Tony Spinner - Live In Europe

Tony Spinner - ライブ・イン・ヨーロッパ (2007)

ライブ・イン・ヨーロッパ Saturn Blues
Live Live In Europe Rollin' Rollin' & Tumblin'

 今回はSRV直系のブルースロックギタリストっていう感じのを聴きたくて探しているトコロなんで、生粋のブルースみたいなのはちとパスして新しいものを…ってのが多いです。なので古目の人には割と馴染みがない名前ばかりなんだろうけど、それでも時代の流れで次世代をになっていくブルースメンってどんなん?っていう興味があってさ、アチコチと聴きまくってたりします。

 そんな中、実は凄い知名度を誇っていたんじゃないか?ってのがこのTony Spinnerです。聴いた作品は2007年にリリースしたライブアルバム「ライブ・イン・ヨーロッパ」ってので、ブルースメンの本領ってライブだろうし…ってだけなんだけどね。あとはジミヘンの「Spanish Castle Magic」や「Have You Ever Loved A Woman」っつう知ってるのをやってたりするので聴きやすいだろうってことでチョイス。聴いてみるともうそりゃ本格的なブルースロックギタリストとバンドのライブアルバムでかなり弾きまくってます。同じくらいに歌も熱唱しているのでこれは青っちろい新人じゃないなぁ~、って調べてるとなるほど、現在のTOTOのサポートメンバーになってるのね。それとポール・ギルバートやパット・トラバースと一緒にやってたりする強者らしい。そりゃこんだけのライブになるわな。単なるブルースロックではなくってやはり幅があるサウンドを意識しているから曲のレベルが高い。面白いかどうかっつうのはなぜかギタープレイに懸かってるんで、一気に趣味的になっちゃうけどさ(笑)。

 1993年にデビューしているんだけど遅咲きな人で、実は1969年のウッドストックで衝撃的な影響を受けてAlvin Leeやジミヘンに影響されている世代とのこと。しかも最初のアルバム「Saturn Blues」ではドラマーにエインズレー・ダンバーが参加しているという本格的なプレイヤーってのも見事。まだまだ知らない世界にこういう人はいるんだなぁ…と実感です。確かにヒットするような曲は何となくなさそうだけどギター一本でやってますってとこか。Humble Pieとか好きな人はイケるかも。





Paul Oscher - Deep Blues of Paul Oscher

Paul Oscher - Deep Blues of Paul Oscher
Deep Blues of Paul Oscher Down in the Delta
Down Down In the Delta Living Deep In the Blues

 これもまたTwitterでのブルース会話の中から出てきたのがきっかけだったんだが、古いブルースメンの映像って割と残されているものがあってDVDになってるんだよね、と。多分「アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティヴァル」あたりの話だったと記憶してるんだけど、そこでまた好きな人がいるんだよね…。「Muddy Watersのバックのハープ吹きが凄いんだ」みたいな話になって、見たワケですよ今なら便利なYouTubeを。



 確かに…(笑)。マディ・ウォーターズがこんな白人の若造を使いながらやはり白人ハーピストの世界ではポール・バターフィールドという稀有な存在がいたが故にあまりシーンでは目立たなかったんだろうか?それにしても…と気になってしまったのでアマゾン探してみるとアルバム出してるじゃないですか。もっとも随分と後になってからの作品ばかりだけど。

 ってことでPaul Oscherという当時の若者、今じゃいいお爺さんだろうけど、そんな人のよくわからないベスト盤みたいなものです。ジャケットからして適当だなぁ~と言いたくなるが、そんなもんだ。近年の作品もあったりするけど、まぁ、何でもいいか、ということで「Deep Blues of Paul Oscher」という作品。

 中味はですねぇ…、これがまたスタンダードな古き良きブルースナンバーばかりでシンプルに仕上がった何の目新しさもない、普通のブルースで、特にハープが凄いというのでもなく、ギターが凄いというのでもなく普通にブルース。ただ…、何か本物の余裕ってのがあるところが違う。ブルースってそういうモンだよな、きっと。生々しい楽しさとか嬉しさとかが自然に充ち溢れて出てくるものだしさ、昔は悲しみや辛さだったろうけど、表現としてはリラックスしたものだもんね。なるほどね…と、何かを期待して聴いた割に普通にいいなぁ~と聴いてしまった作品でした。



Coco Montoya - Gotta Mind to Travel

Coco Montoya - Gotta Mind to Travel (1995)
Gotta Mind to Travel Dirty Deal
Gotta Gotta Mind to Travel Dirty Dirty Deal

 1995年にデビューした新人ブルースギタリストのアルバム、と言えば事実その通りなんだけどそれまでの経歴ってのを簡単に見てみると驚くことってのが稀にある。もっともポンッとシーンに出てくるなんてのは半分くらいなんだろうから、多くは下積みなり経歴なりってのがあるんだろうなぁとは思ってるけどさ。本日紹介のCoco Montoyaは元々ドラマーだったらしく、あ、白人ですよ、ちなみに。んで、アルバート・コリンズのところでドラムを叩いていたらしいんだが、その5年くらいの間にアルバート・キングからギターを教わったらしく、一端のブルースギタリストになっちゃったらしいんですな。その後にはジョン・メイオールのところでギターを弾いていたのかな?ドラムなのかな?わかんないけど、何かそんな感じでビッグネームと修行をしながらプレイを磨いていた人らしい。そんな人が御大二人にお墨付きをもらいながらリリースした作品が本日の主役。

 1995年リリースの「Gotta Mind to Travel」ですが、まずは3曲目にてアルバート・コリンズ自らが出演してゲスト参加でギターを競演している。ソロとか聴いてるとどっちだ、これ?って思うくらいにプレイが似ているので困る(笑)。少なくとも音はかなり一緒だぞ、と。アルバート・コリンズはもちろんテレキャスだろうから、ココ・モントーヤの方はジャケットからするにストラト?まぁ、似たような音は出るけどさ。シングルコイルを如何に太く鳴らすか、ってのもコリンズの教えのような気がして(笑)。

 そのココ・モントーヤの「Gotta Mind to Travel」だけど、結構これもモダンに纏め上げていてブルース一辺倒ではなくってどこかブルーアイドソウル的な側面があるのかな、引き締まった感じのおしゃれさがあるんだよね。そこが1995年っていう年を表しているのかもしれない。それと自分で歌っているんだろうが、妙に黒人らしい歌い方で、だからこそブルーアイドソウルなんだな。面白い人がいたもんだ。その熱唱とプレイをフルに使っているのが最後の「Am I Loseing You」というソウルバラードみたいな歌かね。何か歌モノって感じなのであまり好みではないけど、評判は良さそう。それよりも自分的には6曲目の「Same Dog」の方がモダンなブルーアイドソウルとブルースギターで良いかな、と。

 結構アルバムをリリースしているみたいで日本のアマゾンにもあるので試せるってのはいいかも。自分的にはこの「Gotta Mind to Travel」くらいで良いかな、って具合ではあるが…(笑)。



Vince Converse - One Step Ahead

Vince Converse - One Step Ahead (1999)
One Step Ahead
Here Here Come the Blues
 恒例のアマゾンリコメンド機能による勝手なブルースメンCD紹介の中から何となく聴いても良さそうなものをチョイスして聴いてたりするという邪道なセレクションをしてます。よって、リリース年やキャリアなんてのも全然気にしていなくて一元化された情報の中での話なので、なかなか時間を超越しているのが怖い世界。自分的には初めての名前だったりするから別にいつの人でもいいんだよね、音さえ聴けたりするならば。きっと今時の世代が音楽の見聞を広げていくのも同じやり方なんだろうから古いバンドだろうが新しいバンドだろうが同一次元で情報収集しているし比較しているんだろうと思う。だからビッグネームも新人も大して差がなくってある意味純粋にその時の自分の好みのサウンドがどちらかというだけの世界なんだな。非常~にフラットな音だけの好みの世界かもしれない。ま、YouTubeとかあるからその他要素は多数を占めるのかもしれないけど。

 Vince Converseという若くしてプロのギタリストになり、SRV的なブルースとロックをプレイしていた人物が遂にリリースしたファーストソロアルバムってことらしいが、それが1999年のお話でして以降あまりこの人の話題は出てこないんだが。

 「One Step Ahead」というアルバムでしてね、SRV的ってのとヒューストン出身っていうので、まぁテキサスだからさ、いいんじゃない?ってことで聴いてみたワケですがね、結構モダンなブルースロックなんだわな。どうモダンなのか、って言うとさ、ホーンセクションがあったり鍵盤が入ってたりして割とおしゃれっつうかかっちりとした部分がはっきりしているので自分的にはモダン寄りなんだなぁ~と。ただしギターはテキサス系だな。ワイルドな側面ときっちりとした側面があるけど全体的にはこじんまりとまとまった作品。かなり上品にレベルも高いとは思うし、ギタープレイももちろんブルースをしっかりと吸収して打ち出しているし、ロックのエッセンスもバッチリなんだが、Vince Converseの場合は余りにもアメリカン普通のロックし過ぎていてブルースの側面が弱くなってる…、言い方替えると何がしたくて出してる作品なのかがよくわからなくなった位置付けなのかも。いや、しっかりと心意気も分かるし、プレイも素晴らしいんだけど、そこから訴えてくるものが自分的にはちょっと見当たらなかっただけ、か。もちろん本人はそんな風に作ってないしプレイしてないだろうけど。もしかしたら生々のライブとは全然違うアプローチを試みただけで実は凄いブルースばかり弾いているのかもしれないが。だって、やってる曲がブルーススタンダードの曲多いんだもん。

 ブルースアルバムって何回も聴けるか聞けないかって言うのも結構基準になってしまってさ…、元々3コードでお決まりのフレーズで始まってるから何回も聴けるハズがないのを聴かせているっていう強さがないとダメだし、それをホワイトブルースの場合は曲とギターでやらないとイケないから大変だろうな、と。それでも聴く人は聴くし、理屈じゃなくてね。な~んてこともありますな。

 しかしライブのYouTube見てると随分印象が違う人だな…。



Buddaheads - Howlin' At The Moon

Buddaheads - ハウリン・アット・ザ・ムーン (2006)
ハウリン・アット・ザ・ムーン リアル
Howlin' Howlin' At The Moon RealReal

 久しぶりにブルース熱に取り憑かれているんだけど、以前とは違って新しい世代のブルースメン達ってのを漁っているので古き良きブルースメンとブルースアルバムを語るって言うのとはちょっと違う。なので、かなり新鮮な刺激を味わいながら、そして驚きを味わったり失望感を味わったりしながら音を聴いている毎日、コレはこれで楽しいな。ブルースってさ、ギターの音も気になるしフレーズや歌はもちろん、曲もオールドタイムなブルースじゃないから個性も出るし、逆にブルースらしさをどうやって出しているのか、なんてのもテーマとして出てくるので色々な尺度があるんだよ。それを複合的に本能で聴いて好みや特徴を判断してるんだな。だから好まないものでも出てくるし、そんなのも聴いてしまっているんで、普通に好きだから、気に入ったからCD買う、っていうのとはロジックが違っていて、どんなのか試したいんだ、そこから、っていうスタンスです。

 今回はBuddaheadsというバンドの…、コレしかなかったんだが、ベスト盤なのかな…、「ハウリン・アット・ザ・ムーン」ってアルバムタイトルが気に入ったのでいいや、これで、っていう単純さです。ちと見てたら過去3枚の作品からのベスト盤らしいので、バンドのアルバムという形態の本質には沿っていないけど、まぁ、ギタリスト的にブルースメン的にはいいんじゃないの、ってことで聴いてみました♪何でもCharの主催している江戸屋レーベルの一派らしくてそれなりに馴染みのある人らしい…、はい、自分は全然知りませんでしたが…。

 バンド名からして日本的なの好きで、そういうフレーズを入れたブルースなんだろうか?なんてアホな考えを起こしていたけど、全然そんなのはなくって…、当たり前だけど(笑)、いい感じにヘヴィーでブルースなギターを全面に出したロックアルバム…、っつうかロックバンド。こちらもストラト使いの名手ってことらしいけど、Chris Duarteとは全く異なるストラトのトーンってのはストラトというギターの可能性の話になるのかもしれない。もちろんBuddaheadsの人のギターのサウンドもこれはこれで特徴ある音だし、しっかりとストラトだもんな。どの曲もそんな個性が出ていてフレーズも見事に本物のブルースを完全に吸収した後のギターフレーズ。だからロックアルバムの中でもブルースフレーズが生きるし、ブルースロックと位置付けられているんだろうと。メロディや曲自体は結構ポップな作りになっているのでヒットも狙える楽曲が結構ある。そのくせ本格的なギターソロやリフなんかで魂売り渡してないぞ的な面を主張しているのがバランス感だ。

 聴くとかなり素晴らしいブルースロックサウンドだし、心地良さもなかなかのものなんだけど無条件で手放しで聴きまくるか?と言われると、そんなでもないかもしれん…。この辺は多分Rory Gallagherと一緒でやっぱり曲の良さとか迫力とかインパクトとかっていう次元を好むか好まないか、っていう話なのでねぇ…。ただ、自分的に面白いし良い機会なのでその実何回も同じアルバムを流して聴いているんで、そのうち惚れるのかもしれませんが…(笑)。



Chris Duarte - Texas Sugar/Strat Magik (1994)

Chris Duarte - Texas Sugar/Strat Magik (1994)
Texas Sugar/Strat Magik Vantage Point
VantageVantage Point BlueBlue Velocity

 いつしかブルースを聴くようになってから、最初はよくわからずに黒人ブルースも白人ブルースも米国も米国もまとめて「ブルース」という枠の中で聴いていたんだけど、そのうちに色々と自分の中で大別されてきて、いわゆるカテゴライズなんだろうけど、世間的なカテゴライズとは合致してるかどうかは別として、自分ではきっと白人ブルースが好きなんだろう、と。ただし地域的に言えば一番アグレッシブに楽しめるのがテキサスブルースなんだろう、と。結果テキサス出身のホワイトブルースなら好きだ、ということだが、それってStevie Ray Vaughanなワケで、他の人っていないでしょ、と。あとはJohnny Winterか、と。あ、でもMike Bloomfieldっつうシカゴ出身者も好きなんですけどね。

 そこにTwitterでSRVみたいに燃えれるギタリストって他にいないんだろうか?と呟いてみるとChris Duarteって人じゃダメですか?って入ってきてさ、自分的には「誰それ?」って状態だったんだけど、そこで初めて知ったのでホントつい最近知った存在。1994年にデビューしているので16年間も自分的には知らなかったってことだ(笑)。いや、損した、ホントに。もっと早くから聴いてたら人生もっと得したと思うもん。それくらいに最近自分の心を掴まれて離せない存在として上がってきたブルースメンです。ちょこちょこと来日もしているし、日本のバンドとのジョイントアルバムも出しているという稀有な存在。

1994年リリースのファーストアルバムにして超名盤の誉れ高い「Texas Sugar/Strat Magik」タイトル通りにテキサス出身で甘いマスクですよ?んで、ストラト使いの魔術者ですからね、という意味かどうか知らないが、どんなタイトル。実際1963年製のストラトキャスターをフェンダーのアンプに突っ込んで弾いているようで、この音がもの凄く良い音。ホントにロックではなかなか聴けない凄く良い音。これこそストラトの正しい音でして、自分的にはストラトってあまり得意じゃないけど、こういう音なら弾いてみたいし、鳴らしてみたい。もちろん無理だが(笑)。まず音そのもので「うわっ」って来たけど、もちろんフレーズも曲もプレイも雰囲気も空気感もタイム感も全てが「かっこよくブルースしててロックしてる」んです。SRVのフォロワーとして本人も認識しているらしいけど、確かに似てる部分はあるが、コピーで出来る世界は優に超えている気がする。別の道で進んでいくんだろうなという予感もありながら、SRVを思わせる、正にフォロワー。最初は線が細いかな、なんて思っただんだけど、聴いているウチになるほど、こういう音か、凄いな、と変わってきて、今じゃ愛聴盤。続けてほとんどのアルバムを揃えて聴いて聴きまくってる。以降は結構作風もアルバム毎に変えたり、ギターにしても色々なチャレンジを試みている姿がアルバムごとのカラーとなって、ユニークな色を出しているしね。面白い。

 その「Texas Sugar/Strat Magik」での傑作はやっぱり大曲の「Shiloh」です。静かに始まってミドルで、そしてハードに熱く舞い上がって魂を聴かせてくれる一曲で10分弱。素晴らしい。どのアルバムも何となくこれくらいの曲が入っていて自分的には目玉になっているんだよね。いいんだわ、これがまた。思い切り酔えるんです、ギターに。気持ち良いトコロで気持ち良いフレーズが入ってくるって言うのがね、なかなかないんだよ。それが見事にハマってくれるのが嬉しい。これは好みとかだけの話じゃないと思うんだな。ジミヘン的な感覚論の気持良さとかに近い。なので、教えてくれた方にも大感謝だし、他にもこんなのいっぱいいるのかな?なんて期待もしてるし、楽しんでるしおまけにブルースなので暑い夏には燃えるし秋でもOK、冬でもOKな世界。ココのところかなりブルースばかりハマってるので気持ちの良さを追求してる部分あるね。



Chris Duarte「Texas Sugar/Strat Magik」、是非お試しアレ♪



Stevie Ray Vaughan - Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition

Stevie Ray Vaughan - Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition (2010)
Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition (Dig) The Sky Is Crying
Texas Texas Flood (Live At Montreux 1982)

 8月末頃からStevie Ray Vaughanの話題を聞くことが多くなってきたし、ブルースマガジンでもSRV特集だったし、何となく猛暑の影響もあってブルースがいいなぁ~と取り憑かれて始めていた頃でもあったのと輪を掛けて「Couldn't Stand the Weather」のレガシーエディションがリリースされたことに尽きるだろうな。コイツがなきゃ、そんなにブルース熱上がらなくてもよかったかもしれないんだけど、「Couldn't Stand the Weather」のレガシー・エディションのおかげでSRVにどっぷりと浸かってしまった(笑)。

 オリジナルの「Couldn't Stand Weather」は1984年にリリースされていて、丁度David Bowieの「Let's Dance」が売れまくってたのでSRVの名は割と知られ始めていた頃だったように思う。まぁ、当時からよくわからなかったけど無茶苦茶かっこよかったもんなSRV。ってことで実はオリジナルの方は既に本ブログで書いたことがあるので、そっちを見てもらうとして、今回の「Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition」では実にオリジナルに加えて「The Sky Is Crying」で発表済みの4曲、完全未発表3曲、1999年の「Couldn't Stand Weather」リマスター盤でのボーナストラックで発表済みの4曲ってのがスタジオ盤の追加。そして何と言ってもDisc2に収められている1984年8月17日に行われた有名なモントリオールのライブが聴けることだ。やはりオフィシャルで出てくると音が綺麗だから良いねぇ。ちなみにこのモントリオールでのライブは昼と夜の二公演やっているので実は演奏曲目が結構色々ある。詳しく調べてないけどどうやらEarly SHowからの収録っぽいね。wolfgang行くと昼夜両方共聴けるからちゃんと比べればいいんだけど…、別にいいや(笑)。

 この頃既にそれほど若くなかったハズだから若気の至りによる熱いライブってのとはちょっと違うんだろうけど実い充実したライブで、聴いていると思わず体が乗り出してしまうというSRV独特のリズムとフレーズが堪らん。ブルースいいなぁ~っつうかホワイトブルースロックが良いんだよな。エグい音でさ。今にして思えばSRVの登場ってのはジミヘンの次の変革だったのかもしれない。たっぷりと詰め込まれたSRVのこの時期の音源集としての「Couldn't Stand the Weather: Legacy Edition」は実に嬉しいものだ。「Little Wing」はもうジミヘンを超えているのは間違いないと思ってるしね。泣けるモン、ホント。超感動です!

 あぁ…ブルースいいな。たっぷりとブルースに溺れてみる秋。いいね。バーボン片手に楽しみたい♪



Eric Clapton - Clapton

Eric Clapton - クラプトン (2010)
クラプトン Crossroads Guitar Festival 2010 [Blu-ray] [Import]
Autumn Autumn Leaves - Single

 四季で一番好きな秋がようやく訪れた気がする。秋って短いんだよねぇ…と風情たっぷりなことを書いてみるロック好きでしたが、そんな季節を狙ったかのようにリラックスしたアルバムをリリースしてくれたエリック・クラプトン。普段はほとんど全くと言って良いくらいにクラプトンは聴かない自分なのだが、秋の気配とここのところのリリースラッシュに便乗してどうせだから久々に聴いてみようかな、などと思った次第だった。

 タイトルもずばり「クラプトン」とは…、節目なのか自信なのか、今だからできるタイトルなのか、多分全部だろうな。ここのところのエリック・クラプトンと言えば人生の総決算に入っているようで、クリームやったりBlind Faithみたいなのやったりベックと一緒にやったりあとはヤードバーズの再結成くらいか?ま、冗談としてもそんな感じで自分の歴史を振り返っている傾向で、聞けば今回も5年ぶりのオリジナルアルバムだとか。どうにもブルースっつうかブルースじゃないし、ロックでもないし、歌手っつうのかな、ちょっと神々しい世界に行ってしまった感じだったしさ。やっぱ長生きしてロックをやり続けるのって難しいんだよ、見ている側からすると。

 そんな戯言はともかく、この「クラプトン」というアルバムだ。年相応にまたブルースかな、なんて思ってたら驚くことにジャジーな音やブルース、ラグタイム的なソフトに優しい歌モノアルバムでした。全く秋の夜にはぴったりな雰囲気が素晴らしい。何度も何度もじっくりと聴くという作品にはならないが(自分には)、無茶苦茶心地良いしリラックス出来るず~とどこかのBGMで生き永えていく名盤かもしれない。ロックじゃないことは間違いないんだが、まぁ、ジャズとブルースの合いの子ってトコで、その手の作品ってありそうでなかなか聴けない音なのでさすがクラプトン、と言ってしまうところだ。もちろん自身の得意のギタープレイも要所要所で味のある音色を聴かせてくれるのも素晴らしい。

 クラプトンの行き着く先のひとつはここだったのかな、なんて思ってしまった作品です。肩肘張ったところが全くなくってとにかく一人でじっくりと酒を傾けて暗いバーで飲んでるっていうのに相応しいアルバム。多様なゲスト陣も参加しているみたいだけど、そんなのよりもクラプトンのこの音…、脱帽です。だからクラプトンはあまり聴きたくないんだ、きっと…。この秋オススメのリラックスする名盤♪ ロック好きにはウケないだろうけど、大人にはコレは響くでしょう。そう、大人の音です。ヘッドフォンやiPodで聴くものじゃなくて、レコードでJBLで鳴らしたい音だね。



Rory Gallagher - Stage Struck

Rory Gallagher - Stage Struck (1980)
ステージ・ストラック(紙ジャケット仕様) Stage Struck
The The Beat Club Sessions Live Live At Montreux
 Rory Gallagherというギタリストは多分自分がロックを意識して聴くようになってからず~と聴いている人だと思う。その割に無茶苦茶愛着があるというワケでもなく、また全アルバムを含めて揃えて聴きまくったというものでもないのが不思議。そんなRory Gallagherなんだが、最初に聴いたのが今回の「Stage Struck」というアルバムだった。もう25年くらい前の話だが(笑)。友人の兄貴が不良ロック好きでして、結構年上だったんだけど何か入り浸っててさ、よく夜中にロック話して教えてもらってた。ギター弾きながら酒を飲みながらレコード流してね。結構色々と教えてもらったんだよな、懐かしい。

 1980年にリリースされたRory Gallagherの名盤の中には入ってくるだろうライブアルバム「Stage Struck」。よく知らなかったけど1975年を境に所属レーベルがポリドールからクリサリスに替わっていて、この「Stage Struck」はクリサリス時代の楽曲を収めたライブ盤としてリリースされたもののようだ。まぁ、ライブの定評が高いRory Gallagherならライブ盤をリリースしておいてくれ、ってなことだろうが、正にレコード会社の思うツボで、しっかりと名盤になった。しかもこれまでのRory Gallagherのイメージとは割と異なるハードロック路線てなこともあって好みが分かれる時代だったみたいだけど、ロック畑のリスナーが多いRory Gallagherのファンであれば問題のない範疇ではあるか。ちょっと興味深いのは後にMSGでドラムを叩くことになるTed McKennaが流れ流れてここで参加しているってのもあって、フムフムと気になるのです。Michael SchenkerとRory Gallagherがつながるんだもんね、これで。ま、それはよしとして…。

 そのライブ盤「Stage Struck」はねぇ…、その昔に聴いた時もカッコ良いなぁ~!っていう印象でそれはもう最初から全然変わらない。ただし、何回も聴くことが多くなかったのは単に楽曲があまり面白くなかったから、だと思う。プレイヤーとしてのギターとか暑い魂とかエネルギッシュなギターなんてのはもうホント大好きなんだけど、曲が面白みに欠けるっていう弱点があるのがRory Gallagherにとことんハマらない理由。これはねぇ、Taste時代から一緒でね、だからライブ盤は凄く燃えるんだけどスタジオ盤しらないと面白くないからスタジオ盤聴いてみると曲が面白くないってことに気づいてあまり効かなくなるからライブだけを聴いても知らない曲が出てくるとちょっと興醒めするじゃない?そういうのがあって、愛聴盤にはなってないんだな。ただ、その分面白いのは毎回聴く度に「うわぁ~、熱い!」とか「かっちょえぇ~!」ってのは思うワケですよ。それとジャケットを見ると「あ~、これ懐かしい、かっこいいんだよなぁ~!」っていう印象は変わらない。んで、聴いてみても同じ。ただ、聴き過ぎてはいけない人なんだ、多分。その代わり、聴いている時の自分のテンションの上がり方は物凄い。だって無茶苦茶熱いんだもん。だから燃え尽きる、ってくらいに燃える(笑)。

 そうそうアルバムジャケットの方もさ、アナログ時代しか知らないし、最初に聴いたレコードのままでしか持ってないから昔の日本盤のジャケットのイメージなんですよ。今のCDのジャケットなんて全然知らなくてさ、多分これがオリジナルなんだろうけど、自分のオリジナルは国内盤のジャケット。なので、やっぱりそっちの印象だね。



Santana - Guitar Heaven: Greatest Guitar Classics of All Time

Santana - Guitar Heaven: Greatest Guitar Classics of All Time (2010)
Guitar Heaven: Greatest Guitar Classics of All Tim ザ・ベスト・オブ・サンタナ
The Masters Collection

 随分前にサンタナがロック名曲のカバーアルバムをリリースするっていう情報を見て、何でまた今更?みたいに思ったんだけど、そういえばそろそろ出たのかな?なんてちょっと面白そう♪と思って聴いてみました。ここのところオリアンティの師匠ということでサンタナに注目することもあったから丁度良いタイミングなんだろうな、これ。きっとその他の人々に対してもオリアンティ効果でサンタナに注目させてるのはあるんじゃないだろうか?

 タイトルはまんま「Guitar Heaven: Greatest Guitar Classics of All Time」ってことでね、収録されている曲も確かに名曲群ばかりで、意外なのはAC/DCくらいかな。いや、ギタリスト的にAC/DCのアンガス・ヤングってテクニカルに聴かせるワケでもないからサンタナが取り上げるにはやや不足なんじゃないかと思ったんだよね。しかしまぁ、最初からLEd Zeppelinの名曲「胸いっぱいの愛を」ですが…、これ、凄い太い音で再現しているけどどんなセッティングとギター使ってるんだ?さすがサンタナ、いとも簡単にこの曲を完コピしまくりながら更にオリジナリティを加えてサンタナ風味に仕上げてある。全く原曲に負けていないのが凄い。それと歌ってるのがクリス・コーネルって元Soundgardenっつうグランジバンドの主だった人なんだけど、見事に歌ってる。う~ん、テイストは違うけどプロだなぁ…。サンタナも負けじとギターソロで出てくるんだけどさ、これもまた完コピじゃないのに見事にテイストがコピーされていて違和感なし。さすがプロ…。そんな調子で「Sunshine of Your Love」なんかもやっててさ、今度はもう歌よりもサンタナの終盤のギターが凄い。クラプトンのそれを完全に超えてしまったギターソロ。こういうのはもう卒業していたサンタナが熱く弾いてるのでそりゃ凄いさ。「While My Guitar Gently Weeps」は…。結構原曲壊して再構築してるけど、どれもこれもコンガが入ってるからサンタナ風味ってのもあるな(笑)。んで、AC/DC…これも原曲崩しまくってラップに仕上げてしまっている。ちと行き過ぎ(笑)。続いての驚きはレイ・マンザレクも参加したThe Doorsの「Riders on the Storm」だけど、もうず~っとサンタナ弾きまくっててコンガも入って、サンタナバンドによるカバーってトコだ。アメリカ生まれの曲だから違和感なく仕上がったのか…、しかしサンタナ…良いギターの音してるわ…。

 んで…ギターキッズ必須曲「Smoke on the Water」…イントロから絶妙なタイム感とちょっと奥に引っ込んだような音の出方も見事。そこにコンガ…、そしてPapa Loarchのボーカルによる結構ヘヴィな歌声も合ってるし、オブリではひたすらサンタナが弾いているのもギターの主張。うわ~さすがに心地良い。こんだけ軽快な「Smoke on the Water」って聴いたことないかも(笑)。しかしT-Rexもよく出てくるけどやっぱアメリカでも名曲扱いなのかね。そして本命ジミヘンの「Little Wing」はイントロなしで歌から始まるもののしっかりと雰囲気は踏襲したもので何とボーカルはジョー・コッカーだから普通に哀しいワケだ。そしてサンタナのソロも珍しく乾いたトーンで独自の解釈で弾いているけど、よくわかってるよなぁ…。しっかりジミヘンの雰囲気出てるもん。ここまでやられると何も言えないわ…。そして「Little Wing」がどんだけ良い曲かってのがよくわかる♪

 他にもあるけどロック的に気になったのはそんな感じなんだよね。「Guitar Heaven: Greatest Guitar Classics of All Time」は何回も聴かないだろうけど、サンタナという人のエッセンスはしっかり伝わってくるし、好きなんだなぁ~ってのもわかるし…。やりたいことやれて良かったんだろうな、なんて思っちゃう。一度聴いてみると良いんじゃない?心地良いわ、これ。





Black Country Communion - Black Country Communion

Black Country Communion - Black Country Communion (2010)
Black Country Communion Black Country

 何かで見て「へぇ~」なんて思った程度だったんだけど、よくよくリリース情報を見ていたら「は?」っと言う事に気がついたので凄く気になってきて速攻で聴きました♪ご存知の人はご存知だろうけど、一応書いておくとですね、グレン・ヒューズとジェイソン・ボーナム、更にブルースギタリストとして名を馳せていたハズのジョー・ボナマッサとデレク・シェリニアンというメンツ。馴染みのない名前は多分最後のデレクさんですかね…、ドリーム・シアターの鍵盤奏者だった人らしいです。そんな四人が組んで歌はもちろんグレン・ヒューズがメインでジョー・ボナマッサが何曲か、っていうトコですが…、結構年齢差ありそうなバンドだな(笑)。

 バンド名、アルバム名とも「Black Country Communion」にてお目見え。英国人半分とアメリカ人半分のバンド。まぁ、言い方によっちゃぁDeep PurpleとLed Zeppelinの合体ってか?しかしジョー・ボナマッサの参加が面白いな…。ブルースメンだけでは生きて行けなかったのか、思い切りハードロックに身を転じるとは…、そして驚くべきことはその転じたハードロックのギタリストとしてしっかりと速弾きも含めて弾けてしまっているというトコだ。ギターリフやらナンやらも見事に重さを重視したリフとプレイと裏メロなんぞもあって、ここまで変貌できちゃうってのはやはり素地がロックだったんだと感心した。あ、いきなりギタリスト論から入っちゃったけど、アルバム全体像は、思い切りハードロックでグレン・ヒューズの歌もソウルじゃなくてハードロックの方で、重くてグイグイ引き込む英国ロック風ではあるが、上に乗っかる音がアメリカだから妙な雰囲気ではあるかも。ただ、歌がすべてを制圧しているのが圧巻。

 ジェイソン・ボーナムのドラムは、やはり重いよね。グレン・ヒューズのベースが重いのもあってかバンドのバックは重さがあって良い。ただ、ジェイソン・ボーナムのドラムもちと一辺倒な雰囲気あるけど、これはもうバンドの曲の問題かな。キラーチューンがちと弱い感じするけどまだまだきちんと何度も聴けていないから何とも言えないか。しかしジョー・ボナマッサ…、完璧にHRギタリストだよ。うん、かなり良いバンドに仕上がっているからしばらく楽しめそうだな♪







Robert Plant - Band Of Joy

Robert Plant - Band Of Joy (2010)
バンド・オブ・ジョイ Raising Sand (Ocrd)
Raising Raising Sand (Bonus Track Version)

 Page & Plant以来ロバート・プラントの作品をきちんと聴いたのはこないだのAllison Clausとのアルバム「Raising Sand」くらいだった。それから3年くらい経ったのかな?グラミー賞も獲得して自身の音楽性の進歩と世間に示した方向性の合致が嬉しかったんだろうと思うが、Led Zeppelinのメンバーの中でひとりだけ独自の世界観を持って進んでいるRobert Plant。それは自分の声の限界も知っているしLed Zeppelinも大事にしているからということが良くわかるだけに何も云えることがないのだが…。

 新作「バンド・オブ・ジョイ」をリリース。モロにBand of Joyとはロバート・プラントがLed Zeppelin結成前に組んでいたバンドの名前だし、ボンゾも一緒にいたワケで…、と深読みして、もしかしたら当時のバンドの連中と昔やってた音を再録して出すのかな?なんて思ったりもしたけど、結局そんなこともなくってナッシュビル界隈のミュージシャンとのカントリーチックなアルバムらしい、という報を聞いていただけだった。

 「バンド・オブ・ジョイ」を早速聴いてみると、これはまた…、カントリーというかナッシュビルっつうかRichard Thompsonの世界と言うか…、ロバート・プラントはこういうのを今やりたかったんだな…っつうのがわかるレベルの音。ロック…ではないけどなぁ、でもロバート・プラントが歌っていることで妙に融合されたサウンドになっているし、ここにジミー・ペイジが参加していてもおかしくはない。ただし、レスポールを掲げたジミー・ペイジじゃなくってアコギの方ね。

 はて、この「バンド・オブ・ジョイ」で従えているミュージシャンは生粋のナッシュビル周辺の連中らしく、それぞれは知名度があるらしいけど、多分ミュージシャンズミュージシャンって感じで一般からしたらよくわからない。ただ、出てくる音を聴く限りは面白いなぁ…と。普段聴くことのない音で、アメリカ的か、と言われると実はそうでもない。不思議なことに。英国的かと言われてもちょっと…というトコロだ。聴いた印象は正にRichard Thompsonの世界で…ってよく見たら2曲目にRichard Thompsonの曲やってる。

 って調べてみるとほとんどがローカルなカバー曲らしい。オリジナルもいくつかあるけど、カバーやトラッドの寄せ集め的作品とのことで、明らかに作曲能力に欠けるロバート・プラントはこうやって凌いでいくのだろうか。それにしても悪くない作品だね。ライブでは「Tnagerine」とか「The Houses of the Holy」や「Gallows Pole」なんてのもやってるから結構面白そうだ。





Michael Schenker Group - Live In Tokyo 2010

Michael Schenker Group - Live In Tokyo 2010 (2010)
ライヴ・イン・トウキョウ 2010~MSG 30周年記念コンサート [DVD] MSG 30周年記念コンサート~ライヴ・イン・トウキョウ 2010 THE 30TH ANNIVERSARY CONCERT~LIVE IN TOKYO
30周年記念コンサート~ライヴ・イン・トウキョウ2010 Live In Tokyo 2010 Michael 1st (Remastered)

 来日公演が今年の1月にあって、その模様のDVD化ってことでリリース広報されてから結構待ち遠しかったんだけど、まぁ、早いタイミングでのリリースだよね。しかも一応世界発売するらしいから、MSGのカタログに載るライブ盤って事になるはずだし。昨今のMichael Schenker関連のCDとかのリリースを見ていると何が本当にオフィシャルなのかわからないっていうのはあるけど、本人も編集に関わっているようなので、問題なかろう。

 Michael Schenker Groupの先日リリースされたライブ盤「ライヴ・イン・トウキョウ 2010~MSG 30周年記念コンサート」ですが、2010年1月13日の中野サンプラザ公演を収録したもので、当初はNHK-BSで放送するってことで収録して、放送したものがあって、そこから拡張した映像集ってトコなのでもちろん放送版よりも長いしボーナス映像もあったりするので良いね。放送版も途中途中にインタビューが挟まれていたので好きだけどさ。ライブ映像って結構見てると眠くなるのもあるので、雰囲気変えた編集は悪くなければ好き。悪くなければ、ってのが難しいんだが(笑)。

 はて、ここで見られるMichael Schenkerのプレイはもう全盛期にかなり近づいた完全復帰の様子でしてね、衣装も革ジャンにGパンにブーツという姿でもちろんスリムなスタイルはそのままなので色のついたサングラス風のメガネ以外がかなりオリジナリティをキープ。ギタープレイはもしかしたら全盛期より巧いかもしれない…、ただ白熱度には欠けるけど、もちろん成熟度と安定度は見事なもので、一音一音を丁寧に弾く姿が変わらないなぁ~と。構成されているメンバーもMSG30周年記念ってことなので、ドラムにサイモン・フィリップス。これがとにかく驚いた。スタジオセッションとして1stアルバム「神 ― 帰ってきたフライング・アロウー」に参加したに過ぎないと思っていたので、一緒にライブなんてやったことないだろうに…。もちろんプロなので問題ないんだけど、サイモン・フィリップスもこんなセッションに今の時点で参加するとは思わなかったので意外。ベースのニール・マーレイはまぁ、わかる。申し分ないでしょ。ただライブ自体ではちょっと落ち着き過ぎてた感じはあるね。それとボーカルのゲイリー・バーデン…、自分が声の出ない箇所は観客に歌わせるすたいると頭が薄くなったのを隠すためなのかず~っと帽子かぶりっぱなしでスタイル的によろしくない。そもそも声が出てないからなぁ…。でも、Michael Schenkerが気に入って一緒にやってるんだろうからいいトコあるんだろうね。中音域が良いと言ってはいたけど、それよりも欠点がいっぱいあるんだが…。まぁ、そんな不服やどうの、ってのが当然としても肝心要のMichael Schenkerのプレイにはやはり頭が下がる。やってる曲も幾つかの新曲はあるものの、根本的には1980年から1984年のものばかりで、改めての名曲群に感動、そしてギターソロの美しさにも再感動する。ギブソンからディーンに鞍替したフライングVの音もこだわって聴くとかなり異なるトーンだなぁとは思うものの、それくらいの月日の経過はあるだろうよ。

 そんなMSGのDVDはこれまでもいくつかリリースされているけど、多分1984年の「Live at Hammersmith Odeon」のライブ映像の次に良いまともなライブ映像なんじゃないかい、これは。曲の良さも際立ってるし。結構よく見ることになったDVDです♪





Lordi - Babez for Breakfast

Lordi - Babez for Breakfast (2010)
Babez for Breakfast Zombilation-the Greatest
Deadache Deadache

 モンスターバンドとして出てきたフィンランドの国民的バンドとまで知名度を上げたLordiが早くも5枚目の作品「Babez for Breakfast」をリリースしてきた。この前の「Deadache」からまだ一年強くらいじゃないの?もっと経ってるかな?あ、2年くらいか…、それでも結構なペースの速さで出してくるなぁ…。もっとも音的には飽き易いサウンドだから早い段階でどんどんアルバムを出してくれないと忘れてしまうというのも事実か…(笑)。

 80年代風ヘヴィメタルの再来とモンスターの衣装で超個性的な集団として名を馳せているLordi、今回のアルバム「Babez for Breakfast」にしてもそれは全く変わっておらず、それでいてその中にはしっかりとLordi節っていうのがあってさ、聴けば一発でLordiの音だなぁ、と納得するサウンドの個性は見事。ボーカルの歌声のみならず楽曲構成とメロディだな。やっぱりフィンランドのメロディセンスは好みなのだ。そして今回ちょっと出てきたのがMotley Crue的なパーティロックンロールに近づいた側面かね。簡単に言えば三曲目のベタなタイトル「This Is Heavy Metal」なんつう曲では思い切りMotley Crueなサウンドなんだよね。逆にカバーされてもおかしくないくらいにハマってたりして笑える。うん、相変わらずどの曲聴いてもレベルの高さはキープされてるし、これもまた聴き込むのが楽しみな一枚。

 「Babez for Breakfast」でのアルバムジャケットはこれまでとガラリと趣向を変えたコミカルなものになっているんだが、何か意図があるのかもね。それとも単に余裕をぶちかましているだけ?まぁ、こんなふざけ方もLordiらしいっちゃあLordiらしいが。

 「Babez for Breakfast」はまだ数回聴いただけだけど、これもまた良い作品だ。キラーチューンをどれにするか難しいんだけど、どれもこれも良質で聴きやすいからアルバムとしてまとまっている。今時のメタルなんぞはやたらと展開が凝っていたりして音数が多いのだが、Lordiはその辺シンプルで大人のメタラーには受けやすいハズだ。なんせ歌メロもポップスに引けを取らないくらいメロディアスなのだから。全15曲入りながらもどれもこれも3分台の曲ばかりなので聴きやすい。ジャケットのエグさにビビらず手に取って、更に言えばビデオを見てもらう方が楽しさ倍増のバンドだね。






Tarja Turunen - What Lies Beneath

Tarja Turunen - What Lies Beneath (2010)
What Lies Beneath What Lies Beneath
What Lies Beneath - Tarja What Lies Beneath My My Winter Storm

Nightwishを脱退してからアルバム「マイ・ウィンター・ストーム」をリリースして、それは歌手ターヤの側面が強くてもう聞けないであろうNightwishのあの豪勢なアレンジにようオペラチックなターヤの歌声を…という願いは到底叶うものではなかった。ライブなんかを聴いているとそれらしい曲があったりNightwishの曲をやっていたりするので決してHR/HMがキライになったワケではないみたいだけど…。

 そんな心配をしながらもうターヤは歌手として、普通に歌っていくことを中心とするのかななどと思っていたトコロに新作リリース。まだ出たばっかりだから深追い出来てはいないけど新作「What Lies Beneath」では結構バラエティに富んだ曲を歌っているという印象。相変わらずあの歌は健在でしてね、まぁ、Nightwishのような曲はないんだろうけど、それでも「Little Lies」や「Dark Star」とかはあの頃を思い出させるような雰囲気のメタルを展開しているし、楽曲中ほとんどは歪んだギターと重いドラムで攻め立ててくれるのは嬉しいな。もちろんあの歌声によるオペラチックな楽曲も入っているのでしっかりと世界を出しているのは当然か。また、何人かのミュージシャンを迎えてのセッションもいれていて、アルバムに変化を付けているんだけど知ってるのはジョー・サトリアーニくらいかなぁ(笑)。しっかりとソロを弾きまくってて楽曲とは全く異質な世界になってるけど。

 ターヤって多分やりたい音楽って二種類あるんだろうな、と「What Lies Beneath」を聴いていて思った。中途半端なのはないからやっぱりパワーメタル的なのかオペラティックに歌を聴かせる静かなものか、っていうもので、どちらも申し分ないんだけど、そこにはキラーソングってのもがないのがネックか。その辺がNightwishのツォーマスの才能だったのだろう。どこかで何かキラーチューンを見つけないとこのままただ知名度のある歌手として存在しているだけになっちゃう…。

 その「What Lies Beneath」という作品、アマゾンをチラリと覗くだけでも三種類のジャケットがあってよくわからんが、いつも色々なジャケットで出してくるのも戦略だな。しかし…センスイマイチ(笑)。そういえばデラックス・エディションにはWhitesnakeの「Still of the Night」のカバーが入ってるけど…、いまいちなカバーだな…。





Accept - Blood of The Nations

Accept - Blood of The Nations (2010)
ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ Restless & Wild
Blood Blood Of The Nations Restless Restless And Wild
 復活劇で騒がれることの多い今のロック界だが、ここのトコロ90年代に失墜していったヘヴィメタルバンドが徐々に復活作をリリースしたりして賑やかになりつつある。それは多分HR/HMというジャンルが多様化して幅広い層を巻き込んでの展開を見せたからとも云えるんだろうなぁと最近のメタルを聴いていたりすると思うのだが、そんな中、ほぉ~と思う再結成劇がもたらされたのでちょいと取り上げておきましょう~。

 ご存知Acceptというドイツのバンドの新作「ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ」です。Acceptと言えば80年代の名作「Metal Heart」「Restless & Wild」なんていう二作が圧倒的に自分の中では占められていてですね、まぁ、それ以降はメタルから離れてたってのもあって聴いてないんだな。ボーカルのウドが脱退したとか、その後しばらくして解散したとかそんなのは何となく知ってたけど、っていうくらい。それでも「Metal Heart」「Restless & Wild」のあの強烈にヘヴィでグイグイと引っ張られるようなウネリ具合ってのは唯一無二のものだったし、インパクト絶大でしたね。

 それがこの時代に「ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ」で再結成、よく見ればボーカルはウドじゃないのでホントに再結成って云えるのかいな?と半信半疑だったんだが、聴いてみて驚いた。正にAcceptの音と声。新しいボーカルの人もウドに負けず劣らずのあのグイグイネチッこい声で全くAcceptサウンドそのもの。バックの音はもうそりゃAcceptだから違和感ないし、凄い再結成劇だわ、これ。ジャケットもしっかりと勝ち誇ったようなピースサインだし、今の時代的には全然合ってないけど80年代Acceptそのままを再現しているのは見事。こういうシンプルなメタルってのは聴きやすい。

 昔聴いてたなぁ~とか80年代メタルの新しい刺激が欲しい人は絶対オススメ。多分今初めて聞いてもインパクトある歌なんじゃない?ウドじゃないにしてもこれは凄い。ドイツの硬質なトコロはもちろんキープしてます。ギターソロがもっとあってもいいんじゃない?ってのは感じるけど、多分音的に埋もれてしまっているだけかもしれない。いや、気合入る一枚です♪



Iron Maiden - The Final Frontier

Iron Maiden - The Final Frontier (2010)
ファイナル・フロンティア ファイナル・フロンティア(初回限定盤)
The The Final Frontier (Deluxe Version)

 既にアルバムデビューから30年が経過して今では世界的に影響力を持つヘヴィメタルバンドとして君臨しているアイアン・メイデン。ブルース・ディッキンソンが舞い戻ってきてからは新作というよりもこれまでの活動を包括するようなノスタルジックバンドの側面が強かったような気がするが、それはそれで多くのファンを涙させたし、感動させたことだから良かったのだが、一方で新作を望むファンも大勢いたのだろう。もちろんメンバーが一番それを切望していたのかもしれないが、前作から4年の月日を経て大御所アイアン・メイデンの新作が登場した。

 リリース前から話題になることも多く、それはツアーの様子を記録したDVDだったりツアーそのものの話題だったりしたんだけど、その流れで自分のところにも「ファイナル・フロンティア」という新作の話題は結構舞い込んできていた。それもあってリリースされてから割と早い段階で聴くことができたのはよかったけど、これがまた難しくてさ…。どこかしっくりとこない感じもあって、やっぱり往年のバンドの新作ってのは…、ましてやHMの世界では難しいものなのかな、なんて気がしたものだがやっぱりどこか気になるので即判断なんてしないで何度も何度も聴いてみたんだよね。そしたらさ、やっぱり聴く環境にもよるんだろうけど、きちんとした音響の環境で聴くとこの「ファイナル・フロンティア」というアルバムの面白さが出てきた。一説には音が篭っていてあまり良くないなんて書き方されていることもあるけど、自分的にはこれ、凄く聴きやすい(笑)。それで聴いているから全く80年代風味で聴いているのかもしれない(笑)。

 うん、冒頭から8分を超えるテーマで、全体的にはアイアン・メイデンらしい、という感じではないんだけどそれぞれはアイアン・メイデンらしいフレーズだったり展開だったりを持っているというのは当たり前か。3曲目の「Mother of Mercy」なんてブルース・ディッキンソンがここぞとばかりにいつものシャウトというか歌い方でツボにハマるし、5曲目の「The Alchemist」は従来ながらのアイアン・メイデン節が聴けるナンバー。6曲目「Isle of avalon」はもうスティーブ・ハリスのベースが心地良い世界でなかなかシュールな世界観を聴かせてくれる。終盤にかけて進めば進むほどアルバムの出来映えが良いってことに気付き始めてきて、焦って聴いてはいけないね。じっくりと向きあって聴かないと面白みが半減しちゃう。

 結論的には「ファイナル・フロンティア」は超名盤!ってワケじゃないけどしっかりとアイアン・メイデンらしい曲とレベルを保っている作品になっていて、いつまでどこまで続けるのかわからないけど楽しめるアルバム。多分ここに足りないのは若さだな(笑)。



Slash - Slash

Slash - Slash (2010)
スラッシュ~デラックス・エディション(初回生産限定盤)(DVD付) イッツ・ファイヴ・オクロック・サムホエア(紙ジャケット仕様)
Slash Slash It's It's Five O'Clock Somewhere

 放浪のギタリストとしか思えない状態が長々と続いている今では伝説のバンドとなってしまっているGuns'n Rosesのギタリスト、Slash。あ、でもGuns'n Rosesってのはまだアクセル一人で持っているのか…。まぁ、アクセルとスラッシュが一緒にやってこそのバンドという認識だから既に終わって久しいバンドと思ってるんだが(笑)。まぁ、そんなスラッシュってのにはそれほど興味がなくって、何枚かプロジェクトでアルバムを作ったりしていたのは知ってたけど、あ、その後はVelvet Revolverか…、結構この二十数年間で活動しているのか?いや~、ちょっと少ないだろうね(笑)。でも、勿体無い人だとは思う。元来バンドのギタリストとして才能を発揮するのになかなか出てこないってのは本人が怠慢なのか力量差がありすぎるのか…。

 それはともかく、ようやく自身のソロアルバム「スラッシュ」、本当の意味でのソロアルバムを作ったスラッシュが選択した手法は、曲を全部自分で作り、もちろんギターを弾くんだけど、あちこちのボーカリストにそれを歌わせてひとつのアルバムとしたやり方だった。ポール・ロジャースが「Muddy Water Blues」でギタリストを取っかえ引っかえしてブルースアルバムを作った時と同様にボーカルを変えていくってのは面白い試み。それと、SommerSonicで来日した時にマイケル・モンローが大阪では飛び入りしました、ってのは聞いていたんだけど一体それで何を歌ったんだ?と気になって追っかけてて、それが「We're All Gonna Die」という曲で、何だこりゃ?って調べてみたら今回のスラッシュのソロアルバムの中の最後に収録されている曲で、なんとIggy Popが歌っている曲だった。なるほど、だからマイケル・モンローが一緒に歌っていたのか、とマイケル・モンローのここまで来てもまだミーハーなトコロに感動した(笑)。イギー大好きだからねぇ…。

 それでアルバム「スラッシュ」を最初から聴いてみるんだけど、知ってるボーカリストの名前はそれほど多くないが、来日公演に連れてきていたMyles Kennedyってボーカリストの評判が良かったのでなるほど、と云う感じだな。はいt-んでも声が痩せないでしっかりと出ているもん。それもそうかと…、この人って2007年のZeppelin再結成後にバック三人のメンバーが集まってプラントなしのZeppelinをやろうとしていた時に一緒にセッションしていたボーカリストだったんだよね。だから相当の実力者なんだろうと思うワケさ。結局ポシャってしまったプロジェクトでそれはその方が良かったんだが、どんな歌なんだろ?ってね。それと、大御所オジーもあの独特の歌い方で参加していて、まぁ、ちょっと聴けばわかるさ(笑)。それと圧巻の迫力を示していたのがWolfmotherのアンドリュー君。スラッシュをバックにして自分の世界を作ってしまっていて、それはスラッシュが思い描く世界とWolfmotherがやってる世界が似ているからだろう。そして期待はモーターヘッドのレミーの歌だ。スラッシュも見事なもので、しっかりとそれにマッチした曲を準備していて適切な人物に歌わせているので、ここでは見事な融合を果たしている。そしてどこでも名前を見かけるデイヴ・グロールがここではドラムで参加、ベースは元ガンズのダフという後世でロックなインストを展開。面白い試みだね。お馴染みのA7Xのボーカルも参加して今度はスラッシュらしからぬリフを奏でるジャムも意外性に富んでいるが、う~ん、A7Xの世界観に近いかも。んで、最後はイギーの歌。マイケル・モンローが歌うのとは全然異なる世界で、どっちかっつうとスラッシュがイギーを選んだことの方が不思議な感じ。

 ってなことで、なかなか楽しめるアルバムに仕上がっているのでハードロック好きな人には何かと面白い作品です。問題はどれもこれもボーカルの個性で生きているけど、楽曲そのものがあまりインパクトがないってことか(笑)。ギタリスト的にはスラッシュらしいフレーズだ~ってのがあちこちで聴けるけどさ。







Dragon Guardian - 真実の石碑

Dragon Guardian - 真実の石碑 (2010)
真実の石碑 Dragonvarius(ドラゴンヴァリウス)
真実の石碑 真実の石碑 Dragonvarius Dragonvarius

 Light Bringerで名を馳せているFuki嬢なのだが、どうもこのヘンのシーンというのはよくわからない。今時なのかひとつのバンドで集中してやります、っていうのはあるんだけど、ゲスト参加と云うのか友情出演と言うのか、そんな意味合いで参加しているプロジェクトがあったり、完全に遊び的要素で参加しているのもあったりして、大いに音楽と仲間を活用して楽しんでいるという状況のようだ。この分だと声優とか俳優ってのも普通にやるんだろうな、という気がするし多分アニメも描いたり作ったりするんじゃないだろうか?いや、単に一つのバンドのボーカリスト、っていうだけじゃなくて参加作品が多いから最初よくわからなくて混乱したってことです。まぁ、自由な時代になったものだ。

 そんなFuki嬢が一躍有名になったのはこちらのDragon Guardianが先なのかLigth Bringerが先なのか…、まぁ、その辺も複合的メディアの露出による必然的な知名度の展開となるんだろうな。アニメから入ろうがDragon Guardianから入ろうがテレビ番組のインパクトから入ろうがアニメの絵から入ろうが何でもいいんだ。多分世界観は全て繋がっているだろうからという理由だね。

 はて、そのDragon Guardianって…、ちょっと前にCD屋さんで平積みされていて、ホントにメタルコーナーにアニメのジャケットが増えたもんだ、なんて思ってた中で目立ったバンドだったな、と今思い出した。その時もやや気になったんだけど流石にこのジャケは無理だ、と。まぁ、しかし今は事情が変わってFuki嬢をちょっと聴いてみたいので手に取ったワケですが、まぁ、このバンドはプロジェクトものということで、ルカッセンみたいなもんだ。PRGメタル、ってことらしくて(笑)、確かに聴いていると音はスピードメタルでものすごいテクニックやアレンジで、その上をFuki嬢の歌が駆けていくんだけど、流石にここまでのスピードの中で彼女の歌声はLight Bringerの時ほど生かされていなくてもったいない。これでは普通よりちょっと上のレベル程度だ。その辺がゲスト参加のレベル観の違いかな。

 ところがDragon Guardianは面白いもので、思い切りアニメとRPGの世界で造られていて、男優ナレーションとかアニメセリフとかが入ってくるので、一体何を聴いているのかわからなくなる(笑)。面白い世界だなぁ~と新たに知った世界に驚愕でしたね。そうか、そういう世界か、と一昔前に筋肉少女帯で大槻ケンヂが実現していた世界がここまでメジャーになってスピードメタルを伴って浮上してきたものなのかと。もちろんもっともっとファンタジックな思想が走っているんだけど、なるほどな、あまり触れたことのない世界だけどこんなふうに交錯していくのだな、と。

 Dragon Guardianでは3枚目の「Dragonvarius」とこないだリリースされた「真実の石碑」でFuki嬢が参加、曲構成などはどちらも大差があるように思えないんだけど、歌の使い方は「Dragonvarius」の方がFuki嬢のハイトーンをまだ生かせているかな。まぁ、そんなに個性を出しておくものでもないだろうからこれでいいのかもしれない。それにしてもオタクな世界があったものだ…。



Light Bringer - Midnight Circus

Light Bringer - Midnight Circus (2010)
Midnight Circus(ミッドナイト・サーカス) Tales of Almanac(テイルズ・オブ・アルマナック)
Midnight Midnight Circus

 某ブログの主はある日突然にLight Bringerという日本のバンドにハマりまくり、ひたすらにあちこちで呟いていたり挙句恋に落ちたと告白する始末…、Light Bringerのボーカルが20歳そこそこのお姫様でして、倍位の年のお父さんが恋した、と言っている様からして冷たい視線ではあったものの、お父さんをそこまで想わせてしまうバンドってどんなん?ってのがあって(笑)。いや、ブログ上でも非常にポリシーとスタンスを持った意見を書いていたりして、それは音楽でも経済でもしっかりとしていたんで…、そんな人間が血迷うとは何事!?っていう興味が最初かも(笑)。

 最初にね、ファーストフルアルバム「Tales of Almanac」を聴いたワケですよ。何となくバンドとかアルバムってのは最初から聴く方が良いってのがあったからかもしれない。「Tales of Almanac」自体はなるほど、こういう音を出すバンドなのか…、ポップでキャッチーなメタルでアニメ好きな女の子の歌なんだろうな。ただ、バックの音がとんでもなく凝ってて、テクニックも凄くて…っていうのはあった。最近のメタルってひたすらにアレンジされていて音の移動が早いんだよ。白玉伸ばしてっていうのがあんまりなくてひたすらコードが変わっていくとか鍵盤が上積みして曲の骨子を決めていくとかばっかりで目まぐるしいんだよね。ま、それでも軽快に聴かせていける明るさってのは見事だな、とは思った。しかし、大の大人を狂わせる程か?と疑問符。ん?と聞くとセカンドアルバム「Midnight Circus」限定の恋だとか…。なるほど…・

 ってな前置きで聴いたLight Bringer=通称らぶり~、っていうバンドのセカンドアルバム「Midnight Circus」なんだが、そもそもこのバンドってアニオタでもある…、言い方を変えよう。日本が誇るアニメという芸術を描くことも得意でちょっと前から出てきているアニメとクサメロの融合を普通に受け止めて聴いていた世代の若者達のバンド、即ちアニメが既に世界文化として成り立っていた時代に、そしてクサメロも普通にアニメに使われていた頃の世代。更に、アイドルを歌謡曲で見て育つのとは違ってアニメの主題歌が異様にかっこよくて歌や音楽はそこから入ってくる世代…。要するに、従来の歌手という歌の歌い方がベースじゃなくって、多分アニメソングの歌が基本なんだろうと思う。知ってる人は知ってるけど、日本のアニメソングって昔から異常に歌が上手い人しか歌ってないし、それも独特の歌唱方法で歌われているので非常にアニメチックな歌、っていうのが存在していたし、そのままメタルをやっているというようなものだ。なのでそこら辺の歌手とは全然異質な歌唱力と歌唱方法なのだな。それがハマったのがLight Bringerかも。別に他にもいくらでもいるんだろうけど、まぁ、そういうことだろう、と。

 そんくらい新しい文化と世代の背景を知っておかないと音だけを聴いた時には全く混乱するのだな。もちろん自分も普通に聴いたから何でこんな歌でこんな声なんだ?え?それでこのアレンジ?ん~??って状態だったから(笑)。

 「Midnight Circus」は多分相当の名盤。何十回聴いても飽きないくらい深さがあって、ボーカルのFuki嬢の突き抜けた歌唱力と歌い方は日本人らしいけど日本人の歌い方を逸脱した、多分アニメとバンドの力量からして世界に出ていけるバンドだろうと思う。ビジュアル系の側面もあるし、こういうバンドが日本の親善バンドになるんだろう。まぁ、フィンランドのLordiの例もあるから良いのだが、大いなる誤解を世界に与えることにはなるか(笑)。

 最初から最後まで44分程度の「Midnight Circus」。無茶苦茶聴きやすいサイズが故に何回もリピートしてしまうアルバム。わかりやすく書けば音は最近の複雑なヘビメタだけど歌はホントに歌唱力のある歌がメロディアスで歌詞の世界も非常に興味深いテーマを扱った深い世界で、ポップでキャッチーなメロディ。バックのメンバーの力量は半端じゃない。こういう曲達って普通にはできないだろうからいくつものパターンを作っていって組み立てたんだろうなぁとは思うけどよく出来てる。出来すぎてる。変拍子も普通に取り入れてるしねぇ。

 「Midnight Circus」、凄いわ。こんだけ何回も聴くアルバムも久々♪ルックスとかバンドのスタンスとか気にしないで音だけ聴いたら日本のバンドも捨てたもんじゃないって思うでしょ。何が良いのか今でもよくわからんが、とにかく良く聴いてるし飽きないし、凄く良い、っていう不思議な世界。






Halestorm - Halestorm

Halestorm - Halestorm (2009)
Halestorm
Halestorm Halestorm (Bonus Track Version)

 この情報化社会の中で自分の好みの情報を漁るというのも結構大変になってきてしまっていて、何だかんだと情報入手が手間取ってしまうというのも結構あったりするのだな。最近はTwitterなんかでふらりと訊くこともあったり耳にすることもあったりするのでやや情報に好みが反映されるようになってきたのは多少救いかな。どんどん時間のない中でも情報収集になってくるし、一方では新しいサウンドがどんどん生まれているワケで、そんなのも聴いてみたいしさ、まぁ、忙しいわ。そんな流れの中で、ふと目に付いたHalestormというアメリカのハードロックバンド、ボーカルが女性ってことで基本的にアメリカのバンドだとそんなに注目しないんだけど何か評判よさそうなので聴いてみました。

 2009年にリリースされた最初のアルバム「Halestorm」でして…、まぁ、ジャケットのセンスの悪さがアメリカだな…っていうのはともかく(笑)、アルバムを冒頭から聴いているとコレ、結構凄いぞ、と。歌ってるの女の子だよね?とてもそうは思えないくらいネチッこく太い声の持ち主で全くロック向けな歌声だわ。実はHalestormって売れてるんじゃないの?って思うくらいにメジャー路線を走っているサウンドと歌声で、まだそれほどではないというのがちょっとびっくり。売れるでしょ、多分、もっと。アメリカなら余計に、っていう音です。簡単に言えばBon JoviとBrian Adamsを足してAlanna Mylesで歌わせたような感じ。こういう悲壮感のある声質って好きだな。冒頭から順にハメられていくという曲の並び方も凄くて、3曲目では既にロッカバラードに展開していて、何か聞き終えた感があるもんな。80年代風味のHRと言われているけど、多分そうなんだろうな。自分的に普通に耳に入ってくる音だから違和感ないってのは新しい要素が少ないってことだ(笑)。

 アメリカの音って力強くてスカッとするのが良いね。サビもきちんとしっかりとしていて覚えやすいし、よく出来ているもん。それだけ力入れて売るつもりがあるってのもわかるし、聴く側も期待して聴く。だから予定調和ながらもしっかりと楽しめる単純さ。たまにはこういうのも必要な音だ。Halestorn、今後が結構楽しみなかなりイケてるバンドです♪そういえば今年のLoudpark2010に来日決定しているみたいで、RattやAcceptと共に楽しめる目玉になるかもしれん。





ReVamp - ReVamp

ReVamp - Revamp (2010)
Revamp
ReVamp ReVamp (Exclusive Bonus Version)

 オランダのシンフォニックゴシックメタルバンドのようなジャンルの異名を取っていたAfter Foreverってのがあってね…、結構ゴージャスでホントにシンフォニックで起伏に飛んでてちょっとコッテリはしてたんだけどドラマチックで面白かったバンドがあったんですよ、いや、つい最近までの話。もちろんボーカルはお嬢様でして、その手のモノが好きなので結構聴いていたりするんだけど、問題なのはそういうバンドの情報をあさろうとしないってことで、去年解散していだとは知らなかった。そんなのを知ったのも今回のRevampというバンドが出てきて、After Foreverのボーカルだったフロール嬢が自分で始めたバンドってことで知ったのだが、全く情報量が多くて追い付いていけない状況ですなぁ。

 ReVampというバンドのデヴュー作となる「Revamp」、こないだリリースされたばかりだけど、往々にしてこの手のソロ活動ってのは元のバンドの雰囲気を踏襲しないケースが多いのかな、なんて勝手に思ってて、それというのもやっぱり激しい音ばかりをバンドでプレイしていたからソロ色の強いバンドやソロ作だともっと幅を広げた作品を作ることが多いんだよ。ところがこのフロール嬢はソロ作ではなくってRevampというバンドのフロントレディーってことであくまでもバンドの音を打ち出して行きたかったのか見事にシンフォニックメタル的な路線で攻めてきたのは嬉しいね。

 かなりエッジの立ったサウンドで、別に目新しくもない音ではあるんだけどAfter Foreverがシンフォニックで起伏に富んだバンドだとするとそれよりももっと洗練されてEpica的になったっつうか…、よく区別出来ていないけどちょっと平坦になって疾走感とか躍動感で迫ってくるというようなところかな。聴き応えは結構あって、心地良さもかなりのもの。ただし耳に残るかと言われるとそれはちょっと時間かかると思う。良くも悪くもメリハリついてないからさ。アルバム全体として疾走感は凄いしリフとかの引っ掛かり具合も割と面白いんだけどね。

 ところが既にバンドのメンバーは全員入れ替わっているとか…、ソングライティングは一体どうしていくんだ?という不安もあるんだが、そもそもRevampってフロール嬢のプロジェクトバンドだから作品ごとに異なっていても良いのかね。まぁ、話題になってくれればまた聴くからそれも良し、と。



Liv Moon - Covers ~Scream As A Woman~

Liv Moon - COVERS~Scream As A Woman~ (2010)
COVERS~Scream As A Woman~(DVD付) DOUBLE MOON
COVERS COVERS ~Scream As A Woman~ DOUBLE DOUBLE MOON

 ちょこっとCD屋さんを覗いてみてメタルらしいコーナーを見ると必ず面展開されているLiv Moonの新作?新作っつうかカバー集「COVERS~Scream As A Woman~」なんだが…、いや、ジャケットは結構メタルコーナーの中にあれば目を惹き付けるものだし、それこそ宝塚上がりっていう知名度らしきもの…っても宝塚という知名度なだけで本人の知名度ではないワケだが、前作「DOUBLE MOON」で話題を振りまいてのデビューだったにもかかわらずその内容は実にお粗末なものだったという評価が下され、その起死回生の意味を含めてのカバー集「COVERS~Scream As A Woman~」なんだろうと推測しているのだが評判は如何に。

 なんつうのかね、歌が上手いのとかこういうのを歌っていきたい、とかゴシックメタルが、ナイトウィッシュが好みだってのはわかるんだがな、アーティストってのは好きなものを真似するもんじゃなくて自分の音とか歌とかを追求していってオリジナリティを出しながら認められていくという過程が必要であって、単なる歌手になるならそれこそ歌ってりゃいいだけなんだからあまりガを出しすぎる必要はなくってね…とクダクダと書きたくなるのですが(笑)、まぁ、前作「DOUBLE MOON」の名声失墜から「COVERS~Scream As A Woman~」による技量の巧さを打ち出したという試み、どうかね?

曲目:
Wuthering Heights
Call Me
Child In Time
Like A Prayer
Gimme Gimme Gimme(A Man After Midght)
The Show Must Go On
Lascia Chio Pianga

 まぁ、ここに来るロックファンなら大体知ってる曲だろうから興味は湧くんだろうけどね。正直言ってKate Bushの「嵐が丘」は見事なカバーで、本人に成りきっているとも云えるくらいの出来映えなんだが、どこにも個性はなく巧いという一言だけでねぇ…。ブロンディの「Call Me」は流石にゴシックメタル風味のアレンジしてあるので曲としてはストリングスも入ってゴージャスに仕上がってるけど今度は歌が弱いのが出ちゃったかんじ。別に悪くないけど…、ちと何かが足りない…、多分ロック魂。そして大胆にも御大Deep Purpleの「Child In Time」ですが…、もうさ、バックを演奏している人間達の方が楽しんでるんじゃないか、って感じですね。中盤のあのキメのあたりからはもう思い切りゴシックメタル風味+ストリングスを強めていくんだけど本人の歌の出番なんて当然少ないワケで…、一体どうしたいんだ?単にアレンジを楽しむなら聴いても良いけど、Liv Moonというのはどうすんだよ、ヲイ!ってのが強いわ。そして無茶苦茶な選曲は続く…、マドンナの「Like A Prayer」でもやっぱりバックのメタル音に負けてる気がするなぁ。しかしこの曲やっぱり良いわ、ってことに改めて気づいた(笑)。そしてABBA…、うん。んで、フレディの「The Show Must Go On」だが、これももう触るところなしのオリジナルの復刻に等しい仕上がりで、それだったらフレディ聴くよ、その方が力強くて気合入るもん。Liv Moonも確かに上手く歌いこなしているけどね、それはもう見事なものだけどさ。最後はこれクラシックの曲かな?凄い。ぴったりハマってて流石にこういうのは才能を思い切り発散している見事な出来映え。やっぱロックが難しいのだろうか?

 まぁ、そんな感じで凄いっちゃぁ凄いんだが、一体どうしたいのかね?売り方が悪いのかなぁ…。勿体無いとは思うもののそんなに長くリスナーは待ってくれないと思うんだがね。そういえば一度オフィシャルのLiv Moonのブログサイト覗いたことあるんだけど結構普通に素直に仕事してます~みたいな感じで興醒めしてしまったことがあったな。もちろん人間だからそれでいいんだけど、人間性売るよりも音楽売ってくれた方が良いんだが…と。




Nena - Made in Germany

Nena - Made in Germany (2009)
Made in Germany Cover Me
Made Made In Germany

 そういえば、自分の中でも今でもアイドル的に聴いているのがネーナ♪何かと話題になることが多くて嬉しいんだけどそれは概ね「ロックバルーンは99」時代のリバイバル的な話題ばかりで、ネーナがここのトコロは新作出したりツアーをしていたりと実にアグレッシブなアーティスト活動をしているということではないのが残念。その実今が本業とばかりに活動しているのだった。日本までその情報があまり伝わってきていないし、話題にもならないのはそりゃまぁしょうがないんだけど、ネット時代になってから追いかけやすくはなっているので、自分も細々と情報収集してます♪ちなみに、昨年「Made in Germany」というアルバムをリリースしていて、そのツアーからこの9月17日に「Made in Germany - LIVE」というライブ盤をリリースするらしいのでこれもまた楽しみ。みたいな感じで結構色々出てるんですよ。往年の曲も斬新なアレンジが施されて蘇っているのも面白いしね。

 そんなことで昨年リリースされた「Made in Germany」。そのちょっと前には「Cover Me」という往年のロック名曲群をカバーしたネーナの趣味が反映されたアルバムもリリースしていて、面白かったんだけど「Made in Germany」ではこれまた最先端のポップスというのかロック寄りなんだが、アレンジも音も全て斬新。革新的ではないけどネーナという売れる媒体…、ドイツでは今でも売れて続けている大物アーティスト的存在のようなので、その媒体を利用して実験的な要素も含めたアレンジが多い。それでいてもちろん聴きやすい曲や歌だったりして、なるほど面白い、と。ネーナ自身は多分歌が歌えればどんなアレンジでも楽曲でも良いというスタンスだろうし、今では特にロックに拘ることもないだろうからかなり多彩ぶりを発揮できているのは実感する。

 アルバムジャケットで主張しているみたいに結構とんがったイメージを持たせたサウンドが多いのは事実かな。単なるポップスってのはほとんどなくって、ちょっと無機的なのとか前衛的なサウンドも入ってくる。そこへネーナの歌だからソフトになって面白いんだけどさ、ネーナの声ってほとんど変わらないのな。もう50才くらいなんだろうけど全然変わらない…ってか巧くなってるから更に聴きやすいし、安定してる。見事なもんだわ。今度リリースされる「Made in Germany - LIVE」のジャケットもこれまた大人の色気たっぷりの期待盤だし、いや、全然目を離せない人だなぁ…。途中何年も名前聴かなかったけど、もう30年近く追いかけている人だしねぇ…。日本公演も見てるし(笑)。





Prince - 20Ten

Prince - 20Ten (2010)
20Ten パープル・レイン(紙ジャケ SHM-CD)
Purple Purple Rain
 80年代を代表するかのようなシンディ・ローパーがブルースアルバムをリリースして、マイケル・ジャクソンは鬼籍に入り話題を振りまいた、そしてプリンスもまた最近新作をリリースした。この人の場合はもう無制限に新作が出てくるので正直言って追いかけていられるはずもなく、とことん枯れることのない才能と常に斬新なアイディアを持ち合わせている本能には頭が下がる。ここまで天才ってそうそういないだろ、という認識は持ち合わせているのが、それが故に同じ傾向の作品は二度と出さないというような革新性もあるので、どこかの時期で気に入った作品があったらその作品前後くらいでしか同じような作風を聴くことが出来なかったものだ。

 ところが新作「20Ten」では驚くことに80年代のプリンスを彷彿とさせるようなアルバム~というキャッチコピーが目に入ってきたおかげでかなり気になったので久々に聴いてみることに。しかも大ヒット作「パープル・レイン」に通じるような、とあるのでこれはまたファンクなロックアルバムか?と期待。

 結果としては…、ココのところのプリンスの作風を知らないんだけど、最初からヘヴィなギターが右の奥のほうで鳴り続けていて、音だけ聴けば相当ヘヴィに歪んだ音で曲を支えているのだが、いかんせんミックス上ではおまけ扱い…。ここまで弾いててそんな扱いですか、とちょっと哀しくなるのだが、まぁ、楽曲の根本がダンサンブルでキャッチーなサウンドなのでやむを得ないのだろう。以降相変わらず多様なダンサンブルなサウンドが並ぶんだけど、特に面白いとも思わず、普通に聴けたってことは80年代のプリンスを踏襲しているからだろう。そうじゃなきゃ違和感ありありだったろうから。女性コーラスによる軽さとキャッチーさの強調、フワフワした感じでのエレクトリックポップス。

 どこまで行ってもプリンスらしいビートは健在で、このビートの上を如何に軽やかに主張したメロディとファルセットが流れるか、みたいなトコロなんで、ギターの比率とか、なんかの比率なんてのはその都度変わる、それでプリンスらしさを主張しているのだ。手法はそれほど多くないのにいくらでも曲が出てくる…、凄いな。確かに80年代風かもしれないけど、別に古さはないし、やっぱり最新作だ。



Cyndi Lauper - Memphis Blues

Cyndi Lauper - Memphis Blues (2010)
Memphis Blues アット・ラスト

 ここ数カ月の間ユーロとプログレをひたすら書きまくっていて、まさかひと夏を終えてしまうとは思わなかった。ユーロあたりからトラッドで涼しんでレゲエあたりから~なんてプロットを考えていたのが全然終わりゃしない自分のブログストーリー(笑)。まぁ、それはそれでしょうがないか…とtwitterで聴いて書いている音楽とブログの展開に隔たりがあって全く二重人格的に音楽聴いて書いていたみたいになっちゃった。その時その時で聴いたものを書いていたらホント一日何記事にもしないと追いつかないのでとりあえず一日一記事ペースで進めてます。

 そんなことで、プログレやユーロって世界の延長を諦めまして…ってか、ちょっと飽きたのでここのところ聴いて溜まっていた新着音源などなども紹介しておきたいな、なんて。別にどっかの回し者じゃないけど自分的にも楽しみなのがいくつか出てきてたから聴いてはいたんだよね。なので、ドドドッと♪

 まずは驚きの、全く驚きのシンディ・ローパー♪あのシンディ・ローパーの新しい作品を取り上げて聴こうなんてことがあるとは思わなかったんだが…、エイティーズのシンディ・ローパーを書くとか聴くとかはありだろうけど、もう60代が見えてきているシンディ・ローパーをねぇ…。うん、それもそのはず、こないだ出したアルバム「Memphis Blues」はタイトル通りにブルースやってたから。コレ、気になるでしょ?凄く気になるワケよ。彼女の声量や歌唱力ならブルースいいんじゃねぇの?って思うしさ、実際どんな風になってるか興味深々だし、しかもミュージシャンもしっかりと揃えてる。B.B.KingとかJohnny LangとかArren Toussaintあたりが見事。結果、バックはシンプルでとっても普通にブルースな演奏が聴けて、その上にシンディ・ローパーの歌声が乗っかっているので確かに本物のブルースアルバムです。アメリカ人、こういうの好きだろうな。

 ここまで歌えるならいつかジャズスタンダードとかやってくれないかな。本格的にやったら凄くハマるだろうし話題にもなるし、年齢的にも丁度良い感じじゃない?しかしここでブルースアルバムとはシンディ・ローパーの懐の深さに驚くばかりだ。ジャニスのカバーとか…、いや、色々やってほしいなんて思ってしまうね。絶対オススメってんじゃないけど、聴くきっかけにはなるし、ブルース好きな人からも好まれる玄人作品。スタンダードカバー作品なら「アット・ラスト」で歌ってるの出してるし、自分をよくわかってる人だね♪





Barclay James Harvest - And The Other Short Stories…

Barclay James Harvest - And The Other Short Stories… (1971)
アンド・アザー・ショート・ストーリーズ(紙ジャケット仕様) ワンス・アゲイン(紙ジャケット仕様)
The The Harvest Years

 壮大なオーケストレーションをひとつの売りとしてバンドの中できちんと組み立ててサウンドの要として使っていたBarclay James Harvestはどこか高貴なイメージも付いていたし、何よりもHarvestというレーベルの名前がバンドの名前の一部にも入っているというのが特別的な印象を持たせる。プログレというジャンルに手を付けて最初の頃に買って聴いていたバンドで、結構気に入ってアルバムを集めたバンドでもあったなぁ…。

 1971年にリリースされた三枚目の作品「アンド・アザー・ショート・ストーリーズ」、Robert John Godfrey繋がり~と思ったら「アンド・アザー・ショート・ストーリーズ」からオーケストラアレンジは別の人に替わっているのだった。Robert John Godfreyの仕事はファースト「バークレイ・ジェームズ・ハーヴェスト」とセカンド「ワンス・アゲイン」までだったので、本来はそっちを書きたいのだが、既に過去に書いてしまっているので三枚目の「アンド・アザー・ショート・ストーリーズ」です♪これまでとは変わってタイトル通りに短い曲を集めて収録したアルバムで、相変わらずの叙情性はより磨きがかかっている感じだ。長くなくても叙情性はきちんと出せるのだというバンドの力量がわかる。もちろんオーケストラアレンジ力も大きく貢献しているのだろうけど、それを前提とした楽曲作りもこれまた大変だろうし。

 「アンド・アザー・ショート・ストーリーズ」というアルバムではBJHの牧歌的な側面も結構出てきていて、叙情性だけではなくてアコースティックギターで奏でる曲が素朴でとてもプログレッシブバンドとしての音ではない、普通に牧歌的なサウンドなのだ。それが半分近くん占めているのも本作の特徴。以降のBJHの音楽性を聴いていくと「アンド・アザー・ショート・ストーリーズ」で結構実験的に変化をし始めたのだというのもわかってくる。好みは別として、この辺の音ってのはもうハマってくるねぇ…。好みなんだけどさ、何か…へぇ~、そうなんだ、みたいなことがいっぱいあって、聴き込みたくなる。一つ一つの音が意味を持っているように聴こえてきてさ。万人向けではないけど…、いいな。



Robert John Godfrey - Fall of Hyperion

Robert John Godfrey -Fall of Hyperion (1973)
フォール・オブ・ハイペリオン
 The Enidの中心人物ともなっているRobert John Godfreyという人は割と英国プログレッシブロックの真ん中を歩いていた部分もある人で、その名はBarclay James Harvestのオーケストラアレンジャーとして知られていたようだ。そこから離脱して自信の求めるよりオーケストレーションを追求したサウンドを構築すべくソロアルバムを一枚制作する。これが「Fall of Hyperion」という作品なのだが、その昔からメチャクチャレアなアルバムとして名を馳せていてですね…、まぁ、CD創世記のVirginからリリースされたので難なく聴けたりしだんですが、タイミング合わなかった人は全然入手できなかったアルバムじゃないかな。

 そのRobert John Godfreyの「フォール・オブ・ハイペリオン」という作品は1973年、the Enidのファースト「In the Region of the Summer Stars」から遡ること3年前にリリースされているのだった。こちらはオペラチックなボーカルもきちんと参加していてひとつの物語が進行しているコンセプト的アルバムなんだろうと思う。音の方もモロにThe Enidと言わんばかりのクラシカルなサウンドが詰まっている。もっともThe Enidよりも本格的なオーケストレーションで曲が構成されているので更にロック的ではない側面が強くて高尚な音楽が奏でられているというものだ。なるほど、Robert John Godfreyという人はこう言うのがやりたかったんだな、と言うのはよくわかるアルバムで、後のThe Enidでの洗練さもなるほどというのが理解できるってなもんだ。そんな作品。

 「フォール・オブ・ハイペリオン」は1990年初頭にCD化されてからリマスターバンガリリースされていないようだが、どうもマスターテープ紛失とのことで、最初のCDからの焼き直しでしかないためか音が篭った感じで今の時代にはとても良い音とは言えないのが作品の評価に繋がっているのかもしれない。これを良質の音で聴いたら果たして全然違う質のファンが付いてくるんじゃないだろうか?なんて思ってしまう。なぜなら自分的にはやはりこの作品は受け付けないからだ。なんかねぇ…、ダメだわ。昔も期待して買って聴いた割につまらなくて何度も聴かなかったけど、今聴いてみるとなるほど自分が好まなかったのもよくわかる。もちろん作品としては凄いんだろうけどね。



The Enid - In the Region of the Summer Stars

The Enid - In the Region of the Summer Stars (1976)
In the Region of the Summer Stars In the Region of the Summer Stars
In In the Region of the Summer Stars Aerie Aerie Faerie Nonsense
 まだCDがきちんとリリースされることだけで狂喜乱舞できるアイテムが存在しているということにまず驚いた。これだけ散々リリースされまくり、アルバムによってはリマスターとか単なる再リリースしかない中、初めてのCD化です、なんてのがまだまだあるんだなぁと。メジャーな部類に入るバンドとしては割と異例なのでは?アメリカものなんかではまだまだあるのかもしれないけど、もう全体的にあまり多くは残っていないんじゃない?でも、あんだけレコードって出てたワケだからそりゃ未CD作品なんて売れなかったのも数えたらいっぱいあるだろうけど…。

 英国の誇る英国らしいサウンドを奏で続けた今では伝統的なバンドとして語り継がれる…、それは多分ものすごく高尚なサウンドだったから…、そりゃだってクラシックかロックか?という議論が沸き起こるくらいにクラシックに根付いたサウンドなんだから当然か。もちろん自分的にはロックとして聴いてますけどね(笑)。

 その実The Enidの初期二枚の作品については所々の事情によりレコード通りには再発できなかったようで、CDがリリースされる際には新たにオーバーダビングを施した84年バージョンというものがCDバージョンとして存在しており、オリジナルバージョンは今に到るまでレコードでしか聴けなかったという代物だ。だから今回リリースされるオリジナルバージョンは26年ぶりくらいにリリースされる再発となるのだ。そこでファンの間ではまたどうなんだ?というウワサが出たものの遂にオリジナルバージョンだ、ということで熱狂的に迎え入れられているようだ。故にアチコチで情報を見ることが多い期待のリリースらしい。

 1976年にリリースされたThe Enidのファーストアルバム「In the Region of the Summer Stars」。自分ではアナログしか持ってないので全然気にすることなく普通にオリジナルバージョンしか知らなかったんだけど(笑)、CDバージョンも聴いてみたいななんて逆に思ってしまったが、いや、それでもあんまり記憶に残ってはいない作品だったんだよ。多分クラシック色強すぎるのと、全曲インストものなので聴き続けられなかったんじゃないだろうか。あまりよく聴く好きなバンドというモンじゃあないのは確かだ。それは今回改めて聴いてみても同じ印象で、ただ、中味はもの凄く壮大なクラシカル作品をこれでもかとばかりに繰り広げている起伏のある旋律が次々と飛び出してくる見事に音楽的な作品。



Hugh Hopper - 1984

Hugh Hopper - 1984 (1973)
1984 ホッパー・チュニティー・ボックス
1984 1984 Huge Hugh

 そういえば、とばかりにふと思い出して探し出してみたHugh Hopperの作品。Soft Machineのヘンな方向性の要因のひとつにはHugh Hopperのアヴァンギャルドなジャズ志向が大きく影響していたことは想像に難くなく、むしろその指向性があったからこそSoft Machineというバンドの方向性が見えたとも云えるのだろうと思う。もっともHugh Hopper一人の志向ではなくメンバー編成等も含めてそうなっていったのだろうが。

 それでね、随分昔にHugh Hopperの最初のソロアルバムってことで結構探して手に入れたのがあってさ。1973年のSoft Machine在籍中にリリースしたソロアルバム「1984」…。ジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」をモチーフにした作品ということで、真っ先のその発想はDavid Bowieの「ダイアモンドの犬」を思い出したんだけど、もちろん音楽的に何の共通項もありません(笑)。アーティストによる解釈というスタンスを比較する面では面白いだろうけど…。

 さて、そのHugh Hopperの力作はSoft Machineの仲間でもあるJohn MarshallやCaravanのPye Hastingsやカンタベリー一派のサックス奏者として名高いLol Coxhillなどを迎えてのアヴァンギャルド作品。Soft Machineの音が可愛く聴こえるくらいにぶっ飛んだ世界に進んでいるのが凄い。お得意のファズベースをたっぷりと活用して、何本もベースを重ねて楽曲を構築している…、言い換えるとベースをバックにベースでソロを取り、ベースで効果音までも奏でるというようなこともしていてアーティスティックに興味深い側面が強い。もっとも音楽性の面では多分にフリージャズな面とあくまでも「1984」の世界観を打ち出しているというのもあって「Miniplenty」なんてこの後のSoft Machineの「Six」に共通するミニマルミュージックの展開要素が既に構築されている。その世界観が見事に深層心理を恐怖に陥れる効果を担っているのだから、Mike Oldfieldの「Tubular Bells」と同年にリリースされている本作でのアプローチは決してMike Oldfieldの「Tubular Bells」が新しいものではないということを明示しているのもひとつの主張じゃないだろうか?もっともそれを自慢気に言う人じゃないし、Mike Oldfieldも知ったカンタベリー仲間だったろうし、行き着く音楽が同じでもおかしくはないか。

 そんな実験的側面を多分に持ったHugh Hopper最初のソロアルバム「1984」を聴くのなら、結構心してトライした方が良いかな。じっくりと集中して聴くなら相当楽しめるけどそうじゃなけりゃ単に苦痛な音楽と感じると思うだろうから(笑)。





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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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