The Winery Dogs - The Winery Dogs

The Winery Dogs - The Winery Dogs (2013)
ワイナリー・ドッグス

 意外なほどにあちこちからプリンスの話題を振られることが多くて、それぞれの方々もやっぱりそれなりにプリンスに大しての思い入れとか好き嫌い論とかあったみたいで、もちろん80年代に売れたってのもあるからそのヘン知ってる人達からも話を振られたりしてね、ちょっとびっくり。やっぱりそれだけ人気と知名度があったんだなぁと。それに加えて各ミュージシャンがコメントのみならずライブで「Purple Rain」あたりを追悼カバーしちゃってるとかさ、ブルース・スプリングスティーンとかギルモアとか…これもまたびっくりした。ものすごい影響力があった人なんだなとつくづく実感した次第。

 さて、ガツンとしたモノ系統ってのと先日ベースクリニックが開催され、もちろんこの人出てくるでしょ、ってことで自慢されてしまったビリー・シーンさんの今を生きるバンド、The Winery Dogsも先週の忙しい中来日公演してたんですな。あまり自分的には視野に入ってなかったんだけど、そんな理由から聴いてみようかな、とふと思ったんで聴いてみたワケで…、いや、Dream Theaterも大して知らないしリッチー・コッツェンも知らないしさ、だからビッグバンドに見えてなかったんです。だから聴いてみてちょっとびっくりした。何がって、そんなビッグネームのスーパーバンドなんてのは知らなくても、聞くきっかけにさえなれば良いだけで、作品そのものは全くプレイヤー論に則ったものではなくてあくまでもトリオ編成のハードロックバンドのサウンドで、リッチー・コッツェンの歌もかなりイケてるもんだから、最初誰が歌ってるんだ?って思ったくらい。普通にボーカル出来る人、どころかインパクトあるボーカリストですよ、これは。

 だからファーストアルバム「The Winery Dogs」聴いてて、これはバンドとしての音を出してて、個人プレイを売ってるんじゃないんだな、ってのが全面に出てきてる。だから質が凄く高い。ただ、全部の作品レベルが高いからどれも目立たないのかも、みたいな印象。贅沢だけどね。しかし、やっぱりこんだけのミュージシャンが集まって作品作ると良いのが出来るんだね。プレイの応酬じゃなくて楽曲としての良さの出し方、そこにテクニカルなものが必要であればそれを惜しげも無く投入するという感じか。グルーブしてるし、オーソドックスなハードロックテイスト満載なバンドサウンド。






Michael Schenker Group - One Night At Budokan

Michael Schenker Group - One Night At Budokan (1982)
飛翔伝説  <FOREVER YOUNG CAMPAIGN 2015>対象商品

 日本でのライブをレコード化しているものって多いよな?多分「Live in London」とか「Live in MSG」ってのよりも「Live at Budokan」って割と数多く出てたりするんじゃね?とか、そこまで言わなくても「Live in Japan」ってライブアルバムがオフィシャルでリリースされてるバンドも数多いんじゃないだろうか。録音や録画の機材の質が良いってのが多くの理由だろうか、はたまた観客が静かだから録音に適しているとか…、日本のレコード会社はやたらと録音を要請してきてカネも出してくれるからついつい録音してリリースしちゃうとかそんな理由な気もするけどね。

 1981年8月の武道館公演を元にしたそれこそ「Live in Japan」なアルバム、マイケル・シェンカー・グループの「One Night At Budokan 」。ライブアルバムとしてのリリースは1982年になるから、MSGのセカンド・アルバム「神話」の前のライブ録音ってことだ。ってことはファーストアルバム「」をリリースして、既に武道館を満員にするくらいの人気を誇っていたってことだし、それをライブ化したアルバムが即座に出されたってのはやっぱり凄い人気だったんだよな。なんか普通に思ってたりしたけど、なかなかそんなこと出来る人いないもん。しかもポップスとかじゃなくてハードロックやメタルと呼ばれる世界での話だから一般的なのとは違うし、それでいてその人気ってのは凄いよ。改めて今回リリース順序を見ていて思った。自分的にはこの頃ってギリギリ後追いになっちゃってるからリアルタイムでのリリース状況を知らないんだよね。実際どうだったか分かんないけど、多分相当の人気だったハズ。U.F.Oでの人気がそのままソロ活動へ移行され、しかもそこにはコージー・パウエルの参加というおまけも付いていたから人気に拍車が掛かったトコロだろう。

 そんなライブの模様をもちろんオーバーダビングなどありまくりとのことだが、十分に楽しめるのが「One Night At Budokan 」。セカンドまでの曲で成り立っているライブ盤、ライブに参加した人はもちろんセカンドに収録されている曲は知らない状態で聴いていたのだが、そりゃもう楽しめたことだろう。今の基準にしちゃうとライブ感のない作品に聴こえてしまうけど、当時はこれでもかなりウケたアルバムなんだろう。自分は「Hammersmith Odeon」のライブ盤の方が好きだけどさ。それはともかく、ギターの音が良く聴こえるし味わいのある音で収録されているし、コージーのドラムもビシビシと鳴ってるし、いやいややっぱり見事なライブアルバムです。




U.F.O - No Place to Run

U.F.O - No Place to Run (1980)
ヘヴィ・メタル・エクスペリエンス  <FOREVER YOUNG CAMPAIGN 2015>対象商品

 ロックという定義からハードロックというものが出てきて、それなりに形が整ってきたのが70年代後半くらい。そのヘンからはハードロックと後にメタルへと流れるであろうスタイルとはきちんと区別できるくらいに音の違いは明らかになってきていた気がする。その中間を行くバンドもあったけど、多くは微妙な線できっちり分かれてるように思えるもん。今から見ればそれは多分ルーツとして辿れるかどうかでわかる事だろうとは思うが、そういう言い方になるとハードロックってのは確実に衰退の傾向にあったワケだ。ヘヴィメタルからの源流としたサウンドの方が以降長く好まれているみたい。

 U.F.Oもその一味で、今回はマイケル・シェンカー離脱後の1980年リリース作品「No Place to Run」だ。ご存知ポール・チャップマンという隠れた名ギタリストを配してのU.F.O再始動。バンドからしてみれば厄介者マイケルを捨てて、まともに仕事を進めていけるギタリストを入れての活動なので、旗から見てマイケルいないなら聴いても…、みたいなのとは逆にこれでようやくバンドの良さが出せるぜ、と言わんばかりの勢いを持っていたようだが、それはどっちの解釈が正しかったのかはわからない。それでモチベーションを保っていけるならそれで良かったんだろう。後追いの自分なんかはマイケル・シェンカーいなきゃ聴いてもしょうがないから、って聴いてなかったのは事実だ。バンドの音楽を聞くと言うよりはギターを聞くというスタンスでのバンドでしかなかったからね。その理由はやっぱりU.F.Oってバンドはどこかもっさりとした感があって、フィル・モグの歌にしても抜けてこないしさ、ドラムが派手なワケでもないしベースもオーソドックスなスタイルだし、特に秀でてくるものって見当たらないからさ、マイケル・シェンカーのギターだけがすべてという風に聴いてたんです。

 ところがこの「No Place to Run」を聴いているとU.F.Oってバンドが如何に英国ハードロック的バンド化ってのが分かる。ちょいとイモ臭い部分があるからこそ余計にそうなんだろうなぁ、なんて思いながら聴いてたんだけどね。ポール・チャップマンのギターも個性的ではないけどもちろんしっかりしているし、楽曲群も勢いあるし、なかなかの秀作。この渋いカッコよさにはまいる人ってのも今更ながら多くはないのだろうけど、こういう湿っぽさってのが良い。






Judas Priest - Sin After Sin

Judas Priest - Sin After Sin (1977)
背信の門

 最近色々と疲れが溜まることが多いのでゴロリとソファでくつろぎながら映画見たりしてることがあるんだけど、歳か?いや、そうじゃなくて、そういう時に見ているのって凄く適当で、別に見なくても良いようなものを見てるし、見たって意味のないもの見てることが多いよね。テレビ自体がそういうものだからニュースすら見ないのが普通になっちゃってるけど、意図的に見るものですら意味ないものが多いってどういうことか…。時間もったいないんじゃね?って思ったりするが、娯楽ってのはそういうモンだ。最近は海外テレビドラマってのを見てる方が多いけど、見るのは決まった番組ばかりか。見なくても問題ないから全然流れとか判ってないのが多いけど(笑)。

 やっぱりね、ハードでガツンってのが聴きたくて、Judas Priestの1977年リリースの三枚目「Sin After SIn」。割とこの作品無視してて、真面目に聴いたことなかったんだよ。だけどどこかで聴いて、あ、いいかも、って思ったんだが、それでもまだ真面目に聴いてなくって、抜けてたのね。ちょっと前にこの類のを聴いてる時にまた聴いてて、あぁ、こういうアルバムだったんだ…というので響いてて、ちょこちょこ聴いててさ。ヘヴィメタルの神として君臨しちゃってからのイメージが強いからだけど、この頃はもちろんそんなんじゃなくて、正しく英国ハードロックバンド。とは言え、もちろんメタルに通じる曲もあるし、そういう歌だしリフなので原型は間違いなくあるんだけど、確実に違うのはギターの音。金属音じゃなくてマイルドなドライブしたサウンドだからメタルという金属語が似合わないというトコロか。ただ、リフなんかは明らかに後のジューダスと同じくメタル的リフそのものだったりするので何らおかしくないね。

 凄いのはこの時代で既に独自のスタイルを確立していて、世界観もきっちりと持っているトコロ。ロブ・ハルフォードの歌声のレパートリーの広さがアルバムをカラフルに彩っているのと、やはりツインギターのメロディアスなギターラインの美しさは見事。ドラマーはサイモン・フィリップスがヘルプで叩いているらしいけど特に彼らしいテクニカルな事をしているようには感じないので安定感たっぷりのドラミングというだけか。サイモン・フィリップスって割りとこの世界でも重宝している人で、MSGのファーストアルバムなんかも叩いているし、キライじゃないのかもね。ともあれ、このアルバム、全曲捨て曲なしに純粋に楽しめる若きジューダスの勢いを記録した作品で、後追いからはなかなかたどり着かないかもしれない作品だけど、こういうのを架け橋にして英国ハードロックの世界に入ってくるのも良いのじゃないかと。その世界に行くと色々なバンドに出会えるしね。




David Bowie - Station To Station

David Bowie - Station To Station (1976)
ステイション・トゥ・ステイション  <FOREVER YOUNG CAMPAIGN 2015>対象商品

 今年年初に他界したボウイさん、プリンスの逝去と共に思い出されたように合わせて書かれているものも多くて、一般人的には同じ80年代に名が上がっていたミュージシャンという括りで記憶に残っているんだなぁ、と改めて自分の認識と一般的認識との違いを感じたものだ。自分的にはもちろんボウイというアーティストとプリンスとはまるで相容れることのない別の世界でのミュージシャンだとカテゴライズされてるからさ、時代で切り取ればそりゃそうかというのはあるが、なるほどね、と。てなことで、じゃ、ボウイさん、何か書いてないのあるかな〜とアルバム並べてブログを見てみればふむふむ、まだたくさん書いてないのはあるなと。

 ってことで今回はボウイの1976年リリースの作品「Station To Station」。ジギー卒業後からアメリカサウンドへシフトしていきグリグリのソウルへの傾倒、ドラッグ依存などからもっとも妖しく艶めかしい時代でもあり、そこで映画「地球に落ちて来た男」への出演となり、その音楽も自分で担当したいからということで楽曲録音を開始したものの映画には採用されず、自身のアルバムとしてリリースする運びとなった作品、サウンド的にはそれまでのアメリカソウルサウンドからヨーロッパ寄りへの暗さを持った長尺作品が増え、またヨーロッパへの回帰の兆しが見られる作品。聴かせる歌が多く、正直どれも名曲と言って良いレベルの出来映えを誇る見事なアルバムでもある。冒頭からして10分以上の重々しい作品でスタート、これが不思議な事に全く飽きさせることのない曲になってて、展開も楽しみだし、この長さが苦にならないんだな。アルバム全部で6曲しかないのは能力の欠乏ではなく、意図的にレベルの高い作品だけを簡潔に聴かせるという志向からか、見事にそれが功を奏してて、昔ほんとにこればかり何度も何度も聴いてたもん。

 ジャケットは「地球に落ちて来た男」のワンシーンから採られたモノで、この頃のボウイの妖しさはしっかりと見られるね。この頃のテレビ出演の映像とか見るとホントにもうガリガリのボウイで、よくあれで生きてるな、歌なんて歌えるレベルか?ってくらいでさ、ドラッグやり過ぎなのは目に見えて分かるくらいだった。もちろんリアルで見てたワケじゃないけどね。よくもまぁ、それがこういう作品創れたものだと思うとやっぱりドラッグの想像力って凄いんだなとも思ってしまう。しかしヨーロッパ寄りのアルバムになりつつあるもバックメンバーは黒いからかやっぱりグリグリしてる部分は多いな。妙な混ざり具合こそがロック、うん、それでも傑作の一枚です。






Prince - Purple Rain (Movie)

Prince - Purple Rain (Movie) (1984)
プリンス/パープル・レイン [DVD]

 懐かしき人の報を聞いてみればそれは大抵訃報だったりする。今回のプリンスの名前ってのはそれに近い。ある程度直近の活動やアルバムリリースなんかは知っていたりするので完全に懐かしい人が亡くなってしまったという程のものではないけど、それでもやっぱり基本的に黒いのは苦手な自分からしたらしょっちゅう聴くアーティストではなかったし天才ってのも認識してるけど、だからいつも聴くというもんでもないんで、こんな形でニュースを聞くとはね。57歳って普通にそこらにいるおじさん達と同じ年でしょ?天才は短命なのか、やはり命削りながらの創作活動だったのかとも思えてしまうけど、一般的に考えても早いよなぁ…。

 自分的にはやっぱり1984年リリースの「Purple Rain」なのだが、随分昔にこのブログでは取り上げているから今回は映画の方を上げておこう(笑)。どっちかっつうと当時はMTV全盛期だからPVで断片的に流れているものが最初になるんだけど、そのままアルバムへと進み、更にその後になって映画を見ることになるんだが、実はその間にMTVで夜中に放送していたこの時のツアーのライブがあってさ、それを見たのが映画より先で、その時の衝撃は凄かった。深夜に見てたんだけど、曲はともかく、タイトル曲「Purple Rain」でのギターソロの凄まじさにぶっ飛んだワケ。何となくテレビでPV見るような人でポップシーンの人という印象もあったから歌ってるだけかと思ってて、まぁ、ピアノ弾いてるシーンは見たことあったからそういうモノかな、程度の認識。ギター持ってるけど普通に持ってても大して弾かない人の方が多かったし、ギターソロ弾くなんて人もテレビに出てくる世界ではそうそういなかったしさ、いてもそれなりのしか弾かない人ばかりだったし…、それが、プリンスのこのライブじゃ当然だけど、思い切り熱演してて、ギターソロなんてそこら辺どころかプロの中で見ても今思ってもあそこまでのギターソロを弾ける人ってそうそういないだろう、ってくらいのプレイヤーだったワケ。だからギター弾くんだ、ソロ弾くんだ、しかもこんなスゲェギタリストなんだ、っていう驚愕。それ以来、つまりこのライブを見て以来プリンスは明らかに天才だと認識したんだな。だからどんだけ気持ち悪いとかああだこうだと言うヤツがいても別に擁護はしないけど、自分的には何言ってるんだ、こいつら、わかってねぇな、としか思わなかった。だから何をやってても絶対にヘンなのはないだろうって思ってるし、実際多分駄作はないんじゃないかな。

 さて、そのライブが実は一番印象に残ってるけど、普通に見当たらないから映画版です。映画そのものは実話に近いらしいし、それはそれで物哀しいストーリーを味わってくれれば良いけど、ひたすら演奏シーンをちゃんと見たくてさ、どんだけのギター弾いてくれるんだろ?っていう好奇心が一番強かった。そんで最後に出てくるんだけど、やっぱりね、夜中に見たライブには敵わないワケ。実際はわかんないけど、自分的にはもうアレ以上はないんじゃない?だからあのライブどっかで探そうかな〜って思ってはいるけど、今が良い機会かもね。そんなの気にしないでもまだまだ聴いていない作品もたくさんあるし、聴き込めてもいないから天才を楽しむことはこれからも出来るし、実際そういうのは一生かけてやっていこうと思ってる。今は一区切りとしてそんな影響を与えてくれたプリンスに感謝だね。

Rest in Peace







Babymetal - METAL RESISTANCE

Babymetal - METAL RESISTANCE (2016)
【早期購入特典あり】METAL RESISTANCE(EU盤)(防水カラーステッカー Toy's Factory 輸入盤ver.)

 まさかこういう形のグループが世界に通じる日本の代表になるとは誰も想像し得なかっただろう。ところが今や紛れも無く世界に名を轟かせ、また実力を評価されているグループできっちりと売上面でもそのセールス力を証明している。早い時期からその衝撃的な存在を知って密やかにハマっていたんで、この大ブレイクは予想できたものの、実際にここまでになるとただただ驚きと感動、そして夢を重ねて見てしまうという存在、そういう輩は多いのではないだろうか。VowWowやLoudness、EZOあたりから目論んだ世界進出、ピンクレディーや聖子が出ようとも叶わなかった世界、唯一Puffyが独自の形で進出に成功したとは言えるけど、もちろんロックリスナーからしての意味合いから同列に語られるモノではない。そういう意味でロンドン・ウェンブリー・アリーナを満員にしたという事実はどうあれ驚異的な事であり、夢のひとつを達成しているんだな。次はやっぱりMSG制覇だろう、と密かに願っている人もまた多いだろう(笑)。

 これだけ新作を待ち焦がれて聴いたのも久しぶりなBabymetalのセカンド・アルバム「METAL RESISTANCE」。何だかんだと半分くらいは知った曲が並んだので新鮮さ半分、なじみ感半分と聴きやすい構成、それぞれの楽曲云々もあるけど、大きく言うとオープニングからガツンと来てアイドルチックな歌から始まり、メロディアスな路線、混乱なお遊びシーンから怒涛の旋律、バラードを挟んでの超絶ドラマティックな大作と夢に向かってアルバムが終わりを迎える。完璧に計算され尽くされた構成で全く隙がない完璧なアルバム。個々の楽曲ひとうひとつ取っても全く隙のない、どころか余裕を持ってお遊びを入れているという計算尽くしの作品。プロがプロに徹してやりたいことをとことんまでこだわり時間を掛けて妥協せずに作り上げていくとここまで完璧なものが出来上がるという証明、当然売れる売れないのマーケティング戦略も組み込んだ上での音作り、それが故に日本盤とEU盤での音の作りは確実に異なっていて、自分的にはどうも国内盤が聴きにくい、と言うかEU盤が妙に馴染んだ音世界で聴きやすくてね、音作りそのものがそこまで視野に入れて作っているんで好みがはっきり出る。細かい話では日本盤には「シンコペーション」なる曲が入っているけど、EU盤はこれが「From Dusk Till Down」という曲に差し替えられている。前者はタイトル通りに一般的なビートメタル的な曲でシンコペーションで食いまくっている日本人大好き系な曲で、どうにもこの手のは自分は好きじゃなくてさ、アルバムの中でこいつだけは邪魔だな、って思っててね、EU盤の方がいいかもってことで聴いてみたらこっちのがしっくり来た。「From Dusk Till Down」ってのはメタル的ではなくて歌も効果音的にしか入ってないからこういうのがアルバムに必要かと言われるとちょいとどうかと思うけど、アルバムの流れ上ひとつの展開としてはありだろうと。聴いてるウチにハマってくんだけどさ。

 驚くべきは最後の2曲の組曲とも思える恐ろしき展開。これがあるからベビメタなんて…って誰も言えなくなる。まぁ、他の楽曲も曲中の凝り具合はハンパなくって恐ろしいくらいだけど、特にこの終盤は人間業を超えた楽曲で今のところライブでは登場していないけど、絶対どこかで登場させて驚かせてくれることだろう。そういえば、何でここでBabymetalってのはさ、Iron MaidenとDragonforceが同日に別場所でライブをやってた日にBabymetalもライブやってて、正に英国の雄達と数キロ単位でしか離れていない場所で同時刻にライブをやっていたということからね、実際Babymetalのライブ会場内でもこれはネタになっていたようだが、そこまで狙ってライブ日程を突っ込んでいったのならば全くこだわりまくったマーケティング戦略だ。もちろん狙ったに決まっているが。4月初頭のウェンブリーを埋めて話題をさらい、そのままUSレイトショウでテレビ出演して全米へのアピールに大成功、帰国する頃にはアルバムセールスも絶好調、しかも世界レベルでの話題、そしてファンクラブ向けのライブを2本入れて、つい先日ミュージックステーションでテレビ出演するという話題作り。見事なまでに狙い計算し尽くされた売り方はさすがだ。それが嫌らしくなく、また負荷を強いるものでもなくあくまでも一般的なロック論の中で進んでいるのがロックリスナーも文句の言えないトコロなわけだ。

 ここまで書いているのを読んでもらってわかっちゃうだろうけど、まぁ、相当にハマってるワケですね、既に数年の間(笑)、色々とハマる要素あるけど一番は多分日本のロックが世界に羽ばたくという何十年モノ夢物語が目の前で実現されているという達成感なんじゃないかな。夢を乗せて見ているという部分がオールドタイムなロックリスナーに愛されるひとつの要因だろうし、若い世代には普通に可愛いからとか面白いからとかでいいんじゃないかと。メタラーからしたらぐうの音も出ない本格的なメタルサウンドなワケだからそもそも歌聴いてないから別にあれでも問題ないだろって話かもしれない(笑)。多分分からない人には全然分からないだろうけど、世界レベルでは分かる人もかなりいるということで自分もその一人だし、存分に楽しませてもらっている。このアルバムで当分の間相当楽しむことだろうし、ライブなんかがあればそれも見てまた楽しむだろうしDVDにしても同じくだ。妥協なしで質の高い作品を常に提供してくれれば時間がかかろうが構わないし、そういう消耗品じゃない路線、音楽やアートとしての作品価値を高める創造物の制作をしているという意思を貫いてほしいな。

See you♪








Nightwish - Century Child

Nightwish - Century Child (2002)
Century Child

 今の日本じゃそんなに客集められないんかもなぁ、と思う部分もあるけど自分的にはとっても大好きなNightwishもこの時期に久々に来日公演してくれています。前回自分が見たのはアネッテ嬢お披露目の時だったのでもう何年前になってしまったんだろうか、あの迫力を目の前で狭いハコで見れたのはなかなか良い体験だったが。今回も狭いハコでしっかりとライブが見れたんでね、デカすぎるフロール・ヤンセンのど迫力加減をまた味わいながらのライブ参戦でした♪うん、Nightwishは見たかったから嬉しい。ターヤ時代のライブは見たこと無いから残念だが、今度はターヤ単独来日があるようで、これ、どうするかなぁ…、あんまり普通にオペラティックに歌われてもボーカルそのものに興味はないから難しいな。

 そのNightwishの2002年の4作目となった「Century Child」。正に今のNightwishの音楽性にシフトした作品とも言えるアルバムで、それまではちょいと荘厳さを持ったヨーロッパならではのパワーメタルバンド的な要素が強かったんだけど、ここからはもっとシンフォニックでクラシカルな、そして荘厳なドラマ性を持った楽曲にシフトしていっての黄金期、ベースにはマルコ・ヒエタラを迎えての強力な野性的なボーカルと縦横無尽のベースを加え、ライブの見かけ上では躍動感を出すメンバーとしても大活躍の素晴らしき人選を成功させたここからが歴史の始まり、と言わんばかりの気合の入れ方。今聞き直してみればホント、今やっている路線そのままだからねぇ、その前までが営業期間だっただけだろうと。ホントはこっちの路線がバンドとしての正しい方向性だったワケで、策士だよな、その辺、とか思ってしまうのだが…。

 ジャケットだけは少々ダサさが出てしまっているけど、この路線でヨーロッパで不動の地位をモノにしたというのもあるし、ライブ映えする楽曲も多く、キャッチーなフックを持った楽曲も多いから好きだね。そこはもうターヤの歌唱力に脱帽なワケだが…、まぁ、「End of an Era」のDVDの映像で浮かぶ曲が多いから余計にそういう思い入れがあるのだが。今のフロール嬢はこの辺の歌はオペラティックに歌うし、そうじゃないのはロック的に歌うという才能あるボーカリストだからNightwishというバンドがそこで一本なっているのは面白いし聴きやすい。それでもこういう歴史を経てきたバンドであるのは事実だし、だからこそ楽しめる楽曲も多いし、まだ今のような壮大な世界観にまで辿り着いていないという意味では興味深い味わいを感じられる一枚とも言えるか。名作だと思うなぁ…。

 しかしライブはさすがだった。100分サイズってちょっと短いな〜ってのはあったけど、後半怒涛の楽曲郡でもういいか、って気にはなるわな。新作からが多かったんでちょいと馴染み感が薄かったのはあるが。








Dragonforce - Valley of the Damned

Dragonforce - Valley of the Damned (2003)
Valley of the Damned (Bonus Dvd) (Reis) (Bril)

 一体どうやって演奏してるんだ?ってのが最初に聴いた時の印象で、それはライブ映像を見てもよくわからなかったと言う…、明らかに世界観が変わったんだなと認識した瞬間でもあったか。そのDragonforceも今正に来日公演の真っ最中でキャリア15年の統括ライブをやってることだろう。それこそ今じゃ普通に演奏してしまうレベルになっているんだろうけど、信じがたいスピードのドラミングを聞かせながら。曲が速いってのは結局ビートが速いってことで、そこはドラマーが速いってのが一番大変だろうしね、ギターとかは速弾きって元々あるからそれ弾けば良いんだろ?なんていい加減な見方もあるはある。ただ、実際聴いてみると、そんな速く弾けねぇだろ、ってくらいのフレーズの嵐だから恐れ入る。

 Dragonforceのメジャーファーストアルバムは2003年にリリースされた「Valley of the Damned 」からだが、この時点で既に今と変わらない圧倒的なスタイルを確立しているし、今でもこのアルバムからの曲は代表曲になっているものが多いから、時代変革の象徴とも言える金字塔作品なのだろう。自分がまともにDragonforceを聴けるようになったのは最近の話だし、それまでこんなの聴けなかったし、聴いても違いがわからなかったし、個性かどうかってのを認識するレベルになかったからねぇ…、ある程度慣れてきてからだね、こういうのを面白いなとか凄いなって思える部分を見つけられたのは。今じゃ普通に聴いててそのメロディのユニークさとギターのピロピロ音の気持ち良さも堪能しているという始末。自分自身の言い訳のために書いておけば、やっぱり英国産だからさ、相通じるんだよ、なんて言いたいけど(笑)、実際英国人ほとんどいないし…、根性と執念と信念の塊の人達によるバンドだと思う。

 メロディックスピードメタルって括りになるのか?こういうバンドが他にあるかどうか知らないけど、アニメ的とも歌謡曲的とも言えるメロディながら驚異的なブラストビートとピロピロなギターフレーズ、よくこんなの作り上げたもんだと感心する。過程を辿って行くと、こういう所に行き着いた理由は分かるんだけど、ここまで洗練された状態で出て来れたのは見事。やっぱり気合の塊だった時代だから練られた作品が多く、チャレンジ精神もたっぷりと聴かれるし、Dragonforceの金字塔作品のひとつだろう。ギターが白玉使うシーンがまだ多いかも、ってくらいかなぁ、違いって(笑)。メンバーも今じゃ結構変わってるハズだけどスタンス変わらないからさほど影響ないってか、個性を出せるほどの隙間があまりないから変えられないというバンドの特性もあるか。まぁ、そんなのよりもここまでスカッとするブラストビートと歌メロとギターソロはやっぱり心地良い(笑)。







Iron Maiden - Live After Death

Iron Maiden - Live After Death (1985)
死霊復活  <FOREVER YOUNG CAMPAIGN 2015>対象商品

 両国国技館なんて狭いハコじゃなきゃ入れたんだろうな、と思うも一方ではそんなトコでメタルのライブってどうやるんだ?っていうのもひとつの興味。後でどっかで誰かに訊いてみよう。そう、アイアン・メイデンの来日公演なんだよねぇ…、無茶苦茶見たいかってほどではなかったんでさほど落胆はしてないけど、瞬殺のチケット争奪戦はさすがだった。今週は結構なメタルバンドライブウィークでその筋のファンの人はとっても忙しいだろうし、自分ですら行ってみたいなってのがいくつか…、そのウチの一つがアイアン・メイデンではあったけど2008年の来日公演を見てはいるので、まぁ、いいか、と。

 アイアン・メイデンの最全盛期の1985年にリリースされた「Live After Death」、ベストアルバムとも言える楽曲群がライブのノリと勢いで記録された作品なので、今だ聞く人の多いであろうアルバム。コアなリスナーからはアレコレあるみたいだけど、自分みたいな適当なリスナーにはかなりハマるライブアルバムで、やっぱスゲェなぁ…って思うモンです。当時周りでもコレ、皆聴いてたもんな。自分はその時はメタルにさほど入れ込んでなかったから後で聴いてってヤツですね。んで聴いてて思うのはスティーブ・ハリスのベースラインの妙な目立ち具合っつうか、やっぱり普通と違うんだよ、だから耳に付くから気になるという…、曲の複雑さもこの頃じゃそんなに無かったから奇抜だったり、だから故聞きにくかったってのはあったけど、音楽的な深みがあったってことだね、今となっては。ブルース・ディッキンソンの歌声の不調さとか言われてたみたいだけど、そんなんこのパワーの前じゃどっちでも良い話だろう、って言いたくなる程度のもので、バンドの一体感が凄い。

 今頃もこんなライブが繰り広げられているのだろう、もちろん年齢によるパワー不足はあるんだろうけど、それも見ている方からしたら多分脳内補完されて見ているだろうから完璧なショウが繰り広げられているに違いない。羨ましい限りだがこっちは1985年にトリップして聴いていこうじゃないか(笑)。それにしても自分、結構メイデン聴いたのかな、何となく口ずさんで聴いてるんだが…、そりゃそうか、ストレス溜めこむと必ず聴いてたバンドだもんね。最後の最後までノリノリで楽しめる名盤ライブ。







John Mayer - Where the Light Is

John Mayer - Where the Light Is: John Mayer Live in Los Angeles (2008)
Where the Light Is: John Mayer Live in Los Angeles

 似たようなトコロでって名前が出てきたので、そうかなぁ…と思いつつも折角簡単に見れる環境でもあるからちょこっと時間作って真面目に見てしまったJohn Mayerの2015年ライブ作品「Where the Light Is: John Mayer Live in Los Angeles」。何年やってるか知らないけど、多分これまでの集大成的なライブイベントだったようで、アコースティックギター一本で歌いあげて弾くスタイルから始まり、スティーブ・ジョーダンとピノ・パラディーノとのトリオ編成でのシンプルなライブ、そしてフルバンドを従えてのライブショウと3部構成から出来上がるライブで、見事なまでに飽きさせることなく自身の歴史を披露しているようだ。

 来歴見てるとSRVにあこがれてギターを始めて云々ってあったからギター主軸かと思ってたっけど、どっちかっつうとシンガーソングライター的なスタイルに軸足があるみたいで、今じゃカントリータッチへも進んでってSRV的なギタリスト云々なんてのは秘策みたいなモンになってるのかな。それでもこんだけ歌えて客集められればそうなるわな。クラプトン的なポジションへまっしぐらなのだろうけど、もちょっと歌に軸足置いてるか。もちろんそれでもギター弾き始めればそつないプレイで見事なギターを聴けるんで好まれるところだろうね。ロック好きな自分からするとあまり面白みのないギタープレイなので、上手いなぁ…ってだけなんだけど、その辺の差はなんなんだろう。トリオ編成でのバックを見てて、ふと思ったのが現The Whoのベースとキース・リチャーズやクラプトンのトコのドラマー、をバックにして歌ってギター弾いてるってのはやっぱらそんだけの人なんだろうし、凄いな、と。

 多分一番のギター弾きまくり曲「Gravity」あたりを聴いてるとホントギターを弾きまくってるんだけど、ブルースに根差したとかではなくて白熱したギタープレイというところで、生で聴いてたらスゲェな〜って絶賛だろう。天才的な実力はもちろん持っている人で存分に味わえるのだが、はみ出したところがないのがロック的にちょいと違うか。まぁ、比較しちゃいかんし、これがアメリカで成功している姿でギタープレイはホント、見てて凄いし、自分のひねくれた好みのセンスがどこか否定するのだろう(笑)。








Joe Robinson - Gemini

Joe Robinson - Gemini (2015)
ジェミニ

 コレ知ってる?ってな話…、いや、知らない、なかなか、ね。って言われて漁って見れば面白くて超ドハマりして聴いててね。アルバムとかってよりも多分ギター弾いてる映像見ながらの方が楽しいからひたすらYouTube見てるという始末。こういう人もいるんだなぁ…と。本当の天才を目の当たりにするってのはやっぱり世界が違うことが分かるもんだ。そんな事で若い頃から世界に出てきて今でももちろん一線で活躍している天才ギタリスト、Joe Robinsonです。

 アルバムはどれ、ってのもないんだけど、多分新作日本盤の「Gemini 」が一番パワフルかもしれない。Joe Robinsonって人10代の少年の頃から天才的なギターを弾いてて、クラシック、スパニッシュからジャズ、ブルース、そしてR&B、もちろんロックテイストを含めてどんどんと吸収していって自身のプレイに反映させている。更に当然なんだけどギターそのものと音、エフェクターへのこだわりと使い方なんかも研究していってそっちの世界でもユニークな音使いの天才として名を馳せているのではないだろうか。歌も歌うけど、そりゃ下手じゃないけど圧倒的にギタリスト。ギターが歌ってるっていうのは正にこういうことを言うのだろうな。若いころのから見てると、とんでもなくスパニッシュやクラシックをさらりと弾いてて圧巻、歳とともにアルバムもリリースしていってキャッチーにせざるを得なかったのはあるのだろうけど、インスト系、フュージョンチックに聴こえてしまうけどやってるのはジャジーだったりしてギター好きであればかなり楽しめる作品が多いみたいだ。今じゃすべてを吸収して独自の音世界を出しているような感じかな。

 あまりにもギターが上手くてしっかりと感情も入ってて言うことなしのプレイでね、速弾きとかブルースとか正確性とかドライブ感とか全部ある。ロックのパワーってのはないけど、音楽的なトコロで言えばすべてある。こんな人いるんだねぇ、ホント。オーストラリアから出てきた若者で、ギターという楽器が好きな人はハマるでしょう。結構な数の映像が出てるから当分楽しめるしね♪








Groundhogs - Blues Obituary

Groundhogs - Blues Obituary (1969)
Blues Obituary

 どうやらど真ん中のブルースってのよりも、やっぱりちょっと自分たち色に味付けしてあるロック=混ざりモノの方が圧倒的に好みであるってことをまざまざと実感してしまった本日のお題目。先日までのど真ん中英国ブルース=黒人ブルースの模倣よりも本日の英国ロックブルースな方がカッコ良い、って聞こえる自分でした。英国3大ブルースバンドの良さも分からずに何を言ってる、って向きもありますがね、人の好みはセオリーじゃ進みません(笑)。

 Groundhogsの1969年のセカンド・アルバム「Blues Obituary」。ジミヘンの洗礼を受けたトニー・マクフィーが自身のセンスを信じつつもひとつの方向性を見つけて進み始めた一枚とも言えるか。以降の作品はどれもこれもオリジナリティ豊かな個性的な作品が多いんだけど、この「Blues Obituary」でもそれは顕著に…ただ言われているように、サイケデリックな世界観を用いているのはその通りのようで、本人たちはそれをサイケとは思っていたかどうかはわからないけど不安定な楽曲の進行と言えるものが多く聴ける。そういう曲調はあるものの、根本的にトリオでの一発録音とも言えるかのようなシンプルな楽器の演奏による録音スタイルは生々しさを伝えてくれるのと、ギミック無しのバンドスタイルを打ち出してくれていて、好感が持てると言うか、これが実力だぜ、みたいなのが聴けるってか、それがまた不思議なギターセンスでね、ブルースに裏打ちされているのは明らかなんだけど、冷静に聞いてるとそうでもなく、独特のメロディセンスとギタープレイで、それが妙に引っ掛かる。何だろうな、ロリー・ギャラガーとはまた違う弾きまくりで、線の細いストラトの音でペキペキと弾くんだけどさ、面白いんだよ。多分ソロもバックも全部同じ銚子て一本で繋いで弾いちゃってるから境目もないし、曲も長いから一人舞台的に出来ちゃってるからかも。その分ベースとかドラムのドライブ感は凄くて、さすがはトリオバンドと唸っちゃうくらい。

 Groundhogsも昔から好きで割と聴いてたバンドだけど、これまたなかなかアルバム揃えられなくてねぇ…、初期なんて全然手に入らなかったから随分後になってから聴いたもん。その方が楽しめたのかもしれないけどもちょっと早く聴いておきたかったアルバムのひとつだね。今は普通に聞けちゃうから問題ないだろうし、このセンスの面白さを味わって欲しいなって思う。不思議なバンド。決してメジャー路線じゃないくせに聴いてるとどこかクセになる部分を持ってて、味わい深くなる人もいるだろうと。無理して聴くほどの価値はないだろうけど、普通にトリオ編成のロックバンドだからギミックはないし、ロックバンドですよ、うん。






Fleetwood Mac - Mr Wonderful

Fleetwood Mac - Mr Wonderful (1968)
Mr Wonderful

 熊本頑張れ!ってしか言えないけどホント、少しでも早く日常に戻るといいな。九州方面も知り合いいるし、幸い離れてるから自身の回数が多いのがうんざりって話だけで、深刻な災害には遭っていないようだけど、やっぱり不安はあるだろうしさ。日本ってやっぱり地震や台風による災害が多い国なんだな、って改めて思うよね。外国の人が気軽に来てるけど、そういうのってホント日常であるんだなんて思ってないだろうし…、まぁ、我々が外国行ってテロに遭遇する機会よりは多いだろうってくらいだけどさ。もちろん人為的な怖さと自然災害の怖さの違いは大きいのだが。

 英国3大ブルースバンドと呼ばれた真骨頂、Fleetwood Macの1968年リリースのセカンド・アルバム「Mr Wonderful」。このミック・フリートウッドの顔が印象深いのか、このアルバムもその次の「英吉利の薔薇 (イングリッシュ・ローズ)」もインパクトある顔面ジャケが何時の時代になっても語り継がれるという、その意味では見事に的を得た歴史に残るアルバムジャケットになっているので、狙い通りだろう。更に中身もまったくジャケットと関係なく素晴らしき英国ブルースが詰め込まれているのは周知の事実、ピーター・グリーンとジェレミー・スペンサーのギタープレイのハマり具合に加えて陰ながらクリスティン・パーフェクトのピアノなんかもしっかりと聴かせてくれたりする。個性的なブルースバンドだったか?ってなると完全に模倣でしかないので、オリジナリティなんてのは見当たらないとまでは言い過ぎだけどさ、音楽的にはまちがいなくそうだと思う。ただ、これだけギター弾けるってのはある意味凄くて、完全に成り切ってるもんな。そこが初期Fleetwood Macのブルースバンドとしての面白さの所以。

 自分的にはこれ、10代の頃に聴いたんだけど、何でだろ、あまりピンと来てなかった。その頃からブルースは好きだったんだけどさ、どっか軽々しかったってのか、印象的なギターフレーズにハマれなかったのか、ロック的要素が少なくてあまりにもブルースだったからか、ジャケットが苦手だったのか、聴いてた記憶があんまりない。やっぱりロックブルースが好きだったんだろうか。久々に数回立て続けに聴いてたけど、ハマれるか?ってぇと割とそうでもなくてね、でも凄いブルースアルバムだろ、ってのはあるし、自分の好みの問題なんだろうね。あぁ、エルモア・ジェームズばりのあのスライドで始まる曲がいくつもあるから飽きちゃったのもあるか。それでもこんだけのギターだしね、ちょっとちゃんと聴こうよ、と自分に言い聞かせてます(笑)。






Savoy Brown - A Step Further

Savoy Brown - A Step Further (1969)
Step Further

 昔聴こうと思いつつ全然聴けてないのをこういうきっかけで聴いていくってのは自分が発信元になるだけじゃなくて、自分自身もそうやって聞いているという忘備録的な意味合いも強くて、我ながらありがたい部分もある(笑)。今回英国3大ブルースバンドと言われるウチのもうひとつであるSavoy Brownにしてもレコードがあまり手に入らなかったのもあってさほど注力することなく月日が経っていた。何枚かは聞いたりしたけど、結局アレコレってほどまでに聴いてはいないし、どうだったっけな、って思うアルバムの方が多い。まぁ、メンバーがよく分からないってのもあるけど。

 1969年リリースの4枚目の作品「Step Further」。B面はライブ一発のアドリブプレイが入ってるけどA面はもちろん新作で、なかなかにアグレッシブにロックブルースをやってるから楽しめる一枚。キム・シモンズも結構ギャラギャラと色味のあるプレイをしてくれてるのでロック野郎的には聴きやすいし、雰囲気を楽しめる。歌は相変わらず物足りなさ感は否めないけど、そこはもう感情でカバーってなところか。ホーンセクションも用いてのゴージャスなスタイルでのブルースロックへのアプローチも嫌味のないレベルに仕上がってて雰囲気出てるし続くブルースギターもメロディを奏でつつのブルースプレイで割と個性的で楽しめる。ふrく臭いと言えば古臭いけど、そんな風に弾ける人もあまりいないので味わえるしね。

 そして圧巻のB面の20分超えのアドリブプレイによるブギライブ、これこそライブの醍醐味と言わんばかりの迫力がそのまま収められてるのは良いな。スタジオ盤なんて軽くぶっ飛ばしてくれるくらいにグルーブした生々しいライブの演奏をそのまま収録しているからカッコ良い。バンドってのはこういうもんだろうよ、ってくらいに一丸となったステージングを魅せつけてくれる。この意気込みでのライブ盤をそのままリリースしてくれていればライブ名盤という中に入ったんじゃないだろうか?ってくらいの白熱ぶり。好みですね、こういうのは。






Chicken Shack - 100 Ton Chicken

Chicken Shack - 100 Ton Chicken (1969)
100 Ton Chicken

 やっぱりプログレをひたすら聴くってのはなかなか集中力続かないな。特に前衛的なのはホントに集中して聴かないとさ、BGMにはならないし、そんだけのゆとりが必要なワケでしてね、ついついお気軽に聴ける音楽に走ってしまいまして…、もうちょっと軽めのブルース系統が聞きたかったんじゃなかったっけ?って我ながら思い出してですね、そのヘンに戻っておこうと。…とは言えバリバリのブルースバンドってのもそうそう多くはないから、どの辺かな…なんて思いながらコイツで。

 チキン・シャックの1969年リリースの三枚目のアルバム「100 Ton Chicken」。この辺の3大ブルースバンドと言われるあたりって実はそんなに得意でもなくって、他のに比べたら全然聴いてない。やってる事は本格的なブルースなんだけど、どうにも線が細くてアグレッシブにグイグイ来るんでもなく、もっと純粋にブルースチックになっているからか、ロック的エッセンスに欠けるトコロが自分には物足りなさを感じるトコロだったのだろう。他の2つのバンドもそんな感じで、どうにも熱中できるほどではなかった。それでも英国ロック好きだからこの3大ブルースバンドってのは何かと出てくるから聴いたけどね。

 クリスティン・パーフェクトが結婚してFleetwood Macへ移り、ポール・レイモンドを入れての新たな心意気でのアルバム、音楽路線はまるで変わっていないけどスタン・ウェブはもちろん自分だけのボーカルで通すしかなくってギターも弾いてとある意味凄く充実したアルバムに仕上がっている、はず。その甲斐あってから純粋なブルースアルバムとして仕上がっててジャケットのコミカルさと相反した内容が評価されることが多いらしい。自分的には、相変わらずの線の細さが気になるけど、以前よりは慣れたかな。かと言ってホレ込む、ってほどの音ではないのはいつもどおり。割と悲劇なバンドなんで同情しちゃうけど、こういう音を出していたブルースバンドってのもなかなかないし、やはりそれなりの立ち位置でのバンドだったんだろうと。




Henry Cow - In Praise of Learning

Henry Cow - In Praise of Learning (1976)
イン・プレイズ・オヴ・ラーニング

 いい歳になってからレコード漁りにハマっているヤツがいて、たまに顔を合わせるといつも「また買っちゃったよ〜」と嬉しそうにそして辛そうに言ってくるんだよ(笑)。何買ったんだ?とかそれどうだったの?とか会話はあるんだけど、やっぱり嬉しそうなんだよねぇ、好きなことに邁進している時ってさ。ささやかな楽しみだし、それで若い頃を思い出してそのままに楽しむとかね、今だったら割と色々手に入るし。ところが今でもレコードを探して買うワケ。見つければそりゃ安いんだろうけど、この時代でちゃんとレコード、オリジナル盤とかで買うワケよ。凄いコレクターだな〜って思うけど多分そういうジジイ、多いんじゃないかと(笑)。

 1976年作品の靴下作三枚目、ヘンリー・カウの「In Praise of Learning」。一言で言えばとっても怖いアルバム。何が怖いってジャケットの不気味な血の色もそうだけど、ダグマー・クラウゼが参加したことで戸川純のもっと怖いのが歌っているという不気味さ。ただでさえ不気味なインストものを中心として前衛的バンドだったのが普通に歌が加わるならともかく不気味なセンスの持ち主がスラップ・ハッピーとの合体で参加してきたもんだからより一層不気味になってきた。これ、言葉で説明しきれないけど、相当に不気味。でも、歌メロは割と聞きやすかったりするんで、どういう事なのかなと思う部分はあるのだが…。スラップ・ハッピーのは歌がキッチュでとっても聞きやすかったんだけど、こっちはもう行き過ぎてる世界とも言えるか。昔結構好きで聴いてたけど、今聴くとヘヴィだなぁ、これ。プログレとかカンタベリーとか言うよりも演劇世界に近い。チェンバー・ロックってのももう超えてるし、その辺とケイト・ブッシュが合わさったようなサウンドでとってもリスナーを選ぶのは間違いない。

 バンドの演奏も実に緊張感に溢れていて即興もあるだろうし、決め事ももちろんあるだろうけど、研ぎ澄まされたセンスと音世界の中でお互いの出処見ながらアンサンブルを創り上げているような感覚。そこにこの歌だ。よく歌えたものだ、って部分もあるけど、この緊張感とか緊迫感とかは何かしながら聴くなんてのは無理で、集中してコイツを聴く…ってか聴いちゃう。そうじゃないと全然わかんないでしょ、これ。




Phil Manzanera - Diamond Head

Phil Manzanera - Diamond Head (1975)
ダイアモンド・ヘッド (SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

 昔レコードを一生懸命探しまわってはコレクトして聴いてた頃ってもちろん様々な理由で手に入れられなかったモノもお会ったし逆にどこでも見かけるようなレコードもあったりして、結構勘違いしてたこと多かった。どこでも見るようなレコードは今買わなくてもいいだろうから後回し、きっとつまらないから皆中古で売るんだろう、って思ってたしさ(笑)。だからほとんど見かけることのないのを見つけて喜んで買ってくるって方が多かった。後はまるで見かけないとか高くて到底買えないとかそういうのもあったけど、後者はやっぱり記憶に残ってるなぁ…。そんな中で割とどこでも見かけてたのとジャケットが全然好みじゃなかったのがあって買うのが全然遅くなっていたアルバムの一つがこれ。

 フィル・マンザネラの「Diamond Head」、1975年作品で、先のロバート・ワイアットの「Ruth Is Stranger Than」とはほぼ兄弟的なアルバムとも言えるか。参加メンバーも結構被ってるし、主役の違いはあるけど音楽性も結構近しい…そりゃそうか、といつもこの手のを聴いて思うのはイーノの存在感だったりするのだが…、それはそれとしてこの「Diamond Head」、ジャケットがホントにそそらなくて、絶対つまんないに違いないって偏見と、どこでも見かけたからより一層つまらないんだろうと思ってたワケです。カンタベリー一派の作品としてよく出てきたからまたこれか、って思ってたけどね。そのウチ流石にそろそろ聴くか、なんて偉そうに思って聴いたんだけどね、冒頭のロバート・ワイアットの歌からしてかなりインパクトあって、もっと早く聴いておけば良かったと思ったものだ。

 先のロバート・ワイアットの「Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard」にも「Tean Spirit」って曲があって、それのスペイン語バージョンがこのアルバムの「Frontera」になるんだけど、どうも歌詞は全然違うらしい。それにしても冒頭からこの声で歌モノで一体誰のアルバムなんだ?ってなモンだけど当時はそんなことも気にならなかっただろう。アルバム聴いて、クレジット見て、これってロバート・ワイアットかな、とか空想をふくらませるのが楽しかっただろうし。更にイーノも歌ってるからどんなモンやら…、フィル・マンザネラはこういう音楽がやりたかったんだろうか?と疑問に思うのだが、多分その時身近いた仲間と作ってたからひとつのプロジェクトみたいな感じだったんかもな。主役がギターだからもうちょっとギター的なのかという期待はあったんだけど、そんなに出て来ない。






Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard

Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard (1975)
ラス・イズ・ストレンジャー・ザン・リチャード

 ユルユルなケビン・エアーズの歌に対して内省的でしっとりと心に染み入る曲を歌うロバート・ワイアットの世界観は方法論も音楽も違うけど、とっても親しいモノを感じる。何だろな、これは…、そこがカンタベリーなトコロなのかもしれないけど、やはり同じ釜の飯を食ってた仲間というトコロ故なのかな。気分的に楽観的に聴くならケビン・エアーズだけどしっとりと聴いてみようとするとやっぱりロバート・ワイアットだし、それはもうマッチング・モウルやソフツの世界でも一際浮いている世界観、今更なお話か。

 ロバート・ワイアットの半身不随な事故から2枚目となったソロアルバム「Ruth is Stranger Than Richard」はアナログ時代のA面とB面でテーマをワケてのスタイルで録音されたアルバムで、曲によってはイーノの影響がとっても強いものもあって決して一言で聴きやすいアルバムとは言えないけど、深みのある、そしてロバート・ワイアットらしい哀愁のある作風になっててその世界好きには堪らなく魅惑的な作品に仕上がっている。この人のこの愛おしい感じの歌声とメロディラインってやっぱり才能だよ。そこにジャズ紛いなバックがついてくるのも見事で、そりゃもうフレッド・フリスやビル・マコーミックがいたりするのもあるだろうし、曲はブライアン・ホッパーやマンザネラが提供してたりするし何か凄い世界。それが皆友人なんだから面白いよなぁ。

 そして楽しみなB面、これがまたロバート・ワイアットの世界全開で正にプログレッシブな世界、フレッド・フリスのピアノでしっとり進めていく独自世界でねぇ…、なんとも言えない感じ。ジャズじゃないしロックじゃないしもちろんポップスでもないし、やっぱりカンタベリーポップなんだろうな、これ。この感覚久しぶりなのでやっぱりちょっと衝撃を受けた。聴いてるとだんだんそうだったなって思い起こしてきたけど、こういう風にまた衝撃を感じられるのはいいな。面白いし、やっぱりその意味ではロック的な音なんだな。






Kevin Ayers - Yes We Have No Mananas

Kevin Ayers - Yes We Have No Mananas (1976)
きょうはマニャーナで+9(SHM-CD/紙ジャケット)

 前は毎日飲んでても毎日かったるいなぁ〜って程度で適当に生きていられたんだけど、最近連チャンで飲みに行くとそれなりに疲れたりモタれたりしてて、やっぱり年齢を重ねると体力なくなるんだろうななんてのを実感しつつある。まぁ、今じゃ徹夜で遊ぶのもしないし騒ぎまくった一晩ってのもあまりないし、そりゃそういうのもあるけど長時間持たないんでどっかで降りちゃってるもんね。まぁ、それでも騒いでる方かなぁ…、ダメだ、やっぱりくつろぎながらロック聴いてる方が健康的だ。ロックが健康的って…、ね。

 こないだちょいと気になったギターのロジャー・サンダースって人、どうなんだろ?って漁っちゃってね、Medicine Headでサポートギター弾いてたりとかアコースティクなソロアルバムあったりとかなかなか楽しめたんだけど、意外なトコロでKevin Ayersの1976年の作品「Yes We Have No Mananas 」にギターで名前がクレジットされてる。でもメインのギターは当然ながらオリー・ハルソールなワケだからリードギター以外の職人技なギターを弾いているのだろうか。どうなんだろ?って興味津々に聴いてた。要所要所でのオリー・ハルソールのギターがいちいち心に染みるんで、バックのギターの技なんてのは全然気にならないんだけど、多分ホントに職人芸的に弾いてるギターなんだろうな。英国ロックはこうして全部つながっていくのが面白くてね、それだけで色々な音楽が聴けるんです。

 ケビン・エアーズを今更どういう人って言う事もないんだけど、やっぱりこの頃とかは本気でユルくて良い。ロックバリバリだぜ、って時にはこういうの聴けないし、プログレだぜ、って時も聴けないけど何気なく聴いてみればとっても取っ付きやすいアルバムだし歌声だし楽曲。でもやっぱりどっかヘン。フワフワしてるのに何かポップスとは違うんだな。歌詞が分かったらもっとそういうの実感するかもしれないね。かと言ってロック畑な人?って思っちゃうくらいの曲や歌でもあるけど、メンツ見ればそういう筋って分かるでしょ。トニー・ニューマンがドラム叩いてたりさ、まぁ、カンタベリー派はほとんどいないからもっと純粋にミュージシャンシップで集まってる感じだけどユニークな世界観が人生の豊かさを提供してくれる感じ。






Freedom - Through The Years

Freedom - Through The Years (1972)
Through The Years

 世の中色々な事が起きてるが、正直者は馬鹿を見るってのもあるし、一方では悪いことすれば必ずバチが当たるってのもある。昔の人は良い事を色々と言ってくれたもので、今の時代にも残っているような格言ってやっぱり頷けること多いもんね。もちろん全部が全部そうじゃないってのもあるけど、それでも大抵はその通りに進むものなんじゃない?諺とか格言って結構好きかも。今度漁って見ることにでもしようかな(笑)。

 ボビー・ハリソンがプロコル・ハルム離脱後にその周辺の連中と組んで出直したバンドにFreedomってのがある。1969年にはデビューしていたようだけど鳴かず飛ばずの様相でバンドは解散、それでもまだやれると思ってたボビー・ハリソンはまたしてもメンバーを揃えて再起、それでもメンバーは固定されない状態でまずはアルバムリリース。それでもまだメンバーが変わりつつ今度はレーベルもVertigoへと移し、1972年にリリースした結果的に最終作になった「Through The Years」ってのを。その後のSnafuは1973年にアルバムデビューしているから基本的な音楽性は似ている部分多いだろうと予想は出来るんだが、昔コイツを手に入れた時はそんなの知らなかったから普通に英国B級バンドとして聴いてたな。実にVertigoらしいと言えばそうなんだけど、それにしてはちょっと洗練されている部分はあるかも、って程度にはメジャーの香りはある。

 ボビー・ハリソンの歌ですよ、やっぱり。それとギターのロジャー・サンダースのプレイかな、まさしく正しくこの時代の英国のロックの姿そのもの。どうしてそれで売れようと思った?ってくらいに粘っこく弾いてるし歌ってる。これぞ個性と言わんばかりのオーソドックスで単調な楽曲ばかりで腰に来るリズム、ちょいとヘヴィな歌声と来たらもうダサすぎて笑っちゃうくらいなモンだ。正にロックとしか言いようのない、こういうロックがあったからこそ今がある…とは全く言えないけど、好きな音だなぁ、こういうの。今じゃ誰もわざわざ探して聴こうとはしないだろうし、そこまでの価値はまるでないと思うけど、こういう音が自分の今の趣味を形成してるのは事実だろう…。






Snafu - Snafu

Snafu - Snafu (1973)
スナッフ登場

 花見も終わりの頃かな…、毎回花見ってのは寒い中でよくやるモンだとしか思わないけど、外で酒飲むきっかけさえあれば良いだけだろうからずっと残る風習だろうな。寒い中で冷たい缶ビールって…、いや〜、やっぱり寒いだろ(笑)。でも日本の桜ってのは綺麗だよな。一週間で散るってのも風情があるし和を味わうには良いモノだってのはわかる。それでいて聞いている音楽は全然そういうんじゃないってのもまた日本らしいでしょ、うん、自分ね。桜の季節って春だからやっぱり好きだよね。やっぱりどこか前に向く季節って気がするもん。

 さてさて初期ホワイトスネイクのブルースロックを聴いててね、ギター良いなぁ〜って思ったからたまにはミッキー・ムーディ漁りでもするかね、ってことで1973年にリリースされたSnufuってバンドのアルバム「Snufu」から。やっぱね、ミッキー・ムーディってブルースロック好きな人だからさ、Juicy Lucyにしてもそうだし、このSnafuにしてもWhitesnakeにしてもブルージィーなボーカリストとしかやってないってくらいにブルース系統のバンドが多い…ってか時代もあるんだろうけど、それにしてもこのSnufuの時代以上に古臭いサウンドはその手のが好きな人には堪らない部分あるだろう。一応さ、この頃に時間軸を戻すと、ブルージィーってのからちょいと発展してスワンプ的な要素が強いバンドでもあって、新しい試みしてたんだろうと。そういうのもあってバンドも結構渋いんだけど、決して売れる要素を持っているとは到底思えない渋さ、初っ端から聴いてると、コイツはスゲェ渋いブルースなボーカルだぜ、って感じだし、ギターも良い感じにレイドバック的なサウンドだしフックは良いよ。バンドとしての一体感もあるし、ユニークな試みも多いしさ。

 ハードロック一辺倒ってこともなく、バリエーションに富んだサウンドが入っててジグとリールな酔いどれ曲なんかもあってね、土着的だけどカッコ良い。ここのボーカル兼ドラマーのボブ・ハリソンって人がこれまた渋い歌声で、ロッドにもポール・ロジャースにもなれないけど声や歌はそういう系統だから渋目のを歌ってて良い。元プロコル・ハルムってのも肩書としては有用だけど、売れる前のゴタゴタの時代しかいなかったってことでデカい魚を逃した状態で人生進んでるのかな、こういう人、英国ロック史の中でも割と多い。そこでのミッキー・ムーディのギタープレイも結構色々なアプローチしててチャレンジ精神旺盛だし、的確なプレイしてるから玄人好みかもね。結構楽しめるアルバムですよ。


Whitesnake - Ready An' Willing

Whitesnake - Ready An' Willing (1980)
フール・フォー・ユア・ラヴィング+5

 やっぱロックはいいよ。ギターの音色とかねぇ、いいんだよ、やっぱり。うん。なんて事を色々と実感しててさ、春になると聴く時の気分も変わるし、取り組みも変わるワケで、勝手な解釈だけど聴く好みも変わってくる季節。季節ごとに変わるってもんじゃないけど、色々と一新して取り組もうと思う時期だからね、そういう心境の変化ってのは日々接している音楽にも影響を及ぼすので、そうなるのかもね。だからと言って新しいジャンルや知らない世界に取り組みというんでもなく、ガラっと聴くモノが変わる程度だけど、ウチのブログからするとそんなんしょっちゅうじゃないか、って突っ込まれるかも(笑)。

 Whitesnakeの1980年リリースの「Ready An' Willing」。カヴァデールにジョン・ロード、イアン・ペイスが揃った時期で、ギターはミッキー。ムーディとバーニー・マーズデン、ベースにニール・マーレイという布陣。自分がこの辺を聴いたのは随分後になってからなので、リアルタイムでのこの頃のアルバムってのは全然通ってない。そしてWhitesnakeってバンドがコマーシャルになってからのイメージが強いので、初期だからとかまるで通ってないんで印象が普通の歴史的なものとは逆になっているバンドのひとつ。この「」を最初に聴いた時の印象は、カヴァデールってこんなに渋い歌歌える人だったんだ、です。このアルバム聴いてるとポール・ロジャースと大して変わらない歌い方と声に聞こえるからさ、違和感がないんだな。そういう意味ではギタリストのブルースっぽさが少々足りないとも言えるけど、そっちに進まなかったことでハードロックを維持したってのはあるだろう。ブルースルーツのハードロックバンドという立ち位置をキープ出来たもんね。もっともそこに甘んじること無くどんどん突き進んでいったんで、実はこだわりが違ったってことなのだろうけどさ。

 曲もオーソドックスな英国ブルースベースハードロックの世界で、申し分ない出来映え、どころかかなりの傑作名作の猟奇なんだろうなぁ、この頃のカヴァデールの歌声って怖いものなしだろうよ。聞けば聞くほどにギターがもちょっと根深いブルースメンだったら…って思うけど、そうするとフリーのハード版での焼き直しになるからさ、聴いてみたいってだけです。そんな欲をなくして聴いてみれば、ホントに味わい深いロックが詰め込まれて、英国ロックの名盤に数えられているのがよく理解できる作品で、カヴァデールの底力もよく出ている見事なアルバム。びっくりしたもん、最初さ。なんでここまでのロックができてて、ああなっちゃったワケ??って。




Cozy Powell - Octpuss

Cozy Powell - Octpuss (1983)
オクトパス

 ロック畑でソロ・アルバムを出すなんてのは大抵がボーカルかギターのヤツくらいで、他のパートの人はさほどそういうのを出すというイメージがない。稀に稀代のミュージシャンなんて人がいて、ソロアルバムをガンガン出すって人もいるけどバンド単位で出てきている人だとそんなにいないもんね。それも鍵盤奏者ならともかく、ベーシストあたりになるとグッと減るし、更にドラマーとなるともう限られてくる。リズム隊だからと言ってもメロディセンスあったり音楽センスある人も多いだろうけど、そういう表現手段を持たないのか出す必要性がないのかプレイヤー気質なのか…、どうなんだろね。メロディ隊よりは創作欲がないパートなのかもしれないけど。

 そんな中、渡り鳥と言われる故か、ソロアルバムには割と積極的なドラマーだったCozy Powell、とっても珍しいことにドラマーのソロアルバムなワケだ。1983年の三枚目「Octpuss」はかなり当時の周辺の環境を反映したインストアルバムとしてリリースされている。そもそもドラマーのソロアルバムなんだからドラムソロ中心でドラムを聴かせる、ドラムを叩きまくる、みないなソロアルバムをイメージしていると大違いで、きちっとしたメロディのあるインストのアルバムなのだな。メル・ギャレーとゲイリー・ムーアがギターメロを担当し、ベースはコリン・ホッジキンソン、鍵盤はジョン・ロードってメンツで誰がメロディを作ったのかってぇと、やっぱりそれらの友人たちなんだろう。だからコージーがこういうメロディを作ってやりたい、ってのではなかったんだろうな。でも、やっぱり看板背負ってるから自分の好みの方向性に持っていったのはあるだろう。だからかな、同じタイプの曲調ってのはなくて、それぞれ方向性が異なったスタイルに仕上がってる。無きもあればオーケストレーションもあり、快活なフュージョンチックなのもあったり、ドラム叩きまくりってのもあったりと多岐に渡る。

 ホワイトスネイク爆発前夜の頃でゲイリー・ムーアが契約で縛られて何も出来なかった頃、コージーはMSG離脱した頃かな。タイミングなんだろうなぁ、こういうのって。既にこの世からいなくなって久しい人だけど今でも歴史に残るロックドラマーとしてそこかしこで名前が出てくる人だし、唯一無二なドラマー。こんだけのソロアルバム出してりゃそれもそうだろう。他にそうそうソロアルバムなんて出すドラマーはいない。ジンジャー・ベイカーくらいしか思い付かないもんな(笑)。






David Johansen - Live at the Bottom Line

David Johansen - Live at the Bottom Line
Live at the Bottom Line

 やっぱりアレだな、ソロアルバム作ってもバンドのイメージと大して変わらないってのが一番ウケるのかな。確かに聴く側にしてみるとそれがもっとも想像通りで裏切られないんだから受け入れやすいってのはあるもんな。やってる側の意思とかソロの意味とかまで考えてたらキリがないし、じゃ何でソロ出してるんだ?とかあるけどさ、色々あるんだろうよ…と思うくらいしかない(笑)。そういえばドールズの時に全然思い付かなかったけどフロントマンのDavid Johansenってソロ出してたんじゃなかったっけ?って思い出してさ、アレコレ探してたワケよ。うん、そしたら意外な発見があってなかなか楽しめてるトコロ。

 1978年にソロアルバム「David Johansen」ってのでソロデビューしてるけど、こいつがまたどうにも…ってアルバムでさ、何でかね〜ってついつい思ってしまったのだが、その印象を裏切ってくれるべくアルバムがあったんですな。1978年のライブの模様をプロモレコードにしてあったんだけど、結局プロモのままで本チャンリリースに至らずのまま埋もれてた「Live at the Bottom Line」。1993年になって、このライブ盤のフルレンス盤がCDになってリリースされたという代物で、だから1978年のライブそのままが出てきたという発掘ライブ。時代的にはソロデビューした後だからか、シルベイン・シルベインも参加しているライブってことで半分ドールズなんだな。この人達の場合はバンドが解散してからも自分たち自身はドールズみたいな音を出したがってたって人だから、ここでのライブはほぼそのままが聴ける。うん、だからジョニサンいないけど、ドールズ直系のドールズの歌声で聴けるR&Rバンドってことだ。もちろんドールズの曲もやってるしね、そんな美味しいライブ盤があったなんて知らなかったから、こうやって見つけて聴けるってのは嬉しいね。

 それにしてもまぁやっぱり無茶苦茶なんだな(笑)。ドールズを語るのと同じくらいなモンで、ジョニサンいない分まだまともか…そう言って良いのかどうか分からんけど、やっぱりバンドのフロントマンなだけあってそのまま雰囲気を出してるし、ファンも満足だろうしね。これってドールズ名義で出してればもっと売れただろうにな、そうはいかなかったんだろうけど。




Jean Jacques Burnel - Euroman Cometh

Jean Jacques Burnel - Euroman Cometh (1979)
Euroman Cometh

 バンドに二枚看板は必要か?もちろんないよりある方が何かと良いはずだ。ただ、ぶつかることも多くなるので難しい部分ではあるか。今時のバンドで二枚看板のトコロなんてさほどないだろうからあまり気にすることもないのだろうけど、昔は多かった。ストーンズやビートルズを筆頭に二枚看板が当たり前ですらあったものだ。徐々にバンドをやる奴も増えてきたから二人の天才が同じバンドの中に留まるような事はほとんど無くなって来ただろうけど70年代くらいまでは結構あったよなぁ…、80年代でもあるか。ここで面白いのは2枚看板がそのまま同じバンドの中でやってるならバンドの音としてはそのままのレベルがキープされるから問題ないのだが、片っぽがいなくなった場合、そのバンドの主導権はどっちが持っていたんだ?ってのが赤裸々に分かってしまうのだな。それはそれで面白いけど。

 The Stranglersの屋台骨ジャン・ジャック・バーネルはバンド全盛期の1979年にソロ・アルバム「Euroman Cometh 」をリリースしている。確かにバンドの中心を担っていた人物だからかバンドとはかなりかけ離れたニューウェイブな無機質的サウンドを繰り広げて、しかもドラムマシーン使っての作品、硬質的でこれもまたヒュー・コーンウェルと共通するが冷徹なサウンドを展開している。ただ、ヒュー・コーンウェルの方はThe Stranglersの延長線的な音だったことに対し、こちらのジャン・ジャック・バーネルの作品はバンドの表層からの音という印象か。骨の部分はそのままなんだろうけど音楽的なトコロではこの二枚看板のどちらがバンドを引っ張っていたのか何となく微妙に分かってしまうところだろうか、好みの問題でもあるが。どうしたってそういう目線で聴いてしまうリスナーが多い中、リードベースという側面からはまったく変わらずのベースを聴かせてくれているし歌にしてもそのままだからひとりストラングラーズな音なんだな、これ。装飾する音が違うだけでね。

 ギタリストには後々のストラングラーズに参加するジョン・エリスがここで出てくる。かなり相性良いのかな、マッチしたギターをここでも弾いてくれてるし、この音世界にもきちんとマッチしているみたい。それにしてもここで聴ける音はこの後のニューウェイブ世代には受けるだろうなぁ…、どうにも苦手な部類なので好んで聴く音じゃないけど、ストラングラーズのジャン・ジャック・バーネルだもんな、やっぱり聴いておかなきゃ、ってのが大きかった。






Hugh Cornwell - Nosferatu

Hugh Cornwell - Nosferatu (1977)
Nosferatu

 自分のやりたい音を追求するためにバンドから離れてソロアルバムを作ったりするってのはあるんだろうけど、やっぱりバンドのフロントマンなんかがソロアルバム作っちゃうとどうしたってバンドの音に近くなるってのもある。そんなに全く違う音を出すってこともないし、本人はその違いが大事なのかもしれないけど聞いている側からするとさほど変わらないじゃないか、なんてのも多いし、まぁ、自己満足なんだろうな、なんて冷めた見方をしている人も多いんじゃないだろうか。でも、ミュージシャンってのは大抵ソロアルバムとか別プロジェクトってのをやりたがるし、実際そうやってリリースしてくる人が今でも多いし、そういうものなのだろう。

 1977年、the Stranglersが全盛期だった時にソロ・アルバム「Nosferatu」をリリースしたヒュー・コーンウェル…のみならずジャン・ジャック・バーネルもなんだけどさ、ソロアルバムを出し合ったんだよね。そりゃさ、期待しちゃうんで聴くんだけど、どうにも大きくThe Stranglersと変わった気がしないんだがなぁ…ってのが適当に聞いただけの感想。うん、適当に聴いただけだとね、そんな印象だけど、そりゃま、バンドらしい音じゃなくって確かに楽器と歌中心になってるデジタルな冷たい世界観なんだけど、この頃The Stranglersもそういう方向やってたし、それをもっと推し進めたような感じかな。後のDepeche Modeになるような音だから最先端だったのかもしれない。ドラムにはCaptain Beefheartのトコからロバート・ウィリアムスを拝借、クレジット見るとほとんどの楽曲にイアン・アンダーウッドも参加しているから、ザッパのトコロからのメンバーを借りてきたって事になるんだが、それはそれでなかなか凄いことだ。当時The Stranglersってのは英国のパンク勢のひとつのバンドでしかなかっただろうし、そこでこんだけ知性的な世界が出せてるからこそこういうのが成り立ったのか。

 クールだよ、これ、ホント。でも、ソロアルバムで何でやってるのか…、バンドメンバーの力量の問題?ジャン・ジャック・バーネルがイヤだったとか?じっくりと自分自身だけで作り上げたかった?色々あるんだろうなぁ…と思いつつ。聴いているとこの冷たい世界、やっぱりあまり特異とする世界じゃないな。




Joe Strummer - Earthquake Weather

Joe Strummer - Earthquake Weather (1989)
Earthquake Weather

 著しい音楽性の変化に着いていけるファン、着いていけないファン、ファンを失わずに進化させていくミュージシャンもいるから、その上手さってのも技量の一つになる。デヴィッド・ボウイなんかは変化そのものがキャラクターとしての売りになっていたし、30年変わらずというパンク系のスタイルだってある。ただ、やっぱり音楽をやっている以上はある程度の幅で進化したがっていくものなんじゃないかな。だからソロアルバムでやってみたいとか新しい息吹をバンドに持ち込むなんてことするワケで、長くなればなるほどそういうのが難しくなっていくのだろうけど。一方のファンはそれに着いて行けなけりゃ簡単にサヨナラだし、お気楽なものだ。

 Joe StrummerがThe Clashの消滅から数年後、初のソロアルバム「Earthquake Weather」をリリースする、ってのはリアルタイムで知ってたし体感もしてたけど、そりゃもちろん半分は期待、半分はきっとダメダメ路線だろうなという予想をしていた。パンク一辺倒な音をやってきた人でもないし、そのスピリッツに変化は無いけど手法はどんどんと進化してってるバンドだったし、終盤の作品なんかはもうなんじゃこりゃ?って状態だったしね、その延長線だったら終わってるな、って思ってて…、実際リリースされると同時に聴いたけど、お蔵入り。数回も聴かずにお蔵入りした気がする。その頃はもっと刺激的なのを求めてたし、こんなに軽い音を求めてもいなかったし、もっと尖ったストレートなのを欲してたしね、いくらジョー・ストラマーの音でもどうにもなぁ…って感じだった。それは世間的な市場にも現れていたようで、まるで売れ行きが芳しくなかったらしく、そのままシーンから消えていってしまった。難しいよね、こういう音楽ビジネスってさ。熱狂的なファンを持っていればいるほどどういう風に音楽を作っていけばいいのか分からなくなることもあるだろうし。

 アルバム「Earthquake Weather」は今聴けばかなりの快作で、後のメスカレロスに通じる音楽性は既に出来上がっている。ところがジョー・ストラマーの方もまだ尖ってる部分あるからあそこまでマイルドにゆるゆるにはならなくてちょっとトゲがある…だから中途半端にThe Clashらしさも感じちゃうし、でも物足りないしというような作品に聴こえちゃうワケ。実際はそんなの気にしてなくって、やっぱり色々なあのヘンの音をミックスして自分のフィルター通してゆるくやりたかったんだろうって思う。完成形はメスカレロスのだろうけど、あそこまでは時間かかったね。一方のB.A.Dなんかはさっさともっと思い切り舵を振り切ってやってたから羨ましかったことだろう。そんな事を考えながら久々に聴いてて、全然悪くないけど、これ、っていう曲やメロディも見当たらないってのも残念で、その辺りの作りこみがもうちょっと出来たら良かったんじゃないかなとかアレコレ…、いや、結局これで良かったんだろう。The Clashのリスナーにはこういう音は少々早すぎたってだけで、新しいものとのミクスチュアそのものはロックの概念だし、それを実践していた第一人者でもあるしね。




Big Audio Dynamite - This is Big Audio Dynamite

Big Audio Dynamite - This is Big Audio Dynamite (1985)
ディス・イズ・ビッグ・オーディオ・ダイナマイト(25th Anniversary Edition)

 レスポール・スペシャルTVダブルカッタウェイの使い手の一人だったミック・ジョーンズと言えばもちろんThe Clashなのだが、The Clashは割と書き尽くしてしまっているのでちょいと視点をズラしてのBig Audio Dynamiteに進んでみようか…ってほど知ってるワケじゃないんだけど、The Clashでジョーと喧嘩別れしてそのままバンド離脱した後に、The Clash時代に映画監督でもあったドン・レッツを軸にして作り上げた新たなるバンドがBig Audio Dynamiteなワケで、その来歴から知っていればThe Clashの音を想像して聴かなかっただろうけど、何せ何の情報もないまま、単にミック・ジョーンズが新しいバンドを組んでレコード出したぞ、って話しかなかったから当然ながらThe Clash路線を期待しちゃうワケよ。ところがどっこい、そんなもんどこ吹く風、己のやりたい新たな音楽世界を切り開いていくぜ、ってくらいなもんでブチかましてくれた。

 1985年リリースのBig Audio Dynamiteのデビュー・アルバム「This is Big Audio Dynamite」。まんまそのまま「これがB.A.Dだ」ってタイトル。言われてみればそうか、そういうことか、と今ならわかる。当時から何十年もまるで理解しなかったりしたくもなかったし認めたくもなかったし、無かった事にしてたからようやくミック・ジョーンズに言えるもんね、やっとやりたかった事がわかったよ、って。そりゃさ、The Clashの後期の音を聴いたり見たりしてればわかるけど、ダンサンブルな音やレゲエ、スカ、ダブにラップなんかも先んじて取り入れてホントにミクスチュアーなサウンドを出していたワケじゃない?「Combat Rock」なんてのもそんな路線で、自分的にはイマイチなアルバムだけど一応パンクロックチューンも入ってたから良かっただけで、それがなかったらやっぱりこういうのに近い音になってたんだろう。そもそもギターにこだわりなかったんだろうから、ギター中心の音というロックにする必要がなかったのだろう。単純にリズムを楽しみ様々な音楽の面白さを取り入れて仕上げていった新しい世界がB.A.Dなんだ、って音だ。

 確かに英国からしか出て来ないであろう軽さとミックス具合、あまりにも上手くミックスしすぎててミック・ジョーンズの存在感はまるで皆無になってしまうのだが、それを出しているのがミック・ジョーンズだから良いのか。この時奇しくもThe Clashも同じような路線に走ってて、別にバンドが分割される必要すらなかったんじゃないか?って思える節すらある。ジョー・ストラマーからしたらミック・ジョーンズのやってることって自分が思い描いてたのとほとんど同じようなもので羨ましかったんじゃないかな。The Clashの看板背負ってる限りここまでの音は出せないけど、バンドを離脱したミック・ジョーンズがB.A.Dだったからこそここまでメーター振り切ったミクスチュアーな音が出来たって部分もあるだろうし、なるほど、今にして思えばそういう見方もあるな。

 そしてこの「This is Big Audio Dynamite」というアルバムの音、それでも好みかどうかって話になるとやっぱり好みじゃないな。ただ、聴いていると面白さはあるし斬新なアプローチだから大したバンドだなって思うよ。でもさ、ギターがもっとガツンと鳴ってこそのロックだろ、ってのがあるからミック・ジョーンズがここまで魂売らなくてもってのがあるかなぁ…、複雑だ。音楽クリエーターとしての才能を出して来たってことだけど、そんなに才能あったんだろうか?なんて思う部分もある。




Johnny Thunders - Hurt Me

Johnny Thunders - Hurt Me (1983)
Hurt Me (Re mastered)

 ギターの中じゃレスポールが一番好きなんだけど、他にも色々と好きなので結構手に入れて弾いてたりしててね、それなのに何故か早い段階からレスポール・スペシャルTVモデルなんてのを気に入って持ってたりした。この手のって今でも好きで、こないだもレスポール・スペシャル買っちゃったりしてるんだけど、ダブルカッタウェイのイエローの方ね、好きなんだよ。元々何でそれ?って話なんだけど、やっぱりJohnny Thundersが持ってるの見て、他ではなかなか見ることもなかったし、かっこいいな、って思ったからなんだろうな。特にJohnny Thundersになりたかったとかはないんだけど、ギターとしてのルックスに惚れたっつうか。The Clashのミック・ジョーンズがワインレッドのを使ってるのは見てたけど、そんなにカッコ良いって思わなかったんだが、何でかね。

 Johnny Thundersって妙に神格化されてる人で、それはもちろんNew York Dollsでの活躍とインパクトが絶大だからこそのR&Rの神様みたいになってるんだろうけど、本人もその後のThe Heartbreakersと一緒にやってる頃のはそのままR&Rを引きずってる感あるか。ところがソロアルバムになるとそんなR&Rなんてまるでやってなくってさ、もっとシンプルに歌ってギター弾いてるだけっていうのばかりで、Johnny Thundersって人の名前を聴いて印象を信じてソロアルバム聴くとかなり肩透かしを食うのだった。うん、自分がそうだったんだよ。幸いNew York Dolls聴いてたからそういう人だって思ってたのもあって、救われてたけど最初からソロアルバムだとしんどいよな。

 1983年にリリースされたJohnny Thundersのアルバム「Hurt Me」は正にその期待を裏切るようなアコギ一本で歌ってるソロアルバムだ。ホントにそのままアコギ一本弾いて歌ってるだけ、カバーもオリジナルもあるけど意外とソフトで甲高い声のJohnny Thundersの歌声にコードストロークだけに近いアコギで20曲位入ってる。最初これ聴いた時、レコード間違ってるって思ったくらいだ(笑)。こんな人だったのか?って思ったもんな。この後来日公演してライブハウスツアーやってたんじゃなかったっけ?アコギ一本でさ。それもまたR&Rを期待して行った人はそのギャップあったんじゃないだろうか。今じゃ神格化されてこれもジョニサンって言われてるけど、当時はオイオイ、ってなモンだった。大して上手くもないギターと歌でやられてもさ、ハートだけで迫ってくるからそれはそれで凄いけどね。

 そんな叫びがそのまま詰め込まれた作品が「Hurt Me」。良いとか悪いとかそういう次元でもなくて、生々しく部屋での録音をそのままレコードにしましたみたいな感じで、今じゃ小学生でも出来ちゃうようなのばかりだけど、その奥深くにある魂の叫びは簡単には聴けないね。とてつもなく生々しい魂の名作と言うべき作品。






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