冒頭から含めて男性デスボーカル系の比重がかなり高い。このバンド、男の出番少なくてヒマだろうな、なんて思ってたから、こんだけ出てくるとようやく出番が増えたのか、なんて思うのだが、そういう幅の広さとカバーする領域の広さもLacuna Coilの個性、かなり強いよね。一方のクリスティーナ嬢も随分と粘っこい歌声になって振り絞った歌がガンガンと出てくる。サウンド的には基本路線変わらずだけど、それなりに新しい取り組み、アプローチは入っててアメリカのヘヴィ市場への攻略はバッチリ出来ているというところか。しかし相変わらずの7弦楽器ばかりなんだろうなぁ、この重低音は。適度にキャッチー、ほとんどヘヴィ、それでもバンドらしさは出ているという見事な出来映えで、こんな素人リスナーでも良い作品なんだろうな、と判ってしまうくらいの作品。



U2 - Under a Blood Red Sky

U2 - Under a Blood Red Sky
ブラッド・レッド・スカイ=四騎=~デラックス・エディション(DVD付)

 今となってはアイルランド出身だからこそ出てきた音でしかないのだろう、と勝手に思っているが、出てきた当時から異質な存在ではあったU2、パンク的ではあったけど音からすると随分すっきりと静かで重い音だったから何だろうな、という印象。後にこの手の音を「寒い音」と言うようになるのだけど、なるほど、言い得て妙だと思ったものだ。かと言って熱気が無い音ではないし、不思議な魂の熱さを感じる音でね、他にはこういう人たちってあまり聞いたことなかったし、それこそアイルランドの熱血系しかいなくてさ、アイルランドって表現は多々あれど随分と熱血漢なのが多いのかなぁ…と感じてはいたものだ。

 U2最初のライブアルバム「Under a Blood Red Sky」、タイトルとは裏腹にドイツのロックパラストのライブからが大半を占めているが、映像の方はそのまま「Under a Blood Red Sky」が今じゃリリースされていてその大興奮のライブを味わえる。記録する前から一大イベントになることを予想していたもので、自費で全てを録画したようだが、実際には悪天候も重なり後楽園のグランドファンクじゃなけど、異様な熱気が会場内を包んだテンションの高いライブになったようだ。それがそのまま記録されているんだからまれに見るライブ名盤アルバムになるのも納得。それでもそのライブよりも良いライブ音源が幾つもあったからそっちを採用しているってのは如何にこの頃のU2のライブが充実したものばかりだったかを物語っている。

 実際に今では幾つかのライブがリリースされているけd,やっぱりとんでもないテンションの高さを誇っているし、このテンションの高さこそがU2の醍醐味で、他では類を見ないライブの迫力を出しているワケだ。それに加えて初期楽曲の集大成とも言わんばかりのベスト選曲で楽曲のシンプルな良さが引き立っている、そしてロックに一番大事なエネルギーとパワーが加わって凄いライブアルバムになってるんだよな。当時聞いてて異様なこのテンションの高さにびっくりしたもん。それでもまだその頃は単純にこの得体の知れないバンドのファンになるってことはなかったけど、チャートでも名前は出てきてたし、やっぱ凄い勢いあったな。まさかあの学生服バンドがここまでの大物になって残っているとは思いもしなかった。このライブビデオ見てても初々しくってそんなに大成するようには見えないでしょ。

 U2を聞いているといつも思うけど、何がこんなに人を感動させるんだろう、って。音楽そのものに加えてのボノの歌、歌だけじゃなくてそこに込められている想いとかなんだろうけどさ、最近のは愛を放っているってのわかるけど、初期のはそんなにあったワケじゃないから、やっぱり魂そのものなんだろうか。ひとつひとつを大切に歌うというのはあるだろうけど、人に訴えかける歌い方なんだろう。ストーンズやビートルズ並に、と言われるくらいに大物になってるけど、多分、それ以上に多くの人を感動させているんじゃないかな。







Clannad - Magical Ring

Clannad - Magical Ring (1983)
Magical ring

 やっぱりトラッド系の方がケルトとの相性は良いんだろうなぁ…、そこからロックに近づいた音の方がありがちと言うか分かりやすいと言うか、自分的にも昔から親しんでいる音ではあるが、難点は明るくない、という所で、ガツンと聴くぜって言う気分の時には合わない。これにジグやリールが入ってくるとダンス音楽になって明るくなるんだけど、それはそれで飽きちゃって…、好みは難しいものだ。そういうロックがあると良いんだがなぁ。

 Clannadの1983年の初期作品「Magical Ring」、既にエンヤは抜けているけどモイヤ他メンバーはそのまま参加していてこの頃にこんなシュールな音をやってて、しかもそれが英国などでは絶賛されてそれなりにに売れたって言うんだから不思議なものだ。80’sポップス全盛期の裏側ではこういうのがあったんだよね。しかもここで売れたってのは冒頭の曲、大らかな環境音楽的とも言える壮大な楽曲で、決してポップ界に広がるような曲じゃないのに異常なまでに評価が高い。バンド的にもオープニングの雰囲気を表した曲だったと思われるんだけど、そこに引っ掛かるか?ってのあったんじゃないかな。他の楽曲聴いてるとスタンダートにトラッドに根差したサウンドばかりだし、ケルト風味ではあるけどケルト旋律を使いまくってるってんでもないし、単に素直にトラッドバンドになりたかったんだろう。

 後のClannadは多種多様なサウンドを混ぜ込んでいって何だろ?ってくらいに装飾されていくんだけど、ここではシンプルでバンドの本質が聴けるのは頼もしい。バンドってのはこうあるべきだよ。だからこそスタンダードにやっていても根ざしているアイルランド的なメロディや空気ってのはやはり感じられる。じっくり聴いているとどこか吹っ切れてはまいれる部分も出てくるけど、年がら年中聞いている音楽じゃないな、今は。



Horslips - Dancehall Sweethearts

Horslips - Dancehall Sweethearts (1974)
Dancehall Sweethearts

 自分に課したアイルランド縛りで、結構な数のバンドに取り組んでみたけど、当然ながら自国の民族的旋律をウリにして切れ味のあるフレーズを編み出しているってのは多くはなくって、もっと土着的なアイルランド風味を持ったバンドってのはもちろんたくさんあるけど、それは普通にロックの土俵になっちゃうんであまり面白みに欠けるし、はてなかなか無いものだとつくづくと実感。ましては一番求めていたロリー・ギャラガー風味なギターロックなんてのは全然見当たらない。もっともそれこそアイルランド風味があるわけじゃないのだが…。

 Horslipsの1974年の三枚目の作品「Dancehall Sweethearts」だが、これまでの作風からするとどうなんだろ、ハードさはちょいと無くなり、土着的と言えば土着的な旋律が前面に出てきているのか…、もっとガツンときたロックだった印象あるけど、本作では聴きやすく仕上げていると言うのか、音楽的には成長している感があるので分かるんだけど失った部分もあるか。ただ、アルバム自体が悪いという印象もなくて、しっかりと作り込まれていて、それこそ普通のロックの世界で勝負できるレベルの作品だけど、やっぱりアイルランドからしか出て来ないんだろうな、というようなフレーズや音色やムードなんてのがしっかりとあるからユニークな存在だったんだろうね。

 どうにも実態のつかみにくいバンドではある…、重きをおく部分ってのがよく見えなくて、そもそもロック的なスタンスなのか、ってのもあるけど音はロックだよな。フォーク部分も強いけどさ、そして何よりも旋律の哀しさってのはさすがだ。ジャケットに見られる如何にもな風情とはちょいと異なるレベルの音のギャップが楽しめる…、どっちかっつうとジェスロ・タルとかみたいな感じでもあるので、一筋縄にアイルランドのロックバンド…みたいには捉えられないのはあるけど、普通にこういうごった煮のロックは面白いので聴いてると楽しくなってしまうのは単なる好みのお話(笑)。





The Cranberries - Everybody else is doing it, so why can't we?

The Cranberries - Everybody else is doing it, so why can't we? (1993)
Everybody else is doing it, so why can't we?

 身近にある音だけを切り取っていくとやっぱり時代を感じさせる作品ばかりになっているなぁ…、当たり前と言えば当たり前だけど、90年代半ばくらいまでのしかないんだよな。メインのジャンルはあれこれ追いかけたりしてるから新しいのとかでもあるけど、ちょいと脇道の系統のは何かで耳にして聴こうと思わないとなかなか買わないし聴かないしね。昔は割と何でも買ってたからあるにはあるけど、どうでも良いのも多かったし結局意味があったのかどうかもわからん(笑)。

 ちょいとポップ寄りなのが出てきたので、そういえばThe Cranberriesがあったな…と1993年のデビュー・アルバム「Everybody else is doing it, so why can't we?」を聴いてみることに。今になってあれこれネットで見てるとメインはドロレス嬢のソロ作みたいな位置付けでの作品らしく、曲も歌詞も大抵彼女の作品ってことで、ふ〜ん、そうだったのか、なんて今更知る事実、適当にしか聴いてなかった証拠でお恥ずかしい限りだけど、確かに当時からこの浮遊感の強いボーカルの声が印象的で好きではあったんだよな。ただ、アイリッシュらしい旋律や民族的なのがそれほどあるか、ってぇとそこまでは感じられないからアイルランド風味が強いから好きだった、ってのとはちょいと違う。The Cranberriesの場合はドロレスの歌声が他のどれと比べて聴いても個性的で耳に残ったから好きだったのだろう。もちろんメロディセンスも浮遊感溢れていて、そういうのはあまり多くなかったし、この気怠さは当時のシューゲイザー的な雰囲気と似ていて、それでいながらこれほどまでにポップな作風に仕上がっているという面白さ。時代に合わせて変化していってるバンドだけど、このデビュー作が一番やりたかった事に近い仕上がりだったんじゃないかな。

 冷静に聴いていると曲によってポップ度合いも違うし、レベル感もまちまちなので全てが名曲の名盤ってんではない。ボーカルの歌声やメロディセンスはユニークで全編通して楽しめるけど、曲そのものはまずまずのもあったり、超ポップなヒット曲もあったりするので、どっちが本質か測りにくい部分はある。それでもよく出来てるし、楽曲の弱さは歌でカバーしていると言うかね、そっちに耳が行くから良いのかも。アイルランドらしいと言えばとってもアイルランドらしい空気感の詰め込まれた作品、でもアイルランド民族的なのはほぼ見当たらない、それでもアイルランドだ、という不思議な違和感を感じる所がユニークだ。



The Corrs - Forgiven Not Forgotten

The Corrs - Forgiven Not Forgotten (1995)
Forgiven Not Forgotten

 お国柄の違うバンドの音を聴く時、やっぱり印象的なのはその国の持つ旋律だったり民族的な楽器やリズムだったりする。日本で言えば日本語だったり事や三味線の音、和太鼓なんかもそういう類に入ってくるが、そこに和風な旋律が盛り込まれていれば唯一無二のサウンドとして世界で通じるだろう。今のところそこまで見事に融合させたものってのはあまり聴くこともないけど、上手くやればそういうのがワールドワイドにウケやすいんじゃないだろうか。まぁ、何度もそういうのが出てって失敗してるのかもしれないが。自分が今アイルランド系をアレコレ聞いているのも普通にアイルランドから出てきたバンドってだけじゃ世界標準との比較になってしまうから好き嫌いが基準になるけど、そこにアイルランド風味があると世界標準じゃなくてこの旋律があるからなぁ、という所でじっくりと聞いたりするもん。

 The Corrsなんかはもうリアルタイムで聴きまくってたんだよ。当時ロックばりばりでそっちも忙しかったけど、一方でこういうのも惹かれてたしさ、ロックだけ聞いてたら出て来ないメロディだったりケルト風味だったりするし。1995年のデビューアルバム「Forgiven Not Forgotten」を聴いた時は結構な衝撃と言うか一発で気に入ったもん。どっかの試聴コーナーでキャッチコピーに釣られて聴いてみてそのまま買ったパターンだ(笑)。そういうのはよくあったんだけど、このアルバムはホントによく作り込まれててねぇ…、どっから斬っても隙がない。ポップセンスからしてもアイルランド的角度にしても、それにテクニック、歌、曲の良さ、アレンジの尽くし具合、さらにアイルランド前面出しのトラッドのインストで聴かせる、どころかノセるのも見事で、更に三姉妹の容姿の美しさがアイドル的に全てをかっさらっていくと言うか…、それにヤラれたんだろうな。良いもの聴いて楽しめて面白かったが。

 久々に聴いてるけどやっぱり良く出来てて傑作アルバムだってことに変わりはなくって、ポップな中で感想が来ると必殺のケルト旋律のバイオリンが入ってくるという、それでいてホイッスルなんかもしかkり入ってくるしコーラスワークは美しいし、出来ること全てつぎ込んで完璧に作り込まれている事につくづく感心、そりゃ売れるわ。茶化して書いてるけど、ホントにね、名盤です。ここから全て始まって何か出る度にきちんと買って見て聴いて楽しんだもん。U2と肩を並べるくらいの大成功を手に入れたバンドってThe Corrsくらいじゃないか?活動停止になってからはさすがにその価値が落ちたってのはやっぱりアイドル的な部分もあったからかもしれないが、音楽だけ取っても素晴らしいよ。



Planxty - Planxty

Planxty - Planxty (1973)
Planxty

 その土地土地での土着的音楽ってのはやっぱり追求しないと外からはわからないし、そこにいるから、と言うだけで出来てしまう人もいるワケで、どこへ行ったってそういう土着的なものはあるし、その民族性なり地域性なりが面白く聞こえてくるものだ。歌詞にしてもやはりトラッド的なものになると歴史的背景からその土地、狭い地域での物語が組み込まれていたり伝承文学みたいなのが入っていたりと楽しめるものだ。ロックを遡るとそのヘンにも行き着くし、それを追求して始めてロックに戻ってきた時にその根底にあるものが判ってくる事も多い。どっからその宇宙的メロディが出てきたんだ?ってのはね、やっぱりそれなりにルーツがあるもんなんです。

 Planxtyというドーナル・ラニー参加の最初のアルバム「Planxty」が1973年にリリースされていて、当時から…と言うか今となってはスーパーバンドという呼ばれ方になっているけど、アイルランドの伝承音楽の中でも最も有名と言われるドーナル・ラニーってここから出てきたんだ、という捉え方で知ったんだけど、いやいや見事なまでにケルティックなトラッドで英国のそれとかなり近しい感じでの音楽を奏でているのはどっちがどっちの影響?ってなくらいだ。しかし何だろね、これ、ブズーキの改良版を持ち込んだってあるけどこの音なんだろうな、印象的な音色がアルバム全体を支配していて、独特の個性を放っている。歌は歌で見事にトラッドそのものの歌だけど、英国のはどっちかっつうと牧歌的というイメージがあるけど、こっちのはそんなに牧歌的ではなくて、もうちょっと刹那的と言うか…。

 ドーナル・ラニーって後になればなるほどに重鎮化されていて、アイルランドを代表するバンド連中の誰もが慕っている人みたいで、自分もそのヘンから名前を知ったのかな、こういう姿での音楽を奏でていた人なんだ、というのは知ってはいたけどじっくり向きあったのは今回が初めて。トラッドにハマってる時だったらもっと面白く聞いただろうけど、最近はもっとガツンってのが好みだからルーツ的な意味では抑えておきたいアルバム、という位置付けだ。



The Waterboys - Fisherman's Blues

The Waterboys - Fisherman's Blues (1988)
Fisherman's Blues

 アイルランドと英国の歴史は断片的には知っているものの、その前の事はさほど知らない、と言うか中世ヨーロッパの歴史ってのはどうしても宗教的なものによる対立が深くてそれぞれの国が争ったという程度の認識しかないので大してまともな事を書けるワケじゃないけど、普通にケルト文化からのアイルランド、そしてそこからわずかな距離の英国ってのは文化的な部分では割とリンクするだろうし、感性的な所も近しいんだろうという気がする。スコットランドあたりとアイルランドってのは相当に近しいだろって思ってるし。それでもきっぱりと音的には英国とアイルランドってのは分かれるのは面白くも有り不思議でもある。

 英国のバンドながらもアイルランドのアルバム的に扱われることの多いThe Waterboysの1988年の傑作と言われる「Fisherman's Blues」はバンドの中心人物のマイク・スコットがアイルランドのフィドルと出会い、その旋律に感動してアイルランド風味を効かせての作品を作り上げたもので、やっぱりアイルランドではウケた。英国でももちろんウケたらしい。当時の自分はそんなこと知らずにバンド名がださいすぎて敬遠していたが(笑)。昔もアイルランドを漁ってて…、それはロックと言うよりもトラッドフォークからの流れでケルトの方面を漁ってた時期だけど、その時にThe Waterboysを聴いたのが最初かな。フォークってよりもロックだよな、こいつら、って思ったけど、今回聴いててね、やっぱりロックだった。そしてアイルランドってよりも明らかに英国のロックの味付けになってる印象を受けた。来歴知らずに聴いたら結構悩ましい音で不思議だな〜って感じだったと思う。

 知ってて聴くと、確かにフィドルだけアイルランド的で、他は英国のアコースティックロック的なんだよ。でもアルバム全体はロックに満ち溢れている、と言うかエネルギーやパワーが漲っている。音楽性がロックとかじゃなくてやってる事自体がロック。こんな時代にそんな彼方でそんな奴らがいたんだなぁと嬉しくなっちゃうくらいの音で楽しませてもらった。やっぱり良いアルバムなんだろうね。パティ・スミス的でもありU2的でもありディラン的でもあり、そのどれでもないような音、楽器の音色をきちんと美しく使い分けている作品。静かに一人で聞いているとしみじみと感じる味わいがある。







The Pogues - Peace & Love

The Pogues - Peace & Love (1989)
Peace & Love

 軽くパブに行った時は大抵ギネスを飲む。普通のビールからしたらちょい高めな価格設定ではあるけど、まぁ雰囲気を味わうってのもあるしいいじゃないかと自分を納得させながら飲む。マイルドな味わいで飲みやすいけど重みがあるってのかな、日本のビールってキレ味がどうのってのが多いけど、真逆なのは気候のせいか。アイリッシュパブって結構あちこちにあるんだなぁとつくづく街に出ていると思うが、軽く一杯ってのにはちょうど良いし、仲間と明るく過ごすってのにも良い雰囲気だし割と好きだね。まぁ、相手がいりゃ誰でも楽しめるんだけどさ。

 アイルランド系にハマっている今日此の頃、何となくは知ってるけどそんなにたくさんのバンドを知ってるワケじゃない、けど好きな類の音だから機会あれば聴いていたいなと思う。良い機会だからちょっと掘り下げてみようかな、なんて気もしてるけどどこまで続くか(笑)。アイルランドの酔いどれパンクバンドとして知られているThe Poguesの1989年の作品「Peace & Love」。一般的に全盛期と言われる時代のアルバムになる…、そういえばこの頃良く見かけたジャケットだ。その頃は全然興味なくって聴いてもいなかったからジャケットの記憶が残っている程度だけど、いつしかそういうのも聴くようになってきてアイルランドの面白さにはハマるんだけど、今改めて聴いてみると確かにパンクじゃないしアイルランド民謡的な側面の方が強いから世界に出てきた時は面白く取り上げられただろうなってのも分かる。大体ギター歪んでないからそもそもロックやパンクというカテゴリになるのか?って具合だけど、歌がパンクなんだよな。バックの音はパブで生演奏でやってるようなアコーディオンやフィドルなんかで彩られた陽気な民族音楽のビートが効いたような感じでアコースティックな部類に入るんじゃないか。

 旋律が良いんだろうね。シェインの退廃的な歌い方も味があるけど、明るいくせにちょいと切ない感じのメロディとか見事にアイルランド以外の何者でもないって楽曲、多分どんな楽器で演奏してもこのヘンは変わらないだろうからアイルランドロックってのが出来上がる。根本的な所で土着的な旋律が出来上がってるっつうか…、ちょいと前にバイオリン系を取り上げていたくらいにはフィドルの音色が好きなので、そもそもこういう音が好みってのはあるが、楽しめるシロモノだ。こういうのでギターが熱く鳴ってたら面白いだろうなぁ…、それが「Black Rose」なのかもしれないけど。パッとすぐに入れるバンドじゃないだろうけど、音楽にハマった人ならこういうの面白く感じるんじゃないかな。





Frankie Miller - Once in a Blue Moon

Frankie Miller - Once in a Blue Moon (1973)
ワンス・イン・ア・ブルー・ムーン(紙ジャケット仕様)

 ロックに深入りし始めた頃、幾つかの本を漁りまくりアレコレ眺めてはチェックしてたり、ライナーノーツを見てルーツを探したりしてて、その時にパブ・ロック云々とか出てくる事もあったんだけど、既にパブ・ロックってのを自分の好みからは外していたのでパブ・ロックってあると後回し、もしくは範疇外ってことでほったらかしのままにしていた。それは今でもそのままで、パブ・ロックってのはやっぱり自分的には好みではないのだな、だからパブ・ロック的な形容詞が付いているとそれだけで聴かないってのは多い。じゃ、パブ・ロックってどんなの?って言われて知っているってほどには知らない。パブで演奏されるロック的なもの、こじんまりしたレイドバックした感じの音、という認識程度。そういうものかどうかは知らない。パンクのルーツでもあるからキライなハズもないんだけどね、何故か通ることがなかった。

 モノの本にFrankie Millerって歌手の1973年のアルバム「Once in a Blue Moon」はバックにBrinsley Schwarzを迎えての作品でパブロックの名盤だ、みたいに書かれててね、ジャケットから見る野郎のツラもさほどソソるモンでもなかったし、まぁ、見かけたらいつか聴くかな、っていう程度で記憶していたけどついぞ見つけることもなく、探す気もなく月日が経過した。ある時、こいつをCDで見かけて、あぁ、これか…、聴いてみるか、って感じで聴いたのが最初。うん、やっぱりパブ・ロック的な音であることはそのままだけど、歌がさ、ロッド・スチュワートなんだよな。その頃はフェイセスは好きだけどロッド・スチュワートも好きじゃなかったから似たようなモンだな、と二重の意味でさほど興味持たず放置。それから何年も経ってからロッド・スチュワートも聴くようになったし、ってことでこのフランキー・ミラーーのアルバムを聴くと、恐ろしく歌が良いじゃないか、ってことにようやく気づいたワケだ。

 パブ・ロック云々はどっちでも良くって、フランキー・ミラーーの歌声と小気味良いR&Rがマッチして正にフェイセス的なサウンドに仕上がっているアルバム「Once in a Blue Moon」は隠れた名盤…隠れてはいないけど、自分的にはちょいと損したかな、もっと早く聴いてれば、とも思ったくらいのアルバムではある。ただやっぱりちょいとロック的には弱い。その弱さも含めての小気味良さとも言えるか。作風を聴いているとThin Lizzyとの共演も何か納得できる根底の部分が同じようなセンスの持ち主って気がする。




Thin Lizzy - Nightlife

Thin Lizzy - Nightlife (1974)
Nightlife

 アナログ時代に作られたアルバムはA面一曲目、そしてB面一曲目というふたつのオープニングを考える必要があった。B面一曲目だって、それなりにインパクトを持つ曲ってのを配置するのは至極自然だったし、A面最後に終息を感じさせる曲を持ってくるのも普通だった。意図的にそこを無視したトータルアルバムみたいなのもあったりするし、単に曲を並べただけってのもあるけど、大抵はA面B面の始まりと終わりってのはそれなりの曲が配置されていたものだ。CD時代になってからはそういうのはないから立て続けになってるけど、古いアルバムをCDやDLで聞いているとその微妙な展開ってのが抜けてしまって面白味に欠ける…と言うか叙情性に欠ける。アナログの良さはそういう間でもあるしさ。

 Gary Mooreもゲスト参加していたThin Lizzyの1974年の4枚目のアルバム「Nightlife」。黄金期の面々が揃った最初の作品だけど、まだまだ初期のアイリッシュ的フォークな作風の延長線にあるからハードロックだぜ、って言うほとじゃない。だからそんなに人気のあるアルバムじゃないんだけど、自分的にはこの当たりってのは好きでしてね、Thin LIzzyってツインギターの王道的みたいに言われる事が多いけど、それよりもアイリッシュフォークが根本にあってのギター中心なロックバンド、それでもフィル・リノットの歌メロってのは本質的にアイリッシュメロディで泣けるし奥深い。このアルバムでもそれは健在で生々しくアイリッシュなサウンドとメロディがたっぷりと聴ける。

 ゲイリー・ムーア参加の「Still in Love With You」のちょいと控えめながらも正にブルースなギタープレイは名曲に相応しいし、ゲイリー・ムーアじゃない、ってのを聞いて逆に驚いたくらいゲイリー・ムーアのギターと同じような旋律を奏でている「Showdown」なんてのも最高だ。元々ゲイリー・ムーアがデモでソロ弾いてたからみたいだね。もちろんアイリッシュ全開の「Philomena」はちょいと間違えば「Black Rose」だったよな、とかね。トップの「She Knows」だって軽快なアイリッシュロック…、いや、どれも捨て曲なしの傑作。フランキー・ミラーのゲスト参加ってのも幅広い交友関係のあるフィル・リノットの人間性の賜物。ハードロック的な側面とフォーキーな側面、そこにアイリッシュ民謡の旋律とメロディを入れ込んだ独特の世界、Thin Lizzyのアルバムは多いけど、こういう混ざり方してるのはこの作品くらいじゃないかなぁ…。ここから「Black Rose」ってのは繋がってる部分あるけど、素朴なカッコ良さはこっちのがある。




Gary Moore - After Hours

Gary Moore - After Hours (1992)
アフター・アワーズ

 丸くなったんだろうな、と我ながら思う。もっとこだわりをもって色々と聴いていたつもりだったけど、ここの所は妙に納得して聴いてしまうものも多くなった。ロックじゃなきゃな、とかガツンと来ないとな、ってのはあるけど、それより深いこだわりってのが薄れてきたか。好みという所からプレイヤーの志向が何となく理解できる部分が出来たって事になるのだが。あんまり面白くないね、それ(笑)。単なるリスナーでしかないんだから単なる好き嫌いで聴いていりゃいいだけなのに。そうだ、そうしよう(笑)。

 Gary Mooreの1992年のブルース転向宣言アルバム二枚目となる「After Hours」。そもそもGary Mooreがブルースやりますって笑っちゃった人間なんで、昨日まであんだけの超速弾きを決めまくっててブルースってさ、何言ってんだこの人、ってホント思ってたもんね。ただ、冷静に見ていけばそもそもブルースしかなかったような時代にギター始めてて、それはもちろんベースにあるわけで、コラシアムIIなんかもあったからアドリブプレイへの取り組みなんてのもブルース傾倒から出てきているし、ルーツとしてはブルースに根ざしていて当たり前の人なんだよね。だから速弾きなんてのとメタル系の世界にいる方が不思議で、本人はどういう立ち位置でいたかったんだろうなぁと今になって思う。

 そんなGary Mooreがブルースに戻って出したアルバム「After Hours」だけど、これがまた当時の現代的なサウンドをバックにした思い切りブルースな作品…、解釈としては90年代からスタートするネオブルースギタリスト達の先駆者とも言えるのかもしれない。ブルース傾倒の音もメタルもラップもすべて引っ括めて成長してきた世代の一部がブルースを軸にして音楽ライフをスタートすると、こういうごちゃ混ぜなのが出来上がる。ブルース基本はGary Mooreも当たり前だし、さらに歌ったって成り切る人だし、インスト弾かせたらブルースとかそういう次元じゃなくて泣かせるプレイだし…。

 んで、この「After Hours」というアルバム、当時の現代的な音、すなわち時代に迎合した音質感はあるものの、アルバム的になかなか悪くない。良いぞ、って言うほどでもない気がするけど、ブルースギターはもちろん健在でしっかりと色も味も出ているし流石だ、と唸らされるプレイ。素直に認めて聴いてれば結構な作品だったってことにもっと早く気づいたのにな。やっぱねぇ、ブルースってのはだな、って言いたくなる部分があったから、だ。








Peter Green - The End of The Game

Peter Green - The End of The Game (1970)
エンド・オブ・ザ・ゲーム

 一向に自分の趣味の解釈が先に進まなくて未来永劫この辺をウロウロしているのだろうか?それはちょっと勿体無いって話で、いくつかは近代的なのもつまみ食いしてるからそれだけってことはないけど、この辺の時代のって何でかねぇ、今聴いてるとまた違う面白さとかわかってきちゃって、またじっくり聴かなきゃ、なんて思うのも多いんだよ。音楽って不思議だよな。そのものは変わっていないんだから自分の耳の成長故になるんだが、それを知ってりゃCDとかレコードとかそんなに売らなかったかもなぁ(笑)。

 Peter Greenのソロデヴューアルバム「The End of The Game」は1970年にリリースされていて、自分がピーター・グリーンなんて名前を知った10代の頃なんてのはこのアルバムが名盤としてロック名鑑みたいなのに載っててね、もちろんFleetwood Macの初期作品なんかもあったりして、ちょこっと説明も書いてあった気がするんだけどさ、ジャケットがそれらしくてカッコ良いからきっとハードなブルースに近い音が入ってるんだろう、って思って当時聴いたんだよ、確か。そしたらいきなりサイケな世界が繰り広げられて、まだその頃はブルースなんてああいうモンだっていう事しか認識してないし、それですらきちんと判ってない頃にいきなりこんな世界が出てきて、まるで理解不能なアルバムだった。ジャケットの迫力とピーター・グリーンというブルースメンというイメージがここで最初から崩れ去っているのが自分の感覚。

 今にして思えば、かなりヤバい時期の作品だからこういう方向ってのはあったんだろうな、そしてそのおかげで明らかに独自解釈による世界観を打ち出しているとも言えるんで、やっぱりドラッグの力は凄いモンだと知らされた。ブルースギターを弾けてしまう人だから、それを拡大解釈して異なる世界に持ち込んでみたらどうなるのか、サイケデリックや精神世界への実験サウンドとしてトライしてみたら、やっぱりヒステリックなギタープレイってのはぴったりと当て嵌まったとも言える事例の作品、ノンスケールのフリースタイルでのプレイ、そしてリズムにも縛られずに音を出しまくって異世界との融合を果たしたという意味で、とてつもない名盤、傑作と言えるだろう。ただし、それはピーター・グリーンというブルースメンの名前を意識しない場合だ。無知から聴いてこのギター誰だ?あぁ、ピーター・グリーンなんだ、そりゃすげぇってなるなら良いけど逆はない。

 ふ〜ん、改めてこんなアルバムだったんだ…、中学生にはそりゃ聴けないわな。これを良いと言えるセンスの持ち主でもなかったという普通のロック好きな少年だったってことだ。プログレにしてはちょいと中途半端だしアバンギャルドってもちょっと整合性取れ過ぎてるからフリーフォームのジャムセッションに近いか…、でもある程度決めてるからその中間くらいなんだろうな。ピーター・グリーンの異質なアルバムとして輝き続けるのだろう。


Rory Gallagher - Photo Finish

Rory Gallagher - Photo Finish (1978)
Photo Finish

 根本からロックな音を聴いていると絶対に魂揺すぶられるし、ハートが熱くなってくるってのが自然な事だ。そうならないのは多分自分にとってロックじゃないのかもしれない。人と同じものを聴いて同じように感じるワケじゃないから、人それぞれでロックの価値観が異なるのだろうけど、面白いことに結構重なっていくんだよな。好みとは別にそのハートは分かる、ってのもあるし。何となく好みが重なると会話が弾むってのはあるが重ならなくてもマインド同じだからわかる、ってのも多い。そんな所で自分の意思を線引しているんだろうね。小さい話かもしれんけど、そんなモンだ。

 ロリー・ギャラガーのプレイはホントにいつもいつも自分を単なるロック少年に戻してくれる。今回は1978年リリースの「Photo Finish」を聴いてたのだけど、冒頭から勢い余ってのノリノリに加えての魂たっぷり乗った上手くはないけどソウルフルな歌声とギタープレイが感動的。こういうストレートなのってなかなかありそうで無くてね、そこに生々しいギターが重なるからそれだけで痺れるってなモンだ。冒頭から熱気ムンムンの歌声とギター、そしてスライドプレイでムーディな枯れたトーンでのソロプレイが艶めかしく、ちょいとハードなエッジでのテキサス的なスタイルでのプレイ…とは言い過ぎだけどアップビートなプレイなどなどと続いていく。ゴキゲンなR&Rが多めに入っているが、この頃のロリーは割とハードロック寄りのプレイをしていて、一時期鍵盤を入れてのバンド形態だったけど、ここではまたトリオ編成に戻っている。そしてドラムには何とこの後マイケル・シェンカーの所にも参加することになるテッド・マッケンナが参加しているってなもんだ。

 汗臭いとか暑苦しいって言葉が似合うアルバムなんだが、なんてったてこの後にはツアーやって名盤ライブ「Stage Struck」なんてのが残るくらいの絶頂期だからアルバムが悪いはずがない。ロックってのはこういうのを言うんだよ、ってアルバムだし、ギターってのはこうやって弾けばいいんだよ、っていうお手本にもなるアルバム、こんな風に弾けることはないんでお手本も何もないのだが…。どの曲取っても隙がなくって楽しめるし、アルバム全体で聴いたって大した長さじゃないから一気に聴いてしまえるし、何よりもハマり込んでしまう作品。ブルースとロック、そしてエッジの効いた楽曲、それに加えてのセンスの良いアルバムジャケット。シンプルなR&Rが最高だ。







Roy Buchanan - Live Stock

Roy Buchanan - Live Stock (1975)
ライヴ・ストック(紙ジャケット仕様)

 本人は何かしたつもりも無いのだがいつの間にか嫌われているなんてことがある。男女間でもあるし、同性同士でもあるだろうし、なんだろうね、自分が嫌う立場になったってのは無くもないけど理由はあるし、それが相手には伝わっていないってことは無かったんじゃないか。人間ってのはわからないもんだ、といつも思うし、だから人とは距離を置こうって考えるのも至極当然なお話で、自分だってそんなにお人好しに誰とでも話すぜ、ってんでもないし、そんなに色々と関わって人脈をどうのっていう程の欲もないしね、流れには逆らわないんで適当なだけだけど(笑)。

 Roy Buchananの1974年に録音されて翌年リリースされたライブアルバム「Live Stock」。確かオーストラリアかどっかに行った時に自分と同じ名前の店があって、それが面白かったからそのまま写真に撮ってアルバムジャケットにした、というお話だったんで、このRoy Buchananは本人の家でも店でもないという事です。それはともかく、ロイ・ブキャナンと言えばテレキャスの伝道師、全く色々な音をテレキャスで出しているという変わった人でもあるけれど、一方ではそのフレーズも実に多様で、ブルースメインではあるものの、カントリーやジャズあたりも普通に入ってくるというギターで、そこにテレキャスの普通の音に加えて妙な音を挟み込んでくるという人。聴いてて同じギターから出てきているとは思えないトーンや音色が飛び出してくるのが楽しみでもある。

 ライブアルバムを聴いているとそれは顕著に表れていて、トーンの使い方の上手さはもうこうありたいって思うほどの上手さ。楽曲そのものはカバー曲だったりさほど名曲とは言えない曲が多いけど、ギタープレイに関してはかなり絶頂期を捉えているライブ盤。どうにも一般的な人気よりもベックとか職人系ギタリストが好むギタリストで、玄人受けなところも納得。このライブ盤で突き刺さるプレイはダントツに「Roy’s Bluz」。これこそロイ・ブキャナンのトーン炸裂と言わんばかりのフレーズが散りばめられた一曲。ボリューム奏法やらロングトーンやらハーモニックス系などなど弾いている時の顔が想像できるくらいのプレイ。やっぱギターはいいなぁ〜。




John McLaughlin - Extrapolation

John McLaughlin - Extrapolation (1969)
Extrapolation

 歳を重ねたらきっとジャズってのを普通に聴くようになるんだろうな、って漠然と渋いオジサマ的なイメージを持っていたのだが、未だにそんな素振りが自分にはない。そう思うほどにはまだ歳を取っていないのだろう…、ってかきっとジャズ親父になることはないんだろうな、という自我もあるので単なるイメージでしかなかったと言うことなのだろうと。で、ジャズ聴かないか?ってワケではなくってジャズばかりを聴いて満足しきれることはない、ってだけで嫌いじゃないし聴けばそりゃ楽しみはある。ただ、好みはやっぱりロックの側にあるってだけだ。嗜好は変わるもんだからいつまでもそうか、ってのはわからんけどね。

 ジョン・マクラフリンの名が出た所で、ちょっとこの不思議なギタリストの来歴や作品なんてのを追いかけてみて、つくづく不思議な人だと改めて思った次第。そこかしこで名前が出てきてマイルス・デイヴィスに見初められてサクセス・ストーリーへの進むのだが、どこでどうやってこういうギターになっていったのか、んで、ジャズというかフリージャズ的な、縛られないスケールとセンスでのアプローチが特異なセンスでハマっていった、もちろん必要なテクニックはすべて身に付けてというワケだ。その出だしともなったソロ名義でのファーストアルバム「Extrapolation」を聴いてみたのだが、こりゃもう明らかに英国のプログレ畑から飛び出していったフリージャズ的なものとほとんど変わらない。ソフトマシーンの中期以降には同じような楽曲の作りのものがあるし、まったく英国的な硬質なジャズ的なサウンド、なるほど、ソロ名義のリーダーアルバムの最初にはまだスパニッシュやその他無国籍的なギターサウンドへの傾倒はなく、スタンダードに進化していたワケだ。そんなことに感心。

 1969年作品か…、まったくエネルギッシュな時代だったんだな。いつの時代にもどんな時も何かが生まれる前夜、ってのはものすごい熱気に満ち溢れた連中による水面下での動きがあってね、それがメジャーシーンに出てきた時にそのまま爆発ってことにはなかなかならないんだけど、そういう前夜にひたすら繰り広げられているムーブメントってのは自分的には好きだ。きっとこの時代にはロックでそういうのがまだまだたくさんあったんだろう。それが今はなかなか見えないが故にロックが出て来ない、ってのもあるのかな。しかし、ここで聴けるフリージャズな音…、決して好みじゃないしいつも聞く音楽なんてのでもないけど、そううエネルギーを感じるからずっと聴いていられる。それが音楽とロックの違い、だ。




Tony Williams Lifetime - Turn It Over

Tony Williams Lifetime - Turn It Over/lifetime (1970)
Turn It Over/lifetime

 革新的な試みを常に実験するために色々なメンバーとセッションを繰り返し、ひたすらに純粋にエネルギッシュでパワフルなサウンドを追い求めていた時代、ロック黎明期はそんな事があった。そしてロックのみならずジャズの世界でも同じような試みを常に繰り返している連中がいて新たな世界に飛び出したがっていた。そんなのが一緒にやってみようって思うのはごく自然な事柄だっただろう。ロックもジャズもなくただ天性のプレイヤーだったからこそ一緒にやってみたら何か起きるに違いないという確信の元に集まってやってみたアルバム、それが悪いはずもなくそれこそロックの魂そのものだったりする。

 Tony Williamsのソロアルバム「Turn It Over/lifetime」は名義こそTony Williamsだが、メンツはジョン・マクラフリンにジャック・ブルースにラリー・ヤングという猛者の集まりで、残念なのはトニー・ウィリアムスの歌だけで、その他は白熱のプレイのぶつかり合いによる熱気そのものが聴ける作品だ。ジャック・ブルースだってCream辞めてすぐくらいの時期だからあのままの熱気のプレイをどこかで披露したくて、そしてあのぶつかり合いをまたやってみたくて、というような方向性、すなわちCreamの延長線を求めていたワケで、今度のパートナーは申し分の無い面々となったというところか。確かにスタジオ・アルバムなんだろうけど、やりたい放題…全員ね、そして有機的にそれが機能したこの時期この時代このメンツでしか成り立たないであろう迫力とプレイがしっかりと聴ける。この類の音では曲の良し悪しが問われることはない、単なるテーマでしかないからプレイをひたすらにぶつけあっている、そういう意味では明らかにジャズな作品だ。そしてジャズから見たら本作はかなり邪道な作品になるのだろう。

 しかしロック側から見れば明らかにロックだし、ぶっ飛ぶほどのアルバムだと評価されているようだし、自分が聴いててても何か凄いな…ってのはもちろんある。これで上手いボーカリストでも入ってたら時代も時代だしそれなりのバンドになっただろうに、そこはジャズ的な発想でのアルバムリリースだった事が残念。ともあれ、後年に至る今までこうしてアルバムの存在が忘れ去られる事無くしっかりと伝えられているのだからアルバムの価値は高かったのだ。ドラマーのソロアルバムでこの音って…あり得ないよな(笑)。ジミヘンからの影響が大きかったとか…、そしてこの後の英国でのジャズロックバンドへの影響も大きく与えていたグループ、そりゃそうだろ、こんだけやってりゃ。そんなアルバムです。






Cream - BBC Sessions

Cream - BBC Sessions
BBC Sessions

 ロックってオモロいな〜、と嬉しそうに言われた。なるほど、そりゃ面白いわ〜、と共感したものだが、ライブ中心のバンドの楽曲ってライブ毎に演奏が変わるから常にチャレンジチャレンジしているワケでね、毎日様々なアプローチを試しているワケよ。仕事だとしたらそんなことしないだろうけど、それよりも純粋にぶつかり合いハプニング、化学反応を楽しんで試している、そしてCreamはそれを売りにしていたから、常にそのアプローチがなけりゃ意味が無いと言い切るくらいまで追求していたバンドだ。そしてそのライブの幾つかをひたすら聴いていた時に、アプローチがあまりにも異なるものがあって、ひとつだけ完全にバンドが一体感を出しているライブ演奏があったんだな、そしたらそれがやっぱり一番カッコ良くてハマった演奏になっていて最高の出来映えだったワケだ。そういうのを発掘発見して納得したことがあったからこそロックは面白い、と。うん。

 んなことでCreamの…書いてないのは「BBC Sessions」くらいか。このセッション集で聴けるCreamの姿は正直かなり中途半端な印象を否めないもので、スタジオ盤の圧倒的にキャッチーで一般的に聴けるレベルを狙ったものとライブでの激しいプレイの応酬のギャップを埋めきれていない、と言うかその中間の演奏をしていると言うか…、そりゃ時間制限もあろうし、パワフルなライブ感は披露しておきたいし、って所での妥協点だろうが、結果的に残された音源でCreamの本当の凄さってのは出し切れていないんじゃないかな。まぁ、だからこそ後になってリリースされたことで、歴史的価値を高めたという意味合いのほうが強いのだろう。そんなこと書きながらも聴いているとやっぱり凄いバンドだなと思うシーンも数多く(笑)。

 自分がギター好きだからギターを追ってしまうし、そこで絡むベースを耳にすることはあるのだが、ドラムまではあまり耳が回らなかったんで、リズムへの挑戦と言うのかリズムじゃないな、リズムは同じなんだけど叩き方、叩くタイミングをズラしながらの変調を実験していくなんてのになかなか気づかない…、気づかないというのか何かヘンだな感はあるけど、そんなに分析までしないでリズムを追ってる…、そこに気づくと凄い事してるんだ、ってのが更に響く。やっぱりこういうバンドは隅から隅まで聴き尽くして楽しまないとね。自分的にはZeppelinは結構やってったけど他はそこまでやってないもんなぁ…、やはりマニアな人間と会話してると面白いわ(笑)。




Jethro Tull - Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970

Jethro Tull - Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970
Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970 (CD + DVD)

 一般的にプログレバンドと捉えられているバンドでもライブを見るともちろん普通のバンドじゃないか、って思い直す時があって、それは単にプログレバンドって仰々しい楽器をいっぱい並べて音を出してるんじゃないのか、みたいなのもあるから普通のバンド編成であんな仰々しいのが出来るはずがないとかね、そういう思い込みもあってさ、だからライブ映像とか見ちゃうと、案外普通のバンドでちょっとスカされたりする。まぁ、間違った思い込みしてる自分がおかしいのだが。

 Jethro Tullもワイト島フェスティバルで素晴らしいパフォーマンスを見せたバンドの一つだ。イベントを無茶苦茶にしたのもこの人達かもしれない(笑)。どっからどう見てもただの乞食野郎の集団にしか見えないのが、実はとてつもなく演奏が上手くてライブでもしっかりと存在感を魅せつけるイアン・アンダーソンが主役ってのはどうみても分かりすぎる。そしてバックの面々のロックバンドらしい演奏、マーティン・ベレってやっぱりブルースギタリストだよなぁ、とかさ、英国ではこの頃絶大な人気を誇っていたバンドでもあると言われている。日本じゃなかなかわかりづらいJethro Tullの本質。こういうライブ映像見るとフルートがヘンなだけで普通にロックバンドなのでやっぱりビジュアルで損してる?いやいや…。

 このJethr Tullの「Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970」もCDとDVDで出てて、バンドの真髄をきっちりと魅せつけてくれるのでかなり楽しめた。スタジオ盤聴いてるだけより、ライブ映像見てるとなんかへにな凄さを感じられる。しかし、なんで歌いながらフルート吹けるんだ?同時に、だよ?この人やっぱかなり変態で凄い人、音楽的才能に溢れすぎている人、そういうのが分かるからもっともっとJethro Tullってバンドをじっくりと見聞きする必要がある。こりゃ人気あったハズだわ…、と改めて思い知った。






The Moody Blues - Live at the Isle of Wight 1970

The Moody Blues - Live at the Isle of Wight 1970
Live at the Isle of Wight 1970

 古いロックに行き着いてしまうなぁ…、結局戻ってくるのは70年代のロックあたり…、先日そんな会話をしていたのだが、凄くコアな意味でロックってさ、ある一時期のものだったし、同じ人でも同じくある一時期だけひたすらロックだっていう時期があって、結局ロックは幻想の産物でしかなかったのかもしれない、なんて。それでもその幻想に取り憑かれていて、その夢を見たい、聴きたいが故に漁る、そして発見してはハマる、今でもそりゃロックなのあるし、それはその時だけかもしれないけど、確実にロックだ、って思える時がある…、人によりけりだろうけど。じゃ、ロックって何なんだ?多分幻想(笑)。

 1970年のワイト島フェスティバルは幻想が崩れ去ったフェスティバルとして知られているだろうか、60年代のLove&Peaceを引き摺りつつも同時に時代が終わった事を象徴していたフェスだ。しかしプレイヤー達がここから始まったバンドもあれば終わった人もいる。単なる仕事、たくさん人が集まるイベントって意味で良かったのかもしれない。ふとThe Moody Bluesがでていたな、なんて思い出して見てるとDVD「Live at the Isle of Wight Festival」までリリースしてて、もちろん音源も「Live at the Isle of Wight 1970」としてリリースされてるんだが、そもそもこの全盛期のライブ盤ってのがムーディーズの場合はないからどんなんだろ?って興味が出るよね。そこまで好きなバンドってワケじゃないけど、初期のアルバム郡は結構聴いたからさ。

 まぁ、映像見てて思うけど、ロックスターじゃないし、英国のムサい若者って感じで繊細さが分かるな、というような風貌…、んで演奏聴いてると、全然プログレッシブロックの雄というようなバンドの音じゃない…って言うと語弊を招くけど、普通に英国らしいバンド、牧歌的な側面はそこまで牧歌的でもなく、メロトロンの洪水もそこまでじゃない、ギターと歌が引っ張っているような面が強いバンドで、何となく自分の中の幻想が崩れ去ったかも(笑)。いや、もっと仰々しくてプログレッシブなライブかと思ってて、それって何?って言われても困るけど、自分はやっぱりルックスも含めてロックが好きなんだなと思っただけ。音を聴いてる分にはそりゃもう心地良いよ、完全なスタジオ盤とは違ってライヴだからそこがやっぱり完璧さがなくて、上手い演奏なんだけどミックスの問題かもな。やっぱりこの手のバンドはライブってんじゃないのかも。

 しかしこういうのが見れたり聴けたりするのは今の時代ならではだろうし、今更幻想が崩れるったってたかが知れてる話だからね、やっぱり良いバンドだし、嫌いになるワケでもないし、こういうモンなんだな、と。

Live at the Isle of Wight Festival [Blu-ray] [Import]


Mountain - Live At The Woodstock Festival

Mountain - Live At The Woodstock Festival/ New Canaan H. S. 1969
Live At The Woodstock Festival/ New Canaan H. S. 1969

 今は夏ともなればロックフェスティバルが世界中で開催され、普通にバンド側も自身で単独ツアーを組むよりもフェスティバルに参加していく方が全然ラクだし、動きやすいというのもあってフェスティバルツアーなんてのを出来るバンドもいるようだ。日本でも既に夏フェスは定着していて、いくつもの大型フェスが開催されている。自分的にはほとんど行った事ないんでどんだけ暑苦しいイベントなのかよくわからないんだが、ライブだけを見ればそりゃ色々なバンドが来てやってくれるんだから楽しいだろうと思う。時代は60年代末期、同じようにフェスティバルが盛んだった時期があって、代表的なのがウッドストック。人間そうそう変わらないだろうから、今でも同じような雰囲気なんじゃないかな。

 Mountainってウッドストック出てたんだぜ、って。Mountainとしてのデビューは1970年になるんで、ここではMountainというバンド構想をしていたレスリー・ウェストとフェリックス・パッパラルディの思惑によるMountainでの出演、それでもレスリー・ウェストのソロアルバム「Mountain」がリリースされた前後での出演なんだから見事なものだ。フェリックス・パッパラルディはクリームで成功していた部分あるから、クリーム亡き後の今、ウッドストックに出すならウチらのMountainだ、と説得したかどうかは知らないが、そんな風に進んでいったんじゃないかなと想像。それにしてもこちらも当初の映画にもレコードにも入ってなかったから出演していたのは後から知ったバンドなんだな。

 嬉しい事にちょっとした映像とオフィシャルからのリリース「Live At The Woodstock Festival/ New Canaan H. S. 1969」でウッドストックのアウトラインは聴けるようになってる。まだまだ地味な曲ばかりだけど既にレスリー・ウェストの独特のギタープレイは当たり前だけどビシビシと鳴ってて、と言うか、そればかりが耳につくくらいに特徴的なサウンドとメロディラインのあるギター、こういうギタリストはこの時代にはまずいなかった。巨漢ぶりでのインパクトもあっただろうけど、この人もかなり天才的なプレイヤーで一見粗野なロック野郎に見えるけど、かなり繊細な人なんだろうとは想像がつく。いやいや、随分楽しめるライブアルバムで、記念碑的でもあるのでもうちょっとメジャーなリリースしてほしいものだが、音がよろしくないから難しいかな。




Johnny Winter - The Woodstock Experience

Johnny Winter - The Woodstock Experience
ウッドストック・エディション(紙ジャケット仕様)

 音楽シーンこれほど広くあれ、本当に天才と呼ばれる人物はその中でも限られている。一般的に見たり聴いたりしていてもそれは判る人は判るだろうし、知れば知るほどにその天才ぶりに敬服することもよくある…、自分みたいな凡人には、という意味だけどさ。溢れんばかりの才能がどんどんと出てきて、プレイに楽曲に、歌などにそれらの天才さが弾け出てきて聴かせてくれたり見せたりしてくれる、ホント凄いよなぁと唸るばかりだもん。そういうのは少年期から飛び抜けていることが多くて、若いうちから自身の道が決まっていくってもんだ。

 100万ドルのギタリスト、Johnny Winterもその一人で、アルバムデビューは1969年なのだが、その時点で既にウッドストックに出演していたり、その前の年にはMike Bloomfield達と共演したりしていて新人さんなんてレベルをとうに超えたスタートを切っているという才能の発揮ぶり。そのウッドストックでのライブは近年になって「The Woodstock Experience」ってのでリリースされて、全貌が知られることとなったがそれまではボートラでのお披露目程度、そもそもレコード時代にリリースされたものにはMountainと共に入ってなかった有名バンドになってた。おかげで当面の間は双方ともウッドストックに出てたってことすら知らなかったもん。だから、デラックス版とか出てくるようになって、あれ?と不思議に思ったりね、アングラでその手のものが出てきて、出演してたのか?なんて調べたりさ。あの映画「ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD]」に入ってて見れていればもっと早くからハマってたのになぁとか思いつつも、結局は同じか…と。どっちも強烈だったからなぁ。

 それで「The Woodstock Experience」が今はリリースされている。映像は少ししかないんで残念だけど、それ見ててもなんだこりゃ?ってなモンでさ、ホントどうやって弾いてるんだか、みたいな独りよがりの圧巻プレイはジミヘンも見ていて楽しんだことだろう。この後セッションしてるしね。この人のギターって一人で低音もソロパートも両方弾いちゃってて更にスライドで幅を広げてて何だかよくわからないけど一人多重奏みたいになってるんだよ。だからフレーズ云々よりも弾き方が凄い。指は細くて長いし、本気でブルース。とにかくこれでデビュー前後の頃のヤツ、やっぱり天才ギタリストの名を欲しいままにしている人です、うん。

 そういえば映画「Down & Dirty」も見たいな。ジョニーの人生そのままが語られてて、ライブも入ってる感動的な映画という評判なので、見ておきたい映画だ。






The Doors - Live at the Aquarius Theater: First Performance

The Doors - Live at the Aquarius Theater: First Performance
Live at the Aquarius Theater: First Performance

 今時の10代か20代前半くらいの若い世代で古いロックに興味がある人達ってどういう感覚で60年代とかを見ているのだろうか?単に古いというモノの捉え方はともかくとして、ロックの伝説的な人物像の捉え方とかさ、音楽的な所とか詩的な面など、まぁ、自分がその頃も既に古いモノだったワケで、それと同じような感覚なんだろうけど、更に情報量が増えまくっている現代に於いて、まずそこに到達するのかってトコからどうしてそこに到達したんだ?ってのとそれで多少なりともハマる、ハマった理由とかカッコ良いと思う理由など、自分たちとそんなに変わらないだろうけど、今の時代からのアプローチってのが興味あるね。そんなに詳しかったら怖いものあるけど(笑)。

 The Doorsも発掘ライブをどんどんとオフィシャルとしてリリースしているバンドのひとつで、背景は色々あるみたいだけど何よりも生々しくライブがきちんと聞けるってのは大きい。メジャーどころのライブアルバムも幾つかリイシューされて長尺版になっているけど、今回の「Live at the Aquarius Theater: First Performance」は一般的なライブ盤としては「In Concert」や「Live in Hollywood - Aquarius」の拡大版と捉えた方がわかりやすいだろうか。1969年7月のアクエリアスシアターでのショウは昼夜2回公演が行われていて、そこからの抜粋版が「In Concert」や「Live in Hollywood - Aquarius」でリリースされているんだけど、実はこっちの「Live at the Aquarius Theater: First Performance」「Live at the Aquarius Theater: Second Performance」の方が先にリリースされていたらしい。自分的には全然意識していなかったんで記憶ないけど…。ドアーズのライブって1970年のが多く出てるんだけどやっぱり時代的には1967〜68年頃のが白熱していてロック的なのが多いから好きでね。これは1969年だからかろうじて、かな、どうだろ?っていう興味が大きかったのと、アングラでは発掘されていなかったんじゃないかなぁ…、だから自分的にも新鮮だったてのは大きい。他のは結構出回ってたから聴いたことあったし。

 このライブ、かなり上々。少なくともジム・モリソンは普通に歌っているんでそれだけで及第点、ライブという体を成している、そうするとライブそのものが引き締まってドアーズの真骨頂が発揮できていると言えるワケで、そうするとやっぱり素晴らしいライブに仕上がるってことだ。ホント、このバンドは自分たちの生み出したヒット曲や挑戦曲よりもオールドタイムなブルースをアレンジしてやる方が好きなのか、サイケデリックブルースバンドという位置付けでの曲がライブを占める。オリジナル曲の価値なんぞ大して気にしていないとでも言わんばかりにブルースばっかりなんだもん。だから慣れるまではドアーズってレコードで聴くバンドの印象とライブでの地味なブルースバンドとのギャップを感じるだろうし、一般的にはこのブルーズばかりの、そして上手くもないボーカルでそれを歌うドアーズのライブはさほど面白く聴こえないだろう。聴くと重いし。だから表に出すライブ盤はもっとドアーズらしい体を装ってリリースしないといけないという帰結。

 やっぱりディープなリスナー向けなんだろう、これが昼夜2公演ともリリースされているんだからマニアには堪らないアイテム、そして一般には「In Concert」でこのライブの凄さを伝えているという見事な商売感覚。それにしても多数のライブから曲を選び出し、また曲順も入れ替えての編集ってのは何を基準にやるんだろうなぁ…、バンドが考えてた曲順じゃなくてもっとライブに相応しい曲順ってのを考えるんだろうけど、それって多分センス…だな。やっぱり生々しいライブ音源が好きです。






Big Brother & The Holding Company - Lost Tapes

Big Brother & The Holding Company - Lost Tapes
Lost Tapes (Slim)

 ふと思ったが、60年代のお話って、もう50年前の事だよな?ん〜、それでもその頃のロックってのが一番刺激的だったんだからしょうがないが…、よくもまぁ飽きずにそんなのを聴き続けている人もいるし、今でもこうして何かしらの記録を残している人間もいて、多分雑誌の表紙にもなっているだろうし、面白いモンだ。それにしても発掘音源ってのはホント、色々出てくる。多分どれも本当の意味でのオフィシャルではないだろう。50年ってもしかしたら著作権とか切れるのかもしれない。だとするとこの手のがどんどんと出てくる事になりそうで、それはそれで嬉しい事でもあるのだが…。

 Janis Joplin…、Big Brother & The Holding Companyの未発表ライブの発掘盤2CD「Lost Tapes」。これも古くからアングラで流通していたのでここでアマゾンで出てるってのはちょいと驚きですよ。オフィシャル…なのか?いずれにしても無くならないウチに入手しておけば聞けるんで良いとは思うけどね。中身はもう白熱の1966年と67年のライブがガッツリ入っててあの「Cheap Thrills」のライブを遥かに凌ぐとも言える熱気。プレイのまとまりなどは「Cheap Thrills」に勝てないけどライブのドライブ感や熱気や勢い、若々しさ、エネルギー、パワーどれを取っても相当にぶっ飛んでるライブだ。上手いとかじゃなくてさ、凄い。そう、凄いってのがロックでは重要なんだよ、それがみっちりと詰め込まれてる。

 ジャニスがね、あの声と迫力なんだけどまだまだ未完成…と言うか発展途上なのかな、って思える節もあってかなりぶっきらぼうな歌い方にも聞こえる。それでもカッコ良いんだよ。凄いんだよ。こういうのってどこから出てくる違いなんだろ?そんなことを思ってしまう大迫力のライブアルバム。これぞロック、な音だ。しかしよくよく思えばアルバムデビュー前の音源…ってことか?それでこんな音で録音されて残ってたってのか?このライブ音源を元にレコード会社探したのか?どうなんだろなぁ…そういうのはちょいと疑問が出てくるけど、ライブの迫力にウソはない、そしてこんなのが残っていたってのに喜ぶべきだろう。




The Electric Flag - Live Carousel 1968

The Electric Flag - Live Carousel 1968
Live Carousel 1968

 へぇ〜、これって発掘音源でオフィシャルでリリースされてたのか?っていうのをよくアマゾンで見かける。それがホントにオフィシャルリリースかどうかってのは微妙なものもあるんだが、アマゾンが出品しているのならそれなりの筋なのだろう。他の店の取り扱いだとイマイチよくわかんない時あるけど、あんまりヘンなの扱えないだろうし…、どうかな、どうなんだろ?って今ふと思った。きちんとチェックしているのかな?ん〜、怪しいよな(笑)。いや、話題はそこじゃなくて、これがホントにオフィシャルなリリースだとするなら出てたんだ〜っていうのは良く見かけるお話、ってこと。

 The Electric Flagはマイク・ブルームフィールドがバターフィールドのバンドを抜けた後に組んでアルバム一枚出して空中分解したバンド、その後再結成してるけど、基本的にその一枚とその頃のライブ活動だけ、んでこの時期のマイク・ブルームフィールドってあの「Super Sessions」やってる頃だからぶっ飛びのギターを弾きまくってたワケ。んで、そのThe Electric FlagのライブってのがFMで放送されていたってことで古くからアングラで出まわっててね、それを昔から持ってて聴いてたんですな。そしたらそのままアマゾンに出ててびっくりしたワケ。で、それをまた聴いてるけど、やっぱり凄いライブ、ってかギター。1968年4月21日の昼の部でのセットが前半に入ってて夜の部はどうやらマイク・ブルームフィールドは出演しなかったらしいけど、まぁ、そういうのはしょっちゅうあったみたいだから今に始まったことではない。

 タイトルはそのまま「Live Carousel 1968」としてリリース、ホントかなぁ…、まぁ、このライブを聴いてくれる人が多いってのは嬉しいけどね、やっぱりギターヒーローの名を欲しいままにしていた時期のプレイは神懸っています、ホント。ジミー・ペイジのプレイやクラプトンのプレイと比較してみても全然秀でてたりするし、もっともっとギターヒーローになっていってほしかったんだが…、いや、でもその断片がここで聞けるんでね、うん。ちなみに夜の部ではErma Flanklinという女性ボーカルさんが全編歌ってますが、概ねブルースの世界…いや、これも悪くないけどやっぱり突出した花形ギタリストが欲しいところ。これ、ギター弾いてるのはNick Gravenitesなんだろうかね。面白いのはここでジャニスの「Piece of My Heart」なんてのをやってる所で、これってバックバターフィールドバンドじゃなかったんだけどな…。まぁ、カバーなんてのは普通にやってた時代、色々な試みが聞けるのは面白いです。




Mike Bloomfield - Count Talent And The Originals

Mike Bloomfield - Count Talent And The Originals (1978)
カウント・タレント・アンド・ジ・オリジナルズ [日本初CD化 / 国内プレス盤 / 最新リマスター / 日本語解説付き](CDSOL-5611)

 こんだけ色々と漁ってても全然情報には追いついていなくて、こんなの出てたのか、と驚かされる事も多い。古いミュージシャンのアルバムって昔の知識のままで自分は過ごしているから実はそこで発掘ものが、とかどこそこの国だけでリリースした、とか知られざる情報なんてのが入っていても知らなかったりする。その人の歴史を紐解こうと思うとやっぱり順番に聴いていくというのはわかりやすいので、できるだけそうやって聞いていきたいんんだけどね、今はもうそんなにこだわってないです(笑)。いや、多すぎて無理。でも、とりあえず出来る限りは前の作品後の作品なんてのは意識して聴いてるかなぁ…。

 ディランの「Highway 61 Revisited」にて一躍スター街道に進み始めたMike Bloomfieldというギタリスト、もちろんPaul Buttrfield Blues Bandのギタリストのあの人だが、70年代に入ってソロ活動中心に様々な音楽を追求した作品をリリースしている。一般的にソロになってからの作品には昔のギターヒーロー的な弾きまくりなシーンが少ないので、人気がないし自分もそう思う。んでも一応こういうアルバムが出てたんだなぁってことで集めてたし、あらかた揃えてたつもりなんだけどなぁ、「Count Talent And The Originals」って作品が1978年にリリースされていたとは知らなかった。ディスコグラフィーから抜け落ちてたのかもしれない。そんな事で自分的にはコレを見た時、発掘の未発表アルバムか?なんて思ったりもしたけど、1978年産ってことで、やっぱりちょいと冷静になったものだ。

 ところが聴いてみると…、いや、音楽的には全然好みじゃないし何でこんなの聴く必要ある?ってくらいの音なんだけどさ、そこに流れてくるギターがマイク・ブルームフィールドだから、という理由だけで、そして何か良い事があるに違いないという希望だけで聞いていたんだが、多分言える事は普通のこういうサウンドだったらここまでギター入らないから、やっぱりマイク・ブルームフィールドだからここまでギターの入ったAOR的サウンドが出来上がったんだ、と納得したい。そのギターが美しく流れている旋律は実に素晴らしく、涙を誘うプレイなのは聴いてみて良かったと思った部分だ。特に「You Was Wrong」の華麗なるスライドギターのインストは素晴らしい。それに加えてのそれぞれの曲のギターオブリやソロなどメロディの裏に入るプレイはさすがに手癖も含めてのマイク・ブルームフィールド節全開。

 ただなぁ、この作風は苦手だぜよ。AOR、ブラス、妙にソウルフルな歌、脳天気なコーラスワーク、軽やかな音作り、どれもダメだ。だから普通には絶対に聴かないアルバム。でも、やっぱりマイク・ブルームフィールドの作品だからそこに意味を持たせて聴くのだ。単純に好き嫌いだけで聴けないんだよねぇ、こういうのは(笑)。




Bob Dylan - Street Legal

Bob Dylan - Street Legal (1978)
ストリート・リーガル(紙ジャケット仕様)

 人間関係から紐解いていく英国ロックの歴史と流れってのは昔から意識してるから自然とそういう調べ方になったりするんだけど、これがまたホントに面白いように絡み合っていくのが発見ありで楽しい。現実の今の社会だって結局人間関係、人脈で成り立つことの方が多くて表面上のことよりも結局知ってるか知らないかってのが一番大きな要素だったりする。仕事として捉えればミュージシャンのキャリアと参加作品なんてのはそれと同じようなもので、誰かの紹介とかあそこで一緒だったから、とかそんな話なのだろう。そうすると人柄とか交流範囲とかそういう社交性のお話にもなるが、ロックという括りでいくとなかなか難しい事かもなぁ…なんて素人のロックと仕事とを混同しているワケだが…。

 イアン・ウォーラスネタの続き、キャリア見てて、へ?って思ったのが1978年のボブ・ディランの「Street Legal」に参加、そのまま来日公演も参加していてライブアルバム「At Budokan」でも叩いているということだ。広い人脈と言うかディランあたりまで辿り着いてしまうのか…となかなかユニークなキャリアだなぁと。クリムゾンのドラマーが5年後にはディランのとこで叩いているってお話ですな。なるほどねぇ…と。んで、ほぼ聴くことのないディランなんてのにも手を出してみるワケです。もちろんドラマーがクリムゾンにいた人だからと言ってクリムゾンみたいなアルバムになるハズもなく、ディランの中では一つの転機ではあったような作品らしい。連続的に聞いているワケじゃないからよくわからないけど、フォークからエレキ、つぶやきから歌へ、バックの音も素朴なサウンドから徐々にゴージャスに、そういう変化は時代と共にあるものの、ディランの根本的なトコロは変わらないし、そこを理解していればいつのアルバムも楽しめるのだが、そこはポップの世界、アレンジや彩られる音で好みが分かれるワケでね。

 この「Dylan - Street Legal」ってアルバム、自分が知ってるディラン像からしてもちょっとポップに寄ってるのかな、と思う彩りの鮮やかな作風な気はするけど、相変わらずのディラン節なんじゃないだろうか。こんだけ歌メロが綺麗に乗ってるのを聴いて、あぁ、こういう風になっていくんだな、なんて普通のことを思ったりしたものだけど、そもそもがフォーク一本で出来ちゃうんだからアレンジだけのお話な人ってのもあるし…、それにしてもこの歌声はボーカルってんじゃないし、そこがディランをまともに聴いていない理由なのかもなぁ。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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