Lucifer's Friend - Where the Groupies Killed

Lucifer's Friend - Where the Groupies Killed (1972)
Where the Groupies Killed

 ジャーマンハードの中でも知名度で言えば何となく最たるバンドだろうと思っているのがLucifer's Friendじゃないだろうか?何でまたLucifer's Friendだけ有名なのか…、そして自分もまた昔から知ってたり聴いてたりするんですけどね、うん、英国との合体バンドだから、っつう理由が大きい。合体ってもボーカルのジョン・ロートンだけなんだが、どうにも若い頃にドイツに行ってそのままバンドやるぞ、ってことでドイツ人と組んだバンドがLucifer's Friendだったっつう話らしいが、たった一人の英国人のボーカルを加えるだけであのダサいジャーマンハードロックがこうまで洗練されて抜けた感を持ったバンドになるってぇのは一体どういうこった?

 1972年リリースのLucifer's Friendのセカンド・アルバム「Where the Groupies Killed」。お得意の悪魔とお友達のアイコンはそのままに、ややおどろおどろしいイメージも残しつつのジャケット…、ファーストの「Lucifer's Friend」はもっと陰湿な雰囲気あったからちょいと垢抜けた感あるけど、この悪魔とお友達の姿がなんとなく不吉な印象があって実は結構手に取るのをためらってた、ってのは内緒だ。そのセカンドアルバム「Where the Groupies Killed」では冒頭からジョン・ロートンの歌声が炸裂しまくってて、ホント、こんなに垢抜けるんだなぁ…と感じるのはジョン・ロートンの実力のおかげ?後にUriah Heepで活躍するだけあって英国らしいメロディと歌声が突出している。ましてやここのところドイツのハードロックばかり聴いていたからそのセンスの違いをアリアリと感じてしまうのだな。それに引きづられてってワケじゃないんだろうけど、バンドの音もかなり洗練されたヘンなロックを展開してくれている。ヘンな音ってのはハードロックと言いつつも構成や展開はやはりちょっと悪魔チックな雰囲気を出したいというようなバンドの意図もあるのかプログレともちょっと異なる独自の効果音を含めたサウンドを演出しているというものだ。このヘンがLucifre's Friendっつうバンドを取っつきにくくしている要因ではあるんだが、慣れ、かな(笑)。

 そのヘンのムードを無視するとそれはもうダサいハードロックのリフレインの上をAクラスのボーカルの歌声が舞っているという実にアンバランスなバンドサウンドを聴くことが出来て頼もしい。冒頭の「Hobo」なんて結構ぶっ飛ぶんじゃない?それが曲を追うごとに実に実験精神旺盛なバンドの音に進化していくんで…、やっぱ英国でも持ち上げられたバンドになるワケだな。自分が知ってたのも英国B級ロックの枠組みだったし、それと比較しても何ら違和感なく聞けたんだからそのレベル…サウンドも曲もB級感もヘン加減もあったってことです。好きな人には堪らなく面白い要素が詰め込まれまくった音なんでね、上手いしさ、割と手に入れやすいしいいよね。…って随分久々に聴いたんだが(笑)。

Lucifer's Friend
Lucifer's Friend
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Lucifer's Friend
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Armaggedon - Armaggedon

Armaggedon - Armaggedon (1970)


 探し方が下手なのか、ありふれた名詞だからなのかArmaggedonって入れてもなかなかお望みのバンドの日本語版のサイトに辿り着けない…。出てくるのはエアロスミスのとか映画とか良くてもキース・レルフのArmageddonばかりだ。そりゃそうなんだけど、こういう時って結構困るよな。一応単語で「1970」とか「ドイツ」とか入れてみるけど出てこない。うん、結論は簡単で、存在してないってことだ(笑)。こんだけネットが普及して著名な方々も含めて素人までもがロックのアルバムを語っていたりするのに出てこないってのはなかなかないし、珍しいとも言えるんじゃないか、と。まぁ、そうなると自分の耳と拙い英語力だけが勝負なのだが、まぁ、元来そういう音楽の聴き方してたりデータ的なもの以外はさほど困らない、かな。

 1970年にリリースされた多分唯一無二のアルバム…だと思う「Armaggedon」。そういえば昔、キース・レルフのArmageddonを探している時にこのジャケットを見たことがあったな…、その時は同名バンドか…、ドイツ?じゃ、違うわ…ってな感じでスルーしてた気がした。もちろんドイツかどうかまでその場で判断したかどうかは覚えてないけど、何かジャケットは見た記憶がある。ってか、多分その跡も見てると思うが、買わなかったなぁ。そんなアルバムだったけどン十年してからこうして耳にしたヘヴィなハードロックサウンドは驚くほどに自分にぴったりの心地良いサウンドで勿体無かった〜って気もするな(笑)。

 まぁ、常連さんなら自分の好みもそうか、ってくらいに分かっていただけるんだろうけど、いつものB級感漂うひたすら熱い音のぶつけあいが楽しいハードで粘っこいロックで、かなり英国B級寄りなので、多分その境目はわからないんじゃないかな。英国のバンドで1970年産って言ったら疑うトコロないもんな。せいぜいブルース色がまるで無いってことくらい。ただ、粘っこいししつこいし全然すっきりしてないギターが面白いね。アチコチの海外サイト見てるとジミヘンばりのギターが聴けるヘヴィロックみたいに書かれているのもなるほど、と。音も確かにジミヘンに似たサウンドだし、言いたいことはわかる。ただ、もちっと日本のこの頃のハードロックとも被る音なので、やっぱ本物の英国産とは異なるかなぁ…、でも情報知らずに聴いたらそんなのわかんないね、これ。

 ジェフ・ベックで有名な「Rice Pudding」のカバーが知られている…と言うかとっつきやすいのかもしれないけど、自分は最初から最後まで思い切り熱い演奏スタイルが気に入ってますね。ダサいっていうほどダサくないけど、抜け切らない部分はあるし、スタンダードな想像する70年頃のハードロック…よりもちょっとだけ洗練されたかな、っていうトコロ。いつまで経ってもこういう音が好きなんだよねぇ…、結構繊細な音を出したりもしてるしさ。




Birth Control - Birth Control Live

Birth Control - Birth Control Live (1974)
Birth Control Live

 深みのあるロックを聴くには良い季節になってきて、益々とジャーマンハードロックに突き進んでいく日々となってきたのだが…、何か日本語ヘンだな…、ま、いいか。秋に入ると自分が好きな季節だからか、とにかくハマりやすくなる傾向が強い。色々なことに対して。まぁ、読書の秋とか食欲の秋とか言うくらいだから何をするにも調度良い季節ってことだろうが、自分もしっかりとその傾向にあるというワケだ。そこでジャーマンハードロックで良いのか?ってのはあるのだが(笑)、昔英国B級をひたすら聴き漁って買いまくっていた至福の日々を思い出すくらいに聴き漁っているワケですよ。まだまだ通り一遍だから全然浅いんだけど、多分何かと聴くことが増えるだろうし、そんなことから血肉になっていってアレコレと感じるようになるんじゃないかな、と。英国ロックの時もそうだったけどワケ分からずに聴いててハマってって、いつしか整理・昇華できてたしね。きっとドイツはもうちょっと早く消化できるだろう…。

 いきなりのライブ盤はどうかとも思ったが、集大成的な意味合いもあってか評判良さ気だったのでとりあえずこっから…。Birth Controlの1974年のライブ・アルバム「Birth Control Live」。この後からはプログレ志向になっていったようで、この「Birth Control Live」まではハードロックテイストの何でもあり風味だったらしいです。んで、聴いてると…、良い感じのB級色強いハードロックですよ…ってかB級ってんでもないな。ブラック・サバスがパープルとヒープに出会ってUFOクラブでライブやるか、みたいな感じか(笑)。オルガンハードとギターが中心で…ってドイツってオルガン強いなぁ…、んでもってドラムが良いのが多いなぁ…これは英国でもだから多分時代的にこういうドラムこそがロック、みたいなのあったのかもしれない。オルガン多いのはギターが弱かったからだろうか?サイケ的ハード的重さを出すにはオルガンの方が良かったとか、レスポールが入手しにくかったとか、そんな理由じゃないよね??それ言ったらハモンドとかレスリーだって、ねぇ…。

 話題が逸れたが、このライブ盤、なんと全5曲のみ。一体何考えてんだ(笑)。最後は「Long Tall Sally」だよ…って、それが11分って…。まぁ、冒頭からして16分半もあってさ、バンドの真骨頂出まくりですよ、もう。ダサい歌とギターリフトソロからオルガンに渡されてアンサンブル取ってドラムロールしまくって盛り上がりグイグイ行きっぱなしっつう、如何にもな形態で面白い。こういう熱いライブは好きだ(笑)。んで、超B級バンドでしかあり得ない、いやBadgieに鍵盤入れたらこんな感じ?みたいな疾走感と憂いのあるハードロックが実にカッチョ良い「Back From Hell」(!?)ってなタイトルですよ。自分的には大好きなグルーブですねぇ、こういうの。疾走感とユラユラ感が交互に出てきて…歌も2人で掛けあって、そこにハモンドっ!かっちょえぇ〜!こういう音やりたい〜!

 いかん、冷静に(笑)。んで、某メタルバンドのバンド名にもなった「Gamma Ray」…、なかなか良いセンスのネーミングするね。そのバンドの音は聴いたことないけど、テーマソングとしてこういう曲を選ぶんならセンス良いハズ…いや、多分本家よりもセンス良いのは間違いないだろうが(笑)。いやね、もうね、書きたいこといっぱいありすぎてさ、一曲ずつ1記事に出来るくらいの曲の長さがあるし音のメリハリや作り方があってやっぱり昔から言うんだけど、収録時間が長い曲はきっと何かあるんだよ、この時代のレコードって。パクリとかオリジナリティとかエッセンスとか意外な展開とか…。そんなのばかりで期待を全く裏切らない素晴らしきハードロックバンド、Birth Control。いいねぇ〜♪ジャケットもドイツ産で初めていいな〜って思った…ってかわかるセンスが出てきた(笑)。とてもライブ盤とは思えないズレが見事だ(笑)。




アルバム丸ごと聴いてください!!

Kin Ping Meh - No.2

Kin Ping Meh - No.2 (1972)
Kin Ping Meh (Reis)

 最近の中国なんぞを見ているとなんで4000年の歴史を持つ国が?みたいに思ってしまうのだが、そこはそこで歴史が物語っているのだからしょうがないって話らしい。しかし中国と言えば三国志や水滸伝などなどが有名で、そのレベルのひとつに金瓶梅なるエロ本があるらしい。ま、源氏物語もエロ本だからそういうモンなんだろう、と全くそういうものに疎い筆者は漠然としか解釈していないという…それすらも人の譲り受け、受け売りなだけですから大したことは言えない。ネット時代の今こそそういう恥さらしなことをしないためにも知識をこっそりと貪欲に吸収すべきなのだが、やはりなかなか手が出ない世界なんだなぁ。今の情勢だとより一層手を出さない可能性の方が高い、もしくは徹底して思考回路を探るために読み耽るってこともあるかもしれないが、ま、いいや(笑)。

 1971年にドイツからデビューしたKin Ping Mehというバンドがありまして、その名前の由来がそのエロ本からってことで、もちろんロックの世界だからそういう流用なんてのはまぁ、キラーメイみたいなものか(全然違う)という解釈で単なるバンド名でしかないのだが、ココのところドイツのHRバンドを漁っているとよく出てきたんですよ、Kin Ping Mehって。んで、どんなのかな〜と思って聴いてみた次第です。

 んで、今回はセカンド・アルバム「No.2」で、冒頭からしてエラく軽快でほんわかした雰囲気だな〜なんて思って、歌が入ってきてもそのまま…、ドラムが入って一気にハードロックか?と思えば何とはないインパクトのあるハードロックってんでもない。妙に乾いた…軽い、っつうか、乾燥した音が出てくるワケです。ドイツってやっぱこういう音ないよね?みたいな。英国風と言えば英国風だけど、もっとアメリカ的と言うかこんなに湿ってなくて軽いのって一体?その分クセが強くなくて普通に世界的に聴けるバンドの音ではあったりするからB級じゃないんだろう、こういうのは。「Come Together」のカバーだった、ロックミュージシャンがカバーすればこうなるだろ、って感じのブルースタッチに仕上げているし、しかもアルバム「No.2」の中でも浮いた感じがしないのは見事な馴染み具合。バンド名をもうちっと受けの良いのにしたら良かったんじゃないの?と思うくらいに洗練された音を出しているバンドで、このドイツハードロックバンドの一連で出すのは悪いなぁ…って思うくらいのレベルです。

 そうだなぁ、欠点って言えばさらりと聴けてしまうってのと、それなら英国の本物聴いちゃうしなぁみたいなトコロあって、曲によっては面白い!のもあるけど全体的にはB級臭さがないのもこれまた物足りない(笑)。そんだけセンスがあったってことで70年代後期くらいまで活動していたらしいし、アルバムもたくさん出ているみたい。ただ、聴いていくとどんどんとヘヴィーな側面が出てきてやっぱりだんだんハマっていった(笑)。大曲「Liveable ways」とか良いですねぇ〜、こういうどっちらけな曲。まだ「No.2」しか聴いてないからわからないけど、アメリカ寄りに進んだのかな?ま、それにしても面白いことやってったんだろうな。






Jane - Together

Jane - Together (1972)
Together

 ダセェ…、ホントにダセェ…、というセリフしか思い付かない、今聴いているJaneというバンドのファーストアルバム「Together」。アルバムの冒頭からこの叙情性で有りがちなフレーズのオンパレードによる超・超ロマンチストによる涙涙の叙情ラインが紡ぎだされてくる、それもオルガンとギターの両方で、そして盛り上げまくるドラムやベースというリズム隊、ヴォーカルは、どこかジョー・コッカーだけど線が細くてそこまで行けません、みたいな感じなのだが、とにかくダサい。それが、また時代を物語っていて自分的には恐ろしく好みなサウンドなのが困る。要するに自分が好きなのはダサい、ってことを認めているじゃないか、って話になっちゃうワケで(笑)。

 通常は冒頭に序文を書いてから音の話を進めるんだけど、聴いてたら何かもうあまりにも涙出てきちゃってついついそのまま書き出してしまった次第です、Janeの1972年にリリースの「Together」。その筋では名盤扱いらしいが、確かに名盤だよ、これは。英国B級の流れと大して変わらない系譜を辿ってドイツらしい民族性ってのもそれほどバンドに反映されることもなくそのままストレートに英国ハードロックの洗脳を受けて作りました的な音でさ、まぁ、ややダサさはドイツの方が優れているけど、それはもうブルースからの影響が皆無、もしくは副次的でしかないからロックの本筋がないワケで、その上でやってるからしょうがない。かと言ってクラシックというワケでもないからまだまだ未成熟な時代のハードロックなんだな。そこで気持ちとか勢いとかだけが前に出てきてしまっている音、とでも言うのか、だから暑苦しさは結構なもの。

 このJaneの「Together」は概ねハードなロックと言うものの、かなり叙情性に傾いたバンドなのでスピーディなノリがあることはなく、ゆったりと熱く激しく盛り上げていく、みたいな曲を信条としているようで、どこかムーディ・ブルースだけどあそこまで仰々しくはできない、っつうか、ハードロックにも傾いているからギターがしっかり主張しているし、だからオルガンとギター中心なんだが、パープルみたいにはならない…、これもまた日本のバンド…Flower Travellin' Bandみたいな感じが一番似ているかもしれないなぁ。やっぱドイツと日本ってのはどこか相通じることが多いのは面白い符号だ。





Jeronimo - Jeronimo

Jeronimo - Jeronimo (1971)
Jeronimo

 70年代初頭のドイツのハードロックバンドってのは概ね英国の同時代のロックをモチーフにして出来上がっていった感じなんだけどね、それは後から追って聴いてみるとわかる話で、果たして同時代に照らし合わせてみるとどのヘンのバンドまで影響を受けていたのかな〜とか考えてみたりする。単純に1971年前半のアルバムリリースであれば70年末頃にレコーディングしてただろうからその辺りのバンドの作品をモチーフにしていたということだろうから、とするとLed Zeppelinなら三枚目あたり、Deep Purpleなら、とかサバスなら、とかUriah Heepなら、となるワケだ。ドイツのバンドってどうもUriah Heepの影響が大きい感じもあるんで、ま、確かに後に名盤と呼ばれるアルバムが続々とリリースされた頃ではあるな。ただ、それらだけで一連のB級テイストたっぷりなハードロックが出来上がるのだろうか?多分答えはイエス、なんだろう。同時代の英国のB級バンド達もほぼ似たような音になっているしね。

 さて、1971年にコレしか知られてないってくらいのセカンド・アルバム「Jeronimo」をリリースしたJeronimoというバンド、「G」から始まるのではなく「J」から始まるジェロニモなのだが、ジャケットからしてかっこ良い。コレしかないだろ、ってくらいのジャケット写真(笑)。いや、他のジェロニモ総長の写真とか絵とかってあんまり見ないし、ガスタンクの「Geronimo」もコレだし…、いや、それはともかく、ジェロニモ総長って何した人かよくわかってないんだけど…後でWiki見ておこう。

 で、この「Jeronimo」だが、素晴らしいアルバムだ。ハードロックの名に恥じない徹底した70年代初頭にしか聴かれないB級サウンドの塊。ブラボー!コレだよコレ!みたいな構成とかフレーズとかのオンパレードで、複雑さというのはほとんどなくってギターとベースを中心にどんどんとリフが繋ぎ合わされて楽曲として成立する、みたいな感じで、バンド自体は3人編成なんだけどアルバム的にはギター2本入ってるからまぁ4人編成みたいな感じで聴けるんだが、とにかく強引な曲のつなぎ方が印象的。音はねぇ、実際何のギター使ってるのかは知らないけどSGあたりの音で歪みすぎず心地良い肌触り。ベースはしっかりと太く重い音で割とランニングベースなのでこれもまたよろしい。ドラムだけは割とかっちりとしたビートを叩き出す感じで手数が多いあの感じじゃないかな。そこに本当に上手いボーカリストがいればかなり面白かったんだろうけど、トリオで歌っている兼任業ってのもあるのかさほどインパクトのあるボーカルではないのがこのバンドの世界進出を妨げたのかもしれない(笑)。いや、しかしどの曲聴いても無茶苦茶かっこ良い。どれもこれもベタノリっつう感じでさ、後のTankみたいな感じのも多いし、この時代で言えば其れはサバスとヒープの合体なんだろうな、とかそんなのが多くて華麗なるハードロックなんてのはない(笑)。ギターソロにもブルースベースなんてのはないから、ホントに金属的な無機質な…と言うのか何をモチーフにこういうソロって出来上がるのか分からないけど、何の影響も受けていない曲いなわせたソロだったりして興味深い。ルーツなしハードロックってのはこうなるのか、みたいなね。

 ドイツのハードロックって面白いな。今のところ70年代にしか興味は行かないけど、こんなに英国B級と共通項が多いなんて思わなかった。そこからドイツらしい進化ってのもあるだろうし、ちょっとまた新たな世界が広がってきてます。ロックはホントに深い…。




全曲一気に聴いてください♪

Eloy - Inside

Eloy - Inside (1973)
Inside

 1970年初頭のドイツってこんなに面白かったのか!とようやくにして気づいたここ最近、そういえば昔ブログ仲間でドイツ系大好きって人とかいたもんなぁ…、こういうの聴いてたんだろうな。その時はCanとかTangerine Dreamとかノイバウテンとかばかり聴いてるんかな…とか思ってたけど(笑)。ドイツから世界に出てくるバンドって何故か前衛的なのが多くてストレートなのが全然なかったからさ、不思議な国だなぁとか思ってたわけさ。ろやまぁ、普通にロックもポップスもあっておかしくないんだから、そっちが世界に出てこないだけなんだ、ってことには気が回らなかったという次第(笑)。いや、ポップスはあったか…。

 そんな前置きはともかく、本日はこれもまた多分ある意味長寿なバンドだったEloyというバンド。エロイ。エロイ…、いいな(笑)。1973年セカンド・アルバム「Inside」ですな。そもそもアルバム全曲で4曲、しかもA面は18分弱の大作で占めているという如何にも70年代なアルバムの作り方が英国B級を彷彿とさせてくれて期待しちゃう。ま、だが、とりあえずいつもの如くまるでセンスを感じさせないドイツのHRバンドのアルバムジャケット…、今回も外さずに意味不明です。方向性はGongに近いのかもしれないけど、まるで意味不明。この辺はドイツ人のセンスなのだろうか?まぁ、意味を考えなきゃそれで良いんだけど、ホントよくわからん(笑)。

 その「Inside」というアルバムはEloyの二枚目ってことだけどこのバンド、調べてみればメンバー交代がしょっちゅうあったようで、本作もファーストからはメンバーが変わっているってことで、売れるための模索なのか単にプロジェクト的にバンドを捉えているのかはわからんが、まだまだそれを語れるほど聴いてないので、取り敢えず「Inside」を聴いた印象から進めよう。まずもって、最初の「Land of No Body」という18分弱の大作から始まる「Inside」なんだが、これがまた取りとめのない音…っつうか何でも集めて一曲にしちゃったって言う感じで、イアン・アンダーソン的な歌から始まってイアン・ギランの熱唱でクライマックスを迎える、バックの音も其れに準じてオルガンが大活躍、もちろん序盤はギターもだが、そこにものすごく主張するベースがグイグイとラインを突っ込んできて引っ張る引っ張る。なかなか、どこを斬っても英国風なアレンジや音の断片の模倣でしかないっちゃぁ、模倣でしかない、んだろうけど、そこにドイツというフレーヴァーがかかっているためか何か許せてしまう部分ある(笑)。こういう手法って、日本のHRと同じかもなぁ…とか思ったり。それでいて様式美的な旋律とかは元々持っているワケだから日本よりももっとこなれた音になってくるのがユーロ圏の特性だったり。

 バンドとしてのテクニックもさほどではないし、もちろん歌にしてもそれは同様なんだが、アルバム・タイトル曲「Inside」では自分の大好きな疾走感溢れるギターバンドに徹していて、エラく好みです♪ オルガンが主張しすぎるんだけど、そこはDeep Purple的と言うよりも英国のB級バンド的な絡みなので割と好みでさ、静と動の対比も面白いし、アルバム・タイトル曲なだけあって「Inside」はかなり面白い曲。妙〜に土着的なサイケを醸し出してくれる「Future City」なんてのも面白い試みだし、基本的なバンドの方向性ってのは多分あまりなかったんだろう、と思う。英国のこの頃のバンドと同じで何やってもいいんだけど何がやりたいのか、ってのは色々音を出してみないとわからない、っていう感じなんじゃないかな。それでいて何年もアルバムを出し続けたのは大したものだ。だから音楽性はどんどんと変わっていく部分あるんだろうな、ってことは想像に難くない。



Epitaph - Epitaph

Epitaph - Epitaph (1971)
Epitaph

 ヤヴァイなぁ…、ドイツのHRって面白いわ。あ、もちろんまだ1970年代のお話なんで、80年代以降のメタル系ではないですので悪しからず…、そのヘンはもしかしたらまた進むことがあるかもしれないけど、まだわからんので(笑)。ココのトコロドイツのHR的なのをネットでアチコチ探してたりするんだけど、日本語だとあんまり見つからないのな。古くからのブログ仲間であるCottonwoodhillさんトコが割と引っ掛かって出てくるので、さすがの知識の深さに感謝しながら目を皿のようにしてじっくりと読ませてもらうことが多いです。さてさて、先日はFrumpyで大喜びしてハマりまくってまして、週末を迎えた本日はそれほどまでにハマれるのあるのかどうかわからんけど、それなりに知名度のあるものなら良いのか?という期待を抱きながらチャレンジです。

 1971年にリリースされたEpitaphと言うバンドのファーストアルバム「Epitaph」。聞けばこのEpitaphというバンドも1983年頃まで活動していたとかで、しっかりその後のHRの軌跡にも入ってくるらしいが、その最初のアルバムがこの「Epitaph」ってことです。まぁ、ロックファンなら誰しもがEpitaphと言えばKing Crimsonの墓碑銘を思い出す事だろうから、当然その影響下にあるバンドだろう、みたいに思えてしまうのが多い。ただ、Epitaphと言うバンド名っていくつかあるんだけどどれもプログレってことはなかったりするのが面白い。このドイツのEpitaphにしても「Visions」って曲だけはメロトロンバリバリの泣きまくりサウンドだけど他はそうでもない。メンバー構成が基本ドイツ人だけど英国人も入っているからか、かなり英国的なサウンドな気がしているし、どこか牧歌的。そして時代の象徴とも言えるくらいのダサいリフとかギターのフレーズが堪らなく面白い。もちろん上手いワケでもなくロック魂溢れるスタイルってところも自分的には大好きなスタイルで、聴いてるとさ、こんくらいなら自分でもギター弾けるし〜とか思っちゃうんだよね、その身近感覚が好む理由なんだろう…。

 そもそもドイツのバンドのアルバムジャケットって結構意味わからんのが多くて、このEpitaphも何が訴えたいのかがまるで理解できないアルバム・ジャケット。察するに壊れた古き牢獄の窓から見た光景なのだが、コイツ…、何だ?墓碑銘らしく「Epitaph」と刻まれてはいるものの見えている景色がわからん…、棺を入れる穴が掘られているところに座っているってのはわかるのだが、ま、そう考えればこれが墓碑銘というニュアンスを主張しているのかもしれん…ってことにしておこう。こういうのってもっと自分のボキャブラリーがあるとカッコ良く書けるんだろうけどなぁ、残念。

 しかしこの「Epitaph」と言うアルバム、CDで一見見ていると普通に10曲入りか〜と思ってたんだけど、その実オリジナルアルバムリリース時には5曲しか入っていないアルバムで、A面3曲、B面2曲という大作志向だったので一曲づつがとても長い…、いや、長く感じるのはそこまでの着替えるアレンジじゃないからっていう点もあるんだが、そういう意味では一応プログレッシブロックのセンスも持ちあわせてはいる、はず。ただ、そこまで器量はあまり聴かれることがないな〜っていう感想。これだけ各曲カラフルなテイストを持ち合わせた曲が出せるならもっとコンパクトにまとめた方が良かったんじゃないかとも思うが、その辺の混沌さが70年代初頭のドイツらしいのかもしれない。英国だってそうだったワケだから、同時進行だったんだろうしね。んで、ま、それが嫌いかと言えばまるでそんなことなく、牧歌的な中にジャジーな展開があったり強引な展開もあったりするし、なんと言っても楽器の…ギターの音が凄く生々しくアンプから鳴ってる音って感じで好きなんだよね。作り込まれてないっつうか…そのヘンのスタジオで誰でも出せるだろ、みたいな(笑)。

 ボーナストラックのシングルは正に70年代初頭の英国ハードロックを踏襲するかのような楽曲ばかりでドイツへの影響の大きさを物語っているようでなかなか頼もしい。まだまだ研究不足だけど根本的に好きな部類の音だからこれからもガシガシ聴いていくんだろうなぁ…と新たな領域に期待しているのだった♪








Frumpy - Frumpy 2

Frumpy - Frumpy 2 (1971)
Frumpy 2

 ユラリユラリと音の洪水の中に身を任せて聴き漁る至福の時間。聴いてる音の差はそれぞれあれど、これぞ音楽の醍醐味と幸福、自分の場合はそれがロックなことが多いんだが、年と共にそこまでゆったりとロックを聴いていられる時間も減ってきて、そんな感動もなかなか機会が減ってしまっているのも事実。いや、聴いている時間は割とある方なんだけど、そこまで没頭してハマり切れる音に出会うことがもちろん減っていて、そりゃまぁ、ある程度のアルバムってのは既に聴いたことがあったりして、もちろん浸れるんだけど、わかってて浸るワケよ。ところが何となく聴いてみて浸ってしまうってのとはちょっと違っててさ、それをね、感じる時ってかなり幸せ(笑)。何でまたそんな訳の解らんこと書いてる?ってのはさ、ここのトコロ、某浅井和康氏(特撮の世界では有名な方ですね)からご紹介頂いたドイツ産のハードロックバンドにひたすらハマってて、そりゃ元々好きな音なんだけど、それでもさユラリユラリと没頭するくらいにハマるってのは多くはないんですよ。英国ものでもね。それが、まぁ、バンド名は知ってたもののちゃんと聴けてなかった自分もいるけど、今回改めて聴けたこの「Frumpy 2」っつうアルバムで実に心地良くハマってしまったんです。

 1971年にリリースされたバンドとしては二枚目の作品になる「Frumpy 2」でして、基本ドイツ人のバンド+フランス人のオルガニストが加わっているバンド形態、そして驚くことにボーカルは驚異的な女性の歌声ってことで、一瞬「は?」と思う。冒頭の「Good Winds」聴いてても女性とは思わないから。普通に男性のハイトーンに近い歌声だと思って聴こえるからね、それが後にゴスペル歌手にもなるインガ・ランフの歌声です。まぁ、それも驚きの一つなんだが、「Frumpy 2」に収録の楽曲は全部で4曲、アナログだとA面2曲、B面2曲、それぞれ10分単位のサイズで如何にも70年代風なアルバム構成がまずよろしい。そして冒頭の「Good Winds」からして正にハードロックの構築美が貫かれていて、曲が長いと言ってもそれはプログレ的に長いのではなく、ハードロック的に長いだけなのだ。動から静、そしてまた動へもどり完結、これが心地良い。そしてなんと言っても二曲目の「How The Gypsy Was Born」の完成度に驚く。序文に書いたユラリユラリといつしか心奪われてその世界に身を任せてしまっていたのがこの曲だ。どこがどう、って言うのかわかんないけど、何か完全にその世界の中に入ってた。あんまり分析もしたくないけど、まずはギターの音の好みとドラムの手数の多さ、そしてドライブするベースにじゃまにならない程度の歌声、オルガンもガンガン鳴ってるけど、そのどれもがバランス良くそれぞれ前に出る時に出てきて、淡々とロックのビートで展開されていく…それで9分間続くのだが、その間が絶妙で、滞ることなく流れていく世界…、実に素晴らしい世界観ん。敢えて事例を出すならばそれは英国のロックではなく日本のカルメン・マキ&オズのファースト「カルメン・マキ&OZ」収録の「私は風」のようなものだろうか。日本の感性がドイツと似ているというのは様々な点から感じることが多いけど、正にこの曲…いや、このバンドの持つスタイルは日本人的感性に訴えかけやすいんじゃない?ん〜、自分だけかもしれんけど(笑)。最後の「Duty」なんかのワウペダルでのギターフレーズとかもう泣きのフレーズ満載だし、疾走感やオルガンハードも含めて恐らく多くの70年代ロックリスナーが好む展開に違いない。自分はDeep Purpleにさほど執着してはいないけど、正しくここで聴けるのはDeep Purpleが成し遂げていった世界、勘違いしちゃいけないのはこの後にDeep Purpleが同じ世界を完成させていったってことで、「Frumpy 2」の方が先です、多分。ま、いいけど(笑)。

 「Frumpy 2」は締めて40分間のアルバムながらもなんと実の濃い音世界を聴かせてくれることだろう、王道のロックとは異なるB級ならではの、とまでは言わないけど、今となってはB級に甘んじるバンドがもたらしてくれるこの感動は多分ごく一部のマニアにしか受け入れられないとは思うけど、自分基準で書いているこのブログではもう大絶賛なのです。これを理解してくれる人は多分ウチのブログの本質ってのを気づいてくれる人なんだろうな、とか思うし、自分が好きなのはもちろんZeppelinとかあるけど、そういうのから外れるものとしてはこの「Frumpy 2」の世界なんですね。

 あ、わかった…、自分でバンドやってて出してる音ってここまではもちろん出来ないけど、ほとんど同じ世界なんですよねぇ…、だから自分のバンド聴いてるのと同じに聴こえる部分多くて(笑)。もちろん音源なんぞないですから勝手な言い分ですが…、しかし自分のバンドって1971年の焼き直ししてるだけなのか…(笑)。









Murphy Blend - First Loss

Murphy Blend - First Loss (1971)
First Loss

 やっぱ70年代ってのは面白い。混沌とした音の世界がロックとか何とかってのを分け隔てること無く全てがごちゃ〜っと一緒くたにされてサウンドとして出てくる、良く言えば楽器を使った音楽なんだからその可能性を色々と試してみようじゃないかっていう意気込みなんだろうね。だからプログレもハードロックもクラシックもジャズもポップスも身近にある音楽と呼ばれるものを同じハコにぶち込んでブレンドして自分たちで出来る範囲として吐き出してくる、そんな感じ。そこで出てくる形態ってのは自分の好みというフィルターを通ってくるのでそれぞれが個性的なバンドになるのだが、どうしても最後の吐き出し口で好きなバンドのように、ってのが入っちゃうから最終的に似たバンドとして括られるのがその出口での話。それをちょいと自分流にすると個性豊かなバンドになるのだが、まぁ、皆若い内に出てくるからそんなこと考えないで好きな音を自信を持って自分の音として出すからしょうがない、結果何かみたいと言われるのだった。

 さて、1971年のドイツ産のMurphy Blendってなバンドの最初の作品「First Loss」だ。これも先日書いたエラく詳しい方からのご紹介の一品だ。自分の好みを知った方からの紹介なので疑うこともなく入手して聴けるのが良いね。まぁ、これはDLだけどさ(笑)。あんまりDLでも最近はこだわらなくなってきたので聴けるだけありがたいか、って思うことにしてる。実物見つけたらまた買っちゃうのかもしれないけど(笑)。まぁレコードを入手するほどかってのは最近はなかなかないけど、こうして聞けるのでハマるのはやっぱ欲しくなるよね。

 話を戻そう…。このMurphy Blend、初っ端から出てくる音はオルガンハードロック。マイナー的に言えばアードバーグみたいな感じだけどあそこまでヘヴィじゃないか…、にしても英国オルガンハードの延長を引き摺ったアルバムって感じかねぇ。ちょいと歌が単調になってて、そこに歌があるだけっていう感じにしか扱われていないのが時代を感じさせるんだけど、自分もバンドやってる時って歌も楽器として認識してたからなぁ(笑)。そしてこのMurphy Blendもドラマーが秀逸…ってか好みなドラムです。ギターなんて全然出てこないから目立たないし、オルガン一筋なバンドだからそういうロックなんだが、オルガンって単調な音に聴こえることが多いので飽きるんだよねぇ、そればかりだと。鍵盤なんだからもっと使い分ければ良いのにハモンドオルガンにこだわっちゃうとちょいと飽きる。1971年じゃしょうがないけど…。でもムーグなりメロトロンなりピアノなり色々あったろうに…、ハードロックの世界だからかDeep Purpleに憧れてか、オルガン一筋なバンドです。その代わり好きな人は好きだろうな、とは思う。

 曲調はプログレ度は結構低くてあくまでもハードロック。もちろんむさ苦しい感じは当たり前で、華麗なるハードロックではない(笑)。そこがこの時期のドイツの面白さ…ドイツに限らないけど、英国の場合はこういうバンドもあって王道ってのもあるから良いんだけど、ドイツはこの頃王道ってのがなくて全部がこんな感じだったんだからある意味救いようがない(笑)。それも含めて今のドイツのロックがあるんだから良いじゃないか。自分は今更ながらだがこの手の音は大好きだからひたすら聴いてますよ。ただ、オルガン…出し過ぎっ!






Gift - Gift

Gift - Gift (1972)
Gift - Front

 ちょいと前に、とある著名な方から70年代のドイツ産ハードロックバンドについて幾つかご教示してもらい、なるほど…と思いながらネットで探していたりして、結構入手が難しいのも多かったので時間がかかったんだけど、なんとか幾つかは入手することも出来て、ほぉ…と不慣れなドイツ産のハードロックバンド、あくまでもハードロックバンドっつう枠組みですが、ようやくにして聴けました。なかなか知識を広げるのが大変なエリアっつうかさ、何でも良いってもんじゃないし、自分の好みからしてどうなんだろ?っていう冒険を紹介してもらうことで回避しているという言い方もあるのだが…いやいや、感謝です。

 で、いきなり全く手に入らなかったドイツの1972年のバンド、Giftです。もうね、バンド名がGiftってさ、ネットで探せないワケよ、一般的過ぎて(笑)。普通に検索したらとんでもないし、1972年とか色々と関連用語入れてみるものの日本語ではほぼ引っ掛からないので、多分日本ではほとんど語られることのないバンドなのだろう、と思う。どんだけ知られているのか、果たしてその位置付けはどんなもんか、みたいなことが全然わからないのだが、まぁ、そんなことはおいおい知ることとなるとしてこの最初のアルバム「Gift」です。ジャケットからしてかなりヤバそうな感じはしているんだが、音を聴いてみると、驚くほどピュアなハードロックと牧歌的な小曲が入った作品でして、これはもう強烈なハードロックの色合いとフルートの調べが同居しているという不思議、もちろんジェスロ・タルのような使い方じゃなくてほのぼのとしたフルートの使い方なので、面白い。そして歌とか音はゴツゴツのドイツ産なワケでして、何とも掴みどころのないサウンドなのですな。ただ、言えるのはものすごくアイディアをたくさん出しながら実験しながらロックに大してピュアに取り組んでいるってことだ。だから演奏自体は素晴らしく熱いし、空気感が詰め込まれていて全く自分の好みだ。

 冒頭の「Drugs」からしていきなりハートを鷲掴みにしてくれるハードロック、「Croupie」のフルートの調べ、そして「Time Machine」のウルトラB級感丸出しのハードロックテイスト、素晴らしい!流れとか展開とか関係なしにどんどんとフレーズを繋げていて曲として成り立たせているというゴツゴツな音で、しかもこのギターの音でしょ?いいねぇ〜、実に良いっすよ、この粘着系なギターの音。B面に入るといきなりおどろおどろしい効果音からチープなサウンドで入って来るリフが堪らなく良い。このヘンは英国に影響受けているんだろうなぁとは思うけど、ここまでダサく出来るのはなかなかない(笑)。でもさ、このドラマー、かなり良い感じだよね。一番好きな感じのロックテイストをたっぷりと持ち合わせたバンドで、こんなの今になって知ることができてよかった〜って思えるくらいのバンドです。感謝感謝♪

アルバム全曲聴けるYouTubeなんて、どうぞ♪

Anneke Van Giersbergen - Everything Is Changing

Anneke Van Giersbergen - Everything Is Changing (2012)
Everything Is Changing

 ちょいと息抜き…、アネク繋がりで元The Gatheringのアネク姐さんが春にリリースした新作「Everything Is Changing 」をリクエストされていたのでちょいと聴いてみたりして、最初はYouTubeで曲をちょこちょこ聴いていたんだけど、どうにもポップスだな〜と気乗りしなかったんだけど、アルバムDLして聴いてみると意外や意外、しっかりとアネク嬢の世界観が広がっていて驚いた、っつうか安心した。まぁ、そもそもThe Gatheringに思い入れがそんなにないので、どうのこうのってのはないんだけど、バンドを離れてからの歌ってのもちょいとピンと来て無くて、自分的にはボーカルとしての資質が云々って言われる所以よりもゴシックっつう音の世界が好きであって、バンドにその歌がハマっていれば悶絶だろうし、それがソロになってポップス歌ったらどうなの?と言われるとまぁ、そんなに興味はないのだな。だから彼女個人のファンではなくってあくまでもバンドの中で輝く彼女の声が好きだったりする。よって音楽性が変わったりするとその声をきちんと認識して無差別に良い、とか言えなくなるんだよね。まぁ、ソロってのは皆そういう面があるから成功しにくいんだろうけど。かと言ってミュージシャン側からしたらやっぱりバンド時代とは違うことをしたいって思うだろうから、なかなか難しい狭間になるわけだが。

 さて、アネク姐さん=Anneke Van Giersbergenの2012年の新作「Everything Is Changing 」。ジャケットからして結構張り切っちゃってて何か吹っ切れたのかな、38歳にしてルックスで売ろうってか?美魔女ブームは日本のみならず?でも結構良い年の取り方している感じで、若い頃よりも姐さん気質が出てきてて良いよね。刺青も人生の象徴って感じだし。吹っ切れた感もあるような…っても出てきてから既に20年近く経過するんだからそんなもんか。

 音の方は、なんと言うのかな…、最先端ポップスとロックの間っつう感じだけど、歌声がきちんと前に出されていてメロディは多分The Gatheringの頃からさほど変わっていないんでアレンジ次第で全然変えられるメロディ・ラインなのかな、と思う。だから陰りのあるラインってのが基本で、決して明るいポップスじゃないんだが、アレンジが聴きやすいポップス風なのでそんな風に聴こえてしまうのがポイント。好き嫌いっつうか、多分何回か聴いていれば好きになれるハズ。ただしこういうポップス風味の音が邪魔に感じるとそこまで聴けないってだけか。歌声とメロディ中心に聴けば相変わらずのアネク姐さんのメロディと変わらない透き通る歌声が心地良いのは事実。その辺が難しいなぁ…。売るためにきちんと路線を作ってやってる、って感じで、売る側もしっかりわかってて、アネク姐さんの個性をしっかり出している。だから肩書きなけりゃもっと気楽に売れたんだろうけどね。ま、いいや。

 ちょっとね、気になったんで数回立て続けに聴いてたんです。そしたらやっぱり自分はこのメロディ・ライン好きだな、と。アレンジはどうにも好みじゃないけど、歌声とメロディ・ラインは良いっす。ルックスも◯なので肝心の音楽以外は大変好ましい(笑)。「Circles」みたいなピアノとストリングスのバラードなんか昔のままの感じだからなぁ…、あとは曲によっては昔みたいな歪んだギター中心のがあったりするから聴き心地良いのもあるかな。「Stay」とかちょっと期待しちゃう音な感じもあるしね…変拍子だし。フフ…。






Anekdoten - Nucleus

Anekdoten - Nucleus (1995)
Nucleus

 スウェーデンっていつの間にそんなにプログレ大国になってたんだ?って思うくらい秀逸なプログレバンドが多数出てきている。まぁ、イングヴェイなんていう稀代のギタリストなんてのがいるんだから別に音楽的にはおかしくないし、クラシック風味の土壌が強いのも何となく文化的に分かるので、チャラいポップス系よりも音楽的に高尚なモノの方が好まれるっつうか、レベルが低俗じゃないってのはあるんだろう、と勝手に思ってて、果たしてスウェーデンってどんな国なんだろ?とか考えちゃいますな。その昔スウェーデン人といろいろとやり取りしたこととかあったけど、そんなに文化的なものは感じなかったし…、どうだったんだろうなぁ、アイツ、元気かな。フレデリックっつうヤツでZepマニアだったんだよね。ところがいつしか癌になったとかでコレクション全部放出するから協力してくれってことで、協力したんだけどその後治療に入って今でも生き続けてるかどうか知らない…、訊けないしねぇ。ってな思い出もあってスウェーデンって好きですね。

 1995年にリリースされたAnekdotenのセカンド・アルバム「Nucleus」は、当時から聴いていて、もうね、クリムゾンの再来とばかりに評判が高かったファースト「暗鬱」からしてぶったまげてたから期待のセカンドだったのさ。んで、アルバム「Nucleus」の冒頭からしてやっぱりキター!って感じにぶちかましてくれたからもうそれだけで良し。アルバム全体が云々とか気にしてなくてインパクトだけで勝ち(笑)。こんだけ硬質でロックでヘヴィでダークでグイグイ引っ張るグルーブとか歪んだベース、優しい歌、どこを斬っても嫌うべき所がなくてかなり聴いたアルバム。変拍子とかもいやらしくなくて、ココでいくぜ、みたいに入ってくるからよろしくて、完全に70年代好きなリスナーは求めていた音だと思う。以降似たような音プログレバンドも凄いんだけど、綺麗過ぎるんだよな、音が。攻撃的なのが好きなのは好みだろうけど、音が綺麗過ぎてロックの本質とはかけ離れているってのがやや取っ付きにくいのが本音だ。そういうのも含めでAnekdotenはツボを得ている。21世紀になってからの作品はシンプルになった、とか色々と票が分かれるみたいだけど基本的に好きな音なので安心してる。ちょっと離れてたけどね。

 アルバムジャケットのユニークさっつうかインパクトも日本では受けるだろうし、紫のトーンもファーストから統一感あって好感度アップだし、それでいて多岐に渡る楽曲展開、まぁ否定論で書けばクリムゾンのパクリだろうってことだけど、パクれないでしょ、こういう要素だけってのは。それが見事でさ、クリムゾンとの比較じゃなくてAnekdotenというバンドのスタイルとしてかなり高尚な世界観まで持ち上げているし、真っ暗闇で聴いてて心地良いっていうダークな世界がよろしい。ん?暗いのか、自分?と思うけど(笑)。メロトロンも出し過ぎず、ここぞって時に流しまくるという感じで叙情的な雰囲気と盛り上げ方は天下一品。凄いよ〜、ホント。「Book of Hours」からの流れでの畳み掛けなんて耳が離せないもんね。






Trettioåriga Kriget - Trettioåriga Kriget

Trettioåriga Kriget - Trettioåriga Kriget (1974)
30年戦争(紙ジャケット仕様)

 そしてスウェーデンのプログレ?の重鎮というか革命者とも言える1970年代から生き延びている…ってかまぁ、今でも演っている、という方が賢明なのだろうが、「30年戦争」をそのままバンド名にしているとTrettioåriga Krigetいうバンド。ユーロ系のバンドってのは覚えられないし書けないのが難点なのだが(笑)、Trettioåriga Krigetはかなり昔からその筋で有名なバンドのひとつで、ウチは取り上げてなかったなぁ…と、こんな時でもなければ取り上げることないか、ってことでよかった。イタリアやフランスならまだしもスウェーデン産のプログレってのは70年代からいたのか…ってのが正直な所。なかなか辺境の地だったんじゃないだろうか?とか勝手に創造しているんだけど90年代の音を聴いていればそんなスウェーデンのロックの土壌もしっかりと形成されていたんだろうと言うことだ。

 1974年にリリースされたTrettioåriga Krigetの「30年戦争」というそのままのアルバムにして脅威の名盤と言わざるを得ない、正に自分的には好みの音、なんですよねぇ♪専門の鍵盤奏者がいなくてプログレバンドっつうよりもハードロック的スタンスの強いバンドでして、それでもメロトロンはしっかりと鳴らしているんだからそれだけで70年代はプログレと呼ばれる時代なので救われているというか、消え去らずに済んでいるっつうか…、いや、日本での取り上げられ方ってそんなもんだしね。メロトロンが鳴っていればとにかく取り上げられる、みたいな風潮あったし(笑)。しかもそれが全面的、ではなくても、だ。

 Trettioåriga Krigetの「30年戦争」ではもちろんメロトロンなんてごくごく一部に聴ける程度で、基本はゴツゴツの音で奏でる変拍子しかない、っつうくらいの変拍子ハードロックだ。大体、このベースのゴリゴリ音は何なんだ?リッケンバッカーなんだろうか?クリス・スクワイアばりの音でブイブイと前に出てくるんだけど、音自体は軽いというベースでさ、音の中心にで〜んと居座ってる。それを綺羅びやかに飾るのが音色豊かなギターでして、やっぱイエス的な音かなぁ…。音の迫力はイエスの比じゃないとは思うのだが…、いや、やっぱ「Close to the Edge」や「Fragile」あたりの音か。ウェイクマンがいない分ハードロック的ではあるのだが。歌はコレ、スウェーデン語なのだろうから、語感がかなりヘンで、面白い。歌っつうよりもこの手のユーロ・ロックによくある熱唱系の呟き、とでも言うべきか、ボーカルとしての器量を云々というレベルじゃないが、好きです、こういう暑苦しさ(笑)。よってこのTrettioåriga Krigetというバンド、来日公演は「30年戦争」アルバム完全演奏するそうでして、多分見ている人ノックアウトなんじゃないだろうか?まぁ、もう60歳近くの面子が何処までこのパワー出せるかですが…。






Roine Stolt - The Flower King

Roine Stolt - The Flower King (1994)
The Flower King

 先日ひたすらTwitterで賑わっていたのが「ユーロピアンロック・フェスティバル2013」の開催予告で、正直自分ではあまりそれほど良く知らないが、北欧の現役のプログレバンドが大集合しているようだ。まぁ、現代ってももう20年選手とかなんだが…。70年代もありきで、これがまたクラブチッタで二日間しかライブをやらないってことらしくて、賑わっていた。そうかそうか、と思いつつも70年台英国で止まっている自分のプログレ度にはさほど琴線に響くものではないのも事実。ただ、まぁ、しっかりとわかってないけどAnekdotenとかThe Flower Kingsとかはあちこちでカリスマ扱いされているのでそういう存在が並んで来ると言うのは大変な出来事なワケだ。

 ってことで、大して知らないくせに気にしていたってのはあって…ちと引っ張り出して来たのでちょこちょこと…。1994年にリリースされたThe Flower Kingsの「Roine Stolt」…ではなくって逆、Roine Stoltのソロアルバム「The Flower King」。こちらがThe Flower Kingsの最初の作品として語られていることが多くて、まぁ、そりゃそうか、っつう話でしてね、自分的には正直書けば、The Flower Kingsってやっぱりちょっと爽やか感あり過ぎるってのを感じてはいて、それはもう音がロックという低次元な話ではなくてもっと高尚な音楽という次元に入っているからなワケだけど、90年代の以降のプログレバンドってのは概ねそういう傾向にあるからそんなもんか、っつうトコで、そのヘンは昔のプログレバンドとは大きく異る所だよな。

 さて、「The Flower King」という作品、ギター中心ってのは良いんだが、その分フュージョンチックにも聴こえてしまって、いわゆるプログレ〜ってのとはもちろん違う。ただ、作風とか構成とか雰囲気的なものは70年代のプログレ風と言うか、好きなんだろうな〜っていう感じで出てきている。そこに自らのテクニックとギターが全面に出てきてしまっているが故にやや綺麗系なインスト的な音に聴こえてしまうんだろう。まぁ、好きな人も多いので受け入れられるべき音なのだろう。個人的に言えばこういうギターの音は苦手だ…、ホールズワース系っつうか…。しかし、激しさやロック的な側面もかなり持ち合わせていて…その辺は荒削りな、と評されているみたいだけど、自分ではその辺の粗さって好きだな。繊細で出来過ぎた感ある中に洗っ削りなロック感覚が出てきて頼もしい。偏見なしに聴けば、これはちょっと追求したくなる音なのは間違いなくて、クリムゾン的ですらあるしジェントル・ジャイアント的でもあるし、マイク・オールドフィールドの拡大版とも言えるしサンタナにも聴こえる(笑)。

 本作「The Flower King」は1994年作品だからあまりんも古くて今回来日するThe Flower Kingsはここから20年経った姿なワケだからもちろん本作「The Flower King」で聴ける音色とは異なるはずだし、大人になってると思う(笑)。んでも、こういうのを観れたら面白いだろうなぁ…。






Boston - Boston

Boston - Boston (1976)
Boston (Reis)

 気分は全くアメリカンロックな方向性ではないんだが、まぁ、何かの機会でもないと聴かないんでねぇ…。リアルタイムではほぼ全く通っていない部類…ってかその頃から好きじゃなかったんだよな。別のそれは音が、ってんじゃなくて印象と言うかイメージというか…、洗練されすぎててロックらしい不良っぽさっつうか暗さが見当たらなかったからだと思う。だから多分ポップスと同じ部類だという認識だったんだよな。その後ロックにどっぷりと浸かってから聴いたんだけど余計にダメで、結局通ることなくバンド名とかの話題だけで過ぎていった類い。思い入れのある人も多いだけに書きにくいんだけど、ま、正直に、ね(笑)。

 1976年のデビュー作「Boston」にして最高傑作との誉れ高いボストン。まぁ、何十年ぶりに聴いたんだろうなぁ、これ。もちろん記憶にないんだけど、今聴いて思うのはこれで1976年?無茶苦茶洗練されてないか?って驚き。音が綺麗だねぇ…、同じ時代の英国ロックと比べたら全然比べ物にならないくらい透明感溢れる音で、それはもう楽器…ってかエフェクターの違い?英国でこのレベルまで達せたのってRoxy Musicくらいなんじゃないか?とか思ってみたり。いや、どちらもちゃんと聴けてないので定かではないですが…。

 それくらい聴いてなくて、ポップスだと思ってたらハードロックバンドだと言われていて、いや、プログレハードだとも言われていて、そのくせ一般にも認知度が高くてかなり不思議なバンド。多分カテゴライズする必要のないバンドだったんだろう。聴いてて思う。ハードなポップスみたいに気持ちよく洗練されているかと思えばヘヴィに演奏をこなしているという曲もあるし、サラッと流して聴けちゃうのも多いし、一体どんなプロ集団?って。ミュージシャンズ・ミュージシャンなんだろうなぁ。フュージョンもロックもポップスもサラリと取り入れちゃって独自のクリアーサウンドを付け足して出てきてる。同時代のミュージシャンは相当驚いたんじゃないだろうか?さすがアメリカ、やっぱ最先端!みたいな。

 無茶苦茶聴きやすいのな。そりゃ人気あるはずだ…、自分でもコレ聴かなかったんだ?と不思議に思うもん。まぁ、ただ、いつものことだが後に何も残らないという特性がそうさせていたんだろうな、と今でも思うのは変わらない。でも、聴いた時の感触は見事の一言に尽きるね。






Journey - Infinity

Journey - Infinity (1977)
Infinity

 産業ロックかぁ…、苦手な部類だな(笑)。多分ほとんど聴いたことないんだよね。リアルタイムの時からどうもそのヘンの音が好きじゃなくてポップチャートの上位にいる曲くらいしか聴いたことなくて、それも好まなかったからリバイバル的に思い出的に聴くってこともなく、正に一瞬だけラジオなどで流れていた曲でしかない。歌謡曲並の感覚で捉えていたもんだ。ジャーニー、フォリナー、スティクス、Totoなどなど…、80年代前半の話ですな。同じようにAORってのもほぼまったく聴かなかったし、日本でもその類の音楽は思い切りスルーで、まぁ、自分が聞く音楽なんて偏ってるってことだ(笑)。それを今更ブログの流れ的にそんな方向になってったので、ちょっと試してみるかな、と。好みの変化ってのもあるかもしれないし、もっと大人になって聴けるものもあるかもしれないし、ってね。

 1977年にリリースされた「Infinity」。産業ロックと呼ばれる前の、優れたミュージシャンが集まって正に受ける音楽を作るためのバンドでもあったジャーニー、根っ子はギターのニール・ショーンのバンドで、プログレ的展開もありながらのハードロック、と言った体裁で既に3枚のアルバムをリリースしていたが、ここに来てあのスティーブ・ペリーと知り合い、参加したことで今後の方向性も含めてバンドが大きく産業ロックへとシフトした、らしい。だってさ〜、それまでの作品なんて聴いたことないもん。だからどんだけプログレ的でハードロック的で、なんて知らんのです(笑)。サンタナのバンドの派生で、しかもニール・ショーンってことだからそりゃ何でも出来ちゃうんだろうけど、売れなかったらしい。アメリカってそういう所薄情だから過去の努力とか関係なく今がありきなんだよな。ってことでジャーニー好きです、って人でも初期3枚をきちんと聴いてる、って人少なかったりするはずだ。「Escape」や「Frontiers」は売れまくったし好きだって人多いと思うけど、それだけ、って感じだと思う。そこが産業ロックの産業たる所以でね、ただ、それでもメンバーはもう稼ぎまくったからバンドは速攻で崩壊に繋がり、皆好きなこと始めたのも知られた話。

 話を戻して「Infinity」ってアルバム、もちろん自分も今回サラッと初めて聴いた。ヒットシングルなんて知らない頃だし、この頃ロックっつったらピストルズとかでしょ。ま、いいや(笑)。スティーブ・ペリーの歌声ってやっぱ聴いてる人が気持ちよくなれる歌声だよなぁ。ヌケが良くて高音までそのまま出てきて誰が聴いても上手いな〜っていう歌。バックの演奏は完璧だからこういう歌がいたらそりゃ売れる音やって凝りまくりたくなるのも至極当然。何かのきっかけで耳に入れば気になる歌ばかりだからさすがです。自分的好みはまるで無視すればこうやって売れる土壌が確実に出来上がりバンドのスキルも上がっていった結果が「Escape」や「Frontiers」なんだろうと。

 しかしまぁ、よくこんだけ作れるモンだ。ある意味ロック的ポップスの土俵を作って路線を引いたっつう面もあるもんな。Aメロ、Bメロ、サビ、そしてギターソロからサビのエンディングへ、なんて感じで、元プログレ的展開なんて何処へやら…。大人的には素晴らしいな〜と思います。子ども的には…ノーコメント(笑)。










Foreigner - Foreigner

Foreigner - Foreigner (1977)
Foreigner

 アメリカンロックってさぁ…、どこかで間違えると皆産業ロックとかAORとかになっちゃって、形は変わってもBon Joviとか一時期のエアロスミスなんかもそうだけど、外部ライターによる売れるための音とバンドとしての存在になっちゃって、っていうケースが多くて、それは昔は表に出てこないでバンドの音として出されていたことだったんだが、モロにそういう路線を出し始めてきたのいが70年代中盤以降、多分。AOR的なのは自分では大体そういう路線なんなんだろうな〜とか思ってて、それ以降産業ロックとして呼ばれる類いのものは概ねそうなんだと思う。勘違いしちゃいけないのは産業ロックってのが悪いものじゃないってことだ。かなりハイクォリティの音楽、ロックでも何でも、作れるってことがポイントで聴いてみればわかるように心地良いポイントをしっかりと捉えたものだし、演奏力や歌唱力なんてのも下手なものは聴いたことがない。だからプロ中のプロ達が仕事として真剣に音楽に取り組んだ結果の音として出てきて、最後に市場に売るためには、みたいな所までも含めてコントロールしている音楽産業としての仕事のプロの意味なのだ。

 ま、結局ミュージシャンだって食えなきゃしょうがないし、本能で音楽作ってて売れる人も少ないし、まぁ、そういう意味でアメリカってのは合理的且つ懐が深いな、と思うワケさ。そんな代表的なバンドだったんだろうなぁ〜ってのが今回のお題のフォリナー。話題性は元キング・クリムゾンのイアン・マクドナルドに尽きる。Pretty ThingsやIfやBlack Sheepなんて誰も知らんでしょ、普通。だからやっぱクリムゾンのイアン・マクドナルドなんだよ。音楽的にプロフェッショナルという実績があるんだからさ。後はどう売るか、だけの話を詰めて出てきたのがファーストアルバム「Foreigner」なんだろう。1977年のお話。

 アメリカではディスコブームやフュージョンが売れてる時代、英国ではパンクが出てきて全てをぶち壊してニューウェイブへと進化している頃、往年のバンドは低迷期、そんな折りにプロたちが売ることを前提に作って出てきたバンドがフォリナーだな。英国人3人にアメリカ人3人、市場はアメリカ、プロデューサーにはレオ・ライオンズ(TYA)という布陣でチャレンジ。何にしてもそういう取り組みの走りだから野心的だったと思う。

 まぁ…なんでこんな回りくどい書き方してるかってぇとさ、音だけ聴いて書いてもしょうがないんだよ、この手のってさ。リアルタイムで思い入れのある人は別として、普通に語ってしまうと個人的にはまるで聞くことない世界だし、聴いてもふ〜んくらいにしか思わないからさ(笑)。歌、巧いよ、そりゃ。ポール・ロジャースに近い感じの歌でさ、バックだってもちろん巧いさ。曲だってよく出来てるよ、ホントにツボを心得たキャッチーさと作り込みで、今聴いたってこんなのなかなか出来ないでしょ。だから非の打ち所ないんだよね、音楽的にも市場戦略的にも面子的にも話題的にも。ただ、一言、自分が知ってる「ロック」じゃないってだけ、かな…。






Montrose - Paper Money

Montrose - Paper Money (1974)
Paper Money

 そうかぁ、この時期のアメリカってもうしっかりとハードロックが定着してきた頃なんだ…と1974年周辺を見渡して思うことでした。そりゃもうエアロスミスもキッスも出て来ているワケだから70年前後のアメリカンロックの頃とはシーンの状況も変わっているのは当然で、既にZeppelinに影響されたというようなバンドも出てきているワケで、この頃のロックシーンの流れが速くて刺激的だったのはそういう部分だろうな。そこに独自で組み立てていくロックが入ってきて、ようやくアメリカでもアメリカらしいロックの構築が行われていってスタンダードを作り上げていった。まぁ、イーグルスとかもそうなんだろうが、自分の好みとは大きく異なるのでそのヘンはまた…ってことで、やっぱハードロック系統の方がまだおもしろいかもしれん、ってことで本日はモントローズ。

 1974年リリースのセカンド・アルバム「Paper Money」。何の捻りもないタイトルだけのアルバムジャケットにアメリカらしさを垣間見る(笑)。いや、アメリカってほんとジャケットに関してはストレートと言うかわかりやすいんでねぇ…。メンバーの顔写真とかオネェちゃんとかこういうバンドロゴのクローズアップとか多いでしょ。それで売るためのメッセージングが強力になるんだから良いんだけどね。

 んで、その「Paper Money」はパッと聴くとファーストの「ハード☆ショック! 」ほどストレートじゃないかな…とも思ってしまうんだよね。勢いとかノリみたいなのは圧倒的に「ハード☆ショック! 」の方が若々しくて伝わりやすい。一方の「Paper Money」はちょっと大人になってる部分があって音楽的には分厚くなった気がする…のは後で見ればアラン・フィッツジェラルド=後のNight Rangerが加入しているからか?それにしてもサミー・ヘイガーって人は最初からスタイル変わってないねぇ(笑)。今に至るChickenfootまでまるで変わらない、完全に王道アメリカンロックを体現している人。難しいこと考えずにストレートにハードロックを歌い切る、みたいな潔さっつうか気持ち良さがあってスカッとするもん。車の中とかで流して聴くには快適なアルバムといえば良いかな…。そういえば自分で車乗る時はもういつも英国モノばかりで気分じゃないな〜っての多いんで、こういうの載せておけば気軽にドライブBGMになるんだろうなぁ…(笑)。






Hydra - Hydra

Hydra - Hydra (1974)
Hydra

 911ですなぁ…、毎年この時期になるとテレビ番組なんかでもいろいろな角度から見た分析番組なんかがあってそれなりに面白いのだが、もちろん新しい事実が浮かび上がる訳でもなく、ケネディ銃撃事件に比べれば全然謎もないしそのままっつうところがアメリカの歴史的事件簿とはやや趣が異なるところか。いや〜、やっぱそういう謎モノって好きでさ、真実は如何に、ってヤツ。どうでも良いけど興味本位に好き(笑)。エリア51の謎とかUFOネタなんかも好きだしね。アメリカってのはそういうのが多いのが面白い。一方ではアチコチで目撃されているっつう未確認生物ってのも面白いし、血抜きされた動物の死体とかさ…、なんつったっけ?まぁ、そんなのの方がアメリカってのは面白くてね、音楽ネタじゃないけど(笑)。(追記:キャトル・ミューティレーションでした♪)

 70年代のアメリカ、ほとんど情報を知らない自分的になんとなく人生を振り返る意味もあってちょこちょこと漁ってみたり昔々のカセットテープひっくり返してみたりして、なかなか楽しんでます。そんな中にハイドラっつうのもあって、自分の部r号でもセカンド・アルバム「Land of Money」は取り上げていたことがあったみたいなので一緒に入ってたファーストアルバム「Hydra」の方をちょいと…。アナログのジャケットでは正にHydraな絵でして、ヒプノシスのデザインによるバンドってことでなかなか珍しいアメリカのバンド。曰く、アメリカのバンドデヒプノシスのデザインを使ったのは初のバンドのアルバムのようだ。そりゃそうだわな、こんなワケの分からんメッセージを配したアルバムなんてアメリカじゃ絶対出されないもん。まぁ、バンド名からイメージされるアートだったから良かったのかもしれん。

 そのファーストアルバム「Hydra」は1974年にリリースされていて、一般的には南部出身のバンドだからかサザンロックの系譜で出てくることも多いようだけど、その実かなりの英国ロック寄りバンドかなぁという気はする。ただ、雰囲気なだけで、やっぱアメリカの骨太バンドかな、ってのはあるのだが。ここまで大上段なロックは英国人には出せないですよ、やっぱ。その辺を両方持ち合わせているってのでそれなりに強いバンドだったハズなんだが、それほど売れなかったようで…とは言え、日本盤も出ていたのだからまずまずといった所だろうか。いつもの常連さん達なら多分買って聴いてた、って人も多いだろうなぁ(笑)。

 音はギター中心のロックバンドで、やっぱり票が集まるのはいつものことだがギターバラードの「Feel A Pain」のような楽曲になるのか…それはもうレーナード・スキナードとかも含めて「Free Bird」のような雰囲気って意味合いです。まぁ良いんだけど、グイグイと引き込むブルースロック調な曲も多いからアルバム全体として結構ソリッドでカッコ良いのはある。歌もうまいし、ただ引っ掛かりが弱いかなぁ…そのヘンはセカンドの「Land of Money」の方が主張できているみたい。



ZZ Top - First Album

ZZ Top - First Album (1971)
First Album

 70年前後のアメリカのロックってのもそりゃまぁ、多様なカテゴリに分かれていくバンドがごちゃ〜っとまとめて語られていたんだな、っつう感じ。ハードロックもブルースロックもサイケもサザンもさほど分けて語られないもんな。今となってはそれぞれの系譜があるんだが、横で斬ってしまえばバンド単位での個性でしかない、ってなことだ。さてさて、自分のブログ史上でも有名な割に出て来てないバンドってのはたくさんある。しかもアメリカだとそれは実に多いことに気づいている人は長年の読者なら多数いるはずで、きっと自分の特性をご存知だろうと。まぁ、だからそのヘンからするとかなり異質だし、意外とそうでもなくて、聴いてなかったのか?みたいに思われるのかもしれんなぁ…ってののひとつにZZ Topがある。

 いや、前置き書いてみたけど、そういえば聴いたことはあるしもちろん知ってたワケだけど、70年代まで遡って聴き漁ったってほどでもなかった。だから初期の作品とかそんなに知らなかったんですね。んで、色々と最近漁っている中でZZ Topが出てきて、ブルース・カントリーバンド、だよな?というイメージはあったんで、ちょいと…と思って名盤と言われる「Fandango」を聴いてみると、おぉ、なんか随分昔に友人がカセットテープに録ってくれて、それを聴いたことあるな〜って。そんで、そもそもいつデビューなんだろ?って気になってみると1971年。バンド結成は1969年ってことでほほぉ〜、なるほど…ってことでデビュー・アルバム「First Album」を聴いてみるのだった。

 ソリッドで乾いていてかっこ良いアメリカン土着的サウンドで万人に受け入れられる音なんじゃないか?っていう感想。この類の音にハマる人はハマるだろうな〜っていうか、好きだろうな。自分もキライじゃないし、ブルースの流れもあるから聴きやすいし、ギター中心ってのも好みだ。そしてなんといってもこのアメリカならではのノリというかカントリー要素によるカラッとしたサウンドはやはり独特のものだなぁ〜と感じる次第。シンプルに良く出来てるロックサウンドでそりゃまぁ、国民的に愛される音ですな。「First Album」にしてもう既に完全に完成された音楽をやってるんだから凄い。ある意味何時の時代にいつのアルバムを聴いても古臭さもなけりゃ新しさもないっつうアメリカな音を出しているので何から聴いても良いんだろうな、と思う。「First Album」にしてこの音だろ?今でも通じるサウンドだし、今のアメリカでもこういう音出そうとしてるヤツいっぱいいるだろうし。そういう風化の無さに驚いた一枚で、良いとか悪いってのは何も感じないが、なるほどな…と思ったアルバムです。70年代のZZ Topはそういう意味で凄く面白い存在なのかもしれない。









Alice Cooper - Love It to Death

Alice Cooper - Love It to Death (1971)
エイティーン(紙ジャケットSHM-CD&2011年リマスター)

 バンドの持つイメージと実際の音楽が実はかなり異なるってのはKissを代表として、アメリカには何となくそんなのも多いような気がする。それは自分が勝手にそう思ってるだけで、決してバンドの問題ではないのだが(笑)、何かのきっかけで知った時にその印象が頭に刷り込まれているというだけなんだが、でもやっぱなんとなくきっかけってあってねぇ。そんなにズレてないハズなんだが…。Alice Cooperなんてのもその筆頭でさ、昔は今みたいに何でも映像ですぐに動く姿が見れたワケじゃないから写真とか誰かの話とかそんなのからイメージするしかなくて、音だってほとんど手に入らなかったし…。レコード屋行ったって普通にAlice Cooperとか売ってないしさ、あったって最新作…っても活動してない時期じゃねぇかとかで全然手に入らなかった。そんでもやっぱ聴きたくてさぁ…探したなぁ。んで見つけたのがコレだったという…。

 1971年にリリースされたメジャー一作目「Love It to Death」、Alice Cooperとしては3枚目…前2枚は確かザッパのレーベルから出てたんじゃなかったっけ?ま、いいや。そのメジャー一作目「Love It to Death」です。伝え聴いていた印象の迫力は持ちあわせたジャケットだけど冷静に見れば別にあんなメイクもしてないしおどろおどろしいワケでもないという、単に普通のバンドのコケ脅し的写真でしかないんだが、ちょっと違う雰囲気はあるね。そんでレコードに針を落として聴いてみた時に「おぉ〜!!」っていう衝撃…なんてのはもちろん全くなくて(笑)、地味〜に普通にロックンロールで、何か…ハズした…って言う印象だった。メジャーな「I'm Eighteen」だって単なるポップ調のロックでしかないし、何も新しい刺激は受けなかったし、曲が凄くテクニカルでもなくかっこ良いワケでもなく歌を聴かせるワケでもなく、10代の少年にはまったく刺激不足だった。その後に「Billion Dollar Babies」とか「Welcome to My Nightmare」を聴いたから面白いな、というのは感じたけど、この「Love It to Death」はそんなことで自分的印象があまりよろしくない。

 さりとて、今再度聴いてみているのだが、やはり面白味は少ないなぁ。A面4局目の「Black Juju」でようやくAlice Cooperらしいシアトリカルなショウをイメージさせる9分の曲が出てくる所くらいがイメージに繋がるあたりではあるけどね。何となく演劇性の高いバンド、という基礎知識がないとこのAlice Cooperのロックってのはよくわからんのじゃないだろうか。コケティッシュなまでのパフォーマンスをイメージすれば映える曲なんだろうけど、ロックとして聴くにはちょいと物足りない。ところがアメリカではカリスマ的に売れていたのだからアメリカ人の感性がよくわからん。ビジュアルありきでシーンを先取った人とすれば何らおかしくないけど、音だけではなかなか伝わりきれないのであった…。






Mountain - Live: Road Goes Ever On

Mountain - Live: Road Goes Ever on (1972)
Live: Road Goes Ever on

 1970年前後ってロック的にはどうしたって英国モンの勢いが凄くて、本場アメリカの方はあまり名が上がってこない…のは自分がアメリカのロックに対して無知なせいかもしれないんだが、カッチョ良いハードロックバンドってのはホント、マウンテンくらいしかなかったんじゃないか?と。まぁ、そういえばカクタスとかあった、とか他にもそりゃいろいろなバンドがあったに違いないのだが、わざわざそのヘンを探して聴く程でもないし、リアルタイムだったら何となく記憶にあるんだろうな、とは思うが…。ってことで、数少ない自分の知識の中から出せる音源ってことでマウンテン。

 1972年にリリースされた4枚目のアルバム…ってか第一回解散後のアルバムになるのか?「Live: Road Goes Ever on」ってなことです。どうにも前作「Flowers of Evil」でのライブバージョンが物凄く好評で、ライブバンドとしての迫力と力量は世間に評価されたってこともあって、ライブアルバムになったらしいが、内容がかなり凄い。なんてったってA面3曲、B面1曲っつうスケールの大きさなのだ。ハードロックバンド?ってイメージを持っていると大きく裏切られる(笑)。いや、確かにハードロックそのものだしブルースロックそのものなんだが、プログレってもおかしくない…まぁ、アメリカのバンドだからもっと大陸的と言うか、ある意味Greatful Dead的とも言えるのだが、そのヘンの雰囲気が面白いねぇ。音的には好きです、間違いなく。レスリー・ウェストの暑苦しい姿…じゃなくて、歌声と素晴らしきギターがグイグイとバンドを引っ張り、観客を熱狂させていくあたりは正にロック、と言わんばかりの、そして60年代的な雰囲気が密度が濃くてよろしい。普通に英国のバンドと比較したって全然かっこ良い。

 60年代的ってのはさ、このアルバム最初の二曲ってウッドストックからなんだよね。マウンテンってウッドストック出てたの?って思ったもん。映画には出てないしね。何でだっけなぁ…、昔そんな本もあったんだが忘れた。そんでさ、「Crossroader」と「ナンタケ」は1972年のライブかららしいんだけど、面白いことに明らかにウッドストックのライブとは密度が異なるのがわかる。悪いわけじゃなくてバンドの変化がわかる。69年はレスリー・ウェスト中心に音が出てくる感じだけど72年の方はフェリックス・パッパラルディも出まくってるもんね。その最高の結果が「ナンタケ」のLP片面を使った長尺バージョンで、これはもうたしかにアチコチで評論されているように凄いパフォーマンスをそのまま記録しているし、曲もそもそも単純じゃないから面白い。なんてったってベースのブイブイ音が強烈。それでもプログレにはならずにやっぱりGreatful Dead的大陸的長尺演奏になっているのがアメリカ的。凄いわ、これ。やっぱりマウンテンってきちんと制覇しないとイカンな〜と毎回思うのだが、どうしても曲がきちんと覚え切れないという(笑)。

 それにしてもマウンテン、YouTubeに色々あるんだなぁ、と感心。ウッドストックのライブも丸ごと置いてあるし、キング・ビスケットのライブ音源も丸ごとあったりするからライブバンドとして本領発揮するマウンテンの醍醐味をタップリと味わえるってのは良いよな。ちょっとハマりたい気もするが…。








Cactus - Cactus

Cactus - Cactus (1970)
Cactus (Reis)

 アメリカのバンドってホントに弱いなぁ、自分…ってこういう流れを書いていると思う。60年代末期ともなればもっともっと色々とハードロック的バンドもありそうなんだが、なかなか出てこない…ってかさ、あんまりなかったんじゃない?とか思い始めてきた。サイケとかガレージとかブルース系はあるけど、ハードロックってぇとマウンテンくらいじゃない?って。多分そんなもんなんだろうけど…、いや、B級とかあまり手を出したくないんだよね、アメリカは。多分底が見えてるし、そもそもそんなに多くないとは思うが。70年代だともちっと色々と出てくるけど…、あんまり通ってないんで多分ダメ。んなこと言いつつも、そうだ、って出てきて引っ張りだしたのがCactus。

 1970年にリリースされたファーストアルバム「Cactus」ね。ベックとのお話が頓挫したためにBBAの…じゃなくてVanilla Fudgeのリズム隊が組んだバンドってことになるので割と有名。アルバムも何枚か出ていてそれなりにメジャー、なハズ。英国ロックとの絡みも多くて割とバンド名もボガードもアピスもあちこちで名前は見る。だから聴いてて当然なんだが、どうにもあまりインパクトがないのは自分だけ?か?いやね、「Cactus」の一曲目の「Parchman Farm」なんてのはさ、もうCactusここにありきって感じのドタバタブルースブギロックなんでかっちょえぇ〜!ってインパクトなんだけどさ、その後がどうにも続かない。やっぱアメリカのバンドだなぁ…って感じにダラけてしまう、っつうかカントリーチックになっちゃってあのハードでテクニカルなバンドの個性が生きてこない。何かな〜って聴いててA面終了してしまって、そのまま…って感じだったんだよな。んで、B面聴くと、最初の「Let Me Swim」から始まって、これがまた「Parchman Farm」と同じくらいのインパクト絶大なブギでカッチョ良い。この辺でロック小僧達のハートを掴むんだけど、どうにも全部が好きだっつう人が少ないと思われるし、とっちらかってるかなぁ…と。「No Need To Worry」なんて思い切りブルースで、紛い物じゃなくて本気でブルースなんだからさすがアメリカ、本場はこういうのは違う、ってのを感じるのだが、バンドが器用過ぎたんだろうな、とも思う。

 ややこしいこと言わんでも、多分この時代に聴いてたらかっちょよく響いて止まないバンドだったはず。マウンテンとかと同じく圧倒的に本物のブルースの入ったロックバンドってことで好まれただろうし、自分もハマったと思う。が、後追いの性でして…、英国のバンドを先に聴いてしまったもんだからちょいと衝撃が弱いのとオリジナリティと言う面ではやっぱヒネがないし、そこまでハマらなかった。ただ、やっぱ大陸的な音の広がりはさすがです。

 なんだろなぁ、こういうのって。ギターとか凄く弾いてて面白いじゃない?でも、ギターコピーしたい、っていう感じにはならないんだよね。その辺の説明できない何かがCactusをイマイチ歴史に残るバンドにしていない感じだ。もっともCactusよりもボガード、アピス、の方が有名なんだが…。








Blue Cheer - Vincebus Eruptum

Blue Cheer - Vincebus Eruptum (1968)
Vincebus Eruptum

 ロックの世界ってさ、聴いた時や見た時のインパクトがどんだけ自分の中にあるか、ってのが最初だと思うんだよね。音楽性とか理論とか楽器とかってのはその後でさ、最初はやっぱ何かすげぇ!みたいなインパクトとか印象とかカッコ良さを嗅ぎつける本能的なところが最初だと。だからよく話してても何でコイツ、メタル小僧なくせにいきなりこんなブルースメンにハマるんだ?とかさ、ジャンルとか関係なくその本能に忠実である人はそれなりのセンスに向いていくと思うんだよな。だから聞く音楽とか関係なく、ロックに対する、音楽に対する姿勢とかね、そういうのが似ていると面白い。そこで共通するバンドは必ず出てくるし。なんでまたそんなこと書いてるんだろ?あぁ、グランド・ファンク・レイルロード聴いてて、普段聴かないのにやっぱ凄いな、みたいなのがあったからだ。んで、インパクト欲しい…って思ってフラフラ眺めてて見つけたのが今日のお題ですな。

 知る人ぞ知る…とは言わないが、メジャーじゃない、んだとは思う。Blue Cheerっつうアメリカのガレージバンド。もう随分昔に聴いたんだけど、その時にとんでもなくヘヴィで驚いたからインパクトはあった。もちろんその時は「Summertime Blues」だったからね、The Whoバージョンも聴いてて、一応エディ・コクランバージョンも聴いてたんだけどさ、このBlue Cheerバージョンのヘヴィさに驚いた。今聴き直すとそんなでもないか?とか思うけど、それはもう時代の流れだな。時系列で言えば、The Whoのカバーより前だから、彼らの方がセンス良かったのかもしれない。アレンジ能力の高さの違いではあるが。The WHoがBlue Cheer聴いてたとはあまり思えないからそれぞれ独自進化だったんだろう。

 さて、アルバムでは「Vincebus Eruptum」っつう作品で、そりゃ一曲だけ聴くなんてこと出来なかった時代に知ったもんだからアルバムで聴くワケでしてね、それも多分このアルバムが手に入らなかった時代だったんでベスト盤か何かだったけど、今は「Vincebus Eruptum」がすんなりと手に入れられるようで、紹介しておこう。冒頭から「Summertime Bliues」でぶっ飛びます、やっぱぶっ飛ぶ(笑)。そのぶっ飛び具合がアルバム最後まで持たないからかアルバムとしてはちょいと物足りないものになっちゃってるのが残念だが、慣れてきてアルバムを聴くようになると、なかなかこれがブルースに根ざしたハードなサウンドでガレージなんて括りでは収まらない音を出してる気がする。途中途中なんかはThe Doorsとモロ同じだよな〜とか。どっちもブルースに根ざしているからかね。ただ、もっとバンドをバンドの音として出すっつう部分に書けていて極をアグレッシブに演奏しているだけ、ってところがガレージっぽい(笑)。

 今でも結構名前が残ってるのかな?60年代末の英国ロックシーンの空気感に近いけど、やっぱりアメリカらしい側面があってちょいと洗練されてるかも。グランド・ファンク・レイルロードの爆発ぶりほどのクレイジーさに比べたらとても冷静で知的なバンドに思えてしまうか(笑)。








Grand Funk Railroad - Live Album

Grand Funk Railroad - Live Album (1970)
Live Album

 ロック史に残る伝説と言うのは昔からいくつでもある。そういえば最近ではそういう伝説って作られているんだろうか?あんまりそういう話を聞くことがないから知らないだけなんだが、それなりに伝説になるような事ってあるんだろうな。自分が何となく思い出せる中で一番新しいのって…、例えば「豪雨の第一回目のフジロック・フェスティバル」で出演者も観客も全員ブチ切れてて最高の一体感とステージングだった、ってことくらい…1997年だっけ?古い話過ぎるかも(笑)。そっから先の伝説は何かあるんだろうか…なんて気になったがネットでも探しようのない世界だからどうやって知るのか、ってのが問題だ。ま、いいや。んで、何でまた伝説って?そりゃさ、日本の洋楽ロック好きでグランド・ファンク・レイルロードの雷雨の後楽園球場の話を知らない人もいないでしょ。いや、いるかもしれんが、知っておくべき事でしょ。1971年の来日公演ね、土砂降りの中壮絶なライブが爆音で繰り広げられたってことです。

 その頃のライブと被るので圧倒的な人気を誇っていたのがアルバム「Live Album」なワケで、アルバムジャケットも正に後楽園球場の再来とばかりのステージ写真で迫力があって好まれた。そしてアルバムに針を落として出てくるイントロに続いての「Are You Ready?」からしてもう爆発。上手いとか下手とかライブってさ…とかそういうの無視して聴いていい世界で、アルバム聴いてるだけなのに大音量ってのはわかるしパワフルな野生児達ってのもよくわかる。そしてファンク=ソウルなどの影響が出ているのもスタジオ盤よりも全然わかるし、ベースが凄まじいってのも特徴的で、いや、ドラムも叩きまくりだし、ギターが一番目立たないかもしれない(笑)。それでも音の塊がそのままぶつかってくるというロックバンドのあるべき姿をたっぷりと楽しめる。ロックに能書きも評論も要らん、音を聴け、ってのは正にグランド・ファンク・レイルロードのこの「Live Album」を聴いて感じてくれ、ってなもんだ。

 昔ガキの頃、何かでグランド・ファンク・レイルロードの名前を知ってアルバム探しに行ったんだけど意外と全然なくてね…、そのウチ他のを探したりしてて熱心に探さなかったんだけど、とある時にドドド〜ってあるのを見かけた時はこんなにたくさんアルバムがあるの?って悩んでしまって買えなかった(笑)。結構外したのもあったんだけどやっぱりこの「Live Album」が良いな。「Caught in the Act」も割と聴いたけどね。やっぱロックってこういうモンだろ、ってのあるもん。いくら英国ロック好きと言っててもこのパワーは確かに凄まじいし、唯一無二のパワーでしょ。







■全曲聴けます!

Cheap Trick - Dream Police

Cheap Trick - Dream Police (1979)
Dream Police (Exp)

 早いものでもう9月なんだよな…、歳と共に年々スピードがましてくる月日の流れのような気がしているのだが、それは多分やることがいっぱいありすぎて行き着くまもなく様々な事を行なっているから時間が足りなく鳴る気がするのだろう。音楽だけを聴いていられる日々ならそんなでもないだろうけど、やっぱそうもいかないしねぇ。先立つモノはカネですよ(笑)。まぁ、それはともかくながら…、アメリカのロックってさほどたくさん触れていないのでまだまだ聞いてみたいと思うロックってのはいくらでもあるんだろうけど、どうにも流れていってしまって耳に残らない類が多くていかん。逆にその特性を利用しているのがポップス。その場限りの音楽として常に変わりながらも存在し続ける世界。それもそんなに面白みを感じないからやっぱり違う所に進んじゃうんだよね。

 さて、Kissと対抗できる、と昔は思われたCheap Trick…、いや、今でもそうなんだろうけど、35年も経過するとエアロスミスにその座は奪われ、どうにも中途半端なバンドとして残っているようなイメージ…、個性とキャラ設定の問題か?一方の音楽性では明らかに万人受けするであろうポップさを持ったバンドで、今じゃパワーポップとも言われているようだが、自分が知った頃にはそんな言葉もなく、普通にポップなハードロックで…ってモンだった。

 1979年にリリースされた「Dream Police」は4枚目のオリジナルアルバムにして5枚目の作品。その前年には名盤「Cheap Trick at Budokan」が売れたためにアルバムリリースが遅らされたことで有名な一枚。おかげで「Dream Police」は当時売れたらしいが、一方では後世にはあまり歴史に残るアルバムとして語られることは少ないアルバムとなっているのは何故?70年代末、ディスコブームもあり、一方でフュージョンやAOR的産業バンドも出てきてロックが特別なものではなくなった時期、どのバンドも音楽性には苦しんだようだが、Cheap Trickも同様。「Cheap Trick at Budokan」でキャッチーなロックバンドのライブの最高峰としての座を射抜いてしまった後に出てきたアルバムとしては中途半端にポップすぎた。バンドでやらなきゃできないだろ、っていう音が少ないんだよな。80年代の音を先んじて踏襲しているっていうのはあるが、その分音が薄っぺらい。曲は悪くなくてパワーポップって感じなんだけどねぇ、アレンジも凝ってて聴かせるし、ストリングスも入れたりしてるけどどこか全てCheapなのは狙い?

 これまでもあまり聴くアルバムじゃなかったけど、「Voices」でスティーブ・ルカサーが参加しているって聞いて、へぇ〜って思ったのと、やっぱりそういう路線に近かったんだろうか?なんてのもあってイマイチ度が増した(笑)。「Cheap Trick at Budokan」までだな〜、Cheap Trickは…って、と素人は思ってしまうワケです。








Kiss - Destroyer-Resurrected

Kiss - Destroyer-Resurrected (2012)
Destroyer-Resurrected

 同じアルバムを手を変え品を変えで何度も買わされる…ってか買わないといけない症候群にかかってる人は随分多いようで、リマスター作品や何とかエディションみたいなのはそれなりに市場で捌けるようで、実に何度もリリースされている。もうCD時代が終焉を迎えているってのもあってここぞとばかりに出しまくってるってのもあるのかもしれないけどね。コアなファンからしたらそりゃ嬉しいんだろうけど、一体何なんだ?って気もしてて、自分的にはあまり手を出さないようにはしている…、あくまでも、あまり、だ(笑)。何でか知らんが、Kissの今回のリマスター盤については前から知ってたんだよね。ちょこっと気になってて、それまでのリマスター盤って別に気にもしてなかったのにさ、ま、今回は多分一枚だけ特別に、しかも再構築盤ってまるで異なる解釈の再発ってことだからか。

 で、Amazonでのレビューが面白かったので更に気になって聴いてみた次第。「Destroyer-Resurrected」です。リサレクテッド盤、ですか…、2012年盤ってことでいいか(笑)。そりゃさ、最初に聴いたKissの曲が多分「Destroyer」で、冒頭の激突音からなんじゃこれ?って感じでワクワクしながら聴いてたのを思い出してました。このアルバム聴くのってもう何年ぶり?ってくらい聴いてないし、オリジナルアルバムをそのまま聴くことの減ったバンドのひとつだしさ。ライブ盤ばかり聴いてるんだよ、Kissって。「Alive!」と「アライヴII」あれば大体事足りるってのあるからさ(笑)。それで、聴いてみた「Destroyer-Resurrected」。

 「なんじゃこの音は?」

 音の深みとかリバーブ感とか分離度合いとかレンジの広さとか完全に別領域に入ったリマスター盤ですな。2012年にリリースされた新作!っても通じるくらいの最近の音作りによるアルバムに仕上がってて、素材が古いってのが全然感じない。それぞれのパート毎に音を作り込み直してミックスしてエッジを立たせたんだろうな、って感じで単なるリマスター盤じゃないね。こういうリマスター盤の作り方もあるのか、っつうひとつの方向性な気がする。こんなパターンで名盤を幾つかリマスタリングしていったのが出てきたら賛否両論だろうけど、今の時代の新作として受け入れやすいかもしれん。それくらい別物に仕上がってるのがまず驚く。そして冒頭の「Detroit Rock City」にてそれはもう圧倒的に感じられて迫力に驚かされる。凄くかっこ良いハードロックバンドの姿がここにある、って感じでさ、ノスタルジックを無視すれば今の時代に入り込める作品じゃないか?って思えるもんね。

 アルバムの中味についてはもう今更なくらいで、話題性は「Beth」のオリジナルボーカルと「Sweet Pain」のオリジナルギターソロってことらしいが、ま、それはそれで楽しんで下さい。面白いのはオリジナルのプロデューサーだったボブ・エズリンが今回の仕事もこなしているというファンからの安心感をしっかりと持たせていることかな。だから許される、っつうかさ、Kissの意向も入ってるだろうし、リ・プロデュースもオリジナルな人がやり直しているんだから35年経ってリリースするには良いんじゃない?みたいな。それでこの音作り…正に完璧な仕事なので、今後の方向性のひとつになると面白いかもな。ただ、何回も出されるとヤだけど(笑)。








Bronco - Ace Of Sunlight

Bronco - Ace Of Sunlight (1971)
Country Home/Ace Of Sunlight

 そういや随分昔にレコード見つけてどんな音だって解説されてたかな〜って思い出せずに、でも見た時が買い時だろうから2,800円で買うかどうか悩んだレコードを思い出した。Broncoっつうバンドの「Ace Of Sunlight」でさ、ジャケットは記憶に残るデザインだったから覚えてたんだけど自分がその時に割と早めに聴きたい音だったのかどうかと言えばそんなでもなかったみたいなんだが、レコード屋で見つけてしまった場合に優先順位をどうするか、ってのがあってさ、次来た時に残っているだろう、と思えるものと思えないものがあるワケ。んで、自分が「おぉ〜!」と思ったものってのはもう2度と見れないだろう、くらいに思ってるから手にとって手放さずにいるんだけど、最終的にレジに持って行く段になると手にとったレコードのどれを今買って、後回しにするのはどれかってチョイスをせざるを得なくてね…、いや、毎回20枚くらい買ってたからカネ持たないしさ。んで、悩む時に賭けになるんだな。その時に悩んで、結局買って、もうそれ以降はレコードを見ることがなかったという意味では買って正解だったのがこのレコード。

 1971年にリリースされたBroncoというバンドの「Ace Of Sunlight」。アイランドレーベル系だったからかMott the HoopleやFairport Conventionの手助けもあったバンドで、入手した時は嬉しかったけど、聴いてみてかなり「??」な印象だったアルバムだったな。簡単に言えば全く好みじゃなかったってことだ。でも、そんな思い入れあるから今でもあって、聴き直してるんだけどさ…、なるほど、こんなにCSN&Y的っつうかスワンプカントリーフォーク的な音だったのかと。雰囲気とかは英国的で悪くないんだけど、ちょっと取っ付きにくいくらいアメリカの香りがしちゃうのがヤだったんだな。今はね、そんなでもない。結構面白いんじゃない?って感じで聴けたから二回くらい連続で聴いちゃった(笑)。ジェス・ローデンのボーカルがインパクトあるね、ってのとどこかホワッとした雰囲気がアメリカへの望郷はあるものの英国から脱していないっつうのがいいんだな。その中に「Woman」っつう強烈なビートの曲も入ってて驚かされる。基本フォークタッチの音なのになんでまたこんな迫力ある曲が出てくるんだ?と。

 ふ〜ん、印象変わったなぁ…。今回この流れで持ってきたのもスワンプ的な香りだから…って思ってたからだけど、そんなことないじゃないか。かなり英国的に近い音で、トラッドとは言わないけどアコースティックなサウンドがまろやかで良い感じな作品。結構奥深いバンドだったりするんじゃない?と深読みしてしまうね。いやいや、こうして昔からの思い出を書き直すのも重要なことですよ。





Ronnie Lane - One For The Road

Ronnie Lane - One For The Road (1975)
ワン・フォー・ザ・ロード+1(紙ジャケット仕様)

 英国人によるアメリカ音楽、特に南部音楽系のスワンプ・ロックへの傾倒はクラプトンを始め、ジョージ・ハリソンやファミリーなどなどメジャーなバンドや人達からマイナーなミュージシャンまで様々なアーティストが惹き込まれて挑戦していった。もちろん名盤と呼ばれるものもあれば風味レベルで終わったものまで多数輩出しているワケだけど、自分的にそのヘンはかなり苦手な部類でして(苦笑)、英国スワンプからパブ・ロックってのはほぼ全く通っていない。後追いでもそのヘンは追求していない世界でして、そんなことだから英国ロックってのは深すぎて追い切れない自分がまだまだいたり…、ちょいと前にNHK FMでブリティッシュ・ロック三昧を二日間に渡って放送した時、ほぼ全部聴いてた感じだったんだけどこのヘンのスワンプ系とかパブロック、ニューウェーブ系統などなどまだまだ知らぬ世界はいっぱいあるな〜と思って聴いてた。最初はさ、大体知ってるだろ、と思って聴いてたんだけど、甘かった(笑)。

 さて、その少ない知識の中から英国スワンプ・ロックとして自分的にはまだ制覇できてないけど気にしてるのがロニー・レインのソロ作品。スリム・チャンス名義だったりするけど、The Small FacesからFacesへと派手なバンドの中心人物でありながら性格的にはこじんまりした方面が好きという正にひねくれ者的な部分が英国らしく、また音楽に対するスタンスもロッドやロニーとは全然異なる方向へと進み、こじんまりと小さな所で好きにプレイする事を好んだと言う。まぁ、後から入れた奴らが大成しちゃったんだからそりゃまぁ、ヒネるのはわかるが…。

 1975年にリリースされた三枚目のアルバム「ワン・フォー・ザ・ロード」では当初から描いていたパブロックと言うかスワンプと言うか、思い切り英国的な土着音楽と言うか、アコースティック中心に歌い演奏するシンプルなスタイルでの傑作となった。この人のソロ作品はどれもこれも外れはないんだけどコレ、っていうのもないのが難しい(笑)。感性が鋭くて敏感なんだな〜ってのがよく分かる繊細な作風と音が物語っていて、これがあの酔いどれロックバンドのベーシストだった人なのか〜とそのギャップは驚くが、さすがに時代が35年も経過すればロニー・レインってそういう人だよね、ってのも浸透しているか。

 「ワン・フォー・ザ・ロード」はその前の作品群と基本路線に変化はなく、佳曲が揃っていると言って良いが、狙い通りに大衆向けでもなくパブで受ける向けの素朴な音ばかりが詰め込まれている。ロック的にエネルギーを感じるワケでもないし、パフォーマンスもない。ただ歌を歌い演奏しているという感じで、リラックスした雰囲気なので好む人は好むだろうし、装飾なしの音とメロディでちゃんと楽しくアルコールありで楽しませてくれるっつう側面が強いね。タイトル曲「One For The Road」なんてその最高峰かもな〜、凄く良いし、これはもう英国では受けるだろうなぁ…。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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