Taste - Live Taste

Taste - Live Taste (1971)
Live Taste

 自分が好きなブルースロックの部類って結構ニッチな隙間でもあるのか、一言で言えるブルースとかブルースロックとかでもなくてきちんと定義付けができている、と自分では思ってる。単純に言えばバディ・ガイの音世界。ロックだけどブルーステイストたっぷりで、線が太くてストラトバリバリ弾きまくり割と硬い音でシャキシャキした感じ。でも、音は太くないとダメで、みたいな。そうすると途端に候補が減ってしまってね。黒人ブルースでそういうのはいるんだけど、ロックさが足りなくてギターの音とかフレーズだけのお話になっちゃう。アルバート・コリンズとか大好きなんだが、アルバムによってはえらくソウルだったりするし、自分好みの定義内に入ってこない作品も多い。フレディ・キングのシェルター時代は好きだけど、ややゴツさが足りないか。流れちゃうっつうかだからこそスクィーズギターって言われるんだろうが。B.B.キングとかはもう別の世界だし、クラプトンはバキバキの部分がないが、SRV系は好きですね。なんてのが自分の好みであと誰かな〜なんて探してる時に教えてもらったのがクリス・デュアーテで、Goodだった。他にもいるだろ、って探してるんだけどドンピシャなのにはなかなかね。

 ロリー・ギャラガーがいる。1971年にリリースされた1970年のライブ録音アルバム「Live Taste 」なんてのも好みな世界だ。そうそう、フリーインプロビゼーションっつうかバンド内でのバトルってのも好きなんで…、ロリー・ギャラガーの場合はバトルじゃないけど、特にテイスト時代だからまだバンドの一ギタリストだったんだが、既に突出してしまっているのが顕著になってて、それはそれは弾きまくりですよ。アイルランド出身だから熱さも迸ってるし、1曲1曲が長くてハマって聴いてるとあっという間に終わっちゃう。昔からこの人はライブアルバムは凄く良いけどスタジオ盤は…って人だったんだが、実際その通りで、こんだけのライブアルバムなのにスタジオ盤聴くとなんで?みたいなギャップが多くてねぇ…、今はわかってるから普通に聴けるが、それでもやっぱりライブアルバムを聴く回数の方が多いな。

 面白いのはこの「Live Taste 」に入ってる楽曲ってこの後20年ず〜っとやってる曲ばかりで、既にこの時期から曲に関しては成長してない(笑)。本人も一番熟している時期に作った曲とかカバーした曲ってのが思い入れあるのか、知らない曲ないじゃないか、ってくらいのモンだ。更にアナログ時代にアルバムは出てたんだけど、A面B面にまたがってまでアルバムに入れた7分半の「I Feel So Good」ってのも珍しい。一旦フェイドアウトしてB面でフェイドイン、だったんだがもちろんCDでは繋がっているらしい。そこまでしてライブ曲順にアルバムに入れたかったこだわりって良いよな、と。あ〜、やっぱ熱くなってくるな、これ。こういう熱さも必要です♪






Johnny Winter - Live From Japan

Johnny Winter - Live From Japan (2012)
Live From Japan [DVD] [Import] Vol. 8-Live Bootleg Series

 オンナばかりにブルースの世界を乗っ取られつつあるのか?なんて思ったりするがどうにもそれが現実なようで、いや、野郎もいっぱい出てきてるし頑張ってるんだけど、何と云うのか…、横一線。だから特別に誰が云々ってのもなくて皆素晴らしいレベル。これはもう女の子達でも似たようなもので、それだけ弾けるコがたくさんいて、皆かなりのレベルとなると後は結局ルックスとかスタイルの好みでしかない?みたいなお話でさ。なので一気に聴いててもしょうがないんでいくつかをちょくちょくと摘んで聴くっていう聞き方にしてたりします。そんなことでYouTubeで色々と物色してたら驚くべき代物があったので見てました。

 ジョニー・ウィンターの2011年の来日公演のWOWOWで放送したライブビデをが1時間半丸ごと上がってて、今ではDVD「Live From Japan」として出てるヤツなんじゃないかと思うのだけど、自分もジョニー・ウィンター好きで90年の来日公演チケットは取ってたしさ、なんだけど今のジョニー・ウィンターを見たいかと言われると全くそれはなくて、さほど興味をソソらなかったんだな。それは映像も同じくだったんだが、時間もあったし見れるんだ〜、なら見てみようかな、という感じで見てました。ただ、ツマミ食いに近い、かな。正直言って全部見れなかったし全く琴線に触れること無く面白味を感じることもなく淡々と映像を見ていた、ってトコ。ライブに行った人でもこれはキツかったんじゃないだろうか?Twitterとかブログとかでもジョニー・ウィンター最高!と書いてあるのをライブ直後は見たんだけど、う〜ん、存在が見れた事には確かにそうなんだろうけど、アーカイブとして見ちゃうとやっぱキツいよね。よくリリースさせたな、と思うけど、ま、そこは日本だし。

 シビアに書いてるけど、オープニングはバックバンドのノリとグルーブのある演奏で、かなり面白い感じが漂う。そこにジョニー・ウィンターが登場して真ん中の椅子に座ってギターを弾く…、この時点でもうね、ちょっと違う。何が、ってギターの音。バックのバンドの方がらしい音出しててジョニー・ウィンターのギターがそもそも、ってのあるが、音がコーラスかかりまくりの音で、目立つようにはなってるんだが、う〜ん、どうもしっくりこない。それで淡々とステージを見ていくともちろんライブだから熱く弾いてるのだろうけど、本人どうなんだろ?もう職人芸っぽく弾いてるっつうかデキちゃうから、ってトコなのか指だけは凄く動くっつうか…、何かが圧倒的に足りない、って思っちゃった。歳だし体の事情もあるからそうなるし、仕事はしないといけないからってのわかるんだけど…、やっぱ見なきゃ良かったな、と反省。往年の姿があるから余計にそう思ってしまうのだが、悲しくなるって気持ちのほうが大きいかもしれん。ライブ行った人でも曲を全部知ってた人ってほとんどいないんじゃないだろうか?なんて思ったりするのだが、ホントはどうなんだろ?見れたってのは大きなインセンティブではあるから良いのか。




Joanna Show Taylor - Almost Always Never

Joanna Show Taylor - Almost Always Never (2012)
Almost Always Never

 ちょいと前にエリザベス女王生誕60周年記念イベントなんてのが開催されていて、それほど話題にはならなかったんだがオリンピック前ってのもあってちょいとリハーサルってな感じもあったのかな。相変わらずポール・マッカートニーやエルトン・ジョンが出張っていて、何の興味も持ちようがないイベントだったのだが、そこで実は割と好きな部類に入るアニー・レノックスが出てたんだな。彼女は背中だか首だかに重症を追っていて日常生活もままならない状態でいると聞いていたのだが、こうしてライブで見るとそうでもないんじゃない?と思ってしまう。歌声は相変わらずだし迫力というか存在感と言うか、それでいてクリスタルな歌声で神々しさを持ってるんでね、さすがだな…と。

 そのステージはアニー・レノックスは天使の羽を背中に付けての出演だったが、どうやっらバックギタリストも女性で天使の羽を背負っているじゃないか。それでもちろんそれほど派手な曲じゃないからギターを弾きまくるなんてのはないんだが、それでもギターソロがクローズアップされるシーンがあって、見てると凄いんだよ、女性でこのフレーズでこの音でこんなギターかい?ってくらいに弾いててさ、それでいてきちんと仕事をこなしている落ち着きもあって注目した人も多かったんじゃないだろうか?その時はそれくらいだったんだけど、後で判明したのはなんだ、ジョアンナ・ショウ・テイラーという英国から出てきた女性ブルースギタリスト兼シンガーじゃないか、ってことで、普段のライブステージの派手さとは別にああいう場所での職人芸がなかなか好感を持てる。しっかりとアピールされて売れていけば良いな、と思うし。

 そんなことでジョアンナ・ショウ・テイラーの新作「Almost Always Never」を挙げておこう。これまでの作品と比べるとやや大人しいかも?なんて思ったけど弾くトコロでは弾きまくってるので相変わらずダフでハードなブルーススタイルで、自分がいちばん好きなスタイルに近いな。テキサス系っつうかさ。ただ、リズム隊の面白さがなくって、楽曲がグルーブしてこないという欠点がある気がする。ギターとか歌とかはもう宇宙にたどり着いてるんだけどねぇ、どうして80年代以降のブルースってこういうロスが多いのか…、SRVもスタジオ盤では結構そういう傾向あったんだが、ライブで実力発揮してるから良いんだ、ってのもあるだろうけど、やっぱ勿体無いな〜って思うのは自分の嗜好性のせいか?

 それにしてもギターはとんでもなくとんでもない。ロックはもしかしたらこういう女性達のものになっていくのかもしれないと思わせるくらいにハードドライヴィンしているサウンド。かっこえぇ〜。いつのライブかわからんけど、SRVの「Rude Mood」って曲がYouTubeにあったから見てたらさ、やっぱものすごくて…、ロックだ。







Samantha Fish - Runaway

Samantha Fish - Runaway (2011)
Runaway

 ブルースってのはかなり男臭い音楽の象徴でもあったし、女の子が入り込むとしたってジャニス・ジョプリンのような感じでしかないだろうと固定的に観念を持ってたワケだが、数年前に女の子たちが続々と本格的なブルースを歌うのみならずギターを弾く…、そうブルース・ギターを、普通にブルースを弾いてるギターなんだが、そんな女の子達が実は世界中にますよ、ってことで割と女性ブルースギタリスト達に脚光を浴びせたことがある。世間的にどうかは知らないが、自分的にはその時にかなり驚いたので、何人かは今でもたまに聴いたりする。いつ聴いてもホントにオンナなのか?と驚きを隠せなくてね、オンナのコでもこんなブルースギター弾けるって、やっぱそういう文化?みたいなさ。ホント、びっくりするよな…。

 2011年暮れにリリースされたサマンサ・フィッシュというプリティな女の子のソロ作「Runaway」もそんな一枚だ。まだ22歳くらいだとか?22歳のミズーリ州の女の子がこんな渋いブルースギターを弾いてるって、一体?しかもルックスは結構可愛いんだからブルースで全米ヒット曲なんてのも出てきておかしくない。テイラー・スウィフトだってカントリーだったワケだし。アメリカ土着音楽なんだしさ。もちろん声は可愛いんだけど、しっかりとブルースのツボを得たブルーススタイルの歌なんで声質は女の子だけど出てくる歌い回しとかフレーズは明らかにブルース。そこに入ってくるギターも完璧なブルース。ぶっ飛びだと思う。YouTubeなんかだとライブの映像が結構アップされてるんだけど、ミニスカート姿でこんな音出すのか?みたいなギャップがあってさ、自分のブルースに対する概念の圧倒的な終焉を認めざるを得なくてね、オンナにブルース・ギターなんて弾けるワケねぇ、なんて思ってた部分あったけど、もうね、そんなことは全くないです。もしかしたら往年の白人ブルースメンよりももっと本格的に弾いているかもしれんと感じる部分も多いもん。

 えっと、驚きばかり書いてしまったけど、このサマンサ・フィッシュってコ、フェンダーのストラトと取っ組みあいながらとっても良い表情で歌って弾いてくれます。「Runaway」ではトリオ編成のほぼライブに近い感じで仕上がっているような感じだ。もちろん幾つかオブリギターなど入ってるけど、音数も多すぎず、ゆったりとそして激しく、更にエモーショナルに普通にブルースとしてリラックスできる、そんなアルバム。こうなってくると最早ひとつのジャンル形成だね。








Chris Duarte - Vantage Point

Chris Duarte - Vantage Point (2008)
Vantage Point

 三つ子の魂百までとは言ったものだ。現実的に三つ子の魂ってことはないんだが、幼少期もしくは多感期に洗礼を受けたサウンドってのはなんのかんのとず〜っと好きだったり聴いていたり聴きたくなったりするんでね、それがメタルな人もいれば歌謡曲の場合もあったりするが、衝撃を受けて意識的に聴いたものなんてのはそのまま人生一生残っていくモンだろうと思う。自分にもそんな音楽がいくつもあって、今でも衝撃的なのはあるから聴いていけるんだが、ブルースロックってのはいつまで経ってもちゃんと弾けないんで、永遠に憧れてるって部分あります。マイナーブルースならさ、まだ何となく弾き方がわかるんだけど、グイグイとしたSRV的なのとかバディ・ガイなんかもそうだけど、ああいうギターってどっから入っていいか分からなくて全然弾けない。クリス・デュアーテにしてもSRV系のギターのフレーズってのはどれもそんな感じで常に敬愛の眼差しで聴いてます。

 またまたブルース熱入ってきたのでクリス・デュアーテの「Vantage Point」を聴いたんですがね、全くアルバム的には久々にここまでのブルースロック一辺倒な作品だったのかな、ハードドライヴィンなブルースロックでグイグイ来ます。さすがにバディ・ガイの後で聴いてると軽い感じがしちゃうけど、それは相手が悪い(笑)。やっぱストラトじゃないとこいうの弾けないんだろう…とかまずはそこから入るんだよ。持ってるギターの形から、これ重要。まずはその気になって弾くこと、ってのがロックギタリストへの一番の近道なんです(笑)。

 さて、話戻そう…、「Vantage Point」は、ホントギター弾きまくってくれてて、いつも思うんだがバックのメンツをもうちょっと手数の多い連中に変えて激しく応酬するようなスタイルのバンドとか曲とかあると面白くなるんだが、いつもいつもクリス・デュアーテ一人で激しく弾きまくってくれているスタイルはここでも健在。ただ、かなりロックに近いんで聴きやすいしグイグイと来るんでドライブします。それでいて結構キャッチーなメロディとか付けてるからライブではウケるんだろうなと思うもん。そんでもって期待通りの展開とかギターソロとか入ってくるから気持ち良いんだな。ヘンなオーバーダビングも全然無くてライブ一発に近いレコーディングが熱さを出してくれてて更に燃えてくる。ギターって楽器はホントにエネルギーを持ってるよ。もちろん弾いてる人の魂を表現しやすい楽器ってだけだとは思うけどさ。いいぞいいぞ〜、どんどん弾いてくれ〜って思いながら聴いてます♪










Buddy Guy - Live at Legends

Buddy Guy - Live at Legends (2012)
Live at Legends

 ロックってのは若者のモンだと云う時代は完全に終わっててさ、もしかしたらロックってのはジジイたちの慰めでしかないんじゃないか?くらいにジジイばっかが元気だ。やってる方も聴いてる方もジジイばっか(笑)。まぁ、せいぜいオヤジくらいからだな、若くて。一体どうしてそんな風になったんだ?もしかしてロックってもう完全に終わってて、昔のジャズみたいな領域に入ってるんじゃないかと思う。そうすると若者の矛先はどこに行くのやら…、今の時代は何でもあるから別にロックとかそういうのに向く必要もないんだろうが…。それで自分の何が困る、ってことは特にないから全然ロックがジジイのモンであっても構わないんだけどさ。いや、若い連中でも聴いてるヤツはいるしやってる奴もいるんだが、比率の問題からして上記文章な気がするって話。

 バディ・ガイの新作ライブアルバム「Live at Legends」を聴いてるワケだが…、一体このジジイは幾つなんだ?とか思ってね。76歳?んあっ?76歳?76歳って…?ミック・ジャガーとかキースとか69歳…、な、ロックってジジイのモンだろ?って思うワケよ。聴いてる連中は多分40代とか50代が多いんじゃないかな。ま、いいや。

 そのバディ・ガイの新作「Live at Legends」はライブアルバムで自分のライブハウスLegendsで演奏したモンをアチコチ録音してまとめたもんなのか、一晩のライブをまとめたモンなのかはよく分からんけど、どっちでも大差なくって、一発目聴いた瞬間からもう何でも良いや、って思ったもんな。激しいエレクトリックロックブルースの最先端だよ、これ。どんな野郎もこんなギター弾けないし勝てないし一緒にやったって負けるだろうし、そもそも音が違うし、一体何なんだこの迫力とパワーは。ギターの音の伸びもキレも最高にカッチョ良いし、普通に弾いてたって魂入ってるし、一生懸命ギターの練習したってこんなん弾けるワケはない。それ以上の何かがなきゃ無理だ。いや、そんなことはわかってるんだから書いてもしょうがない(笑)。理屈抜きです。ヘンな話だけどこれぞロック、な音を出してくれてます。ブルースロックそのまま。何の進化もないのにカッコ良い…、こういうギター弾きたいなぁ〜、今からでもまだ時間はたっぷり有りそうだ、76歳か…、ぶっ飛びだぜ。












Beck Bogert & Appice - Beck Bogerd & Appice

Beck Bogert & Appice - Beck Bogert & Appice (1973)
ベック・ボガート&アピス

 ジェフ・ベックが熱烈に欲したリズム隊だったボガートとアピス。ちょびっと彼らの音に触れてみればそれはなるほど、ってことがよくわかる。ジェフ・ベックにとってクリームのようなサウンドの発展形ってのは簡単にできる構想もあっただろうし、Zeppelinのような音も自分にはわかっていたはずだ。ところだ、自分の周辺にはたまたまそういうリズム隊との出会いがなく、時代を築き上げられなかったというジレンマ、だったかどうかわからんが若気の至りによる悔しさってのはあったんじゃないだろうか。ボーカルこそロッド・スチュワートという天才と出会ってはいたが、ジェフ・ベックにとってボーカルってのはさほど重要ではなかったようで、それはもうベックの歴史を見れば一目瞭然。そこにボガードとアピスというリズム隊が舞い込むチャンス、一度はフイにしてしまったが、1973年になってようやく念願叶った…が、時代はもう先に進んでいた、という間の悪さがBB&Aというバンドをイマイチメジャーにし切れていないのだった。

 1973年にリリースされた待望の「Beck Bogerd & Appice」という作品だが、結局「Beck Bogerd & Appice」一枚でこの待望のバンドも終わってしまったということが時代性を物語っている。ジェフ・ベックが当時やりたかったことは既に時代が求めていなかったのだ。もちろん本人たちもその辺は敏感に感じ取ったことだろうが、ミュージシャン的にやってみたい一触即発の世界はやっぱりタッチしてみたかったんだろう。後追いで聴くとそんなことも考えちゃうんだが、普通に音としてアルバム「Beck Bogerd & Appice」に取り組むと、ジェフ・ベックと言うヒケを取らないギタリストがフロントにいるにもかかわらず、やはりもっさりした感じのアルバム像になっちゃってるのはそもそも曲の問題?リズム隊の問題?ジェフ・ベックがもっとギターを存分に弾きこなせなかったってことか?いや、聴いているとそれは音を抜く隙間を埋めてしまったリズム隊の技量じゃないかと。そこが凄い、っていう捉え方もあるが聴かせる音、ではない。演奏を個別に聞けばそりゃもう凄いさ。ただアルバムの音楽的作品性としては?となると聞き辛いもん。凄さはわかるが、ってヤツだ。ただ、やっぱりファン多いよね、このヘン。リアルタイムな人はこの迫力にぶっ飛んだだろうし、それはクリームを通らなかった世代がBB&Aであの衝撃を味わったから、とも言える。

 自分は…、やっぱ凄いと思いつつあんまり通り切っていないんで、Beck Bogerd & Appiceって。どこかキャッチー性が欲しかったのかもしれないな。ひたすら演奏垂れ流しだけってのは聴いててややキツかった記憶がある。今聴き直してもやりすぎだよな、って思うトコあるし、無条件に良いです、とは言い切れないのが本音。凄いけどね。




全曲聴けたりします♪

Cactus - One Way Or Another

Cactus - One Way Or Another (1971)
One Way Or Another (Reis)

 リズム隊が知名度を成すと言うバンドってのもなかなか見当たらないし、自分でもそりゃドラマーやベーシストの名はいくつも知ってるけどリズムセクションとしてフロントを凌駕するメンツってのはさほど多くない…ってかほとんどいないでしょ。特にハードロックやロック界隈だとそんなのはまず皆無。クリームが筆頭に上がる程度だもん。ジミヘンのところはやっぱジミヘンありきだしさ。んでもって、ボガードとアピスっていうのはアメリカなんだが、やっぱり凄いメンツだったんだな〜とつくづく思い直し、それまであんまり真面目に聞いていなかったCactusなんてのを聴いてみちゃったりしました。やっぱさ、バンドってのはリズム隊だけがカッコ良くてもダメで、フロントだけが良くてもダメで、バランス良くないと成り立たないし、ってことでその意味ではバランス悪いバンドだったんでね。根本的にはブルースバックのロックだから嫌いじゃないです、もちろん

 1971年のセカンドアルバム「One Way Or Another」はCactus史上最もハードなブルースロックとの誉れ高いアルバム、らしいので昔聴いた記憶から消え去っている中、再度聴き直しました。いや、こんなにドラムとベースカッコ良かったんだ…と改めてこのリズム隊に称賛の眼差しを向けている所なんですが、そのせいかギターもボーカルも時代性はあるけど良いし、アルバムとしても聴きやすい(自分にとって)し良いね、ってことです。もちっとキャッチーさがあったりすると聴きやすいんだけど、演奏だけでひたすら攻めてくる重さは嫌いじゃない。ただ、何というのか、キメの流暢さとかフレーズとしての聞かせどころ、みたいなのがセンスの問題なのかもちっと欲しかった、ってくらい。

 アルバム冒頭ってあの「Long Tall Sally」なんだけどさ、案の定まるで違うワケ(笑)。こんなヘヴィな音で同じ曲と言われてもさ、別モンでしょ、としか言えないくらいにグイグイとした音でカッコ良い。トップに持ってくるだけあって意表を突く配置。2曲目以降から本領発揮だが、どれもこれも重いなぁ〜、リズム隊のせいとしか言えないくらいに重くてうるさい音。これぞロック。ここにもちっと綺羅びやかさとか華とかがあれば70年代を代表するアメリカの花型バンドになったはずなのだが…。あまりにもロックファン向け過ぎる音かな、という印象もあるね。やっぱアメリカの音なのかな…音的には大好きなんだけどハマり切れない自分がいる。今に始まったことじゃないが、その差は自分でもよくわかってない。凄いんだけど、ね、って言うヤツですな(笑)。








Vanilla Fudge - Out Through the in Door

Vanilla Fudge - Out Through the in Door (2007)
Out Through the in Door

 …ちと耳がB級感溢れてきてしまって、メジャー級サウンドを欲している気がしたので、ちょいと気になってたものをアップ。こちらもブログ盟友のzaganさんトコで教えてもらった「へ?」ってな作品で、全然知らなかったもんな。Led Zeppelinに関してはとっても好きなのでカバーバンドとかカバーアルバムとかあんまり興味ない…ってか聴くんだけど、フン、ってのが多くて真剣に聞くことも少ないんだけどさ、それなりのメンツがやるカバーは何となく面白いな、って言うところがある。一方Lez Zeppelinみたいな完コピってのもあるけどさ、それはそれとして、バンドの持つポテンシャルをZeppelinの曲をやることでどこまで出せるか、そしてあまりにも変なアレンジにされるとつまらないし、と難しいんです(笑)。

 Vanilla Fudgeが2007年にリリースした「Out Through the in Door 」というZeppelinカバーアルバム、なんとこれほどのバンドが全曲Zeppelinのカバーアルバムって一体!?みたいなのあるけど、そこまで神格化されてしまったんだな〜と感慨深い。一方Vanilla Fudgeの「You Keep Me Hangin' On」だって神格化されてると思うけどねぇ。それでもほぼ50年間現役のままVanilla Fudgeをやってるボガード&アピスってのはもうそれこそロック史では殿堂入りのリズム隊なワケで、聴いてみようか、って気になるワケです。んで、サンプル的に聴いてみれば、なんか面白そう…って感じのアレンジで、よく出来てる。アレンジもしてあるし、オリジナルにも忠実だし、Vanilla Fudgeというバンドの底力も出ているし、アメリカンなテイストも入っててなんかヘンなバランスで成り立ってるのが面白い。全曲聴いてて思うのは、やっぱりZeppelinって良い曲多いな〜っていう話に落ち着くんだけどさ(笑)、「幻惑されて」とか面白いアレンジでねぇ、こんなの許されるバンドって多くないんじゃない?「All My Love」とか美しいもん。「Trampled Underfoot」にしても何にしてもさすが、と唸らされるカバーにはさすがの貫禄を感じさせます。更に、この年にして無理無理感をまるで出さない余裕感でZeppelinをこなしてしまうのも凄い。やっぱりオールド・タイムなミュージシャンの器量にはなかなか若いバンドは勝てないよなぁ…と思ってしまう。

 それにしても選曲渋すぎる(笑)。カバーに何を求めるかってのもあるが、かなり許される…と言うか、名盤に仕上がってるんじゃないか?って思うワケですよ。曲は知ってるしバンド名も知ってるから、そのアルバムってことで高評価になるアルバム、ってね。やっぱりボガード&アピスって凄いリズム隊だな〜って思う。ドラムの音もボンゾに似せまくりで、元々ビートは似てるから他のパートがどうであれドラムの音に安心しちゃう。ベースもオリジナルフレーズ満載なんだが、ツボを得てるからジョンジーがこうやって弾いててもおかしくないや、っていう感じでさ、このリズム隊に尽きる。一方ギターはそこまでこだわる必要がなくて、もちろん色々やってるけどリズム隊が強烈だからそっちからのカバーアルバムって位置付けかな。歌はオリジナルです、かなり。それで良いと思う。だからZeppelinリズム隊がそのまま、ウワモノがアレンジされているというような作品。面白いね、これ。








Time - Time

Time - Time (1975)
Time

 随分昔にアルバム・ジャケットなんかを見て、どこかで見たら聴くか…なんて思ってたアルバムはそれこそ山のようにある。実際に聴けたのはその中の一部だったりするんだけど、今回のTimeもそんな中のひとつ。ジャケット的にソソられるものじゃなくて、何かの解説を見ればイエスとジェントル・ジャイアントの云々…ってのが多くて、そのどちらも不得手な自分からしてみたら後回しになる事必至でして…、CD時代になってからも全然聴いてなかったです。見るのは結構アチコチで見たんでそれなりにCDは出てたんじゃないか?と思ってるけどそうでもないのかな。

 Timeの1975年の唯一作「Time」で、最初に例の「asai collection」では「Spontaneous Combustion」として出てきたので、ん?なんて思ったらYouTubeの投稿者がそう書いてただけで、実際はTimeになってからの音です。ちなみにTimeってのはSpontaneous Combustionってバンドの発展形らしい。このSpontaneous Combustionってバンドのジャケットは見たことあって、聞きたいという欲求に駆られたことがないアルバムなんだが…。話戻してTimeの「Time」ですが…、冒頭曲から順に聴いてってわかることは間違いなく自分は苦手な音だ、ってことです(笑)。歌がジョン・アンダーソン的音もイエス的、そして構築美はジェントル・ジャイアント的って所で、GG的ってのは音の冷たさという部分なので、そこはまぁ良いんだけどとにかくこの歌はダメだ。ピーガブ要素も入ってるし、どっちもアウトでね…。演奏は上手いし、凝ったことやってるからプログレ〜フュージョン系好きな人には受けるんじゃないかな、そういう意味ではマイナーだし、勿体無いと思うバンドのひとつです。

 ん〜、やっぱ生理的にダメなんだな、こういう音。じっくり聴いててもしっかりと聴けないと言うジレンマ。だから聴かないっていう選択肢を選ぶようになっちゃってるんだけど、何度も何度も試すんだよね、一応。TimeにかぎらずイエスやGGやジェネシスもだけど。ただ、やっぱり基本的にロックには熱さを求めるからかな〜、決して熱くないワケじゃないのはわかるんだけど…、ま、いいや。そんな音です。自分の好みは別とすれば、よく出来てるのかもな、とは思います。

Spontaneous Combustion
Spontaneous Combustion
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Life - Life After Death

Life - Life After Death (1974)
Life After Death

 やっぱり好きなバンドの真似をする、ってのは重要な要素だよな。ただ、真似だけじゃしょうがないんだろうけど、それでもそこに行き着こうとするバイタリティにはなるワケで、その先は本人たちのミュージシャン魂がどこまであるか、って話だけど、アルバムジャケット見てこれはもう一発でアレだろ、ってわかる話で…、音を聴いてスカしたら抹殺されるはずだ、って思ったもん。それがなかなか見つからなくて苦労したんだけどね、ネット時代になって便利になりました、こういうの探すのが…ってもすっかり忘れてたのだが。

 1974年にリリースされたLifeというバンドの「Life After Death」。見ての通り、Uriah Heepですな…、そして音の方も見事にユーライア・ヒープです(笑)。ちょっと軽いけど、オルガンとかそのまんまだったりするし…、ってクレジット見てるとイアン・ギボンズって書いてあってさ、イアン・ギボンズなんて知ってる人しか知らないだろうけど、あれ?The Kinksじゃなかったっけ?って確認すると1979年からキンクスに参加しているあのイアン・ギボンズさんでした。こんなハードなオルガンバンドで鍵盤弾いてたんだ…とちょいと面白かった。キンクスではもちろん裏方に近いサウンドだったりするので、こんなに全面に出て音鳴らしてたのにはちょっとびっくり。とは言ってもこのLifeと言うバンドもオルガンハードって訳でもなくって、もちっと色々な要素が入っててすげぇ中途半端(笑)。黒っぽいのがあったり歌モノあったりハードもあったりプログレには行き着いていないけど、なんかしたがってる、みたいなさ、技量はそれぞれそれなりにあるのである程度なんでも出来る幅の広さは感じるんだけど、さて、バンドの音楽性は?みたいなトコがユーライア・ヒープです、って話だけなので困る(笑)。しっかりとアルバム一枚で終わったんじゃないだろうか。

 ただねぇ、やっぱり聴いたからには面白いところを発見したくなるワケで、じっくりと聴いてるとかなりポップなサウンドが出ていることもわかってくるし、ユーライア・ヒープ好きと言えども、きっとキャッチーなポップスも好きで、それが出てきてるのもある。同時代のクイーンなんかに近いアプローチかもしれない。そんな所が面白くなってきて何度か聴いてた作品ですね。



Agnes Strange - Strange Flavour

Agnes Strange - Strange Flavour (1975)
Strange Flavour

 感覚的によく分かんないけど、英国からドイツへの出向バンドってのは日本でイマイチ売れないから韓国や中国に渡って活動して商売する、みたいなモンなんだろうか?陸続きだからもう少しドサ回りに近い感覚なのだろうけど、その手のバンドって昔から英国には多いように聴く。ビートルズだってハンブルグでドサ回りしてたワケだし、身近な場所なんだろう。そのおかげで英国ロック史で語られるバンドもあればまるで語られず、ドイツのロック史に語られるバンドもあったりする。自分の知識レベルではあまり後者のバンドは知らず、そうだったのか…と感心することしきり、まだまだ学習ですね。

 1975年にドイツの小さなレーベルからデビューしたAgnes Strangeというバンドの「Strange Flavour 」というアルバムです。全員英国人ながらもなかなか英国で芽が出ず、拾われたのはドイツのできたてホヤホヤのレーベルだったとか。音を聴いて一発でわかるように、これは売れなかっただろう(笑)。B級を飛び越えてC級までまっしぐらなバンド=アマチュアレベルに毛が生えた程度のオリジナル作品の楽曲群、そして特筆すべきところがまるで見当たらない楽器演奏陣とボーカルという何とも書くに困る題材でした(笑)。40年近くも前のマイナーなバンドの話なのでね、自分が70年代ロック好きでバンドやってオリジナル書いてた時にもこんなような曲っていくつかあったなってレベル感なんです。それはそれで好きな音なんで、酷評できるもんじゃないです。ただ、レベル感がその辺に近いかな〜と。ただ、やっぱり時代のど真ん中にいたからか、ヘンに考えられてて骨太なサウンドになってるというのは面白い。書き忘れてたけど、基本的にトリオのハードロック…R&Rベースに近いハードロックで、歌はダミ声に近い感じで実に男臭いバンドで、確かにドイツでウケる感じの音です。

 曲によって完成度がまちまちなのは作られた時代の違いなんだろうなってのがわかってしまうけど、カッコ良い曲が幾つか入ってて嬉しくなっちゃうね、こういう音。アドリブやインプロで押すでもなく楽曲で押すでもなく、単にヘンにコネクリ繰り回して成り立ってしまっている「Loved One」とか面白い。ほかも小奇麗にまとまることなく、ベタな音でマイナーロック好きのハートをくすぐるサウンド満載で愛着持てますね。聴いてるとやっぱり英国だな〜って感じが強いので自分的にはかなり◯な部類…ってか好きです。応援したくなる…、そんなバンド。ジャケットだってシャレてるじゃないですか。相変わらずツボにハマるコレクションを披露してくれる某コレクションシリーズ、続々と続いてくれます(笑)。ちなみにブログ盟友Cottonwoodhillさんトコでもかなり詳しく取り上げているのでいつも情報収集に感謝♪








Alcatraz - Vampire State Building

Alcatraz - Vampire State Building (1971)
Vampire State Building

 自分以外の人間が追いかけてきたロックの歴史を紐解くとなれば半分くらいは認識するものの、半分くらいは新たな領域へのチャレンジとなる。それは単に自分がそこまでロックを知らなかったから、好まないロックとして排除してきたから、ということだろうと。もちろんロック博士になる気もないし全てを知り尽くすなどという大それた構想もないので、純粋に、こういうのがあるのか〜と幅を広げるだけなのだが、それでも未着手の世界にそれほど魅力的なものがあるとは思いもしなかった。ところがこのブログを始めてから色々な方々にコメントを頂き交流したことで、恐ろしくも深い世界が広がっていることを改めて認識し、触れるきっかけをもらうことになった。良かったのか悪かったのかわからんが、それなりに楽しんでいるしライブラリに残り、進んで聞くものも多くなった。一方で古くから聴いている音楽郡はさすが聴いている回数や年月が経ちすぎていて飽きてきたってのもある。

 1971年にドイツから出てきたAlcatrazというバンド、ドイツらしくセンスと趣味の悪い「Vampire State Building」というアルバムをリリースしたのだが、これもまた新たに教えてもらった世界の登場となった。なんせこの頃のドイツのバンドでこういう音を出す方向性を模索したバンドがあったという事自体に驚きで、そこまで独自進化していたのかとも思ったワケさ。何がってぇと、この頃って英国じゃZeppelinやBlack Sabbath、Uriah Heepが出てきてドイツでは大体このヘンの影響下のバンドが多いワケ。クラウトロックの世界に行くともっとフリーなアヴァンギャルドになるけど多分そんなのは大衆性が広くないのは一目瞭然で、その辺のガキがやるロックとしてはやっぱその3つのバンドなワケ。そこに一応もうちょっと突っ込む連中がいて、それはブルース影響下のバンドなんてのも入ってきたりするが、直接的なブルースの影響はほぼ皆無なので音として出てくることは少ない。更に進むと英国のサイケ・プログレ風味の出だしに影響を受けるバンドなんてのもあったのかもしれないが、Alcatrazと言うバンド名からは想像出来ないのだが、このバンドは何と、ジャズへ傾倒しているバンドなのだ。そう、ソフト・マシーン的方向性。

 ドイツでソフト・マシーンみたいな音って考えなかったなぁ…。Alcatrazの「Vampire State Building」では最初が普通のロックバンド志向だったからジャズ・ロックやるにはギターがきっちりと歪んだスタイルとでロックしてる、ってのがユニークながらもしっかりジャズフレーズしてるからホールズワースよりも早くこの世界をやってたとも言えるか?それに加えてフルートやサックスなんかもしっかり入ってきてフリーインプロビゼーションまでは行かないがかなりアグレッシブにそっち方向に進めている。好ましいのはベースの躍動感と存在感だったりね。あ、歌も入ってるから普通にロックバンドです。ただ、パッと聴いた感じがソフト・マシーン的サウンドで嬉しい音なので一気に好みに♪バンドなとアルバムジャケットとタイトルと音がまるでリンクしないヘンなセンス(笑)。





Aunt Mary - Aunt Mary

Aunt Mary - Aunt Mary (1970)
Aunt Mary/ Janus

 古い音楽とかB級だからとかあまり知られてないバンドだから、とか言うのも昔はそういう概念やセールスみたいなのが入手しやすかったってのあったんだが、今はインディーズのバンドも超有名なバンドも埋もれてしまったバンドも1970年だろうと2013年だろうと画面上に出てきてポチっとクリックするだけで買えたり聴けたりするので、それぞれの背景を無視すれば聞きたいものは普通に買えるし聴ける。どんなマイナーなバンドでも何かのきっかけでバンド名を知れば聞けるし入手できるのだ。だからその音がメジャー級かどうかってことは関係なく、聴いた自分たちの感覚で好みを漁って行けば良いだけの話。周りに左右されず音楽を聴いて行けば何が本質的に面白いのかってのは簡単にわかるさ。商法がどうのとかCMがどうのとか関係なく自分の世界観を作り上げられます、それこそが重要。周りの影響下で聞く音楽なんて面白くないさ。そうしていくと自分の中で王道ってのは出来上がってきて、もしかしたらZeppelinとToadが並ぶかもしれないが、それでいいじゃないか。自分でもそんなのいくらでもある。少なくとも自分的にはYesやEL&PよりもGnidrologやCatapillaの方が好みの音だ。そんなもんだ。

 1970年にデビュー・アルバムをリリースしたAunt Maryというバンドの最初の作品「Aunt Mary」、例によって例のコレクションからの浮上モノだが、バンド名を見て感想を見てててっきり女性ボーカルなんだろうな、と思っていたので音を聴いた時にやや驚いた。その驚きは最初に流れてきたバンドの音に加えてジョー・コッカーばりの図太い男のボーカルだったからっていう二重の驚きだ。更に聴いていくと、フルートまで入っててここ一連の流れにぴったりで、叙情性も高くて大変好ましいんだな。メロトロンもあったりして1970年のリリースだからそれほど大きく英国ロックの影響を受けて、っていうのではないだろうけど、背景は同じだろうな。だから英国産ですと言ってもおかしくないくらいの雰囲気が出ている。大きく違うのはノルウェー産だからか、叙情性がややドラマティック。それとさ〜、このベース、リッケンバッカー使ってるのか?このモコモコボコボコの音をそのままこの手のバンドの音として録音するってどうよ?もちっと音が定着するサウンドにしてくれ〜とか思ったりするのだが、そのボンッボンッてベースが特徴的なのかもしれない。何かに突出したバンドではないが、ムード満点なB級感が素敵です。

 アチコ探しているとプログレバンドと書かれていることも多くてそうなんかな〜なんて思ってたけど、普通にロックバンドじゃないだろうか。ハードロックとも言い難いが…それは歌メロが割とポップに作られてるのもあるしことさらギターがハードなワケでもないし、曲構成が複雑ってこともない。もっとシンプルにビートルズに影響を受けての楽曲から時代の変化を吸収して進んでいるという所か。コーラスがキャッチーに入ったりするし、有りがちなゴッタ煮ロックの典型だがかなり良質な作品。それとさ、ジャケットがアートしてるからポイント高いよ。このジャケだったら、アメリカじゃないし英国でもないし、ユーロ?って思うもんな。それがノルウェーとは誰も思わないんだが、Aunt Mary…マリーおばさんなんだからボーカルは女って思わないか?こだわるけど(笑)。








McChurch Soundroom - Delusion

McChurch Soundroom - Delusion (1972)


 世界地図って日本で手に入るものはもちろん日本が真ん中にあって右側にアメリカ左側にヨーロッパってなってるからわかりにくいんだけど、英国やヨーロッパを中心にして日本を極東の位置にしてアメリカを左側に置いてみると如何にヨーロッパとアメリカの文化が近かったか、またヨーロッパの発展や英国やスペイン、ドイツの文化の発達なんてのもなるほど、なんて思うし、果ては昔々はこことここが繋がった大地だったんだろうなぁ〜とか思ってしまうっての、知ってた?聞くと見るでは大違いでね、自分でそういう地図見ると面白くなります。なんでまたそんなことを…って話だが、ドイツのハードロック聴いててさ、スイスとかも関連性としてよく出てくるワケで、スイスって…って思って見るとそっか、そんな国々に囲まれてるんですね、なんてことがマジマジとわかってきてさ、そういう所に熱心じゃなかったんで今おもしろいワケ。自分の知識の大半がロック基準で成り立っているってのはあまり自慢できることではないのだが、ロックもそういう勉強、学習方法として使えるということだ。例えば英語やドイツ語やナントカ語、ってのもロックから覚えるし、地名や国名や位置関係などもそうだ。歴史的な方では時代時代に歌詞や録音技術なんかで反映されている時代性でわかりやすくなる、特にパンク時代のロンドンの背景とか。文学で言えばもちろん「指輪物語」や「1984」なんかから始まって、英国のファンタジックさはどこから?となると英国の文学を読むんです。ケルアックやバロウズなんてのも同じような発展で読むワケ。あと民族楽器や衣装とか伝承文学なんかもロックと絡めて調べていく。うん、面白いよ。

 話し戻してスイス。スイスならToadってのあるが、1971年にはスイスからドイツを目指した若者たちがドイツからデビューしたMcChurch Soundroomっつうバンドがあって、唯一作、かな?「Delusion」ってのが出てる。ドイツってホントこういうジャケット多いんだが、何でだろ?また勉強しないとダメ?不思議だよなぁ、何の影響でこういう文化なんだろ?まさかヒトラー以降のダークな側面からってこともないだろうし…。それはともかく、このMcChurch Soundroこのだが、簡単に言えば何も珍しい音はやってないし独創的とも言えないしカッコ良いとも言えないし、何が個性として聞く価値があるのだ?と問われたら返す言葉は一言も無い。ただ、一言…「多分気に入ると思うよ♪」です(笑)。

 ダサいと言うほどダサくもないし売れ線でもないしホント形容に困る。ありきたりの70年代英国ロックとちょっとアメリカサイケ時代の音も入ってるかな、そんなバンドなんで、スイスらしい旋律はもちろん皆無、そんなのロックに入れてたまるか、ってのは日本も同じだったからよくわかる。そんな話だ。ドタバタドラムに印象付けようとするギターのリフやフレーズ、仰々しく聴かせたい鍵盤の類い、ベースも走りもちろんボーカルはロックで歌う。曲はそれなりにそれなり…何だそれ?って話だけど、もうちょっとスリムにしても良いのにやや冗長、ただ、冗長性を取ると無くても良いじゃないかって話になるのでやっぱりあった方が良いという冗長性。ただ、この自由な発想による曲作りと展開はなかなか楽しめるし、頑張ってる。そうそうフルートがたまに入ってくるのはかなり良いよね…って自分の好みだが(笑)。

このダサさ、全曲どうぞ♪

Solid Ground - Made In Rock

Solid Ground - Made In Rock (1976)
メイド・イン・ロック(紙ジャケット仕様)

 日本で北欧のロックが注目されたのはアバとかイングヴェイ・マルムスティーンが出てきたくらいからでしかなくって、90年代になってからは色々とメタルバンドが台頭してきているんで、その辺からは割と本格的に北欧のロックシーンとして認識され始めているが、少なくとも70年代に於いて北欧のロックシーンに注目していた人物は極々ほんの一握り以下だったと思う。ユーロ・ロックとしてのヨーロッパのロックの認識はあったと思うが、そのそもハードロックと言ったら英国だし、ロックならアメリカでしょみたいな話で、たまに毛色の違うバンドがチャートに入ったりして持ち上げられる程度、そう考えるとダモ鈴木って人が如何に特殊な存在だったか、ってのがわかるし、山内テツという人もそんな類いだったのだ。ところが当然ながらヨーロッパ各国や北欧だって普通にロックってのはあったんだな。それでもさほど知られてきてはいないから数は多くなかったのかもしれない。メジャーじゃなきゃいくらでもいたんだろうけど、レコードにまでなって形が残っているバンドってのは少ないのかな。その中の一つであるバンドを例のコレクションからご紹介。

 スウェーデンから出てきたSolid Groundというバンドの1976年作「メイド・イン・ロック」というアルバム。何とも驚くことに、Amazonでも普通にあるしiTunesでも取り扱いがあってもしかしてかなりメジャー?知らないの自分だけ?みたいに思っているのだが、そうかも…。しかし、さすがにこのジャケットでメジャーはないだろ(笑)。Solid Ground Made in Rockってさ、訳したらダサすぎじゃね?別にいいけど、北欧らしからぬヒネのなさはアメリカを狙ったか?そんな邪推をしてしまうのだが、音の方もそんな邪推があながち間違いではないと思えるくらいにストレートなロックを演っているのだ。結構出身とか気にしないで聴いたら面白いんじゃない?みたいな部分あります。自分的な好みで言えばやや物足りないんだけど、普通そういうモンだし、頑張ってると思う。1976年でここまで来た、っていう感もあるが、バンド名通りにソリッドなサウンドはなかなか。

 当初はGroundhogs的とも思ったんだけど聴いているともっとストレートで不器用かな、と。録音のせいもあるけどドラムがもうちょっとバタバタしてくれると雰囲気出たかなぁ…。ベースとギターは思い切り70年代英国ロックしてるんでね、歌はおまけに近いからさほどこだわってないが…ギターはかなり速弾きしたりしてじっくり聴いてるとちょっと驚く。「Dolid Ground」って曲のソロとか「お?なんだこの速弾き?」って思うもん。曲はどうにも哀愁漂うメロディなのだが。まだまだもっと北欧らしい哀愁が出せるだろ、って思うがなぁ…、それは今だからなのか、この時代ではかなり叙情性出てる方なんだろう。そんな感じでアルバム聴いてると、もう一回聴くか…と数回聞いていたりするので、実は自分、結構気に入ってるんじゃないか?と(笑)。気に入ってるっつうかなんか深く聴きたくなる部分があるんだよ…。








Baumstam - On Tour

Baumstam - On Tour (1972)
On Tour +2

 CD時代になってからの後追い世代と同じ気分でジャーマンハードなどを漁っていると、時系列が追えなくなってきてて、今の時点で入手できるものはどんだけ昔珍しかったか、ってことを知識レベルでしかわからないので体感したモノのように理解しきれていないことが多い。今は手に入らない、入れられない、ってことがほとんどあり得ないんで、入手が困難ってのはあるけどDLも含めれば全てのものが手に入るんじゃないか?って思うくらいだ。だから英国モノでもそうなんだけど自主制作で何百枚しかプレスされなかった名盤、なんてののアナログ探しの経験がないまま音を聞けるっていう時代になってるんで、思い入れが異なるのはしょうがないんだよねぇ。

 1972年にドイツでそれこそ自主制作でリリースされただけのアルバムだったと言うBaumstamというバンドの「On Tour」。1990年にCDで再発された時にマニアが狂喜乱舞したと言われる幻のハードロックバンド、だったらしい。しかし自主制作でしか出せなかったバンドがそこまで幻になるほど騒がれる位のバンドなのか?ってのはいつしも疑問に思う話で、大体が聴いてしまうと、なるほど…と妙に納得するバンドが多かったな。それでも入手までの苦労等を考えれば聴けてよかった、これは良いアルバムだ、と思いたくなるのが人間の性(笑)。知識だけでそれを知っていて実際の音はさほど労せずして入手してしまった人間にはその価値の1/10も理解しきれていないと思う…。でもさ、このBaumstanの「On Tour」はなるほど、幻の一枚だっただけあってカルト的な存在感があるアルバムと思う。こういうカリスマ性って何なんだろうな、と思うよ。神々しいまでの自分たちのスタイル、ってのかメディアと迎合できなかった姿なのか…、その神々しさが自主制作であろうとも幻の一枚として祭り上げられるバンドの違いなんだな。

 普通にアルバムとして聴いてみても、妙な不思議感…、恐らくドイツ、クラウトロック的な独自の雰囲気なんだと思うが、それが全体を覆っていて言葉にしにくいサウンドを出している。初期のスコーピオンズなんかもそうだけど、かなり独特なワケよ。ギターのリフとベースがあって、ドラムがドタバタしてるハードロックなのは確かだし、ボーカルもさほど上手くもないが、エコーたっぷりで雰囲気出してる、そして全体的にはモコモコした音で仕上がっている安っぽい出来映え、なのにね、唯我独尊な世界。ドイツなんだな〜、これこそが、と思う。英国ロックのモノマネじゃなくて独自進化のドイツハードロックの姿な気がする。スコーピオンズと同じ香りです。驚くことに最近再結成してライブやったりしてるみたいで、YouTubeで現在が見れるっぽい。見たくないから見てないけど(笑)。







Tyburn Tall - Tyburn Tall

Tyburn Tall - Tyburn Tall (1972)
Tyburn Tall

 世の中実に色々なロックがあるもんだ。自分はアメリカもんをあまり聴かないからまだ知らないロックの世界ってのはそっちにも広がっているのだろうが、想像するにさほど多様性があるようには思えないんで、やっぱり深く突っ込むならヨーロッパだろうな〜なんて気がする。んで、昨年夏ごろからハマってきたジャーマンハードから発展して国籍問わずの70年代ハードロックに邁進しつつあるのだが、ネタ元はいつものコレクション、もちろん自力でも探すんですがね…、いや探すっつうか、引き当てる楽しみってのがあってさ、ジャケットで「コレは来るか?」とか「ダサそうだが…どんな音だろ?」とかね、音を聞く前のそういう楽しみもあるんですよ。それは実は「asai collection」でも同じでYouTube時代だから音はすぐ聴こうと思えば聴けるんだけど、割とそのまま聴かないでメモだけにしてるのも多い。いざ、聴くときはじっくり全部聞きたいし、ジャケットから想像する楽しみも残せるから。そんな風に楽しみながら色々と聴いているので、ハズレもあるさ。ただ、ハズレ、っても聴かないハズレじゃなくって聴いて、あ、そっか、ここが苦手なんだ、ってのがすぐわかるのが自分のキャリアの賜物(笑)。

 1972年にリリースされたTyburn Tallなるバンドの「Tyburn Tall」というファーストアルバム…、オリジナルアルバムは一枚だけなのかな?こういう一発だけのバンドの面白さってのは英国でも多数あるがなかなか離れられない魅力を放っているんだな。Tyburn Tallってバンドもジャケットのダサさからして絶対ダサいに違いない、と踏んでたんで聴いてみてハズレなかった(笑)。ただ、冒頭の「War Game」のイントロにはコケた。いつまでこのハモンド鳴ってるんだ?ってくらいにクラシックなハモンドがず〜っと独演やっててさ、基本的に鍵盤重視な聴き方しない自分なので長いと飽きるのだが(笑)、我慢して聴き続けるとようやく、ドタバタとダサいバックが入ってきた(笑)。なるほど、ここから想像するにハモンド中心のヘヴィバンドなんだろうな〜と楽しみを横に広げて試みる。

 なぁ、どれもこれもめちゃくちゃ曲が長いんだが…オリジナルアルバム「Tyburn Tall」では4曲入りかい…、最近こういうアルバムってじっくり聴いてなかったから長いな〜って思った。それは多分、楽曲の演奏陣にハマりキレなかったから冗長に聴こえてしまったんだろう…理由は簡単だ。ハモンドが目立ち過ぎててインタープレイになってないんだよ、要するに。バンドの音のアドリブ合戦ではなくてハモンドを聴かせるためだけに曲が冗長になってるってことだ。もちろんギターとか頑張るんだが、実力差があり過ぎるのかどうにもピンとこない噛み合わせの悪さ、そこが面白くもあるのだが、歌が始まってみれば随分とネチッこい歌でこの時代にしか生きられなかっただろうんってくらいのモンだ。ところがそんなチマチマした文句がたくさん出てくる中、バンドの演奏の熱さや真摯に向き合うプレイのひたむきさってのはなかなかハートに来るモンもあってダメだし出来ないワケ。そもそもアルバム通して聴けば明らかにユーライア・ヒープのモノマネなんだから否定出来ないでしょ。ヒープのモノマネでカッコ良いバンドなんて出来ないんだから(笑)。

 いや、そんな堕落的なものでもなくて、ハモンド出すぎだけどドラムプレイとか好きなんだよね、よくわからんけど。そのせいか、「Strange Days Hiding」という17分もある曲の途中ではドラムソロをカマしてくれます。良い感じの手さばきで、なかなか好ましいです。







Tomorrow's Gift - Tomorrow's Gift

Tomorrow's Gift - Tomorrow's Gift (1970)


 70年代のロックとは創造と融合とエネルギーによって多様性を持った、という言い方と凝縮された、と言う表現もあるかもしれない。すべての方向がひとつにまとまればそれは完全に凝縮されて圧倒的なパワーとして放出されるものだが、全てがバラバラになり発散されれば音楽の多様性を語ることになっていく。そんなバランスの取り方の不器用さが露骨に出てしまうとB級ロックという世界に突入する…のだろう。その辺のロックが好きな人は何故かと言うと、恐らくそのアンバランスの中にある驚異的なバランスの偏りという側面に光を求めるからなんじゃないか?なんて勝手な仮説及び思いつき、です(笑)。書いた瞬間からそんなこと忘れて普通に「おぉ〜!」って聴いてるのは間違いない。

 1970年にリリースされた今でも幻と呼ばれるTomorrow's Giftのファーストアルバム「Tomorrow's Gift」です、もちろんいつもの「asai collection」からの浮上モノでして、冒頭の「Riddle In A Swamp」からぶっ飛ぶこのかっこ良さ…カッコ良い?かどうかは別として、実にユニーク且つこの時代特有の何でもあり感とエネルギーの凝縮がバランスされた代物、通常のバンド編成に加えてフルート奏者が参加している。そして嬉しいことにボーカルのエレン嬢、なのだ。そう「嬢」=「姫」です(笑)。フルートの音と姫の歌声が聴けるってそれだけで至福な時なのだが、それでいてやってる音がヒステリックなロックっつうギャップが嬉しい。英国ロックしか知らないので大変恐縮な例えなのだが、全体の雰囲気はAffinityですな…そこにBabe RuthとGnidolorogが一緒にやったようなサウンドには自分が好まない理由はまるで見つからない極上の音。更に驚いたのは本作でギターを弾いているCarloという人物がいるのだが、このカルロ=「ロックバルーンは99」のネーナ、に参加していたギターのカルロ、なのだ(!)。ホントか??こんなギター弾いてたのか?思い切りロックバリバリどころか当時のドイツのロックバンドの中ではかなり上位に位置するギタリストだったんじゃないか?ってくらい自分の好み(あくまでも)なギターを弾いている。そうか、それで自分はネーナが好きだったのか…(←勘違い)。話逸れまくってるけどね、事実らしい。ってことはネーナってやっぱあのネーナ・ケルナーを歌姫にするためのバンドだったんだろうか?それにしては演奏上手くなかったが…、いや、それはともかく、カルロ、こんなギター弾いてたとはもう驚きの一言。素晴らしい。

 さて、アルバム「Tomorrow's Gift」はアナログ2枚組でデビュー作としてリリースされたらしい、ってことはそれだけ期待されたバンドだったんだろうと思われるのだが、ドイツ人のセンスだからわからん。それはともかくながら純粋な70年初頭のロックバンドのあるべき音をドイツでしっかりと奏でている。演奏がやや冗長になる曲も多いのだが、それはそれでハマれれば楽しめる…、こんだけ曲が出来ちゃったから入れとこ、みたいなところかもしれん。それにしてもフルートの出番が多くて嬉しい…嬉しいっつうかやっぱりフルートという楽器特有のほのぼの感はロックでも変わらないので上手く使っていると思う。バックの音も重くないから丁度良い感じに仕上がってて、フワフワしたボーカルの歌声がこれまた心地良くってね、英国にこだわってた自分もさっさとこの辺の音に進んでいれば良かったのになぁ…と後悔してるけど,でも、出会えたのは幸せです。まだセカンド「Goodbye Future」は聴いてないけど、相当メンバー変わってからの作品にもかかわらず高評価なので、ファースト「Tomorrow's Gift」を超える出来映えなのか?と期待できるかもね。多分こっちの方が自分の好みとは思うけど♪

Goodbye Future
Goodbye Future
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Tomorrow's Gift
Minority (2006-02-13)







The Seventh Dawn - Sunrise

The Seventh Dawn - Sunrise (1976)
SUNRISE (+4)
 ちょいとうるさいモノ続きだったのでホッと一息つきたいところだな、って思ってね、そんな時ってのは大抵フォークあたりに手を伸ばすことが多い。英国フォークものも結構好きなのでいくつも揃えてしまったんだが、何かとブログにもアップしているな…ってこともあってせっかくなので最近ようやくチマチマと手に入れつつある「asai collection」から何かないかと探してみることに。どうやら、この辺がフォークらしい云々だった気が…。

 1976年リリースのThe Seventh Dawnという何とアメリカのバンドの「Sunrise」というアルバム。アメリカのバンドの1976年なんてそれでフォーク調とか言われても全然ピンと来なくてね…。どうしたってアメリカのフォーク調のバンドってのはカントリータッチが入らざるを得ないものだし、それがアメリカってもんだ。ケルトミュージックや英国トラッドフォークも元を正せばアメリカのカントリーに辿り着くのもあってケルティックフォークのバンドだとアメリカから出てきたデュオとかあったりするんだが、フォークはなかなかないんでね、ホントかよ、って思って恒例YouTubeで試聴…、へ?ん?あれ??ホントにコレ、アメリカのバンド?感じの音が流れてくるじゃないか…。それが最初の驚きだったが、こういう音を聴きながらジャケットを見ているとそれもまたなかなか風情のあるジャケットに見えてくるから恐ろしい(笑)。

 そんな感じで、とあるレビューではVashti Bunyanの再来とまで書かれているが、そこまでとは言わないが、かなり素朴なタッチなどは似た雰囲気があるかもしれない。ただ、3曲目の「Latecoming」あたりは唐突にピアノとメロトロン?ストリングス?を中心とした疾走感溢れるロックが始まってしまうので一体何事?と。これはこれでまた妙にプログレチックに好まれる気はするので良いし…ってかこの路線でアルバム作った方が受けたんじゃないか?とも思ってしまうが、多分素朴なフォークの後にこのピアノロックが入ってくるから良いのかも。そしてまた元に戻り憂いのある素朴なピアノで歌われる…、さすがに200枚しかプレスされなかったと言われる稀少盤なだけあって、録音が相当ショボいのがやや残念か。

 ン~、でも、何か、凄いかもしれん。これが英国だったらかなり祭り上げられたんだろうがアメリカだったから知られざるアルバムとして存在しているんだと思う。この「Sunrise」というアルバムは英国のその系統のバンドのどれにもヒケを取らないんじゃないかと思うくらいの質素で素朴な名盤と言える。いや、良い物を教えてもらったモンだ…。恐るべし「asai collection」。





Toad - Toad

Toad - Toad (1971)
Toad(紙ジャケット仕様)

 随分前からコイツは絶対聴いておけ、と言われんばかりにオススメされていたことのあるスイスのハードロック・バンドがあった。その頃には既に英国ロックを極める道を決めていたので他の国にうつつを抜かしている場合ではないとばかりに適当な返事をしていて、聴かず仕舞いのまま数年が過ぎ去っていった。そのオススメしていた人物とも疎遠になり、特に誰かに何を薦められるワケでもなく、またネット普及と言えどもそんなマイナーな世界でのコミュニケーションなんてタカが知れてるものだったんで、時々バンド名を見かけて、あ、これだ…とばかりにスルーしていた感もあったのだが、例の「asai collection」にも登場してきたとなると無視は出来ない…と言うか、多分自分にオススメだよと言っていた友人と「asai collection」はかなり被るのだ…。世界は広い。

 Toadというバンドのファーストアルバム「Toad」で1971年にリリースされた名盤の誉れ高いアルバム。Led Zeppelinタイプの重さと手数、そしてギターリフを誇り、且つロッド・スチュワートばりの声を聴かせる…自分的にはロジャー・チャップマンをもっと洗練したような感じでああるが、それでもボーカルの比重が高くはないのでどちらでも良いか。とにもかくにもインプロに依るバンドの一体感とヘヴィネスさがアルバムジャケットの迫力そのままを繰り広げてくれるので重い音の塊が自分にぶつかってきます。ブルース・ロックという類いになるのだが、本物のブルースからの影響ではない感じのギターで面白い。そして何よりもこのギターのトーンとバリバリネチネチ感が堪らなく初期Led Zeppelin的で実に好ましい…。もひとつキャッチーさのあるリフだったりすれば更に面白かったのだが、そこまでは求めまい…。

 そしてこの時代には当然ながら影響があったであろうブラック・サバスの影もやや感じられるのだが、これもまたブラック・サバスのデビューが1970年の2月なので思い切り影響を受けた後の曲作りだったのかな、と言う点がやや残念。ただ、聴いているとジミヘンあたりの雰囲気をアレンジしていった風にも取れるので、割と多様に取り込んでいるようだ。そして美しいアコースティックギターとベースライン、そしてコーラスワークが曲を繋ぐなどと妙にプログレッシブな展開を誇る12分にも及ぶ「Life Goes On」が本アルバムのハイライトか。トータルタイムもさほど長くないので一気に聴き倒せるサイズ、しかも多様性に富んだハードロックなので面白い。ところどころにLed Zeppelinのメロディが歌われているのも愛嬌。見事なセンスとリスペクトだ(笑)。

 この後2枚ほどアルバムがリリースされるようだが、自分はまだその後を聴いていない。幾つかの評を読んでみればやはりファーストがダントツ、セカンド「Tomorrow Blue」も結構な評判の高さはあるようなので、いずれまたチャレンジしてみたいと思っている…ってか絶対薦められるだろうし(笑)。先に書いておきます、はい、聴きます(笑)。

Tomorrow Blue(紙ジャケット仕様)
トード
ストレンジ・デイズ・レコード (2008-02-27)
売り上げランキング: 350,062





毎度のことながらアルバム全曲どうぞ!

Weed - Weed

Weed - Weed (1971)
Weed
 ケン・ヘンズレーという人は正に世界を股にかけたミュージシャンと言える活動をしている人で、もちろんユーライア・ヒープの活動が一番知られているワケだが、割と創作意欲旺盛で自分で動くタイプの人らしくアチコチでケン・ヘンズレーって名前を聴く。ユーライア・ヒープの前のゴッズは有名だが、その後にはブラックフットとのジョイントなんてのもあったりする。そしてユーライア・ヒープが全盛だった1971年…セカンドアルバム「Salisbury」と名盤「Look at Yourself」の合間の頃にドイツに行った時に気に入ったのか知り合ったのか、Virusというバンドとセッションしてアルバム一枚を残している。それがWeedと言うバンドだ。

 1971年リリースWeedの「Weed」。ここまでケン・ヘンズレー色が強く出てくるってのは一体どういうこった?元々のVirusっつうバンドのカラーとか出してたサウンドってのはどこに行ったんだ?それに加えてユーライア・ヒープとやってること変わらない音楽を敢えてセッションでドイツの無名バンドと一緒に演ることにどんな意味があったんだろうか?もっとも自分が歌いたかったという以外で、という話だが…。この「Weed」というアルバムでケン・ヘンズレーはメインボーカルと鍵盤とギターを受け持っているようで、ギターはもう一人いるし、鍵盤ももう一人いるのだが、出てくるサウンドはどう聴いてもユーライア・ヒープ紛いのヘヴィーギターとオルガンの世界、あそこまで厚みがなくてもっとバンドがバラバラな感じだが、そりゃそうだろ。

 いつものワンパターンベタベタリフが中心の楽曲が6曲並んだ30分強の作品で、好きなことやりたかったんだな、としか思えないのだがアルバムを出すほどにバンド、ユーライア・ヒープでは出来ない世界だったのだろうか?そう思いたくなるくらいB級なハードロック路線なアルバム。…とまぁ、こき下ろしてますが、好きな音なんですね、これ(笑)。もっときちんとこなして洗練させれば結構なアルバムにまで持ち込めたと思う曲多数、そこまで詰めないで即興で作ってしまったのが勢いとなってるというのも◯なのかもしれない。到底聴く価値があるとは思えないんだが、時代を感じるフリーなハードロックインプロが収められていて、ケン・ヘンズレーの好き勝手放題が楽しめるってことでいいんじゃないの。最後のアルバム・タイトル曲「Weed」なんて曲出来上がってないだろ?ってしか思えないくらいの適当さで収められていると言う…、良い時代だ(笑)。




Amish - Amish

Amish - Amish (1972)


 最近の自分のライブラリとMac上には「asai collection」と題されたフォルダーがある。某氏が呟いた代物をマメにメモってあったりリンクを保存してあったりして自分でバンド名やアルバム名を覚えなくてもとにかくそのフォルダーに入っているものをチマチマと潰していけば面白いものにはいつも出会えるという魔法のフォルダーなのだ(笑)。どうにも響かなければそのリンクはさようならとなるが今までそういうのは数個しかなくって大体がライブラリに化けることとなる…、これがまたライブラリに化けさせたくないんだがしょうがない、化けざるを得ないような音ばかりなのだから…。そして今回も密かにその「asai collection」からひっそりと表に出していくのだった。

 1972年にリリースされたAmishというカナダのハードロックバンドのアルバム「Amish」。ちょっとジャケットのセンスがあまりにもあまりにもで自主制作?って感じではあるのだが、その辺は英国モノと比べてはいけません。どれもこれも皆が皆ハードロックの波に乗ってなんでもやっていこうと決めている時期なのだから。ましてや実はヘンなのがいくつか出てきているカナダなのだから侮れない。そういうのもあって、気になった時に聴いてそこからまた熟成させて聴いて、なるほどそうか、と言うので今回浮上してます。

 バンドの音としてはモロに時代を感じさせるヘヴィなハードロック、B級、だろうな(笑)。ただ、ベースが凄い。ベースのラインが異常に目立って曲をグイグイと引っ張ってるしそこに絡む軽めのジャギジャギしたギターの音を聴いているとCatapillaとかAffinityなんてのを想像するサウンドでなかなか心地良い。カナダらしく骨太なボーカルがそこに絡むことで英国的な要素を排除、しかし演奏陣は結構時代の産物とばかりに曲構成に囚われない自由なスタイルで演奏をしている。それでももちろんロックとかポップスの世界に属する範囲でプログレッシブなワケじゃないのがよろしい。

 何というのか…、ルーツがまるで見えないんだよな、このバンド。いや、ハードロック好きで英国の王道から始まっているのはわかるんだけど、その深さがない…ブルースルーツとかフォークルーツとかそういうのがね、やっぱカナダだから見当たらなくて見事にハードロックを聴いてハードロックを演ってる感じ。だからアルバム一発で消えるんだが、それにしてもこの「Amish」というアルバムでのハードロックへのアプローチは結構粋なモンです。最後まで飽きずにガシガシ来てくれるのは嬉しいね。

アルバム全曲どうぞ!

Bad Company - Rough Diamonds

Bad Company - Rough Diamonds (1982)
ラフ・ダイアモンド(紙ジャケットCD&2010リマスター)

 そういえば新春にホワイトスネイクを聴いていて、あぁ、この歌ならポール・ロジャース聞きたいな〜と思っていたことを失念していた…、ので、思い出した時に早速聴いておこうかと。…とは言ってもこのブログの性質上、今のところはまだ同じアルバムの再登場ってのはあまりない(いくつか書いたこと忘れてて書いてるのはあるけど)ので確信犯的に書くこともないな〜ってことで目次と自分のライブラリと照らし合わせて書くアルバムを決めるのだ。ポール・ロジャースのソロ作品でも良いな〜とか色々あるんだけど、何となくバンド名義のほうがホワイトスネイクとの比較になるか?とか自分なりに勝手に思い込んでいるのでバドカンへ行こうと。時期的にホワイトスネイクのあの辺のアルバムがリリースされた頃とバドカン全盛期って被ってるし、とは言えバドカンがアメリカンに向かっている時に思い切り英国ブルース・ロックの音を出していたのがホワイトスネイクか、と捉えればシーンでは被っていないってことになる。後追いではそういうのもあまり関係なくなるけどさ。こうして流れを追ってみるとバドカンとホワイトスネイクってのは実に似た共通項が多いってことに気づいた。ボーカリストは元々売れたバンドに在籍しててスーパーバンドを組む、ブルース・ロックから入っておきながらアメリカに渡るために洗練されていってアメリカナイズしていく、など。もっともその後の主導権の話ではボーカリスト産達の性格の差が出ているのだが(笑)。

 1982年オリジナルメンバー全盛期でのバッド・カンパニー最後の作品となってしまった「ラフ・ダイアモンド」。これもヒプノシスのジャケットと言うのだが、う〜む…と思ってよく見てみればなるほど、というフシがいくつもある面白い作り。アナログ時代に全部揃えてたから分かる話で今のデジタルDL時代にそういうのもなかなかわかりにくいだろうが。タイトルが「ラフ・ダイアモンド」と言う割には終焉を迎えているバンドというギャップも狙ってるか?バンドの内情は既に解散状態だったとか…、それでミック・ラルフスは自分で曲作り、もちろんポール・ロジャースも曲作りしていて、主導権はどっちかっつうとポール・ロジャースにあったのか、自らギターを弾いたりして何とかバンドの体裁を保ったアルバム作りになっている。幾つかの曲ではミック・ラルフスが不参加だったそうだ。プロの仕事としてそういうのはどうなんかね?許されてしまうのがミュージシャンという職業なんだろうが、替えが効く産業ってのもこれまた然り。

 そんな内情はさておきながらも「ラフ・ダイアモンド」はこれまでのアメリカナイズされた作品よりから英国ロックに戻りつつあって、まだまだアメリカンだけど結構良い感じ。初期の作品に通じる音作りになっててギターはミック・ラルフスだろうがポール・ロジャースだろうがブルースフェイバーたっぷりのソロを聴かせてくれるし、ポール・ロジャースの歌も力まずリラックスした感じのが多くて余裕あるな。と言うよりも普通に歌ってこういう余裕が出せるレベルになってきたのがこの頃なのかもしれない。こんだけ自分でギター弾いてそれなりにポール・コソフ的に弾けたりするとバンドも要らないか、と思い始めるのもわかる気がする。結果このあとソロ・アルバム「Cut Loose」を一人で全部の楽器をこなして作っちゃうんだからこの頃の人間関係の嫌さ加減ってのはよほどのものだったのだろう。しかし良い感じに枯れてる作品です。自分的には好みじゃないけどこういう音ってロックにはいつも必要だと思ってて、だいたいそれは誰かのソロ・アルバムdあったりするのだが、BGM的に心地良い作品、ギターの音色が好きです。やっぱミック・ラルフスの方が味があるか…。

 しかし聴きやすい。良作と言われることはまずないアルバム「ラフ・ダイアモンド」だが、こうして30年経過して聴いてみると、いいな〜って思うよ。レイドバックしてくる歳になったからかもしれんが、枯れたギターってなかなか弾けないんだもん。ストラトも弾けるようになってみたいな…。

Cut Loose
Cut Loose
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Paul Rodgers
Friday Music (2008-03-04)
売り上げランキング: 152,714







Rammetsin - Herzeleid

Rammetsin - Herzeleid 1998)
Herzeleid

 超重金属音で始まった2013年の正月、ちと行き過ぎ感あって喜ぶ人遠目に見る人それぞれ…(笑)。何で日本人ってのはこう年が明けると若干こう引き締まっていた気分から開放されて気持ちを一新して歩もう、と思えるのか。諸外国ではここまで年末年始で気分に差が出ることもそれほどないんじゃないだろうかと思うが、それが日本の文化ってもんだ。そして1ヶ月もすればそんな気分を忘れてただただひたすらに日常…、四季の移ろいを肌で感じるだけで時が過ぎ去っていく毎日。う〜ん、何かやるせない気分が反映されてしまった序文になってしまった(笑)。

 超重金属音楽を奏でていた初期のRammsteinのファーストアルバム「Herzeleid」は日本では未発売のままだと思う。1998年にリリースされた如何にも生理的拒絶反応を狙ったかのようなアルバム・ジャケットからしてこのバンドの売るための路線は明確だった、と後になって思う。反面その音はしっかりと新しい世代のサウンドを出していて超重金属音に加えてデジタルテクノサウンドを混ぜた不思議なもの、そこにドイツらしい超硬質なパフォーマンスとポリシーを持ち込み、サーカス的な炎劇で見るものの心を奪うという見事な演出。ある意味音でもメタルという宗教的なサウンドで、そこに炎劇を入れることで更に神々しい宗教感を取り入れて更にメンバーはステージではMCなしで無個性無人間性、ただただひたすらにパフォーマンスで観客を魅了するというスタンス。もっとも初期から色々と見聞きしていたからこそ知っている事実で、普段のようにCDを聴いているだけではわからない側面だ。本来バンドに対するリスペクトってのはここまで見て聴いてから何かモノを言うべきなんだが、なかなかそこまで実践できていない自分のもの悲しさ、思い入れの度合いに依るものではあるが。

 さて、「Herzeleid」、最初聴いた時には結構驚いたし、今でも彼らのレパートリーとして上がってくる名曲が多数入っている。昔のメタルよりも更に単純化されたギターリフでひたすら刻み込み続け、そこにインパクトのあるメロディとキャッチーなサビを入れつつもボーカルがドス声だから決して軽く聞こえないマジック、更に浮遊する鍵盤のデジタルサウンドがバンドの特徴を強めている。単調なリフとリズムにキャッチーなメロディを被せるという至極当たり前なメタルな図式なのにどんどんと盛り上がり、またバラードではベースがひたすらに目立ち、これもワンパターンフレーズで成り立っている見事な作品。レベルが異常に高いファーストアルバム「Herzeleid」、ジャケットは最低だが、中身は名盤の域に入ってくる超重金属サウンドのドイツ産。音もともかくながら初期のライブパフォーマンスなんかも見てもらいたいもんだ。ミュージシャン魂とエンターティメント性がどれだけ見るものにインパクトを与えられるかがわかるし、これこそプロ、って唸ってしまうものだ。既に20年近くこのままでシーンに存在している重鎮になってきているが、まだまだ今でも楽しませるということには体を張っている集団Rammstein。実に面白い。






Judas Priest - Point of Entry

るJudas Priest - Point of Entry (1981)
Point of Entry (Exp)

 正月早々からヘヴィなモノ聴いてて、やっぱりヘヴィなものが聴きたい、って言うのか気軽に聴けちゃうっていうのが良いんだよな。プログレとか今はリラックスするためには聴かないし、ポップスはもういいや、って気分で、何となくメタルの鳴りが心地良かったりするのだった。それもあってか正月早々からヘヴィな方向なのだが、ホワイトスネイクの初期ブルース・ロック系統へも進むつもりだったのに…、と今からでも方向を戻す努力を…(笑)。いやいや、そんな前置きはさておきながら、せっかくだから普段は全然聴くことの少ないアルバムにフォーカスを当ててみました。

 1981年にリリースされたJudas Priestのアメリカ進出意欲作「Point of Entry」。これがまた昔からそうなんだが、どのレビューを見てもまともな評価を下されていないようで、おかげで興味のあるリスナーからしてみるととにかく聴かないアルバムとしての一要因になってしまっているのだ。記憶にある限りでもジャケットがジューダス・プリーストらしくなく、既に向こう側に行ってしまっている、とか金属管が感じられない、とかアルバムを聴いた限りアメリカ市場を意識し過ぎて本来のメタルを忘れている、とかそんなん。多分リアルタイムでジューダス・プリーストを追っていてこの「Point of Entry」がリリースされて聴いた人はそういう感覚で評論するのもわかるのだが、同時代じゃないリスナーからしてみれば、これもまたアリ、かと思わせる内容ではないだろうか、と。まぁ、自分の悪友であるメタラーには怒られそうではあるが(笑)。

 結論的には曲によりけり、かな。ヘヴィさが欠けているってワケでもないし、この後売れた「Another Comin'」のヒット曲のポップさからすれば全然かわいいモンじゃないかとも思うのだが…。言われているほどアメリカナイズって感じもしないし、別にカラッと乾いた感じがするワケでもない気がするし、そういう観点とは違う所で聴いてみるのも良いんじゃないかと。確かに軽めの曲が多くてヘヴィなリフで押し迫ってくるっていうんじゃないが、バンドが同じ系統のアルバムばかりリリースするという方向性を取らなかっただけなのでろう、そしてシーンを見て何となくヘビメタバンドの時代も予感できたってのあるとかさ。

 そして肝心の自分…、確かに何度も何度も聴かない音、と言うか聴きたくなる音が入っているアルバムってワケじゃないのは事実でやや冗長な部分もある。タイトなゴリ押しをジューダス・プリーストにはやっぱり求めるしそんな予感がする曲もあるのだが、如何せんそのまま期待通りに迫ってこないというスカシ感が受けなかったんだろう。黄金期にこういったハズしをしてくるのも珍しいパターンだな、と後で思うものではあるがこの時点でジューダス・プリーストって既に7作目くらいのアルバムなベテランなワケで、常に進化しているってバンドでもあるからアリだったんだろう。ただ、やっぱ、評価が低いのはわかる(笑)。

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Slipknot - Slipknot

Slipknot - Slipknot (2000)
Slipknot

 年初から既に自分の意図する方向性とは異なる路線に進んでいる本ブログ、いつものことながら正月からヘヴィーなモン聴き過ぎじゃないか?もっとオーソドックスに70年代のハードロック起点で進むつもりだったのだが、ちょっと書く順番を間違えたおかげでガラリと路線が変わってしまった(笑)。2013年も相変わらずそんなことが普通になるんだろう、きっと。今年はあまり連想性にこだわらないで気ままに進めるかな、と思いつつもなんとなく連想してしまうのはしょうがないよね。ってことでストーン・サワーのコリィ・テイラーの歌声が結構良かったんで、本家スリップノットってどんなだっけ?と。

 2000年にリリースされたスリップノットの最初のアルバム「Slipknot」。バンドは5年ほど前から始動していたそうだがメンバーの固定化とサウンドの確立などなどで数年を費やしたのか?それとも売るためのコンセプト作りだったのかもしれない。それにしてもこの変態的マスク集団とあまりにも多すぎるメンバーの数、それでいて超どヘヴィーな音の塊でいながらにして売れる、という思惑が見事。21世紀を迎える世界に対してしっかりと時代に融合した奇跡のバンドとも言えるのか…、ヘヴィネスが売れる時代になったってことの象徴でもある。

 ファーストアルバム「Slipknot」はねぇ、最初に聞いた時はもうダメ。こんなにうるさいのは聴いてられん、って感じで結構早々に投げ出した記憶がある。自分的にはセカンド「アイオワ」を聴いてからの話だったが、何と言うか、この手のうるさい音って音楽的に楽しむってのとはちょっと違うからさ、あまり受け付けなかったんだよ。ただ、それから色々と聴いたりして時代も流れて確かにヘヴィネスが普通にシーンにあったり自分の文化にも普通に入ってきていて、聴けるようになるってのは面白いな。デス声なんかもそうだけどさ、スリップノットだってスクリーム系だもんな。それでだ、コリィ・テイラーの歌声に違いを感じたのはスクリーム声での歪んだボーカルだったからってことに気づいた(笑)。歌メロとか歌い回しってのは確かにストーン・サワーとさほど変わらない…まぁ、そこまでメロディアスじゃないが、スリップノットも相当に実はメロディを持った歌も多いワケで、単に叫ぶだけのデス系じゃないんよな。どこか聴きやすさがあるという不思議なバンドで且つアグレッシブにヘヴィな音、売れたのは予想外だが良く出来てる。ファーストアルバム「Slipknot」を今聴いてもスゲェな、新鮮〜って刺激を受けるもん。以降こういう音に出会ってないからかもしれないが、今でも唯一無二の音?速いだけじゃなくて重いだけじゃなくで多様なリズムやジャンルが入り込んでるし曲も意外と複雑に作られてる。何か「燃えるぜ!」みたいな音が見事。








Stone Sour - House of Gold & Bones Part One

Stone Sour - House of Gold & Bones Part One (2012)
House of Gold & Bones Part One

 いつもの悪友から突然…「Stone Sourって知ってるか?いいぞ、聴け」と電話あり、「既に聴けるところのURLをメールした」とのことで、「忙しいからまた連絡するわ」と。翌々日「聴いた?」とメール…。こういう一筋な男になりたいもんだ(笑)。いやいや、誇張してますがそんな感じな悪友からの紹介できちんと聞くことになったStone Sourというバンドの作品。教えてもらったのは最新のシングル2曲分だったんだが、ちょこっと調べてみたらアルバム出たばっかで、そっちにもシングル曲入ってるからそれでいいじゃないかと。悪友曰く「メタリカ+パンクの格好にちょっとハロウィーンだな」と。

 こないだリリースされたばかりの「House of Gold & Bones Part One」というStone Sourというバンドのアルバム。何かStone Sourってバンド名聞いたことあるんだけどな…と思って調べてたらそうかSlipknotのボーカルとギタリストがやってるサイドプロジェクトバンドだった。だからボーカルはSlipknotと同じ声のハズなのだが…、結構違うモンだ。それどころかSlipknotを彷彿させる音や姿はどこにも見当たらず、元々このコリイ・テイラーというボーカリストが組んでいたバンドで、Slipknotに参加するためにバンドを解散させていたということで、一攫千金当てて古巣に戻ってそっちも稼ぐという何とも見事なサクセスストーリー、羨ましい。持つべきものはこういう友達だな(笑)。

 てな話はさておき、「House of Gold & Bones Part One」というアルバムしかまだ聞いてないからStone Sourというバンドがどういう指向性なのかわからんが、かなり面白い…と言うか従来型ヘヴィメタルに疾走感を加えたものがベースになっていて、歌メロがかなり綺麗に練られているのか、メロディアスなラインがあるところが面白い。一方ではSlipknotとクリソツな楽曲もあるのだが、それはそれとして冒頭2曲のシングル曲はなかなか新鮮な21世紀型メタルとも言えるサウンドで、しっかりと破壊的な側面も持っている。これがコリイ・テイラーの歌なのか?と思ったりするのは自分だけかもしれんが、別の側面を出していて面白いな。特に「Absolute Zero」って曲はかなりキラーチューンでこのレベルと方向性ならかなり面白いバンドになるんだが、アルバム全編聴いているとちょっとブレるかな…。でも「House of Gold & Bones Part One」がかなりハイレベルなアルバムなのは確かだ。

 Slipknotって今どうしてるのか知らないけど、やっぱりかなり厳密なコンセプトとかビジネスを見極めた所でやってるプロジェクトだったんだなというのがわかっちゃって、それでも良いんだけどサイドプロジェクトでこんだけの音出してたらどうなの?って思うよね。もちろんプロジェクトを辞める必要性は全然ないから両立なんだろうけどさ。




謹賀新年!

あけましておめでとうございます。

本年も「ロック好きの行き着く先は…」ブログをよろしくお願いします。

また、今年が良い年であることを願います。

毒牙(紙ジャケット仕様)Troubleキラー
Snake Bite LoveRATTLE SNAKEStrikes

しかし、巳年ってのと欧米の蛇ジャケットってのは随分とセンスと意味に差があるもんだ。日本の繊細な「巳」という意味合いはなかなか伝わらないんだろうな〜と日本の繊細な部分ってのをもっともっと海外に知らしめるべきじゃないかと思ってたり。

ってことで、今年も「ロック」好きで行きます。

2013.1 フレ♪

Metallica - Metallica

Metallica - Metallica (1991)
メタリカ

 別に自分は巳年ではないのだが何となく思い付いて正月三日間は巳年に肖って蛇ジャケットにしよ〜って思ったんだな。ところがこんだけブログ書いてると既に色々と蛇ジャケットの作品なんかも書いてしまっているので、あと何があったっけ?って思い出すのが実は大変で、見れば、ああこれもあったか、となるのだろうけどあまり思い付かなかったな。B級なバンドまで入れれば結構ありそうなものだが…。ちなみにサッと思い付いたのはALice Cooperの「Killer」やBlackfootの「Strikes」あたりで、WhitesnakeやCrawlerはそのままだし、曲では「Rattle Snake Blues」とか「King Snake Blues」など蛇ネタはチョコチョコある気がするのだが…。そんなことで何気なくネットを探していて、あ、これもそうか、って思ったのが本日のお題。

 1991年にリリースのメタリカ最高傑作として誉れ高い「メタリカ」、通称ブラックアルバム。メタリカってのは自分的にはリアルタイムでもちろん全部知ってたワケだが、好んで聴いてはいなかったバンドなので初期とかは後でちょっと聴いているくらい。「メタリカ」くらいになると割と音楽シーン的に重鎮にもなってきていたのでメタリカがもう昔のメタリカじゃなくなった最低の作品、という風潮が一般的だった。それが後追いや、このアルバムから入るリスナーからするとやはり最高傑作、となる。過去のメタリカとは決別した、と言うか一気に進化、成長した作品だったから往年のファンには受け入れがたいアルバムになったのだな。歴史の答えはこれで大正解、って出ているので今更何をって話だ。その時の世論やリスナーが間違ってたってこと。もっとも好みの問題だから間違いってワケじゃないんだが。

 さて、自分の場合「メタリカ」はどうだったか…、うん、エラく聴きやすいアルバムだな、という感触。それでもこの頃はメタルからは割と縁遠かったのであまり聴かなかったんだよな。メタリカを好まなかったのは初期のあのうるささが耐えられなかったから、そのままのイメージだったけど、「メタリカ」聴いてちと変わった、それが自分的に顕著になったのは次の「Load」だったが。そして時を経る度にメタリカの名前はデカくなっていき、いつしか自分もメタリカというバンドを聴くようにはなった。それからだね、「メタリカ」をちゃんと聴いたのは。特に「Enter Sandman」についてはプロレスのECWのご存知Sandmanのテーマになってからその迫力を増した(笑)。いや、あのイントロから入場してきてビール缶を額で割るっていうアホなパフォーマンスは最高だったもんだ。レスリングは下手くそだったがエンターティナーとしては素晴らしかったよ。

 そんなイメージもあるが、アルバム全体としては奇跡的なバランスが発揮されたというアルバムなんじゃないかな。重さと冷酷なメタルギターに対してエモーショナルなギターソロ、バラードで聴かせた意外と情感的なメロディを聴かせるボーカルなど新しいメタリカの魅力を存分に発揮できている作品で、「らしさ」はその音の重さと金属音で表現するに留めているし、プログレらしい唐突な曲展開も控え目、その分聴きやすくなってるが、90年代を迎えるに当たり、このアルバムの聴かせ方は正解だったワケだ。それでメタリカはビッグバンドの仲間入りを果たした、ってか唯一90年代を生き延びたメタルバンドとも言える。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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