Europe - Almost Unplugged

 北欧のメタルシーンは80年代初頭から注目され始めて、日本では北欧メタルというひとつのジャンルを形成して進化を遂げている。多分今の時代もアーク・エナミーを筆頭とした北欧メタルってのは依然と注目され続けているんだと思う。まぁ、スウェーデン産のメタルとも言うが。そんな北欧メタルの先端を切って世界的にメジャーに知らしめたのがヨーロッパってバンド。「The Final Countdown」が有名で、多分誰もが知ってるんじゃないか?ってほど。バンド名が大胆過ぎて音がついてこれないなんてことはよくある話だけど、このバンドはこの一曲が大層な曲だったので、しっかりとヨーロッパ大陸の音という認識をされてしっかりと一世を風靡。近年再結成したらしくアルバム「Secret Society」もリリース。んで、最近になって2008年初頭にアコースティック形式で行われたライブがCD化されたのを聴いたワケだ。

Almost Unplugged The Final Countdown

 「Almost Unplugged」。ほぼアンプラグド、ってことらしい(笑)。確かに聴いてみるとほとんどアンプラグドだけどいくつかエレキバリバリってのもあるので、正しいタイトルの付け方かもしれん(笑)。こういう企画モノで面白いのはカバー曲だったりするんだが、彼等が影響を受けたバンドなのか、単に好きな曲なのかわからんが、多分どっちもだろう、ピンク・フロイドの「Wish You Were Here」だったりレッド・ツェッペリンの「貴方を愛し続けて」だったり、シン・リジィの「Suicide」だったり、UFOの「Love To Love」だったり…。自分達のオリジナルだけでも結構良質な曲が多くて、このアルバムを聴いていても優れたメロディラインとジョン・ノーラムの割とブルージィなギターなんかもしっかりとしていて良いのにね。そこにこんなメジャーな曲ばかりのカバーを入れるあたりが大人になった証拠か。こういう落ち着いた作品でこそ本領が出てしまうのだが、いや、結構よろしいんです、これ。どれもこれもアコースティック用にアレンジし直されていてさ。ギターも枯れた感じがあってね。「The Final Countdown」だって全然枯れた感じのアレンジで飛び抜けて目立つようなものになっていないし。それよりも3曲目の「Devil Sings The Blues」ってのがえらく良い。ジョン・ノーラムってこんなにブルージィーに弾く人だったんか?って思うくらいヨロシ。

 カバー曲に至っては結構忠実なカバーをしていて、独自性をあまり出さずに原曲に近くやってる。だから聴きやすいね。よくコピーしてる~って感じ。最初はこの辺に興味が走ってしまったけど、慣れてくるとやっぱりヨーロッパっつうバンドの曲の良さに気付き始める。しっかりしてるしさ。やっぱ北欧のメロディと美しさってのを持っているバンドなんだな、と。20年も経てば大人の音にもなる、か。「Almost Unplugged」、聴いてみるとかなり良いのでオススメ。YouTubeで探すと全曲見れるのでお試しに♪



Yngwie Malmsteen - Perpetual Flame

 ここの所リリースされた新譜漁りをしていたんだけど、結構出てるんだなぁ。昔から知ってる人達のリリースが結構多いのにビックリした。やはり売れる物はいつまでも売るっていうところかね。ちょっと興味惹いたので久々に手を出してみようと思ったのがイングヴェイの新作「パーペチュアル・フレイム」。いやぁ、とにかくジャケットのダサさが既にストーンズ化していて、ジャケなんてもうどうでもいいぜ、ってくらいにダサくて恥ずかしい。今時こういうダサさを思い切り出せる人ってのも少ないかもしれん。

パーペチュアル・フレイム(DVD付) コンチェルト・ライブ・イン・ジャパン・ウィズ・新日本フィルハーモニー交響楽団

 こないだ出た新作「パーペチュアル・フレイム」ではどうやらボーカルがまたまた替わっているらしく、元ジューダス・プリーストのボーカリストってことで、本家の方がロブ復活なので余った方は知名度だけを引っ提げて放浪の旅となったのか、イングヴェイのお眼鏡に適ったというところで一緒に作品をリリース。それまでもライブで多々披露していたらしいけど、どうにもしっくりこなかったという話はネットで読んだけど、こうして新作を聴いている自分的には全然いいんじゃない?って感じ。以前とか色々と比較するとわかんないけど、現時点でのこのアルバムでのこの歌はハマっってると思う。もっともインギーの場合はギター聴く方に耳が慣れているから歌にあんまり拘らなくて良いってのあるけどさ。

 しかし、初っ端から驚いた、っつうかインギーもこういう路線の曲やるんだ、と。オールドなファンだったので最近のインギーほとんど聴いてなかったし、相変わらずなんだろうと思ってたけど、それはギターソロの凄さだけで、曲の作り方がこうまで変わっているのはちょっとビックリ。やっぱり最先端のギタリスト達がいっぱい出てくると大御所も影響を受けて変わっていくのだろうか。こんなリフでの曲なんて昔じゃ考えられなかったもん。でも、これ、かっこよいな(笑)。やっぱヘヴィメタってのはこうじゃなきゃいかんぜよ。殊にアルバム前半にナイスでかっこよい曲が集められているのでアルバム的な評価は高くなると思う。

 しかし後半はちょっとトーンダウンした曲が多くてちょっと退屈。そしてインスト曲が何曲か…、これもインギーならではの聴かせ方なので悪くはないけど、やっぱりアルバム全編を思い切りメタルで持っていって欲しかった。それでも大御所の今時の15枚目のアルバムにしてまだここまでオーソドックスなヘヴィメタを聴かせてくれるってのは嬉しいね。相変わらずのギターソロはホレボレしちゃうし、うん、何度も聴かないけど裏切られないアルバム。



Jeff Beck - Performing This Week...Live at Ronnie Scott's

 つい先日のザ・フーのライブの後の打ち上げで今度はクラプトンが来るぞ、そしてジェフ・ベックも来るぞ、更に一緒にライブやるんじゃないか?なんて話をしてオールドなロックファンは盛り上がっていたのだが…。それにしてもここの所の宣伝にあったのはその他にビリー・ジョエルとかジャクソン・ブラウン、ブライアン・セッツァーにロッド・スチュワート…、果たしていつの時代の来日公演の宣伝なのか、見事に大人になったオールドなロックファンから摂取しようとしているようにしか思えない程時代錯誤も甚だしい来日公演ラッシュ。いやぁ~、嬉しい限り。そうやって見れないものを最後だと思って見に行くものなんだろう。そしてその打ち上げの時ですら、自分はベックってのはイマイチよくわかってなくって、見に行くべきかどうか…などと宣っていたのだが…。

ライヴ・アット・ロニー・スコッツ・クラヴ [DVD] Performing This Week...Live at Ronnie Scott's

 いや、何気なくこのライブ「Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz Club」のBBC放送バージョンを見てしまったのだが、かなり驚いた。革新的な人だし、先進的な人、そして変化することこそベックのギターというイメージはあったのだが、それはあくまでも音世界の話であって、今のベックのライブのギターってのはこんなに歌ってるのか!と驚いたのだ。いや、そりゃ「Blow by Blow」でもギターが歌ってたし、今更って話じゃないけれど、何故か今まではライブ映像を見ることもなかったからか、音だけでは全然ピンと来なかったものだ。しかしこの映像見たら凄く印象が変わった。これからベックを多分漁るように聴くと思う。それくらいに印象が強かったライブです。

 そもそもこのベーシストのお姉ちゃん、何者?こないだまでジェニファーっつう凄腕ギタリストのお姉ちゃん連れてきてたのは知ってるけど、今度はベースのお姉ちゃん…、しかも可愛い顔して笑顔が素晴らしい女の子なんだけど、ベースが的確な巧さなんだな。もちろんベックとやってる時点でそれは確かなんだろうけど、完璧なリズム感となんというのか的確なフレーズでさ。しかもカラダが小さいからベースがデカくて面白い。他のメンバーももちろんテクニックは抜群なんだけどさ、その中で全然浮いてないんだもん。凄い。

 で、見事にこのベックのライブなんだけど、ギターが歌ってる。明るいノリから聴かせるフレーズ、もちろん白熱したプレイや泣かせるプレイ、叫ぶようなシーンもあればすすり泣くようなシーンもある。オーソドックスな音世界を奏でることが一番少なかったかもしれない。それはもしかしたらゲストにクラプトンを迎えてプレイした「You Need Your Love」くらいだったかもしれない。もちろんDVDには未収録なんだが、別に見る必要があるほどのプレイでもセッションでもないから未収録でもいいんだけど、明らかに安定志向に落ち着いてしまったクラプトンと革新的なベックのプレイの違いと音の勢いの違いを感じてしまうところかもね。客席にいて、ちらりと映るジミー・ペイジは参加しなくて正解でしょ。ついでにロバート・プラントも映ってたので、このライブってば凄い観客がいっぱいいたのだ。「People Get Ready」もゲストのお姉ちゃんが歌ってたけど、やっぱロッド…歌ってほしいねぇ。

 それにしてもベックのギターがこれほど面白いと感じたのは初めて。邪道かもしれないけど最近のライブから漁ってみようかなぁ…。スタジオ盤はデジタルビートやら何やらと凝りまくってるらしいので、それよりもこういうライブ一発の方がベックの多彩なプレイを楽しめるでしょ。うん、良いです、これ。DVD盤はもっと長く収録されているみたいなので楽しみ。




Enya - And Winter Came

 秋から冬にかけて新作ラッシュが多いのは昔からだけど、しっかりと冬の色が着いたアルバムをリリースするアーティストも毎年結構いるものだ。まぁ、クリスマスっつうイベントもあるから12月に入るとより一層そういう目線での商戦が展開されるのだろうけど、その時に必ず入ってくるんじゃないかと思っている新作がこれ「雪と氷の旋律」。

雪と氷の旋律 アマランタイン~プレミアム・ウィンター・エディション~

 エンヤさんの正に冬とクリスマスをイメージしたアルバムで、よくもまぁこれほど上手に表現できたものだと関心するくらいに冬と雪という言葉が似合う作品。タイトルからして「雪と氷の旋律」だからね。こんこんとした中でぼーっと聴いているにはほんとにリラックスできる癒しのアルバムですな。最後の方に少々遊びが入ってるくらいで、徹底してエンヤさんの独自の世界で、聴いているのか聴いてないのかわからなくなるくらいに空気と化してしまうサウンド、っつうのか…。

 うん、最後から二曲目の「My Time Files」ってのが今までほとんどビートルズに影響を受けなかったエンヤさんが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を聴いた時に閃いて作った曲らしく、まぁ、ビートルズらしい歌で話題。でも、これ聴いてるとケイト・ブッシュみたいに聞こえるんだけど、やっぱ英国感覚があるから?エンヤさんはアイルランドの歌姫なのでわかるけどね。

 なんだかんだと結構聴いているエンヤ。ただどのアルバムのどの曲なのかとかそういう面では全く記憶にないから問題(笑)。ただ聴いているとエンヤだなぁとわかるくらい。最近ちょっとポップ系のニュアンスの入ったアーティストを探しているので、こういうエンヤさん的に独自の世界を持った人は魅力的だよね。何年に一度しか聴かないけど強烈に印象残ってるからいつでも聴ける、ってとこ。ジャケットも素晴らしく冬だしね。



Brian Eno & David Byrne - Everything That Happens Will Happen Today

 新作情報の入手ってのはなかなかやっかいな代物で、好きなバンドだからと言っても常に全ての情報収集しているワケでもないので見逃すこともある。そういう意味では先日The Musicというバンドが来日公演を行っていた、という事実をまったく知らずにいたこともあって、情報収集の難しさをヒシヒシと感じたものだが、果たしてどういう形が上手く使えるのかね。一方では大して興味はないけれど知っているということがよくある。これもまた面白いもので、何かの話題の時に話が繋がるくらいには知っているっていうものだ。そういう意味では早くもあり遅くもあった新作情報としてデヴィッド・バーンとイーノのコラボアルバム。

Everything That Happens Will Happen Today My Life in the Bush of Ghosts

 1981年にトーキングヘッズが問題作「リメイン・イン・ライト」を録音していた時に一方では二人のコラボをしていたってことで一枚目のアルバム「My Life in the Bush of Ghosts」をリリースしていて、これもまた特殊な作品だったためにマニアックなアイテムになっているようだが、そんな二人が久々にコラボ。イーノもここの所古くからの人と結構仕事を再開していることも目立っていて、ダラけたアーティストの作品群に喝を入れるかのようにソリッドで切れ味の鋭いエッセンスを盛り込むことで復活させていることも多いみたい。そういうスタンスを常に持ち続けているイーノのセンスは凄いと思う。更に音を聴くと確実にイーノが関わっているってのがわかる特性を持っているのも一人のアーティストとしては素晴らしい個性。珍しい人だよね。多分唯一無二の存在。

 そんなイーノと再度手を組んだデヴィッド・バーンとイーノが放つこないだウェブでリリースされて、最近CD化された新作アルバム「Everything That Happens Will Happen Today」。恐ろしいまでのイーノ節にバーンの声による抑制の取れた歌が入っているが、どこか可愛い声に聞こえてしまうところが不思議。もっと研ぎ澄まされた声で迫ってくると面白かったんだけど、そこもイーノとの対比となって良いのかもね。音的にはインダストリアルなリズムにイーノの切れ味抜群の鍵盤が乗り、美しさと鋭さが同居したもので、やはりアバンギャルド的とも云えるけど、歌が聴きやすい分大人のポップスという様相にもなっているので物は試しに、っていう人でも聴きやすいはず。もしくはiPhoneやWindowsの起動音を作った男の作品ってことで聴いてみても、まぁ、聴きやすいでしょう。

 そうそう、ゲスト陣にフィル・マンザネラと、驚くことにロバート・ワイアットがドラムソロを披露してくれている。なんかそれって、どうやって?って感じでしょ?もちろんイーノのマジックがあるから出来るんだろうね、これ。



The Pretenders - Break Up the Concrete

 往年のアーティストでも新進のバンドでも真の意味でロックを感じることは実はあまり多くない。もちろんロックだなぁ~と思う音を出しているバンドもあるし、アコースティックでもロックだなぁ~と思うこともあるんだけど、ここ最近全然期待しないで聴いてみたらもの凄くロックしていて驚いたのがプリテンダーズの新作。こないだ出したばかりの作品だからもう30年選手に近いんじゃない?クリッシー姉さんの気合いの作品「Break Up the Concrete」。

Break Up the Concrete Pirate Radio

 なんつっても初っ端の「Boots Of Chinese Plastic」からして驚いた。一体誰がこんなギター弾いてるんだ?とかね。もちろんそれよりもプリテンダーズの最初期に戻ったかのようなクリッシー・ハインドのロック魂が炸裂しまくっていて、どれもこれもちょっと切ない気持ちになるメロディセンスと相変わらずのビートを効かせた曲で、今となってはアメリカ人のバンドのハズなんだけどどこかやっぱり英国の感じを持っているのはクリッシー・ハインドの環境のせいか…。いやぁ~、良い。これはもの凄く良い。最初期のプリテンダーズの雰囲気そのままのアルバムで、自然体で作るとこうなるのかな。ロック名とんがり具合もそのままだし、何と言ってもあの声に陰りがないしね。艶やかに伸びているんだよ。それでいて重みをじっくりと感じさせる人生の深みも聞けるというか、そんな感じで、もっともっと幅広いリスナーに聴いて貰いたいと思うくらいに良い作品。

 楽曲レベルで言うとどうにもアメリカのカントリータッチの雰囲気の曲がいくつかあって、それはそれで良いんだけど、プリテンダーズ?って感じはするけど、まぁ、それでもやっぱりクリッシー・ハインドが歌えばそれはプリテンダーズってことで幅広い音でもしっかりと消化してしまう懐の広さってとこか。ジャケットもロックだし音も凄くロック。別にうるさいわけじゃないし、基本アコースティックな部分もあるけど、久々に骨太な、というか骨の髄がロックしているアルバムを聴いた。

 こないだいたち野郎さんとこのブログでキースのインタビューについて書いてあったんだけど、正にパーフェクトなモノを求めていたバンドがシンプルに基本に還ってやってみたら一番ロックなアルバムが出来ましたと言う感じ。凄く心に染み入る、ある意味秋でなければ聴けないアルバムかも。いいね、クリッシー姉さん、死ぬまでロックしてくれ。

The Police - Certifiable

 ここのところ面白いブツが多数リリースされている。それは横のアマゾンスライドショー見ていてくれればわかるんだと思うけど、もちろん個人の好みなので別に万人にオススメというつもりもない。でも、多分似たような興味の人も多いだろうし、情報発信ステーションになっていれば良いなぁ~と。そんで、本来的には秋の美しきアコースティックサウンド路線を進めたいんだけど、どうしてもホットなモノはホットなウチに聴いてしまうので、その記録を残す意味合いでも流れを無視してレビュー入れてます。それがアクセントにもなってるとも思うので、ま、いいでしょ♪

サーティファイアブル~完全限定デラックス盤 Live!

 うん、こないだリリースされた期待のポリスの再結成ツアー中のライブCDとDVD「サーティファイアブル」。混乱を招いているのは国内のアチコチのレビューなどでは2007年5月のブエノス・アイレスでの公演云々…と書いてあるんだけど、全然違くてさ、2007年の5月ってのはポリスが再結成ツアーを開始した頃であって、このライブは2007年の12月1日、2日にブエノス・アイレスで行われたライブを収録したものなんだよね。まぁ、こういうケアレスミスってよく見かけるんだけど、もちろん別にどこのどんな公演であっても気にしないんだけど、オフィシャルな世界なんだからきちんとやろうよ、みたいな(笑)。いや、そうなると日本公演が2008年2月だったのでたった2ヶ月前のライブってことで思い入れも感動も甦るじゃない。ほとんどニアリーなセットリストだし。うん、日本公演はもうWOWOWで放送されたのを見たからやっぱ凄いなぁ~と思ってて、それとこのDVDとか比べてみるとどうなんだろ?思い入れもあるから日本公演の方が好み、って言いたいけどやっぱりブエノス・アイレスっつう南米の地域での盛り上がりってのは凄いからなぁ。この後リオでやったライブなんてのも丸ごとテレビ放送したらしくて、ネットで見たんだけどこれもまた凄い迫力だった。バンドの一体感は日本公演の方があったけど、やっぱノリが凄い。

 しかし再結成してこのテンションと迫力を維持して一年以上もツアーやって世界中を回って、ライブアルバムもリリースするっつう精力的な活動は凄い。最後だからと割り切っていたからできる活動なんだろうね。しかしこのライブ聴いてるとさ、スティングの天才肌がよくわかる。「Voices Inside My Head/when The World Is Running Down」のアドリブプレイのアドリブプレイ部分なんて聴いてるとわかるけどバンドらしい感性のぶつかり合いでして、ベースの面白さとギターがぶつかっててその間をドラムが駆け抜ける、みたいなさ。クリーム見たいな白熱さがあって凄いんだな。こういうのができるのはなかなかいないよ~。しかも完全なリズム感の上に成り立っているからプロフェッショナル。名曲のオンパレードも心地良いけど、こういうスリリングなバンドプレイもできるっつうのは今回の再結成ポリスライブを聴くまで知らなかったしね。ポリスってそういうバンドだったの?みたいなさ。

 そういう意味で再結成ポリスがここまで大盛況になった理由ってのがわかる。元々ファンだった人も多いんだろうけど、テクニック論やスリリングさが徐々に知れ渡ってきてて、そこで生のライブじゃ圧倒的ロックバンド、しかもテクニックバッチリのロックバンドなんだもん。それにキャッチーなメロディセンスを持った楽曲が多数…。なるほど、冷静に売れるはずだ。そしてルックス的にもかっちょよいスティング。う~ん、やっぱかっこよいな。最後に見れてよかった。そんな想いを元にこの新作「サーティファイアブル」を堪能しよう。



Guns'n Roses - Chinese Democracy

 最近ではアーティストのアルバムリリース日前にどういう理由からか音源が流出してネットで流れるなんて事件が何回も起きている。やっぱり関係者からしか出てこないだろうから…、とは行ってもスタジオレコーディングの関係者って、そのスタジオに出入りする人とかなのかな。それとも更に副次的にスタジオに出入りする仕出し弁当屋さんとかなんだろうか(笑)?いやいや、一曲でも流れてくれたらファンとしては嬉しいのでやっぱ入手して聴くじゃない?ま、それはラジオ代わりにプロモーションになってくれれば良いんだろうけど、これだけCDが売れない時代になるとなかなかそうも言ってられなくなるらしい。まぁ、その世界はかなり切羽詰まっているんだろうなぁと予測は付くんだが…。

チャイニーズ・デモクラシー(初回限定)(SHM-CD) アペタイト・フォー・ディストラクション

 本来ならもっと騒がれてもよかったハズのガンズ&ローゼズの新作「チャイニーズ・デモクラシー」。…とは言ってもリリースのウワサは既に5~6年前から囁かれていて、一度はオフィシャルリリースされそうだったのを先行流出が発見されたからか何かで無期延期になったとか。っつうことはこのアルバムのレコーディングは既にそれくらい前のことなのか?そうなるともう未発表曲の発掘に近いよな…。

 ガンズ&ローゼズってのはこういうバンドなのか?多くのリスナーが思い描くのはやはり「アペタイト・フォー・ディストラクション」のあの野性味溢れるバンドの姿で、もっともっとハードロックした姿だと思う。この新作はよくわからないんだけど、アクセル・ローズのソロアルバムに近いんじゃないか?と。声の特徴はさすがにアクセル・ローズでして、一聴しただけでアクセルってわかる歌声なので、さすがです。ただ楽曲が面白くない。っつうか特徴がない。だから強烈な印象は残らないんだが…。

 どうなんだろ?世間一般的には盛り上がっているものなんだろうか?これを徹底的に聴き込んだらかっこよく聴けるのだろうか?う~ん、自分的には多分NGだろうなぁ(笑)。アクセルって曲作るんかな…。やっぱソロアルバムで出した方がよかったんじゃない?いや、どれも悪い曲じゃなくてそれなりにステータスを保った作品なので、ダメダメと書く気もないけど、やはり期待が大きかったのだろうか。ちなみにSHM-CDは音がかなり良いので気に入ってます、はい。



Mike Oldfield - Tuburar Bells II

 秋が深まり、もう冬の訪れを感じる今日この頃、やっぱり秋ってのは短いのぉ~。人生春の方が短いとも思うが秋もさながら。しっとりとした休日の朝、肌寒さを感じながらフラリと流した音楽がマイク・オールドフィールドの作品。「Tubular Bells II」。

Tubular Bells II Tubular Bells

 1992年リリースなのでオリジナルの「Tubular Bells」から19年後に録音した作品。当時イエスのトレヴァー・ホーンとの共同ワークを行っていたが故に実現した続編だったとか。もっとも当時からウワサで出る出ると言われていたものでもあり、本人がその気になれば、ってことだったらしいので、そこにてトレヴァー・ホーンのアドバイスは大きかったのか。面白いのはそれだけで終わらずにやはりオリジナル作品収録時に活躍したトム・ニューマンを呼び寄せて共同ワークさせてしまったところ。この人ヴァージンの専属って感じだったんだけど、やっぱり「Tubular Bells II」のためならと出てきたようだ。音の魔術師が揃ったところで録音開始。

 基本的に「Tubular Bells」の踏襲。だからテーマも構成もほぼ同じ。使われている楽器なんかも似たようなものなんだろうなぁ。だから安心して聴いていられるし、ある意味聴く必要もない(笑)。ただ、やっぱり盛り上がるシーン…、A面ラストあたりとか終盤はゾクゾクするもんね。そして最後にバンジョーで全く異次元の楽曲、それでももちろんトラディショナルに準じた影響を感じさせる曲だけど、「」を聴いていると異質な感じのする曲で終了。なんとも素晴らしい。もう一度一人で2400回のダビング作業をするのか、という悟りに至るまでは時間かかったんじゃなかろうか。それとも性格的に細かいから割と普通にできちゃうものなのだろうか?最初から2000回以上のダビング作業があるよ、とわかっていたら取り組めるだろうか?いやぁ~、アーティストのアーティスティックな部分なので何とも言えないけどね。

 ジャケットの色が良いね。深いし厳かさもある、なんとなく高貴な印象もするジャケットでさ。どうしても「エクソシスト」の印象のままでもある人だけど、普通に偏見なく聴くと凄く音色の綺麗なカンタベリーに近いサウンドでアンビエントでもあるけど軽くて聴きやすいと思う。多分集中力だけは必要になるからそういう時間が取れる人、もしくは好きな人じゃないと受け付けにくいのかもしれない。でも基本、アコースティックだからねぇ、これ。

Catapilla - Catapilla

 早いモノでもう11月も終盤に突入…。もしかしてもう年末なのか?やたらとクリスマスらしき風情を感じると思っていたら…。好きな季節でもある「秋」っつうのはやっぱりもの凄く短いものなんだ。秋らしき音色のアルバムをいくつも取り上げて聴こうと思っていたのに結局あまり数多く聴けなかったな。アコースティックの美しいものを更に掘り下げて…なんて思っていたんだけど、ま、フーは来るし、ハード系のバンドが結構新作出してるし、そんなの追っかけてたら秋がかなり過ぎてしまった。でも、まだアレコレと聴き続けてみよう、と思う。

キャタピラ チェンジズ

 えっと、入手した頃心地良くてひたすら聴いていたアルバムが「キャタピラ」です。ただメチャマイナーなバンドなのでやっぱり何十年も聴き続けるというバンドにはならなかった=B級なんですが(笑)、久々に聴いてみてですな、やっぱりもの凄く心地良いんですよ、これ。アルバム二枚出して消えていくんだけど、二枚とも全然カラーが違う作品でユニーク。今回はそのファーストアルバムの方です。何か参考記事あるかな、とググってみたら自分が書いた昔の記事がヒットしてしまって、自分でもこのバンドのセカンドアルバム「チェンジズ」について書いていたんだと改めて気付いた次第。なので今日はファーストアルバム。

 なんつってもさ、アルバム全曲で4曲だし、アナログ時代ではA面3曲B面1曲でしょ。そのA面の1曲目だって15分半あるんだからもう楽しいよ。その「Naked Death」っつう曲がさ、もう超トリップしていて最高(笑)いわゆるバックがワンパターンマンネリのリフレインを淡々と繰り広げている中にサックスを中心とした楽器が宇宙空間を舞うように音が飛び交う。その前にアンナ・ミークという女性の歌声による思い切りハードロック名パートもあって、このアンナ・ミークの声がベイブ・ルースのジェニー・ハーンのようでエロティックっつうかお転婆娘っつうか、色気があるはしゃぎ声で好きなんだよ(笑)。テクニカルな面とか楽曲の良さとかは特筆することもないんだけど、混沌としたサウンドがひたすら続けられる、しかもそれはこの時代に特有のブルースをベースにはしているけど、っていうヤツなので楽しいのだ。自分でバンド組んで普通にやるとこういう感じの曲調になるのが多い。それはキャタピラをひたすら聴いていた影響なのかもしれない…。いや、キャタピラに影響を受けたアマチュアバンドなんてそうそういないだろう(笑)。

 ホントにね、面白いんわ~。間に挟まれた小曲はどこかケイト・ブッシュみたいなもんで、一般の形式からは考えにくい展開だったりするけど、このアンナ・ミークのお転婆的歌声が欲生きててよろしい。うん、どっからどう聴いても超B級バンドです(笑)。

Zakarrias - Zakarrias

 ザ・フー旋風もようやく終わり、さすがの大英帝国ロックを見せつけて帰っていったところだが、どれだけに人間が見に行ったのだろう。恐らく数回行く人間が大半だと思われるので武道館が満員になっていたとしてものべ人数で言ったら1万人に満たなかったりして…。他の地域分もカバーするとそういうのもありかもなぁ。やっぱり欧米に比べて人気がないという話はそのまま今でもその通りなのかもしれない。ただし好きな人は凄く好きっていう図式かね。

妄想(紙ジャケット仕様)

 そんな話とは無関係な、超B級路線のバンド、というかソロプロジェクトというか無名、でもあるしその筋ではモンスター級のレアアイテムとして有名、かもしれないザカリアス。なんつうかな、図太いベースが特徴的で、でもギターが歪んで言うというハードロックじゃなくてそのヘンはアコギ的なのでかなり不思議なサウンド。1971年リリース「妄想」、しかもデラムからのリリースだからおかしいハズでして、サイケデリックな感覚は持ち合わせているけど、それよりも全く典型的な英国B級的香りがぷんぷんするアルバムです。

 クォーターマスからのピーター・ロビンソンとかハットフィールドやスラップ・ハッピー絡みのメンバーとか参加しているんだけど、基本一人でマルチにやってる人。出身はオーストラリアっつうから英国ロックと言っていいのかどうか…。ただ、英国育ちであることは間違いなさそうで、線の細い歌声が危なげでユニーク。どっちかっつうと初期のグラム系な感じだな。ボランあたりがやっててもおかしくないっつうか、そんな感じ。久々にこの辺を漁ってるんだけど、やっぱ音色の古さと空気感の古さが良いね。今の録音では絶対にできない音がパッケージされてるもん。

 日本ではこういうのが紙ジャケ化されたりリマスターCDがリリースされたりするから凄いよね。自分のは昔々エジソンからリリースされたアナログ落としのCDだから相当古いかも。まぁ、買い直すほどでもないけど、音的には割と好みで、結構この季節に聴くには良い。

Chimera - Chimera

 女性二人によるアコースティックなバンドってのは割といくつも思い付くけど、それは単にメロウキャンドルというひとつの偶像があるからだろうな(笑)。やっぱね、メロウキャンドルみたいなのを期待しちゃうワケさ。実際にはなかなかそんなことないんだけどさ。ところがひょんなことから聴いてみたキメラ(Chimera)っつうバンドっつうかプロジェクトっつうかユニットっつうか…、には驚かされた。60年代末期には録音されていたものなんだけど、当時リリースされることはなかったアルバムでして、それが2004年になって突如陽の目を見たという非常に珍しいパターンの作品。

Chimera

 ま、ジャケットからして良いよね(笑)。彼女たちがこのバンドで歌っている女性ではないと思うが、印象としては凄く良い…。音の中味はと言うと、冒頭がもうメロウキャンドルチックな幻想感溢れる楽曲と歌でね、結構あっちの世界にイケる感触よ。それは全編に渡って繰り広げられる世界なんだけどさ、なんでこんなの当時リリースしなかったんだろうと不思議に思う。音のアレンジなんかももちろんしっかりしていて、作品的にもかなりレベル高い方だと思うけどな。

 うん、この作品は別の意味で非常に話題になることが多い。まずプロデューサーにフロイドのニック・メイソンが半分くらい関わってて、もちろん演奏にも参加してる。そのツテかリック・ライトも別の曲で参加しているのでピンク・フロイドマニアの間では以前から話題になっていたことのある作品なのかもしれない。それと、当時のサイケデリックブームの中では割と重宝していたであろうウィル・マローンがオーケストラアレンジャーとして記載されている。オレンジ・バイスクルとかソロアルバムで有名な人ね。それとアシュカンっつうデッカノヴァのマイナーなバンドからフリートウッド・マックに参加することとなるボブ・ウェストンも参加しているってことだ。まぁ、とりあえずフロイド関連ってことでリリースされた時には結構売れたんじゃないかな。

 しかしこの全ての曲を書いているリサ・バンコフっつう女性、歌も歌ってるけど裏ジャケのギター弾きの姿もそうだろうから、かなりの才能の持ち主…そして男の操り方が上手かったのか、とんでもないゲスト陣を迎えているワケで、果たして何者?ちょっと調べた程度じゃ何も出てこないのでマジメに調べないとな…。

Esperanto - Last Tango

 「エスペラント」という国際共通語はどことなく耳にしたことがあったが、それをバンド名にしてしまうというのもなかなか凄い。しかも単語の意味に負けないようにしっかりと各国出身者をメンバーに迎え入れてどこに依存するでもない楽曲を繰り広げていたというのも素晴らしい。ニュージーランド、ベルギー、英国、伊太利亜、ハワイ、オーストラリア出身者を揃えていたワケさ。もっとも三枚アルバムをリリースする間にどんどんメンバーが替わっていってしまうのでどこまで全うできたかは追求するモノではないが…。

ラスト・タンゴ(紙ジャケット仕様) 死の舞踏(紙ジャケット仕様)

 1975年にリリースされたエスペラントとしては最後の作品となった名盤「ラスト・タンゴ」。一般的にはセカンドアルバム「死の舞踏」の方が有名かもしれない。プロデュースにピート・シンフィールドを迎えているし、ボーカルにはその筋では有名なキース・クリスマスを迎えているからだ、もちろん音的にも大変よろしいんだけど、バイオリンのヒステリックさと言って思い出したのは三枚目の「ラスト・タンゴ」だったんだもん。いや、何故って、ねぇ、知ってる人は知ってるだろうけど、このアルバムの冒頭はビートルズの「 Eleanor Rigby」から始まるのさ。いや、それがまた強烈なアレンジでね、凄いんだよ、バイオリンが。だから(笑)。ちなみにここである程度聴けるっぽい。滅茶苦茶ロックだよ、これはホントに。誰か特別に有名になった人がいるワケでもないけど、正に熱いロックを聴かせてくれます。

 以降の曲でもバイオリンやチェロってのが主役になりつつそうだ隠飽海曲でもあるB面曲「The Rape」にトドメを差す。12分以降の協奏曲が展開されることでわかるように完全にミュージシャンとしてのエスペラントというバンドを聴けるんだもん。凄いわこれ。こういうのってやっぱ楽譜ありきなんだろうか?そんなことを考えてしまうくらいに素晴らしい。メンバーが替わっていても全然関係なしに完成度の高い音楽を作り続けるのって難しいしね。ところがこのバンドはテンションの高い演奏と良質な楽曲を維持している。う~ん、これ以上バンドが存続しなかったのもよくわかるけど、ちょっと勿体ないかな。根強いファンは多いハズ。

Darryl Way's Wolf - Canis Lups

 70年代英国のロックバンドではバイオリンを主に構えたものも多く、有名どころではもちろんクリムゾン、カーヴド・エアなどだろうか。デヴィッド・クロス、エディ・ジョプスン、そしてダリル・ウェイの三名が著名。もちろんバンドで言えば他にもイースト・オブ・エデンとかエスペラントとかハイ・タイドなんてのが浮かぶけどね。ま、それはおいおい…。今日はバイオリニストのアルバムってことで思い出したダリル・ウェイのソロアルバム、っつうかウルフってバンドのファーストアルバムと言う方が好ましいかな。

カニス・ループス(紙ジャケット仕様) サテュレーション・ポイント(飽和点)

 1973年リリースの「カニス・ループス」。ダリル・ウェイのソロ作品一枚目なんだけどあまりにもバンドアンサンブルが上手く出来すぎているのと、この後2枚のアルバム「サテュレーション・ポイント(飽和点)」「Night Music」を発表するってこともあって、やっぱりひとつのバンドで良いかと。そして面白いのはバイオリニストだからと言って前面に出てバイオリンソロを弾きまくるというものでもなく、しっかりとバンド的に、楽曲的にひとつの方向性を出してアルバムを作っているというのもバンドらしいところ。

 そのおかげで圧倒的に注目を浴びてしまうのがジョン・エサーリッジのギター。この人の技量はそれこそ後のソフト・マシーンでわかったけど、ここでのギタープレイも見事なものでさ。要所要所できっちりと美味しいフレーズを持ってきて楽曲を昇華させるという職人芸を披露。いやぁ、美しいの何のって。器用な人なんだなぁ、とね、さすがにホールズワースの跡を継ぐだけのことはある人です。

 そして楽曲全般的には英国のファンタジックさをそのまま出したような作品で、堅苦しくないロックを展開。そこにもちろんバイオリンも絡むので余計にソフトな印象になる。うん、ヒステリックなバイオリンじゃないからね。特にA面はしっかりとファンタジックなバンドの側面を打ち出したもので、ひとつのバンドということを証明している。

 が、面白いのはB面。初っ端からダリル・ウェイのバイオリン協奏曲炸裂!いや~、こういうのを期待してたワケでさ、面白いのはバイオリンが主役になる曲って必ず変拍子になるしキメも多いので、凄くプログレッシヴらしい曲に聞こえるってのも好きなんだよ。この作品ではバイオリンのヒステリックさ対ジョン・エサーリッジのギターが完全にぶつかり合っていて非常~にスリリングで面白い。いや、ロックですよ。二人ともロックな世界で出会えてよかったねぇ~って言いたくなるくらいのもん。B面の二曲はそういう楽しみを味わえるプレイヤー側としては面白い面。最後はプロデューサーのイアン・マクドナルドに捧げた美しい楽曲。この人も神出鬼没な人で、ダリル・ウェイのアルバムでのプロデュースで久々にシーンに出てきたってなもんだ。またしばらく音沙汰なくなるけど(笑)。

 うん、プログレファンに限らずこういう作品は聴いておくと面白いと思う。決して聞きにくくもないし、刺激的だと思うからさ。ま、バイオリンキライな人は別だけどそうそういないでしょ。もうじき紙ジャケでリリースされるみたいだから是非どうぞ♪

String Driven Thing - The Machine That Cried

 スタンダードなロックを聴いている時、多分それはギターだったりベースだったりドラムだったり歌だったり、もしくは鍵盤かもしれないけど、そういう音に耳が行くことでそれらの楽器を手にしたいと思うんだろう。自分的に言えばそれはギターの魅力に虜にされたというものだが、もちろんコージーのドラムに惚れた人もいればアンディ・フレイザーのベースに惹かれた人もいたり、ミック・ジャガーのように歌いたいヤツもいたりする。そういうもんだろうな、と思うけど、音楽という領域まで広げレコードを聴いたりしていると知らない音に出逢うことも多い。ストリングス系やラッパ系はまぁ、わかる。ジェスロ・タルのフルートっつうのはかなり強烈な印象を残すが、もう一つ個人的に凄く好きな音としてはバイオリン。ロックの中で鳴らされるバイオリンって凄くヒステリックに割り込んでくるのでハッとするんだよ。だから好き。

The Machine That Cried Studio '72: Live Switzerland '73 and Live London '95

 バイオリンロック、というワケでもないけどかなりその露出度が高くて更にバンドとしてもヒステリックでインパクト絶大だったのでB級バンドとして聴いたけど凄く印象的なバンド、ストリング・ドリブン・シング。中でも初期の作品が面白くてね。一番好きなのはこのセカンドアルバム「The Machine That Cried」で1973年リリースの作品で、多分バンド内最高傑作だと思う。エスペラントとかこういう感じの所あるから似た部分あるかも。

 そうだねぇ、バイオリンをフューチャーしたヒステリックなロックってのあるけど、ボーカル・ギターのクリス・アダムズの熱くキレかかった歌がバンドの印象を濃いものにしている面は大きい。ハードロックバンドのボーカルでも通じるくらいねちっこい声質でよろしい。そして一般的に知名度が高い人と言えばグラハム・スミス=後期Van Der Graafに加入するバイオリニストだ。この人のエキセントリックなバイオリンとクリス・アダムスのギターの対比が面白くて、曲そのものは割とアメリカンポップスに刺激を受けたような、言い換えるとボブ・ディラン的な牧歌的ソングが多いんだけどさ、そのアレンジの過程で激しい音色が入ってくるから面白い。後はねぇ、妹さんと一緒にバンド始めたってのもあって女性小ボーカルによる美しい曲があるのも捨てがたい魅力。そこはもうバイオリンがクラシカルにバイオリンしている世界だからさ。うん、こういう変幻自在のところがいいねぇ。

 ジャケットの不思議さも初期から出ていて、未だになんだかよくわからない。三枚目の「Please Mind Your Head」ではツェッペリンに蹴られたジャケットがここで採用されているヒプノシス作品。うん、ジミー・ペイジが怒ってたヤツ。「テニスのラケットのジャケットなんて持ってくるか?即ダメ出ししたよ」と…。




The Who - Live In Japan 2008



 今世の中で何が起きてるかっつうとだ、やっぱりザ・フーの来日公演なワケでして、もちろん自分も何回か足繁くライブに通うんですが、昨日の横浜公演にも行って参りました。もうね、これは凄い、の一言だね。あの歳であのライブ、ピートもロジャーも元気だし、何と言ってもあんなに熱くて激しいライブが見れるってのは嬉しい。そして感動の嵐。どの曲を切り取っても超ロック的だし、ああいうライブを見たかったんだ、と思うシーンの連発でさ。やっぱロックバンドはライブだし、アドリブプレイやバンドアンサンブルってのが一番重要なんだよね。スタジオの曲をそのままライブでやるからって行ってもやっぱ面白くないモン。というかThe Whoがそうやっても面白くないしさ。「トミー」だってライブアレンジになっちゃえば全然迫力が変わるし、今回の来日公演でもアンコール後は「トミー」のナンバーからだったんだけど、その中のね「Sparks」っていう曲があって、それがまたライブだと栄える曲なんだよ。それをさ、更に拡張してもの凄いテンションの高いライブバージョンにしてしまっていて、正に70年代を生きたバンドにしかできないライブプレイを聴かせてくれたんだよね。凄い。

Kilburn 1977 (2pc) (Ws Dol) 08FW AMPLIFIED THE WHO BLACK Tee

 もちろん演奏された曲も大体が聴き慣れたものばかりなので食い入るように見ていたんだけど、やっぱ上手いわぁ。ドラムにザック・スターキーを迎えているんだけど、これがまたキース・ムーンを彷彿させるドラミングで、しかもキースらしくできるところはもちろんできるし、通常のドラマーとしてもできることは当たり前にできるっていうのもちゃんと見せてくれるんだよ。だからもの凄いなぁ~と。それでもフロント二人のパワーにはまだまだっていう部分はあるけど、多分ファンは皆ザックの姿を応援していると思う。オアシスでのザックは面白くないけどザ・フーでのザックはまだまだ見所満載だと思う。しかしまぁ、中盤から後半にかけてのパフォーマンスの高さに脱帽です。「Who Are You?」のノリの良さ、「Anyway Anyhow Anywhere」の見事なまでのザックのプレイによるバンドアンサンブルの高さ、何といっても超感動の「Love Reign O'er Me」。これはもう涙チョチョ切れます。なんて素晴らしいロジャーの歌唱力というかロジャーの愛と想いを感じるよね、これ。こういうのがプロなんだよ。ホントに感動的なシーンでした。

2008年11月14日 横浜アリーナ
1. I Can't Explain
2. The Seeker
3. Anyway Anyhow Anywhere
4. Fragments
5. Who Are You
6. Behind Blue Eyes
7. Relay
8. Sister Disco
9. Baba O'reily
10. Eminence Front
11. 5:15
12. Love Reign Over Me
13. My Generation - Cry If You Want
14. Won't Get Fooled Again
---encore---
15. Pinball Wizard
16. Amazing Journey
17. Sparks
18. See Me Feel Me
19.Tea & Theatre

 こんな感じでしたね。グッズ売り場は超満員で全然見えないので買う気もなくなったし、新横浜駅なので飲み屋も少なくって大変だったけど飲み屋では余所の集団も当然The Whoファンだったこともあってその場で普通に会話して盛り上がっていた。こういうのもロック的には面白いなぁ…。しかし年齢層の高いライブだった(笑)。



Dando Shaft - Dando Shaft

Dando Shaft

 聴けば聴く程に味が深まっていくのが英国トラッドフォークの世界。もちろん底なし沼の世界なので表面をなぞるだけでも十分に楽しめるものなんだけど、やっぱりせっかくなら色々と遊んでみたい。このDando Shaftと言うバンドはもちろん英国トラッドフォークを代表するバンドなのだが、自分はこのバンドをプログレ側から知ったものだ。それは何よりもネオンレーベルからキーフのジャケットデザインっていうことでイメージを持ってしまったのだ。薄日の当たる回転木馬というジャケットは正にキーフらしいデザインの素晴らしいアルバム。聴いてみてもその印象は全く変わらず素晴らしい音世界が繰り広げられている。

 1971年にリリースされた、バンドとしては二枚目の作品にしてセルフタイトル「Dando Shaft」を冠した自信の作品。この作品からポリー・ボルトンという女性ボーカルをクローズアップしており、それがまた素晴らしい味付けに貢献しているのだ。バンドはもう一枚リリースしてほぼ壊滅状態になってしまうんだけど、それでもこのセカンドアルバムは燦然と輝く英国フォークの傑作でしょう。

 うん、簡単に言えばツェッペリンのサードの世界を拡大したもの。もちろんもう少し独自性は出ているんだけど、ツエッペリンが如何にトラッドを吸収して出しているかというのもわかるし、ダンド・シャフトというバンドはやはりロックよりの理解もあったということも世界観で伝わる。だからフェアポートとかスティーライとかと同列レベルで語られても全くおかしくないレベルのバンドだと思うんだよね。「Magnetic Beggar」っつう曲なんて正にZepだもん。かと思えば他の曲ではしっかりとトラディショナルな音世界。ギターとかマンドリンとかが凄く良いんだよね。そしてコーラスもしっかりしてるしもちろんポリーの歌声と来たらサンディ・デニーに通じるものもある素晴らしい声の持ち主なのだ。

 ネオンレーベルっつうのもあってなかなかメジャーな世界には進めなかったバンドだけど今の時代になり改めて評価されるようになると全ての面でキライになる要素がないことに気付く。なのでもっと手軽に入手できるようにリリースされるべき作品だよなあと勝手に思っているアルバムでね、今の季節なら尚更ピッタリ♪

Maddy Prior & June Tabor - Silly Sisters

 英国の伝承音楽を歌う女性がこうまで多いものかというのは割と不思議。日本で言えば民謡歌手がどんどんとメジャーのフィールドにどんどん出てくるというようなものだ。もちろんそういうのを聞かないワケじゃないけど、何年かに一度くらいでしょ?沖縄民謡とか島唄とかをアレンジして出てくるものってのはさ。ま、英国のこのヘンのトラッドをアレンジしたモノってのもそんなにメジャーなフィールドじゃないのかもしれないけど、それでも遠い島国である日本にこれだけ情報が入ってくるんだからやっぱそれなりではないかと。その辺の感覚ってのはまたマニアックに違う部分があるとは思うけど…。

Silly Sisters No More to the Dance

 1976年にリリースされた「Silly Sisters」。当時では既に知名度も実力もしっかりと知れ渡っていたスティーライ・スパンのマディ・プライアがほぼ無名だったジューン・テイバーという女性シンガーとトラディショナルを歌い上げるというアルバムをリリース。二人の活動はシリー・シスターズとして名付けられ1988年に二枚目「No More to the Dance」をリリースしている。

 自分もまだよくわかってないんだけど、英国のトラディショナルな曲とアイルランドのトラッドが同時に存在している珍しいアルバムなのだそうだ。このあたりから後では英国ものとアイルランドものは割と分けられていることが多いそうだ。もっともこの辺はアシュレー・ハッチングスの偏執的なまでな英国のこだわりがその元祖を探求することで起源を明確にしたということにも関係があるのかな。確かにケルティックな旋律の曲もあるけど、ふたりでどことなく恐ろしい歌詞を歌い上げる旋律の曲もあるので、多分英国側のトラッドだろうな、これ。

 全体的に全然ソフトなアルバムじゃなくってさ(笑)。もちろんその筋ではメジャーなマーティン・カーシーやニック・ジョーンズやダニー・トンプソンなんてのも参加しているから思い切りそういう音しているんだけど、やっぱマディ・プライアの歌なのかな、硬質という印象。相対するジューン・テイバーもソフトな歌声ではないからやっぱり冷たい感じはあるなぁ。こういうところが好きなんだけど(笑)。うん、でも音は確かにトラッドフォークを垣間見れる素晴らしい出来映えだと思う。こういったのはどんどんと上手い人達がレコーディングしていくべきものだもんな。

 ジューン・テイバーはこの年に自身のソロアルバムをリリースしてデビュー。以降コンスタントにアルバムを出し続けているのでやっぱり実力のある女性だったワケで、今はもう重鎮扱いなんじゃないかな。



Albion Country Band - Battle of the Field

 伝承音楽の虜となったアシュレー・ハッチングスによる一大プロジェクトとも云えるバンドがアルビオン・カントリー・バンドだ、これはもうアイリッシュミュージックへの傾倒を諦めた一人の英国人による英国の音にこだわったバンドという信念が生み出したモノで、その意思をきちんと継承すべくエレクトリックトラッドの世界での重鎮達がみな手を貸して創り上げたアルバムがシャーリー・コリンズを筆頭とした作品「No Roses」だ。この名盤さ加減は既に有名な事実として認識されていて聴いている人もまぁ、いるんだろうなとは思うけれど、実はその時に使ったバンドの名がアルビオン・カントリー・バンド。今度はその名前での楽曲集をレコーディング。メンバーはリチャード・トンプソンやジョン・カークパトリックなどなどのやはり勝手知ったる重鎮達。

Battle of the Field Morris on (Reis)


 1976年リリースだが実際には1973年にレコーディングしていた作品「Battle of the Field」。単純にレコーディング後にバンドが解体してしまって、アルバムリリースのタイミングを逸してしまったがためにリリースされなかったらしい。しかし1976年になってアシュレー・ハッチングスは再度アルビオン・バンドで復活したため、別レーベルからのリリースではあるが、この名盤と誉れ高い「Battle of the Field」が市場にお目見えすることになったらしい。その間にはダンスチューンをまとめた傑作「Morris on」ってのもあって、まぁ、大体が身内で固めて作った作品なんだけど、その分まとまった音が聞けて作品の質の高さを見せてくれるのもさすが。

 うん、アルビオン・カントリー・バンドっていう形態だけど、結局この人のこのバンドってプロジェクトに近いので都度都度アルバムリリースしたりしているので、バンド名とかにあまり深い意味は求めていない。でも、この作品は「No Roses」の次に位置するアルバムでもあるし、やはり時代の空気もパッケージしていることもあって今でも愛聴しているファンは多いはず。

 リチャード・トンプソン作の「Albion Sunrise」というシンボル曲が聴けるのもこの作品でだけ、っていうのも面白い。印象深い曲だから余計にそう思う。うん、音はエレクトリックトラッドそのもので伸び伸びと聴いていられるものだけどフォークらしくはなくって…、もっと土臭いっつうか、民族的ってトコ。重さや格調とかってのは全然ないからスティーライ・スパンとは大きく趣が異なっているね。

Steeleye Span - Ten Man Mop Or Mr. Reservoir Butler Rides Again

 伝承音楽ってのは日本でもあるけどどうやって伝承されてきたのか、なんて考えることある?誰がいつ頃作ったものなのか知らないけど、どこかで口伝えされて世代を超えて伝承されているもの、なんだよね。もちろんテープみたいな録音機器はないワケだから…。そんなのつい最近、せいぜい60~70年前くらいのものなら記録として音が残せるようになったけど、それ以前のモノってのは全部口伝えの伝承、せいぜい紙に歌詞が振ってあったのかもしれない。楽譜ってのはいつ頃から普及したものなんだろ?なかなか興味深いテーマだ…。

テン・マン・モップ(紙ジャケット仕様) プリーズ・トゥ・シー・ザ・キング(紙ジャケット仕様)

 1971年リリースのスティーライ・スパンの大名作「テン・マン・モップ」。トラディショナルの求道者アシュリー・ハッチングスがこのバンドでやった最後の作品、もうこれ以上できることがなかったというか、新たなる挑戦に出向いたと言うか…。しかし、この「テン・マン・モップ」というアルバムは凄い。Zepの「Led Zeppelin IV」と同レベルの凄さを持っているかもしれない。ポピュラーさはないけど、貫禄、重鎮さ、荘厳さ、そして格調高さという英国ならではの風格を全て兼ね添えており、しかもそれがドラムレスで迫ってくる。もう日本で言えば永平寺の中で奏でられている音楽というようなもんで…、わからんか(笑)。

 どういう形でかわからないがアシュリー・ハッチングスは伝承音楽を自分でかき集めてきては録音していたが、もちろんスティーライ・スパンではエレクトリックトラッド形式でそれらを残しているので、アーティスティックなエゴは出てきてしまうだろう。それでもドラムレスは凄い。それでこの重さだもんな。また歌い手のマディ・プライアのトラッド好きも見事なモノで以降のスティーライ・スパンはマディ・プライアの意思で継続していくことを考えると非常に貴重な存在のバンドなのだ。

 スティーライ・スパンはフェアポート・コンヴェンションから離脱したアシュレー・ハッチングスが新たにウッズ夫妻と組んだバンド、だったがフェアポート・コンヴェンションと同様にバンドメンバーの入れ替えが非常に激しく、ほぼアルバム毎にメンバーが異なっている。もっともマディ・プライアがいれば、という看板にはなっているのだが。しかしロックファンでこのアルバムに辿り着いた人はどれくらいいるだろう?そして感銘を受けるくらいにこのアルバムを聴いている人というのはやっぱり多いのかな。ホントに凄いんだよ。ジャンルとかそういう次元じゃなくてロックとしてというか音楽としてっていうか…、気軽に聴ける作品じゃないのは確か。でも楽しげにやってるんだろうなぁ。

 アマゾン見たら何、今はアルバムに加えてBBC音源がカップリングされたものが紙ジャケで出てるんだ?いやぁ、知らなかった。そこまでじっくり聴くのって結構大変だろうけど魅力はあるな…。しかしまだまだこの本編だけでたっぷり楽しめることは間違いない、うん。せっかくあるものならとことん楽しまないとね。未だに飽きることのない作品です♪

Fairport Convention - Fairport Convention

英国トラッドフォークの大御所バンドとも言われるのはもちろんフェアポート・コンヴェンションという事となるし、実際にここからの派生バンドが英国トラッドフォークの世界を世界に広げた伝承者でもある。そういう意味でジャズで言うところのマイルス・デイヴィスみたいなもんだ。巣立った人がどんどん世界を広げていくっつう意味でね。そんなフェアポート・コンヴェンションも最初期にはかなり色々と試行錯誤を繰り返していたワケでして、そういう名残をあまり取り上げられないファーストアルバム「Fairport Convention」で聴くことができます。

Fairport Convention Whorl

 1968年リリースのファーストアルバム「Fairport Convention」。何せボーカルがまだジュディ・ダイブルなのでサンディ・デニー時代の歌声ももちろん違うんだけど、やってる音世界が全然違う。もしかするとこの流れに入れてはいけないくらいにエレクトリックでサイケデリックな雰囲気を醸し出した楽曲で占められている。それはもちろんカバー曲を多く収録しているというのもあるからだけど、雰囲気はモロにジェファーソン・エアプレーンだし、ジョニ・ミッチェルやディランのカバーだから余計に時代の産物さを感じる。3曲目にはイアン・マクドナルドとリチャード・トンプソンが共作した楽曲なんてのがあるんだけど、それですらアメリカのサイケフォークっつうかポップっつうかそんな感じで、リチャード・トンプソンのギターの腕前は既に凄いな~という域なのだが、曲調としては非凡な作品。悪くないけど、このままの路線ではバンドはそこまで大きくは鳴らなかっただろうと思うもん。

 んで、ジュディ・ダイブルの美しい歌声は冒頭のコーラスワークからステレオ感たっぷりで聴けるのだがやっぱ「Chelsea Morning」が決定版。可愛らしい曲調ってのもあるんだけど、正に60年代後期のポップスとも云える作品で、フェアポート・コンヴェンションってこういう路線のバンドだったの?みたいな驚きがあってよろしい。いや、正直言ってセカンド以降のフェアポート・コンヴェンションとは別のバンドです(笑)。そういう楽しみ方としては十分に楽しめるアルバムなのでこの辺はロックファンが得意な分野じゃないかな。ま、自分みたいに何でも聴く人には凄く楽しめるアルバム♪

 ジュディ・ダイブルってこの後にクリムゾンの「風に語りて」を歌うことになるんだよね。イアン・マクドナルドの彼女になったんだっけ?その後ジュディ・ダイブルのソロアルバム「Whorl」で「風に語りて」を再録しているらしい。まだ聴いてないけど、ちょっと興味惹くね。ちなみにジュディ・ダイブル版の「風に語りて」は今ジャイルズ・ジャイルズ&フリップのアウトテイク版「The Brondesbury Tapes (1968)」で聴けるようだ。



風に語りて


Sandy Denny - Sandy Denny

 英国トラッドフォークの歌い手として最も有名な人、サンディ・デニー。ロックファンにはレッド・ツェッペリンの「Led Zeppelin IV」での「限りなき戦い」でプラントと掛け合いで歌っているボーカリストとして知られている、はず(笑)。1971年時点で彼女をチョイスするというのもさすがにZepの面々の音楽センスが光るというものだ。まぁ、Fairport Conventionで既に話題になっていたからだとは思うけど、そういう時代的感覚は後追いではわからないんだよなぁ。しかも英国の話だからねぇ…。

Sandy The North Star Grassman and the Ravens

 1972年リリースのサンディ・デニー、ソロアルバム二枚目の作品。二枚目にしてタイトルが「Sandy」なのだから面白いというか気合い新たにと言うか。ファーストアルバム「The North Star Grassman and the Ravens」のキーフのジャケットとはちょっと変わり新たなる決意を胸にというような顔面ジャケなので出てくる音を期待するのだが、しっかりとトラッドフォーク色に染まったサウンドで、サンディ・デニーの独特の高いトーンでの歌声が収められた傑作。エレクトリックトラッドの世界を体現している作品でもあるのでやっぱ聴いておくとサンディ・デニーという人のスタイルが丸裸で出てくるので美しい。これぞ英国トラッドの鏡と言わんばかりに泣かせてくれる。ペダル・スティールの美しい「ItSuite Me Well」は名曲!

 フェアポート・コンヴェンションでの活動が取り上げられることが多く、ソロ作についてはやはりバンド時代よりも大人しかったという印象もある人なんだけどね、自分はZepから入ったからソロ作から聴いた。ファースト「The North Star Grassman and the Ravens」ね。うん、全然わかんなかった(笑)。ただ、独自の世界だなぁ~なんて思ってたけど、こういうのは徐々に慣れていくもので、聴いているウチに凄い発見をしていくんだよ。ロックでは出てこない音使いとか音そのものとかスケールとか、それって何?ってのが多分トラッドフォークへの入り口。一回りするとその融合の面白さがわかってくるから楽しい。そうやって今こういう世界を楽しんでるね。

 サンディ・デニーの世界は時間かかったけど、聴いて良かったなぁ~と思える歌い手となるのは間違いないね。ゲスト陣、というか周囲の人間にしてもトレヴァー・ルーカスやリチャード・トンプソンなど個性的な人がサポートしているのでもちろん作品的に楽しめるものになるし、やっぱりなによりも浸れるってのが大きいな。ベスト盤でも良いから持ってるといつかわかってくる音楽です。

AC/DC - Black Ice

 10年一日、とは本来の四字熟語として存在しているのかどうか知らないんだけど、言い得て妙だと思う。ロックの世界で言えばヴァン・ヘイレンやラモーンズなんてのあそういう類に入るワケで、今回紹介するAC/DCも正にその言葉通りという気がする。簡単に言えばアルバムデビュー時のサウンドと10年経った後の作品でもほとんど音が変わらないっつう意味で、実際には30年1日みたいなバンドもあったりするんだろうけど、それが故にいつのどの時代のどんなアルバムを最初に聴いてもバンドの印象が変わらずに聴けるっつうのもある。まぁ、逆に全部の作品を聴いても大して違いがわからないっつうのもあるんだが(笑)。

ブラック アイス Black Ice


 そんなロックバンドの大物と化してしまったAC/DCの最新作「ブラック アイス」。50代後半になったロックンローラー達による新作でして、一説には最後の作品?とも言われているけど、音を聴いた限りではとてもそんな風には思えないし、まだまだロックするでしょ、この人達は。

 初っ端のリフからして笑った。もうねぇ、誰がどう聴いてもAC/DCのリフなんだよ。リズムもリフも。だから大爆笑、っつうか嬉しかったよね。全く変わらないんだ~って。調べてみると8年ぶりの新作ってことでして、まぁ、言われてみるとその間来日公演騒ぎがあったなぁと。しかし、70年代の黄金期と全然変わらない作風が立ち並ぶアルバムで、正直言っていつのアルバムなんだこれ?って思う。間違いなく2008年の新作だとは思えない作品。曲構成だってもう往年のパターンだから古いロックに聴き慣れている自分的には非常~にスムーズに耳に入ってくるワケですよ。キャッチーなサビにギターソロ、みたいなのはさ、やっぱ良い。

 前半に秀作が揃ってるかな。途中さすがに中だるみしてしまう感じもするけど、まぁ、バラードもなく相変わらずの展開。「Stomy May Day」なんてタイトル通り「Stomy Monday」のもじりなワケで、ブルージーなスライドギターによるリフから始まる曲。ただねぇ、歌が入るともうなんでもAC/DCになっちゃうんで、このバンドの強みだろうな。笑えるくらいに個性的。そしてアンガス・ヤングもあの年で半ズボンのまま。凄い(笑)。

 別に大傑作という気もないけど、聴いていると妙に懐かしくなるし嬉しくなるし、普通にロックしてて良い作品だと思う。「Back in Black」とか「Highway to Hell」っつうのと並べて聴いても別におかしくはない音だしね。そして何よりも邦題のダサさが最高に素晴らしい。

Presence - Presence

 多分ほとんどの人が知らないであろうバンドというものはいくつも存在するし、ましてや英国のフォークを得意とするバンドなんてのは一般のロックファンの基準からしたらさらに知らない世界となるに違いない。まぁ、かと言って自分はどこから情報仕入れているのかっつうのも不思議なんだけどさ(笑)。入手して聴いてみてから初めてあちこち調べてみるという聴き方もあって、ギャンブルだけどなかなか楽しめることもある。そんな一例がこのバンド、プレゼンス。



 1976年リリースの唯一の作品。ややこしいのはさ、ネットの検索で「Presence」1976年と入れると山のようにZeppの「プレゼンス」が出てくるんだよ(笑)。なので情報調べること自体が大変でして、もうひとつ二つのキーワードが必要ですな。それには紅一点のボーカリストヴェロニカ・タワーズ嬢のお名前を入れてヒットさせるっていうことで解決、かな。もっとも裏ジャケに載ってるくらいでしか見たことないのでよく知らないのだが…。どっちかっつうとバンデル兄弟のバンドとして探した方が早いかも。

 なんだろなぁ、基本的にはもの凄くメロウなフォークバンドでもちろんヴェロニカ嬢の歌も良いんだけど、この人はどっちかっつうとロック系の歌を歌う方が似合っているので、純粋なフォークバンドってのでもない。しかも半分以上の曲にやたらとパーカッションの音が入っていることでわかるようにフォークを底辺としたごった煮ロックを展開したかったのかもしれない。1976年という年に純粋たるフォークバンドで英国から出てくるってのもなかなか考えにくいし、まぁ、ちと変わったフォークバンドみたいなところで出てきたのかもね。うん、だからパーカッションの不思議さを除けば割とメロウな純然たるフォークサウンド中心の音で美しいことに変わりはなく十二分に楽しめる。ちょっとシンプルすぎるキライはあるけど、ま、フォークらしい。

 トラッドの香りはあまりないです。トラッドとフォークって分けて聴いてるワケじゃないけど、もっと純然たるフォークのバンドとして認識してもらえれば良いのかな。このバンドってあんまり紹介されることもないし、英国フォークを語る本でも出てこないこともあるのでかなり珍しいバンドみたい。まぁ、1976年デビューつうのもあるだろうけどね。悪くはないよ。アマゾンでも探せないから入手方法不明だが(笑)。

 ただこの主要メンバーバンデル兄弟のIvorとKevanは二人で今でもユニット組んでいくつかの作品をリリースしているみたいだし、ヴェロニカのソロ作品でも共演してるようなので割と玄人向けのミュージシャンかもしれない。

Sunforest - Sound of Sunforest

 現実逃避の秋、いや、秋に拘ってるワケじゃないけど一番好きな季節でちょこっと涼しくなってきて丁度良いなぁ~と。うん、風流があるので好きなんだと思います、はい。え~っと、だからフォーク路線で、なんて思っていたんだけど、まぁ、毎日コロコロ変わっていくので適当に英国なもので…ってことに。英国のものなら秋とか冬に合うだろう、といういい加減な解釈でして、やはり霧のロンドン、です。

サウンド・オブ・サンフォレスト(紙ジャケット仕様)

 1969年リリースの英国のアシッドバンドとして知られているSunforestの唯一の作品「サウンド・オブ・サンフォレスト」。昔は全然見つからなくて、多分今でもアナログ見つけたら滅茶苦茶高いんじゃないかと思うけどイージーなCDではまだ入手できるかもしれない。ま、それでも珍しいとは思うけど…。最近ようやく聴いたのであまり大きな事云えないけどさ。既に40年前のアルバムだし、もう40年前から聴いている人もいるワケでして、そう考えるとロックの歴史も古くなってきたなぁと思う次第。

 ん~、これね、もっとアシッド的かと思ってたんだよね。サイケデリック時代だしさ。そしたら思いの他牧歌的なサウンドで、確かに一見アシッド的だしサイケ時代のテクニックは踏襲している感じだけど、クラシカルな雰囲気と英国の牧歌的な雰囲気を持ち込んでいるバンド、というよりも音楽集団っつうか、ユニットっつうかそんな感じ。まぁ、通り一遍のロックではないけど、ロックのフィールドでしかあり得ないサウンド、融合体、複合技、なワケだ。楽器の使い方が凄いねぇ~。ハープシコードからオーボエとかバンジョーみたいなのもあるし、多重コーラスワークも幻想的なエフェクトもしっかりあるし、面白い。こういう訳の分からない世界好きだし(笑)。

 今こういうバンドってないよねぇ…。ユルいから?っつうかカテゴライズされるから?こんなに冬感溢れて幻想的でトリップできる音って今の時代でもウケるとは思うけどね。売れないのは間違いないか。しかし手法論としては学ぶところ大きいな、これ。

 デラムNovaって確か11枚くらいしかリリースしないでレーベルなくなっちゃったんじゃなかったっけ?何かとごっちゃにしてるかもしれないけど、結構レーベルとしてのリリース枚数は少なかったと思う。不可思議なサウンドのバンドばかり在籍していてさ。

Ramases - Space Hymns

 70年代英国ロックの世界に舞い込んだことのある人ならわかると思うが、そこは有象無象の世界観に溢れた個性豊かなバンドが繁殖していてとてもじゃないがジャンルなどというものでは区切れない、どこれもこれも自分が新たなジャンルの旗手となるのだというくらいに個性的な世界を実験し、そして失墜していったものだ。しかしどれもこれもが確実に英国の誇りを背負い、どこかに媚びる音楽ではなく風格や品位を保ったサウンドに聞こえるというのも面白い。そんなところに心惹かれるロック好きは多いんじゃないだろうか。

Space Hymns

 1971年リリースのラマセスというバンドのアルバム「Space Hymns」。この後二作目「Glass Top Coffin」もリリースしたので一発屋じゃないことに驚いたものだが、まずはレーベルからしてヴァーティゴなので期待できる♪って思うもんね。アナログでは変形6面開きジャケットで、ロジャー・ディーンによるものだけど見たことないです。そこまで必至に探す音かどうかっつうのもあったしジャケットセンスがもう少し欲しいなぁという感じではあったからだと思う。ただ、その後CDになってからは割と早く入手したかな。ヴァーティゴは見れば入手しておきたいもん。

 それで中味、だが…、面白いよなぁ、こういうコンセプト。偉大なるエジプト神の生まれ変わりラマセスがその妻セルと共に地球を救うんだ、みたいな感じなのか…、いやぁ、コンセプト的には実にふざけていて、それでこそ英国なのだが(笑)。驚くことに10ccのメンバーが4人ともバックに参加して演奏していることの方が有名になってしまっているので、その筋から名前を聞いたことがある人もいるかもしれない。サウンド的にはだな…、やっぱ宗教的ではあるコンセプト作品。うん、結構ポップス的なロックっつうのか最初の曲はえらく快調で軽快な歌で楽しくなってくる。「Life Child」♪なんてサビがキャッチーでね。そこからどんどん宗教色が強くなってくる…、実は最後まで救われない音が続くのでストーリー的にも多分救われてないんじゃないかと思うんだよな、このアルバム。

 思うに、入手したいという欲は発生するんだけど何度も聴くかっつうと絶対聴かないような気がするアルバムで、だからこそよく二枚目の作品がリリースされたものだと思う。よほど強い関係者がいたんだろうなぁ…。

Matthews Southern Comfort - Matthews Southern Comfort

 秋冬になるとフォークが心地良い。トラディショナルな英国フォークは今の季節にぴったりなのかもしれない。まぁ、そういう心地良い音を何となく求めているだけというのかもしれないけど、久々にまとめて聴いていて癒されている自分に気付くのだった…(笑)。だからどういうのでも良いんだけど、ロック的なモノから遠ざかった思い切りフォークに手を付けてみる。

Second Spring/Matthews Southern Comfort サザン・コンフォート

 イアン・マシューズが組んだバンドの最初のアルバム、っつうかソロ作品のタイトルでもあったマシューズ・サザン・コンフォートの作品「Matthews Southern Comfort」。最近のCDではファーストとセカンド「Second Spring」がカップリングになったCDで売られているようなので、それで良いんじゃない?二枚入ってお得だし。ま、生粋の英国マニアでもない限りアナログは手に入れられないでしょう(笑)。マニア的に有名なのはこの辺よりもここから先にイアン・マシューズが脱退して単なるサザン・コンフォートっていうバンドになってからリリースされた紅茶のジャケットで有名な「サザン・コンフォート」だろうね。お店でいつ見てもハッとする美しさがあるジャケットでさ、品格が備わってる作品だもん。

 さてさて、この作品「Matthews Southern Comfort」は1969年暮れにリリースされたようで、イアン・マシューズはフェアポート・コンベンションのセカンドアルバム「What We Did On Our Holidays」までフルで参加してから三枚目の傑作「Unhalfbricking」のレコーディング中に離脱している人で、以降にもちろんフェアポート人脈をも使って作られた作品がこの「Matthews Southern Comfort」。フェアポートの方はサンディ・デニーという強力な歌い手が加入していたためイアン・マシューズのささやくような優しい歌声の出番が少なく、またリスナーも必要としていなかったこともあるのでその分自身のバンドでこういった柔らかく優しい雰囲気の楽曲群に囲まれたウィスパーボイスによる作品はフェアポートからの離脱の理由がよくわかるというものだ。思う存分イアン・マシューズの世界を打ち出しているし、その美しさは英国フォークの中でもかなり秀逸なモノに仕上がっているとも云えるしね。

 セカンドアルバム「Second Spring」はもう少し霧が晴れたような感触の作風で、ちょっと雲の切れ間に日差しが見えるかなというような感じでして、うん、CD一枚に二作品が入ってるけど、立て続けに聴いているとその作風の質感の違いはすぐにわかるんじゃないかな。どちらもソフトで優しい楽曲群は聴くモノをうっとりとさせる魅力を放っていることに変わらないね。うん、いいわ、こういうの、秋だ~♪

Gryphon - Midnight Mushrumps

 芸術の秋。…とまぁ勝手に自分が聴いている音の理由付けをしているんだが(笑)。聴き始めるとホントに面白いよね、音楽ってのは。そしていつも思うが世界には実に色々な音楽があるなぁと。それでも自分が聴いているのなんてごくごく一部だけで、世界中ってことになったらホントに今の何百倍の音楽が溢れているんでしょ?やっぱまだまだでさ、楽しめるのがいっぱいあるもん。深堀も良いし浅く広くでもいいけど、色々な感動に接したいね。

Midnight Mushrumps Red Queen to Gryphon Three


 ってなことで英国の重鎮バンドとも詠われたことのある国立音楽楽員出身者をバンドのメンバーとするグリフォンのセカンドアルバム「Midnight Mushrumps」。1974年リリースでバロックな交響楽団みたいなバンドってことで既にルネッサンスもプロコル・ハルムも出てきていたから時代的に初めての音ってのでもない。ただ、その徹底さが違っていて使われている楽器ももちろんハープシコードからモロにオーケストラが使う楽器類まで幅広く使っているようで、圧巻はA面全部使う大曲。荘厳な音に展開は各種、それでも音色は割とロック、根底はクラシック、う~ん、プログレが出てきていたので聴き慣れていた、っつうかやる方も二番煎じ的ではあったみたい。ただ、本格度が凄いなぁ、これ。

 聴きやすいっちゃあ聴きやすい。グリフォンもアナログ時代にさんざん探して全然見つからないバンドのひとつで、この後のレコード「Red Queen to Gryphon Three]」は見かけたけど入手できず、今回はCDリリースもあったのでようやく入手して聴くことのできた作品。ジャケットだけは昔から知ってて、モロにそれらしいので楽しみではあったな。うん、十分に見合うだけの価値はあったね。あ、もちろん英国ロック好きな人にお勧めですが、ここからプログレにハマった人もいるので割とよろしいのかな?



Jethro Tull - Songs from the Wood

 「貴方の一番好きなバンドは?」と訊かれて即座に答えられる人とか都度答えが変わるけどって人とか色々いると思うが、このバンドが一番に出てくる人って尊敬に値すると思ってます。うん。ジェスロ・タルね。これほど英国らしく英国の深い所までを見せてくれるバンドもなかなかいないし、それはキンクスのレイ・デイヴィスのような英国らしいという表現ではなく、もっと深淵を覗いた後での表現というのかな、相当深い面での英国を伝承していると思う。音でも歌詞でもそもそもの存在感とか在り方とかってのも含めてすべて。もちろんユーモアも混ぜて、という意味で。だからこのバンドを徹底攻略するには相当の知識と英国文学やら文化、背景に繋がる物語に対する興味などなどを知らないと面白くない。というか知っていると更に楽しめる、っていうもんだよね。「A Passion Play」とかもモロそういうのだし。

Songs from the Wood Minstrel in the Gallery

 1977年10枚目の作品「Songs from the Wood」、パンク全盛期にリリースされた時代遅れとも云える、更に時代錯誤な田舎に戻ったトラッド風味の作風で完全に時代を無視したサウンド。しかしレーベルもしっかりとこういうのをリリースしてくれるあたりはジェスロ・タルというバンドの底力を知っていたからか。売れるというシーンからはかなりかけ離れた音世界を構築し、またしても新たなるジェスロ・タルの世界を見せてくれた傑作。

 レビューをあれこれ見てると、アコースティック寄りのトラッドに還ったという表記があったりするんだけど、これはもう思い切りプログレッシヴでポップな作品。もちろんエレキよりもアコースティックな音をたくさん使っているけど、トラッドというよりも英国的な音楽センスによるラインがそこかしこで出てくる…っつうか当たり前の姿で音楽しているイアン・アンダーソンって実に自然。だから転がり落ちるようにな演劇的な展開もあったり、ほのぼのする、正に森の中で妖精と戯れているかのような音もあったり、こういう深さはなかなか出てこないので、じっくりと楽しめるサウンド。間違ってもiPodあたりで何かしながら聴いていては絶対いけない。じっくりと腰を据えて煌びやかな音色に彩られた世界を楽しむべし。

 この頃イアン・アンダーソンは英国の田舎に引っ込んだ生活をしていたらしく、その近くにはスティーライ・スパンも住んでいたとのことで自然と交流をしていきトラッドやアコースティックに近づいたサウンドになったらしいけど、そうでなくたってしっかりとプログレッシヴなアコースティックだったのにね。ジャケットの素朴な風景と中味のインパクトたっぷりのロックサウンドはアンバランスながらも実にマッチしている不思議なアルバム。フォークじゃないよ、完全にロックのアルバムだけど、英国の深いアコースティック風味が出ている名盤。



The Strawbs -Just a Collection of Antiques and Curios

 秋の大型連休の始まり…、何をするにもどこに行くにも混んでるから連休って難しいと思う。自分の家で適当に気楽に休んでる分にはお気楽で良いんだけどね、一歩外出るとうるさかったりするので面倒。くつろぐつもりで出掛けようものなら渋滞とかさ。なので、ちょっとヒネた休み方しないといかんのさ(笑)。

Just a Collection of Antiques and Curios Dragonfly

 英国フォークというよりもフォークロックの部類に入ってしまうだろうストローブス。イエス加入前のリック・ウェイクマンが参加していたバンドとして有名なんだけど、この辺はプロダクションの影響もあって、概ねトニー・ヴィスコンティの関係でデヴィッド・ボウイの「ハンキー・ドリー」に参加していたりもするので時期的なものと合わせてリック・ウェイクマンの仕事ぶりがよくわかるが、まずはこのストローブスの傑作と言われる三枚目の作品「Just a Collection of Antiques and Curios」。

 1970年リリースのライブアルバム「Just a Collection of Antiques and Curios」。とてもライブアルバムだなんて気付かないくらい完成度が高いし、しかもどういうやり方なのか、そもそも意識してなのかほぼ全曲未発表の新曲から演奏された作品なのでライブでありながらオリジナルアルバムの部類に入れられてしまう変則作品。ジャケットみても全然ライブというような感じでもないし…、いや、このジャケット、昔から好きだったんだよね。モロにアコースティックですっていう感じが堪らなく魅惑的でね。だから音の空想も面白くて聴きたかった。なかなか手に入れられなかったけど。

 手に入れた時はリック・ウェイクマンがどうとかは気にしてなくて、多分今でもそれは気にしてなくてバンドとして聴いているから、作品として聴いているといや、やっぱりリック・ウェイクマンのオルガンとかピアノとかが目立つシーンも多いことに気付く。やはり天才は若い頃から目立つものなのだ。音はねぇ、もちろんアコースティックなんだけど、やっぱロックだからバンドだし、フォークっつうのだけじゃない。アコースティックテイストの目立つロック。二曲目の組曲なんて12分くらいあるから、こういう展開がプログレ的でもあるし、次の「Temperament of Mind」はリック・ウェイクマンのピアノをクローズアップした作品で、いきなりクラシカルな世界になってしまう…。ちょっとなぁ、バンドの雰囲気からは大きく外れてしまうので、ライブ盤じゃなきゃあり得ない展開。技量とか旋律自体はさすが…と唸らされるものだけど、作品邸には無茶苦茶浮いてる。

 面白いことに決して軽くはない作品で、やはり英国的な重さというのか風格を持ったバンドの音。長寿バンドとして活躍しているだけあって、今聴いても色褪せない濃い音を展開しているアルバムかな。しかしリック・ウェイクマン在籍中のライブテレビ映像があるんだ…、驚いた。↓

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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