AC/DC - Back In Black

AC/DC - Back In Black (1980)
Back in Black (Dlx) Highway to Hell (Dlx)

 鐘の音で始まるもの…。

 The Undertakerの入場…、いや、ロックブログなのでやはりAC/DCの「Hells Bell」ですね♪

 何かさ、懐かしいロック魂ってのを振り返り始めてきた自分。どこか心が弱っているのかもしれないが、まぁ、そういう状況はさっさと忘れて気分を変えていこうじゃないか。バカな奴等を相手にしてたらいくら時間があっても足りないんだからな、などと思いながらマイペースで進みたい…たい、ってのは進めていないから?う~む、認めてはいかん、意識だけでも進まなければ(笑)。いやぁ~、ちょっと前にバカに付きまとわれて面倒だったからさ、ちょっと思い出してしまった。そんなヤツらこそ「地獄に落ちろ」なんて思うが…。

 1980年、AC/DCはバンド存続最大の危機を乗り越え、更に弔いの意を表明した最高傑作「Back in Black」をリリースした。もちろんボン・スコット存在のことです。アルバムそのものを真っ黒にして表明し、更に鐘の音で幕を開けながらもAC/DCらしいタイトでかっこ良いチューンでリスナーをグイグイと惹き付けていくスタイル。もっともバンドのみならず、ブライアン・ジョンソンの粘っこい歌声も新たなる歴史とAC/DCの伝統を決定づけた一枚。全くロック史に残る傑作と呼ばれるはずだ。AC/DCってのはさ、何十年やっても全然変わらないバンドっていうのが凄いんだが、まだまだこの頃にはそういうバンドという見られ方はしてなかったしね、毎回迫力あるかっこ良いロックを聴かせてくれるバンドっていう程度だ。メタルってのもなかったから単に縦ノリ度合いの強いハードロック。レインボウとかとは全然違うワケだしね。様式美っていうのからかけ離れたR&R的ハード。その辺が唯一無二でもあるが故に理解されにくい部分はあったかもしれないね。自分もそんなに最初から好きだったワケじゃないし、何といってもAC/DCの場合はライブのビデオとかPVってのが何かと見れたりしたのでアンガス・ヤングのカッコ悪さが目についたってトコです。それが自分的にはマイナスだったからさ。ルックスは重要です。

 しかしまぁ、アルバム「Back in Black」ってのは聴いていけばいくほどにハマり込む作品でさ、どの曲もサビを期待させるっていか、サビで激しくなれるって言うのか、燃えるんだ。アルバム聴いている間中燃えるってのは凄いよ。曲知らなくても燃えてくるんだからさ。その辺はブライアン・ジョンソンのあの声の力量と独特のノリ。車の中でも最高だし気分が落ちてる時でも最高。それこそがR&Rだ。激しくアホなことを忘れたい時とかバカを相手にしたくないとき、またはしてしまった時の後悔を込めて心のなかでは拳をふりあげてAC/DCです。元気になってきました♪





Hanoi Rocks - Oriental Beat

Hanoi Rocks - Oriental Beat (1982)
オリエンタル・ビート(K2HD/紙ジャケット仕様) Oriental Beat
Oriental Beat (オリエンタル・ビート) - Hanoi Rocks Oriental Beat Self Destruction Blues (セルフ・ディストラクション・ブルース) - Hanoi Rocks Self Destruction Blues

 早いもので今年もGW週間に突入してしまった。このブログも6年目になって一貫した傾向で進めてきているのでお陰さまで訪れてくれる人も増えてきたんだけど、一方では飽きてきたなぁ~っていうのもある。いや、パターン的にさ、何か次が読めるっつうか書き方もわかってきちゃうっつうか、それこそが読む側の安心感なのかもしれないけど、でもねぇ、ちょっと違う刺激欲しいとも思うわけさ。んで、GW中に何か違う角度にしたいなぁなんて考えていたんだけど、なかなかコレっていう切り口も見当たらなくてさ。結局そのまま…、例えばライブDVDに特化してみる、とか一曲単位で斬っていく、とか多種バージョンのある楽曲やアルバムやCDを分解していく、とかな~って。結局定期的に時間の取れない生活なので難しいかな~というのがあって挫折。ただ、何かしたいなぁと。

 そんなグチはともかく、Theatre of Tragedyで「Tragedy」って単語が引っ掛かってね、「Tragedy」って何を思い浮かべるかってぇと、自分はHanoi Rocksの「Tragedy」なんです。これさ、昔々にブートレッグビデオ屋(30年近く前だから相当怪しくて真っ黒の店の中で危険な雰囲気バリバリだった頃)にダビングサービスってのがあってさ、高いんだけどどうしても動いている姿が見たくてダビングしてもらったのがHanoi Rccksの初期ライブでね、その中に入ってたのを見たんだよ。それが凄くかっこ良く激しくて毒と華があってロックだったと思ってね。高校生の頃かな。そんな初期衝動があるからHanoi Rocksって好きでさ、「Tragedy」もそんな想い入れのある曲。アルバム的にはファーストアルバム「白夜のバイオレンス」のオープニングを飾っているし再結成してもいつでもライブに登場する曲なんだけど実際は3枚目くらいのシングルなのかな。ANdy McCoyの天才的センスが炸裂しまくった曲。

 まぁ、そんなことだったんだけど「白夜のバイオレンス」は既に取り上げたことあるので1982年にリリースされたセカンドアルバム「オリエンタル・ビート(K2HD/紙ジャケット仕様)」を聴いてみたのだった。これもさ、最初から「Motrovatin'」でノリが良いワケよ。ただ、曲のバリエーションの割にはちょっと取っ散らかった印象もあって、「白夜のバイオレンス」と比べるとちょっと地味な印象を受ける。でも、Hanoi Rocksの魅力に囚われてくると正に「オリエンタル・ビート」なタイトル通りにハマってくる。何なんだろね、この天才的な曲の種類の多さは。アレンジもそうだけど曲そのものが幅広い。マイケル・モンローの歌が全然未熟なロックなのでHanoi Rocksってバンドの音になってるんだけど、曲だけ聴いてたら凄いんだよね。ま、その辺のバランスが面白いんだが。ホントにR&Rなバンド♪

 この「オリエンタル・ビート」も既に30年前のアルバムなのか…とやや感慨深いがロックは永遠だわさ。全然かっこ良いしスリリングだし若い頃に何度も何度も聴いたのに今聴いてもまだドキドキして楽しめる。良いな、そんなアルバム。ライブは下手だけど思い切りトンがってるのがかっこ良くて、音楽っつうよりR&R。でも天才的なソングライターがいたっていうユニークな存在。それでいてフィンランドだからメランコリックさは持っているっつうのも人気だったしね。8ビートギャグ以前のお話♪オリジナルアルバムのジャケットがこんなに毒々しいものだとは知る由もなく国内盤の大人しいジャケットが記憶にこびり付いていたんだが、実際にはこのジャケットが次の「Self Destruction Blues」のオリジナルジャケットなんだよな。随分とややこしいことをしていたものだ。

Self Destruction Blues





Theatre of Tragedy - Storm

Theatre of Tragedy - Storm (2006)
ストーム ヴェルヴェット・ダークネス・ゼイ・フィアー
Storm - Theatre of Tragedy Storm Velvet Darkness They Fear - Theatre of Tragedy Velvet Darkness They Fear

 いくつかのゴシックメタルがあれども、本家本元のゴシックメタルと言えば元祖が強い、と言うかシーンを牽引していた面の強いTheatre of Tragedyを出さないワケにもいかないかな、なんて思ったワケでしてね…、いや、まだきちんと全部聴きこなしたワケじゃないんですよ。途中エレクトリックな世界に進んでしまったっていうのは多少聴いたことあったので知ってるけど、それも悪くないな…ってのもあったし、それ以前のをちょくちょく聴いてたから。だけどね、今回は2000年的にどうなんだろ?ってのもあって2006年にリリースされたアルバムとしては6枚目となる作品「ストーム」を引っ張ってみました。これさ、結構評判良かったんだよね、原点回帰か?ってのもあって。

 「ストーム」ではそれまでの看板ボーカルだったリブ姫が脱退してネル姫つう女性がフロントに立って歌っている初めての作品なワケです。そしてリブ嬢に挑戦するかのように昔のゴシックな路線でネル嬢を歌わせているんですね。そういう理由もあってかTheatre of Tragedyとしては原点に戻った作品として受け入れられたアルバムになったんだけど、それどころかかなりパワーアップしているんじゃないのか?昔から上手く奏でていた陰鬱で硬質且つ美しくも暗い世界に更に星空の輝きを与えたような作品に仕上がっていて、どの曲もハイレベルなアレンジと楽曲構成。そこにやや可愛い素振りを感じさせるネル嬢の歌声を轟かせて仕上がってる。見事なまでのトーンの演出だったが故にボーカルの交代が逆にバンドに進化をもたらしたとも言える傑作になってる。この手のバンドって飽きられやすいからこういう進化は好まれる傾向が強いかな。

 途中自分たちが奏でてきたエレクトリックの世界の影響も良い意味で反映されてきていて、独自の世界観を打ち出しているのが「Exile」と言う曲だったり…と勝手に思ってるけどさ。ま、アレンジ面での影響かな。後はねぇ…、やっぱタイトル曲「ストーム」とか凄く良いわ。やっぱり底力のあるバンドなんだなぁとつくづく思うもん。全作揃えて最初から聞いていくと「ストーム」でハッと戻ってくるので面白い。U2もそんな感じだったけどさ、Theatre of Tragedyもマイナーながらも実力派なバンドですよ。



Elfonia - This Sonic Landscape

Elfonia - This Sonic Landscape (2005)
This Sonic Landscape
This sonic landscape - Elfonía This sonic landscape Elfonía - Elfonía Elfonía

 ますます読んでいる方々の趣味を無視して一人で適当に走っていくことになってしまっている「ロック好きの行き着く先は…」ブログですが、火が点いちゃったのであと数枚この辺を漁らせてもらおう(笑)。いやいや、HydriaやMortal Love聴いてたらさ、どこか儚げで憂いのある女性のボーカルってのが気になってしまってさ、それ言ったら自分の中では一番が圧倒的にLight Bringer…じゃなくてStream of Passionなワケですよ。そのマルセラ嬢の歌声とメロディセンスが最高に好きでしてね、Stream of Passion自体はもうブログで書いてしまっているので好きでも書くネタがないってんじゃ困る、困るのでちょっと違う角度で…ってことで登場したのが地元メキシコでのバンド活動時代のセカンドアルバム「This Sonic Landscape」を。

 2005年にリリースされているけどアマゾン見てもわかるけど今は絶版なんだよねぇ。多分余程のことがない限り再発で手に入れるのも難しいのかなぁ…と思ったりするが、今の世の中なら何かネット上で簡単に手に入れられることでしょう。iTunesにもあるかな?たった6年前のものなのにねぇ…。それはともかく、このマルセラ嬢の儚い歌声とメロディはホントに生まれついての物なんだろう。Stream of Passionでその歌声を知った次第だが、遡ってこのElfoniaというバンドを聴いていくとそもそもあの歌声と歌メロなんだ。だからこそルカッセンが気に入ったんだかもしれないけど、この「This Sonic Landscape」というアルバムでゲスト参加しているのが繋がりの始まりかな?メキシコとオランダでそういう出会いがあるんかね?

 それはともかく、Elfoniaのセカンドアルバム「This Sonic Landscape」はですね…、最初は実にアンビエントな香りがして一体何を聴いているんだろう?なんて言う感覚に襲われるがしばらくすればヘヴィなギターが入ってきて、あぁ、と納得。しかし思い切り重くてテンポのゆったりした楽曲が多く、その上をマルセラ嬢が歌い上げているので全く天上での至福の歌声。メタルってだけじゃなくて、ピアノなんかも凄く綺麗に美しく入りながら展開もかなりドラマティックに出来上がっているプログレッシブな要素がふんだんに入っている珍しい形態のバンドだと思う。それもこれもマルセラ嬢の歌の幅の広さが成せるワザで、どんな楽曲でも見事にハマっ歌を聴かせてくれるのが良い。こういうバンドって英国とかアメリカからは出てこないだろうなぁ…。それでもメキシコっていう印象でもないから余計に驚く。結構な名盤な気がするけどまだまだ無名だね。好みの問題か?



Mortal Love - I Have Lost

Mortal Love - I Have Lost (2005)
I Have Lost Forever Will Be Gone
I Have Lost - Mortal Love I Have Lost All the Beauty - Mortal Love All the Beauty

 いつもの悪い癖で、女性ボーカル系がちょっと入ってしまうとちょっと一気に聴きたくなってしまうんだよねぇ(笑)。しかもやや萌え系な歌声だったってこともあって、そういえば以前から探していて見つからなかったのでそのままになっていたジャケットを最近手に入れて聴いているというバンドがあったのでここいらで登場です。

 2005年にリリースされたMortal Loveと言うノルウェー産のバンドのセカンドアルバム「I Have Lost」。これ見よがしのジャケットでしょ?まぁ、こういうセンスってのはわかるんで気になってしまうんだよね。もっともネットでも評判が結構良かったので聴いてみたいなぁ~と。そんでさ、聴いてみたらこれはもう何と言うのか…、この手の歌声が好きな人には圧倒的に受けるだろう歌声。ルックスは見ての通りだから後は実際の歌声なワケだしね。あ、それと音そのもの。ゴシックメタルって程じゃないけど、結構陰鬱な重さとゆっくりとした曲調が多くてそこをあからさまに萌えなキャット嬢が縫って歌っていくという図式で、コーラスワークやシンフォニックさ加減も結構良く出来ているので面白いよね。ただ難点は飽きが来てしまうというトコロで…、まぁ、フックの利いた曲が少ないんだな。だからいくら萌えな感じでも50分とかのCDサイズは持たないっていうのか…。

 この手のバンドってそういう傾向に陥るパターンが多くってね、だからどれもこれも似たようなものとして一蹴されてしまうのだが、Mortal Loveも今はどうしているのだろう?新作を作っているようないないような…、もう2011年だし、なかなか難しいんだろうなぁ。そんなことを心配してしまうけど、この「」というアルバムはリラックスして流して聴いていると心地良く聴けるアルバムであるのは変わらない。硬質な音が特徴的で情熱は非常に感じられる音なので楽しみは楽しみ♪



Hydria - Poison Paradise

Hydria - Poison Paradise (2009)
ポイズン・パラダイス Mirror of Tears
Poison Paradise - Hydria Poison Paradise Mirror of Tears - Hydria Mirror of Tears

 もうキャリア15年近くになるWithin Temptationともなると後世のバンドにも結構影響を与えている面も多くて、そりゃヨーロッパでは絶大な人気を誇るワケだから影響される人達も当然多いんみたいで、いつもフォロワーが出てきては消え…ってのが繰り返されてきた。尤も模倣しただけのバンドではなかなか生き残れないのは承知の上だが、今度は意外なトコロから出てきて意外なことにもの凄いハイレベルで良い方向に消化して盈虚を受けたバンドが日本デビューを果たした。

 2011年に日本デビューになるんだけどアルバム自体は2009年に出ていたという代物でして、Hydriaとしてはセカンドアルバムとなる「ポイズン・パラダイス」。日本盤をわざわざリリースするってのがね、珍しいなぁと。ブラジルのバンドで、ファーストアルバム「Mirror of Tears」を聴いた時にも本ブログで登場しているんだけど、かなりハイレベルで好ましい音だったんだよね。だから今回セカンドアルバムの日本盤リリースを見ていて、おぉ~とちょっと嬉しかったり。ただまぁ、全部が全部好きってワケでもないんだけどね。ただ、凄いレベル高いから面白いんだ。ブラジルって、こんなにメタルが盛んなのかと思うけど、結構イメージとは異なってこういう音にハマれるのかもしれないな。

 Hydriaの「ポイズン・パラダイス」では前作「Mirror of Tears」から更にバージョンアップしていて、ゴシックメタルとスピードメタルとパワーメタルって感じかね。そこにちょっとメロディアスな要素が加わって壮大さを増しているというのか。気になったのはここでデス声を入れてくるか、という逆行くらいかな。好みじゃないからさ。ただ、メロディとかフレーズとか歌声とか良いんだわ。21歳のラクエル嬢ってことらしいが、こういう声ってのはブラジル女性の特徴かね?結構好みの歌声とメロディで惹かれてしまうのだが…。いや、曲もアレンジも相当良く作り込まれてますよ。更に全体の音のバランスとミックスも好みで、自分実はブラジルのメタル好きなのかもしれないという発見?いや~、どうだろ?

 ラクエル嬢のキュートな顔写真はジャケットからはあまり見れないんだけどさ、日本盤のジャケットには何か思い切りそれで売ろうという魂胆か、プロマイドを付けてしまって、勝手な萌えなセリフまで入れているというのはどうかと思うが、まぁ、結果的には音の良さで残ってくれれば嬉しいね。欲を言えば更にフックの聴いたメロディが増えてくれると面白いかな。YouTube見てると結構王道ゴシックバンドのカバーもやっていたりして面白いね。しかもオフィシャルサイトで今アコースティックアルバムをDLできるようになっていてなかなかこれからが楽しみなバンドです♪



Within Temptation - The Unforgiving

Within Temptation - The Unforgiving (2011)
ジ・アンフォーギヴィング ~スペシャル・エディション(初回限定盤) Heart of Everything
The Unforgiving - Within Temptation The Unforgiving The Heart of Everything (Bonus Track Version) - Within Temptation The Heart of Everything

 随分前から話題にはなっていて、ジャケットが見れるようになってから「は?」と驚いたものだが、まぁ、きっと音はいつも通りに期待を裏切らないだろうなと思ってたのだったが、やっぱり予想以上に素晴らしいサウンドを聴かせてくれたWithin Temptationの新作「ジ・アンフォーギヴィング ~スペシャル・エディション(初回限定盤)」。アニメをモチーフにしたストーリーに沿って曲も描かれているようだが、その辺よくわからん(笑)。もともと歌詞とかにはそんなに興味が深くないのでどうしてもおざなりになってしまうんだよね…。

 2011年リリースの「ジ・アンフォーギヴィング ~スペシャル・エディション(初回限定盤)」…ってかさ、こないだの3月30日には第3子が生まれたばかりというのも凄い。思い切り妊娠中にレコーディングしたりPV撮影したりしてたワケで、まぁ、別に普通なのかもしれないけどロックシーンやミュージックシーンでは珍しいんじゃないかなぁ。オンナは強い生き物だと思ってしまう男の性。ま、それは良いとしてですね…、今回はコンセプトアルバムだそうだが、楽曲的にそういうプログレみたいな起承転結を感じることは特に無くて、そりゃかなりバリエーションに富んだ曲調をふんだんに取り揃えているんだけどさ、何と言っても捨て曲なして全てが超ハイレベルな演奏と楽曲とアレンジと力量でしてね、もうこれ以上やることないだろ、ってくらい完璧。ゴシックメタルという位置付けから出てきていたけど、早々にデス声とは縁を切り、シャロン姫の歌声と歌唱力とメロディアスなラインが映える旋律を中心としたハードなメタルに変貌しつつ、そこにヨーロッパ独特のゴージャス性なども入り込んできてかなり進化している。その傾向は3枚目の「Silent Force」あたりから顕著になってきて最高傑作「Heart of Everything」で頂点に達したとも言える。そのあたりから結構やれることがなくなってきたのか、シャロンの子作り子育てが原因なのか新作らしい動きが減ってきた。何てったって1997年にデビューして今回の「ジ・アンフォーギヴィング」でまだオリジナルアルバムは5作目なのだからかなり人生を見据えたペースで活動していることがわかる。もっともその間にはライブアルバムやオーケストラとのレコーディング、アコースティックショウなどと様々なソースでリスナーを楽しませてくれたものだが…。

 今回の「ジ・アンフォーギヴィング ~スペシャル・エディション(初回限定盤)」は正直言ってとにかく「聴け」の一言。素晴らしい。素晴らし過ぎて言う事なし。やや軽い歌メロモノのハードロックとしても聴けるので昔のゴシック的陰鬱さは一切ない。哀愁帯びたメロディととにかく突き抜けた感の強い、それでいてウルトラハイクォリティの楽曲がひたすら並ぶ。とにかくアルバムが短すぎると思うくらいにたっぷりと詰め込まれた傑作。それでいて疲れることはまるでなく、普通にどこかの街で流れていても皆聴くんじゃないか、っていうくらいに素晴らしい。こういう天使の音楽に出会えない人はあまりにも可哀想だと思える程の出来栄え。現代で多分最高のバンドかも。ベタ褒めなアイテムです♪





Katatonia - Night Is the New Day

Katatonia - Night Is the New Day (2009)
Night Is the New Day the great cold distance

 単純にこないだの陰陽座の「夢幻泡影」とパッと見た印象が似ていたジャケットだったからちょっと「ハッ」としてしまったという理由での登場です。バンド名は聞いたことあったし割と大御所的になっているってのも何かでインプットされていたんだけど音をきちんと聴いたのはもしかして今回初めてだったらしい。何でもかんでも聴き漁ってるからどっかで聴いてるだろうと勝手に思ってたけど、意外だった。いや、ここ数年レベルで知ったバンドって大体ブログに残ってるので、それで調べたりすることもあったりするんで…(笑)。それが見当たらなかったので「あれ?」と思ってしまったのでした。

 2009年にリリースされたKatatoniaっつうスウェーデンのバンドの8枚目くらいになるらしい「Night Is the New Day」というアルバムです。元々のバンドの音などとかは良く知らないし来歴もあまり漁ってないんだけどゴシック的要素を持ち合わせた陰鬱なヘヴィメタルなバンドで、割と好みではある。ただ、まぁ、暗いのはアレなんでね…、英国のParadise Lost的ってのかな、ハマってると聴ける、聴いてしまう音です。多分楽曲レベルも相当高くて凝ってるし、飽きないもん。こういう音ばかり聴いてギターコピーしてってのはあまりないんだが、それでもひとつの世界を持ってるからどうしたらこういう音が出せるだろう?っていう研究はするかもなぁ。重いだけでもないし、そこはしっかりとヨーロッパな風格とキャリアの成せる技か。

 ダークロック…ってのかな?David Bowieでもやりそうな曲もあったりするし、一人だったら凄く聴いてる気がする。ただ、一人になってる時にこういうの聴いていると部屋の電気消えてることに気づかないっていうのはある…そんな音です。ひたすらダーク…。



陰陽座 - 夢幻泡影

陰陽座 - 夢幻泡影 (2004)
夢幻泡影 陰陽雷舞
陰陽雷舞 vol.1 (おんみょうらいぶ) - 陰陽座 陰陽雷舞 vol.1 陰陽雷舞 vol.2 (おんみょうらいぶ) - 陰陽座 陰陽雷舞 vol.2

 既に10年以上も活躍しているのでベテランの領域ではあるが、自分的にはまだまだ新しいと思っているメタルバンド陰陽座。それでも古い世代のメタル好きに訴えかけてくる和風でありながらも王道の香りを漂わせていることでファン層が広がっているんじゃないだろうか。更に若いフォロワーも多数生み出しながらシーンの先頭を今でも歩んでいるってことで一目置くべきバンド。自分みたいな嬢メタル好きにはですね、やっぱりこういう声も好みなんだけど音も良いし曲も良いしってことで割と最近になってからヘヴィに聴いていたりします♪

 2004年にリリースされた陰陽座のメジャー作品としては5枚目のアルバム「夢幻泡影」で、かなり円熟期でもあるし最高傑作とも言われるし、いつも変わらないくらいハイレベルな作品とも言える満足度の高い一枚。根本にはヘヴィメタルがあるけど、そこは学の高い中心メンバーのおかげで、単なる色物で終わらずにきちんとマネージメントと売り出し戦略に則って音を出してきているし、そもそも男女ボーカルによる絡みの面白さを今回は最大限に活かしているんじゃないだろうか?交互に歌って曲に色を付けていくのみならず、サビに至っては二つの歌詞と二つのメロディが重なりあうという芸術性の高さ。しかも韻を踏んでいる歌詞から音を合わせているという器用な作り方が見事。そこまで考えてつくり込むことは容易ではないし、しかもそこに取り組むまでに時間がかかろうと言うものだ。そして楽曲も起伏に富んだ作品で非の打ち所がないんだよ。

 昔知り合いのバンドがツインボーカルで似たような試みをやっているのがあったけど歌詞の韻まで踏むってのはなかったもんなぁ…。しかもそこで男女のボーカルだしね。凄い。その余韻が多分ず~っとアルバム中で響いていて、王道メタルの聴きやすさと黒猫の変幻自在なボーカルがアルバムを飽きさせないものにしているし、瞬火の歌ももちろん良いアクセントになる。更についつい頭振りたくなるリフがかっこ良い。とても最近のバンド聴いてるようには思えない(笑)。



子供ばんど - Power Rock Generation!!

子供ばんど - Power Rock Generation!! (1981)
POWER ROCK GENERATION WE LOVE 子供ばんど(紙
ROCKN&ROLL WILL NEVER DIE!! - 子供ばんど ROCKN&ROLL WILL NEVER DIE!!

 先日再結成劇を果たした子供ばんど、お馴染みの渋谷のヤマハでのライブがお披露目式だったけどどうだったんだろうな。もう50歳超えてるんだから昔のあのパワーを期待して行ったファンはどう思ったかなぁなどと気になるのでしたが、いやね、昔子供ばんど好きなのが回りにいて、結構聴いててさ、その頃は他にそんなにロックなものをたくさん持ってなかったのでよく聴いたもんだ。深いこと考えずにかっこ良いな~とか言ってた頃でさ。ちょっとお茶目でユニークな面が自分の価値観とだんだんと外れて行ったんだけど、きっかけのひとつではあったバンドです。まぁ、いつしかメンバーが変わって、アルバムもあまり見なくなって、2000本ライブの終焉に向かってひたすら…ってのはあったけど、それでぱったり終わってしまったという印象。そしたらうじきさん、コメンテーターとかになってるし…、あぁ、もうバンド辞めたんだな…と寂しい思いをしたもんだ。

 そんな子供ばんどの多分全盛期のひとつでもあったアルバムが1981年にリリースされた「POWER ROCK GENERATION」。もう30年前??そりゃまぁ、このパワーを求めちゃいかんよな…、でもさ、期待しちゃうでしょ(笑)。あまりにもファーストアルバム「WE LOVE 子供ばんど」が見事なパワーロックアルバムだったのでやや見劣りしてしまうけど、気合満点のレコーディングと演奏。曲の良さに恵まれなかったのがこのバンドの不思議なところでしてね、かっこ良いのは凄いかっこ良いんだけど他は…ってのが結構あって、落差の激しいバンドなんだよ。だからそのバランスによってアルバムの評価が変わる。「POWER ROCK GENERATION」ではなんと言っても一番かっこ良くて好きなのは…、ま、言いにくいんだが、多分「アル中ロックンローラー」。これさ、ベースの湯川トーベンが歌ってる曲なんだよな。最初から思い切りアホさ加減が出てて好きなんだよ。コード進行も展開もへったくれもなくってシンプルにアルコール親父の3コードR&R。それがまたかっこ良くって、トーベンがいなくなったらライブから消えて…、復帰したらやってたのかな。その後の「Dreamin'」はもうフランジャーと言うエフェクターってこうやって使えるのか?っていうのを学ばせてもらった曲。こんなに極端にフランジャーを使った曲ってのは今でも聴いたことがない。それだけでインパクトあったから好きだな。後は最初の「Rock&Roll SInger」はやっぱ良いなぁ。その実「ハードレイン」とか「ジャンピング・ジャック・フラッシュ~サティスファクション」っつうストーンズのカバーの日本語も面白いよね。

 飾り気なし、カッコつけもなし、そのままできることをパワーとエネルギーでぶつけていったバンドだったから曲が良いとかどうのじゃなくて愛される曲になっていった、そして愛されるバンドになっていったっつうところか。ライブでのパフォーマンスは今や伝説的。そんなシーンから人気になっていった正にライブハウス叩き上げバンド。それが生で出てたのが「アル中ロックンローラー」っつう曲じゃないかなぁ、ホント、面白いもん♪





Doom - Complecated Mind

Doom - Complecated Mind (1988)
Complicated Mind Killing Field...+4
Complicated Mind - Doom Complicated Mind Killing Field ... +4 - Doom Killing Field ..

 一方で実にシリアスな実験的精神を持ちあわせてアンダーグラウンドシーンで圧倒的な評判だったバンドがDoomだ。当時はなかなか音だけを聴くのが難しい時代でしてね、もちろんライブを見にいければそれに越したことはないんだろうけど、なかなかそういう機会も巡り合わないこともあり、名前だけでは聞いていたものの実際にどんな音を出すバンドなのかってのは全然聴く機会がなかったものだ。もったいなかったなぁと今は思うけどしょうがない、そんなにたくさんのバンドをガキの小遣いから捻出して聴くのは無理だ。友達に持ってるか?と聴けるのもある程度メジャーなものレベルの話だからこういうマイナーなバンドについては自分で揃えるしかないもん。でも、そんなのタカが知れてるワケでさ…、聴けなくて悔しい思いしたバンドもあればすっかり忘れてしまったバンドもある(笑)。その中でも後になって聴けたことが嬉しかったバンドのひとつがこのDoom。

 1988年にリリースされたメジャーセカンドアルバム「Complicated Mind」。もっともファーストアルバム「Killing Field...」も同年にリリースされていたので纏まった楽曲をメジャーリリース向けにレコーディングしたんだろうと思われるのだが、これがまたとんでもないテクニカルで革新的でオルタナティブな姿勢とあらゆるサウンドのミックスという新境地を実践している独特の世界。Doomって三人のトリオ編成なんだけどさ、とてもとても…。逆にトリオでなけりゃこんなに息の合ったテクニカルな音はできなかったのかも。しかもインディーズで当時まだ音楽性が認知されていない頃のメンバーでやり遂げているんだから凄い才能だ。一般のヘヴィメタルに加え、既にプログレッシブな変拍子や曲の流れに合わせた展開をしながらもテーマに戻りつつ圧倒的なパワーを叩きつけてくれるという唯一無二の存在。歌はハイトーンなどではなくしっかりとしたドスの利いた歌声でバックの音と噛み合った迫力あるもの、見事だ。単調さとは一切無縁の息を継がせぬ曲の展開の応酬とメロディの流れ。今でもここまでのサウンドが紡ぎ出せるバンドはいないだろうし、真似できるもんでもない。それをこんなアングラで展開していた…、う~ん、当時聞いててもわかんなかっただろうと思うと後で聴けてよかったバンドかもしれないのだ。

 ベース&ボーカルの諸田コウさんってホントにカリスマ的な人で、テクニックもハンパじゃなく巧かったしベースラインの組み方はジャズに影響されているようだけどフレットレスベースでスラッシュともハードコアともプログレとも言えるサウンドのベースを叩きつけていて、ルックスも片側モヒカンで恐ろしく印象深い人だった。若くして亡くなってしまったので余計に伝説化している面もあるけど、今でもDoomを好きな信者は多いし多分増えている。聴いてみるとなるほどカリスマチックになるはずだってのはわかると思う。え?って思うサウンドだしね。いや~、こういう音ってのは想像しなかったし今でも他ではあまり聴かないし、そんなのを日本のアングラなバンドが1988年の時点で既に作っていたってのが凄いんだよ。メタリカに負けないもんな。



筋肉少女帯 - 猫のテブクロ

筋肉少女帯 - 猫のテブクロ (1989)
猫のテブクロ SISTER STRAWBERRY(紙ジャケット仕様)
猫のテブクロ - 筋肉少女帯 猫のテブクロ SISTER STRAWBERRY - EP - 筋肉少女帯 SISTER STRAWBERRY

 日本のオタクというアンダーグラウンドな宝島的文化は決してサブカルチャーというだけではない、と言うことを世間的に知らしめて且つそれこそがメジャーだとばかりに日本を制圧していったとも言える、まるで訳の分からない、本人たちも全く意図しない方向に流されつつ世間的に受け入れられてしまった不思議なバンド、筋肉少女帯。これでいいのか?

 な~んていう前説を付けてみましてね、ホントに不思議だとしか思えない売れ方をした筋肉少女帯というバンド、今ではオーケンの知名度も含めてかなり知られている、そして知られていたハズだが、こんなところで登場です。メジャーセカンドミニアルバム、になるのか?フルアルバムなのか?ま、どっちでも良いのだが1989年にリリースされた「猫のテブクロ」。もうさぁ、売れたワケよ。何がって「日本印度化計画」ですよ。一度どこかで耳にしたらその歌詞は間違いなく耳に残ってしまうくらいにふざけた歌詞。「日本をインドにしてしまえ!」とは何事?ってな歌詞でしょ?それでいて楽曲の展開や構成は恐ろしく完成度が高くてプログレメタルそのものに近いかもしれん。まぁ、ギターソロとかは今聴けば思い切り80年代の香りするけど、それだってテクニカルなメタルソロなワケです。が、ここではそのメタルさ加減というのは割と味付けの話であって、圧倒的にオーケンの世界観が音を超えている。これは凄い。

 そんな曲を含めたアルバム「猫のテブクロ」は冒頭のインストはともかくながら、いきなり「これでいいのだ」というふざけた曲で始まる。しかし、この「これでいいのだ」の凝りようと言ったら見事な物語感とおどろおどろしたオペラ感…と言うかあまりにも日本的だから昭和の絵巻…、正しく江戸川乱歩の描いた世界観を音で表した感じでもある、そういう意味でオーケンはもの凄い芸術家かもしれない。これだけ江戸川乱歩の世界を演出できる人もいないだろうよ。そういう歌詞のインパクトは絶大だけど、しっかりと音はHMにしましたっていう売り方もまぁ、良かったのかもね。しかしこの頃、上手いとか下手ってのはどっちでも良くってとんでもなくインパクトのあるバンドでした。ひたすら筋肉少女帯を集めて聴いてみればわかるけど、多分最初期からこの辺までが一番面白くて充実した時期の作品集。



Dead End - Shambara

Dead End - Shambara (1988)
shambara[+2] GHOST OF ROMANCE[+1]
shambara - DEAD END shambara GHOST OF ROMANCE - DEAD END GHOST OF ROMANCE

 日本のヘヴィメタルって、もしかしたら世界で一番発展するのが早かったのかもしれない、なんて思うくらいに多様化したメタルのバンドカラー。それだって今思えばって話なんだけどさ、正統派のラウドネスみたいなのもあれば演歌系なアースシェイカーとかパワーメタルの真髄達が出てきて、更にビジュアル系の元祖あたりもボウイでもなくDead Endというカリスマから出てきていたり、以降はアウトレイジなんかが次代を担う音を出していたし…、いや、国内だから勝手に情報が入ってくるのでその多様性がわかりやすいというだけなのかもしれないけど、ビジュアルやイメージも含めて見事な販売戦略がそれぞれにあったと思うもんね。アーティスト側の意向か売る側の意向かは別としてさ。

 1988年にリリースされた世紀のカリスマバンド、Dead Endのメジャーセカンドアルバム「shambara」。正直言って当時聴いてた時はそんなでもなかったけど、時代を経るごとに聴いているとDead Endがやろうとしていたことが何となくわかってきて、実はかなり面白い試みとか実験とか先進的な音楽性ってことに気づいた。まるで新しくて別の音じゃなくてHR/HMの世界での微妙な立ち位置と音の変化だったのでよくわからなかったんだよな。今聴けば、それはゴスな世界観とニューウェイブ的な要素をHMの世界に持ち込んで独自の世界観を作り上げていったバンドだった、ということに尽きるんだが、もっと野性的なのが好きだったんでね。若い頃はさ。

 でも、やっぱりこれだけ伝説化されているワケで、出したアルバム数も少ないし聴いてみるかって思う時に割とすぐ聴けてしまったのは幸いだったかも。おかげでこの進化系メタルを楽しめたもん。後にBuck-Tickが更に推し進めた美学だったのかもしれないけど、Dead Endの世界観はもっとダークで陰鬱なもの。そして美しい…みたいなところ。音にもそういうニューウェイブ的ニュアンスは反映されているから面白い。

 そしてこの「shambara」だ。インディーズ時代の「DEAD LINE」やメジャーのファースト「GHOST OF ROMANCE」あたりからは更に進化して明確にサウンドの要を打ち出したとも言える傑作。多分Dead End史上で最高傑作だろうと思う。聴いていてそう思うもん。どの曲も先の思想や志向が表れていてまるで飽きさせない作りだし、音も凝ってる。しっかりとHR/HMの文化も残ってるし、更にはドラキュラ的な世界もしっかり組み込まれていて、これぞDead Endの世界、独自感。言葉も時代を感じさせないし、曲がホントユニーク。聴いてすぐかっこ良い、というアメリカンなテイストはまるでなくって、やっぱりユーロでデカダンな雰囲気の曲が多く、テクニカル。聴いてみるとこんなに凝ってたのかと驚くほどだろうと思う。ロックメタルだ、とだけ騒いでいる人間が違和感を覚えるはずだ、この才能はなかなか理解されにくかろう、とちょっと自分で納得(笑)。



Saber Tiger - Paragraph

Saber Tiger - Paragraph (1991)
PARAGRAPH PARAGRAPH2
PARAGRAPH - SABER TIGER PARAGRAPH PARAGRAPH2 - SABER TIGER PARAGRAPH2

 北海道を代表するメタルバンド…、しかしこんなに北海道出身のメタルバンドってレベルが高かったのかってのが面白い光景でさ。この辺りを境にしてロックの地を今度は群馬に渡すことになるんだよな。ま、それはともかく、この時期の北海道は果たしてレインボウの悪名高きライブがあったことも影響を及ぼしているのだろうか、本物のメタルバンドと呼ばれるバンドがいくつか出てきて今でも伝説と化しているバンドがいくつかあったのだった。その内のひとつで、これはもうね、バンド結成からメジャーデビューまで異常に時間をかけたバンドですよ、正に根性とプライドのバンドとも言えるサーベルタイガー。Saber Tigerですね。

 …、最も重要な最初期のアルバム…アルバムってかカセットテープ、だったんだよ、当時は。うん、だから今CDという形でそのままは出てない。だから最初期の作品をベスト的に集めた「PARAGRAPH」くらいしか手に入らないんじゃないか?それにしても昔は何故か何人かがこういうカセットを持っていて、それをこぞって聴いてコピーしてたりした連中も結構いたし、どういうワケだか流通しているんだよね。不思議なもんだ。当時未だインディーズってホントにマイナーなものでさ、どこで売ってるんだ?って感じ。エジソンとかにあったとしてもどうやってそんなバンド知ったんだ?っていうのもあるしさ。結局ライブ会場で買うんだろうな。そういうのって自分的にはあまりなかったので不思議なもんだった。

 さて、そのサーベルタイガーは実力が知れ渡るのもそう時間のかかるものではなかったし、当時青田刈りのように皆メジャーシーンからメタルバンドが出てきたんだが、何故かひたすらインディーズにこだわって活動していたのがサーベルタイガー。何でだったんだろ?結局1991年にこれまでの作品集である「PARAGRAPH」がリリースされて一応世に出た。ただ、スポットの契約だったみたいで新作のメジャーデビューは更に後の1997年だそうだ。そこまで行くと誰もメジャーでの願いなんて考えてなくて、ひたすらライブハウスでのインディーズ活動を応援していたってことだ。それも日本全国回ってたかどうかは知らないけど、そんなに回数多くはなかっただろうなぁ。それでも今じゃカリスマ的に支持されているからやはり継続は力なりだ。

 そんなサーベルタイガーの最初期の作品集「PARAGRAPH」は、思い切りパワーメタル、演歌でもなくクサくもなく心からのパワーメタル、ヘヴィメタルとも言える真骨頂。美しきギターインストは毎回のことだけど、様式美を追求しまくっているこだわり方。速い曲から重い曲などもちろん多々あるけどギターがどれも輝いている。そりゃカリスマ視されるわな、これ。当時もかっこ良いなと思ったけど、そんなに無茶苦茶は聴かなかったから改めて聴いてみてその時代の古さを感じないスタイルに感激。やるなぁ日本のメタル。



Flatbacker - 餌(ESA)

Flatbacker - 餌(ESA) 1986
餌(ESA) 戦争
餌 (ESA) - FLATBACKER 餌 (ESA) 戦争(アクシデント) - フラットバッカー 戦争(アクシデント)

 北海道でも当時自分的に一番衝撃的だったメタルバンドはフラットバッカー。1985年にリリースされたファーストアルバム「戦争」はジャケットからして強烈で、こういう歌舞伎メイクってのも強烈な印象だったけど、何よりも音が衝撃的だった。パンクともメタルともハードコアとも言えない攻撃性は若さだけとも思えないしっかりした狙いを感じたものだし、それにしては歌詞が耳に残るものが多くてしっかりと日本語というもので遊んでいる部分もあって、すべての要素をミックスして出してきた感じだった。

 以前にファーストアルバム「戦争」は書いたことがあるので今回は翌年に出されたセカンドアルバム「餌(ESA)」。これもまたインパクトのあるジャケットで、タイトルも「餌(ESA)」だから強烈。冒頭の「Guerilla Gang」からして相変わらずのヘヴィなアグレッシブさ。更に加わったのが重さ。しかしどの曲取っても歌詞がハタチそこそこの若者が作ったとは思えない作風で、言葉に馴染んでいるボーカリストだったんだと思う。そして何と言ってもこの音。今でもこのままの音出してたら世界制覇出来てたバンドだろうと思うもんね。結局この後EZOとして世界に出るんだけど、そこでのサウンドはフラットバッカーとは全然違うものに仕上がってしまっていて、もったいなかった。それよりもこの初期二枚の革新的なサウンドが衝撃。ヨーロッパ行けば違ったんだろうと思うけど、そこまでの審美眼はまだ持てなかったのもしょうがない。

 ホントにさ、あまり語られることないけど幻の短命バンドとしては最高にかっこ良い。今聴いてもこの音のアグレッシブさと多様さは見事だし、類似したバンドなんて存在していない。山田雅樹の歌ってのはホントインパクトある。確かにもっと良いサウンドで録音されてたらLAも制覇出来てたかもしれないな…。しかしそれよりもこの歌詞の面白さとサウンドが醍醐味。何かに影響されたっていうのがわからないくらいにオリジナルなメタルパンクの世界創出。日本のメタルをナメちゃいけない。テクニックだけで押すのとは違う本物のサウンド志向と安定した演奏がフラットバッカーの良さを出している。聴きやすいしね。凄く久しぶりに聴いたんだけど結構燃えたわ…。






Reaction - Insane

Reaction - Insane (1985)
INSANE AGITATOR

 懐かしいジャパメタ三昧♪そんなに深く聴きまくってたワケじゃないけど、やっぱり多感期に聴いてたってのもあってよく覚えてるもんだ。貪欲に何でも聴き漁る姿勢は今も変わってないけど、若い頃ってのはもっともっと記憶力と感性が豊かだからピピッと来るものを覚えてしまうってのは早いもんなのだな。そんな中の一枚で、1985年にリリースされた…ってもインディーズで出されたアルバムなので、何でそんなの知ってるんだ?と自分でも思うのだがきっと何かの縁で知ったんだろうと思う。どこかのバンドがやってたとかそんなん。

 1985年リリースのReactionっつうバンドのファーストアルバム「INSANE」。いわゆるメタルから更に進化していて、疾走感溢れるメタルでしてね、しかもパワーもあったので結構斬新で受け入れられて来たあたり。それがさ北海道からってのもまた面白いよな。北海道ってこの頃フラットバッカーとかも出てきてて、これもまた速くて重くてっていうバンドだったから北海道のメタルシーンの解釈だったのかもしれない。そう思ったのもですね、この「INSANE」のアナログ盤の最初に入ってた「Joy Ride」って曲が疾走感たっぷりでカッコ良くてさ。メロディアスでもあるしね。続いてくる「Are You Free Tonight」と共に見事なオープニングを飾るナンバーで、アルバムの評価を一気に決めていた曲。これぞReactionっていう感じだもん。ギターの疾走感とソロの美しさが、これまた見事で更に速弾きもしっかりと決めてくれるというテクニック。結構燃えたリスナー多かったんじゃないかなぁ。

 改めて聴いた今、全然欧米のその頃のシーンの音に負けてない、どころか今でも多分世界的に通じるメタルサウンドだったんじゃなかろうか?殊メタルに於いては世界に通じる楽曲、テクニックを持ち合わせたバンドが多かったんだなと実感。好みかどうかは別として、世界中のマニアが日本のメタルシーンにも注目していたってのがわかるもんな。他のジャンルだとそこまで注目されるようなものなんてないしさ。多分Reactionなんて血眼になって探しているマニアいると思う。CDだと曲順入れ替わっているらしいしね。





Anthem - Anthem

Anthem - ANTHEM (1985)
ANTHEM TIGHTROPE
ANTHEM - Anthem Anthem TIGHTROPE - Anthem TIGHTROPE

 関西関東と入り乱れるように日本のヘヴィメタルシーンが活気を帯びていた1983年から1986年ころまで、実に数々のバンドが出てきて、しかも巧いギタリストやバンドってのもゾクゾクと出てきた。こんなにみんなギターとか弾けるものなのか?ってくらい巧いのばっかりがいたから驚くばかり。それが普通のレベルになっていたシーンのレベルの高さも並のもんじゃないけど、それをきちんと聴き分けて好みを見出すリスナーも見事なもんだ。自分的にはいくつも出てきたので、どれも一緒じゃねぇか、なんていう部分あったもんな。そのころ王道ロックにハマっていたから余計に個性がないとダメだわ…なんてね。

 1985年にリリースされた待望の新人バンドとして騒がれてたような…、多分一部だけだと思うけど(笑)。アンセムのファーストアルバム「ANTHEM」。冒頭の「Wild Anthem」がキャッチーでパワフルで、言うならばモトリー・クルーとトウィステッド・シスターを合わせたような感じか?いや、リアルでハマっていた人にはかなり怒られる書き方かもしれない…、でも聴いてみたらさ、そんな感じがしたんだよね。もちろんモトリー・クルーよりも疾走感あって重いんで違うけど、キャッチーなフレーズなんかはさTwisted Sister的で…、しかしよく作り込まれている。1985年にもなると最初期に出てきていたバンドとの差が重要になってきていて、在り来たりのメタルじゃ出てこれなかったワケだから、そりゃ上手いし個性的でもある。アンセムは全員白い衣装とギターで目立ったとか…。今じゃアニメタルのボーカルとして知られている坂本英三さんの最初のシーンに出てきたバンドって言う方がわかりやすかったりする?

 しかしどの曲聴いても速いし重いし、正にパワーメタルと言えばアンセムあり、っつう感じの曲が多くて疲れる。これぞメタル的疲れとも言える久々に重いものを聴いている感触。いいな。この重さ具合って海外モンではなかなか味わえないんだよな。日本的な粘っこさがないと出ないからね。



44Magnum - Street Rock'n Roller

44Magnum - STREET ROCK’N ROLLER (1984)
STREET ROCK’N ROLLER DANGER
44MAGNUM - 44MAGNUM 44MAGNUM

 80年代のジャパメタブームのルックス的にも音的にも筆頭格でもあったのが多分44マグナム。全員長髪のみならず金髪でケバいメイクにど派手な衣装と如何にもメタルとはこういうモノだと言わんばかりの鋲付き衣装と革パンツなどなど、更に全員ミドルネームに横文字名を持っているという訳のわからんレーベルからの戦略によるシーンへの露出。しかし、そんなことは当時露知らず、とにかく派手で似合わないメイクが不気味ですらあったバンドだった。音を聴けばそりゃかなり重くて聴きやすさはこの頃のメタル勢の中では一番だったんじゃないか?

 そんな44マグナムのセカンドアルバム「STREET ROCK’N ROLLER」は1984年にリリースされていて、一世を風靡した…とは言い過ぎだが、この時期にウケていたLAメタルに対する日本の回答が44マグナムだったんじゃないかっていう感じの路線を突っ走っていた。ただ、その分失速するのも早かった印象があるが、それはともかくこの「STREET ROCK’N ROLLER」というアルバムは冒頭から印象的なメロディとリフを持つアルバムだよね。ギターの音が確かこちらはフェルナンデスがスポンサーだったハズだが…、レコーディングではどうしていたのかとかまでは知らないけど、あまりギブソンの音じゃないから多分フェルナンデスなんじゃないかなぁ。フライングVね。そんなことばかり覚えてる(笑)。それにしてもホント、Judas Priestのような音は日本にはあまり類を見ないサウンドで、言い換えると日本らしさがほとんど見られない音を出していたバンド。ルックスはどう見ても日本人なのでそのギャップは凄くあったんだが(笑)、音だけなら世界レベルだったかもなぁ、と今になって思う。難しいね、そういうのは。

 ただ、ボーカルのスタイルとルックスがこのおバンドを好きか嫌いかを分けるひとつの軸になったんだろう。近年では再結成して活動しているけど、この時代のライブシーンとか見てると結構怖いモンあるし、その辺はYouTubeで見てもらえるとわかるけど…。でも、こうしてHMを聴きまくった後の今、再度「STREET ROCK’N ROLLER」を聴いてみると、凄く本格的にメタルをやってたんだということに改めて気づいてしまった。パクりとかそんなんじゃなくてホントに好きで作ってたんだろうってのがよくわかる。



Earthshaker - Midnight Flight

Earthshaker - ミッドナイト・フライト (1984)
ミッドナイト・フライト(紙ジャケット仕様/SHM-CD/MARCY&SHARA監修デジタル・リマスタリング) フュージティヴ(逃亡者)(紙ジャケット仕様/SHM-CD/MARCY&SHARA監修デジタル・リマスタリング)
MIDNIGHT FLIGHT - アースシェイカー MIDNIGHT FLIGHT FUGITIVE - アースシェイカー FUGITIVE

 いくつかの出来事が複雑に絡まりあった中でどうにもココのところ日本のロックシーンへの回帰話が増えている。やっぱりねぇ、Hard & Heavyの方が今聴くには心地良かったりするんだよね、何故か。時代の古さを感じないからかな。ポップ寄りのロックだとどうしても時代を感じてしまって色褪せた感がしてしまうのだな。もっとも回りにはレベッカやボウイの話をする人間よりもアースシェイカーやラウドネスを話す人間の方が多いからということだからと思うが。自分自身がその頃にそんなに熱心に聴いていたかと言われると実はそうでもない。どっちかっつうと外国のハードなものの方が聴いていたし、パンクなんかも含めてたり、更に70年代ロックを漁ることもしていたのであまり日本の音楽に付いては深く聴けてなかった。ただ、周辺でバンドをやってる連中は普通に聴いてたし、ライブやるからって見に行っても皆この辺のカバーは必ずやっていたから覚えてしまったんだな。だから後に本物のアルバムを聴いても知ってる曲が並んでいたっていう構図。それくらい良く知り合いのライブには顔を出していたんだな、自分。ヒマだったんかな。

 1984年10月にリリースされたアースシェイカー三枚目のアルバム「ミッドナイト・フライト」。この前のセカンドアルバム「フュージティヴ(逃亡者)」は同年3月にリリースされているので異常に早い間隔でのリリースとなった一枚、そして驚くことに「フュージティヴ(逃亡者)」と同様にかなりの良作に仕上げているというレベルの高さが凄い。アースシェイカーの特徴となったのはこのヘンのクサいメロディラインと泣きまくるギターという音だけど、多分この二枚で圧倒的に個性を打ち出したんだと思う。日本人聴きやすいでしょ、こういうの。当時はメタルという枠に当て込まれていたけど、普通に今聴けば実に良作なロックアルバムで、メロディアスで聴きやすい。ギターの音色も聴きやすくてさ、音が結構良いんだよなぁ、この頃ってギターのシャラさん多分アリアプロIIのレスポールもどきのギターだったと思うんだけど、太くて甘いトーンの良い音色してる。レスポールでフロントとリアを上手く組み合わせて音を変えて弾く人ってこの頃は少なかったので貴重な人だったし、巧かった。使い方が。どの曲でも一発でトーン切り替えてるのがわかってしかもそれが曲に合ったトーンでね、そういうところがアースシェイカーの面白いところでもあった。

 さて、「ミッドナイト・フライト」という作品だが、全く感動的なまでに曲が揃ってる。最初の「TOKYO」からタイトル曲「ミッドナイト・フライト」、そして誰もがこぞってプレイしていた演歌メタルの傑作でもあり、ギター小僧の定番コピー曲でもあった「Radio Magic」。怒涛の三連チャンで聴く者を震わせる。B面に行けばメロウに泣かせる曲がいくつか…、こりゃ日本のシーンじゃウケるだろうよ、ホントに。多分ね、このヘンのアルバムでメタルに対するイメージが変わった人も多いと思うし、実際変えたアルバム群だと思う。ゴリゴリだけじゃないんだよ、っていうか、それを好まない人もいたんだろうけど、シーン的にはこういうのがありで広がっていったしさ。面白い時代でした。







BOφWY- BOφWY

BOφWY- BOφWY (1985)
BOφWY(紙ジャケット仕様) INSTANT LOVE
BOφWY - BOφWY BOφWY GIGS CASE OF BOφWY - BOφWY GIGS CASE OF

 80年代って色々あったな、と邦楽の部分で見ているとさ、まぁ、歌謡曲とかポップスとかあるけどどうなんかね?ウチであんまりそのヘンって取り上げてなくってさ、リアルタイムだからそりゃ知ってるけど当時から全然ロックにこだわっていたから普通のモン聴きたくなかったし…、だから今でもその辺の話で名前は知ってるけど実はよく知らないってのも割とある(笑)。まぁ、その筆頭格が多分ボウイなんだろうなぁと。売れる前に知っててちょこっと聴いてトンガッてるなぁ~なんて思っていたのがセカンド「INSTANT LOVE」あたりまで。それ以降になると何か妙にポップ性を増している感じでえらく覚えやすくてかっこ良い感じなんだな。そうしたら売れた。

 1985年にリリースされた三枚目の作品「BOφWY」、ここでセルフタイトルってのは本人たちもやっぱりここから再起一転のスタートという意味合いを兼ねていたのかもしれんな。新宿のロフトで演奏していたボウイがメジャーに上り詰め始めた一歩。その甲斐あってかまぁ、カラオケにたくさんある曲が揃ってる。最初から「Dreamin'」だし、「Baby Action」「ホンキー・トンキー・クレイジー」や「Bad Feeling」「Cloudy Heart」と見事な作品が揃ってる。この前後で「No New York」もあったワケだからそりゃまぁ光り輝いていた時代でしょう。好意的に見ればステップアップの傑作アルバム。今聴き直してもこのビート感とシャープさ、ソリッドさってのは天下一品だと思う。逆に聴くとえらく時代性があるために子供っぽく聞こえてしまう曲が多い。若気の至りというのではなくってジャリっぽいってのか、背伸びしてるからっていう感じ。悪いとかじゃなくてね、そういう印象を持ってしまうのは35年も前の作品だからか。もうそんなに経つんだな…。

 日本に色気があってビートが利いててっていうスタイルのロックバンドを定義したのは間違いなくボウイで、以降のバンドは全て氷室のコピーとも言えるようなものばかりだった。それくらい日本のロックシーンに影響を与えまくったバンドだったのは事実。その波に飲まれたリスナーと拒絶していたリスナーはいただろうけど。結果としちゃ音楽的に優れていたってことだ。英国のニューウェイブ的なサウンドをベースにしつつもパンクのエネルギッシュな側面を持ちつつ、そこに日本元来のロックスタイルを当てはめたモノ、更に氷室の強烈なルックスがシーンをリードした。しかし布袋さんのこの強烈なグルーブっつうのかハネたギターとかなかなか出来ないリズムだよな。黒い部分もあったりするからやっぱりかなりの音楽センス。





RCサクセション - カバーズ

RCサクセション - カバーズ (1988)
カバーズ(紙ジャケット仕様) ザ・タイマーズ
Covers - RCサクセション Covers

 言葉を大事にしながら遊び心の満載なシンガーって結構少ない、っつうかあまり目立たないってトコロかな。個人的には忌野清志郎、柴山俊之、マルコシアス・バンプの秋間さんって感じかな。真面目になりすぎずに皮肉に語れるっつうか、ブルースなマインドなんかね。それと、東日本大震災の影響による原発問題でよく出てくるのが忌野清志郎の歌った「サマータイムブルース」の替え歌による原発反対ソングの歌詞。何かとtwitterとかで出てくるんだよね。確かに当時も聴いてて凄くインパクトあった歌詞だったし、それをしかも当時おニャン子クラブ全盛期の高井麻巳子がコーラスで参加しているってのが自分的にポイント高かったり…(笑)。

1988年にリリースされた…リリースされたっつうか東芝からは拒絶されたが故にインディーズでリリースか?と思ったらキティがリリースしたという曰くつきの作品として名高い「カバーズ」。60年代のカバーばかりを替え歌や語呂合わせで日本語にして歌っているユニークな作品。遊び心満載だったが故に多数のゲストを迎えての作品で、まぁ、これだけよく集めたものだと感心するくらい多彩なゲスト陣。金子マリからちわきまゆみ、高井麻巳子、坂本冬美から山口冨士夫、三浦友和や泉谷しげるにジョニー・サンダースなどなど。まぁ、RC周辺って言えばそうなんだろうが、これだけ風刺の強いアルバムで且つここまでメジャーな作品ってのはなかなか見当たらない。アングラなら簡単にあるんだろうが、何せRCだ。「素晴らしすぎて発売することが出来ません。」ってキャッチコピーは面白かった。ここまで世間をナメたことをするのもRCらしい。

 そうだなぁ…、単純にカバー集としての聴いてるんだけどね、曲は割と原曲に忠実に演奏しているのでやっぱり歌詞に注目しちゃうんだけど、直訳してるのもあれば言葉遊びしてるのもあるし、はっきりと意図を持って替え歌にしているものもある。楽しんでるな、っていう印象。あぁ、懐かしいな、このアルバムリリース云々の話題の時ってどうなるんだろ?って期待しながら成り行きを見てたし、リリースされた時にやっぱり聴きたいと思って速攻で聴いたし、その期待を裏切ることなく凄く刺激的なアルバムになっていたし、やっぱりロックってこういう好き勝手さが必要だよ。商品だからと言って曲げる必要のないところはあるんだ、っていうのかね。この時期ってもうインディーズが盛り上がっていた頃だからメジャーに拘らなけりゃ何でも出来たんだろうけど、そこが世間的影響度を見なけりゃ意味ないっていうスタンスでね、インディーズよりももっとハードルの高い戦いだったんだろうな、なんて今なら思ってしまう。売れりゃいいじゃんっていうんでもなかっただけまだピュアだったのかな、東芝も。結局「カバーズ」ってオリコン一位取ったみたいだし。



The Blue Hearts - Young And Pretty

The Blue Hearts - Young And Pretty (1988)
YOUNG AND PRETTY THE BLUE HEARTS
YOUNG AND PRETTY (リマスター・バージョン) - THE BLUE HEARTS YOUNG AND PRETTY (リマスター・バージョン) THE BLUE HEARTS (リマスター・バージョン) - THE BLUE HEARTS THE BLUE HEARTS (リマスター・バージョン)

 YouTubeでIggy Popを見ながら、この妙なアクションってのは個性的だよな、なんて思ってたんだが、そういえばまんま動きをパクって、それも自然的に見えたっつうのがいたことを思い出した。うん、多分世界を見回してもそんなにIggy Popの動きをそのまま同じ意志の表れとして表現しているのは珍しい例なんだと思う。いや、単にマネてるんじゃなくて、自然にこういう風になった、言い換えればマインドが同じだったが故に同じ動きになったというのかな。ま、どっちでもいいんだがインパクトは絶大だったブルー・ハーツのヒロト君。

 自分的にはメジャーデビューする前から知っていてたまたまライブなんかも見たことがあったのでそのパワーとか疾走感とかバンドとしての勢いってのは凄いな~とよく実感してた。ただ、ルックス的なところが好きじゃなくて認めてなかったけど、密かに初期はよく聴いてた(笑)。それでさ、ライブで一番感動した曲がファーストアルバム「THE BLUE HEARTS」に入ってなくって、がっかりしてたんだよな。そしたらセカンドの「YOUNG AND PRETTY」に入ってきた。「チェイン・ギャング」ね。歌詞が問題で手直ししたとかしないとか、そんな理由らしいけど、ヒロトがあんだけ激しく熱唱しててもマーシーのこのしっとりとした歌っつうか悲壮感漂う歌が堪らなく響いたんだよね。この人、歌詞も凄く鋭いから響きやすかったし。使ってたギターがこれまたレスポールスペシャルってのも凄くかっこ良くてさ。この頃自分的にはジョニー・サンダースとかクラッシュのミック・ジョーンズなんてのが気に入ってて、レスポールJrダブルカッタウェイだったんだよね。んで,えそのギターを買ってきて一人悦に浸ってたんだが、その後にレスポールスペシャルっつうギターを見つけて、これいいな~と思ってたらマーシーが弾いてた。かっこ良いんだな、このギター。今でも手に入れたことのないギターだったりする…。

 さて、そんなブルーハーツのセカンドアルバム「YOUNG AND PRETTY」はメジャー第二弾で、ファーストよりも更に聴きやすいメロディを配した感じだけど、多分彼ら自身はあまり変わってない。実に何十年ぶりに聴いたんだけどね、こんなにかっこ良かったのか、と驚くばかりの凝りよう。もっとシンプルなビートパンクと言う印象だったけど、やっぱりマーシーのギターが小技利かせていてえらくカッチョ良い。冒頭の「キスして欲しい」なんて素直な歌詞と歌だし、何と言っても「ラインを超えて」とか「チェイン・ギャング」のマーシーの歌とギターが凄い。良い。響く。この二人の二面性が似て非なる方向性でこのバンド…っつうかこの二人のバンドを決定づけている。凄いな。勢いってのはこういうアルバムにぴったりの言葉だ。歌詞のピュアさは他に類を見ないし、こういうスタイルでパンクと歌詞を世に出してきたのも初めてのバンドだったかも。それゆえに今でも割と万人に受け入れられているし、実は自分的にエライなと思うのは、決して自己主張を人に押し付けることもなく、また他を貶すこともなく、多くを語らずにストイックにライブとアルバムと音楽で自分たちを発信し続けているという純日本人さ、ってのか…。好かれるよね。

 何か忘れていたものを思い出して心が熱くなったアルバムだった。多分どのアルバム聴いても心に刺さるんだろうと思う。だから故にあまり触れないで置いておこうと思う作品かもな…。



Iggy Pop - New Values

Iggy Pop - New Values (1979)
New Values ホエア・ザ・フェイシズ・シャイン
New Values - Iggy Pop New Values Live In San Francisco 1981 - Iggy Pop Live In San Francisco 1981

 60年代からキャリアをスタートさせて70年代にインパクトを残してソロに転じた人…、なぜかIggy Popが思い浮かんだんだよな。Bowieの流れもあったからかもしれない。でも、結構自分のブログってIggy Popもちゃんと書いてるんだな、と我なが驚いた。そんなに聴いてたワケでもないし、どこかに惹かれていたこともそんなにないからさ。ただ、常にインパクトを放つ人っていう感じだったかな。Stooges聴いてからはかなり変わったし、「Idiot」とか聴いてからはBowieの流れだけど独自性も何となくわかってきたし、チョコチョコと聴いてたりしたんだよね。

 1979年にリリースされたソロ作三枚目になるのかな、アリスタレーベルに移籍した後の気合の一枚「New Values」。その割に評価がそれほど高くないのも本人的にはズレてるってトコだろうか。これまではBowieの色が強かったからここで離れてみてようやく自分色が出せたハズなんだが、正直言ってあまりにも平凡なロックかも。時代がNew Waveに差し掛かってきたのもあって、Iggy Popなりに時代を反映していたって気がしないでもないけど、ちょっと音に刺激が足りない。しっかりとイギー節してるのでどっからどう聴いてもイギーだしギターのキレ具合もえらくソリッドでタイトな音がかっこ良いんだが、何だろ、アリスタ独特の色なのか?妙にAOR的な側面があったり…(笑)。ま、そんなこともないが。

 いやね、こんなにコーラスがしっかり入っる割にはギターとかバックの音がチープでさ、作り込んでるって気がしちゃって、やや興醒めな部分が耳に付いただけです。本来のイギーの持つ味をアリスタ的にしちゃってる所に違和感かも。だからと言って作品が悪いワケじゃないのが困る…ってか寄せ付けにくくしてる?ん~、ギャップが楽しいんだろう。そんな印象のアルバム。今回聴いてみて、ホントにソリッドなままだったら面白かったか?と言われればそんなことはないと思うし、難しいなぁ。





Alice Cooper - School's Out

Alice Cooper - School's Out (1972)
School's Out Billion Dollar Babies
School's Out - Alice Cooper School's Out Killer - Alice Cooper Killer

 英国のグラマラスな感覚とはかなり異なるシアトリカルな演出で世に出てきたAlice Cooperだったが、当時からしてもグラムとシアトリカルの違いなんてさほど見当たらなくて、どちらも「ケバい」というだけで一括り。良い時代だ(笑)。だからNew York DollsとKIssも含めてアメリカではこの辺がキワモノさん達、まぁ、Zappaは更に深いキワモノだったようだが。英国ではグラム系がキワモノさん達だったので英米をそれほど区別しない「外人さん達のロック」として受け止めている日本ではいつしか同系統として語られる期間も長かったようだ…、と自分も語ってみる(笑)。

 はい、1972年にリリースされたAlice Cooperさん一大出世作品「School's Out」です。ティーンエイジャーの心の叫びなんてのはいつの時代も同じでどこの国でもまた同じ。そんな訴えを代表して世間に投げかけてくれたのがAlice Cooperだったってことで、しかも曲も歌もかっこ良いんだから飛びついたってとこか。基本的にはチープで聴きやすいR&Rなワケでさ、しかもピュアで秀作に仕上がっているから面白い。湿ったところがなくて明るくシアトリカルに楽しめるってのがこの人の特徴だ。後の「Billion Dollar Babies」や「Welcome to My Nightmare」でも全然湿っぽさとか見当たらないもん。あくまでもエンターティナーなんだよな。だから飽きやすいっていう側面と単純に楽しめて良いという側面を持つ。

 自分が最初に「School's Out」を聴いたのは実は子供ばんどのカバー。今度復活するらしい子供ばんどだけど、世代的にこの辺から影響を受けまくっているのでカバーしたんだろう、異質のかっこ良さが際立っていて、一体なんだ?って思ってたんだけどAlice Cooperのカバーってことを知ってこの傷だらけの机のジャケットを探しまくった。ただ、全然見当たらなくて探すの大変だったなぁ、これも。結局輸入盤を探し当てて買ったんだけど、もちろん紙パンツなしだった。いや~、その時聴いた印象は迫力ないんじゃない?という感じだったけど、今聴いていると、これは楽しくてかっこ良いね。しかもベーシストが前に出てきていて面白いし、音楽全体が全く演劇を意識してプレイしているのでアレンジや展開が普通じゃない。なるほど、そういう意味もあって楽しめるように作られているわけだ。そして御大Alice Cooperの声が迫力あって若い。結構予想できない展開が待ち構えているサーカスを見ているかのようなロックアルバム。「Blue Turk」なんつう曲では完全にジャズロックをやってる…、なんか間奏聴いてると何聴いてるのかわからなくなるくらいに意外な曲展開。ドアーズ的とも言うのかな、こういうのはAlice Cooperでしか出てこないかもなぁ。

 ちなみに「Billion Dollar Babies」まではAlice Cooperってバンド名だったんだよね。「Welcome to My Nightmare」以降にソロになったけどバンド名そのままにして、今じゃ本名もAlice Cooperにしちゃったらしい。そして現役…、Kissよりも凄いんだぜ、ある意味じゃさ。





David Bowie - Aladdin Sane

David Bowie - Aladdin Sane (1973)
Aladdin Sane ジギー・スターダスト(紙ジャケット仕様)
Ziggy Stardust (30th Anniversary Edition) - David BowieZiggy Stardust (30th Anniversary Edition) Aladdin Sane - David Bowie & Mick Ronson Aladdin Sane
Amazon MP3 Aladdin Sane

 1973年、時代はグラマラスなロックの方向を向いていた、にもかかわらずいち早くグラムロックの風雲児でもあったデヴィッド・ボウイはZiggyを殺した。この頃からDavid Bowieという人は常に最先端の先を走るカメレオンアーティストになったとも云えるのかな。ボウイさんのアルバムの中で一番語られているのは多分「ジギー・スターダスト」。そりゃもちろん傑作名盤ですけどね、その実翌年にリリースされたZiggyさんとの決別ともなった「Aladdin Sane」は作品の質もまるで申し分なく、もしかしたら「ジギー・スターダスト」よりも好まれる…、深い曲が多く入っているアルバムなんですよね、自分的には。

 「Aladdin Sane」、象印マホービンからインスパイアされたと言われるこのヘンなアルバムジャケットの美しさ、正に宇宙的♪そして何よりも「ジギー・スターダスト」で鍛えられたバンドメンバーのまとまりを残しつつも更に飛躍させた作品として実に冷静でクールな音を出してきた。基本的にはR&Rではあるんだけど、歌が巧いというワケでもないボウイさんのアーティストの側面が際立っていて、コンポーザーとでも言うのか、空気をしっかりと出している作品。おかげでボウイのライブの中では結構「Aladdin Sane」からのチョイスが多いんだよ。いや~、ホントにね、凄い曲ばかり。それでいてアルバムとしては割と短時間で聴き終えてしまうので充実度が高い。

 「Aladdin Sane」のコーラスとピアノの美しさってありゃしないし、どこか切羽詰った感じの強い「Drive In Saturday」なんかも美しい。後のソウルボウイで大きく変化していく「Panic In Detorit」、お茶目な感じのロック「Cracked Actor」、そして世紀の名曲じゃないかと思っているピアノの美しさと冷酷さ、そしてロックじゃない世界を融合していながらもポップスよりもメロディアスな涙の流れる「Time」、マーク・ボランを思い出す「The Prettiest Star」、そんな名曲を簡単に作り出せるにもかかわらず、大好きなR&Rへのオマージュなのか、The Rolling Stonesの「Let's Spened The NIght Together」を疾走感たっぷりにソリッドに載せていく。「Watch That Man」「The Jean Genie」はお得意のチープなR&Rで世界をバカにしている感じが良いのかも。最後の「Lady Grinning Soul」もまた美しく輝く一曲。捨て曲なし、捨て曲と言うならばストーンズのカバーだけど、捨てられないでしょ、それ(笑)。

 こんなに才能溢れている時期で他のバンドやアーティストにも曲をあげたり、プロデュースしたり超多忙を極めていたみたいなんだよね。それでいてZIggyを抹殺して次なる自分のステップに踏み切ったという野心は凄いと思う。もっとも偉大なるアンダーグラウンドアーティストとも言われているので一つ所には留まらなかったのだろうが。最近はまるで音沙汰を聞かなくなったボウイさんももう60過ぎててそりゃそうか、と。旧譜は何度もデラックスにリリースされたりするんだがなぁ。そういえば「Aladdin Sane - 30th Anniversary Edition」も30周年記念盤ってのが出てたな。最近はそういうデラックス盤よりもオリジナルの方がやっぱり良いや~って思うことが多いんで結局あまり聴かないんだけど、レアなものはレアだから…。

ふとアマゾン見てたらTシャツまで売ってるんだね。なかなかかっこ良いじゃないですか(笑)。

Aladdin Sane (Tシャツ) (Size: L) UIZZ-10830




Hunter / Ronson - YUI Orta

Hunter / Ronson - YUI Orta (1989)
YUI Orta Hunter Ronson Band: BBC Live in Concert

 Mott The Hoopleが最後に行き詰っていた頃、ミック・ロンソンはBowieの元から追い出され、ソロ活動で華々しくシーンに登場してきてはいたものの、やはり秀逸なシンガーと組む形が自身の才能を最も発揮できると言うのもわかっていたのか、イアン・ハンターとは交流を密にしていた。それでも当時は契約の問題など色々あったようで、なかなか一緒にやるということは難しかったが、Mott The Hoopleの末期にようやく実現してミック・ロンソンはMott The Hoopleに加入した。しかしシングル1枚程度でバンドが解散、二人は別の形態で一緒にやろうとしたが諸般の事情で流れてしまったお話。イアン・ハンターのソロアルバムに参加することはあったが、二人名義での華々しい活動はなかった。それから10年以上経ってからようやく二人の名前を出して二人の才能を思い切り出し合ったアルバムを作り世に出すことが出来た。

 1989年にリリースされた話題満点の一枚だったHunter/Ronson Bandの「YUI Orta」、唯一無二の作品になってしまったアルバム。今ではBBC出演時の編集盤「Hunter Ronson Band: BBC Live in Concert」なんてのも出ているけど、実際ツアーにも出たらしく、いくつかのライブが残っているみたい。でもさ、この二人だったらもっと今でも話題が残っていたり貴重なセッションとして扱われていたりするんじゃないかと思うんだが、割と取り上げられることは少ない。時代が80年代末期だったからってのもあるかな。自分も当時ちょこっと聴いた程度で以降はまず聴かなかったから人のことは言えないんだが…。

 今回「YUI Orta」を聴いて思ったが、二人のやりたかったエネルギーが思い切り発散されていて勢い溢れるR&Rアルバムになってるってこと。ややミック・ロンソンの嗜好が強く出ているのは多分ミック・ロンソンの方が嬉しくてしょうがなかったのかな、なんて思ってしまうけど、その辺が大人のイアン・ハンター、しっかりと自分の楽曲では味のある軽快なR&Rで引き締めている。どれもこれも気合の入った曲ばかりで二人が大いに盛り上がりツアーに出たのもわかるんだな…。ここでシングルヒットとかあったらもっとブレイクしていったのかもしれない。でも時代が1989年だからねぇ…。

 しかしミック・ロンソンのギター、かっこ良いな。ジギーから16年経った時のギターの音か…、時代はHR/HMなのでこういうスタイルのギターが受け入れられやすくはなかっただろうけど、今ならもっともっと聴いて楽しめるサウンドだね。






Mott The Hoople - Mott

Mott The Hoople - 革命 (1973)
Mott 革命(紙ジャケット仕様)
An Introduction to Mott the Hoople - モット・ザ・フープル An Introduction to Mott the Hoople Rock and Roll Queen - モット・ザ・フープル Rock and Roll Queen

 R&Rって元来楽しむためのもので、それ以外の何者でもないんだな。そこに多様なメッセージや手法や音楽的な考え方なんてのが入ってきて複雑拡大化したんだが、そもそもに戻ってプレイしよう、っていう試みにも感じられるアルバムがMott The Hoopleの回帰作品「Mott」というアルバム。1973年のリリース、即ち前回「All the Young Dudes」でBowieに救われた反面、今回は独自でやろうってことで戻ってきたのがこのR&R。

 邦題「革命」、ってのも時代だが、昔からMott The Hoopleってさ、割と探してたんだけど手に入らなくて、レコード見つけても何が良いかわからなかったんだよね。そこで、この「革命」ってのと今CDで出てるようなジャケットの「Mott」とあって、バンド名なのかタイトルなのか同じタイトルで異なるアルバムなのかと思うかのようにジャケ違いがあって困った。今でもどっちがどっちっていうのが理解していないけどメンバーが写ってるのは米国盤なんだろう。人形が透けているのは英国盤だと思うので、それが国内盤にもなっているはずだ。多分。調べてないからカン(笑)。

 それはともかくですね、この中身のサウンド、これがまた最高にチープで調子っぱずれのR&Rでかっこ良い。オープニングの「All The Way From Menphis」からしてR&Rの原点に変えるかのようにピアノがロールしているし、どの曲も捨て曲なしの見事なアルバム。更に「Ballad of Mott」っつうバンドの運命を意識した日を元にした感動的なナンバーも入ってる。自分的には「Drivin' Sister」が好きかねぇ、いや、どの曲もカッチョ良いんで最高なんだけど、こんなR&Rアルバムあんまりないよ、って。これぞMott The Hoopleの真髄、この後メンバーが替わろうとも圧倒的にイアン・ハンターの色が出ていて、ブレない。それが結果的には凄く良かったんだろう。いくつかシングルカットされている中でも「Honaloochie Boogie」とかチープの塊だし、いいんだよ。この後の「The Hoople」もかっこ良いけど、正に「All the Young Dudes」から「Mott」「The Hoople」と最高傑作を出しまくった時期です。



Generation X - Valley of the Dolls

Generation X - Valley of the Dolls (1979)
Valley of the Dolls ジェネレーションX
The Gold Collection: Generation X - Generation X The Gold Collection

 70年代のパンクバンドっても今聞いてみればその音そのものはシンプルなR&Rであることが多くて、そのスタンスはThe Whoのそれと全く変わらないものというのも面白い。思い切りパンクだぜ、ってやってたSex Pistolsなんてのはイメージ先行だったのでそういう類似点は脇に追いやられていたんだが、他のバンドについては明らかにシンプルなR&Rの踏襲でしかないことがわかる。それでもA級のパンクバンドはインパクトがあったから良かった。そうでもないバンドって…。

 1979年にリリースされた今じゃ名の売れたビリー・アイドルが歌っていたパンクバンド、Generation Xのセカンドアルバム「Valley of the Dolls」です。まぁ、出てきたのもSex Pistols親衛隊隊長って肩書きからだそうだが、音楽的に云々なんてのがあったのかどうかは知らない。ただ、インパクトがあったのは事実で、それはファーストアルバム「ジェネレーションX」で証明されていたので、問題となるのは以降の活動なのだが、パンクムーブメントなんてのは一瞬で終わってしまっていて、時は1979年、どういう音で進んでいくのだろうか?というような思いもあったんじゃないかと予想する。その結果が「Valley of the Dolls」だ。

 だから多分パンクという枠は遅れたものに感じていただろうし、そのせいかえらく落ち着いた、と言うか、シンプルなサウンドが詰め込まれている。もともとパンク的でもなかった音楽性なのでその根はMott The Hoopleにあるのだろうなというような曲調が多い。正直…、まるで面白くはない(笑)。子供騙しなサウンドとも言えるし、売りが何もないってのもあるし、テクが優れているワケでもない。曲が良いってのもない。だから多分悩んで出したものだろうし、ビリー・アイドルのインパクトだけが売るネタだったんだろうと。トニー・ジェイムズはここでは生きていない。だからこそ「Valley of the Dolls」でバンドが一旦崩壊する。もっともその後にGen Xとしてアルバム「Kiss Me Deadly」をリリースするけど、それは更に…。



The Damned - Damned Damned Damned

The Damned - 地獄に堕ちた野郎ども (1977)
地獄に堕ちた野郎ども<SHM-CD> Damned Damned Damned: 30th Anniversary Deluxe Edition

 元祖パンクとして騒がれるのはいつも決まってSex Pistolsなのだが、その実ロンドンパンクの元祖ってのはやっぱりThe Damnedなんじゃないかと言うのもこれまた真相。パンクバンドで最初のシングルをリリースしたっていうことで知られている。うん、そういう話はともかく、当時本人たちが自分自身をパンクバンドとして認識していたのかどうかはよくわからない。Sex Pistolsは売り出し方まで決めて出てきているからある意味作られて出てきてるけど、The Damnedはなんか、そのまま出てきたような気がするもん。

 そんなデビュー作を含む最初のアルバム「地獄に堕ちた野郎ども」。冒頭の「Neat Neat Neat」なんて今でも通じる単語でしょ(笑)。そしてその他とは明らかに異なるバンドの音。これぞパンク。超シンプルなベースから始まり、アルバム丸ごと凝ったことなどひとつもなく単に勢いと若さに任せて音を奏でてぶつけているプレイ。その熱さとどうしようもないアホさがここまでのパワーをアルバムにもたらしていることは明らか。聴いてても面白いのはそのへんだよね。妙なかっこつけもしないでそのまんま。だからこのジャケット。おバカを演じきれる連中、そしてカリスマ性をも持ち合わせていて、以降のアルバムを聴けばわかるが、実は音楽的センスもかなりあったという奇跡。

 まぁ、理屈じゃないんだよThe Damnedの場合はさ。とにかくこのアルバムを聞いて時代と共に封じ込められたエネルギーを感じられればそれでいいんだし。「New Rose」聴いてシビれなきゃおかしいもんね。そして今じゃこの傑作ファーストアルバムもDamned Damned Damned: 30th Anniversary Deluxe Edition盤が出てるのか…。



The Jam - In the City

The Jam - In the City(1977)
In the City This Is the Modern World

 勢いのあるパンキッシュな音を聴いていたら、何かふとThe Jamを思い出してしまったので引っ張り出してきました。最初に聴いたのはもう30年近く前の話なんだけど、それでもリアルタイムじゃなかったから出てきた時のインパクトがどんなもんだったのかとか知らない。ただ、この頃まとめて色々と出てきていたのでその中のひとつって位置付けだったんだろうとは思う。まぁ、今思えば相当異質なバンドだったはずなんだけどね。

 1977年にリリースされたThe Jamのファーストアルバム「In the City」。最初の「Art Scheool」のモッズでソリッドなサウンドがとんがり具合を象徴していて衝撃的だった。ただ、ギターの音が歪んでいなかったのが気に入らなかった当時の自分。ただ、このエネルギーはすげぇなと思って聴いてた。勢いはあるしビートが効いてるし、パンクっつうかロックだった。この頃また自分ではThe Whoなんかもわかっていなかったからその共通項ってのもよくわからんかったしね。いや、The Whoのレコードって手に入れにくかったしさ。

 もっともっとロックがわかってきてから聴いてみればThe Whoの初期と完全に被る作品だし、モッズというスタイルを継承した重要な位置付けのバンドでもあるし、何かと面白い面は多い。ただ、以降の作品ってのが個人的にはさほど面白みを感じない曲も多くて、やっぱりファースト「In the City」が一番印象に残ってる。どれもこれもThe WhoやSmall Facesをモチーフとした作品と言ってしまえばそれまでだけど、そういう後継も重要だったのだ。

 今じゃThe Jamと言えばポール・ウェラーが出てきたバンドっていう感じで重要度が逆転しがちな感もあるけど、自分的にはやっぱりThe Jamしか聴かないしね。それにしてもこの「In the City」ってThe WhoのシングルのB面曲か何かであったタイトルを持ってきたらしいけど、よく聞いてたよねぇ、そこまで深く。もちろん英国人だからリアルでシングルを買ってたんだろうけどさ。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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