The Albion Band - RISE UP LIKE THE SUN

The Albion Band - RISE UP LIKE THE SUN (1978)
RISE UP LIKE THE SUN

 今の時代にエレクトリックトラッドを継承しているバンドってあるのかな…多分それなりにあるんだろうとは思うけどかなり進化しているんだろう。そういえばいくつかのバンドを聴いてみるとそんな雰囲気だなってのはあるが、古楽器やフィドルやマンドリンなんてのを使ってロックとポップスとフォークの世界を行き来しているバンドはそう多くはないだろう。アイルランド辺りにはたくさんいそうだけど英国ではどうだろなぁ…、最近調べてないから知らないけど、まぁ、まだまだ古いバンドでも知らない音もたくさんあるから良いけどね。結局そうやって一生古い音楽を探求して終わるのかもしれない。さすがにそれが自分の身の肥やしになっているのか?と問われると答える術もないのだが(笑)。

 1978年、パンク全盛期の英国の中で己のやりたいことだけを追求してやっているアシュレー・ハッチングスがThe Albion Band名義でリリースした傑作「RISE UP LIKE THE SUN」をまだ取り上げていない事に気づいたのでこれ幸いとばかりにここ放出。名作「No Roses」や「Morris on」なんてのと同じように多彩なゲスト陣を集めて己の執着する伝統的フォークからのエレクトリック化を打ち出したアルバムで、プログレ筋からも評価されているみたいだが、こりゃ面白い、と一言唸った作品なのだ。もちろん基本はエレクトリックトラッドフォークで、リチャード・トンプソンやグレアム・テイラーのギターが燦然と輝いているのはもちろん、リズム隊はフェアポート・コンヴェンション組なワケだからほぼ初期フェアポート・コンヴェンションの再演、サンディ・デニーこそいないもののリンダ・トンプソンを筆頭にフィメールボーカルはもちろんプッシュ、それでも酔いどれフォーキーな男性含むコーラスワークが絶妙なのだが、そこにソフトマシーンで名を馳せたリック・サンダースがフィドルを放ち、今やクラプトンとロジャー・ウォーターズの相棒とも言えるアンディ・フェアウェザー・ロウも参加してとにかく大英帝国の根っこの音楽を楽しそうにプレイしている、そんなアルバム。

 「RISE UP LIKE THE SUN」は多分このヘンの音の集大成的な感じがしていて、アルビオン・カントリー・バンドやアルビオン・ダンス・バンドに続くならアルビオン・ロック・バンドみたいなトコじゃないかというくらい躍動感とロック的要素に溢れるアルバムで実験色も出てるし時代を無視すればとっても頼もしいアルバム。

No Roses
No Roses
Shirley Collins Albion Country Band
Castle Us (2005-06-07)
売り上げランキング: 499,431


Morris on
Various Artists
Fledg'ling (2009-06-16)
売り上げランキング: 303,070




Fairport Convention - Angel Delight

Fairport Convention - Angel Delight (1971)
Angel Delight

 フォーク、トラッドフォークなどの言葉ってそれぞれで捉え方が異なるのだろうなと感じることは多い。古い世代にフォークと言えばやっぱり全共闘的フォークみたいな感じだろうし、その後の世代のフォークって…何だろ?アンプラグドかなぁ…。アメリカのSSW好きだったらジョニ・ミッチェルとかディラン的なのだろうしカントリー系好きならジョン・デンバー的なのだろうしとか色々あるワケだ。英国好きにフォークと言えばトラッドになるし、それはもう幅が広いとは思うのだが、どうなんだろな。日本でのフォークってのは結構特殊と言うか攻撃的メッセージ手段として使われているのは面白いなぁ、と。パンク世代よりもよっぽどパンクなんだもん。あまり自分は聴かないからわからないけどそんな印象…それは多分昔の学生運動の背景に流れていたからなのかもしれない。もちろん自分は知らないんですが…。

 英国トラッドフォークの進化系の道を真っ直ぐに歩んでいったFairport Conventionの6枚目の作品「Angel Delight」にはアシュレー・ハッチングスもサンディ・デニーもリチャード・トンプソンも脱退してしまってバンドの抜け殻とも言える時期だが、後世に渡っていくとそんな抜け殻などという言葉は微塵も当て嵌まらず、デイヴ・スォーブリック筆頭に新しいFairport Conventionの世界が繰り広げられていくのだった。そもそもストーリー仕立てってのはトラッドの世界では多かったようだが、そんな世界への進出もこのメンツだからだろうと思われるし、メンバー全員が自分達の華の無さを理解していただろうし(笑)、だからこそ真摯に音楽的に面白いものが出来上がってきているような気もする。

 「Angel Delight」はそんな気が抜けた成分があるもののデイヴ・スォーブリックの酔いどれな歌声が和ませてくれ、伝統あるFairport Conventionというバンドを場末のパブに引き戻しているかのような感じを受ける。前作「Full House」あたりの強烈なバンド内バトル的な演奏はまったく聴かれず、それは如何にリチャード・トンプソンが卓越した人だったか、またバンドもそれに見合う力量はあったもののその方向性を望んではいなかったってこともわかるし、だからこそ脱退も納得なワケだが関係性が悪いワケじゃないのも微笑ましくて良い。あのスリリングさはロック好きには堪らないが、「Angel Delight」で聴ける安定した酔いどれサウンドもなかなかオツなモンですよ。フィドルの酔いどれぶりが最高にイカしててね、ついつい惹き込まれる。この頃のライブとかも結構面白いし、華が無いバンドとは到底思えない躍動感溢れるサウンドはどこか気分を高揚させてくれるので好きです。フィドルとマンドリン、ギターの絡み具合が絶妙なのはともかく、ベースのデイブ・ペグのスタイルがなかなかユニークでメロディ楽器としっかり絡むんだよね。元々デイブ・マタックスのドラムもロック的だからメロディ楽器隊がユニゾンで進んで絡み、且つベースがそこに入るからさしずめジェスロ・タル…とは言わないけどさ〜(笑)。

House Full : Live At The LA Troubadour
Fairport Convention
Island UK (2001-10-04)
売り上げランキング: 184,660






Richard & Linda Thompson - Pour Down Like Silver

Richard & Linda Thompson - Pour Down Like Silver (1975)
Pour Down Like Silver

 まだまだ時間をかけてきちんと理解していきたいと思っているギタリストの一人にリチャード・トンプソンがいる。トラッドフォーク系をあさっている時には必ず遭遇するのでいつもそんなタイミングで自分への戒めを思い出すのだが、なかなか手付かずのままという状況…それでも遅々ながらちょっとづつ聴いてはいるのでそれも良いな〜とか思ったのだが、やっぱりきちんとアルバムならアルバム単位で聴いていこうと言うことで本日はリチャード&リンダ・トンプソン名義での3枚目のアルバム「Pour Down Like Silver」なんてのを。

 1975年にリリースされた「Pour Down Like Silver」は当時イスラム教に改宗したリチャード&リンダ・トンプソン一家の象徴としてのアルバムジャケットだったようで、そのいかさまインド人みたいなジャケットの姿がアルバムへの取り組みを遠ざけてはいたのだが、内容についてはこの後の発掘ライブ盤「ライヴ1975」がとんでもなく凄まじくて良かったのでスタジオ作の「Pour Down Like Silver」も悪いはずもなかろうと。リンダ・トンプソンの歌声については特にアレもコレもなくって普通に女性シンガー的で個性的ではないからな〜という感じだが、やはりリチャード・トンプソンのギターの鳴りが興味深くなる。いつもながらアルバムのオープニングからして重く後ろ側に12弦的に鳴っている不思議なギターの音、しかも歪んでるんだけどフォークという定義でまかり通ってしまう不思議。このヘンからしてリチャード・トンプソンへの取り組みのハードルが上がるワケでしてね(笑)、いったどうなってるんだ?と。アルバムを聴き進めていくとそれhそれは多彩な楽曲が生み出されていて、リンダ・トンプソンの歌声は割と気にならなくなるくらいにリチャード・トンプソンのプレイに気を取られる。これは自分がギター好きだからだろうか?それとも他の人もそっちに気を取られるものなのだろうか?

 アルバムの印象としてはカラフルさはあるけど重さもやはりある。それはリチャード・トンプソン独特のギターによる重さ、自分が思うエレクトリックトラッドの全てに共通する重さでもあるので、それだけ多くにリチャード・トンプソンが関わっているかってことだ。いや、自分の知識の浅はかさだ。一体どうやったらこういう音なるんだ?フェイザーとかの影響もあるだろうけど…「Night Comes In」なんてリチャード・トンプソンの代表曲でもあるだろうけど、やっぱり見事な聴かせ具合だもん。どこかLed Zeppelin聞いているような感触すら味わえるし、だんだんと自分の身が入っていくのもわかる。ホント、面白い人だ。

ライヴ1975(紙ジャケット仕様)
リチャード&リンダ・トンプソン
USMジャパン (2010-07-28)
売り上げランキング: 396,517




Claire Hammill - One House Left Standing

Claire Hammill - One House Left Standing (1972)
One House Left Standing

 トラディショナルフォークというジャンルと言うか言葉の使い方としては多分自分は間違ってて、かなり幅の広い意味合いで使っている…理解しているみたいで、狭義に語ればそれはもう括れないくらいの音もあるみたいだけどよくわからんし、まぁ、フォークの派生だったら良いかなと。エレキ楽器入っててもトラッドフォークの世界だしさ、自分的にはね。んで、その世界ってのは何故か女性ボーカルが活躍する傾向が強くて、ちょっと前の嬢メタルみたいなもんでさ、やっぱり女性の歌声だと栄える…ってか儚さが増すってのがあって好きなんだよね。そういう中で男性ボーカルが絡む、コーラスが入る合唱になるのはアリなんだが、男性だけの歌声でっていう本来のフォーク系のはあまり聴かないかも…どうだろ?今は何となくまた女性な世界がいいな、って聴いてるけどそのウチ脱線するんだろう(笑)。

 1972年にアイランドレーベルからデビューしたクレア・ハミルの16歳の頃の録音となるファーストアルバム「One House Left Standing」なんてのが登場です。昔からジャケットと名前は知ってたもののアナログ時代ではなかなか見当たらず、そのまま忘れ去っていたものの時代の流れによってふと聴くことの出来たアルバムで、3枚目くらいになるとキンクスのレーベルから出たってことでロック・フィールドにいた自分には耳に入ったんだが、この「One House Left Standing」からしてアイランドレーベルの総力戦みたいなバックアップがあったのかフリーの面々に加えてテリー・リードとかデヴィッド・リンドレーなどなどが加わったアルバムに仕上がっている。基本的にはフォークをバックに少女が歌い上げるモノだけど少女?ウソ〜、これ結構なお嬢さんが歌ってるでしょ?ってくらいの情感と歌声が聴ける作品で、アイランドが徹底バックアップして売りだそうとしたのが分かる実力です。こういう人が出てくる所は面白いよなぁ〜、しかもこんな素朴なギターと歌で出てくるんだから相当のモンです。

 曲調とかは基本ピアノやフォークという質素な楽器に自身の歌声で響かせてくれる曲ばかりで叙情性や曲の雰囲気を醸し出すかのようなストリングスやフルートやオーボエなどの楽器が使われているという感じであくまでも飽きさせないカラフル感なので邪魔になることなく本質の歌を聴けるようになっている。それで曲の良し悪しって話になるんだけどそりゃポップソングじゃないから簡単に良い曲とか何とかと言うもんでもなくて、楽曲としての起伏に欠けるのはある意味当たり前だけど感情の起伏と歌の波がそれを補っている部分は大きいね。まぁ、ず〜っと聞いているかと言われるとそれはないんだけど、ジャケットの醸し出す雰囲気と16歳の少女?ってのを思うとさすがアイランドレーベル、見事な発掘シンガーですね。

オクトーバー
クレア・ハミル
インディーズ・メーカー (2006-09-27)
売り上げランキング: 222,347






Sandy Denny - Rendezvous

Sandy Denny - Rendezvous (1977)
Rendezvous: Deluxed Edition

 ロックのボーカルだとあれはこれと自分の基準が出来上がってきてて好きだとかキライだとかああだこうだと言えるんだけどトラッドフォークの女性シンガー達になるとどれもこれも味わいあって良いじゃないか、ってトコに落ち着いてしまってキライってのは無いんだよ。クリアーボイスだとかハスキーだとか甘えた声質とか色々あるけど熱唱するワケじゃないからそんなに極端に違わないからさ、…ってか違いを理解しろって話なのだろうが…。そんな中でもサンディ・デニーだけはやっぱ異質だなと思う。ただ、そのサンディ・デニーの歌声が自分で聴いた時に凄く好みかと言われるとそうでもなかったりする…。ただ、やっぱりちょっと太めの声質と安定した音程のブレない声…、天使の歌声ではないがどこか彼方で憧れる歌声って言えるのかな、フラつきがまるでない歌で、ロックとかブルースとか歌ったら面白かったかもね、っていうのもある。

 サンディ・デニーのソロ名義4枚目にしてラストアルバムとなった「Rendezvous」は1977年にリリースされた新たなステップに進むかのような作品で、ジャケットからしてポップシンガー的な側面を出して商業路線に乗るのかとも思わせる印象だ。だからサンディ・デニーの作品の中では一番最後に手を出したアルバムです。時代的なものとこのジャケットがあってちょっとポップに寄ったんだろうな、と勝手に思ってたから後回しにしてたんだけど、意外なほどそうでもなかった。そりゃそうかとも思うけど、純粋にトラッドフォーク的かと言われればそうじゃないので、サンディ・デニー的には随分ポップに寄った方なのだろうか。エルトン・ジョンのカバーなんてやるあたりがそんな気がするが、この「Candle In The Wind」がこれまたサンディ・デニーにぴったりと合ってて良いな〜と。この人、何でも歌えるもんなぁ、この手のは。速い曲はアレだけど歌を聴かせるのはさすがだしね。

 「Rendezvous」は始めの印象と違って割とカラフルに彩られている感触のあるアルバム、その分一般にも聴かれる要素はある。ただ、こんだけ色々と英国モノ聴いていると最初のリチャード・トンプソン作の「I Wish I Was a Fool For You」からしてあぁ、リチャード・トンプソンのギターで大英帝国の重さだなぁ…と安心できる音なのだよ。「Take Me Away」なんてフリートウッド・マックにいた‪Bob Weston‬なのかな、ギターソロがそんな音で入っててロックしてるしさ、クレジットをよく見ればスティーブ・ウィンウッドやフェアポート勢がいたりして結構なモンに仕上がっているし、人脈も実力も貴重な人だったんだってのが分かるね。ただ、この人の場合は楽器が生々しい方が素朴な歌声が入ってきていいかな、っていう感じ。あまり他の楽器が彩ってしまうと元々地味な歌声だからちょっとね、って思うのはダメかな。「One Way Donkey Ride」とかいいなぁ〜、っつうかもうやっぱアルバム全部良いわ。欠点があるとしたら明るい気分にはなれない、ってことくらいか(笑)。しかしこんなのも今じゃ「Rendezvous: Deluxed Edition」デラックス版なんて出てるんだなぁ…。

Notes & the Words: a Collection of Demos & Raritie
Sandy Denny
Universal UK (2012-10-25)
売り上げランキング: 72,215






Midwinter - The Waters of Sweet Sorrow

Midwinter - The Waters of Sweet Sorrow (1973)
The Waters of Sweet Sorrow

 季節の変わり目は好きだ。体調とか服装とかはともかく変わり目という変化しなきゃという意識が好きなのかも。人間歳を取っていくと徐々に変化を好まなくなる人が多いし、自分だってそうだと思う。聞き慣れた音楽を口ずさみながら聴く、朝起きて決まったパターンをこなす、夜はこうする…などなど完全に同じではないけど定型的なパターンの繰り返しにちょっとした変化が加わって人生が進むものだろうが、それを意識するのが季節の変わり目、とも言える。そんな状況もありようやくちょっとフォークを真面目に聴く気になってきたかなというだけのお話なのだが(笑)。

 1973年に録音されてリリースは…1990年代初期だったと思うStone Angelの前身バンドとして語られるMidwinterの「The Waters of Sweet Sorrow」というデモ作品に近い音。ただアコギとか歌とか生な楽器ばかりで録音されたフォークなのでデモってもそのままとも言えるし、そもそもデモではなくちゃんとした録音物だったのか違和感はあまりないと当時は印象を受けたな。この頃色々とフォークのヘンなのが発掘されてKissing Spellレーベルからウォーターハウスの絵画を貼り付けてリリースされてたから面白くて漁ってた中の一枚。その時は来歴とか大して知らなくて、へぇ〜、くらいなもんだったけどさ。Stone Angelだってそんなにメジャーなバンドじゃなかったしさ。んで、このMidwinterってのはボーカルがまた清楚なお嬢さんな声でして、そこに男性ボーカルの歌声も入るという典型的なフォークユニット+歌の世界で素朴、質素、陰鬱、でも清楚という要素で成り立っている音世界です。そこにはアシッドやサイケの要素もなく、プログレッシブな発想もなく、ただただ単調にアコギとタブラ?と歌が流れてくる世界で、聞いていると随分心地良い世界に浸れますが、途中で寝てしまえる感じか…。

 でも、これ、やっぱきちんと出来てる。ギターとかフレーズとか音色とか綺麗に弾かれているし、ジル嬢のボーカルはちょいと物足りなさはあるけど、これはこれで良いかというレベルにはあるし、普通のアマチュアじゃできない世界だもん。当たり前だけどやっぱStone Angelに繋がる世界ではある。昔コイツをCDで見つけた時、この絵って?みたいに思ってさ、日本のプログレバンドも同じ絵をジャケットにしてたし…ってのもあってウォーターハウスという人の絵画を知ったのだが、良いよね。絵心も知識もないけどこういうの好きだな。

Stone Angel
Stone Angel
Kissing Spell (2002-02-11)
売り上げランキング: 446,371


C.O.B - Moyshe Mcstiff & The Tartan Lancers of the Sacred

C.O.B - Moyshe Mcstiff & The Tartan Lancers of the Sacred (1971)
Moyshe Mcstiff & The Tartan Lancers of the Sacred

 世俗的な出来事には割と無関心なので俗世間で楽しまれていることの大半を話されてもわからない、知らない事が多いし興味を持たない事も多い。野球とかサッカーとかAKBとか邦楽、映画やテレビ番組の話題などどれをとっても結構チンプンカンプンなのだ。そのヘンが好きな方からしたらコイツは何が楽しいんだ?と言う感じにしかならないし、じゃ、普段何してるんだ?と訝しがられるのも関の山、特に何してますと答える事もないのだがそれなりに忙しいのだな。だから他のことに手が回らなくて世俗的なところまで時間が作れないんだよ、ってのが自分の価値観。音楽を聴くのもそうだしもちろん調べるのもそうだし付き合いだってそうだ。結局物事の優先順位を自分の基準で決めて人生の時間を費やしていくしかないのだから出来るだけ有意義に無駄なく楽しく使いたいと思うだろう。だから故、つまらない音楽を聴いても、つまらないとは思わずに面白いだろうところを見つける方が前向き(笑)。

 1971年にリリースされたC.O.B=Clive's Original Bandのセカンドアルバム「Moyshe Mcstiff & The Tartan Lancers of the Sacred」は龍のようなヘンな生き物に乗って戦う兵士のジャケットで一見してこれはハードロックかヘヴィメタルな側面を持ったバンドだろうと思うんじゃないだろうか。もしくはデスやサイケみたいな世界とかさ、バンドとアルバム名のロゴだってその系統でよく使われる傾向のものだし、だから故予備知識無しではなかなかジャケ買いしてみるという気にはならない。自分はならなかった。しかし深く調べないとバンド名のC.O.Bだってよくわからないんだから困ったモンで、今の時代ならネットでちょこちょこっと調べればわかるんだけど昔はそうもいかないからいろいろな文献を漁るんだが、なかなか出て来ない。一般的に出てくる文脈はThe Incredible String Bandからの流れでクライブ・パーマー云々と出てくるくらいだろうか。そして肝心のその音世界についてはジャケットとは大きく異る世界だったと言うのも印象深い一枚。

 サイケ調とも言える質素なフォークなんだよね、C.O.Bってさ。こういうフォークってのはこの時期にたくさん出て来たけど生き残ってるのはまず見当たらないし、他の時代でもあまり聴かれない。消え去った音楽表現かもしれない。もちろん誰かの作品の一曲がこういった感じのフォークだってのはあるのだろうが、バンドとしてはほぼ見当たらない。C.O.Bもまたパーカッションとフォークギターや古楽を使いながらのコーラスワークも駆使するバンドで雰囲気にはどういうワケだか狂気が宿っているように感じるものが多い。この「狂気が宿っているような」ってのがやっぱりこの時代的なロック的フック。独特の世界観ではあるけど一連のバンドが同じようにやっていたこともあり短命に終わったバンドでもある。ちょいと残念だな。

Spirit Of Love
C.O.B.
Beat Goes On (2002-07-25)
売り上げランキング: 608,854






Forest - Forest

Forest - Forest (1969)
フォレスト

 フォーク系統の音って最近キチンと聴いてないなと云うお話は先日書いたんだが、それでもコレクションとしては結構な数を占めていてそれなりにフォークは好きで集めてはいた。もっとも純粋にフォーク…トラッドフォークとするにはどうかと云うのが多いのでロック的なフォークも含めてという意味でしかないのだが、そうだな〜なんてライブラリを眺めながら、ふと聴いてみたフォレストというバンド。バンドってのかトリオってのかグループって云うに相応しいのかもしれんバンド。

 1969年にリリースされた最初のアルバム「Forest」だが、この後1970年にセカンド・アルバム「フル・サークル」をリリースして沈黙となってしまうハーベストからのバンドで、時代的なカテゴライズではサイケデリックフォークとも言われるのだが、ティラノザウルス・レックスみたいな感じを受けるサウンドだ。それは多分フォークギターとパーカッションの組み合わせがそう思わせる部分であって本質的な音楽性の話ではない。曲によってはデヴィッド・ボウイの初期作品みたいだったりするし、まぁ、その頃の12弦ギター持った連中なんかも似たような世界だったんだろうと。ただ、フォレストはその中でも結構ひとつの方向性を打ち出していたバンドな感じで、「Forest」でも十分にその資質を聴かせてくれてる気がする。この手のって曲が良いと判断されるのって間違いなくメロディしかないからどんだけメロディがきちんと出せてるかだろうと。そういう意味ではさほど出て来ない(笑)、けど、ティラノザウルス・レックスだってそうだろうと思えば大した差じゃないってことだ。う〜ん、じゃ何が…ってなるんだが、そのヘンは何とも…。

 非常に不安定な、と言うか細かいメロディで成り立ってて、コーラスワークからパーカッションギターももちろんだがドラムやベースは入ってなくてマンドリンとか室内楽的な楽器しか使われていないのでちょいと古典的、そしてやや狂気的とも言えるか。コーマスほどの攻撃性はないのでどっちかと言えば普通にフォークなのだがそれでもちょっとそんな雰囲気は持っているんで刺激される…そのヘンがこの時代の面白さだろうな。よくこれでフォークの世界に括られなかったな、と思う。聴いてみるとわかるけど、やっぱロック的な尖り具合ってのがあるから面白いワケで、人に勧めるほどのものじゃないけどこういう音を聞く人ってマニアだなと思ったりするか(笑)。

フル・サークル
フォレスト
ユニバーサルミュージック (2013-02-27)
売り上げランキング: 122,708




Judy Dyble - Flow & Change

Judy Dyble - Flow & Change (2013)
Flow & Change

 自分のブログをたまに見返していると随分と自分の聴く音楽の趣味も変わってきたなと思える。変わったと言うか狭くなってきたかもな~とかね。新しく開拓している分野も多いんだけど聴かなくなって久しいジャンルってのもやっぱりあって、バンドやアルバム単位になるともっとそれは著しくなる。自分の血肉になって吸収しちゃったから、って言うなら脳内再生できるからわかるんだが、そうじゃなくてただ単にあまり興味がなくなってしまって聴かなくなっていったってのが多くて、それは多分気分だったり環境だったり探究心不足だったり他に興味が移ってしまったからだったりいろいろな要素がある。まぁ、なんだ、長く音楽を聴き続けてて一生聞きますって音楽とちょっと付き合うけどっていう音楽とが出てくるってお話。自分の中で最近聴かなくなったな~ってのがトラッドフォークの世界。昔は結構好きでちょくちょく聴いてたけどここのところはめっきり聴いていない。多分聴く環境とかタイミングが合わないからなのだろうけど、何枚も聴くことが減ったし追求するのもあまりなくなった。一方増えてるのがヘヴィな音達(笑)。メタルそのものはマニアじゃないけどガツンと来るハードな音は飢えてたりする…って単にストレスが貯まってるだけなのかもしれん…。

 アマゾンを見ているとふと気づいた…2013年にリリースされたジュディ・ダイブルの新作「Flow & Change」…ん?新作?ここのトコロちょくちょくとアルバムリリースしていて、こないだの「Talking With Strangers」なんてALl About Eveのジュリアンヌ姫とTreesのセリア嬢をも迎えていたという記憶もあって、今回は?と期待したけど今回の「Flow & Change」はシンプルに特別なゲストを迎えずに自身のみのソロアルバムのようだ。とは言え、ジュディ・ダイブルの音世界だからあのままなんだろうな~と期待して聴く。案の定裏切られることなく、トレイダー・ホーンの「Morning Way」で聴けるほのぼのとしたちょっと乾いた歌声でのフォーク調…フォークと言うかストリングとかバイオリンとか生ギターとかなので室内楽的にも聞こえちゃうのかな…室内楽ってよくわかってないけど(笑)、聴きやすい作品。そして名盤!とは言わないけど、しっとりとじっくりと染み入ってくるような感じのアルバムだな~と思う。でも、まぁ、よくよく思えばそういう感触の作品が多くなってきたかもしれない、世の中的に。かなり質は良いものだけど、あと何かが加わらないと、っていうものを自分が求めていることに薄々気づいているから満足しきれないのかも。これは個人的な問題だからアルバムの面白さとは別のお話だけどね。

 そんな事を思いつつも聴いているとやっぱり心安らぐ音楽なのは変わらないので自分の波長には合う傾向の自然な音なんだろう。素朴という言葉が似合うアルバムで素のままのジュディ・ダイブルが出ている感じを受けるアルバム。秋の夜長には丁度良いかな、と思い直しているトコロ(笑)。

Talking With Strangers
Judy Dyble
United States Dist (2013-02-26)
売り上げランキング: 53,713




Karen Souza - Essentials

Karen Souza - Essentials (2011)
Essentials

 秋の彩が深くなりいよいよ落ち着いた大人の世界を醸し出す音楽が心地良くなってくる。昔は大人がロックを聞くなんて考えられなかったしましてやメタルを聞いているオヤジなんてあり得なかった。自分も年取ってジジイになっていったらきっとジャズとか聴いてまったりっしてるんだろうな、なんて思ってたくらいだ(笑)。ところが時が流れ、ロックミュージシャン達が60歳超えたりしててまだまだ現役でそのままやってる人も多数いる、50過ぎてもメタルを奏でているバンドもたくさんある、もちろんリスナーもそのままというそんなこと考えもしなかった世界に突入してて、大人になったらジャズ聴かないと、っていうのが無くなった(笑)。いいんだ、ロック聴いてれば、っていうかさ…、自然にそうなってるんだけど、昔はそういう感じに思ってた。だからJBLとかLuxmanとか揃えていったりしてたし、結局今の時代だとそういうのも関係なくなっちゃってるし、結局はゆっくりと音を楽しむ時間と空間がどれだけ持てるか、が大人の音楽聴きの分かれ目なんじゃないか、とか。

 いつもお世話になってるブログ仲間の「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」というトコロは面白い音を教えてくれる。偏りがちな自分の耳をふと違う方向へと向けさせてくれるというか、音の楽しみ方の基本みたいなのを気付かされる。それでいてあれだけの数を聴いて書いているんだから凄い。適当に書いてる自分のところとは大違いでまったく頭が下がる思いばかり…。そこでここを楽しみにしているのはいつもいつも「絵」が美しいから。「絵」ってのはアルバムジャケットを選ぶセンス。アルバムもなんだけどジャケットがどーんと画面を占めるとそのジャケットの魅力に音まで聴きたくなるのだ。まぁ、大抵それは良いオンナのセクシーショットだったりするのだが(笑)。ただ、そういうのも必要だろうと思うし、そこから音を聞く人が増えるならいいんじゃないかと思うし、実際実力なかったら残れないんだから無駄じゃないだろうしね。まぁ、そういうジャケットを密かに楽しむリスナーは多いだろうよ。

 2011年にリリースされたカレン・ソウザという若い女性のセクシーなジャケットの「Essentials」、ちょっと場末のキャバ嬢的なニュアンスもあるものの、そもそも女性ジャズボーカルの活躍の場なんてのは40年代からキャバレーやクラブなんてところだったワケで原点なんだよね、こういうのって。だからちょっとくらいケバくて華がないとダメだとも思う。歌が上手いだけじゃしょうがないもん。やっぱまだまだショウアップの世界だし、って想像しちゃう。んで、この「Essentials」というアルバムに興味を持ったのはもちろんその曲目。勝手知ったる曲が並んでて、しかも当然ながらカレン・ソウザのちょいとハスキーな声でジャズアレンジで聴けるんだろうという期待があったし、このジャケットだ。そりゃ手に取ってみるでしょ…ってことで楽しみにしながら聴くと、これがまた裏切られることなく素敵な音が出てくるってお話。

1. Do You Really Want To Hurt Me
2. Creep
3. Strawberry Fields Forever (feat. Los Panchos)
4. Tainted Love
5. Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)
6. Every Breath You Take
7. Personal Jesus
8. New Year's Day
9. Billie Jean
10. Wake Up And Make Love With Me
11. Have You Ever Seen The Rain
12. Bette Davis Eyes

 同名異曲ってんじゃなくて思い付くそのままのカバーアルバムです。アレンジはジャズ。圧倒的にジャズ。「Creep」とかこんな風になるのか、あの暗い曲が?みたいだし、やっぱり崩しにくかったのは「Strawberry Fields Forever」か、ってくらいでこういうのはヤられるよな〜、それぞれの曲の新しい側面を実感するから新鮮だし、しかもカレン・ソウザって誰?結構良い感じの歌声じゃない?みたいなのもあってカレン・ソウザの他の作品にも手を出すだろうし、上手いよな。そこでこのジャケットだから飾っておいても良いしさ、夢を壊さないでいてくれる女性ジャズシンガーだね。いいわ〜、これ、最高。

ホテル・ソウサ
カレン・ソウサ
ビクターエンタテインメント (2013-07-03)
売り上げランキング: 27,380


Steve Stevens - Flamenco a Go Go

Steve Stevens - Flamenco a Go Go (1999)
Flamenco a Go Go

 ゴッドファーザーだっけかな…映画を見ててマイケルの結婚式周辺あたりでスパニッシュが流れてて心地良いな〜とか印象深かった。そもそもスパニッシュギターの音とか旋律とかメロディとかどこか現実逃避世界的な不可思議な世界観があってえ、それは到底自分じゃ弾けるものじゃないしどういう組み立てとかスケーリングになっているのかすらもわからんし、そもそもインギーより速弾きだし一体何なんだ?くらいの高尚な世界でして、パコ・デ・ルシアとかも聴いてたけど尊敬の眼差しのみで…ただ、ずっと聴いてると飽きるってのはあるんだけど。だからスペイン民謡のスパニッシュギター盤とかスパニッシュ系のはちょこちょことライブラリに揃ってたりする。物悲しいくせに脳天気になれる、ってのはどこの民族音楽も似たようなモンだ。

 スティーブ・スティーブンスという超絶ギタリストの意外な一面と真髄ともなった「Flamenco a Go Go」というアルバムはスティーブ・スティーブンスのフラメンコギターをクローズアップしたアルバムで、ギタリストらしい作品。ロックギタリストとしてはかなり特異な作品だし、多分こっちが真髄で元来の嗜好性の中にあるものだろうと思う。メタルなフレーズを普段は散りばめてギター弾いているのに本作ではそんなフレーズはまるで感じさせずに純粋…、純粋ではないがかなり純粋にフラメンコ…スパニッシュギターのフレーズと音色で作られているアルバムでまるで異なる人物によるアルバムにすら感じる。こんな器用な人もいたもんだ…と驚くばかり。ロックテイストを意識したアレンジが施されているし曲によってはフラメンコとメタルフレーズの融合みたいなのもあるのでなかなか異色な世界で面白い。本気でギター弾くならこういうギタープレイってのも学ぶべきかもしれんよ、とか思う。真のミュージシャンなんだな〜と感心する次第で、世のギタリストのどれくらいがこういうギターを弾けるのだろうか?などと思ってしまう。

 アルバム「Flamenco a Go Go」自体は1999年にリリースされていて、ビリー・アイドルのトコロから有名になって15年くらいしてから出したアルバムで、そりゃ実績を積んだのもあるしここに来てようやく自分の趣味的な側面を出したアルバムを出してもそこそこ売れるだろうみたいな時期だったんだろう。当時は中古レコード屋でバイトしてたけどこのCDはよく中古で見かけたもんだから普通にあの超絶ギターを期待して買ったギター小僧達は「」をあまり面白いと思わなかったので中古に売りに来たのだろう。わからんでもないが、若い内にこういう音に出会ったら興味深く突っ込んでいくのも面白いと思うよ。ロックだからと言って一方向にキメてしまうよりもさ…とは今の年になってから言える事で、一途にロックに入るのはわからんでもない、か(笑)。しかしユニークなアルバムだ。しっかりとフラメンコ色を出しながらもロックテイストやアレンジを加え、ボイスも入れて雰囲気は出すもののしっかりと飽きさせないような流れとアレンジが施されているのでかなりリキの入った作品になっている。もうちょっと派手に活動しててもおかしくない人なんだがなぁ…、ビリー・アイドルの相棒、氷室京介のバックくらいの位置付けでしかないのがちょい残念。あ、でも、ボジオとトニー・レヴィンと一緒にやってるのもあるから実力派証明済みか。う〜ん、バンドがないとやっぱ目立ちにくいねぇ…。

メモリー・クラッシュ(MEMORY CRASH)
スティーヴ・スティーヴンス(STEVE STEVENS)
キングレコード (2011-06-08)
売り上げランキング: 108,319




Steve Marriott - Marriott

Steve Marriott - Marriott (1976)
Marriott

 英国は不思議だ。時代時代でなんとなく常に黒人並みの歌声を持つボーカリストが出てくる、しかもそれは紛れもなく本物だったりして黒い声を持つ白人として、またはソウルフルな歌声をもつ歌手として評されるのだが、大抵はあまり売れることなく渋いマニア向けの世界で留まるケースが多い。まぁ、ジョス・ストーンくらいになるとちょっとメジャー感もあるが、それだって一般人にはあまり知られていないだろうから、やっぱりソウルフルな歌声ってだけじゃなかなか大成出来ないのだろう。歌声、曲、時代性などが見事に融合して初めてスターが成り立つってか。ただ、このブログの主であるロックの世界じゃそんなのは大して関係なくって、聴いた人がどんだけ痺れることが出来るか、ってのが指標だ。売れてりゃその分知られる確立が高いだけで、そうじゃなくたって別に知る人は知るだろうよ。

 ハンブル・パイを解散させた後の1976年に速攻で自身のソロプロジェクトを進めていったスティーブ・マリオットだったが、ワガママ言えるほどレコード会社からは売れ筋な人と見られてはおらず、自身で作り上げた音源では物足りないと宣告されてアメリカへ渡ってセッションを繰り広げてらしくない音を作り上げる。それもまた本人は新しい刺激だったのかもしれないが、ちょっと不要だったんじゃないかな〜とも思える人選と楽曲アレンジな感じ。レコード会社は英国サイドと米国サイドとワケて一枚のアルバム「Marriott」としてリリースすることを提案、リリースとなった。当時から何十年もスティーブ・マリオットの力の入ったソロアルバムとして評価されてはいたが、時代が流れて発掘音源などもリリースされていくと当時スティーブ・マリオットが作り上げていたアルバムのフル音源なんてのも出て来て、「Marriott」で聴かれる英国サイドの拡張盤とも言える作品を聴いてみると、このままで良かったんじゃないか?とも思う。売れたかどうかってのは疑問だがアルバムの室としてはなかなかな気がするけどね。

 能書きから入ってしまったが、そのスティーブ・マリオットのファーストソロアルバムとなった「Marriott」はジャケットが結構かっこ良くて…ってかアメリカンな香りがするのがちょいキズだが、あのままの迫力が聴けるのかな、と期待させるものだった。レコードに針を落として出てくる音と歌声は紛れも無くスティーブ・マリオットの、あのハンブル・パイの音そのもので安心した記憶がある。更に言えばハンブル・パイよりも幅の広くなった音を出している感じすらあるワケで、楽曲の良さとかはともかく、歌声とギタープレイの濃さはなかなか堪らないものがある。英国サイドから聞くからこの渋みがどんどんと染み渡ってくるのだが、米国サイドに入るとちょいとやりすぎなんじゃない?って感じになってしまって元来の持ち味の粘っこい歌の伸びが生かせてない気がするかな。聴いてるとわかるモンでさ、確かにカラッとした感じが多いし、それでもスティーブ・マリオットだからもちろん聴かせてくれるけどね。

 もっともっとフロントに出て来ても良かった人なんだけどなぁ〜、残念だよなぁ〜イマイチなポジションに甘んじてしまったのがさ。本人はそうでもなかったのかもしれないけど、もっともっときちんとした形での音源とかセッションとか残して欲しかった。やっぱりバンドが恋しかった人なのかもしれない。

Complete Performance-Rockin' the Fillmore
Humble Pie
Omnivore Recordings (2013-10-29)
売り上げランキング: 980




Steve Winwood - Back in the Highlife

Steve Winwood - Back in the Highlife (1986)
Back in the Highlife

 いろいろな音楽を聞くのも良い、一方好きなものをひたすら聞くのも良い。どっちがどうってもんでもなくって所詮音楽ってのは心の安らぎとかでしかないんだから人に左右される必要もないし、心に響いたものを聴けば良い。そう思ってるんだけど、それって結構ピュアな音楽ファンだけの場合で、実際にはこんだけ音楽が一般的なものになっている事を思うとある程度の知識のある人や楽器に触れる人、音楽を生業としている人など色々な角度の人がいるから一概に好きなモノを聴いていれば良いというものでもなくなる。それぞれのスキルのために聴いておくべきつまらない音楽もあるかもしれない。つまらないと言っては語弊があるが、例えば音楽評論家なんてのは好き嫌いで書けないしね、大変なんじゃないかな。ウチみたいな適当なブログだったら何でもいいけどさ(笑)。なんでまたそんなことを…って話はですね…、えぇ、これです。

 1986年にリリースされたスティーブ・ウィンウッドの大ヒット作「Back in the Highlife」。大ヒット作、と書いてるけど実際その時代をリアルタイムで通ってるけどさ、知らないんだよな、これ。知らないってのはアルバムを通して聴いたこともなかったし売れてたってことも大して知らなかった。まぁ、その頃はスティーブ・ウィンウッドって誰?ってな話だけど、何かでAORみたいなのやってるコジャレたおっさん…おっさんじゃないけど若くはないくらいだったんじゃないだろうか…。そんな印象しかなくってね、ジャケットの色合いも強烈だから知っててもおかしくないんだけど全然知らないや。多分相当拒絶反応示してた人だったんだろう。ロックにハマってからスティーブ・ウィンウッドって名前は天才少年として知るのだが、それはもう70年代のトラフィック時代あたりまでで、それでも「?」だったけどスペンサー・デイヴィス・グループ〜ブラインド・フェイスあたりまでは凄いな〜って思うもんな。トラフィックを経てのソロ作なんて全然…、聴いたけど数回も聴いてないくらいで響かなくてね。こういう音、ダメなんだよ。

 さて、そんなトラウマがありつつもスティーブ繋がりのギタリストってことでちょっと聴いてみた。結果から書けばやっぱりダメだ、って事がはっきりとわかった。ライブで生で見たら凄いな〜って思うと思うし、それまでも他の人とのセッションとか見たり聴いたりしていると凄いな〜って思うのあるから自分から見てスティーブ・ウィンウッドって人の才能の凄さを実感しているのは変わらない。ただ、音楽的にとか含めて好まないだけで。普通にブルース・ロックやってたらかっこ良いんだろうと思う。ギター弾いたって凄いブルース・ギターを良いトーンで弾いてくれるし、歌だってもう黒人の声を持つ白人の代表だし、全然凄いんだもん。なのにソロ・アルバムだとそういうのじゃなくて一般的に商業的に成功する路線を選んだ音楽になっているというだけ。それも否定はないけど自分は好まない音でした、ってお話。こういう音楽って必要なんだろうな。



Steve Vai - Alien Love Secrets

Steve Vai - Alien Love Secrets (1995)
Alien Love Secrets

 もう10月半ば過ぎになってしまったのか…、今年もあとちょっと、と言うくらいになってしまったなぁ、としみじみ感じたりする。年末年始の予定など考えたりするもののどこかまだ先だからいいやって思ってしまって進まないのだが、結局自分が損するんだよな、その無計画性ってのは(笑)。かと言って予定調和な旅とかってのも面白みに欠ける部分もあるし…でも宿なしじゃキツイし、ワガママなワケですよ。いや、旅したいな〜とか考えてるけど多分しない、か。もうちょっと後になったら決めよう、と。

 1995年にリリースされたスティーブ・ヴァイのミニアルバムの位置付けらしい「Alien Love Secrets 」だが、リアルタイムな方々からしたら「Alien Love Secrets 」はジャック・バトラーのテーマソングが入っているアルバムって印象なんだろうと。ジャック・バトラーってのはご存知映画「クロスロード」で出て来た悪魔のギタリスト=スティーブ・ヴァイなワケで、最後の対決のシーンで圧倒的に勝利を誇るギタープレイをカマしてくれたインストの曲そのものでしてね、これがまた当時映画を見た時からかっこ良いな、これ、と思ってたんだけど見事にその長尺版を出してくれたという代物です。邪悪なヘヴィメタルと言えばこの曲では?ってくらいエッジも立ってるし旋律も悪魔的だし毒々しい感じが大変かっこ良いのでこのためにミニアルバム作っただろって思うくらい。他の曲はそういう意味ではかなり遊び要素が強くて…それでももちろん常人ワザではないものばかりなんだが、こんだけメタルに沿ったインストアルバムってのはそうそう見当たらないんで秀作として挙げられるだろうな。

 自分的にはスティーブ・ヴァイってイマイチよく把握しきれない人、ギタリストで、超人というのはあるけどその分良い曲とか良いメロディとかフレーズってのはどんだけあるのか知らないんだよな。そういう方向じゃないからギタープレイだけで、ってのはあるのかもしれないけどどうなんだろ?そういう意味では自分はやっぱり所詮ギターの入ったロックバンドが好きなだけで音楽的なギターを好んでいるワケでななさそうだ、なんて事実にぶち当たるのだった…。

クロスロード [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2010-07-28)
売り上げランキング: 6,578




Steve Hillage - Green

Steve Hillage - Green (1978)
Green

 イマイチよく解っていないギタリストの一人、スティーブ・ヒレッジ。ゴング時代からそのスペイシーなギターの音はヘンだな〜、よくこんなん出せるな〜とか思ったけど、ギタリスト的な側面と言うよりも奇人的な意味で聴いていた感が強い。ギターをきちんと弾かせたら多分相当に弾けるんだとは思うが、それをしないで宇宙音の再現にひたすら取り組んでいる…と言うかその可能性をひたすら追い求めているギター弾き…ギター弾きと言うかギターの可能性をどこまでも追求していると言うべきか。そのおかげで出てくる音もスペイシーなものからアンビエント〜テクノ〜デジタル世界に通じるものになるのは至極当然の帰結。だからこそ70年代当時からして変人扱いだったワケだ。

 スティーブ・ヒレッジの1978年のソロ作品4枚目となる「Green」というアルバムを聴いたのは随分昔の話だ。もちろんまるで理解し得なかった作品、どころかスティーブ・ヒレッジってアレだろ、ぶっ飛んだ音出してる人だろ?ダメだアレ、ってなくらいの会話だった。芸術の域としてはわかるのだが、好きキライで言えばあまり好みじゃないしロック的なガツンでもないんでそういう聴き方はない。ソフツのように馴染めるかと言うとそうでもなくて、やっぱちょっと解らない。「Green」はそういう意味ではかなりまとまりのある、そして広がる世界をきちんと表しているアルバム、しかも今にも通じるデジタルサウンドの原点でもある部分があるからか後世への影響も一発で分かるくらい原点なアルバムなので聴き応えがある。ただ、これを名盤だと言うにはちょっと違うかな…凄いアルバムだけど一般的に名盤っていうのではなくて、ある程度聴いた人が聴けば名盤だろうと。ミニマルとか好みな人は大丈夫かな。自分はミニマルって好きなんで「Green」は何とか分かる範囲だろうか。全曲じゃないけどね。

 これさ…明らかにシラフじゃわからんでしょ(笑)。宇宙的と言えば聞こえは良いけどトリップモンだろうと思うもんなぁ。ただ、何かわからんが凄い吸着度…何か聴いちゃうんだよな。ギタリストのアルバムとしては全く聴いてなくってスティーブ・ヒレッジっつうアーティストの作品としてのお話になる。もっとギターギターしたの聞きたかったのにこんな世界に辿り着いてしまうのはいつものことか…(汗)。



Steve Hackett - Voyage of the Acolyte

Steve Hackett - Voyage of the Acolyte (1975)
Voyage of the Acolyte

 プログレ畑を漁り始めた頃に何とスティーブという名のギタリストが多いのだろう、と思って名前を覚えるのに苦労した記憶がある。スティーブ・ハウ、スティーブ・ハケット、スティーブ・ヒレッジなどなど…別にいいんだけどさ、イエス、ジェネシス、ゴングとどのバンドの人だっけ?みたいなことでして、誰がどこそこへ行って…とか名前がこんがらがってきて覚えにくかったなぁ…自分的にはこの人はこうだ、みたいな特色がきちんと把握しきれていない時に全部一気に聴いてたから余計にワケわからなくなってて当分混乱してた。ソロアルバムあたりに手を伸ばし始めても、あれ?どのバンドのスティーブ?みたいな感じ(笑)。アルバム聴いてて不思議な気分になるのもあってさ、大抵ギタリストってそのバンドの音の要になっててもおかしくないからソロアルバムでも同じような路線になる事が多いし、聴けばわかる。が、スティーブ・ハウみたいな人もいるんで何とも…。

 スティーブ・ハケットが1975年にジェネシス在籍時にリリースしたソロアルバム「Voyage of the Acolyte」はギタリストのソロアルバムという次元の作品ではなく、ジェネシスで取り上げてもらえなかったジェネシスらしい曲をきちんと形にしてリリースしました、というアルバムで、ジェネシスの表サイドがピーガブの世界だったとしたら本来ジェネシスが音楽的に辿る道だった世界が本作。初期ジェネシスの叙情性やプログレッシブ・ロックらしいプログレサウンドをそのまま奏でている音で、ギタリストという冠は多分不要、ジェネシスのアルバムです、これ。スティーブ・ハケットのソロ作とするからややこしいんで(笑)。フィル・コリンズもマイク・ラザフォードも参加してるしサリー・オールドフィールドまでも参加してるしピーガブがダメな自分はこっちのが全然好みな世界だね。その分ギタリストとしてのスティーブ・ハケットってどんなん?ってのが良くわからないんだけど、多分スティーブ・ハケットってプロデュースする側にいる人間なんだろうな〜ってのがわかる。ギタリストとしての人じゃない、ってことだ。

 昔からアルバムが名盤扱いされているけどスティーブ・ハケットという人の作品ってことで扱われていたから後回しだったんだよな。ジェネシスの音世界の派生ですってなればこっちのが全然良い。ある程度のパーマネントメンバーで続けていけば面白かったんだろうと思うが…そして結局ジェネシスからは離脱するんだから、まぁ、納得。ジェネシスである必要性がなくなっちゃうもんね。しかしスティーブ・ハケットの名で活動するには弱かったのも一理あり。難しいねぇ、その辺。ただ音的には相当評価されているんだから良いんじゃない?

Steve Howe - Turbulence

Steve Howe - Turbulence (1991)
タービュランス

 どこかのバンドのギタリストとして名を馳せた人のソロアルバムってのは大抵つまらないものが多い(笑)。バンドの一員としてのプレイではとんでもなくかっこ良かったりするし、バンドで自身の曲をやる分にはかっこ良いんだが何故か同じ人がソロ用で作品を作ってもまるで面白みがないのだな。一つにはボーカリストとしての器量がない人が多いから歌がつまらん、ってのもあるしやっぱりバンドの一体感がなくってセッションな感じになるからつまらんってのもある。曲が悪いってワケでもないのだろうけど曲にフックが足りないとかね…それはボーカルやバンドの力量の差なんだろう。何となくギタリストのソロアルバムで凄い名盤っての思い付かないんだもん…ピーター・フランプトンくらいか(笑)。

 ご存知イエスのギタリストとして名を馳せたスティーブ・ハウのソロアルバム3枚目となる「タービュランス」、実際は1986年から89年頃までの録音らしいがリリースされたのは1991年、イエスの「Union」の頃だな…ってことでその元ネタが結構散りばめられているってことで知られている作品。自分的にはこの後の「Not Necessarily Acoustic」の方が全然好きだし、初期二枚の作品はボーカルとかあって聴きたくないんで(しょぼいしさ〜)、この「タービュランス」あたりから聴けるか、って感じです。いや、聴けるか、どころかイエスとはリンクしない音ばかりでさすが音楽に造詣の深いスティーブ・ハウだと実感する。正にソロアルバムならではの好きなコトばかりをやっているアルバムで、フュージョン的な色合いが結構強いのは何でだろ?明らかにロックな人手はないんだが、もっとスパニッシュ的な方向でもおかしくないんだがフュージョン系です。ドラムはビル・ブラッフォードだからクリムゾンっぽいところもあるんだが、基本キャッチーなメロディーをギターで奏でるのと更に多彩な弦楽器を駆使して色彩豊かなインストを繰り広げている。如何にもギタリストが作りました的なサイズに収まっているところがギタリストらしくて良い(笑)。テクニカルにもならず、複雑にもならず、流れてそのままさようなら的な曲ばかりが並んでいて心地良く聴けると言うのもなかなか面白い。

 イエスの時のギタープレイとか凄いな〜と思って聴いてたりしたんだけどソロになってギター的にやられると、ふ〜んそんな感じなのか…とちょっと見る目線が下がったのは何でだろ?もっとテクニカルに行くかクリエイティブに進むのを期待してたからだろうか、こんな軽やかなフュージョンサウンドに接近するとは思わなかったからか。時代の産物とも言えないでもないけど、これはこれで良しとして聴くものかもしれん…。やっぱ「Union」のデモサウンドってのが近いかな(笑)。そういう意味では興味深い音なので楽しめるけど…、何回も聴かないな〜。

Not Necessarily Acoustic
Steve Howe
Herald-Classic Rock (1994-11-29)
売り上げランキング: 278,961




Jeff Beck - Jeff

Jeff Beck - Jeff (2003)
Jeff

 通好みのギタリストって世界は自分的にはまだまだ全然近づくことができなくて表面上聴いていたことがある程度だ。超絶ギタリストってのはギターだけで自分を表現できてしまう方々という意味もあって、そこにはバンドもボーカルも要らない、ロックとか何とかじゃなくて音楽的にギターをチョイスして表現している人たち…何と言うのかな、ちょっと違うんだよ、普通のロックギタリスト達とはさ。もっと音楽的…ってのか、そんな感じ。何でも弾ける人達ってのかな…、別に誰がどうのってんじゃなくて、そういう方々の作品ってのは大抵ギターがフューチャーされていてテクニック的にはとんでもないんだが曲として名曲だ〜ってのはあまり多くない。プレイが重視されているからかもしれないけど、自分に聴く耳がないってのもあるか(笑)。でもギターって好きだからやっぱ聴くんだよね。

 2003年にリリースされたジェフ・ベックの「Jeff」というアルバム…これまでも既にどこまで行ってしまうんだジェフ・ベックってシリーズが何枚か出てた後なので、これが三部作の最後ですってな感じで出されるのは当然ではあるんだが、それでもジェフ・ベックのこのスタイルには本当に驚いたものだ。リアルタイムの時はそんなにジェフ・ベックに興味もなく、復活して頑張ってるな〜くらいで音もまともに聴かなかったんだけど、ちょっと後かな、たまたまライブを見ててとんでもない進化に驚いて幾つか聴き始めたという…、まさかそんな風に進化しているとは?ってのがあったから。この辺の人たちってすっかりノスタルジックなスタイルで生き延びます的な感じあったからここでこんなにぶっ飛んだスタイルになってるのはなぁ…、デヴィッド・ボウイだってここまでぶっ飛ばないだろってくらいのぶっ飛び方でさ、しかもこの「Jeff」ではその集大成とも言えるくらいに最新の進化と古くからのジェフ・ベックのスタイル、さらにマインドがしっかりと溢れているプレイってのがうまく融合していてある種名作に仕上がってる。残念ながら歌ものとかじゃないから一般的に名盤とは言われないんだろうけど、何じゃこりゃ?みたいなトコあるんじゃなかろうか。いや、凄い…。

 こんだけポジティブに時代に沿ったパンク魂を溢れさせて突き進んでくるスタイルってのは正に革新。若い世代では出来ないスタイル、しかもプロフェッショナルな挑戦状で時代に叩きつけてくれる作品、凄まじいテクニック、そしてロック。いいねぇ、これ。ジャンル無視のギタリストだけどやっぱりロックだろ、これは。





Soft Machine - Softs

Soft Machine - Softs (1976)
Softs

 白熱した演奏や音のぶつかり合いなどのロックが好きだ。音楽形態にももちろんこだわるんだけど、別にジャズでもロックでもブルースでももしかしたら歌でもとにかく「熱い」のは好きだ。「暑苦しい」のはダメだが…。一方超絶クールってのも好きだ、そしてやっぱりかっこ良いのは好きだがこれは好みなんで…それ言ったら全部好みなんだけどさ(笑)。ロックを聴き始めてしばらくしてからプログレって世界が登場した。メジャーなバンドはもちろんだけどそこからちょっと進むとカンタベリー系などが出てくる。ソフト・マシーンもその頃に自分の中で登場してきたバンドで、何故か取り付いた、取り憑かれた…中期頃の作品が一番好きなんでその辺はよく聴いたもんだ。

 初期の作品はソフト・マシーン的に聴くと言うよりもピンク・フロイドの初期作品と同じように時代の産物として聴いていた感覚が強い。三枚目あたりになると「O Calorine」のロバート・ワイアット節に気づきその路線も追いかける。一方で以降の中期作品の世界観にもハマる。この路線から「Six」までは文句なしにハマりこんでいったけど、「Seven」になってちょっと「?」となり、「Bundles」は昔は全然受け付けなかった。「Softs」に至っても同じくで全然受け付けなかったんだよな…、まだこういうのが許せなかったってのが大きいか。で、折角この機会なので「Softs」を引っ張り出してみるととんでもなく熱くかっこ良い。うん…、そうだったか…と。

 1976年ソフト・マシーンとしては9枚目のスタジオアルバムとなるが、最早オリジナルメンバーのマイク・ラトリッジすらゲスト扱いとなっている別物バンドになっているという予備情報がいかん。なんだかんだと「Six」くらいからそのセンスを発揮しているカール・ジェンキンス主導のバンドであるからして、そして自分的にもそのミニマル作品は割と好きなので「Softs」にオリジナルメンバーがいないと言ってもカール・ジェンキンス主導のアルバムであれば好める要素もあるだろうと気付けば良かったが、ジョン・エサリッジの超絶ギタープレイがあまりにもあまりにもで受け付けなかったようだ。今聴いてもその凄さは当然わかるんだけど好みの音ではない。ただ、このアルバムの核ではあるしものすごくハイレベルな作品にしている要素でもある…ひいてはこの時期のベックの「Blow By Blow」よりも質が高い気がする作品だし。やっぱりソフト・マシーンってのは凄いな~と言うのがよくわかるアルバムで…この時期のライブなんかもきっととんでもないんだろうと思う。いくつか出てるからそれもまた楽しめるかな。

Keith Tippett - Blueprint

Keith Tippett - Blueprint (1972)
Blueprint

 ジュリー・ドリスコールはてっきりブライアン・オーガーと一緒になる人かと思っていたら意外なところでキース・ティペットと一緒になってた…今でも夫婦でいるらしいからこの世界では珍しい気がする。そういえばジュリー・ティペットってクレジットも幾つかあったななどと遠い昔の記憶を呼び起こしてみると、そういえばキース・ティペットって取り上げたことないんじゃないか?なんて。まぁ、一時期プログレからカンタベリー系に進んでフリー・ジャズあたりまで進んだこともあるんだけどさすがにアバンギャルド過ぎる方向性は聞いている時はそれなりにハマれたんだけど結構体力消耗するのでだんだんと遠ざかってしまったんだな。今じゃそんなにフリージャズを熱心に聴けるほどの体力はないのでほとんど聴かない。でも、今回たまたま気になったので何とも久々にキース・ティペットのアルバムを…。

 1972年「Blueprint」、プロデュースにロバート・フリップを迎えていることから、またジュリー・ティペットも参加している…ってか結婚してすぐのアルバムなんだろうと思うのだが、そのおかげでロック界にも割と知られている作品。モノの本で紹介されていて気にはしていたけどフリージャズ系だしな〜ってことで積極的には手を出さなかったものの、やはり聞いてみたかったので入手は随分昔…でもアナログじゃ手に入らないアルバムだったんでCD時代になってから、それも随分経ってからだったけどさ。やっぱりね辛いんだわ…、いや最初のピアノメインのなんかは美しく凍りつくような感触で好きなタイプなんだけど、その後がフリージャズ系と言いつつも楽器陣営がぶつかり合うようなものでもなく、ホントに即興的に効果音が響くような感じで何ともなぁ…ジュリー・ティペットもこういうの好きだったんだろうか?もっときちんとした普通の歌を歌う方が向いている人な気がするんだが、旦那さんの作品だからしょうがないか。

 意外な事にクリムゾンを彷彿させるアグレッシブな音とはかけ離れた音だkど、緊張感溢れるテンションの高さはさすが、ロバート・フリップのプロデュース能力が出ているようには感じないけど、この冷たいテンションはクリムゾンに持ち越されている部分あるな。若い頃これ聴いてたらどう思ったかなぁ…、やっぱり進まない方向だっただろうか。こういう音も世の中にはあるんだよと言うには良いかもしれないが、それにしてはフリージャズの決定盤とも言えないし、どうにも…って感じ。



Julie Driscoll‬ - Open

‪Julie Driscoll‬ - Open (1967)
オープン(紙ジャケット仕様)

 別の角度から捉えてみる同じバンドと言うのは聴く角度が変わって面白く取り組めるのがよい。ブライアン・オーガーとかどうしてもジャズオルガンの人というイメージが強くてソロ作品にしてもどうにもドロドロな感じがあってね、何枚かあるんだけど好んで聴かなかったワケです。それがジュリー・ドリスコールと一緒にやった有名な「Streetnoise」なんてアルバムあたりだともちょっとすっきりしてジュリー・ドリスコールの歌に比重が置かれつつ自身のスタイルを捨てることなく出しているワケで、フムフムとなるのだが、今度はあまりにも「Streetnoise」が出来過ぎててジュリー・ドリスコールの方に気が行かなかった…うん、だから今回は異なる角度からのジュリー・ドリスコールへのタッチってことで…。

 1967年にリリースされたオリジナルアルバム「オープン」、今じゃボーナストラックなんかも付いているのでこの時期の楽曲は大体揃うようになっているみたいだけど、ブライアン・オーガーがバックに徹しているのはともかくながらジュリー・ドリスコールの歌が変幻自在に舞い、どれが彼女の本質なんだ?と見紛うくらいに多彩な曲を歌っている。そう思うとブライアン・オーガーの才能は見事だよな…、こんだけ色々とやりながらある程度のカラーはキープしつつ、それはジュリー・ドリスコールの色も含めてなのだが、モチーフはサイケデリックな時代、ただちょっと逸脱していかないといけない部分もあるからかおフランスなポップステイストみたいなのを入れてジュリー・ドリスコールを際立たせている。この人こんなに不思議な魅力のある感じだっけ?って思うくらい。フランス人形的可愛さを出していながらも歌う曲ではその歌唱力を存分に引き出している…、ものすごい実力を持った二人によるバンドだったのだ…。

 甘かった、そこまで知らなかった。もっと暗い感じが強かっただけなのだが、やっぱりちゃんと聴かないとダメですね。今回聴き直しててジュリー・ドリスコールの魅力にハマりました(笑)。ちょこっと見てみると今でも現役で歌ってるんですね。相変わらず旦那さんのキース・ティペットなんかとちょこちょこやってるみたいで…。

Streetnoise
Streetnoise
posted with amazlet at 13.10.05
Brian Auger
Castle Music UK (2004-09-14)
売り上げランキング: 272,374




The Steampacket - The Steampacket

The Steampacket - The Steampacket
ザ・ディフィニティヴ・レコーディングス(生産限定紙ジャケット仕様)

 Steamhammerのドラマーにはこの時代前後に名を馳せることとなるミック・ウォーラーが在籍していて、それはもうジェフ・ベック・グループのドラマーとして知られていることになるんだけど、まぁ、この辺が人間関係の面白いトコロで、元々Steampacketってバンド…そうロッド・スチュワートがいたバンドでミック・ウォーラーもいたから当然知ってるワケ、その後ジェフ・ベックがロッド・スチュワートを見つけて一緒に組んで…そこでミック・ウォーラーもいたワケだが、その周辺ってのはイアン・マクレガンとかジュリー・ドリスコールとか色々いたワケ。んで、当然なんだけどSmall Faces〜Facesあたりの人脈まで繋がっていくからどうしたってベックからその辺、そして過去へ行くと繋がりが増えてきてねぇ…、まぁ、そんなことで今回はその発端ともなったバンドです・

 The Steampacketなんだけどアルバムってのは出てなかったんじゃないだろうか?多分シングルばかりで市場を賑わせたとか何とか…いや、調べてないからわかんないけど多分そんな感じで昔からアルバムらしいアルバムってないんじゃないかなぁ…。CD時代になってからはコンピ盤とか色々出て来て聴きやすくはなってるハズだけど、元々がモッズバンドだしシングルありきだったからそんなもんだろうと。そういうバンドも結構多かったんだろうしね。アマゾンで見ると今なら割とコジャレたジャケットの全曲集が手に入るようなので良いんじゃない?「The Steampacket 」ってのだけど。

 楽曲がどうのとかはそんなに違いを書ける程自分でも把握してないし、65年頃前後のモッズバンドだからThe Whoの初期と同時代だった、多分本物のモッズによるバンドだったんだろうが、音を聴いてもエッジの効いたクールなビートをキメてくれているのでソリッドでかっこ良いなという印象。ロッドの歌声も結構似合っててまだまだロックしてるなっていうくらいで割と好き。何がそんなにソリッドな感触なのかよくわかんないが、初期モッズの音は好みだな〜、まぁ、どういう役割だったのかわからないけどジュリー・ドリスコールやブライアン・オーガーもメンツに組み込まれていて後の英国ロック史を考えれば非常に興味深いバンドのひとつだね。

Rod Stewart/Brian Auger/Julie Driscoll
Steampacket
Charly Budget (UK) (2011-09-06)
売り上げランキング: 355,951




Steamhammer - Reflection

Steamhammer - Reflection (1969)
Reflection

 人脈辿りによるどこまで行くのかロック史みたいになってるんだけど楽しくてやってるだけなのでどこでどうなるかわからんし、一方向にしか進めないので多分岐するバンドなんかに出会うと誰の人脈に進むべきか…なんて悩みも出て来たりね、Quatermassなんかもそうだけど他のメンバーの人脈で進めばそれはそれで全然違う展開になっていっただろうし…とかあるワケ。そんなの気にしないでドンドンと適当に進めていくのもまぁ、いいでしょ。最近じゃブログそのものも廃れてきているしどんどんニッチにやってきゃいいんだよ、好きに(笑)。そんな意味ではTwitterやFacebook(やってないけど)なんかもちょっと陰ってきてるしねぇ…、今を生きる的にはSNSって良いんだろうけどライブラリやデータベース的に後から探すってこと考えるとログが残ってるだけじゃダメなんだよね。ある程度体系化出来ないとさ〜、ホラ、ロック史なんて書けないけどこんだけブログ書き続けてるとそれなりに体系化出来てるんだよ、多分。ホントはそこからHPにして更に纏めていこうと思ってた…っつうか途中までやってあるんだけどメンテが出来ない。面倒なんだもんなぁ…でも、どっかでやらないと。何故って自分で見返して覚えておきたいからっていう理由でして…そんなもんです(笑)。

 1969年にデビューしたSteamhammerという英国のバンドのファーストアルバム「Reflection」、全く売れなかったらしくほぼ無視状態だったようだが、オリジナルのジャケットとは異なるメンバーショットのジャケットの方が知られていたなぁ。それもこれもRepertoireからのCD化でようやく聞けたってものだったんだが、アルバムとしての評価はこの後の「Mountains」や「Speech」に集まっていて初期作品は割と見向きもされなかったか。再発の評価の時のお話なので今は割とフラットになってるからバンド単位で評価されているかもしれないな。最終アルバムとなった1972年リリースの「Speech」でのベーシストがオリジナルルネッサンス解体後のルイス・セナモってことで、そうだな、そんなこともあったな…と思いつつ、ならばってことで思い付いたのでルイス・セナモ参加してないけどSteamhammerのファーストアルバム「Reflection」なワケです。

 後に聴かれるハードプログレッシブ的なアルバムの要素はまだまだ磨かれてなくて、あまりにもありきたりな時代背景を反映したちょっとヘヴィなブルース・ロックな音です。ただ、3コードなんだけどマーティン・ピューってやっぱりかなりヘンなセンスgああってさ、ギターがどれもこれも浮いている感じ、それこそはSteamhammerの特色なんだけどスタンダードなブルースベースの曲をこの人が弾くとホントにヘンでさ…、他のメンバーが割と平凡なのにマーティン・ピューだけ異質、それがバンドの核ってトコだ。ただやはり単なるブルースばかりではなくってサイケデリックのアプローチも入れつつ時代を意識した音にもなってて激動の時代を颯爽と駆け抜けていくバンドの資質が見え隠れしているのが面白い。

 うん、好きだねぇ〜、こういうの。イントロから曲が始まるまでワクワクしちゃうもん。始まるとダサくてしょうもないんだが、そのワクワク感の間が好き。

Speech
Speech
posted with amazlet at 13.10.05
Steamhammer
Repertoire (2002-11-14)
売り上げランキング: 829,663


The Herd - The Complete Herd

The Herd - The Complete Herd
The Complete Herd

 Quatermassの面々の来歴、その後ってのは今じゃググれば何でも出てくるから知りたけりゃホント簡単に探せる時代なんでラクなもんだ。昔はクレジット見て自分の記憶で見たことある名前だ…って思いだして繋げていって、みたいなことしてたからね。そのおかげで役に立たない知識がたくさん付いたんだがホントに役に立たないんだ、これが(笑)。大体話す人いないから知っててもしょうがないし、まとめてるワケじゃないから記憶だけなワケで、結局どんどんと抜け落ちていくワケで、何のためにあんなに時間をかけて色々とハマリ込んでたんだろうなぁ〜と思うのだな(笑)。ま、人生そんなもんだ。

 Quatermass絡みでふ〜んって色々見てるとさ、ミック・アンダーウッドさんというドラマーが、後にはそりゃ色々なトコロでやってるから知られていったんだけど、それ以前、1960年代から活動している人なので、面白いことにピーター・フランプトンが在籍していたことで知られているThe Herdというバンドのドラマーも務めていたことがあるらしい。1966年頃だけの助っ人に近い参加なのかな…シングル数枚残されているだけだし、しかもそれがミック・アンダーウッドって個性がわかるほどの音でもないし、それこそ記録だけのお話なんだけどさ、ちょっと面白いなと思ったのはその時期のベースがルイス・セナモさんでして…えぇ、ルネッサンスのあの人でしょう、多分。それにピーター・フランプトンがギターで参加していたってお話。そう書くと何かそれなりに面白そうなバンドだったんじゃないか?って思うもんな。今みたいに簡単に音聴けないから頭の中に「The Herd」ってメモしておくワケよ。それでレコード屋行った時にちょっと思い出して探してみる…もちろん見つからないんだが(笑)。いや、60年代のバンドってシングル中心だからシングル盤探すのまではやらなかったし、コンピ盤とかベスト盤なんてのもCD時代になってからはわんさか出て来たけどそれまではある程度しかなかったからねぇ…なかなか古くて聴けなかったもんだ。

 CD時代になってからすっかりそんなの忘れてて、こうでもしなきゃThe Herdなんて聴かないだろ、探さないもん、わざわざってトコで見つけた今回の偶然。そうかルネッサンスとクォーターマスとハンブル・パイが一緒にやってるのか、と(笑)。わかってるんだけどそういうイメージになっちゃうんだよねぇ…んで、適当にコンピ盤とか聞いてみたりYouTubeで1966年頃のを聞いてみたりするんだが…そりゃもちろん全然面白味はないさ。ピーター・フランプトンだって個性出てないし他も然りだし、そもそもこの時代のバンドってどうやって皆差別してたんだ?ストーンズもビートルズもハードもキンクスもムーディーズも大して変わらんだろ、としか思えん(笑)。やっぱりルックスだろうか…、なんてこと思いながら一応聴いてみたけど、う〜ん、そんなもんです。

An Anthology
An Anthology
posted with amazlet at 13.10.05
The Herd
Music Club
売り上げランキング: 886,791






Quatermass - Quatermass : Deluxe Edition

Quatermass - Quatermass : Deluxe Edition (CD+DVD) (2013)
クォーターマス:CD/DVDエキスパンデッド・エディション

 70年代の英国ロックバンドがちょっと前から再結成して日本に来たりとかしてそれなりにニッチな人気もあるみたいだし、もちろんアルバムは何度もCD化されてそのニッチな要求に応えるが如く紙ジャケ、発掘ソース、DVD5.1ch盤などと当時はほとんど売れなかったにもかかわらず90年代以降安定的なアイテムとして定着しているようだ。まったく不思議なお話で、ロックってのはそうやって歴史の一部になっていくのだろうな、なんて思ってしまうくらい。もっとも当時は知られることの多くなかった情報が今の時代ではありとあらゆる部分まで解明されることで、だから故に聴いてみようかと思う人も多いのだろう。自分だってそういうのはあるしさ。

 Quatermassの1970年の唯一作「Quatermass : Deluxe Edition (CD+DVD)」がCD+DVD盤で再発された。内容はといえば通常のアルバムにシングル曲「One Blind Mice」とそのB面曲「Punting」の追加…これは昔からレパートワーのCDでも入ってたんで特に目立つものでもないんだけど、何故に「One Blind Mice」が冒頭に入っているのか…シングルを聞いてからアルバムを聴けとでも言うかのような入れ方ではあるが、まぁ、今の時代なら飛ばせば良いだけだからいいか(笑)。アルバムの印象は相変わらず過大評価されすぎじゃないか?って思うんだが、それもこれもディープ・パープル/レインボウ絡みの情報が多々流れていき、メンバーもその後の活動歴が割とクリアーになってきたことで実力派バンドだったということが言われてきたからだろう。メジャーグラウンドで語られるとこのバンドは全然面白みがないんだけどな〜と自分は思う。マイナー世界の中で語るならばアルバムジャケットの素晴らしさから音のくぐもった感とかやりっぱなし行きっぱなしの歌とかワンフレーズにこだわる曲展開とか見せ所はたくさんあって魅惑的なのだが…、いや大好きです。このハモンドの使い方なんてもう古臭くて古臭くてこれぞハモンドです、って感じでさ(笑)。

 んで、今回のCD+DVD盤では「I'm Afraid Not」というレコーディングセッション曲が中途半端ながらも入ってて苦肉の策だけど、まぁ、伝説のバンドQuatermassの断片ではあるからあるものは全部まとめて入れておけ的な意味合いからすればありがたいと言うべきかもしれん。それよりも自分的には1974年のライブから、っていうのに驚いた。1974年に活動してたんか?ってのが驚きでさ、アルバム一枚のバンドでセカンド・アルバムとか全然出て来なかったワケだから当然バンドは解散していたものだと思ってたんだが、これはもっと追求しないといかんな〜と。メンバーそれぞれのセッション活動と年代を見てってホントにやってたの?みたいなのも知りたいし、そんなライブ音源あるなら全部入れて聴かせろよ、って思うのだがどうしてこういう中途半端なことするかねぇ〜、次の商売考えてるとか?この「Quatermass : Deluxe Edition (CD+DVD)」だってそのライブ曲だけだよ正直。DVD5.1chなんて自分にはどうでも良いし、それだったら1974年のライブ丸ごと…更に1970年のライブも入れてほしいなぁ…。どうにも釈然としないリリースな気もするけどこれが精一杯だったんだろうなぁ。



Roger Glover - The Butterfly Ball

Roger Glover - The Butterfly Ball (1975)
The Butterfly Ball

 ロジャー・グローバーのイメージってのは普通はディープ・パープルのベーシストとなるのだろうけど、何故か自分にはあまりそういう印象が強くない。理由は単純でディープ・パープルをまともに通って来なかったからというだけで、そこに辿り着く前に英国プログレッシブ・ロック史でロジャー・グローバーを知ってしまったという方が大きい。もちろん名前は知ってたけど、そしてディープ・パープルもそりゃ聴いたけど、そんなにハマり込まなかったし、しかもベーシストなんでガキの頃の自分からしたら後回しだったしさ(笑)、ところが英国のロック史にハマっていってプログレッシブ・ロックを紐解いていくと全然別の角度からトータルアルバムの秀作ってことで紹介されてきたのが「The Butterfly Ball」という作品。まぁ、始めはディープ・パープル関連の人のだからちょっと違うんだろうしな〜と敬遠していたから聴いたのは結構後になってから。

 1975年の作品ってことでミュージシャン、アーティストとしては一番油の乗っている時期だっただろうし、一方ではバンド活動にはうんざりしていたこともあってか元来ディープ・パープルが持っていた音楽性とはまるで異なるアーティストの側面が強く出てきたロジャー・グローバー最初のソロアルバムと言える作品「The Butterfly Ball」。これがね、「ブリティッシュ・ロック列伝」か何かに取り上げられててさ、どんなんだろ?って思うワケ。文章で紹介されるとどうしてもディープ・パープルのロジャー・グローバーがディープ・パープル関係の人脈でグレン・ヒューズ、ディオ、カヴァデールなどに歌わせている豪華アルバム、みたいになっちゃっててさ、それでいて伝統的な英国のロックの香りをプンプンと放った作品と評されてて、イメージ浮かばないな〜って。とある時にボロボロのアナログ盤見つけて安かったんで買ってみた。そしたらびっくりさ、ってのが出会い。

 上述の文章は全て無視してもらって作品の話だけするならば、この頃の英国ロックのユニークな側面を持ち合わせたアルバムですな。ディープ・パープルの事なんか忘れてください。多彩なロジャー・グローバーが仕事してディープ・パープルをやっていただけで本作「The Butterfly Ball」は彼のやってみたい音楽性が表現されている、即ち元来の音楽や英国人気質が出て来たもので形態としてハード録を選ぶ必要はなかった、もっと素直にスタンダードに英国人をやっているというだけ、歌が必要だから人脈で色々引っ張ってきただけって位置付けです。だからハードじゃなくて、どっちかっつうとジェスロ・タルとかケビン・エアーズの雰囲気に近い別物です。パープル関連のボーカリスト達が並ぶのも面白いんだけどさ、ちょっと驚いたのはジョン・グスタフソンの参加。ご存知クォーターマスの人で、断片断片でディープ・パープルとの絡みはあるんだけど、ここでも出てくるか〜、それなのに大成出来なかった人なんだな〜と。

 しかし、「The Butterfly Ball」はボーカルが替わっていきつつもトータルアルバムとしての統一性からひとつの絵巻物語を聴いているような感覚に陥り作品の質の高さを実感できる秀逸作品。名盤とは言わないけど、これこそこの頃の英国ロックの味がきちんと出されているアルバムなのでちょっと誤解していた自分がもったいなかったな〜と反省するアルバムです。

クォーターマス:CD/DVDエキスパンデッド・エディション
クォーターマス
DUレーベル(原盤:Esoteric Recordings/UK) (2013-09-30)
売り上げランキング: 27,759






Rory Gallagher - Calling Card

Rory Gallagher - Calling Card (1976)
Calling Card

 いや〜、トミー・ボーリンさんのアルバムジャケットが自分のブログでドカーンって見えるとさ、良い表情してる人だな〜、ってつくづく思うワケ。こういう笑顔できる人ってなかなかいないでしょ。プレイがどうのとかより人として好かれるべき人だったんだろうな、しかもあんだけのプレイだし…なんて余計なことばかり思ってしまってさ、笑顔の似合うギタリストのトップ3に入る人な気がしてさ。まぁ、そういう意味ではエディなんかもその部類に入るだろうか。んで、ジャケット眺めててふとこの人の赤いシャツのせいだとは思うけどロリー・ギャラガーにどこか似てるな〜と思ったという理由で引っ張ってきたロリーの作品。

 1976年にリリースされたロジャー・グローバーがプロデュースした作品ってことで話題になった「Calling Card」というアルバム…自分がアナログ買った時のジャケットとはちょいと異なるんだが今のCDはこういうジャケットなのかね。この人のアルバムってジャケットが自分が知ってるのと替わってるの多くて自分のライブラリから探しにくいんだけど、多分国内盤がジャケット変えてたんだろう。そうだな、実はロリー・ギャラガーのスタジオ・アルバムってのはそんなに無茶苦茶よく聴いたというものは多くなくって、本作「Calling Card」なんかもそんなに何度も聴いていないかな。今聴き直してて、そのソリッドでシンプルなスタイルでの録音やトリオバンド一発録音みたいな生々しさやライブ感はかっこ良いなと思うんだが、以前はどうにもロリー・ギャラガーのスタジオ盤ってのは楽曲が割と一辺倒で面白みに欠けるってのがあったんでね…。そりゃ今聴き直してもそう思うんだが、音が良くなったCDなんかで聴くとより一層その生々しさが聴けてリアル感漂うからか楽曲の単調さは割と無視出来るかな。というかようやくロリー・ギャラガーの良さがわかってきたからかもしれない。

 「Calling Card」は初っ端からちょいとソウルチックなリズムにハードにドライブするギターというこの時期ならではのハードロック路線が聴けるのだが、どれもこれも驚くのはハモンドが多用されていることで、ともすれば70年代の英国のB級ハードロックバンドにありがちなスタイルに近いものがある。もちろん一味も二味も剥けているからメジャー級な作りなんだが、ハモンドねぇ…何か違和感感じたのはそこなんだよな、これ。ただそれも昔の話、ロリー・ギャラガーの作品の中ではかなり浮いた作品かな〜とも思う。充実しているからこそ出来たとも言えるか。いやいや、ギタープレイの熱気や取り組みはもちろん聴いていて飽きることなくさすがだな、というトコだからこの人の作品は時間かかるけど徐々に全部制覇しつつある今日此頃。しかしギターの音がいいな〜、こううギターの音をきちんと出せるのって素晴らしい。

Tommy Bolin - Teaser

Tommy Bolin - Teaser (1975)
Teaser

 色々なところで繋がるロックの歴史はやはり面白い。今の時代では皆がどうやってロックを漁っていくのか知らないが、適当にYouTubeなりアマゾンが推奨するものを探っていくよりはもうちょっと人脈たどりの方が面白い気がするけどな。どういう形であれ深掘りしていくならそれはそれで良いんだけどね。面白いよ、ロックは。こういう形で自分がトミー・ボーリンに繋がるなんてのは全然思ってなかったから今回もそのハプニングを楽しんでます。

 1975年リリースのトミー・ボーリンのファーストソロアルバム「Teaser」、時代が重要でして、1975年なんです。ディープ・パープルのお話はともかく、ジェフ・ベックの「ワイアード」よりも先だって事の方が重要。それを意識して「Teaser」を聴くとその音楽的アプローチの特異さに驚くだろうと。と言うかトミー・ボーリンとジェフ・ベックが同じようなアプローチを行うってことが面白くて、各書によればジェフ・ベックがビリー・コブハムの「Spectrum」のトミー・ボーリンに影響を受けたって話だけど、それにしても、だ。まぁ、それはともかくとして、トミー・ボーリンの「Teaser」というアルバムは実に多彩な音に彩られている名作に相応しい作品だと。音楽性の幅の広さやアレンジなどもそうなんだけど、なんというのか…聴かせてくれる楽しみがあって、いやらしさがない。その辺はさすがにアメリカ人って気もするんだけど、だからこそ聴かせるアルバムになってる。どうもギタリスト的な側面が強く見えてしまったのでギタリストのソロアルバムとして捉えがちなんだけど、全然それは間違ってて、トミー・ボーリンというアーティストの作品なワケです。ギターは一番得意としている程度で、プロデュースからクリエイト、プレイまで出来る人の作品だったってこと。もちろんギターがかっこ良いのはあるんだけど、それ以上の器量が詰め込まれているのが本作なんじゃないかと。

 アルバムジャケットのこの笑顔とかファッションセンスとか良いでしょ?憎めないもん。自分はディープ・パープルって思い入れ無いからトミー・ボーリン時代になって云々ってのも全然気にしなかったけど、結構良かったんじゃないかな〜なんて思ってたし。それがこういうソロアルバムを聴くと余計にわかってくる。ちゃんとその人の来歴を聴いていかないとわからない世界なんだろうけど、だからこそそうすべきで繋がりと歴史を紐解くってのは重要じゃない?なんて。ま、いいや、この「Teaser」…良いです。クセはないけど作品としては文句なしだし、メンツも後にセッション・ミュージシャンとして名を馳せる方々ばかりの秀作。

Teaser-Ultimate 3
Tommy Bolin
Savoy Jazz (2012-09-04)
売り上げランキング: 170,059


Billy Cobham - Spectrum

Billy Cobham - Spectrum (1973)
Spectrum

 ロックは面白いな~、ひとつ知るとどんどんと次に次に進むべき道が見つかる。アルバムをじっくりと聴いていくと誰それの凄さとかその人の他の作品とか参加した作品とか果てはプロデューサーやエンジニアまで食指が伸びる。その内誰と誰がよく組んでいてとかスタジオの名とかレーベル、事務所あたりまでの関係性が見えてきたりしてキリがない。時間さえあればそうやってどんどんと相関関係を繋げていくことから見えてくるものがきちんとした形で表せるのかもしれない。そこまで行くとロック「学」になるのだろうが、もうそういうのが体系的に纏められても良い時期に来ているんじゃないか?なんてことを思ったりもする。ただ、所詮ロックなんだからそんなことしなくても良いんだよ、カッコ良けりゃさ、っていうお話も事実だな。

 マハビシュヌ・オーケストラでのアグレッシブなプレイを聴いた後ではあまりにも軟弱すぎるものは聴きたくないから、何かないかな~って周りを見渡してみればビリー・コブハムのソロ作第一弾「Spectrum」なんてのがあるじゃないかと。マハビシュヌ・オーケストラを抜けた1973年に、こないだのライブアルバム「」の後脱退しているワケで、そこからすぐにソロアルバム作ったってことだけどさ、当然ながらプレイヤー本人であるビリー・コブハム自身があの熱気を求めているであろうことは想像に難くなく、またその勢いもあってリリースしてきたソロアルバム「Spectrum」が裏切ることもないだろうと。しかも揃えたメンバーにはマハビシュヌ・オーケストラ時代の同僚ヤン・ハマーもいるワケで…、そこで一番ぶっ飛びのインパクトを放ったのは言わずと知れたトミー・ボーリン。そう、あのリッチー脱退後のディープ・パープルに参加したトミー・ボーリン、その人です。ディープ・パープルでトミー・ボーリンのギターを知った人はある意味不幸かもしれない。決してリッチーに引けを取る人どころかリッチー以上のギタープレイを持ち合わせていた人なのに…という感じはあるな。それがはっきりとわかるのが本作「Spectrum」です。

 冒頭の「Quadrant 4」という曲をまずは聴いてあれ。とにかくぶっ飛びの一曲で、マハビシュヌ・オーケストラのあの狂熱の様相をそのまま描くようにトミー・ボーリンがビリー・コブハムとヤン・ハマーを相手に白熱して弾いてます。コレ、常人にはまず出来ないし、相当の覚悟とテクニックとセンスが無いと無理だと思う。この一曲に限らずだけど、しっかりとドライブ、グルーブしながらロックともジャズとも言えるこのフィールドの中で個性を出し切り他のメンツと張り合える才能がきちんと出せるってのは相当なモンで、多分この中にいたらリッチーの方が無理だろうとすら思えるもんな。まぁ、出来るだろうけど(笑)。それはさておき、どうやったらこんなの弾けるんだ?んで、このとんでもない激しいぶつかり合いにいられるんだ?ってくらいマハビシュヌ・オーケストラとクリソツな音世界。これがビリー・コブハムのソロアルバムなんだから驚くお話で、もっとコレもロック界に広く知られるべきアルバムの一つです。





Weather Report - Heavy Weather

Weather Report - Heavy Weater (1977)
ヘヴィー・ウェザー

 ジャコパスのような存在に接するとロックとジャズ、フュージョンなどの境目ってのが曖昧になる。よく音楽にジャンルは関係ないと言う人もいるが、ある程度のカテゴライズはないとワケわからなくなるし、ミュージシャン側でも困ることがあるだろうから言葉としてはあるべきだと思うもんね。あの人ってさ、どんな音楽なの、って言われてもジャンルという概念がなかったら表現できないし、誰それみたいってのも何か違うし、ジャズ系だね、とかロック系だね、まぁ、技巧派だから面白いんじゃない?みたいな会話は必要だろうと。それがさジャコパスなんかの場合は境界線が曖昧だから説明に困る。ジャック・ブルースみたいなベース…ではないワケで、ジミヘンみたいな人、だけどベースでしょ?う〜ん、唯一無二の存在感の人ってのはその人自体が名詞になっちゃうんだけど、どこまで有名かって話でさ…、ま、ジャコパスだったらそれなりに知られているのだろうから問題ないけど…、何の話だっけ?(笑)。

 自分では多分名前しか知らなくて音は聴いたことはあるのだろうけど、意識的に聴いたことはほとんどないであろうWeather Reportのアルバム、ジャコパスが参加しているのが聴きたくて適当に…1977年の「ヘヴィー・ウェザー」ってのをチョイス。「Teen Town」というジャコパス作の強烈な一曲があるってことだったんで。まぁ、アルバムだから最初から聴いていくんだが、どうにも物静かなムード音楽らしいフュージョンサウンドが続いてて、到底ロック的な視点からは退屈そのものの曲が流れてくるのにはちょっと参った。やっぱりフュージョンってかこの手のはダメだな〜、ジャコパスのベースはもちろんわかるし変態的ではあるんだが、まだまだバンドの志向をぶち破るほどのものではないし、バンドに刺激を与えたっていうレベルのものでしかないのかな〜と。それだけWeater Reportってバンドの体制がしっかりしていたってことだろうが、ベースだけ聴いているなら楽しめる。けど、そんな聴き方しないあからやっぱりどうにも…と。ただ、ジャコが作った「Teen Town」ってのはイントロからしてハッと目が覚めるものなので短い曲ながらも異質な音が聴こえるのだな。

 ただアルバム的にどうよ、ってなると自分の貧弱な耳ではこの音の素晴らしさは理解しきれないか。何度も取り組んで聴くというもんじゃないかな…もちろん凄い事いっぱいやってるんだが、しょうがないね、好みってのは。そろそろ歪みまくったギターとかが恋しくなってきたもん(笑)。

 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

09 | 2013/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

過去ログ+

2017年 10月 【20件】
2017年 09月 【30件】
2017年 08月 【31件】
2017年 07月 【31件】
2017年 06月 【30件】
2017年 05月 【31件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


楽天市場
HMVジャパン

Amazon