Lady Ga Ga - Born This Way

Lady Ga Ga - Born This Way (2011)

ボーン・ディス・ウェイ (スペシャル・エディション(2CD)) ボーン・ディス・ウェイ (初回完全限定盤スペシャル・プライス盤)
Born This Way (Japan Special Edition Version) - Lady GaGa Born This Way (Japan Special Edition Version)

 ここ最近では最もスーパースターの地位に近いトコロに存在していると言われるLady Ga Gaが来日して話題を振りまいたのもつい最近の事。もちろんそれ自体がどうこうってモンじゃないんだが、メディアに出てくる機会も多くて特に興味無くても目にしたり話題になったりするものだ。徹子の部屋の話題なんて何年も聞いたことなかったのが、話題になったりしてまだやってたのかと違う面で驚いたり、Lady Ga Gaの親日ぶりやクレバーな知性が見え隠れしたりユニークな精神の持ち主だったりそのくせすごく気を使ったパフォーマンスを心がけていたり全てに於いてスーパースター的素質を見せつけてくれた感じ。全米制覇は簡単ではなかっただろうし、それがしっかりと普段の行動に出ている面が作られたアイドルとの違いで、セルフプロデュースできるワケだ。音楽はそんなに興味ないけど、なるほどな、と仕事人としての一流さを感じた次第。

 さて、フルアルバムとしては二枚目となるのか?「ボーン・ディス・ウェイ」がバカ売れしているようなのでちとついでに聴いてみようかと。まぁ、焦るもんでもないし聴くことがあるなら、ってくらいにしか思ってなかったしシングル曲とか売れてるとか言っても自分の耳には全然入ってこないので知らないんだよな。テレビ見ないしラジオ聞かないし、どうして皆Lady Ga Gaの音楽にしろ他のヒットソングにしろ知ってるんだ?どこで聞くんだ?何で聞くんだ?誰に聴いても明確に返事が返ってこないんだよ。テレビで…って言うけどさ、そんなにテレビでやってるもんなのか?昔ならベストテンとかあったけどそんなの今はないんだろうし。不思議だ。一体どこで知るのだろう?MTVとかいつも見ているのか?

 そんな情報不足の自分はアルバムを聴こうという意思がなければその音楽を聞くことがまずないので、今回は聴こうと思って聴きまして…、色々と思ったワケですけどね、さすがだ、と思ったのは本心と本能。それが先にありきで取り組んだけどね、でも自分は受け付けません、こういう音。昔からダメなんだよなぁ、ダンスチューンっつうかこういうポップスって。マドンナとかも好きなのと嫌いなのいっぱいあるけど、Lady Ga Gaのはほとんどダメだ。一般的にこういうのがウケるんだろうか?ウケるんだろうな。ビート効いてて覚えやすいサビが散りばめられていて踊れるっつう…、自分は一番耳に入ってこない音楽でした(笑)。でも、多分どこかで耳にしたらLady Ga Gaだ、ってわかると思う。それくらい個性的でインパクトのある楽曲群というのは事実だし、そういう意味でプロ、そして歌も上手いしアレンジも見事なので聴いてても全然邪魔にはならないし…、なるほど売れるワケ、売っていくワケだ。そういう意味で納得した。そこにファッションリーダーとしてのセンスを被せているんだから、音楽、パフォーマンスとも完璧。売れるには理由がありますな、やはり。ここまでのポップスターになるのは大変でしょう、しかも自分でプロデュースしているんだから。

 素直に音を楽しむことはないけど感心しながら聴いていました「ボーン・ディス・ウェイ」。二度も三度も聴くことはないだろうけど、一発で記憶できるパフォーマンス性の高さ。見事。




Amy Winehouse - Frank

Amy Winehouse - Frank (2003)

フランク フランク~デラックス・エディション
Frank (Deluxe Edition) - Amy Winehouse Frank (Deluxe Edition) Back to Black (Deluxe Edition) - Amy Winehouse Back to Black (Deluxe Edition)

 気怠い日曜日の朝、まぁ、平日よりは目覚めは良いのと前日もよく寝てたな~ってのもあって目を覚ます。目覚めはかなり良い方でベッドでグズグズするってのはあんまりなくって起きるなら起きるか…って感じで目覚めて動くのである意味朝の微睡みを堪能するということはあまり出来た試しがない。まぁ、隣に寝る相手によるのだろうが(笑)。いや、それはともかく、そんな朝、普通にMacを立ち上げてコーヒーを飲みながらボーッと色々なチェックをする。最近ではtwitterの生々しい情報が割と役に立つのだが、難点はあまりにも情報が早く流れていってしまって些細な情報まで目が行き届かないで消えて行ってしまうことだ。些細な情報ほど欲しているものなのに。それが、日曜の朝だったと言うのもあって割とゆっくり情報が流れていったんだな。その中にエイミー・ワインハウス死去の報を見つけた。ロック軽や音楽系のTLではないところで見つけて、ん?って。ホントのニュース?またデマ?と思って英語で書かれたリンクへ行く。何となくホントらしい。ん?BBCのサイトを覗く…、堂々と載ってる。ん?ん???んんん????「え?」。

 それからネットを漁りまくったけどね、やっぱドラッグやって酒飲んでそのままってことらしい。まぁ、慣例に習えば嘔吐物を詰まらせてことになるか。実際はともかくそんな感じなんだろうな。ドラッグと酒だけじゃそうはならないし、その先にあるものがいつも起因するもんだ。それからのマスコミ、「27クラブ」に加入とのホザいてた報道が目立ってさ、まぁ、ジャニス、ジミヘン、ジム・モリソン、ブライアン・ジョーンズあたりの話からだろうけど、そこから二十数年離れたカート・コバーンや更に15年以上離れたエイミー・ワインハウスを入れるのはあまりにもアホらしい気がするし、ロックの伝説を作りたがっているのもわかるが、それじゃオーティス・レディングとかデュアン・オールマンとかキース・ムーンとか27歳じゃなかったから取り上げないのか、って。ロックとかドラッグとかの共通項は良いけど年齢は意味無いだろ。あまりにも事例が少なすぎるしねぇ。ま、いいや。アホらしさはともかく、エイミー・ワインハウスをそんな風に語ってみたトコロで、何も報われない。

1983年生まれでデビューは2003年なのでハタチ前後でのデビュー。ファーストアルバム「フランク」を聴いてみてわかるように圧倒的な歌声と色気と才能を感じるものだ。曲の好き嫌いはともかくロックやソウルというハートで聴かせる音楽が好きな人にはまずエイミー・ワインハウスの歌声を感じてほしいし、そりゃ名盤「バック・トゥ・ブラック」の方が曲の良さとかグレードアップした歌唱力や表現力ってのを聴けるんだが、まずはこのファースト「フランク」での挑戦。自分をそのまま見せるかのように歌中心でうるさいアレンジや妙な小細工は一切なくしてエイミー・ワインハウスという歌手を出している。ソウルフルにムーディに、ジャジーにカリプソにスカに…、サラ・ヴォーンの世界観なのかな、夜ワインを飲みながら一人で耽ってほしいサウンド。決してスターのエイミー・ワインハウスは見えてこないし、ジャンキーな彼女も見えてこない。自分の前に立つ優しく包容力のあるオンナ、母親、友人、愛人、恋人、そんな印象が浮かぶ。それでも別に話しかけてこないっつうか…、思い切り集中して聴いて欲しい音です。ジャンル的に括るのも難しいけど、二十歳で出てきて27歳で死んで既にセレブでカリスマ、そして伝説になっていくんだからこれからいつか嫌でも聴く時が来るとは思う。いや、そういう風に伝説に語り継がれていく歌声だと思う。本人がどんなんで回りが書き立てるゴシップネタなんてのはどうでも良いし、ロックならそんなのは勲章だ。それよりも一番本気で取り組んでいた音楽でエイミー・ワインハウスという歌手を知ってほしい。

 一昨年くらいから新作に取り掛かっているとか出来上がっているとか色々な噂が絶えなかったし、実際3枚目のスタジオ・アルバムは既に出来上がっているようだ。リリースのタイミングを図っていた矢先でのツアー中止と今回の出来事だったようで、多分年内中には追悼盤新作としてリリースされるんじゃないかな。ジャニスの「Pearl」みたいなもんか。頼むからアチコチのライブの編集で構わないので本当に彼女が歌い上げていて鳥肌立つような熱唱シーンをまとめたDVDをリリースしてくれないかな。長いライブだと大体酔っ払ってたり声が出てなかったりするから、よってても良いけど凄いライブばかりをね、期待したい。BBCのライブなんかは結構良かった気がするが…。

 死ぬ3日前のiTunes Festivalに愛弟子のライブへのゲスト出演した際のライブ映像が残っているようで、これが最後の公の場での映像のようだ。もちろん常に死を予感させる生き方だったからいまさらに死ぬようには見えないとも言わないし、死ぬように見えるとも言えない。そんな一瞬を思い切り生きていく人生だったのかな。特に寂しさが強かった人でもないと思うけどわかんないな。この才能を亡くしたのは実に残念だ。合掌。

iTunes Festival: London 2007 - EP - Amy Winehouse iTunes Festival: London 2007 - EP Rarities Edition: Frank - Amy Winehouse Rarities Edition: Frank





Last Gig

John Lodge & Justin Hayward - Blue Jays

John Lodge & Justin Hayward - Blue Jays (1975)
Blue Jays Moving Mountains
Blue Jays - John Lodge & Justin Hayward Blue Jays Classic Blue - Justin Hayward Classic Blue

 ムーディ・ブルースの作品のメロディがいわゆる純英国的なもので、表現手法が異なるもののアコギで歌ったら見事にそうなるだろうな、なんて書いてたばかりだけどそう言えばJustin HaywardとJohn Lodgeが一緒にやった作品ってあったな…なんて思いだしてゴソゴソ…。昔プログレコーナのレコードのエサ箱を漁っているとこれがまたよく出てきてさ、毎回ってほど見かけたジャケットで、どう見てもムーディ・ブルース紛いなジャケットだしメンバーのソロ作品っつうかデュエット作品ってのは知ってたけどなかなか手が伸びなかったんだよな。まぁ、ムーディ・ブルースをひと通り揃えてから入手して聴いたけど、やたらと甘ったるくてかったるいな~っていう印象でやっぱりロックの重さを求めてたので全然響かなかった作品だったことを思い出した。

 「Blue Jays」という1975年にムーディ・ブルースのとJustin Hayward & John Lodgeいうギタリストとベーシストの二人が組んで作られたアルバムで、この頃バンドのメンバーが単独でアルバムをリリースしようもんなら即刻バンド解散か?という噂が巻き起こったものだが、ましてや二人のメンバーが組んで出したとなれた間違いなく解散だ、と言われるワケでさ、実際ムーディ・ブルースはほぼ活動休止状態だったようだけど。1975年時点でそんな状態ってワケで、ロックも一段落ついた感じの頃だったんだろうか。

 さて、「Blue Jays」という作品を久しぶりに聴いてみました。やっぱり甘ったるくてなぁ…、ちょっとここまでヤラれるとロックファン的にハマり込めないなぁ。これがメロウキャンドルとかだと凄い褒め称えるんだが、このヘンはボーカルの性の違い?作品として聴いてみればそりゃもちろん秀逸な曲が並びまくってて、アコギと鍵盤中心で静かなものだが、音全体の雰囲気はやっぱりムーディ・ブルース的ってのは面白い。これってユニットでやる必要があったんだろうか?マイク・ピンダー入れてムーディ・ブルースでやった方が良かったんじゃね?とか思うけどこの頃バンドメンバーの仲は…みたいな話のようだ。そのおかげで「Blue Jays」という作品は重さが無くなっていて何かが足りないムーディ・ブルースのアルバムって感じだ。バンドってそういう意味ではやっぱり面白くて化学反応的な面があって、面白い。

 この「Blue Jays」はかなり良作で好む人には好まれるソフトな作品だろうと思うけど、音楽好きな人向けムーディ・ブルース好きな人向けであってロックファン向けではないわな。ただ、英国音楽的としてはもの凄く英国的なので聴いておくべきものでもある…、う~ん、ま、聴く機会あれば聴いてみて、ってトコだ(笑)。



Moody Blues - In Search of the Lost Chord

Moody Blues - In Search of the Lost Chord (1968)
In Search of the Lost Chord (Reis) Days of Future Passed (Dlx)
In Search of the Lost Chord (Bonus Tracks Version) - ムーディー・ブルース In Search of the Lost Chord (Bonus Tracks Version) To Our Children's Children's Children - ムーディー・ブルース To Our Children's Children's Children

 プログレッシブとはなかなか難しい言葉でもあるしまとめにくいもんでもあるね。先進的という意味でのプログレッシブはロックの世界でも登場するし、その代表的バンドがどうしても70年代に偏ることが多いのだが、先駆者が堂々と時代を生き抜いていたってのを忘れちゃいけない。まぁ、今の時代になってくるともう70年代も60年代も別に区分けして考えないし、バンド名見て横一線に並べて聴くのだから、時代も関係なんだろうけど。iTunesなんかで並んでるのを見るとホント、いつのリリースとか気にすることなく聴けてしまうワケじゃない?レコードだったらどうかって言われても同じなんだけどさ(笑)。音楽だけを純粋に聴いている人にはそういう時代ってあんまり関係ないけど、ロック好きにはさ、やっぱちょっと好奇心ってのがあって、時代背景とか関係性とか合わせていくともっと楽しめるもので、決して音楽性だけで聴いていない部分あるもんね。

 1968年にリリースされた新生mムーディ・ブルースの二枚目となる作品「In Search of the Lost Chord」。バンドとしては3枚目になるんだけど最初期のマージービート時代は別物として捉えておくべきだろうからプログレッシブバンド、ムーディ・ブルースとしてのカウントですね。ムーディ・ブルースってさ、プログレッシブなんだけどプログレバンドってワケじゃない。う~ん、何かわざと難しく凝ったことをやってるワケじゃなくて、自然に楽曲の流れがプログレッシブな展開をしていくっつうのか、クラシックと同じ路線をロックで奏でているだけっつう感じなんだよな。上手い言い方出来ないけどさ。70年代のプログレバンドはプログレであるが故の作品作りってのをしている感じだったんだが、ムーディ・ブルースはもっと自然発生的。まぁ、出てくる音が肌に合うかどうかって話だが、その分引っ掛かりが少なく流れてしまうのも事実か。

 「In Search of the Lost Chord」ではメロトロンとかピアノとかギターとかシタールとかサイケデリック性が底辺にあるけどもっと別にドロドロしたものでもなくて、きちんとメロディは英国風のセンスが聴けるもので、多分アコギでプレイしたらすごくKinksみたいな感じなんじゃないだろうか?って思えるメロディが多い。根っこは同じなんだけど表現がコーラスワークで神秘的にしてみたりメロトロンで叙情さを出したりしているってところだ。楽曲レベルはもちろんこの時代の雄ですからねぇ、ムーディ・ブルースの作品の中でもかなり名盤の部類に入るハズ。タイトルの「失われたコードを求めて」ってのもかっこ良いよね。実際アルバムのテーマが全てそこに行き着いているっていうコンセプトもプログレッシブ。スタープレイヤーがいるわけでもないけど、バンドとして演奏家として非常にまとまりのある秀逸な作品ばかりをリリースする玄人受けのバンドかな。プロコル・ハルムと似ているかも。

 今では各アルバムがデラックス・エディションでリリースされているので結構オマケの部分も魅力あったりするようだ。自分は勿論アナログであるので今のところ手を出してはいないが…。



Procol Harum - Shine on Brightly

Procol Harum - Shine on Brightly (1968)
Shine on Brightly Shine on Brightly
A Whiter Shade of Pale - Single - Procol Harum A Whiter Shade of Pale - Single

 Ten Years Afterの名が出てくると自然的にProcol Harumという名前も連想してしまうのは古い人間にしかわからない事だろうな。1972年のTen Years After来日では当時としては非常に珍しかったであろう外タレ同士のジョイントコンサートで、そのジョイント相手がProcol Harumだったのだ。人気の度合いで言えばその頃ならProcol Harumの方が実力派として認められていたんじゃないかな。多くのファンはTen Years Afterを見に行ったようなので、こちらに部があったと思われるが。いや、自分もその世代じゃないからわかんないけど、ウッドストック公開がたぶん日本では1970年頃だろうし、TYAはその頃スーパースターだったけど、数年経ってしまうとねぇ…、それでも皆見たかったと思うんだよ。プロコル・ハルムはといえば「青い影」のヒットが1967年頃だっけ?その頃は人気あっただろうけど1972年の時点では割とマニアックなロックファンに受けていたという状態じゃないかと。

 1968年にリリースされたプロコル・ハルムのセカンドアルバム「Shine on Brightly」は多分プロコル・ハルムと言うバンドのこれからの姿が大いに詰め込まれている作品として名を上げているもので、常に秀逸なアルバムしかリリースしていないバンドの実力が大いにわかると言うものだ。プロコル・ハルムって言うとどうしても「青い影」から入ってしまうのでオルガンのドーンとした雰囲気のバンドというイメージが強くて、派手めなロックなサウンドじゃなくてクラシカル、はたまた教会音楽的な側面が強くて好き嫌い分かれるんだろうと思う。どうしても音がミドルゾーンに詰め込まれた感じに聞こえてしまって、自分もそんなに得意なバンドなかったし。それでも英国ロック聴いてると聴けるようになるもので、しかも作品全てが傑作だってのがレベル高くて聴かざるを得ないっつうかね(笑)。

 歌はソウルフルっつうか重くてもっさりな感じだけどもちろん上手い。鍵盤はもうオルガンピアノ含めて主役だし、ギターはロビン・トロワーなのでそれなりのブルースギター。目立つ曲は無茶苦茶目立つのでなるほど名を上げたハズだと思うプレイがそこかしこに。そして名ドラマーとして玄人受けしていたB.J.ウィルソンのドラミング…自分はあんまりよくわからないんだけど、この人のドラミングは天下一品との誉れも高く、ボンゾに似てるからかねぇ…と。さて、「Shine on Brightly」というアルバムの作品群としては冒頭二曲は「青い影」で聴けるオルガン教会音楽的なドーンとしたサウンドなんだけど3曲目以降はちょいと実験的な方向に進んでいるのか、ロビン・トロワーが結構全開に弾いているのが興味をそそる。ジミヘン的と呼ばれる所以もわかる気がするスペイシーなギタープレイを披露しています。ジミヘンこの頃現役で生きてたけど。そしてB面大作18分のプログレッシブロックの始まりともコンパクトサージェントペパーズとも言える重要作品。ムーディー・ブルースとプロコル・ハルムってのはこういうクラシカルな世界からロックへ入り込みプログレッシブな展開に進む楽曲をいち早く発表していたんだが、なかなか日本的には認知度が低い感じ。自分も含めてやっぱり70年代のプログレが面白いからだろうな。60年代末期のこのへんはまだ未成熟だから研究材料という意味合いの方が強いもん。でもね、やっぱこの展開とかすごく練られているのもわかるしThe Whoの「Tommy」なんかも同じだもんな…。やっぱ60年代ロックの偉人達はポジティブな姿勢だね。そんな面白さが詰め込まれた作品「Shine on Brightly」。

 ちなみに英国以外は緑の神秘的なジャケットでリリースされていて昔はこっちが一般的だったが、今じゃオリジナル英国盤のピアノアップのジャケットが普通になっているみたい。



Ten Years After - Positive Vibrations

Ten Years After - Positive Vibrations (1974)
Positive Vibrations Recorded Live
Live at the Fillmore East, 1970 - Ten Years After Fillmore East, 1970 Roadworks (Live) - Ten Years After Roadworks (Live)

 先日UFOの「現象」を聴きながら、ふとクレジットを見ているとレオ・ライオンズという名前があってさ、それもプロデューサーってトコにあるのだから、もちろんUFOの名盤と呼ばれる「現象」をプロデュースしたのだろう。ん?と思ってネットでアレコレ見ているとやっぱりあのレオ・ライオンズだった。あの、ってのはTen Years Afterでひたすら狂ったようにアタマを振り続けてベースを弾いていた男です。でもさ、UFOの「現象」が1974年リリースって…、Ten Years Afterってまだ現役活動していた時期なんじゃない?と思って確認するとやっぱりそうだ。

 「Positive Vibrations」という作品を1974年にリリースしているから、レオ・ライオンズも色々と仕事をしていたのだろう。Ten Years AFterにある意味見切りを付けてプロデュースでも…ってことで同じクリサリスレーベルに所属していたバンドのプロデュースでもしたと言う所だろうか・UFOとしても多少名前がある人間のが使えるならそれに越したことはないってのあっただろうし、そもそもその頃の英国のロックの音楽性の違いとか方向性なんてのはそれほど大きな問題じゃなかっただろうしね。ブルースバンドのベーシストがハードロックを作るってほどのことではなかったって意味です。単に楽器を持ってアンプで鳴らす連中の出す音をまとめ上げるってなもんだ。

 さて、そのTen Years Afterの「Positive Vibrations」という作品は現役時代最後のスタジオ・アルバムでして、現役時代ってのはまぁ70年代ってことだが、これほどまでにバンドが崩れていく姿を最後まで見せていったバンドもそんなに多くない。元々10年後までバンドが存続するようにっていう時代を反映したバンド名だったが9年で解散しちゃった。ある意味正しい予見をしていたってことか。全盛期の「Cricklewood Green」「Ssssh」「Watt」あたりからするとその後の作品はほとんど聴くこともなく、ダメだなぁ~って感じで思っていたんだけどね、今回聴き直してみました「Positive Vibrations」。簡単に書けば、別にTen Years Afterである必要もないし、楽曲レベルも特筆すべき点が見当たらない。単に曲を奏でてみましたって感じにミドルテンポだったりするナンバーがアルバムを占めるだけ。新しい取り組みってワケでもなく、ブルースなワケでもなくジャズでもなくポップスでもなく気合の入ったロックでもなく、ギタープレイに注目ってワケでもなく、何のためにこの音は存在しているのだろう、っていう程に面白くない作品だった(笑)。余程のファンでも「Positive Vibrations」を真剣に数十回聴いたってヒトは多くないんじゃないかな?何でこんなんになっちゃったんだ?っていう失望の方が大きくて…、才能の枯渇という言葉しか出てこない。もともとプレイの熱さで評判が良かったんだしね。そういうことならアメリカのジョージ・サラグッドみたいにカバー中心で勝負ってのもあったろうに。そんな方向性も見つけたかったのか「Going Back To Birmingham」っつう50sR&Rスタイルのナンバーが一番生き生きといしてて良いかも。

 バンドって10年続けるのが難しい時代だった60年代から70年代。その中で動乱の時代を走り抜けたバンドとしては結構メジャーな部類に入るTen Years AFterなのだが、終焉がやや寂しいものになってしまった。そういう難しさってのを「Positive Vibrations」からは大いに感じるが、「Positive Vibrations」を最初に聴いた人ってTenn Years Afterのファンになることあるんだろうか?う~ん、BGMに流れているサウンドとしてもちょいと引っ掛かってしまうしなぁ…。





UFO - Phenomenon

UFO - Phenomenon (1974)
Phenomenon Strangers in the Night
Phenomenon (Bonus Track Version) - UFO Phenomenon (Bonus Track Version) Strangers In the Night (Live) [Remastered] - UFO Strangers In the Night (Live)

 あれやこれやと聴いている内に何故かこういう流れになっていって、マイケル・シェンカーに辿り着いてしまうのもこれまた自分の趣味の偏りさ加減を表しているんじゃないだろうか。別に良いんだけどさ、そんなに万遍なく音楽聴けるワケじゃないし、好きなモノを何度も聴く方が音楽リスナーとしては理にかなっているワケで、たくさん聴いてりゃいいってもんじゃない。そんなことで、無意識に向かっていったマイケル・シェンカーがメジャーな世界に飛び出して行った最初のアルバムとなったUFO。

 1974年にリリースされたUFOとしては3枚目のアルバムだけど、マイケル・シェンカーが加入してから最初のアルバムとなった一般的にはよく名盤として語られる「Phenomenon」、個人的には別に名盤とは思わないけれど、重要な曲がいくつか入っているアルバムとして捉えていて、だから故にあんまり名盤だよ、と言う言い方で人に薦めることはないな。アルバムってのはやっぱり冒頭でガツンと来て、それからじっくりと様々な音を聞かせてくれるという傾向のものが良いアルバムで、冒頭にガツンがないとやっぱり名盤にはなかなかならないんだよ。名曲がいくつか入ってるアルバムを名盤とは言わないしね。

 そんな戯言はともかく、UFOの声と言えばフィル・モグの名前通りにモゴモゴした感じの抜け切らない歌声がバンドそのものの印象にもなっているし、そこにマイケル・シェンカーが参加したことで後の世代にはマイケル・シェンカーの名前のおかげで耳にする人の方が多いはず。自分もそうだ。それが故にUFOというバンドの本質はなかなか語られにくい部分があって、自分もどうしてもギターから聴いてしまうしさ、それで曲が面白いか?と言われるとなかなかそういう曲は多くない。「Doctor Doctor」や「Rock Bottom」みたいな名曲が入っているということで「Phenomenon」は名盤と言われるのだが、あくまでもその2曲にスポットが当たってしまうものだ。「Rock Bottom」の奇跡的な楽曲クオリティとギタープレイについては正に神憑り、コレをマイケル・シェンカーは18歳の時にレコーディングしていると思うと更に神憑りとしか言えない。信じられないギターソロの構築美、リフメイカーとしてもその才能を発揮した楽曲のドライブ感、とにかく素晴らしい曲。

 「Phenomenon」というアルバム、実はかなり多くのバラード調の聴かせる歌が多く、決してHRバンドというような体裁ではない。マイケル・シェンカーのギタープレイも曲に合わせるような抑えたソロが多く、メロディアスさはさすがなのだが、あくまでも歌ありきのソロなのでやや物足りない。ミュージシャン的にはそれで良いんだけど、今のリスナーにはね、うん。もっとHRなスタイルを押し出しても良かったアルバムだと思うけどな、そんなに歌唱力があるわけでもないのだから…と思う次第です。その他多数のブログや雑誌やレビューでは名盤扱いされているけど、自分が思うにはそんな感じ。でも、「ROck Bottom」がある以上、抑えるべき作品にはなってるけどね。



Scorpions - Lovedrive

Scorpions - Lovedrive (1979)
Lovedrive Animal Magnetism

 結局80年代初頭のヘヴィメタルシーンってのが一番思春期に聞いたってのもあって今でも懐かしさと新鮮さと刺激がある音のひとつなのだな。三つ子の魂百までとは良く言ったものだ。まぁ、かと言ってその思春期の頃にメタルばっかりだったかと言うとこれがまたメタルとかカテゴライズが分かっていないのだから滅茶苦茶になっているっつうのも面白いのだが…、その頃からか雑多なものを普通にカテゴライズなく聴き漁るのだった。同時進行でオフコースとかも聴いてたしさ(笑)。もちろんアイドルも漁ってたし日本のバンドなんかも聴いて、更に80sでしょ?んで同時にルーツを漁ってたりしたから、この頃まるで聴かなかったのは黒いのくらいだ。まぁ、そんな話はともかく、ドイツ産だなんて全然意識しなかった思い切りメジャーシーンに突入してきたスコーピオンズ、変に硬派なかっこ良さがあって聴いてたが、その前の作品はもうちょっとあとに聴いたので、今回は流れ上コイツを。

 1979年にリリースされたスコーピオンズとしてもマティアス・ヤプスは入れて初めてのアルバムとなった「Lovedrive」です。当初はそのつもりだったのが精神的に弱いルドルフ君の弟がバンドに戻りたいってことで参加させたのかどうか知らないが、マイケル・シェンカーも参加してます。クレジット上では3曲だけのようだが、アルバム聴いててわかるように他にも弾いてるだろ、って感じ。実質はオープニングナンバー「Loving You Sunday Morning」と最後の「Holiday」にも参加ってことだ。まぁ、最初のは聴いてりゃわかるだろうけど(笑)。こんな風に弾くのは神だけだよ、ホント。新人マティアス・ヤプスが弾く訳ない。最後のもそうだし、マイケル・シェンカーが参加した曲はもう思い切りマイケル・シェンカー色強くてタイトでカッチョよい。参加して無くてカッチョ良いのはあんまりないんだからやっぱりマイケル・シェンカーの実力の程と言うべきか。

 いやいや、マイケル・シェンカーのアルバムではなくてスコーピオンズのアルバムなので、もちろんルドルフのザクザクギターにしてもクラウス・マイネの歌の巧さにしてもさすがに舌を巻くと言わんばかりの音ですがね、スコーピオンズってヒーロー有りきじゃなくてバンドありきだから、そういう意味ではまだこの時点でスコーピオンズってバンドのポテンシャルの高さは決定的ではないってことだ。マイケル・シェンカーに振り回されたマティアス・ヤプスも可哀想だが、そのおかげでバンドに一体感が出てきてレベルアップしたのが「Lovedrive」から後ってことだな。なるほど。そしていつもアルバムジャケットが意味深なのもスコーピオンズの特徴で、「Lovedrive」ではモロと言えばモロなんだが、ヒプノシスのセンスが光っていて、そんなに目くじらたてるようなジャケットではないのでは?ただ、それでもこの絵の意図が不思議なんですが…、何だろ?化物だったってこと?それとも引きちぎりたいくらいの欲望??





Judas Priest - Killing Machine

Judas Priest - Killing Machine (1979)
Killing Machine Stained Class

 若さ故に自然発生的にヘヴィメタルという音楽になっていった世代とはやや異なるバンド、ジューダス・プリースト。後年メタルシーンで名を上げていくバンドは大体がその世代が若いが故に勢いを持ってその攻撃性にハマリ込んで行ったという進み方に対して、ジューダス・プリーストの場合はアルバムデビューが1974年頃なのでまだまだメタルなんつう言葉もない頃だし、そもそもやってた音楽性はもっと英国的なハードロック+αのようなものだったし、方向性はどっちなのだ?と思うような作風が多かった。それが自ずからヘヴィメタルという世界に入っていったのか、いち早くシーンの動きを察しての方向転換なのかはともかく、80年代にはメタルゴッドと呼ばれるバンドになるのだから恐れ入る。

 1979年にリリースされた5枚目の作品「Killing Machine」は前作「Stained Class」のアルバムレベルの高さを維持しつつ、更にヘヴィメタルというファッションを推し進めた作品で、今頭の中で思い描くジューダス・プリーストのイメージは「Killing Machine」から育ったものだ。ネタ元はやっぱりゲイカルチャーのシーンなんだろうなぁ。こんだけのレザーに鋲を散りばめた中、そしてハーレーに跨ったオトコの硬派な音。それこそがヘヴィメタルという世界を象徴しているワケで、実はジューダス・プリースト以外にここまで革ジャンと鋲付きに拘ったバンドも多くはない。大体が派手めな方に進んで行き、それこそがシーンになっていったものだ。そんな中ジューダス・プリーストの硬派性はより一層特徴的に映ったものだし、象徴だった、うん。

 さて、アルバム「Killing Machine」のハイクォリティな楽曲群、今になってアルバムを聴いていけば名盤の間に挟まれてしまっているので結構語られるのが一歩遅れるのだが、それだけ全盛期に作られた作品なワケだから悪いハズがない。実験精神も旺盛で、これまでのハイトーンボーカルを押さえて中音低音の声を使って歌い上げると言うスタイルを拒絶している。ハイトーンで奏でる歌がほとんど聴かれずに、どちらかと言えばしゃべりに近いような短い節でリズム楽器的に歌っているロブ・ハルフォードが印象的。その分ツインギターが目立つワケだがな。そして音はメタル…なんだけどさ、結構8分刻みのギターってのも多くはなくって、まぁ「Running Wild」なんかはアクセント的にそんな曲だけど他は結構リフでグイグイと攻めてくるんだよね。そのリフがヘヴィメタルっつうスタイルになるんだけど…、惜しいのは録音技術っつうか、もっとメリハリ付いて重いサウンドがきちんと出ていたら…と思う。リマスター盤を聴いていないからわかんないけど、ミックスとか音のバランスがイマイチに感じるのは自分だけか?





Iron Maiden - The Number of The Beast

Iron Maiden - The Number of The Beast (1982)
魔力の刻印 キラーズ
The Number of the Beast - アイアン・メイデン 魔力の刻印 Killers - アイアン・メイデン Killers

 骨太なHMバンド、そして女性よりもオトコのファンが圧倒的に多いであろう男臭いバンド、まぁ、汗臭いバンドとも言うべきか…、そもそもヘヴィメタなんてオトコしか聴かないもんだった最初期、今じゃ関係ないけど、昔はヘビメタ聴く女子なんてまずいなかった。自分はそんなにメタル派っワケじゃなかったのであまり害はなかったが(笑)、それでもロックっつうとやっぱりオトコのモンだったね。勝手な思い込みかもしれないが、まだまだそんな時代に思い切りヘビメタを全面に出して今でも最前線の人気を誇るアイアン・メイデン。このブログでも結構な回数取り上げていて、やっぱり英国産ってトコもあって奥深くてレベルが高いので楽しい。そしてスカッとするのも良い。

 1982年にリリースされた三枚目の作品「魔力の刻印」からボーカルが今の、と言うかアイアン・メイデンの顔となるブルース・デッキンソンが加入したアルバム。前二作は結構メタルとパンクの合いの子のような方向性もあってそれはそれで面白かったんだけど、作品の幅と楽曲の展開に磨きがかかったのは「」からだとも言えよう。アルバム冒頭の「The Invador」は多分昔からの曲に近くてインパクトはあるしオープニングにはぴったりだけど、既に時代が過ぎ去った感じの曲。2曲目以降の作風こそが今後のアイアン・メイデンの楽曲群でしょう。中でもタイトルナンバー「魔力の刻印」と「Run To The Hill」はやっぱり凄いものがあるし、ラストの名曲「Hallowed Be Thy Name」と来たら単なるヘビメタバンドの作品とは思えないクォリティの高さを実感するし、これからの大作志向を予感させるものでもある。同じように何か凄いぞ、みたいなのは「22 Acacia Avenue」なんかでも思うワケで、それ言い始めると多分全曲かなりの名曲揃いになっているので楽しめるもんだ。

 ヘヴィーメタルというカテゴリと言うか、サウンドを模索してたどり着いた瞬間に既に次なるオリジナリティへの出発を模索し始めて、そこで進んだ方向性にプログレッシブな展開と神々しいまでのメロディ展開などが挙げられて、アイアン・メイデンの独自性を打ち出してきたし、ツインギターのメロディアスさも英国風な独自スパイスでシーンに君臨。他のバンドには成し得なかった未開の領域にどんどんと足を踏み入れ始めたアルバムの最初が「魔力の刻印」ではなかったかと。リアルタイムでコレを耳にした人はそんなことも考えずにただ「かっこ良い」と思って聞いたことだろう。自分はねぇ、まだ未熟でした、この頃は。ジャケットみて好きじゃなかったし、メタルの怖さっつうか迫力っつうか見た目の悪さとかむさくるしさがあまり好きじゃなかったからさ。もうちょっと後にアイアン・メイデンを聴き始めたからなぁ。ま、でも、巡り会えただけ良いでしょ。





Motorhead - No Sleep Til Hammersmith

Motorhead - No Sleep Til Hammersmith (1981)
No Sleep Til Hammersmith Overkill
No Sleep 'Til Hammersmith (Live) - Motörhead No Sleep 'Til Hammersmith Overkill (Exclusive Version) - Motörhead Overkill (Exclusive Version)

 ここのトコロうるさい系の音を立て続けに聴いているのだが、どれを聴いていてもひとつの方向を示しているような気がしてならない毛色のものが多かった。うん、メタルだったり爆音R&Rだったりするんだけどさ、こないだTankのファーストを聴いててやっぱりモーターヘッドってのを意識するワケで、更に元メンバーのワーデルが亡くなったのもあってオンタイムでモーターヘッドの名前を聞いたからだろうね。そんなことで、せっかくなので超名盤と呼ばれるアルバムをひとつ聴き直してみようじゃないかと…。

 「No Sleep Til Hammersmith」というライブアルバム、邦題「極悪ライブ」、1981年にリリースされたライブアルバムにして傑作。この時期のモーターヘッドって言えば思い切り全盛期だったワケで、時代がまだまだモーターヘッドに付いて行ってなかった頃かもしれない。NWOBHM群が出てきてもモーターヘッドは元祖だったりパンクが出てきた時も元祖だったかもしれない。後のスラッシュメタルやその系統のメタル群からしても元祖であることは間違いないが、モーターヘッドがメタルかと言われるとそうじゃない、と答えてしまうのだが…。実に説明に困るR&Rバンドなのだ。攻撃性や暴力性や勢いやシンプルさなどなどR&Rが元来持つべきものを全て持っているというバンド。そしてモーターヘッドが無ければ後のバンドの出現はもっと遅れたことだろう。その中でもこの「No Sleep Til Hammersmith」というライブアルバムを聴いて衝撃を受けた連中は多かったハズ。それくらいに痺れる凄いサウンドが聴けますね。

 オープニングからしてもの凄い迫力と勢いと攻撃性の音、これは何だ?ベースの歪み具合か?曲の持つ凶暴性か?そんなことすら考える必要もなく、うるさいロックが好きな連中には問答無用で響く音が詰め込まれている。曲を知らなくても大丈夫、このパワーにはハマり込んでしまうから。「No Sleep Til Hammersmith」はそんな作品。タイトルのハマースミスは例えの単語であってライブそのものは別のところでの収録だそうだ。まぁ、細かいことこだわるなよ、いいから聴いてみな、と言いたくなる爆音ロックアルバム。今でも現役で、しかも欧州での人気は相変わらずの高さと言うから凄い。こんなテンションで今でもライブをやっている現役バンドでもあるモーターヘッド、死ぬまでこのままだろうな。かっこ良すぎ。



Satan - Court In The Act

Satan - Court In The Act (1983)
コート・イン・ジ・アクト(紙ジャケット仕様) Live in the Act

 70年代末期から80年代初頭に英国で粛々と熟成されていったNWOBHMの波によるバンド群。この特殊な時期の音を好むフォロワーバンドも数多く出てきたことで後にスポットを浴びることになるバンドも多いという点では50年代のブルースメン達と同じ憂き目に合っているとも言えるか?まぁ、いつの時代も自分を信じてプレイしているバンドやアーティストと言うのは後々に救われることがあるというものだ。果たしてそこまでのものか?って疑問は個々人によって異なるものだろうが。さて、そんなNWOBHMのバンド群はそれこそタケノコのようにいくらでも出てきていたようだけど、後々に語り継がれるとなるとさすがに数が減る。もっともマニアックになってしまうのでどれが突出しているってもんでもないが。

 1983年リリースの名盤?と言われるSatanというバンドのファーストアルバム「コート・イン・ジ・アクト」。バンド名があまりよろしくないので誤解と語弊を受ける面が多いんだろうと思うのだが…、いや、自分もそうだったんで。音の方は正当なる英国初期メタルの音で、別におどろおどろしいものではなくって、黒魔術なものでもないのでその辺の偏見は捨てて聴いてみたら良いのかも。っても、万人にオススメできるような代物じゃないのは事実でさ、まずはですね、音が思い切り自主制作的な悪さで、悪いっていうのか、そもそもバンドの楽曲の面白さを出し切れていない音です。早い話がガレージなサウンドで篭りまくりの音が引っ込んでしまってるんです。ただ、それはともかくもバランスは悪くないので楽曲の激しさとかバンドのスタイルとか音での主張ってのはしっかり出ているワケで、この音でこんだけ主張できているってことはまともな音だったら相当の迫力だろうなとも思うのだが、この音の悪さこそが「コート・イン・ジ・アクト」という作品を神秘的にしている面かもしれない。

 後追いで聴いてるんだけど、聴いた時の印象はバッジー的なサウンド。もうちょっとメタリックでスピードがあるからザクザクした感じは更に激しい。それでいて、かなりメロディアスな歌が乗っかっているのも面白いし、突然にジューダス・プリーストみたいなハイトーンが出てくるんだよな。これもまた不思議な展開で、決して歌は上手いとかじゃないけど楽曲の方向性は面白いなぁと思う。ニッチな世界では神格化されているアルバムのようで、確かに質は高い気がする。ただ、やっぱりB級感は否めないのもNWOBHMの特徴か。昔はかなりの値段のしたレアアイテムのようだが、今じゃ紙ジャケで買えるようだ。う~ん、こういうのが誰でも聴けるようになったのは良いことだろうな。知ってる人しか買わないだろうけど(笑)。

 しかしいつの時代も英国のバンドは新たなる進化と発見を繰り返した音を見つけてくるものだ。まだまだ生まれたばかりのHMの世界でもうこれだけの個性を身につけてアルバムを出していたワケだから。1983年って…そっか一方ではLAメタルが出てくる頃か…、それでもこういう音をストレートに出せるバンドは少なかったでしょう。そしてその頃のライブを記録したこれまたレアな一枚が発掘音源「Live in the Act」としてリリースされているのだった…。







Tank - Filth Hounds of Hades

Tank - Filth Hounds of Hades (1982)
Filth Hounds of Hades Honour & Blood (24bt)

以前にNWOBHMをドドドっと聴きまくって書いた時に一番響いて印象に残っているバンドが二つあって、ひとつはPraying Mantisで、もうひとつはTankの「Honour & Blood (24bt)」。Iron Maidenが筆頭になっているNWOBHMだけどもちろんリアルな頃は誰が一番に出てくるかなんてわかるハズもなく秀作をリリースしまくっていたのだが、まぁ、多くは一過性のバンドとして消えていったものだ。それでもPraying Mantisのように復活して相変わらずの良作をリリースしまくってくれるバンドがあるのは救いなのだが、一方のTankはそこまでのファンは獲得できなかったのか…。Tankが残した作品はどれもこれも個性的でシーンを無視した音でもあってかっこ良いものなのだ。

 1982年のデビューアルバム「Filth Hounds of Hades」、冒頭一曲目からどこか宗教的カルト的な掛け声で始まり、ともすればコミックバンドなのか?と思うような開始なのだが、曲が始まってみればそれはもう単なる序章でしかなく、一連のNWOBHMバンドの醸しだすヘヴィメタルの音とは一線を画した、日本で言えば明らかにDoomと同じようなスタンス…つうかよく似てる部分あるんだよな、歌声とか攻撃性とかメロディとかさ。結構被ってくるので割と不思議。それでもこのTankのファースト「Filth Hounds of Hades」は英国的に言えばMotorheadの弟分的バンドとして出てきて、確かにパンクとR&RとHMの合わさった攻撃的でシンプルな勢いで迫ってくる作品で、どの曲もエッジが立っていてかっこ良い。ただ、聴いているとMotorheadよりも好みな音なのだが。

 何だろな、テクニックじゃないし歌でもないけどシャープで硬派な音っつうのか、かなり唯一無二の存在の音。ただ、こういう音がシーンでウケることはあんまりなかったんだろうとは思うが。フェスとかではすごくウケが良かっただろうな。どこか単純な部分があるので長持ちできなかったのかもしれない。それでも「Filth Hounds of Hades」は多分好む人にはバイブルになるサウンドだね。騙されたと思って聴いてみてハマれる人は意外と多いのでは?こういうロックスピリッツって欲しいよな。





Budgie - Squawk

Budgie - Squawk (1972)
Squawk Never Turn Your..

 英国メタリックなバンド、そして愛すべきB級さ加減と言えばUrah HeepかBudgieのどっちかだよな、などと思ったので今回はBudgieってところで…。結構名作と呼ばれる辺りは自分でも好きなようでブログには書かれているので、じゃあその後の後期にするか初期にするか、と。やっぱでも初期かな~ってことでセカンドアルバム「Squawk」の登場です。

 1972年にリリースされた「Squawk」だけど、時代を考えてみてもかなりヘヴィ且つ独特のサウンドを持っていながらまだまだ以降のBudgieの攻撃性は出し切れていないという中途半端な位置付けではあるものの、やはりBudige。ヘンだもん(笑)。時代がごった煮英国ロック全盛期だから何でもありなんだけどさ、ヘヴィなリフからフォーキー、ブルージーな展開と正にB級感たっぷりのアルバムです。いや~、このグダグダした部分をとっぱらったお蔭で後の名作「Never Turn Your..」などに引き継がれていく方向になるんですな。それにしてもこのアルバムのベースの存在感がすごくてさ、こんだけヘヴィなのにベースの音がビートルズ的軽さっつうのが面白いギャップ。一体何なんだ?って感じに不思議なバランス感覚で、「Rocking Man」と言う曲でそれはもう顕著に表れてくる。

 自分がやっぱりこのヘンのこの手の音を好きなんだな~と改めて実感した次第ですよ(笑)。タマらなくハマり込んでしまってですね、久々に聴いたのもあるけどやっぱり読める展開だし、あり得ない展開だし、堂々とそれをやってくれるBudgieに感謝って感じ。どこを取ってもホメるべきところはない「Squawk」という作品に愛らしさを感じるひねくれ者です、はい。しかもセカンドアルバム「Squawk」ってBudgieの歴史の中でも地味なんだ、これがまた。「Rolling Home Again」から「Make Me Happy」なんて実に牧歌的なフォークソングだからBudgieだなんて言われてもわからないんじゃないか?その後に続く「Hot As…」の超ヘヴィメタリックな音に感動を覚えるもんな。そのくせ曲は無茶苦茶ダサいのにわ苦笑いしてしまうが…。

 いやいや、キリがないくらいに突込みどころ満載のアルバムなんです、この「Squawk」は。Deep Purpleでいう二枚目と同じような位置付けだろうけど、その支離滅裂さが良い。アルバム一枚の単調さがまるで見当たらなくて聴き所満載なのだが、それでいてネタ切れになってしまったのか?っつうくらいにつまらない曲もあったりするチグハグさ。メロトロンまで登場するけど全然叙情的にならないのも面白い、うん、これこそ愛すべきB級バンド♪

 そしていつの間にかリリースされていたラジオライフセッション「Radio Sessions 74 & 78」。そうか、Budgieでもこういうのがリリースされているんだな…。

Radio Sessions 74 & 78






Thin Lizzy - Still Dangerous

Thin Lizzy - Still Dangerous (1977)
Still Dangerous: Live at the Tower Theater Philade ライヴ・アンド・デンジャラス<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様)
Still Dangerous (Live At the Tower Theatre Philadelphia 1977) - Thin Lizzy Still Dangerous Live and Dangerous - Thin Lizzy Live and Dangerous

 昔のHR/HMと呼ばれた音楽は良かったなぁと何となく思ってしまって…、ランディ・ローズという稀代のギタリストと言われるギターを聴いてても、そんなに凄いか?ってあるけど、やっぱ魂入ってて心揺すぶられるからさ。そんで、ふと思ったのがThin Lizzyのフィル・リノットなんだよな。いや、ゲイリー・ムーアも浮かんだけど、ちょいと前にゲイリー・ムーア書きまくったので、ちょっと先に進んで、いや、その前に戻ってThin Lizzyです。ってもさ、やっぱ何かと好きなだけあって結構なアルバムを既にこのブログで書いているんだよな。んで、デラックス・エディション続きの「ライヴ・アンド・デンジャラス」にしようかとも思ったけど、ちょいと芸がないので、同じ時期のライブアルバムってことで…。

 「Still Dangerous: Live at the Tower Theater Philade」2009年の発掘ライブ音源だそうで、1977年10月20日のフィラデルフェイアのライブを生々しく記録したものらしい…、ってかさ、これKing Biscuit Flower Hourのラジオ放送用ライブ音源らしいのだな。故に昔から聴いた事ある人は聴いたことあるはずだし、そのスジでは有名な音のようだ。まぁ、そんな背景はともかく、「ライヴ・アンド・デンジャラス」のちょいと前のライブ…、言い方を変えると真のライブアルバムな訳です。「ライヴ・アンド・デンジャラス」はオーバーダビングがかなり施されているから、生と言うものでもないらしいので…。それで、この生のライブを聴くのだが、いやいや、もう凄いです。決してテクニカルでもないしスーパーギタリストがいるワケでもないけど、かっこ良いんだ。バランス取れてるってのかさ、でもHR/HMとして無茶苦茶かっこ良い。一曲二曲聴いたくらいじゃThin Lizzyのかっこ良さってのはなかなかわからないんじゃないかな。ライブを通して聴いているとだんだんとバンドのかっこ良さに気づいてくるだろうし、曲の深さにも感銘を覚えてくるものだ。別に難しいことやってないし、至ってストレートR&Rなんだが、そのヘンの深さがね、アイルランドのシンガーフィル・リノットなワケです。そして正にヨーロッパ的な展開や繊細なメロディってのもある。

 この時期以降のThin Lizzyのライブって割と荒っぽくなってくるんだけど、この「Still Dangerous: Live at the Tower Theater Philade」では忠実に演奏している感じで、それはもうライブがラジオで放送されることをわかっていての意味合いかもしれないが、全盛期で成熟したライブを楽しめるのだ。「ライヴ・アンド・デンジャラス」と比べればやや短い収録だけど、生々しい音のライブってことでは「Still Dangerous: Live at the Tower Theater Philade」に軍配が上がるし、真実のライブってのは今の時代にこそ大きな意味合いを持つ。他にも「UK Tour 75」などの発掘ライブ音源がリリースされているThin Lizzyだけど、乱発多発しないながらも着実に食指をそそられるライブをリリースしていってほしいね。やっぱかっこ良いし。





Ozzy Osbourne - Live Edition

Ozzy Osbourne - Live Edition (2011)
ダイアリー・オブ・ア・マッドマン ライヴ・エディション ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説 レガシー・エディション

 やっぱ暑い夏には熱いメタルがいいな、と。とは言ってももう最近のメタルってのが夏に合うかどうかってのはよくわからんので、結局古いのを漁ることになるのだが、そうこうしていて気づいたのがオジー・オズボーンのデラックス・エディションの存在。そういえばちょこっと巷で話題になっていたのに聴いてなかったな、と思って聴いてみたのだな。ただ、レビューで言われているようなドラムとベースの差し替え前のオリジナル音源と言われても、そもそもそういう音で聴いていたので単なるリマスター的な感覚ではあったのだな。しかもこのブログ内でも書いてるしさ。なので、今回はデラックス・エディションに付いてきたライブ盤の方だね、やっぱ。

 「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン ライヴ・エディション」の2CDデラックス・エディション盤、ギターはもちろんランディ・ローズ。そしてディスク2のライブバージョンは生々しいライブ録音そのままなのでホントにライブ会場にいるかのようなサウンド。ブートのサウンドボード音源って言われてもおかしくないけど、もちろん完璧なリマスターと音質なのでさすがです。こんなのまだ残ってるんだねぇ、オジー・オズボーンのライブ音源は。多分もっともっとあるんだろうな。しかしランディ・ローズ期のライブ音源ならかず限られているだろう。「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」もその音源だが今回の「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン ライヴ・エディション」に付いているライブは「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」よりも前の音源のようだ。自分的にはきちんと把握してないけど鍵盤奏者のドン・エイリーが参加する以前の音源からだとか…。

 しかしランディ・ローズのギターって色気あるよな。ギターがウネウネしているんだよ、変な言い方だけど。リズム隊は割とタイトだったりするし、オジー・オズボーンの歌は起伏のない旋律だから、その間を縫ったウネウネ感のあるギターがヒーローの座に付いている理由なのかも。んで、このライブ盤はオーバーダビングなんてないからさ、生々しくギター一本のバンドの音が聴けるわけで、鍵盤もいないから4ピースのバンドの音でさ、ランディ・ローズがギターソロを弾いている時なんてバッキングがかなり手薄な感じもしてしまって面白い。実際にはそんなことないんだろうけど、同じ音量でのミックスだからそんな風に聴こえる。それがさ、逆にランディ・ローズのギターの音を強調していてかっこ良い。オブリガードとかこんなに入れてるのかってくらいに隙間あれば単音弾いてたりしてね、それでいて曲がグルーブするようにウネウネしてるギターもあって、確かに天才と言われて四半世紀なハズです。

 「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン ライヴ・エディション」のライブ…多分もう初期オジー・オズボーンのベストトラック集で、ギターもたっぷり堪能できるし全盛期のオジー・オズボーンの歌声もノリもライブも全て堪能できる旧来のファンなら涙モノの逸品になってる。「ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説 レガシー・エディション」は音の話とラストのランディ・ローズのオマケギター曲が目玉だけど、「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン ライヴ・エディション」は圧倒的にこのライブアルバムに注目するよね。よくぞリリースしてくれました♪



Karnataka - The Storm

Karnataka - The Storm (2001)
Storm Delicate Flame of Desire

 憂いのある…ってトコロでRIversideが出てきたので自分的には繋がっているKarnataka。世間的なカテゴライズでは全然違うものらしくて、この両者が同じに語られることはない様子ですが…、何故か自分の中では繋がってるという音世界。確かに違うんだけどさ、どっちも暗さが中心にあるってのは一緒じゃないか(笑)。いや~、暗いのが聴きたいのかって訳でもないんだろうが、ちょいと時間がある時に耽美的に浸れるっていいな、っつう。忙しすぎるとそうは聴いてられないしね。

 2001年にリリースされたセカンドアルバム「Storm」ですが、そうか10年前の作品なのか。とても新しい音だ~と思ってたけどう~ん、自分の時間間隔の遅さにちょっと驚き。10年も前だとさ、バンドの方も色々あるだろうし人間も音も替わっているってのが常な世界だし。まぁ、現在どうなっているかはともかく、この「Storm」の音そのものに注目♪ いやいや、そんなに暗い訳じゃないけど、ゆったりとおおらかに紡ぎだされる音が心地良くってね。女性の歌声モノってのも相変わらず大好きなので…、ただKarnatakaで聴ける女性の歌声ってのは儚さとか寂しさとかが漂っているもので、元気とか美声とかではないです。そこがよろしいところでね…。守りたくなる感じの歌声が好み。そしてバックで重要な個性を出しているロングトーンを上手く使うギターの音色。ブルースとかとは違う泣きのギターフレーズ、トーンを要所要所で奏でてくれるのも心地良いんです。

 英国のウェールズ出身なんだそうで、そりゃこんだけ寒々しい音も出てくるか、と思うくらい出身地になっとくしてしまった。次作「Delicate Flame of Desire」で完全に花開くバンドになるんだが、その手前の「Storm」は個性が明確になった一枚として重要作だろうね。一体どういう人種がKarnatakaのようなバンドの音を好んで買うのかわかなり不思議なんだが、ロックファンって暗い人多いからそれなりに需要が見込めたんだろうなぁ。プログレから流れていく人には結構面白い音な気がする。



Riverside - Memories In My Head

Riverside - Memories In My Head (2011)
Memories In My Head Anno Domini High Definition
Memories In My Head - Riverside Memories In My Head Goodbye Broadway, Hello Hollywood - Riverside Goodbye Broadway, Hello Hollywood

 来歴などはよく調べていないけど、これだけアレコレと聴いている中で、ちょっと手を付けて聴いてみました的な音も多く、なかなかそういうものを一枚一枚一曲一曲中味を思い出すってのは無理な話でして、やっっぱり記憶から欠落していくものも多いです。ただ、それでもバンドの印象とかジャケットとかは記憶しているもので、更に印象深くて気になったものは時間を見つけては聴くようにしているのだった。最近は専らMacのHDDに溜め込んでるから通常聴くものともっと聴き込まなきゃっていうものとこれから聴こう、っていうのがある程度分けられているので、そこから気になったものを聴き直すのだが、ここが一番ボリューム多いかもしれない(笑)。さりとて、自分のブログの流れの中で当てはまりそうなものをチョイスして聴かれる機会を待っている音源ファイル群がたくさんあるっていう解釈にて…。

 そんな中にあって結構印象が残っているネオプログレの部類。プログレって言葉がもう遅れているのでプログレではないんだろうけど、括られる際にはそういう言い方をされているようだ。自分的には…なんだろね、耽美系ロックかな。RiversideやKarnatakaって所が結構好み。そっから進んだAva Infernoとかになるとちょっとズレてくるので何度も聴かない。何かねぇ…別に暗い訳でも暗い気分でもないけど儚さとか憂いとかの耽美的な世界観って好きなんだよな。根が暗いんかもしれんけど(笑)。それで、Riversideっつうポーランドのバンドの新作EPを見つけたので、ちょいとプッシュ。3曲入りのEPだからそんなに気にしなくても良いか、って思ったら全部10分以上の大曲ばかりが3曲ってことだったので、二昔前のプログレなアルバムみたいなもんかと。なかなか良いんじゃない?ってことで聴いてみました、新作「Memories In My Head」。

 まだまだ全部追いかけてないし、雰囲気で気に入ってるだけなのだが、テクニカルな側面はもちろんのことながら段々と音にハマってくるねぇRIversideは。簡単な説明で言えば「狂気」の頃のPink Floydに「Outside」の頃のDavid Bowieが加わった感じです。気になるでしょ?今回の「Memories In My Head」も正にそんな雰囲気の曲ばかりが収録されていて、しかも一曲一曲が長いから楽曲の展開も聴き所でさ、フルレンスのアルバム聴いているような感覚になるのもなかなかよろしい。これくらいの長さのアルバムは聴きやすいです。音的にも重くもなく、耽美的に浸れるし、時にはこんな雰囲気を楽しめるのもゆとりがないと無理かなぁ。新しい音世界も心地良いのありますよ♪





Stream of Passion -Darker Days

Stream of Passion -Darker Days (2011)
Darker Days Flame Within
Darker Days - Stream of Passion Darker Days The Flame Within - Stream of Passion The Flame Within

 最近新作情報が入りにくいなぁ…。もうネットで情報を漁るのが当たり前になっていて、そこをちょっとサボると全然情報を入手しなくなってる。昔はレコ屋とか行って肌感覚的に情報収集してたけど店にも行かなくなってきたし、おかげで情報収集能力が衰えたかもしれない。追いかけて得る情報と勝手に入ってくる情報ってあって、新作情報ってのは以前は勝手に入ってくる情報だったんだが、今は追いかけないと入らない情報になってしまったのが問題。かと言って自分の興味ありそうなものをひたすら登録しておいたらキリがないくらいにメールが来て結局見ないという話なのでこれまた困ったものだ。その辺の情報管理ってどうしてるのかね、みんな。

 そんな中でリリースするという前情報すら知らず、最近どうしてるのかな、なんてのも気にせず、アマゾン見たらリリースされた情報が出ていたので驚いて早速聴いた大好きなバンドの一枚♪ Stream of Passionってオランダとメキシコの合いの子バンドになるのかな、今じゃ。ライブを除けば3枚目のオリジナルアルバム「Darker Days」。セッションバンド的要素の強いバンドなんだが、今では多分マルセラ嬢のプロジェクトになっていると思う。まぁ、そんな経緯はどっちでも良くって、ファーストの「Embrace the Storm」でこの憂いさと儚さにヤラれてしまって、ライブDVD「Live in the Real World」でその姿とゴシックな雰囲気に飲まれて、しばしハマってたんだが、プロジェクト的なものだったのでセカンドアルバムなんて期待出来なかったのが、マルセラ嬢が奮起して2009年に「Flame Within」がリリースされた。これがまた最高に素晴らしい出来映えで、当初のプロジェクト的性格を持っていたStream of Passionというバンドの雰囲気と嗜好性をしっかりと継承し、更に個性を飛躍させた傑作アルバムに仕上げてくれたワケです。多分プロデューサーとかコンポーザーとか色々なブレインのおかげだろうとは思うけど、何と言ってもマルセラ嬢の歌声の儚さにヤラれてしまってですね、曲調ももちろんハマったんだが、この歌声。何とも言えない可愛がりたくなる自分の生理的にもの凄く愛らしく聴こえる歌声なんですな。

 そんなマルセラ嬢がまたしても奮起して「Flame Within」と同様にレベルの高いプログレッシブ且つ儚さと憂いさとクラシカル要素を散りばめたミドルテンポなメタルサウンドを打ち出した傑作「Darker Days」を出してくれました。もう何回聴いたことか、「Flame Within」と比べるとキャッチーな暗さ?ってのがちょっと消えているけどその分バイオリンのフューチャー度が結構高くて…、いやこのマルセラ嬢ってバイオリンも弾くんですよ、それがまたクラシカルな要素とヒステリックな要素があって、そこに歌声も被ってくるのがまたよろしくて、結構唯一無二のサウンドになっている曲もいくつかある。ちょっと単調な雰囲気になってしまった感もなきにしもあらずだが、聴きこんでいく内にそれぞれの曲の個性が際立ってくる。歌い方もちょこちょこと変えたりしてるし。でも、どれも暗くて儚くて…。多分バックの音とかアレンジとかもの凄いレベルで展開されているんだろうと思う。上手いのは当然だけどアレンジも見事に曲と声を活かしているし、よくわかんないけど凝ってる。プログレメタル+ゴシックなムードってなトコ?

 今回のジャケットは思い切りマルセラ嬢を出してきたね。ってかソロプロジェクト丸出しになってきたけど、いいじゃないですか。セカンドの「Flame Within」のジャケットも好きだったけど今回の「Darker Days」もまぁ、よろしい。色がないのが残念だが、今回のアルバムを表すテーマはきっとこういう世界なんだろう。驚くことに8月下旬には日本盤もリリースされるみたいなので、それなりに日本でも人気があるんだろう。好む人多いだろうけど、耳にする機会が少ないだろうからねぇ。勿体無いなぁ~って思うけど、自分は出会えてよかったな、と思うバンド♪マルセラ嬢、プリティなPV作っておくれ♪





Evanescence - Anywhere But Home

Evanescence - Anywhere But Home (2004)
Anywhere But Home (Bonus Dvd) デアデビル/ディレクターズ・カット [Blu-ray]
Anywhere But Home (Live) - Evanescence Anywhere But Home (Live) Fallen - Evanescence Fallen
 先日「デアデビル」っつう映画がやってて、どこかで聞いたことあるタイトルじゃないか?と記憶を探し当ててふと気づいた。Evanescenceがブレイクしたきっかけになった映画だ、と。んで、映画は見たことなかったので見てみることに♪ まぁ、映画自体はアメコミ映画なので全然あり得ない話でまるでくだらないエンターティンメント映画だったので中味はどうでも良いんだけど、なるほどこういうシーンでEvanescenceの曲が使われていたってことか、と妙に納得。シーンとしちゃ確かに上手く合っているし、映画を見た人が気になるのも分かるな、って感じで、そうか…と久しぶりにEvanescenせを聴いてみたくなったのでした。

 2004年のパリのライブを収録したアルバム「Anywhere But Home (Bonus Dvd)」ってので行こう。いや、ファースト「Fallen」もセカンド「Open Door」もブログで書いた記憶があるので、このライブアルバム「Anywhere But Home (Bonus Dvd)」になっただけです。背景的には音楽的リーダーのベン・ムーディたる人物が脱退したあとで、果たしてどうなることやら…なんて思われていた頃で、皆は多分セカンドアルバムのリリースを望んでいたんだろうけど、まずはライブアルバム…しかもオリジナルメンバーではないライブアルバムと言う貴重さもないものをリリースしてきたのだった。DVD付きのリリースもあって…、これがまた見るとショックなくらいにボーカルのエイミー・リーが…、いや、YouTubeででも見てください。可憐な歌姫と思われていたのが…、まぁ、歌声に変化はないから良いのかもしれないが、やっぱりねぇ、アイドル的な側面もあったので残念な所もある…。

 それはともかく、ライブは美しくも重く始まり展開されて、スタジオバージョンよりも重く暗く搾り出すように展開されるのでやや驚いた。もっと脳天気になってあのゴシックナ暗さは鳴りを潜めるもんだと思ってたんだよね。ところが更にヘヴィになっていったのはメンバーのせいだろうか?エイミー姫の歌声も重くなっていて、ライブだとこんなんなんだ、と結構スタジオとの違いを実感したものだ。圧倒的にライブの方が暗くてかっこ良い。それにバンドメンバーがこれまた上手いんだ。このへんがアメリカの音楽シーンの見事な所で、どんな格好をしていても実力派必ずあるヤツが入ってくるっつうかさ、凄いんだよな。だからライブも盛り上がらないハズもなく、そもそもエイミー・リーが歌っていればEvanescenceってのは成り立つんだからこのチョイスは正解なワケだ。そして「Anywhere But Home (Bonus Dvd)」で聴けるライブの歌声、もちろんライブだからあちこち辛そうなトコはあるけど、ライブらしくてかっこ良い方がポイント高い。





Foo Fighters - Wasting Light

Foo Fighters - Wasting Light (2011)
Wasting Light Colour & The Shape (Exp)
Wasting Light (Deluxe Version) - Foo Fighters Wasting Light (Deluxe Version) The Colour and the Shape - Foo Fighters The Colour and the Shape

 元ニルヴァーナという肩書きもまるで不要となったデイヴ・グロール率いるフー・ファイターズも既にキャリア15年以上。こんなに大成したバンドを二つも持っている人ってあんまりいないし、一方じゃドラマー、一方じゃギターと歌という才能を見事に飛翔させているのも凄い。そしてジョン・ポール・ジョーンズとのバンドを組んだりジミー・ペイジともライブで共演してたりと結構な活動の幅の広さを見せてくれたのもオールドファンには知られた一面だろう。自分的には元々セカンド「Colour & The Shape (Exp)」あたりから何かで聴いて面白いなって思ってたので、これは割とね。元ニルヴァーナってのはその後知って驚いた。プロモビデオが面白かったんだな、フーファイってさ。そんなフー・ファイターズの新作「Wasting Light」がちょいと前にリリースされていて、最近のはそんなに興味なかったけど評判もよいのでどれどれ…と。

 うん、「Wasting Light」、かなり面白い。随分とソリッドにシンプルにロックしているし、随分とリフメイカー的部分がクローズアップされてZeppelinへのリスペクト出まくりってトコか。しかし相変わらずの勢いとパワーを叩きつけてくれる作風はもうお手の物とばかりのフー・ファイターズ節バリバリ。どこかで流れてても一発でわかるくらい個性が飛び出てるのはこの時代ではなかなかないので見事なものだ。更にフー・ファイターズらしいのは何曲か聴いているとだんだん飽きてくるってのもある(笑)。いやね、レベルは高いし面白い取り組みもしれいるけど、やっぱりパターンがマンネリ化しちゃうんだなぁ。でも多分ず~っと流していたらかっこ良いなってなる作品なのも確か。よく出来てる。歌メロはしっかりしているし、それでいてロック魂はぶつけてくるし、なるほどなぁ…。

 もう何枚目なんだろ?ここのところあまり活動的じゃなかった気がするけど、ここで充電してぶつけてきた気合ってのは確かに凄いが、ちょいとパンチが足りないのは贅沢なリスナーの希望か?U2が最終的には最初期に戻ってきたようにフー・ファイターズも最初期に戻ってきているので次回作あたりにはもっとパワーアップしているのかもしれない。これでパンチが足りないっつう自分も自分だが…ってくらいパワーが漲っているアルバムなのは確かなので、生ライブみたら多分ぶっ飛ぶと思う。

ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム [DVD]



Pearl Jam - Vitalogy

Pearl Jam - Vitalogy (1994)
Vitalogy Vs.
Pearl Jam Pearl Jam

 90年代ってもちろんリアルタイムで通ってるんだけど全然その時代の音楽シーンを通ってない時代です。ってのもね、何か古いの聴き漁ってた時期で新しいのは後で聴けばいいからとにかくひたすら昔のを聴きまくるんだ~みたいな頃=マニアになりつつある過程だったワケです。そりゃ騒がれたりしたものは多少耳にしているのはあるけど、基本的にそんなに何でもかんでも聴くって感じでもなかったしテレビ見るでもないしもちろんラジオ聴くでもなかったから自分と周辺の情報だけで音楽を漁ってたしね、だからあんまりよく知らない。英国モノなら情報はいくつか入ってきていたのでオアシスとかあったけど、そんなに当時は興味なかったし。アメリカものとなるとこれがまたとんと知らないのだ。Nirvanaだってあの一曲くらいしか耳にしたことはない。だからその周辺のグランジと呼ばれるシーンはほぼまるで知らない。故に今回取り上げたPearl JamってバンドだってThe Whoのコンサートで出てきたり、再結成The Doorsのボーカリストとして出てきたので知っただけだ。それでもPearl Jamを聴くきっかけにはならなかったが。

 まぁ、そんなことではあったが名前だけはそりゃ知ってた。音は聴かなかったけどシーンの動きはね、何となくは抑えてたからかな。Nirvanaと比較して、とか言うのもなかったので今回ちゃんと聴いたのは初めてです。だからまともなブログが書けるとは思わないんだが(笑)、それでもね、まぁ、いい機会なので聴いてみたってトコです。

 三枚目の名盤とされている1994年リリースの「Vitalogy」。アチコチの情報をあまり漁らずに音に挑戦してみたので背景とか過去経緯とかそれほど知らないままです。カート・コバーンの自殺劇がかなりの影響を及ぼしていると言われているけど、よくわかんないので純粋に音を聴いた感触の書き方になるんだが、とにかく音がチープ。ガレージっつうかグランジっつうか、敢えてこの音作って出しているんだろうけど、ガレージな音。1994年のアルバムだよな?と確認しちゃうくらいにアングラな音質。雰囲気はだから重いっつうか暗いっつうか、インパクトはある。曲は意外ときちんとしたテクニックと構成でグランジと呼ばれるような粗ったい音じゃなくてもっとハードロック的っつうかな、パンク的とも言うが、そんな感じなので結構意外に思った。ただ、やっぱりちょっと深いアルバムなんだなってのは感じるし、影のあるエネルギーっていうのか凄いスタンスを感じるのは多分エディ・ヴェダーの歌のせいだ。それとバンドの緊張感なのかな、これ。あまり良好ではないバンドの雰囲気だったようだけどそのまま音に出ている…ってことは音を表現できるバンドだったってことだ。ロック的な重さというかは精神的な重さが強い感じでやはり90年代のアメリカは病んでいたんだなぁと思うばかりのサウンド。これがPearl Jamなんだ…と初めて聴いた感触ですな。もの凄い衝撃はないんで好みの問題だろうけど、ポリシーみたいなのはすごくわかる気がする。

 うん、まだまだだな、こういうのをきちんと理解しないのは。ってか自分にわかる日が来るのかどうかも自信ないかも。ただ、聴いているといくつかの曲で確かにジム・モリソン的なカリスマ性を感じるのはあるので、なるほどなってのはある。The Whoとの絡みってのはよくわかんないが、精神的なものかな。…二回目聴いてたらちょっとハマっても良いかも…って思えてきたぞ。「Tremor Christ」とかエラく主張性が高いじゃないか…。ちょっとガスタンクっぽくないか?




Nirvana - Nevermind

Nirvana - Nevermind (1991)
Nevermind ライヴ・アット・レディング(DVD付)(紙ジャケット仕様)(初回限定生産)
Nevermind - Nirvana Nevermind Nirvana: Live At Reading - Nirvana Nirvana: Live At Reading

 意外なことに書いていなかったアルバムがまだまだたくさんあるんだろうと思うが、中でもコイツは書いたような気がする、と思い込んでいたアルバムだ。まぁ、でもNirvana自体をそんなに聴いてもいないし、書いてなくてもおかしくないか。以前に「Unplugged in New York」を書いたことがあって、それがもう凄い反応でさ、世代的なものなのか多くの人がそれぞれの意見を持っているバンドだったのかと感じたものだ。ただまぁ、自分的な視点でしか普通はモノを書けないワケで、そんな視点でこのロック史に残る名盤と言われるアルバム「Nevermind」を書いてみよう。

 「Nevermind」、1991年リリースの90年代を支えた一枚とも言われる。厳密に言えば多分それは「Nevermind」に収録の一曲目「Smell Like Teen Spirit」の事を指しているんだと思う。「Smell Like Teen Spirit」以外の曲はそれほどメジャーに知れ渡っていないと思うし、インパクトも実際薄いように思う。アルバムとしてもかなり取っ散らかった印象があるので名盤というような類じゃないと。ただ、それでもNievanaの伝説ってのは生きていて、カート・コバーンの自殺という側面が大きく占めているものの音を聴いているとわかるように明らかに殺伐とした悲壮感が漂うアルバムで、ギターテクとか音楽性とかどうでもよくてただただ破滅的なパワーと聴きやすいメロディセンスを生かした融合作。そして時代は完全にハジけて退廃的な時代に突入する予感、逆にこの「Nevermind」がなければもっと世界はハッピーな様相だったのかもしれない。それくらいにインパクトの強い一曲とカート・コバーンの存在と消失。

 個人的にはリアルタイムで確かにみんな熱中していたけど自分では全然ハマらなかったしかっこ良いとも思わなかったしなぁ…。やっぱさ、汚い格好で人前に出てきて好きにやられても全然面白くないわけで、それなりにカネ払ってるヤツに対して見せるもの見せろよっていうのはあったしさ。そんな風に考えてはいなかったけど、多分そういう常識的考え方があったんだと思う。それをぶち壊しているのがロックだったのにね。ま、そんなもんさ。それにしても「Nevermind」は暗いアルバムだ。自殺があったからというのでもなく、普通にアルバムとして暗い。今聴いてこれを名盤と称する必要もないとは思うが、時代に与えたインパクトは絶大だった。もうこういう退廃的な雰囲気を世界は必要としていないからかもしれない。

 コレがアメリカのシアトルから出てきたバンドってのがなぁ…ホント不思議だ。



東京事変 - 大発見

東京事変 - 大発見 (2011)
大発見 無罪モラトリアム
大発見 - 東京事変 大発見 空が鳴っている/女の子は誰でも - 東京事変 空が鳴っている/女の子は誰でも

 椎名林檎という衝撃的な歌手のデビューはひとつのムーブメントを巻き起こし、自分も結構ハマったなぁ…と1999年頃の話。世紀末に出てきたこのぶっ飛んだ少女が果たしてどのように進化していくのだろうかと楽しみだったが、なるほど結構意外な展開に進んでいるとも言えるしそんなに不可思議な方向でもなかったとも言える。当時の衝撃からしてみれば随分と丸くなったがそりゃ当たり前だろうと。結構思い入れはあったアーティストだったのでふと最近本屋さんで目にした椎名林檎嬢を見て懐かしいな、と東京事変の最新作を聴いてみた。

 「大発見」。曲を聴いたりする前から相変わらずの言葉と日本語と文字に対する美意識の高さを感じることになる。ジャケットはともかく、タイトルからして「大発見」。まぁ、多分思い入れとか意図とか色々あるんだろうけど、再出発的な意味なのか、自分の中での新たな発見なのか音として新しい方向なのかよくわからんけど、それよりも曲目だよね、狂信的なのは。全て日本語7文字で完結する曲目の統一性。前からトータルアルバム時間55:55とか曲のタイトルを並べた時の絵としての美しさを追求してみたりとヘンなトコロにアーティスティックな狂信さが出ていたんだが、今回も健全。自分の生み出す作品にこだわりを徹底的に持つのはまだまだお仕事になってなくてアーティストである証拠。既に林檎嬢も30歳オーバーで子持ちでしょ?随分変わるだろうよ、世界観は。こないだ本屋で見かけたのはファッション雑誌に乗ってた林檎嬢。どこにも個性が見えない普通の女性でしかないのに歌を歌うとコレだし、全く変幻自在な女性だ。あまり着目されていないが、ここまで普通なのは森高千里以来じゃないか、っつうくらい普通。普通な見かけと才能は別ですが(笑)。

 さて、「大発見」。一言で言えば、実に聴きやすい。馴染みのある世界ってのかな、無理してないっつうかいわゆるロック。ヘンな音にアプローチしていないから聴きにくさがないのかもしれない。東京事変ってより椎名林檎の世界に近いんじゃないかな。ただ、ややポップに寄ってる面は大きいかもしれないけど、ポップはポップで良いからね。逆の言い方すればとんがったロックが少ないって言うかね、物足りなさはあるがそのバランスこそが林檎嬢の得意技だし。英語の歌詞もすんなり入ってくるし、音の追求は天下一品のバンドメンバーがやってるし。相変わらずベースが凄いのは10年以上同じで、これこそ椎名林檎のバック、って音だ。

 う~ん、ちょっと椎名林檎から離れてたから東京事変って最初から聴いてみようかなという気になった。ソロは聴くけどバンドは聴かなかったんでね、今回の融合聴いてるとやっぱりやりたかったバンドなんだから良いのかもな、などと思った。それにしてもファースト名盤「無罪モラトリアム」の後からはずっとボーカルが埋もれたように聴こえるミックスでアルバムを創っているのがちょいとマイナス点で、もうちょっと歌を出して欲しいんだけどな。しょうがないか、そのもうちょっと感こそが椎名林檎の手なのかもしれない。



King Crimson - Vrooom

King Crimson - Vrooom (1994)
Vrooom スラック

 破壊的な気分です(笑)。故に破壊的な音を欲してます。意外と破壊的な音ってのは多くないので、何だろな、と考えてしまった。前衛的な破壊さはちょいと聴く気分じゃないので、メタル?う~ん、結構破壊的じゃないので…何だろ?って。そしたらふと思い当たったのが90年代のKing Crimson。まだまだ全然聴いたうちに入らないけど、此頃はリアルタイムで一応追いかけてたからそれなりには聴いててさ。70年代クリムゾンと比べちゃいかんけど80年代クリムゾンに比べりゃ全然最高さ。それどころか90年代クリムゾンは破壊的なメタリックさ加減によるかっこ良さがあって結構圧倒されたんです。ダブルトリオっつう編成も見事だったけど、音の硬質さが90年代を物語ってるかもしれん。

1990年代になって70年代のライブをまとめた「The Great Deceiver: Live 1973-1974」というボックスセットがリリースされて結構盛り上がってたんだな。そこへ新生クリムゾンの新録アルバムってことで80年代クリムゾンの嫌な音が一瞬横切ったけど、何となくトライしてみましょうかという感じで聴いたのが1994年にリリースされた一応EPという形式になっている「Vrooom」。これがまた最初から恐ろしくエキセントリックでメタリックで硬質でヘヴィなサウンドだったから驚いて、70年代クリムゾンのあの冷たさに更にメタリックさが加わって激しかった。もっともくだらない曲も入っていたりしたので全部が全部ベタ褒めじゃないんだが、少なくとも冒頭タイトル曲の迫力は感動的だった。以降はちょいと実験的と言うか方向性の模索ってのもある感じで、ビートやトライは良いんだけど、歌とかねぇ、効果的な音とかが余計。ただ、それも含めてクリムゾン的な音色ではあったんで、まずまずなんじゃないの?って感想だった。

 「Vrooom」の後そんなに時間を開けずにフルアルバム「スラック」がリリースされて、コイツがまた硬質で新たな世界観を聴かせてくれる作品だったので聴いたなぁ。その後のライブあたりまでは結構聴いた。いつしかどれもこれもどんどんとリリースするようになってフリッププロジェクトとか出てきてついていけなくなったんで聴かなくなってしまったけど。昔みたいにアルバム一枚で一年間楽しむってんだったらじっくりと何度も聴けるけど、音楽がどんどんと消費されていくものになってしまった象徴かも。そういえばこの90年代、ロック的にはほぼ死滅状態だったと言われるけど、その退廃さ加減の音がしっかりと「Vrooom」にも現れていて、改めてそういう時代だったんだななんて思う。もしかしたらフリップ卿が逆に時代に影響を受けたのかもしれないけど。



Muddy Waters - At Newport 1960

Muddy Waters - At Newport 1960
At Newport 1960 Muddy Mississippi Waters (Dig)
Live At Newport, 1960 - Muddy Waters Live At Newport, 1960 Essential Blues Masters: Muddy Waters - In Concert - Muddy Waters In Concert

 シカゴブルースの大ボスと異名を取ることになったマディ・ウォーターズ、実際どうだったのかとか知る由もないんだが、名実ともにひとつの大きな存在だってことは確かだ。それはストーンズを筆頭とした若き英国のブルース好きな連中が仕立て上げたものでもあるのだろうが、やっぱり支持されるくらい実力なかったら消えていく訳だからもちろん本物の威力ってのは凄いのだ。ってことで昔から名前を聞いていたし伝説さ加減も自分的にはかなり大きかったものだ。何というのか、実際に存在していた人っていう感じがしなくてさ、もう何十年も前に死んだ伝説の~って思ってたもん。それが実は1983年に亡くなったってことで、そんなの最近じゃないかと感じてしまうわけだな。ってことはだ、あのマディ・ウォーターズは80sを知ってったってことだ。マディ・ウォーターズが、だぜ?と訳の分からない不思議感を思うワケだな(笑)。

 1960年にニューポートで行われた多分Jazz&Bluesフェスティバルのライブを記録した一枚だと思うが、調度良い熟成加減の頃のマディの最高のライブアルバム「At Newport 1960」。最高でコレかい?ってな向きもあるんだが(笑)、いや、白熱しまくった熱気ってんじゃないからさ。すごく熟成した落ち着きとホントにどっしりと構えたライブの様相で、ただアチコチのライブレビューを読むと、白人の徴収をマディ・ウォーターズのライブが黙らせて熱狂させたライブとの逸話だそうだ。どうしてだろ?ってのもあるけど、多分見たことない聴いたことない迫力と貫禄だったんじゃないだろうか?特にアップビートでは徴収を乗せるっていうんじゃないしさ、あくまでも黒いブルースをひたすら単調にぶつけるっつう感じでさ、ノックアウトされる聴衆も感性が良かったんだろう。自分的にはやっぱりちょいと物足りない感じがあるのは多分ロック畑上がりだからだ。1960年のライブってことはまだロックとブルースとカントリーそれぞれ独立していた時代だしね。一番空白の時代…革命者がいなかった時代なんじゃないかな。まぁ、それでもこういうのがあったから後のブルースムーブメントに火が点いたのも事実で、その記録がこうしてまたレコーディングされているってのも歴史的価値アリです。ちなみに映像も残っているらしくて、自分はまだ見てないけどその白熱ぶりがしっかりとわかるらしい…見てみないとな、それならば。

 マディ・ウォーターズって単調マンネリワンパターンの迫力で押すっつう人のイメージで、そのままの内容が「At Newport 1960」というライブで聴けるんだが、そこが聴衆を圧倒したんだろう。「Got My Mojo Workin'」なんてのはまぁ、その代表みたいな曲で冗長にやってしまったら全然かったるいけど気合入ってると凄いグルーブが出てくるし、フリーな部分も多いのでプレイヤーも楽しめるってもんだ。うん、久しぶりに全部聴いたらだんだん熱くなってきた(笑)。やっぱそういうもんだね。その徐々に熱くなってくる具合が面白いトコロなんだな。やっぱ名盤ライブだ。





Paul Butterfield Blues Band - The Original Lost Elektra Sessions

Paul Butterfield Blues Band - The Original Lost Elektra Sessions (1964)
Original Lost Elektra... Butterfield Blues Band
The Paul Butterfield Blues Band - The Paul Butterfield Blues Band The Paul Butterfield Blues Band The Paul Butterfield Blues Band - An Anthology: The Elektra Years - The Paul Butterfield Blues Band An Anthology: The Elektra Years

 ブルースの巨人たちを巨人にしたのは間違いなく英国の小僧達だった…という定説ではあるし、事実そうなんだろうと思うが、一方のアメリカの一部の小僧達のピュアな想いってのもかなり驚くものだと。時代は1964年、英国ではまだビートルズが、ストーンズが、フーが出てきたばかりの時代、キャーキャーと騒ぎ立てられていたアイドルマージービート全盛期、ストーンズはブルースのレコードを聴き漁り、ブルースのカバーを独自の解釈でアルバムに入れてその黒さを売りにしていたものだが、やはりぎごちない英国らしさを感じる。ところが同じ時期にアメリカのポール・バターフィールドっつう青年の組んだバンドは同じくレコーディングセッションを行っていた。ポール・バターフィールド・ブルース・バンドとして世に出るにはあつ数年かかるのだが、この時期からエレクトラレーベルでのセッションを繰り広げていたことは後に知られた。

 1964年にレコーディングされてお蔵入りとなっていた発掘音源のセッション集「Original Lost Elektra Sessions」。実際のデビューアルバム「Butterfield Blues Band」で収録された曲も含むきちんとしたレコーディングセッションで、そのままアルバムとしてリリースされるハズだったものだろうけれど、恐らくあまりにも完璧に黒人ブルースし過ぎていて面白みに欠けたために取り止めになったと推測できるアルバム。バンドの方向性とかポール・バターフィールド・ブルース・バンドってどんなん?っていう感じの個性を感じる側面が少ないままに、それでもこんだけのブルースをこんな風にしっかりと演奏できるバンドってどんなん?っていうテクニックを持った集団。やはりブルースの本場シカゴで生のブルースメン達を見ながら鍛えられてきた本場のブルース好き少年達の気合は違う。完璧に白人ブルースを作り上げている。エレクトリックギターを歪ませた音で持ち込み、ハープがそこかしこで鳴らされて、それでいて曲はアップビートなブルース。後にギターヒーロの座を確立するマイク・ブルームフィールドのギターはまだまだ全面には出てこなくてひとつのバンドの音の塊として出てくるセッション。もしこのアルバムがポール・バターフィールド・ブルース・バンドのファーストアルバムだとしても何ら遜色ない個性がでていたのではないだろうか?

 とにかく曲の全てがアップテンポでタイトに引き締まった演奏ばかり。誰かの何かをフューチャーした曲ってのがほとんどなくってライブハウスの箱バン的にひたすら熱狂した演奏を叩きつけてくる感じ。もっともっとプレイヤーの個性が出せたハズなのに、あまりにもオールドなブルースを自分たちのエネルギーで演奏してしまったがためのアップビート、そして熱気。白人ブルースってこういうもんなんだっつうのを確立している。そのプレイは英国マージービート万都のそれとはまるで異なり流暢に本物に酷似したブルースさうんどなのだ。録音もしっかりしていて、音のしょぼさとか一切なくて、しっかりとした音で録音されているので今聴いても全然かっこ良い音。安っぽさとかないもん。まぁ、中味の音がとにかく白熱していてかっこ良いんだけどね。バターフィールドの歌とハープが中心になっているのは聴いてて一目瞭然で、彼の想いこそがこのバンドの要だってのも明らか。そこにマイク・ブルームフィールドという天才の音がやや絡んでくるが、多分まだこの頃はバターフィールドに相当遠慮していたハズなので割と地味。ギタープレイで後の片鱗を感じさせる曲はこのアルバムの中のオリジナルナンバーでもある「Lovein' Cup」っつうナンバーで、コール&レスポンス的に歌とギターが掛けあっているけど、このギターが「おぉ~」と感じるスタイル。ブルームフィールドのあのギターっつうか、エレクトリック・フラッグあたりで聴けた流暢なプレイ。いいね。

 そんな風に聴いていると単調なブルースでも白熱したバンドの音に押されて一気に聴いてしまえる熱気。ボツにした理由は先の理由もあるだろうけど、もっともっと個性的に幅を広げる可能性が見えたからだろうと。実際ファーストアルバム「Butterfield Blues Band」の出来映えは歴史に残るアルバムに仕上がっていることで証明されているが、その前段階の「Original Lost Elektra Sessions」で聴けるバターフィールド・ブルース・バンドのルーツもとくと楽しめる一枚♪

 しかし今じゃポール・バターフィールド・ブルース・バンドの5枚のオリジナルアルバムが一気にまとめて聴けるパッケージが3000円くらいで出てるのかい?これも凄い時代だなぁ。

ファイヴ・オリジナル・アルバムズ(完全生産限定盤)




Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's

Jefferson Airplane - After Bathing at Baxter's (1967)
After Bathing at Baxter's Surrealistic Pillow
After Bathing at Baxter's - Jefferson Airplane After Bathing at Baxter's Surrealistic Pillow (Remastered) - Jefferson Airplane Surrealistic Pillow

 60年代のアンダーグラウンドカルチャーとは何故に発生して果たしてその定義って何だったんだろうとも思う。しかもアーティスト側のサイケデリックとドラッグカルチャーとかトリップした世界ってのをやっぱり意識して作ってたのか…、ビートルズみたいにただひたすら自分たちの体験を音にできた才能があったのか…、多分後者だろうな。そんな音の作り方って定義はこれもまた音楽的にあるのかどうか知らないけど、見事にサイケデリックな雰囲気を出していたバンドも多いものだ。まったくドラッグをやらないくせにそういう音を作れるザッパなんてのがいるんだからきっと作り方があるんだろう。でも、そんなこと考えずに出来上がってくるリアルな体験を音にする人達の方がレコードを聴いているリスナーからは評価が高いのはやっぱり生々しいからだろう。

 1967年にジェファーソン・エアプレインが発表した作品「After Bathing at Baxter's」、前作「Surrealistic Pillow」に収録の「White Rabbit」とか「Somebody To Love」っつうサイケだけどポップで軽やかな曲のヒットから一歩進めた作品。多分こっちの「After Bathing at Baxter's」の方がサイケデリック度は高い。自分的には「Surrealistic Pillow」の「Somebody To Love」でヤラれたクチなので「Surrealistic Pillow」の方が聴いてる回数少ないけど、それにしてもかなり玄人向けな音を出している…玄人って、その世界のって意味だが(笑)。Greatfull Deadの音なんかもそうだけど、多分ブルースとかカントリーとかロックとかこうしようとかそういうスタンスも特になく、ある楽器であの世界を表現しようとした感じなんじゃないだろうか?そんなに変な効果音が入ってるワケじゃなくて、バンドが出す音そのものがサイケなんだよ。不思議なものだ。

 普通に聴いててもラリった気分になってしまうんだからホント凄いんだろうな。英国のサイケデリックは内にこもった世界でどんどんうつむいていくって感じなんだが、アメリカのはどんどんとヘラヘラと笑って上を向いてアホになっていくっていう感じの違いがある。今の時代に「After Bathing at Baxter's」をどういうタイミングで聴くのかと言うのが結構難しい気がするけど、何かハイになりたい時に良いのかも。冷静に聴いているともちろんテクニックはある程度安定しているしギターにしてもかなりユニークなトライをしていて、何がルーツってのもよくわからない音世界を作ってたり、ドラムにしても普通なドラミングじゃなくて結構ドタバタと走りまわってるので、一筋縄では行かない音になってるのは事実。そんな集団の中で紅一点のグレース・スリックが女王様のように歌っているから神々しく見えるってなもんだ。よく聴くワケじゃないけど、このへんのシーンを聴いてくなら外せないバンドで、その価値がもちろんあるバンド。そして今に到るまでどんどんと姿を変えていくバンドとしても知られているけど、やっぱり60年代のジェファーソン・エアプレインが一番面白いでしょ。



The Doors - The Soft Parade

The Doors - The Soft Parade (1969)
Soft Parade Morrison Hotel
The Soft Parade (40th Anniversary Mixes) - The Doors The Soft Parade (40th Anniversary Mixes) Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes) - The Doors Morrison Hotel (40th Anniversary Mixes)

 40年前の7月3日、若くしてこの世を去った一人の英雄がいた。ジム・モリソン、ザ・ドアーズのボーカリストであり全米のカリスマでもあった人。40年前か…、凄い歴史だな、こうなってくると。今でも普通に雑誌の表紙やアートとしてジム・モリソンの顔を見かけることは実に多く、既に死んでいるのかと思うくらいに象徴として存在し続けている。その意味ではマリリン・モンローやジェームス・ディーンとおなじような存在になっているのかもしれない。まぁ、ジミヘンとかもそうなんだけどさ、カリスマヒーローみたいに象徴として残っているってのアメリカは多いよね。上手いんだろうな、そういう残し方が。

 そんなジム・モリソンを配したザ・ドアーズの4枚目の作品にして最も地味な印象を受ける「Soft Parade」。ちょっと前にザ・ドアーズの作品は40周年記念版ってことで新たなるミックスを施して再リリースされていたりするのでオリジナルな楽しみ方を含めて結構多様化している。ライブアルバムもオフィシャルでひたすら乱発され続けているので、もっとダークな側面にもファンの手が簡単に届くようになっているし、このオフィシャルアルバム群でもかなり発見の多いミックスに仕上がっていたりするのもここまで支持率の高いバンドの音だからこそだろう。個人的にはThe Whoのそれと同じくらいにThe Doorsの音についてはその変化を楽しませてもらっている。

 「Soft Parade」…、印象違うなぁ。地味と云えども「Touch Me」や「Wild Child」なんてのがあったりしてそれなりにキャッチー。更に驚くのはギターのロビー・クリーガーが結構音楽面では活躍していたという事実が出てきたこと。ジム・モリソンのセクシーな歌と言葉遣いは何かを超越した存在であることは聴いて即わかってしまうことで、バックの音はと言えば、かなりジャジーな雰囲気をベースにした曲が多く、どれもこれもモード的な雰囲気が漂っているのもユニーク。ジム・モリソンの存在がひたすらクローズアップされてしまうのでなかなか音楽的側面では評価されにくい面もあるんだけど、「Soft Parade」ってそういう意味では結構雰囲気変えた作品なんじゃないかな。おかげで以降どの方向に進むべきかみたいなトコロを悩んだんだろうけど。基本的にブルースバンドでもあるし、聴けば聞くほどにアメリカのバンドの様相がもちろん強いワケで、言われるほどアングラな音世界でもなく、ポップな世界観も強いので実態を見難いバンドのひとつ。こういうバンドってないよな。

 ジム・モリソン、かっこ良いな。





The Electric Flag - The Trip

The Electric Flag - The Trip (1967)
The Trip: Original Motion Picture Soundtrack Long Time Comin
The Trip - The Electric Flag The Trip The Electric Flag: Live - The Electric Flag The Electric Flag: Live

 グレイトフル・デッドのトリップさ加減をそのまま映画のサントラとして用いてしまったニッチなヒーロー、マイク・ブルームフィールド率いるエレクトリック・フラッグ。今普通に考えても何でまたマイク・ブルームフィールドがこんなワケの分からない映画のサントラを手がけて更に訳の分からないサウンドを創り上げたのか…、時代なのかねぇ。

 そんなエレクトリック・フラッグ名義でリリースした映画「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」のサントラアルバム。まぁ、もちろんなんだが、冒頭は映画のテーマ曲みたいな感じでやや長尺に盛り上げているものの、以降は挿入曲のようなものなので多分シーンい合わせたサイケな音が流れているだけ。決してマイク・ブルームフィールドの華麗なるギターが宙を舞うと言うようなものではない。ただ、唯一11曲目だけが延々とギターソロを披露しているという貴重さがあるので重宝されているというのが真実。如何に音楽的に評価しようとも最全盛期でもあったマイク・ブルームフィールドのギタープレイをひたすら堪能したいのがリスナーの願望だろうよ。まぁ、裏切らない曲があっただけでもめっけもんとしようか。

 ギターヒーローとしてのマイク・ブルームフィールドに大してはそんな印象なんだけど、実際マイク・ブルームフィールド自体はこの「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」のタイトルの下にも書かれているように「An American Music Band」というアメリカという大陸が包括している音楽全てを奏でるために結成したバンドという壮大なことを考えていたようなのでこんな作品にもきちんと手を出して完成させていきたいと思っていたのだろう。なるほどマイク・ブルームフィールドのこの後の作品を聴いているとそんな気配をいくつも感じてしまうし、実践していたのも確か。ブルースからカントリー、サイケデリックからブルーグラスなどなどどんな音楽でもマイク・ブルームフィールドにかかればお手の物、見事な音楽の伝道師となっている姿がわかる。

 そんなマイク・ブルームフィールドの時代を反映した妙なアルバムとして語られている「The Trip: Original Motion Picture Soundtrack」、何度も聴かないけれど、ひとつの思いが叶ったアルバムとしては確かな証だったんだろう。しかしまだまだ弾き足りないんじゃないのかなぁ、このギター。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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