Gary Moore & Phil Lynott - Out In The Fields

 フィル・リノットってのは一体どこが良いんだろう?と訊かれると結構返答に困るものだ。アレコレ言ってもどこが?ってのは特にない(笑)。メロディセンスっていうところが多分好きなんだろうとは思うけど、それだけでもないし…。ベースの弾き方?う~ん、あまりかっこよくない…。声…、別にロックを代表する声っていうワケでもないからなぁ…個性的だけど。やっぱメロディセンス…になるのかな。それと多分凄く男気ありそうなところとか、そんな感じ(笑)。

アウト・イン・ザ・フィールズ~ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ゲイリー・ムーア ラン・フォー・カヴァー

 対するゲイリー・ムーアと来たらフィルを何度も裏切っておきながら…というと語弊があるんだろうけど、袂を分かっておきながら何度も一緒にやっているというのもこれまた人間性ってもんか。そんな二人の最後の友情っていうので心地良かった、そして自分的にはリアルでハマってた、1985年の二人の作品「Out In The Fields」。

 諸説色々あるんだけど、どうなんだろな、フィルがシン・リジィ解散後自分のバンド、グランド・スラムを始動させたもののなかなか上手く進まず、またドラッグの影響もあったのか、ゲイリー・ムーアが救いの手を差し伸べたって所なんだろうとは思う。ただ、それにしてもかっこよいシングル曲でして、最初の鋭いギターのイントロからハマったねぇ。んでもってクールなフィルの歌から始まって、ゲイリーの暑苦しい歌…、そのままサビも主役はゲイリー・ムーアで、中間部もゲイリー・ムーアだからちょっと出過ぎじゃねぇの?って感じだけど、それはもうゲイリー・ムーアが主役だったからだろうね。フィルもさ、タバコふかしながら歌ってるのとかかっこよいなぁ~と。

 最初見た時、何でまた黒人のロッカーが英国から出てきてるんだ?なんて思ったもん。他にいないでしょ?アメリカの黒人っつうとちょっと違うし…。しかもシン・リジィのメインを張ってる人でさ。アイルランドの黒人ってもっと不思議だった。今でもピンと来てない部分あるけど、差別的な所はあまりなかったのかな。それともあったからああいう歌が歌えているんだろうか。また、ゲイリー・ムーアもそんなフィルと友人同士だったってことはやっぱ普通に一緒にいたんだろうね。

 この曲、フィル・リノット側でも出てるのかもしれないけど、やっぱゲイリー・ムーア側のリリースが目立つ。当時のアルバム「ラン・フォー・カヴァー」にも収録してるし、ベスト盤とかでも入ってるもん。だから聴けるのは簡単に聴けるってのは嬉しいね。久々にYouTubeでプロモ見たんだけどさ、懐かしい~~♪

Thin Lizzy - Life / Live

 ブルー・マーダーって言ったらやっぱジョン・サイクスなワケでして、ジョン・サイクスって言ったら普通はホワイトスネイクなんだろうか…。いや、多分普通はそうだろう。ところがホワイトスネイクには全然思い入れのない自分的にはジョン・サイクスって言うとシン・リジィになってしまうのでした。まぁ、ホワイトスネイクの立役者でもあるってのは判ってるんだけどね、どうもデビカバがダメなのでほとんど聴かないんだよね…。

ラスト・ライヴ Thunder and Lightning
Thin Lizzy - Thunder & Lightning Thunder and Lightning

 んで、ジョン・サイクスが参加した最後のスタジオアルバム「Thunder and Lightning」は以前に書いているので今回はその後の最後の最後のライブアルバム「ラスト・ライヴ」で書いてみよう~♪ 話題的にはこのアルバムってのは最後に入ってる「The Rocker」での歴代ギタリストの登場っていう所がクローズアップされてしまっていて、それもそうかって思うんだけどさ、本編はスコット・ゴーハムとジョン・サイクスなんですよ、もちろん。だから普段のシン・リジィのライブよりももっとNWOBHM寄りの音でして、無茶苦茶かっこよい。ここまでメタリックになるのか?ってくらいにメタリックな音。それでも本質的にはアイルランドのフォークバンドっていうのがあるからメロディにしても心地良いのがこのバンドの特徴だね。

 うん、ジョン・サイクス弾きまくり(笑)。それに影響されてスコット・ゴーハムもかなり弾きまくっているっていうのも面白いし、そもそもこれって解散を意識したライブなのか?ってくらいにテンションが高くてとてもじゃないが、解散する必要があるバンドのプレイには聞こえない。更にシン・リジィというバンドの集大成になっているので選曲もこれまた凄くツボを押さえているのでもっと人気があってもよいライブ盤のハズ。ただ、ジョン・サイクスだから本来のシン・リジィの持つ良さとは異なるっていうトコなんだろう。まぁ、いいじゃないか、聴いてみてそれがかっこよいと思えれば良いんだから。

 時代の産物なのかな…、こういうシャープでソリッドなサウンドによりハードロック…って以降はなかなか見当たらなくなる。この時代のみの音とも云えるんじゃないかと。しかも哀愁を帯びたメロディを奏でてくれるから余計にシン・リジィというバンドに愛着を持ってしまう。聴いているとだんだん好きな度合いが深くなるんだよ(笑)。この三年後にフィル・リノットが死去して永遠に再結成はなくなったハズなんだが、今はジョン・サイクスがシン・リジィ名義のバンドを復活させてプレイしているんだな。うん、好きなんだよ、多分彼も。追っかけて聴くわけじゃないけど、気持ちはわかるからね。しかし…、躍動感に溢れるライブ盤「ラスト・ライヴ」だ…。



Uriah Heep - Conquest

 ザ・ファームから続いて…、クリス・スレイドさんのキャリアってのも結構長いので色々とあちこちでセッションドラマーしているのを改めて発見。マンフレッド・マン・チャプター・スリーの第三期あたりから参加していたらしい。なので60年代末期から活動していた人なんですね。んで、ちょっと気になって調べてみるとユーライア・ヒープってのも出てきた。ん??ってなことで調べてみるとどうも自分的には全く通っていない時期のユーライア・ヒープに参加していたらしい。1979年から81年ってなってるから…、知らない(笑)。

征服者(紙ジャケット仕様) ヘッド・ファースト(紙ジャケット仕様)

 それで調べてみて聴いてみました。アルバム的には唯一録音が残されているってことで「征服者」という1980年の作品に登場している。ちなみにメンバーはミック・ボックスは当然としてもケン・ヘンズレー最後の参加作品ってことらしいし、他はボウイのバックでベース弾いていたトレヴァー・ボルダーさんとクリス・スレイド。ボーカルにはジョン・スローマンって人。このジョン・スローマンってボーカルさんはローン・スターってバンドで歌ってた人なんだけどねぇ…、ユーライア・ヒープであの声が合うのか?と疑問と期待に満ち溢れて聴きました。

 いやぁ~、これはもう別バンドでしょう(笑)。ケン・ヘンズレーの独特のノリと曲調はまだ健在…と言うか、わかるし、ミック・ボックスのギターももちろんそれらしいけど…、でも、でも、これはユーライア・ヒープって音じゃない。やっぱりジョン・スローマンって人のAOR的に爽やかな声ってのは合わないし、ある意味では個性的な歌声なんだよ、きっと。まぁ、でもそういうのを無視して作品的に聴けば、別バンドとして聴けば割と悪すぎないアルバムなんだろうか?バンドの持つ雰囲気とイメージだけの問題なのだろうか?自分の意識の問題?ん~、難しいな、そういうのって。でも、やっぱ別バンドってのは変わらない。それが良いかどうか、ってのはちょっと違う話だ(笑)。

 この頃のユーライア・ヒープって全然意識したことがないので、初めて知ったけどこんなにバンドのメンバー変わって音も変わって苦しんでたんだ…。爽やかな楽曲だから無理してやってたんだろうけど…、そう考えると頑張ってて悪くないかもしれない、ともう一回聴いてみた。うん、わかった。こういうのはこういうので、爽やかなAOR的な音が好きじゃないんだ(笑)。結局「バツ」ってことなのかもしれない。うん、でも、多分ユーライア・ヒープ信者はこれこそ鬼門、と言うんだろう(笑)。

 ちなみにこのボーカルのジョン・スローマンはこの後ゲイリー・ムーアの「コリドーズ・オブ・パワー」ってアルバムにボーカリストで参加、ライブでも参加しているので知っている人は知っている声です。



Blue Murder - Blue Murder

 一方ザ・ファームでベーシストとして頭角を現してきたトニー・フランクリンが次に加入したバンドはブルー・マーダー。ジョン・サイクスとコージー・パウエルとでやろうとなった本来は4人編成を目論んだバンドだったが、結局ドラムにはカーマイン・アピスが座ることになり、ベースもトニー・フランクリンが参加することになったというバンド。シンガー不在のままでリハを進めていた関係上どうにも…ってなことらしい。

ブルー・マーダー スクリーミング・ブルー・マーダ
Blue Murder - ブルー・マーダー Blue Murder
Blue Murder - No One Stands Alone No One Stands Alone

 しかしデビューアルバムとなった「ブルー・マーダー」ではしっかりとジョン・サイクスが歌っていて、これがまた立派にハードロックのシンガーとして通用するレベルを超えたボーカリストとしての器量を発揮してくれたという代物。更に楽曲もシャープな音色はもちろんのこと、サビもキャッチーにしっかりとした曲構成が練られたものばかりの秀作。さすがにホワイトスネイクの全盛期を創り上げた男。期待満点で組んだブルー・マーダーだったが、セールス的にはイマイチ…。ま、それはしょうがないとして内容がこれまた良く出来てます。面子が面子なんだから、っていうのもあるけど、元々コージーのドラムってのがあるためか、アルバムを聴いていると実にコージーのドラムだったらマッチするんだろうなぁ~ってのが多い。実際カーマイン・アピスもオリジナリティのあるドラミングを試みているんだろうけど、曲そのものがコージー向きなのでどうしても似たようなドラミングになっちゃうのかもしれない。BBAとかカクタスとか知ってるとここでのカーマイン・アピスのドラムって、ちょっと違うもん。あんまり普段はドラムなんて気にしないんだけどさ、やっぱコージー的ってのは特徴あるんだよね。

 さて、アルバムはだ…、ちょっと音が軽い感じもあるけど思い切りハードなロック。トニー・フランクリンのフレットレスベースの音が異質に感じることはあるが、歌が結構良くってねぇ~。割と聴きやすいし爽やかで人気出るよな、これは、と思う。ヘタしたらボン・ジョヴィ並の人気が取れたんじゃないかと思うモン。惜しいね。この作品当たりが多分ジョン・サイクスのオリジナリティの最高峰なんじゃないかと思うくらいの出来映え。シン・リジィの「Thunder and Lightning」はフィルが中心だろうから、そしてホワイトスネイクの「白蛇の紋章~サーペンス・アルバス」も基本はデビカバでなければおかしいし、そういう意味でこの「ブルー・マーダー」はジョン・サイクスの真骨頂…、とするならばかなり面白い。ただ、もうちょっとソロとかを印象的にまとめてほしかったかな。あと、楽曲がどうしても単調になってしまいがちではあるか。

 もうねぇ、20年前のバンドなんだよな、これ。音的にも別に古くは聞こえないんだけどさ。ジャケットのダサさがちょっと気になるけど、英米混合編成バンドってのもあって期待されたけど、残念。以降ジョン・サイクスは下り坂?なのかな。



AC/DC - The Razor's Edge

 10年一日って言葉はヴァン・ヘイレンにも当てはまるけどやっぱりAC/DCこそピッタリな言葉だろう。ザ・ファームで活躍したドラマーのクリス・スレイドは古くからセッションドラマーとして有名な人でマンフレッドマンと一緒にやってたのも有名。ザ・ファームの前にユーライア・ヒープに在籍し、その後はゲイリー・ムーアと来日、そしてAC/DCのドラムとして参加したことは有名な話。そんでもってAC/DCの復帰作とも言われている「The Razor's Edge」の制作に参加したワケだ。こんなところでZepとAC/DCが繋がってしまうってのもまた面白い。

The Razor's Edge AC/DC Live: Collector's Edition

 1990年リリースの「The Razor's Edge」。冒頭の「Thunderstruck」のイントロからしてかなり衝撃的なリフ。まるでザ・フーの「無法の世界」を彷彿させるかのような宙を舞う単音の中にかけ声が響くという見事にハードロックで縦ノリなAC/DC独特の世界が構築されている。この曲でノックアウトされた人多いんじゃないだろうか。アンガス・ヤングって人はホントに凄いリフメイカーな人だとつくづく思う。二曲目の「Fire Your Guns」にしたって思い切りギターのノリがよいリフを中心とした曲だし…っつうかどれもそんな感じなのでAC/DCらしいんだが(笑)。シンプル且つストレートなロックンロールであることに変わりはないだけどね、この作品はちょっと異色で刺激的。時代を考えるとこれでも売れたってのは不思議ではあるが…、まだLAメタルブームが残ってたからかな。

 この後にツアーの記録を収めた「AC/DC Live: Collector's Edition」というライブ盤も出ていて、こちらも新旧混ぜこぜになった傑作ライブアルバム。AC/DCってこんなにかっこよかったっけ?と最近になってまた気付いてしまったので、このライブ盤「AC/DC Live: Collector's Edition」も割とよく聴いていてね。まぁ、どれ聴いても良いんだけどやっぱライブはノリが良いので好きです。んで、スタジオ盤の「The Razor's Edge」に戻ってきたってのもあるけど、クリス・スレイドってAC/DCが似合っていたのだろうか??



The Firm - Mean Business

 有名バンドのフロントマン同士がバンドを組むとスーパーバンドと呼ばれて異常なまでの期待が掛けられることもしばしば。先日のベックとクラプトンみたいなセッションならまだしも、それがバンドとなると出来映えも当然ながらフレーズや曲の良し悪しやなんやかんやと全てに至るところでマニアから一般ファンまでチェックされてしまい、なかなか新しい方向で指向性をきちんと打ち出せるということは難しいようだ。ということがその時にはなかなかわからずに受け入れられないケースが多く「失敗」と言われるんだろう。

Mean Business The Firm
The Firm - The FirmThe Firm

 ポール・ロジャースとジミー・ペイジの合体バンド、ザ・ファームもそうしたバンドのひとつ…、というかさ、ジミー・ペイジの場合は誰と組んでもスーパーユニットとかスーパーバンドとか言われるんだからもうしょうがないだろうと思うのだが…、それ毎に作品の傾向を替えたり作曲の仕方を変えたり音色を変えたりして新しい試みに常にチャレンジする人なのだが、聴いている側がどうしてもZeppelinをイメージしてしまうので、上手くいかない。このザ・ファームもそういうイメージで見られていたにもかかわらず、ファーストアルバム「The Firm」リリース後にツアーに出て、更にセカンドアルバム「Mean Business」まで制作してツアーに出ているのだ。それなりに力の入ったバンド活動だったし、今改めて音を聴いてみるとやっぱりジミー・ペイジらしいギターのセンスと作曲のセンスがそこかしこに散りばめられているではないか。もちろん融合作なのでポール・ロジャースの作曲分も入っているんだけど、それもジミー・ペイジの味付けがしてあって、悪くはないと思う。ただ、キャッチーな曲というかインパクトの強い楽曲なりリフなりっつうのがないから全体の印象が薄くなっている。その辺がちょっと打ち出しきれなかったところかと。

 最初の「Fortune Hunter」のギターからしてもやっぱりジミー・ペイジらしいヘンさを持ったリフなんだよね。ポール・ロジャース作の「Live in Peace」なんかのギターソロもかなり弾き倒しているし、きちんとギタリストしたジミー・ペイジってのを聴ける。そこにベースのトニー・フランクリンの意地と個性、更にクリス・スレイドのドラムが重なってきて、バンドらしいサウンドになってるしさ。ホント、曲も悪くないけどウケる曲がなかったってのが問題。聴き込むくらいの魅力を放っていないのもあるけどさ。ギターの音色がね、全編コーラスみたいなのがかかった音になってて、好みではないから、ってのはあるけど、それもまぁ、ザ・ファームというバンドの音の色だってことで聴けばいいのか、と。ポール・ロジャースの歌声だって、それまでのフリーやバドカンや以降のソロでの歌とは大きく異なっていて、もっとハードロック的に歌っているから本来のソウルフルなボイスを生かし切れていないってのはある。お互い新しいことをやる領域に入っていて、それはそれでよかったんだろうけどね。

 「Dreaming」のギターソロのフレーズとか思い切りジミー・ペイジだしさ、もうひとつふたつヒネってサビをキャッチーに持ってくるとかすれば良かったのになぁ。80年代半ばのロックの音にしてはかなり異質なのは当然として、前作「The Firm」よりも充実したアルバムには仕上がっているように思うけど。やっぱ新人バンドのセカンドとして聴けばかなり良いんじゃない?

 これ以降ポール・ロジャースとジミー・ペイジが一緒にプレイしたのが一度もなくって勿体ない。ポール・ロジャースの「マディ・ウォーター・ブルーズ」でもジミー・ペイジには参加してもらいたかったらしいけど、実現しなかったしね。



Paul Rodgers - The Hendrix Set

 アルバム「マディ・ウォーター・ブルーズ」ではありとあらゆるギタリスト陣をゲストに迎えて思い切りハジけたブルースアルバムを制作したおかげで、見事に大ヒット。第一線のパフォーマーとして再度浮上して見事に再起したポール・ロジャース。その勢いでライブビデオは出すわ、丁度ジミ・ヘンドリックスのカバーなんてのも企画であったもんだから、ライブでもジミヘンの曲をカバーしまくっていたってこともあってそれだけをまとめたライブアルバムをリリース。もちろんレコード会社の意向によるものだとは思うけどね。

The Hendrix Set クロニクル

 1993年の7月4日の米国独立記念日に行われたライブから集められた「The Hendrix Set」で、アルバムリリースも同年なので速攻リリースだったんだな。この年の秋頃には日本に来てライブを繰り広げてくれた…、のを中野サンプラザまで見に行ったなぁ…。ポール・ロジャースは渋くてかっこよかったんだが、ギターにニール・ショーンを連れてきたもんだからもうダメ(笑)。ああいう音ってのはちょっと受け付けないんだよな…とギターを耳から切り離して聞くようにしてたんだけど、やっぱ習性からかそういうワケにもいかず、いまいちノリ切れなかったライブだった。

 さて、この「The Hendrix Set」というライブアルバムも基本的に同じ面子のライブなので、ニール・ショーン…だ。ん~、やっぱりダメだ…。しかし、しかしポール・ロジャースが思い切りハジけて歌っているので、現代に甦ったロックとして聞けばかなりノリの良い曲ばかり収録されているライブアルバム。「Purple Haze」は何となく…、でも次の「Stone Free」はポール・ロジャース節全開のかっこよさが出ているから良い。こういうシャープな曲でも彼のボーカルは生きるのだ…って今まであんまりこういう曲でポール・ロジャースの歌って聴いたことないからちょっとビックリ。イケるじゃないですか。んで次は名曲「Little Wing」。ジミの同曲ではボーカルが弱かったんで、ここでポール・ロジャースが天下一品の歌声で歌い直してくれたのは非常に嬉しい。ギターの音色はちょっと気になるんだが、まぁ、それはそれとしてフレーズはかなりなぞったコピーをしてくれているので許せる範囲内でしょう。歌を大事にしたカバーってのが分かるからさ。しかも最後の方には「Angel」の一説まで歌ってくれるし…、好きなんだねぇ、ってのが分かって嬉しくなる。そんでもって忙しい「Manic Depression」。これはもうジミに成り切ってるポール・ロジャースがここにいて、同じく成り切ってるニール・ショーンもいるってトコでしょう。唸ってる…、凄いわ、この演奏。同じように凄いのを聴かせてくれるのが「Foxy Lady」。ポール・ロジャースも楽しかっただろうなぁ…、この頃は。それでこんだけ歌えたらもっと楽しいだろう…。

 結局ロックの好きな人なんだな、というのがとことん伝わってくるライブアルバムなので、文句は言えない。なんか違うんだけど、やっぱ凄いってことに変わりはないしさ。これでまた一目置かれる存在になったろうし。その後ソロでやってクイーンとの合体だもんな。全くロック界でここまで何でも歌いこなせる人もいないわけだから、やっぱ貴重な存在でしょ。

 同じようにライブばかりを集めた「クロニクル」ってのがあって、こっちはフリーやバドカンのセルフカバーも入ってるから別の意味で楽しめる日本編集盤です。



The Law - The Law

 英国ロックの歴史の流れは面白い人脈を拾うことがあるし、年を重ねるに連れてそのハプニング的人脈も広がるというのもこれまた楽しい。スモール・フェイセスからフェイセス、更にザ・フーのドラマーとまでなったケニー・ジョーンズがザ・フー解散後しばらく放浪した後に組んだバンドのパートナーはなんとポール・ロジャース。ポール・ロジャースの方はバドカンからソロ、そしてジミー・ペイジとのスーパーバンド、ザ・ファームを解散した後の合流ということで、何とも様々な人脈交流が行われたものだ。

The Law

 1991年リリースの唯一の作品「The Law」。思いのほか売れることがなく、また積極的な宣伝活動もなかったが故の商業的失敗が大きく足を引っ張ったのか、アルバム一枚で解体。ちなみにこのバンド、っつうかCDでは詳細クレジットが全然書かれていなくて、ギターとかベースとかは一体誰が弾いてるんだ?っつうのが気になってしょうがなかったんだよ、当時。なんとなく伝え漏れてきたのは、ブライアン・アダムスが参加してる、とかクリス・レアもギター弾いてる、ってことくらい。だからってもまぁブライアン・アダムスが「Nature Of The Beast」に参加してるってのはまだわかるとして、他はどうなんだよ?って。んで他は?ってのを気にしてたんだが、そこまで追求することもなく時は流れ…。

 しかしあれやこれやとポール・ロジャース好きだし、何かとこのThe Lawというバンドの存在が引っ掛かってきたこともあって、ネットが出てきた頃に調べたんだよね。そしたらやっとわかった…っつうか驚いたんだが、「Stone」っつう曲でデヴィッド・ギルモアとクリス・レアの二人とも参加してうってことらしい。ん~?って感じだけどさ、まぁ、この辺の人達ならこういうAOR的な大人のサウンドもこなしちゃうか…と妙に納得したんだが、そうなんです、全くブルースとは離れた、えらく心地良いとも云える爽やかなAORでして…、ホントかよ~ってな音です。が、ポール・ロジャースの歌声は曲がどうであろうと健在。それだけが救い。

 ちなみにケニー・ジョーンズがザ・フー上がりだとしたらここでベースを弾いているピノ・パラディーノは現在のザ・フーのベーシスト…。妙な因縁ではあるが、そんなこと誰も予想してなかった事態です。それからピアノとギターは基本的にポール・ロジャースが自分で演奏しているとのことで、イマイチ地味に終わったプロジェクトでした。しっかりとこないだリマスター作品リリースされてたけど。



The Who - Face Dances

 Small Facesのメンバーって全員が有名なんだよなぁ。ロニー・レインやイアン・マクレガン、ケニー・ジョーンズってそれぞれが活動してるからだろうけど。んでもってドラムのケニー・ジョーンズがこの後フェイセスを経由してザ・フーに参加したってのは有名な話。しかし、今となってはまるで評価されない時期となってしまって、また再結成話にも参加することなく距離を置いている…。まぁ、しょうがないだろうねぇ。

Face Dances It's Hard

 1981年に期を熟してようやくリリースされたケニー・ジョーンズ在籍時代のザ・フー最初のアルバム「Face Dances」。16人の画家に描かせた肖像画からして既にカネ掛かってるって話だけど、中味も結構気合いの入った曲が多くてそっぽ向かれるほどの内容ではない、ハズ…。だが、どうにもケニー・ジョーンズのドラミングとバンドが合ってない…っつうのがホントの所なんかなぁ…。気合いは相当入っているし、そもそも2年前の1979年からず~っと一緒にライブなりセッションなりを重ねてきているし、ピート・タウンジェンドのソロ作品にも付き合っていたりするワケだから、そんなに合ってないハズないんだけどさ、気合いが空回りしてしまったというのか…、やっぱりグルーブ仕切れないカチッとしたドラミングがノリを出せないというのか…。

 自分もやっぱりあまり聴かなかったアルバムだし、興味もなかったけどさすがに何年もザ・フーと付き合ってると色々と聴くようになったりしてなんとなく聴いたりするようになってからかね、そういう音なんだ~とわかってきたのは。確かに曲は気合い入ってるんだが…ってのがね、わかるからしょうがない。でもピートのソロだとこういうドラミングでいいんだけどね、なんでザ・フーだとダメなんだろ?不思議なものだ。それでもライブは絶好調だったと言われるし、アメリカでは全公演売り切れしたって話も聞くし、ん~、わからん。まぁ、キース亡き後のザ・フーがどういうもんかっつう興味が大きかったんだろうと思うけど、これではやっぱり難しかったのだろう。決して悪くはない、が、やはり、だ。

 この後の「It's Hard」というアルバムを制作してザ・フーは解散することになって、ケニー・ジョーンズはまたしても放浪の旅に出ることになったが、しばらく何してたんでしょうね?

 そうそう4月にリリースされる待望のDVD版「マキシマム R&Bライヴ」のオマケがケニー・ジョーンズ時代に出演したロックパラストのライブ映像ってことらしいので、再度見直すには丁度良い時期かもしれん。



The Small Faces - From the Beginning

 イアン・マクレガンとロン・ウッドの仲間意識ってのは割と強かったようで、そもそもはフェイセスからなんだろうけど、その前からかもしれないな。そんでもって容易にストーンズとスモール・フェイセスが繋がってしまうってのもこれまた面白い。世代的には若干ストーンズの方が早いっていう程度だけど、インパクトのあるサウンドってのは圧倒的にスモール・フェイセスの方だったと思うワケさ。いや、わかんないけど…。

From the Beginning The Small Faces

 ってなことでスモール・フェイセスのセカンドアルバム「From the Beginning」を聴いてみるのだが…、そもそもデッカからイミディエイトへとレーベルを替えたことでデッカが勝手に残された音源をまとめて編集して発表したアルバムなので、果たしてアルバムと言えるかどうか難しい所もあるんだが、だからと言ってこの頃のシングルヒット狙いのアーティストの考え方からしたら一曲一曲が良ければ良いだろうから、こういう編集盤でも曲そのものは全然楽しめるのだ。しかしジャケットからしてファースト「The Small Faces」と同じフォトセッションでの写真だしねぇ…。

 「From the Beginning」ってのは時代的には丁度サイケデリックも挟み込む頃の1966-67年頃なのでそういう音も出ているけど、一方では当然モッズバンドとしてのソウルフルでパンチの効いたスティーヴ・マリオットの歌声が圧倒的に響き渡るものも多い。そしてなんと言ってもメロウなソウルバラードなどを歌い上げた曲なんてのは痺れます、本気で。アルバムで言えば最初からデル・シャノンのあの「Runaway」という有名なカバーでして、巧さに痺れるばかり。そういう意味でカバーソングの秀逸さで言えばマーヴィン・ゲイの「Baby Don't You Do It」なんてのも凄い。他のバンドも結構これはカバーしてるけど、スモール・フェイセスのカバーは原曲を見事に意識しtものでカバーの仕方が違うんだよね。それはもうビートルズで有名な「You've Really Got A Hold On Me」なんかもそうだし。

 そしてスモール・フェイセスとしての傑作はもちろん「All Or Nothing」という名曲なんだけどさ、マリオットってのはやっぱりかっこよいなぁ~と。ルックスも良いし、それでいてこの声はぶっ飛ぶだろ。自分的には結構「My Way of Giving」なんてのも好きだったりするけど…。何かね、可愛い曲なんだけど気合いと想いがたっぷり入っててさ。この頃のビートバンドの曲って一曲一曲に入る気合いが違うからさ。

 黒い音楽って基本的に苦手だったんだけどこのバンド聴いてからかな…、ちゃんと追求したくなったのは。ビートルズのカバーとかからも入れたけど、ちょっとメロウ過ぎたんで。ザ・フーかスモール・フェイセスからかな、そういうのを聴くようになったのは。ブルースとかはもちろん大丈夫なんだけどさ。



First Barbarians - Live From Kilburn

 ロン・ウッドと言えば人柄の良さがにじみ出ている人で、その分どんなグレ者やテクニシャンミュージシャンとも何となく馬が合わせられるような人だ。代表的なのはボ・ディドリーとのセッションだろうか。一方のキースはチャック・ベリーとのセッションでは相当やきもきしながら仕事していたことを思うと、もっとも人が違うんだが、愛されキャラってのが出るんだな。そういうロニーだからこそキースとミックの間に入っても上手くやっていけるしロッドとも上手くやれるってとこか。

ライヴ・フロム・キルバーン(DVD付) Buried Alive: Live in Maryland

 そんなロニーが最初に自分のソロアルバム「I've Got My Own Album to Do」を作るってことで面子を揃えたら結構なゲスト陣になってしまい、ついでにツアーもやりたいから、ってことでみんなに訊いたら、いいよってことで実現してしまった1974年のバーバリアンズ、その延長でストーンズの活動休止の合間に1979年にもう一回面子揃えてみたらできちゃいました、ってのがニュー・バーバリアンズ。「Buried Alive: Live in Maryland」でCDリリースされてる。ロニーとキース、更にイアン・マクレガンが固定的。その他は都度変わってるけど、変わったところでは1979年にはスタンリー・クラークがベースって…、いやどうなんだろ(笑)。

 んなことで、やっぱりオリジナルのバーバリアンズのノリの方が面白いかなぁ~ってことで1974年のロニーの「I've Got My Own Album to Do」から派生したライブ盤「ライヴ・フロム・キルバーン」を紹介。昔からニュー・バーバリアンズの存在は文献なんかで読んでいたりしたので、凄く気になってたんだけど実際に聴ける音源なんてなくって、幻のグループ、ってな感じで捉えてたんで、こうしてオフィシャルでリリースされるってのはありがたいことだ。今のファンは恵まれてる…っつうか大変だろうけど。そういうのをちょっと思い出しながら聴いてみたんだよね。

 …、ストーンズじゃないか(笑)。いや、当たり前だが…。キースとロニーなんだからそりゃそうだけど、途中ロッドが参加するとこれまたロッド色になってしまうんで面白いなあ~と思うが…。もうちょっと代表的な曲がああったら面白いんだけど、しょうがないか。ソロ作のツアーなんだもんな。んで映像の方が驚異的というかインパクト絶大。画質良し悪しはともかく、中味がやっぱ強烈です。ホントに実現してたんだ、って想いの方が強いので驚き。映像まで見れるって…、今の世代は恵まれてる(笑)。



Rod Stewart - Unplugged...and Seated

 先日来日公演を果たし、一部のファンを熱狂の渦に巻き込んだとか巻き込まなかったとか…。64歳にもなって相変わらずロックを歌うロッド、ってのは想像付かないんだけど、やっぱりエンターティメント性が高いショウとなったようです。ま、それでもヒット曲や名曲は多数あるので全然普通のライブでもそうなったってことで、満足度が高いショウだったことでしょう。見たかったけどなぁ…、まぁ、レコードでも一緒か、と。あの「The Great American Songbook」シリーズでの来日公演とかだったら面白かったのにね。ブルーノートあたりでやったりプリンスホテルの最上階でのディナーショウとか…、あ、やっぱ方向が違くなるな(笑)。

Unplugged...and Seated The Great American Songbook

 オリジナルリリースは1993年頃かな?映像は出てなかったんじゃないだろうか?アンプラグドシリーズでも評判の良い「Unplugged...and Seated」だけど、今になってデラックス・エディション…、コレクターズ・エディションが出る。音の方はリマスタリング&追加2曲、そしてDVDが付くってことで、このDVDのために買うか、と。今更なんだが、ロン・ウッドが久々にロッドと一緒にやったのがこの「Unplugged...and Seated」で、ベックと云いロンと云い、ロックの別の側面を網羅しているロッドのキャラクターと歴史はさすがです。そしてこの「Unplugged...and Seated」でのロニーは見事にギタリストに徹していて、この二人が並んでいると「Unplugged...」のくせに妙にロックにしか聞こえないという不思議。ロッド一人だと歌い手、って感じなんだけどさ。

 しかしまぁ、久々に聴いたけど名曲いっぱいあるねぇ、この人は。他人の名曲歌っても素晴らしいものにしてしまうけど、自分でも良い曲いっぱいあって、そしてこの声かい、って。往年の古い曲がここで久々に甦ったんじゃないかな?今年フェイセスの再結成を目論んでいるというウワサは聞くんだけど、どうなんだろうね。一説にはロッドがロニーに曲を書け、って催促していたとか…。いやぁ~、これ良いわぁ~。多分最近の曲が全然なくって思い切り昔の曲ばかりを再アレンジしているからだろうな、聴きやすいのはさ。ロッドってこんなに面白かったの?って思うくらいにロックしてる。アンプラグドの方がロックしているロッド(笑)。面白い人だ。

 マンドリンを手に取るシーンやロニーと目を合わせて楽しむシーン、二人が並んでいると絵的にかっこよく見えるってのも重要。多分最後の来日公演でもあったこないだのライブを思い起こしてこんな素晴らしい「Unplugged...and Seated」でまた別の楽しみってのも贅沢だね。良いわ、これ。しかしYouTube張ろうと思ったらほぼ全てのこの映像が削除されていた…。ま、そりゃそうか(笑)。なので替わりに…。

Faces - First Step

 ロックの系譜ではストーンズの後にリトル・ストーンズと呼ばれたバンドとしてフェイセスを紹介する節がある。今ではもうそういう言い方もしないのかもしれないが、言い得て妙な部分もあり、こだわりを持っていた頃は「んなこたない、フェイセスはフェイセスでストーンズの子分じゃない」なんて言い張ってましたが…(誰に?)。いやや、なるほどリトル・ストーンズとは上手く云ったものですな。もちろん全然意味が違うので子分ってのではないですが。

First Step ファースト・ステップ

 ジェフ・ベック・グループから脱退したロン・ウッドがタイミングを見計らってロニー・レインに俺を入れてくれ、って云ってロッドと共に参加することになったスモール・フェイセスだったが、でかいツラした二人が入ったためSmallを取っ払って単なるFacesになったというバンド。いきさつで云えば簡単そうに聞こえるけど、メインソングライターのスティーヴ・マリオットを失った英国ロック史に名を残すメンバーに取ってみればこれこそ救世主とばかりに相乗りしたのかもしれない。そんなファーストアルバムが「First Step」という作品。アメリカ盤では「small faces」と書かれていたりするようだが、実際にはfaces…。レアだったりするのかな。昔レコードを探していた頃はどっちも良く見かけたけどさ。

 いやぁ~、なんというのか、まだまだあの酔いどれバンドという感じの強くない出来映え…、割とブルースベースではあるけどカントリーチックなロニー・レインの曲もあったり、土臭い感じのロックもあったりして面白い。特徴的なサウンドは?って云われると困るけど、多分最初の「Wicked Messenger」で好き嫌い分かれるかも。これでグイグイと引っ張り込まれるのはこの手のサウンドが好きな人ですね。ロン・ウッドも弾きまくってるし、ロッドの歌声はもうかっちょよいの一言でグイグイと聞かせてくれる凄さ。他のメンバーは確かに影が薄くなってもしょうがないか、と思うくらいロックな傑作に仕上がっている。後のアルバム「ロング・プレイヤー」「馬の耳に念仏」などの方が有名と云われるが、それは酔いどれロックバンドの真骨頂が出ているという意味での評価が強く、自分的にはこの「First Step」での香りが好きだね。英国的な…ともすれば凄くB級にもなりかねない音だし。ま、ロッドがいたからそれはなかったけど(笑)。

 ジャケット見るとさ、ロッドがまだ小さく縮こまってて…、後から参入したハズのロニーはど真ん中にいるし、不思議な関係。そしてスモール・フェイセスの頃のサウンドはまったく表に出てくることがなく、完全に別バンドになってしまっているのも面白い。たった二人の加入なのに音楽性がガラリと変わってしまったバンド。そして名作。いいね。ロックだよ♪



The Rolling Stones - Beggars Banquet

 60年代を駆け抜けたロックの伝説の中には必ずと言って良いほどにブライアン・ジョーンズの名が出てくる。昔からそういう伝説を追求するのも興味深くてストーンズの初期の作品には割と早く手を付けた方だったもちろん世代的には後追いだったのでリアルタイムでどうだったのかは推測の域を出ないが…。しかしブライアン・ジョーンズの凄さをレコードで実感できるシーンは実は非常に少ないのではないかと。最初期のアルバムはカバーばかりが収録されていて、もちろんそこでのブライアン・ジョーンズのコピーのセンスとかは凄かったのだろうが、イマイチはっきりと個性が出ているワケでもないし…。なので自分的には「黒く塗れ」のシタールとかああいうのがブライアン・ジョーンズの凄さなのだろうと。後はやはらとドラッグに溺れた貴公子というイメージが強い。

ベガーズ・バンケット ベガーズ・バンケット

 さて、そのブライアン・ジョーンズが参加した最後のストーンズ作品がこの名盤「ベガーズ・バンケット」だ。やっぱりジャケットは招待状のヤツの方が印象深い。トイレのって、格好悪いし品がないが、やはり招待状のジャケットの方が中味にあってる気がする。これはよく聴いたなぁ…。ストーンズを理解するにはコイツだ、って思ったし、果たしてどこがコレのロックなんだ?と思う部分も多くてさ。ブルース好きからロックに進んだけどかなり融合的に独自色を出してきた作品ではないかな。キースとミックの存在感が凄くて特にキースの自己主張がバンドをグイグイと引っ張ってるからドラッグ漬けのブライアン・ジョーンズは参加できるところ少なかっただろうと思う。ここまでオリジナリティを出してしまったら脱退も至極当然だろうね。そうやって情景を想像しながら聴いてみると面白い。

 最初の「悪魔を哀れむ歌」からしてぶっ飛んでる。ストーンズの中では一二を争うくらい好きな曲だ。このギターソロの音色って何を使っても出ないでしょ?んで次の「No Expectations」だっていきなりバラード…、スライドとピアノを駆使したバラードでストーンズらしい曲。こういう綺麗な曲がストーンズの初期にはよく聴かれたんだよなぁ。中期で磨きがかかったのもあるけど、やっぱこの辺の空気感が好き。「Dear Doctor」はカントリータッチな3拍子の曲で、かなり近づいてる。ミックの歌に余裕を感じられるもん。「Parachute Woman」は思い切りブルースな曲…、この辺ブライアン・ジョーンズは活躍しているのかな。しかしどれもこれもロックの名盤と言う割には全く歪んだギターの曲なんてなくてアコギが歪んでるっていうもので、やっぱ音じゃなくてスピリッツの問題なんだろう、これほどロックに聞こえるアルバムも多くはない。

 疾走感と緊張感に溢れる名曲「Street Fighting Man」ですらギターがメインに出てこないで民族的なリズムを前面に出しているし…。しかしコレ、かっこよいなぁ…。全部前に食う感じで入ってるんだもんな。なかなか思い付かないし…、それにしてもハウリングの音までもレコードに入れてしまうってのは珍しいよ。普通こんな音は入れないし、バンド側もイヤガルんだけどどうなんだろ?しょうがなかったんだろうか?んなことないだろうな…狙ったのかな。ま、自然発生による偶然を上手く使ったってことだろうけど…。あぁ、抑揚してくるアルバムだ…。そしてアメリカンな「放蕩息子」もテンション高くて素晴らしい…。

 全くブライアン・ジョーンズの居場所が見当たらないロックの名盤「ベガーズ・バンケット」、そうしてドラッグにまみれていくブライアン・ジョーンズ。カバーの才能はピカイチだったが才能を磨く努力に長けていたキースとミックの意欲に負けてしまった天才。



The Doors - Live At The Matrix 1967

 60年代を生き抜き、70年代を生き延びられなかったカリスマ、ジム・モリスン。やはりドラッグとヘロインの餌食として祭り上げられる英雄のひとりで、今でも諸説飛び交う人。なんだろね、かなりクレバーな人なのでドラッグやヘロインで自殺する程の量を摂取するとは思われないんだよね。となると恋人のパメラに討たれた注射が過剰だったという説がマコトかもしれん。今となってはわからない真相ではあるが…。そんな時代の寵児でもあったジム・モリスンを配したドアーズ。

Live at the Matrix '67 Absolutely Live

 大分前から未発表ライブ音源なんかがちょくちょくとリリースされていて、ドアーズの歴史を細切れに出していたみたいなんだけど、去年の暮れにもまたひとつ古い音源が世に出された。1967年の3月にサンフランシスコで行われたライブ「Live at the Matrix '67」として相当編集されてリリース。ライブの曲順も全然違うしねぇ…。まぁ、それはそれである意味コンセプトもあるからわからんでもないが。

 ディスク1がファーストアルバム中心の選曲、二枚目はセカンドアルバム中心の選曲。実際のライブはもちろんそんなこと意図されていないので全然異なる曲順で、しかも二日間で40曲くらいやってて、もちろんダブって演奏している曲も多数あるわけでして…。いや、この頃って一日に3セットとかライブやってたらしいからさ。まぁ、そういうマニア的な見地からしたら非常に不満の残るライブリリースだったようで…。それでもやはりオフィシャルでリリースされる最初期のライブってのは貴重でしょ。セカンドアルバムの曲が…と書いているけど、実際にはコレ、ファーストアルバム発表後数週間程度でのライブの様子を記録しているんだからさ。そこでセカンド云々もないんだよね、ホントは。

 しかし、しかし、だ、あのドアーズ独特の緊張感漂うライブのテンションではないように聞こえてしまうのは何故?実際そうだったのかもしれない…。そうだったらやはり「Absolutely Live」とか「Alive, She Cried」ってのは凄いライブを編集していたことになるが…。

 元々ブルースとジャズをベースにするバンドで、それは最初期からそういった曲を演奏していることがここでもわかるし、他のライブなんかでもわかる。アルバム「モリソン・ホテル」くらいからは顕著にブルースへと回帰していることも有名な話だしね。ジム・モリスンの際立ったカリスマ性が単なるブルースバンドという印象を全く見せなくしているけど、実は所詮ブルースバンドしかできないバックの面々という本質もあったりする…。ま、ジャズもかじってるけど…みたいなさ。だからブルースなギターソロとかはほとんど聴かれないんだよね。そういう中途半端さが面白いのがロック、そしてジム・モリソンの偉大なるパフォーマンスこそがロック。そんな最初の頃の記録がこの「Live at the Matrix '67」という記念盤。決して当時のライブの模様を求めるアルバムじゃなくて、ひとつの記念盤。やっぱ、ヘンだもん、この曲順…とライブ好きな人間は思うだろう…。



Janis Joplin - In Concert

 今、2009年?ロックが生まれてから60年近く経過しているんだな…。ジミヘンがいなくなってからだってもう40年近く経つのか。ってことはジャニスもだよな…、と。凄いな。それでもまだその音で若い衆がロックの虜にされるってことがあるわけで、伝説になっていたり、身近に手軽に聴けたりするワケだし、映像を見ることも出来るワケだし。そんで、その凄さを実感できるんだからロックのエネルギーとパワーは不滅だ。ジミヘンとジャニスが一緒にいる写真って見たことないなぁ…、多分。まぁ、それでも同時代の人だから接点はあったんじゃないかと思うけど。一緒にジャムってたら凄そうだよなぁ。

In Concert ジャニス [DVD]

 ジャニスの死後に編集されて世に出回った未発表ライブ編集盤として名高い「In Concert」。アナログ時代は1枚目がビッグ・ブラザー時代のライブ、2枚目がフルティルトバンドでのライブと分かれていた。並べて聴くと明らかに演奏のレベルと熱気と覇気が違う。ジャニスはそんなに変わらないけど、後期の方が凄みと渋さを増しているような気がする。逆に初期は勢いありきで攻め立ててくるという感じでそれぞれ別の意味で楽しめる内容のライブ編集盤だった。どうしても楽器演奏者じゃないからライブ盤である必要性ってのもあんまりわかんなくて聴く回数はスタジオ盤に比べると全然少なかったけど、それでもやっぱりインパクトあったなぁ。どっちかっつうと、これよりも映画「ジャニス」の方をよく見ていたし、印象深くてさ。やっぱり映像のインパクトって凄いモン。うん、そういう世代だったから、そうなった。映画館も行ったしなぁ…。

 んで、この「In Concert」だけど…、残されたライブ音源っていっぱいあるんだろうね。そこから抜粋しているから悪いワケがない。ライブだとジャニスも一体感を感じられて体ごと楽しんでいるみたいだけど、こうして聴いているとそれは曲によりけりなのかもしれない、って思う。もちろん「Summertime」なんかはそうなんだけど、やはり後半の方が一体感を感じられる曲が多い。「Kozmic Blues」以降はもうどれも快感を得ているとしか思えないくらいバンドと音と声と空気、そして観客をも交えた一体感を聴けるしね。これぞブルース…。

 ジャニスってジャニスの世界。他にない。コピーもいないし、もちろん踏み込む人もいない。でも憧れる人は多い。でもジャニスは自分はどうしようもなく寂しい女だと言って墜ちていった…。う~ん、ロックだ。魂とロックってのを秤にかけて生き抜いた人だからねぇ…。昔は散々聴いてハマってた人だけど、歳と共に、それもジャニスやジミヘンよりも自分が歳を取ったらその分あまり聴かないようになっていった。多分もう乗り越えたかったンだろう、何かを。んでやっぱ聴くとさ、とんでもなくその頃に戻ってしまうんだよ。やっぱ凄い~、って(笑)。そんなピュアさが良いのだ。やっぱロック好きなのです♪

 しかしこのアルバム今はこんなに安く手に入るのか??驚いた…。



Jimi Hendrix - Live At Woodstock

 ワイルドなギタープレイとストラト使いの代表格、そして全ギタリストの神様でもあるジミ・ヘンドリックス。もうあちこちで書き尽くされているので、今更大して書くこともないだろうし、本ブログでももうかなりのアルバム数を取り上げている。やっぱ好きだからねぇ。まぁ、今ではもう年に一度くらいしか聴かないけど、聴いたり見たりするとやっぱりハマる。今でもゾクゾクとライブのCDが新たにリリースされ続けているようなので、ひとつづつ追いかけていけば随分と楽しめるとは思うんだけど、そこまで継続的にハマれないので、気分次第のつまみ食い。しかし色々出てるな…。

Live at Woodstock Live at Woodstock (2pc) (Spec Ac3 Dol Dts) [DVD] [Import]

 さて、多分ジミヘンで一番有名なライブと思われるウッドストックでの演奏をほぼ全編収めた代物「Live at Woodstock」も90年代末期にオフィシャルでリリースされた。もっともその前から何回か出ているけど、断片的だったので、ここでようやくまとまって…ってなところだが、ジミとしてはノエル・レディングが辞めた後の心機一転でミッチ・ミッチェルとビリー・コックスを迎え、更にラリー・リー他のセッションメンバーを加えた6人編成でのバンド、ジプシー・サンズ&レインボウズでの参加…という事実は割と意識されることが少ないかもしれない。ジミヘンさえいればそれはもうジミヘンなのだから、別にバックは誰であろうとも…なんて思う人も多いと思う。自分もそういう所あるし。だからこの人の遍歴調べていても途中でややこしくなる。この後にバンド・オブ・ジプシーズでドラムをバディ・マイルスに変更した三人組で年末年始だけライブやって崩壊。その後のライブではまたミッチ・ミッチェルを迎えた三人でやっているんだけどアルバムは出てない。で、このウッドストックは唯一6人でやってるものなんだけど、しっかりとトリオ編成以外の音は消されている…というかほとんど聞こえないようにされているのは遺族の意思?まぁ、聴いている側の認識も多くはトリオと思ってる部分あるからなぁ…。

 全貌が見えてくるとライブ全部がわかる、そして実はウッドストックのライブはジミヘンのライブとしてはそれほど出来が良いモノではないというのも知られている。うん、確かに覇気に欠ける部分は多いな。でも、それってのは、あまりにも管理の杜撰なウッドストックというイベントで待ち時間が前日の夜中から朝の8時までという状況もあって、ジミヘンが登場したのは1969年8月18日の朝8時なワケよ。夜のウチには十分酒もドラッグもタバコもキメていたんだろうから、朝の8時での演奏ってのはもう無茶なんだよな。それでも押しまくってそうなってしまった…。だから覇気がないのも当然っちゃあ当然。それでも「Star Spangled Banner」がウッドストックの名演となったのは、その朝8時から始められて様々な雰囲気と空気とそれまでのヤク一時間に於けるステージ上でのジャムセッションなど色々な要素が上手く融合して、奇跡的な一瞬にこういう雰囲気の曲がジミを通して世界に発信されたというところで、神々しいまでの演奏になったのではないかと。しかもしっかりその周辺が映画ウッドストックに収録されたので、より一層ジミヘンの素晴らしさがクローズアップされたということだ。この曲以降のプレイはその延長線上にあるので、どれも素晴らしいプレイと思えてくるし、実際かなりの雰囲気だと思う。

 どの曲もどの曲もジャムセッション色が凄く強くて、ジミのプレイだけじゃなくて他のセッションメンバーもいたワケだから余計にその空間は長くなるワケで、全体的に浮游感がたっぷり漂っているものだ。そういう意味では鬼気迫る名演という部類ではないにしてもかなり味のある熱演であると言える。「Spanish Castle Magic」に於けるジャムセッションはこのライブの中でも相当素晴らしい出来映えの曲のひとつだろう。もちろん全編に渡ってジミの宇宙空間漂うプレイだからアレコレ言うもんじゃないけどさ。いや~、やっぱり美しい。ギターの音色の使い方からして美しい。音だけでなくってエロチックなプレイっつうか…、「Red House」なんてもう本気のブルースだから…、黒人ブルースそのものだし。

 …。やっぱすげぇライブじゃないか、これ。覇気には欠けるけど雰囲気は凄く良いからかな。それとギターがしっかり歌っているから嬉しいんだよね、多分。自分的にはこういうギターが好きだしねぇ。



Stevie Ray Vaughan - Soul to Soul

 ブルース好きな人ってやっぱギター好きだと思う。ハープブルースってのもあるけど、やっぱ主役はギターと歌だし、中でもギターじゃないかと。逆にギターをそれほど意識していない人はブルースって飽きるんじゃないだろうか?ジャニスとかみたいに歌で、ってのもあるから一概には言えないけど何となく。ンで、ギター好きにも色々あるんだろうけど、スタンダードブルース好きな人はまぁ、いいんだけどロック畑から来るとスティーヴィー・レイ・ヴォーンってのは驚異なんじゃないだろうか。ギター弾きでもこれコピーできるのってなかなか難しいと思う。メタルの速弾きとかの方が全然努力で弾ける気がするけど、これはちょっとやそっとじゃ無理。絶対。

Soul to Soul Live Alive

 んなことで1985年リリースのスティーヴィー・レイ・ヴォーンの三枚目の作品「Soul to Soul」を取り上げてみました♪ここの所ギタリストばかり聴いていて、やっぱりブルースが良い、ってことで結構ヘヴィだからあんまりスティーヴィー・レイ・ヴォーンって手を付けないようにしているんだけど、聴いちゃうとねぇ…、かっこよすぎるんだよ、ほんと。やっぱライブ盤の方が良いなぁとかライブDVDとかの方がいいなぁ~とかあったんだけど、オリジナルアルバム少ないし、全部書いてからにしよう~って思って。後数枚あるけど、ま、そのうち。

 んで、この三枚目「Soul to Soul」だけど、音が80年代なのでちょっと「?」という感はあるんだけど、収録されている中味の音はまったくレイ・ヴォーンなのでそれもヨシ、と。レコードかけた瞬間にダブルワウペダルの強烈なワウワウがぶっ飛んでてさ、正に「Say What?」だよ。こんだけアグレッシヴなギターを弾く人ってそうそういないし、ましてやこんな時代に出てきて評価される人も少なかったしさ。当時はロックの感覚で聴いてたけど、ちょっとよくわからんかった。どうも他のギターとは違うぞ?ってな感じで、それがブルースベース、ってのを聞いてからもよく理解しきれなかった。ただ、引っ掛かるモノはいっぱいあったから聴き続けてたな、昔は。「Look At Little Sister」もキャッチーで好きだったし、他もどれも歌メロはキャッチーだったりするんだよね。合間合間のギターフレーズがシャープでさ、かっこよくて。アルバート・キング的とか言われるんだけど、もう、それよりも単にレイ・ヴォーン節。だからちょっとブルースの時代が逆転しちゃってた。今は割と整理出来たけど、でも、やっぱレイ・ヴォーン聞いてこういうオブリって入れるかっこよさは覚えたもんな。

 この人も独特のギターフレーズってのがいっぱいあってさ、手癖ってヤツなんだけど、それが随所に出てきて、しかも力強くグイグイと引っ掛かってくるからたまらない。正に音の洪水に身を任せてってなモンです。あぁ、ブルースは心地良い…。



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Peter Green - Hot Foot Powder

 フリートウッド・マック離脱後、ソロアルバムを何枚かリリースしていつの間にかあっちの世界に行ってしまったとかいうウワサを聞いたきり音沙汰のなかったピーター・グリーンだったが、ゲイリー・ムーアの努力か、時代の流れなのか、復活するというウワサが流れ、ゲイリー・ムーアのライブで一瞬顔を出したとか色々伝え聞いたものだ。そして実際にシーンに復帰してきたのだから凄い。しかも思い切りブルースメンとして復活してきたから自身の伝説と併せて期待をもったものだ。そしてリリースされたのが全曲ロバジョンのカバーという衝撃的なアルバム「Hot Foot Powder」。全く凄いのを出してきたなぁ~と思いきや、すぐにコレをリリース。

Hot Foot Powder Me & the Devil

 「Hot Foot Powder」。しかもゲスト陣にドクター・ジョンやらオーティス・ラッシュやら、ヒューバート・サムリン、更にはハニーボーイ・エドワーズだ。いや、知らないけど、ロバジョンの友人のデルタブルースメンってことでもうかなりの高齢だったにもかかわらず、このアルバムへの思い入れってなもんだろう。ロバート・ロックウッド・Jrはさすがに体調不良で不参加だったらしいがしっかりロバジョン系には声掛けしているところが見事。

 先にリリースされた「The Robert Johnson Songbook」とこの「Hot Foot Powder」でロバジョンが生前に残した全29曲を全てカバーしてしまったという全くイカれたアルバムってなモンで、そういう人はそうそういないだろう。しかもそれがしっかりと商業ベースに乗って売っているってんだから見事。そこはピーター・グリーンの伝説の成せる業。しかしロバジョンの曲ってこんなんだっけ?聞いているとアレンジがしっかりしているのかそれぞれ個性を持ち合わせた曲に聞こえてくるんだけど、多分本質を聞いて再現しているからなんだろう。ロバジョンだけを聞いているととてもこんなに多彩な音楽には聞こえないもん。そういう意味でもやはりピーター・グリーンの才能を知らされる。

 ゲスト陣の音色はそれぞれ個性的には聞こえてくるので割とわかりやすいと思う。ドクター・ジョンなんて顕著だし、バディ・ガイも個性バリバリだしさ。ま、他のゲスト陣は正直よくわからんけど(笑)。やっぱ一番気になったのはこのバディ・ガイが参加してる「Cross Road」かね。クラプトンよりも早いデビューで、同じようなストーリーを歩んできた人のハズだし、レベルもクラプトンよりは面白いだろうけど、やっぱり売れ線に拘るクラプトンとは異なる道になるんだなぁと。クラプトンのロバジョンカバーアルバムが可愛く見えるくらい本気度が違う作品。

 ちなみに「Me & the Devil」っつうロバジョンカバー作品を網羅して、更にオリジナルのロバジョンも組み合わせた三枚組CDもあって、安いし結構お得。

Gary Moore - Blues For Greeny

 アグレッシヴなブルースギタープレイヤー(?)とどうしても(?)が付くんだが(笑)、ゲイリー・ムーアさん…、もそういう作品をリリースすることがある。元々ブルースから入っている部分はあるからおかしくないしエモーショナルなプレイで一世を風靡しているので何らおかしくはないのだが、やはり違和感ありありなのはどうして??ブルースメンじゃないからかなぁ…。

 しかし、ブルース好きでしっかり弾きまくれるのは誰もが周知の事実。イメージで判断してはいけないのだが、ま、個人的なイメージでしか書けないブログなので良いじゃないか。しかし作品の音だけを聴いていたら誰なのかわからなくなるようなブルージーな音のものがある。

Blues for Greeny Old New Ballads Blues

 1995年リリースの「Blues for Greeny」という作品。そう、知ってる人は知ってるんだろうけど、当時隠居していたゲイリー・ムーアの師匠でもある元フリートウッド・マックのブルースギタリスト、ピーター・グリーンに捧げるアルバムです。っつうかその後復活したんだけどさ。だから全曲ピーター・グリーンのカバーソングで占められている、ようだ。原曲全て聞いてないからわかんないけど、多分そうだろうな。故にシンプルなコード進行のちょっとモダンな香りのするブルース風味の曲が並ぶ。そこにゲイリー・ムーアは本家本元のピーター・グリーンから譲り受けた今やレモンドロップにまで色褪せてしまったレスポール…しかも59年製の、というから無茶苦茶名器ですな、それで弾きまくってます。いや、弾きまくってはいない、弾いている、だ。ゲイリー・ムーアにしては珍しく、師匠に忠実であるが故に歪ませてロングトーンで、とかじゃなくて割とナチュラルな音色で弾いているのが良い。この人のプレイで歪んだギターでやると別の方向に行ってしまうので、もっとナチュラルな音でも良かったと思うモン。フェンダーのツインリバーブあたりにダイレクトでぶっこんで弾いてくれれば良いのにな。ビデオではこのライブバージョンもリリースされていたけどDVDではまだ未発売っぽい。

 …とまぁ、そんな経緯のあるアルバム「Blues for Greeny」なので、素直にブルース作品として聞けます…?ん~、まぁ、ちょっとモダンなところあるからイージーリスニング的になってしまうのはあるけどさ。ただ、ギターはやっぱ凄い。ここまで粘っこくエモーショナルに弾ける人はそうそういない。ブルースとかではなくってエモーショナル…、だね。しかしレスポールの59年ってこういう音なのかな…。ジミー・ペイジのとは大きく違うけど、セッティングの問題か…。



Roy Buchanan - That's What I Am Here For

 多彩なジャンルに精通したミュージシャンやギタリストというものはアルバム毎や楽曲毎にかなり異なるアプローチを試みるもので、そのおかげで掴み所のないアルバムにあってしまったり捕らえどころのないミュージシャンと思われてしまったり評論されてしまったりすることも多いみたいで、なかなか全体を押さえきれない人がいる。いや、それこそホントのミュージシャンだと思うけど、やっぱりそこはロックという狭義のカテゴライズがあるわけさ。いや、だからそこのゾーンにどうアルバムを打ち出すかってのが売る側の仕事だったり作り手の意図だったりする…んだと思う。

That's What I Am Here For That's What I Am Here For/Rescue Me

 ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ離脱後に白羽の矢が立ったギタリストでもあるロイ・ブキャナン。彼のギタースタイルを聴いていると結果ストーンズに加入したミック・テイラーとも共通するが、上手くて的確なギタリストを当時のストーンズは欲しがっていたってことだろう。

 それはともかく、このロイ・ブキャナンって人は全く掴み所が難しいギタリスト・アーティストです。アメリカ人なので基本的にブルースやカントリーの影響下にあることが大部分なんだが、ジェフ・ベックと同様に革新的なスタイルを導入することも好きな人なのでそのサウンドが深みを持っているのだ。ブルースギタリストとして圧倒的なプレイを見せることが中心ではあるだろうけど、インストものも非常にユニークだったりするし、とんでもなくアグレッシブな速弾きをディストーションをかけてやったりするのもあるし、なにせトレードマークはテレキャスだ。それでこの音出すんだからとんでもない。

 ロック好きのファンが取っ付くなら1974年にリリースされた三枚目の作品「That's What I Am Here For」が一番いいんじゃないかな、と。ギター的にもロック的にも。歌はほとんどボーカリストのビリー・プライスを雇って歌わせているのでロイ自身の歌は二曲程度だが、まぁ、歌は大して気にしなくても良いでしょう。うん、このビリー君の歌は割とソウルフルで良いんだけど、やっぱこんなもん、ってわかるから。その分ギターに耳が行くと思う。特にジミヘンのカバーを意識した「Hey Joe」でのギタープレイは結構ぶっ飛んでる。歌も歌ってるし。インストものが上手いギタリスト、ってのとはちょっと違うロックな魂を炸裂させてくれる曲だね。しかし歌がえらくソウルフルなのに対し、ギタープレイが思い切り派手なロックなので聴いてて凄くギャップがあるので、その辺ダメな人はいるかもしれない。ま、ベック聴ければ大丈夫でしょ。

 …しかし、ここまでギターを弾き倒すアルバムってのも久々に聴いたかも。やりすぎだろう、ってくらい弾いてる。それがまたエグくて聴いてしまうので余計にタチ悪い(笑)。見かけは普通のアメリカ人のおじさんなんだけど、無茶苦茶見かけとギタープレイがマッチしないアグレッシヴな人です。今ならこのアルバム「That's What I Am Here For」と次の作品「Rescue Me」がセットになって安くてに入る…。こういう売り方もどうなんかねぇ…。



Rory Gallagher - Rory Gallagher

 1972年の英国メロディメーカー誌でのギタリスト人気投票で栄誉ある一位を獲得したらしいロリー・ギャラガー。当時はクラプトンやアルヴィン・リーなどが人気が高かったらしく、その辺を押さえての一位獲得とはそれなりにメジャーなギタリストだったんでしょう。英国では。日本では??だけど。

Rory Gallagher Irish Tour 1974 [DVD] [Import]

 1971年リリースのソロデビュー作品「Rory Gallagher」。その前からテイストというバンドでアルバムリリースしていたりしてたので特に新人というワケでもないんだろうけど、やっぱりちょっとニュアンスガ違う感じで、ギタリストのデビューアルバムっていうところかな。まぁ、この人の場合はテイストよりも自身の名前での方が有名なので、違和感ないんだけど。

 かなり器用な人で、このファーストソロアルバム「Rory Gallagher」ではギターと歌はともかくハープとサックス、マンドリンまでこなしているという多才ぶり。サックスって凄いよな。それもまた普通に聴けてしまうレベルなんだからミュージシャンです。そしてアルバムの中味ってのがこれまた多彩なジャンルにまたがる楽曲群が入っててさ。最初の「Laundromat」は思い切りブルースロック的なリフから始まるのですげぇかっちょよく聞こえてしまうし、このまま突っ走ったら良いのに~なんて思うくらいの曲。そしたらアコースティック的に不思議な感覚で弾かれる歌が始まり、また大人しい様子のメロウな歌も始まるし…。ちょっとラグタイム風なブルースもあったり、結構バラード系でしっとり聞かせることの上手い人なので、最初期からそういう傾向はしっかりでていたんだな。その分ちょっとセンチに聞こえすぎるキライはあるけど、良いね。今更ながらじっくり聴くと、ヒシヒシと伝わってくるものがあって、声とかギターとか…、歪みすぎていないストラトの音で空間を演出してくれる魔術師的な音も聴かせてくれるしね。

 こういうアルバムをじっくりと何度も何度も聴き直してギターを弾きたいものだ。今は時間がなかなか取れないからできないけど、特に3曲目の「I Fall Apart」がもの凄く印象的な楽曲で素晴らしいです。いいなぁ~、これ。ロリー・ギャラガーはライブ盤、っていう鉄則があったけど、全然そんなこともなくてこのファーストアルバム「Rory Gallagher」は凄く良いぞ。

 しかしアマゾンの輸入盤だとどれもこれもおかしいくらいに安い…。正に大人買いで揃えちゃうかも…。


Ten Years After - A Space in Time

 日本に於けるロックバンドの人気ってのは実に様々なんだなぁ~と、ネットで検索をしていると思うことがある。テン・イヤーズ・アフターってショップサイトではいっぱい出てくるんだけど個人サイトみたいのは全然少なくて、そこまでど真ん中って人もいないのかな、って思ってしまう。っつうかネットでアルバムとかバンドとか探して見る時ってどんなアルバムが人気があるのかとか、どういう聴かれ方してるのかな、とか見てみたいんだよね。だからショップで売るために書いてあるような文句ってのにはあんまり意味がなくって、個々人のレビューが読みたいんだな。好きな人のサイトってそれが愛情を込めて好き嫌いが書いてあって参考になるんだもん。ま、自分で決めれば良いことなんだけどさ。

ア・スペース・イン・タイム(紙ジャケット仕様) ストーンドヘンジ+4

 1972年にリリースした「ア・スペース・イン・タイム」という7作目の作品。テン・イヤーズ・アフターって1967年にデビューしているから5年間で7枚のアルバムをリリースしているバンドなワケよ。一番のピークは1969年前後で、ウッドストックが手伝ってるけど、このアルバムの前の作品「ワット)」までは結構面白い音を出していて、バンドメンバーもしっかりと地に足着けてレコード出してたもん。だからそこまでは割と聴いてたことが多い。ブルースロックっていう括りでは括れない音楽性ではあったけどね。

 さて、この「ア・スペース・イン・タイム」という作品。正直言って問題作(笑)。ブルースロック好みなら「ストーンドヘンジ」から「クリックルウッド・グリーン」あたりが一番面白いだろうからそのヘンを聴くべきだと思う。たださ、何となくコレ、どんな音だっけなぁ…、つまんなかった記憶があるけど…ってことで聴き直してみたんです。そうね、どっちかっつうとアルヴィン・リーのギターを聴くバンドというのから変わってきていて、歌を聴かせるバンド、みたいなところが出てきてた。ヒット曲?「I'd Love To Change The World」なんかもどこかスタンダード的な歌モノ要素が強いし。いや、バックでオブリで入っているギターソロは全編に渡って歌いまくったギターなので凄いんだけどね。この辺はポール・コソフ並みですよ、ホントに。頭振りまくってベース弾いてるライオンズの姿が目に浮かびますもん。

 改めて聴くとちょっとそんな印象でして、かと言って意外と悪くもなくってちょっとビックリしたのもある。これくらいでよかったんじゃない?みたいなとこあるしさ。ま、どっち行きたいんだ?ってのは出てるかもしれん。4曲目の「Over The Hills」ではストリングスを入れて新領域に挑戦しているし。いやいや、こういう歌中心のモノでアメリカ進出すればよかったのに、と思う部分もあるが、この頃の時代の流れは速かっただろうから難しいか。

 ジャケットもどこか捨ててしまった感があるし、やっぱりちょっと売るための仕掛けと売れるべきサウンドとのギャップが見えてしまった作品。それでもこの人達今でもたまに組んでやってたりするらしい。やり続けることってのは大事なことなんだ。しかし覇気に欠けるアルバムだ…(笑)。



2007年のTYA↓

Johnny Winter - The Progressive Blues Experiment

 英国に於けるブルースギターを弾くロック人間とアメリカ現地でブルースを弾くロック小僧とではやはり圧倒的に差が生じる。黒人ブルースってのはちょっと特殊な領域になるので別枠としておくけど、白人が奏でるブルースという意味でもやっぱり違いは大きい。やっぱアメリカ人は直系なんだよな。だからストレートに引き継がれている。黒人直系なんだけど、そこに白人なりの主張が入るからホワイトブルースの世界になる。英国ではもうひとつフィルターが入ってしまう=ナマで見て学ぶということがほとんどなかったってことで、憧れの音を如何にして真似るかというところで育ったんだよな。クラプトン然り、だ。だから独自の文化になたんだけど、アメリカのブルースを聴くとやっぱ凄い。

The Progressive Blues Experiment Live Bootleg Series, Vol. 2

 ジョニー・ウィンターって人は最初から特殊な人間で、アルビノっつうのもあるけど、その分黒人と仲良くなるのも早くて直系ブルースギターを早い段階で吸収していく環境だったようだ。そんなジョニー・ウィンターのアルバムデビューは一般的に1969年なんだけど、その実1967年には既に一発録音による立派なデモテープというかスタジオ録音テープが記録されていて、アナログ時代からインペリアルレコードからのリリースとして流通していた。CDでは「The Progressive Blues Experiment」というタイトルでリリースされている。ジャケットが良いね。普通こういうのってあんまりジャケットに拘らないんだけど、このドブロに映るジョニーってのはかっこいい。

 さて、中味…、おい、もうあのジョニー・ウィンターが完成されてるぞ。23歳くらいだったらしいが、もうあのままだ。ちなみにドラマーは後にスティーヴィー・レイ・ヴォーンと一緒にやって有名になるダブル・トラブルのトミー・シャノンなのだな。苦労人です、この人も。そして、一発録りだから思い切りナマナマしいんだけど、最初からあのまんま弾き倒すジョニー・ウィンターそのもので手数の多さが特徴的だし、音色もそのまま。歌も独特の声と歌い方なのでそのまま。要するにメジャーになる以前からスタイルが完成されていて、それに磨きをかけただけという状態な人なんだな。凄いわ、これ。ひとつひとつコピーしようと思ってもできないもん…。メタルギタリストの速弾きソロの方がまだコピーしやすい。ブルースギターの速弾きはコピーが至極困難だと思う。感情のフレーズがそのまま出てくるし技術じゃない部分多いからなぁ…。

 そしてまた怖いことにアコースティックドブロのプレイもデビューしてからと変わらないくらいの巧さ。もう脱帽です。何考えて生きてきたらこうなるんだろう?それが環境ってもんだろうか。そして同時代に英国でクリームが「Rollin' And Tumblin'」とかやってたんけどさ、こっちも同じくらい凄いことやってるワケで、いやはや…。そんな時代背景を鑑みて聴いてみるとこのクォリティの高さに驚く。いや~、こういうアプローチもあるよな、と。

 最近ではジョニー・ウィンター自身が制作に関わってリリースされているライブブートレッグシリーズもライブの楽しさをどんどんと伝えてくれるCDなんで集めまくってしまいたくなるな…。





Michael Bloomfield - Live At Bill Graham's Fillmore West

 やはり自分的にはロックの基本はブルースにある、とヒシヒシと感じる。メタルとか聴いているとそういうのはあんまり感じないけど、やっぱロックはブルースが基本です。んで、コソフなんかを聴いているとつくづく思うんだけど、そういえば昨年末にはマイク・ブルームフィールド関連の紙ジャケが6アイテムほどリリースされてて、何枚かを入手しててさ、それを書こう書こうと思いつつもなかなか機会に恵まれずに結局2ヶ月ほど遅れてしまったが、ようやく書ける(笑)。

永遠のフィルモア・ウェスト(紙ジャケット仕様) マイ・レイバー(紙ジャケット仕様)

 何と初めてCD化されたという素晴らしい復刻アルバム「永遠のフィルモア・ウェスト」。更に続編であるニック・グレイヴナイツの「マイ・レイバー」も一緒に取り上げておかないとね。もうさぁ、「スーパー・セッション」で一気にギターヒーローになってしまったマイク・ブルームフィールドがその勢いのまま新たなるメンバーとセッションを繰り広げていた頃の熱い演奏をそのまま収録したライブ盤で、もちろんフィルモア・ウェストの閉店記念という意味もあったらしいけど、いやぁ~、やっぱりこのライブは凄い。最初からマイク・ブルームフィールドさんの強烈なギターフレーズによるイントロで始まるんだけど、一瞬で音が途切れてしまって、また演奏し直してから始まるんだよ。んで、これってアナログの時から不思議に思っていて、何なんだろ?って思ってたんだが、何かにこの時のマイク・ブルームフィールドはピックを落としてしまって、演奏し直しているんだ、ってのがあって、初めてその事実を知って納得した。ピックなんて普通そんなに落とさないから、ここで?って思うけど、納得。しかしライブアルバムにするならそこカットすれば良いに、そのまま入れておくってのはユーモアなんだろうな、きっと。自信とも言うか。

 ギタープレイはもちろん強烈で、いつものようにレスポールなんだけどやや線が細い音で細かく弾いている姿、って感じでね、最初の「It Takes Time」は弾きまくってるけど、他はそんなでもなくって曲に合わせてサイドギタリストしている。この人ってジャズのセッションマンみたいなもんで、あちこち呼ばれるけど、自己主張を凄くするってのは結構少なくて、仕事をこなす人ってのが多い。それでもやればできちゃうからヒーローになるんだけど…。実際ソロアルバム「マイケル・ブルームフィールドの冒険」なんかでは地味~にアメリカンミュージックしてるし、ブルースだけに囚われない幅広い音楽性も打ち出しているし。まぁ、ファン的には思い切り弾きまくるブルースソングが好きなんで、もっともっと聴きたいんだよ。そうするとこの「永遠のフィルモア・ウェスト」ってライブも実はちょっと物足りない。続編となる「マイ・レイバー」の方が弾きまくってる姿をたくさん聴けるってのも面白い。

 ボーナストラックも同じライブから加えられているから嬉しいね。どうせなら二枚組増強盤とかで丸ごとリリースしてほしいくらいだもん、こんなかっこよいライブだったら。やっぱねぇ、ブルースの音色って良いよ。スローブルースの「Blues On A Westside」とかもさ、やっぱ心地良いし、心に染み入るギターってのはこの人のも素晴らしい。

 アルコール片手に一人でゆっくりと聴き入りたいアルバム。そういう意味ではジャズに近い感覚で聴いているかもな。裏ジャケットのフィルモア・ウェストの街並みもジャズっぽくてよろしい。

Paul Kossoff - Back Street Crawler

 ギタリスト列伝アルバムを書きまくっていた時に入れておけばよかったということに後で気がついたんだけど、なんとも貴重なギタリスト的アルバムがあったじゃないですか。しかもとっても名盤で重要な作品。まだ、このアルバムは書いてなかったんだ、と自分で驚いた。

バック・ストリート・クローラー+15<デラックス・エディション>(紙ジャケット仕様) ポールズ・ブルース

 ポール・コソフさんの最初のソロアルバム「バック・ストリート・クローラー」。今やデラックス・エディション+SHM-CDというこれ以上はないだろうと言うくらいの贅沢な究極バージョンが手に入るので買い時かも。自分的には古き良きオールドなオリジナルなレコードで聴いているので、ボーナストラックは聴いてないのが残念だけど、きっとそれくらいが丁度良いのだろう。(…とどこかのブロガーさんが書いてたので鵜呑みです(笑))。

 それはともかく、これだけ感動できるギタリストのソロアルバムっつうのもロック界ではそれほど多くなくって、しかもどこかのバンドに所属していた人のソロアルバムってあまり良い印象がない。ところがコソフの「バック・ストリート・クローラー」はギタリスト的エゴもしっかりと達成させて、しかも生半可じゃなくって18分近くのインストを、しかもセッションをこなして出来上がった楽曲を最初に持ってきてライブ感たっぷりの熱いセッションを聴かせてくれるのが素晴らしく、デラックス・エディションではそのセッションの多数のテイクが収録されているのだな。何とも魅惑的なお話。やっぱ早いウチに入手しなければ…。そうなんだよな、一曲の中でここまで飽きさせずにギターを聴かせるってのがなかなか難しいし、起承転結喜怒哀楽がしっかりと詰め込まれているので曲的に聴きやすいし、何よりもギター的なたくさんの技巧が組み込まれているところがよろしいのだ。最後の最後がコソフ特有のギタートーンで終わるのも嬉しいし。そしてこの曲で凄いなと再認識したのがアラン・ホワイトのドラム。イエス加入の前、だと思うけど、やっぱり凄いドラマーなんだな、と。シャープでロール効いててツボを得たドラミングでさ、コソフと息合ってる感じだもん。やっぱ上手いんだよなぁ。それでもイエスではブツブツ…。でもジョンとやってたんだから折り紙付きではあるか…。

 それで、2曲目と4曲目がボーカル入りなんだが、2曲目「I'm Ready」はJess Roden。なかなかこれ、と言ったバンドに所属したことないので知名度が低いんだけど良いんだよ、この人の歌。割とコソフに合ってると思うけどね。無茶苦茶ソウルフルでロジャースほどお上品でなくってもっと野性的なソウル感がある。そのおかげで後に参加するブロンコとかは黒っぽい印象を持つ作品になっちゃうんだよね。これもスワンプの始まりと呼ばれるところ。コソフはスワンプ好きだったみたいだし、いいよね。ちょっと驚いた発見だった。4曲目「Molten Gold」は云わずとしれたフリーの面々+ラビットなのでもうフリーっつっても良いでしょ。

 んでギタリスト的に相当お勉強になるのが「Time Away」っつうインスト。このギターがもうねぇ~泣きまくってるんだよ。音色が違うから多分ストラトの音。ジャケットに写ってるヤツかな。レスポールのしつこい音に慣れているのでやっぱこういう違いは出てくるねぇ。枯れたトーンが出てて良いメロディ奏でてくれます。最後はアルバムタイトル曲「バック・ストリート・クローラー」、これもギター的に聴いてしまう曲で…。うわっ、全部名曲。だからこれくらい短めのアルバムで一気に聴き通すのが一番良いんだ。

 ボーナストラックって難しい。コソフが生きてて、こんなスタジオセッションを正式にリリースしたか?って重うと、多分ないと思う。好きなリスナーは聴きたいけど、アーティスト側はやっぱ、ね、出さないだろうし。アルバムの構成的にも重くなっちゃうしさ。だから…どうなんだろ?でもやっぱ聴ければ嬉しいよな…。やっぱデラックス・エディション買わなきゃ(笑)。



The Answer-Everyday Demons

エヴリデイ・ディーモンズ(初回限定盤)(DVD付) エヴリデイ・ディーモンズ

 知らないウチにリリースされていたアルバムのひとつ。ジ・アンサーのセカンド「エヴリデイ・ディーモンズ」です。あっら…ってことで見たら年初早々にはリリースされていたんですな。結構精力的に活動していたのがちょっと沈静化したから多分アルバム作成だろうとは思っていたけど、そんなにマメにチェックするバンドでもないのですっかり抜けてた。どこかのサイトでライブ活動が頻繁に行われているのを見て、もしかして新作出てる?なんて思ったらやっぱり出てた(笑)。

 お~、ファースト「ライズ」よりも分厚くて自身に満ち溢れた音が詰まってるじゃないか。しかもかなりバージョンアップしてるし、勢いも凄い。楽曲単体で聴いてみるとファーストアルバム「ライズ」の方が粒揃いのリフとかあったので、やや分が悪いがそれでも実験的な部分は色々を聴いてとれるし、そんな細かい部分よりもバンドとしてのグルーブと正に絶頂期と言わんばかりのエネルギーがかっこよい。これぞロック、と褒め称えたくなる音だね。

 70年代ロックの焼き直しという部分が大きいので自分的にも聴きやすいし、熱を入れやすいんだけどノスタルジックだけではないものを持ってるような気がするし、ここから新たなロック観をどう見せつけてくれるのかも楽しみ。まぁ、そんなことよりもこの「エヴリデイ・ディーモンズ」というアルバムではレスポールの音がもう一段太くなった感じだし、ボーカルの声が一段と太くて迫力のある声になっている。ベードラのリバーブがもう少し深めで重くかかっていたらかなり好みの音だったんだけど、それってツェッペリンかい?ってなっちゃうのでこんなもんで(笑)。

 若いバンドの勢いとかエネルギーとパワー…そしてひたむきな姿、そんなのが全編に溢れていてしかも英国(アイルランド)的ハードロックなので誰が聴いてもかっこよいし惹かれると思う。限定版のDVD付き「エヴリデイ・ディーモンズ(初回限定盤)(DVD付)」とかもあるらしいが、どっちでもいいや。聴いていると何か忘れてたモンが甦ってくるよ、これ。アルバムとしちゃぁ、前半は凄いぶっ飛ばしてくれるけど、だんだんダレてくる部分もあるけどさ(笑)。



Magenda - Seven

 ちょっとまったりとした感じの音を求めて、またアレコレと探している時に名前を発見して調べてみてちょっと興味を惹いたモノ、それが女性ボーカルであればなおのことしっかりと聴こうかなという気になる。そして入手したものの暫くの間放置されっぱなしというのもよくあるのだが…。そんな中からそういえば、ってことで聴き始めました。しかし、どんなバンドだったのかという情報すら消え去ってしまったので全くの初見で聴くということになって、それはまたそれで楽しめるってのものだ。

Seven Metamorphosis

 2004年リリースのマジェンダというバンドの三枚目「Seven」。一般的には相当の名作と呼ばれることが多く、それで気になったのだろう。プログレバンドの位置付けで捉えられている事が多いらしく、そういうことなのかな、などと期待満々で聴くが、冒頭からかなり笑わせてくれた。イエスとかジェネシスとかそんな感じのせせこました感じの曲とメロディで、もちろん楽器も巧いので退屈ではないけど、うわぁ~、個人的にはキライな世界の音だ~、と(笑)。まぁ、もちろんそれでも聴き続けるのですが、2曲目以降はそんなコケティッシュな曲も大してなくって、しっかりとマジェンダっつうバンドの姿勢を打ち出しているではないですか。最初からそういうサウンドにしてくれよ、と思うのだが…。

 クリスティーナ嬢というお姉ちゃんが歌っているんだけど、アルバム全編聴いていると楽曲のシュールさもあってなんだろう…、ルネッサンスとかトラッドフォーク的なのとかもしかするとケイト・ブッシュとか普通のアイルランド/英国の女性歌モノポップスを聴いているような感覚に陥ってくる。プログレッシブだと呼ばれるのは楽曲構成の一部とかところどころで見せる展開だろうか。2曲目とかはそういう感じではすごくよろしいし、美しい。この「Seven」というアルバムは見事に「七つの大罪」をそのままテーマとして作られていて、どれもこれも10分以上の楽曲なのでそれぞれで見せ場があるんだけど、非常~に聴きやすく、そしてしっかりとハマれる美しさを持っているのでサラリと聴いてしまえる。確かに名盤と呼ばれる作品だろうと思う。

 メロディアスな歌、強調し過ぎない楽曲の音、世界観の構築などもっと一般受けするべき音の作り方ではあるな。ちなみに英国のバンドなので、しっかりと自分のツボにはハマりやすい音なのです。まぁ、所々で出てくるイエス風なところがダメではあるが(笑)。

Dark Moor - Autumnal

 先だってのフェアリーランドのゲストボーカルで出てきたダーク・ムーアのエリサ嬢だが、そういえばそのダーク・ムーアもエリサ嬢が脱退してからもう4年、4作の作品をリリースしていて、もう歴史を作りつつあるとのことで…、へぇ~、なんて思ってアレコレ見てると昨年暮れに新作出ていたらしい。なのでそいつをちと聴いてみましょうか…と。

オータムナル タロット

 「オータムナル」という作品でして、ジャケットが結構ゴシックメタル風ではあるなぁ…と思いつつ、まぁ、ボーカルも男だから…とそんなに期待もしないで聴いたんだけど、さすがに7作もリリースされているバンドなだけあって実力派です。巷で言われているように確かにラプソディの構築したシンフォニックメタルの世界に近づいているんだけど、そんだけでもなくってもちろん芯のある自分達の色を出しているバンド。あ、スペインなんだけどね。

 いやぁ~、その辺の評判とかファン層の流れとかとは結構異なった印象を受けたアルバムですな。言い方変えると、あくまでも古くからの正統派ヘヴィメタルの継承バンドでもあるんじゃないか、と。シンフォニックさも強くなっているのは事実だし、アレンジ力も圧倒的な力量を示してくれるんだけど、何よりも昔ながらに骨のあるメタルのサウンド、ってのが良い。歌は割と変幻自在で仰々しく歌い上げるのもあるが、メタラー的に歌うのもあって面白いし、女性ボーカルやちょっとデス声もアクセントで使われている。それは作品に応じてのアクセントなので、ありだろうな、と思う範囲内で練られているな、と思う部分。そして更にこのバンド独特のクサさというのかメロディアスな旋律がしっかりと生きているところが良い。しかも軽々しくないのがね、良い。やっぱメタルやロックってのは重くないといかんのですよ、ホントは(笑)。

 さてさて、この「オータムナル」という作品の冒頭を飾るのが何と「白鳥の湖」のメタルバージョンでして、これがまた凄い。あれ?って思ったけど、サビが来るまでイマイチピンと来なかった。多分あまりにも変えられていたからなんだけど、違和感なく…っつうかこういうアレンジもありかぁ~と唸らせる程なので、ちと面白い。前作「タロット」でもあれこれとやってたらしいけどまだ聴いてないのでノーコメント…多分同じように完成度の高いクラシックカバーだったんかな、と思うが。

 そんなことでこの世界も面白いのあるなぁ…というのがわかって、ここ最近はどっぷりと浸かってみましたが…、ブルースが恋しい…と思う今日この頃でした(笑)。

Fairyland - Of Wars In Osyrhia

 シンフォニックで美しいメロディとメタルカラーでしかも女性ボーカルで、壮大でコーラス隊もオーケストラも加えてメリハリの効いたサウンド…すなわちラプソディがその筆頭ではあるんだけど、当然ながらフォロワーも出てくるワケで、しかしってもそのフォロワーって相当な事じゃないと出来ないだろ?とも思うんだけどさ、しっかりと出てきていたワケでして、これがまたとんでもない世界を構築しているという…。

オヴ・ウォーズ・イン・オシリア ザ・フォール・オヴ・アン・エンパイア

 ラプソディがイタリア産に対し、このフェアリーランドはフランス産。フランスでもこんだけ壮大なメリハリのついたのって出来るんだ…とちょっと驚く。しかもギターだってとんでもなく速く弾かれていて凄いテクニックだしさ。何となく壮大さとかクワイア部隊の荘厳さとかはわかるんだけど…、しかし完全にフォロワーの域を超えて跡継ぎと言っても良いくらいに同じような音です。こっちの方が壮大かもしれない(笑)。各楽器が際立っていないっつうか、全部が攻めてくるっていう感じで、音の洪水。シンフォニックを通り越した世界だもん。

 あ、2003年にリリースされたファーストアルバム「オヴ・ウォーズ・イン・オシリア」です。ボーカルが決まらずに結局Dark Moorのエリサ嬢が歌っているというものなんだけど、これがまた超スピードメタルな中で歌っているので正直男でも女でも大した違いはない…。不思議なのはこんだけ音が詰め込まれていてスピードメタルで迫ってくるのに音が軽いってことだ。だから聴きやすいんだけど、その分印象に残らないんだよな。曲は凄く良質なのわかるし演奏テクも凄いのわかるんだけど、その辺が難しいなぁ…。インギーとかを好んで簡単に覚えれる人は大丈夫だと思うけど、自分的にはちと大変。それでも面白くてちょこちょこ手を出してしまうジャンル(笑)。多分しばらく聴いて離れると思うけど…、でもさ、こんだけ進化してるのはホントに聴いていて面白い。

 もう一枚「ザ・フォール・オヴ・アン・エンパイア」という作品がリリースされていて、更に遡るかのようにこの「オヴ・ウォーズ・イン・オシリア」のデモテイクが元のバンド名義でオフィシャルサイトでリリースされていて、そっちもなかなか面白い。こんだけのクオリティを作れるんだから新作出たらまた聴いてみたいって思う人多いハズ。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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