Scorpions - Comeblack

Scorpions - Comeblack (2011)
Comeblack 蠍団とどめの一撃
Sting In the Tail - Scorpions Sting In the Tail Humanity - Hour I - Scorpions Humanity

 スコピってこないだの「蠍団とどめの一撃」が最後のアルバムってことだったんじゃないのか?なんて話はスコピに限らず別に今に始まったことではないので気にすることもないのか。それにしてもんかダマされ感あるんじゃないのか、これ。まぁ、引退ツアーの産物としてリリースしたって気もしないでもないが…。ジャケットには「Comeblack」ってやっぱ「Comback」を引っ掛けてるんだろうから、そういう意味ではカムバック?ん?引退撤回ってことか?ま~、深く考えてもしょうがないんでねぇ…とリリースインフォとアルバム見て思った。

 「Comeblack」…、よく見れば80年代スコピの代表曲のセルフカバーと影響を受けたんであろうバンド群のカバー集の半々って内容で、なるほど、そういう方法論かと。単にカバー集ってやってみたかったのかもしれないな、という見方も成り立つのだが、まぁ、いいや、ってことで早速聴いてみる…もちろんセルフではないカバー集から(笑)。T-Rexか…こうなるのか、スコピ版は…ってか元ネタそのままのリズムなのでアレンジがややメタルになった程度でスコピらしさっていうのはちょいと欠けてる気が?ビートルズのはもう、やっぱ好きなんだろうねぇ皆さん。ヘンなこと一切しないでそのまま想像通りの音が出てきます。キンクスもやや遅めのリズムでなるほど…と。メタリカバージョンのも異質だったけど意外とメタルにしにくい曲なのかもしれんな。ストーンズは…この手のはお得意なスコピなのでハマってます、正に。まぁ、遊びっつうかちゃんとアレンジ云々という取り組みじゃなくて好きだから~って感じが強い。

 一方のセルフカバーは80年代黄金時代からのが大多数で、音が凄く良くなった、という印象が強いくらいかなぁ。元々のアルバムに入ってた時よりも何か風格というのか余裕と言うのか、自信の表れみたいなのが出てきてるっつうか、そんな雰囲気が凄くある感じ。アレンジが全然違うってこともなく、そのまま。ある意味ベスト盤だもんね。何か…特筆すべきことがあまりないアルバムだったんだよな。でも気になるアルバムだし、ってことで何度も聴かないけど…ってトコだ。



陰陽座 - 鳳翼麟瞳

陰陽座 - 鳳翼麟瞳 (2003)
鳳翼麟瞳 鬼子母神
陰陽雷舞 vol.1 (おんみょうらいぶ) - 陰陽座 陰陽雷舞 vol.1 陰陽雷舞 vol.2 (おんみょうらいぶ) - 陰陽座陰陽雷舞 vol.2

 Light BringerのFuki姫が憧れるとも言う陰陽座の黒猫の歌、そういえば自分も一時期陰陽座って面白いなと思っていくつか聴いてたなというのを思いだして…、いや、確かUnlucky Morpheusのアルバムでどこか聴いたことのある歌だなと思っていたらそれは陰陽座のカバーだったっつうのがいくつかあって、そうか、Fuki姫が歌うとこうなるのか…ちょいと似合わないなと苦笑した経緯を思い出したんですがね(笑)。いや、陰陽座ってやっぱり妖怪暗黒系なんで、明るく元気で前向きなファンタジー系のFuki嬢が歌うのはちょっとイメージが合わないってだけです。歌そのものとかは全然大丈夫なんだけどね。ただ陰陽座の黒猫の方が全然大人の色気とか和風なトゲのないまろやかな歌いまわしで攻めてくるのでスタイルの違いも歴然ではあるんだが…。

 そんな陰陽座を思い出しまして…、陰陽座もインディーズでアルバム数枚出してからメジャーでリリースされる運びってなってて今のLight Bringerと同じような歩み、しかもレーベルはキングレコードなので、ならばそういう時期の音のほうが面白いんかな、なんて勝手に思ってバンドとしては4枚目、メジャーでは2枚目となる「鳳翼麟瞳」で…。2003年のリリースのようで、アルバムジャケットからしてちょいと…「?」なんだけどさ、まぁ、イメージだし、何か「火の鳥」?みたいなんだが、アルバムタイトル通り「飛翔」がコンセプトにあるアルバムのようで…。陰陽座の曲名は難しくて読めないし、意味なんてまるでわからないのが多いのでそこまで追求してないんだけどさ、多分そういう歌詞とかコンセプトなんだろうと思う。だからこのバンドにハマる要素って音もあるし歌詞の深さもあるし和風の面白さっつうのがあって、ただ垂れ流す音楽とは違う深みのあるバンドなんで面白いんだよね。その分勉強せんといかんけどさ(笑)。

 その「鳳翼麟瞳」というアルバム、冒頭からしてもうヘヴィメタルの王道とばかりに雰囲気も音も攻めてきてくれるので嬉しくなってしまう。確かに気合を感じるメジャー作品なんだなぁと思うし、暗黒妖怪メタル色はもちろんあるんだけど黒猫の歌がねぇ、和むんで、こういうの日本人は好きですよ、メロディも歌い方も言い回しも。曲も長くもなく短くもなく聴かせる風になっているし…ただその中でも大曲大作ってことで「鵺(ぬえ)」っつう10分くらいの曲があってさ、やっぱりものすごく目玉なワケ。この時代に日本のメタルプログレバンドがメジャーなアルバムでこんな作品入れてるのかと言うのに驚くが、テクニカルな演奏と凝りまくったアレンジの上を抜ける男女ボーカル、かなり唯一無二の世界で聴いてしまうよね。和風なメタルはやはり肌に馴染むものだ。多分このヘンの作品群が一番陰陽座的に熟していた時期なんじゃないかな、と。もっとも今でも続いているし、また年末には新作「鬼子母神」が出るらしいので面白そうではあるが。





椎名林檎 - 勝訴ストリップ

椎名林檎 - 勝訴ストリップ (2000)
勝訴ストリップ 下剋上エクスタシー [DVD]
勝訴ストリップ - 椎名林檎 勝訴ストリップ 無罪モラトリアム - 椎名林檎 無罪モラトリアム

 時代もスタイルもジャンルも取り組み方も何もかもが全然異なっているハズなんだけどどこか自分の中ではLight Bringerを聴いていて彷彿されてしまうのが椎名林檎の初期作品、というか初期衝動。突き抜けた真摯さっつうのが近いのかもしれない。時代が違うから椎名林檎の悲壮感とは違ってLight Bringerのは勢いが強いので大きく異なるけどさ。そんな事で椎名林檎か…、今じゃNHK朝ドラの主題歌にまで登場したり資生堂のCMガールになってしまうくらいの国民的シンガーになっているが、やっぱり最初期が思い入れ強いね。

 2000年にリリースされたセカンドアルバム「勝訴ストリップ」。ファーストの「無罪モラトリアム」がもの凄い傑作アルバムでひたすら聴いてたんでかなり期待していたセカンドアルバムだったね、この「勝訴ストリップ」は。確かアルバム発売日に買いに行ったんじゃなかったっけかな。初回限定のピンクいアルバムだから。しかしファースト「無罪モラトリアム」の時はデビューアルバムだからこだわりを感じさせる部分はアルバムの中の歌詞くらいのもので、アレンジやバンドの音、ジャケットや曲名など至って普通だったんだけど、かなり評判が良かったのと、このセカンドの近辺で売れまくっていたシングル「本能」のヒットもあって椎名林檎旋風が荒れまくってたからこのアルバムではこだわりが凄く出ている点がファーストとは大きく異なるもんだ。ピンクいアルバムにしても普通は裏面にあるCDの型番とかレーベル名とか注意書きみたいなのは底面に固められていて見事に真っピンクで、かすかに椎名林檎のぶりっ子アイドル表情が同色で見れるもの。開けてみて中野CDケースも真っピンクで目がチカチカしてきたもん。まぁ、そんなところへのこだわりからアルバム収録曲も7曲目の「罪と罰」を中心に全部対照的な曲名になってる。この辺のクレジットへのこだわりはこのアルバムから出てきて以降かなり継続しているようだ。そして偏執的なまでのこだわりがアルバム収録時間が「55分55秒」となっててさ、なかなかそれは凄い芸当じゃないか?と。もっとも普通に作ってアレンジしててまとめてみて近い時間だったら多少イジれる範囲だとは思うけど、アルバム聴いてても別に違和感あるような空間があるワケでもなく、自然に「55:55」になってるんだから凄い。その反面、CD盤面は銀色のプレスにお茶目な椎名林檎嬢が普通にシャツとGパンで「Yeah」とばかりに飾っているのは面白い。

 音はねぇ、最初は驚いた。ここも自分の感性に従って作ってるのはもちろんなんだけど、ミックスとかさ、恐ろしくボーカルが埋もれてて、ファーストは歌声メインになってたのにセカンドはバンドサウンド中心で極端に言えば歌詞が聞き取りにくいまでのボーカルの埋もれミックス。そしてバンドの音が圧倒的にグランジの潮流を汲んだノイズなサウンドになっててお茶の間アイドルのバックとは様相を逸脱してる感じ。そしてベースの暴れっぷりがこれまた普通の歌モノ作品では聴けないくらいにぶっ飛んでるのがバランス感覚の良さ。そんな音へのこだわりがありながらも三曲のシングルヒット曲をアチコチに散りばめたこれまた傑作なアルバムに仕上がってます。これも凄い聴いたなぁ…。「ギブス」から「闇に降る雨」の流れとか凄く好きだもんね。やってることはとんがってるけど歌声はいくつも使い分けることができるのか、可愛らしいと思える歌からパンクな巻き舌、つっけんどんな歌い方などなど割と多様で飽きることないシンガー。変幻自在の部分を持ち合わせているからこそ今でも生き残ってるし、それでも自分のスタイルを確立しているから面白い。

 「勝訴ストリップ」って滅茶苦茶久しぶりに聴いたんだけどまるで古さがなくて今でも新鮮に聴けるんだな、と感心した。そりゃ聴きながらこんだけ熱中してブログ書けるんだからやっぱ面白いんだろうな。多分それはノスタルジックではなくて今の作品として聴いて面白いんだと。いいなぁ…、またライブビデオとか色々見ようかな。結構ハマってコレクトしてたから色々残ってるんだよ、その辺(笑)。





Light Bringer - noah

Light Bringer - noah (2011)
noah
noah - EP - LIGHT BRINGER

 コレだけハマれる音ってのがまだまだ出てきてくれるのは嬉しい次第だね。どうにもあらゆる音に手を出してしまっていて、何度も何度も聞きたいって思える音ってのがなかなかなくってね…、ハマり切れないっつうかさ。どうしても昔のだったりすることが多くて、新しいのでそんなにハマれるのは少なかった。一時期やたら聴くってのは結構あるんだけど何年かするとどうしても風化してしまって、後でそういえばよく聴いてたな…と思い出す程度になってるものも多い。そうやって自分の中でのライフミュージックが作られているんだろうけど、ここの所二年近く聴いてることになるのか?Light Bringerの作品。かなりのヘヴィロテなのに今でも全然飽きないで聴いてる…っつうかより一層聴いているっつう方が正しいか、深みが出てくるんだよな。日本のバンドでそんなに聴くのってあんまりないし、しかもこんなに若いバンドでなんてまずなかったしさ。それがねぇ…新譜を楽しみにしてしまうくらいにハマってるってのは面白いもんだ。

 多分ね、愛だの恋だのじゃなくてひたすらファンタジー的というか、現実的じゃないので聴きやすいっつうか面白い。歌詞がくだらないと日本語の場合はもうダメなんだよな。歌謡曲ならいいかもしれんけどね。そんでかなり元気づけられる前向きで希望な勢いと歌詞と歌声と…って所でこの荒んだ世の中でこんだけピュアに音として出てくると引き寄せられるっつうのかさ、良いな、と。バンドの音そのものも超テクニカルなメタル感覚なんだけどポップさがあって今の時代なら普通に受け入れられる音でしょ、これ。メタルとはあまり言われないんじゃないかな。嬢メタルっつうのもちょいと違うんだよな、実際。嬢メタル=ゴシックメタルのパターンという感じで思ってるからこういうのはアイドルメタルに近いんだろう。もっと言えばアニソンメタルなハズなのだが…、そのヘンのキャラクターと言うか個性派メジャーデビュー一発目のシングルやPVではほとんど出すこともなく、普通のバンドとしての側面から出てきたってとこだ。だからメジャー以前の雰囲気からはかなり垢抜けてすっきりした感じで一般に受けるようになってる感じ。まぁ、別に良い気がするけど、オタなファンからはLight Bringerが遠いところに行ってしまった感があるかもしれん。その分メジャーなファンを掴むでしょう、きっと。そこから個性を出してまた多くのファンを獲得してバンドが大きくなっていくと面白いんだろうと。

 なんだかんだと言いつつ、やっぱりもの凄いレベルの楽曲と歌とアレンジで才能あるバンドです。こんなの普通に出来ないもん。それぞれの楽器のフレーズが曲を通して同じ事っていうのが少ないんだよね。曲の進行と共にフレーズが変わっていって…でも歌メロはしっかりAメロとかBメロとかサビとかあるワケで、言い方変えれば違うバックに同じ歌メロを載せているという高度なワザとも言えるか。いや~、それでいて歌詞も深い。でも政治的背景などはないから深みの方向性が違う。そのヘンは面白いな。そして熱唱ボーカルも気持ち良いとばかりに聴かせてくれるので聴いてる側も気持ち良い。しかしドラムの上手さ…さらりとあんなの叩いてるし、ベースはもう言わずもがなの天才的才能を披露しまくってるし、鍵盤のセンスも凄いよ。コレ、結構肝だもんな。この鍵盤のセンスがなかったらもっと黒いメタル寄りだったかもしれないが、鍵盤で軽くなって歌で更にキャッチーになってるというバランス。音楽的発展を今後に見つけていくのが課題になるかもしれないけど当分そのままでよろしいね。

 あ、何書いてるかって?

Light Bringerの「noah」という新曲シングルCDでした。

 ちなみに2曲目のバラードはいきなりピアノと歌のみの歌謡曲とも言える世界で「noah」と同じバンドとは思えない展開。まぁ、昔のアルバムにも入っている再録曲なんだが、唯一のバラード、か。なるほど。3曲目はLight Bringerの本質かなぁ…、こういうのが一番「らしい」けど、もう過去のことかもしれない。メジャー前からライブでやってた定番曲の音源化だけど、こんなに複雑だっけ?そしてカラオケ練習用の「noah」のインスト版。コレに合わせて歌うのはかなり試練だろうと思うぞよ。バックだけ聴いてるとホント凄いし、これに歌乗せてるのも凄い。

 是非一度、この音を試してもらいたいね。PV聴いて今の時代を実感してください♪



Kate Bush - 50 Words for Snow

Kate Bush - 50 Words for Snow (2011)
雪のための50の言葉 ディレクターズ・カット

 今冬も結構期待している新作リリースがいくつかあるが、その種類としては「おぉ~、新作出るか!」ってのもあるし、「どんな音になってるかな?」ってのもあるし「生きてたのか!」ってのもあったりするが、中でも「へ?」って感じで驚きを覚えたのがケイト・ブッシュの新作「雪のための50の言葉」。いや、ちょっと前に新録作品としてセルフカバーっつうか作り直し的な「ディレクターズ・カット」ってのをリリースしていたから、また次は5年後とか?なんて思ってる部分あったんだよね。そしたら逆で、ついでに新作も録っちゃいました的にアルバムがリリースされるということで…。

 ケイト・ブッシュ「雪のための50の言葉」、通算7枚目くらいか?ってももう50歳を超えたオバチャンの作品なんだよな。だから昔のような音を期待している方がアホなワケで、しっかりと独自の音楽性や方向性を打ち出した大人の…アダルトな新作になっているのでした。どんなんだったかと言うと、電子ピアノ…かどうかわからんけどそんな音での弾き語り的なものが多くて元来そういうデモテープだったんだろうか、そのままっつうのか、バンドとかロックとかの音ではない。どちらかと言えばピアノコンサートのリサイタルとか環境音楽とかそんな方向性。もっとも端からそうした傾向値の音だったのでそういう方向性ってのは別におかしくもないしケイト・ブッシュのリスナーだったらわかりやすい方向のハズ。ただねぇ、自分的には聴いていて、何でまたこんなの聴いてるんだろ、自分?って思ってしまったんだよね。いや、環境音楽とかさ、別に必要としないから敢えて聴かないでしょ?それを敢えて聴いているんだから何で?って。そりゃケイト・ブッシュだからという答えはあるんで、良いんだけど、何度も絶対に聴かないっつうか多分もう聴かないと思うんだよね。特筆すべき点は多分多々あるし好意的に書こうと思えば書くところもたくさんあるんだろうと思う。そこまで盲目的にケイト・ブッシュを好きなワケじゃない自分がココにいて、だから故にハマり切れないのだろう。ただ、こういう音をきちんと聴いていた時期もあったなぁ~と自分の聴いてきた音を思い返すといくつもあるんだが…。

 歌もさすがにコケティッシュなケイト・ブッシュ節ではなく何かのBGMのように落ち着いた安定的な歌で、それが電子ピアノ中心のバック演奏に乗せて流れてくる。明るくはないが別に暗くもない、どちらかと言えば叙情的ですらあるし、情感をほとばしらせるフレーズだってちゃんとある。生ピアノとの出会いによってアクセント的に音色に驚くことも多く、そういう意味ではかなり斬新な取り組みをしている作品だ。歌詞は世界観があるのだろうけど自分ではよく理解していないので、このアルバムをわかっていないのかもしれない。ただ音を聴いているとこういう世界はあまり聴かないだろうなぁと思う次第。何を期待していたんだろうか。自分は。ケイト・ブッシュという名前に溺れてしまってあのアバンギャルドな飛び方を期待していたに違いない。そしてその幻想がアホだったという事を気付かされてしまった作品という位置付けですかね。まぁ、そんなこともありますわな…。





The Mothers of Invention - We're Only in It for the Money

The Mothers of Invention - We're Only in It for the Money (1968)
We're Only in It for Money We're Only in It for the Money (Omr)

 いつまで経ってもカルト的人気しかないフランク・ザッパ、同じサイケデリック路線でカルトバンドだったピンク・フロイドは英国では相当の地位を確立してしまっている今現在、同様の位置にありながらもニッチな世界のカルトに仕立て上げられていってしまうのはお国柄の違いか。本来なら英国人が風刺や皮肉を利かせてこういうアルバムとかを作りそうなものだが、辛辣な風刺を発してきたのは時代に敏感なザッパだった。パロディという言葉に置き換えてみればアメリカ人としてはよくある話になるので、まぁ、あってもおかしくないか、と。それでもここまでの風刺をパロディで行うのはさすがにザッパでしかあり得ない。

 1968年にリリースされたザッパの「We're Only in It for Money」。痛烈なタイトルは時代のメディアに対して発したものなんだろう。そういう社会的視点がしっかりしている所が単なるサイケバンドやラリった文化のヒッピーとは違うところで、恐らくビーチボーイズに対しても結構あったんじゃないだろうかと想像している。まぁ、ビートルズに対しては全然お互いにユーモアたっぷりな間柄だったろうから気にすることもそんなになかったが騒いだメディアやファンがうるさかったというトコだ。もっともそこまでザッパがメジャーだったかと言われればそうでもなかったと思われるのだが…その一年後にはジョン・レノンとザッパが同じステージでライブ演奏をして双方ともレコードを残しているってことからすればお互いはしっかりと認め合ってたってのがわかるだろう。

 そんな経緯はともかくとして流れ的に久々にザッパを…。しかも3枚目のアルバム「We're Only in It for Money」で、ジャケットからして思い切りパロディで楽しめるもの、そして中ジャケでは黄色いバックに女装のメンバーというふざけた作品、しかも自分が最初に聴いたのはオリジナルバージョンじゃなくて1984年にリミックスされたリズムマシーンを被せたもののCDで、なんじゃこりゃ?と。だからあんまり聴かなかったなぁ。カフカの本が付いてたりしたけど何で?みたいな(笑)。今回もそのリズムマシーンバージョンを聴いてみたんだけど、やっぱ聴き辛くてダメだったので細かいこと抜きにオリジナルバージョンを聴き直しました。やっぱりしっくり来る音なので安心して聴いていられるし、雰囲気も良いし古臭さもまたよろしい。細かく書くと色々と編集のお話とかリリース状況とかあるみたいでWiki見てると面白い。そこはともかく、歌詞の内容もこれまた痛烈な風刺ってのもいつものことか。そして音は見事に当時のサイケデリックを踏襲しているものの知性溢れまくった完全に作られた音。出てくる音に本物か偽物かの違いはまるでないし、どっちかっつうとザッパのが本物に聞こえてくる。ザッパはまるでドラッグをやらないのに、だ。

 自分はもうこのザッパの世界ってこういうもんだ、っちうのもあるし楽しみ方ってのを何となく理解しているけど普通にビートルズやビーチボーイズを聴いてて同じような世界と思ってザッパを聴くとしんどいんだろうなと思う。ただ、そういう入り方でもザッパのユニークな世界ってのはもっともっとメジャーになってほしいんだよなぁ。解釈もいろいろできるだろうしね。ちなみにクラプトンも参加しているアルバムってのはほぼ知られていないようだ。マニアはここまで手を出すのだろうか??



The Beach Boys - Smile

The Beach Boys - Smile (1967)
スマイル Smile Sessions
The Smile Sessions (Box Set) - ザ・ビーチ・ボーイズ The Smile Sessions (Box Set) Pet Sounds (Remastered Mono Version) - ザ・ビーチ・ボーイズ Pet Sounds (Remastered Mono Version)

 はて、自分がロックを聴き始めてから多分30年近くが経過しているとは思うのだが、その中でビーチボーイズの名前に引っ掛かったことが実は殆ど無い。あったとしても「Surfin' USA」くらいのもので、どうして?ってのはまぁ、時代を経てきた人には大変わかり易く、某有名テレビ番組のテーマだったのでその一節を毎日聴いていたっつうことで、興味を持ったのだった。が、もちろんそれはビーチボーイズのベスト盤を手に入れれば良かっただけで、その他に入ってる曲もいわゆる一般的なビーチボーイズのサーフィンなイメージのR&Rばかりだったので安心して聴いていたってだけだ。それ以降、ロックの歴史を紐解いていく中ではしょっちゅう「Pet Sounds」や「Smile」の名前が出てきてはいた。ところがまるでビーチボーイズっていうものに興味を示すこともなく、また聞くこともなく実はず~っと通ってきた。まぁ、そんなバンドはたくさんあるんだろうけど、それでもここまでメジャーでそんなに聴いてないってのはあんまりないので、自分でも面白いなぁと思う。そしてなんでだろうか、と考えるのだが、やっぱアメリカの60年代ってのとワイルドなロックの世界じゃなかったってのとやっぱり「Surfin' USA」のバンドってのがあったからか。

 かなり前だけどラモーンズの「Rocket to Russia」と言う作品を聴いてて、これは逆にパンクの3コードの象徴であるラモーンズが不思議じゃないんだけどサーフィンロックを演奏しているアルバムで、これが違和感ないんだな。なんで?とか思ったけど結局曲の構造は大して変わらないってのが要因だったと思う。ビーチボーイズのサーフィンロックもそこから発展すればそういう方向も可能なのか?また、簡単に言えば3コードから発展したビートルズの世界ってのもあり得るのか、と。そんな挑戦と野望と実験のひとつの成功がロック史でず~っと残っている「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」なんだろうと思う。そして更なる発展型の未発表アルバムとして長らく知られていた「スマイル」。どんなモンなんだろうね。話題だけは何度も聞いたし、サイケな感じで「」と似たような雰囲気はあるよ、とかね。ふ~ん…まぁ、アメリカのサイケってそんなに好きじゃないからなぁ…と。そんなんで全然聞かず仕舞い。

 そんなことで、実は今回の「スマイル」のリリースによって「スマイル」を聴くのが実は初めてなのです。今にしてこんな風に楽しめるってまだまだ聴かないバンドとか残してあると楽しめて良いなぁ~と♪ヘンな期待とワクワク度を込めて聴いてみました、しかも初めて♪端的な感想としては…ある意味想像通りで今聴いたからよくわかるこの音。昔聴かなくて良かったかも。完璧にラリってるね、これは。ビーチボーイズがやる必要はなかった音だろうし、こんなん1967年時点でリリースされてもファンはついてこないだろうし、ボツにして正解としか言えない。アート気質強い時代でもさすがにねぇ、もともとこういうバンドだったらアリだろうけど…。そういう意味ではザッパの「Freak Out」の方が価値有るのかもしれなのだが、メジャー度は明らかにビーチボーイズ。しかしこの「スマイル」は凄い。まぁ未完成作品を無理やり仕上げているから当然なんだろうけど、ここまでディープなクラクラ感のないサイケデリックな世界ってのはやはりアメリカ。やっぱどう聴いてもビートルズの「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」の方がディープでクラクラする。1mgのタバコと24mgのタバコくらいの差がある気がするな。やっぱり時代の空気をパッケージしたモン勝ちだからなぁ。でも、「スマイル」という未発表作品がこうしてリリースされる時代は良い。普通のリスナーでもこうして聴けるんだからありがたい。聴かなきゃ感想も何もないさ。うん、ただ、こんなの誰も作れないだろってのは事実なので作ったのも凄いし当時リリースしなかったのも凄い、そして今リリースするのも凄い。ロックはまだまだ面白いね♪



The Beatles - For Sale

The Beatles - For Sale (1964)
Beatles for Sale (Dig) Revolver (Dig)
Beatles For Sale - The Beatles Beatles For Sale Revolver - The Beatles Revolver

 60年代にストーンズの対抗馬として君臨していたのがもちろんビートルズ。当時の状況では特にストーンズとビートルズが目立っていたというものでもないとは思うのだが、やはり突出した人気があったのは間違いない。人気という意味で二分していたのがこの2つのバンドか。ただ、その周辺にはアニマルズもデイブ・クラーク・ファイブもキンクスもサーチャーズもあったりしたわけで、ただその寿命と言う意味でバンドが限られてきたというワケで、それは時代が流れたからそうなっただけで、単なるポップスの領域と時代だったらどれも遜色なかったのかもしれない。ただ、やはりビートルズってのは良く作られているんだよな。真似事じゃなくて自分たちの音楽家としてのセンスが際立っているんで、その辺の違いが大きいか。一方のストーンズはそんな才能とかではなくてロックを全うしていったワケで、そういう姿も若者は惚れるんです。

 さて、自分的にこの辺のビートルズが一番面白いかなと思うアルバム「Beatles for Sale」です。「Beatles for Sale」と「Revolver」あたりが一番実験的であり、且つ売れることも考えててカバーもあって色々な要素が入り込んでるので面白く聴ける気がする。バンドとしてみても一番熟していたんないかな。ジョンもポールも協力しあって作ってた時代だしさ。1964年にリリースされた4枚目の作品、それでこの音と作品かい?改めて聴いてみてもこの品質の高さは異常なくらい。カバーにしてもオリジナルにしてもレベルが高すぎるし、それでいて実に聴きやすく仕上げているし、最初の「No Reply」のジョンのオープニングからしてどこか物哀し気な空気が美しい。一方では「Rock'n Roll Music」で思い切り大好きなR&Rをシャウトしてくれるし、面白い。今じゃメンバーそれぞれの誰が作って歌った曲かなんてのが普通に知られていて個人プレーの集まりみたいに分析されることも多いけど普通にアルバムとして聴くとやっぱりジョンのが自分的には好きなのが多いようだ。ポールのは美しいな~って思うけど、トゲがない。まぁ、その辺は好みなのでなんとも言えないけどさ。

 一方普通の人達であるリンゴとジョージのレベルはどうしたってお遊びレベルになっちゃうけど、こんだけの天才二人と一緒にいるわけだからそりゃ色々学ぶだろうし吸収するワケで、自然にレベルが高くなってくるんだろう。しかし天才二人は残りの二人と一緒にやっている時に自分たちは天才だということに気づいていたのだろうか?気付かされたのだろうか?残りの二人から見ればそれは一目瞭然だが天才二人は…、あ、そうか、お互いを見ていたからそれで良かったのか。しかもまるで方向性の違う二人の天才だし。な~んてことを聴きながら思ってた。しかし、2009年のリマスター盤は音がホントに良いなぁ、良すぎるくらいに良いなぁ。こんなにクリアーで深みのある音で録られていたんだ?リバーブの具合とかホントにスタジオで歌ってたり演奏してたりするのがまざまざと聞き取れるもん。結構な音量で聴いていると目の前にいるかのような音に仕上がってるので全く驚く。一応今回はステレオ盤を聴いていたんだけどね。モノラル盤だとこの音の塊がズカンと自分にまともにぶつかってくるから更にパワーを感じるんだろう。しかし歌と感情表現が巧いバンドだ。45年経過したってビートルズってのは凄いって思うもんな、やっぱりさ。





The Rolling Stones - Brussels Affair (Live 1973)

The Rolling Stones - Brussels Affair (Live 1973)
Some Girls: Live in Texas 78 [Blu-ray] [Import]

 何となく60年代のロックが続いたのでその辺を~なんて思ってて、新しくリリースされたストーンズの「Some Girls: Live in Texas 78」でも見るかな~なんて気がしてたんだが、突然にリリースされたという驚きの情報を入手してすっかり気分はそちらへ(笑)。いや~、丁度その前にGoogle Musicってのが一般公開されて、iTunesをも視野に入れたフルサービスの展開ってことでちょいと驚いてたんだよね。それこそ自分のライブラリもiTunesのライブラリも何でも共有できてCloud出来るっつうもんらしいからさ、自分チのコレクション全部Cloudに持っていけるってことか?そしてしかもマニアの友人同士が集まれば皆でバックアップな世界、それこそ世界に広がるマニアワールド…もっともニッチな世界のはずだが。そこに起爆剤として出てきたのが何の情報もなかったストーンズの「Brussels Affair 1973」なワケだ。

 昔々にKing Biscuit Flower Hourっつうアメリカのラジオ番組で放送するために録音されて、実際に放送されたんだが、そのライブソースなワケで、しかも1973年のストーンズったらもう歴史に残るくらいの成熟期で他を寄せ付けることのない圧倒的なパフォーマンスとR&Rバンドでさ、随分前に「25 X 5」のビデオを見た時にこの1972~73年ころのライブの映像があって、滅茶苦茶かっこ良くって痺れたんだよ。でも、その頃はそんなライブ聴けることもなかったしもちろん映像を見れることもなかったのでその一瞬だけが脳裏に焼き付いていて、ストーンズなら1972~73年が最高、と刷り込まれているもん。今でもそのまま残っててさ、もちろんロック歴長くなってくると色々なライブの音源やラジオ音源なんてのは聴けたりするんだけど、やっぱりオフィシャルでのリリースによるクリアな音の感動は堪らない。そんな思いがそのまま出てきたのが「Brussels Affair」だ。

 っても簡単には入手できないのでコレがまた厄介でさ、結局その筋の音源を聴いているワケなのだが、驚くことにYouTubeで全編聴けたりする…、なるほど、時代は変わったものだ。しかしGoogle MusicでオフィシャルリリースしていてYouTubeでコレか?いいのか?その内淘汰されるか?そうしてネットも綺麗な世界を装うことになるのか?それとも無法の世界でいてくれるか?いや~、どっちでもいいけどこの雰囲気、このラフ感、ライブ感覚、雰囲気、ムード、どこをとっても最高の1973年の「Brussels Affair」、たっぷりとストーンズの雰囲気を堪能しちゃいました。ミック・テイラーのギターが的確でブルースな味を出しまくってる…この人のこのギターがこの時代を支えていたのがキーポイントかも。だからブルースバンドなんだよな、この頃。そこに「Gimmie Shelter」とか「Heartbreaker」とか違うのが入ってくるからロック。う~ん、かっちょ良い♪やっぱりそのままの勢いで「Some Girls: Live in Texas 78」にも手を出すんだろうな、自分(笑)。

 ストーンズアーカイブってトコで入手可能らしいので興味ある人は良いかもね。

「Brussels Affair 1973」KBFHフルバージョン

The Animals - The Animals

The Animals - The Animals (1964)
アニマルズ・プラス(紙ジャケット仕様) Complete Animals
Animals - アニマルズ Animals The Animals: The Singles Plus - アニマルズ he Singles Plus

 何となくヤードバーズが出てきて、そうか、懐かしいな、と思って周辺バンドってさ…とふとアニマルズを思い出したので、早速取り出してみる。あんまりアニマルズって聴いてないんだよな。バンド名がよろしくないってのが自分的には一番なんだが…いや、どうしてもビートルズと同じ傾向じゃない?安直っつうかさ、だからまず名前で好みじゃなかったってのがある(笑)。だから知ってる曲も対してなくて、「朝日のあたる家」くらいはそりゃ知ってるけどさ、他な実際どんなバンドなのかもよく知らないままで過ごしてた。60年代のマージービートをちゃんと漁ったこともあったんだけど途中で好みが偏ることに気づいて挫折してたからさ。音的に言えばどのバンドもブルースのカバーの独自解釈が多かったから悪くないんだけど、それならストーンズが一番じゃない?みたいな感じがあってさ。結局それ以降のバンドが個性を出せるかってとこで沈んでいったのがアニマルズとかスペンサー・デイヴィスとかそんな感じの印象。

 1964年にリリースされた最初のアルバム「アニマルズ」を改めて聴いてみる。1964年?そうだよなぁ…と時代を感じるのだが、最初の「The Story of Bo Diddley」なんてのを聴いてるとリズムはボー・ディドリーそのままで歌っつうよりもつぶやきで、しかも終盤には「A Hard Days Night」とか「I Wanna Be Your Man」とかのサビが出てきたり、歌詞にはストーンズとかビートルズとかも出てくるのでそういう継承で受け継がれている人なんだぞ、っていう歌詞なのかもしれないな。しかし、1964年の発表のアルバムでこの二曲が入ってるんだから多分リリースされてすぐに影響受けて入れてたんだろうな。まぁ、そういう愛嬌も去る事ながら、アルバムで語って良い時代ではないので書きにくいのだが、「アニマルズ」に入ってる曲は概ねカバーソング、しかもかなり質の高い黒い音のカバーなのでその辺好きな人は好きなんだろうと思う。ブルーアイドソウルって声ですねぇ、エリック・バードンは。このごのバンドに個性が備わっていればもうちょっと…と思うけど、所詮カバーが上手いバンド、で終わってしまっているのかもしれない。

 しかし「アニマルズ」を聴いていると時代の熱さとか才能ほとばしる歌声とかいろいろ思うんですな。この頃のバンドって皆異なる方向性に進んでいったけど、もしかしたらこのままの路線を突き進めていっていればそれはそれで面白かったとか?難しいか。シングルの寄せ集めだから一発一発にインパクトがあれば良いっつうことで、アルバムとして曲を並べてしまうと似たようなものばかりってことになっているのがやや残念だけど、この雰囲気は好きです。昔も60年代ものを一気に聞かずに少しづつ聴いていればアニマルズももっと聴いたかもな。



The Yardbirds - Blow Up

The Yardbirds - Blow Up (OST) 1966
欲望(サントラ) 欲望 [DVD]

 やっぱり衝撃的なロックが聴けるサントラと言えば自分的にはいつまでも頭の中から離れない「欲望」です。古いですね。古すぎます(笑)。1966年の映画ってことなので既に45年前?凄いな。それでも少年の心に深く残したインパクトは圧倒的でして、いや、もちろんリアルタイムで見たワケじゃないので後追いで映画を見たんですけどね、当然ながら今じゃ普通にYouTubeで見れてしまうジミー・ペイジとジェフ・ベックの共演によるヤードバーズの演奏が見れるってことですよ。まだ何が凄いのかもわかっていなかった少年でもこの二人の動いている姿、しかもヤードバーズだからさ、そりゃもう見たいんだよ。ヤードバーズってもうやっぱ神様みたいなバンドで、なけなしの小遣いで探して買ってたのもヤードバーズだったし、今思えば結構好きだったな。60年代よりも70年代のロックの方が好きだったハズなんだけど、多分熱心に勉強していたんだろうと思う(笑)。

 そんなことでヤードバーズも参加している基本的にはハービー・ハンコックが主体となってるサントラ盤「欲望」です。これは映画もぜひ観ておきたい内容の名作…ってかヌーベルバーグ的に淡々と進むフィルムが美しいし、ストーリーも好きですね。ヤードバーズの登場シーンは実際主人公が逃げ回っている時に飛び込んだギグ会場で演奏していただけってなモンで、そんなに重要性が高くはないんだろうけど、当初はこの出演バンドをThe Whoに依頼してたかするかだったみたいだ。まぁ、そんな瞬間的なシーンでしかないんだろうけど、本当にステージではヤードバーズが演奏していて、ジミー・ペイジが335みたいなベース弾いてる。うん、ベース。一方ではジェフ・ベックが不機嫌そう~にギター弾いてて、白々しくもギターの調子が悪くなってギターに当たり、The Whoほど派手じゃなくて単に不機嫌にギターを壊すという感じで、う~んやっぱ演技とステージ上の本気とは明らかに違うものだってのは今ならわかる。が、コレを見れた時の感動が全てを追いやっているので、とにかくこれか~!って感動だった(笑)。キース・レルフって存在感ないんだ(笑)。

 まぁ、そんな映画の端役での出演だったが、記録としては相当貴重だしあって良かった映像です。さて、サントラの方はこの頃まだ新鋭のミュージシャンだったハービー・ハンコックがほぼ担当していて、しかもジャズ然としたものではなくてどっちかっつうとロック寄りのはっきりとしたメロディや旋律が多い、そしてギターやリズムもロックっぽい作りの多い作品。そんな中にヤードバーズの「Stoll On」だ。そして終盤にはTomorrowの曲が2曲、きちんとサイケしてくれてますが、ハービー・ハンコックのクールな曲とは対象に、カラフルなポップさが出ていてそれはそれでバンドTomorrowの本領発揮ってトコだ。まぁ、サントラ盤として必要かと言われるとそこまでは、って思うけど、思い入れの強い人は多いんじゃないだろうか、この「欲望」。ちなみに映画のDVDは今なら1000円以下で買えるとは…。





Third Ear Band - Music from Macbeth

Third Ear Band - Music from Macbeth (1971)
マクベス(紙ジャケット仕様) Macbeth [DVD] [Import]

 プログレッシブバンドと呼ばれるバンド群の中でサントラに手を出しているとかサントラを作ったってバンドって少ないのな。メジャープログレバンドではほぼ皆無な感じだし、ちょっと掘り下げていくと元々映画音楽などを手がけていた人はいるものの、なかなかサントラで全編を担当した人ってのはいない。逆にマイク…オールドフィールドみたいにアルバムの曲が使われてしまうというのはアリなのだろうが、そこまで追いかけ切れていないし…。キース・エマーソンのソロ作品では「幻魔大戦」があったなぁ~とか思い出したけど、後はあんまりないなぁ。ルネッサンスとかYesとかないしさ、何かあるだろ、って思って幾つか資料を紐解いてて、見つけたのが超B級なバンドと映画によるサントラ盤…。

 1971年にリリースされたロマン・ポランスキー監督による映画(戯曲?)「マクベス」のサントラ盤として発表されたサード・イヤー・バンドの手による「マクベス」。コレ…ロックの流れで書いてていいんだろうか(笑)?いや、全くロックの気配感ないしホントにビートのないいわゆる雰囲気音楽だしさ。ただ、この「マクベス」というアルバムはプログレ名盤などの一覧ではよく取り上げられていて、サード・イヤー・バンドの代表作とも書かれることもあるし、まぁ、プログレの範疇になるのだろう。もちろん自分的には随分昔から知ってて聴いたりしたけど、全く面白くなくて何回も聴いてないです。木管楽器やリード楽器なんかで中世の音楽をモチーフにしたサウンドになってるから、そりゃ映画が「マクベス」なんだからそうなるのはしょうがないんだが、それを特に意識もしないでプログレバンドのアルバムってことで聴いてみようと思って聴いたもんだから、まるで面白味を感じることのない作品だったってことだ。

 今回改めて聴いてみるのだが、そりゃもちろん映画のサントラだから、と自分的にも意識して聴くので構えが違う。だが、やはり宗教チックな側面もあって名盤だ~として聴くほどのものではないのは確か。良く作りこまれているって感じでもなくて、多分バンドの方向性と志向がたまたま映画の雰囲気に合いやすかったってトコだろうか、映画の中で流れるから雰囲気が良いのだろう、きっと。アルバムとして聴くにはかなりしんどい作品でした。やっぱ音楽は何かと楽しめないとねぇ。



Pink Floyd - Zabriskie Point

Pink Floyd - Zabriskie Point (1969)
「砂丘」オリジナル・サウンドトラック 砂丘 [DVD]

 昨今ではやおらビートルズ並の人気度と言うか国民的ロックバンドの地位を確立してきているピンク・フロイド。元来そこまでポピュラリティのあるバンドの音でもないとは思うが、聴いていて心地良いと思う人が増えたってことなのだろうか?それはある意味病んだ世の中だからか?ピンク・フロイドが心地良いからCDが売れるってどんなだ?まぁ、若い連中が聴くかと言うとそうでもないんだろうから、ある程度年を取った人達が聴くのだろうと思っているが、不思議な現象だ。ま、それでも全部の作品がそんなに受け入れられているってワケでもないだろうし、特に初期ってのは割と限られた人達の好みなんじゃないかと…。

 1969年発表のピンク・フロイドがサントラに参加したアルバム「砂丘」、ってか元々はピンク・フロイドだけで製作予定だったみたいだが諸般の事情により普通にサントラ盤になってて、ピンク・フロイドが多いっていうだけになっている。まぁ、映画そのものもミケランジェロ・アントニオーニのトリップした作品ってことなのでどう考えても芸術という枠以外での映画としての娯楽としての価値は多分あまり見当たらない作品だと思う。自分も何回か「砂丘」の映画に挑戦してるけどまるで覚えてないっつうか寝てるっつうか見る気になれないっつうか…。ハッとするのはピンク・フロイドの曲がかかる時、しかも「51号の幻想」の叫び声とかでさ、そりゃ誰でも起きるだろってくらいの叫び声はこの頃のピンク・フロイドのアルバムに共通する手法で、ピンク・フロイドというバンドから見たらこの「砂丘」というサントラに入ってる作品群は全然違和感なく、当たり前に時代と共に実験を推し進めていった結果の音でしかない。まだロジャー・ウォーターズが独裁者になる前のリック・ライト色が強いサイケデリックフロイドの頃の音世界だ。

 そんな聞き方をしてみると、ピンク・フロイドってバンドのアルバムとして、って意味だけどさ、そうするとかなり面白い作品に聞こえてくるハズ。テーマあり、叫び声あり、牧歌ソングありの心地良い空間を提供していくれるサントラ。もう今となっては60年代末期のサイケデリックシーンなんて幻でしかないのだが、そんな断片をしっかりと音にして表していたバンドだし、今彼らがやることも多分ない世界。時代だよな。映画も音楽も。そんな雰囲気をたっぷりと味わえる裏名盤とも呼べる作品「砂丘」。「Obscured By Clouds」よりはこっちのが全然面白いサントラだと思うけどね。

 ちなみに今ではデラックス版なんてのが出てて、未発表だったサントラ用の曲がいくつか入っててこれがまた面白い。「Love Scene」なんて結構良いインストだもんな。このヘン、才能だね。



坂本 龍一 - 戦場のメリー・クリスマス

坂本 龍一 - 戦場のメリー・クリスマス (1983)
戦場のメリー・クリスマス 戦場のメリークリスマス [DVD]

 やっぱり印象深い映画音楽のサントラ…ってかテーマはそれぞれ幾つかあると思うんだが…例えば「スターウォーズ」のテーマとか「ロッキー」とか(笑)。そんな中のひとつに数えられているんじゃないだろうか、と思うのが「戦場のメリー・クリスマス」。言わずと知れた坂本龍一さんのサントラですね。こちらも本人出演とサントラ、しかも他の出演者にはデヴィッド・ボウイやビートたけしという映画人以外が出ていてかなり不思議な映画に見えたものだ。坂本龍一さんも映画出演なんて「戦場のメリー・クリスマス」以外はほとんどないんじゃないのかな?しかもこれだけ主役級で…ってさ。この頃まだたけしは北野武ブランドの全然手前だったんだが、こういうところからも監督業を意識したのかも。ボウイにしても映画好きだし、面白い布陣だ。

 「戦場のメリー・クリスマス」オリジナル・サウンドトラック、1983年の作品でもう何十年も見てないけど結構なインパクトがあった映画だったな。基本的に邦画ってほとんど見ないんだけど、これは洋画とも邦画とも言えない作品だったしねぇ。まぁ、映画の内容に合わせたサントラ作りなので当然ながらインストもの雰囲気モノばかりでテーマの「戦場のメリー・クリスマス」以外は普通にサントラだな…ってくらいにしか思わないけど、やっぱちょっと東洋っぽくもある旋律が日本人的か。使ってる楽器とかもちょっと普通の洋楽のサントラとは異なるし、かと言って日本的ってワケでもない…さすが坂本龍一教授ですな。しかしこんなサントラも作りながら映画で役者もやって、かなり大変な仕事だったんだろう。その分ボウイやたけしなんかとは結構仲良くなったのだろうか。しかしボウイとたけしってのはあまり接点を聞かないんだが、そりゃそうか。

 そう言えば後にこの「戦場のメリー・クリスマス」のテーマにジャパンのデヴィッド・シルヴィアンが歌を入れた「禁じられた色彩」ってのもあったな。デビシルじゃなかったらまるで酷評しかされなかったとは思うのだが、何せ教授とデビシルのジョイントだからまぁ、納得感が大きかったってのもあって好意的に受け入れられていた感じ。まぁ、そういうのもアリだろう。そして映画ではボウイとのキスで、PVでは清志郎とのキスでデビシルとは…8ビートギャグくらいか(笑)。いや~、懐かしい世代ですな。それにしてもそんなハチャメチャさとは裏腹に素晴らしく後世に残るサントラのテーマ。久々に感動してください。

禁じられた色彩
禁じられた色彩
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坂本龍一+デヴィッド・シルヴィアン
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David Bowie - In Bertolt Brecht's Baal

David Bowie - In Bertolt Brecht's Baal (1982)
In Bertolt Brecht's Baal Christiane F.
In Bertolt Brecht's Baal - EP - David Bowie In Bertolt Brecht's Baal

 映画音楽への取り組みというテーマって深いな…。サントラなんてあんまりマジメに聴く風習がなくってアーティストものでもどこか軽んじて聴いていたし、それも大抵が主題歌だけ参加、とかそんなんが多くてサントラを買う必要性に駆られなかったってのもある。一方バンドやアーティストからリリースされたサントラってのもあんまり秀作ってのを感じたことがなくてマトモに聴かなかったもんな。やっぱインスト中心だったり主題歌だけだったりそんなに面白みもなかったし、そもそもそれほど多くの普通のロックミュージシャンがサントラには手を出してはいないだろうし、バンドなら更にって印象だ。ところが80年代にサントラに凝っていた…っつうか映画音楽系ばかりに精を出していた人がいました。

 デヴィッド・ボウイさん。まず取り上げられることの少ない「In Bertolt Brecht's Baal 」という作品のサントラが1982年にリリースされています。ってか、本人主役で映画っつうかBBCによる戯曲で出てたりします。本人凄く嬉しい仕事だったんじゃなかろうか。ベルトルト・ブレヒト作の戯曲でなんとオリジナルは1918年のブレストの処女戯曲だってものらしい。それをボウイがBBCで演じたのみか、戯曲の歌まで歌ってレコードまで出しているってことだ。もちろんそんなことは後から知った事実で、普通にボウイ作品の映画のサントラとしてしか意識してなかったし、しかもEPレベルでの5曲入りリリースものなのでこぞって探す代物とも思わなくて聴いたのは随分と経ってからだ。そして今回実に久々に取り出して聴いてみたんだが…、かっこ良い。いや、かっこ良いという言い方はヘンだが、ボウイってこんなに歌上手かったのか?ってくらいハマってる。戯曲とか演劇とか好きな人だからハマってるのもあるけど、声が良いし、ボウイとしてはやったことのない世界での歌なので本人も以外だったんじゃないのかっつうくらいにハマってる。5曲入りってのが残念だが、確かにこんな戯曲形式のアルバムなんぞ普通に作ってたらちょっと酷評されそうだもんな。EPレベルでサントラという位置付けで良かったのかもしれない。才能発揮してるし。

 ボウイってブレヒトが好きだってことらしくて若い頃には「三文オペラ」も確かやってたし、学の深い人だな…。もっともそのスジでは当たり前の有名人なのだろうが、そもそもBBCで案が持ち上がった時にブレスト好きで歌える人は?って咄嗟にボウイが出てきたのだろう。役としても成り切ってるようだ…ってこの戯曲は見たことないんだよな。…と思ってアチコチ探してみるとYouTubeに丸ごとアップされているらしい。ほほぉ~、こういう雰囲気なのか…とまた改めて入り込んでしまいましたね。ついでにボウイ演じる「エレファントマン」とか…有り得ねぇ…、YouTube恐るべし。いや、話が逸れたが、この「In Bertolt Brecht's Baal」というEPサントラ、異色の出来映えでボウイの歌唱力を堪能するには持ってこいの作品だ。これかなり気に入ったぞ…。

 アマゾン探してみるとCDというフォーマットでは出てこなくてMP3でのみ配信販売してた。こういうのはそんなのが一番当てはまるのかもしれないな…と聴けないよりも聴ける今の時代に納得です。





Queen - Flash Gordon

Queen - Flash Gordon (1980)
Flash Gordon: Deluxe Edition フラッシュ・ゴードン [DVD]
Flash Gordon (Deluxe Edition) [Remastered] - Queen Flash Gordon (Deluxe Edition) [Remastered]

 ロックと映画ってなるといくつも思い付くんだけど、作品として燦然と輝いているものってのは少ないなぁ。自分の好きなジミー・ペイジだってジョン・ポール・ジョーンズだて映画のサントラでソロとしてのアルバムは作ってるけどどこかパッとはしないし、やっぱりロックスターはロックで輝いているのが良いんだな。…あ、と思ったのがクイーン。そう、「Flash Gordon」。クイーンファンからしてみたら今でも好評価を得ていないし、自分も聴いててやっぱり何度も聴くアルバムじゃなかったし、というのはあるんだが、映画とロックという関係性、またサントラという特性から見るとかなり成功の部類に入るアルバムなんじゃなかろうかと。

 1980年にリリースされた有名な作品…有名か?「Flash Gordon」。少なくとも映画はものすごくチープで何がなんだかわからんくらいのものという印象しかないけど欧米ではこういうのウケるんかもしれん。日本はアニメとか入ったら諸外国のものとは比較にならないくらいの別次元だからねぇ。まぁ、SF的アニメ的なファンタジーって感じで映画としてもまぁまぁ成功を収めたっつうのもあって、クイーンのサントラとしての「Flash Gordon」も割と好調だったらしい。チャートアクションは良かったみたいだが、もちろんそれはクイーンの名前で売れたというだけで何曲も入っているアルバムという形態の中に数曲しか歌物が入っていないアルバムが普通に売れて人気が出るハズがない。しかも演奏主体ではないのだから。

 ってなことで自分もほとんど聴いてないアルバム「Flash Gordon」なんだが、やっぱり最初と最後の二曲に集約されてしまうんでねぇ…冒頭の「フラッシュ!アァ~!」って印象はさすがこの頃のクイーンとばかりにコーラスワークばっちりで、且つ印象深いフレージングなので好きじゃないけど覚えやすい。さて、改めてこの作品を聴いてみるんだが、歌物はともかく、その間に挟まれた音楽作品として聴いてみる方が賢明かと。クレジットを見ればメンバーそれぞれが歌のない音楽をきちんと作っているように見えるが、さすがにフレディ・マーキュリーの出番は多くはない、が、かなりの曲を作っているのは見事。圧倒的にブライアン・メイがギターオーケストレーションの延長としてこういった音楽を作るのを楽しんでいるような感じがするし、まぁ、言うならばブライアン・メイをクイーンがプロデュースしたっつう感じなのかもしれないな。

 良く出来てる~って感じがするのはクイーンの音楽家としての自信の表れ相通じるものだし、聴いててそう思う。ただし、常に「サントラとしては」という言葉が付くのはしょうがないだろうよ、だってクイーンに求めるものはコレじゃないもん。映画としてクイーンに求めたものはコレだったんだろうってのは明らかなので、制作側としては満足な出来なんだろうな。そういう見方が出来るようになった大人です(笑)。

 しかしデラックス・エディションなんて出てたのか?何が入ってるんだ?



Ray Davies - Return To Waterloo

Ray Davies - Return To Waterloo (1984)
Return to Waterloo: The Kinks Return to Waterloo [DVD]
AMAZON MP3 - Return To Waterloo - Music From The Motion Picture

 ミュージシャンによる映画界の進出、なかなか上手く行った事例もなくて同じアーティスティックな表現の場としてチャレンジするもののどうにも難しいようだ、って言うか、上手くいくとか成功するってのはどの次元での話なのかよくわからんから映画に出た、とかサントラ作ったとか映画作ったとかまではあるんだろうけど、歴史に残る作品だ、とか演技者として、監督としてかなりの評価を得たってなるのは難しいだろうってことだ。なんとか賞を取るとかさ、そういうミュージシャンはいないっつうことか。一方映画から音楽なんてのは簡単に流れてくるし、それなりに売れたりもするからやはり敷居が違うんだろうね。そんなことを今なら色々と見える部分あるけど、まぁ、単にアーティストとして音と映像をマッチさせた世界ってのは正に80年代から出てきたもの。いろいろあるけど、とりあえず流れ的に…。

 レイ・デイヴィス監督・脚本・出演による「Return to Waterloo」という一時間程度の映画…っつうのかな?イメージフィルムの延長みたいなもんか。そういうのではボウイが60年代の「The Image」ってマイムの無声映画出てたな…。しかしアーティストってのはアチコチで才能が開花することもあるのか、自分的にはこのレイ・デイヴィスの「Return to Waterloo」を最初に見た時は、自分的にはもう既にいくつもの映画を見たし、音楽も聞いてたし、PVとかいろいろ見てたけど、斬新な角度だったという印象。何度も見てないんだろうけど、しっかりと覚えているしインパクトも残ってる。何が?って…、セリフはほとんどなくってサントラ的にキンクスやレイ・デイヴィスのソロのロックがガンガン流れていって、映像も同じくスピーディに進んでいくんだけどその中で主役のサラリーマンの思考や不安、心の中みたいなのが見事に表されていて伝わってくるんだよね。レイ・デイヴィス本人はそのまま地下鉄で小銭を稼ぐミュージシャンとして出演していて、これがものすごいカリスマ感あるのに驚いたけど、話はもとより映像のスピード感とソリッド感がかっこよかった。更に一つの物語なんだけど、最初と最後が繋がっているという自分的には好きな展開のファンタジー…、ファンタジーだけどものすごく現実的で面白かった。

 音的にはキンクスのアルバム「Word of Mouth」が同時代の作品でいくつか収録されてるけど、今じゃちゃんとCD出てるし…自分はもちろんアナログで聴いてたが、ミックスっつうかカッティングっつうかが違っていてサントラの方がワイルドでシャープな音の質感だった気がする。実際どうなのか知らないけどそんな印象。それと入ってる曲もパンク的なロックだったりタイトル曲「Return to Waterloo」なんて全く泣ける曲だったり、映像と被るので余計に思い入れがある作品だね。こういうのをカルトムービーっつうんだろうなぁとか(笑)。刺激的な作品です♪



Absolute Beginners - OST

Absolute Beginners (1986)
Absolute Beginners ビギナーズ [DVD]


サントラに積極的なミュージシャンとたまたま使われているというだけのバンドとか映画と音楽の関係は深いけれど、そこにポップスやロックの需要というのはそれほどでもなくて、映画音楽というのはひとつの区分けになっているので同じ音楽と言ってもやはりかなり異なる。ジャズですらそれほど多くないんだから歌声の入る音楽なんてのはテーマかエンディング程度にしかならないのが一般的な映画での使用方法。…とまぁ、自分で書いててそういうことだったのか、と納得した次第でして、なんとなく理解していたつもりだけどそうだよな、だから映画とロックってのはあまりリンクしないことが多いんだよな。本数でのシェアカウントしたらリンクしてるのって多分数%程度もないだろう。そんな中で割と映画音楽に積極的な姿勢を見せていたのがデヴィッド・ボウイ。かなりの数アチコチで名前を見かけるし、自身の何本も映画に出ているワケだし。有名なのはもちろん「地球に落ちてきた男」だが、やはり「戦場のメリークリスマス」か。そのへんはまたいつか色々と書くとして、今回はロック青春映画とも言うのか、自分的には音から入ったので映画の印象がチープでしかないのだが「Absolute Beginners」。

 1986年に公開された映画「Absolute Beginners」のサントラなのだが、監督がジュリアン・テンプルって人で、PVとか結構作ってた人だからか、その関連などでボウイ、シャーデー、スタカン、レイ・デイヴィス、ギル・エヴァンス、エイス・ワンダーなどなど…なかなか興味深い名前が並ぶサントラで、何はともあれボウイのタイトル曲がしばらくこれでしか聴けない状態だったし、そういう意味ではレイ・デイヴィスの「Quiet Life」も「Absolute Beginners」でしか聴けない代物だったから重宝した。しかもThe Kinks全盛期にソロ名義で収録されているんだから、一体何事?って感じの録音なのだが、レイ・デイヴィスもこの頃映画にはかなり興味を抱いていた時期で、自身のソロ作品映画として「Return to Waterloo」が録られている。ボウイのタイトル曲はこの頃のポップスター然としたものではなくてこれもまた結構クールに淡々と訴えてくる感じのスタイルでシンプル。さすがにカメレオン的歌手なだけあって映画音楽となればどこか引き締めた音と詩で映画で一番目立つポイントへと出てくる辺りがさすが。シャーデーもこの頃かなり名の売れた時期だけど、かなり映画に特化した音というか雰囲気のサウンドで、自身の音楽性を出しながらもムーディな感じでユニーク。スタカンはいつも通りだけどこういうのってハイソだなぁとか思って聴いてた。あんまり好きじゃないバンドだったけどこうして聞くと雰囲気あって良いな、とか。ギル・エヴァンスは今さらながらと言わんばかりの巨匠なので上手く空気を出しているのは当たり前だが、80sの申し子的な印象だけが残ってしまったエイス・ワンダーは…、まぁ、こんなもんだろうけど可愛らしくて良いかね。

 映画そのものがミュージカル仕立てだからこういう曲が集まるのも当たり前だけど、ミュージシャンが書き下ろしてくれるってのがファンからすると貴重で価値があるし、一曲だけを映画のために、ってのは作る側からしたら随分気合の入る仕事だとも思うし、悪い作品にはならないのも頷ける。





Roger Waters - When The Wind Blows

Roger Waters - When The Wind Blows (1985)
When the Wind Blows 風が吹くとき デジタルリマスター版 [DVD]
When the Wind Blows Digital - EP - David BowieWhen the Wind Blows Digital - EP

 映画のサントラ…ロックファンにとってみるといくつもタイトルは思い付くものの、日常的な名盤になっているサントラアルバムなんてあるか?と。様々なアーティストが集って一曲づつ歌っていたり演奏していたりするので、アイテム的にはそこでしか聴けなかったり、アレンジが異なっていたりするなんてのもあったりするんだけど、総じて名盤という言われ方をする作品はまず見当たらない。そりゃまぁ、バンドの作品と違って先に題材があってそこに音を付けていくという芸術的発想とは逆の作り方をするんだからアイディアが秀逸なアーティストであればあるほど題材に捕らわれてしまって自己の発想力が抑制されてしまうんじゃなかろうかと。まぁ、そんなの気にしないで対応していける人もいるけど、バンド単位だと多分無理だね。フーとかフロイドとかは自分たちの作品がサントラという形になっただけど、まぁ、ザ・バンドとかもそうだけど、そういうのはあるけどホントに映画のサントラっつうとねぇ、いろいろあるけど名盤はあまりない。

 そんな中、1985年にリリースされた英国の話題作ともなり、日本ではその内容から教育映画的視点ともなった「風が吹くとき」という作品。映画ももちろん見て欲しいと思うし…ましてや今の原発に敏感な日本ならばこの英国的風刺の富んだ「風が吹くとき」は身につまされる思いもあるだろうから、映画としても秀逸な作品だし、そんな教育的な側面も持つ映画にロックミュージシャンを使ったサントラというのも冒険だったことだろう。その映画の内容から、これまた見事なことにこの時点で核や放射能などに敏感なロジャー・ウォーターズを持ってきてサントラを製作させるなんつうのも見事なセンス。その甲斐あってか相当の気合とクォリティで…まぁ、ロジャーの作品に駄作や妥協作ってのはないのだが、「風が吹くとき」のサントラも見事にB面全部を使って世界を作り上げている。インスト中心なのだが、しっかりと映像が脳裏によぎるかのような音作りは見事な演出家と舌を巻く所だ。

 一方のA面ではデヴィッド・ボウイがタイトル曲を歌い、クールにボウイ節で淡々とメッセージを歌い上げていく。ポップスター時代のボウイの割に70年代後期の雰囲気をしっかりと出したかなりクールな曲と詩とアレンジなのでどこかのベスト盤にも入っているとは思うが、珍しい一曲かもしれない。それでも知られているっつう曲かな。以降何故かスクィーズやこの頃のジェネシスによるエレクトリックポップながらもちょいとクールな曲が続き、個人的には興味深かったヒュー・コーンウェルの作品…、意外とポップにキャッチーにエレクトリックポップに攻めてきて、となるとコンセプトがそういう作品だったのかなとも思うのだが、ここまでキャッチーにできるのかと。次のポール・ハードキャッスルって全然知らなかったんだが、まぁ、同じような傾向の曲。多分そういう路線での統一感はあったんだろうし、そう考えるとボウイのタイトル曲が逆に浮いている…ってか秀逸すぎるのか。

 そしてB面に入るといきなりグッと重くなる…そりゃロジャーの世界だから当たり前だがあまりにもカラーが違いすぎるくらいに重い(笑)。この人の曲はどうしてこんなに優しいのに重くてハートに触れてくるのだろう?名曲だらけ、と言っても過言ではないくらいに気合の入った作品ばかりが並んでて、いや、どれもこれもロジャー節なので目新しくはないんだが、それも含めてもう完全に自分の手法を打ち出してるし、こういうのが映画で流れたら見ている人も印象に残るだろうし。ちょいと手を出し切れていない人には絶対オススメのサントラという概念を超えた名作アルバム…っても自分がボウイとロジャーとも好きだからだろうが(笑)。



The Who - Tommy (Original Soundtrack)

The Who - Tommy (Original Soundtrack) (1975)
Tommy (1975 Film) Tommy: London Symphony

Tommy (Original Soundtrack Recording) - Various Artists Tommy (Original Soundtrack Recording) Tommy - ロンドン交響楽団 Tommy - ロンドン交響楽団

 ティナ・ターナーで一番鮮明に蘇ってくるのは自分的には映画「Tommy」のアシッド・クイーンなのだな。この映画「Tommy」を見たことある人なら納得してもらえると思うんだが、他の個性豊かなキャラを更に飛び越えた迫力満点インパクト満点の強烈なキャラクターを演じていて、さらにそれがどハマリだったお陰で強烈に脳裏に焼き付いてしまったのだ。それでふと映画「Tommy」を思いだしたのでちょっと…と思って、「聴いて」みました。

 1975年にサントラがリリースされているんで、確か1974年に撮影していたんだっけ。まぁ、The Whoの作品と言うよりかはピート・タウンゼンドの作品なのだろうが、The Whoのメンバーも全員ど真ん中で活躍しているのでThe Whoで良いのか。更に言えば恐ろしいほどの当時のロックミュージシャンの数々が参加しているという類まれなるセッション大会でもあった…もちろんバンドでの演奏ではないのが残念だが、当時のThe Whoの周辺を取り巻く環境を知ることができるという意味でもクレジット的に面白い。

 メジャーどころではクラプトン、エルトン・ジョン、ティナ・ターナーだったりするんだろうけど、深堀りするとポール・ガービッツ(!)やサイモン・タウンゼンド、ミック・ラルフス、ロン・ウッド、アーサー・ブラウンなどなど…、まぁ画面で見える人も見えない人もいるけど、そんな面々にThe Whoが絡む。う~ん、「Tトミー」ってアルバムリリースしてからミュージカルでサンディ・デニーやロッド・スチュワートとか一緒にやってる「Tommy: London Symphony」があって、映画でsの、そのあとはアメリカのブロードウェイ版「The Who's Tommy: Original Cast Recording」があって、そんなに面白いとは思わないけど、ここまで知名度が上がってくると演出しやすいんだろうね。だからスタンダードになっていくっつうか、見事だ。

 さて、今回の映画版「Tommy」のサントラ…、こんなの実際しょっちゅう聴かないから相当久々に真面目に聴いたハズ。それでこんなんだっけ?と感じたのはちょっと前のリマスター版を聴いているからか?冒頭の「Overture」の一発目からして全然別のアレンジでの展開で、当たり前だけどその心づもりなしで聴いたので「あれ?」とスカした感じでした(笑)。こんなに凝ったアレンジでオープニングを作ってたんだ、とか。もちろん映画向けの書き下ろし曲もあるワケで、それがまた違和感なく入っているのがピートの凄さか。こんだけの作品になると一人の天才の仕事ではなくなるんだが、その中でも面白いのはやっぱりクラプトンが枯れたギターで成り切っている「Eysight To The Blind」かな。ギターのトーンといい歌といい、見事にカラーを変えていてワクワクする。さすがギターの神様という雰囲気も良い。続いて出てくるティナ・ターナーの迫力はいわずもがな。音を聴いているだけなんだけど、映像が浮かぶくらいの迫力でナイスな配役だね。ピートは知り合いだったんだろうか?普通に仕事の依頼だったとしたらティナ・ターナーもおちゃめな性格の人だ。そしてこの演奏の方もThe Whoバージョンを凌駕したアグレッシブなものでかなり面白い。そのヘンは全体的に通っていて、さすがにサントラと言わんばかりのゴージャス風味。もうさすがに慣れたけど最初はこういうの全然ダメだったなぁ…。

 音だけを聴く人ってあまりいないとは思うけど、ぜひ映画を見てからにしてほしい。映画ってもミュージカルみたいなもので、この音が流れているところに映像が付いているだけという感じなんだが。そういう意味では完全にミュージカルなんだよな…。自分的にはもう何度も見たから今からまた見たいかと言われてもちょっと辛いかな(笑)。





Ike & Tina Turner - Workin' Together

Ike & Tina Turner - Workin' Together (1970)
Workin Together River Deep-Mountain High
Live! The Ike & Tina Turner Show, Vol. 1 - Ike & Tina Turner Live! The Ike & Tina Turner Show, Vol. 1 Proud Mary - The Best of Ike & Tina Turner - Ike & Tina Turner The Best

 もうちょっとロック寄りの…っつうかあくまでもイメージだけなので実際はそんなこともなかったのだろうけど、そんな歌い手さんいないかなってことで記憶の中とネットを貪ってみるといたいた、あまり馴染んでないけど名前は良く知ってるっつう人。ティナ・ターナー。「マッドマックス~サンダードーム~」の名演ぶりはハマリ役だったしなんといってもデヴィッド・ボウイやミック・ジャガーとのジョイントもあったし、本人の80年代のヒットもあったんで十分メジャーだよね。その頃から黒人ソウル系って全然ダメだったので聴いてなかったんだけど、せっかくなの今回登場。しかもどうせならってことでちょいと調べてアイク&ティナ・ターナーの方に進んでみようかと。60年代から活動しているご夫婦だったのでいろいろありすぎてよくわかんなかったけど、まぁ、ロックフィールド的には70年代なんだろう、って思って適当にアルバムを見ているとあったあった、ロックフィールドのナンバーが並ぶアルバムが。しかも名盤と言われているらしいじゃないか。

 「Workin Together」という1970年にリリースされた傑作として名高い一枚、のようだ。そもそもアイク&ティナ・ターナーがメジャーになったのもCCRの「Proud Mary」がウケたからっつうことのようで、まぁ、その頃の意欲的な作品ならば悪いはずもなかろう、と。はて、流してみる。いや~、ゴキゲンでファンキーなアイクのギターから始まって器用に展開されていくプレイ。久々にこういうギター聴いたなぁ。んで、ティナ・ターナーの歌声、もっとソウルフルに太い声かと思ってたけどそんなこともなくて結構か細い高音っつうか…いや、ソウルフルなんだが、アレサ・フランクリン聴いた後だからか、全然細く聞こえてしまってともすれば金切り声みたいな気もするが…多分それは比較対象が悪いんだろう。上手いし迫力も凄いよ、ただちょいと求めてた魂とは違うかなぁ…、これ。

 どっちかっつうとアイクのギターの方が興味深くなってしまって(笑)。「Get Back」のプレイとかわかりやすいよ~、この人のセンスの良さ。自身達の曲ではそんなに前に出てこないんだけどロックナンバーだと出てくる正にファンキーなギタープレイ。このリバーブがたまらんかも。そんなこと言ってたら思い切り「Funkier Than a Mosquita's Tweeter」っつう曲でファンキーなギタープレイを聴かせてくれます。コレ、いいわ、かっこ良い。ピュアなファンクって感じで確かに個性を出すにはやや当たり前感あるからこの位置に入っているんだろうけど、いいね。そして王道「Proud Mary」もCCRとはまるで異なるゴスペルチックなスタイルで何かの深さを醸し出しているスタイルで見事。こういうのは本領発揮のひとつだろうな…。それは最後の「Let It Be」にも当てはまるが…、これはアレンジのいじりようがなかったのかそのままに近いのでまぁ、それなりだけど、やっぱ曲の勝利です。

 実生活では色々とあったりするご夫婦だったようで、こんなワイルドでも実は非常に優しいティナ・ターナーということらしいが、70年代を魂と共に生きた二人だったのはなんとなく感じる。ジャケットセンス自体は良くないと思うけど、写っている被写体の二人の目が強い意志を秘めていて力づけられる。やっぱ名盤だな、「Workin Together」。





Aretha Franklin - Live at Filmore West

Aretha Franklin - Live at Filmore West (1971)
Live at Filmore West (Dlx) Don't Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West

Aretha Franklin: Live at Fillmore West - Aretha Franklin Live at Fillmore West Lady Soul - Aretha Franklin Lady Soul

 ジョス・ストーンを聴いているとそのソウルな歌声にはいつも驚くし感動できるんだけど、自分はこういう歌モノってもしかしたら好きなのかな?と思ってなんとなくそんな方向を模索してみる。今に始まったワケじゃないけど、嗜好の変化ってのは時間と共に出てくるものだからどうかな~ってのもあってさ。ま、そんな代表で考えてみればよく比較に出されるアレサ・フランクリン辺りを聴いてみるかね、ってことで名盤探し。この辺の知らない世界の人って何が名盤なのかって言うところから入らないといけないのでホントに素人な自分にやや苦笑。「レディ・ソウル」は高校生位の時に聴いてたんだけど、それ以外ってベスト盤程度だったから全然知らないしいつの時代が一番白熱していたのかもよく知らない。概ね70年代初頭かとは思ってたけど…。

 ってことでそんな素人が手を出してみた名盤、らしいライブアルバム「Live at Filmore West」。71年にアレサ・フランクリンを白人のロック市場でも売り込んでいこうみたいなマネージメントが働いたようで、積極的にそういう展開に出た時のライブってことで、場所はあのフィルモア・ウェスト、時代は1971年だから正にロックバンドの登竜門として既に名声を築き上げていた時代、そのメッカで三日間のライブを行い、全てがレコーディングされたようだ。その中からもちろんのベストチョイスでリリースされたのが元々の「Live at Filmore West」というライブアルバム。近年ではその大元の三日間の録音素材から更に発掘してきたCD2枚組のDX盤がリリースされていて、かなりの好評を博しているらしい。

 自分はDX盤を聴くほどこの「Live at Filmore West」に詳しくないってのもあって聴いたのは元々の1枚ものの方で、そりゃ凄そうだなと。何せ歌っている曲がほぼ全てカバーソングばかりで冒頭からオーティスの「Respect」だったりビートルズだったりS&G、Ben E Kingやダイアナ・ロス?とかStevein StillsのだったりBreadとか?ひたすらそんなアメリカのナンバーを歌い繰り広げているが、原曲を知っていても全く関係ない。だって完璧に別のものになったアレサ・フランクリンのものになっているから。歌詞が持ち込まれているくらいでメロディもアレンジも何も全部違うんだからカバーと呼べるかどうかすら怪しい(笑)。そんだけ歌唱力一本で自分の歌で全てを歌いあげてしまうソウルなんだな。好みがどうかは別としてこの歌のセンスは凄い。脱帽です。こういうアグレッシブな姿勢ってのが現代にはなかなか聴けないから魂の欠けた音楽ばかりに聞こえてしまうのかもしれないな。アレサ・フランクリンなんて魂しかないもん。

 そういう時代性の強いものだったり意味深だったり名作だったりするんだけど自分としてはやはり魂はビンビンと感じるものの普段から聴く音楽のひとつには入ってこない…、やっぱロックのフィールドが好きだからかな。



Joss Stone - Introducing Joss Stone

Joss Stone - Introducing Joss Stone (2007)
イントロデューシング・ジョス・ストーン Introducing Joss Stone
Introducing Joss Stone - Joss Stone Introducing Joss Stone LP1 - Joss StoneLP1

 女性の歌い手さんが続いているので、やはりどうしても聴き直しておきたいなと言う人がいつものジョス・ストーン。まぁ、エイミー・ワインハウスもだけど、12月に遺作がリリースされるみたいなのでその時に聴くってことにして、まずはジョス・ストーンのソウルフルな歌ってのがここのところのシンガーとどういう違いなのか…ってね、並べて聴いてみようかと。ジョス・ストーンの場合はブルースというフィルターはほとんど通っていないのでもっと純粋にソウルな方向なんで、歌唱そのものが違うんだな~と当たり前のところに行き着いてしまったんだけどね。やっぱブルース色あるともっと崩れてくるっつうか、ビートが違うもん。リズムが違うからやっぱり同じような歌唱力でも全然表現が異なるワケですな。

 そしてジョス・ストーンが19歳の頃にリリースした三枚目のアルバム「イントロデューシング・ジョス・ストーン」、タイトル通りに自分自身の紹介のアルバムです、というワケだろうけど賛否両論。自分を出しました、って言って賛否両論ってどういう事よ?ってな話だわな。ここまでの作品ではオーソドックスに70年代のソウルを継承したかのような歌唱力と楽曲と雰囲気だったのでそういうスタイルこそがジョス・ストーンと思っていた人には悪評の立つアルバム。一方それらも踏まえて19歳の若い女の子が近代的な音も取り入れて楽曲アレンジ的にもミックス的にも最新の感性と古き良きスタイルを併せ持たせた意欲作として捉えられれば前向きなアルバムという評判。まぁ、往々にして古いファンは形が変わることを好まないので、当時のジョス・ストーンとしては相当の意欲作だったことだろう。

 はて、自分はジョス・ストーンという人を知った時には既に4枚くらいアルバムが出ていたので一気に聴きまくってまして…、そういう意味では初期が好きでこの「イントロデューシング・ジョス・ストーン」とかこの後の「カラー・ミー・フリー」はあまり聴かなかった。やっぱね、古いんで(笑)。アレンジとかさ、ラップ調だったりデジタルチックだったりするとどうも面白く聞こえなくってさ、歌唱力があるのもわかるけど、結局アレンジの力って聴く側の好みに一番影響する部分だろうし。んでダメだったワケ。もっともっと魂を聴かせておくれよ、ってのが強くてね。実際アルバム「イントロデューシング・ジョス・ストーン」にはソウルフルな歌を聞かせる曲も入ってるし、決してジョス・ストーンの価値が下がったというものではない。ただ、歌唱力よりもアレンジが邪魔でねぇ。そんな風にアルバムが続いていったから聴かなくても良いか、って思ったけど、最新アルバム「Lp1」が最高に魂を聴かせてくれたのでもう何でも許す。ってな気分で今回また聴いてみて書いてみました。以前よりは全然前向きに聴けるけど、このアレンジ音はやっぱりキライだ(笑)。

Lp1
Lp1
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Joss Stone
Surfdog Records Ada (2011-07-26)
売り上げランキング: 3518






Meena - Try Me

Meena - Try Me (2010)
トライ・ミー Diamonds in the Dirt
Try Me - Meena Try Me

 Joanne Show Taylorが自分のセカンドアルバムをリリースする前に結構なセッションでそのギタープレイの才能を発揮していたアルバムってことで知ったミーナの「トライ・ミー」という作品。んで気になってミーナを調べてみると、今度はミーナのデビューアルバムだ、ってことがわかってきて、しかも「トライ・ミー」ではJoanne Show Taylorのみならず、Eric SardinasやCoco Montoyaなんかもギター弾いてるってことなので、そらなかなか凄いじゃないですか、って気になりました。いつものことではあるが、そういう音でハズすことは今時ほとんどないんでね。割と期待満点で聴くワケです。ちょっと前にジャニス系にハマってたのもあったし。

 ミーナのデビューアルバム「トライ・ミー」、タイトルはオープニングに収録されている御大ジェームズ・ブラウンの名曲のカバーからです。思い切り美しくソウルフルに歌い上げる世界に初っ端からJoaane Show Taylorのハードブルースなギターが響き渡っていて滅茶苦茶かっちょよい。アルバム12曲中、Joanne Show Taylorが弾いているのが4曲、どれもこれも思い切り自己主張をしたスタイルで伸び伸びと弾きまくっていて、聴いていて気持ち良い。この二人ホントに友人なんだろうな。片や英国出身、ミーナはオーストラリア出身ってことでアメリカで出会う心の友ってトコか。そのミーナの方は1977年生まれなのでもう30代半ばに差し掛かった頃でのデビューだから決して早くない。多分クラブとかあちこちで歌いまくってきたんだろう、ライブハウスのクイーン的な雰囲気すらある。歌の上手さとかは当たり前だしぶっ飛びものの歌声です。もちろん。もうさぁ、最近のこういうの聴いてて思うけど、皆凄い上手いんだもん。だから個性出していくの大変だろうと思うしさ、それでも目立つ人はいて…、ミーナの場合は歌手だけど志向はブルースや古いソウルなのだろう。そのヘンとギタリストのプレイが絡みあってブルースともソウルともロックとも捉えられるようなスタイルの歌が出てくる。面白い。カテゴライズは別にこだわることないけど、何か様々な融合で本当にそういうものを聴いて育ってきたんだろうなぁと。

 共作に名を連ねているクリス・フィルモアっつうギタリストさんもかなり年季の入った枯れたブルースギターを弾いていて、マイク・ブルームフィールドに成り切れないけど、物哀しいギタープレイは見事。バラードチックな曲はゲスト陣ではなくクリス・フィルモアさんがギターを弾いているから多分得意技なのだろう、見事な枯れ具合で、クラプトンあたりじゃ比較できないかもしれん。それはともかく、他のゲスト陣のプレイは個人的にはJoanne Show Taylorのプレイほどじゃないな、という印象でもちろん個性は出しているしEric SardinasにしろCoco Montoyaにしろプロ中のプロのベテランなワケだから、どこからこういう交流で参加しているのかと言う方が不思議なのだが、集まる所には集まるのだろう。

 結局自分はハードなプレイでエモーショナルなギターを弾くのが好きなんだな、と聴いていると改めて実感してしまうのだ。歌い上げる声に感動もするし泣きのプレイも感動するけど、ブルースの中ではやはりJoanne Show Taylorが弾いているミーナの作品が好きだ。こういう感動っていいね。ん?感動してるってことは多分ミーナの歌声も相当気に入ったってことですな。



Joanne Shaw Taylor - Diamonds in the Dirt

Joanne Shaw Taylor - Diamonds in the Dirt (2011)

Diamonds In the Dirt - Joanne Shaw Taylor Diamonds In the DirtWhite Sugar - Joanne Shaw Taylor White Sugar

 そうかぁ~、セカンドも良いんだ~と素直にセカンドの存在を知っただけでちょっと聴きたい…という欲求に駆られてしまうアーティストもそうそう多くはない。何か前に聴いた時にかなり印象良くって、次のアルバムとかあったらまた聴いてみたいななんて思ってたんだよね。そしたら昨年出てるじゃないですか、と。情報チェックが疎いとねぇ…ダメです。ジャケが地味だったから目立たなかったんだよ、きっと(笑)。…んなワケないし。まぁ、めでたくzaganさんの所で教えて頂いたので聴けることになりました♪

 Joanne Show Taylorの「Diamonds in the Dirt」ですね。確かにファースト「White Sugar」の思い切りブルース姉ちゃん的な懐の出し方からセカンドアルバムにもなると更に幅を広げる、と言うか、もっとSRV的になってきたっつうのか、ブルースベースのロックギタリストっつう位置が明確になってきた感じ。オンナでここまでギター弾けちゃうワケ?しかもSRVと比べても遜色ないテクニックと音使いとブルース魂。なんてこった、一体どんなんしたらこんなギター弾けるんだ?まぁ、SRVと同じく楽曲の単調さはやや抜け切れていない感じはあるんだが、カラッとした音とややファンキーなリフが多いので疲れることはないんで良いけどね。それと、歌。歌がさ、女の子なんだけどブルースなんだよな。ジャニスとかとは違ってもっと普通にブルース。ソウルじゃなくて良い感じでさ。メリッサ・エサリッジみたいな感じでいやらしくなくって心地よい。チョコチョコっと入ってくるオブリのギターとかもモロにSRVだし、どこからとってもそんなフレーズばかりで見事に昇華。これから先が正念場かな~とは思うけど、今のところは思い切りかっこよくてマル。テレキャスかストラトの音だろうけどかなり太い弦張って弾いてる感じで分厚い音出してる。ナメてちゃいかんぜよ、ブルース好きなリスナー達よ。驚くほど今の女性ブルースギタリスト達はブルース魂持ってます。

 結局、ほう~、そうかぁ~と二回連続で聴き続けてしまった。基本3コードなんだよな…とわかってはいても、そのかっこ良さに惚れ惚れしちゃうプレイだね。全くSRVフォロワーとしては見事でノビノビと大らかに心地良くギターを弾いてくれるぜ…。



Elis - Griefshire

Elis - Griefshire (2007)
Griefshire Dark Clouds in a Perfect Sky
Griefshire - Elis Griefshire Dark Clouds In A Perfect Sky - ElisDark Clouds In A Perfect Sky

 ちょっと久々に憂いのあるものを聴きたいかなということでTheatre of Tragedyの退廃さを排除して儚さと憂い、そして幻想性という表情を持つリヒテンシュタインから世界に飛び出してきたバンドElisを…。いや、何かそういうのを改めて聴いてみたくてさ、なんとなくそのゴシックメタル系一色って感じで聴いていた時にはそれほどバンドの音とか個性とか方向性の違いというものまで分析するに至らず、ゴシックナ世界という聴き方をしていたんで、個性をしっかりと掌握できてなかったのもあるな、と。今回たまたまTheatre of Tragedyを聴いていて、そうか、このバンドはこういう破壊的な方向に進んでいったバンドなんだな~と実感してしまって、ならば…と思って以前から琴線に引っ掛かりまくっていたElisをちょいと掘り下げておきたいな、と。

 2007年にリリースされたElisの、と言うかサビーネ嬢最後のアルバム「Griefshire」で三枚目にしてサビーネ嬢の急逝のために遺作となったアルバム、そのためかアルバムのミックスがサビーネ嬢のボーカルが思い切り前に出てきてしまっていて、バックの音がちょっと埋もれているというのがやや残念。もっと全体が弾けるようなミックスになっているとより一層素晴らしい世界観を出せた気もするが、そのへんはもしかしたら何年かした後にリマスターとかされる時に修正されるのかもしれない。急逝してしばらsくしてリリースされているんだから、やっぱりそのヘンは思い入れも出るしね。そんな話題とかリヒテンシュタインの~という修飾語がどうしても付いてしまうのだが、そう言った言葉をナシにしてもElisの「」というアルバムはひとつの完成が聴ける一枚。

 ゴシックという言葉で括るのはどうかとも思うけど、叙情性、幻想性、浮遊性に加えて荘厳さ、威圧感なども併せ持った見事な世界観でさ、そこに確かに甘いけど通る声のサビーネ嬢のボーカルが世界を統一していて決してポップとは言えないメロディラインを聴きやすいものに仕上げている。メロディと歌声の変化でドラマ仕立ての楽曲の世界を表現してくれているので、この辺の小技の利かせ方は他のバンドでも試みているもののここまで繊細にはなかなか聴かせられない。Elisには全く強さというものが見られないメタルバンドで、その不思議なバランスが儚さという言葉で語られるのかも。しかし「Griefshire」はそれにしても実に完成度の高いアルバムですな。テクニックは当然ながらも曲構成からメロディライン、そして個性とムード、もうちょっと話題に富んでも良かったバンドかもしれないが、ちょいとタイミングが合わなかったのか、それとも既にある程度の地位を得ていたのかもしれない。世界を制する必要はないしね。





Theatre of Tragedy - Last Curtain Call

Theatre of Tragedy - Last Curtain Call (2011)
Last Curtain Call Final Curtain Call
Last Curtain Call - Theatre of Tragedy Last Curtain Call

 いつの間にかリリースされていたノルウェーの誇るゴシック&ドゥームメタル+インダストリアルの代表格Theatre of Tragedyの解散記念コンサートの模様。DVDとCDのセットで激安でリリースされているのだが、まるで意識しなかったので知らなかった。そもそもTheatre of Tragedyというバンドは90年代後半に出てきたバンドでまだ世界に存在しなかったサウンドと雰囲気でシーンをリードしてきた第一人者でもあるし、そのボーカルのリブ嬢がこれまた天上の天使を演じているかのように圧倒的な雰囲気を持ってバンドをのし上げていったし、更にはバンドの音もヨーロッパに根ざした荘厳な楽曲が中心で病んだ美しさを醸し出していたので結構な人気を誇ったようだ。そのTheatre of Tragedyもリブ嬢が脱退して新たなボーカリストを入れて、また音楽性もどんどんと変化させてバンドを続けていったが遂に2010年に解散を決めたようだ。その模様を収録したのがこのタイトル「Last Curtain Call」。

 そもそも何枚かのアルバムを聴いてTheatre of Tragedyって面白いな、と興味深く思っていてまだまだ全作品聴けていないのだが、この雰囲気と独特のムードは最後の最後まで変わらなかったようで、その辺りはさすがに一世を風靡したバンドだと。言ってしまえば多分それどころか過去よりも最後のライブの方がより一層と雰囲気を創りだすのに成功しているような気もするし、デス声ですら見事にバンドにハマってて、天上の歌声との対比がより一層強調されているような…、久々にこういうの聴いたから余計にこの対比の面白さやバンドのムーディさが新鮮に聞こえるんだろうとは思うが、それほどに聴いた時に衝撃を受ける代物。

 ボーカルが変わってからは2作しかアルバムがリリースされなかったのだが、それでも進化を遂げていたワケで、「Last Curtain Call」ではそこからの楽曲が中心になっていつつもバンドの本質は変わらない姿を示してみせて、もちろん古い楽曲からも何曲か聴ける。それはもう別にリブ嬢である必要性はないくらいにボーカルの世界を表現できているからTheatre of Tragedyの世界をそのまま満喫できるものだ。ただ、どっぷりと雰囲気にハマらないとやたらと暗いだけの世界になってしまうので、要注意。ふと我に戻ってみるとなんでこんなの聴いてるんだ?そんなに自分暗いっけ?と思ってしまう瞬間がある(笑)。ただねぇ、美しい。こういう美しさってあんまり持ってるバンドいない。そういう意味で、やはりバンドの解散は勿体無いのだが、もう十分に表現してきただろうというのもわかる。この世界をやり続けるのも大変だろうし。

 DVDの方はまだきちんと見ていないのだが、多分自分的には音を聴ている方が色々な想像ができて楽しいかな。モロに映像を見たくないというか(笑)。ま、そのうち見るけど、まずは音で存在を楽しんでます♪



Candice Night - Reflections

Candice Night - Reflections (2011)
Reflections Paris Moon [DVD] [Import]
Reflections - Candice Night Reflections

 何度かアマゾンの新譜コーナー的に紹介されていたジャケットを見てはいたものの、そしてキャンディス・ナイトのソロアルバム「Reflections」?と訝しんでいたものの、すっかりとそんなことは忘れて他のものばかり聴いていたという次第。これもまたTwitterで思い出させてくれることがあり、そういえば聴いてないな、と。別に聴かなくても良いんだけどさ、リッチー御大のいないソロアルバム「Reflections」って「へ?」って感じで…どっちかっつうとリッチーがやりたくてキャンディス・ナイトに歌ってもらっていたっつう感じで、そもそもそんなに歌心が旺盛だったとは思えなかったので。でも、確か馴れ初めはパープルかレインボウのツアーでのコーラスガールだっけ?まぁ、それならそもそも歌心あったってことならいいんだけど、音楽性って?みたいな興味もあってちょいと手を出してみました。

 まずは「Reflections」の恒例のジャケットなんですけどね、リッチーとやってる時の印象はもっと可愛らしい感じの表情を持った人だと思ってたのが、こうして堂々とジャケットに出てくると美人…じゃないんじゃね?とか思えてしまって、それは多分写真の角度が悪いんだろうけど、鼻の穴見せるな、ってことか。それくらいにした方が美人度を下げて音楽で勝負できると踏んだんだろうか?この時点で手を出す気がやや失せたのも事実。そして肝心の音の方ですが、良い言い方をすれば現代的なアレンジやサウンドをバックに歌いあげてくれる実に爽やかで快活な音楽なので誰が聴いても良いんじゃない、っていう感じの音楽。ロックじゃないしバロックやフォークでもなくて、ポップスの領域…杏里とかそんな感じ。よく知らないけど。おしゃれなカフェでバックに流れていたら結構気持ち良い感じに流れているんだろうなぁみたいな音楽で歌ももちろんヘタじゃないから聴きやすいし親しみのある声だし良いよね。

 ただまぁ、アレだな…、自分が聴く必要あったかと言われるともちろん要らないワケで…(笑)、ただ、へぇ~、こういう音楽を歌う人なんだっていうトコです。特に期待もしてなかったからそんなもんだけど、悪くないのは事実、うん。ただやっぱりソロでは出てこれなかっただろうなぁ~と言うのは感じたけどね。しかしお子様産んでまだそんなに経たない内に仕事しておいたってのはこれから育児で忙しくなるから?それとも家はリッチーが子供をあやしているから大丈夫だって?いや~、まぁ人間ですからね…。



Lou Reed & Metallica - Lulu

Lou Reed & Metallica - Lulu (2011)
Lulu

 2009年のイベントでのコラボで驚くほどのセッションがあって、それはキンクスのレイ・デイヴィスとだったり、ルー・リードだったりしたんだが、まさか一番あり得ないと思っていたセッションでアルバムまで出来がってくるとは夢にも思わなかった。そりゃメタリカだってもう世界を制するメタルバンドだけどさ、音楽的にものすごく深いというワケじゃなくて、あくまでもメタル、メタリカのサウンドの中での評価だったと感じていた部分あるから、アーティスト的な面が強いルー・リードとのセッションなんてあり得ないだろ、と思っていたんだが…、やはりミュージシャンというのは面白い。メタリカはそれこそもう何十年もやってきて自分たちだけの音楽に飽きてきている感も強いので、こういう異種格闘技的なセッションには意欲的なのだろう。対するルー・リードはと言えば、もともとがノイジーなアンダーグラウンドサウンドから始まっているワケだから感性が繊細でシビアな側面は当然持っているワケで、なるほどセッションの時に妙なフィーリングを感じたようだ。

 今回の「Lulu」というアルバムは元々がルー・リードの作品だったようだが、ちょっとパンチがないいつもの作品になりそうだった気配があったところに例のイベントでのメタリカとのコラボが入り、そのインスピレーションがアタマに引っ掛かっていたようで、新作の仕上げにメタリカに強力を依頼したとのこと。メタリカ側は面白そうだから、ってことだろうけどね。いや~、ルー・リード側からってのもこれまた驚いた。そんな経緯は情報としては把握しつつも果たしてどんな音が出てくるんだ?と興味津々でさ、結構待ち望んでいたんだよ、この「Lulu」を。

 んで、速攻で聴いた。単純に書いておこう。

 「スゲェ傑作!」
 「見事な異種格闘技戦!」
 「ヘンに燃えた!」

 キャッチコピー的に書くならば…

  「Luluは21世紀のヴェルヴェット・アンダーグラウンド・メタルだ。」

 うん、最高傑作は「Mistress Dread」という大作。何せアルバム2枚組で90分の大作なんだから一曲づつが長くてもおかしくないけど、この迫力にはぶっ飛んだ。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのノイズをメタリカが独自のスラッシュメタルで対応しているという姿で、ルー・リードの個性と迫力はそのままにメタリカの迫力と重さをしっかりと出したナイスな融合。この曲はオールドファンもメタリカファンも喜ぶんじゃないか。その前の「Pumpking Blood」もかなり面白い線行ってるんで長尺な曲と言えども十二分に楽しめるし…、そもそも冒頭からジェームズの叫び声とルー・リードの存在感とメタリカのバックが面白いくらいに化学反応を引き起こしていて深みを出してるし、両者とも見事なアーティスティック。驚いた。今の時代にこんだけの前衛的アーティストの作品がこれだけメジャーなフィールドで聴けるっつうのは両者のネームバリュー。しかし仕掛けたルー・リードもメタリカとの邂逅でアルバムを凄い高みまで持っていけたんじゃないだろうか?普通に作ってたらこんなに濃い作品にはならなかっただろうし、メタリカにしてもメタリカだけでこのアルバム出してたら酷評されたと思うし、そこは見事に両者のハマり具合が素晴らしい。メタリカバックでのヴェルヴェット・アンダーグラウンドのカバーとかやってみたら、かなり現代的で面白いんじゃないか?そんな話しているといいなぁ~♪



Animetal USA - Animetal USA

Animetal USA - Animetal USA (2011)
アニメタルUSA アニメタル

 そういえば、キテレツなものの最高潮としてここまでやるかっつうくらいにウケているアニメタルUSA。日本のアニメタルってもう15年くらい前の話だったんだ…。元アンセムの坂本英三氏が歌っていることでメタルファンからも話題になってたことは自分的には記憶に新しいんだが、どこか失笑しながら聴いていたものだ。ところが時代が変ってみれば今や日本のアニメは世界を制するどころかますますオタク化していくことで世界を内に引っ張り込んでしまっているような感じで日本の誇る文化になっている。ものすごく日本的なので文化としてのアニメカルチャーは素晴らしいと思う。まぁ、自分がその中にはいるかと言われるとそうでもない気がするけど、ただ、今回「アニメタルUSA」を聴いて思ったのは日本人って骨の髄からアニメで育っているのは演歌と変わらないDNAなのだなぁ~と(笑)。

 「アニメタルUSA」…USAだもんな、ホントに(笑)。メンツの凄さはアチコチを見てもらうとしても、ボーカルの元ラウドネスっつう肩書きがハンパじゃなくハマってる。さすがにラウドネスでやってただけあって日本をちょっとは知っているんだろうか、良い感じに雰囲気出してるしちゃんとカタカタ英語も表現している…、って何かヘンなんだけど、思い切りカタカナ英語を叫ぶのもアニメの醍醐味、このヘンの空気感をしっかりとプロデュースしているのは多分マーティ・フリードマンだろう。まぁ、どの曲もどの曲も同じようなアレンジと怒涛のメタルで攻めこんでくるあたりはもうちょっと変化が欲しかったところだが、イントロのリフとかアレンジなんてのはもうさすがにA級のメンツの仕事ですな。文句なしのテクニックと迫力でグイグイと迫ってくるもんね。ヤマトから始まるってのは良いな。素直に燃える…のは多分世代か?知らない曲が数曲あったんだが、まぁ、それは聴かないとしても知ってる曲でも「あれ?」ってなるくらいのアレンジもあるから、単なるメタル化でもないかね。メロディ崩してるなぁ~ってのもあるから賛否両論だろうが、楽しめる部分だけ楽しめば良いアルバムなので堅いこと言わないのが賢明♪

 贅沢言うとさ、今度はアニメタル・ヨーロッパってやってほしいんだよ。今回の怒涛のメタルもさすがUSAなんだけど、ヨーロッパの荘厳なメタルとかで組み立てたらもっと壮大な涙を誘う楽曲になるんじゃないかっつうのもあって、是非そんなのも実現してほしいよね。オランダとかフィンランドあたりでやってくれると最高(笑)。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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