Peter Gabriel - So

 バンドから離脱したボーカリストとバンドの関係という意味で最も上手く立ち回っているのは実はピーター・ガブリエルだったのではないだろうか?ジェネシスを脱退してからもそばしばジェネシスのライブにゲスト参加で遊び出演していたり、自分の作品のゲストにもジェネシスメンバーを呼び入れたりとかなり自由に関係を楽しんでいる風潮がある。これも多分ピーター・ガブリエルという人柄の成せる業なのだろう。ロジャー・ウォーターズとは大きな違いです(笑)。

SO(紙ジャケット仕様) Peter Gabriel
Peter Gabriel - So So

 そうだねぇ…、一番売れたアルバム「SO」でも取り上げておきましょう。これもまた面白くて「Peter Gabriel - So - Sledgehammer Sledgehammer」という曲が当時売れまくり、そのおかげでこのアルバム「SO」もバカ売れしたらしいんだけど、その時にチャート上位にいたのがジェネシスの「Invisible Touch」。そいつを早々に引きずり落としてのチャートアクションだったらしく、まぁ、確執はないまでもロジャー・ウォーターズとは逆にソロイストが勝利してしまったってアルバムだ。もっともこちらは非常に派手なゲスト陣を迎えた意欲作…と言うよりも売れ筋作ってトコなので気合いが違ったのかもしれない。

 ケイト・ブッシュやPPアーノルドをコーラスに迎えたり、相変わらずベースにはトニー・レヴィンを迎えたり、今回はビル・ラズウェルというジャズ畑の人も迎えてる。ギターには今回はロバート・フリップは呼ばずにナイル・ロジャースなんていうのがいたりする。ドラムにはスチュワート・コープランドがいたりと、まぁ、音楽的に必要だったからこういうメンツを呼び入れているんだろうけど、豪華なものです。

 …しかし全く面白くない音だ(笑)。売れたのは何故に?ってくらいに面白くない。多分ロックではなくってオシャレな音だからだろう。そういう意味では非常に良くできている音世界で、ゲスト陣もそういう効果をしっかりと出しているんだけど、全然ダメだ、これ。よくピーター・ガブリエルの作品って名盤に挙げられるので昔から何度も挑戦するけどやっぱり毎回ダメなんだよな。ワールドミュージックへの傾倒からポップミュージックへの接近なんていう大掛かりな言い方をすれば第一人者ではあるようだけど、面白くはないな。もしかしてこの「SO」というアルバムが一般受け狙いだったからつまらないだけか?かと言って初期のフリップ、トニー・レヴィンと組んでるのなら面白いのかな…。そういう印象もないが(笑)。





Roger Waters - Radio K.A.O.S

 ピンク・フロイドとの確執が芽生えてきた時期のロジャー・ウォーターズの反撃作…と言っては語弊があるが、その意思は十分にあった作品がこの「Radio K.A.O.S」だ。前作「The Pros and Cons of Hitch Hiking」ではエリック・クラプトンをギターに配して話題をさらい、もちろん楽曲レベルも非常に高いコンセプトアルバムを展開していたが、なかなか売れ行きは苦戦したようだ。ツアーでもクラプトンを帯同したものの、空席の目立つ会場が多かったとか…。そして今度はピンク・フロイドの「」にぶつけて自分の作品を出してきた。

Radio K.A.O.S(紙ジャケット仕様) Radio Kaos [VHS] [Import]

 相変わらずコンセプトアルバム好きなロジャーの不思議な物語が展開されるアルバム「Radio K.A.O.S」。ただ、あまり物語そのものを追求したことはなくって、ひたすら音で聴いているのでどうにもその辺は弱い。同名ビデオがリリースされていて、そいつを見ながらだと何となくっていう感じだったからいいや、ってなモンでした。ただし、音の世界はさすがだなぁ~と感動して何度も聴いた代物。これこそピンク・フロイドの世界、って思うモンね。もっとも「ザ・ウォール」や「ファイナル・カット」がロジャー主導だと思えば当然の音世界なのだろうけど、好みで言えばやっぱりロジャーのこの世界が好きだしさ。

 冒頭はキャッチーな「Radiowaves」で80年代を象徴するようなデジタル音を強調したサウンドでリスナーを引き込み、次なる「Who Need Information」では最早サックスや女性コーラスによる壮大なロジャーの世界を繰り広げてしまうという、「ザ・ウォール」であれだけかかったクライマックスをさっさと創り上げてしまうというプロ業。以降のロジャーはこの路線をひた走りするのだからやっぱり本人も心地良いのだろうな、こういう壮大な世界観は。そう考えるとこのアルバムに自信あったんだろうなぁ…。偽フロイドには負けるワケがないって思ってても不思議はない作品レベルだもん。だって、これこそピンク・フロイドの世界だろ、って自負してたハズ。まぁ、世論の恐さを知ったってトコでしょうか。

 あとこのアルバムの最後に入っている「Tide Is Turning」も後々歌われることとなる名曲でして、ひょっこりと収録されているのも面白い。何故にライブエイドについての歌をここで入れたんだろうか?まぁ、何かと思いはあったんだろうけど。しかし、「Radio K.A.O.S」はホントに良く出来ている…。売れなかった理由は多分あまりにも「The Wall」や「Final Cut」と指向性が似通っていたためかもしれない。パンチのある曲が少ないのも理由だろうけど、聴いてしまえばそんなのどっちでも良くなるというロジャー信者には心地良いアルバム。ロジャーの作品に駄作なし、です。映像の方はDVD化されていないのかな?ストーリー仕立てのビデオだったんだけどね。



Pink Floyd - A Momentary Lapse of Reason

 往年のプログレバンドの内、EL&Pは80年代まで体力が持たなかったっつうのはあるとして、その他は音楽性を大幅に変化させて頑張っていたりメンバーの融合を繰り返して生きていったりしていた中、大御所ピンク・フロイドは少々異なる歩みを見せたものだ。そもそも「ザ・ウォール」が1980年、「ファイナル・カット」が1983年のリリースなので、ロジャー・ウォーターズ健在期の独裁作品というのが華やかなる80年代とは異なり圧倒的な重さを醸し出していた。そこから先はご存じのようにロジャー・ウォーターズの脱退とピンク・フロイド名義の使用権による裁判、確執ってのがあってギルモアフロイドの誕生、となる。これが1987年にリリースされたのだった。

鬱(紙ジャケット仕様) Momentary Lapse of Reason
Pink Floyd - A Momentary Lapse of Reason (Remastered)

 「」…とはなんとまぁ、皮肉な邦題(笑)。鬱の根元でもあったロジャー・ウォーターズが不在となってからこのタイトルかい。中身は滅茶苦茶鬱感がないサウンドなのだが…。どっちかっつうと清涼感さえあるアルバムという気がする。ま、それは置いといて、この「」というアルバム、そもそもギルモアのソロ作品として制作していたものが母体になっているが故に、ベーシストにはクリムゾンを経由したトニー・レヴィンが参加して、面白い音を聴かせてくれます。ドラムにはカーマイン・アピスやジム・ケルトナーが参加、ニック・メイスンはほんの少し叩いている程度らしい。もちろんギルモアのソロ作だったらここまで幻想的な効果音や空間音を強調するようなことはなく、もっとシンプルな音になったんだと思うけど、裁判沙汰の確執の後に丁度良いタイミングでリリースできそうってことでピンク・フロイド名義にして健在性を見せつけようとしたんだと思う。だから、音響効果的な味付けは見事に往年のピンク・フロイド的エッセンスがたっぷり詰め込まれている。

 そして楽曲レベルも相当に高くて演奏は見事なので雰囲気をたっぷりと味わって世界観を見れるって意味では全くよくできているピンク・フロイドサウンドの世界です。特にギルモアのギターがほとばしる「Pink Floyd - A Momentary Lapse of Reason (Remastered) - On the Turning Away 現実との差異」なんてのは素晴らしくフロイド的。いや、そもそも冒頭の「Pink Floyd - A Momentary Lapse of Reason (Remastered) - Signs of Life 生命の動向」からして美しい水流の音色から始まり、これぞフロイドってなもんです。そういう世界が散りばめられているんだから悪いハズがない。ゆったりとしたテンポで進められる楽曲の数々、これぞフロイド的空間の定義。ただ、いかんせんボーカルが弱いかなぁ…とは思う。

 …と書いてきたけど、やっぱりどこか芯がないってのが自分的このアルバムの総論なんです。多分ロジャー・ウォーターズが持ち合わせていた重さというかポリシーっつうかコアな部分だろうと思う。ロジャーのソロ作を聴いているとそういう重さというのはしっかりと、これまで以上に感じるのでその差を感じてしまうんだな。いや、好みの問題で言えば、だけど。ただ、ギルモアフロイドの雰囲気ってのはもう良くできたエンターティンメントだし、キライじゃないしね。美しい世界だから好みなんだけど…、難しいな。まぁ、こういう世界もあるってことで聴ければ良いでしょ。

 アルバムジャケットについての逸話は有名なトコロだけど、各国盤などでジャケットが異なっているってのはあまり知られていない?ベッドに腰掛けている男性のポーズや、ロゴの位置などがそれぞれ異なっているみたいだね。



King Crimson - Discipline

 80年代は魔法だ。1974年に活動を停止したキング・クリムゾンまでもが再度シーンに登場してきたのだ。この辺りはその時のファンの心情を考えるともの凄い期待度だったと思う。7年ぶりにフリップ率いるクリムゾンのニューアルバム!とか詠われてただろうし、当然ファンもあの鉄壁のメンバーに変わる今回はどんなんだろう?って期待するし。どうやら得体の知れないアメリカ人二人とビル・ブラッフォードがドラムだっていう感覚じゃないだろうか。ま、エイドリアン・ブリューはトーキング・ヘッズでの実績があるから多少は知名度あっただろうけど。

ディシプリン ビート

 1981年発表の「ディシプリン」=「鍛錬」…、相変わらずよくわからない世界をテーマにするものだが、後追いリスナーの自分的にはこのあたりの三作はまったく通っていなかった。ポップチャートに顔を出すわけでもないから自然には耳に入らないし、プログレに目覚めた時にはもちろん70年代クリムゾンに行くワケでして、この辺は一番聴かないんだよな。それでも聴く時が来たり、ビデオでもこの時の来日公演くらいしか動いている姿を見れなかったから一応チェックはしたもん。ビル・ブラッフォードがドラムの後ろのパットや何やらを猿のように叩き回っているのが印象的だったが…。

 そして改めて80年代ってことで気合いの入ったクリムゾンの新作一発目「ディシプリン」ってことで聴いてみたが…、確かに70年代の印象を残したまま聴くと、ブリューの歌声がまず全く受け付けない(笑)。こいつは困った。音楽的にはポリリズムというかリズムに徹底した作品で面白い面は多いし、感想などインプロ的なトコロを聴いているとクリムゾンらしいな、ってのあるんだけど歌とあのギターがダメだ。ブリューは好みでないんだよ。そんなことがわかってしまった。でもね、思ったよりも音楽的にクリムゾンらしくて良かった。やっぱり最初のイメージだけじゃだめだね。ちゃんと何回か聴くと音楽性が聞こえてきてなるほど、ってのもあるから。まぁ、それでも好みではないし何回も聴けないけどね(笑)。

 ブリューってさぁ、声があれで間延びするし何かリズム感ヘンな歌だし、ギターは効果音のああいうのがちょっとねぇ、面白味がないんだよなぁ。それでもフリップは今でもクリムゾンをブリューと一緒にやってるんだから不思議だ。あの偏屈モンは脳天気なアメリカ人の方が気が合うってことか(笑)。



EL&P - Emerson Lake & Powell

 80年代までバンドが持たなかったEL&Pは70年代最期の作品「Love Beach」でバンドの醜態をさらけ出している…とは言い過ぎか(笑)。いや、驚きのジャケットに驚きの中身ってことで、今でもこの作品はなかったことになっているケースが多いのだが、「Love Beach」がリリースされたのが1978年。その後EL&P再結成の話題は特に持ち出されなかったようだが、キース・エマーソンは自身のソロ作をこなすにあたりいくつものデモテープを作りアプローチしていたところ、やはり失業中とも云えたグレッグ・レイクと一緒にまたやろうか、ということになった。しかしエイジア大ヒット中のカール・パーマーは当然オールドタイムなEL&Pには見向きもせず、結局同じく渡り鳥状態で若干隙間のあったコージー・パウエルに白羽の矢を立ててバンド結成することになった…。これがEL&Pの80年代である…。

エマーソン、レイク&パウエル+2 Love Beach

 唯一のスタジオ録音作品「エマーソン、レイク&パウエル」でして、且つドラムがコージー・パウエルってんだからどんなんだろ?とも思うけど、これがかなりエマーソンとハマっていたりするので面白い。やっぱり二人ともロックフィールドの方々なワケでして、荒さと音楽的なところで面白さが出てくるんだろうな。このまま何枚かやっていたら面白かったのにとも思う。ただ、まぁ、やっぱり鍵盤中心でレイクの歌なので幅の狭さは出てしまいがちって部分はあるのはやむを得ないところか。コレっつう曲がないのがちと難しい。全体的にはEL&Pだ~ってイメージなんだけどさ。

 クラシックからの流用でもある「火星」で思い切り好みの音を展開しているけど、80年代とか関係なしの音ですな(笑)。ただ、ユニークな試みだろうし、メンバーと遊ぶには良いのかもしれないと思うが何かが欠落している気がするのは何だろう?悲愴感?だけじゃないよな…。どこか宙ぶらりんな感じで出来上がっているところかもしれないし、やや才能に限界を感じてきたプレイヤーの集まりとも云える部分か…、いや、それは失礼か。

 意外性のメンバーとの融合による新鮮さ、という面は機能しているが短命に終わったのはやはりひとつの機軸を打ち出せなかったジレンマか、はたまたファンが望む形態になっていなかったか…。難しい反応だね、こういうのは。



Genesis - Invisible Touch

 70年代にプログレで世界を制していたバンド群かこぞって活動停止となっていく中、幾多のトラブルをくぐり抜けて音楽性を変えていきつつ80年代に突入したバンドの中にジェネシスがある。フィル・コリンズのポップ指向という路線が功を奏した結果、とも云えるが。その張本人はソロ作で絶大な成功を収めてバンド名よりも有名になってしまったが、ソロ作で極めた超ポップ路線をジェネシスに持ち帰ったことでジェネシスもポップバンドとして大成功したのが1986年の話。

インヴィジブル・タッチ(DVD付)(紙ジャケット仕様) ジェネシス(DVD付)(紙ジャケット仕様)
ジェネシス - Invisible Touch Invisible Touch

 「インヴィジブル・タッチ(DVD付)(紙ジャケット仕様)」。もっともこのアルバム以前の70年代末から既にポップ路線は敷かれていたものの強烈なポップチャートに食い込む程ではなく、やはりそこは往年のファンも考えて、というよりもそこまで洗練されなかったという感じのポップ路線だったんだけどね、この「インヴィジブル・タッチ」ではもう全てが出し尽くされたハジケたジェネシスです。プログレバンドなんてのは意識することなく聴けて、ところどころに妙な演奏が入り込んでくる程度。基本的には聴きやすい超ポップ路線でデジタルチックなサウンドが時代にマッチした感じ。ただ、フィル・コリンズのソロアルバムでのポップさと比べると圧倒的にジェネシスの「インヴィジブル・タッチ」の方がロックしてる。そう、これでもロックしていると感じるくらいにはロックだと思う。まぁ、以前のプログレからしたら大きく異なるけどさ、でも、もともとのジェネシスのアルバムにはいくらでもポップ路線を感じさせるメロディや展開の曲ってのはあったワケで、しかもピーガブいなくなった後はそんなのはそこかしこで聴けたんだから、そういうバンドなんでしょ、っていう感覚論でいけば推し進めただけっていう部分もあるはず。ただ、まぁ、ここまでやるか?ってのが強いが。

 さて、「インヴィジブル・タッチ」だが…、やっぱフィル・コリンズのアルバム…という印象にもなってしまうが、ま、トニー・バンクス、マイク・ラザフォードというこれまた人の良さそうなメンツなので一応個性は発揮しつつもポップスター主導ですかね、と。でも効果音やギター音などで聴くとやっぱりロック的。そうやって聴けるのも時代が一巡りしたからか。いやいや、「ジェネシス - Invisible Touch - Tonight, Tonight, Tonight Tonight Tonight, Tonight」なんてやっぱりちょっと実験的にインプロ部分が入っていたりするし、そもそも9分もの大作が二曲目に配置されるってのもしっかりしてるじゃないですか。挙げ句当時レコードではB面に実験曲を持ってくるということで「ジェネシス - Invisible Touch - Domino, Pt. 1 & 2 Domino」なんてのも旧ジェネシスを感じさせる曲調だし…、ってかこういうのをこんな後ろに持ってくるのもちょっと時代のせいだろうが。それと「ジェネシス - Invisible Touch - The Brazilian The Brazilian」というインストでの実験性が面白い。まぁ、売れたけどきちんと主張はしているよ、っていうのがあるのが救いでしょう。なので偏見で聴かない人も一応聴いたら納得してもらえる作品にはなっている部分もあるが…。

 どっちにしてもそれほど聴く回数が多いアルバムではないし、ジェネシスというバンド単位で考えたらかなりランクが低い作品だろう。ただポップ好きな80sからのリスナーにとってみれば非常に印象深いアルバムだろうし、それは単に普通のポップスとは異なるポップさだったんだろう。良くも悪くもインパクトを放った作品、とでも書いておくか。自分?いや~、聴かないです(笑)。

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Yes - 90125

 エイジアの成功と共に80年代にヒットチャートを賑わしたプログレバンドと言えばもちろんイエスでしょう。ジェネシスから出てきたフィル・コリンズの勢いはこの後に続くこととなるんだが、イエスの驚異的なヒットには驚かされた人も多いはず。今となっては事情が色々あって、メンバーが云々、シネマというバンドからの発展で云々とか色々とネットで調べると出てくるからなるほど~、そういう舞台裏だったのかとわかることも多いが、その頃はそんな細かい情報なんぞ知る由もなく、あのイエスがこれか?なんてな感じで動揺を隠せなかった人も多かったようだし、実際にこの辺のイエスはイエスとして認めていないファンももちろん多い。まぁ、前作「ドラマ」からおかしかったが。

ロンリー・ハート(紙ジャケ SHM-CD) ドラマ(紙ジャケ SHM-CD)
Yes - 90125 90125

 1983年リリースの起死回生ともなったイエスの「ロンリー・ハート」、全米一位獲得のエイジア以上の大ヒットを放ったアルバムだとか…。もちろんアルバムオープニングを飾る「Yes - 90125 - Owner of a Lonely Heart Owner of a Lonely Heart」の大ヒットによるトコロが大きいんだけど、アルバム全体としても同じような路線が貫かれているので、決してシングルヒット曲「Yes - 90125 - Owner of a Lonely Heart Owner of a Lonely Heart」が浮いているワケでもない。そもそもこの頃のイエスというのはこういう音だったのだ、ってことです。

 メンバーがさ、よくわかんなくてどうなってるのかと思ったら、トレヴァー・ラビンのギターとトニー・ケイの鍵盤だったんだね。ここでトニー・ケイ復活ってのは結構驚きでもあるが、アルバム全体感としてはやっぱりトレヴァー・ラヴィンのギターセンスに満ち溢れているのでヘンなハードロック的サウンドに繊細な要素がいくつか織り込まれたモノになってる。クリス・スクワイヤーによるリードベースももちろん全体をグイグイ引っ張ってるので、全くイエスらしい部分は残っていたり、やっぱり歌がジョン・アンダーソンなのでコーラスも含めてやっぱイエスだわ、ってくらいにイエス。この辺の音の方が聴きやすくて良い気もするけどな(笑)。

 改めてイエス的に聴くとかなり細部で凝っているので、決して単なるポップアルバムではないことはよくわかるハズなんだけど、やっぱりシングルヒット「Yes - 90125 - Owner of a Lonely Heart Owner of a Lonely Heart」による嫌悪感なのかなぁ…。まだまだこの「ロンリー・ハート」イエスは何度も聴くって人少ない気がするし。ただ、ここからイエスを知った人は昔に遡れないってのもよくわかる(笑)。自分的には昔のイエスの印象とさほど変わらないかな…。いや、音と言うよりもやっぱりジョン・アンダーソンの声だからさ…。あとはどこか良質のフュージョン的なのもあったからやっぱりねぇ…、厳しいっす。



Asia - Asia

 カネに釣られてポップ化しただろう、お前らっ!って言われたバンドも時が流れ、結局音楽そのものを評価されることとなり、当時の裏切り者呼ばわりの辛い思いってのも報われたのかもしれない。皆若かったってことで(笑)。そういうバンドの代表的でもあったエイジアやイエスやジェネシスってのは実力があったからこそ売れたかったんだろう。それでもロック的魂があったEL&Pなんてのは巧く転身しきれなかったしね。まぁ、そういうことで、だ、まずは当時叩かれまくったエイジアの面々…いわずと知れた、プログレの大御所さん達が集まって、しかもジャケットはロジャー・ディーンによる如何にもスーパーバンドだったのです。

詠時感~時へのロマン Anthologia: The 20th Anniversary/Geffen Years Collection (1982-1990)
Asia - Asia Asia
Asia - Anthologia - The Geffen Years Collection (1982-1990) The Geffen Years Collection (1982-1990)

 1982年発表の期待のスーパーグループ、エイジアによるファーストアルバム「詠時感~時へのロマン」。レコードに針を落とす前からこの面々によるスーパーな衝突を期待して聴くワケだ。ところが何というのか…、これは…、頭の中ではポップスとわかってはいるけど、そんな言葉は全然頭に浮かばなくって、それぞれの猛者達の過去のカタログからどういう系統の作風かを探索して自分なりに答えを導き出したくなる…、が、全く見当たらない。しかしどうも違う…。するとヒットチャートに顔を出してきてこれがポップスだということに気付くのだった…。

 いやいや、そうは言わないけどさ、それくらいの期待度で裏切られ具合だった、ってことですよ。普通に聴けばもの凄く良くできてて聴きやすくて爽やかだし、アメリカでもばっちりでしょう、ってなくらいに出来ているし…、これほどのコーラスワークも凄いって思うしね。元々ジョン・ウェットンはポップな指向があった人だし、一番驚いたのはスティーヴ・ハウかな。あれほどのテクニックなのにギタリスト指向に走らずにこういうエイジアの音をやっているってのはやっぱカネのためって感じしちゃうかな(笑)。他のメンバーは割とそのままって気がするもん。カール・パーマーにしてもそれほど音楽的指向性が強い人でもないだろうし、ジェフリー・ダウンズにしてもそんなに強烈でもないでしょ。だからそう考えてみると納得度が高いハズ。

 そんでもって、ファーストアルバム「詠時感~時へのロマン」なんだが…、名盤じゃないか、これ(笑)。透明感溢れる良質ポップスだけど確かなテクニックと所々に散りばめられた凝った要素が強者達のこだわりとして聴けるロック。うん、ロックですよ、これは。音デカイし。再結成してツアーやって…とファンが望んだのもよくわかるね。



Phil Collins - Best Of

 自分の才能を知っていたから売れたかった、認められたかったんだな、っていうのがよく分かる人もいる。フィル・コリンズってのは正にそういう人だ。多分性格的にはマジメで割と大人しい感じで本来は出しゃばらない人なんだと思う。顔にも出ているけど、人がよさそうだしね。そんな才能あるミュージシャンが最初にそのテクニックを披露したのがたまたまジェネシスというバンドのドラマーとしてだったワケだ。これもまた絶品モノのドラミング、と評されることが多いので多分そうなんだろう。その後同じバンドでボーカルとしてフロントに立つと言うのも快挙。まず、他のバンドではあり得ないし、なんでまた?ってなモンだ。裏方から思い切りフロントへ…、それもその歌声と歌唱力とリズム感の成せるワザか。そうした一時代が終演を迎えた頃、バンドとしての方向性も模索しながら、また新たなる自分の才能に気付いたのか、世の中に挑戦してみたかったのか一瞬にしてセレブなポップスターとなったフィル・コリンズ。

ベスト・オブ・フィル・コリンズ Serious Hits...Live!
Phil Collins - Phil Collins: Hits HIts

 もうね、ベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」があれば良いんじゃないか?聴いたことのある曲は大体入っているし、アルバムとしてこのベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」を聴いても楽曲レベルがどれも高くて質が良いものになっているから文句はないでしょう。そして普通にポップスからフィル・コリンズという人を知った方には間違いなくベストです。いやらしさのない歌声に爽やかな曲調、キャッチーで泣きのある旋律にはっきりとした英語での歌唱力。正直言って誰がどこで聴いても邪魔にならないハイクオリティな作品を詰め込んでます。

 だが、自分的には全くダメですね、こういうの(笑)。いや、もちろん80s時代に売れてたから知ってるし聴いてたけど、顔がダメだし声もダメだし曲もダメでして(笑)、今回ベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」を再度聴いてるけどやっぱりかったるい。好きな人がいるのは凄くよくわかるけどね。多分Zep再結成のライブ・エイドでの失態もこの人に一因あると思ってるからだし、そもそもジェネシスのドラマーでそこからフロントに立った人で、あのジェネシスの人だろ?なんでこれ?ってのが大きかった。まぁ、経済的なものとか音楽的才能とか考えたらこういう展開は正解だろうし、結局ジェネシスに戻ってポップ路線をやることで仲間も救ったという面もあるからさ。そういえばジェネシスって再結成話出ないな。ピーガブがまたあの格好で再結成すれば面白いのに。彼まだ生きてるよな?あ、そういえばこの人引退宣言したんだっけ?

 というようなことでして、はい、聴けば必ず素晴らしい、と思うフィル・コリンズのベスト盤「ベスト・オブ・フィル・コリンズ」です。クラプトン参加の「Phil Collins - Phil Collins: Hits - I Wish It Would Rain Down 雨にお願い」も入ってるしデビッド・クロスビー参加の1曲目「Phil Collins - Phil Collins: Hits - Another Day In Paradise」もあるし、フィリップ・ベイリーとのスマッシュヒット「Phil Collins - Phil Collins: Hits - Easy Lover イージー・ラバー」もあるし、とにかく知った曲ばかりです。あ、「Phil Collins - Phil Collins: Hits - You Can't Hurry Love 恋はあせらず」もあるね♪



Styx - Kilroy Was Here

 ロック黎明期から70年代までは模索と創造の時代というのもあって今でも伝説化されるバンドがある一方、実験的なバンドもあったり、一括りに出来ないバンドが多かった。もっとも実力があっても全然評価されなかったりするバンドもあったが80年代はそういったもの全てが整理されてショウとして、売れるものとしての音楽に注目された時代だったのだ。今思えば、ね(笑)。そんな中、70年代の大物達が魂を売ってポップチャートに顔を出すということをいとも簡単に…というと語弊はあるが、ファンからは裏切り者呼ばわりされながらも金稼ぎに精を出した人達も少なくはない。

Kilroy Was Here Paradise Theater

Styx - Styx: Greatest Hits Greatest Hits

 1983年リリースのスティクスのヒット作、且つ因縁作ともなった「Kilroy Was Here」だが、日本人はこのアルバムが…というよりも一曲目に入っていて世界的にヒットした「Styx - Styx: Greatest Hits - Mr. Roboto Mr. Roboto」が大好きだ。スティクスほどのバンドのヒット作であるアルバムとシングルで「ドモアリガト」と出てくるのは実に喜ばしいことではないか。しかも全世界中で売れたシングルなワケだしね。今の時代でもチョコチョコとアチコチでこの「ドモアリガト、ミスターロボット」ってのは聴くんじゃないかな。それくらいインパクトのあったフレーズです。もちろん日本でもヒットしてた。

 その時のアルバムが「Kilroy Was Here」なんだけど、ジャケットみて日本人はこれはいかん、って思うんだよ(笑)。ま、コンセプトアルバムで映画のサントラ的位置付けってことらしいが、正しく日本を理解していないじゃないか、っつうのもあってそのヘンは割愛してしまうというのが正しい選択だった時代です(笑)。いやいや…。それでもスティクス=アメリカの大御所プログレッシヴバンドとして一部では名を馳せていた、らしいのでここでのポップへの大変身はなんてこった、ってことなんじゃないかと思うんだけど、まぁ、それ以前から割とこういう傾向だったらしい。ってのはこういう綺麗に出来上がった音世界は苦手なのでスティクスってあんまり聴けてないしさ。ただ、どのアルバムも何となく近未来を意識したアルバムジャケットが多いような気がする。こだわってないのかもしれないけど。

 凄いなぁと思ったのは昔のレコード時代のレコードそのものの盤面にSTYXって文字が出るようにプレスされていたとかだな。そこまでできるんだ、って思ったモン。あとはね、勝手な印象だけど音が良いバンド。綺麗で音が良くってしっかりと作られた音世界を奏でるバンド。もちろん演奏も巧いんで、そりゃあんた、伊達にポップシーンに躍り出てきませんよってなくらい。「Kilroy Was Here」のアルバム全体で聴いてしまうとどうしても冒頭の「Styx - Styx: Greatest Hits - Mr. Roboto Mr. Roboto」でテンション上がってしまうので後が続かないんだけど、ハードな世界から練られた音、そしてやはりストーリーを奏でているんだなというような作品で、悪くない、悪くないけど面白くない…、かもしれない(笑)。



Huey Lewis & The News - Sports

 今思うと80sってなんでこんなのが売れたの?ってのもいくつかあってさ…。特にルックス見てしまうと不思議~ってのが多かったんだよな。特にアメリカから出てきた連中はその傾向が顕著でして、アメリカって国はルックスを気にしないで音楽を聴く人種なんだろう、と決めてかかってたもん。まぁ、イギリスでもフィル・コリンズとか売れてたから不思議だったけど、結局音楽は音楽でしかないって話なら良いのだが、日本ではやっぱり売れてたのってのが今でもアイドルなワケでして(笑)、その辺のギャップかな。

SPORTS(紙ジャケット仕様) グレイテスト・ヒッツ・ライヴ~25周年記念 [DVD]
Huey Lewis & The News - Sports Sports
Huey Lewis & The News - Greatest Hits: Huey Lewis & the News Greatest Hits

 1983年リリースのヒューイ・ルイス&ザ・ニュースとしては三枚目にあたるらしい大ヒットアルバム「SPORTS」です。そもそもジャケット見てこのオヤジがやってるのか、と思うとねぇ…、食指が動かないような気もするんだけど関係ないんだね。ちなみに当時からあまり好きではない部類のロックンロールだったなぁ…。自分の中ではどこか陰鬱な影を持つところがロックの定義だ、ってのがあったから、こういうあまりにも明るくて脳天気な、PVじゃないけどビーチが似合うロックンロールなんてのは全然受け付けなかったもん。今聴けば、そりゃこういうのの方が脳天気でスカッとして気分いいじゃないか、ってのがよくわかるんだが(笑)。

 そして「SPORTS」というアルバムはまさにモンスター級に売れたアルバムで軽快で爽やかなロックンロールのオンパレード。正にアメリカンロックというような曲調ばかりでねぇ…。シングルヒット曲も多数入ってるしお得なアルバムだろうな。これからの季節には持ってこいの清涼飲料的アルバムであることは間違いない。

 だが、しかし…自分的にはもの凄く飽きが来るのが早いアルバムだった(笑)。しょうがないだろうなぁ、この手のは苦手なんだもん。ただ、車に乗って流す分には凄く軽快で良いだろうな、とは思う。

 ちなみに25周年記念ってことでライブをやっていて、DVD「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ~25周年記念」としてリリースされてるから、やっぱ根強い人気はあるんだろうね。



Dexys Midnight Runners - Too Rye Ay

 80年代のバンドや売れた楽曲は知っているもののアルバムの内容までをアルバム単位でアーティストの何作目、というような感覚で聴いていたことはもちろんなくって、それ故にシングルだけが突出してたりするアルバムだと全く他の曲に興味が行かないってのが常でして。もちろんそこからアルバム単位、アーティスト単位と進むのもあるんだけど、大体がね…、それだけ、ってのが多かった。だから損してたってのも多いのかもしれん。

Too-Rye-Ay Searching for the Young Soul Rebels
Dexy's Midnight Runners - Too-Rye-Ay Too-Rye-Ay

 1982年リリースのデキシーズ・ミッドナイト・ランナーズというバンドのアルバム「Too-Rye-Ay」で、まぁ、邦題タイトル「女の泪はワザモンだ」はえらく印象的だったんで覚えてるけど中身なんて全く記憶にない(笑)、売れまくったシングルの「Dexy's Midnight Runners - Too-Rye-Ay - Come On Eileen Come On Eileen」はもちろん知ってるしけどさ、他の曲って?みたいな感じだった。でも昔持ってたんだよな、これ。アルバムでさ。でも全然記憶にないし…。

 ってなことでせっかくの80s周辺散策しているので聴いてみましたよ、この「Too-Rye-Ay」を。今じゃデラックス・エディションもリリースされているというアルバムです。うん、こんなバンドだったんか?調べてみると英国出身のバンドで、ケルト的サウンドにも傾倒していた時期の作品で、元来持ち合わせていたパンク的ソウルフルな歌い方をちょっとアイルランドのフィドルの調べをで味付けして、魂溢れるロックの中に持ち込んだ、かなり革新的で親しみやすい音世界のアルバムでした。決して「Dexy's Midnight Runners - Too-Rye-Ay - Come On Eileen Come On Eileen」だけが浮いているアルバムではなくってそのシングルが最後に収録されているってのが彼等の自信だったんだろうと思うけど、全くよくできている軽快で熱いロックンロールです。ちと驚いた。売り方とか売られ方が悪かったのかな。でもシングルヒットもあるんだからきっちりと活動していればもうちょっと認められたんだと思うが。

 どことなく…、ナックのような感じなんだな(笑)。歌とか勢いがね。でもアイルランドサウンドを持ち込んでるってのは面白いよ。そういう意味で聴き直してみて再発見できたからよかった。これでまた「Too-Rye-Ay」を楽しんで聴けるってなもんだ(笑)。



The Cars - Heartbeat City

 大ヒットを飛ばすとバンドの存続が難しくなるってのは売れたバンドならではの悩みなのだろうが、80sチャートを賑わせたバンドでもやはりその波には勝てなかったバンドも多い。多くはバンド内の不仲だったり、これで自分の好きな音楽ができる、と思う人がいたり、自分の才能を過信してしまうが故にソロに走る人もいるんだが…、結果はあまり芳しくないことが多い。なんでだろうね。そしてこのバンドも最近再結成はしたものの主要メンバーであるリック・オケイセックは参加していないのでやはり形骸的な再結成でしかなかった…、その変わりがトッド・ラングレンってのも凄いが(笑)。

ハートビート・シティ Door to Door
The Cars - The Cars: Complete Greatest Hits Complete Greatest Hits

 ザ・カーズの何と5枚目のアルバムだった超ヒット作品「The Cars - The Cars: Complete Greatest Hits - You Might ThinkYou Might Think」を含むアルバム「ハートビート・シティ」。このバンドってアメリカのボストン出身だったんだとさっき気付いた。知らなかったわ…、ボストンでこんなおしゃれな音だしてたのかと驚いた。この人達も割と下積み長くて売れた時にはもうほぼ終わりに近かったみたいなのだろうか?そういう感じもしなかったけどねぇ…、結局この後1987年にアルバム「Door to Door」をリリースしているけど、そのまま自然消滅的解散だったらしい。人知れず消えていくパターンだな…。

 さてさて、この「ハートビート・シティ」という作品だが、これまた非常~にカーズらしい音がいっぱち詰め込まれた秀作なので悪くない。別にロック感覚的にはちょっと違うけど、ポップスとしては非常に優れたアルバムでして、名盤の域に達しているくらいの出来映えでしょう。軽快でポップで巧くて凝ってるし、時代の先端を担った音を出しているっていうのもポイント高い。個人的には軽すぎてちょっと~ってな部分はあるけどさ(笑)。当時はシングルヒットした「The Cars - The Cars: Complete Greatest Hits - You Might ThinkYou Might Think」しか知らなかったから全体的な音ってこんなんだったんだ、ってのが正直なトコロ。よく出来てます。

 昔そんなに聴かなかったのはねぇ…多分ルックスの印象。PVの印象とも言うけど、かっこよさがなかったからだろうなぁ…。ユーモアさはあったけど、そういうんじゃなくってかっこいいのが聴きたかった年頃だったんだもん。音だけなら全然悪くないけどさ。



Michael Jackson - King of Pop

 やっぱりここらで偉大なるポップスター?いつからポップスターになったんだろ?黒人でポップスターと呼ばれる人って他にはいないなんじゃないか?マライア・キャリーとか?まぁ、それも今じゃわからないので、多分通称としてはポップスターってのはいっぱいいたんだけど、音楽ジャンル的に語られる時ってのは大体R&Bとかの部類に分けられていた…。最近でもやっぱりHip Hopというジャンルが幅を利かせているのでどうしてもマイケル・ジャクソンってのは黒人系のカテゴリに属していることばかりなのだ。ところが、そういうのとはかけ離れたメディアの世界ではもちろんR&Bのスターとかなどとは言わないもので、ポップスターと言われることになるのだな。なるほど。まぁ、カテゴリってのも難しいわな。

キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション ビデオ・グレイテスト・ヒッツ~ヒストリー [DVD]

ってなところで、80s最大の功労者であるマイケル・ジャクソン。まさか訃報を聞くことがこんなに早いとは思いもしなかったが、名声と栄光は長続きしないものだ。世紀の変わり者と言っても良いくらいにゴシップネタばかりが聞こえてきて、肝心の音は全然届かなかった気がするのだが、実際はどうなんだろう?YouTubeで懐かしがってあれこれ見ていると割と最近でもテレビでゲスト的に歌っていたりジェームズ・ブラウン・トリビュートなんかでも歌っていたりするので隠居してたってワケでもなかったんだな。ブリトニー・スピアーズとのジョイントなんてのもあって、ちと驚いた。

 そういう意味ではマイケル・ジャクソンってのは無邪気だったかもしれないな。丁度「スリラー」が売れまくっている頃にどっちが言い出したのか知らないけどポール・マッカートニーとのジョイントで「Paul McCartney & Michael Jackson - All the Best - Say Say Say Say Say Say」なんてのも歌ってる。全くそれまでのマイケル・ジャクソンの知名度だとせいぜいジャクソン5の坊ちゃん程度だったので、かのポール・マッカートニーがここまで一緒にやるなんてのも考えにくいんだけど、何かあったんだろうな。んで、これがまた面白くて割と好きな曲ではある。ところがマイケル・ジャクソン側のCDやビデオ集にはほとんど収録されることがなかったので、やっぱりポール・マッカートニーに権利があったんだろうな、と。そんなことで、ポール・マッカートニーの作品には全く興味がないのでどうなっているのか知らないまま過ごしていましたが、ここのところのマイケル・ジャクソン騒ぎでちょこっと見てみると面白いベスト盤「キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション」が出ていて、ファンが選んだベストを入れてますってことで、しっかりと「Paul McCartney & Michael Jackson - All the Best - Say Say Say Say Say Say」を収録しています。うん、良いじゃないですか。品切れかどうかわからんけど、まぁ、これぞベスト、かな。

 ただ、自分的にはやっぱり「スリラー」なんですよね。それ以降ってほとんど知らないし。「Billie Jean」なんかもさ、最初はなんか暗っぽいビデオだなぁ~なんてPV見てたんだけど、そのうちジャクソン5のライブバージョンが流れるようになって、ここではもうあの有名な右手手袋にムーンウォークが披露されまくっていてびっくりしたもんさ。YouTubeではちと見つけられなかったけどないはずはないから多分あるんだろう。それに「Beat It」のコメディ版「Eat It」も笑ったな。ま、やっぱなんと言ってもビデオロングバージョンの「」だな。MTVで字幕付けて流してくれてさ、それで内容がよくわかったってもんさ。

 先日も世代が結構異なるヤツとマイケル・ジャクソンの話をしてたら「スリラー」じゃないんだよね。もちろんそうなんだけど、やっぱギャップ感じたな。ただ、それよりも面白い時代をナマで体験できてよかったな、とも思う。それぞれの世代にそういうモンはあるんだろうけどね。

 ってなことで、世紀のポップスターとして世界中に見送られたマイケル・ジャクソン。改めて合唱。







Thompson Twins - Into The Gap

 80年代って意外と英国の女性によるポップバンドってのは多くはなかったのか?アメリカの方では何人か出てきたけど英国側だと割といないんだよな。第二次ブリティッシュ・インベイジョンだったのにな…。まぁ、思い出していないだけできっといっぱいいるのだろう(笑)。そんな中、ふと見渡して面白いバンド?を思い出して、久々に探し回ったが、見つけてしまえば安い代物です(笑)。そして中身は実に良質なポップスなので悪くない。

ホールド・ミー・ナウ(紙ジャケット仕様) フューチュアー・デイズ
Thompson Twins - Thompson Twins: Greatest Hits Greatest Hits

 トンプソン・ツインズ「ホールド・ミー・ナウ」、1984年リリースの二枚目になるのかな?よくわかんないけど思い切り80sの香りをさせた傑作♪ うん、ホントにね、ロックとは全く異なる世界なんだけど恐ろしく良質なポップアルバムで、自分的にはこういうギターの入っていないピコピコサウンドってのはよく理解していなかったんだけど、質の良さは今聴いてみると非常によくわかるものだ。そして実に英国的とも云えるセンスがある意味嬉しい。80sってほとんどそんなんで出来上がっていたワケだし、それでいて個性の発揮なんだから大変だったろうな、と。中でもトンプソン・ツインズはそのキャラクターが実に際立っていて、ビジュアル面でもインパクトがあったので面白かったワケだな。

 シングルヒット曲「Thompson Twins - Thompson Twins: Greatest Hits - Hold Me Now Hold Me Now」はもちろんながら、アルバム冒頭からトンプソン・ツインズらしい音作りによる曲なので決して「Thompson Twins - Thompson Twins: Greatest Hits - Hold Me Now Hold Me Now」が浮くというようなものでもなく、しっかりとアルバムの中の一曲といて馴染んでいて、一番良質な曲だもんね。かと言って他の曲もレベルが揃っているからアルバムとしてはハイクォリティになるわな。元々は7人くらいメンバーがいたらしいけど結果残ったのが三人…。そして後には二人になり、その二人はめでたくご結婚したらしい…。ちょっとうまくやればユーリズミックスみたいな感じになったのにね、もったいなかったかも。そして今回めでたく紙ジャケで登場~♪



Berlin - Count Three & Pray

 今度はバンド名にベルリンという地名を冠したロサンゼルス出身のバンドを…。あのお馴染みのベルリンです。映画「トップガン」のテーマで大ヒットを放った「ベルリン - Metro: Greatest Hits - Take My Breath Away Take My Breath Away」を演奏していたバンド=テリというなかなか素敵な女性がフロントを取っていたバンドで、正直言って一発屋なんじゃないかと思っていたんだけど…、っつうか当時はそれ以外に興味は持たなかったな。

Count Three & Pray トップガン(デラックス・エディション)
ベルリン - Metro: Greatest Hits Greatest Hits

 1986年リリースのアルバムとしては三枚目となる「Count Three & Pray」だけど邦題はモロに「愛は吐息のように」というもので、「トップガン」のヒットがあってから制作されたものなので、どうしても制作側、売る側とも早く売ってしまいたい感が強かったのかな。カネはいくらかけてもいいから早くしろ、みたいなさ(笑)。それで出来上がったんだろうけど、それでもかなり良い出来映えですよ、実は。アルバムとしては今更ながら聴いたワケだが、ベルリン独特の世界はしっかりと守った作品でして、シンセサイザーをクローズアップしたロック寄りの疾走感とビートが効いた中でテリが歌い上げるというものは悪くない。

 アルバム初っ端からかっ飛ばしてくれるしねぇ…。正にゴージャスな80s的サウンドで展開するスピード感溢れる曲から始まって、2曲目では早くも哀愁漂う歌メロを聴かせてくれるというもので、何やらお琴の音や尺八の音色まで入っている不思議な音世界。何やってもいい、っていうトコロから興味があったモノを何でもやってみたって感じでしょうか。悪くないよ、こういうゴチャゴチャなの(笑)。しかしまぁ、やっぱり80sの音なんだな…と思うような曲がいくつも入っていてやっぱり軽くてそれなりのアルバムですな。

 別格はやっぱり「ベルリン - Metro: Greatest Hits - Take My Breath Away Take My Breath Away」だな。どうしても勝手知ったるメロディだから浮いてしまうしね。かと言ってこの曲がなかったらアルバムとして存在しえないだろうし…、難しいところだなぁ、こういうバンドとしてはね。ただ、ジャケットも結構アーティスティックだし、音作りも歌声もしっかりしてるから進みようはあったと思うが…。結局しばらくしてシーンから消え去ってしまったので、ポップスの世界の難しさを彼等も味わってしまったってトコか。



Nena - First America

 個人的に非常に思い入れのある80sと言えばやっぱりネーナ♪なんといってもネーナ♪うん、そういうモンなんです(笑)。そういえばこのブログでは近年リリースされた「Willst du mit Mir Gehn」や「Cover Me」は書いたことあるけど80年代のは書いたことないな…。やっぱロック好きってことに拘ったからかな(笑)。そんなことでこの流れなのでファーストアルバム…とかいうのが書けないのがネック(汗)。

ファースト・アメリカ(紙ジャケット仕様) Nena
Nena - 20 Jahre - Nena Feat. NenaNena Feat. Nena
Nena - 99 Luftballons - EP99 Luftballons - EP

 紙ジャケがリリースされるってことなので、アメリカ編集盤のファーストアルバム「ファースト・アメリカ」です。ジャケットもアメリカ盤とは異なり日本独自のジャケットを採用したもので、いやね、当時このアルバムをモロに買ったんで懐かしい記憶なんですよ。CD出てるんだ~なんて思ったら、今度初めてCDリリースされるらしい…。そりゃそうだろうな、これは中途半端な編集盤だし。当時ドイツでは既にデビューアルバム「Nena」をリリースしていて、そこからのシングルカットで例の「Nena - 99 Luftballons - EP - 99 Luftballons (Old Live Version)99 Luftballons 」が売れまくって、そのままアメリカに飛び火したんだけど、それまでにはもちろん時間が流れているので、ドイツではその売れた勢いに任せて急いでセカンドアルバム「?」の制作に入ってたのさ。それで「Nena - 99 Luftballons - EP - 99 Luftballons (Old Live Version)99 Luftballons 」が世界的に売れる頃にはセカンドアルバム「?」も出来上がってしまい、ヨーロッパではリリースされていたワケだ。その時になってアメリカでようやくアルバムの話が出てきたので、60年代から変わらないアメリカの独自の商法によりその二つのアルバム「Nena」「?」から美味しいところを持ってきて纏め上げたアルバムがこの「ファースト・アメリカ」と言うワケだ。日本はそれよりも先にしっかりとファーストアルバム「Nena」を日本盤でリリースしていたので、順序がおかしくなっててさ、その次にこのアメリカ編集盤「ファースト・アメリカ」がこのジャケットでリリースされてからセカンドアルバム「?」が発売されたもんだからややこしい。

 そんで、この「ファースト・アメリカ」でのトピックスは…、やっぱり英語バージョンの「99 Red Balloons」だね。当時大全盛期だった何とかミックスとかで左右ステレオに音が飛び交い、見事に編集されてときめいたくらいの音の新鮮さに感動を覚えて聴いたもんだ。今聴くと凄く違和感のあるバージョンだけど、いやいや、これが新鮮だったんですよ、お子様には。そこから続くファーストアルバム「Nena」では聴いたことのない新曲群のレベルの高さにも感動してひたすら聴きまくった。名曲しか入ってないんじゃないかと思ってたくらいだから恐ろしい(笑)。なんかねぇ、どれもこれもモノ哀しいキッチュさがあって…、アメリカ的じゃなくってユーロ的なんだよ、もちろん。だから当時からこのユーロさに惚れてたんだと思う。今でも好きだからなぁ…そういうのは。

 それから何年かもちろん忘れ去っていたんだけど、21世紀入ったあたりからチマチマと手に入りにくいネーナのCDをいくつも手に入れ始めてる。子供が4人もいるネーナは童謡を歌っていたりするのだが、そういうのは日本では手に入らないワケで、ドイツでしか売ってない。まぁ、ネットで買えば買えるけどやたらと高いモノにつくのでそういう買い方はしていないんだよね。セコセコと中古CD屋さんを探すしかないんだけど、なかなか手に入らないからこそ面白いんだ、これ。もちろん聴いたら全然つまらないとは思うけど(笑)。



Cyndi Lauper - True Colors

 当時マドンナと共にガールズポップの旗手となっていたシンディ・ローパー、ファーストアルバム「シーズ・ソー・アンユージュアル」は破竹の勢いの大ヒットを記録し、且つ名曲「Cyndi Lauper - A Tribute to 80s Hits Vol. 7 [Karaoke Version] - Time After Time (in the Style of Cyndi Lauper)Time After Time」を収録していて、更にマイルス・デイビスがカバーしたことで単なるポップスのフィールドから大きくかけ離れた評価を受けることとなったのも彼女のユニークなところ。ハチャメチャな言動行動、ファッションリーダーでもあり歌わせればとんでもない歌声と表情というアーティスティックな面では圧倒的にシンディ・ローパーに分があったのに、なかなかそれだけでは制することのできないポップス界。相当の苦労人でもあったシンディ・ローパーについてはWikiを参照してみて下さい♪

トゥルー・カラーズ(紙ジャケット仕様) シーズ・ソー・アンユージュアル(紙ジャケット仕様)

 話題沸騰中の最中にリリースされたセカンドアルバム「トゥルー・カラーズ」だが、やっぱりファーストの「シーズ・ソー・アンユージュアル」ほどのインパクトはもちろん持っていない。ただ、この前に映画「グーニーズ」のサントラに参加していることで話題も大きかったし、売れた。そこからこのアルバムだったからもちろん売れたんだけど、アルバム全体としては非常に良質なもので音楽的なサウンドが詰め込まれ過ぎていて、ハチャメチャさを期待するリスナーからはちょっと敬遠されてしまったってのもあるかな。それでももちろんヒット作となった「True Colors」という必殺バラードは健在。あんだけハチャメチャなキャラにも拘わらず「Time After Time」のおかげでバラードには非常に期待を持たせる歌手になってしまったのだな。下積みの多さからこういう曲には感情がにじみ出てくるってのもあるんだろうが。

 自分的に言えば全然思い入れのないアルバムです。この頃になるともう80sにはそれほど盛り上がらなくなってたしさ。まぁ、後で振り返ってみれば何となく知ってるからやっぱり聴いていたんだと思うが。んで、またこの流れで聴いてみたんだけど、この「トゥルー・カラーズ」の一曲目の「Change of Heart」でのサウンドメイキングに驚いた。なんだこの重低音の効いた空間に広がる迫力のあるドラムサウンドは!って思ったら多分コレ、プロデューサーで有名なボブ・クリアマウンテンの仕業だろう、と。ポップスで鳴らす音じゃないわな(笑)。そんなことに気を取られていてシンディ・ローパーの歌声云々なんてのはあんまり聴けてないかもしれん…っつうか、楽曲にインパクトないからだな。じゃ、書くなって?いやぁ~、せっかく聴いてみたのでメモです(笑)。





Madonna - True Blue

 21世紀のアメリカのアイドルとして騒がれたブリトニー・スピアーズは案の定スキャンダルと常軌を逸した生活に翻弄されて一気に失墜。もっとも復活してはいるが、さすがに這い上がるのも大変そう。その後のアイドルじゃないけど、アヴリル・ラヴィーンも結婚して幸せそうな日々ってことでシーンからは遠ざかっている、のかな。その前になってくるとノーダウトのグウェン・ステファニー。今はライブツアーを開始してそろそろシーンに復活してくるのかもしれないけどちょっとトーンダウン感は否めない。あとは色々いたけどあまり思い出せないな…。ってことで、マドンナの驚異的なバイタリティとシーンのトップに常に居座り続けているという事実に驚くものだ。結局デビュー以来ほとんど休息らしい期間を取っていないみたいに映るからその辺も巧い。

トゥルー・ブルー ライク・ア・ヴァージン
Madonna - True Blue True Blue
Madonna - Like a Virgin Like a Virgin

 そんなマドンナが前作「ライク・ア・ヴァージン」の大ヒットでようやく自分のステータスと権力を手に入れて、自身の作曲によるものを多数収めたアーティストマドンナの一発目とも云える作品「トゥルー・ブルー」、だったらしい。当時はそんなこと気にもしなくて、ちょっと違うなぁ~ってくらいしかわかんなかったもん(笑)。ちょろっと調べてみると、アメリカの社会問題を歌うようになってきたとか、作風も色々なものに挑戦し始めたとかあるらしいけど…、自分的にはポップスとして聴いている音楽にアーティスティックな面をそれほどは求めていなかったってことかな。

 いやいや、それでもこのアルバム「トゥルー・ブルー」は凄かったよ。1986年リリースのマドンナの三枚目のアルバムだけど、再度聴いてみて驚いたことにほとんど知らない曲がなかったってことだ。いや、当時はこのアルバムってほとんど聴いた記憶ないのでシングルヒットで聴いてたんだろうなと思うんだが、それも凄い。そんでもってちょっとびっくりしたのがあのラテン風味な「Madonna - True Blue - La Isla Bonita La Isla Bonita」がこのアルバムに入ってたってことに今更ながら気付いた…。それだけで「トゥルー・ブルー」というアルバムの多様さがわかるってなもんだ。今聴いても飽きのこないハイレベルな楽曲が揃ってるねぇ、これ。PVもいっぱいあるし、素晴らしい。

 今のアイドルレベルの女性陣が今後マドンナを超えることがあるんだろうか?多分一時的にはできるだろうけど、25年以上にも渡って、というのは難しいだろうなぁ…。そういう意味で正にポップアイコンであり続けるだろう。そんなマドンナのマイコーに対する想いってのは友人とかではなかったとしても数少ない同じ境遇を経験していた人物として繋がっていたんだろう…。



Lady Ga Ga - The Fame

 アメリカってのは何年かに一回スーパーアイドルみたいなのが出てくるんだな…と。先日来かなり話題になっていたのがレディーガガですね。最初に名前を聞いた時にはこれもまた「はぁ?」って感じでしかなかったんだけどさ。いや、もちろんクイーンの「Radio Ga Ga」なワケでしょ?本人は好きらしいが…、しかしまだ23歳ってことだから生まれが1986年なワケで…。どんなもんなんだろ?っていう興味から聴いてみたんだけどね。

ザ・フェイム-デラックス・エディション-(DVD付) Lovegame
Lady GaGa - The Fame The Fame

 アルバム「ザ・フェイム」…だけど既に何種類もリリースされているのでよくわからん。自分は何となくスペシャルエディションを手に入れたけどDVD付き「ザ・フェイム-デラックス・エディション-(DVD付)」でも良いのかも。さて、写真とか見てる限りではそれほど美人じゃないし、まぁ、セレブってなモンだが、音を聴いてもちょっと…ってのがあったから期待してなかったんだよな。ファッションがどうの、ってのはあまり興味がないので奇抜だな、ってくらいしか思わないし、アーティストってのは奇抜でないと面白くないだろうってのもまたデフォルトだしさ。

 で、「ザ・フェイム」だ…。まぁ、良くできたダンスポップアルバムでして、昔のマドンナやブリトニーやグウェンみたいなもんだ。キャッチーなメロディで包まれて、覚えやすいリフレインを繰り返す、もちろん時流のヒップホップ的なセンスも入れ込んで時代を先取る様相、そこに好みの80年代ポップスのエッセンスを少々振り掛けることで独自性を創出しているってトコか。プロ集団による売るためにしっかりと作られた見事な作品集で、ここまで作り込まないとアメリカという国を制覇するのは難しいんだろう。もちろん本人のセンスと話題性が重要なんだろうけど…。

 うん、全く好みじゃないしこれから先聴くかどうかはかなり疑問だけど、なるほど、というものは持ち合わせていた作品です。やっぱ売れ線は苦手だな…。そして数年後には100円くらいでCDが売られている類だろう(笑)。



Perfume - ⊿ (Triangle)

 う~む、何故にここまでハマる世代が広いのか実に不思議不思議なパフューム♪ 自分的には彼女たちの誰かを気に入っているとかではなく…、そもそもほとんど顔を見たことがないので好みとか以前の問題でして…、はい、名前も記憶してません(笑)。故に単純に音として気に入っているワケで、元来の音楽の聴き方をしているだけなんです。だからゴシップネタも大して興味も持たず、だからどうした?ってくらいにしか思ってないんだけど、世間ではやはりトップアイドル的な扱いのようで、何かと話題になってしまうらしい。まぁ、そんなの置いといて…、だ。新作がリリースされましたのでさっさと聴いてみました♪

トライアングル(通常盤) トライアングル(初回限定盤)

 「⊿ (トライアングル)」っつう読み方をするらしい。そもそも三角形しかなかったので何て読ませるのだろう?って思ったんだけど、なるほど、そう来たか。更に笑ったのはツアーの名が「直角二等辺三角形ツアー」らしい(笑)。まぁ、世の中ナメたモンが勝つってなモンだ(笑)。コンセプトが面白いんだな、パフュームってのは。

 さてと、アルバムはもちろん売り手市場なので初回限定盤と通常盤という仕様でリリースして一粒で二度オイシイ商売をしっかりと踏襲。更にシングルヒット曲を何曲も入れることでその分もまたまるまるお得なしっかりと従来の商売を引き継いでいる。もちろんDVD付きの限定版は相当魅力的なのだろう。自分?いや~、ライブ映像とかにはこの娘達の場合には興味沸かないからねぇ(笑)。これほど見るより聴くアイドルってのも珍しいです。

 え~っと、自分的には邦楽のシングル曲なんてのは全く聴かないし、パフュームと言えどもシングルを追いかけることまではしていないので、ほぼまったくシングル曲を聴いていない状態でのアルバム体験なので、何曲かシングルヒット曲が入っているとしてもそれはあくまでも出来の良いトラックでしかなくって、突出して聴いていたことがあるワケではないのがフラットにアルバム「トライアングル」を聴けるってとこだ(笑)。そういう意味でこの「トライアングル」という作品を通して聴いたが…、やはり素晴らしい。

 うん、何がって言うのか…、良くできていて素晴らしいんですよ、楽曲もアレンジもお遊びもセンスももちろん彼女たちの歌声も。初音ミクと一番近い感覚のメジャーアイドルなんじゃないか?音的にもそういうのがガンガン出てきているし、パフューム節の繰り返しコーラスもそこかしこで聴けて、更にテクノ調…というのか80年代のディスコ調ってのかね、そういうのも踏襲していてもちろん最先端録音と機材による良くできた音楽。面白い。歌も何もかも。期待を外さないナイスなアルバムですよ、「トライアングル」は。どの曲も衝撃的でして、もしかしたら今は日本のポップスが一番時代の最先端の音楽シーンを引っ張っているんじゃないかと思うくらいです。椎名林檎も含めて。かと言って他に新しいのに挑戦しようという果敢な気持ちにはならないんだけど、パフュームは驚きと感動と楽しみを味わえる見事なモンです。





特別に全曲聴けるところを…。コチラです♪

椎名 林檎 - 三文オペラ

 突然の新作、椎名林檎名義でリリースされた「三文ゴシップ」と題されたアルバム…、いやぁ~、やっぱり何故か椎名林檎名義だと気になるのだな。東京事変の時は全然気にならなくてほとんど忘れてさえいたんだけど、なんでだろうね、このギャップは。何か変わったことをしでかしてくれるんじゃないかというのが椎名林檎名義なのかもしれない。バンドにんっちゃうと制限されることも多いしねぇ。多分そんなのが彼女の自由度を奪っていたような気がする。もっともその方が気楽にできるという部分は大きいんだろうけど。

三文ゴシップ ありあまる富
椎名林檎 - 三文ゴシップ 三文ゴシップ
椎名林檎 - ありあまる富 - Single ありあまる富

 ってなことでこないだリリースされたばかりの新作「三文ゴシップ」。アルバムジャケットもかなり「ハッ」とするようなもので、大人の自分の表れもあるのかな、相変わらずインパクトのある演出や印象付ける心理をよく知っている。アーティスティックな人間が皆群がってくるんじゃないかってくらいに個性的なメンツが揃った秀作のようだ。ほとんどの人間の名前を知らないんだけど、多分それは自分が邦楽を全く聞かないからだ…。そんなところに椎名林檎だからねぇ…、この人は何か好きなんです。ヘンでとんがってるし面白いから。

 さてと、その「三文ゴシップ」なんだが…、まず現在のポップスの主流がどうなっているかというのは実は全然知らないし聴かないので日本ではこういうのが受けているとか全く知らないので、こういう音が初めてのものなのか流行なのかわからないってのを記しておこう。なんで、って…、いや、このアルバムの音にかなり衝撃を受けたからですよ、ホントに。だってさ、コレ、新たなロックの定義というかジャンルの生成なワケですよ、聞いてみたところ。まぁ、そこまでは言わないまでも相当にミクスチュアな音を奏でているのは事実で、その手法論とセンスに驚いた。もちろん楽曲の面白さや歌詞の面白さなんかもあるけど、それよりもまず音に驚いたもん。

 一曲づつ語ればそれはもう色々あるんだけど、全体感としてはジャジーなピアノとスウィングなノリを基本にしているんだけど、そこに椎名林檎風の味付けが施してあって、ジャズピアノの旋律と相反するように歪んだギターのリフが絡み合った一曲目「椎名林檎 - 三文ゴシップ - 流行 流行」なんだけど、更にその音の後にはラップボーカリストによるラップが出てくるという離れ業ですよ。ジャズ、ロック、ラップを融合して更に椎名林檎風の味付けで一丁上がりっ!ってなモンでして、それがまた素晴らしい出来映え。そんな流れで今回はピアノをクローズアップ、そしてジャジーな歌のラインも意識的だけど一方では多様な音色を持ち込んでロックさやポップさもしっかり出しているという面白さ。理解するまでに5回は聴かないとわからない世界。

 そして相変わらず偏執的なまでのこだわりが見られるのが、曲のタイトルの付け方(笑)。いや、タイトルそのものは個性的で相変わらずなんだけどさ、曲を並べたときに見られる象限としてのこだわり…、わかりにくいな(笑)、要するに13曲目まであるんだけど1曲目から2文字、3文字。4文字…と来て真ん中の「旬」は1文字で、以降7文字から順に2文字まで下っていくという意味のないこだわり(笑)。最期の「椎名林檎 - 三文ゴシップ - 丸の内サディスティック (EXPO Ver.)丸の内サディスティック」はおまけだからこだわらないとしてもその妙なセンスとこだわりは凄い。ようやるわ~ってなもんだ。

 結局のトコロ椎名林檎というアーティストは実に面白いし10年以上シーンに居座っているが全く色褪せていないし妥協もしていない。相変わらずロックな人でそれを体現しているし、更に周りをも巻き込むパワーを持った面白い素材であることは間違いなかった。うん、これからも刺激的な作品を期待したいね。そして今回の「三文ゴシップ」はそんなことを楽しませてくれたアルバムで、嬉しいのは45分程度の収録という聴きやすさだね。全てに於いてボツなしの傑作だけど、ボーカルが埋もれたミックスだけが相変わらず残念。



The Pogues - Hell's Ditch

 元来面倒見の良いジョー・ストラマーがアイルランドのトラッドパンクバンド、ポーグスの手伝いを始めたってのも何となく分かる気がする。それまでジョー・ストラマーがポーグスってバンドをどれだけ知ってたかってのはちと疑問だけど、聴けばまぁわかるだろうな…。そんなジョー・ストラマーがプロデュース業という珍しい職種に挑戦したのがポーグスの5枚目のアルバム「Hell's Ditch」でのことでした…。

Hell's Ditch JUST LOOK THEM STRAIGHT IN THE EYE AND SAY POGUE MAHONE!!
The Pogues - Hell's Ditch (Expanded) Hell's Ditch

 1990年リリースの割と脂の乗った時期の作品「Hell's Ditch」でして、ウワサのショーンはこのアルバムでクビ…、アルコール中毒になり過ぎて看板が看板じゃ無くなっちゃってねぇ…。更に驚きはこの後ジョー・ストラマーがツアー時のボーカルとして参加して日本にも来ていたってことだ。そのライブ盤をリリースしてもらいたいもんだよな、ホントに。

 まぁ、そういう関係にも発展したのはこの「Hell's Ditch」でのプロデュース業が非常に面白かったってことでしょう。聴いてみるとわかるんだけど、シェーンの唄うスタイルってのが元々ジョー・ストラマーと似通っている部分が多いからってのもあるけど、アルバム全編がまるでジョー・ストラマーそのものっていう感じに出来上がっているんだよね。なんでポーグスなの?ってくらいにジョー色がたっぷり。楽曲はもちろんポーグスお得意のアイルランドトラッドを持ち込んだものばかりなんだけど、シェーンの声とアルバム全体を包む雰囲気はもうジョーそのもの。後のメスカレロスを聴いてみるとわかるけど、それの原点がこういうトコロで聴けて、あぁ、こういうのの拡大版がやりたかったんだな、なんて思えてしまう。

 そして「Hell's Ditch」は名盤だと思うよ。もっともポーグスのその近辺の作品はどれもレベルが高くて面白いので、5枚とも聴いてみると良いんだけど、捨て曲がないし聴きやすい。「The Pogues - Hell's Ditch (Expanded) - Sayonara Sayonara」なんて日本語タイトルの曲もあったりするけど、まぁ、そういう話題だけじゃなくて主張が一本通ったアルバムで、やっぱりジョー色があるから、ってのは大きい(笑)。実際曲作りに絡んだワケじゃないみたいなのでジョー色ってのもおかしな話だけど…ね。

 ちょっと前に再結成して日本にも来てライブをやってたけどどうなんだろ?もういい歳だろうからどこまでパンク?ってのはあるだろうし…。まぁ、それでも面白さに変化がなきゃいいんだけどね。あぁ、ジョー参加時のライブ映像とか見たいねぇ…。あ、You Tubeにある…、な(笑)。



Joe Strummer & The Mescaleros - Streetcore

 ダブ・レゲエを白人のサウンドに持ち込んだのは紛れもなくザ・クラッシュだ。そのスピリッツはパンクが提唱しているモノと同じようなものだったことと、ベースを始めたばかりのポール・シムノンがレゲエ・ダブ好きだったのもあって、メンバー全員が感化されたというのも面白い。ジョー・ストラマーもポールの影響で聴くようになったらしいので、これだけ広げた功労者は実はポール・シムノンなんだけどさ、まぁ、ジョー・ストラマーってことになってる(笑)。まぁ、数年の違いだからいいけど。

ストリートコア グローバル・ア・ゴーゴー

 2003年リリースの「ストリートコア」。ジョー・ストラマーの死後残ったメンバーで完成させた遺作。…ってなことがあって、もちろん思い切り生々しく体感しているから遺作として聴いてしまうんだよな。音だけとして聴けなくてね。アルバム発売日に買ってるワケだし、もちろんライブも見てたしさ。シングルまで買ってたもんな。そしたら日本盤にはそのシングルにしか入っていないライブテイクが全部入ってしまったので全く意味のない出費だったが(笑)。だから「ストリートコア」がリリースされた時にはもちろん何度も聴いたけど、やっぱり追悼の意を込めて聴いていたからちょっと角度が違ったかな。今回は久しぶりに流れで聴いたし、何年ぶりだろう?って感じだからさ。久々にお墓参りしにきたぜ、って感じ(笑)。

 レゲエとかダブってんじゃなくてね、ワールドミュージックなロック。ジョー・ストラマー独特のサウンドを持ってたから、メスカレロスのメンバーはそれを良く知ってて、そういう音に仕上げている。ひとつのアルバムとしてしっかり作られているしさ、これでジョーが不在だとは思えないもん。もちろんアルバム作成中だったからだけどさ、これがお蔵入りしなくてよかった。正にジョー・ストラマー独特の音楽世界を広げた傑作だから。

 よく言われるボブ・マーリーのカバー曲「ボブ・マーリー - Legend (Bonus Track Version) - Redemption SongRedemption Song」とか話題になりがちだけど全部良いぜよ。ボートラに入った「Joe Strummer & The Long Beach Dub All Stars - Free the West Memphis 3 - The Harder They Come The Harder They Come」や「The Specials - The Specials - A Message to You RudyA Message to You Rud」のライブバージョンだってやっぱかっこよいなぁ~って。日本公演でもやってたし、独自解釈のカバーでしょ、これ。久々に「ストリートコア」を聴いたけど、全くこの世を去ったとは思えない生き生きとした躍動感がしっかりと込められたアルバムで、ようやく普通に聴けるようになったかな。





Black Uhuru - Chill Out

 その昔、女の子のところに遊びに行くと色々なレコードが20枚くらい置いてあって、ふ~んなんて思いながら眺めている中にヘンなのが何枚かあって気になって聴いてみました…ってことがあったんだが、その時にブラック・ウフルっていう名前に出会った。もちろんその時は全然よく理解しなかったんだけど、まぁ、ホラ、遊びに行ったところで興味ねぇ~とか言ってもしょうがないから流してたワケだが(笑)。ヘンなレコードいっぱいあったなぁ。今思えば。アルバート・キングとかマディ・ウォーターズとかブラック・ウフルとか…、結局ストーンズ好きだったからそういうのに進んだらしいが…。

Chill Out Red

 ってなことで1982年にリリースされたブラック・ウフルの黄金期=スライ&ロビー参加期の作品のひとつ「Chill Out」。このバンドもキャリアが長くてメンバー遍歴も多いのでなかなか制覇できないんだけど、こうして様々なレゲエ・ダブ系を聴いてみると如何にブラック・ウフルってバンドがロック寄りのレゲエバンドだったかってのがわかる。バンドっていうのかグループなんだけど。これもアイランドレーベルの成せるワザかもしれないけど、スタンスがロックも視野に入れて、っていうもんだった期がするんだよね。だから凄く聴きやすいし、骨のあるレゲエサウンドが聴ける。どれ聴いても同じって言うもんじゃないんだな、このレベルは。自分的にはヘタしたらボブ・マーリーよりもブラック・ウフルの方が好きだと思うもん。

 そんで「Chill Out」って作品は…なんて言える程じゃないけどさ、相変わらず引き締まったエッジの立ったグルーブの効いたレゲエサウンドとコーラスワークな一枚でして、うん、そのヘンのアルバムとの違いって難しいんだけど…、この近辺のブラック・ウフルの作品「Red」「Sinsemilla」と並べても遜色ないレベルでして、多分この夏の間にこの辺は何回かローテーションされるでしょう。ジメっとした汗に似合う音です、はい。



Aswad - A New Chapter of Dub

 気怠い夏にはレゲエ・ダブ!って言ってはみたものの、それほど幅広く色々なアーティストを知っているものでもなくってちょこちょこと調べたりして聴いてみたり…。だって、そんなに追求してもどれも似たようなモンだろうし、ってのもあってさ。曲の違いもわかるもんじゃないし(笑)。そんないい加減なヤツがアルバムについて何か書けるかっつうと…難しいわな…。

A New Chapter of Dub Aswad
Aswad - New Chapter of Dub A New Chapter of Dub
Aswad - Aswad Aswad

 1981年発表のこれもまた名盤と言われているアスワドの「A New Chapter of Dub」。さすがに時代が進んでから出てきたアルバムなだけあってドラムもしっかりと入れられた、そしてホーンセクションもクローズアップされたりして楽曲としての定義を持った作品で確かにゆるい中にもしっかりとしたテンションを持ったアルバム。アヴァンギャルドに近い部分を統制取って纏め上げたような感じで、リー・スクラッチ・ペリーの「Super Ape」は思い切り自然発生的なゆるさを持っていた点に比べるとアスワドの「A New Chapter of Dub」は緩さを狙って作り込んでいるというアーティスティックな指向が聴いて取れるところが根本的に異なるんじゃないかと。

 もっともそれで出てくる音世界は似たようなものだけど、さすがにカッチリとした感触が強いかな。もっとも英国出身ってなコトなので同時期のディスコシーンに与えた影響も少なくはない。やはり作られた音での楽しみを味わうっていうトコですな。

 しかしこういう音世界って狙って作れるものなのだろうか?ジャムってできるもんでもないだろうし、楽譜にはできないだろうし、感覚論でしかないんだろうけど凄いよな。ホーンセクションくらいはわかるけど、小節数にしたって結構ヘンだし…、まぁ、プログレと同じようなもんだろうか。ここまで来るとレゲエとダブは別物です、ってなもんで決して同義にされることはないサウンドだね。ダンス・トランスに近いと思えるのは英国だからか。

 アスワドの初期のアルバムはどれも質が高いと言われていて、「A New Chapter of Dub」も初期作品の名作らしいけど、聞き終えてみると確かになぁ…というのはわかる。名曲が多いわけじゃないけどアルバム的に流しておくと引っ掛かる部分があるからさ。かと言ってずっと聴いていられるか?ってのはちょっと違うけどね。



Lee Scratch Perry - Super Ape

 レゲエの王がボブ・マーリーならば、ダブの王はやっぱりリー・ペリーでしょう、ってな感じで似て非なるジャマイカのトリップミュージック関連ではあったんだけど、なかなかその世界に手を伸ばすのも時間かかりました。元々クラッシュが好きだからレゲエやダブへの接近っつうかどんなもんだろう?っていう興味はあったけど、なかなか具体的に探すまでは行かなかったもん。クラッシュの「サンディニスタ!」をどう聴くかってなところから始まるから、それだけでも時間かかったしね。それでもやっぱり辿り着くものでして、ダブの創始者とも言われるリー・スクラッチ・ペリーの最高傑作「Super Ape」です。

Super Ape Return of the Super Ape
Lee "Scratch" Perry & The Upsetters - Super Ape Super Ape
Lee "Scratch" Perry & The Upsetters - Return of the Super Ape - Deluxe 2008 Edition Return of the Super Ape

 1976年発表の作品で何枚目とかはよくわかんないです。そもそもスタジオの魔術師として知られてきた人が表に出てきたってことでジャマイカの音楽シーンでは凄い出来事だったらしい。ダブってどんなん?って感じだけど…、まぁ、レゲエよりももっとかったるくてタルくて心地良いってトコか(笑)。元来はレゲエを元に別ボーカルを入れたりしてたけど、そもそももっとぶっ壊して色々な音を被せてマリファナ効かせようよ、みたいなところで始まったどちらかと言えばスタジオの中での副産物に近いからアーティスト側から出てきたものではないみたい。なのでリー・スクラッチ・ペリーもそういう人なワケですが、これがまた聴いてみると恐ろしく心地良いので困る(笑)。

 ハードなロックを聴いている人間からすれば全く受け入れる必要のない程ゆる~い音でして、どっちかっつうとテクノ・トランスを聴く人の方が入りやすいのかもしれない。それでもビートは効いていないからダメかもなぁ。自分みたいにクラッシュから入っていってる人でもここまでかったるいとどうなんだろ?って思う。まぁ、それくらいユルユルな音ってことでして、音楽的に何か書けるってもんでもないんだよね。ダブっていうものを世界にリリースして新しい表現方法を提示した、そして技術屋さん達がこぞってモノにした、そういう意味で凄く重要な作品。今じゃダブミックスなんてのがボートラとかに入ってるのは山のようにあって、それも結局元々の楽曲を再構築しなおしたミックスだったりするしね。

 そしてリー・スクラッチ・ペリーってホントにヒッピーですよ。去年かそこらにフジロックで来日したんじゃないか?話題は振りまいたけど面白かったかどうかは知らない。ただ、こういうゆる~いサウンドはもう暑くて暑くてしょうがない時に流れているとえら~く心地良いから聴けるってのもんだ。名盤…なんだと思う。続編に「Return of the Super Ape」ってのもあるみたいで、これもまた評判よろしいですね。



Bob Marley - Catch a Fire

 昔からロック好きでロックのフィールドにこだわってロックを聴いていたし、まぁ、それでもポップスとかは耳に入ってくるから当然知ることとなるんだけど、そうしているウチにいつの間にかアチコチで名前を聞くことになって伝説的な英雄として知られるシンガーやミュージシャンってのがソウルやレゲエ界なんかでもいることに気付くのだ。それでもロックにこだわり続けたけど、まぁ、ロックのフィールドに十分絡んでくる人ってのはいるもので、いつしか手を出すことになっていくのだが…。

Catch a Fire キャッチ・ア・ファイヤー [DVD]
The Wailers - Catch a Fire Catch a Fire
ボブ・マーリー - Legend (Bonus Track Version) Legend

 ボブ・マーリーの1973年リリースの「Catch a Fire」。アイランドレコード移籍後最初のアルバムとなるが、諸説諸々あちこちに書かれているように、ジャマイカでボブ・マーリーが録音した素材を元にアイランドレーベルの社長でもあるクリス・ブラックウェルによるロック寄りのアレンジが施され、見事に幅広い層に受け入れられる作品を創り上げたものだ。今ではデラックス・エディションとして元々のジャマイカンミックスとセットで手に入るらしいけど、まだ聴いてません。そいつを聴くとこのUKミックスは聴けなくなるというけど、う~ん、それじゃクリス・ブラックウェルの功績を否定することになるじゃないか(笑)。もっとも制作秘話DVD「キャッチ・ア・ファイヤー」で本人も認めていることではあるらしいが…。

 さてさて、1973年にボブ・マーリーの名をメジャーにした「Catch a Fire」だけどね、あ、ここではもちろんオリジナルUKミックスでのお話ですが…、最初の「Concrete Jungle」でのギターソロがまた素晴らしいです。レゲエというカテゴリでは出てこないこんなギターソロ。弾いているのはストーンズの「Black and Blue」でスライドギターをカマしていた方、とアイランドレーベル繋がりで鍵盤奏者にラビットが参加しているようだ。そんな作品なんだけどね、全くレゲエとロックの合体という傑作に近い。ロック側からじゃなくってレゲエ側からってのが面白い。ボブ・マーリーもこのアレンジは楽しんでいたらしくって、自分でもロック寄りのアプローチをやり始めていったしね。

 だからいわゆるレゲエな感じだけではなくって聴きやすくなってる。でもしっかりとジャマイカンなゆらりゆらりとした感覚はもちろん入っているワケで、非常~に希有な音楽を世に放ったというとこだ。あ~、心地良い…。



Jimmy Cliff - The Harder They Come

 レゲエミュージックが心地良くなりそうな季節がやってきた。レゲエとダブならば圧倒的にダブを選ぶんだけど、まぁ、この際どちらでも良いか…ってなことで、古くから名盤、名映画としてタイトルだけはず~っと聞いたことのあった「ザ・ハーダー・ゼイ・カム」。まだ映画は見たことないんだけど、音は何度か聴いたので、季節柄もあるし、流れもあって、ちょっとここで上げてみようかと。

ザ・ハーダー・ゼイ・カム ハーダー・ゼイ・カム [DVD]
Jimmy Cliff - The Harder They Come (Soundtrack) The Harder They Come
Keith Richards and Toots & The Maytals Keith Richards and Toots & The Maytals

 1972年、なんだな、驚いた。ロックの世界にレゲエが登場するのも大して差がないってのはこの映画による影響力のためなんだろう。クラプトンの「Eric Clapton - The Cream of Clapton - I Shot the Sheriff I Shot The Sheriff」なんて映画通りの話だし…、ま、ボブ・マーリーによるもんだけどさ。クラッシュによるレゲエ・ダブへの挑戦はこの辺から来ているのは間違いないだろうしね。ポリスのはちょっと違うけど…。

 「ザ・ハーダー・ゼイ・カム」というジミー・クリフを中心としたサウンドトラックだけど、もう代表作。どこか「アメリカン・グラフィティ」みたいな雰囲気を醸し出したサントラ。映画の内容は実話に基づくジャマイカの実情らしく、当然マリファナと大きく関わってくるものってことで良いのか悪いのか、ただ、そういうジャマイカの実情が広く知れ渡った文化のひとつだし、ゆる~い文化もアリ、みたいなとこだろう。

 サントラの音だけで言えば、意外と聴きやすいポップな曲調のレゲエ的サウンドでして、そんなにハードなものじゃないから凄く聴きやすい。ダラダラでもないし、しっかりと出来てる作品。オムニバス的に多様のアーティストが参加してるから余計にバラエティに富んでいて聞きやすいんだね。ちょっとびっくりした。名盤に挙げられるのもよくわかるわ。

 ジョー・ストラマーやクラッシュのカバーでそのかっこよさに気付いていたタイトル曲「Jimmy Cliff - The Best of Jimmy Cliff - The Harder They Come ザ・ハーダー・ゼイ・カム」やTOOTS AND THE MAYTALSの「Toots & The Maytals - The Harder They Come (Soundtrack) - Pressure Drop Pressure Drop」ってのがね、やっぱり良い曲だな、と原曲を聴いても思うし、そんなにとんがってなくって唄われているのも面白い。パンクのアレンジによるレゲエってのも、なるほど~ってなモンですな。割とルーツミュージック的に聴いたんだけど、単純に心地良く楽しめました。映画もちょっと気になるな…。



Steel Pulse - Handsworth Revolution

 これだけブログでロックを中心とした音楽記事を書いていながら、自分でも予想しなかったような方向の音楽を聴くことになるのもよくあって…、ちょっとこのヘンのワイト島フェスティバル2007関係からフォーク的なものへ~なんて漠然と思ってたんだけど、なぜかダブ系のものを聴いたらそっちに進みたくなってしまって(笑)。まぁ、暑くなりつつあるってのもあるんだけどさ、この時期でダブ・レゲエに入っちゃったら思い切り暑い真夏日にはどうすんだよ、とか思っててちょっと後回しにしたかったんだよな。ま、しょうがない、ちょっとしか知らないからいっぱい書けないんだが…、その辺へ進もう(笑)。

Handsworth Revolution Tribute to the Martyrs
Steel Pulse - Handsworth Revolution Handsworth Revolution
Steel Pulse - Sound System - The Island Anthology The Island Anthology

 スティール・パルスのデビュー作「Handsworth Revolution」、1978年の作品…、正にパンク全盛期に出てきたものなんだけど、歌詞のアピールが直接的だったらしい。今で言うラップと同じような主張をレゲエ・ダブのフィーリングで打ち出していたらしいけどそこまで追いかけ切れてないな。ただ、まぁ、そのヘンはパンクを聴いていると普通に出てくる話なので、そういうもんだろう、と。

 そんで、このスティール・パルスってのは…、そういうレゲエ・ダブ的バンドからすると妙にクールでロック寄りのバンドらしいってことで昔聴いたことはあったんだが…、拒絶だった(笑)。まだね、こういうかっこよさって言うかとんがり具合ってのはわかんなかったからさ。今は割と気楽にこういうの聴いているから全然良いんだけど、かと言って凄く名盤!ってのが分かるほどでもない。ただ心地良いからっていうのが大きくて、そういう意味では聴きやすいんだろうと思う。多分即ち良いアルバムってことか?だろう。

 やっぱさ…普通に音楽やロックを聴くぞっていう感覚で聴くモンじゃないよな、って思う。かと言ってプカーッてふかしながらってワケにもいかないから難しいな…。酒じゃちょっと違うし…。まぁ、そんな音だ。聴いているとどんどん心地良くなってくる…。レゲエなんだけど、もっとかったるいからダブに近いのかな…。面白いなぁ、今更こういう音が好ましくなる自分って(笑)。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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