I Giganti - Terra In Bocca

I Giganti - Terra In Bocca (1971)
Terra in Bosca
 イタリアンロックを初めて聞いた時、誰もが感じるその違和感と演劇性の可笑しさ。今でこそそこまで仰々しさは薄れている部分があるような気もするが、70年代初頭にシーンに出てきたイタリアンロック…ってかイタリアンプログレ=ユーロピアンロックなバンドの大半はそうした演劇性や仰々しいオーケストラと突拍子もない曲展開を普通に演奏していたし、曲目にしてもクラシックの要素のまま、アダージョとかラーゴとか書かれているものも多かった。それを歴史的文化と見るか何も考えてないなと見るかは人次第だが…。先日ウチのブログでほんの少しだけイタリアンロックが出てきたこともあったんだけど、その後風呂井戸さんが自身のブログ「灰とダイアモンドと月の裏側の世界」でいくつかイタリアンロックを書いていて、なるほど、まだあるんだな~と素直に感心して改めて探して聴いていたのでした。

 1971年にリリースされたジガンティ(I Giganti)っつうバンドの「Terra in Bosca」という作品だ、ってかこれ一枚しかないんじゃないか?その前はポップバンドだったって言うことだけど、この頃のポップバンドって巧いからバンドで食える人達なワケで、それってやっぱ才能ある人達だから時代を敏感に察知してプログレを作ることなんて普通に出来ちゃったんだろうか。それくらい違和感なくプログレ…しかもイタリアンユーロロックの代表格みたいな音を出してくれている。何と言うかさ、これぞイタロだよってくらい全てのエッセンスが詰め込まれているアルバムってのも面白い。ムゼオ・ローゼンバッハとかマクソフォーネってのもそんな感じだけど泣きのイタロと喜劇なイタロ、そしてドラマティックなお涙頂戴のイタロ、白々しい演出のイタロ、ギガンティの場合は更に歌詞にも深みを持たせていて、ってか現実に即していて、「Terra in Bosca」では邦題の「犯罪の唄」って通りにマフィアが16歳の少年を殺したっつうテーマを元に書いているらしい。その被害者がアルバムジャケットで、表ジャケだけたと足の裏しか見えないけど、その奥の方に裏ジャケに胴体が写っているというなかなか面白い写真。まぁ、何となくだけど、殺されてからマフィアがそこらにあった花を「アバヨ」みたいに捨ててあるのもオシャレかなとか。当時はかなりセンセーショナルな話題を提供したアルバムらしく、マフィアに狙われるんじゃないかと過保護になっていたらしいが、宣伝文句かなぁ…。

 イタロのバンドメンバーについてまで詳しくないけど、ギガンティに参加していた面々はこの後ラッテ・エ・ミエーレに行ったりアレアにいったりイル・ヴォーロのピアニストを迎えていたりと結構なスーパーバンドだったようだ。そして肝心の音…、うわ~、ヘン。これぞイタロ。歌詞がわかったら面白いだろうなと思うが、それよりもやっぱり演劇性の高さが耳に付く。ロックとかプログレっていうか演劇だもん。イタリアにしてみるとそういう捉え方が自然だったのかもしれないな。唄にセリフに効果音にドラマ的な極端な曲展開、それをロックで演じているという…しかしギターソロの音も粘っこいな~(笑)。アルバムとしてはもうこれ以上のイタロって見当たらないんじゃないかっつうくらいコテコテで聴き応えあります。一般には名盤と言われているし、誰も真似できない世界で面白い。なるほど、イタロの古いの、まだまだあるんだろうな…。



カルメン・マキ&OZ - 閉ざされた町

カルメン・マキ&OZ - 閉ざされた町 (1976)
閉ざされた町 カルメン・マキ&OZ
閉ざされた町 - カルメン・マキ & Oz 閉ざされた町 カルメン・マキ & Oz - カルメン・マキ & Oz カルメン・マキ & Oz

 ちょっと前にカルメン・マキさんがTwitterを始めたと聞きつけて早速フォロー。それまでも周囲の勧めとかもあってHPも充実していたり、ご自身の直筆による日記みたいな忘備録とか想いみたいなのをHPにアップしていてその思想の深さや日常を共有していたりしたのだが、世の中がブログになって情報発信するようになった頃にはしっかりとブログに進化していってしまって直筆の楽しみがなくなってしまったんだけど、その分書きやすさってのもあるのかやや頻度が上がって日常のカルメン・マキさんがわかってきた。そして今Twitterで情報発信の時代、マキさんは今のところ頻繁に呟いているし、思想が出てくることも多い。さて、自分から見た時のカルメン・マキというアーティストは…、神様、に近い見方かも。いや、別に神格化しているんじゃなくって、70年代の日本のロックの中で燦然と輝いていると言うかさ、OZ時代の4枚のアルバムはまるで輝きを失うことのない金字塔だし、マキさんの以降のアルバムや活動もリアルタイムで知ってたワケじゃないけど、迷いもあり様々な出来事がある中での作品だったり、なんとなくそうか…みたいなのがあって面白い。ここ最近の作品は完全に「歌」に集中していて最早ロックととかジャズとか関係ない「歌手」だと思えるしね。そういう瞬間の呟きがTwitterで出てくるのって面白い。「歌っている時が一番楽しい」なんて今でも普通に呟くって、何も変わらない世界を持った人だよ、ピュアだよ、そういう側面って持ち続けていたいし、安心する。→マキさん Twitter

 時代は遡って1976年にリリースされたハードロックバンドとして認識されたOZ時代の傑作セカンドアルバム「閉ざされた町」です。ファーストの「カルメン・マキ&OZ」で大絶賛…を当時浴びたかどうか知らないんだけど、多分浴びたんだと思う。このセカンドアルバム「閉ざされた町」はLAで4ヶ月に渡ってレコーディングされたってのが話題になっている作品だからそれくらいのカネ賭けれるバンドだったんだろうってことで。しかし、LAで録音しててこの暗さっつうか重さっつうかカリフォルニアの青い空の雰囲気まるで無しってのはLA録音の意味は何だったんだろう?ロックとしてのブランドか?海外レコーディングなんてあんまりなかった時代だったしね。ま、それ言ったら沖縄の青い空での紫のアルバムなんかも同じ意味で暗いけど(笑)。暗いってんじゃないんだよな、重さが出ているっつうトコだ。音の良さってのも特にそれほど実感しないけど確かに音のデカさは感じるし、ま、そんな録音そのものよりもバンドが充実していた余裕ってのを実感する感じ。

 冒頭のイントロから迫力の「崩壊の前日」。カルメン・マキという歌手のスケールの大きさを存分に感じられる一曲で、同じようにそのスケール感覚を持っているのが最後の「閉ざされた街」。もちろん間の楽曲も捨て所のない歌唱力を存分に聴かせてくれるし、歌い方はもとより歌詞の意味やはっきりとした歌い方、日本語の持つ叙情性や繊細さをしっかりと使っているのはフォーク時代からの名残。「ロスト・ラブ」とかホントに重く心に響くもんな。もちろんその重さと叙情性を彩っているのが春日さんのギターだったり、シゲさんのウネりまくるベースだったりするんだけど、これがまた半端ないバンドの力量でさ、和風なんだけどものすごく欧米風なアレンジだから迫力あってこの時代でしか聴けないサウンドを出してる。ここまでこういう音を出していたバンドは今に至るまでそんなに多くないハズ。日本のロックって結構独自進化しているからねぇ。そして大作が多いのも特徴的で、それこそロックですよ。単に長けりゃ良いってんじゃなくてしっかりと叙情性とドラマ性を持った曲を出してくるという…、よく欧米ロックを研究していたんだろうと思う。

 今でもこういう音が心地良いと感じるし違和感なくすんなり聴いていられる。昨今のメタリックやデジタル感溢れる音とはまるで違っているアナログの音で聴いているからかもしれないけど、馴染みのある温かみのある音で聴ける作品なんで好きってのもあるかなぁ。ジャケットも良いし…。そういえば一度もカルメン・マキさんのライブは見たことがない。と言うか道ですれ違っても顔をよく知らないからわからないと思う。ホント歌と作品で神格化しちゃってる人だったりするんだよね。その神秘性みたいなのが自分に取って面白くてさ、だからアルバムもまだ全部聴いてないし、まだまだ知らなきゃいけない世界がたくさん残されている人なんです。もう20年以上聴いているのにまだ深く楽しめるっつうのもこれまた良いじゃない♪



Ego-Wrappin' - Swing for Joy

Ego-Wrappin' - Swing for Joy (1999)
SWING FOR JOY 色彩のブルース
Swing for Joy - EP - EGO-WRAPPIN' Swing for Joy色彩のブルース - EP - EGO-WRAPPIN' 色彩のブルース

 物珍しげな音世界に出会った時、ときめくこともあればその時全然わからないものもある。ジワジワ来るものってそこまで聴く覚悟が出来るかどうかだけなんだが、やっぱり世間一般的には最初がわかりやすい方が入りやすいじゃないかっつうのは当たり前のことなのだが、自主制作から出てくるアーティストはそういうの関係ないから面白いのがクローズアップされていたりする。そういう意味で時代の流れと共にポップス系統でも自主制作から出てくるミュージシャンも出てきていた。まぁ、パフュームなんかも自主制作系からだもんな、最初は。さて、本日のエゴ・ラッピン、明確に自主制作からかどうか知らないけど、多分世に出てき始めた頃から知ってたバンドのひとつで、シングルっつうのかミニアルバムっつうのか、そんなのを出していた頃が多分2000年前後、強烈だったのは「色彩のブルース」を聴いた時で、一発で響いた作品だった。それで気になったので当時出ていた他のも全部書い集めたっていうものだが…、メジャーになってからはあまり聴いてない(笑)。

 1999年にリリースされた5曲入りのシングル?ミニアルバム?な「SWING FOR JOY」。そもそもが思い切りデジタルな時代に差し掛かっていた2000年前後にここまでアナログで昭和チックな音を出してシーンに出てくるっていうのが凄くってさ、でもそれがまた妙に心地良く感じる自分もあって、多分その後売れたってことはどんだけ若い世代であってもこの昭和的日本的感性による音ってのは日本人の文化として根付いていて本能的に好むんじゃないかと。まぁ、そこまでの音楽を表現できる人達ってのがどんだけいるのかわからないけど、いたとしてもそれは妙にマニアックな世界に存在したりするし、別に和太鼓のプロとか笛のプロとかいくらでも和楽器の演奏者っているけどオーバーグラウンドに出てくることが少ないから接する人は好きな人だけになっちゃうしね。そういう意味でエゴ・ラッピンの登場は驚いたし、それでいて21世紀に向かう新鮮さ斬新さっつうのもあったからやっぱり若くて才能ある人達は面白いこと見つけるものだ、と素直に思った。

 その「SWING FOR JOY」という5曲入りシングルだが、コンセプトがあったかどうかわからないが、とにかく心地良いジャジーなムードが中心な曲ばかりを集めている。ジャジーってもジャズじゃないしポップでもないしアコースティックでもないしサルサっつうんでもないし全くオリジナルな世界でさ、このまま世界進出しても行けるんじゃないかと思うのだが、とにかく普通に心地良い。場末の赤提灯の中でも似合うし、何故かオシャレなバーのラウンジで聴いても似合う雰囲気。果たしてどういう背景でこういう音が上手く出来上がるのだろう?と気になったりしたなぁ。世の中であまり聴かれないサウンドを曲として収録する時ってホントにそれぞれのプレイヤーに楽譜で渡さないと通じないと思うしさ、でも多分そういう教育も才能もあるんだろうな、などと深読みです。今ほど簡単にデモテープ作れる時代じゃなかったからね。ま、そんな背景論はともかく「色彩のブルース」と共によく聴いた作品のひとつ。ロックじゃないけどこういうエッセンスは音楽を聴く時の広がりとしてはホント面白い。



David Garrett - Rock Symphonies

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 何となくテレビを点けていた時に何かの隙間の時間だろうな、バイオリン弾く男とオリアンティらしいギター弾きが一緒にエアロの「Walk This Way」をやっててさ、「お?オリアンティ?」と思ってボリューム上げて聴いてたらどうやらバイオリンの男がメインのライブだったようで…。はて、誰かね、これ?オリアンティが弾いてるくらいだからそれなりに知名度があるんだろう…と。ま、彼女はどんな仕事もこなすから何とも言えないけどさ。ちょっと前までアリス・クーパーのツアーバンドのギタリストとして参加していたってのは知ってたけど、まさかあんなにお茶目な格好とかメイクとかまでしてアリス・クーパーの世界に入り込んでギター弾いてるとは思わなかったもん。YouTubeで見るとそのユーモア感覚わかるかも(笑)。話逸れたが、そんなことで早速このバイオリニストを手持ちのiPhoneで検索…便利な時代だ。

 何でも良いけど折角だからロックのカバー集みたいなのが良いか…オリアンティも弾いてるし、ってことで「ロック・シンフォニー」という作品をチョイスして聴く。曲目を見ると何となく見知ったロックカバー曲とどうやらクラシックの名曲が入っていて、まぁ、どんなんかわからんけどよろしいかもね、と期待して聴いたんだけどね…、いや、巧い。当たり前だけどバイオリンという楽器のヒステリックな側面を出しながらロックに合わせて弾いているし、クラシック作品風ですらロック調になっているからそりゃまぁ、疾走感溢れる新たなるロック世界ですよ。バックは思い切りそのまま疾走しているバンドなんだから。自分もロックの中にあるバイオリンって結構好きで、その意味での傑作はString Driven Thingっていうバンドの「Machine That Cried」なんだけどさ、ま、そんなマイナーなのはともかく、どうなんかな~って聴いていた。

 曲も知ってるの半分位あるし、バイオリン好きだしオリアンティもいるし、Zeppelinの「Kashmir」もやってるし結構ハマれるんじゃない?って思ってたんだけどなぁ…。やっぱ歌がないとキツイな、ってのとず~っとバイオリンだけがメインでメロディを奏でているってのもしんどいっす。もちっと色々なコラボとかジャズみたいに各楽器が出てくるようなセッションにしていくとか音楽作品として創り上げた作品になっていくと面白いかも、って。今は単にバイオリンプレイヤーとしてその才能を出しまくっているという状態で、そりゃ商売だから話題作って売れなきゃしょうがないし、そういう時期なのかもしれないが。これだけの才能だから多分音楽的にやろうと思ったら簡単に出来てしまう人だと思う。そして今の状態が受け入れられているんならそれで良いんだろうな…とか余計なこと考えちゃうのはいかんですね。はい、イージーリスニングとして聞く音楽としてはロックをちょっと知っててクラシックもね~って感じな人に最高です。あ~、こういう人が本気でロックとぶつかり合っていくライブとか凄い面白いだろうなぁ~。





椎名林檎 - 下剋上エクスタシー

椎名林檎 - 下剋上エクスタシー (2000)
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 何となくせっかくだから久しぶりに見たいな、と思ってライブラリ漁り…、あったあった。当時はまだビデオテープだったんだよなと…まだ十数年前の話なのにな、とここ最近の時代の進化のスピードにちょっと驚きながら見る。もちろんビデオからデジタル化は自分でやってあるのだが…その時も見たんだろうなと思う。だから記憶が結構鮮明に残ってるもん。まだコレって椎名林檎がハタチそこそこくらいの頃でしょ?トンガッてて良かったな。

 2000年にリリースされた「下剋上エクスタシー」というライブ映像。当時PVはいくつかあって、「ここでキスして」の衝撃的なPVで気になり、「本能」でダメ押しを喰らった衝撃が忘れられず、っつうかその前に「無罪モラトリアム」という傑作アルバムに超どハマリしてたっつうのもあって、「本能」でイチコロ。その頃に本作「下剋上エクスタシー」っつうライブビデオがリリースされたような記憶で、その時にももちろん見ていて、凄いな~と二十歳ソコソコの女の子に感動してた。自分だけかと思ったらバンド仲間でもハマってるヤツがいて、ヘンなのにお互いハマるんだな…と不思議に思ったものだ。お陰でライブモノとかデモ音源なんてのも聞けたんだけどさ、その辺の話はまたいずれってことにして時代はまだそんな頃、思い切りトンガってた椎名林檎姫による売れてから初の大規模なツアーで、タイトル通りヤバ目な感じのステージなんんだけどね、オープニングからあのままのナース姿による病院調な感じで引き込まれる。セカンドアルバム「勝訴ストリップ」が出てたんだろうな、曲目見ると。「罪と罰」とかあるもんな。これも好きだったが…、このライブで一番極め付きだったのは「正しい街」での姿。アルバム「無罪モラトリアム」のオープニングを飾るこの曲は一番最初に確かレコード会社から「意味わからないねぇ」と嘆かれたとか…、でも本人的には福岡時代の思い入れと打ち捨てた感が込められている大事な一曲だったようで、そんな想いもあってか、そしてライブ録画された会場も地元ってのもあって感情が湧き出てきたのか喉をつまらせながら想いを込めて歌われている。凄い説得力あってさ、なんかわからんが「そうだよな…」とか思ってしまってね、曲も凄く良いし歌詞もハマってきて、それでこのパフォーマンスだからそれだけで「下剋上エクスタシー」というライブ作品はランクアップだったんです。迂闊においそれと手を出してみてはいけないような感じすらあったもん。

 そこが自分的にハイライトでさ…、以降はなんとなくパンクノイズ的な作風が並んでて、それはそれで良いけど本音が見れたのはそこまで、って感じだった。多分あと何回か見ればもっと変わってくるんだろうけど、もうねぇ、時代の産物っていう側面もあるから、今しっかりとず~っと見ていられるほどじゃなくてさ、その辺アーティスティックであっても一度時代を反映してしまうアーティストになると難しい。ただ、ず~っと好きなライブ映像であることは変わらない名ライブ in 自分の中♪

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東京事変 - 東京コレクション

東京事変 - 東京コレクション (2012)
東京コレクション 無罪モラトリアム
東京コレクション - 東京事変 東京コレクション

 21世紀を跨ぐ頃に一番聴いていたのが椎名林檎の「無罪モラトリアム」かもしれない。とにかくひたすらあの世界にハマった記憶があって、よく聴いてたもん。何年かに一度面白いのが出てきてハマるんだよな、邦楽って。大体女の子なんだが…。その衝撃から5年くらいした頃に椎名林檎を辞めてバンドにしますってことで出来上がった東京事変。一気に興味がなくなって全く聴かなくなってた。何となく何度か聴いたけどハマるほどピュアな椎名林檎の音じゃなかったからだろうと思う。それがちょっと前にソロ名義で新作リリースしてみれば、それはちゃんと聴いて楽しめたので、やっぱり自分は椎名林檎というアーティストが好きなんだな、ってことに気づくのだ。いつものようにアチコチ徘徊中、東京事変が新作を出します…その後にうるう年のうるう日に解散ですって情報で、日付設定とか色々椎名林檎のこだわり論が展開されていてさすがだな、と思ったが、東京事変に思い入れがまるでないので「ふ~ん」くらいのお話。

 最後のベストアルバムならぬライブで集めたベスト選曲集とでも言うべき作品「東京コレクション」がリリースされた。映像の方も「Discovery」としてリリースされているようだが、そこまで興味はないからいいか、と。シーンに出てきてから13年?あの頃二十歳くらいだった椎名林檎姫は既に32歳ですかね、この一曲目の新曲ながらも無人のステージ上でリハーサル的に演奏された「32歳の別れ」ってのを見る限り。まだ32歳か、ってのともうそんなになったか、と。そんな想いを馳せながら聴いているんだが、ちょいと音がよろしくない感じだけど生々しさを出したかったライブ盤なんだろうか?そんな音の作り。曲はほとんど知らないからこういう風だったんだな~とライブの悲運行きを味わう程度なのだが、いつしかリスナーありきのバンドになっていたような感じも受ける。ライブで客を掴む、っていうんじゃなくて好きな人が来るライブ。別にもうそれで良いんだけど、初期の衝撃と悲壮感が好きだったからちょっとその成長感に惑わされただけ、か。しかし演奏陣も含めてもの凄いプロな音の塊であるのは事実でして、迫力や演奏の巧さはさすがです。特にやっぱり亀田さんのベースは唯一無二の存在感を放っていて、これはもうどういう形でも椎名林檎姫とのセットだろうと。どんなスタイルにでも合わせていきながら個性剥き出しのベース。目立ってます。

 椎名林檎嬢の歌はバンドの一員ということで自由さを増しているのはそれもそうだが、バンドを楽しくやってる感じがする。ライブだとそういうのがモロに出てくるだろうからさ。しかし「OSCA」って曲、ことごとくギターのフレーズとかリフが往年のロックからパクられていて面白い。エアロの「Walk This Way」とかジミヘンとかさ、そういう見地からしてもバンドなんだな、東京事変、って。当たり前ですが。総じて解散ってことの記念でもあるんだろうけど、バンドの本質は出ているし、多分生で聴いたら相当な迫力を感じるのも良いしロックな雰囲気も当たり前だし、やっぱ凄いな、と。さて、次は何をやってくれるんだろうね、椎名林檎姫、そっちの方が期待高いね。

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Gacharic Spin - Lock On!!

Gacharic Spin - Lock On!! (2010)
Lock On!! Virgin-A

 ちょいと前から名前は知ったものの音をきちんと聴くまでには至らなかった日本のガールズバンド「Gacharic Spin」=略称「ガチャピン」。何つうか、ここ最近の日本ってメジャーもマイナーもふざけたものが随分と流行るようになってプロモにしてもバンド名にしてもアルバムジャケットにしても随分と変わってきた。アニメやサブカルとの融合ってのが大きな要因なんだろうけど、それが今ではしっかりと世界制覇の足がかりにもなっているし普遍化しつつあるのは既に認証済みなので自分の感覚を変えていかないといけないのだよな…と。ところがどれもこれも決してアングラで佇んでいるだけのものでなくてそれどころか過去から見ても今が最高水準なんじゃないのかっつうくらいのものがそういうオブジェに包まれて出てきているのもこれまた今の日本。だからギャップ感が強くてより一層驚くってなもんだ。今回のガチャピンなんて正にそんな感じで目が点状態でひたすら聴きまくってましたね。

 YouTubeで見たのが最初のシングル「Lock On!!」でさ、まぁ、どんなもんなのかな~、アラン・ホールズワース他の超絶テクニカルギタリスト好きな「D9の響き」の主、elmar35さんが絶賛していたくらいだからなぁ…と見た目と超絶のギャップを想像しつつも見てみる…ってか聴いてみる。冒頭のウルトラチョッパーベースの音からして「は??何じゃこりゃ??」とぶっ飛び。女の子でこの…ベース?しかも余裕綽々で弾いてるってことはもう当たり前にできてるってことで、一体何なんだ?と。何回か聴いてるとその凄さにもちょっと落ち着いてきて他の音を聴けるようになってくる…、そして次は「何だ?このドラム?え?」みたいな捌き方。そしてもしかしてギターもあれか??ってじっくり耳を傾けるとやっぱり普通にテクニカル。いや、普通にテクニカルってさ、小さくて可愛い女の子が普通にテクニカルに満園の笑顔で弾いてるワケで、それが不思議。驚きの表現としては冒頭に「女の子が」って言うのがどうしても付いてしまうんだけどそれを取っ払ってみてもこのバンドは巧すぎる。才能の塊が集まっていることに間違いないし、調べてみれば案の定それぞれが楽器の教則ビデオなんてのまで出しているわけで、殊にベースのFチョッパーKOGAさんはかなりのテクニカル講座を行なっているようで、そりゃそうだろうなぁと納得。そして最後までかなりはてなマークが付いていたのがボーカルレベル。歌声だけ聴くとやっぱりちょいと弱いんだけどさ、ライブの映像見てるとそのパワーは凄いし曲を聴いていてもメロディは元より、歌詞をはっきりと伝える歌い方…、歌詞がよく聞き取れる歌い方でバックの音の洪水に負けずにハキハキとした歌詞を表現しているということでやや弱くて細い歌声をカバーしているか。それよりもものバンドの楽曲のセンスとレベルの高さにも驚く。自分からしてみたら一体何をどうしたらこういう音に目覚めて曲が出来上がるんだ?と。歌メロの作り方にしても歌詞の載せ方にしても「そう来るか?」みたいなのが多くてセンスの良さに脱帽。陰ながら音楽の才能に一番恵まれているドラマーのはなさんの才能に感服。この人、ほんとに音楽家。そんなことを思いながら見ているとだんだんボーカルのArmmy嬢のセクシーなステージングに目が奪われていく…、華があるボーカルって重要だよなぁ。ってことで全てに納得してシングルやアルバム集めに精を出している日々を過ごしてます。

 しかしまぁ、明るい、楽しい、元気、巧い、可愛い、とネガティブ要素が一切無い完璧なアイドルバンドで売れない理由は全くないんでこれから出てくるだろうな。楽しみなバンドです。



浜田 麻里 - Legenda

浜田 麻里 - Legenda (2012)
Legenda

 昨年暮れ頃だったか浜田麻里が新作「Legenda」をリリースするという報を嗅ぎつけたのは。そこで見た真紅のドレスを纏ったアルバムジャケットがかなり印象的で、うわ~、歳取っても綺麗な人だな~なんて思ってTwitterに呟いてみれば、フォロワーさんから「もしかして…大台?」とレス。ん?具体的な年齢って別に気にしたことなかったけど、結構なキャリアなんだから結構な年齢のハズではあるな…とは感じていたものの大台?には驚いた。しかも女性でしょ?普通に街で見かけるそのくらいの方々ってさ…、「え?」だよね。いや、それがアルバムのセールスポイントじゃないんだろうけど、それでこの最近の活動量と露出感、ライブにしても音楽そのものへのアグレッシブな姿勢、そして普通に考えてみると、の話だがその大台くらいのおばちゃんがメタルを聴いてるどころか歌ってるワケ。想像できるか?普通なら大学生くらいの子供がいるお母さんがメタルを歌ってるってことなのだ。自分たちの母親像を思ってもらえれば良いが…とつい庶民的な考えをしてしまうがもちろん浜田麻里という歌手は庶民ではないし、普通のおばちゃんでもない。プロ、なのだ。歌に人生を捧げているプロ、なのだ。そういう意味ではジャンルはまるで異なるが中森明菜やカルメン・マキなんかもそうだ。しかし浜田麻里のこの活動は今までのそういうプロの歌手と呼ばれる中では多分一番輝いた活動をしている気がする。キャリアも含めてね。そして驚くことに今こそが全盛期なんじゃないかっつうくらいの歌の上手さに磨きがかかっているのだ。普通に考えてみれば歌っている期間が長ければそりゃ色々なテクニックが付いてくるし、巧くなるってモンだ。一般的にはある程度の所で成鳥が止まると思われているが、そんなことはない。いつまでも成長し続けるのだ。ただし声量や声の艶というものは変化していく。ただ、それは悪くなるものではなくあくまでも「進化・変化」していくものなのだ。だから浜田麻里の場合は巧さに加えてその声質の変化進化がサウンドの音に合っていて、更に技量と重なって正に今全盛期だろうと言える歌声が出ているのだ。人には全盛期と呼ばれる時期が何事にもあるかもしれない。しかし浜田麻里の場合は「常に」全盛期なのだ。正にプロ。自分が敬愛するカルメン・マキさんなんかも歌う音楽が変わっていってるが、やはりその声質と歌い方をどんどん進化させていくことで今でも歌をしっかりと楽しませてくれるプロで在り続けている。浜田麻里の場合は最初に始めたサウンドに舞い戻り、ヘヴィメタルという音も進化しているし歌も進化しているワケで、とにかく素晴らしい。人としての苦難や人生も経験していることもあって深みは出ているし、今の彼女に対して非の打ち所を見つけることは多分ないだろうなぁ。自分なんか全然ダメだ…と思う方が多い。そういう意味もあってやっぱり世の多くの男性陣からした場合は浜田麻里というのは永遠にマリちゃんはヘヴィメタルのままであって欲しいアイドル、なのだろう。

 前置きが異常に長くなったが、浜田麻里の新作「Legenda」…24枚目のアルバムってことらしいが、最近の浜田麻里は迷うことなくヘヴィメタルだ。しかも最先端のヘヴィメタルに確かなテクニックのメンバーと共に作っているワケで、歌声の方はハイトーンを駆使というものではなくしっかりと歌を歌っているというもので、やはり今の時代に合っているし巧さが光る。これはもうベテランのキャリアがなければできない歌だ。曲はかなりハイレベルだけど、別にキャッチーに狙う必要もないからレベルの高い楽曲で歌をきちんと聴かせるというもので、ヘヴィメタルと言いつつもそれはうるさいヘビメタじゃなくてヘヴィメタルという美しい様式美に則った楽曲群とでも言うような曲が並ぶ。頭を振ってノレれば良いメタルじゃない。その辺が進化だよなぁ…。





Carolyn Wonderland - Peace Meal

Carolyn Wonderland - Peace Meal (2011)
Peace Meal Miss Understood

 グラミー賞では英国のソウルフルな歌手、アデルが各賞を総ナメにしていったと言うことが話題になっていて、改めて先日もアデルのアルバムを何度か聴いていたりした。たしかにこの歌唱力は凄いものがあるよな…と思いつつも、どこか物足りない。多分歌の良さやさらけ出し感なんじゃなかろうか、などと世間の評価を無視して自分の感想を書いてみる。なんでまたそんなトコから始まったかってぇとですね、アメリカのテキサスにキャロリン・ワンダーランドっつう女性のブルース歌手兼ギタリストってのがいましてね、そのキャロリン・ワンダーランドが先日新作をリリースしていたんで聴いたんだな。ちょいと前に昨今の女性ブルースメン達にハマった時に結構ブイブイ言わせていた人の一人だったのでね、やっぱり時間が経ってから聴くのも良いんです。

 2011年リリースの新作「Peace Meal」。前作「Miss Understood」と同じように豪快でワイルドな女傑な感じなアルバムジャケットは実際どんな人なんだろうかと想像してしまうのだが、単なるテキサスなおばちゃんなワケで、それがギター持って歌うと化ける。んで、その化け方がアデルなどの比じゃないワケでね、それこそ実力だけで言ったらグラミー賞以上の技量なワケですよ。でもさ、そんなの多分たくさん存在していて、皆何とも思ってないのかもしれない。たまたま自分がアデルを聴いていた後にキャロリン・ワンダーランドの「Peace Meal」のリリースを聞きつけて聴いたものだからそのソウルフルでエモーショナルな歌声に重ねあわせて聴いてみると圧倒的にその凄さを実感したってだけだ。何せそのエモーショナルな歌だけでなくって、ギターも弾いてるんだから驚きは増すってもんだ。ギターの音はテキサスにそいてはやや細めな感じもするけど、普通にテキサスブルースメンとしてのプレイで聴いていられるんだから凄い。一体どんなガタイと指なんだ?と思ってしまう。

 そして収録曲ももちろんオリジナル曲中心なんだろうけど、ブルースの代表作のカバーもチラホラと見られるので、多分何でも良いんだろうな。ブルースってさ、別に誰のがオリジナルで云々ってもんじゃないし、プレイする人が自分なりの解釈を加えてプレイすれば曲は生き返るし新しい息吹が入るし、もうオリジナル曲なんて無理に作らなくても十分な楽曲が世に出ているからさ。でも、キャロリン・ワンダーランドのこの歌声を活かす曲ってのはまだまだたくさんあるはず。よくジャニス・ジョプリンを引き合いに出されるんだが、ある意味超えてるよ、多分。ギターと一体化しているしさ。歌声だけだとちょいと違うけど。しかし、スタンダードなブルースの割に近代的な聴きやすさっつうのもあるのは何故だ?そのせいか、ブルースギターの泣きが増して聴こえるもんな。こういうギター…弾きたいな。





Fotheringay - 2

Fotheringay - 2 (1971)
2 (Dig) フォザリンゲイ+7
"2" (Remastered)

 フェアポート・コンベンションってのはジャズで言うならばマイルス・デイビスみたいな存在でして、いや、要はバンドのメンバーから派生する系譜がエレクトリックトラッドの世界全てに波及していくっつう大元みたいなトコロがあってさ、何気に聴いていたりブログでも出てきたりするんだけど、結構次にどこに進もうか考えてしまうバンドでもある。ありすぎるって意味でね。ま、最近はあまり路線にこだわってなくて気楽に書いてるから良いんだけど、だんだん奥深い世界が出せるようになってきた本ブログ、個人的には益々楽しくなってきつつあるかなと勝手に思ってます(笑)。そんなフェアポート・コンベンションから進むのはやはりサンディ・デニー系譜かな…っつうか、フォザリンゲイって浮かぶんだけどアルバム一枚しか出てないからそんなに登場できないんだよね。でも、そういえば幻のセカンドアルバムってのがリリースされてたな、と思いだして発掘。

 1971年に録音されていたらしいセカンドアルバム「2」が2008年になってようやく発掘リリースされた代物。ファーストアルバム「フォザリンゲイ」が1970年のリリースなので一節にはファーストアルバム録音時のマテリアルから持ってきたものとも言われているみたい。それはともかく、恐ろしく充実した活動と才能をフルに発揮しているこの時期のサンディ・デニー周辺、夫のトレバー・ルーカスと共に音楽活動に精を出していたワケでホント凄いのたくさん出てきてますね。フェアポート・コンベンションの名作群からこの「フォザリンゲイ」、そして「2」と続いてクォリティの高さはさすがなもので、出戻りのフェアポート・コンベンションもしっかりと充実。その合間からソロ活動が入ってきて泳法の歌声を徐々に浸透させていった時代だったが、今回のフォザリンゲイの発掘音源「2」はそのミッシングリンクを紐解く資料でもあった。

 曲目を眺めてみて音を聴いて、順番は逆になるがいくつか聞き覚えのある曲や見覚えのあるタイトルが登場する。自分的にはどれもこれも一発でわかるものじゃないけど、アチコチのサイトを見ていると、あぁ、やっぱりそうかという感じに納得するのが、サンディ・デニーのソロ作で後日取り上げていたりフェアポート・コンベンション参加時に持ち込んでいたりして決して無駄な仕事にはしていなかったということ。リスナー的には異なるバージョンで同じ曲を聞くことができるというものだ。とは言え、やっぱりサンディ・デニーの歌声と伝統的なトラッドベースなので大きな変化はない。「2」はアルバムとして纏められているという意味で貴重だし、21世紀になってまだそんな発掘があるのは嬉しいことだ。オールドタイムなロックファンはあまり発掘モノをじっくりと聴いていく人も多くはないようだが、「2」は素直に1971年のセカンドアルバムとして歴史の合間に紛れ込ませても良い作品なんじゃないかな。

North Star Grassman & The Ravens
Sandy Denny
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Fairport Convention - Ebbets Field 1974

Fairport Convention - Ebbets Field 1974 (2011)

Ebbets Field 1974 ライヴ+5(紙ジャケット仕様)
Fairport Convention Live - Fairport Convention Fairport Convention Live On the Ledge 35th Anniversary Concert - Fairport Convention On the Ledge 35th Anniversary Concert

 ほほ~う…、こんなのがリリースされていたのか、と知るのもこのブログをやっていてアマゾンやWebのあちこちを見るお陰で入ってくる情報網のおかげ。元々は普通のアルバムをドド~ンと書いていって、発掘モノなんかを紹介していければ往年のリスナーさん達にも指標になって良いかな、と思ってたんだけどね。自分も発掘モノとか追いかけるのしんどくなってたし、何がなんだかわからないから迂闊に買いたくはないし、ショップの宣伝文句はアテにできないから誰かの聴いた感想なんてのが一番指標としてはよろしくてさ、ステマが大流行の現在ではまともなレビューなども期待できないから、ま、結局音楽なんてのは聴いてみるしかないのはわかってはいても、特に発掘モノは情報不足だからさ、気になるけど…ってのあるんだよね。人柱になってくれる人が多けりゃ良いけど、そうでもないし、昨今ではブログやってる人も減ってきてるから新しい情報って実は入らなくなっているし、Twitterは見てれば早いけど貯め込んだ情報をまとめてみるのは不可能に近いので流れていくだけの情報流、これはちょいと辛いってことで…、あ、グチになってしまった(笑)。

 昨年末にリリースされていたらしいサンディ・デニーが出戻って来た時のフェアポート・コンベンションの1974年デンヴァーでのライブ盤「Ebbets Field 1974」だ。…ってことは、と思ってクレジットを見ているとなるほど、黄金のフェアポート・コンベンション時代以降を支えてきた面々=デイヴ・スウォーブリックを中心としたフィドルのフェアポート・コンベンションとサンディ・デニーの融合、っつうかトレバー・ルーカスとの融合なんだろうけど、夫婦だったのでサンディ・デニーが付いてきたっていう嬉しい誤算だったかもしれん。以前にも「ライヴ」というライブアルバムが出ているし、この年に一時的に復活してアルバムもリリースしているのも聴いていたけどあんまりピンと来てなかった自分がいてさ、それがこういう生々しいライブ丸ごとに近い収録盤とかになると俄然じっくり聴いちゃうんだよな。それで思ったのはなるほど、これはサンディ・デニー在籍時代のフェアポート・コンベンションの名曲演奏会と、フィドル中心のデイブ・スウォーブリック主導のフェアポート・コンベンションとの融合で、曲はそれぞれ出てくる、みたいな感じだ。フェアポート・コンベンションのメインボーカルサンディ・デニー復活というやり方ではなかったんだ、ってのがわかった。アルバムで綺麗にまとめられるとそういうのがよくわからなくなるんだけど、ライブで姿勢を訴えられるとよくわかる。

 それが何か?って話だけど、いや、全然、2つのバンドのスタイルを楽しめるっていう面白さが増すくらいです。サンディ・デニーが歌う名曲群はもう涙涙なのは言うまでもないんだけど、そこの合間にフィドル中心のアグレッシブなバンドのスタイルが入るから面白い。ここにリチャード・トンプソンがいたら更に白熱したろうに…と思うが。しかしまぁ、やっぱりどちらの個性も協力に出ているのでライブ盤としてかなり強烈なシロモノに仕上がっているけど、遅すぎるよ、これ。もっと早く出しててくれればねぇ。っつうくらいに名盤ライブと思います。音もリマスタリングされてかなり聴きやすいし迫力も雰囲気も出ているし、良い感じ♪



Richard & Linda Thompson - Hokey Pokey

Richard & Linda Thompson - Hokey Pokey (1975)
Hokey Pokey Pour Down Like Silver
The Best of Richard and Linda Thomspon: The Island Record Years - Linda Thompson & Richard Thompson The Island Record Years Richard & Linda Thompson - In Concert, November 1975 - Linda Thompson & Richard Thompson In Concert, November 1975

 1970年前後のフェアポート・コンベンションってもの凄い過渡期でもあり全盛期でもあり白熱度も実験度もロックの創世記と同じように英国フォークも革命期で、その旗手だったから激しい。そんな時代の中心にいたのがサンディ・デニーでありリチャード・トンプソンであり、伝道師アシュレー・ハッチングスだったりするし、デイブ・マタックスもその真ん中だ。要するにそのころフェアポート周辺を支えていた面々が革新的だったワケだか、そこには様々なミュージシャンが関わってくる。リンダ・パーカーというシンガーソングライターもその一人でサンディ・デニーと連れ立ってシーンに入ってきた。そこで才能を発揮してゲストやセッションなどでこれらの面々のアルバムやライブに参加していくんだけど、そこでは同じようにリチャード・トンプソンという稀代のギタリストもいたことで、刺激を受けたりしたんだろうなぁ…ここから推測だけど、そんなシーンに一緒にいたことから出会いを深めて行って結婚したらしい。いや、一方リチャード・トンプソンはフェアポート・コンベンションから離脱して自分の音楽性を追求する旅に出ているので、その旅に一緒についていったのもリンダだったってことだ。

 夫婦二人の最初のアルバム「I Want to See the Bright Lights Tonight」をリリースする間にもいくつかのセッション、アルビオンバンドなどにも参加しつつ、自分の音楽の方向性を模索して見つけたリチャード・トンプソンだったみたい。そして翌年1975年にはセカンドアルバム「Hokey Pokey」をリリースして立て続けに三枚目「Pour Down Like Silver」もリリースする。今回はそのセカンドアルバム「Hokey Pokey」を取り上げてますが、これが一番軽くて聴きやすいと言う感じなんですな。ファースト「I Want to See the Bright Lights Tonight」は名盤だけどかなり気負ってる部分あってちょいと凝り過ぎてるっつうキライがあって、あとはちょいと暗め…っつうか重さがあるので、セカンドの「Hokey Pokey」が一番バランス良い。冒頭のリンダの歌モノからして聴きやすいし名曲だし、そこで聴けるリチャード・トンプソンのギタープレイってのはいつ聴いても思うんだけどどうやってあの音出してるんだ?と。普通のストラトだよな?なんで?って感じなんだよなぁ。真面目に追求してないけど、ホント個性的で唯一無二のサウンドプレイにはいつも舌を巻く。

 さて、他の楽曲群はどうか、もうねぇ、ともすれば単なるBGMになっちゃうくらいに軽い曲もあったりしてほのぼのします。リンダの声ってちょいと可愛目なのだな。ここに参っちゃったのかもしれないリチャード・トンプソン、それも良し。「Geroge On a Spreee」なんてホントにほのぼのしちゃうもん。参加しているメンバーもいつもの常連さん達で気心知れた中でもレコーディングってのも手伝って何ともマイルドな作品に仕上げた感じ。良いね、こういうの。夫婦としても一番良かった時期なんじゃないかな。



The Bunch - Rock On

The Bunch - Rock On (1972)
ロック・オン+3(紙ジャケット仕様) Ebbets Field 1974

 ミュージシャンによるロカビリーへの望郷をそのままアルバムにしたものってのは多分相当数あるんだろうなと思うが、自分的に続いて思い出したのが同じく豪華メンバーによるジョイントものとなった「ロック・オン」というアルバムだ。これはもう英国エレクトリックフォーク界の面々が揃いも揃ってプレスリーやバディ・ホリー、エヴァリー・ブラザーズなどなどの曲をカバーしているという代物でこちらも参加メンバーが素晴らしい。

Sandy Denny - vocals
Richard Thompson - vocals, guitars
Linda Thompson - vocals
Dave Mattacks - drums and percussion
Gerry Conway - drums and percussion
Tony Cox - piano
Pat Donaldson - bass
Ashley Hutchings - vocals
Trevor Lucas - vocals, 12-string guitar
Ian Whiteman - piano
The Dundee Horns - brass

 ま、いつものフェアポート・コンベンション系譜ではあるもののアルバムリリースが1972年だったこともあってサンディ・デニーの歌声でロカビリーが聴けるというのが貴重なシーンかもしれない。それにしてもうまい具合にアレンジしたものだなぁと感心しきりな曲ばかりで、決してロカビリーそのものの雰囲気を壊すことなく、普通に聴けば何かソフトなロカビリー集だね、って言う感じにしか思えないアレンジなんだが、聴いているとよく分かるのがその卓越したテクニック。特にコーラスワークとリチャード・トンプソンのギター。これはねぇ、ほんと素晴らしいわ。日本じゃ全然過小評価されているリチャード・トンプソンなんだけど、こういうツボに嵌るギターを弾ける人ってそうそういない。そして個人的に大好きなデイブ・マタックスのドラム。一人で重いロックサウンドを醸し出してくれていてさすが、と。

 あ、これ、1972年リリースのThe Bunchというバンド名義での「ロック・オン」というアルバムです。知った曲がズラリと並ぶのでお遊び的に持っていても面白いし、その真骨頂を掘り下げるのも面白いアルバムで、まさかアシュレー・ハッチングスがこんなの弾くとは思わなかった、とか英国フォークの面々がロカビリーって?みたいなのあるけどさ、普通にロカビリーしてるよ。ギターだけが目立つんじゃなくってみんなで楽しくわいわいやってる雰囲気でよろしい♪



Willie & Poor Boys - Willie & Poor Boys

Willie & Poor Boys - Willie & Poor Boys (1985)

Willie & Poor Boys Willie & The Poor Boys [DVD] [Import]

 80年代半ば、ミックとキースの不仲がピークに達したようで、バンド活動などまったくしていない時期があった。その時はもう解散の噂ばかりが飛び交っていて決定的にしたのはミックのソロアルバムリリースとライブ活動、そして極めつけはキースのソロ活動開始。この「Talk Is Cheap」は良いアルバムだったなぁ。そのせいか、ミックにも焦りが出たのかストーンズでの活動開始と待望の日本公演という運びで今に至るのだが、その空白の期間にヒマだった他のメンバーは割と好き勝手に活動できたようで、それはそれで良い期間だったのかもしれない。その中で有名なのはロン・ウッドとボ・ディドリーのセッションだったり絵画活動だったりするが、忘れてはいけないのが放蕩息子ビル・ワイマンの活動歴。そもそも1983年に有名な「アームズ・コンサート」と言うのを開催しているのだが、その延長線上で相変わらずロニー・レーン救済のための活動ってことで1985年に今度はアルバム「Willie & Poor Boys」とライブ映画「Willie & The Poor Boys」をリリースしているのだった。

 自分のロックの角度として「Willie & Poor Boys」はジミー・ペイジ参加の作品、しかもバックがビル・ワイマンやチャーリー・ワッツっつうことで早い時期に入手して聴いていたけど、以降そんなの全然聴かなかったからすっかり忘れてた。中身は確か古いロカビリーだったような…ってことでふと思い出したので手にしてみる。アルバム「Poor Boy Boogie」の方でのメインメンバーは

Bill Wyman: bass, percussion, vocals
Charlie Watts: drums
Andy Fairweather-Low: guitars, bass, percussion, vocals
Steve Gregory: horns
Willie Garnett: horns
Ray Cooper: percussion
Mickey Gee: vocals, electric guitar, acoustic guitar
Kenney Jones: drums
Jimmy Page: guitar
Chris Rea: vocals
Paul Rodgers: vocals
Henry Spinetti: drums
Geraint Watkins: piano, vocals, organ, accordion
Terry Williams: drums

ってことで、曲によりけりの参加者ってのがあるんだが、自分が一番気になっていたジミー・ペイジさんはオーティスのカバー曲「These Arms of Mine」とリトル・リチャードの「Slippin' and Slidin'」で、当時の相棒だったポール・ロジャースと共に参加している。しかもこの頃結構頻繁に登場していたストリングベンダーのテレキャスでの参加だなこれは。当然その曲ばかりを聴くのだが、「These Arms of Mine」の過去良いことこの上ない。オーティスの曲をポールが歌ってるんだからそりゃもうねぇ。そして今回ブログを書くに当たってアレコレネットで調べるんだけどその時に驚いたのがYouTubeにこのプロモビデオがアップされていたってことだ。当時も見たことなかったし、以降もアレコレZeppelin関係は漁っていたけど見たことなかったなぁ、このビデオ。見つけてかなりびっくりしたのと久々に始めてのジミー・ペイジに出会えて嬉しかった♪ 全然かっこ良くないけどこの頃はこんなんだったな~って。こうしてみるとまだまだイケたのに、と思う。しかもバックのメンツも豪華でかなり不思議なバンド構成。ストーンズとかThe Firmとか上手く進まなかったらこのメンツでのバンド結成とライブ活動、アルバムってのもあったかな。ま、それは今回の「Willie & Poor Boys」でも出来上がってるか…。

 「Willie & Poor Boys」は所詮あの年代の連中が集まって救済企画やろうってことだからオリジナル作って肩肘張ってなんてことはなく、オールドタイムなロカビリーのカバーばかりで随分と楽しそうにやってる。その模様は映画版の方でも見れるので豪華メンバーによるロカビリー満喫大会としてはたっぷり楽しめるアルバム。みんな好きなんだねぇ…。

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The Rolling Stones - Hampton Coliseum (Live, 1981)

The Rolling Stones - Hampton Coliseum (Live, 1981)
ザ・ローリング・ストーンズ/レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー [Blu-ray]

 突如としてリリースの報が入ってきたかと思えば、即座にDLして聴くことのできる状況となる今の時代、何とまぁ、便利な時代…と言うか、情報の速さ=陳腐化の速さでもあるのだが、怖いのは例えばちょっと前の情報ってのは一瞬にして見つけられなくなるってことだ。CDリリースだったらCD屋とかアマゾンとかを見てれば「こんなの出てたんだ?」と気づくこともあるが、デジタル時代に特定サイトからのDLのみ、となるとホントにファンじゃなきゃわからないワケで、過去にもKing Crimsonとか そんな売り方してたけど結局プレスCD盤をリリースしたもんな。今回のThe Rolling Stonesのアーカイブシリーズは果たしてどうなるか。Flac版も出ているし、今回のHampton公演なんかは2時間オーバーの途切れ無し音源だからCDにはならないかもな。

 そんな状況で突如として2月上旬にリリースされた「Hampton Coliseum (Live, 1981)」、ご入用の方はこちらから。…っても、ま、2時間オーバーのこのライブをフルでちゃんと聴くって結構大変でさ、集中し切れないってのかな、全部馴染みのある曲なら聴けるけど、結構馴染んでない曲も多くてね、ダレた。ただ、改めて思ったのはキースとロニーのギタープレイって普通のロックのプレイとは全然違ってて、こういうギター弾くロックバンドって多分他にない。そういう意味でも当たり前だけどストーンズって唯一無二のバンドだ。グルーブとか人間的な部分はともかくながら、ああいうギターを絡めて曲を成り立たせるバンドがないんじゃないかと。もちっとコードに忠実だったりパターンに忠実だったりするのに、ストーンズはそういうんじゃなくてオブリとか気分で進めている部分が多いから曲をホントに理解してないと何聴いてるのかわかんなくなりそうだ…あ、これギターだけの話。それをきちんと曲に仕立てているのがチャーリーだったりビルだったりミックだったり…そんな聴き方してます。

 さて、この「Hampton Coliseum (Live, 1981)」のライブは12月18日のライブってことで、あの有名な映画「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」って同じなのか?違うのか?とよくわからずに聴いてたんだけど、「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」の方は10月のライブなので別物ってことらしいが、あれ?キースがギターでステージに登ってきた客を殴るのってハンプトンじゃなかったっけ?それの映像って見たことあるけど、「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」じゃなかったのか。何で見たんだろ?ま、色々見てるからごっちゃになってるな(笑)。しかし今回の音源でその部分のキースのギターは果たしてどうなっているのか?ちょいと気になった箇所だが、しっかり収録されている(笑)。こりゃ面白いのでぜひYou Tubeと共に聴いてほしいものだ。そしてライブアルバム「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」も同じツアーからの模様を収録したライブアルバムだが、「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」にはこのハンプトンは4曲程入っているようだ。う~ん、ってことは1981年のライブなら他も多数出てくる可能性あるってことだな。

 それはともかく、ストーンズの1981年って全然カッコよいイメージなくてさ、それも「レッツ・スペンド・ザ・ナイト・トゥゲザー」という映画のせいで、このミック・ジャガーを見た時、ストーンズなんて聴かねぇ…って思ったもんな。なんだよ、あの格好、って(笑)。ロックじゃねぇよ、って思ったからだな。それ以降ストーンズの面白さがわかってきてからも何度か見たけどやっぱりかっこ良く見えなくてね、自分的には1981年のストーンズって全然カッコよいとこないバンドだったんだな。「スティル・ライフ(アメリカン・コンサート’81)」もそんなにかっこ良いライブ盤には思えなくてさ、それなら「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」や「ギミー・シェルター」の方が断然良いし、とか。ところが今回の「Hampton Coliseum (Live, 1981)」を聴いていたら恐ろしくグルーブしててカッコよいんだよ。こんなんだったのか?と驚いたもんね。やはり自分のトラウマと思い込みってのはよくない。リマスタリングがしっかりしてるのはあるけど、それよりもライブそのもののカッコ良さがダントツで、1981年のライブって凄かったんだ~と。なかなか新たな再発見をさせてくれるアーカイブシリーズ、前回のブリュッセル1973も何度も楽しんだが、今回のハンプトンもかなり楽しめそうだ…。

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U2 - go Home, Live From Slane Castle, Ireland

U2 - go Home, Live From Slane Castle, Ireland (2003)
ゴー・ホーム~ライヴ・フロム・スレイン・キャッスル [DVD] フロム・ザ・スカイ・ダウン~ディレクターズ・カット [DVD]

U2: From the Sky Down (Director's Cut) U2: From the Sky Down All That You Can't Leave Behind - U2 All That You Can't Leave Behind

 アイルランドってやっぱ深い。歴史的背景然り音楽然り。先日ちょいとIRAものの映画を見ていて余計にそんなことを考えてしまったのだが、一方そんな背景を持ちながらも世界を制圧しているバンドもある。The CorrsとU2だ。特にU2はメッセージ色も強くともすれば危険なバンドにさえなる可能性もあったのに見事に世界を制した。そしてアイルランドでも英雄だろうし、かと言ってストリートシーンを忘れたワケじゃなく、きちんとロックし続けているバンドだ。自分的にはもちろん80年代のリアルタイムから知っているバンドだけど、そんなに特筆するほどのバンドと思って聴いてはいなかったし、なんか不思議な音でかっこ良いな、くらい。アルバムは聴いてたけどさ。90年代になって妙な路線にバンドが走った時くらいから全然聴かなくなって、それはU2がどうのって言うよりも自分が他のもの聴いたりやったりする方が多かったからだろう。そして2000年になった時、「All That You Can't Leave Behin」でU2復活みたいな噂が聴こえてきて、「Beautiful Days」だったんだよな。これ、凄くかっこ良くて正にU2でさ、っつうかそれまでのU2よりもかっこよかった。結構アルバム聴いてたもん。

 2003年にリリースされたライブDVD「ゴー・ホーム~ライヴ・フロム・スレイン・キャッスル」。中身は2001年のアイルランドのスレーン・キャッスルで行われた特別なライブの模様で、あまりよく知らないけどサッカーの決勝戦かなんかの日で、ライブ開始までそのサッカー放送を大きなスクリーンで流していて、試合が終わるまでライブをスタートしなかったらしい。そこで試合が終わってからU2のライブが始まるんだからそもそも会場の雰囲気が熱いし、ライブの方もオープニングからものすごい熱気に包まれているのがよくわかる、自分的にはU2のライブDVDの中では圧倒的にダントツに入る代物。8万人もの観客を集めての二日間のライブで、しかも久々にアイルランド地元でのライブだったらしい。とにかく圧倒的なまでの白熱ぶりがこのライブの凄さを物語る。

 当時の新曲群が普通にセットに組み込まれ、初期のU2に戻りつつあるセットリストの中に入り込んでも何ら違和感なくスタンダードな楽曲として流れてくるあたりはさすがポリシーありきのバンドで、90年代の名曲群にしてもしっかりとツボを抑えたところで入ってくるので感動的、終盤の「One」なんて、曲の良さを最大限以上に引き出しているもんな。もちろん往年のロックサウンドの楽曲だってドライブ感とかグルーブ感がハンパじゃない。そしてライブ全編を見ていてず~っと感じていたのが、このライブが多分最高に「愛」を感じるからなんだろうな、と。何でまたそこに行く?って話だけどさ、何かその頃から不思議に思ってたんだよ。なんでこんな粗野で寒いバンドがこんなに熱くなれるのかってさ。そしたらやっぱりどの部分にも誰に対しても何の曲でも全てに本気の「愛」が感じられるんだよな、だからU2って凄いバンドなんだと。ロックに普通の、不変の「愛」を持ち込んでるんだよ。メンバー間にもそれはあるし周囲、家族、観客、土地、歴史…、それらを体現しているから孤高の存在なんだろう、と勝手に解釈している。ま、そうやって見ていると幸せになれるからさ。だからU2のライブってあんまり真剣に見たくないのが本音。そんなに「愛」を向けられても困るしさ(笑)。ただ、何かの時は心の支えになってくれるライブだと思う。うん、そう思うと色々考えちゃうんだよなぁ。アイルランドの歴史とかさ。

 久々に見たけど、やっぱり涙しちゃうライブだった。もう11年前か…それから世界は変わったのでこういうライブはもう見れないのかもしれない…とか。そして「愛」には男女以外もたくさんあるよ、という意味合いもあります♪

「St. Valentine's Day」

All That You Can't Leave Behin
U2
Interscope Records (2000-10-31)
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The Corrs - Live In London

The Corrs - Live In London (2000)
Live in London [DVD] [Import] Live in Germany 1998 [DVD]
In Blue - The Corrs In Blue Best of The Corrs - The Corrs Best of

 テイラー・スウィフトの圧倒的なカントリーポップミュージックを見ていて、どこかコアーズ的な香りがするんだよなぁ…と云う気がしていて、その流れでコアーズを久々に聴きたくなった。ってもコアーズも聴くよりも見て楽しむものでもあるのでしっかりと映像を楽しむことにした。しかしそもそもカントリー・ミュージックってのは各国の移民が流れ着いたアメリカ大陸で特にケルト民族なんかも結構貢献していたらしく、ルーツはそのヘンも絡んでいるわけだからテイラー・スウィフトの音楽にアイルランドの音楽を感じることはおかしくはないようだ。しっかりとルーツが根付いて文化として定着しているという証でもあるか。そのアイルランドのコアーズがアメリカのポップな世界へ進出するためにアメリカナイズされていった音楽とカントリーからポップに繋げていったテイラー・スウィフトとが近しいサウンドを奏でる雰囲気があるというのはなかなか面白い。もっともコアーズの方が全然しっとりしてるけどさ。テイラー・スウィフトの映像を見てて、女の子がこんなになんでもできるんだ、っていう驚きもあったんだが、それはコアーズでも同じ印象を受けていて、更に美貌だというのも良かった。

 ってなことでもう10年以上前の話になるのだが、自分が一番最初にコアーズと云うバンドのライブ映像をテレビで見て速攻で探しに行ったというライブ映像が「Live in London」というDVDに入っている。どうやら2000年の12月のロンドンのライブって言うから、もう12年前になってしまったのか…。皆母親なんだろうなぁ、今は。などと感慨深いものもあったりして目を細めながら見てしまったのだが、普通にポップスかと思いきやなんか違う、ってことで聴いているとバイオリンがやっぱり特徴的だよね。ケルトの旋律が飛び交っていてついつい耳がそっちに行ってしまう。それでいて音楽もしっかり作られているから聴きやすいし覚えやすい。それでいてアメリカの音と全然違うのはしっかりと自分の中に残るってことだ。良くも悪くもテイラー・スウィフトの音楽はあとに何も残さないというもので、それはもう爽やかなものなんだけどコアーズのはじっくりと自分の中に残っていく音。このヘンの深さが凄いところなんだな。更にステージの華やかさと言ったら見事なもので、皆音楽大好きって感じで良いんです。

 特にケルト民謡的なのがインストで出てくるともうダンスタイムって感じでさ、旋律が新鮮で耳に残るから好きで、そのヘンの曲で多分ヤラれたんだよな。「Joy of Life」とか「Paddy McCarthy」や「Toss The Feathers」って辺りだね。こんなの聴いたことなかったしさ、しかも派手に軽やかにやってるんだから見物ですな。そこに「Old Town」ってフィル・リノットの曲が出てきてさ、やっぱりアイルランドだな~と。もちろんコアーズのオリジナル曲も何ら見劣りしない曲ばかりなんだが、これって三枚目の「イン・ブルー」がリリースされて売れてた時のライブかその前後だろうね。垢抜けてて良い。しっとりと馴染むなぁ、こういうの。

 そしてアマゾンで久々に見てみるとワケのわからない「Live in Germany 1998」というDVDなんてのが出てる。妖しげなDVDなので多分オフィシャルじゃないんだろうけど、1998年か…ちょっと気になるかな(笑)。





Taylor Swift - Speak Now World Tour Live

Taylor Swift - Speak Now World Tour Live (2011)
スピーク・ナウ・ワールド・ツアー・ライヴ(DVD付) スピーク・ナウ-デラックス・エディション
Speak Now World Tour Live - テイラー・スウィフト Speak Now World Tour Live Speak Now - テイラー・スウィフト Speak Now

 なんかウルサイのばかり聴いてて疲れてきたな、と思って息抜きがてら何かないだろうかとアレコレ…。そういえば何かの雑誌でえらく評判良くて気にはしてたけど映像見るまで手が伸びてなかったなと思って見始めたらその凄さに惹き込まれてしまったのがテイラー・スウィフトのライブ映像。昨年のツアーを記録したライブDVDで、生々しい彼女の姿を収めたものとしては初めての映像集だそうで、見るまではまぁ、そりゃ歌って作って可愛いシンガーだからねぇ…なんて思ってたくらいだったけど見たらアメリカを背負った立派なシンボルだった。かなりびっくりしてこの若い女性を見直して改めてプロというものを見た感じだ。

 「スピーク・ナウ・ワールド・ツアー・ライヴ」はCD+DVDと言うことでリリースされているが実質はDVDのためにあるようなものだろう。ジャケットからして結構な期待を抱かせるもので、ロックしてるんだよな、こういうの。単なるアイドルって思う人もいるんだろうけど、自作曲でギター弾いて歌ってステージの演出なんかも自分で考えているようだし、もしかしたらものすごい天才的なエンターティナーなのかもしれないと思える部分が多い。それでいて可愛い。とにかく曲の合間に無言で観客を見つめてスケールの大きさに自信でも感動して「I love you」とか「Thank you」とか呟いてるんだけどさ、その時ってものすごいアイドル的なスマイルなワケですよ。言葉を発せずにスマイルして合間の沈黙を和やかな雰囲気に変えてしまっている。そしてライブを見れば自身でバンジョー、ウクレレ、ギター、12弦ギター、ピアノを弾きながら歌い、しかもだ、ジャケットで見れるようにギターの位置が低くて結構かっこ良く持つんだよ。赤いレスポールとかカッコよいもんなぁ。そしてアイドルの側面としては衣装変更が何度もあって金色、赤、白、紫などなどのドレスで基本的に露出度少なくアメリカ女性のお手本とばかりの華麗さをまとってステージを楽しんでいる。これはもうアメリカ人ならイチコロだろうな。…かと思うと観客の声はティーンエイジャーの女の子が大半か?黄色い歓声が飛び交っていてうるさいばかり。女の子のアイドルなんだろうな。でもやってるのは思い切りカントリータッチのポップスで、昨今には珍しいメロディがしっかりした歌なので覚えやすいしキャッチーで聴きやすい。しかも歌も無理のない範囲の音程なので皆で歌えるし、凄く自然体なんだろうな、と。

 ただ、ものすごいプロ根性を感じるしさ、こんだけやれる22歳っえてどんなん?って。もしかしたら今後のアメリカを支えていくエンターティナーになるんじゃないだろうかと映像を見ていると感じる。マイケル・ジャクソン並のスーパースターさがあるもん。マドンナでは出せなかったものだしブリトニーやレディー・ガガみたいに作ってるものじゃないから長持ちするだろうし、曲も歌もアレンジも良い。アルバムでは普通にポップスになっているものもしっかりとカントリータッチというか、生でギター一本で歌ったりステージングを楽しませたりして見ている方を飽きさせないし、そりゃもう見事です。正直にここまでのショウが見れるなんて思わなかったから脱帽。これからもちゃんと追いかけてみようという気になった。そんなことでまずはこのDVD、見るべきアイテムです。どこかのアイドル聴いたり見てるんだったら全然こっちのが良い。



Madonna - Superbowl Halftime Show 2012

Madonna - Superbowl Halftime Show 2012
MDNA

 いつからかスーパーボウルのハーフタイムショウのたった20分弱の隙間がスーパースター達が出演するライブイベントのひとつになってしまっていて、それは1993年のマイケル・ジャクソンの出演から始まったようだが、その後も複数アーティストの豪華共演レベルのお祭りだったものが、更に進化して20分のライブイベント、しかも全米視聴率圧倒的No.1と広告枠を誇る隙間にだ。いくらバンドやアーティストが有名だって言ってもスーパーボウルの視聴者数には敵わない訳で、皆が皆高額の出演料をもらっているんだろうけど、そんなのは支払う側からしたら大した額じゃないってくらいにカネが動くイベントのようだ。ま、生々しい話はともかくとして、自分的にはそんなに意識なくってさ、随分前にテレビでスティングとグウェン・ステファニーが一緒に歌ってるのを見て何だろ?って興味持った時くらい。その後はKissとかThe Whoとかストーンズとかかな…、そのヘンから刷り込まれてきた感じ。

 そして今回さすがに話題作りが上手いんだろう、マドンナ。特別に興味ないけどマドンナがスーパーボウルのハーフタイムに出るってことはちょいと前から知ってたからさ、普通のニュースに紛れてきたんだろうと思うが、ほほ~んと。いや、どうすんだろ?っていう興味。バンドだったらガツーンと気合入れていけばパフォーマンスが良くなるんだろうけど、ポップ歌手って…どうすんの?みたいなさ。ま、マドンナだから何かやるんだろう、とは思ってたけど。そんなことでようやく見れた…もちろんYou Tubeですがね、便利な時代です、ので、なるほど、と。最近のツアーDVD「Sticky & Sweet Tour」なんかでも50歳を超えた体であのパフォーマンスとダンスは驚異的と言われているけど、ホントそうなんだろうな。何かの写真でアップで顔を写したのを最近見たんだけど、もうおばあちゃん的な顔のシワと肌のたるみなんだよな。それでもテレビとかツアーとかでメイクしまくってるとわからないんだけど、アップで普通にメイクしたくらいの表情だとやっぱり年には敵わないなと。それを見てたので今回のハーフタイムショウって?とも思ったワケさ。

 いざ、蓋を開けてみたら、こういう手で来たか、と納得。単純にマドンナが一人で、もしくは数人程度でステージで歌うハズがなかった…。実質たった15分も無いくらいのパフォーマンスに百人単位のダンサーなどなどを登場させて一大スペクタルを始めたのだった。入場からして仰々しくファラオの神をモチーフにした登場で、ステージ上でどんどんと衣装が変化していくという紅白歌合戦並の気合の入り方。さらにマドンナだけでなく、名前はよく知らないけどいくつかのアーティスト…しかも最近売れそうな、売れている黒人系のやんちゃな方々を招き入れて共演することでステージを若くハツラツと見せている感じ。最後のデブの黒人、巧かったなぁ…、興味ないけど。そしてまぁ、歌ってる曲なんて知ってるのか知らないのか全然わからなくてさ、全部ダンスアレンジになっててメロディが聞き覚えあるかな?くらいなんだけど、歌のボリュームも大きくないので、ホント見せるショウだったんかな。それとも声量の無さでしょうがないか?ま、いずれにしても歌を歌う人っていう出演ではなくてダンスを仕切る人っていう主演ダンサーとしても出演してます、みたいな感じだったかな。そして最後はステージからスモークと共に消滅するというパフォーマンス。53歳にしてこの動きとか凄いわ。どうしても単純にダンサーとして歌手として見れないんだよね。53歳のおばちゃんがこれ?みたいな見方しかできなくて…、古くから知ってるとダメです。ちなみにマドンナって昔の曲よりも最近の曲の方が圧倒的に売れてたり人気あったりするみたいなので若い世代的にはそっちのが良いらしい。「Music」とか、ねぇ…。なので普通に見てて普通に見れるパフォーマンスで凄いなと。

Sticky & Sweet Tour [Blu-ray] [Import]
Warner Bros / Wea (2010-04-06)
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Van Halen - A Different Kind of Truth

Van Halen - A Different Kind of Truth (2012)
ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース-デラックス・エディション(初回生産限定盤)(DVD付) 1984
A Different Kind of Truth (Deluxe Version) - Van Halen A Different Kind of Truth (Deluxe Version)

 結構前から話題になっていたVan Halenの久々の新作リリース、ホントにダイアモンド・デイヴが戻ってきてアルバム出すんか?と思ったもんだが、何とまぁ、実現してしまったのだった。ちょいと残念なのがベーシストにはあのマイケル・アンソニーがいないってことだな。替りにエディの息子が参加しているってんで、ま、良かれ悪かれ。リリース前の感じではいくら数年前にそのメンツでツアーをやっていたからと言っても学芸会みたいな感じだったからちょいとねぇ…と思ってしまったしさ。ただ、冷静に思えば一番伸び盛りの16歳くらいから20歳くらいにまで大人になっているワケだから上手くもなろうってもんか、と。確かこの息子、ギター弾いてたって思ったけど、親父とバンド組むにあたってはとても敵わないと思ったのか、ベースがいないなら自分が弾いてやる、と言い出したのか、そもそもVan Halenがほぼ解散状態だったワケで、それを息子の勢いでデイヴも戻してやり直したとしての功労者ってこともあり得る。更に言えば、この息子のおかげでバンドが若返っているってのも否めないだろう。The WHoにザック・スターキーが参加したことで圧倒的に生き返ったってのもあるしさ。

 ってな前置きがありながらまずはアルバムですな。「ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース」。ジャケットからして何やら70年代Van Halenな雰囲気で「ん?」と期待。先行シングルのPVを見た限りではちょいと落ち着いちゃってVan Halenらしさってないんじゃない?とか思ってたんだけどさ、それがアルバムの一曲目なんだよな。アルバム通して聴いてみた後にわかったのは、この「Tattoo」が一番最初ってのは意味があることだった、ってこと。こんだけミドルにゆったりと流れる曲が他にないんだよ。んで、他のどの曲も最初に持ってくるにはちょいと強烈すぎるんだよ。だからこの「Tattoo」のダルさ加減がちょうどアルバムには必要だったんだな。そしてシングルカットも多分同じ理由で、いきなりVan Halen全開を出すのもどうかね?ってな部分あったんじゃないか?まぁ、言いたいのはだ、この「ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース」は「まず聴け」ってことだ。黄金のデイブ時代のVan Halenそのものが聴ける。位置付けとしちゃ「1984」の次のアルバムとしてデイヴがボーカルで出したアルバムってとこだ。ベースが変わってるから原点回帰しました、みたいなトコで、正直言ってベース替わったことによる影響は無くは無いだろうけど、マイケル・アンソニーだったらこうはならなかったってのも多いからプラマイでいけばプラス作用が大きいと見る。

 まずはエディのギター…、はい、何ら変わらない天才肌のプレイとシンプルなプレイ。もちろんエフェクトの上手さや音の出し方ってのは色々進化してるけど骨格がもうあの頃の音だもん。自分としては最初期のあのギターでマーシャルぶち込みの音が最高にカッコよい音だと思ってて、今の音は新しいギターと機材を使ってあの音を目指しているんじゃないか、みたいなジレンマも思うけど、多分音圧なり音の粒なりが調整しやすいんだろう。そしてソロプレイ。パッと聴くと綺麗に流れるソロプレイでやっぱりエディ!と思うけど、その実えらく瞬間的な速弾きがあったりライトハンドも普通にあってじっくり聴いていくと「なんじゃこりゃ?」的なプレイが多いのもいつものことか。珍しくスライド・ギターでオーソドックスなアメリカンプレイなんかも聴けるしね。そして楽曲自体の骨格もシンプルに出来ているしその分のノリをアレックスのドラムに任せているのもいつも通り…ってかアレックス、全く変わらん(笑)。深胴ドラムなんだろうな、これ、相変わらず。そこに息子のベースだ。かなり音が前に出ているのは目立たせたいからだろうが、その価値あるベースプレイをしているよ。ちょいと音がボヤけている気もするが、ま、いいか。そして元々がオヤジのギタープレイを聴いて育っているワケだからベースを好きに弾かせたらこうなるのか、ってくらいにこれまでにあり得ないくらいベースをギターのように弾きまくっている。かと言ってビリー・シーンのようなセンスは聴かれないのがまだまだなのか、そういうもんなのか。ここがマイケル・アンソニーだったら許されなかった領域だったろうな、と。そして、ダイアモンド・デイヴ。好きなんだろうなぁ、こういうアメリカンエンターティンメントな世界。さすがに若さはないものの、何らVan Halenの名に恥じない独特の世界を歌ってくれている。そして曲はどれもハードなロックばかりでご機嫌♪

 正に復活Van Halen!鍵盤なしの純正ハードロック♪



Rhapsody - Symphony of Enchanted Lands

Rhapsody - Symphony of Enchanted Lands (1998)
シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ Symphony Of Enchanted Lands Part2
Symphony of Enchanted Lands - Rhapsody Symphony of Enchanted Lands Tales from the Emerald Sword Saga - Rhapsody Tales from the Emerald Sword Saga

 イタリアの叙情性と暑っ苦しいまでの熱さを醸し出してくれたバンドは多分70年代らへんで一段落ついたみたいなんだよな。その後しばらくイタリアのロックなんて全然聞くこともなくてかなりアングラに埋もれていたんじゃないだろうか。実際どうだったのかよく知らないけど。ところが90年代になってヘビメタが市民権を得る頃になると普通のヘビメタがどんどんと細分化されていき、様々なテーマが持ち込まれまた色々な音楽体と融合を果たしていって独自の真価を遂げていった。その中にはイタリアンロックと…という方向性もあったんだろうが、全然異なった世界を創りだすバンドがイタリアから出てきた。それがRhapsody (of Fire)というバンド。元々Rhapsodyというバンド名だったらしいが版権の問題からか今ではRhapsody of Fireと名乗っているらしい。そのRhapsodyのセカンドアルバムにして名作と誉れ高い「シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ」をちょいと取り出してみました。

 「シンフォニー・オブ・エンチャンテッド・ランズ」は1998年のリリースってもう15年くらい前のアルバムなのか。凄いな。この驚異的なテクニックと音楽性の幅の広さと常識を覆す展開の楽曲に加えて常識から逸脱したスケール感の大きさによるアルバムのストーリー構成…何と5枚くらいのアルバムを通してひとつの物語を成しているというこれまでではMoody Bluesくらいでしか聴いたことのないアルバムが繋がったストーリーってなってるようだ。凄い展開。それで楽曲の方はもうプログレとかメタルとかファンタジーとかそういう類の俗な言葉では足りないようなRPGな世界。RPGな世界ってのが言葉として通じるのかどうかわかんないけど、ファンタジーアニメのバック音楽とでも言う方が懸命なのかもしれん、ドラマティックという次元は大きく超えて全く壮大なファンタジーアニメの映画を見ているような感覚の音楽。それがメタルのスピードとリフで出来上がっているのだが、そこにオーケストラも普通に入ってくるし、一体どういう発想でこういうのが出来上がるのだ?って思う。それでいて歌メロはもちろんキャッチーなアニメの主題歌的なラインをなぞるワケで、正直とんでもない世界観です。今まで様々なものを聴いてきたけど、こういう音は完全に自分の世界を壊されてしまう、それくらいに衝撃的な作風。今の時代じゃこういうのも当たり前なのかもしれないけど、自分なんかはまだまだ驚きの方が多い。

 イタリアらしさってのは特に見当たらないけど、あれだけクサいことが平気でできる国じゃなきゃこんなドラマティックなクサメロ、メロスピな音なんて出せないかもしれん。オペラも入ってるもんな。でもすごいのはそんなこと気にしなくても普通に聴いていて聴けてしまうレベルの高さだろう。アキバあたりでは絶大な人気を誇るハズのRhapsody of Fire、もしかしたらこの手のメタルとアニメの融合ってこのヘンから始まってるのか?あまり突っ込みたくなくて来歴とかきちんと調べてないけど、日本のサブカルと合わせて歴史を漁ったらそういうことになりそうだ。それにしてもこんだけのテクニックと才能…、凄い。



Museo Rosenbach - Exit

Museo Rosenbach - Exit (2000)
Exit ツァラトゥストラ組曲(紙ジャケット仕様)

 久々にムゼオ・ローゼンバッハの名前が出てきたので、そうか…と「Zarathustra」を聴いてみることに。いや、やっぱり恐ろしいほどのシンフォニック仰々しさ加減とこってり熱々ムードでして、いつ聴いても名盤の域に入る傑作だなと悦に入っていた所、そういえばちょっと前にセカンドアルバムってのが出ているってのを見たことあったので、そっちを聴いてみますかね、ってことでちょいと手を出してみましたMuso Rosenbachのセカンドアルバム…っつうか時世に合わせての再結成アルバム「Exit」。再結成ってもリズム隊がオリジナルメンバーなだけで他はまるで異なる面々なんで一体どんな音になることやら…と期待半分不安半分でチャレンジ。

 2000年にリリースの「Exit」。ジャケットからしてちょっと…ね。そして最初から流してみると、結構ムゼオ・ロゼンバッハらしい仰々しいサウンドが流れてくるじゃないですか。これは悪くないと思いつつ聴いていると、さすがに音は現代的ではあるけど曲構成とか雰囲気は割と昔の名残を思わせる部分もあってバンドの名に恥じることない作品ではないかと。もっともあの70年代の熱さがそのまま入ることはないので、そういう面での空気感のパッケージ面では弱いけどそれでもかなり熱い音です。起伏がやや貧弱な気がするのと、コンパクトに纏められているっつうのが時代を物語っているが、結構良い。意外だった。ちょいと方向性を間違えるとフュージョンにも成りがちなギリギリのラインでの展開も新たなる発見かではあるけど、熱い熱い歌がそうはならないように抑制してくれる。

 昨今置い年のプログレバンドも再結成してアルバムなりライブなりという展開をよく聞くが、割と失望するものが多い中、ムゼオ・ローゼンバッハの「Exit」はかなりファンを納得させることのできるアルバムだったんじゃないかと。まぁ、あの熱さとは比較できないけど。ってアマゾン品切れですか、これ?そして以外に発掘モノがリリースされていることに驚いた。「Live 72」とは正にライブなんだろうし「Rare & Unreleased」は未発表曲集?すごいな、色々出てるわ。





New Trolls - Concerto Grosso N.2

New Trolls - Concerto Grosso N.2 (1976)
コンチェルト・グロッソ2 コンチェルト・グロッソ1&2
Concerto Grosso No. 1 - New Trolls Concerto Grosso No. 1 Concerto Grosso: The Seven Seasons - New Trolls Concerto Grosso: The Seven Seasons

 ちょっとイタリアまで行ってみたので懐かしの音でも…と。自分的にはイタリアのロックと言われるとやっぱりもう70年代のユーロロック時代なんだよね。よくわからないレコードが結構あってどれもこれも妙に芸術チックなジャケットでさ、レコード屋のユーロロックコーナーに塊で置いてあって、何となく気になるからやっぱりよく見てしまっていて、ジャケットは覚えちゃうんだよ。だから多分レアなのとかはあんまり知らなくて、キングの再発が出たヤツとか流通が多いものが中心で覚えてしまったんだと思う。実際に聴き始めたのは英国系を結構聴いた後なのだが、それでもその仰々しさには驚いたものだ。中でもNew Trollsの「コンチェルト・グロッソ」とかMuso Rosenbachの「ツァラトゥストラ組曲」とかMaxphone「Maxophone」とかは驚くほどの叙情さでイタリアンロックの底深さを実感したものだ。

 そんなことで今回はNew Trollsの「コンチェルト・グロッソ」の続編ともなった「コンチェルト・グロッソ2」という作品です。実際「コンチェルト・グロッソ」は1971年に多分バンドとしても全盛期の作品だったろうし、評価ももの凄いものだったが、続編と言われる「コンチェルト・グロッソ2」は1976年の作品で、メンバーもかなり出入りした後で、バンドの再起を願ってという訳でもないだろうけど、もう一度花形に、という意味合いもあっての再演だったという向きが強いようだ。もっともそんなことは後になってから知ったワケで、名盤「コンチェルト・グロッソ」の続編として「コンチェルト・グロッソ2」なんてのがあるぞと知って聴いたワケだから悪く聴けるハズもない。ただ、昔聴いた時から「コンチェルト・グロッソ2」の方は「コンチェルト・グロッソ」に比べて仰々しさとドラマティックさに欠ける…っつうかそこまでじゃないな、というのはあった。今じゃCDで連続もので出てるけど当時はアルバムでバラバラに聴いてたからさ、アルバムごとに色が出てしまうんですな。そこでこの「コンチェルト・グロッソ2」はちょいと小粒な感じ。歌は相変わらずイタリアンな熱さでコーラスもあったりして仰々しいんだけど、全体感が詰め込み具合が物足りなかったっつうか…、それでも凄いけどね。ただ、どれもこれも短めに完結してしまっていてドラマがイマイチ見い出せない部分あったね。それこそ聴きやすいと言えば聴きやすいサイズなので、どこかピンク・フロイド的でもあるのだが。

 しかし改めて何年ぶりかに聴いてみたけど、こんなにチープな音だっけ?とちょっと疑った。昨今の音の進化はもの凄いんだろうな。耳がそういうデジタル音と音圧に慣れてしまっていて、アナログのこの辺が凄くチープに聴こえてしまうんだもん。それはもったいないっつうか作品の質とは別の話だけど、迫力がね、ちょっと足りないと感じてしまうのはあるワケです。しかししつこいくらいのメロウさに変わりはないな(笑)。



Lacuna Coil - Dark Adrenaline

Lacuna Coil - Dark Adrenaline (2012)
Dark Adrenaline Dark Adrenaline: Limited Boxset
Dark Adrenaline - Lacuna Coil Dark Adrenaline Shallow Life - Lacuna Coil Shallow Life

 イタリアはミラノ出身のヘヴィロックバンド、Lacuna Coilも既に6作目となるアルバムがリリースされたので、気になって聴いてみる。Lacuna Coilは結構ねぇ、良質な作品を連発しているし男女ボーカルでヘヴィロックなのでまぁ面白いかな~ってことで割と聴いてるかも。偶然だけどラウドパークで生を見てしまっているのもあってか親しみはあるし。このバンドは7弦ギターと5弦ベースという音的にホントにヘヴィな低音を重視していて、そういう意味では聴いていると辛い部分も多いんだけど、曲がもう洗練されているんでしっかりとメジャーシーンへの進出を図れているのが見事。アルバムデヴューが1996年っつうんだからもうベテランの領域に入ってきているよな。

 2012年ついこないだリリースされました「Dark Adrenaline」。ここ最近のアルバムと同傾向のジャケット…シンボル志向ってのか、まぁ、別に深い意味はないのだろうけどある種Lacuna Coilな感じではある。初っ端からキャッチーでヘヴィでツインボーカルの掛け合いでしかも割と独特のメロディラインが組み入れられているというアルバムで、良くも悪くも裏切られないLacuna Coilのサウンドが飛び出してくる。だから最初から何曲かはやっぱこのバンドってこんな音だよな、と納得して聴けるんだけどだんだんと飽きてくるのはそのバンドのイメージにこだわってしまったからか?どれもレベルの高い曲なんだけどアルバム通すとちょっと重い感じ。曲を覚えて来ればそれはきちんと変わるかもしれないからアルバムとして悪いモンじゃないのは確かだ。しかし、こういう手法でのアルバムや楽曲って難しいな。その中でも色々な試みしてたりするんだろうけど、バンドとしてもどこに向かうのがベストなのか悩むんじゃないだろうか。

 それでもしっかりとLacuna Coil的なメロディセンスが光る曲がいくつもあるのでやはり聴き込み度合いによって印象変わるかな。それにしてもクリスティーナ嬢、今はもう30代半ばくらいか?それでいてこのパワーは見事だよな。ソフトにも歌えるしハードなバックにも負けない歌もイケるしそろそろソロアルバムでもリリースして多様性を発揮しても良いんじゃないかとか思ってしまうけどね。しかし昔このバンドに付いていたゴシックメタルという冠は既に似合わないものとなってしまっていて、今じゃヘヴィロックなバンドだろう。ゴシック要素はまるで見当たらなくなっているし、どっちかっつうと中近東メタルとかそんな感じ?しかしある程度は確実に売れるだろうな、この音。



Lullacry - Vol.4

Lullacry - Vol.4 (2006)
Lullacry 4 ホエア・エンジェルス・フィア

 新作「ホエア・エンジェルス・フィア」をリリースしたばかりらしいLullacryと言うフィンランドのバンド、そう言えば割とメロディアスで華麗なハードロックを奏でるバンドだったな…と思いだしてちょいと昔のを引っ張り出して聴いてみた。Light Bringerを聴いていてここまで凝ったバンドって世界にそんなにないだろ?とか思ったんで、何となくアマゾンでも見かけたのでついでに、っていう意識が強かったのだが。まぁ、日本では多分かなり無名に近いんだろうとは思うのだが、実力派だとは思うんだよな。自分の昔のブログ読むとえらく否定的に書いている気もするんだが、それはもう捉え方が違っていたってことで時間と共に懐も深くなっていくのです(笑)。

 2006年にリリースされた「Vol.4」という文字通り4枚目のアルバム…もしかしたらララクライの面々はブラック・サバスが好きなのか?とも思ってしまうのだが(笑)、いやツェッペリンかもしれん…などなど「Vol.4」というタイトルだけでもロックな感じがするのは70年代ロックをリスペクトしすぎだろう。しかしララクライというバンドにしては珍しくシンプルで無機質なアルバムジャケットなのでやっぱりZeppelin意識かな…と思いながらも聴いてみると、音の方はまるで裏切ることなくメロディアスで流れるようなハードロックのオンパレード。そこにフィンランド独特のちょいとメランコリックなメロディラインがあったりするのがクセになる味付け。アルバム一枚聴いているとちょいと流れすぎてしまうキライはあるんだけど、どれも良質な作品だと思う。ただ、ギターの音がかなりクセあって、ゴシックメタル的な音のくせに、と言われてしまう所以なんだろう。もちっと普通のサウンドで良いと思うのだが、もしかして7弦ギターも使ってたりするのか?Lacuna Coilみたいなギターの音がするんだよな。やや合わなくてさ、歌が死んじゃうっつうか…、ま、いいか。

 そのボーカルのターニャ嬢はクセもなく軽やかに歌ってくれているので耳障りは凄く良い曲が多い。バンドの巨躯のアレンジがやや単調な所が物足りなさを覚えるけれぢ、それにしてもコピーできるか?ってくらいのものではあるので多分凝りまくった音に慣れてしまった自分の単なる欲求なのだろうと。この後5年間もアルバムリリースしていなかったのだから今作はかなり音が変わっている気がするんだがどうなんだろ?ちょっと気になってきたけどまだ焦るほどでもないかな。





Light Bringer - genesis

Light Bringer - genesis (2012)
genesis[完全限定プレス盤DVD付き] noah
genesis - LIGHT BRINGER genesis noah - EP - LIGHT BRINGER noah - EP

 2009年頃から聴きまくっていたLight Bringerが2010年11月にメジャーデヴューってことでその筋…っても大した人数じゃなくてブログやTwitter仲間らへんで盛り上がっていたんだけどさ、その前の「Midnight Circus」という作品がもう神盤だったんで、シングル一つでもあのクォリティを期待してしまうワケで、それがデフォルトになってしまっている自分がここにいて、多分期待なんだろうな、どこかで「できんの?」みたいなのあったんだけど、今のところまるで裏切ることなく、どころか期待をどんどん超えて新作をリリースしてくれている。日本のインディーズのメタル風味バンドなのにこんなにハマれるってのは我ながら何で?って感じだけどしょうがないね(笑)。その音楽性の高さとテクニックとパワーと…何か、全部(笑)。ってことでまずは昨年11月にリリースされたバンドの紹介ともなる最初のシングル「noah」からご紹介♪

 「noah」…って…箱舟?みたいな印象があって、その後リリースされるアルバムは「genesis」っつうから、もしかして何か壮大なる天地創造物語をイメージしたアルバムが出てくるのか?とか思ってみたりしたけど、まぁ、とりあえずシングルお披露目のファーストシングル「noah」です。っつうかPVみた方が早いんだよな。そのままバンドの「今」が記録されていて、音楽性にしてもテクニックにしてもアレンジにしてももちろん売りのFuki嬢にしてもよく表現されているPVなんで、もちろん音も見事なので言うことなし、って感じです。

 …ってだけで良いんだけど音楽を文字で表現するブログとしてはそうもいかないんで…(笑)。音はメタリックだけどメロディはポップ、そして圧倒的なテクニックと各楽器のアレンジがどれもこれも普通以上のレベルで鳴っている、それはフレーズとかリフとかフィルインからピアノから歌まで全て。これが日本の標準だとしたら相当日本のレベルは高いハズで、自分が聴いていた音楽のレベルが低すぎると思わざるをえないが、実際そんなことないんだから新世紀の幕開けとも呼べるバンドの登場と位置付けても良いかも?いやいやほんとに。ま、そんな褒め殺しなんだが、それが見事に5分以内に収められたポップスの王道の中ってのが凄くて、聴いてると7分くらいに聴こえるんだが、凄い。そして売りにもなっているFuki嬢の歌のパワフルさと歌唱力と表現力。ルックスも良いんだが、それよりも実力の方が凄くて、圧巻、圧倒的なエネルギーを受ける表現力が突き抜けていて心地良い。ここまで気持ち良く突き抜けてくれる歌手は他にほとんど聴いたことがない。バックがどんだけ凄いことやって爆音出してたりテクニカルだったりしてもこの歌声が曲を全部まとめてくれているのでLight Bringerというバンドに集約されるとも言えるか。その分楽曲はどんなアレンジと曲風作風でもメンバーの個性が十分出てくるのは当たり前で、さらにこの歌声でバンドを纏め上げてしまうからその実かなり自由にバンドとしては実験できるし楽しめるんじゃないか?バンド内では作曲するメンバーが、作曲者だけと言うのもいれると3人いるってことは、一人あたり4曲くらい作れば良くて、それはもう集中して徹底的に作り込めるってもんだ。この中にこれから作曲陣に名を連ねてくるであろうギタリストも入ればバンドとしては4人くらいのライターを抱えるワケで、そりゃ質が高いのばかりがチョイスされるだろうなと予感。

 さて、その後今年の1月にアルバム「genesis」がリリースされて、その詰め込まれたサウンドと歌のパワフルさに自分を合わせるのが大変で、詰め込みすぎだろ、このアルバム、とか思うくらいのもので見事なのは重くもなく軽くもなくポップでもなくメタルでもなく、テクニカルさは前面に出てるけどいやらしさはなく、この辺はFuki嬢の歌に依るカバレッジが広いってことになるんだろうけど、そして重要なのはアルバムが47分というコンパクトさに抑えられているってトコだ。しかも冒頭はインストなので実質45分を切った集中しやすいアルバムの長さってのが実に良い。おかげでスルメ盤になって何度も何度も聴いてしまうのだな。そして凝りまくってるから飽きない、そしてメロディはしっかりしてるから覚えやすいっつう面白さ。バンドメンバーが揃ってレコーディングというスタイルのバンドではなくて各自が持ちパートをデジタルで録音して回しているということなんで、音の安っぽさとかがまるで皆無な本島に出したい音を出しているんだろうなという音の煌びやかさも今の時代の象徴か、ドラムとか信じられないドラミングを披露しているもんな。普通のドラムってどんなんだっけ?ってくらいに腕が動いているし足も動いている。ギターに至っては神ワザです…、この人難しいって思うことあるのか?ってくらいに何でもサラリと弾きこなしているし、グルーブもしっかり持っているのだ。ベースはもう超人。どの曲もこんなにベース弾いてて良いんか?っつうくらいにブイブイ弾いてる。特に速いビートの曲では圧巻。鍵盤もね、しっかりと曲を印象づける旋律が空中で鳴っていたりしてベタに鳴ってない。そんな音の洪水の中でFuki嬢の歌が更にパワフルに元気とエネルギーを発散して飛び込んでくる。

 褒め尽くしてますなぁ…(笑)。アルバム一曲づつ書いていこうかと思ったけどとてもキリがなさそうだから止めとこ。Mao君のポップス調のともすればバラード中心的な、いや鍵盤的な美しさがメインになっている曲調、Hibiki氏のプログレメタル好きな凝り性な楽曲の激しさ、そしてKazu氏のバランスの良いメロディラインによる楽曲群、これらが上手くまとまってLight Bringerというバンドを構成してFuki嬢が看板として引っ張る、みたいなね、凄い。歌い方も3種類くらい使い分けてるのかな、声の出し方変えてたりするもんな。ま、でもどんな歌い方でも思い切り熱唱する時の白熱ぶりはもう唯一無二の突き抜け感で全く最高。これからどんどんとデカくなっていくバンドであってほしい、そうじゃなきゃ面白くない。今の時代は自分たちが世界にでていく必要もなくて世界が勝手に認めに来る時代だからそのまま思い切りやってほしいね。誰に何を言われても大して気にすることもなく自分たちの道を進んで行ったら面白いでしょ♪

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Perfume - JPN

JPN(通常盤) JPN(初回限定盤)(DVD付)

 テクノって改めて思うと大して知っているグループがなくってさ、世界中のテクノってちょっと日本のテクノと違うから何か方向違うし、多分YMO直系のテクノって日本しかないんじゃないか?とか思うがよくわからん。現代では中田ヤスタカ氏くらいしか目立たなくて、ロック好きの自分としてはせいぜいそこまでしか進めない気がする。そんなことで、きゃりーぱみゅぱみゅのテクノってのはちょいと派手っつうか粗い感があったんで、せっかくだからパフュームの新作でも聴いておきましょうか、ってことで昨年11月にリリースされた4枚目のオリジナルアルバム「JPN」です。ほとんどベスト盤に近いんじゃないか?という向きもあるみたいだが、まるでシングルを知らない自分には全部新鮮に聴けるという、世間ズレの甚だしいロック好きでした。

 「JPN」…世界進出してるから敢えてこういうアルバムタイトルなんだろうか?自信の表れっつうんでもあるだろうけど。さて、あちこちの反応を見ていると、初期のパフュームが持っていた近未来的なイメージがかなり薄れてきて地に足ついたグループになってきてしまったという落胆さがあるようだが…、なるほど、そのヘンの宇宙感をきゃりーぱみゅぱみゅに見出したんだろうか。いや、ファンも制作側も…。ま、ね、でも「JPN」を聴いてるとさ、やっぱり凄くリキ入れてて、しっかりときっちりと作っているワケでさ、粗さなんて皆無な完璧な遊び心でテクノ…っつうかパフュームの世界が出来ているんだよね。その辺がもうプロで、きゃぴきゃぴ感はないけど安定した楽しさと浮遊感、かな。パフューム感っての既にあるもんな。

 本人達がどうなのか知らないけど、そろそろプロデューサーとか制作陣とかガラリと変えてパフュームで遊ぶプロデューサーに任せてみるってのも良いんじゃないかなぁ。秋元やつんくにするんじゃしょうがないけど、なんかそういうプロデューサー気質の人達にパフュームを作ってもらって破壊再構築なんてあったら面白いよね。アイドルでそんなのないしさ、もう10年もやってりゃ飽きるでしょ。最初は爆風スランプ絡みでダメだったとしてもまたチャレンジの時ではないか?なんて素人は思うんですな。無責任感たっぷりだが(笑)。

 話戻して新作「JPN」はそりゃもう傑作ですよ。飽きるのはテクノという性質上しょうがないんだが、どれもこれも常人では思い付かないような曲とかアレンジばかりだし安心して聴いていられるし、見事に作られているからさ。ただ、ま、何度も聴くか?ってのはないか。



きゃりーぱみゅぱみゅ - つけまつける

もしもし原宿(通常盤) つけまつける (通常盤)
つけまつける - Single - きゃりーぱみゅぱみゅ つけまつける もしもし原宿 - きゃりーぱみゅぱみゅ もしもし原宿

 随分前にヘンな顔のジャケットがよく出てくるなぁ、アマゾン、とか思ってて、まぁ、浜崎あゆみがふざけてんだろうな、くらいにしか見てなかったんだが、今思えばそれはきゃりーぱみゅぱみゅだったのかと。まぁ、浜崎あゆみがそこまでアホな事してまで売ることもないかと考えてみれば当たり前だが、自分的にはほぼ全くテレビは見ないしラジオも聴かないし、売れ線の曲とか流行りの音楽とかまるで耳にすることがないので音楽どころか名前も知らないし、ともすれば曲名なのか歌手名なのかスポーツ選手の愛称なのかとか全然わかんないんです。ほぼ興味がないことに関しては全くの情弱でして…、そんな中、何故かここのところ色々な形で耳にする機会が多くてなんだろ?って思ったのがきゃりーぱみゅぱみゅでした。

 「つけまつける」…「??? 何これ?」なんだが(笑)、更に「PON PON PON」のPVをYouTubeで見て、更に「???」と。気を取り直して再度…、随分と荒っぽいテクノとあまりにも耳につく歌声で、なんのこっちゃ?って感じ。それが全世界で売れてるっつうから驚くワケで、今の日本の文化って完全に世界で唯一無二のものだし、世界中からしてみても興味深い文化を辿っているのはわかるんだが、ここまで感化される必要あるのか?と思うな。ま、それはともかくきゃりーぱみゅぱみゅってのはパフュームで売れて今の日本のテクノを支えるのはこの人だけ、ってな感じの中田ヤスタカ氏の新しいおもちゃのようだ。なるほど、ほぼ同じ骨格で出来上がった曲をそのまま流用しているというか、パフュームでやるには今更ちょっと荒すぎる感じのをこっちに持ってきたんかな?って印象。こんなん歌に個性も何もないからさ、テクノだから歌は楽器としてあれば良い部分が大きいからぞれほど技量は要さないもん。ただ、リズムとフワフワ感は重要だね。その辺は不安定ながらもしっかりと舞っているようで、なるほど、と。それよりも歌詞のインパクトが凄い。歌詞っつうか単語の使い方、か。こんなん出てこないもんな、普通。そういうおもちゃ的感覚が楽しいし、世界に受けているんだろう。そこにあのファッションとかセンスとかPVの個性だからなるほどパフォーマンス度は高いはずだ。

 ってなことで今のところミニアルバム「もしもし原宿」っつうのも出ていて、聴いてみたけど、どうにもね、好みではないから飽きちゃって(笑)。ちょいと若すぎる新鮮すぎるってとこだった。10年後に残ってたら大したもんだとふと思った。はて、何できゃりーぱみゅぱみゅなんてウチのブログに出てきたんだろ?ま、いっか。更に言えば、きゃりーぱみゅぱみゅってレディーガガの響きと同じなんだよな…、ってその辺は上手いマネか…とも感じてしまうのはあまりにも穿っている?



Graham Bonnet - Line Up

Graham Bonnet - Line Up (1981)
孤独のナイト・ゲームス(紙ジャケット仕様) Graham Bonnet
Graham Bonnet - Graham Bonnet Graham Bonnet Here Comes the Night - Graham Bonnet Here Comes the Night

 変わり種のアルバムってことでふと思ったのがグラハム・ボネットのソロアルバム、の実は三枚目という「孤独のナイト・ゲームス」1981年にリリースされた作品。レインボウに参加して依頼すっかりハードロック系統でのシンガーとして名を確立してしまったし、最もそのセンスもあるワケだが、そもそも60年代末期から音楽活動をしていた超ベテランの猛者なワケで、レインボウだってちょいとした仕事程度で加入したんじゃないだろうか?特に思い入れもなく、コージー・パウエルの脱退と共に自身のレインボウから脱退しちゃうしね。それにしても面白いのはレインボウでコージー・パウエルが脱退したのはレインボウのやろうとしていた音楽の方向性がロックじゃないから、っていう理由だったんだが、グラハム・ボネットのこの「孤独のナイト・ゲームス」という作品は正にロックではなくて、過去をリスペクトする作品なワケです。ところがここには気持ち良くドラムを叩き倒すコージー・パウエルが参加しているワケで、しかも全曲。まぁ、趣味とお付き合いレベルなら何叩いても良いんだろうけど、そんだけ真剣にレインボウではバンドとしてドラムを叩いていたんだろう。

 さて、そのグラハム・ボネットのレインボウとアルカトラズという隙間を縫うソロアルバム「孤独のナイト・ゲームス」はなんと驚くことにヴァーティゴからのリリース。参加メンバーにミッキー・ムーディやジョン・ロードがなを連ねているのはミュージシャン的に幅広いバックグラウンドがあるからだろう。アルバムそのものは冒頭の「Night Games」のドラミング一発から思い切りコージー・パウエルだろ、これ?ってな感じで独特のノリだよねぇ、この人のドラミングは。全編どこを取ってもコージーのドラミングってわかるんだから不思議だ。そんなシャープなリズムで歌い上げられる「Night Games」はキャッチーでソリッドで熱唱されるナイスな楽曲。西城秀樹に似合う、と思った人は多いはずだ(笑)。いや、実際歌ってるんだが…。

 他はですね、カバーとか色々あるんだけど全部見事にグラハム・ボネットの色に染めているからオリジナルの曲がどうのとかロックが云々とか気にしなくてアルバム全編を統一的に聴けるからいいんじゃないかなと思う。確かに「Be My Baby」はあのロネッツのだし「Liar」だってスリー・ドッグ・ナイトのだっけ?「S.O.S」も含めてラス・バラードのって感じだろうけど、チャック・ベリーのカバーだったりキンクスだったり色いろあるんだけどどれもこれもグラハム・ボネット流に消化してしまっていて何ら違和感なくアルバムとして仕上がっているからさ、楽しめるよ。レインボウよりも全然リラックスして一流ミュージシャンがプレイしているワケで、多分皆好きだったんだろうなぁ、こういう音楽。自分たちのルーツ確認的な意味もあってこんだけのメンツが楽しくプレイしているようだ。そんな雰囲気を感じるから結構好ましい作品です。





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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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