Big Bill Broonzy - Young Big Bill Broonzy 1928-1935

Big Bill Broonzy - Young Big Bill Broonzy 1928-1935
Young Big Bill Broonzy 1928-1935 Introduction to Big Bill Broonzy
All the Classic Sides 1928 - 1937 CD C - Big Bill Broonzy All the Classic Sides 1928 - 1937 The Anthology - Big Bill Broonzy The Anthology

 ミュージシャンズ・ミュージシャンという単語があって、それは言葉の通りミュージシャンが憧れるミュージシャンというもので、元々がファン気質でないミュージシャンが多い中、それでも憧れの的になる人ってのはそれほど多くない。要するに玄人ウケするっていう意味で、エルヴィス・プレスリーのところのギタリスト、スコッティ・ムーアなどはそんな代表格でもあるのだが、今回のBig Bill Broonzyって人も同様にミュージシャンズ・ミュージシャンな人なようで、何がそうさせているのかよくわからんが多分革新的な事が多かったんだろう。

 そんなBig Bill Broonzyの記録をまとめたアルバム「Young Big Bill Broonzy 1928-1935」あたりを取り上げてみよう。後期と前期に分かれる人で、前期はギター一本と歌だけでどちらかと言えばラグタイムブルースに近いスタイルでのプレイを披露してくれている。後期はバンド形態のカントリースタイル…っつうかシカゴブルース的な人というイメージもあるのだが、まぁ、前期のスタイルってことでそれはいつ頃か、ってぇと1930年以前ってことだ。もうさぁ、こうなると何だかわからんよね(笑)。ただ、テクニカルな側面よりも音の使い方とかハーモニーみたいな所に気を使っているギタープレイという感じで歌もそれほど激しいものじゃないからヒットチャートらしきものではそれなりに売れてたんじゃないだろうか?

 一方では「How You Want It Done」なんて曲では既に完璧なR&Rをプレイしているのも革新的。そういうところがミュージシャンズ・ミュージシャンなんだろうなぁとぼんやり思ってみたり。しかし心地良い音使いするなぁ…。多分どのアルバムでも編集盤くらいしか今は見かけないと思うので聴いてみても面白いんだろうと思う。もちろん途中で飽きます(笑)。



Robert Johnson - The Centennial Collection

Robert Johnson - Centennial Collection (2011)
Centennial Collection The Complete Recordings
The Complete Recordings - ロバート・ジョンソン The Complete Recordings

 戦前ブルースって元々19世紀の終わり頃から出てきたラグタイム・ギターがら始まっているとかいないとか…。昔はなんとなくそのヘンのルーツってのはカントリーギターから来ているみたいなことを読んだ気がするんだけど、まぁ、ラグタイム・ギターもカントリーの一種だからそれで良いのか。その辺から黒人が綿畑で労働させられるウチに辛さを歌にしていったってのがブルースの始まりみたいな話を耳にしたことがある。まぁ、音楽ってのは流れ流れて変形していくから進化の過程での発祥って何だ?ってのは難しいだそうし、しかも100年以上前の話だからねぇ。ネットの普及のお陰で調べる気になればかなり調べられるのは嬉しいけど、そこまでキチンと調べ直してないな…。いや、ラグタイム・ギターって…とか思ったけど、結局戦前ブルースになるのかぁ…と言うお話で、戦前ブルースと一括りに言っても1890年頃から1940年頃まであるんだからそりゃ幅広いし進化もしている。そして一方ではレコーディングがきちんと残されているのは1920年頃から?なのかな?伝承音楽だからねぇ。ってことで戦前ブルースの音源は1920年頃から40年頃までになってきて、特に1930年以降が商売として成立し始めた頃のようだ。

 電設のブルースメン、ロバート・ジョンソン。何かにつけて再発されていて、自分が聴いたのはまだアナログ時代に2枚のアルバムがバラバラで出ていた時で、写真の一枚も発掘されていない頃。そこから写真が発掘されて、CD時代になって「The Complete Recordings」が出てきて、ここでの写真は実に驚いた代物で、こんな正装できたのか、この人、って。カネなくて女にたかりまくってた人って印象だからこんな格好することがあったのかねぇ…なんて。まぁ、しかし、アナログの時はまだLPのA面B面ってのもあって聴けたんだけど、CD時代の「The Complete Recordings」はとてもじゃないが全部を聴き通ることは不可能だったな。辛いんだもん。同じようなギター一本と歌の同じ曲がいくつも並んでて、資料的には整理されていて良かったんだけどね。ま、人間わがままです。

 そんな不満を解消すべく昨年リリースされた新たなるコンプリートセッション盤「Centennial Collection」です。音も相当クリアーにマイルドにリマスターされていると評判で、サンアントニオ録音とダラス録音でCD二枚に分けているようで、聴きやすいのは聴きやすいけど、やっぱりこの手の音はよほどハマり込まない限り自分のものにはできないなと。今回実は相当久々にロバジョン聴いたんだけど、確かにかなりマイルドで生々しい音だな〜と思うものの、やっぱり何曲も聴いているとそれぞれの凄さは感じるもののなんかお勉強的に聴いている感じがしてしまって…。素直にロバジョンの歌とかギターとか凄いなぁと感心してれば良いんだけど、そうもいかなくてついつい弾いている姿とか想像しちゃうとどうやってるんだろ?とかどんな風に弾いてるんだ?とかギター抱えて試してみちゃって…もちろん太刀打ち出来ません(笑)。かと言って気軽にBGMになるはずもなくて、何ともしんどい人です、ロバジョンは。ただ、先日のBlind Blakeからしてみるとわかるように明らかにラグタイムブルースからの進化がわかるブルースで、そういう意味でロバジョンが最初だったかどうかわかんないけど、音楽的スタイルの違いとか変化ってのはなるほどな、と比較論で思う次第ですな。

 「Centennial Collection」2CDで1300円、昔の音なら2CDで800円〜ってもう凄い世界。そりゃまぁ、そりゃまぁ、80年も前の代物だけどさ…。



Blind Blake - Ragtime Guitar's Foremost Fingerpicker

Blind Blake - Ragtime Guitar's Foremost Fingerpicker
Ragtime Guitar's Foremost Fing コンプリート・レコーディングス(4)
Blind Blake: The Complete Recordings - ブラインド・ブレイク Blind Blake: The Complete Recordings

 ちょいと角度を変えてリラックスしたブルースなんぞも良いな…と幅を広げてみることにしてライブラリをしばし堪能…、そういえば、前にラグタイム・ギターってのを学びたくて探していたものがあったな…と掘り出し物を見つける。自分が想像していたラグタイム・ギターがなくてちょっとがっかりした記憶があったんだが、どうだっけ?と。なんとなくさ、ラグタイム・ギターのアルバムって上田正樹と有山じゅんじの「ぼちぼちいこか」が最高峰でさ、ああいうのの原型ってどこにあるのかな〜って探してはいるんだよな。ただ、まるでわからなくて見つからない。ラグタイムっつってもアレはそんなんだけでもないだろうし、どっかにないかな。

 はてそんな話題はともかくながら、そんな感じで探していて見つけた一枚だからもちろん細かいことは知らないし、このブラインド・ブレイクと言う人がいつ頃の人なのかもよくわからなくてさ、それでもネットで見てみるとブルースメンの位置付けで記録されていて、1933年前後に亡くなったってことなのでよく録音が残っているものだと、そっちの方が不思議なんだけど、本当にコレ、本人の演奏なのか?だろうな。このヘンの戦前ブルースでも更に前の頃ってさすがに手を出してないからよくわからんが、よくよく考えればもう100年近く前の話なのか?正に驚き!

 だってさ、それでいてこんなギタープレイだぜよ?今のギターと変わらない楽器のギターでこんなの弾いて歌ってたってことでしょ?なんかクラシックとかもそうだけど凄いよな〜と改めて思う。ロバジョンよりも前にコレだぜ?

 あぁ、何のことかわからんよね(笑)。ブラインド・ブレイクと言う盲目のギタリストなのかな?編集盤がいくつも出ているのでどうせ知らないから何でも良いって思って一応「Ragtime Guitar's Foremost Fing」ってのを聴いているんだけど、その時その時で手に入るモノで良いんじゃないかと。80曲くらいをブラインドレモン・ジェファーソンと共に録音しているとのことで「コンプリート・レコーディングス」なんてのも出ている。正にギター一本と歌だけの一発録音だろうからライブ感覚でこのプレイが出来ていたってことだ。凄いなぁ…。ブライアン・セッツァーならこういうの簡単に弾けるんだろうけど、世の中のロックギタリストの95%は弾けないと思う。クラシック弾ける人は弾けるのかもしれんけど。

 …なことで、たまにはそんなびっくりな音も聴いてみるもんです。ん?結局?そりゃ途中で飽きるさ(笑)。

ぼちぼちいこか+6tracks(紙ジャケット仕様)
上田正樹と有山淳司 上田正樹とSouth to South
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Albert King - I Wanna Get Funky

Albert King - I Wanna Get Funky (1974)
I Wanna Get Funky Born Under a Bad Sign
I Wanna Get Funky (Remastered) - Albert King I Wanna Get Funky (Remastered) Born Under a Bad Sign - Albert King Born Under a Bad Sign

 いや〜、全くブルースの世界は奥深い。そして幅広い。熱いブルースが好きだ好きだ好きだと書いておきながら、ちょいとどんなだっけ?と思って聴き直していたアルバート・キングの「I Wanna Get Funky」にヤラれた(笑)。確かあまり好みじゃなかったハズだけどなぁ〜なんて思いながら聴いたんです…が、冒頭の「I Wanna Get Funky」のまったり感、気怠さ加減にマリファナが心地良く漂ってきてウツラウツラと心地良くなってしまったんですねぇ(笑)。いや、ほんと、そんな感じのする曲でさ、曲名と曲が全然違って、あぁ、この人こんなギター弾くんだよな〜とか遠くで思っていたりしてる自分。生でも数回見てるのにそんなこと思うんだが、もっとも爺さんになってからしか知らないからね。

 1974年にリリースされた「I Wanna Get Funky」というアルバム、もちろん変わることなく奏でる人で、ファンキーったって、ちょっとファンキー的なギリズムがあったりするくらいのモンで、右チャンネルから聴こえてくる細々と凝ったことしてるギターだけがファンキーかもしれん(笑)。もっともホーンセクションもあるんだが、それはもうブルースの定番だから何ら期待を裏切ることなくアルバート・キング節を聞かせてくれます。どこが1974年の作品なんだ?って思うくらいに古い。このまったり感も良いなぁ…。そして、なんと言っても今の時代じゃあまり許されなさそうだけど、この時代なら良かった感じのアルバム・ジャケット。気持ち良さそうでしょ〜、これ。プカ〜ッってマリファナ…かタバコか?なワケないが(笑)、吐き出しながら珍しくもリバースストラトを弾いているというセンスの良いジャケット。まだ若いし。

 アルバート・キングのギターって指弾きでレフティってのもあって指使いが全然違うから変わったトーンと音が出てくる感じで、柔らかい。その分激しさはないけど、曲にまったりとマッチしたマイルドなトーンのギターが心地良くて、歌も流しのギタリスト的なものが多くて悲痛な叫びとかないからさ、平坦なんだよ、でもそういうのが心地良く聴ける時もあって、ギターフレーズはもう完璧に手癖で、あぁ、アルバート・キングだ、ってわかるくらいなもん。SRVが師匠と仰いでいたってのが良くわかるくらいに似ているもんね。良く研究したんだろうなぁ…。フレーズはアルバート・キングで熱さがフレディ・キングとか最強だったハズだ(笑)。

 よく言われる名盤「Born Under a Bad Sign」よりも自分はこっちの「I Wanna Get Funky」の方がまったり聴けたかな…。



Freddie King - Burglar

Freddie King - Burglar (1974)
Burglar Best of the Shelter Years
King of the Blues - フレディ・キング King of the Blues My Feeling for the Blues - フレディ・キング My Feeling for the Blues

 ロック・ギタリストから絶大な支持を得ているブルースメンって割と決まっている感じなんだよな。ストーンズの流れからはマディ・ウォーターズとかハウリン・ウルフとかなんだろうけど、自分はそのヘンはそれほどハマったことがなくて、もっとアグレッシブなモノが多くて、やっぱフレディ・キングとかアルバート・コリンズなどなど。まぁ、ロックから入ってるからそうなるんだけど、それでも明らかにロックフィールドに属したギターだったりするんであんまりブルースだからとかって分けて聴いてはいないかな。激しく熱いの聴きたい時には選択肢に入ってくるってトコです。それにしてもここの所、ロックフィールドのブルースメンばかり聴いていて、なかなかハードで面白い♪どれもこれも凄いんだけど自分ではまだまだコレっていうフレーズをモノに出来ていないなぁ…。

 フレディ・キングの1974年の作品「Burglar」。一般では名盤と言われてみたり、衰退期の始まりと言われてみたり、やっぱりシェルター時代には敵わないと言われてみたり、なかなか何がフレディ・キングの傑作なのか掴み切れないんだが、シェルター時代の充実度は確かなので、ダントツとしても、RSO時代の作品となったこの「Burglar」はまだまだその流れを汲んでいます。確かクラプトンが移籍に一枚絡んでいたとか何とか…、まぁ、そういうのがあったからこそセッション名盤なんてのも出来上がったんだろうが、どっちでも良いや(笑)。

 「Burglar」ね、シェルター時代ほどスイングしてないっつうか、もちっと地に足ついたブルースっつうか、R&Bフレーバーももちろんかなり入ってきてるんだけど、ロック寄りからちょっと戻った感じか。そのヘンが、どうしてもR&B的すぎると抵抗が出てしまうリスナーに受け入れ難かったのかもしれない。もちろんそんなの関係なしにあのギターは最高に泣き叫びまくっているんで、ギタリスト的には存分に楽しめるし、使い方の上手さに舌を巻くことだろうよ。なんでこの人のギターって音が鳴ると緊張感が高まるのだろう?音が詰まってる感じだからか?リラックスして聴ける音じゃなくて、息を詰めて聞いちゃう音なんだよね。ギターは335か何かでしょ?それでこの音かい?指弾きでストラップを右肩に掛けて右で弾く…、カッコ良いじゃないか…。どんだけギターコピーしてもこんなふうには弾けません。





Otis Rush - Mourning in the Morning

Otis Rush - Mourning in the Morning (1969)
Mourning in the Morning All Your Love I Miss Loving: Live at Wise Fools
Mourning In the Morning - Otis Rush Mourning In the Morning Live ...And In Concert from San Francisco - Otis Rush Live ...And In Concert from San Francisco

 ブルースってのはホントにアチコチの方向性があって単にブルースってもどのヘンのが良いんだ?とかあってさ、そういうのを意識しないでブルースだから、ってことで聴いていると結構その多様性に困ったりする…ってか、そうだった(笑)。その内にシカゴとかテキサス、モダンなんてのが大別できてきて、そのいずれにも当てはまらないロック系、ソウル系のブルースなんてのもあったりして皆色々と挑戦していたり…と言うか、かなり柔軟で、何でも取り入れてやってみたりするんだよね、ブルースメンって。ホーンセクションだってそうだし、ソウルやロックもあったりさ。結局ギター一発で自分の損菜館は示せる人達だからどんなサウンドが鳴ってても良いんだよね。その辺がブルースの万能なトコロ…正確にはブルースギタリストの万能なトコロか。

 1969年にリリースされたオーティス・ラッシュの「Mourning in the Morning」はブルースとロックの親子逆転劇とも言わんばかりに、マイク・ブルームフィールドやニック・グレイヴナイツがプロデュースしたアルバムで、ロック寄りと言うよりも白人ブルース寄りのアルバムに仕上がっているのが面白い。曲は大部分をマイク・ブルームフィールドとニック・グレイヴナイツが提供していて、一部はマイク・ブルームフィールドも自分のアルバムで取り上げていたり、ライブの名盤「Live at Bill Grahams Fillmore West 1969」ではオーティス・ラッシュの「It Takes Me」を取り上げていたりと縦横無尽に仕事の成果を楽しんでいたかのようだが、マイク・ブルームフィールドとオーティス・ラッシュの共演ってのは聞いたことないなぁ…。どこかのライブハウスででもやったのかもしれないけどなぁ、いいなぁ〜。

 さてさて、面白いことにそんな連中がプロデュースまでしているのにマイク・ブルームフィールドはこのオーティス・ラッシュの「Mourning in the Morning」ではギターを弾いていないのだ。見事にプロデュースという大仕事に徹している。もっともオーティス・ラッシュのギターだけで十分すぎるくらいに楽しめるアルバムになっているので、出番はないと踏んだんだろうけど、存分に弾いてやるぜ、ってくらいにオーティス・ラッシュのギターが駆け巡る好盤で、ロック好きな連中はたっぷりと楽しめるハズ。毛色の違うギタリストとしてあのデュエイン・オールマンがギタリストとしてゲスト参加しているのはちょいと聴きモンでね、それをマイク・ブルームフィールドがプロデュースしているというなんか夢の様な世界。この「Mourning in the Morning」でのオーティス・ラッシュのギターってそんなにネチネチしてないからかなり聴きやすくブルース・ギターを楽しめるし、それでいてちょいとエグってくれる感じで気楽に楽しめるのも良いね。んでもってホーンセクションの鳴らし方がR&Bからの影響なのかB.B.Kingからの影響なのか、この時期のブルースの特徴なのか、割とゴージャスに鳴っている。まぁ、マイク・ブルームフィールド達の趣味だろうけど(笑)。

 ジャケットはちょいと頂けないけど、中味は最高にロックとブルースの橋渡しが出来ている素敵な作品です。まだmだひたれるブルースは山のようにあるねぇ〜♪

Live at Bill Grahams Fillmore West 1969
Michael Bloomfield
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Buddy Guy - Live - This Is Buddy Guy

Buddy Guy - Live - This Is Buddy Guy (1968)
Live - This Is Buddy Guy Drinkin TNT & Smokin Dynamite
Live At the Checkerboard Lounge - Chicago 1979 - バティー・ガイ Live At the Checkerboard Lounge - Chicago 1979 Buddy Guy & Junior Wells Plays the Blues - バティー・ガイ & ジュニア・ウェルズ Buddy Guy & Junior Wells Plays the Blues

 モノホンブルースが聴きたくなったのでバディ繋がりでバディ・ガイに行ってみよう♪ブルームフィールドでもなんでも進めたんだけどなぁ、いいや、後で書こう(笑)。完全にクソ熱いブルースモードになっちゃったんで、ホントにクソ熱い、そして70歳を越えてもまだなお現役でライブをバリバリとやってくれて、しかもギタープレイがまるで変わらずにハードにアグレッシブに弾いてくれている現役ジジイのバディ・ガイ、とんでもない人なのだが、昔は全然売れなかったっつうか、売ってもらえなかった時代が長くてアルバム単位での名盤ってのはそんなに多くないんじゃないか?自分が最初に出会ったのはジュニア・ウェルズとのセッションライブ・アルバム「Drinkin TNT & Smokin Dynamite」で、もうこのギターの虜になったね。なんつうギターだ!って。マディ・ウォーターズとかハウリン・ウルフってのを聴けってな感じだったからブルースって辛いな〜と思ってたガキの頃にその「Drinkin TNT & Smokin Dynamite」に出会ってしまったので、そのハードさに熱くなったのだ。それ以来そっち系のブルースばかりを聴くようになったかな…。今でも好きだ。

 そのBuddy Guyの1968年のライブアルバム名盤、と言っても良いでしょう、「Live - This Is Buddy Guy」は。大体さ、ジャケットからして暑苦しいし、外れなさそうだったもん、ってことでCDが出てしばらくして見つけた時にはすぐ聴いた。昔はブルースのアルバムなんて全然探せなかったんだからさ。CDになってホント色々と聴けるようになったのは嬉しかったね。さてさて、その「Live - This Is Buddy Guy」というライブアルバムなんだが、なんとA.C.リードのサックスまで一緒に入ってるなんてね、気にしなかったから知らなかった。この人のサックスが特別好きってワケでもないけどアルバート・コリンズの相棒になった人だから、やっぱ良いのだ。そしてなんつってもだ、このBuddy Guyのぶっ飛ぶギタープレイに限る。1968年でこんな音出してたんか?ってくらい黒人リアルブルースメンとしては信じられない異端児だったんじゃないだろうか?ロックの連中だってこんなん出してないだろ、って頃にこの音だ。しかも歌とかライブのノリはJB'sと一緒の頃のジェームス・ブラウンのライブとも共通している。JBだってこの頃に「Say It Live And Loud: Live In Dallas 08.26.68」だろ?凄いな、この本能。

 最初からエグいギターでバリバリかましてくれて、ふと思ったのがヤードバーズのギターをもっと音割れさせたらこうなるのかも、と思ったのだった…、順番逆だけどな(笑)。ロックの世界に受けるハズです、Buddy Guyのライブは。今じゃジミヘン弾かせたら右に出る人いないだろってくらいジミヘンを超えてるカバーが出来る人、それもコピーとかカバーじゃなくてBuddy Guyとしての音なだけで。いやいや、比較なんぞどうでも良くて、ブルース・ロック好きでこの「Live - This Is Buddy Guy」を聴いたことない人、多分ハマると思うわ。ちょっと感性がステレオで被せられてる感があってしつこいけど、ま、いいさ、実際そんな拍手程度じゃ物足りないくらいの演奏なんだし。途中でさ、ソウルの名曲「Knock on Wood」とか出てくるんだけど、本家をもぶっ飛ばす歌で白熱したライブです。ホーンセクションは音割れてるし(笑)。なんつうプレイ…。先日のロリー・ギャラガーとはまた異なったブルースロックの域にいるとんでもない人。オススメっすよ、コイツは。暑苦しいのが苦手な人はダメだけど、SRVとかジミヘンとかロリー・ギャラガー好きなら絶対良い♪



The Electric Flag - The Band Kept Playing

The Electric Flag - The Band Kept Playing (1974)
The Band Kept Playing Long Time Comin
It's Not the Spotlight - Electric Flag featuring Mike Bloomfield It's Not the Spotlight The Electric Flag: Live - The Electric Flag The Electric Flag: Live

 ロリー・ギャラガー辺りから体の奥底でブルースに火が点いてたんだよな。それはもう気づいていたんだけど、あまりそっちに走らないようにしてて、もうちょいもうちょい、なんて思ってたけどやっぱこないだの「Ec Was Here」なんてのを聴いちゃうとダメだな(笑)。クラプトンの、じゃなくて、ジョージ・テリーのギターのエグさにヤラれてしまって、やっぱ暑苦しいブルース聴くかな〜なんてアレコレと♪んで見てるとジョージ・テリーって人はクラプトンともやりながら、同じ時期にマイク・ブルームフィールドとも一緒にやってて、なんてのを発見してしまったもんだから、そうか、それはもうそっちに進まなきゃ、ってな感じで本日のお題です。

 1974年に突如として再結成を果たしたエレクトリック・フラッグ…、元々は1968年にアルバム「A Long Time Comin」をリリースすしてその後サントラ「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」を出してマイク・ブルームフィールドが脱退してしまって解散したバンドで、当時はサイケブルースって感じだったけどね、それから6年の月日が流れ、どんな理由からか再結成が果たされた。「The Band Kept Playing」ではドラムにはあのバディ・マイルス…そうか、この人ってジミヘンともマイク・ブルームフィールドともやってるんだなぁ…、そしてニック・グレイヴナイツにバリー・ゴールドバーグとマイク・ブルームフィールド周辺のお馴染みのメンツが勢揃い。その中にサポートミュージシャンとしてジョージ・テリーの名がクレジットされているのだ。もちろんいつもの如く、どこを弾いているのかなんてのは聴いても分からない(笑)。まぁ、なんとなくマイク・ブルームフィールドらしいフレーズではないコードワークとかのギターはそうなんだろうなと思うけど、コードバッキングなんてのは誰が弾いても一緒に聞こえるので定かじゃない(笑)。オブリとかソロとかってのは何かわかるけどさ。「Ec Was Here」でのエグさはまるで無いもんだから余計にわからんな。一方でのマイク・ブルームフィールドはこの頃はもうアメリカンミュージック志向になってたからそんなに目立つギターを弾いてはいないってのもあるけど、出てくると一発でわかるな(笑)。ギターヒーロー健在!って感じですよ、全く。

 アルバム全体としてはバディ・マイルスの好みからかR&B的なレイドバックしたソウルみたいな感じで決してどれもこれも好みというワケじゃないけど、別に害がない音でもあるので…そこがアメリカなのだろうけど、聴きやすいから悪くはない。だからそんな隙間にマイク・ブルームフィールドがどんだけ刺さってくるか、みたいなのを聴いているんだよね。ジョージ・テリーか?とかさ、そういうニッチな楽しみ方。しかしバディ・マイルスは歌が上手いなぁ…。そこに絡むマイク・ブルームフィールドのギターもマイルドトーンで絶品…、この頃はテレキャスとかストラトとか使ってたんだろうけど、さすがだなぁ。甘いソウルフルな音楽じゃなくてエグくてブルージィーなギターがたっぷり聴けるのが聴きたくなってきたね♪



Eric Clapton - E.C. Was Here

Eric Clapton - Ec Was Here (1975)
Ec Was Here Rainbow Concert
E.C. Was Here - Live - エリック・クラプトン E.C. Was Here Rarities Edition: 461 Ocean Blvd. - エリック・クラプトン Rarities Edition: 461 Ocean Blvd.

 やっぱりウェブの情報ってなかなか充実しているようでしていない…ってか探し切れないのも確かなんだが、こんだけネットが発達した今になってもまだやっぱり英語って必要なんだな、とか思うワケで。日本できちんと把握している人は少ないんだろうとは思わないんだけど、そんなに目立って公開するぜ、みたいな人は少ないのだろう。英語圏の方々はもちろん一辺倒じゃないけど情報をきちんと整理してHPでアップしてあったりするので詳しい情報が手に入りやすいのかもしれない。もしくは自分が一生懸命探していないだけってのも事実で…、いや、誰かの、とかに限らずそんな傾向があるのは先日のキースの記事でも描いた通り。そういうニッチな…と言うか、きちんと細かい情報までも網羅したサイトがトップで引っ掛かってくれいないと意味ないんだよグーグルさんよ。売るためだけのサイトなんて別に望んじゃいないんで。買うために必要な情報が沢山掲載してあるサイトが欲しいんだよな。全く…。

 なんでまたそんな事を?ってな話だが、キース・リチャーズに続いてふと思い付いたのがエリック・クラプトンでさ。古くは「Rock'n Roll Circus」での共演くらいになるのか、英国でブルース好きのギタリストって狭い世界での仲間だったワケではあるが、なかなか共演ってのはなかったこの人達、まぁ、機会あればってウチに両者とも大物になりすぎたかな(笑)。それはともかくとして、エリック・クラプトンって人は音楽的な転機が何度もあって、その都度ブルースって言葉も出てくるんだけど、その拾、本格的なブルースってのはあまり聴けないのもまた不思議なものだ。ヤードバーズはビートロックだし、クリームはブルースっつうよりも即興性のアドリブジャズバンドで、ブラインド・フェイスはやや実験的な試みと友情からのセッション、デレク&ザ・ドミノスは南部のレイドバックサウンド、そこからソロ作も同じ傾向で、その内に乾いたサウンドのブルースロックポップみたいなのになってってAORへの接近。後はまぁ、そんな感じだ。ってな大きな流れの中で、自分に一区切りもふた区切りも付けました的なアルバムが1975年にリリースされたライブアルバム「Ec Was Here」で、過去形になっているトコロでもうこういうブルースはやってました、って表明しちゃったんだよな。この「Ec Was Here」を名盤と思う人達はもうこういう音を聴けないってことでして、実際その通りだったというか…。

 クラプトンの名を聴いてアルバム何枚も聴いて全部スカしててクラプトンへの興味を失ってしまってから聴いたこの「Ec Was Here」はかなり見直すきっかけになったアルバムでした。冒頭の無茶苦茶カッコ良いギターからして「おぉ〜!」ってなるんだけどさ、冷静に聴いてみると、これ、誰のギターだ?って(笑)。クラプトンじゃないだろ?ってのが簡単にわかってしまってさ、クレジット見ればジョージ・テリーって人で、その筋では有名なギター弾き。SRVとかああいう類のギターで入ってくるからさ、明らかにクラプトンじゃないんだよ。まぁ、それくらいクラプトンの音ってのはある意味特徴的だったんだろうけど、そのジョージ・テリーのギターがかっこ良くてさ、すっかりクラプトンのライブアルバム名盤、ってことを忘れてジョージ・テリーのギターを聴いているのだった…。

 あれ?何書いてるんだっけ?あぁ、クラプトンがこの「Ec Was Here」でまた自分に区切りを付けた名盤ってことですって事だ。ネットで探してもなかなかどっちのギターがクラプトンで〜とかって疑問すら少なくて、皆あのギターがクラプトンって思ってるのかな?あんなんクラプトン弾かないだろ、ってわかってあげなよ。もっともクラプトンもヒネてるからアルバム冒頭からああいう混同させるようなギターを持ってきているってのもアリだろうけどね。アルバムはもうブルース好きにはたっぷりと楽しめる内容です♪

Rock 'n' Roll Circus
Rock 'n' Roll Circus
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Keith Richards - Main Offender

Keith Richards - Main Offender (1992)
Main Offender Talk Is Cheap
Vintage Vinos - Keith Richards Vintage Vinos - Keith Richards

 ネットって大体の情報は手に入るけど、誰かの複製みたいな情報が大半を占めていて、それが濃い情報ならそれで良いんだけど、概ね細かい情報なハズもなくて大局的なものばかり。アルバムなんかで言えば、どの曲を誰がどのパートを担当しているか、とか歌っているかとかきちんと書いているトコロって情報がアチコチで見られるハズもなくて、余程のマニアのトコロに行かない限りそういう普通の情報が手に入らないのが現状。これで情報過多時代とは良く言ったものだが、情報が過多なのは間違いない。ただ、偏った情報しかなくてきちんとした情報を探すのがより一層大変になっているという次第。アルバムやCDを買っているウチはまだクレジットレベルまでなら書いてあったりするからわかる部分も多いけど、DL時代になるとそれすらもままならない状態。そこで詳しい情報はオフィシャルサイトへ、とかになるんだけど売るための情報しかないから普通に欲しがる情報がない。まぁ、ファンなら聴いて一発でわかれよ、って話かもしれんけど。

 キース・リチャーズが1992年にリリースしたソロ作第二弾アルバム「Main Offender」。ファーストアルバム「Talk Is Cheap」リリースの背景にはストーンズ再開不能というテーマがあったから周囲の期待も本人の意向もストーンズに負けない作品という意思があったみたいだけど、無事にストーンズが復帰した90年代初頭になり、やや時間の隙間が開いた頃に作ったアルバムってことでそれほど気合を入れ込んだ作品というワケにはいかなかった、ってのが一般論。まぁ、自分もリアルタイムでこの「Main Offender」を聴いた時には全然かったるい作品ってくらいにしか聴いてなかったのでまともに評価してなかったんだが、音楽ってのは残るもので、やはり歴史的に聴いてみればそういう印象も異なっていくものだ、と勝手に自分で理由を付けている次第(笑)。

 いや〜、「Main Offender」を聴いてたらさ、エラくかっこ良くって…。当時かったるいな〜って思ってた自分の若さが可愛く思えてしまってさ(笑)。冒頭の「999」からしてカッチョ良いんじゃないか、と。んで、ふと思ったのがさ、ギターが二本入ってて、キースだとばかり思ってたらそうでもなくってX-Pensive Winosの名義なもんだからWaddy Watchtelもギター弾いててさ、それがどこの部分なんだ?と思って冒頭の話になるワケだ。この手の絡みのギターカッティングなんかだとキースお得意だけど、どうにも音が怪しいし、カッティングのタイミングもちょいと違う気がする…なんて思ってしまったからさ、まぁ、曲としてはソリッドでカッコ良いギターのカッティングだから良いんだけど、何かふと思ったワケさ。ニッチなファンなら当たり前に知ってる話なのかもしれないけど、たまにしかキースのアルバムを聴かないいい加減なリスナーとしてはちょいと不思議に思った次第。

 そんな不思議な事も思いつつ、R&Rからレゲエもありのかったるい気怠さが心地良い「Main Offender」という作品。時代的には全然マッチしてなかったとは思うけど、キースの音の感性とか感覚はさすがだなと今にして思う作品です。



Ron Wood - I've Got My Own Album to Do

Ron Wood - I've Got My Own Album to Do (1974)
俺と仲間 ナウ・ルック
The First Barbarians - Live from Kilburn - The New Barbarians Live from Kilburn - The New Barbarians

 昔から人柄の良さが表情に出ていてそのまま気さくで明るい人という感じなのだが、そんなロン・ウッドでもジャンキーだったりするワケで、人柄の良さと好印象な人物像とジャンキーが結び付かないイメージもあるんだが、果たしてそんな人なんだろう。酒のみならずヤクも結構なモンだったようで、それでいてあの人柄と言うのは相当優しくて弱い側面を持ち合わせた芸術肌なのかな、とは思えるか。まぁ、その人柄が生きたのが別にリリースする必要性に迫られていたワケでもないし、自分的に出そうと決めていたものでもないけど、なんとなく出してみようか的な感じでリリースされたロン・ウッドのファーストアルバム「俺と仲間」。

 1974年ってことで時期的にはフェイセスも解体中で何したモンかな、って頃だ。ストーンズに加入するのは1975年頃だから丁度その間の時期に出されたもので、一応フェイセス在籍中ってことらしい。ストーンズのキースと妙に密接していた時期に重なった事で、このソロアルバム「俺と仲間」にはキースの絶大な支援があったらしいが、果たしてロン・ウッドにその支援は必要だったか?っつうと良くわからん。そこまでキースに依存する必要があったとはあまり思えないんだけど、まぁ、商売と友情としてはアリだったんだろうな。結果ストーンズ側からキースとミック、そしてミック・テイラーも参加しているんだからなかなか微妙な人間関係もあったんだろうが、そこはロン・ウッドの人柄でカバー、か。そしてフェイセス側からはイアン・マクレガンがメインで参加してて、ロッド・スチュワートもちょい参加。そしてどこでどういう付き合いがあったのか、まぁ、おかしくはないけどジョージ・ハリソンとの共作が一曲、もちろんジョージも参加しているワケで、自分的にはこの「Far East Man」は本アルバム内では最も気だるい感じに聴こえてしまうんだが…。そしてリズム隊にはウィリー・ウィークス&アンディ・ニューマックというたいとなリズム隊。ウワモノのふらつきさ加減をこのリズム隊がきちっと引き締めているっつうか、アルバムらしく仕立てているのかもしれんな、と。

 キースがいるからこういうストーンズ的なR&Rアルバムに仕上がっているのか、キースがいなくても元々ロン・ウッドのロック的嗜好からしたらこういう音に仕上がったのか、そのヘンが良くわからんのだけど、ストーンズです、このドライブ感は。ミック・ジャガーが歌ってたらストーンズの作品ってもおかしくないアルバムの音になってるもんな。しかし、この「俺と仲間」ってロン・ウッドの自宅スタジオで録音されたって話なんだけど、フェイセスレベルの音楽活動で自宅スタジオ持てるくらい稼げるのか、とも思ったり。まぁ、ロッド・スチュワートのソロアルバムの方も参加してるから商売的に出してる枚数は多いけど、そんなもんなのかとなんとなく不思議に思った。それはともかくながら、ロン・ウッドの初ソロ作品としてはバラエティに富んだ大人のセッションアルバム、ってトコですね。

ライヴ・フロム・キルバーン(DVD付)
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ミュージック・シーン (2007-11-01)
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Ronnie Lane - Ronnie Lane's Slim Chance

Ronnie Lane - Ronnie Lane's Slim Chance (1975)
Ronnie Lane's Slim Chance Ronnie Lane's Slim Chance

 Small Faces、Facesとバンドが続く中、才能に恵まれつつももっと才能あふれるミュージシャンとバンドを組んでいたが故に目立つ機会がそう多くは見かけられなかったロニー・レイン、その才能が注目されたのはバンドがどれも解散した後だったかもしれない。そういうミュージシャンって結構いるんだろうなぁと改めて思うんだけど、まぁ、運命か。スティーブ・マリオットの影になり、ロッド・スチュワートとロン・ウッドの影になり、ようやく自身の思うままのアルバムを創りだしたのが1974年から、その時にはFaces時代に既にアルバムの中でリリースしていた楽曲を再録して自分のやりたかったアレンジ出していたりするが、それはセカンドアルバム「Ronnie Lane's Slim Chance」でもあって、余程色々な楽曲を自分の色にしたかったんだろうなと。

 1975年にリリースされたロニー・レインのスリムチャンス名義でのセカンドアルバム「Ronnie Lane's Slim Chance」。Small Faces、Facesと熱いロックを思うと、時代もあるのか…いや、クラプトンなんかも同じだけどさ、妙にレイドバックした、もしくはスワンプなカントリーチックな望郷を求めるかのようなアルバムの作風で、それはそれでファンを獲得しているんだけど、自分的にはあまり聴く類の音ではないな。巷ではロニー・レインのソロ作のどれもが名盤だ、みたいな扱いを受けていたりするので評価は高いんだけどね。まぁ、そのヘンは好みもあって、しょうがないところだろうけど、英国スワンプと言うか、この類の英国ロックの中ではそりゃかなり水準高いのは間違いない。洗練されているっつうか、カラフルな音を使ってのレイドバック作品だから単にノスタルジーってワケじゃない。

 なんかねぇ…、悲しいんだよ、こういうの聴いてると。アルバム中数曲がこういうのなら光るんだけど、アルバム全編だとちょっと最後に物哀しくなっちゃって…、そういうトコロが英国的でもあるんだが…、そう思わせてしまうトコロがプロなんだろうな。ちょいと調べてみればカバー曲が結構多いらしいので、元々のアメリカのカントリー系の音としてはそんなに暗くないんだろうけど、ロニー・レインのフィルターを経由するからなのか、切なさを付帯してしまうんだな。それもまたロニー・レインの個性。出来映えはもちろん秀逸で聴いてみる価値は存分にあります。





Rod Stewart - Never a Dull Moment

Rod Stewart - Never a Dull Moment (1972)
Never a Dull Moment Gasoline Alley
Never a Dull Moment - ロッド・スチュワート Never a Dull Moment Gasoline Alley - ロッド・スチュワート Gasoline Alley

 英国のボーカリストとしての知名度としちゃ今じゃ多分トム・ジョーンズ的に名の知られているジェントルマンになっているロッド・スチュワート、もうね、あそこまで大成したロッド・スチュワートってのは誰も何も言えないワケでさ、ミック・ジャガーと同等の地位にあるんじゃね?くらいのものだ。特にアメリカでの成功は今でも大きなものだし、それなりに今でもカバー作品集をリリースしてシナトラ並の世界を築き上げているとも言えるか。昔の仲間からしたらアイツは何してんだ、ってのあったんだろうけどそういうのももう超越しちゃって、全部笑い話で再び遊んでいられるっつうのかな、そんな雰囲気すら漂っている人だ。自分もそんなにハマったことなかったけど、やっぱり最初期のロッド・スチュワートってのは凄くかっこ良いってことに気づいてからは結構そのヘンばかり聴いてたな。今でもロッド・スチュワートって人を誤解している人がいると思うので書いておくと、1975年くらいまでのロッド・スチュワート名義のアルバムって同時進行していたFacesのアルバムなワケなので、質とか演奏とかR&R度とか同じなんだよね。メンバーも一緒だし。ただ、やってることがちょいと違っててFacesはブルース寄りのR&Rスタイルで、ロッド・スチュワートのソロ名義はトラッドやアイリッシュ的な側面を打ち出した歌を聴かせるアルバムに近くてバックの演奏が前に出てくるのではない。その分バンドの力量も試されるんだけど、そこはプロ中のプロで、この両側面を楽しんでいるワケだ。Led Zeppelinはこれら全ての音楽性をひとつのバンドの中で消化してたけど、ロッドとFacesは2つの名義に分けて音楽性を楽しんでいたってことだ。

 1972年リリースのロッド・スチュワート名義での4作目「Never a Dull Moment」だな。相変わらずフェイセスの面々と共に作った作品で、冒頭の「True Blue」からしてもうぶっ飛ぶロックが飛び出してくる。フェイセスと切り離して考える必要ままるで見当たらないアルバムに仕上がっているので、フェイセス聴いてるけどロッド・スチュワートはまだちゃんと聴いてないって人には絶対にオススメだよ、この「Never a Dull Moment」は。ジャケットも地味だしタイトルも地味だからいまいちロック史とかロッド・スチュワートの名盤アルバムには出てこないんだけど、相当熟成されたロックバンドのアルバム感あるよ。熟成って言い方もヘンだな…、脂の乗った、かな。ロン・ウッドって上手いな〜とかロニー・レインもさすがだな〜とか色々わかるし、もちろんロッド・スチュワートの歌声がホントにカッコ良い。ロッド・スチュワートをカッコ良いなんて思ってはいけないって思ってたけど、カッコ良いんだもん(笑)。歌そのものもあるんだけどさ、歌の途中に「ハハッ!」とかさり気なく笑い声があったり余裕が出てくるんだよな。そういうゆとりを持ちながら軽くこんな歌、歌っちゃえるんだぜ、っていうかさ。感情移入しなくたってバラードでリスナーを泣かせられるぜ、みたいな天性の才能を生かした人。全く恐ろしいほどにロックなアルバムで生々しい感情があふれているアルバム。やっぱねぇ、天下一品の一級品です、ロッド・スチュワートは。もちろんこの頃のバックバンドとして位置付けられていたフェイセスのプレイもヘタウマとかじゃなくて、最高にカッコ良いロックバンドのプレイと音。今からでも遅くない、ロッド・スチュワートの初期アルバムは絶対に取り組んだ方が良い。



Baker Gurvitz Army - Hearts On Fire

Baker Gurvitz Army - Hearts On Fire (1976)
Hearts On Fire Baker Gurvitz Army
Live In Derby '75 - Baker Gurvitz Army Live In Derby '75 Rock Masters: The Gambler - The Baker Gurvitz Army Rock Masters: The Gambler

 ここのトコロ世の中情報を見ているとどうにも解せない不思議な事が多くまかり通っていることがあって、日本は一体どうしてしまったんだ?と自力ではどうしようもないことに対して懸念してしまうのだった。これまでもスジの通らないモノはいくらでもあったしこれからもあるだろうけど、そういうモノを是正する機能が存在しないってのはこの国の弱点なんじゃないだろうか?なんて大げさに考えたり。まぁ、日常生活ってのがあって、ルールがあって、その中で生きるワケだから納得感はある程度欲しいと思うんだわさ。そんな行き場のない不満を募らせながら、結局裏切らないのはロックだけじゃないか、なんて無理矢理に話を戻して(笑)、ここのトコロのソウルフルなボーカリスト関連で行けばもっとも無名であろう、Mr.Snipsに再登場願おうじゃないか。

 1976年にリリースされたこれもまた、知る人ぞ知るバンドになっているとは思うのだがそれなりにメジャー路線ではありますよ、ジンジャー・ベイカーをドラムに据えたガーヴィッツ兄弟のバンド、Baker Gurvitz Armyの三枚目の作品「Hearts On Fire」です。ファーストの「Baker Gurvitz Army」ではハードロック的路線だったんだけどSnipsが入ったセカンド「Elysian Encounter」からはどうしてもボーカルの個性が出てきてしまってソウルフル的な傾向になってきてて、この三枚目「Hearts On Fire」では後のエイドリアン・ガーヴィッツのAOR路線に通じるハードロックからソウルフル、AOR路線へと繋がる実は歴史的に見ればミッシングリンクを繋ぐアルバムとも言える立ち位置のサウンドを作っている…、なんていうと大分大げさなんだけどね、不思議なバランスの上に成り立っているアルバムってのは事実。このメンツでなんでAOR的な方向?みたいな感じの音でさ、ゲストで鍵盤が入っているものの、基本はトリオのロッカー達が奏でているのに、この爽やかさとグリグリしたグルーブって何だ?みたいな。

 最初はさ、ギターリフもそれなりで、なかなかカッチョ良いじゃないか、と思うのだが歌が入るとそりゃさ、ロックを歌わせればかなりソウルフルな歌なんだが、バックがちょいとソウルフルになると途端にAOR的なシンガーになっちゃうという微妙なボーカリストだったんだな…なんてのはわかっちゃう感じ。言い方変えれば変幻自在にMr.Snipsの才能を引き出したアルバムとも言えるのか。ま、ただ、ロックファン的にはあまり求めていない方向性ではあるワケで、自分にはどう聴いても面白味に欠ける。B級なロックバンドとしての面白味もあまりないし、サウンドの方向性が苦手な方向に向いているからなんだが、さすがに好きなガーヴィッツ兄弟にジンジャー・ベイカーでもこれはダメだ、って思うな。そのせいか、これにてBaker Gurvitz Armyは活動を停止してしまうんだが。ま、そんなアルバムだ。



Sharks - Jab It in Yore Eye

Sharks - Jab It in Yore Eye (1974)
Jab It in Yore Eye First Water

 まだまだ取りこぼしている情報なんてのは山のようにあって、まぁ、全部の情報を持っていたからと言ってさほど意味はないんだけど、そんな情報に出会う度に軽く驚きを覚えるのが面白い。自分はまだ全然ロック好きで知りたがり〜なんだな、って思うが(笑)。いや、ロジャー・チャップマンからポール・ロジャースって来て、やっぱロッド・スチュワートか?って思ったけどちょいとメジャーすぎるので誰か…って気になったのが一人。知名度がむちゃくちゃ落ちるSnips。ホラ、知らんでしょ?まぁ、そこまで横に並び称されるほどの力量があるかっつうとそういうんでもないだろうからしょうがないけど、傾向値が似ているってことで挙げておきます。その昔はBaker Gurvitz Armyのセカンド「Elysian Encounter」と三枚目「Hearts On Fire」に参加していて実力派証明済み、その前にはアンディ・フレイザーとクリス・スペディングが組んだSharksっつうバンドに参加してその歌声を披露してくれているので、割と聴く機会というか聴ける機会はあるハズなんだが、Snipsを話題に取り上げている記事やブログなんて見たことがない(笑)。ま、自分は聴いてて響くのがあるから取り上げてますけどね♪

 Sharksのセカンドアルバム「 Jab It in Yore Eye」では最早アンディ・フレイザーは脱退していて、クリス・スペディングと残された面々が頑張ってるバンド、ってことで流れ者のクリス・スペディングとしては珍しくバンドに専念しているという姿。それはアンディ・フレイザーからの影響が大きかったようだが、英国B級バンドとしてSharksを聴いてみると洗練され過ぎているのはやはりメジャー級の才能があったからだろうか。セカンドアルバム「 Jab It in Yore Eye」は正直、世間的には何がしたいバンドで何のためにリリースしたアルバムなのか?っつうくらいに中途半端な印象なんだが、その実英国好きには聴き応えのある内容になってる、気がする。クリス・スペディングのギターもブルース調中心で、何よりもそこをSnipsの歌声がちょいとしゃがれすぎではあるけど熱唱してくれていて熱い。それこそロック。こういう歌い手が好きなんだろうな、自分は(笑)。

 「 Jab It in Yore Eye」のジャケットは先日Lady Ga Gaがパクッたメイクの元祖(笑)とも言える瞼に目を描いたもので、ヘンだから目立つ。そして本人たちの本当の顔がわからないというマイナス面もあって、クリス・スペディングって有名な割に顔が無名なんだよな。Snipsなんて自分は全然顔が浮かばん(笑)。音は…、スワンプ的でもあるけどやっぱブルース基本のSnipsの濃い歌声中心にミドルテンポでどっしりとした音作りになってる垢抜けない作品だね。ちなみに本名はSteve Parsonsってことで、ソロアルバム出してやや売れたこともあるとか?まだまだ知らないこと多すぎる…。





Bad Company -Desolation Angels

Bad Company -Desolation Angels (1976)
Desolation Angels Burnin Sky
Desolation Angels - バッド カンパニー Desolation Angels Burnin' Sky - バッド カンパニー Burnin' Sky

 英国きってのボーカリストと言えばロジャー・チャップマンもいるが、ロッド・スチュワートやポール・ロジャースなんてのは必ず名が挙がるが、その所業の悪さからロッド・スチュワートってのはどうしても外される運命にあって(笑)、ポール・ロジャースに票が集まるのが昔のロック評だ。今の時代は知らんからロッド・スチュワートを入れるのかもしれないし、ロバート・プラントも入るのかもしれない。まぁ、それぞれ個性があるから何を基準にってのも明確でないこの英国切ってのボーカリストというのも意味が無いんだが(笑)。もしロジャー・チャップマンがポール・ロジャース並みにメジャーで恵まれた才能に出会ってシーンにいたとしたらその立ち位置はかなり変わったものになっただろうが、ま、そうは行かないのも現実でして…。一方のポール・ロジャースはフリー時代を下積みにしながら、それでも大ヒットとアルバムを何枚もリリースして評判を上げてから、さっそうと新たなるスーパーバンドのバッド・カンパニーで世界進出を測りこちらもまたまた大成功。才能は世界に広がるものだ。

 1976年にリリースされたバッド・カンパニー5枚目のある意味アメリカ制覇全盛期の作品ともなった「Desolation Angels」。ジャケットも爽やかなイメージを施したヒプノシスの絶妙のセンスで、シンプルにカッコ良いし、アメリカ受けしそうな色合い。そしてアルバム冒頭から快活に始まる「Rock'n Roll Fantasy」がこれまたカッコ良い。その後に続く楽曲だってもう完全に垢抜けたアメリカを狙ったソリッドなサウンドでそりゃ受けるよ、というような音で、久しぶりに「Desolation Angels」を聴いたけど心地良いもんな。でも、アメリカンロックじゃないってところのバランスが良いんだろうな。自分流に言えば聴ける範疇内にある音なんです。これが純粋アメリカ人のバンドになるともっとあっけらかんとして抜けすぎてしまってまるで受け付けない音になるという微妙なライン。それでもバッド・カンパニーというバンドの音が物凄く好きかってぇとやっぱそんなことはないな(笑)。ただ、やっぱポール・ロジャースの歌声は凄いです。もちろんミック・ラルフスのギタープレイも洗練されまくってて、時代を進んでいこうとしているギターってのかな、その中でもちょっと無理してるのかな…なんて余計な憶測をしてしまうけど…、いや、でも良いアルバムです。非の打ち所がないくらいに完璧かも。

 残念なことに自分としては「Desolation Angels」を聴いた時はカッコ良い〜ってなるんだけど、アルバム一枚その持続力が持たない(笑)。途中でもういいか、ってなっちゃうのはアメリカン傾向に近いからだが…。そこを何とか助けてくれるのがメリハリの付いたトーンを利かせたミック・ラルフスのギターなんだけどね。いや、技量で言えばポール・ロジャースの歌声も、なんだけど、どこかハマり切れない。世間的にはかなりブレイクした一枚のようだが後追い世代にはあまりにも…って感のあるアルバムかも。




Family - Its Only a Movie

Family - Its Only a Movie (1973)
Its Only a Movie Bandstand
It's Only a Movie - Family It's Only a Movie Bandstand - Family Bandstand

 インターネットってのが一般に普及してきて皆が簡単にHPをアップできるようになったのもそう昔の話じゃないんだが、その頃はまだまだ色々な意味で創世期だったから何でもありで、ひとつの方向性なんてなかったし、ロックの世界でも同じでHPひとつ取ってもオフィシャルサイトなんてそんなになかったし、CD屋のネット通販だって全然無かった頃。そういう時代にHPを賑わせていたのはファンによる手作りのアーティスト評HPだったりして、その人その人の情感や思い入れ、青春なんかと一緒にアルバム評なんてのも入れられていることが多くて、来日公演の感想とかさ、面白かったんだよな。ところが最近アーティストのディスコグラフィーとか探そうとしてもほとんどそういうサイトが出てこない。オフィシャルサイトとCD屋のサイトばかり。なんで自分がファンサイトを好むかってのは簡単で、このアーティストだとどのアルバムを好きな人が多いんだろう?とか好評価なアルバムって何だろ?とか多数あるアルバム群の中でそのアルバムの位置付けみたいなのが知りたいんだよね。オフィシャルサイトでそんなの出てくる訳ないし、CD屋のサイトでもレビューでもそのアルバムの評判はわかるけどアーティストを通してのアルバム評の順位みたいなのはわからん。なんか、結局そういう生々しい声が見えなくなってるんだよね。FacebookだろうがTwitterだろうがGoogleだろうがこういう普通の事を知る機会が減ってるのは何故?情報が速さだけになってしまって濃い情報の重要性が軽くなってる。ブログだと纏めて書いてれば別だけど、大体単発で記事を書き上げられている場合が多いからアルバム全部を並べてどうの、っていうのはあまり見当たらない。自分も含めてアルバム一枚とか数枚を並べてあれこれってのは多いが。やっぱそこはHPなんだよな。んで、HPの割合がそれほど増えてないんだらそりゃみたいサイトもないわな。寧ろ時間も経ってるからアドレス変わったり皆HPなんて…って辞めちゃってるからどんどん減ってく。結局続けるってのが一番難しいからさ。

 ってな前置きは今回のFamilyってバンドを書くのに思った次第。ファンサイトで一覧にしてるのって簡単に出てこなかったからさ。しかも今回取り上げたのはジム・クリーガン参加の「Its Only a Movie」だったんで評価が割と二分されている…ってか低いアルバムでさ、ただ、自分が聴いた時はそんなに評価が下がるようなアルバムじゃなくて、逆にこんな音やってるのか、と驚いたくらいなのだが、その辺をね、好きな人が相対的に書いていてくれるところってないかな〜って。まぁ、だからと言ってブログの中味が変わる訳じゃないんだけど(笑)、どうしても「Music in a Doll's House」とかジョン・ウェットン参加の「Bandstand」なんてのがスポットを浴びていることが多いけど、何と言うのか、この1973年にリリースされたジョン・ウェットンも脱退して、素直にロジャー・チャップマンとチャーリー・ホイットニーが頑張ってくれてる感じで、7枚目のアルバムともなると往年の作品を意識してと言うよりも時代に合わせてFamilyができることってのをやってる感じで、かなりスワンプ的なサウンド。ただ、まぁ、あのロジャー・チャップマンの歌声なのでそこはもう泥臭くしつこくなるんだけどさ(笑)。鍵盤にはトニー・アシュトン、ってもピアノ中心で音に色を添えている範疇で音楽性への影響は大きくない。そしてギタリストだったジム・クリーガンが本作ではベースを弾いているという贅沢さ。あんだけのギター弾くのにこだわりはなかったんかな?とも思うけど、ベーシスト。当たり障りがないところで弾いているとでも言えるか。

 作品的にはホント、書き切れないくらいに英国的、と言うかカテゴライズできない独特な音。Familyの音ってんでもなくってこの時代特有のアルバム単位での独自性が発揮されているとでも言うべきかな、それにしてはメンツが一流なので仕上がりも濃いし、多分狙った世界観をきちんと表現しているんだと思う。アメリカへの望郷は見られるけど、やってみれば物凄く英国的というギャップがね、面白い。ってなことでFamilyというバンドを語るには外されるくらいに下馬評だけど、作品レベルが低い訳じゃなくてカラーが異なるからという理由が大半のハズだ。アルバムそのものは聴き応えがある…けど、一般受けはしないな(笑)。



Blossom Toes - We Are Ever So Clean

Blossom Toes - We Are Ever So Clean (1967)

ウイ・アー・エヴァー・ソー・クリーン イフ・オンリー・フォー・ア・モーメント(紙ジャケット仕様)
We Are Ever So Clean - Blossom Toes We Are Ever So Clean If Only For A Moment - Blossom Toes If Only For A Moment

 60年代後期の英国ロックと言えばビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」に代表されるようなサイケデリックなサウンドがポップシーンを占めていて、個人的にはその辺りのサイケってあんまり得意じゃなくてさ、色々なバンドあるから結構聴いたんだけど、アプローチは確かに斬新でLSDでもキメてれば心地良いのかもしれないけど、今の時代とか日本でそんな風にトリップして聴くってこともないし、じゃぁ、このサイケデリック路線のバンドの音がわかるか?と言われると疑問でして…。まぁ、面白いとは思うけど何度も聴いてハマるってもんじゃなかった。

 んで、ジム・クリーガンが在籍していた…ってか世に出てきた時のバンドってのがこのBlossom Toesでして、アルバム二枚しかリリースしていないけど、英国ロック好きにはかなりニッチな人気があってCD化も早かった記憶がある。自分もその時に買ってるし。でさ、当時も今も聴いていると、やっぱり凄いポップ感の溢れるサイケデリックでカラフルで見事なもんだ、っつう感想。ジム・クリーガンがあんなブルースインタープレイのギターを弾くようには全然思えない…っつうか、そういう曲なんて一切無いんだからこの変貌が不思議だったんです。だからちょっと遡って引っ張りだして聴いてみたんだな。

 1967年にリリースされたBlossom Toesのファーストアルバム「ウイ・アー・エヴァー・ソー・クリーン」。冒頭からカラフルでキャッチーでこの時代にしかなかったサイケデリックで万華鏡のように何でもありの楽曲とコラージュのオンパレードで実に目まぐるしいので、好きな人には素晴らしく名盤だと思う。ビートルズと並べたって何ら遜色ない出来映えで、ストーンズの「サタニック・マジェスティーズ」よりは全然サイケデリックだろう。この手のバンドは他にもTomorrowとかRainbow FfollyとかOrange Bicycleとか…あぁ、結構聴いたなぁ(笑)。そんな感じだ。シラフでもトリップする音だなぁ…。



Stud - Stud

Stud - Stud (1971)
Stud セプテンバー(紙ジャケット仕様)

 ちょいと寄り道して(笑)…、ロリー・ギャラガーがソロ活動する前に組んでいたバンドがテイストというバンドで、「ワイト島のテイスト」なんてのが一番有名だったり熱いライブだったりするんだが、その後解散してソロへ進むロリー・ギャラガー。そして英国ロック系の面白いのはこのテイストのリズム隊が次に組んだバンド、とかもきちんと残されていたりして、また、組む面々も同時代のバンドのメンバーだったりして奥深い交流の輪が見えてきたりする深い森の世界に突入するのだが、これがまたですね、ジム・クリーガンという知る人ぞ知る…と言うか、相当後にメジャーになる活動をする人なんだがご存知?んな人少ないだろうな(笑)。ロッド・スチュワートとかさ…、ま、そうか、って?

 そんなミュージシャンの中から愛されるミュージシャンのジム・クリーガンがテイストのリズム隊と組んで世に出てきたバンドがこのStudというバンド。えっと、ジム・クリーガンって人はギターと歌な人で、元々Blossom Toesというバンドのメインシンガーな人です。でも、自分の中ではこのジム・クリーガンのBlossom Toesってサイケバンドというイメージしかないので、どうにもブルース魂溢れるテイストのリズム隊と一緒にやるってのはイメージ付かなかったんだよな。でも、モノの本を見れば名盤とまで書かれていたりして、どんなんだろ?って思ってた。ただ、今と違って早々簡単に手に入るようなシロモノじゃなかったから探しても探しても見つからなくて、セカンドの「セプテンバー」は6千円くらいでアナログ見つけたことあるけどその時買えなくて、結局ファーストの「Stud」はまるで見つからなかった。なのでCD時代になってからようやく聴けたのです。

 「馬ジャケに間違いなし」という格言通り、70年代ロックを語るには実に名盤…っつうか70年代の象徴でもあるかのような音で、トリオ演奏のハードなプレイが聴けます。なんであのサイケデリックバンドのギタリストがこんなハードなロックができるんだ?と思いながらもリズム隊のこなれたプレイとともにグイグイと引っ張っていくプレイが堪らない。ジム・クリーガンはやはり只者ではないってのが一発でわかるクリームタイプのサウンドで、テイストリズム隊からしたらロリー・ギャラガーの代りに弾いてくれている人、ってなモンだろうか。ただインタープレイの中で恐ろしくサイケデリックになる曲とかもあって、その辺はやはりBlossomToesの流れかな〜なんてのもあって面白い。ブルースとサイケの合流点だけど70年代に突入だからブルースロックに入っている音で、相当カッコ良い。6曲入りでそれぞれの曲が長いインタープレイ中心ってのもこの辺が好きな人間を擽るものだ。

 ゲストっつうか次のアルバムでのメンバーとなるバイオリニストのジョン・ヴェイダーも参加しているようで、目立たないけど味を添えているのもStudの魅力。こういうバンドがなかなか長続きしないんだよなぁ、この時代。凄く好みな音に驚いたもんな。CDリリースあって良かった〜って。





Rory Gallagher - Irish Tour '74

Rory Gallagher - Irish Tour '74 (2000)
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 やっぱ70年代英国のブルース・ロックは自分にとっての魔物だ。どこかで誰かの何かを聴いてもすぐに反応してしまうし、ブログでその辺りの流れが出てこようものなら毎回じっくりと聴いてしまって、しかも一枚二枚じゃ飽き足らないから周辺も含めて結構疲れ切るまで聴いている感じなんだよね。んで、それが段々とヘヴィでドライブしているものになっていくのが常で、たっぷりとブルース・ロックに浸りたい時がよくある…ってか浸ってる(笑)。これほどシンプルなのに何でまた毎回毎回ハマるんかねぇ…。やっぱ魂が熱いからだろうなぁ。それがそのままギターとか歌とかバンドの音に出てくるから響いてしまうんだな。今回は改めてそんなことを思った自分からしてみたらとんでもなく貴重且つ驚きの映像だったコレ。

 Rory Gallagherの1974年のライブ映像DVD「アイリッシュ・ツアー1974」。2000年にリリースされてて見たのはその時よりももうちょっと後なんだけど、とにかくぶっ飛んだ。想像通りのライブの様子だったと言えばそうだし、想像よりも白熱していたと言えばそうだ。何よりもこんだけ全盛期のライブの姿がこれほどまで鮮明に見れることに感動した。自分にロックを教えてくれた先輩がまだ生きてたらコレ見て涙流しただろうなぁ…、ロリー・ギャラガーもその先輩に教えてもらったんだけど、多分動いてる姿なんてビデオでも見たことなかっただろうしなぁ…。見てくれよこのライブ。やっぱり年は取っても長生きしている方が楽しいことはあるさ。辛いこともあるだろうが、楽しいこともあるんだ。こうやって幻の映像なんかも見れるんだ。

 話が逸れたが、まぁ、見ろよ。損しないから。

 これ見て、聴いて響かなかったらロック好きとか辞めたほうが良いわ。いかにワガママにギターを弾くのが楽しいかってことがよくわかるから(笑)…、いや、そうじゃなくて…、ロックにひたむきな時代のスタイルってこういうもんだよ。バンドってこういうもんだよ。プログレバンドみたいに全てを決めて演奏を完璧に行うというミュージシャンとして当たり前の完璧さもあるけどさ、それよりもロックの魂ってのはこういうインプロだったりバンドメンバーとのアイコンタクトや音での会話ができることが楽しいんだよ。その楽しさやハマり具合がバンドマジックってヤツで、そのマジックがステージ上から客席に伝染して、そのパワーがCDやDVDなんかでも伝わってきて…。最高のDVDのひとつだよ。ロリー・ギャラガーがオフステージでテレキャス引っ張りだしてきてスライドをサラリと弾いてみせるとかさ、ステージの音でもとにかくバンド編成がシンプルなのと音響が無茶苦茶良いワケじゃないから生々しくアンプからの音が記録されているっつうか、そういう加工されていない音の感触でね、ストラトだから余計に肌触りが伝わってくるし、そういう音も含めて見事な映像で、こんなのもっと前に出しておくべきアイテムだろ、と言いたくなる。そしたらもっともっとロリー・ギャラガーって人は人気も出ていたし知名度も上がっていたし成功していたハズだ。まぁ、そうじゃなくてもマニア的な世界では人気があるけどさ、もっとね、うん。そしたら自分は多分レスポール派じゃなくてストラト派だったかもしれん…そう思うくらいストラトの音のインパクトが衝撃的。やっぱさ、映像って重要だよ。そして多分他の人があまり思わないことだと予測しているんだけど、ギター弾いている時にあんな風に笑って弾ける人って珍しいと思うんです。あんなに笑顔でギター弾く人ってヴァン・ヘイレンくらいしか思い付かないもん。ホントにギターと愛し合ってるな〜みたいな表情でギター弾くんだよ。

 それとさ、バックのメンバーも完全に世界に入り切って演奏しているからインプロとかもの凄い迫力でさ。それでいて普段の楽曲はそれはそれはエモーショナルにプレイしていて、どの曲もグルーブが凄い。ユラユラとガンガンと、恍惚と音と映像を楽しめる。それはスタジオ・アルバムの比ではないくらい魂のギタープレイだったりバンドプレイだったりする。

 これがロックだよ。

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全編見れます♪

Free - Free At Last

Free - Free At Last (1972)
フリー・アット・ラスト+6(紙ジャケット仕様) ハートブレイカー+6(紙ジャケット仕様)
Free at Last (Remastered) - Free Free at Last (Remastered) Heartbreaker (Remastered with 6 Bonus Tracks) - Free Heartbreaker (Remastered)

 英国ブルース・ロックバンド…、そりゃもうたくさんあるけどグイグイとグルーブをウネラせてくれるバンドってのはそうそう多くはない。そういう意味ではどれもこれもブルースらしい形態でロックしてくれているバンドが多いのだが、中でも突然変異的なバンドはいくつかあるし、純粋なるブルース・ロックからはかけ離れていくバンドも実験精神旺盛な70年代には多かった。ところが純粋にブルース・ロックだけをやり続けていたバンドもあったのだ。しかもそれが思い切り誰にも真似出来ない独特のタイム感とグルーブ感で一世を風靡しているバンドなのだな。日本では2度の来日公演があったが故に伝説的なまでに信者の多いバンドのひとつでもあるフリー。世界的に見ればそんなにカリスマ的人気を誇るバンドでもないようだが、こと日本に於いてはカリスマだったようだ。短命に終わっているのもその要因だろうけど、フリーと日本は仕事でもプライベートでも結構な接点があったワケだし、山内テツというベーシストの加入もひとつの要素だろう。自分の中でもフリーってのはもう10代の頃からず〜っと聴いているバンドだし、今でも飽きないし深みがあるバンド。聴く度に発見も刺激も受ける音だし、それはもうグルーブだったりピアノの美しさだったり、もちろんコソフのギターだし、ポール・ロジャースの歌声だったりするのだが、このメンバーじゃなきゃ出来なかったグルーブ感が一番かな。

 1972年のフリーとしての最終スタジオ録音アルバムとなった「フリー・アット・ラスト」。昔は一番聴かないアルバムのひとつだったな。どうしても「ハイウェイ」あたりまでの作品ばかり聴いていて、「ハートブレイカー」と「フリー・アット・ラスト」は聴いた回数が他のアルバムと比べたら多分1/10くらいなんじゃないだろうか。いつしか普通に聴くようにはなったけど、それでもまだまだ1972年のフリーの「フリー・アット・ラスト」というアルバムを聴いたとは言えないくらいの回数かもなぁ。まぁ、3桁行ってないくらいではあるとは思うが(笑)。いや、わからん…。

 アルバムの背景にあるバンドのゴタゴタやメンバー間の揉め事、そして若すぎたメンバー故の衝突や人間関係、未熟な精神状態の若者の集まりという天才肌が故に起きる揉め事はアチコチで語られているので知られている事実として、ドタバタに関わらずにアルバム「フリー・アット・ラスト」を純粋に聴くようにしてみよう。

 冒頭から…、名盤だろ、これ。このギターと歌でハートに来なかったらもう聴かなくて良いんじゃない?んで、オリジナルアルバム時代の最後は「Goodbye」というそのままのタイトルの曲。これで解散だからね。そういえばフリーって解散という言葉よりも空中分解という言葉が使われる方が多いな。

 えっと…、何だ、まぁ…、聴けよ。どんだけボリューム上げてもうるさくないからさ。「Travellin' Man」とかもちっとながければ…、コソフのギターをもうちょっと聞かせてくれよ、とかそんなのばっかなのがもうもどかしいんだけど、その物足りなさ加減もフリーらしいんだろう。いや、そうだ。正直に今なら言えるが、「フリー・アット・ラスト」に捨て曲は一切ない。捨て曲だと思うのがあればそれは聴く側の問題だ、とまで言い切れる。ボーナストラックとか嬉しいけど、なしで一旦聴いて欲しいよな。その時間の短さと「Goodbye」で終わるフリーの歴史、そしてコソフのギター。説明抜きにこれが英国のブルース・ロックってヤツだ。



Ten Years After - Stonedhenge

Ten Years After - Stonedhenge (1969)
Stonedhenge Undead
Stonedhenge - Ten Years After Stonedhenge Undead - Ten Years After Undead

 そういえば、なんで「これから聴くフォルダー」の中にTen Years Afterが入っていたのかようやく思い出した。スレイドの記事を書いている時にスレイドがTen Years Afterのカバーをしてて珍しいな〜ってことでオリジナルを聴いてみたくて聴いたんだった。それでまだウチのブログで書かれてないアルバムを探してて「これから聴くフォルダー」に入れてあったんだ。普通に考えればスレイドとテン・イヤーズ・アフターってつながらないから、なんとなく不思議だったんだ・それでせっかくここにテン・イヤーズ・アフターがあるから何か繋げていきたいな〜と思ってハンブル・パイを入れていったんだけど、そんなことしなくても普通にスレイドからテン・イヤーズ・アフターにつながったのか(笑)。なかなか覚え切れないロックの系譜だ。このブログってたまにパタンと切り替わるけど概ねロックの系譜やファミリトゥリーだったり関連性のある人で繋がっていたり、同系統だったり何かしらの接点から次の記事に繋がるようにしているんだよね。特に英国ロックの奥深さってこれだけあるんだ〜みたいなのを自分で知りたいからっていうだけなんだけど、まぁ、そこまで気にしてブログを読んでる人も多くはないだろうからその場その場で楽しんでくれれば良いんだけどね。ちょっとだけこだわってみたりしてました♪

 てなことでテン・イヤーズ・アフターの三枚目のアルバム「Stonedhenge」はロック動乱の年、1969年にリリースされた爆発前夜のアルバムでもある渋い作品、とでも云うべきか。ファーストはまぁ、それなりの英国ロック路線だったけどセカンド「Undead」で一気にジャズ路線を強化してフリーインプロビゼーションの魅力をたっぷりと放ち、ウッドストックでの功績もあって自信を付けた三枚目という位置付けの「Stonedhenge」は、驚くことにジャズやブルース路線のバンドではなくサイケ路線とジャズの融合のようなサウンドで、各楽器それぞれが自己主張するパートを持ったアルバムとも言えるか。アルヴィン・リーって才能ある作曲家ではなくて才能あるミュージシャンだったから曲の良さとかは期待してはいけない。演奏の面白さとか応酬が面白いバンドなのだ。まぁ、個性的な発想での曲も多いんだけど、ギターと連動するんだよね、この人の曲は。だからあまり練られていないのが多い…と言っては失礼だが、自分はこういう才能の方が好きです。一本調子でできることをひたすらやり続ける、みたいな感じでさ、更にその煽りをバンドメンバーも受けていて皆が皆一心不乱に演奏する姿の狂気さ加減は映画「ウッドストック」でも証明済みだろう(笑)。

 しかし「Stonedhenge」って昔聴いた時には凄い名盤!と思ってよく聴いてたけど、今聴くと何でそんなにハマったんだろ?って思うくらいのアルバムだな(笑)。いや、悪い意味じゃなくて、これくらいなら自分でも出来るんじゃない?とか思っちゃうんだよ。もちろん自分で出来るわけじゃないですが、言い方としてはですね、多分若い頃にこのアルバムやテン・イヤーズ・アフターってのが好きだったから結構コピーとかしてスタイルとしてのエッセンスを吸収していたワケですね。んで、そんな吸収力の成果か、こういうスタイルの音は自分のバンドもギターも十八番になっちゃって、見事に血肉になってしまったんです。だから今聴くと、自分でも出来るんじゃね?って思えるワケで、意外性は特になくて素直にこうだよな、自分でもそうだもん、みたいに聞けるからかな。大上段に言えば自分にはもうテン・イヤーズ・アフターは吸収済みってことか。

 なんて偉そうに聴いてたら、やっぱりとんでもなく面白くてやりたい音をそのまま出してくれているアルバムでさ、聴き入っちゃったよ(笑)。やっぱり時代性とテクニックとバンドが違う。熱くなるねぇ〜、こういうのは。あ、曲が、じゃなくて演奏が、です。ま、自分にはこういう雰囲気は出せるけどこういうプレイは出来ないからさ。一般的には以降のアルバム「Ssssh」とか「Cricklewood Green」の方が評判良いけど、自分は結構「Stonedhenge」が好きだな。

Live At The Fillmore East
Live At The Fillmore East
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Ten Years After
Capitol (2001-06-08)
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Humble Pie - Eat It

Humble Pie - Eat It (1973)
イート・イット Smokin
Live '73 - Humble Pie Live '73 Humble Pie Selected Hits - Humble Pie Selected Hits

 ダミ声での縦ノリ、そしてコミカルで本物嗜好、そんなバンドが70年代前半の英国にはいくつも現れてきて、今でも語られるほどのバンドも数多い。その中でも60年代から活躍して今でも白人ソウルシンガーとしての異名を持つスティーブ・マリオット。まぁ、スティブ・ウィンウッドも似たような異名を持つのだが、贔屓目に見てもこの二人くらいしかソウル声を持つ英国人ってのはいないんじゃないかと。女性だと最近でも結構出てきているけどさ…、いや、アデルとかジョス・ストーンとかエイミー・ワインハウスとかもだし…。男性ではなかなか出てきてない、と思う。ダミ声か…と思って手の取ったのがHumble Pieで、しかも1973年の名盤と言われる「イート・イット」。アナログ時代には2枚組で、それぞれの面に音楽的特性を持たせた集大成とも言える作品で、明らかにハンブル・パイの何枚かある傑作のウチの一枚だ。

 「イート・イット」。

 冒頭からして思いきりハードロック…そしてソウルハードロック。ブラックベリーズのコーラスが気持ち良くそこかしこに入ってきて、これまでのウチで聴いたことのないヘヴィーなロックともソウルとも言えないサウンドを聴くことが出来る。それはアルバム「イート・イット」全体に波及していて、スティーブ・マリオットがロックから始まってソウルに傾倒している、そして独特の歌声を持ってして出てくるロックな魂をソウルな心を借りて出てくるサウンド、こんなの聴いてノックアウトされなきゃそりゃヘンでしょ。カテゴリとかジャンルとかはどうでも良くて、とにかくハートに来る一枚。多分テクニカルな面とか歌とかコーラスとか色々と修飾する言葉はあったりするんだろうけど、聴いてみてとにかく心が揺れる。そうか、そう来たか…、ダメだ…、かっこいい〜〜〜♪って。

 クレム・クレムソンって良いギター弾くしねぇ…、Bakerlooでの若者ギタリストは伊達ではなかった(笑)。もちっと重いギターでも良かったんだけど、ま、スティーブ・マリオットもレスポールだったししょうがないか。こんだけの傑作をリリースしながら次作「サンダーボックス」ではかなり失速した感じになってるのは何故?前作「Smokin」は名作の域なのに、この路線は当時メンバーには理解されなかったのかな。それで売れてしまったからメンバーがスティーブ・マリオットに従う形になっちゃったのかもしれない。その先見の明は間違っていなかったんだが、天才と凡人が一緒になるとままあるお話、か。いや、勝手な解釈でして…、実は昔はハンブル・パイの凄さとか面白さってわかんなかったんです。黒い系のがダメだったし、バックコーラス入るなんて問題外、みたいなのあったしさ、だからあんまりロックの知識的にハンブル・パイって詳しくない。ただ、色々紐解くとアチコチで出てくるし、そりゃそのウチ聴くようにもなるし段々ハマってくる、そんなバンドでしたね、自分にとっては。

 今じゃ普通に全部CDあって普通に聴いてるっつうバンドだ(笑)。中でも「イート・イット」はバリエーションに富んでて勢いもあってソウルフルな歌が最高で楽しい一枚。う〜ん、コレ聴いてるとソウルも良いかもな〜とか思っちゃうもんな。まだまだ未知の世界ですからね♪





Geordie - Hope You Like It

Geordie - Hope You Like It (1973)
Hope You Like It Hope You Like It
Hope You Like It - Geordie Hope You Like It The Greatest Hits Vol. 2 - Geordie The Greatest Hits Vol. 2

 ちょいと小洒落たグラム・ロック方面に進みがちだが気分はそっちじゃないので、またまたダミ声のロックに戻してみる(笑)。クワライやスレイド、スイートなどなどと来た時に直系としてAC/DCも挙がってくるんだけど、その元祖として忘れてならないのがジョーディーというバンド。まぁ、AC/DC好きな人は知ってるだろうけど、現在のAC/DCのボーカルであるブライアン・ジョンソンが70年代にやってたバンドで、それなりにヒット曲を持ってたりするので、知名度はあったハズなんだよね。それがまぁ、1980年になってAC/DCに加入するという経緯で、見事なボーカル交代劇をプラス思考へと持っていった好例なんだが、ジョーディーの方もAC/DC好きなら多分大丈夫な音です。

 1973年にリリースされたファーストアルバム「Hope You Like It」に針を落とすと、何ともご機嫌なR&Rが飛び出してくるし、ちょいと若々しいブライアン・ジョンソンの歌声が響いてくる。これは特徴的な声だよな。でも、AC/DCでの歌声ほど強烈じゃないから、まだ若いってことだ。バンドの方の音は、かなり独特のR&Rで、スレイドが近いのかな…、グイグイとグルーブするロックだけどちょっと不器用な感じもあって男のファンが多かったんだろうと勝手に想像しているのだが、男臭いバンドの音。AC/DCだよ、と言っても通じちゃうかもしれないね、これ(笑)。そんなサウンドです。

 ブライアン・ジョンソン在籍時のバンドとしては4枚のアルバムをリリースしているので、一度聴いてみると面白いんじゃない?AC/DCの歌ってのは一夜にして出来たんじゃないってことがよくわかるし、そもそもこういう音自体、AC/DCがオリジナルってワケでもないってことがよくわかるのがB級ロックを聴いていると面白いところで、何かしらの布石はあるものだ。英国のグラム・ロックってのはホントに様々な方向性を持ったバンドをポップ化して世に出してくれたもので、今でもジョーディーはグラム・ロックの扱いになっているのが不思議(笑)。



Be Bop Deluxe - Axe Victim

Be Bop Deluxe - Axe Victim (1974)
Axe Victim Modern Music
Axe Victim - Be Bop Deluxe Axe Victim Modern Music - Be Bop Deluxe Modern Music

 このヘンのロックって結構広いな…。深みはないけど広い感じ。普通は深みもあるんだけど、グラム・ロック周辺は期間が短いからその分広いだけで済んでるかもしれん。でも、結局それぞれのバンドを紐解いていくと当然キャリアを築いているんだから何枚ものアルバムリリースがあって、それぞれが音楽性を先に進めていて、やっぱり深くはなるんだけど、そこまで行き着くバンドが少なかったという感じかな。今回はなかなかレコードを手に入れられなかった…と言うかあったのかもしれないけど手に入れるほどの情熱を傾けなかった、見たら買おうとは思っていたけどなかなか見ることがなかったアルバム群のひとつでもあるビバップ・デラックスっつうバンド。こういうのニッチっつうのかな…、知ってる人は凄く好きでアルバム何枚も聴いてるハズなんだけど知らない人は知らないっつう。本ブログ、多分初登場なので時代に沿ってファースト・アルバムから書いてみようかな、なんて。

 1974年にリリースされた奇才ビル・ネルソンの本領発揮とばかりの「Axe Victim」。流れるようなギタープレイにどうしたって耳が向いてしまうのだが、リリース当時はグラム・ロックの一環として位置付けられて売られたようだ。自分もビバップ・デラックスというバンド名を知った時は何ともB級な印象のこのジャケットでグラム・ロック的なバンドの流れで知ったように思う。だからこそ聴くのが遅くなった、っつうか聴かなきゃ、っていう衝動がなかったのは事実だな(笑)。概ね買い漁った頃に見つけて聴いたのが最初だったんだけど、何か地味でさ、その頃英国B級なハードロックをガンガン聴いてたから…。

 気分一新で今の時代に聴き直している一枚なんだけどね、グラム・ロックとか関係ないし、普通にロックのアルバムとして耳にするんだが、オシャレな音してるなぁ、って印象。そんなに洗練されてる感はなかったけど今聞いてみれば1974年という時代のアルバムの音に知れは洗練されてる。それh多分ビル・ネルソンという人のセンスだったりクール感だったりする、後に英国ニューウェイブが出てくる時に明らかになったクールなサウンドを歪んだギターでも出しているという不思議。このクール感は何だろ?熱くなり過ぎないギタープレイ、これだけ弾いてるのに熱くなり切れないプレイ、ライブでは違うのかもしれないけどアルバムでその熱さはあまり感じられない。よくそういう音を知的なサウンドと称することがあるけど、そういうもんなのかな。あ、どっちかっつうとフュージョン的なギターの音色だからかもしれない。そして歌も歌っているんだけど、これもまた冷静…。そういうバンドなんで、多分時代的にはロキシー・ミュージック的な扱いになったんだろうというのは想像に難くない。

 曲そのものはポップでキャッチーで洗練されているから面白い深みがたくさん潜んでいる。リズムひとつ取っても結構ヒネたリズムを使っててさ、ノリが悪くなる音じゃないんであまり気づかないけどじっくり聴いてるとこんなリズムの取り方するの?っていう感じ。歌の抑揚がイマイチなのはしょうがないとして、バンド全体感としては割とまとまってて良いよね、っつうトコか。オススメはやっぱ「Adventures In A Yorkshire Landscape」「Adventures In A Yorkshire Landscape」「No Trains To Heaven」なトコだろうか?何か結構スルメ盤的に面白いよな、この人達。後々のアルバムにはロック本に出てくる名盤「炎の世界」とか「Modern Music」なんてのもあって忘れてはいけないバンドのひとつですね。





Gary Glitter - Glitter

Gary Glitter - Glitter (1973)
グリッター リメンバー・ミー・ディス・ウェイ
Glitter - Gary Glitter Glitter The Hey Song (The Greatest Hits) - Gary Glitter The Hey Song (The Greatest Hits)

 グラム・ロックか…ってのをふと思ってライブラリの捜索。全く耳にした記憶がないものが発掘されてくるのだな(笑)。とにかく昔聴いて何が楽しいのかさっぱりわからなくてそのまま放置されているものだったりするのだが、そういうのを今聴いて面白いと思う…こともあるしな。しかしグラム・ロックなんてのは所詮おもちゃみたいにカチャカチャと鳴ってる類いのものが多いので今聴くと余計に子供っぽく聞こえるのかもな、などと思いながら知名度だけはなんとなく他と比べてやや上かも?と思えるゲイリー・グリッターの登場です。多分本ブログ初の登場。

 1973年のデビューアルバム「グリッター」。一応この中にヒットチャートを賑わせた「Rock & Roll Part One、 Two」ともに入ってるんだけどね…、まぁ、聴く価値は皆無に等しい、と結論付けておこう(笑)。いや〜、ホント、いつ聴いたか覚えてないくらい新鮮な気持ちで「グリッター」に挑戦したんだよね。ところがさ、まぁ、楽しくて明るくて軽快なロックンロールとポップスの合いの子みたいにハデハデに歌ってるんだろうな〜という想像が出来てしまうアルバムではあるんですが、とにかく聞くべきトコロが何もない(笑)。当時に思い入れのある人は喜べるんだろうけど、後追いでコレをアルバムとして聴くとなるとかなりダメダメな世界で、そりゃ今時語られることは何もないわな。明らかにこの時のアイドルとして売れて名前だけで生涯食っていくみたいな生活をせざるを得ないんだろうと思ってしまう。

 冷静に…、まぁ、英国的に言えばロックをナメまくって軽やかにお茶の間に届けている姿と言えるかな。歪んだギターがうるさいとかロックはうるさいとかそういうのは全然なくて明るく楽しくみんなでキャッチーにコーラスを歌いながら楽しもうぜ、そんな雰囲気はばっちりと伝わってくる底抜けの明るさ。ここまで出来るのはなかなかないから、そんな意味では唯一無二かもしれない。多分その明るさと楽しみを伝道するのはゲイリー・グリッターだけだったと言う位置付けか。自分の好きなロックの世界にここまで体質が合わない世界があるとはあまり考えたくなかったが、ダメでした(笑)。



The Sweet - Off the Record

The Sweet - Off the Record (1977)
Off the Record Give Us a Wink
The Best of Sweet - Sweet The Best of Sweet Ballroom Blitz - The Anthology - Sweet Ballroom Blitz - The Anthology

 キッチュな楽曲と歌メロで当時のリスナーを惹き付けて止まなかったグラム・ロック勢と呼ばれた部類のバンド群。まぁ、まとめてグラム・ロックと呼ばれていたし、今でもそういう括りで語られる事も多いけど、その拾グラム・ロックって音楽的な意味でのカテゴライズじゃないから総じて音楽を語るには結構無理がある(笑)。ファッション的にギラギラでラメラメで派手なスタイルっつうグラマラスロックの意だからもちろんオンゲくとは無縁なワケだ。パンク・ロックっつうのも実はファッションが先にありきだったんだけど、まぁ、イメージが強烈だから音も攻撃性を持つものとして認知されているけど、やっぱりそこはレゲエやスカが入ってきたりしてやや強引な部分あるもんね。メッセージがパンクだから、とかアジテーションが、とか言ってひとつにまとめてるけど(笑)。グラム・ロックはもう無理だ、まとめるの。明らかに異なるスタイルだし、それぞれ皆が低迷しているのは共通項ではあるが。

 元々普通のビートバンドとしてスタートしていたThe Sweetは試行錯誤の上自身達の作詞作曲を行うスタイルで奮起して頑張って売れたという努力の賜物のバンド。そして売るためにはスタイルも人気のグラム・ロックにしていこうとファッション感覚からの入り方なワケで、明らかに音楽的背景の共通項は見当たらない。しかし実力がちゃんとあったんだろう、一旦ブレイクしてからはしばらく人気が続いていたのだから今でもそれなりにファンがいる、はず。それが多分1977年リリースの5作目のアルバム「Off the Record」まであたりかな、と。

 自分的にはThe Sweetって欲しい時に手に入らないバンドで、あってもベスト盤くらいって状況でこれもまた聴くタイミングを逸していたバンドのひとつ。ベスト盤買って聴いてたけど、どうにもポップでキャッチーでう〜ん、っつう感じ。アルバム単位での聞き込みは結構後になったなぁ…。どれもこれもアルバムジャケットで聴きたいと思わせるものが無くて…、センス良くないんだよな、ジャケット面は。そこ、もっと力入れておいてほしかった。てなことで、どちらかと言うとアメリカ盤のボロボロのジャケットをいつも見かけていて、惹かれなかったんだが、「Off the Record」も含めて中味はかなり進化していってるのは面白かった。最初にThe Sweetの「Off the Record」を耳にすると思うのは明らかにQueenなんだな。ギターもコーラスも曲構成も。何か「あれ?」ってくらいクイーンな音で、それにしては弾け具合がイマイチでやっぱりB級センスに甘んじる部分はあるんだが、かなり面白いと感じるのはある。特に「Off the Record」では時代も1977年だし、普通にやったってウケない時代だし、それなりに〜ってバンドの力量ないとしんどい頃だからさ。

 歌がアグレッシブで音がクイーン的でバンドの見た目はかなり軽薄…っつうか軽くてアルバムジャケットには何の捻りもないというままで出してきた「Off the Record」。キャッチーなメロディは健在で、音的にはややハードな側面や重さみたいなのがあるんだけど歌メロがポップだからそのアンバランスさ加減が面白い。明らかに英国B級の路線なんだけど売れた。見事。更に加えればThe Sweetの影響を受けたバンドの多いこと多いこと…。ハードロック系だけじゃなくてポップ嗜好なバンドにも好まれたしもちろんメタルバンドにも好まれた。そんだけキャッチーだったんだろうというのは「」でも明らかに出ていて、聴けば結構病みつきになる。自分?実はかなり好きな部類に入るバンドなんだよね。それでいて実験精神も旺盛だし、ヘンな中毒性はあります(笑)。





Slade - Slade Alive

Slade - Slade Alive (1972)
Slade Alive Slayed
Slade Alive! / Slade Alive, Vol. 2 - Slade Slade Alive! / Slade Alive, Vol. 2 Slayed? - Slade Slayed?

 クワイエット・ライオットのカバーによってシーンに返り咲くことのできた元祖のスレイド。まぁ、英国ロックをこれだけ聴いていても何とも掴みにくいバンドと言うか、アクの強さとかエグさで言えばAC/DCとかジョーディーみたいなもんだけど、音楽性があまりにも時代を跨いでいてコレっつう感じではないのが悩ましいのだ。スレイドらしさ、ってのは音楽ってよりもアクの強い歌とグルーブってところで、それはもう誰の曲をやっても自分たちの曲をやっても同じようにグイグイと引っ張られる歌で、バックもしつこい演奏になるっつうのがスレイドの得意技。そこにキャッチーなメロディを持ってきて売れたのが1971年頃のお話。その後の絶頂期を迎えるに当たってリリースされたアルバムが名盤「Slayed」。そして売れている間に、とばかりに時代が前後するけど超熱いライブだったってことでTop of The Popsでのライブ演奏を収録した「Slade Alive」。

 結局この時期のライブアルバムだから悪いはずもないし、ちょうど曲も前作「Slayed」と被らないし、ライブ演奏だしってことで新作として受け入れられて、スレイドは別の評価を得ることになったというアルバムでもあるな。自分は昔「Slayed」と「Slade Alive」くらいしか知らなくて、それ以外はベスト盤の「Sladest」でスレイドってバンドは終わってるんだ、という認識だったもん。その後に「」で復活してきたと思ってたしね。そんくらい情報不足の中でも「Slayed」と「Slade Alive」はインパクト絶大だったってことだ。ところが結構手に入らない時期だったんで、アルバムとして聞けたのはもっと後になってからで、もっとガキの頃に聴きたかったなぁ、こういうのは、と思った。

 さて、「Slade Alive」は先に書いたようにライブ番組そのままをアルバムにしたものに等しいんだが、冒頭からTen Years Afterのさほどメジャーでもない曲「Hear Me Calling」なんて曲で、一体あのアルヴィン・リーのフレーズとかスレイドが弾くんかい?とか色々とワクワクするんだけど、結局そんなプレイ面ではなくってあのアクの強い歌声とバンドのノリで持って行ってしまうというバンドのパワーの勝利。オリジナルだろうがカバーだろうが誰も気にしないだろうし、完全に自分たちのモノにしてしまってるところが見事。こうしてライブを聴いていると結局スレイドもブルースに根っ子を持ったバンドってのがわかるし、そこにちょっとした自分たちのグルーブを埋め込ませているという感じ。そして本作でもわかるようにR&Rが大好きで演奏しているってなモンだ。だから「Slade Alive」は聴いてて、同じ目線で音を楽しめるっつうかさ、R&Rっていいな、っていう雰囲気が伝わってきて自分も楽しめる、そんなアルバム。

 いつの間にか超拡大盤みたいなのがCDでリリースされていたのでびっくりしたけど、どうなんかな〜、単発の最初の「Slade Alive」が一番良い気がするけどな。

Slade Live: The Live Anthology
Slade
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Quiet Riot - Live at US Festival 1983

Quiet Riot - Live at US Festival 1983 (2012)
ライヴ・アット・USフェスティヴァル 1983(DVD付) Condition Critical
Quiet Riot: Greatest Hits - Quiet Riot Greatest Hits

 そういえば、随分前からアルバムジャケットと話題だけはアマゾン等で見かけていたクワイエット・ライオットの発掘モノがそろそろリリースされたかと思ってみれば、しっかりと出ていた。アルバムジャケットを見ると凄く迫力のあるあの顔面のクローズアップなのだが、USフェスの映像を見ると真っ赤な衣装で、随分とジャケットと違うなぁと思いつつ、まぁ、それはそれで楽しむかってことにしよう。そもそもUSフェスティバルってのは1983年5月に何の企画だかよくわかんないけど三日間にも渡って様々なバンドが登場してひたすらライブを繰り広げたという伝説のフェスティバルでもあって、二日目はメタルDay。まだまだメタルが出始めの頃だからその頃メタルらしきものをやっていたバンドは上手いとか下手とか関係なしにたくさん出演している。もちろんその様子はどっかしらのテレビ局が録画していて全部残っているみたいだが、永遠にこのリリースに首を縦に振らないのは間違いなくモトリー・クルーだろう。YouTubeで探してもらえばわかるが、恐ろしくド下手なプレイを聴けます(笑)。ここまで下手くそがよくあんだけメジャーになったと思うくらいの下手さは中学生でも真似ができるレベル。はて、それはともかく、我らがクワイエット・ライオット、この1983年ならもうヘッドライナーが取れるくらいに売れていた頃なのだが、そこはキャリア的にまだまだだったか、トップバッターで出演している。まぁ、他に出ていた面々がオジー、ジューダス、スコピ、VH、なのだからしょうがない。唯一見誤っていたのはトライアンフくらいか(笑)。

 さて、そのUSフェステイバルの模様を丸ごと収録した発掘ライブアルバム「ライヴ・アット・USフェスティヴァル 1983」のボーナスディスクはもちろんDVD映像。音はともかく映像の報を楽しむものだろうとは思うが、これでヘヴィメタルとは良く言ったものだと思うくらい今見ればチープなサウンドだし、決してヘヴィなものでもないのだが、パワーは凄い。ライブ盤ってそのパワーはやっぱり圧倒的だよな。でもさ、今見るとクワイエット・ライオットってルックスも別に大したことないし衣装も派手なワケじゃないしテクニックもまぁ、それなりだし、何ら光るものはなかったんだからよく売れたもんだ。選曲の良さと時代背景の運の良さか?ま、でも、クワイエット・ライオットの凄いところは何もカッコつけないでありのままぶつかってくる姿だよな。そのヘンはキッズの共感を得るもん。そんな姿がしっかりと収められていて実に久々に見たが、こんなんだったっけ?と。YouTubeでも全曲見れてしまうのでここでもDVDを売るというのはなかなか大変だろうと思うけど、そこは品質の差だね。

 そしてここから更に売れていくクワイエット・ライオット、カルロス・カヴァーゾのプレイがギタリストの心を掴むシーンも見られるし、ルディ・サーゾのルックスは明らかに当時のメタルシーンを代表するようなスタイル、やっぱカッコ良いじゃないか(笑)。ま、フェスティバル的にはこの後VHが全部持ってっちゃうのかもしれないけど…

全編見れます♪

Wig Wam - Wall Street

Wig Wam - Wall Street (2012)
ウォール・ストリート WALL STREET
WALL STREET - Wig Wam WALL STREET NON STOP ROCK 'N' ROLL - Wig Wam NON STOP ROCK 'N' ROLL

 時が経つのも早いモノで、あれ?もうこの人達新しいアルバム出すの?ってこともあったりする。レビューを読んでみれば3年ぶり何枚目のアルバム、とか5年ぶりのリリースとか、それなりに年月が経過している旨が書かれているワケで、ってことは自分の時間感覚がそれだけ鈍っているってことか?ってことになる。大人になってから回りの環境の変化がないワケではないから、その節目で何年くらい経過したってのは意識していると思うんだが、日々ではほとんど意識していないから一年が早く感じるのかもしれない。ただ、一年が早かったかと訊かれると、そんなこともなくって、それなりに長い年月だったな、とは思う。アルバムをリリースするアーティストやバンドからしても多分同じで、アレコレやって環境の変化もあってそろそろアルバム作るかっていうペースになっていると既に前作から3年経ってたみたいなことだと思うし、そりゃまぁ、色々とあるだろうしね。そんなことで、へ?もう出すの?と思ったけど実は2年ぶりの新作ってことでWig Wam。

 ノルウェーからの新星ってことで勢い良く出てきたけど前作「ノン・ストップ・ロックンロール」でちょいと、そして今作「ウォール・ストリート」で更に大人になってしまった感が強くて音楽レベル的には上がっているんだけど、楽しさやバカらしさみたいなトコロがちょっと減ってしまって普通にシーンと勝負するのかい?的なところにやや疑問。バンド背景としては80年代ロックのオマージュに楽しさや明るさ、そして子供にも分かりやすいハードロックを志していたワケで、セカンドアルバム「ウィグ・ワマニア」あたりまでは正に絶頂期だったんだが、3枚目の「ノン・ストップ・ロックンロール」でなんとなく落ち着いた感があって、そして4枚目の今作「ウォール・ストリート」。通して聴いている感覚では、かなり落ち着いた。アホみたいの脳天気な騒げる曲はほぼ皆無で、冒頭のタイトルトラック「ウォール・ストリート」からしてやや重めなハードロック調で、まぁ、言い方を変えればアメリカンハードロックからちょっとヨーロッパに軸が移った感じか?音そのものはWig Wam風なフレーズや音色なのでバンドの個性は失われていないし、作風もテクニックも上がっているのでかなり充実しているとは思う。

 まぁ、そのヘンがヨーロッパ人なんだろうなぁ。単に脳天気なだけでは飽き足らないと言うか、ここまで表現できるテクニックなり技量なりがあったりするとどうしたってヨーロッパ風味が出てきてしまう、すると単純なものから離れていくという構図でやや悩ましい時期なんだろうな。Wig Wamって今は知らないけど、リズム隊は副業でのミュージシャンなんだよね。本業では食っていけないらしくてまだ副業だとか。ノルウェーのシーンでは間違いなくその規模で、こんだけ、極東の日本に来るようになってすらもその状態ってことで、なかなかしんどいんだなぁとある意味賢いとも思いながらミュージシャンという職業がシビアなものだというのを知る次第。そしてこんだけCDが売れないと言われている時代だから職業としてのミュージシャンというモデルの在り方ってきちんと確立して行かないと秀逸な音楽家が育たないよな。

 話は逸れたが…、もちろん脳天気に楽しめるメタルサウンドも健在ではある、数曲だけど。でもね、やっぱ陰があるからさ、今までとは違う感じだな。さて、これからどんな方向に向かっていくのだろうか、Wig Wamは。そんな悩みが出てしまった作品な気がするけど、悪くはないし途中過程としては貴重なアルバムでしょ、と思うことにしよう(笑)。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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