Stanley Clarke - Journey to Love

Stanley Clarke - Journey to Love (1975)
Journey to Love

 これまであまり真面目に聴いた事のないフュージョン系のベーシストあたりを漁ってるけど、それでも名前はたいてい知ってるんだから不思議なものだ。ジャンル自体の幅も広くないのか、結構決まった面々が一大勢力になってシーンが終わった…と言うか進化していったという感じなのかな、そんな中でやっぱこの辺のベーシストってったら出て来るだろうなぁと想像できる人が登場です(笑)。

 スタンリー・クラークですね。バキバキのベース弾く事で知られてたハズ…なんだけど実際はどういう人なのかはよく判ってないんです。とりあえずソロ作三枚目くらいになるのかな、「Journey to Love」ってアルバムが1975年にリリースされてまして、ゲストギタリストにはご存知ジェフ・ベックやジョン・マクラフリンが参加という事でロックファンにも割と知られているアルバム…じゃないと思うんだが、そういうウリ文句になっているハズだ。ジェフ・ベックがダメだったのがフュージョン寄りだったからだけど、こういうの聴くと、別にそういうのを意識してたんじゃなくて、自分の技巧的な部分を発散できる世界ってのがたまたまエレキジャズの走りだったフュージョンの世界だったって話だろうから、あまりジャンルの区別は無かったんだろうとは想像に難くない。実際ベックが参加している曲…どころかベックのための曲「Hello Jeff」なんて聴いてると単なるセッションだもんね。スタンリー・クラークがソロアルバムでわざわざやらなくても、ってくらいのベック節だ。思い切り尖ってるし。もちろんスタンリー・クラークのベースはアルバム冒頭からバキバキで…、もっと前に出てきてもと思うけど、これくらいが良いのかもな。

 一方のジョン・マクラフリン参加の方は割と壮大な楽曲で、ジョン・コルトレーンに捧ぐってなタイトルで、美しいな〜って音世界にこりゃハマってるわ、と思うくらいのジョン・マクラフリンのギター、いつも通りって言えばいつも通りなフレーズでね、そう考えるとスタンリー・クラークって人はベーシストとして名を馳せているけど、その実やっぱり普通な音楽が好きなミュージシャンなんだろうと。プレイヤー気質ってよりもアンサンブル重視な人なんだろうと思うね。んで、このアルバムのプロデューサーがジョージ・デュークともう出来たような面々が出会っているという作品、そして正にクロスオーヴァーなアルバムに仕上がっている、とロックファンは思うワケだ。このヘンの境目ってプレイヤー目線で見れるかどうかだろうなぁ…、曲を聴いて良いってんでもないし…、そういう意味じゃジャズだよな、やっぱ。しかし…、美しい作品だ。





Weather Report - 8:30

Weather Report - 8:30 (1979)
8:30

 友人とギター談義してて、最近またギターが楽しくて弾きまくってるらしいけど最初は昔とった杵柄のようにあの頃の自分のギタープレイのレベルに戻したいと思ってたらしいが、ふと気づいたとの事で言うワケよ。この年齢で今から弾くギターは昔の自分と同じ路線じゃなくて別の路線なんだ、と。その路線を突き進んでいくことが上達の道だし、新たな挑戦でもあるし今の自分に合っているハズだと。簡単に言えばブルースロックをもう一度弾くんじゃなくてもっと新しい要素を自分なりに加えて異なるロックギターを弾く方向に進むって感じだ。何か凄く納得感あってさ、そうだよなぁ、そういうもんだよなと。聴くものも志向も考え方も変わってきてるんだから弾くギターの路線も変わるだろと。ブログ仲間なんかもそういう境地に至ったんだろうなとまたひたすらギターを弾いているって人もいるもんね。はて、自分は…と考えないようにしよう(笑)。

 ジャコパス聴いてたらもっと聴きたくなったんで、今度もまた名盤の誉れ高いWeather Reportのライブ盤「8:30」なんてのを。…と知ったかぶって書いてるけど、知ったのは最近。聴いたのも最近。何せフュージョンってのは好んで聴くことなかったからアルバム聴くなんてないし、ライブはテレビでやってるのを夜中に小さい音で見てたくらいだし、そもそもフュージョン、軽いじゃん、って先入観しかなかったし。ところがこの「8:30」とかジャコパスとかそうだけど、聴くとさ、明らかに自分の概念が違うワケ。プログレの延長でもあるしジェフ・ベックの延長でもあるわけ。更に言えばアドリブプレイとテーマの融合ってジャズの世界なんだけど、電子楽器たくさん入るし、それはもう英国ジャズ・ロックとか似たような世界、ちょいとこっちのが垢抜け爽やか感あるけどさ、楽器を、楽器の音を楽しむという点に徹底している所がここまで激しい応酬になるんだろう。

 …と言っても、このレベルでの白熱ぶり、フュージョン嫌いを覆すほどのインタープレイを聴かせるバンド形式ってのはそうそうあるもんじゃない。Zeppelinのアドリブプレイとどっちがスゲェんだって訊かれたら大抵Zeppelinの方が凄いもん。Weather Reportの「8:30」はそういう次元とは違うけど、緊張感溢れるプレイヤーの息遣いと空気感、テーマに沿ったプレイと戦いぶりの応酬、どこを斬ってもスリリングでドキドキする楽しみがある。これがロックの世界からだとちょっとな〜って思うかもしれないけど、ロックじゃないところから同じエナジーを出して来てるからスゲェな〜と。ジャズメンからしたらロックなんてガキの音だけど、そっちからしかモノを見てなかったからさ、こいつらフュージョンのくせにカッコイイじゃねぇか、って(笑)。

 いや、そんな偏見やめて普通に聴くとぶっ飛ぶくらいのカッコ良さとプレイ。これもまた楽器やってる人は楽しいアルバムだね。こんなテンションのライブ出来たらどんだけ人生楽しいだろう。







Jaco Pastorius - Word of Mouth

Jaco Pastorius - Word of Mouth (1981)
ワード・オブ・マウス

 ココの所のブログの返信をiPhoneのアプリから入れたんだけど、こうなるのか…と初めて知った次第で、なんだかわからない返信になってて申し訳ないです。直すのも面倒だから、そのままですが、まぁ、文脈見ればどなたに対するコメントなのかはわかるような気もするので許してもらいたい…。外出先である程度の事が出来てしまうiPhoneは便利だけど、どうしても細かい所は難しいね。それでもスマホばかりの世の中、ブログってのも廃ってきてるのは間違いないし、FC2だって他にどんな戦略でこのビジネス続けてくんだろ?って疑問もあるが、もうしばらくは頑張ってほしいね。まだバックアップ取ってないからです(笑)。

 ベースの巨匠は…ってかさ、普通にベース聴きたいな〜って漠然と考えてたら、あ、そっか、と当たり前の人を思い出したのがジャコ・パストリアス。ロックの世界しか知らなくてもジャコ・パストリアスは聴いた方が良いし、聴くべきだし、聴いて損すること無いし、とにかくスゲェの一言な人。ロック以外の人種でもジミヘン知ってる、みたいなもんだ。ジャコパスはやっぱり例外。とってもロックな人だし。ってことで1981年にリリースされたジャコパスのセカンドソロ名義アルバム「Word of Mouth」。

 大名盤です、以上。

 書くこと無いもん。冒頭からぶっ飛びのベースで、しかも紐解くとジャコパスのベースラインだけを聴かせて各プレイヤーに自由にプレイしてもらって、それぞれはお互いの演奏を聴いていないという状態のレコーディングで、ミックスでの曲、っつうかセッションになったというとんでもない録音手法。だからかなりアヴァンギャルドなフリージャズ的な感じにはなってるけど、それよりも何よりもジャコのベースが…、何だこりゃ?ってトコなんでね。この人もいろいろな側面を持ってた人で、ベースプレイヤーってのもあるけどビッグバンド的なのもオーケストレーションもクラシックもロックも好きな感じなので、聴いててそういうのが判るわけ。それでいてどれも開放的な爽快感があるのは味だ。

 やっぱり大名盤だ。

 客寄せに書いておくとビートルズの「Blackbird」やってます…が、なんだかわからんくらいになってる(笑)。人によっては原曲に忠実らしい、ですがどこが?ってくらいには崩されてて、ジャコらしい味付けなんだろうな、こういうの。かなりスペイシーな世界にいるみたいだが。それよりも次のアルバムタイトル曲「Word of Mouth」が一体何だ?ってくらいには衝撃的。ジャック・ブルースとかジョン・エントウィッスルの世界に近づいてるけど、もちろんもっとスペイシーでメロディアス。まぁさ、ホントは書くこと何もなくって、とにかく聞けよ、なアルバムでね、楽器触る人だったら普通にKOされるし、これまで散々聴いてた人もやっぱり聴くとぶっ飛ぶし、って世界。個人的には何回もは聴かないアルバムだけどスゲェアルバムなことに変わりはない。

 かっこいいアルバムだ。





Niacin - Niacin

Niacin - Niacin (1996)
ビリー・シーン・プロジェクト

 テクニックに自信のあるミュージシャンってのはやっぱりテクニカルなことだけを追求してみた事もやってみたくなるんだろう。そりゃそのプレイの応酬って緊張感溢れるくらいに楽しめるモノだもんな。特にジャムセッション的に競い合えてぶつけ合えたら楽しくてしょうがないだろうよ。同じレベルで出来るミュージシャンに出会うまでは時間かかるだろうけど、そういうのって何故か類は友を呼ぶって世界で、誰かしら大抵上手い具合に出会ってジャムれてるんじゃないだろうか。もちろんそういうのが上手く出来ない時もあるんだろうけど、世に出て来るものはもちろんそれぞれ噛み合った結果なので聞いている方も楽しめるものだ。

 ベーシストで知られる人って、プログレの世界とか入れればもっとたくさん出て来るんだけど、そうだな〜、ってところで想い出したのがビリー・シーン。思い出したっつうか、この人って自分的にはやっぱりD.L.ロスん所のバックにいた時のヴァイとの絡みとか凄く印象的で、M.rBigなんてポップバンドだったからほとんど聞いたことないし、それ以外だとあんまり知らないんだよ、どんなプレイしたのか。ただ、ブリブリに弾きまくるってのは知ってたから、さてさて…と。んで調べててナイアシンってのがあったのか、何か、友人で聴いてて、これ凄いぞ、って言ってそのまま消えてしまったヤツがいたな(笑)。んなこと思い出しながらナイアシンのファースト「Niacin」なんてのを。

 ロック界のブリブリベーシストがフュージョン界の鍵盤、ドラマーと組むということでどんなんだろ?って思ってたけど、案外マッチしてて、EL&Pってほどのモンじゃないし、じゃ、どんなん?ってぇと…、割とセオリーに近い曲パターンだけど歌はないし、ジャムセッションを繰り広げている感じでもないし、決められた展開の中でもちろんそれぞれの楽器をフューチャーしたメロデイをきちんと奏でているという普通に近い普通さ。技術を見せびらかすような感じもあるけど、もうちょっとポップシーン寄りかな。フュージョン的と言えばフュージョンだけど、そこはビリー・シーン、やっぱりロックステータスにもってってるからさ。でもね、何か…バチバチ感がなくてインストものを演奏しているバンド、みたいにも聞こえちゃうのは残念か。実際ライブとかじゃそんなことないんだろうけど…ってことで立て続けに日本でのライブ見てるんだが、何とも形容しにくい世界で、それぞれが心地良くなるために、ってトコか…、うん、こういうモノだろうね。って全編見ちゃってるんだからやっぱり惹き付けるものがあるんだよ。



West Bruce & Laing - Whatever Turns You On

West Bruce & Laing - Whatever Turns You On (1974)
Whatever Turns You On

 掘れば掘るだけそれなりに掘った分の強者が登場してくる、それもまた音楽シーンの懐の深さ、しかも自分が知ってる範疇ですらそれなりに出て来るんだから色々な聴き方が出来るものだ。もちろんある程度の目星は立ててからの探しぶりになるんだけどね。ジョン・エントウィッスルが出てきたんで、やっぱジャック・ブルースも何かないかな…ってもソロのはあんまりおもしろくないし、クリームってももう大抵書き終えてるし、後は何だろな〜、ってことで、そういえば、と想い出したというこのトリオ。

 West Bruce & Laingの1974年のセカンド・アルバム「Whatever Turns You On」。クリームみたいなバンドをやりたい、って要望からスタートしたマウンテンとジャック・ブルースの合体劇、それなりにスーパーバンド的な立ち位置なハズだし、実力者が集まっているバンドなので期待されたんじゃないかなぁ…、ファーストはともかくセカンドにもなればバンドとしてこうだ、ってのも出て来るだろうしと思うのだが、60年代に生きていた人達だからか、個性をぶつけあうということに重きを於いていたからか、良い曲を作って聴かせよう、ってんじゃなくて、スゲェ演奏のぶつけ合いを聴いてもらって刺激を与えようって思ってるジャック・ブルース、マウンテンでも明らかにワンマン…パッパラルディはいたけど、特別扱いなので、やっぱりマウンテン=レスリー・ウェストなワケで、引っ張ってきた人がジャック・ブルースを引っ張れるか、っつうのがこのトリオの課題、もちろん無理だったからこそバランバランな方向性のままプレイヤーが成り立っているという光景…っても、ジャック・ブルースがひとりではみ出てるんだが、それが半端ないはみ出方なので困りものだった…。

 そんな感じのアルバムがこの「Whatever Turns You On」だ。ベース…スゲェよ。この人の場合はランニングベースってよりもステップベースって感じに引っかかりながら進むベースの音で、ラインってよりも点の繋ぎ。後ノリ後ノリでブリブリ邪魔する音で、華麗さなんてまるでなし(笑)。音的にはスゲェジャマな音するベースですな。それが個性で特徴的。一方のレスリー・ウェストは華麗なるエモーショナルギターと歌が得意な人なので、これがまたまるで噛み合わなくてねぇ(笑)、プレイヤー的なトコでは全然大丈夫なんだが、アルバムに入れる曲となるといいのかよ、これで、ってくらいにチグハグ…、狙ったんかなぁ…、勿体無い。スーパーバンドってのはなかなか上手くいかないものですな。

John Entwistle - Mad Dog

John Entwistle - Mad Dog (1975)
Mad Dog

 ベースって楽器はかなり好きだ。友人にベーシストが多かったのにも影響を受けているのだろうけど、色々なタイプのベーシストが周辺だけでもいて、それにプロのアレコレを聴いたりするんだからどんだけ幅の広い楽器なんだろっていうのがず〜っとある。自分はギター弾くんで、そりゃベースもある程度はわかるけど、やっぱりベーシストの弾き方ってのはなかなか分からない。弾き方ってか、思考回路かな。歌とか曲と一緒に盛り上がっちゃいけない役割でもあるじゃない?淡々とベースに徹する、みたいなさ。ギターって感情直情的でOKな世界だと思ってる部分あるからベースはそうじゃないってのがね、分からないんです(笑)。

 ロック界のベーシストと言えばもうジャック・ブルースかジョン・エントウィッスルかだろうと。両名ともソロアルバムってのを幾つも出してるけど、それはやっぱりソロアルバムであっても歌モノだったりロックものだったりしてベーシスト冥利に尽きるなんてアルバムは全然見当たらないのだ。その辺がロックベーシストの悲しい性だろうか、やはりポップミュージックの範疇にいないといけないというか…。その辺も4作目くらいになるともう明らかに売れないし、開き直って作ってやるぜ、ってことでジョン・エントウィッスルが1975年にリリースしたアルバムが「Mad Dog」。前はもうちょっと凝ったりヒネたりベーシストしたりしてたけどこの頃はもう普通のR&R、オフザケロック的なのばかりでベースも普通に…普通に弾いたってヘンなんで、そういう路線でのアルバムになってます。多分彼の趣味だろうなぁ…、50年代の音楽的センスをそのままやってるだけで、実際何がしたかったのか?ってのはよくわからん。ただ、自分の曲も世に出したい、もっとベースを歌わせたい、みたいな所だったのだろうか、The Whoではピート・タウンゼントという天才がいたからそこまで自分の作曲家的な所は出せなかったからね。

 そんな作品だけど、この人のアルバムの根底にはどんな音楽をやろうともいつも悲しさが漂っている。寂しさってのかもしれないけど、そういうのがあってね、別に音楽的にはどうでも良いアルバムだし趣味だろって話なんだけど、根底に流れるその暗さってか寂しさを聴くとさ、何か…いいかもな、なんて錯覚しちゃうトコあるんです。もっともっとベーシストセッションなブリブリの作品とかジャムとかあれば良いんだけど、無いんだよねぇ…。The Whoのライブが一番ドライブしてベース弾きまくってるもんなぁ…。



Red Hot Chili Peppers - Mother's Milk

Red Hot Chili Peppers - Mother's Milk (1989)
Mother's Milk

 いや〜、面白いモノで、これまでそんなに着目してなかったのに突如面白く聞こえちゃうんだからロックは不思議だ。単に自分の耳がオカシイだけなのでそういう偏見を持って聴かないようにしなきゃいけないんだろうけど、そういうのも含めてロックってのはあるからね、イメージとか最初の出会いとか格好とかさ、とにかく見た目からだから(笑)。いやいや、冗談としても、偏見持たずして聴けるならもっと早く色々な音に敏感になれたんだろうとは思うが、そういうのに気づくのに30年以上掛かってるワケでさ、いまさらしょうがないだろ。

 スラップベースをチョコチョコと調べててさ、突如レッチリが出て来るワケ。ん?なんで?って感じでさ、そっか、言われてみればフリーって結構変態だった…と。んで、取り上げられやすい「Stone Cold Bush」ってのをYouTubeで見てて面白くなっちゃってね、アルバム「Mother's Milk」を買って以来ようやく2度目を聴いたワケよ。一応昔々買っててさ、全然響かなくてそのままオクラ入りしてたんだけど、そういうのって何か目立つトコにあってすぐ見つかるわけ。んで、聴き始めたらエラくかっこ良くってさ、そっか、レッチリってこんなカッコ良かったんだ?って気づくワケ。やっとやってることが理解できたっつうかそういうことしてたのか、ってのが判ったワケよ。ミクスチャーって言えばそれまでだけど、白人なりにファンクとロックの衝動を合わせてグイグイとやってるバンドなワケで、それだけじゃ分からんから元来のハチャメチャぶり…これはロックもファンクもだろうけどそのままのハチャメチャぶりを前面に出して話題取りもあるかな。それで多数の若者たちが面白いってんで飛び付いたのんだから成功でしょ。そしたら実力派とんでもなく持った音楽集団だからやりたい放題に時代を生きてって今でも生きてるってトコが凄い。

 さて、この「Mother's Milk」ってアルバムが昔から名盤だと言われつつ全然わからなくて聴いてなくて、今聞けばそりゃ名盤だろってのはすぐにわかる(笑)。ハチャメチャに弾けててグイグイブリブリしててかつロック的なノイズもガンガン入ってて歌は煽ってくるし、売れないハズないわ、あこれ。白人的ラップも入れてるけど、ラップってんじゃなくって攻撃性のひとつみたいなもんに聴こえるからやっぱロックだわ。それにしても全編忙しく音が鳴り続けてて何かわからんけどアドレナリンが吹き出てくる、そんなアルバムとサウンドだからライブでも盛り上がるだろうよ。そしてフリーのチョッパーだけじゃなくて、それに追随するチャドのドラミングもスゲェ…、何気に…ってか当然だけどフルシアンテのギターもリズム感ばっちりなカッティングだし、非の打ち所のないバンドだったんだという事に気づいたワケです、今更ながら。ちょっと真面目に色々聴こうかな、なんて思ってます…、はい。





Larry Graham & Graham Central Station - My Radio Sure Sounds Good to Me

Larry Graham & Graham Central Station - My Radio Sure Sounds Good to Me (1978)
My Radio Sure Sounds Good to Me

 今までチョッパーをメインにやる、っていうベーシストの知り合いは一人だけで、それ以外はみんなロックベーシストの中でのドライブ感だったから、チョッパーメインのフュージョン的なセンスのベースって結構目の前で見てると衝撃だったな。ちょっと貸して、ってやり方教えてもらって何となく音が鳴るようにはなったけど、どうすんだ、これ?って感じだったけど、それをメインにしちゃうベーシストってのはいるもんだな。そもそもどういうタイミングでチョッパーって使うかとか考えると結構難しいんじゃないかな。今はスラップ、ってのかな。そんな経緯でどんなベーシストがいるんだろ?ってちょろっと見てて、ん?ってのがあったんで…。

 Larry Graham & Graham Central Stationの「My Radio Sure Sounds Good to Me」ってのが出てきてさ、この人って…、そうだよな、やっぱ。元スライ&ザ・ファミリーストーンのトコのベーシストさんで、その後バンド組んで出てきてて、その一曲目の「Pow」ってのがその筋じゃ知らない人がいないだろ、ってくらいのチョッパーでハネまくってるプレイってことで、流してみると笑っちゃうくらいに笑っちゃう(笑)。それだけで曲が成り立つのか?ってくらいに全部チョッパーで、しかもインストじゃないんだよ、しっかりと踊れるファンクなんだよ。こんなに明るく楽しく笑えるチョッパーってのもあまり聴けないんで、感心してしまった。そのままアルバム聴いてたんだけど、アルバムそのものは全然自分的には面白くなくてさ(笑)、ベースとかファンクリズム的には面白い部分あるけど、やっぱこういうの好みじゃないからね。

 あ、うん、黒いグルーブそのままのファンク系なんだが、特にこの人達ならではの音楽性ってのはなくって、ベースがスゲェ好き勝手にやってるのがある、ってだけで普通に歌モノのソウル・ファンク系なアルバムに聞こえます。実際このアルバムがどういう風に評価されてるのか知らないから聴いた限りの感覚で書いてますけどね。それでも多分、こういう音を出していたバンドって彼らくらいしかなかったのかもしれない。自分的なイメージでは小ソウル・ファンクってのはこういうもんだろってのあるけど、他に何知ってる?って言われても知らないからなぁ…。昔よりは聴けるようになったよ、こういうの。好んで何度もは聴かないからやっぱり体質的に合わないんだろうなぁ。





Marcus Miller - A Night In monte-Carlo

Marcus Miller - A Night In monte-Carlo (2010)
ナイト・イン・モンテカルロ

 ブリブリグリグリなベースって昔々よく夏の夜中のテレビで見てたな~、って今思うとそれは丁度80年代初期のフュージョン全盛期だったからナントカフェスティバルやらジャズナントカみたいなのとか結構やってて、色々な人が来日してライブ演ってたんだよね。それのテレビ放送版で、夜中によく見てた。見てたってか夜中テレビつけるとやってたからやっぱり見ちゃってね、こんなんどうやってんだろ?とか単純に心地良いな~って感じでBGMなんだけど聴いてた。その時は全然追求する気もないからその場で誰なんだろ?へぇ~で終わりでね、やっぱロックの方が興味津々だったからさ。

 楽器のカタログなんか見てるとその頃その頃に人気のあったミュージシャンや注目のミュージシャンみたいなのに一生懸命自社の楽器を持たせて広告塔にしている努力もよくあって、こんな人がフェルナンデス使ってるハズないだろ、とかアリアプロ2なんてコイツ絶対使ってない!とかさ、それでも宣伝塔に無理やりしたてて写真載っかってたもん。それでも、そういうのからミュージシャンの名前って覚えちゃうのもあって、その中のひとりがマーカス・ミラー。アリアのパンフに載ってたのかな、かっこいいスタイルのベース弾きだな、って写真だけで思ってた。んで、テレビで見たフェスでのベースの良さってのもあって、ああいうのかぁ…って感じ。んで、そういうのって心地良いな~、この季節ってさ、と思って適当に探して、やっぱりライブ盤、しかも円熟してる方が良いな~ということで「A Night In monte-Carlo」な作品を。

 何せベースバキバキブリブリでグイグイとリズム引っ張ってくのが好きだからね、ライブのグルーブがやっぱり心地良い。知ってる曲が幾つか入ってるのも聴きやすくて、ベースがこんだけメインに鳴ってるのも普段聴かないから面白いわ。やっぱり一流のベーシストだし、アンサンブルもきちんと考えられてるし演奏陣営の力量はまるで問題無いわけで、とすると熱気か?それもプロの領域だから普段から凄まじい。すなわちコレ以上はどうしていくんだ?ってくらいのフルセットが詰め込まれているんだから悪いはずがない。こういう演奏を聞きたければベストなチョイスだったなと我ながら納得。問題は普段からこういうのばかり聴きたいとは思ってないから、ってことだ。んでもさ、やっぱり凄い世界だよなぁ、ホントのミュージシャンってのはこういう作品になるのだろう。ベースって心地良いな。







UPP - UPP

UPP - UPP (1975)
UPP

 以前はそんなに情報量が多くなかったから気になるミュージシャンのセッションなんてなかなか全部は網羅しきれなくて、だからこそレココレ誌なんてのが重宝したし、レコードのライナーに書かれているほんの少しの情報を元に色々と探し回ったものだが、今の時代はそんなもの大した価値はなくなってて、ググれば何か出て来るから後は漁って調べろ、ってなもんだ。実際これは手段としては有用だけど、何気なく読んでて気づくものとは大きく異なるので、どっちが良いかは何とも言えん。意図的に調べるなら今の時代は最高。ただしキーとなるきっかけがなければ深追い出来ないから、何気なく目に入ってくるという状況が少なくなっているというのは明らかに現代はきっかけを逸している気がするね。

 UPPって知ってる?ベック好きな人なら知ってるのかもしれないけど、日本では1993年頃までリリースされなかったらしい…、1975年リリースの英国のベース、ドラム、鍵盤の3人によるファンクフュージョンバンドの作品「UPP」。こいつのプロデュースをベックがやってて、当然ながら上記の三人によるトリオ編成だもんだからギターいないんだな?んじゃ、俺弾くわ、ってくらいに普通にギターとして参加してるからほとんどベック込みのファンクフュージョンバンドになってるワケ。しかも自分のソロアルバムやバンド関係でのプレイとは違って実験的なのも多数やってるし、客演というリラックスした環境からか、楽しそうに弾いてるしトーキングモジュレーターっつうおもちゃで散々遊んでるし、リズムも自身の経験した中では多分あまりここまでグリグリなのはなかっただろうことから、大いにチャレンジして遊んでるような感じだ。

 それにしてもこのUPPってバンドのベースが凄い。ここまで弾くのか?ってくらいのベースでグリグリと跳ねてて心地良いもんね。ドラムも細やかなテクニックがしっかりしてて楽しめるし、そりゃベックも遊べたハズだてな感じで、歌だけはちょいとアカン気がするけど、演奏は楽しめます。曲が良いってのはまるで無いので、演奏だけの話だけど。そこでのベックはもうね、ホント、やっぱりギター好きなセッションマンなんだろうなぁ、ベックのバンドとして出した方が明らかに売れただろうし、ベックのディスコグラフィーには載せておくべきなアルバムな気もする。





David Bowie - Ziggy Stardust and The Spiders From Mars : The Motion Picture

David Bowie - Ziggy Stardust and The Spiders From Mars : The Motion Picture
ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS - THE MOTION PICTURE

 人には向き不向きがある。フロントを担うのが向いてる人もいればそうでない人もいるが、それは紐解くとそもそもそういう楽器をやりたいって思う時に既にその人の深層心理的に決めているのだと思う。フロントマンになりたい人がパーカッションとか選ばないだろうし(笑)。自分はフロント向きだって思ってギターを選んでも実はギターでもフロント向きじゃなくてバック側ってのもあったりしてなかなか思い通りにはならない事もあるようだ。その狭間で勘違いして気づいて行った事でミュージシャン人生を長く楽しんだ人もいる。その中のひとりであろう人がミック・ロンソン。やっぱり自分はフロントマンじゃない、と後になって認識したが、自分はフロントマンになれると思ったのは明らかにボウイとの活動中での人気の高さ。それもボウイの計算づくだったとは思いたくなかっただろうが…。

 David Bowieの1973年、ジギー時代の最終章を記録したライブ映像が映画「ZIggy Stardust and The Spiders From Mars : The Motion Picture」として1983年にリリースされたもので今じゃDVDでもCDでも色々と手に入るしYouTubeで全部見れるってのもある。昔は結構苦労したんだよ、こういうの。映画館の上映が終わっちゃったらあとは万が一にでもテレビでやってくれるか?ってのが淡い期待、それ以降だとビデオで出るか、なんだけどその頃ってビデオソフトって1万円くらいするからとてもとても、って事で、何件ものレンタルビデオ屋回って万が一あるかないか…、ま、ないんだけどね。ってことでなかなか映像ソフトモノって見れなかった。だからこんな映画も今じゃ普通に見れるけど昔は見たくて見たくてしょうがなかったな。初めて見たのはどっかで中古のビデオを発見してようやく何とか買える金額だったから見れたって時だ。大抵こういうのは探していた時の方が夢があって、実際に見てしまうとそれほどでもないというか…、そういう幻想を抱くのが多い(笑)。ジギー時代のボウイが動いてるってのが魅惑的だったけど、こんなに赤くて暗いのって古臭いな〜と当時から思ったくらいだからさ。ボウイってやっぱり時代の最先端を作っていってます、なんだけどその分後になると古さが目立つ部分もあるからこういう衣装にステージング、ロックの原点でもあるし作り上げた一人だしそりゃそういう目線で見ればやっぱりカッコ良い。そこに華を添えていたのがミック・ロンソンなんだな。ギターヒーロー全盛時代にボウイの所にもいるんだぜ、ってばかりにクローズアップされてるし。

 映画はライブそのものの記録映像だけどライブそのものとしちゃ特別凄いライブじゃない。最後のジギー引退宣言による衝撃的瞬間をリアルに捉えて記録してあることが話題だけど、歴史的記録としてのお話になっちゃってる感あるか。ミック・ロンソンのギタープレイをここまで見れるのも、ジギー時代のボウイをきちんと見れるのもこの映画だけなので貴重なんだけどね。それもともかく、この頃のボウイってもちろんジギー中心なんだけど、持ち曲としちゃそれ以前のもあるから当然何曲も演奏されてるし、ジギー時代の曲とのバランスもやや違和感はあるけど元々が全てフォーク路線だからおかしくはない、そしてそこでも残されている曲だから本質的に良い曲ばかりだし、それらがこのロックショウの中で本音を垣間見せてくれてるようなライブでもある。一方で当時の新曲群も試しとばかりに入ってきてるのも見所、ストーンズのカバーなんかもね。んで、やっぱり最後の「ロックンロールの自殺者」が染み入るねぇ〜。この途中にはベックとの共演なんてのもあったんだけど未だにオフィシャルでは出されてないから多分永久に出てこないだろう。YouTubeでは発見できるんじゃないかな。







Ian Hunter - Overnight Angels

Ian Hunter - Overnight Angels (1977)
Overnight Angels

 ふとした時にハマるアーティストだったりバンドだったりアルバムだったりってのがある。昔はそんなにピンと来なかったけど、今にして何か染み入るものがある、みたいなのはよくある話で、だからこそロックを聴き続けているのもあるね。同じアルバムでも異なる側面で聴けるってのもあるし好きなモノはそのままどんどんと聞き取れなかった音までも聴くようになったり、苦手なのもいつしか普通に聴いていたり、聞いた事ないのも簡単に聞いたり買えたりする時代になってるから手がうに試したりと忙しくすればするほど忙しくなれる時代。でもね、何か響くのはまだまだたくさんあるんだろうなぁとつくづく感じます、っていつも書いてるけどね。

 Ian Hunterの1977年リリースのソロ名義で3枚目となる作品「Overnight Angels 」。単純に良いアルバム。イアン・ハンターの歌声に説得力が備わってるから聞いてて響く、わかるよ、いいね、っていうのが単純に染み入るという作品。それだけ円熟味のある歌い手になっているって言うことで、だからこそ今でも活動していられる人なんだな。この時のギタリストはボウイのところで有名になったアール・スリックで、快活なザクザクとしたR&Rギターを聴かせてくれて、ストレートでシンプルなスタイルに拍車をかけている。ゴチョゴチョとあれこれギターを突っ込むよりもこういうギターの方が合ってるし気持ち良いし、イアン・ハンターも重宝したんじゃないかな。やっぱりワンランクも2ランクも上のソングライターだよな。

 そういえばMott the Hoople離脱後はミック・ロンソンと一緒にやるんだ、と意気込んでたけど結局様々な事情で動けず、1980年のロックパラストまでお預けになっちゃってどうしたモンかというトコだったろう。それでもここまでの三枚のアルバムはかなりイアン・ハンターらしい説得力のある作品ばかりでじっくりと聞いてみるには楽しめる。Mott時代よりも全然深い味わいを出している作品ばかりなのはソロ転向大成功という事だろう。多分この人は歌詞も結構意味深だったり深みのあるのを歌ってたりするだろうから、そういう所から聴くのもありだろうね。しかし…良い作品だなぁ…。








Mott - Shouting & Pointing

Mott - Shouting & Pointing (1976)
Shouting & Pointing (Reis)

 フロントマンが抜けたバンドが存続していくためには?ってな命題に果敢に取り組んできたのも歴史的には当然多数あるし、自分が知ってるのでも幾つかある。一人の単なるルリスナーとしては全然魅力を感じないケースが大半だけど、歌が替わったから良くなったってのもあるんで、一概には言えないけど、どっちかっつうとバンド全体が下降ムードにあるか上昇ムードにあるか、またそのテンションが維持できるかどうかって事で随分と変わるものなんじゃないかと。もちろん時代の流れと流行の音みたいなのもあるからテンション上がってても空回りしてるってケースもあるだろう。そんな中の代表的なバンドとしてのMott。Mott The HoopleじゃなくてMottです。

 Mottとしての二枚目の作品となった「Shouting & Pointing」は1976年にリリースされているが、ご存知看板フロント二人を欠いたまま、商業的な事も考えてのMottというバンド名による作品。モーガン・フィッシャーが気を吐いたバンドになっているのだが、それもゆくゆくはBritish Lionsへと繋がることになるが、ここでのMottはその実かなりごきげんなR&Rを奏でるバンドとしてアルバム「Mott」以降の輝かしいR&Rバンドの音をそのまま継続しているし、案外ナイジェル・ベンジャミンのごきげんなR&RボーカルはMottに合っているのか、悪くない作品に仕上がってる。もちろん当時は既に終わったバンドとして見向きもされなかっただろうし、時代が流れても再評価されるってことはほぼ無かったのだが、それでもアナログ時代には逆に手に入れにくかったこれらのアルバムがCDで再発されたって事からすれば多少なりとも歴史的価値を見出してくれているのだろう。それ以上に中身はゴキゲンなのでもうちょいと評価されてもいいかもね。

 初っ端から快活に飛ばしてくれるんでアルバムジャケットに見られるようにハチャメチャぶりそのまま、正に黄金期のMott the Hoopleと近しい音だし、多分この頃の方がバンドとしてはまとまっているんじゃないだろうか。ただ問題はそのどれもがゴキゲンなので途中で飽きてきちゃうという事か。深みの味わいがある曲ってのが無いのがこのメンツでの課題で、そこら辺を上手く出せてたのがイアン・ハンターなのだろう。ただただR&Rが出来るだけでは満足してくれないというリスナーもワガママではあるが…。そんなのもあってかバンドはボーカルを更に替えて、バンド名も替えてBritish Lionsへと駆けたが…。





Medicine Head - Heavy on the Drum

Medicine Head - Heavy on the Drum (1971)
Heavy on the Drum

 まだロックの世界が狭苦しい頃、誰かの友人は誰かの友人でバンド仲間だっていうような狭いサークルの中で人が動いていて、メジャーになったのもいれば売れなかった人もいる。それでも何かの時に誰かと誰かが一緒にアルバムに参加してるとか云うのはかなり多くて、先日のBox of Frogsで言えばそこだけ見ればかなりヘンな関係性なんだけど、歴史を紐解くと至極納得できる人選なんてのがわかってくる。そういうの楽しみ方は今でも多分脈々とあるだろうし、それが作風を決定づける、なんてこともあるしね。

 Box of Frogsにボーカルで参加したジョン・フィドラーさんのライフワークの元となったバンドがMedicine Headって英国のバンドで、その1971年の二枚目のアルバム「Heavy on the Drum」なんてのを…ってのも、この「Heavy on the Drum」ってアルバムのプロデュースを元ヤードバーズのキース・レルフが務めていたってことで、繋がっちゃうんです。そういうのもあってジョン・フィドラーをBox of Frogsのボーカルに据えたってのもあるんですね。さて、このMecicine Headってバンド…ユニットなんだけど、ピーター・ホープ・エバンスってハーピストさんと二人でやってて、リズムは脚でバスドラ叩くだけでギターと歌とハープで…っつう訳の分からんユニット構成。その分ユニークなアプローチが試みられてるのはあるんだが、どうしたって単調になる。それでも70年代の特徴かな、熱気と空気感が封じ込められてるからテンションは以上に高くて一気に聴けてしまうのはさすが。ティラノザウルス・レックスみたいなもんか。Medicine Headはもっと土臭くてSSWの作風に近いからおおよそロックな世界観とは異なってるんだけどね、ただ、この頃って何でもあり的なのあったからその一環でのチャレンジ精神もあったんだろう。キース・レルフもこの頃似たようなフォークバンドやろうとした頃でしょ?何か繋がるんだよな。

 アルバムとして聴いてみるとどうか、と言われると何となくサイケ風味もまだ持ちつつ、土臭いSSWの味わい、ただしバスドラは常に鳴ってるのでそれだけが普通のSSW的なのとは異なってて妙な感触を覚える。歌も取り立てて感動するってんでもないし、ギターもハープもそれは然り。ただ、どことなく訴えかけてくるメッセージのような歌声が染み入るって部分はあるので、フォークとの狭間の世界として聞いているとわかりやすいか。ゆくゆくはロックへ進む結果となったバンドの初期作品としてはなるほど、こういうルーツかと言うのがわかる隠れた傑作か。何気にメロディとか歌とか嫌いじゃないんだよね…。





Box of Frogs - Box of Frogs

Box of Frogs - Box of Frogs (1984)
BOX OF FROGS

 ふと思い出して探してみるとしっかりとライブラリには残されているというアルバムは多分数多くあるのだろうと思う。それでも記憶が定かで無いのはやっぱり聴いた回数が少ないからだし、それほど印象にも残ってないから。もちろん自分の好みの作品じゃないからってのもあるけど、長くロックとかジャズでも同じだろうけど、レコード集めとかしてるとさ、バンドが好きで、そこからのソロ作とか離脱して出来たバンドの作品とか再結成とか兄弟バンドとかそういう関連性のあるのも聴いたりするワケでね、それらってのは元々のバンドの音からはかけ離れてたりするのも多いし、大抵はそんなに面白い作品じゃない(笑)。でも、資料的に興味的に皆何かしら持ってるし、そういうのを狙って作りても売ってる気がする。そりゃ何枚くらいは売れる、って見込めるんだからやらない手はないわな。

 Box of Frogsって知ってる?何だっけ?って記憶の片隅から引っ張り出してこないといけない人も多いかもしれないし、素直に何だそれ?って人も多いだろうし、あぁ、そういうバンドだったんだ?って人もいるか。Box of Flogsのファーストアルバム「Box of Frogs」は1984年にリリースされてたんだな。簡単に書けば元ヤードバーズの三人がまた一緒にやろうって話でやっってるバンド、そこにMedicine HeadやBritish Lionsなんかで知られてるジョン・フィドラーってのが参加したのだな。んで、ヤードバーズっつうとギタリストは誰?ってなるワケで、そこがレコード会社も気になったらしく、ベックが参加するならいいよ、って事になって、しっかりとベックが大部分参加しているという奇跡のようなアルバム。更に何故かロリー・ギャラガーまでもが参加しているし、鍵盤はベックがらみだろうと思しきマックス・ミドルトンが参加。いや〜、話題だけはしっかりと集まったアルバムだったが中身ははて…。

 一言で言えば「つまらん」(笑)。ベックは無難なギターをさらりと弾いてくれてる程度であくまでサブ的位置づけでしかないよとのアピール。ロリー・ギャラガーはギタリストらしいプレイで、ヤードバーズに参加してるんだ、みたいな気負いもあったのか、結構アグレッシブに弾いてくれてるので目立つといえば目立つ。が、根本的に80年代のあの音で出来上がってる商業路線な音で、そこにはロックスピリッツが存在しているような音じゃないから単なるポップスとの横並びで聞く味付けだから面白味のかけらも感じることの出来ない作品に仕上がってしまったようだ。時代の産物かねぇ〜、ってのと、やっぱりキース・レルフとギタリスト達のバンドだったんだ、というのが強まってしまったな。まぁ、それでも次回作はジミー・ペイジも参加したりと話題性には事欠かないのは救いだっただろう。





Jeff Beck with The Jan Hammer Group - Live

Jeff Beck with The Jan Hammer Group - Live (1977)
ライヴ・ワイアー

 歳を重ねてからも相変わらずロックなガキのままで未だに何かのタイミングでギターなんかを眺めていると欲しくなったりするし、実際買っちゃった〜って話もよく聞く(笑)。まぁ、大人だから10万弱くらいのギターだったら買えちゃうけどさ、でもどっか自制したりする事も多いわけで、それでもやっぱり買っちゃった〜ってのは欲しかったんだろうな〜っていうその無邪気さが好きだ。自分もそういう時あるけど、スゲェ嬉しいんだよねぇ〜、何言われてもさ。そっからまたいじりまくって弾いてて昔みたいに時間はないから存分には弾けないけど、弾けるだけ弾いて、そしたら昔のアルバムとか曲とかをまた聴き直したりしてと結局大人になれない世界にはまいってしまうのだ(笑)。

 昔ジェフ・ベックって苦手だったんだよねぇ。ところが今じゃベック、カッコイイわ〜、どれが好き?とかそんな話になっちゃったりするくらいには聴いてる。んで、今回も何となくそっか、ってことでベックの「Live」を聴いてた。1977年リリースのライブ盤だけど、元来はヤン・ハマーのライブに飛び入りした…ってか一緒にツアーで回ってた時のライブ音源まとめでのセッションをその白熱ぶりに感動してライブ盤にしたという事かな。昔はこのアルバムは理解できなかったから苦手な有名アルバムだったんです(笑)。それをさ、普通に聴いてると、何かスゲェぞ〜、これ。音は確かに嫌いな世界もあるけど、ライブ盤として、ライブとしての白熱ぶりはものすごいし、熱気もプレイの充実ぶりも緊張感もプロフェッショナル感も見事なまでに調和していて、ベックこういうの楽しかっただろうな〜って思うくらい。ヤン・ハマーの方は普段からそんなセッションばっかりだから今更かもしれないね。マクラフリンとやってたワケだし。でも、こんだけおのロックプレイに徹しいたベックとのジャムはテンション高かったんじゃないかな。

 こんなに攻撃的でアグレッシブなギタープレイを昔からしてたっけ?って聴き直したくらいに昔はその周囲の音が嫌いだった。ベースも凄いんだけどプレイと音が好きじゃない、歌も軟弱で好きじゃないし、鍵盤の音もあまり好きな音色じゃないからほとんど好きじゃない要素が揃ってるから昔から聴いてダメだったんだろう。でも、このベックのプレイはやっぱり凄いって。メロディはキチンと、それでも個性的にプレイしてフリー部分では目一杯ギターという楽器を鳴らし倒して圧倒してくれて、バンドアンサンブルに戻す、う〜ん、上手い。他人を立てるのも上手いし自分が際立つのも上手い、ギターの巨匠と言われるハズだ。今更ながらこの人の偉大さに気づいたかも。遊び要素もふんだんに入ってて、最後の最後で「Train Kept A Rollin’」が挟み込まれるジャムって一体??(笑)。





Yardbirds - The BBC Sessions

Yardbirds - The BBC Sessions
The BBC Sessions

 ふと、自分的原点に立ち返ってみた。ってのもロックへの入り口は全然違う経路だけど、あれやこれやと遡っていって結局60年代のブルースロック黎明期あたりにその源流を見出して…、いや50年代のブルースとかロカビリーってのもあるんだけど何となく自分的好みの源流は60年代なんだろうと。好みは70年代だけど、源流は60年代、ルーツは50年代ってのもあるが、60年代ってのが色々と時代も含めて源流的なトコでね、その中でもビートルズやストーンズもあるけど、やっぱり自分的にはヤードバーズだったりする。そりゃもうZeppelinからの流れなのでそうなるでしょ。ただ、ヤードバーズって実際はジェフ・ベックのバンドだったに近いんだよな、活動歴的には。クラプトンって最初だけで即いなくなっちゃってるし、いなくなったきっかけが「For Your Love」のコマーシャル性ってんだから、そこからヤードバーズは売れてったのもあって、結局ベック時代最強だったワケだ。

 オリジナルアルバムは大抵書いてる気がするのでヘンな所から「The BBC Sessions」。色々な形で手を変え品を変えとリリースされているんでこれじゃなくても良いけど、かなり熱いライブが音は古臭いけどガッツリ聴けるのが好きだね。モノラルで音の塊がガツンと来る。演奏も時代時代によるけど、概ね迫力ある若者のプレイよ。先のコマーシャル性を気にもしなかったベック時代から売れてったのでほとんどがベックのプレイ。正直言ってベックのプレイがヤードバーズというバンドの中でどんだけ聴かせどころがあったんだろうか?ってのはいつも不思議に思う。だれでも弾けるギターが入ってるだけじゃないかって程度のプレイしかしてないし、実際ライブではトリッキーだったらしいけど、ライブ見れねぇし、アルバム聴くだけしか出来なかったから何が凄いのかわからんかった。後のベック・グループとかあったからそう評価されてるのだろうけど、この時代のベックだけを聴いてると至って普通。だからバンドの一員としてバンドを支えていたって意味ではそうなんだろうし、だからヤードバーズも割と飛ぶ鳥落とす勢いだったんじゃないかと。

 言われてるほどギターヒーローが活躍するバンドじゃない。きちんと英国ホワイトブルースロックバンドとしてコマーシャル性も取り入れながら前面にブルースロック色を出していた割と特異なバンドか。ストーンズよりもよっぽどオリジナリティがあったバンドだし、ビートルズよりもよっぽど激しくロックなバンドだった。どっちかっつうとモッズバンドに近い部分あるからザ・フーあたりとの比較になるのか、それでも結構なパワーを持ったバンドってのはこの「The BBC Sessions」聴いてると割とよくわかる。案外単なるブリティッシュビートみたいな扱いされたりしてるけど、そんなことなくてかなりハードなバンドなんだよね。ベックのギターもここぞと言う時はアグレッシブに炸裂してくるし。そんなライブの状況がよくわかる「The BBC Sessions」は久々に血沸き肉踊るロック魂が揺す振られました♪



John Mayall - Crusade

John Mayall - Crusade (1967)
Crusade

 自分なんかは60年代のレコードの音くらいなら普通に聴いてるから取り立てて聴きにくいとも思わないし、そりゃ古臭いとは思うけど慣れちゃってるからそれよりも先に音楽を聴いてしまっているとかその封じ込められた空気感を聞いているって方が大きいのかもしれない。でも、こないだふとそのヘンを聴いてて、こんな古臭くて聴きにくい音って今の時代に好んで聴いていこうって人間の方が少ないだろうなぁと、妙に納得してしまった。Led Zeppelinの話なんかでも音が古くてダメって人もいるだろうし、やっぱそういうのあるだろうなと。ただ、じゃ、これが現代的な音になったら良いかっつうとこれまた何かを失くすワケで、やっぱり時代の空気感なんだという気がしている。Freeのベスト盤をボブ・クリアマウンテンがリマスターした時に完全に90年代の音になっちゃっててもうフリーに聴こえなかったという事もあったし。

 1967年にリリースされたそれこそ古臭いの極地でもある感じの音で聴けるJohn Mayallの「Crusade」というアルバム。ご存知有名ギタリストを何人も排出しているJohn Mayallなのだが、この時点で既にクラプトン、ピーター・グリーンとも巣立っていってしまったってなモンで、今度はってことで発掘してきたのがミック・テイラー…、これもストーンズ行っちゃうんで、ホント哀れといえば哀れな人かもしれないが巨匠と言えば巨匠だろう。本人はどんだけ懐深い人だったのかは知らないけど、やっぱり食ってくにはちょっと文句も言いたくなるだろう(笑)。そんな台所事情はともかくとして、この「Crusade」はミック・テイラー参加のアルバム、ミック・テイラーからしてもまだ若かりし頃に巨匠に拾ってもらって多分初のレコーディングなんだろうけど、気合満点のギター弾いているっていう期待もできるワケよ。もちろんその通りに引き倒しているし、後のミック・テイラーのプレイを知ってる人には既にこの時点でああいうギタープレイしていることも聴けるしね。

 ん〜とねぇ、ホワイトブルースっても、まだギターが主役の時代じゃなくて、ブルースロックバンド、っていう程度の頃はこんな感じなんだよね、どこもかしこも。ストーンズもそうだし。改めて思ったけど、自分が好きなのはこういうホワイトブルースの名盤っていう類じゃなくてギター弾きまくりのが好きらしい(笑)。物足りなさを感じてしまうからさ。でもそればっかじゃ飽きるだろうし、難しいですねぇ。ってコレ聴いてるとこういうので良いのかも、って思えてくる一方、別にコレ聴かなくてもいいか、っても思っちゃう。ミック・テイラーのプレイを楽しむってことともちろんアルバムとしてもしっかりとホワイトブルースの王道なのでサックスもオルガンもハープもきちんと揃った教科書的な作品とも書けるか。ちなみにドラムはキーフ・ハートレイ…、やっぱこの人は才能を見出す学校なんだな(笑)。



Peter Green Sprinter Group - Soho-Live at Ronnie Scott's

Peter Green Sprinter Group - Soho-Live at Ronnie Scott's (1998)
Soho-Live at Ronnie Scott's

 やっぱりロック好きなんです。だからホワイトブルースが好きなんです。ホワイトブルースってブルース好きに言わせるとロックだと。じゃブルースって何だ?って話になる。そんな下らないこだわりがマニアの頼もしい所でね、人がこだわらなくて良い所にこだわることこそ職人芸、マニアの世界ですな。何かを極めていけば自然にそうなるのはどの世界でも同じだし、もう反論とかってよりも相手を尊重して会話が出来るってなもんだ。下らん事はいっぱいあるけどね(笑)。

 Peter Green Sprinter Group名義での1998年のライブアルバム「Soho-Live at Ronnie Scott's」。そう、1998年です。その4月5日にロニースコッツのクラブでのライブをほぼ丸ごと記録しているんじゃないかな、復帰後のピーター・グリーンって聴いてなかったからちょっと聴いてみたいなって思ってライブに手を出してみた。元々このSprinter Groupにはドラムがコージー・パウエルで、ベースがニール・マーレイだったという意外なメンツによるグループだったようだ。コージーは相変わらず割とすぐに辞めちゃったらしいけど、このライブではベースはニール・マーレイのままで、意外なほどブルースにきちんと馴染んだ堅実なベースプレイが聴けるのはさすが職人。今回は音楽の好みとかじゃなくて人間としての付き合い部分で参加していたのだろう。結果的にやっぱり色々あって脱退してしまうんだけど、最初のインパクトとしては絶大だよね。ゲイリー・ムーア周辺がこの復活劇に相当協力した結果なのかもしれないなという憶測はもちろん働くんだけどね。蛇足だけどこのライブが収録されている夜、皮肉にもコージーが交通事故で他界した夜だったってことで多々思いもあってのリリースだったろうと。

 中味について言えば、ブランクなんて何の関係もなく普通に、どころか円熟味を増して…ってもこの人昔からこういうブルースギターだからほぼ変わらないのか。ちょっとギターの音に色気がついてきた感あるけど、年取ってからの音でこんだけ色付いてるのはなかなか珍しい。フレーズなり曲なりプレイなりトリッキーな聞かせどころなりはもうそのまま健在で、ギターはストラトなのかES-335なのか、そんな雰囲気の音で相変わらずの色気あるギター。確かにクラプトンと似た系統のギターボーカリストでもあるかなという感じはあって、実は自分は昔からこの人のプレイってよく理解できてません、というか好みじゃなかった。今でも好んで聴くブルースメンってんでもないんで、今回も聴いてみたんだけどどこが、ってのがちょっとわからない。多分、表現としてのブルースは良いんだけど、もっと命削ってる音の方が好みなだけだろう。枯れた音とかって苦手だしね。それでもこういう音でこういう作品で復活してきてシーンにいる、ピーター・グリーンに影響を受けたギタリスト達も多いし、こういうブルースもあるってのわかるし、やっぱライブだから聴いてて聴き応えはあるよ。



Paul Butterfield Blues Band - East-West Live

Paul Butterfield Blues Band - East-West Live (1996)
East-West Live

 人間追求してハマったミュージシャンを聴きたいと思うと何でもかんでも手を出していくってのがあって、顕著なのはアイドルの追い掛けなんて人は正にそうなのだろうけど、その対象はともかく行動・行為としてはディープなロックリスナーなんかも同じ部分あるし、鉄ちゃんだってそれは同じだ。要するにマニアの世界ってのは対象が違うだけでやってることは同じということで…、まぁ、その対象が世間レベルとのバランスがどうなっているかによってそのマニア度の方向性が疑われたりもするのだろうが、それはともかく、ハマると色々と漁るものなのだ。それってもちろん有限なんだけど、それでもレコード屋でCD見つけたりして発見するのは面白かった。今はアマゾンなんかで探して片っ端から買えば全部揃うのかもしれないけどね。

 Paul Butterfield Blues Bandの超マニア向けディスクとしてリリースされている「East-West Live」という発掘ライブ作。それでも1996年にはリリースされていたんだからそれだけ市場人気が見込めているバンドだったのだろうか。聞けばマーク・ナフタリンの発掘音源ってことなので単にカセットテープから起こして金稼ぎの一環だったのかもしれないが、それでも大変ありがたい代物…、高校生くらいの時にこの人達にハマってず〜っと好きだからなんかあるとつい買っちゃってね…。それにしてもコイツは実にディープなライブ盤なのでホント、こんなライブアルバムはオフィシャルでこれ以外見たことがない。何が凄いって、バターフィールド・ブルース・バンドの名盤「East-West」に収録のタイトル曲「East-West」のライブバージョンが異なる会場でのモノとは言え、3トラック入っているだけという代物なのだ。「?」だよね(笑)。最初これ店で見つけた時、コレって…あの「East West」だよな…、それを3会場分入れてるって?みたいに思ったものだ。いま見ても凄いと思う。でもさ、凄く興味そそられたのは1曲目の66年Whisky a Go Goが12分半、2曲目のシカゴライブが16分弱、最後は67年のカリフォルニアのGolden Bearだけど、何と28分強の演奏で、もちろんメンツはブルームフィールドとビショップだから明らかにそこにバターフィールドが絡んでのジャムセッションが繰り広げられてるワケ。

 こうなるとジャズセッションみたいなモンだから、テーマとコード進行が同じだけでプレイも流れもフレーズも全部別物、時代も違うし熱気も違うし音も違うからひたすらにギターを追い掛けて聴けるという楽しみがある…、ある、ってそれ、どんだけニッチな楽しみなんだ?って話だけどさ(笑)。いや〜、でもね、面白いもので、基本ブルースなんだけどご存知のように曲がモード的なので淡々と流れていく中、決してブルースにこだわっていないブルームフィールドの東洋的なアプローチによるギタープレイが軽やかに流れていく…いや、軽やかじゃないけど、音的には不思議な気分になるフレーズをどんどんと紡いでくれて、ブルースセッションとはかけ離れたモードセッション、それでいて曲にも展開があるからそこはブルース流に見事に切り替わっていくというかね、今のところ世界のこのバンドでこのメンツでしかこういう曲って無いんじゃないだろうか?って思うくらい独自世界が強いセッション。だから28分バージョンなんてのも普通に追いかけながら聴けちゃうんだけど、それにしてもよくこんなのオフィシャルでリリースしたものだ。ちなみに音質はカセット録音なので普通の音、取り立てて良い音じゃないけどライブ盤ってこんなもんだろ、しかも50年前の代物なんだからね。

 バターフィールド・ブルース・バンドってこういう発掘ものが幾つかリリースされていて、ハーフオフィシャルみたいなライブ盤もあったりするんでギターヒーロー在籍時代のライブってのがちょこちょこ聞けたりするのは嬉しくって、ついつい、あ、これ聴いてないかも、って買っちゃう。ってか聴かないとって気分になるんだよねぇ…、そういうバンドやミュージシャンが多くなってく一方なので困りものなんだが、コイツはその中でもホント究極だったな。マニアにオススメ(笑)。







Johnny Winter - 3rd Degree

Johnny Winter - 3rd Degree (1986)
3rd Degree

 その時代その時代に良いギタリスト、ロックなんてのは必ずあるもので、やっぱり音楽の世界は広いな〜って。ポップシーンが盛んなのは今も昔も変わらないけど、それだけじゃなくてちょっと違う所を眺めてみれば自分がハマれる、カッコ良いと思えるサウンドに多分出会える。別にそれを求めてるワケでもないだろうけど、ふとしたきっかけで聴き始めるってのは皆経験があることだろうし、それが多分人生のBGMにもなる。だったらず〜っと好きでいられるサウンドを早く見つけておくのは割と悪くない。自分的にその内のひとつがブルースだった。

 1986年リリースのJohnny Winter作品「3rd Degree」。アリゲーター3部作の最終作、もうね、アリゲーターから出てきたのは全てこんな感じに何と言うのか…ロックブルース的な位置づけの作品ばかりで綺羅びやかなんだよな。一番商業的にも売れた時期だろうし、名前も売れた時期、音的にもかなり充実していたんじゃないだろうか、だからこそ伸び伸びと好き放題、やりたい放題に弾けてギターを弾きまくり歌っている。バックにも旧友トミー・シャノンなんてのも読んでて…、この頃彼はSRVのダブルトラブルだったからね、ジョニーとSRVのジャムなんてあったら面白かったろうなぁ…、ふたりともうるさすぎて譲らなかったりするんだろうか(笑)。どっかにあったりするのかもしれないけど、今まで聞いたことはないな。

 初っ端からハードなスライドで現代に蘇ったエルモア・ジェームズみたいな勢いから始まり正にブルースの世界にはこういうサウンドがあるんだぜと言わんばかりに様々なブルースで聴かれるスタイルを叩きつけてきてくれるカッチョ良いアルバム。エレキもアコギブルースもありでホント何でも出来る凄い人で、存分にその才能が弾け出てきてて傑作に仕上がってる。当時からよく聞いてたな〜、これ。普通にロックとして…ってかブルースロックって知ってて聴いてたけど、何か異世界の音でよくわかんなかった。でも、何か凄いんだよな、ってんで聴いてた。SRVはもっとわかりやすかったけどジョニーはもうちょっとかかった。懐かしいな。



Stevie Ray Vaughan - Live at Carnagie Hall

Stevie Ray Vaughan - Live at Carnagie Hall (1997)
Live at Carnagie Hall

 日が暮れてからの気温がかなり落ち着いた感のあるこの頃、到底夏が終わったとは言えないけど暦の上での立秋を超えているからかちょいと夏の終わり感を感じる、そして秋の始まりを微小ながら感じる季節…とは言え、まだまだ日中は当分暑い日々が続くのだろうが、案外短い夏という季節だなとも思う。暑いから、と言って嫌ってしまうのは可哀想なくらいの寿命しかない季節だとも言える。夏の味方した所でしょうがないのだが、ふとそんな事を肌で感じる事があったんでね。そう思うとお盆休みってのは夏の終わりにご先祖様を迎えるイベント事になるのだ。大して気にもしてないんでご先祖様には申し訳ないのだが…。

 ハードにドライブするスカッとしたギターが聴きたかったんで、やっぱり大御所登場です。Stevie Ray Vaughanのライブアルバム発掘盤「Live at Carnagie Hall」。っても1997年にリリースされているんでまだマシな方だが、ライブそのものはSRVが30歳になった記念日に何とカーネギーホールでのライブを行ったもので、いつものトリオ編成から兄貴他のゲスト陣に加えてブラスセクションをも迎えた正に誕生日イベント的なライブだったもので、全部じゃないけどそこそこ曲数も入っているもの。1984年のライブだからセカンド・アルバム「Couldn't Stand the Weather」を出した後のようだ。何気なく聴いてて、相変わらずハードにラフにドライブしたギターでホントにスカッとするんだよねぇ、この人のギターは。ストラトの音色を見事に使い分けて音を使い倒し、更にフレーズのスピードや指さばきの華麗さが心地良くてね。こんだけライブでグイグイやってるのを記録しているのもそうそう多くないんじゃないだろうか?調子悪そうなのも多いし、ビデオでも今一歩ってのも多いから、そういう意味では結構なノリノリの状況をきちんと聴かせてくれるライブ盤。

 一体どうやって弾いてるんだ?ってのから始まる冒頭から圧倒のライブ…、あ、その前にジョン・ハモンドのお紹介MCからってのも格式あるカーネギーでもあり、ブルースをしらしめることに貢献した男の紹介というありがたき登場。そういうお膳立てはもう存分に出来上がっていたことから特別視されていたショウってのはわかるが、その期待をまるで裏切ること無くこれでもかってばかりにギターを泣かせるプレイは凄いの一言に尽きる。何気にカバー曲も多いのでSRVのルーツ的な所も見えるので、頼もしい。今でもSRVフォロワーはたくさんいるけど、やっぱりオリジネイターのこの迫力とプレイに比べちゃうとまだまだだな、なんて思うもんな。



John Mayer Trio - Try!

John Mayer Trio - Try! (2005)
Try: John Mayer Trio Live in Concert

 何かブルースロック系で熱いの無いかな〜ってアレコレ探してたんだけど、大抵はひと通り聴いたことある感じので、ん〜、それでも良いんだけど…って思ってる所に見慣れないジャケット発見。最初はなんでここに「Someting Else」のジャケットが?って思ったけど色合いとデザインが似てるだけで書いてある文字は違ってたんで、はて?と。John Myerって名前聴いたことあるけど…、ベースにピノ・パラディーノ、ドラムにスティーブ・ジョーダンっつうメンツ…何かスゲェな…、そんなギター弾くのかな?って何となく興味持ったんで…。

 2005年リリースのJohn Myer Trio名義での「Try!」。John Mayerって…ポップ界のアイドルみたいな感じじゃなかったんだっけ?そういう側面もありつつの来歴見てたらしっかりルーツはSVRやジミヘン、チャック・ベリーだったりするので、些か驚いた。それでポップシーンか…と。ま、でもこんだけのメンツをバックにトリオでプレイするって事はそんだけのギターと歌があるんだろうという期待で聴いてみる。うん…、うん。あまり味わったことのない質感な音だな。ポップ的な軽やかさはありつつもしっかりと聴いているとキチンとルーツに準じたフレーズだったりするという…、それでも軽いおしゃれなサウンドに聞こえてしまうのは何故だろうか?バックがこれなのに…。歌はもちろん上手いし感情もしっかり入ってるし非の打ち所もないけど、残らない…、ギターもしっかりとしてるんだが、音が小奇麗なのかなぁ…、サラリと抜けてしまう感触。多分聴き方が悪いんだろうと思うが。

 何か不思議とギターにも歌にも集中仕切れない音っつうのか…、バックに集中することもないから、じゃ、どうすんだ、ってなると曲に集中するのか?ってほど名曲ってのは無いし、やっぱりプレイで聴かせるバンドなのだろうからそこに集中しないとダメなんだろうが、それが出来ない…。ジミヘンのカバーの「Wait Until Tomorrow」だってスゲェことしてるのにサラリと流れてしまって…。何か本質的にポップス領域の音なんだろうか。ロックが持つダイナミクスさや生々しさってのが無いのか?ん〜、意外と面白味に欠けたライブアルバムだった…。YouTubeで見る他のライブは結構面白いんだけど、音処理の問題かもね。







Rory Gallagher - Top Priority

Rory Gallagher - Top Priority (1982)
Top Priority

 アグレッシブなブルース・ギター、そして熱い熱い魂をぶつけてくれる男と言えばやっぱりRory Gallagherに尽きる。もうじきTasteのボックスやらDVDが出ることから結構な頻度でそいつがアマゾン画面にリコメンドで登場してくるんで、聴きたいな〜なんて思ってね。んでも、結構な数のアルバムを書いてしまっているんで、何がいいかな〜と漁って見ると、こいつ書いてないんだ…とまたまた自分のブログの抜け漏れを楽しんで見つけたんで、書いておこう。

 Rory Gallagherの1982年のハードロック寄りの作品「Top Priority」。ハードロック寄りっつうか、もうハードロックそのもので、ブルースハードロックっても過言じゃないくらいに歪んだギター弾きまくりのグイグイとドライブする楽曲とプレイ、更に言えば結構なポップメロディも振り掛けられている感じもあってとっても聴きやすい。売れたのかな?売れてもおかしくない音だけどそこは上手くいかないのがショウビジネスの常、こんだけハードにドライブしたアルバム「Top Priority」くらいなんだけど、普通に時代に沿って考えてみれば1982年だからNWOBHMなんかも出てきてるし、ロリー・ギャラガーの作品としてはハードってだけで一般的には全然ハードじゃないんだろう、ってことはやっぱりちょっとズレてたってことになるか。R&Rとしちゃ進化系だけどさ、別のところからもっとスピーディでハードなの出てきてるもんね。キンクスなんかもこの頃同じくらいにハードな路線でアメリカ進出してたけど似たような目的だったのかな。

 そいつはともかくとして、最優先事項ってばかりの「Top Priority」、オープニングから来きやすさ満開、そしてストラトの線の細い音でのハードな歪音、自分的には一番苦手な音なんだが、やっぱりここでも苦手だな〜と実感。ジミヘンとか平気なんだけど他の人のストラトの無茶な歪音ってのはどうも苦手だ。ソロならいいんだけどバッキングであの音だとどうにも耳障り。これはもう好みだね。なので音と言うよりもプレイで聴いていくんだけどかなり気合いと熱気の篭ったプレイがアルバム全体で聴ける…それはアルバムがハードだからそういうプレイになっちゃうってトコだろうが、しっかりと味のある所も出てるんで、じっくりと向かい合って聴けばものすごく味のあるアルバムなのだが、そこまで聴けるか?ってのが曲の弱さ…もっともR&Rなんだからそんなに良い曲も何もないって話だけど、そこがポップ路線だもんだからもうちょい、みたいになってるかな。まぁ、そんなんどっちでも良くってシタールみたいな音でソロが奏でられる曲、スライドで弾きまくるソロ、ブルースベースに弾きまくるソロ、幅広いアプローチも見逃せない要素で堪能できます。でも、自分はこのギターの音がやっぱり苦手だ(笑)。







Albert Collins - Funky Blues Live 1973

Albert Collins - Funky Blues Live 1973 (2014)
Funky Blues Live 1973

 ブルースの世界でも発掘モノってのは割と広がっているようで、真偽の程が問われるものも多いとは思うのだが古くから何かと発掘されていたラジオ音源なんかはオフィシャルでリリースしましたってのが割とあってライブラリを増やすことが出来る。とは言っても何でもかんでもってやってたらキリがないんで好みのものばかりになるが、アマゾン漁ってたら何とAlbert Collinsのあまり見たことのないジャケットでのライブ盤があったんで、ふと何だろ?と。

 1973年のケンブリッジでのライブアルバム「Funky Blues Live 1973」ってことで発掘モノだろうなぁ…、当時ラジオ音源で流れていたとも思えないから会場での録音だろうか。この人1971年のアルバムリリースから78年のアリゲーター移籍までアルバム契約なしでライブ活動しかしてなかったみたいなので、73年のライブがオフィシャルで録音されていたようには思えないからさ、多分ライブ会場での録音じゃなかったんだろうかと邪推。それはともかくながら今となってはこの頃のライブ音源が聴けるのはありがたいね。元々ギタリスト志向の強い人だったから基本的にインストが多い方で、このライブでもインスト系は割と多いとも言えるからポップシーンにはやや退屈な感じだっただろう。それでもテキサスブルース満開の熱気を繰り広げてくれているんで楽しめるってもんだ。

 自分が好きなアルバート・コリンズはもちろん80年頃のなので、73年のだとちょいとまだそのプレイとは異なってて未完成と言うか、弾け切れてないっつう感じもあるかな。洗練されてないってのか…、アリゲーター行ってからはかなり洗練されてシーンに出てきたからそっちの印象が強いってのもあるけど、それまではもっとコテコテのブルースセッションって感じだし。それはこのライブ盤でもわかるんだけどメリハリがそれほどでもなく、ギター一本で勝負してるっつう、アンサンブルはあまり考えてないっつう感じでね、ギタープレイそのものはさほど変わらないけど全体の音を見る視点が変わったんだろうな。

 堅苦しいこと抜きに、73年のアルバート・コリンズを楽しめるって意味では貴重な記録だし、それが普通に聴けるのもありがたい。テレキャスのアグレッシブなトーンは相変わらず、どう聴いたって太い弦張ってるのはわかるし、それでいて指弾きだから強弱のテンションが素晴らしくわかりやすいという、ホントに今でも唯一無二のプレイをひたすらに聴かせてくれるブルースメン、ライブは熱いです、とっても♪



Buddy Guy - Born to Play Guitar

Buddy Guy - Born to Play Guitar (2015)
Born to Play Guitar

 新作情報見てて、スゲェなぁ、まだ新作出してくるのかこのジジイ…ってのが、しかもこのジャケットだよ、やってくれるぜよ。そう、Buddy Guyさんです。もう何枚目とか意味が無い。何が傑作とかも大して意味が無い。自分が気になった時に手に入るアルバムを聴いていけばいいだけだ。どの作品だろうが間違いなく魂揺さぶるブルースであることに変りはない。ギターも変りはない。だから安心していつだってアルバムを手に取って聴いてくれ。そういう人も珍しいし、特異な存在だろう。ましてやロックが生まれるかどうかの頃からブルース演ってた人だ、それが今でもロックのジジイ達よりも元気にブルース演ってるんだぜ、スゲェよ。

 こないだ出た新作「Born to Play Guitar」。まぁ、このジャケットだよ、ホントに。ジミヘン、見てるか、ってなメッセージなんじゃないかなぁとも思えるし、ギターにしゃぶりついてるジジイってのもある。そんな事想像しながらニタニタしながら聴き始めたんだけど、クレジット見ててふと気づいた。何だ、こんな所にJoss Stone参加してるじゃねぇか。やっぱ、こういうところで熱唱しなきゃ勿体無いだろって思ってたのは自分だけじゃなくて、本人もそうだったのかななんてちょっと安心した(笑)。まぁ、8曲目に参加してるんだけど、さすがにバディ・ガイのエッセンスにかかるとJoss Stoneの存在感も薄くなろうと言うものなのか、熱唱ボーカルしてるんだけど年の功のシャガレ声とのジャムは分が悪かったか…、いやいや、それでもやっぱり大したもので、安心したね。もう一人ファブラス・サンダーバーズで知らてているキム・ウィルソンが数曲参加してるのもあるし、2曲目ではクレジット見る前に聴いてて、あれ?って声を聴かせてくれたのがビリー・ギボンズ、ここまで来るとさすがに見事に相対しているんで楽しみなジャムに仕上がってるね。

 しかしいいのか?こんなジジイのアルバムがこんなに楽しく聴けて…(笑)。結構トリッキーなこと演ってたりするからブルースのアルバムっつうよりももうバディ・ガイ的にひとつの極めた世界感を持っててね、エレクトリックロックブルースなんだよね。白人だったらロックと呼ばれる類の世界。黒人で、リアルブルースからの人だからロックブルースとはあまり言われずにブルースメンなんだけど、やってるのは多分ジミヘンに感化されてのロックブルース。だからストラトで弾きまくり、トリッキーにギターの音を出し、歪み具合もあれこれいじってるしねぇ、ギターの音そのものが多様性あるんで、色々やってる気がする。んでもってそもそものブルースプレイなんだからそんじょそこらの人間が超えられるハズがない。もうそんな域に入ってて、そのまま死ぬぜってくらい突っ走ってる。こんなジジイ、いいよな。魂の全てとエネルギー全てをギターと歌に託して曲とアルバムにしてるってのがわかるし、聴いてても痺れる、ホント。こういうので痺れなかったら何で痺れるんだってくらいの傑作だ。どの曲もどのギターもどの歌もひとつひとつが命を削って出てきているかのようなプレイで…、泣けてくるよ、全く。

 そして後半の最後にはヴァン・モリソンとBBキングに捧げるブルースですよ。BBよりはちょいと下の世代になるバディ・ガイ、それでも近しい目標となる人だったろうし、その死はかなり染みたんじゃないだろうか。そういうのもあってのトリビュート作品か、ヴァン・モリソン風味の効いた、単なるブルースに仕上がるはずもなく、オルガンが教会風味を醸し出し、ストラトの音がそこに入り込む、もちろんヴァン・モリソンの歌声は哀愁を帯びているからこその、言うならば聖歌ブルースだろうか、案外ありそうでなかったひとつのブルースの形態かもね。そして聴いている側にももちろんメチャクチャ染み入るナンバー、素晴らしい。歌もギターも魂抜きじゃ出来ない、見事な融合作品。その次に位置している曲名がまた「Come Back Muddy」なんてさ、どうしたんだバディ・ガイ、年貢の納め時を感じているのか?などと思ってしまうくらいだが…。



Roger Waters - The Wall Live In Berlin

Roger Waters - The Wall Live In Berlin (1990)
The Wall Live In Berlin [DVD] [Import]

 ロジャー・ウォーターズが1992年にリリースしたアルバム「Amused to Death」の5.1chリマスター盤が再発されて、結構な評判とのことでそれはオーディオセット揃えて聴いてみたいものだが、いかんせん今はそういう環境じゃないのでどうしたものかと思案中、んでオリジナルのCD聴いてたりするんだけど、当時からものすごい好きなアルバムで、今あちこちその評論見てたらかなりの傑作って評価らしく、そうだったんだ、やっぱりな、と納得。当時からこれを誰かと話することもなかったので自分の感覚がある程度世間と合ってて安心した(笑)。んで、いいなぁ〜ロジャーな〜、って聴いてて、ふと何かこれ書いてないのかな、ウチ?って思ったら書いてなかったんでちょうどいいや、ってことで登場です。

 1990年の「The Wall Live In Berlin」、ベルリンの壁崩壊後に正にこの機とばかりに大規模なコンサートを企画開催した野心は素晴らしいと思う。そしてベルリンの壁崩壊にふさわしく豪華ゲスト陣を招いてのイベントとし、有名無名問わず、なるべくドイツというお国柄のミュージシャンも割り当てつつ、話題に事欠かないミュージシャンを何人も呼び寄せてやってることは「The Wall」の再現という…、壁が作られている時歌っていた人はともかく、壁が出来てしまってから壁の中で歌っていたのはかなり哀しいモノあったんじゃないだろうか、なんて気を使ってしまうが、皆役柄に徹していて、完璧主義者のロジャー・ウォーターズはご満悦だったのじゃないだろうか。中でもシンディ・ローパーの異質な存在感はこのイベントの最大の発掘だったかもしれない。何せオープニングからしてバイクと高級車による登場のスコーピオンズなのだから驚きだった。当時、テレビでやったのかな…、見てたんだよね。何の情報もなく、ただロジャー・ウォーターズが「The Wall」を再現する、ってことで。そしたら何だこりゃ?って。知らないミュージシャンもたくさんいたし、何でこの人?ってのもあったけど、夜中にやってたのに凄く惹き込まれて…、もっと聴いて聴いて聴きこまないとダメだって思ってオリジナルの「The Wall」を聴いて…、そんなことしてた記憶がある。

 何よりもスゲェな〜って思ったのはロジャー・ウォーターズの存在感。歌だって静かに歌うくらいだしベースだって普通に弾いてるだけなのにステージや音世界での支配感が凄くて、正にロジャー・ウォーターズの世界に皆が舞い降りてるっていうような雰囲気でね、その完成度の高さには敬服したね。ビジュアル面での妥協もなく、見事に映像と人形を使って妙な世界を表現することに成功しているし、相当カネの掛かったライブで赤字だったらしいが、それでもこれだけのショウを見せられる人はそうそういないだろう。このヘンからロジャー・ウォーターズは独自世界の追求が顕著になってきて、質の高いライブパフォーマンスを映像と音世界を含めて今に至るまでず〜っと展開しているのが素晴らしい。ツアーにひとつくらいはDVDをリリースしてもらいたいよな、なんて思ってるのだが、そうそう簡単にはリリースされてこない…のはもちろん完璧度合いの問題だろう。それにしてもこの「The Wall」なんていう長いアルバムがこんだけせ荷重で愛されるシロモノになっているってのが驚きだ。アナログ時代はC面なんて結構辛かったんだよなぁ…。それを過ぎると新たな世界が広がるから聴いてて良かったって思えるんだけどさ(笑)。



Joss Stone - Water For Your Soul

Joss Stone - Water For Your Soul (2015)
Water For Your Soul

 お?新作出すんだ?って気づいたJoss Stoneのアルバムに気づいたので早速ながら何の情報も得ぬままに聴いてみる。そもそもこの娘が歌うアルバムだから悪くはないだろうと。ただ、作風がどんな風になるのかってのは分からないし、それによって彼女の魅力が半減することもあるので、そういう意味ではちょいと賭けでもあるんだけどね、まぁ、どんな風に進むのかなってのもあって聴いてみた。

 先日リリースされたばかりのJoss Stone「Water For Your Soul」。オリジナルアルバムは5枚目くらいになるのか?割と全部持ってたりするから流れで聴いてるけど、往年のR&Bカバーが強烈だったりセッション活動の方が彼女の本質が発揮できたりしている気がしてて、どうもオリジナルアルバムでコイツは、って思えるのは「Lp1」だけなんだな。「Lp1」はちょいと異質で悶々としていたJoss Stoneのロック寄りのアルバムだからね、発散なアルバムだったし、そういうテーマでもあったから最高に良かったんだが、今回はそういうのも全て通り抜けたキャリアウーマンの作品だからね、何となくの期待もして聴くワケです。そしたらいきなりレゲエですよ(笑)。驚いたわ…、レゲエに接近するとはね、もちろんそれでもジョス・ストーンらしい歌声で軽やかでおしゃれなソウルフルな作品に聴こえるんだけどさ、まぁ、器用なもんだ。

 その後は割とスタンダードにR&B的なものと近年の音楽風味が入っているような感じだけど、まぁ、歌が歌だからね、それでも軽く聴けるような味付けになってて、歌が重いハズなのにバックで軽く聴かせてる、そんな感じ。何か小洒落てるな。ちょいとヒップホップ的なのに挑戦してみたり、カリプソ風味にチャレンジしてみたりとメインストリームなサウンドじゃない路線を色々と取り入れた割とカラフルな作品とも言えるか。個人的に言わせてもらえばとっても勿体無い歌わせ方。本人の意向での作品ならいいけど、アレンジャーやプロデューサーがこうしたらああしたら、っていうのを取り入れているだけならちょいと勿体無い。でも売るためならこういうのが良いのかも。万人が聴ける作品だし、そりゃ歌も上手いんだから聴いてて害はないし。その分存在感も無い。ロック寄りの作品にすれば絶賛なのになぁ〜、パワー使うから本人は大変かもしれないけどまだ若いでしょ?ベックとかミックとか大御所とのツテもあるんだから思い切りロックアルバムでゲスト陣営に大御所招いて叫んでもらうのが自分的には望ましいね。ピンク・フロイドなんかもやってみたらいいんじゃね?とかさ。BGMなんかやっててもしょうがないのにね。

 それはそれとして、アルバムとしちゃ聴きやすくて害はないし、あまり耳にするような音楽でもないから心地良く夏に聴くのは良いのはある。レゲエにスカにカリプソにヒップホップ、歌モノR&Bにバラード、バリエーションに富んだ野心作、とも書けるか。







Led Zeppelin - Presence [Delux Edition]

Led Zeppelin - Presence [Delux Edition] (2015)
プレゼンス <リマスター/デラックス・エディション>

 Jimmy Page御大、日本のこと好きなんだろうなぁ…、まぁ、わかる気がするけど(笑)。ってことで今回もアルバムプロモーションと称しての来日で広島まで行き献花したのは割とニュースになったので有名なお話、もちろん西新宿に現れてるのもお馴染みのお話なのだろう(笑)。それはさておきながら、Led Zeppelinアルバムリマスター&コンパニオンディスクによるボーナステイクシリーズも今回が最終章になるようだが、ウチのブログではまだ最後の二作は取り上げていないんでここで先に書いちゃうのもちょっとなぁ~ってのあって、とりあえず既に書いてある「Presence [Delux Edition]」の紹介にしとくか…、それともコンパニオンディスクだけ取り上げておくか…、ちと検討中。

 1976年、プラントの交通事故から云々、Jimmy Pageが一人で果敢に立ち向かい作り上げたアルバムとして知られているが、それが故に未発表曲なんてのはあまり出てこないだろうなぁっていうのも判ってはいたのだが、どうしてどうしてそれなりにユニークなボーナスが付けられているじゃないか。なんて期待して聴き始めたのでメモっておこう。「アキレス最後の戦い」と「For Your Life」の別ミックス…、良くわからん。リマスターの影響か、随分と3D的な深みが感じられる音の仕上がりではあるけどそれくらい。それくらい、ってもそれが大変なことだろうから、そういう音の分離と深み、輪郭の際立ちなんてのがクッキリしているってのが重要なのかもしれない。でも、レファレンスミックスってことだから…、ま、よく分からん。入っているギターの本数がはっきりと何本くらいなのかとかそういうのはよく分かるようになったかも。

 さてさて、期待の未発表曲「10Ribs & All/ Carrot Pod Pod (Pod)」は7分弱のピアノ中心の美しい楽曲で、これこそ「スワンソング」って感じの飛翔する姿を表しているかのようなスタイル、途中からボンゾのドラムとペイジのアコギが入ってきて、丁寧に作られているバックだけならほぼ完全に出来上がっているバージョンで、プラントがどういうメロディと歌詞を付けて完成させていったのだろうか…なんて想像できちゃう楽曲。最後はきっとプラントの雄叫びとともに終了しているのだろうなんて妄想…、これもまたZeppelinには無かったタイプの曲だからどっかで完成させてくれていればなぁと思う、今回の大ヒット作。そして超驚きのお遊びバージョンが登場。こういうユーモアがZeppelinの面白い所だよなぁ、ホント。曲自体は「Royal Orleans」なのだが、別ボーカルバージョン、別ボーカルっつうのは別人ボーカルバージョンってことで、いやいや、こんなのがリリースできるって凄い。あえて言うならばロバート・プラント不参加によるZeppelinの「Royal Orleans」ってことになるのだろうか(笑)。これはこれで結構ハマってるってのが面白い…。最後は「Hots On No Where」だが、これもレファレンスミックスなので3D的な深みは感じられるけど取り立ててっていう気がするのは自分だけか?

 結構「俺の罪」とかの方が別モノ出せるテイクとかあったような気がするけどなぁ。最初からああいうアレンジだったとは思えないからその途中過程の所とか垣間見せてくれたりしたら面白かったかも、とか、「アキレス最後の戦い」にしても途中過程のラフデザインのなんか聴いてみたかったな。どういう過程を経てあんなんになったんだろ、とかさ。まぁ、そんなネタばらしする必要もないんだが…。ってなことでコンパニオンディスクの方は「10Ribs & All/ Carrot Pod Pod (Pod)」に尽きる。しかしリリース後40年くらいしてからの未発表曲って凄いよなぁ…、もっと出てこないかな~(笑)。





James Brown - Revolution Of The Mind: Live At The Apollo, Vol. III

James Brown - Revolution Of The Mind: Live At The Apollo, Vol. III (1971)
Revolution Of The Mind: Live At The Apollo, Vol. III

 面白い話で、昔はロックしか聴いてなかったから、他の音ってそんなに興味なくて、聴いてもふ〜んってくらいだった。んでも自分が好きなミュージシャンがあれやこれやに影響を受けたとか言ってるのを読んだりすると聴いてみるかなって気になるじゃない?んで、それが自分が全然興味ない世界ってのも多いんだ。でも、そういうのがあったからこそああいう音が出てきてるんだろ?って思うとこういうのを理解しないといけないんだ、みたいなのがあって好き嫌いとは別に勉強の意味でたまに聴いてたりした。そしたらいつしか面白味が分かるようになってくるもんで、それを本能的に影響を受けたと言い放つミュージシャンはやはり凄い感性だったんだなと思う。自分にはそういう感性が備わっていないから時間かかったワケだし。長々と音楽聴いてて好き嫌いあるけどその時々で面白いなと感じるものが変わるし、楽しめる。それでいて昔面白いと思ったものはそのままいつ聴いても面白いと思えるんだから楽しみは増えるばかり、そういう聴き方もありですな。

 1971年7月にアポロ・シアターで行われたライブを収録したJames Brownのアポロ・シアターでのライブシリーズの三枚目となる「Revolution Of The Mind: Live At The Apollo, Vol. III」。自分的にはもちろんJBってのは全部聴いたことあるわけじゃないからどれがベストだとか言える事もないけど、これまで聴いて衝撃的だったのが「Love Power Peace Live At The Olympia Paris 1971」なので、やっぱりJBならライブ盤、しかも71年頃のヤツ、っていう刷り込みされてるんで(笑)。リアルタイムでいけばこっちのが普通に1971年暮れにリリースされていたワケだから普通はこっちが71年のライブの代表アルバムなのだが、自分みたいなのもいるんです、はい。

 ってことで期待して聴くんだな。もちろんあそこまでヘヴィ&グルーヴィーなファンクじゃないんだけど、JBらしい範囲内に収まっているファンクなライブアルバムで心地良い。ブーツィーがいないからかグルーブ感が異なるが、これはこれでJBらしくて当時こっちしかリリースしなかった理由はよくわかる。JBらしいファンクってのはこういうライブだ。それでも半分くらいはあの勢いやグルーブがあるから見事な出来映えでしてね、非の打ち所がない。アポロ・シアターのライブ盤として「I」「II」とあってそっちのが有名だけど、ジャケットの地味さ加減からかあまり出てこない「Revolution Of The Mind: Live At The Apollo, Vol. III」が一番音的にはかっこいいと思うね。ロックと同じである程度の音量で流してると自然に身体が揺れてきます。このノリ…いいわ。んでZeppelinなんかも真似してたりするんだろうなぁ…。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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