Steel Panther - Feel The Steel

 確信犯的に80年代のメタルシーンを愛するがゆえにオマージュを捧げているバンド…っつうかプロジェクトっつうか、ってのもある。そういうのはやっぱりアメリカが上手くって、フランスにもそんなバンドがあるんだが、まだ聴けていないのでまずは2009年に多少話題となって日本にも来日したスティール・パンサー。ラウドパークにも来ていたってことなので多分2回も来日公演したんじゃないかな。

鋼鉄の女豹
Steel Panther - Feel the Steel (Bonus Track Version) Feel the Steel

 全くアメリカらしいお下劣なアプローチと確かなテクニックで痛烈な批判とブラックなユーモアを含めて出来上がったアルバムが「鋼鉄の女豹」だ。次があるのかどうか知らないが、話題性は十分にあって、とにかく反響は凄かったようだ。出た頃から知ってはいたんだけど、なかなかレビューするまでに至らず、何となく流れ的に良いかなってことで今回登場。

 とにかく歌詞に注目ですよ。最初から凄い。メタルを愛するが故に他の音楽なんて死んでしまえ、みたいなのが実名入りで出てくる「鋼鉄の女豹」が最高。全てその通りとは言わないが、少なくとも生粋のロック好きな人は同感同感ってのが多いんじゃないだろうか?メタル好きにしてみれば全く同感だろう。楽しみ方は色々あるもののやっぱり本質的にはロックが一番なんだよ、っていうのがわかる。楽曲ももうテクニック全開で非の打ち所がないものだし、リフもさすがです。そして80年代風エッセンスはたっぷりとふりかけらたアレンジ。う~ん、こういうのはアメリカ上手いわ。そんでもってほとんどの曲が誰かの何かをどれくらい混ぜ合わせた、っつうような印象を受けるものばかりで、ウェブサイト上では誰の何の曲からの影響かを書き連ねているトコロもあってなるほど、面白い、と納得する曲も多い。確かにね…、そうそう、と笑えること必至です(笑)。

 ただ、やっぱり冗談っぽさが強く出過ぎていてWig Wamとかの愛情とは異なるかな…。何というのかこき下ろして楽しむ、みたいなのはアメリカだが敬愛して捧げるというのがヨーロッパ、っつうかさ。面白いからいいんだけどさ。そしてこのSteel Pantherの姿形はもうモトリー・クルーですね。一番ど派手なコトのモトリー・クルーがヘビメタの代表的な姿なのだろう。メンツは元FIGHTとかLA GUNSとかいるようで、やっぱ好きなのが集まってる。

 フツ~にオリジナルなバンドとして聴くと、それはもうキャッチーでヘヴィーで聴きやすいバンドなので、決して80年代メタルの焼き直しっていうだけで聴くのは勿体ないかもしれない。鍵盤なんかも上手く使って楽曲に幅を持たせていたりリフそのものは90年代以降の作り方を試していたりするので、結構冗談とは言えども考え抜いている面はあるもん。だから凄く楽しいんじゃないかな、と。ちょっと直接的すぎるのはアメリカならでは。



Åge Sten Nilsen - Glamunition

 そういえば2009年の夏頃にWig Wamのボーカルのグラム…、オーゲ・ステン・ニールセンって単独で来日していたような…ってことを思い出した。Wig Wamがあまり動いていないので啓蒙活動の一環だろうな、なんて思ってたんだけど、何と驚くことにWig Wamではなくって自分のソロアルバムを作ってリリースしたので、その宣伝活動だったらしい。昔だったらバンドのフロントマンがソロアルバム制作して発表なんつったら必ずバンド解散説が流れて、概ねその通りになることが多かったんだが、今の時代はそんなこともなく他のメンバーが休養している間にヒマだからアルバム作ったんだよね、みたいな感じ。まぁ、健全って言えば健全なので良いんだけど、そんなに簡単にソロアルバム作れる才能も凄いわ。しかも良質ってのが良い。

グラムニション ウルフ・アンド・バタフライ
GLAM(AGE STEN NILSEN) - Glamunition Glamunition ?ge Sten Nilsen - Wolf & Butterfly Wolf & Butterfly

 実はグラムのソロアルバムとしては二作目となる「グラムニション」なんだけどその前は2000年に「ウルフ・アンド・バタフライ」っつうソロを出していたらしくって、こいつはWig Wam以前のソロアルバムなのかな。やっぱ才能ある人だったんだな。しかしこの9年間の時の流れはグラムの音楽性は大きく変化していて、ピアノ中心の歌手からエンターティンメント精神旺盛なロックシンガーへと大きく変わっている。まぁ、弾けたっていうトコロですかね。その方が楽しいし明るいし面白いから全然良いんだな。

 さて、そのアルバム「グラムニション」はもう冒頭からWig Wamよりももっと自由に遊んでいるというか明るく軽やかに楽しんでいるというところ。どうやらノルウェー国内でクイーンのミュージカルのサポートをしているようで、その影響からかこのアルバム「グラムニション」全体が正にクイーンの影響下たっぷりに仕上がっていて、コーラスワークは随所にクイーン的に、それどころか楽曲の作り方や構成なんかも、あ、あれだ、みたいなのがいっぱい散りばめられていてとにかく楽しめる。ギターの音なんかも全くブライアン・メイじゃないか、っていうイコライジングの音だったりして凄い。それでもクイーンって言われないくらいのオリジナリティを発しているんだから素晴らしい。フレディ・マーキュリー並に歌えるシンガーってそうそういないから貴重な人ですよ、このグラムってのは。

 …で、聴いてて思ったのはWig Wamとの境目って結局この人にとっては何だろう?まぁ、自分をロックのフィールドに引き留めておいてくれる仲間達、なんだろう。アルバム「グラムニション」聴いててわかるんだけど何でも器用に歌いこなせてしまうので、単なる大道芸人になってしまう可能性があるのをWig Wamではロックシンガーという位置に留めてくれるからね。スタンスをなくすと生きていけない世界でもあるだろうから…。まぁ、深く考えなくても良いんだけど、全く何でも歌いこなすヤツだ、このオトコは。一人バブルしてるもんな(笑)。

 Wig Wam全作とグラムのソロ2作でこのロックンロールな世界はたっぷり楽しめます。もちろんDVDも楽しめるのでこれから出会える人は羨ましい…。今年はまた来日公演やるだろうからそれもまた楽しみ。今のウチに出会っておくとライブが見れるでしょう(笑)。





Wig Wam - Non Stop Rock'n Roll

 80年代のメタルシーンをモチーフにしたロックバンドが21世紀になってからいくつも散見されるようになって、もちろん古い人間から新しい人間までがそういう音を再現したりしているんだけど、やっぱりそれなりに魅力があったのが80年代のメタルシーンだったんだろう。70年代のロックはまだまだ創世期でもあって、ビジネスという枠も含めて模索から完成へと進んでいた時代だったんだけど、それが80年代になるともっとすっきりしたから若い世代にはわかりやすい構図になったんだと思う。そのヘンのロックってやっぱり面白い気がするもんな。まぁ、今のシーンも面白いんだが…。さて、そんな時代の申し子…っつうか年齢もそれなりの連中なのだが(笑)。

ノン・ストップ・ロックンロール ライヴ・イン・トウキョウ
Wig Wam - Live In Tokyo Live In Tokyo

Wig Wamがついこないだリリースしたばかりの3枚目となる「ノン・ストップ・ロックンロール」。もうねぇ、これは個人的には待望の、っていうくらいに待ったんだよ。最初の「ハード・トゥ・ビー・ア・ロックンローラー」とか二枚目の「ウィグ・ワマニア」でもう完全にノックアウトされていて、面白くてさ。ライブも見たし、DVDも見てるし、とにかく楽しいバンド。ノルウェーのバンドなんだけどこんなに明るくて楽しくてエンターティンメントで良いのか?っつうくらいにプロフェッショナル。DVD「ロックン・ロール・レヴォリューション2005」のオマケのディスクなんて見てるともう大道芸人と何ら変わらないくらいのパフォーマーだもんな。そんなWig Wamが自信を持ってリリースしたアルバム「ノン・ストップ・ロックンロール」なんだから心して聴かねば、です。

 そんでもう既に10回以上は聴いてるかな(笑)。最初の印象はちょっと派手さが足りない?なんて思ったんだけど何回か聴いているウチに「ノン・ストップ・ロックンロール」と言うアルバムの凄さと楽しさが直ぐにわかってきて、やっぱりR&Rって楽しいもんだ、って実感。もともとは80年代メタルに影響されたバンドという売り方で、楽曲もそういう感じが多いんだけどそれはもう血肉となり、既にWig Wamというバンドのオリジナリティを確立している。80年代にこういうような曲調なんてのはあったかもしれないけど、ここまで高度に組み合わせて楽しめるようにしていた音ってのはなかったし、それはもうWig Wamの音楽性の成長に他ならない。それでいてアメリカンみたいに脳天気な音かと言うとそうではなくってしっかりヨーロッパ的なエッセンスと繊細さは持ち合わせているんだから面白い。

 さて、アルバム「ノン・ストップ・ロックンロール」の話だが…、最初からもう軽快でポップでキャッチーで80年代です(笑)。今回のWig Wamの「ノン・ストップ・ロックンロール」の根底にはクイーンが多分に入っている感じ。それが顕著なのは冒頭の「Do Ya Wanna Taste It」かもしれんな…、っつうかそうだ(笑)。最初のコーラスワークから途中のドラムフレーズ…、笑えます。そしてその楽曲の才能に驚かされます。以降続く音では如何にこのバンドが巧いかってのもわかるしコーラスワークが完璧にできるバンドってのもわかるだろうし、ギターに至ってはEddie Van Halenの影響を多分に聴くことが出来るだろうし、とにかくどこを取っても楽しめる曲ばかり。元気になるんだよ、Wig Wam聴いてると。ロックンロールってそういうもんでしょ?だから好きだね、こういうの。

 多分彼等もアラフォーだと思うんだよね…、んで自分達が聴いてた音を再現しながら自分達の音世界を創っているんだろうけど、もうひとつはあの時代の良さを伝えたいってのもあるだろうし、とにかくン十年も好きでやっててここの所ようやく花開きつつあるっていうさ…、まぁ、映画「Anvil」と被るような部分もあってさ、とにかくロック好きなのがありありとわかるから応援したくなるってのもあるな。



Lordi - Deadache

 早いモノで新年も既に一ヶ月が経とうとしている…、あれもこれもという感じで考えていたことが全然できていないというのもいつものことと言えばいつものことではあるが、何となくここのブログも飽きられてきた感があるのかな…というのも、ちと気になってきた。またガラリと趣向を変えるというのも手だが、どうしたものか…。Twitter追加する気にもならないしねぇ…、やっぱりコンテンツの楽しさを中心にしたいとことですな。はて、そんなことを考えつつもやっぱり楽しめるヘビメタの世界♪

Deadache The Arockalypse
Lordi - Deadache Deadache Lordi - The Arockalypse The Arockalypse

 怪獣バンドっていう売り方で既に4作目のリリースとなったローディというバンドの2009年の期待の新作「Deadache」です。国内初回盤ではプロモビデオの入ったDVDが付いていてなかなかお得なアルバム。もっとも売る側が力を入れているっていうコトなんだが、自分的には結構前から気に入っているバンドでして…、怪獣のルックスはともかく、音が滅茶苦茶ポップでキャッチーで心地良いハードロックなんだよ。キッスをアイドルとしているみたいで、ルックスは子供が怖がるくらいにインパクト絶大だけど音は子供でも楽しめるくらいの軽さってのは正にキッス。そんな路線で4枚もリリースしていて、そのどれもが非常にレベルの高い良質なアルバムになってるところが才能。

 さて、アルバム「Deadache」は最初からキャッチーでタイトで軽快なハードロックでしてね、ホントに外す曲がほとんどないし、聴き所をきっちりと押さえたアルバムで、これだけの才能に驚かされるモノだ。そしてフィンランド出身のバンドってことでどことなくメランコリックなセンスってのはしっかりとアルバム全体に流れていて、美しさってのは必ずあるもんね。その辺の繊細なセンスがヨーロッパのバンドの誇りだろう。決してテクニカルなバンドじゃないんだけど愛らしい面を持ち得るバンド。そんなこと言っててもPVなんかはホラーであることが常というモノで、そのレベルも映画のストーリー仕立てというところがコンセプトにあって、さしずめ短編ホラーを見ている感じ。ジャケットからコンセプト、PVのストーリーラインに至るまで全てリーダーでボーカルのMr.Lordiが仕切っているというから彼のセンスには驚かされる。

 コレまでの4作のどれを聴いても裏切られることなく楽しめるバンドだし、ヘヴィメタって言ってもハードロック的程度で重さはほとんどないので普通に楽しめるのでルックスの好き嫌いは出るだろうけど、試してみるのはオススメしたいバンドだね。懐かしの80年代メタルのエッセンスは多分に持ち合わせてオリジナリティで勝負しているというオールドタイムなロックファンにも現代のロックファンにも楽しめる音。こんなバンドがもっといたらロックシーンはもっともっと活性化するのにな…。



Heavenly - Carpe Diem

 進化し続けるヘヴィメタルというジャンルの中で、デビュー時から自分達のスタイルを変えずに大成しているバンドもあるが、もうこうなってくるとどっちかに進むしかないんだろうな。ただ、90年以降に出てきたバンドってのはそもそもが進化論なので、変化し続けることに抵抗はあまりなさそうなんだが…。それでもデビュー時からほとんど音楽性を変えずにファンの期待を裏切ることなく成功しているバンドってのも多いな。

カーペ・ディエム ヴァイラス
Heavenly - Carpe Diem Carpe Diem Heavenly - Dust to Dust Dust to Dust

 そんな中のひとつでもあるHeavenlyというフランスのバンド、おフランスだからと言って上品なサウンドを期待してはいけない。思い切りメロディックなパワーメタルでいわゆるクサメタルと呼ばれる劇的なメロディ展開とコーラスワークが売りのバンドです。そのHeavenlyが2009年末にリリースした5作目となるフルアルバムが「カーペ・ディエム」というもので、それなりに話題を博している…ハズだ。

 この手のメタルってのはちょっと前に取り組んでばかりで、まだ自分自身深みは足りないんだけど、もともとこういうのってアチコチに散りばめられていたエッセンスから集約されているので、聴いている分には問題なしでしてね…、うん、躍動感溢れるメタルサウンドとアニメ的に劇的に展開する楽曲群、もちろんオペラティックなコーラスワークとシンセサイザーなどによるドラマティックな盛り上がりは当然の配慮。そして忘れてはいけないドラマティックなギターソロによる自己陶酔。うん、日本人のツボを突いているよ、こういうのは。旧来のメタルファンをも取り込むに問題のない楽曲と構成なんかも見事なジャンルなので、久々に刺激を受けてみたい元メタラーの人にはお薦めですよ(笑)。

 そのHeavenlyの「カーペ・ディエム」なんだけど、今作はかなりクイーン的なアプローチが聴いて取れるのは意識的か?相変わらずの楽曲レベルの高さには驚くばかりだし、音の作り方がヘヴィメタルの割には柔らかくて聴きやすいってのも特徴的か。ここまでクサいメタルをとことん鳴らせるHeavenlyというバンドは凄い。アルバムジャケットのエロさっつうかチープさがそれをまた冗長させている気がしていて、日本のアニメが流行しているフランスの実情が表れているのか…、とにかくイメージとのギャップが楽しめるものです。



Rammstein - Liebe ist f�r alle da

 ますます進化し続けるロックの世界にありながら、その筆頭で音と世界を引っ張っていくバンドってのはなかなか大変なことだろう。新しいバンドがオリジナリティのある音でデビューしてシーンを活性化していくのは世の常だが、昔から存続しているバンドが自らの音に進化を加えてシーンでの位置を強固なモノにしていくというのができるバンドは多くはない。だから常に音楽シーンってバンドが入れ替わってたり、あの人どこ行ったんだ?ってことになるのだな。さて、そんな中、もう15年くらいシーンの一線で、しかも最先端にショッキングな世界を切り開いているタブーなバンド、ラムシュタインも2009年に待望の新作「最愛なる全ての物へ」をリリースしたのでここらでちょいと取り上げておきましょう♪

最愛なる全ての物へ ローゼンロート(DVD付)
Rammstein - Rosenrot Rosenrot Rammstein - Reise, Reise Reise Reise

 純粋なスタジオ作品としては6枚目のアルバムとなった「最愛なる全ての物へ」。この度旧作と共に日本盤がリリースされるという再度の力の入れ方が何度目のアプローチなのだろうかと笑えるのだが、それくらい日本では定着しないバンドなんだねぇ。聴けばハマる人多いんだろうけど、そこまで辿り着けないっつうのかさ、あまりにもヨーロッパ的センスに秀でているが故に日本での人気がイマイチってところか。まぁ、今の日本の音楽シーンに食い込むってのは大変だと思うが。

 そんなことはどうでもよくって、この新作「最愛なる全ての物へ」を聴いた時に思ったこと…

「巧い…、巧くなりすぎてる…」

 特にドラマーがさ、凄いわ。バンド全体が相当洗練されてきたんだけど、王者の貫禄と言わんばかりの鉄壁の演奏と楽曲クォリティ。だからアルバムとしての出来映えとしちゃもう最高に凄いワケよ。好みはもちろん分かれるんだろうけど、これぞプロの仕事って感じで心地良いし、凄い。先行シングル「Pussy」に至ってはPVが一般では流せないような代物…、YouTubeでも制限かかってて多分見れないんだろうけどさ、とにかく放送禁止どころの騒ぎではない出来映えを誇るPVでして…、うん、だって彼等はドイツのバンドだからね、ただでさえ変態なんですから、このPVももう行く着くところまで行き着いているんです。どこかで見れたら見て下さい。音のかっこよさもともかくビデオに驚きます。

 そしてアルバム「最愛なる全ての物へ」の内容なんだが、もうブレることの全くないくらいに完璧なヨーロッパに於けるヘヴィメタルサウンド、重低音に荘厳さがしっかりと詰め込まれた作品でして、とんでもない音世界。インダストリアルメタルと呼ばれてはいたらしいが、そんな世界を軽く飛び越えた傑作。こおのところのRammstenは本当に凄いレベルの作品をリリースしまくっている。「ムター」「ライゼ・ライゼ(DVD付)」「ローゼンロート(DVD付)」とどれもこれも進化し続けているのもホンモノの証拠。PVの話題はともかく、せっかく国内盤がリリースされて、しかもボーナス付きで出るんだから騙されてみても良いバンドなんじゃないかと。自分的にはもう10年以上このバンドにはハマってるからな(笑)。



Paradise Lost - Faith Divides Us Deaths Unites Us

 元々ヘヴィメタルという音楽は悪魔的だったり宗教的なモチーフとしてアイコン化されることも多く、古くはブラック・サバスなんかが代表だよね。その後もメジャーなバンドはそんなにアイコン化されることは多くなかったんだけど、B級路線的なトコロでは結構そういうテーマが用いられていたってのは多い。そんな側面がクローズアップされてそれぞれひとつのカテゴライズとして成熟してきたのがここ最近の流れかもしれない。最近っても10年以上の単位なのだが(笑)。

Faith Divides Us Deaths Unites Us Paradise Lost
Paradise Lost - In Requiem In Requiem Paradise Lost - Draconian Times Draconian Times

 Paradise Lost、英国出身のバンドで既に20年選手のベテラン…、オアシスと同じようなものか…。そんなバンドが2009年に12枚目ともなる作品「Faith Divides Us Deaths Unites Us」をリリース。これがまたU2と同じようにだな、最初期のバンドの音からデジタル路線に歩み、2004年頃の作品から原点回帰を図ってこの「Faith Divides Us Deaths Unites Us」に至るというものだ。即ち初期の音にノックアウトされたリスナーはここ最近の作品「Paradise Lost」「In Requiem」も含めて回帰しているParadise Lostを再度応援しているというような図式。更に新たなるリスナーをも取り込んでいくというのも時代の成せる業。自分なんかは聴き始めたのが割と最近だから後者に当たるんだけど、やっぱホンモノの音ってのは聴くとわかるものだよね。

 英国出身のゴシック/ドゥームメタルバンドということで、やっぱり本場の重さとか格式というのが圧倒的に他国のメタルバンドとは異なっていて、実に重い。なんでこんなに違うのかと思うくらいに重さと荘厳さが同居した素晴らしい作品です。嬢メタルではない本当にゴシック様式を踏襲した重厚なメタルで、前にも書いたけどメタリカの貫禄をも持ち得ている英国の代表。ここまで重く美しく格式高いメタルってのはヨーロッパ広しと言えども他では聴くことのできない音。ある意味絶望の淵にまで叩き落とされる凄さは人間の弱さの象徴でもあり、またそれをモチーフに深層心理を抉った詩世界も素晴らしいモノだ。

 スピード感のある楽曲なんかでも決して明るく脳天気にノるものではなく一人で内に向かって頭を振るような図式、みんなで騒ごうという姿などはほとんど想像できない世界。もちろん実際のライブではそんなことないんだろうけど、もうね、自分の世界を堪能するための音っていうかさ、凄いわ、こういうの。こんだけロック聴いてても気になる音世界だもんな、Paradise Lostって。英国だから余計にね。



Ava Inferi - Blood of Bacchus

 ワールドワイドに展開できるのが面白さのひとつでもある嬢メタル系のサウンド、いつの間にかそういう楽しみ方も覚えてしまったのだが、やっぱり圧倒的にヨーロッパのサウンドがよろしいと感じるのは好みの話かもしれん。さて、そんなことで本日は多分ここでは初登場になるんじゃないだろうかと思われるポルトガル産のバンドをひとつ…、Ava Inferiというバンドでして、歌はもちろんお姫様なのだが、ちょっとこれまでとは異質なバンドスタイル。

Blood of Bacchus The Silhouette

 2009年にリリースされた3枚目の作品「Blood of Bacchus」ですが…、これまでも毎回そうだけどジャケットからしてちょっと雰囲気が重いというもので、ゴシックな雰囲気ではなくってもっとドゥーミィーな雰囲気っつうかね、、まったくその通りの音世界を繰り広げているので見事にジャケットに反映しているとも言えるが。

 えっとですねぇ…、このAva Inferiというバンドには明るさの欠片もありません、まず(笑)。とにかくひたすら美しくダークに重くドゥームに広がる音世界の上をソプラノボイスが舞い降りてきていて、そのギャップも世界観の構築に買っているんだが、その分美しさが増すんだな。だからかなりアンビエント的な世界でもあって、早いテンポの曲などは皆無、どれもこれもブラック・サバスよりも重いリズム中心で、どっぷりとグレーな世界を構築してくれます。でもね、美しいんだよ、この世界観が。キライじゃない自分は多分暗いのかもしれない(笑)。ギターサウンドとかはもちろん歪みまくったギターなんだが、粒が揃っていて音の壁を作ってる。バンドも楽曲ももちろん凝っていてその辺は非の打ち所がないので、その辺好きな人はハマれるんじゃないだろうか。曲で雰囲気をかなり創り上げているしね。

 はて、こういうのってメタル側の人間が好むよりもプログレ側の人間の方が好むんじゃないだろうか?って余計なことを考えてしまう。間違いなく新しい世代による新しいジャンルと手法による音楽世界だけど…、凄いなこういうのが出来上がるのって。重くて暗くてダークでゴシックなんだけどBGMに向いているっつうのかさ(笑)。どこか宗教的なサウンドってのはポルトガルだからだろうか?不思議だ…。聴いていて暗~と思うけど心地良いってのがね…。「Blood of Bacchus」…タイトルからして妙だけどなかなか聴き応えある作品です。



Echoterra - The Law of One

 ゴシックメタルやシンフォニックメタルの世界ではどうしてもヨーロッパが圧倒的に進んでいてレベルも高いし素晴らしいバンドやシンガーが多数輩出されているのだが、文化的な意味合いからか日本はともかく英国でもそれほど数多くはメジャーシーンに出てきてないし、アメリカではエヴァネッセンスくらいのもので、それほどヨーロッパの底辺に流れている陰鬱さを反映したゴシックメタル、シンフォニックメタルというものを打ち出したサウンドを奏でるバンドは皆無に等しかった。大国アメリカには珍しいコトではあるが…。

The Law of One Echoterra - The Law of One Echoterra

 そんな中、ようやく少しだけヨーロッパの世界に近づいた感のあるバンドが2009年9月にアルバムデビュー、バンド名はEchoterraと言う。アルバムは「The Law of One」という作品でして、序章から始まるという、何となくそれらしい雰囲気を背負ったムードがなかなかよろしい。ジャケットはちょっと子供っぽい気もするが、まぁ、良いでしょう。Echoterraっつうバンドだが、基本アメリカ人なのだが、ボーカルは何故かスウェーデンのお嬢様が艶めかしい声を聴かせてくれるというバンドでして、このボーカルだけが妙にヨーロッパ的雰囲気を強めている気がするのだが…。

 「The Law of One」の音はですね、ゴシックという感じではなくってちょっともの哀しい世界を背負ったハードロックというような感じなんだけど、かなり雰囲気はヨーロッパに近いものを出していてなかなか面白い。それでいて深みとか憂いとかメランコリックさとか壮大さってのはないのが不思議なのだが、それこそアメリカならではかもしれない。曲によっては面白いアレンジも施されていて、途中でエレクトリックダンスのようなアレンジが入っていたり、かと思えばピアノが美しく流れる中で歌い上げる雰囲気を優先した曲もあったりする。楽曲のバリエーションはかなりのものがあって、アルバムとしては飽きない作りになってるね。

 好意的に聴くならば、こういう雰囲気を持っていながら重くならずに聴けるハードなサウンドってのはアメリカにしか出来ないだろうから貴重。EchoterraはEchoterraで「The Law of One」を引っ提げて唯一無二の音世界を紡ぎ上げていると言えよう。まぁ、敢えて批判的に言うならば、そういう世界ってのはどうにも中途半端だからどうせ聴くなら本場のが面白いし深いよ、ってことだが…(笑)。ただ、聴いてみるとほぉ~となる雰囲気はあるからこういったトコロから入っていくファンってのはありかな、と。男女ボーカルでデス声じゃないオトコの声だから割とよろしい。しかしこのお嬢の歌声、やっぱりヨーロッパ的です…。



Eyes Set To Kill - The World Outside

 これだけ色々なメタルサウンドを聴きながらも未だにその細かいジャンル分けの定義を理解できていない自分…、まぁ、あまり気にしなくて良いのだろうが、ネットなどで見られる細部に渡るジャンル分けは大したものだとつくづく思う。ゴシックだ、いやシンフォニックだ、パワーメタルだクサメロだ、スクリーモだ…ときちんと分類して話されているんだもんな。驚くわ。まだまだ国内での嬢メタル系についての情報って多くは見当たらないので、余計に混乱するんだがな…。

The World Outside Reach
Eyes Set to Kill - The World Outside The World Outside Eyes Set to Kill - Reach Reach

 2009年にリリースされたEyes Set To Killというアメリカのバンドの三枚目のアルバム「The World Outside」です。ジャケットが結構よろしいので興味深かったんだけどね、いや、そんなに期待を裏切らないアメリカな音です。セカンドアルバム「Reach」の時に発見して聴いてブログでも書いてるんだけど、その三枚目だから何となくの音は想像してたけど、やっぱり嬢ハードロックというような軽快ですらある作品に仕上げている。ネットとかで見るとスクリーモ系というメタルに区分けされているようで、ゴシック系ではないんだよな…。確かにゴシックな要素はまるでないワケだから単なる嬢メタルで良いのだろう。吠えてるオトコの声も邪魔だし…、ただそれで切り捨てるのはちょっと勿体ないくらいのレベルを維持しているのがアメリカ。さすがに売れるように出来ていて、軽快でちとクールな嬢ボイスに邪魔なオトコの吠える声、それでも楽曲は疾走感溢れるサウンド。うん、この深みの無さは紛れもなくアメリカの音だ。

 さて、「The World Outside」の一発目から聴いていて、これはもう聴きやすいし起伏に富んでいるし、三枚もリリースするだけのことはあるバンドの音です。実はセカンド「Reach」でボーカルが抜けてしまってギタリストが歌っているんだが、このお姉ちゃんもなかなか大したもので、今回は独自のボーカル路線を確立した感もある。キライじゃないね、こういうちょっと鼻にかかったような声でメロディじゃなくて結構一辺倒なラインを歌うってのはさ。ノー・ダウトのグウェンみたいなもんか。ここはもう好き嫌い分かれるだろうけど…、いいよ、結構。ジャケットも面白くてさ、見ていると昔のアナログレコードってこういうレコード盤の痕が付いたじゃない?あれの再現みたいでなんか懐かしい(笑)。

 褒め称える言葉は多いんだけどその分直ぐ忘れ去られるであろうサウンドでもあるから絶対良いよ、とオススメするほどではないです。まぁ、機会があればこういうバンドのアプローチってのも面白いよね、っていうくらいかな。



Domina Noctis - Second Rose

 相も変わらずヘヴィなメタル…っつうか嬢メタルばっかり聴いていたりするんだが、それというのも2009年にドドドッと色々なバンドが新作を出したりニューカマーが出てきたりして面白くて聴き漁ってしまったってのが原因。残りそうなバンドはそれほど多くないけどみんな独自のカラー出してて楽しめるし、お国柄が見え隠れするのもユニークで各国のバンドを漁ってるんだよね。やっぱその国の代表みたいに見えるしさ、突出するモノがあったワケだから世界デビューしているんだし、秀でているハズなんだよね。そんなトコロでLacuna Coilが世界制覇を進めているイタリアからのバンド、Domina Noctisです。

Second Rose
Domina Noctis - Second Rose Second Rose

 「Second Rose」という2009年にリリースされたセカンドアルバム。もっともファーストアルバムはまだ聴いてないのでどんなんかわかんないけど音楽性に大きな変化は伴っていないらしい。まぁ、それはともかくこの「Second Rose」を聴いてみるとですね、イタリアってこういう音のミックスが主流なんだろうか?って思うようなコンプレッサーが効きまくった音の質感。粒揃いになっていて聴きやすいのかもしれないけど、ちょっと揃いすぎだろ(笑)。故にバンドの迫力とかがちょっと前に出にくくて、全てが前面にあるけどどれも奥に引っ込んでいるというような音のバランス。何かLacuna Coilもそんな音のアルバムがあって違和感を感じたことがあるような気がする…。もちろんそれぞれのお国柄による文化があるのでね、そんなところも気付くと面白いです。

 そんでもってバンドの音はと言うとですね、これはもうゴシックメタルと呼ぶにはちょっとポップすぎるのかもしれない。決して明るくキャッチーというワケじゃないんだが、メロディがえらく起伏に富んでいてゴシックな雰囲気はほぼ皆無。バックのアレンジにしてもやっぱり嬢ハードロックってな感じかね。逆にドロドロした雰囲気はないので聴きやすいんだが、それにしては何を打ち出したいのかよくわからないサウンドなんだよな…。ギターが目立つワケでもないし、鍵盤が前に出てクラシカルってんでもないし、歌…か?まぁ、見た目は良いけどさ、ちょっと売りが足りないんじゃないかな…なんて余計なことが気になったが、悪くないです。絶対に聴く必要があるかと言われると、そこまではないけど悪くないってトコ。

 ちょっと面白いアプローチってトコロではPatti Smithの「Because The NIght」をDomina Nocts流のアレンジでカバーしているってとこだが、どうしてもちょっと浮いてしまうなぁ…、いや、楽曲の素晴らしさを再認識してしまった(笑)。



Hydria - Mirror of Tears

 あ~あ…、この辺のゴシックメタルの世界に流れ込むとホントにワールドワイドになってしまってきて、世界中の国々の新進バンドがこういう音に取り組んでいてさ、それぞれから世界レベルに飛び出してくるのがあるワケですよ。そういうのってある意味凄いと思うんだけど、追いかける方もなかなか大変です(笑)。昔では考えられないくらいにワールドワイドにバンドが進出できる環境ってのも凄いし、しっかりと世界レベルの演奏や歌が実現できているってのもやはり凄い。

Mirror of Tears

 ってなことで、珍しい国からのゴシックメタル(?)バンドの出現です…、ブラジル(笑)。いや、ブラジルってこういう文化もあったのかと驚いたんだけど、メタルの世界では割といくつも出てきていて、たまたまゴシックの世界ではなかったそうな。しかしブラジルか…、どうしても民族音楽的なのが頭の中にイメージされてしまうが、そこは日本と同じく演歌だけじゃないってところだ。

 そんなブラジルから出てきたHydriaというバンドのデビューアルバムにしてかなりの傑作「Mirror of Tears」です。2008年暮れにリリースされていて、アマゾンにもあるというのが驚き。そして何よりも聴いてみてさらに驚いた。どこのバンドだと思うくらいにハイレベルな音を出していて…、まぁ、ゴシックメタルというようなサウンドではないので、誇大宣伝だろうとは思うが(笑)。お嬢様が歌を歌っているのでゴシックメタルと言われるようだが、そうだな、かなりのパワーメタル的な音を出していて、どっちかっつうとギター中心のメタルサウンドにそれはもう華麗なる女性の歌声が乗っているというところです。リフとかも面白いし、結構引っ掛かるフレーズもあるので、センスは相当良いはず。んで調べてみると、歌も女性だが、ギター弾いてるのも女性ってことでまたまた驚いた。凄いバンドかもしれん…。

 ジャケットもメタルとゴシックの間を行くような感じで微妙だけど、女性ボーカルファンなメタル好きなら十分に満足するし、楽曲的にもかなり凝った展開を見せたりコーラスを聴かせたりするので、面白い。何作も持つかどうかっつうのがちょっと不安だけど、まずはデビューアルバムにしては相当ハイレベルな「Mirror of Tears」という作品です。




For Selena And Sin - Primrose Path

 自分の好きな感じのゴシックメタルってのが段々わかってきたかも(笑)。もっとも無茶苦茶たくさん聴いてみないとわからない世界だったので、つまらないものも良さ気なモノも相変わらずひとまとめに聴いてからの話なんだが…。結論的にやっぱりフィンランドのゴシックはレベルが高い、のではないかと。ゴシック度合いが高いというのかメランコリックな雰囲気とあくまでもミドルなゴシックというのが雰囲気を醸し出していて好きなんだな。

Primrose Path Overdosed on You

 ってなことで、フィンランド出身のFor Selena And Sinというバンドの2009年にリリースされた2枚目の作品「Primrose Path」です。別に1st「Overdosed on You」というのを知っていたワケじゃなくて…、最近リリースされたFor Selena And Sinの2nd「Primrose Path」が良いというのを何かで読んだから聴いてみたワケでして、故に深いことはよくわからん。ただ、相当に好みな音だった、ってのは確かだ。こういうメロディと雰囲気はフィンランドだから出せるワザなんだろうか?多分そうなんだろうと思う。フィンランド産のバンドって何故か好きなの多いしねぇ…。

 そんなFor Selena And Sinの「Primrose Path」だが、ジャケットが表す世界観を崩すことなくミドルテンポで重すぎることなく更にAnnika嬢による艶めかしい歌声が舞っていくという代物。キメだらけのゴシックメタルではなくってもっと起承転結のしっかりした作品が多くて、ヘヴィなギターが垂れ流しとなる音じゃないんで、よく出来てる。ドラマティックなんだな、そのヘンが。だから飽きないし、それでまだ2枚しか出していないバンドっつうのもレベル高いわ。ちょっとナルシスト入り過ぎてるかもしれんけど(笑)。

 こんだけ仰々しいアレンジでアルバム一枚を占めるっつうのも大物の証?それくらいに楽しめる「Primrose Path」ではあるが…、何だろ、もっともっと発展した世界を期待してしまうのは贅沢?



Elis - Catharsis

 新年始まってから何となく歌モノ系で女性シンガーものばかりを書き連ねている…、う~ん、意図的ではなかったのだが、まぁいいでしょ(笑)。結局そんなことしてるとゴシックメタル色が強まってしまったので、2009年にいくつもリリースされたアルバム類をまとめてブログっているんだけどね、やっぱりそれぞれのバンドに対する思い入れってのはあってさ…、まだそんなに激しいものではないけど、やっぱり個性ってのが出てきているし、そこから先どう進むんだろ?っていう興味もあるからさ。リアルタイムの特権ですね。

Catharsis カタルシス

 2009年11月末頃にリリースされたElisというバンドの新作「Catharsis」です。何とリヒテンシュタイン公国のバンドという珍しい来歴。そして3枚目の作品「Griefshire」をレコーディング中にボーカルのサビーネ嬢が突然死を迎え、しばし沈黙の後に新たなるボーカリストを迎えてバンドの再編を実現して期を満たしての新作リリース。今度の歌い手はサンドラ嬢ということらしいが、まぁ、それ自体はあんまりよく知らないのでここで初めての出会いです。

 「Catharsis」なのだが、バンドとしての完成度や楽曲の完成度は相当なもので、前作「Griefshire」でもかなり名盤の域に達する作品だったので、レベル感はほぼクリアー。そして新ボーカリストのサンドラ嬢の歌声も全くバンドのクォリティを下げることなく表現しているところも素晴らしいので、結果としては上手く機能しているというところだ。ただ、根本的な音楽性とか指向性ってのがちょっとブレてきたのか?前作「Griefshire」からの延長と言えば延長なのだが、1st「God's Silence, Devil's Temptation」や2nd「Dark Clouds in a Perfect Sky」で聴かれる思い切りゴシックメタルな雰囲気からはかなり変化?進化?してきていてシンフォニックなメタルになってきている。あくまでもゴシックというこだわりが感じられなくなってきて、叙情性の高いメタルという様相だ。まぁ、いつまでもゴシックと言ってられないのだろうが、ちょっと気になる。かと言って「Catharsis」のサウンドが悪いワケはなくって、凄く聴きやすいしハマれる音なんだけどね。

 歌い手が変わったからこういう方向に進んでいったのか、そもそも音楽的にはメタリックな展開としていたのか…リヒテンシュタイン公国の音楽シーンなんて知らないから全く環境が分からないんだけど、ただこの「Catharsis」も素晴らしい作品というのは変わらない。う~ん、ファンの欲望って贅沢(笑)。

 ちなみに限定盤(ボーナストラック2曲付き)が顔の表情が見えるアルバムジャケットで通常盤は横顔のヤツらしい。




Elfonia - Elfonia

Theatre of Tragedyの美しくも儚い叙情性とゴシックなメタルを正しく継承しているのは意外なことにStream of Passionかもしれない。これも昨年メンバーを大幅に替えてセカンドアルバム「The Flame Within」をリリースしていて、素晴らしい出来映えなのだが、そもそもプロジェクトで集まっただけのメンツによる作品がファースト「Embrace the Storm」だったので、よもやセカンド「The Flame Within」がリリースされるとは思わなかっただけに、このクォリティの高さには驚いた。そこで聴けたマルセラ嬢の歌声は正に天上の歌。素晴らしいのだ。そこで、今回は…



 マルセラ嬢がStream of Passionのプロジェクト参加前に組んでいたバンド、Elfoniaというメキシコのバンドの作品です。ファーストアルバム「Elfonia」は2003年のリリースなので少々古いのだが、マルセラ嬢の歌声は既にここで完成されているようで、あの情感豊かな切なさを感じる歌声が早くも聴ける。楽曲的にはメタルというものはほとんどなくって、歌を聴かせるアンビエントミュージック的なものなので特にゴシックメタルに興味がなくても歌を楽しむ分には十分なサウンドです。

 しかし…、良い声してるわぁ~。歌の個性も素晴らしいんだが、それがゴシックメタルでも発揮できたっつうのが素晴らしい。マルセラ嬢ってバイオリンも弾くのでElfoniaでも最初から弾いているようだ。Stream of Passionでも弾いてたけどね。元気な時に聴くアルバムやサウンドではなくってね…、なんかまったりとしたい時に聴くと心地良いんだよね。それでメキシコのバンドっつうから不思議だ。そんなイメージはないのだが…。

 多くのリスナーがStream of PassionからElfoniaに辿り着いたことだろうと思うが、決して裏切ることのない深いサウンドと聴き続けられるアルバムに出会えてよかったわ。マルセラ嬢の歌声だけで良いって思ったけど、アルバムとしても良くできてる。セカンドの「This Sonic Landscape」ではもっとアンビエント的方向を強めているので、その後のStream of Passionがちょっと不思議。



Theatre of Tragedy - Forever Is the World

 あぁ…またゴシックメタルの波に飲まれて多数のアルバムレビューをひたすら書き連ねていくことになるのだが、何がどうしてこのジャンルに自分が引き込まれていくのか…、いや、多分うつらうつらと英国ロックの波に揺られるのと同じく、心地良い音世界がありそうなジャンルで、実際にあるんだけど、そいつを追い求めて浮遊しているような気がするんだよね。そんで、多少道を誤りながらも多数のバンドを聴いてみて進んでいるんだが…、Leaves' Eyesの世界を聴いてみてやはりちょっと違うなぁ~と思ったトコロへ本家本元のTheatre of Tragedyも負けじと新作をリリース。

Forever Is the World Storm
Theatre of Tragedy - Forever Is the World Forever Is the World

 「Forever Is the World」という作品で9枚目のアルバムとか。ボーカルは既にリブ・クリスティーンを排除しているので今はネル嬢というところなのだが、それはともかく…この新作「Forever Is the World」を聴いた感想は一言で言えば…「これぞゴシックメタル」というところだ。やっぱりね…キャリアが長いし、このジャンルの第一人者的バンドでもあるワケで、途中あっちこっちに音がブレたことはあるけど、「Forever Is the World」ではビシッと方向性を定めて、ブレることなく己の世界を貫いています。それこそが自分も含めたリスナーが求めていた硬派なゴシックメタルの世界観ってものだ。インダストリアルでもなくスピードメタルでもパワーメタルでもシンフォニックメタルでもなく、ゴシックメタル。これこそ確実にゴシックメタルの世界だもん。言葉で言い表しにくいんだけど、早いモノはなくってただひたすら美しくミドルテンポで楽曲の荘厳さと威厳を打ち出しながら、やはり悲劇的な印象を音で奏でて儚げな女性の歌声が天上に届くと言うような、ナルシストでしかあり得ないような音です(笑)。それがねぇ…、完璧なんだわ、この「Forever Is the World」ってのは。

 冒頭から最後まで全くブレることなく完全にゴシックメタルの世界観。ひたすら心と体を音に任せて流されるままに感じられるアルバムで…、そんなのって最近見つからないワケだからさ、自分的には「Forever Is the World」ってのは相当名盤なのです。世の中的には暗いアルバムなのかもしれないけど、秘めたる炎がジャケットにもあるようにメラメラと燃えているっつうのがよろしい。Theatre of Tragedyってここのところあんまり聴いてなかったけど、やっぱり見直した。この路線で進んでくれるなら非常に嬉しいところだが、面白いのでまた全アルバム聴き直そうかな…。



Pythia - Beneath the Veiled Embrace

 ゴシックメタルやシンフォニックメタルという如何にもヨーロッパテイスト溢れる仰々しいサウンドを武器にしたバンドはやっぱりヨーロッパのそれぞれの国から出てくることが多く、フィンランドやオランダなんてのは顕著なところだ。そしてロックの本拠地と言えば英国、英国出身のこの手の女性ボーカルによるメタルサウンドのヒロインというものは実はほぼ皆無だったのだ。普通のバンドで言えばParadise Lostがそもそもの発端という意味で大英帝国を背負った作品をリリースし続けているのだが。

Beneath the Veiled Embrace
Pythia - Beneath the Veiled Embrace Pythia

 そんな英国からようやく期待の新鋭バンドが登場し、それもかなりレベルの高いサウンドとコンセプトなのでこれからが楽しみだ。

 Pythiaというバンドでアルバムは「Beneath the Veiled Embrace」がリリースされたばかり。良いでしょ、このジャケット。センスが違うよね。やっぱりこういう繊細なセンスからして良いのですよ。そして音を聴いてみると、これがまたゴシックメタルっていうのではない感じなんだが、パワーのあるメタルにややシンフォニックさを加えて、しっかりとしたエミリー・アリスという如何にもな名前の女性ボーカルが前面に出てキュートな姿に似合わない大人な歌声を聴かせてくれるというものだ。なんと言ってもこのエミリー・アリス嬢、ライブではロリータなコスプレで歌っているのだから…。ちなみにバックの面々は野郎どもで、真っ黒なラフなスタイルなので、全くアンバランスなスタイルだが、今更そういうのを気にしてもしょうがない。まずは音で勝負しようじゃないか…。

 いや、ホントにね、やっぱ英国なんだよ、時代は変わっても。ヨーロッパほどシュールに仰々しくないけど、しっかりと湿っている音で、本人達は元気よくやってるんだけどやっぱり暗い、っつうか(笑)。歌メロもしっかりと出来ていたりするからセンスは見事だと思うし、楽器もヘタじゃないししっかりと曲も押さえている。ただちょっと飽きが来る感じはあるのでもうちょっと曲に幅を持たせるとかキラーな作り方をするとかが課題なのかもしれない。

 …とまぁ、イロイロあるんだけど、新旧併せたメタルの良いところを押さえたナイスな作品「Beneath the Veiled Embrace」…っつうかバンドで、ギターも鍵盤も歌もしっかりと自己主張した美しいアルバム。多分何回か聴かないと染みてこない感じではあるが。2曲目のシングル「Sarah」は名曲の域に達しているしね。



Leaves' Eyes - Njord

 ヨーロッパでのゴシックメタル…、というかフィメールボイスメタルバンドの人気ってのはかなり加熱してきているようで、日本に飛び火することがどこまであるのか…、それとも既にシーンでは起きていることなのかよくわからんが、最近何となく少々過剰気味かのかな、と思うことがある。エピカが昨年にライブCDとスタジオ盤を出したというのもあったが、そういえばもっと凄かったのはリーヴス・アイズでして、昨年ライブCD&DVD「We Came with the Nothern Winds: En Saga」をリリースしながら秋口にはスタジオ新録アルバムをリリースしている。それがまたどれもこれもとんでもなくクォリティが高いというのも恐ろしい。

Njord We Came with the Nothern Winds: En Saga
Leaves' Eyes - Njord Njord
Leaves' Eyes - My Destiny - EP My Destiny -EP

 「Njord」というスタジオアルバムとしては三枚目となる作品でして…この世界ではかなり独特の雰囲気を醸し出しているノルウェーとドイツの混合バンド。もうTheatre of Tragedyのリードシンガーだったと言うよりも独自の世界を創り上げたLeaves' Eyesのリブ・クリスティーンと言う方が早いのだろう。毎回何かとテーマを持ってオリジナリティある世界を繰り広げているが、今回の「Njord」は北欧神話での物語の一部ということらしい。まぁ、そのヘンまで深く調べる気もないんだが、神話をモチーフにした作品展開というのは継続的に音世界を創っていくにはやりやすい選択なので、それもありかなと。

 そして何と言っても音の方だが、単なるゴシックメタルではもちろん終わるはずがなく、華麗なるシンフォニックな世界を融合させた割とオリジナリティの強いメタル。かなりゴージャスなのでやりすぎじゃないか?と思う部分も多いけど、やっぱりここまでやられると心地良い。リブ・クリスティーンの歌声がかなり透明度の高いものなので出来上がる世界観なんだろう。その筋では「神盤」と言われるほどの名盤として君臨しているようだ。まぁ、どうなのかね、そこまではまだわからんのだが、かなり良質であることは確か。

 しかし冒頭からず~っと捨て曲なしで飽きることのない曲展開で、見事なものだ。ただ、キャッチーで口ずさめる曲があるかと言われるとそれもまた少ないのも面白い。とにかくゴージャスな音作りで仕上がった作品という面が強いね。ただ、もの凄くゆとりを持っているし、自分達がどっちの方向性を目指しているのかもわかってやってるっつう感じあるからなぁ…。ハマりこめないけどさすが、というアルバムです。前作のライブ盤もかなり変わった取り組みだったけど、この「Njord」の布石…っつうかそれがあったからこそ「Njord」が生まれたんだろうというのがわかるのも面白いね。

 そういえば5曲目にはあのサイモン&ガーファンクルの「Scarborough Fair」が入ってるんだが、これまた見事な出来映えのカバーソングで原曲を損なわずにLeaves' Eyesのカラーをしっかりと出したナイスなアレンジ。



Epica - Design Your Universe

 ここ最近の北欧ゴシックメタル勢のリリースラッシュはもの凄いものがあって、息つく間もなく新鋭バンドも大御所も怒濤の如くCDやDVDをリリースしていた。それなりにチェックして聴いてはいたんだけどブログの流れ上あんまり出番がなくってズルズルと年を越してしまったのだが(笑)。まぁ、焦るモノでもないしどこかでまとめて一気にやろうかな、と思っていたので流れも良いしここらでアレコレ出しておくか、と。

Design Your Universe The Classical Conspiracy
エピカ - The Classical Conspiracy The Classical Conspiracy

 オランダのもう一つの大御所ゴシックメタルバンド…から既にシンフォニックメタル的な世界を築き上げていると言っても良いだろうエピカというバンド。2009年には2枚組の壮大なるライブアルバム「The Classical Conspiracy」をリリースして、存在感を見せつけた上に11月には更に新作スタジオアルバム「Design Your Universe」をリリースするというアグレッシブな活動を見せるバンド。日本って来たことあるのかな?そんなに働くなら日本に来てライブやればいいのにね、と。

 その新作「Design Your Universe」を聴いてみると、もう圧倒的な完成度の高さに驚くし、音の洪水に飲まれるってモンでした。基本的にシンフォニック色が強くてクワイヤやオーケストレーションで攻め込んでくる怒濤の音の洪水が売りなんだが、そういう装飾に負けることなくバンドが自己主張しているのと、シモーネ嬢の歌うメロディラインと歌声ももちろん確立したモノがあるわけだからバンドとしての機能にあくまでも装飾としてのクライヤやオーケストレーションという位置付けが守られている。それにしてもやりすぎじゃないかと思うくらいの装飾音なんだが、このバランスが上手いんだろう。

 冒頭は静かに始まるがその後はやはりメタルというリフがこれでもかと始まるので心地良い。やっぱこうでないといかん。こうなるとゴシック的要素ってのは非常に少なくなってきているんだけど、要所要所での旋律や雰囲気がゴシックなものだったりするのは自然の摂理?本人達は多分ゴシックメタルをプレイしているつもりは毛頭ないだろう。確かに。となるとこれはこれで非常にパワフルな作品で、決して裏切られるものではない。まぁ、男性デス声が少々邪魔ではあるがそれほど多くはないので良しとしよう。




Within Temptation - An Acoustic Night at the Theatre

 歌の上手い女性が歌い上げるメタル…、それに歌の上手いメタルシンガーが歌うポップス…、まぁ、どっちにしても歌ってのは上手い人が歌えば何でも上手く聞こえるんだけどさ。中でもゴシックメタル界を牽引しているバンドのひとつであるキャリアの長いウィズイン・テンプテーションのシャロン嬢…嬢っつうかもう女王だろうな。年齢的には(笑)。そんなキャリアを誇るウィズイン・テンプテーションも2009年にまたしてもライブアルバムをリリース。

アン・アコースティック・ナイト・アット・ザ・シアター ブラック・シンフォニー
Within Temptation - An Acoustic Night At the Theatre - Live In Eindhoven 2008 An Acoustic Night At the Theatre - Live In Eindhoven 2008
Within Temptation - Black Symphony (Audio Version) Black Symphony

 「アン・アコースティック・ナイト・アット・ザ・シアター」ってなモンでして、その前の作品も壮大なる「ブラック・シンフォニー」というフルオーケストラライブでDVDまで同時にリリースした気合いの入ったライブ盤だったのと比べると今度はアコースティックで静かな世界を紡ぎ出すことに成功したライブアルバム。もっとも「ブラック・シンフォニー」の方でも一部そういう試みを行っていたのでその延長線上だろうとは思うのだが、以前からシングルのボーナストラックなどでアコースティックな試みはよく発表していたので特に驚くようなアレンジなどではないが、それもまた楽曲とメロディラインがしっかりしたウィズイン・テンプテーション独特の個性による成果だろう。

 収録曲はどれもこれも聴き慣れた名曲群ばかりで、「Ice Queen」が外れているのはようやく「Ice Queen」の呪縛から抜けられたというところか。それにしても勝手知ったる曲ばかりなのに美しくて素晴らしいのは楽曲の勝利。まぁ、正直言ってアコースティックなアレンジだからと言って曲の印象が無茶苦茶変わるというものではないくらいのレベルの高さなのだが、演奏する側にしてみれば大いに変化があるところなのだろう。全くこれほど秀逸な音楽を創り上げるウィズイン・テンプテーションって凄いわ。アレンジにしてもやはりヨーロッパ的センスをしっかりと打ち出して安易なアレンジなんかはまずないしね。

 シャロンって確かギターの人と結婚してこないだまでは1児の母だったがこれだけ活動停止しているところを見ると2番目の子供でも産んでいるトコロなのだろうか?「アン・アコースティック・ナイト・アット・ザ・シアター」の最後には新曲「Utopia」が収録されているけど、このPV見る限りは普通なんだよな。まあ、女性シンガーってのは生活とのバランスも大変だろうなぁ…と思うし、世の中の女性シンガー達は彼女の生き方っつうのも参考にしているんだと思う。そろそろ次なるスタジオアルバムを聴きたいトコロだが、当面は「アン・アコースティック・ナイト・アット・ザ・シアター」と「ブラック・シンフォニー」のライブ盤で満足してDVDで艶姿を堪能するしかないか。



Katherine Jenkins - Believe

 音楽の幅は実に広いものだと日々実感する今日この頃…、いくつかのブログサイトやコメントで刺激を受けながら面白そうなものは片っ端から聴いてみるようになって早数年…以上か(笑)。その時の気分気分で聴く傾向が異なるのは当然なんだけど新たなる刺激に取り組む時はやっぱり心構えするのとサラッと聴くのとあるね。んで、軽そうなものに興味が沸く時は多分疲れてる時(笑)。サラッと聴くにはゴージャスすぎたこの人。

Believe
キャサリン・ジェンキンス - Believe Believe

 キャサリン・ジェンキンスという英国の歌姫の2009年にリリースされた作品「Believe」。いつもの如く某ブログサイトで語られているのを見て、どんなん?って思ったんで手を付けてみた逸品♪ 歌姫ってので聴きやすいだろうな、ってのとマリア・カラスみたいなんかな?とかあったけど、それよりもね、色々なロックの名曲を歌の本当に上手い歌手が歌うとどうなるんだろ?ってのとその中にEvanescenceの「Bring Me To Life」があったのが気になった(笑)。英国の歌姫がエヴァネッセンスかよ?というギャップが面白くて、どんな風に歌ってるんだろ?っていう興味。プロとしての来歴は結構長くてその筋では超有名な歌姫のようで…。

 まぁ、ディーバと呼ばれる歌姫ってのはこういうもんなんだろう、それくらいに突出した歌手ではありますが…、他のこの手の歌姫と違いがわからない(笑)。…っとそういうことを気にしてはいけないので、この「Believe」だけを取り組んで聴いていくのですけどね、もう、普通のポップスからそれこそゴシックメタルからレゲエからオペラからクラシックに至るまで正に「歌手」という世界を満喫できる一枚であることは確か。眠くなる人は眠くなるかもしれないけど、そこはロックのカバーが入ってるから興味をそそるはず。最初からビートルズなワケでさ。途中まで何か聴いたことのあるメロディだな…ってくらいに化けているってのも面白いが…。そして個人的に期待の「Bring Me To Life」はもう絶賛。ゴシック的アレンジもちゃんとそれなりにカバーされていて雰囲気を崩さぬようにゴージャスに荘厳に美しく…というのが良くてメロディの良さが突出してきたのは見事。ボブ・マーリーの「No Woman No Cry」はレゲエアレンジではなく歌モノとしてアコギ中心のアレンジに改編されてて別の曲って感じだね。そして期待のフレディ・マーキュリーのカバーとなる「Who Wants To Live Forever」はあまりにも荘厳なアレンジとゴージャスなアレンジに施されたクラシックと昇華された素晴らしい楽曲としてコーラスも加えられた圧倒的なもの。素晴らしい!

 歌の上手い人は何を歌っても凄いんだなぁ、と実感した一枚で、これだけバラバラなジャンルのモノをそれなりのアレンジにして聴かせるのはともかく、キャサリン・ジェンキンスが歌うことで統一感が果たされて「Believe」というアルバムを統率するってのは凄い。たまにこういうの聴くと音楽って凄いわ、やっぱ、と実感する。



Melody Gardot - My One and Only Thrill

 歌モノ凄いな…って改めて気付かされるのはロック以外のものを聴く時が多くて…、多分それはアプローチが異なるってのとそもそも歌を聴かせるために作られているからということが大きいんじゃないかと。普段ロック聴く時って割と歌とか聴かなかったりするしさ(笑)。だから歌だけをクローズアップして聴くってのはロック以外の方が多いのはそういう理由だと思う。うん、何か間違ってるかもしれん…。

マイ・オンリー・スリル 夜と朝の間で
メロディ・ガルドー - My One and Only Thrill My One and Only Thrill メロディ・ガルドー - Worrisome Heart Worrisome Heart

 メロディー・ガルドーというフィラデルフィア出身の女性シンガーによる2009年の作品で二作目となる「マイ・オンリー・スリル」で。そもそも*floydさんのコメントで初めて知った次第ですが、何か気になったので颯爽と聴いてみましてですね…、まぁ、流れ的にも女性歌モノってのは年初から続いているのでよろしいじゃないですか、と。自分が知らない情報から漁るのは面白いですね、結果はともかく。

 そんでこのメロディー・ガルドーの「マイ・オンリー・スリル」なんだが…、生身のシンガーで艶めかしく場末のバーに流れていく雰囲気でして、非常~~~に好きです。クラシック畑のオペラチックな歌手の上手さとは全く正反対位置するジャズ的生身的感情的な温かみのある歌でしてね、ジャズっつうのかいわゆるアメリカ的なシンガーなんだが…、ポップスでも出てくるだろうな、こういうのは。あ、わかった…、ビートが効いたポップとかじゃなくってね、生のピアノとかウッドベースとかそういう楽器で彩られたバックが中心だから全てが優しく温かみのある音で聴けるシンガー。こういうのってほんと幅広いわ。Amy Winehouseも凄いと思ったが、それとは別にメロディー・ガルドーも独自世界を創り上げている、かな。いつの時代にもこういうシンガーはいそうだけど、なかなか長続きしないので地道に頑張ってもらいたいよね。確かに生のライブを狭いクラブとかで見たら惚れるんじゃないか、と思う。

 来歴調べてるとさ、結構大変な人生を過ごしているみたいで、それもあってこういう心に染み入る音楽、歌を奏でられるんだろうね。やっぱり歌は深い。こういう心安らぐ音を聴いている自分ってやっぱ最近疲れてるのか??



Sarah Brightman - Symphony

 歌い手の使い方という意味で最も上手くアーティストの潜在能力を引き出し、更に商売にもきちんと繋げられる度量を持っているのはやっぱりアメリカなんだよな。重さは一切ないんだが、売ると言うことと作ると言うことについてはやはりうまい。その辺が戦略の弱さと言うのか洗練されすぎていないのが日本や欧州でして、それがまた個性を出しているのはあるので否定すべきモノではないんだけどね。でもアメリカの商売の巧さには舌を捲く。

Symphony シンフォニー~ライヴ・イン・ウィーン~【DVD+CD】
サラ・ブライトマン - Symphony Symphony

 サラ・ブライトマンの2007年のクリスマスシーズンにリリースされたアルバム「Symphony」を聴いてみて思う。自分的にはサラ・ブライトマンって歌の上手いポップスっつうか歌手っていう印象しかなくてちゃんと聴いたことなかったし、別にそんなのゴマンといるわけだから、何でもいいや、っていう感じだったんだけどさ、ゴシックメタルを漁っている時にふとこのアルバムが出てくるワケよ。もちろんアルバム全編ではなくって、「Symphony」の冒頭2曲のゴシックメタルアレンジはなかなか面白い、と。それで、どんなもんなのかを聴きたくてね。

 1曲目のインストテーマからして「Gothica」だからもうゴシックでしょって感じでして、続く2曲目「Fleurs Du Mal」がもう圧倒的にゴシックメタルを意識したアレンジで歌い上げてる。見事なまでの天性の美声と天上の声でゴシックメタル風アレンジに施された楽曲を多分どんなメタルバンドが束になっても敵わないレベルで歌っているのだ。こうなるとどこも分が悪い…それくらいやはり歌が巧いし、声もしっかりしているので、レベルが違う。Liv Moonなんかもこんな風に出せれば全然印象違ったのにねぇ…、いや拘っているワケじゃないんだけどさ(笑)。

 そんな冒頭のゴシックメタル調な曲に感動しているとその後はもう歌姫のオンパレードでして、曲がどうのとか言うんじゃなくってアレンジも含めて感動の嵐を誘うようなドラマティックな楽曲ばかりが入っててさ、もちろん歌が巧いから聴いてると凄いなぁ~とシミジミ思ってしまうものばかり。何やらイロイロな人と共演しているらしくて、そういう声色の対比もゴシックメタルの世界と同じく男女によるボーカルで世界を紡ぎ出しているってところか。変わり種ではキッスのポール・スタンレーがデュエット作品に一曲参加しているってトコロで、他のゲスト陣がオペラやクラシック畑というのに比べていきなりキッスかよ、って感じだ(笑)。しかもムード満点のバラードを歌っているというのが笑える。アルバム的にはちょっとマイナスポイント高いけど話題性はあったんだろうな。

 しかし…、巧い。とにかく巧い。聴き惚れるってのはこういう事なんだろう、と。ただねぇ…、やっぱりアメリカなんだよな…、消耗品でしかないっつうのかね、重さがないってのか…、何だろ?何度も聴かなくていいや、っていうのか…。いや、凄い作品なんですよ。だからアルバムをしょっちゅうリリースしてリスナーを惹き付けるしかないんだろうな、とはわかる。



Whyzdom - From the Brink of Infinity

 新人バンドの楽曲レベルがこれほどまでに差が出るというのはもしかしたらメタルくらいなのかもしれない。普通のロックやポップスでもそれはあるけど、メジャーになる時には当然その辺が洗練されてくるので世界と比較してもそんなに差があるようには思わないもん。もっともこの論理は作り手=プロデュース側に差が出ることはあるんだがそれでもね、今の時代そんなに大差はつかないですよ。ところが先日のLiv Moonの「DOUBLE MOON」という作品ではあまりにも未熟な日本のゴシック or シンフォニックメタル的なプロデュース業の差が出てしまっていて…、多分Liv Moon自体の問題ではないんだろうな、と。そこで、世界の新進バンドによるここ最近の素晴らしい仕事を挙げてみよう。

From the Brink of Infinity
Whyzdom - From the Brink of Infinity Whyzdom


 まずはフランスから2009年に出てきたWhyzdomというバンド。もちろん女性ボーカルのテイラ嬢によるシンフォニックなメタルバンドで、超個性なのはさすがにヨーロッパ産と唸らされる価値のあるクワイヤ=コーラス=オペラティックな世界とシンフォニックさ加減。荘厳な世界を新人の最初のアルバムにして仕上げている。これはもうバンドの意向とプロデュース側の意向が同一直線上に並んで出来上がった代物に他ならないもので、圧倒的な世界レベルでの作品を創り出しているとしか言えない、それでこそ世界レベルのバンドとアルバムなワケですよ。

 「From the Brink of Infinity」という作品で、最初からクワイヤとシンフォニックを体感できます。ちなみに終盤にはプログレマニアにも喜ばれる「Daughter of the Night」と称された組曲が表れてきましてですね、それがまたしっかりと気合いの入った荘厳なクワイヤと楽曲なんですよ。もっともそれに限らずどの曲も尊厳さに溢れているんだけど、しっかりと鍵盤やクワイヤだけに頼らずにギターもヘビメタしてて、ソロなんかも気持ち良く入ってくるので、その辺りが好きなヤツがしっかりとやってるという印象。これからも壮大な作品を生み出すことを期待しているんだが、どうだろう。

 このファーストアルバム「From the Brink of Infinity」の評判も上々と聞くし、ヨーロッパのフェスでも割ともてはやされたようなので来年あたりには来日するか?

 やや弱点はボーカルのテイラ嬢の歌が少々上手くないってことくらいか(笑)。まぁ、そんなに気になるほどではないけれど、これから上手になっていくことでしょう。ジャケットのイメージそのものがバンドのイメージとして捉えられる秀作。



Liv Moon - Double Moon

 昨年の秋頃だったか突如としてニュース欄を賑やかした「元タカラジェンヌがヘヴィメタルシンガーに転身」というような記事を見て、はて、何の事やら?とそれなりに興味を持ってニュースに接したんだが、そのままの通りで元宝塚の女優さんがナイトウィッシュに触発されて宝塚引退後にゴシックメタルのバンドを組み、そのシンガーとなるとのことで近々シングルをリリース、ってなことだった。シングル「オペラ座の怪人」はネットで適当に聴いた程度なんだけど、それこそIron Maidenもやってるし…ってのは別曲として、Nightwishがカバーしてる曲そのもので、まぁ、こんなもんなのかな…というくらいでアルバムに期待してまして…、いざ発売されたので聴いてみましたよ。

DOUBLE MOON LIV MOON - DOUBLE MOON Double Moon

 バンド名なのか彼女の芸名なのかLiv Moonという名義でリリースした「DOUBLE MOON」。ジャケットはなかなかソソられる仕上がりになっているので悪くないじゃないですか。歌唱力が相当のものだったらそのまま欧州に輸出できるのかも?なんて思ってたけどね、そもそも彼女って両親とも別の国の方なので日本人じゃないって言い方が正しいんだろうけど、そうでもない風潮が不思議(笑)。まぁ、それはともかく、ジャケットも話題も期待してましてね、一般への露出も高かったからゴシックメタルというジャンルがメジャーになるチャンスじゃないですか、うん。いや別にどっちでも良いんだけどさ(笑)。

 そんで聴いてみたら…、「がっかり」。

 ん~、ダメだろ、これじゃ。欧州の新進バンドのレベルにすら追い付いていないし、アメリカにも追い付いてないよ。楽曲レベルとかアレンジとか音作りとかミキシングとか全てが厳しいレベルだな。光るところと言えばタカラジェンヌの意地でもある音域の幅が広い歌唱力くらいだけど、これはもうメタルはできませんよ、っていう歌い方だから、Nightwishのターヤとは大きな違い…っつうか楽曲レベルの違いも大きいのかもしれないけど、かなりアカン。歌しか秀逸点がないならもっとミックスで前に出せば良いのに結構楽曲に埋もれたミックスになっているから歌すらも光らない。多分彼女自身の問題ではなくって取り巻く周辺のスタッフが深くまでゴシックメタルに取り組めていないんじゃないだろうかね。せっかくあれだけ話題を振りまけたんだから外注してでも楽曲レベルの高いモノを取り寄せるべきだったろうにな。勿体ない。

 「DOUBLE MOON」アルバム全編を聴くまでに至らないっつうのが問題だ…。ただ、似たような音ばかりというのはなくって、それはもうカラフルに雰囲気を変えたりした曲が並んでいるんだが、そういうトコロでは歌が一辺倒かもしれない。改めてゴシックメタルって難しいんだなというのを逆に痛感してしまった。ライブにしてもまだLoudPark09でしか歌っていなくて、今度は3月にやっとライブが決まりました~、なんて売り方で、まったくアイドル的だもんな。それはもうメタルバンド好きな人はなかなか付いていかないんじゃないかね?

 …ん。ちと素直に書きすぎてしまったが何曲かは歌声が魅力になっている曲はある。ただ、メタルという部分じゃなくて静かに歌を聴かせるという意味で、なのだよ。だからメタルとして売らなければ普通にちょっとハードな歌手ってくらいでよかったんだろうけどねぇ…。いや、期待が大きかったが故に辛辣になってしまった…。



陰陽座 - 臥龍點睛

 何がきっかけだったのか覚えていないんだけど、今の自分のiTunesとiPodの中には陰陽座の全てのアルバムが入っている…。陰陽座って知ってる人ってここではあまり多くはないんじゃないかと思うんだが、今の日本のメタルシーンの中でかなり長生きしている男女ボーカルを配した徹底的に古語に拘る…っつうか妖怪チックに拘るバンドで、キワモノと言えばキワモノだけどその日本へのこだわりぶりが逆に海外でも評価されていて純和風バンドってことで妙な人気を博しているとか。アニメソングとの絡みや影響も聴けるので、そのヘンもあるんだろうな…。

臥龍點睛 金剛九尾
陰陽座 - 陰陽雷舞 vol.1 (おんみょうらいぶ) 陰陽座 - 陰陽雷舞 vol.1
陰陽座 - 金剛九尾 金剛九尾

 別にどのアルバムが最高ですとか言えるほどではないんだけど、全部聴いている中で最初に印象的だった曲が入っていたのがこの2005年リリースの6枚目のアルバム「臥龍點睛」だったので…。4曲目の「甲賀忍法帖」がひたすらポップでキャッチーでかっこよかったのですよ。後で調べてみたらアニメソングのタイアップ曲だったんですね。なるほど…、それでこういうキャッチーなポップさを出していたんだ。それでも凄くわかりやすくてウケる楽曲を自分達らしさを殺さずに出していけるんだから見事。新たなファンを獲得したことは想像に難くない。

 さて、陰陽座=陰陽師というソロではなくバンドだから「座」なワケで、まぁ、欧州のゴシックメタルと同じスタンスと言うかスタイルというのか…、向こうが「ゴシック」という様式を用いるのならば我が日本としては「和」を用いようじゃないか…というコンセプトなのかどうかは知らないけど、聴いている限りはそれが堅実に表れている気がする。歌詞は完全日本語どころか古語や語呂まで混ぜ合わせたパッと聴いても何を言っているのかよくわからないくらい難しい日本語なのですよ。ここでまた日本語にこだわりを持つ発信側と理解しようとする受信側という図式により頭の悪くなってきた日本人に対して日本語を再度認識してもらうワケだ。ここは凄い。アルバムトラックにしろなんにしろ全部日本語なのだから。読めないタイトルやアルバムタイトルすらあるのだからそのこだわりはもの凄い努力だろう。

 はて、音的には面白くて完全にスピードメタルに近い世界で、まぁ、もちろんゴシックメタル的なのもあったりするんだけど、歌は演歌ですよ。男女ボーカルなんだけどやっぱり女性の黒猫さんが歌う歌が好きですねぇ。昔の浜田麻里そのままの歌と言えばわかりやすい…ハズ。ギターソロの入り方やアレンジなんてのは結構昔ながらのメタルファンには堪らないパターンが使われているのでツボにはまるんじゃないだろうか?ゴリゴリのリフってのはないので、そういうのとはちょっと違うけど、柔軟な姿勢を持つメタルっていうトコだ。

 結構「臥龍點睛」だけでなくってどのアルバムも聴くんだよな…。どれがいいとかじゃなくて音的に流していて心地良いっつうのかさ、こういうのが馴染んでるだけか(笑)。



Mara Aranda & Solatge - Deria

 あ~、んと…、ここの所某ブログで激推薦していたものばかりを取り上げていたんだけどね、まぁ、そこまではまだ自分でも素直に「おぉ~、なるほど、これは素晴らしい!」って感じでわかる世界だったんだけど、今回はちょっと困った。2009年の最後のブログ記事で取り上げていて「完璧に素晴らしい!」と意味のわからない日本語で絶賛していたので、そこまで言うのならきっと凄いのだろう、と思ってさ、気軽に…、いや、気軽に、ってのがイカンかった(笑)。


Mara Aranda & Solatge - D?ria Deria

 2009年にリリースされたばかりの「Mara Aranda & Solatge - D?ria Deria」という作品でして、Mara Arandaと言う女性歌い手とその仲間達による歌モノアルバム…なのかな。このMara Arandaって誰?ってところから始まるんだけどさ、L'Ham de Focというスペインのトラディショナルバンドの看板女性歌姫ってことらしい。その他にもAman Amanっつうのも参加しているようで、まだそっちの方までは聴いてないんだけど、スペイン?ってことはそのトラッド?ん?

 …ってことで聴いたのですよ。とにかく「完璧に素晴らしい!」の意味がわかったんだが、果たしてコレはどういう表現をすれば良いのだ?いや、全く聴いたことのない異次元な世界というか…民族的な音というのが強くて音楽の世界ってのはやはり広いものだとつくづく実感。自分が知っている世界なんてタカが知れてるって痛感しました。それでも音楽の良さとか素晴らしさとか彼女の感情とか音世界による情景の表現っていうのはしっかりと伝わってきて、故に「完璧に素晴らしい!」のだ。自分の言葉で語れるほどの知識がないのが残念っ。

 ホントはL'Ham de FocとかAman Amanとかをもっともっと聴き込んで、アルバムも全部聴いてそれぞれの音的な変化とか歌の変化とかを知り尽くしてから待望のソロアルバムってことで聴いてみると全然違う思い入れで聴けるんだろうし、そうしたいと思うのでまだ出してはいけなかったのかもしれない。でもさ、凄いんだよ、このMara Arandaって人の世界「Mara Aranda & Solatge - D?ria Deria」が。それがまず書きたくて…。じっくりと時間を掛けて向き合ってわかってきたらまた登場するかもしれない。それまでこういう世界ってのには真面目に取り組まないと深みがまだわかってないからさ。

 ま、でも、単純に聴いて「うわぁ~、凄い~」って思う作品だよ。ロックとかじゃなくって音楽。本来の音楽の在り方ってこうあるべきだろうと思うし、気張ったところがなくって自分を見つめて表現している作品で、あまりにも傑出しているだけ。故に「完璧に素晴らしい!」ので隙がない。なんと言えようか…、普通にいいなぁ~って聴いていいんじゃない(笑)?そういう作品だもん。ジャンルとか関係なくてさ、こういう音楽ってのが一家に一枚くらいあっても誰かの魂が安らぐと思うし。見事にその世界観を表したアルバムジャケットの色遣いも素晴らしいし、ブックレットも凄い。とにかく全てに気合いが入りまくっている完璧に感動を味わえる作品。

 過去にこういうのを聴いたのは多分Page & Plantのオリジナル作品群くらいかな…、それもちょっと違うけど。そしてこの「Deria」というアルバムはiTunesにはあるけどアマゾンにはない。HMVではあるからちょっと探せば手に入るでしょう。それくらいしてもバチが当たらない世界ですよ。





Claudia Acuna - Luna

 新年に入ってから唐突に聴かせる女性達を続けているんだけど、別に理由はいつもの如くありません(笑)。Amy Winehouseを初っ端に取り上げたいな…と思ってて、その後はそういえば…とあちこち引っ張ってきているだけなんだけどね、やっぱりどこか一貫性を持たせておきたがるらしい→自分。んなことで、せっかくなのでこれもまたpapini嬢のトコロで紹介されてて気になった作品…且つブログ盟友のCottonwoodhillさんも偶然聴いて刺激されたということで随分昔に取り上げていましたので、多分ホンモノなんじゃないかと。

Luna Wind from the South
Claudia Acu?a - Luna Luna

 Claudia Acunaという南米はチリ出身の女性がニューヨークに進出してそれでもスペイン語で歌い上げたアルバム「Luna」ですね。2004年にリリースされたみたいです。とても南米チリ出身の歌い手とは思えないようなシックなアルバムジャケットで品性を保っている気がするんだけど、聴くまではかなり熱いのを期待してたんだよね。それがさ、アルバム「Luna」を聴いてみるとかなりしっとりと歌い上げていて、脳天気な歌じゃないんで、ちょっと期待とは異なった。その分本格的な歌でニューヨークに進出するくらい実力を持った歌唱力を聴かせてくれるところがツボにはまった。

 オーソドックス且つシンプルな歌モノアルバムで、特別に有名な曲とかミュージシャンが参加しているというようなものではないらしい。何となくEgo Wrappin'の歌を思い起こしてしまうシーンもあるんだけど、それは声質のトコロね。ジャズっていうと語弊を招くジャンルにカテゴライズなんじゃないかと思うのだが、一般的にはジャズボーカルとして括られているみたい。割と何でも歌いこなしている感じで、もちろん南米のスピリッツも出ている曲も多数あるから多様な楽しみ方はできる作品。

 まぁ、なんだ、さすがにここまで聴かせる人だと逆に眠くなるっつうかさ(笑)、引っ掛からないってのもあって、キライじゃないんだけど好んで覚えるまで聴くってなモンでもない。ただ、家にあったら心地良いだろうなというものかな…自分にとっては。バックに流れていて邪魔になるのはイヤだからこれなら害がないって言うのかね…、いや、良い作品なんだけど自分的にはそういう位置付けかもしれんな…。悪気はないですが…。



Caecilie Norby - My Corner of the Sky

 魂に響く歌声って人それぞれだけど、結構色々なものに魂響かされてしまう自分って一体? まぁ、それはともかく、女性の歌声にはもともと弱いので何でも聴いてあげます~ってなとこなんだけどね、こないだ某ブログを見てた時に唐突に出てきたのが最初の出会いです…故に聴いてまた一ヶ月程度しか経ってないんだけどさ、とにかくジャケットでノックアウトだったんです。とんでもなくジャケットだけだったんです。もちろんその後に色々な理由は存在したんだけどね…。

My Corner of the Sky Caecilie Norby
C?cilie Norby - Caecilie Norby Caecilie Norby

 セシリア・ノービーというデンマークの女性が歌うアルバムで1997年リリースの作品「My Corner of the Sky」。何枚目か知らないけど、多分デビューして二枚目かそのヘンなんじゃないかな。このジャケット見てよ。無茶苦茶ソソられないかい?いや男性陣だけでなく女性陣でも理解してもらえるのではないかと…。何がってワケじゃないけどやっぱりブルーノートのアルバムジャケットってのは一線を越えていないといけないよね。まずジャケットのセンスに一目惚れして、その後直ぐにブルーノートのあのロゴマークに目が行くとですね…、ブルーノート???ホントに?…このジャケットならそうか、納得…、となるんだけどね、次はもちろん中味とかこの女性ってブルーノートに属せるレベルの人なんだ…、どんなんだろ?

 …とまぁ、そういう図式が一瞬で頭の中で働くのですよ。うん、papini嬢のトコロで知った作品なんだけど、このヒトのおかげで一体いくつのアルバムがウチに散乱するようになったことか(笑)。そうだ、その内papini嬢の紹介アルバム特集でもやろうかな…、いいな(笑)。10日くらいは軽く浮かぶもんね。

 さて、脱線したがセシリア・ノービーさんの「My Corner of the Sky」にはオリジナル作品もあるけど基本的にカバー曲が収録されていて、もともと「歌手」というこだわりだけなようで、「ジャズ」というこだわりはなかった様子なので、「My Corner of the Sky」にもこの手の人達が取り上げることが少ないだろう曲がいくつか収録されているのが面白い。David Bowieの「Life on Mars?」なんて誰も取り上げないでしょ、普通。でももの凄く良い曲だったのは有名だしさ、もちろんここでセシリア・ノービーが歌い上げるバージョンも素晴らしく響き渡るんで文句なし。アレンジは実にシンプルなものに仕上がってるけど、そこはやっぱり歌で聴かせる人だから当然の出来映え。それとロック系に驚きなのはスティングの「Set Them Free」へのアプローチ。これも見事に歌い上げてるからねぇ…。ジャズ畑の人達にはウェイン・ショーターやマイケル・ブルッカー作品が話題になるようだが、元歌知らないからねぇ…。

 もう若い世代のシンガーやライターってジャンルがクロスオーバーするのも当たり前になってくるんだろうね。ブルーノートがこういうのをリリースするってのも時代の流れだと思うけど、ジャケットデザインのこだわりはさすがです。中味の音もジャケットに負けていないくらい素晴らしいレベルの音楽なので全く楽しい。何か聴いてトクしたなぁ~と思えるアルバムでさ。アマゾンで見ると何枚もアルバム出ていて、決して他のアルバムジャケットで見れる彼女は美人なタイプじゃないみたいだけど、「My Corner of the Sky」のジャケットで見られるセシリア・ノービーは世界一の瞬間だろう。何度見ても飽きないし飾っておいてもアートとして通じるデザインにベタ惚れ♪



謹賀新年!

新年あけましておめでとうございます。
本年も「ロック好きの行き着く先は…」ブログをよろしくお願いします。

THUNDER IN THE EAST(紙ジャケット仕様) ライブ・アット・ノッティンガム・ロック・シティ~フィーチャリング・ジョン・サイクス

2010年元旦    フレ

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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