Yog Sothoth - Yog Sothoth

Yog Sothoth : Yog Sothoth (1984)

1. Nekrosis

2. Maint Reve Vesperal Blule Par Le Phenix

3. Fou: L' Art Noir



 おそらくこのブログサイト訪問者の中でもこのアルバム知ってる人って数人じゃないだろうか?少なくとも自分は知らなかったし、聴いてみたいまでもウェブで他の人が何か書いているとかいうのを探してみても出てこないワケだ。そうなるとムチャクチャレアなのか全く聴く価値がないアルバム、バンドなのか、って話なんだよな。ただまぁ、情報の入手元が入手元で…うん、いつものsegador嬢のトコロだったのでね…。そもそも入手出来ないんじゃない?っていうモノで、それなら歩きまわって探して難しいだろうな、ってことでそんな時はネットです。何でもネットです(笑)。なのでネットで入手です。残念ながら音だけのDLでしたが、まぁ、聴いてみたいってのもあったので。結局気に入ったら探し続けるだけだろうし。

 ってなことでYog Sothothと言うバンドのYog Sothothですが…、もちろん恒例のアマゾンにもありません(笑)。何ででしょうねぇ…、って多分CDになってないんじゃないかと。そもそもどこの国のバンドだ?あ、フランスらしい…。ってかそもそもロックじゃないじゃないか(笑)。みたいなね…、いや、わかりやすい世界で言えば中期Soft Machineと同じような世界で、フリージャズとアヴァンギャルドの中間をフワフワと進んでいく、みたいな音なんでロックなんだろうが、心地良いのは確かだ。それで別に演奏レベルも高いし音もしっかりしているので単に売れなかったのか、ニッチなバンドだったのか詳細不明。音を聴く限りは実験精神旺盛で、その世界好きな人は楽しめるのかな、と。

 そうだな、今の季節にじっくりと聴くもんでもないかな(笑)。ただ、ヘンな世界~って流してしまうからさ。もうちょっとギターとかクローズアップして展開していけば派手なロックに近づいたのかもしれないね。全三曲というアルバムの攻勢を1984年にしていたっていうのも突出しているわ。ふ~ん、もうちょっとメジャーに近い方が聴きやすいなぁ…(笑)。

Valravn - Koder på snor

Valravn: Koder på snor (2009)

1. Koder pa snor

2. Kelling 

3. Sjon 

4. Kraka

5. Seersken
6. Fuglar 

7. Kroppar 

8. Lysabild 
9. Farin uttan at verda vekk
Koder Pa Snor
Koder Koder På Snor

 新しいモノに手を出す時って大体ジャケットからかなぁ…。音を聴いて良い、って思ったからっていうのが望ましいけど、実際に音を聴く前にジャケットなり風貌なりってのを見てしまうワケでしてね。誰かのブログで見るのもジャケットだし、twitterだって結局リンクでジャケット見るし、YouTubeで聴いてくださいっていうのもあるけど、その実あんまりYouTubeで「聴く」ということはしないんだよ。「見る」ってのはあるけど「聴く」ってのは発想がそこに行き着かないんだよね。古いかもしれんけど(笑)。やっぱ聴くならそれなりの音で…とか下手に悪い音で聴きたくないってのはあるからかも。ライブとかだと全然気にしないんだけどさ。

 まぁ、そんなことでいつもの情報源ブログで見かけた「Koder Pa Snor」のこのジャケットのセンスの素晴らしさがまず気になり、そこにデンマークのラジカルトラッドバンドだ、とワケの分からない形容詞が付いていて頭の中は「???」です(笑)。気になるよな、そうなるとさ。ジャケットから察するに決して明るくはないだろうし、どこか毒があるはずだけどどうもメタリックな感じではなさそうだ…、もしかしたら呪術系?とかそんなイメージ。いずれにしても聴いてみたいなぁ、なんて欲がそそられてしまったんだ。

 なかなかそう簡単に聴けるモンでもなかったのもあってちと時間がかかったんだけど、成せば成る、ってことで期待を込めてですね、聴くのですよ…、「Koder Pa Snor」を。何だこの音は?っていう期待感はしっかりと満たされまして、それどころかこのエキセントリックな音世界はやはり新たな世界に突入間違いない。なんつうのかね、こういうの…。民族楽器で熱気を奏でるロック、そしてパワフルな女性ボーカルによるヒステリックなまでの世界構築。ロックてエレキで掻き鳴らすだけじゃないんだよ、ってのはあったけどここまでポジティブに民族楽器を使ってできるものなのか、と。楽器の名前もよくわからないんだけど、耳慣れていない音ばかり。パーツパーツでは聴いているんだろうけどさ…、とにかくジャケットを裏切ることのないインパクト絶大の世界観にタマげた。凄い。

 何回も聴いて覚えられるほどのもんか?って言われるとちと厳しいだろうけど、聴きやすいのは聴きやすいしね。ただ、気合がないと聴けないなぁ、自分は。好きな世界なので余計に、かな。しかしとんでもない世界があってロックがあって、デンマークですか…、へぇ…。



White Willow - Storm Season

White Willow : Storm Season (2004)

1. Chemical Sunset
2. Sally Left
3. Endless Science
4. Soulburn
5. Insomnia
6. Storm Season
7. Nightside Of Eden

Storm Season Signal to Noise
Storm Storm Season Signal Signal to Noise

 We Are Tha Fallenというバンドを取り上げた時にsegador嬢がtwitterで似たようなジャケットだ…と二つほどつぶやいていましてですね、それでこのWhite Willowというバンドの存在を知ったんですわ。最初は確かにジャケット似てるなぁ~くらいに思ったんだけど、なんかどんな音なんだろ?って気になってさ(笑)。そしたらもうドンピシャに自分好みでして、自分はそんなにメランコリック好きだったとは思わないけど、好きらしい。

 2004年にリリースされたノルウェーのバンドWhite Willowの「Storm Season」という作品でして、4作目ってことなんだけど90年代半ば頃から活動していたらしい…。それで4枚目?なかなか大物なペースです。メンバーも結構入れ替わったりしているようで、まだ全然調べきれていないので深くは全く語れないけど、とにかく音がさ、良いんだよ。ジャケット見た時はゴシックメタル系なんだろう、くらいに思ってて、それで聴いてみたいって思ったんだけど予想外の方向でした。

 ネットで調べて出てくるのは大体ノルウェーのプログレバンド、として括られているけど、自分的には頭の中がゴシックメタルだから聴いていてこういうゴシックもあるのか…、メタル色はそれほど強くないから異質な存在かもな…なんて理屈が駆け巡っていたんだけど、ふと気づいてみるとどれも曲が長くてシンフォニック且つドラマティックでメロトロンは鳴ってるしフルートもあるし起承転結な楽曲展開に何と言ってもメランコリックな可愛い女の子の歌声っていうものでして…、決してハードなメタルギターが鳴り続けているものじゃないんだよね。時にはムーグも出てきたりしてさ。その女の子の歌声がどこかケイト・ブッシュみたいな歌い方っつうか声質で曲もそんな感じだから何かいいなあ~なんて思ってました。

 だから全然異なった聴き方してたんだけど音は素直です。素直に良い音世界が目覚めさせてくれました。70年代風プログレッシブロックの要素と現代風シンフォニックな音とお嬢様の歌声を混ぜ合わせたムチャクチャプログレッシブしていないロックで、でも普通よりは展開が凝っている、ってトコ。メタル要素はほとんどなくってそれでも歪んだギターはちゃんと存在しているのでクリムゾン的な要素なのかな…、もっとノルウェーという北欧の性質からかドラマティックな展開が素晴らしい。

 どことなくモチーフがありそうな気配の楽曲が多いが、何か心地良いわぁ~。タイトル曲の「Storm Season」なんてThe Doorsで聴いたアルビノーニのアダージョからの流用で展開されていて面白いなぁ、自分のこれはメロディが好きだったので何度も聴いたが、やはり好まれるものなのだと、ちと嬉しかった(笑)。うん、White Willowですか…、他のアルバムってどんなんなんだろ?


Porcupine Tree - In Absentia (2002)

Porcupine Tree : In Absentia (2002)

1. Blackest Eyes
2. Trains
3. Lips Of Ashes
4. The Sound Of Muzak
5. Gravity Eyelids
6. Wedding Nails
7. Prodigal
8. .3
9. The Creator Has A Mastertape
10. Heartattack In A Layby
11. Strip The Soul
12. Collapse the Light Into Earth
In Absentia The Incident
In In Absentia Nil Nil Recurring

 随分前からポーキュパイン・トゥリー (Porcupine Tree)と言うバンドの名前は耳にしていたし、ロバート・フリップがKing Crimsonの40周年記念盤をリリースする際のミックスを担当したのがPorcupine TreeのSteven Wilsonだったハズだ。それとアチコチのプログレ好きな輩からもいいよ、という評判も聞いていたしネットでも好評…どころかミュージシャンからも好評だったしね。それでも何故か自分的には耳にすることがなかったという不思議な構図。もちろん聴く意思がなきゃ、今時音楽なんて簡単に耳に入ってこない環境なんだからしょうがないが…。話し逸れるけど、普段何気に音楽って耳に入ってくる?自分の場合はテレビを見ないので受動的な媒体がないんだよな。ネットとかiPhoneとかそんなんばっかだから自分で取りに行かないと勝手に音楽は流れてこない。CD屋さんも最近はめっきり行かなくなってるから試聴することもないし…、YouTubeも自分で見に行かないと聴かないでしょ?なのでほっとくと音楽は入ってこない環境なんだよな…。意識的に聴かないと増えていかないんです、はい。

 そんな状況下でも耳にすることの多かったPorcupinte Treeですが、先日twitterでも「え?聴いてないんですか?」と驚かれてしまって…、そうかぁ…と思って意識的に手を出しました。何が良いのかよくわからないので、取り敢えず何となくの出世作らしい「In Absentia」です。メンバーも変わっているらしいし、どうやらアメリカを意識した作品とも言われているのでどうかな~って思ったけど、今更アルバムの出来栄えが悪いってのも少ないだろうから良いだろう、ってことで。

 「In Absentia」2002年リリース、ちなみにPorcupine Treeは英国のバンドでキャリアは1987年からっていうから結構古いバンド。そして期待の音の方は、なるほど、プログレっちゃあプログレ…、いやプログレです。ただし現代的要素…っつうか時代に合わせた要素なんだろうけど、凄く聴きやすいポップな歌メロが入っていて難解・長尺っていうプログレの定義からはかなり逸脱した進化系だった。嬉しかったのは英国らしいトラッドフォークの影響がものすごくあるので、作品がうるさくならずに自然な感じがするところ。ほとんど変拍子だったりするんだけど違和感なく普通に聴いていられるっていう作り方は見事。どこかAOR…っつうか爽やかな風が吹いた清涼感たっぷりのサウンドがどうにも不思議だったが、後期のPink Floydだと思えばおかしくはない、か。

 はて、ようやく聴いたPorcupine Treeだが、自分の琴線に触れたか?と問わないでくれ(笑)。まだ聴き込みが足りないので今すぐ返事が出来ないんだよ(笑)。いくつかアルバムを聴いていくのでその度に答えを探します、はい。ただ、ミュージシャンに好まれるのもわかるし、否定的な意見を聞かないのもわかる。こういう音なんだな…と。



U2 - 360° at the Rose Bowl

U2 : 360° at the Rose Bowl (2010)

360 at the Rose Bowl [Blu-ray] [Import] ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン
No No Line On the Horizon

 2009年のアメリカに於ける最大興行のひとつであるU2のツアーを丸ごと収録した映像タイトルとしてつい先日リリースされたばかりの「360° at the Rose Bowl」。マドンナやストーンズなどと常に興行成績が話題となるU2だが、このライブでは約10万人を動員したらしい。U2も凄いがアメリカの人口の多さに驚く。自分も知らなかったんだけどこのライブってまだUStreamが普及してなかったためかYouTubeでライブを生に近い形で放送したのだとか…。UStreamが普及していたらそっちだったろうな。そう考えると文明の発展は最近でも凄いスピードっつうことだ…、浸透度も含めてのスピードね。

 そんなU2がアルバム「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」をリリースしてからのツアーとなった本作「360 at the Rose Bowl」だが、何となくの評判がよろしくない。どうやらボノの覇気が弱いってことらしいのだが、どうなんだろ?と思って興味もあったんだけど、世界最高峰の部類に入るエンターティナーのU2が出来が悪い、ったってその辺のモノ見るよりは全然楽しめるハズだ、と。ステージセットはタイトル通りに360°開けた開放的な作りで、一体どこを向いてライブやるんだ?って感じだが、結局はフロントの定位置ってのがあってさ、そこで演奏することが大半なので、見にくい席がいっぱいあった、ってことになるのだろう。

 パフォーマンスの方は確かに鬼気迫る臨場感もなければ愛の溢れた優しさにも特化したものでもなく、淡々とU2のステージを披露しているというもので、ファンの…と言うか、これまでリリースされてきたライブの質の高さが標準型となってしまったファンからすると物足りなさを覚えるものではあるかな。これまでは何かとテーマがあって、それを強烈に打ち出してツアーとライブを作り上げていたが、今回は結構テーマが曖昧なままだったからさ。アルバム「ノー・ライン・オン・ザ・ホライゾン」自体のテーマがややぼやけていたのがそのままステージに出ている。とは言え、何が不服か?と言われるほどの不満はない。何を取ってもカッコ良いし満足できるしやっぱり曲のアレンジはいくつか変更しながら飽きさせないアレンジを施しているし、外さない曲=期待された曲はしっかり演奏してくれるし、相変わらず4人だけのライブはシンプルでビシッとソリッドにタイトな音を出してくれるしね。特にドラムのラリーの姿がいつもながらカッコ良い。この人はホントに寡黙でロックな男な印象なのです。

 うん、全部見てしまうと確かに評判通りに言われるのもわかるし、パワー不足が露呈してしまっているのもある。ボノのスタンスが強烈なイメージを与えているので見ている側はそういう印象なんだろう。ただ、U2というバンドの本来持っていた姿に戻りつつある中でステージの派手さが邪魔になってきたんじゃないか?そろそろ超シンプルなU2ってのをやってもいいじゃないか。最初期以前のスピリッツの再確認とそれこそ原点回帰による新たな創造ってことで。ん・それがどんな形かってのは知らない(笑)。ただ、ストーンズがライブ中盤で小さいミニステージでやった時、あぁ、これがストーンズだよな、と思ったから、U2もそういう自分たちらしさ、ってあると思うんだよね。



Orianthi - Believe

Orianthi : ビリーヴ (2009)

1. According to you
2. Suffocated
3. Bad news
4. Believe
5. Feels like home
6. Think like a man
7. What's it gonna be
8. Untogether
9. Drive away
10. Highly strung
11. God only knows

ビリーヴ(初回限定盤) ビリーヴ(II)~デラックス・エディション(初回限定盤)(DVD付)
Orianthi - BelieveBelieve According to You According to You

 マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を見ているとマイケルのプロフェッショナル魂もさる事ながらどうしてもオリアンティに目が向いてしまうんだよな…、と。女の子ってことよりもカッコ良いんだよな、オリアンティ。ギターを弾いている姿が凄くサマになっているってのと目つきがクール。んでギターが凄くて音楽的才能もあって、なんてのはとんでもないです。やっぱり実力のある人は誰かのサポートとかで出てきても全然キャリアアップにしかならなくて、決して補助的な扱いではないってことですな。

 そのマイケル・ジャクソンのDVD「THIS IS IT」と日本では同時発売という如何にも売るのを狙って出してきたオリアンティのセカンドソロアルバム「ビリーヴ」。もちろん本人はそんな意識もなくって、単にディスモンド・チャイルドプロデュースによるセカンドアルバムを制作していたってだけで、それはそれでもちろん才能を発揮していきたいだけだったろうし、スティーヴ・ヴァイとのジャムも楽しみたかっただろうしという感じだろう。まぁ、宣伝インパクトとかそういうのが見えてしまうからちょっと苦笑いしちゃうけど、もちろんアルバムそのものの本質とは無関係でして、そんな話題があってでもたくさんの人に聴いてもらいたい才能なんだろう。

 ってことで背景はともかく、散々ここでもプッシュしちゃうんだな、オリアンティのギターは。ただ、歌もかなり歌えてしっかりしているからソロアーティストとして面白い存在なのは確か。それもさ、昔だったらロック系がそんなアイドルなところ出て行かないだろ、ってとこでも平気で女の子のふりして出てって普通にロックしちゃうもんだからそのふてぶてしさが余計にカッコよく見えて良い。自然体なのか狙ってるのか自信があるからなのか…。調べてみると父親がギタリストの仕事?なのかな、それで6歳の頃から普通にサンタナとか聴いて弾いてみたいなことだったらしい。そこから先はオリアンティ自身の趣味でよりハードロック的なギターを弾く方向に進んでいるみたいだけど、しっかりとサンタナとも共演したりしてるから三つ子の魂百まで、ってとこだ。まだ20代前半なのでこれからも伸びるだろうし吸収していくだろうから何でも弾きこなして楽しませて欲しいなぁ。

 そんでこのセカンドソロアルバム「ビリーヴ」は冒頭から売ります意欲満点で、勢いとノリのある曲が詰め込まれていて、オリアンティの歌声とギターの能力をたっぷりと聴かせてくれるし、ポップス的に聴いても楽しめるさすがな一枚。ギターに関して言えば、そりゃもうところどころでオブリガードもソロも弾きまくってて、これがセンス良いんだよね。「According To You」ってシングル曲のギターソロの入り方はGuns'n Rosesの「Sweet Child O' mine」そのもので笑えるし、そもそもPVでは壁にジミヘンのポスターとかヴァイだしさ、古いロックファンを刺激するエッセンス満載。出している音にはどこかノスタルジックさもあるのかもしれないけど、かなり独特のトーンで、どこかでゲストでギター弾いていてもわかるくらいに個性的な音。その辺ってなかなか目立てないんだけど、一発で分る音だからさ。そして陰ながら上手く味を出しているのがどこまでオリアンティが弾いているか知らないけど、アコギとかアルペジオ系とかのバックの音色。曲の幅を広げているのは間違いなくこうした単音系なんだけど、かくし味的に上手く入ってるんだよ。

 まぁ、全体的にちとアメリカンになりすぎているキライはあるけど、快活に聴けるし心地良いからいいんじゃねえの、と。スティーヴ・ヴァイとの「Highly Strung」はもうビデオを見てもらう方が圧倒的に良いし、そのテクニックに驚くでしょう。ま、どの曲聴いても実際そうなんで、ギター好きなロックファンは是非オススメ。もうね、正直に大プッシュですよ…、別にどこかの何かの営業をしているワケじゃなくてさ(笑)。いや、ここからアマゾンで買ってくれたら嬉しいですけどね♪





Michael Jackson - This Is It

Michael Jackson : THIS IS IT (2009)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT(特製ブックレット付き) [Blu-ray]Michael Jackson - The Very Best of Michael Jackson With the Jackson 5 The Very Best of

 早いものでもうしばらくするとマイケル・ジャクソンの一周忌らしい。亡くなった後のリリースラッシュとメディアの騒ぎ方も世間の賑わいもそれまでマイケル・ジャクソンのことなど既に忘却の彼方と言った様相が一転しての大騒ぎだった。もっともその前にロンドンで復帰コンサートを大々的に行うってことで話題にはなっていて、素直にマイケル・ジャクソンの復帰を祝うという意味では期待満点の状況でもあった。メディアってのは一体何を信じたら良いのか…(笑)。まぁ、結果的にコンサート始まる前に伝説になってしまったんで、今何をどうこうってもんでもないけど、その後のフィーバーぶりが凄かった。そして賛否両論あったコンサートリハーサル映像の映画化、並びに速攻でのDVDソフト化、そして速攻でのWOWOW放送と立て続けに時を経ずして世間に放出された。
 2009年作品マイケル・ジャクソン「THIS IS IT」。

 まぁ、何も言わなくても知っている人の方が多いだろうと思うけど、ここのブログを覗きに来ている人たちってのはちょっと一般とは違うだろうからあまりよく知らん、って人も多いかな(笑)。うん、いいんだけどね。ただ、一言で言うと、この「THIS IS IT」は素晴らしい。色々な意味で本当に素晴らしい、ってのは書いておきたいんだな。別に買わなくてもいいし観なくても良いんだろうけど、観るとかなり価値観変わる…ってか、マイケル・ジャクソンって人のプロフェッショナル加減が本当に天才且つ伝説的な人物になるはずだ、っていうのがよくわかる。

 まず、リハーサルなので当然ラフなもの、と思いがちだったんだが、とんでもない…、これはもう本番並に完成度の高いショウです。お遊び要素なんて全然見当たらない。パフォーマンスしているダンサーやプレイヤーは間違いなんて犯しようがないし、プロ集団の中でそれはもうあり得ないっていうレベルだし、完成形。それを更に上回るのがマイケル・ジャクソンのパフォーマンスぶり。リハーサル時点で独りだけ全て完璧にショウを描いていて、自分自身の歌や踊りなどはもう完璧の中の完璧であるのが普通だから、そこで練習って意味でのリハーサルなんてとんでもないし、当然集合リハーサルとして考えている。ただ、そこでもマイケル・ジャクソンは音に対しても頭の中に音が鳴らされていて、如何にそれを紡ぎ出していけるか、ということも一曲毎のパーツ単位で描かれている。とんでもないよ、これ。そんなんだからリハーサル映像っても完全にファッションだってスーパースターの格好だし、アクションも手抜きの部分なんて全く見当たらない。ただ、ステージ本番になればもっと映えるんだろう、っていうくらいだ。正直見ていて相当ぶっ飛んだ。さすがプロ中のプロの伝説になるだけある人だ。マドンナなんかも多分こんな感じなんだろうけど、やっぱりマイケル・ジャクソンのこの姿勢は凄い。

 その中でもオリアンティのプレイはとんでもなくマイケル・ジャクソンもご満悦な様子がわかるし、それよりもオリアンティの自然体のギタープレイとロックなスタイルがカッコよくてさ。これもまたぶっ飛びですよ。彼女だけがこの「THIS IS IT」で凄くクローズアップされているのはやはりオリアンティの持つインパクトだろうね。ダンサー達も他のスタッフもミュージシャンも本当にプロ中のプロばかりなんだけど、そこでも目立オリアンティ。本番でのマイケル・ジャクソンとの絡みが見れたらもっと興奮したかもしれない、それくらいにインパクト絶大だもん。

 バックミュージシャンから見ても楽器を弾かないマイケル・ジャクソンの頭の中にある音をイメージして出していくという姿勢と取り組みは素晴らしいし、演出や器材や照明などの裏方スタッフまでもがマイケル・ジャクソンの姿勢に打たれてそれぞれのプロフェッショナルな仕事をする。こうしてステージってのが出来上がっていくんだ、っていうのが正に一丸となっていて感動を誘います。そんなマイケル・ジャクソンがいなくなってしまった…、そりゃあね…。

 「THIS IS IT」、どんな形でも一度は見て聴いておいて損はしない生々しい天才と呼ばれたミュージシャンの努力の成果が楽しめます。音に興味がなくても、何かに夢中になっている人たちには是非見てほしい素晴らしい作品です。



Ozzy Osbourne - Scream

Ozzy Osbourne : Scream (2010)

1. Let It Die
2. Let Me Hear You Scream
3. Soul Sucker
4. Life Won't Wait
5. Diggin’ Me Down
6. Crucify
7. Fearless
8. Time
9. I Want It More
10. Latimer’s Mercy
11. I Love You All

スクリーム Black Rain

 何と元気な人なのだろう。唐突の新作と更に年末にはクリスマスアルバムまで企画していると言うのだが、そういえば数年前にはしっかりと「Black Rain」という作品も出しているし、今でも現役でコンスタントにヘヴィなアルバムをリリースし続けるのは見事だ。金もたっぷり稼いでいるだろうからカネのためじゃないのは明白でして、生活のためでもなく、単に売れるから、需要があるから供給するという妻シャロンの思惑か?離婚したっけ?違うよね?

 そんなオジー・オズボーンの新作「Scream」はもうジャケットからして「おぉ…」となってしまうくらいに神々しいというのか風格あるというのか、よく見ると老けたな…という一言なのだが、流石に元暗黒の王子だっただけあって雰囲気は残されている。やはり期待して音を流してしまうんだよね、もちろん。そしたら何とも驚くことに現代風のヘヴィなサウンドとオジーらしくない声が…、なんだこのコラージュっつうかエフェクトっつうかは??と思ったがまぁ、オープニングなので、ってことだろう。それよりも何か聴いているとギターの音が全然違っていて、随分と洗練されたんじゃないか?なんて気になってクレジットチェックしたらGas.Gたるギタリストが参加しているらしい。あらま?Zakk Wyldeじゃなかったんかい?どうりで違うハズだ。んで、このGas.Gたるギタリストの音で新作「Scream」を聴いてみるのだった。

 オジー・オズボーンの歌声そのものはスタジオレコーディングだからもちろんしっかりと録られていて、いつぞやのライブで見かけたような悲惨な歌声ではないが、さすがにあの迫力は欠けているなぁ。しょうがないけど。でも歌い方は変わってないから聴けばオジーだな、ってのはわかる。ただしやっぱりサウンドの変化が大きいので微妙。微妙ってのは、このサウンドって何かで聴いたら今時な音だからどんなバンドなんだろ?くらいに興味は持つかもしれないけど作品レベルが高いワケじゃないからそこまでハマれないんじゃないかな。声聴いてオジーだ、ってわかるほどの存在感もないような気がするし…。

 多分古くから知っているからかっちりとしたリフと典型的なHMパターンでのオジーを聴きたいんだろうなぁ、自分。もちろんそんなことしてたらキャリア上に問題あるのもわかるし進化して、且つ今時の音も取り入れていかないといけないんだろうけど…、ね。オジーらしい「サウンド」って何?みたいなさ。オジーらしい「歌」ってのは十分確立されているけどオジーらしい「サウンド」って…なんかこれまではあったような気がするんだよね。ま、ただアルバム聴き進めているとやっぱりオジーの作品だなぁ…と納得出来てしまうところが単純な自分だが…(笑)。

 「Scream」を通して何回か聴いたところ…、やっぱオジー・オズボーンの作品で、ギタリストを自由に入れ替えて作れる特権という作品なら、やっぱりよく出来たアルバムだな、と。極論どの曲もレベルが高すぎて甲乙つけにくくなってるが故に耳に入りにくいのかもしれない。「Time」みたいな曲が一番オジーらしいように感じたな。ただ、最後の最後「I Love You All」はどこかものすごく愛を感じた…。何か意味深!?




Colosseum II - War Dance

Colosseum II : War Dance (1977)

1. War Dance
2. Major Keys
3. Put It That Way
4. Castles
5. Fighting Talk
6. The Inquisition
7. Star Maiden/Mysterioso/Quasar
8. Last Exit

ウォー・ダンス(紙ジャケット仕様) Strange New Flesh
StrangeStrange New Flesh (Expanded Edition) - Colosseum II

 ジョン・ハインズマンのキャリアで目立っていた最後の方となってしまったのがこのColosseum IIだろうか。別にミュージシャン活動を辞めたわけじゃないだろうから、そういう言い方もおかしいのだが実際以降の作品でジョン・ハインズマンの名前を聞くことがほとんどなくなっているから多分そうなんじゃないかな。もっともロック自体が一つの終わりを迎えていた頃ではあるのだけどね。

 ジョン・ハインズマンのドラムって、かなり特色のあるもので結構好みなタイプなんだよね。ミッチ・ミッチェルとかアンディ・マッカロックとかそんな系統じゃないかと思ってるんだけどイマイチドラマーのセンスの違いを理解する志がないので自信はないです(笑)。そんなジョン・ハインズマンの小刻みで忙しいドラミングってのが最初から聴けるColosseum IIというバンド。もちろん「I」はあのColosseumだろうな。再結成っていうメンツじゃなかったから「II」なんだろうけど、面白いのはその音楽性。Colosseumではロックからジャズにアプローチしていったんだが、一方のジャズ界の一端がフュージョンへと進化していった煽りを受けてもちろんジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」という傑作がロック界でのフュージョン作を牽引しているんだけど、Colosseum IIも同様に今度はロックから攻めたフュージョンという構図を描いていたみたい。三枚くらいアルバム出ているんだけど、三枚目の「ウォー・ダンス」が傑作と言われている。それはメンバー自身がジョン・ハインズマンが目指した音楽性をきちんと理解するのに時間がかかったからなんだろうと。革命者は大変だ。

 そのメンバーってのが、Gary Moore、Don Aireyっていう後の強者が参加していたってことだ。だけど全然HMな香りはしませんので悪しからず。Gary Mooreはかなり器用なギターを弾いていて、ジョン・ハインズマンにどんだけ貢献出来るか、みたいな姿勢があるから後のワンマンぶりとは全く違うひたむきな姿勢が見事。でもやっぱ才能だよな…、様々なギター奏法や音色を試していて、しっかりとそれぞれの曲に溶け込ましたギターを弾いている。「Castles」というナンバーのみボーカル入りなんだけど、こいつでGary Mooreはしっかりと歌っていて、まぁ、静か目な聞かせる曲なんだけど、後のGary Mooreを彷彿させる演歌チックなギターソロはほとんど聞かれないってのが残念。この頃からこう言うの好きだったんだろうな、とわかる。

 それ以外は全部インストで、今なら聴けるなぁ、自分。前はもう全然駄目で面白みのかけらも感じかなったもん。ハードな曲とかあるんだけど、何か飽きちゃうんだよね。ここの所はもう何でも聴き漁っているのとジェフ・ベックとかでかなり面白さがわかってきたからかな。それで「ウォー・ダンス」を聴くと深みがわかってくる。なるほどねぇ…、こうしてGary Mooreは成長していったんだな、なんて。Don AireyにしてもNiel Murrayにしても、だが。この頃の絆がず~っと残ってるんだからやはり同じ釜の飯を食った仲間ってのは強い。


Tempest - Living In Fear

Tempest : Living in Fear (1974)

1. Funeral Empire
2. Paperback Writer
3. Stargazer
4. Dance to My Tune
5. Living in Fear
6. Yeah, Yeah, Yeah
7. Waiting for a Miracle
8. Turn Around

Living in Fear Tempest
Tempest - Living In Fear Living In Fear Tempest - Tempest Tempest

 ジョン・ハイズマンって人はそれほど一般に知られている名前ではないだろうし、普通にロック好きですっていう人的にもそれほど知られてはいない人だ。じゃあどんな人かって…、自分もよく知らない(笑)。いや、Colosseumのドラマーで、目立ちたがり屋の音数の多いドタバタするドラマー。ジャズ系ロックの名手といえば名前が出てくる人でジャック・ブルースとも一緒にプレイしてたりするのでまぁ、そんな感じの人だ。ただ、圧倒的に印象深いのはどうしたってColosseum。その活動からドラムセンスを夜に知らしめたってのはあるが、その後に組んだバンドがこのTempest。最初はアラン・ホールズワースを迎えてアルバム「Tempest」をリリースしているんだが、なかなか突き抜けた感じにまではバンドが成熟出来ず、またアラン・ホールズワースのような器用なプレイヤーとのセッションよりももっと激しいロックを欲していたのか、旧友のオリー・ハリソールを迎えてクリームを彷彿させるトリオ編成での制作となったセカンドアルバム「Living in Fear」がこれまた熱い。

 やっぱりロックってのはトリオ、もしくはボーカル入りの4人で十分だろうと思ってしまう。鍵盤ってのも音的には重要なんだけど、激しく熱く燃えるにはドラム、ギター、ベースに歌が一番しっくりくる。Tempestを聴いていても音はみっちりと詰め込まれているし、弱いのは歌くらいでして…、いや、それはしょうがないんだろうけど、「Living in Fear」のバンドアンサンブルはファーストの「Tempest」よりも見事だしさ、キャッチーさというのはちょっと欠けているのでメジャー扱いされていないけど、白熱具合で行けばそんじょそこらのバンドでは太刀打ちできないスタイルだ。ややプログレッシブな演奏ってのも一般化できなかった理由かもしれないが、今聴いてみればわかるように、普通のハードロックにプラスアルファの要素が加わった進んだ音世界ってことを認識できるはずだ。

 最初にTempestを聴いた時にはプログレッシブバンド、みたいなイメージがあったからかなりびっくりしたけど、なんてことはない普通にハードロックでギターがテクニカルにハイセンスに入ってくるあたりが心地良くって…、だからColosseumなんかにも進んでしまうんだよ。うん、Tempestの方が先に聴いたもん。ちなみにここのベーシストは一瞬だけ黄金期Rainbowに在籍したマーク・クラークです…、もっともその系統のほかのバンドにも色々参加しているんだが…、その系譜を見る限りでもTempestが後のHRに影響を与えているバンドの一因って捉えることもできるかな。

 Amazone見てたらいつの間にかアルバム二枚と未発表曲を加えたアンソロジーもの「アンダー・ザ・ブロッサム~ジ・アンソロジー」なんてのがリリースされていた…。




Colosseum - For Those Who Are About to Die We Salute You

Colosseum : For Those Who Are About to Die We Salute You (1968)

1. Walking In The Park
2. Plenty Hard Luck
3. Mandarin
4. Debut
5. Beware The Ides Of March
6. The Road She Walked Before
7. Backwater Blues
8. Those About To Die

For Those Who Are About to Die We Salute You Supershow (Dol) [DVD] [Import]
Colosseum - Those Who Are About to Die Salute You (Digital Deluxe Expanded Edition) Those Who Are About to Die Salute You Colosseum - Colosseum Live Cologne 1994 Live

 ロックな連中が奏でるジャズとジャズな連中が奏でるロックとは大きな隔たりがあるものだが、時代の産物の中にはそういう枠組みを無視した本当のジャズロックっつうのがある。ブルースロックとの境目もこれまた難しくて、結構ごっちゃになってたりするのも面白い。英国のメジャー級からC級までその法則は当てはまるのも然り。そんな中でも最高峰にブルースジャズロックと全てを包括したバンドがColosseumだ。残念なことに普通のロック王道バンドに比べると随分と地味な存在に甘んじているんだけど、残されたアルバム群はどれもこれも秀逸なロックエッセンスを味わせてくれる独特の音色を聴かせてくれる作品ばかり。きちんと聴いておくと楽しめることは間違いない傑作だね。

 実は結構好きなバンドでして…、このブログでも割とよく取り上げているんだよね。だからあまり書くのが残されたアルバムがないんですが…、まぁ、何かと出てくることでしょう(笑)。インパクトとしてはLed Zeppelinの「幻惑されて」を見たいがために当時ムチャクチャ画像の悪い海賊盤で見た「Supershow」の冒頭に入っていたから、Led Zeppelinよりも先に凄さを体感したバンドなんです。ただ、その後すぐにLed Zeppelinの凄まじさに驚愕しましたが…。なので、割と早い時期に出会っていて衝撃を受けたバンドだったというのは良かった。ただ、そこからが大変でして、もちろん探してみても簡単には手に入らなかったんでね、聴き始めるにはもっと時間がかかりました。

 1968年にリリースされたファーストアルバム「For Those Who Are About to Die We Salute You」は自分的に聴いたアルバムの中では割と遅めに手を出したかもしれない。Colosseumって大体後追いの人が聴く順番って「Live」「Valentyne Suite」「Daughter of Time」が先だろうからさ。だから原点なんだよな、ファースト「For Those Who Are About to Die We Salute You」って…という風に聴くんだけど、ところがどっこい、これが最初からとんでもなくヘヴィなナンバーや即興を聴かせる演奏で、全く70年前後の熱いロックエッセンスをそのままパッケージしたかのようなアルバム。コード進行はブルースから拝借しているけどアレンジやアドリブなんてのはもう完全にジャズと同じアプローチだからクリームなんかとニアリーな手法だった。ただ、Colosseumの場合はDick Hecktall-Smithがいたからサックスの比重が結構高いし、Dave Greensladeもいたので鍵盤の比重も高かったというクリームよりももう少しバリエーション豊かなアドリブ合戦が聴けるのだな。その分バンドアンサンブルに気を使うんだけど、それが凄い緊張感を醸し出していて手に汗握るプレイを楽しめる。それでもアルバム中では一曲4~7分あたりにまとめているので聴きやすさはあるから大丈夫です。これ以上激しさを求める人は「Live」をおすすめしますが、まずは「For Those Who Are About to Die We Salute You」で触りを掴んでくれれば…。



Soft Machine - Volume Two

Soft Machine : Volume Two (1968)

1. Rivmic Melodies
2. Pataphysical Introduction Pt.I
3. A Concise British Alphabet Pt.I
4. Hibou, Anemone and Bear
5. A Concise British Alphabet Pt.II
6. Hulloder
7. Dada Was Here
8. Thank You Pierrot Lanaire
9. Have You Ever Bean Green ?
10. Pataphysical Introduction Pt.II
11. Out of Tunes
12. As Long As He Lies Perfectly Still
13. Dedicated to You But You Weren't Listening
14. Fire Engine Passing with Bells Clanging
15. Pig
16. Orange Skin Food
17. A Door Opens and Closes
18. 10.30 Returns to The Bedroom

Volume Two Soft Machine
Soft Machine - Live 1970 Live 1970

 当時Pink Floydなんかとかなり近しいサウンドを奏でていたUFOクラブの常連バンドだったSoft Machine。これまた同時代の1968年にセカンドアルバム「Volume Two」をリリースすることとなるが、Pink Floydと近いことのようにファーストで天才的なソングライティングを示していたケヴィン・エアーズの脱退劇を迎えていた。その後にマネージャーをやっていたヒュー・ホッパーとその兄のブライアン・ホッパーをゲストに迎えて「Volume Two」を製作。作風はと言うと後のSoft Machineの片鱗は見え隠れするものの、やはりファースト「Soft Machine」に近しいサウンドを狙っていたような感覚の曲が多い。う~ん、どっかのPink Floydと同じ構図(笑)。

 とは言え、Soft Machineのその後を知る人には今更何を、と言うことかもしれないのでメンバーチェンジについては多くを語れないのだが、当時はきっと焦っていたに違いない。うん、Soft Machineってさ、アルバムごとにメンバー違うんだよ、この後は(笑)。まぁ、そういうバンドもあるってことで…。そんでもってこのセカンドアルバム「Volume Two」はクレジット上だけでは18曲あって、それでも34分くらいなんで非常~に聴きやすくサイケデリックです。だって、全曲繋がってるんだもん(笑)。しかもねぇ、英国的だなぁ~ってのがさ、「A Concise British Alphabet Pt.I」ってのがあって、歌詞が「abcdef…xyz」だけ。更に「A Concise British Alphabet Pt.II」では「zyx…cba」で終わる(笑)。ケヴィン・エアーズいても同じだったろうけど、それをロバート・ワイアットがやってるんだよね。まぁ、そんなのもあって凄く楽しめるし、全くおもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドが一杯詰め込まれている。そんなバンドなかなかないでしょ。

 そういう世界だけど、ヒュー・ホッパーが参加したからか、あの独特のベースラインが生きていて、後のSoft Machineを彷彿させる音色を聴かせてくれるのは面白い。Mike Ratridgeはまだまだ多様な鍵盤の使い方ってことで、「Volume Two」でももちろん際立っているんだけど、何にでも合わせられそうな人だからさ。そういう意味ではロバート・ワイアットの悲しい声質も既に確立されているし、この時期のSoft Machineが好きだって人の気持はよくわかります。歌詞にしても実にシュールらしいし、音の方もユーモアたっぷりだしね。ジャケットも結構強烈なインパクトを放っている…。





Pink Floyd - A Saucerful of Secrets

Pink Floyd : A Saucerful of Secrets (1968)

1. Let There Be More Light
2. Remember a Day
3. Set the Controls for the Heart of the Sun
4. Corporal Clegg
5. Saucerful of Secrets
6. See-Saw
7. Jugband Blues

A Saucerful of Secrets ピンク・フロイド - ライブ・アット・ポンペイ - ディレクターズ・カット [DVD]
Pink Floyd - A Saucerful of Secrets 神秘 Pink Floyd - The Piper at the Gates of Dawn The Piper at the Gates of Dawn

 ロジャー・ウォーターズは今年The Wall 30周年記念としてまたツアーを行うようだ…ってかやってるのかな?まぁ、こうなるとライフワークになってくるんだろうけど、それでも歴史を語れる生き証人として貴重なツアーであることに変りはないし、ロジャー・ウォーターズのライブって完璧主義の塊だからつまらないハズがないんだよね。セットも照明も演奏も構成もほぼ完璧なので安心して楽しめる。しかも独特のあのフロイドチックな世界観を味わえるので嬉しいのだ。最先端技術も続々と投入されているのでその美しさは年々磨かれていくばかり。日本に来るのだろうか?いや~、ないだろうな…。

 遡ること42年の月日となるが1968年にリリースされた「A Saucerful of Secrets」からも多分毎回恒例の「Set The Controls For The Heart Of The Sun」がプレイされることだろう。頻繁にライブ活動をしていた人ではないからず~っと演奏していたとは言えないけど、それでもまだまだ実験段階の域を出なかった頃のPink Floydの「A Saucerful of Secrets」からの楽曲を今でも演奏しているのは素晴らしい。いや、楽曲側にそれだけの価値が備わっていたということなのだろう。

 その「A Saucerful of Secrets」というアルバム、一般論としてはかなり知られているので、特筆することも多くないんだけどさ、シドが途中で脱退してギルモアが入った作品、とかね。まぁ、後のPink Floydに聴けるトータルコンセプト的な統一感やひたすら延々と繰り広げられるプログレッシブな姿ってのはほとんど見受けられない。あくまでもファースト「夜明けの口笛吹き」からの「See Emily Play」を模倣するかのような曲を如何に繰り広げるかというようなスタイルが中心だ。そういう意味でシド・バレットの存在感は大きかったが、良くも悪くも独自路線を歩まざるを得なかったバンドにはロジャー・ウォーターズという稀有な才能の持ち主が存在していたことは嬉しい誤算だったことだろう。

 多くの楽曲はそんなことからサイケデリック感覚溢れるものが多く、もちろんそれ系統のバンドとの比較であればかなり突出した楽しみからのできる作品群が並んでいるのも事実。しかしどうしたって以降のPink Floydと比較してしまうので困ったものだ…。そう、以降のPink Floydを彷彿させる曲と言えば、もちろんアルバムタイトルにもなった「A Saucerful of Secrets」なんだろう。この曲だけ12分もある大曲で、時代を考えると相当の勇気でもあったんだが、実験精神旺盛なバンドが新生メンバーの4人で作り上げた傑作となった。まぁ、自分的にも世間的にもこの「A Saucerful of Secrets」に収録のバージョンよりも「ピンク・フロイド - ライブ・アット・ポンペイ」のDVDに収録されている方を好むとは思うのだけど…。

 最後の「Jugband Blues」…こそシド・バレットとPink Floydの最後の共演となった作品だが、この綺羅びやかな世界観は紛れもなくシド・バレットの作風で、どこかサーカス的な一瞬のスポットライト的楽曲。これにてPink Floydの早すぎる第一章が終焉を迎えると言わんばかりにエンディングでは余韻を楽しむジャグバンドのサウンドがプツリと切られる…、まるでシド・バレットとPink Floydの糸のように…そして冗談だよとばかりに再開されるが、時既に遅し…か。



Van Der Graaf Generator - H to He, Who Am the Only One

Van Der Graaf Generator : H to He, Who Am the Only One (1970)

1. Killer
2. House With No Door
3. Emperor In His War-room: The Emperor / The Room
4. Lost: The Dance In Sand And Sea / The Dance In The Frost
5. Pioneers Over C

H to He, Who Am the Only One Vital
Van Der Graaf Generator - H to He Who, Am the Only One - EP H to He Who, Am the Only One Van Der Graaf Generator - Vital (Live) Vital

 このバンドと出会ってから多分ようやく20年くらい経過するんだろうと思うのだが、最初に聴いたのがこの「H to He, Who Am the Only One」というアルバムだった。邦題で「核融合」って書かれていた気がするんだけど、「天地創造」だっけっかな?いや、「核融合」だったような…。自信ないけど(笑)。まぁ、それはともかくKing CrimsonやらYesやらPink Floydやらを聴き漁った後にとりあえずそれなりのバンドは大体聴けたかな…というような時期に出会ったバンドでしてねぇ…。色々と聴いていたつもりだったんだけど、VDGGのこの衝撃は凄かったな。一般的に知られていないようなバンドでもこんなに衝撃的な音を出しているバンドがあるのか?なんて驚きだね。そういう意味では「H to He, Who Am the Only One」を始めの頃に聴いたのはよかったんだろうと思う。後追いの世代って、そういうのが結構重要だったりするでしょ。

 はて、VDGG…、様々な形容があるけど、破壊的な指向性と余りにも優しすぎるメロディと歌が同居する不思議なバンドで、ギターが目立HR的要素は全然ないもののオルガンやサックスが荒れ狂うというサウンドで、それも別に上手いワケじゃないんだけど、何か鬼気迫るものがあるんだよな。それに火を点けているのはもちろんピーター・ハミルという詩人=歌い手。全く驚くばかりの表現力と一貫性がパフォーマンスに出てきてて、VDGGの特性要因になっている。もちろん楽曲のユニークさもあるんだが、ハードでありながらも優しくソフトタッチな面で人間性を露にしてその深い世界観を味わせてくれるのも特徴的。King Crimsonの目指す世界と近いものがあったのは確かだろう。

 アルバム「H to He, Who Am the Only One」のリリースは1970年なのだが、この時点でデビューしてまだ2年目のKing Crimsonの総帥、ロバート・フリップが一曲ギターで参加している。それこそ自身が気に入らなけりゃ参加なんかしない人だろうし、一方のピーター・ハミルにしても別にKing Crimsonの総帥だからと言って参加してくれってワケじゃないだろうからその繋がりは非常に純粋なものだったのだろう。すると両者の世界観の近さもわかってくるのでは?ところが面白いのはその後二人が一緒にやるってことは今に到るまでほとんどなかったということだ。近寄りすぎると両者ともエゴイズムが出てくる事がわかっているからなのか、タイミングの問題なのか…。

 「H to He, Who Am the Only One」という作品はVDGGにとって三作目の作品ではあるが、VDGGの方向性を決定的にした最初のアルバムとも言え、以降の作品は概ねこの方向性でバンドを動かしている。ともすればライブ盤「Vital」でわかるようにプログレバンド?何それ?っていうくらいのロックの衝動的な演奏が聴けたりすることでわかるように実に優れたパフォーマーなんだな。どっぷりと一人でハマって聴き込んでくれればロック好きな人にはわかる世界なんじゃないかな。まぁ、好みはあるだろうけどさ。自分的にはKing Crimson聴けるなら全然面白く聴けるバンドだと思うもん。あぁ…、また全作品聞きたくなってきたな(笑)。



Bigelf - Cheat the Gallows

Bigelf : Cheat the Gallows (2008)

1. Gravest Show on Earth
2. Blackball
3. Money, It's Pure Evil
4. Evils of Rock & Roll
5. No Parachute
6. Game
7. Superstar
8. Race with Time
9. Hydra
10. Counting Sheep

Cheat the Gallows Closer to Doom
ビッグエルフ - 鍵盤狂想曲 第1幕:ビッグエルフ 鍵盤狂想曲 第1幕:ビッグエルフ

 どうやらバンド結成は1991年頃って言うから相当歳喰ってからのブレイクになる。アメリカって国はそれでもしっかりと生活していけるくらいマーケットがデカいから下積み20年なんてのもおかしくないようだが、それでも凄いわ。もう40代近辺の歳の頃だろうに。だから故にBigelfというバンドを形容する時にPink FloydやBeatles、Black SabbathやQueenってのが出てきてもあまり不思議はない。自分の年の頃と似たような世代だとすれば自分と同じようにロックを聴いて興味を持って楽器を始めて…っていうのもわかるもん。そう思えば自分でもバンドやる時ってその辺を意識した曲作りしてアレンジして演奏してたワケで、それが受け入れられるまで根気強くやり続けていられなかっただけなのかもしれない…ってそんな人多いだろうな。だからBigelfの面々による、完全にレイドバックしたロックの世界から出てきているバンドってのは同調しやすいんだよな。ただ、もちろんオリジナリティが反映されていないといけない。最近ではこの手のレイドバックバンドとしてはWolfmotherが代表的かな。それにしてもBigelfにしてもWolfmotherにしても世代は全然違うけどBlack Sabbath色がそんなに出てくるってのは割と不思議でさ。特徴的なリフなのは確かだが…。

 さて、Bigelfの実は3枚目の作品となる「Cheat the Gallows」にしてブレイク作。アルバムデビュー自体は1996年だとか…、凄いペースだが、きっとドサ周りばかりやっていながらも実力の程は周りが感心して認めていたのだろう。ようやくブレイクするきっかけをみつけて良かった。Dream Theaterに抜擢されたみたいね。

 いや、もう冒頭からオールドロックファンは多分、引き込まれると思う。プログレっつうかサバスっつうかフロイドっつうか後期ビートルズっつうか…、ハモンド2台を駆使してプレイするのもあるけど、とにかく8弦ギターや7弦ベースなんつう変態的な器材も出てくるワケで、そりゃ重くなったりバリエーションも広げたりするだろうよ。面白いのは楽曲構成とかアレンジだけどね。どこがどうってんじゃないけど、古臭い(笑)。音はもう完全にレイドバックしていて今時の抜けてクリアーな音じゃないのを無理して作ってる感じ。曲はもうもちろん古い…古いって、一辺倒なリフだったりあまりにも唐突な展開だったり…、だから曲を覚えにくいんだよな。ただ、歌メロとかは結構ポップな作りもしているのでアレンジが凝っていても曲自体は聴きやすくなっている。とにかくハモンドとかさ、ソロパートになるともうえらく安っぽく聞こえてきて笑っちゃうもん。

 こういうバンドがたまに出てきてくれて、売れるってのはオールドロックも既に歴史の領域に入ってきてて、忘れられないように世代に引き継がれているって思いたいよね。White StripesとかWolfmotherとかBigelfとかでイベントやって最後にオジーやZeppなんて出てきたら面白いだろうなぁ。



We Are The Fallen - Tear The World Down

We Are The Fallen : Tear The World Down (2010)

1. Bury Me Alive
2. Burn
3. Paradigm
4. Don't Leave Me Behind
5. Sleep Well, My Angel
6. Through Hell
7. I Will Stay
8. Without You
9. St. John
10. I Am Only One
11. Tear The World Down

Tear the World Down Fallen


 「Tear the World Down」を「ん?」って思って見たらなんと最初期のEvanesecenceのリーダーだった人物が新たに組んだバンドってことで、バンド名もWe Are The FallenってEvanescenceのファーストアルバム「Fallen」そのものを引っ掛けているし、このWe Are The FallenってEvanescenceのメンバーが3人も揃っているってことで、しかもボーカリストはあのアメリカン・アイドルのファイナリストにまで登ってきた歌姫を入れているってことで話題満点。音的にもEvanescenceのファンを裏切ることなく、ボーカルのカーリー姫もしっかりとEvanescence好きなのかエイミー嬢の影を歩んでいるが、実際の楽曲そのものはEvanescenceよりもかなり進化した形になっていて、こういうのってアメリカ強いなぁ…って思うんだけど、「Tear the World Down」ではヨーロッパのゴシックメタル的要素をたっぷりと取り入れて、エッセンスは完全にユーロ的に仕上げてきている。ところがそこにアメリカ独特のパワフルさを持ち込んでいるから最強のメタル側エッセンスが詰め込まれるんだな。ユーロ圏だとどうしても美的センスを優先する部分が出てくるからこのパワフルさってのは犠牲になることも多くてね。Lacuna Coilなんて凄くパワフルなんだろうけど、やっぱりアメリカの弾け具合まではなかなか辿り着けないし。そんなことを軽く打破してユーロ的な方向性を選択した新ゴシックメタルバンドの登場、ってとこだろう。

 「新」って付けてるのはねぇ…、全く細かいところなんだろうけど、凄く進化しているから。オーケストレーションやストリングス、鍵盤やシンフォニックさなんてのはもちろん入っているけど、プラスパワフルなメタルさ加減ってのが突き抜けている感じだもん。Evanescenceだってもう十年くらい前の話だしさ、そりゃ進化してるよ。いきなりものすごいレベル感でシーンに登場しているもん。アメリカで売れるかどうかっていうのはちょっとわからんけど、アメリカン・アイドルの話題があるからちょっとはイケるだろう、そして音的には本格的なゴシックメタルファンは好きだろうし、普通のメタルファンからしてもこれだけのパワーを聴かせられれば少なくともNightwish好きのファンには聴かれるだろうし、上手く美味しいところ持っていってる。もちろん演奏力とかナルシスト具合ってのもあるんだが(笑)。

 このアメリカン・アイドルファイナリストのカーリー姫、さすがに上手い。ライブでどんだけかっこよさが出せるかってのはあるけど、声も歌もさすが。こんなバンドに入って歌うってことを想定していたかどうかしらないけど、結構似合ってると思うしね。賛否両論あるけど、自分的には相当お気に入りになったバンドです。こうして音楽は進化していくんだよな。



Flamin' Groovies - Supernazz

Flamin' Groovies - Supersnazz (1968)

1. Love Have Mercy
2. Girl Can't Help It
3. Laurie Did It
4. Part from That
5. Rockin' Pneumonia and the Boogie Woogie...
6. First One's Free
7. Pagan Rachel
8. Somethin' Else/Pistol Packin' Mama
9. Brushfire
10. Bam Balam
11. Around the Corner

Supersnazz
Flamin' Groovies - Groovies Greatest Grooves Greatest Grooves

 60年代末期にこんなにキャッチーで軽快なポップロックをプレイしていたという意味で非常に貴重なバンドでもあるはずのFlamin' Grooviesの「Supersnazz」。まぁ、なかなか知名度は高くないんだろうなとは思うし、しかもこんな軽快でキャッチーでロックでキッチュなのにアメリカ出身のバンドだ、ってことに驚いたものだ。ず~っと英国のビートバンドだと思ってたからさ。この時代のアメリカにも英国ビートバンドの模倣を独自解釈でプレイするバンドがいたことに驚き。後のKnackと同じような驚きではある。

 冷静に考えてもですね、60年代末ってことは英国ではクリームが大旋風を巻き起こし、ビートルズやストーンズは熟成期、The Kinksはコンセプトアルバムに乗り出すところでThe Whoもほぼ然り。アメリカではジミヘン、ジャニス、デッドやドアーズ、ステッペンウルフやらバーズやらの時代です。その中でこんなに英国ビートに毛が生えたかのような軽いR&Rをプレイしていたってなかなか目立たないだろうな、と。カリスマ度合いが違うもん。

 とは言え、「Supersnazz」を聴いてみるとですね、時代を経ているからだろうけどかなり面白いR&Rが聴ける。なんつうのかな、純正アメリカのロカビリーをモチーフとして発展してきた英国のビートバンドに影響を受けたアメリカのバンド、っていう図式なので素直にアメリカのロカビリーにならないってのがユニーク。Little Richardのカバーなんてのも入ってるんだけど、英国のビートバンドがカバーするような雰囲気でカバーしているんだから面白い。しかもアルバム全てが相当良質な世界観で作られているので耳障りが良いし、収録曲がそれこそR&Rで軽快。ポップなメロディとキャッチーなフレーズだけどバックは英国ビートバンド譲りのR&Rセンス満載っつう…、純粋に英国人では出てこない部分もあるんだろうから不思議感も含めて頼もしい。

 そうだなぁ、冷静に見れば「Supersnazz」のジャケットはミッキーマウスをモチーフにしているんだろうし、アメリカ産ってのを主張している気もするか…。なんで「ブリティッシュ・ロック」っつう深民さんの本に載っていたんだろう?違ったっけかな?



Sparks - Indiscreet

Sparks / Indiscreet (1975)

1. Hospitality On Parade
2. Happy Hunting Ground
3. Without Using Hands
4. Get In The Swing
5. Under The Table With Her
6. How Are You Getting Home?
7. Pineapple
8. Tits
9. It Ain't 1918
10. The Lady Is Lingering
11. In The Future
12. Looks, Looks, Looks
13. Miss The Start, Miss The End

Indiscreet Propaganda
Sparks - Indiscreet Indiscreet Sparks - Propaganda (Remastered) Propaganda

 スパークスと言えば「キモノ・マイ・ハウス」が有名でして、自分もそれ以外なんてのはほとんど興味なかったので全然聴かなかったんだけど、ある時キッチュでポップな世界のバンド…ここ最近取り上げているようなバンドを聴いている時に、スパークスってそもそもヘンな感じだけど、他の作品ってどうなんだろ?って気になるわけだ。そうなるとちょろっと探してみたりするもので、なるほど、「キモノ・マイ・ハウス」以降数作は同じような路線で、ある意味全盛期だったんだ…ってこともわかってきて、楽しみになる。しかもアルバムジャケットが結構独特でヘンじゃない?今回の「Indiscreet」もちょっと怪しいけどヒプノシスなんじゃないか?なんて雰囲気だし、その前の「Propaganda」だってヒプノシスだろ?って感じでキッチュな世界観はしっかりと出ているんですよ。そうそう、英国センスもね。

 ってなことを気にしてて、ならばと思って手に取ったのが「Indiscreet」。いや、ジャケットとアルバムの中味の整合性はまだよくわからないんだけど、音の方は面白いわ。やっぱり「」の路線ではあるけどちょっと落ち着いているかな…なんてクレジット見てるとプロデュースにはあのトニー・ヴィスコンティが名を連ねているじゃないか。そういう事ですが…、どこかボウイ的マーク・ボラン的な聴こえ方をするのは…、なんてのは後付の理由でして、単に音の方はやっぱりキッチュでカラフルでヒネたポップ。でも、やたらと完成度が上がっているような気がしていて、それこそトニー・ヴィスコンティの器量なのかもしれないけど、上品なんだよね。そのモダンなおしゃれさがこの手のバンドの救われるトコなんだが、結構ハイセンス。

 スパークスってず~っとアメリカ産だと思ってたけど、主要なメンバーはアメリカからの移住人だったんだ。それでこのアルバムの後はアメリカに戻ってAOR路線に進んで失敗したらしいが…、そんなこと感じさせないくらい英国的なセンスをしっかりと打ち出した作品「Indiscreet」です。こういうアルバムはじっくりと聴いてできれば歌詞を見ながらジャケットを見ながら聴くものです。ハチャメチャに楽しめるドタバタドラマを見ている感覚に陥ることでしょう(笑)。歌メロは良質で演奏ももちろんしっかりしていて軽やかだし。

 改めてロックってのは幅が広い、って感じる。こんなのもアリで、それぞれがしっかりと個性を放って主張しているのも楽しい。まぁ、「Indiscreet」も10ccの「How Dare You」も1975-6年にリリースってことで、この頃はポップでキッチュなバンドが全盛だったのかもしれないな。面白いわ。



10cc - How Dare You!

10CC / How Dare You (1976)

1. How Dare You
2. Lazy Ways
3. I Wanna Rule the World
4. I'm Mandy, Fly Me
5. Iceberg
6. Art for Art's Sake
7. Rock 'N' Roll Lullaby
8. Head Room
9. Don't Hang Up

How Dare You Deceptive Bends
10cc - How Dare You How Dare You! 10cc - Deceptive Bends Deceptive Bends

 十分に有名なハズなのになかなか聴き切れていないロックバンドの一つ。どこかポップスというイメージを自分で持ってしまっているからだろうけど、ビートルズの再来にふさわしい、とかヒネたポップス、みたいなフレーズが多く見られたのでロックロック好きな自分にはかなり合わないだろうと思って手を出さなかったバンド。だから結構遅かったし思い入れもイマイチ少ないのを認識した上で改めて聴いてみる。

 そもそも話題としちゃあ、10CCってバンド名の由来からしてふざけた英国センスだというのは好きなんだが…、ある意味The Kinks的に聴いていけば良かったんだろうなと後で思ったんだよね。まぁ、いいや、これからも聴いていけるんだから楽しみは増えるさ。

 そんなことでジャケットはヒプノシスってので結構どこでも出てくるので知ってるし、かなり興味をソソられるジャケットであるのは間違いないもんね。一体表ジャケットも裏ジャケットもどんな話してるんだ?ってのがわかってしまうくらいにそれぞれの表情とトーンが見事。バックの二人と写真の二人…裏ジャケも含めて…、中ジャケは電話の嵐…。今の時代なら携帯電話だから面白くないのかもしれないが、アナログな電話だからこそ面白い。

 そんな10CCの名盤…最終アルバムとなってしまった「How Dare You」ですね。まぁ、簡単に言えばソープオペラ=昼メロに近い風情を持ちながらメチャクチャシリアスに歌われている…歌詞を紐解くと相当シリアスってのがわかるようだけど自分でもまだそこまでたどり着いてません。ただ、音と共に世界観を醸し出したものってのは聴いているだけでわかるし、それを増長しているのがアルバムジャケット。いや、重要です。

 音世界は、カラフルでアコースティックも効果音も含めて構成も何もかもが綺羅びやかで華やかに、そしてドラマティックに組み立てられている…ってもポップスの世界。「I'm Mandy Fly Me」なんて最高の名曲なんじゃないか、ってくらいのメロウさだけどその構成と展開は普通じゃ考えつかないようなものだしさ。ちょっとね、聴いていたいなぁ~と思うようなアルバムだから飽きない。あぁ、自分も日本盤で訳詞付きで手に入れるべきだったな…と。まったく英国でしか出てこない音だし、時代も手伝っているけど素晴らしい傑作。コンセプトアルバムとかいう仰々しいものじゃなくてストーリーラインに則ったカラフルで楽しめるアルバム。なんて面白いんだろう。

 バンドの内部やメンバーの関係なんてのも結構色々と噴出していた時期らしく、作風やパートなども特性が出ていると言われているんだけど、その前に作品として良いものを作り上げるという目的は共通していたことでこれだけの作品が出来上がったんだろうな。プロだわ。簡単に言うとサーカスみたいに華やかでシュンと一気に終わる…そんなアルバム。



Yes - The Yes Album

Yes : サード・アルバム (1971)

1. Yours Is No Disgrace
2. Clap
3. Starship Trooper/Life Seeker/Disillusion/Wurm
4. I've Seen All Good People: Your Move/All Good People
5. Venture
6. Perpetual Change

Yes Album Close to the Edge
Yes - The Yes Album (Remastered) The Yes Album Yes - Close to the Edge (Bonus Track Version) [Remastered] Close to the Edge

 ポップスとロックとプログレッシブの中間に位置するバンドではなくってアルバム、と言うのは実は結構あるんだろうな、と思い立ちあまり得意ではないイエスを手に取ってみた。先日久々にブログを更新していたaxis_009さんのOoh La Laサイトでイエスを取り上げていたのもあって、名盤「Close to the Edge」を再度…と一瞬思ったけど、流れ的によろしくないので、その手前の「The Yes Album」をチョイス。もちっと手前でも良かったんだけど、「The Yes Album」こそがイエスの中途半端な立ち位置じゃないかな、なんて(笑)。

 とは言えども、ライブでは演奏される楽曲ばかりを収録した、そしてスティーブ・ハウ参加の最初のアルバムってことでかなり気合も入っているし、楽曲レベルも高いイエス好きな人の間でも評判が良い作品なので、多くは語るまい(笑)。えっと…、イエスって非常にプログレッシブなバンドとしてのレッテルがべったりと貼られていて、しかもそれはどこか長大な楽曲によるもので、組曲形式を主としたもの、というイメージがある。ジョン・アンダーソンの歌声もひとつの要因だが、感情の起伏よりも楽器としての歌声という感じで、どこか機械的な印象。そこにクリス・スクワイアの凄いベースラインが入ってくるんだけど、何故かバンドアンサンブル的にはあまり目立たないという不思議…。「The Yes Album」はリック・ウェイクマンが登場する前の作品だからトニー・ケイの力量の弱さが顕著に出てしまっていて、その分どこか小ぢんまりと纏まっている辺りが「The Yes Album」の良いところ。

 この流れで出てきたのは、「The Yes Album」って作品は意外とプログレッシブロックではなくってポップとは言わないが軽い感じに流れる楽曲が多くて、もちろん大作もあるが、それはテーマによるもので壮大なスケールというものではない。だから結構聴きやすい普通のアルバムに近い感覚なんだよね。カラフルだしさ。重苦しくない…いや、重いのはクリス・スクワイアのベースくらいで、抵抗を持つ作品ではないのだ。だから自分でも取り出して聴き直してみているんだけど、以前聴いていた時よりも可愛く聴こえてしまったのは時間の流れか。

 と、まぁ作品的に見直しているのはあるんだけど、それよりも何よりも悲しいのはギター好きの性でして…、「Clap」の素晴らしさに耳を取られてしまってですね(笑)、ついそこで何回か聴き直してしまうんだよ、やっぱ凄いな、これ…って。最近のCDではボーナストラックでスタジオテイクも収録されているようだが…、自分的にはやっぱり普通の「The Yes Album」の2曲目に入ってるライブ感たっぷりのバージョンが好きだね。そういう意味では3曲目の「Starship Trooper」の最後のパートの「Wurm」も好きだが…、結局スティーブ・ハウのギタープレイが好きなんだってことになるのか(笑)。

 そういえばコレってドラムがビル・ブラッフォードなんだけど、まだまだ「The Yes Album」ではその後に聴ける超絶手数ドラムではないんだな…とふと思った。もちろんバンドと曲に合わせて、ってことだろうけど。そしてこのジャケットで思い出すのは「Beat Club」出演時の映像…、この人形の首がクルクルと廻っている中で演奏していたんだもん。



Roxy Music - Siren

Roxy Music : Siren (1975)

1. Love Is the Drug
2. End of the Line
3. Sentimental Fool
4. Whirlwind
5. She Sells
6. Could It Happen to Me?
7. Both Ends Burning
8. Nightingale
9. Just Another High

Siren Country Life [12 inch Analog]
Roxy Music - Siren Siren Roxy Music - Country Life Country Life

 ロック好きやポップス好きという枠を超えて、またヒプノシスやキーフ、ロジャー・ディーンなどと言う英国ロックに不可欠なアートワークメイカーも飛び越えて、圧倒的に世間的にもマニア的にも話題的にもそのジャケットのインパクトが認められている素晴らしき作品「Siren」。このアルバムを語る時に必ず最初に言われるのが、ジェリー・ホールの美しさとブライアン・フェリーとミック・ジャガーの恋愛競争。そんな浮世話も話題に花を添えているのも事実だが、このアルバムのジャケットの美しさは群を抜いている。色合いもジェリー・ホールも全て。人魚ってホントにいるんだよな、と思うようなセンスが素晴らしい。

 そして「Siren」はもうひとつ重要な要素もあって、これがRoxy Musicの第一期最終作品だった、ということだ。まぁ、解散ってことだね。それでいてこのクォリティの作品ってんだから恐ろしい。自分的に言うとですね、これまでRoxy Musicと言うバンドは何度も挑戦してアルバムを聞きながら少しづつ納得していったっていう歴史があったんですよ。それはイーノ時代からの作品もそうで、少しづつ少しづつ理解しようと、ね。まぁ、イーノ時代は何となくそういう方向性なんだろうな、ってかうらいにはわかってきていて、実は解散後の「Avalon」に至るまで何度も聴いてはいたんだけど、全然耳に入ってこなくて好みじゃなかったんだよね。だから世でどうしてそんなに騒がれるのかわからなかったし、まぁ、そういう世界もあるわな、ってくらいにしか認識してなかったもん。

 ただ、Roxy Musicから排出されたメンバーってかなりアチコチに顔出してつながっていっててさ、もちろんプログレ畑から流入してきた人も多いし…、エディ・ジョプソンにしてもジョン・ウェットンにしてもフィル・マンザネラにしてもプログレ畑で名前の出てくる人じゃない?まぁ、ブライアン・フェリーですらクリムゾン関連で名前が出てくるワケでして…、そうするとどこかにRoxy Musicってのを理解しておかなければいけないセンスってのがあるんだろう、と。それがわからなくてさ、アカンな、なんて(笑)。

 そんで、ここのところキッチュなポップ、ヘンなセンスのロック、ってのを聴いている中でMetroのデカダンさが出てきたのでやっぱRoxy Musicだろうな…、なんてことで、ちと自分でもあまり乗り気でないながら手を伸ばして…、どうせなら綺麗なのがいいな、ってことで「Siren」です。聴く意欲にはなるんですよ、このジャケットは。もっとも、他のアルバムのジャケットもそれぞれクセがあるので面白いんだが…。はい、それで、「Love Is Drug」は言わずもがな、とにかく全曲こんなにクールでデカダンで、ハイセンスで音が良くて、時代を先取ったサウンドってのに驚きます。ブライアン・フェリーの歌や声ってのは全然好みじゃないけど、音作りという面では最先端で、面白かったんだろうな、ってのがわかった。そうか、Roxy Musicってこういう聴き方ならわかりやすいのか…と。熱く燃えてくるっていうんじゃなくて、一人クールにクラクラして楽しむというバンドの音なんです。それにしては凄くよく出来てて、ハマれれば何度も聴けるじゃないか。エディ・ジョプソンがかなり活躍しているところに音楽センスが出てくるのか?へぇ~、自分がRoxy Musicを褒め称える時が来るとは思いもしなかったけど、びっくりするくらいクール。A面のながれとB面序盤は何か凄いものがある。B面の終盤もムードが凄くて…、へぇ…、やっぱり名盤と呼ばれるアルバムは聴き所がいくつもあるもんだ。自分もまだまだだな…。



Metro - Metro

Metro : メトロ 1976

1. Criminal World
2. Precious
3. Overture To Flame
4. Flame
5. Mono Messiah
6. Black Lace Shoulder
7. Paris
8. One-Way Night
9. Jade

メトロ(紙ジャケット仕様) Duncan Browne
Metro - Express Metro Duncan Browne - Duncan Browne's Ninepence Worth of Walking Duncan Browne

 妙~なポップセンスが全開しているキッチュなポップロックバンドとも呼ばれるメトロ。ダンカン・ブラウンとピーター・ゴドウィンのセンスが炸裂するデカダンなバンド。1976年というパンク直前の英国に於いてこんな妙なものが売れたという事実もこれまた不思議な事だが、その成功に釣られてアルバムを手にした人達は果たして「メトロ」という作品をどう思ったのだろう?多分両極端に分かれたんだろうな…と想像に難くない。

 Roxy Musicや10cc的に…と言われていたことなのだろうが、その系譜として見ると後のXTCやUltravoxと言ったサウンドへの影響とも見られるワケで、ってことはこの頃二極化した反応ってのは思いも掛けない音世界に巡り会ったとハマり込んでいった本物のヘンな若者たちの部類と、よくわからんけどヘンだな~ってくらいで離れていった一般層。なるほど、聴けば聴くほどハマり込んでいく人達の気持ちもよくわかるし、後にヘンなバンドの人達が名前を挙げて絶賛していたのも分かる。こういうのって言葉で表しにくいんだよね…。

 メトロは熱くなるような歌いまわしやロック的な部分は皆無で、淡々とクールに音を聴かせてくる。まぁ、ジャパンとかもそんな漢字だけど、もっとヘン。80sが流行した時にはこういうのが洗練されてポップスに昇華した部分もあるかも。そもそもが踊れないバンド、っていうコンセプトだし、確かに英国からしか出てこないクールなサウンド。歌も上手くないし演奏も特に際立ったものじゃないし、テクノやハウスみたいに何か新しい要素を持ち込んでいるワケでもないが、やたらとクール。ただ、何となく理解出来たのはDuncan Browneと言う人の来歴は別途英国ロックの「Duncan Browne」というアルバム方で知ったので、あのフォーク青年が何ゆえにこんな風な音を奏でるようになったのだろう?という疑問の方が大きかった。でも、しっかりメトロを聴いていると、そのフォーク調な部分がベースになっていることに気づく。人間根はあまり変わらないものだ。

 後にDavid Bowieが80sメガヒットアルバム「レッツ・ダンス」の中で「Criminal World」を取り上げたことでMetroのヒット曲が再注目されたことはあるが、Bowieの作品のカバー具合は常にオリジナルを超える垢抜けたサウンドになることが多く、「Criminal World」でもそんなことで、Bowieバージョンの粋の良さが際立っているが…。





Deaf School - 2nd Honeymoon

Deaf School : 2nd Honeymoon (1976)

1. What a Way to End It All
2. Where's the Weekend
3. Cocktails at Eight
4. Bigger Splash
5. Knock Knock Knocking
6. 2nd Honeymoon
7. Get Set Ready Go
8. Nearly Moonlit Night Motel
9. Room Service
10. Hi Jo Hi
11. Snapshots
12. Final Act

2nd Honeymoon イングリッシュ・ボーイズ / ワーキング・ガールズ
Deaf School Deaf School

 英国でキッチュなモダンポップスの波は脈々と受け継がれていて、どの時代でも何となくそんなバンドってのが存在していたりする。The MoveからELO、Stackridgeや10ccなどが直系の系譜で語られたりすることが多いが、その中の一つに入ってくるDeaf Schoolというバンドも忘れてはいけない。まぁ、そんなに大層なバンドでもないのだが、英国ならではのシニカル度合いやポップス具合、キッチュでヒネた感性をそのまま音楽として表した才能はやはり大英帝国の財産だろう。

 Deaf Schoolも多分英国ロック本か何かでジャケットだけ見ていて、何となく頭に残っていたのだが、レコードがどんどんと値下がりし、既にゴミ捨て処分に近くなってくるとそういう忘れていた財産に出会うこともあって、そういえば聴いてないな、コレ、的に手に入れているので決して期待満々で聴いた訳ではなかった。ただねぇ、特に何の意識もなかったんだけど、それまでこの「2nd Honeymoon」というアルバムのジャケットはヒプノシスだろう、と思って疑ってなかったんだよね。調べてもいなかったし何か書かれている本を見たんでもないから、勝手な自分の認識だけでヒプノシスと思ってたんだけどさ、コレ、ヒプノシスじゃなかったんだよ。それが最初にびっくりした。凄くヒプノシス的センスの強いジャケットに見えない?いやぁ~、なかなか鋭いセンスを持ったジャケットですよ。これはこれで好きだね。

 そして「2nd Honeymoon」の中味はもう明るくヒネたポップがこれでもか、ってくらいに展開されているので楽しめる。リバプール出身のバンドってことでビートルズの再来とか色々と言われたようだけど、もっとヒネてて世の中ナメてる節が大きいから、どっちかっつうとキンクスに近い感覚だろうよ、これは。凄いセンスの良さが出てきていて面白いし、メンバーの数が9人ってのもあってか色々な声や音が聞こえてくるのも賑やかで楽しめる。楽曲センスとしても軽快でサラリと聴かせる曲が多くてこの頃のロックが好きな人は全然大丈夫なんじゃない?もちろんB級ではなくってハイセンスなバンドです。あまり知られていない…と言うか、歴史的に残るほどのバンドではない扱いになっているからだけど、面白いセンスのバンドだよね。

 しかしアルバムタイトルからして「2nd Honeymoon」でしょ?まぁ、ヒネくれ者の作品ってのはすぐわかるでしょ。驚くのはこんだけ完成度の高い作品がデビューアルバムってことだ。もっともこの後色々と活躍することになるクライブ・ランガーが在籍していたんだけどね。80sポップ系では割と知られている存在かもしれない。そしてYouTubeを探していたら何とまぁ、近年再結成して活動しているんですかね、これ。驚いた…。






Stackridge - Friendliness

Stackridge : Friendliness (1972)

1. Lummy Days
2. Friendliness
3. Anyone for Tennis
4. There Is No Refugee
5. Syracuse the Elephant
6. Amazingly Agnes
7. Father Frankenstein Is Behind Your Pillow
8. Keep on Clucking
9. Story of My Heart
10. Friendliness, Pt. 2
11. Teatime

Friendliness スタックリッジ
Stackridge - Friendliness Friendliness Stackridge - Stackridge Stackridge

 英国的なポップ路線を受け継ぎながらプログレッシブな指向性も持ち、実にユニークな音作りを行っていたスタックリッジ。有名なのはこの後にリリースされた「山高帽の男」ではあのジョージ・マーティンをプロデューサーに迎えてまんまビートルズらしい名盤をリリースしている。今回はその前の1972年にリリースされたStackridgeとしてのセカンドアルバム「Friendliness」となる。

 今となっては一般的にはほとんど知名度はないし、そこそこ知られているとしても70年代から80年代にかけてThe Korgisというバンドで活躍した人達が元々在籍していたバンド…という程度か。自分的にはそのThe Korgisってのをまだ聴いたことがないので、全く印象が薄いのだが…。Stackridgeとの出会いは…、例によって英国ロック本の中で見かけたことから記憶にインプットされていて、欲しいレコードを巡る旅=レコ屋漁り時に気にする程度でしたね。もちろん音なんかどこでも聴いたことなかったので、その英国ロック本で読んだちょっとした解説だけで自分が買うレコードの順位を付けていくワケですよ。なので、どうしてもビートルズとかポップとか言う言葉があると後回しになってしまってさ(笑)。もっとも見かけたら買ってたんで、巡り合いの運だけだった、ってのはあるが…。

 そこで自分が最初に出会ったのはStackridgeのファーストアルバム「スタックリッジ」。BGMからのリイシュー盤で、後にオリジナル盤を見かけた時のジャケットの重厚さとはまるで異なっていたものだ。まぁ、それでも聴けたから良しとしよう…として、それほどお気に召さなかったってのもあって他のアルバムはかなり後になってから徐々に聴いていたってトコだ。この「Friendliness」もそんな流れの一枚で、Stackridgeの中で聴いたアルバム順からしたら結構後の方じゃないかな。どのアルバムもロック的なインパクトはなくって、浮遊した感覚とポップ的な感覚…それでいてヤケにプログレッシブなアプローチという不思議なバンドでさ、「Friendliness」はどうなんだろ?っていう好奇心はあった。「山高帽の男」の前のアルバムだから自分たちの音楽を模索しているだろうし、と。

 聴いてみるとわかるけど、実に多様性に溢れたアルバムに仕上がっていて、メンバーのユニークな音楽性の高さを楽しめる。バイオリンやフルートというのも普通に使っていて、もちろん主役じゃないにしてもStackridgeとしての味付けがきちんと出来てるもんね。鍵盤の比重も割と高くて、牧歌的…とまでは言わないがどこか遠くを見るような雰囲気を特徴としているかな。プログレッシブなアプローチと言う割りに「Friendliness」ではもう5分程度の曲ばかりで纏められているので聴きやすいし、そういう意味では真のプログレッシブバンドの基準を満たしているのかもしれない(笑)。いや、本物のプログレバンドは小曲から出発していることが多いっていう自説ですが。

 ビートルズ的という側面はまだそれほど出ていなくて、どちらかっつうとYesやGenesisの初期のような英国の軽やかさと重さとメロディが同居しているという不思議なバンドで、B級的な匂いはほとんどないんだよね。A級センス抜群で、音も今聴いても古臭い部分をあまり感じられないから、しっかりと作られているんだと思う。曲構成がこれまた面白くてさ、一曲だけ9分弱の曲があるんだけど、これがよく出来たドラマティックな作品で、素晴らしいんですよ。なかなか出会えない世界だろうけど、こういうポップでプログレってるのってさ。個人的にはパンチが足りなくてもうちょい、っていうトコだけど秀作の域ではあるよね。



Roy Wood and Wizzard - Wizzard Brew

Roy Wood & Wizzard : Wizzard Brew (1973)

1. You Can Dance the Rock 'n' Roll
2. Meet Me at the Jailhouse
3. Jolly Cup of Tea
4. Buffalo Station -- Get on Down to Memphis
5. Gotta Crush (About You)
6. Wear a Fast Gun

Wizzard Brew ボールダーズ(紙ジャケット仕様)
Wizzard - Wizzard Brew Wizzard Brew Wizzard - The Wizzard! Greatest Hits and More - the EMI Years The Wizzard! Greatest Hits and More

 ロイ・ウッドがThe MoveからELOへと渡り歩き、盟友ジェフ・リンとも袂を分かつ時に選んだ道はWizzardというバンドの「Wizzard Brew」というアルバムでひとつのピークを迎えている…、後に発掘された「ボールダーズ」というアルバムはちと除いた場合ですが(笑)。多才な人ってのは本当にいくらでも良作が勝手に出来上がってくるというのか、作る、という行為そのものを意識しなくても勝手に出来上がってくるのではないかと思うくらいだ。駄作とかつまらない作品とかってのがないとは言わないけど、作品レベルが完全に普通を超えているもんね。The MoveとELOであれだけ名作を放っておきながら、バンドを離脱して出来上がったWizzardの「Wizzard Brew」という作品、果たしてどんなサウンドなんだろ?と気になってたけどね、これもなかなか手に入らないんですよ。とにかくこのヘンってジャンルも結構宙ぶらりんだったから探しにくいってのもあってさ・普通のヘンなのは大体プログレらしきところにあったりするんだが、ELOがメジャーな人だったが故にWizzardとかって結構普通にロックコーナーに置いてあったりして、見つからないんだもん。普通の中古屋さん行った方が見つかるんじゃないだろうか?なんて思いながら探してた記憶がある…。

 それにしてもこのジャケットだ。ジャケットだけはなくて、実際ステージなんかもこんな格好だったんだろうし、もしかしたら普段からヘンな格好の人だったんじゃないだろうか、と思っている。顔付き自体が何となくもっさりと悪魔チックっつうのかさ、そんなんだからあながちこのメイクは本人を隠しているわけではなくって増長しているのかと。

 いやいや、音の方はですね…、軽快でカラフルなポップさ、ってのから離れていって、やや重みを持ったポップス…っても使っている楽器が豊富だから派手なサウンドってことに変わりはないかな。ただ、グイグイとグルーブしたりしていて思い切りロック的。それまでの宙ぶらりんな立ち位置からかなりシフトしている…、この時代のB級バンドが持ち得ていた強引さやお試しさ加減ってのをそのままやっているんだけど、そこらへんのセンスの違いなんだろうな…、無駄がなくってどの音も割と必然性があって鳴っているような面がある。ギターにしても結構エグい音色のファズサウンドでさ、おどろおどろしい部分あるけど楽しめる。かと思えばサーカスみたいにキラキラしたサウンドに仕上げているのもあって、一体何がしたいんだい?ってくらいだ。ただ、そんな才能こそがロイ・ウッドがやりたかった音楽世界なんだろう。一般人としては着いていくのに精一杯。Rock'n Rollからポップス、オペラ、サーカスなんてのもひとつの箱に入れて楽しんでるみたいです。「Wizzard Brew」が傑作なのはよくわかるが、制覇するには時間がかかるアルバムだな…。





Electric Light Orchestra - Eldorado

ELECTRIC LIGHT ORCHESTRA : Eldorado (1974)

1. Eldorado Overture
2. Can't Get It Out of My Head
3. Boy Blue
4. Laredo Tornado
5. Poor Boy (The Greenwood)
6. Mister Kingdom
7. Nobody's Child
8. Illusions in G Major
9. Eldorado
10. Eldorado Finale

Eldorado Discovery

 何と幻想的なアルバムジャケットなのだろう、そして如何にも美しく妖しく夢のあるアートワークなのだろう。こういう絵心って英国ロックには凄く重要な要素であるのと同時にリスナーとしても期待を抱く瞬間だよね。ジャケットから音を連想してイメージする…、そんなワクワク度って面白いじゃない?そんな子供心を刺激するかのようなファンタジックなジャケットとは言えども、実際に何が現実と違うの?って言うとちょっと見えてる手の色と形と黄色いエナジー体だけでして、他は日常のままなので、如何にアートワークとしての写真とアングルが面白いか、ですね。

 いやいや、最初からジャケットに進んでしまいましたが、このアルバムのジャケットにソソられるって人、多いんじゃないかな?昔某ブログでレビューされた時にそう書いてあったのもあったけど(笑)。それで、ロイ・ウッドという奇才を失ったELOはその後ジェフ・リンというもう一人の天才を中心にバンドを進めていったんだが、ご存知のように世界最小のオーケストラと言うあだ名を受けつつ、英国的にひねくれたポップスを奏でていくという不思議なバンドです。ロック界ではあまり名を聞かないし、それほど好きだ、っていう人にも会わないんだけど、ビートルズ的エッセンスの好きな人は結構通っていたりして、その評価は非常に高い。もっとも何も意識せずにヒット曲を知ってますって人はいるので、やはりポップ畑にいる人達なんだろうし、ジェフ・リンの90年代の貢献=Traveling Wilburysみたいなのは印象として強いけどね。

 1974年にリリースされたELO4枚目の作品となる「Eldorado」はそのファンタジックなジャケットかを裏切ることのない音世界。トータルコンセプトアルバムとして練られていて、どれもこれもが極上のポップスとオーケストラで間髪入れずにどんどんと聴き手を翻弄させてくれます。もちろんそこにはビートルズのメロディがたっぷりと掛けられていて、さらにストリングスのアレンジによって世界を広げているという美しさ。キラキラと輝くおもちゃ箱の世界を才能でまとめ上げているってのかな、素晴らしいわ、これ。ロイ・ウッドがどんどんと失墜していく中、ジェフ・リンはどんどんと世界をおもちゃにして遊んでいるって感じ。

 「Eldorado」って理想郷とか黄金郷とか…、まぁ日本的には桃源郷ってのかね、そういう夢想を追いかける話をイメージしているんだろうけど、英国ではこのヘンが指輪物語という傑作が決定付けているからこういうのもリスナーがイメージしやすいんだよ。皆指輪物語読んでどんなのか、ってのを何となく想像しているからさ。日本ではそういうのがなかなか一般化していないから難しい。日本的に言えば日本昔ばなしみたいなのがイメージ作られているっていうところかな。まぁ、いいや(笑)、とにかくこのELOの「Eldorado」って結構世界観広がる音世界でして、なかなか手を付けられない部分あるけど、この後の一般化したELOよりも「Eldorado」あたりのELOの方が割と好みです。



Idle Race - Idle Race

Idle Race : アイドル・レース (1969)

1. Come With Me
2. Sea of Dreams
3. Going Home
4. Reminds Me of You
5. Mr. Crow and Sir Norman
6. Please No More Sad Songs
7. Girl at the Window
8. Big Chief Woolly Bosher Good
9. Someone Knocking
10. A Better Life (The Weatherman Knows)
11. Hurry up John

アイドル・レース(紙ジャケット仕様) バースデイ・パーティ(紙ジャケット仕様)
The Idle Race - Back to the Story Back to the Story

 一方の天才少年ジェフ・リンは60年代後期からIdle Raceというバンドで活動していたことは既に知られての通りだが、ロイ・ウッドのThe Moveがシングルヒットを続々と放っている頃にまだまだ売れないバンド的な活動しかできておらず、良作をいくつもリリースして、玄人肌にもウケが良かったのだが、なかなか商業的な面には結びつかなかったようで、その辺がジェフ・リンの才能と現実の狭間で、The Moveへの参加と現メンバーとの関係性ってので揺れていたのかもしれない。結果的には正解という道を歩むのだが、そんなIdle Race時代の音源もちょっと聴いてみた。

 セカンドアルバムにしてセルフタイトルのアルバム「アイドル・レース」を1969年にリリースした…とは言ってもこの時代だから多分シングルが先行していて寄せ集め的っていうのかもしれない…、そこまで追いかけてないからよくわからないけど、アルバムを聴く限りはどれがシングルヒットしていてもおかしくないくらいのクォリティだし、全く今のジェフ・リンの才能を隠すものでもなくって既に全開している状態です。特に「Rmeinds Me Of You」とか「Mr.Crow and Sir Norman」なんて極地じゃない?前者は聴いた時にTravelling Willburysを思い出したくらいジェフ・リン独特のメロディが既に出来上がっているし、後者は完全にビートルズチックでありながらもしっかりとカラフルなメロディを打ち出したふざけた作品で(笑)、こういうユーモアってのは同時代で理解するか大人にならないとわからないものかもしれない。英国独特だよね。

 全体的にはもちろんキャッチーで楽しめるメロディ満載で、ファースト「バースデイ・パーティ」ほどではないだろうけど、筋の通ったIdle Race的作品と言えるんじゃないかと。Webであれこれ探してもどうしても「バースデイ・パーティ」の方がレビューが多くて「アイドル・レース」の方は詳細がよくわからない部分あるけど、まぁ、音だけ聴いていると好みは別としてなるほど良質なポップスを奏でるアルバムだと納得する。そしてジェフ・リンがロイ・ウッドとくっつくのも確かにギャンブルだっただろうと。残されたメンバーはどうしようもなくなったようだが、それはそうとしてIdle Race時代の曲を焼き直してどこかでプレイしても全く古さを感じさせない曲だろうと思う。



The Move - Looking On

The Move : Looking On (1970)

1. Looking On
2. Turkish Tram Conductor Blues
3. What?
4. When Alice Comes Back To The Farm
5. Open Up Said The World At The Door
6. Brontosaurus
7. Feel Too Good

Looking On The Move

 ロイ・ウッドとは…、なかなか読み取りにくいミュージシャンの一人。ジェフ・リンはまだ後の活動からそれなりに趣味とか方向性とか英国人らしい部分ってのがわかるんだけど、ロイ・ウッドってのは奇人的印象が拭えない。それは多分にソロ作品「Wizzard Brew」のジャケットとかその後のベスト盤などで見られるロイ・ウッドの奇抜なメイクに他ならないワケだが…。Renaissanceのアニー・ハスラムとの関係性から久々に気になってちょっと取り出してきたロイ・ウッド関連。The MoveからELO、Wizzardあたりと妙なベスト盤…、それなりにあるので何となく聴けるってのは良い環境なのだが、ジェフ・リンというキーワードも外せないので、今回はThe Moveの「Looking On」。

 まず、だな、この「Looking On」のジャケット…、ロック名盤の本などで小さく見てもあまりよくわからないだろう…、もしかしたらCD紹介の本なんかでもよくわからないと思う。アマゾンで見たって何だろ?ってくらいの興味しか示さないだろうが、アナログで見てもらいたい…。もしくは拡大して見てもらえるとわかるが、どうにもふざけたジャケットってことがわかるハズだ(笑)。自分は昔何かの本でこのアルバムジャケットの紹介をモノクロの写真で見て、卵があちこちに向けて並べられているジャケかな…、何の卵だろ?って思ってました(笑)。まさかハゲ頭を上から写した写真とは思わなかった…。

 さて、そんなふざけたジャケットの中味はThe Moveという60年代末期のカラフルサイケデリックポップの申し子のようなバンドが、同じく同年代のビートルズフィーバーたっぷりのIdle Raceからジェフ・リンを引っ張ってきてロイ・ウッドとジェフ・リンの双頭体制が整った最初のアルバムです。双方とも同じような感性だということを認識していたためか、得意分野での才能開花ではなくって、ちょっと違う方向性での実験をすることで、それまでのThe Moveが持っていたカラフルさや軽快さは鳴りを潜めどこかヘンなハードロック的サウンド…、軽くてヘン、じゃなくてちょっと重苦しくてヘン、というバンドのサウンドに変化している。それはそれで面白いのだが、伊達にポップ畑を歩んでいる人達ではないので、結局妙な展開だったりコーラスだったり構成だったり効果音だったりってのはあらゆる実験として盛り込まれている。そのおかげでイマイチ掴みどころのないアルバムになっているのでThe Moveが好きなファンからするとちと敬遠されがち、ELO好きにはちょっとオーケストレーションが不足している、という中途半端な作品。

 ところがロック畑…60年代後期から70年代が好きなリスナーからしてみると、これもうクィーン的に面白いアルバムでして、クィーンよりも先なワケだからおぉ~、ってなモンです。後の方向性がELOだったので、ロックからややポップの方に寄っているけど、「Looking On」を聴く限りではどっちに転んでもおかしくない、時代の産物でもあるけど新たな幕開けを予感する作品でもある、とは褒めすぎか。ただ、まだまだ60年代の香りを漂わせているのは事実だが…、これからジェフ・リンがどんどんと才能を発揮していくことになるが、結構ブラック・サバス好きな人とか面白いんじゃないだろうか?まぁ、クイーン好きが一番入りやすいだろうけど。



Chopyn - Gland Slam

CHOPYN: グランド・スラム (1975)

1.In the Midnight Hour

2.Non-commercial Blues

3.Backstage

4.Space Nativity

5.Wasting Time

6.Girl at the Top of Stairs

7.Insomniac Arrest

8.Laughing Tackle

9.Somebody Gotta Go

10.You Never Told Me Your Last Name

グランド・スラム(紙ジャケット仕様) アン・オデール/ア・リトル・テイスト

 昔、Annie Haslamのソロアルバム「不思議の国のアニー」と同じような立ち位置のイメージを持っていたのが、Ann Odellという女性の「アン・オデール/ア・リトル・テイスト」というアルバムだったのだが、これがまた全く手に入らなくて大変だった。CD時代になってからは割と早めにリリースされたのでそれは良いのだが、今度はAnn Odellが在籍していた…と言うか、自分で組みたくて組んだバンドだったChopynという大胆なバンドの「グランド・スラム 」が手に入らなかった。これはもう全然CDにもならなくて見つからなかったねぇ。今はようやくCDになっているけど、これも世界では日本だけだから結構レアな代物になるだろうな。

 メンツを見ればお分かりのように今となってはSimon Phillipsが在籍していたバンド、っていう方がわかりやすいんだろうと思う。Simon Phillipsが17歳とか18歳の頃のプロバンドなワケで、もちろんアルバムを聴いている限り全然テクニック的にもノリ的にも遜色なくて天賦の才能をフルに活かしているように思う。そもそもAnn Odellって人が王立音楽院を出た才女なので、音に対する感性が凄く敏感なハズなので、そこでのこのSimon Phillipsの採用なのだからそりゃそうだろ、と。そのAnn Odellという女性について割と知られているのはBryan Ferryの「Let's Stick Together」のストリングスアレンジやJapanの「Quiet Life」、更にSimon Phillips繋がりであのPete Townshendのソロアルバム「All the Best Cowboys Have Chinese Eyes」なんてのにもブラスで参加している才女。

 キャリア的にはこのChopynが最初というものでもなく70年代初頭からシーンには名を残しているようで、様々なセッションに鍵盤奏者として名を連ねているみたいで、Blue Minkなんてのが割と初期かね。ソロ名義でもシングルとアルバム「アン・オデール/ア・リトル・テイスト」が1973年にはリリースされているし。以降はなかなか目立った作品はないけど、これだけの才女なのだからどこかで色々と仕事してるのだろう。オフィシャルサイトもあるし。

 さて、そのChopynというバンド…、当時Ann Odellはどうにもファンキーな音をやりたかったようで、一見ボーカルしてるのかと思ってたら、しっかりと鍵盤に始終していて歌は多少歌っているものの基本的には他に任せてしまっている。作品としては非常に取っ散らかった印象の強い作品で、確かにファンキーな音を狙っているので、どこかBabe Ruth的な部分もあったりするんだけど、中途半端。それが面白い味付けになっているんだろうけど、垢抜けない音世界はやはりB級路線を歩まざるを得ないトコロ。ジャケットとか色々とマニア心を擽るものだけどね。ギターにはRay Russellが参加しているのでソツなく聞かせる部分では問題ないし、それよりもこの「グランド・スラム 」で目立つのはベースとパーカッション。全く無名でしてその後もあまり名を聞かないんだけど、これがまた良い味出してます。

Annie Haslam - Annie's In Wonderland

Annie Haslam : 不思議の国のアニー(1977)

1. イントロリーズ/私が音楽でできていたら
2. 愛への疑い
3. もしも貴方を愛したら
4. フニオコ
5. ロッカリーズ
6. ネイチャー・ボーイ
7. インサイド・マイ・ライフ
8. 家路(ドヴォルザーク「新世界」より)

不思議の国のアニー Live Studio Concert Philadelphia 1997

Annie Haslam - Annie In Wonderland Annie In Wonderland Annie Haslam - Live Under Brazilian Skies Live Under Brazilian Skies

 ホントに当時からこんな邦題だったんだろうか?今になってこんな邦題を付けたといわれてもわからないのだが、どっちかっつうと直訳…、カタカナ表記だけだから当時の邦題ではなかったんだろうな、と。ま、それはともかくとして、ルネッサンスの大作志向からは大きく離れて当時恋人だったロイ・ウッドとの共作品として名高いアニー・ハズラム最初のソロアルバム「不思議の国のアニー」です。一体どこでどうやってアニー・ハズラムとロイ・ウッドが知り合ったのか、と言うようなことは調べていないのでよくわからないんだけど、まぁ、狭い世界なのかもしれないね。

 ロイ・ウッドがアニー・ハズラムの歌声を使って色々な実験をしたかったのか、アニー・ハズラムが大作志向とは異なるものに挑戦してみたかったからなのか、意外なほど二人のコラボレーションは上手く進んでいて結実しているように聞こえる。元々アニー・ハズラムの歌声は伸び伸びと歌える環境さえあれば生きるものなので、チョコマカしてなければ楽曲そのものが長かろうがポップだろうが問題はないんだろうな。だからロイ・ウッドも色々と試していて、伸び伸びと大らかに、聖歌隊を独りでまとめ上げるかのように歌わせていたり、最後の「家路」みたいにバックはシンプルに歌だけが響き渡るようなのもアニー・ハズラムらしい。これは3曲目の「If I Loved You」でも同じことが言える。そしてロイ・ウッドの実験は更に進み、バックの妙にポップに凝っているアレンジの上をアニー・ハズラムが大らかに歌い上げるというアンバランスさが「Hunioco」あたりで顕著になってくる。単なる歌い手の独りとして埋もれるのかアニー・ハズラムという個性が出てくるのか…結構微妙になってしまうくらいロイ・ウッドの作風が強烈。以降は相当ロイ・ウッドが遊んでいる様子がありありとわかる曲が多くてユニークな試みと言えばユニーク。

 アニー・ハズラムが自身のソロアルバム「不思議の国のアニー」でロイ・ウッドと組んでやってしまったことはモロにルネッサンスにも影響してしまって、ルネッサンスの次のアルバムとなった「四季」では見違えるくらいにポップで綺羅びやかなテイストを眩したアルバムになっている。それはそれで好評を博している面もあったのだが、明らかにロイ・ウッドからの影響力によるものだろう。さすがにいくつものバンドを解体しただけのことはあるロイ・ウッド(笑)。

 え~っと、話はアニー・ハズラムのハズなのでどうにも的外れになりがちな記事になってしまったのだが(笑)、この「不思議の国のアニー」ってアナログで探している時、結構見つからなかった。珍しい~っていう部類ではなかったハズなんだけど、タイミング的になかなか巡り会えなくて結局CDになってから聴いているもん。セカンド「アニー・ハズラム」とかはさっさと聴けたんだけど、やっぱり全盛期の「不思議の国のアニー」が気になったもんな。





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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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