The Suicide Twins - Silver Missiles & Nightingales

 徐々に秋色のサウンドに傾倒してきたぞ~とじぶんのと季節の関係を楽しみながら音楽に浸るという楽しさ♪ 熱いヘヴィメタルは秋には合わないので、ちょっとばかりアコースティックな志向もよろしいかな、と。とは言っても突然英国フォークの世界っつうのもなかなか馴染まないので、まずはロックなアコースティックアルバムから…。

Silver Missiles & Nightingales

 1986年リリースの正に隠れた名盤に相応しいアルバム「Silver Missiles & Nightingales」。ハノイのアンディ・マッコイとナスティによる二人のユニット。基本アコースティックアルバムで、バイオリンやチェロやパーカッションなんつうのが入ったもので、珠玉の美しさを保った驚くほど意外な傑作。滅茶苦茶ロックなんだけどさ、アコギだけでアレンジしまくってやるとこんなのできるの?ってくらい。元々ロックンロールジプシーと自称するアンディ・マッコイの正にジプシー的な音楽性が出ている。どこの音楽っていうよりもアンディらしさが真に一本通っていて、そこにジプシー的な味付けがなされていて、モノ哀しい歌声も入ってくるというもの。一曲づつ見るとハノイで使う予定だった曲や、同時進行だったチェリー・ボムでの曲なども入っているんだけど、もちろんアコースティックアレンジなので別曲に近い。しかし単にアコギ掻き鳴らしているだけじゃなくてしっかりと世界にこいつらしかできないと思える音楽の広さを提供してくれているので面白い。

 やっぱアンディの書くメロディは綺麗だ。メランコリックというのか、アンディ自身の声もそうなんだけど、ぐっと心に来るメロディだったりするので、それをこういう作風でやられると堪らないなぁ。いや、名作。ナスティも歌ってるけどやっぱ役者が違う。楽曲群は多分アンディのデモテープがベースになっているみたいで、バンドでどの、っていうんじゃないからね。ハノイ解散後の趣味で作った作品だろうけど、凄く良い。正に秋にピッタリのアルバムでちょっとしっとり聴いちゃいましたかね(笑)。

 残念ながら手に入りにくい様子だけど、まぁ、その辺の中古CD屋さん見てれば1000円くらいで見かけると思うけど…。今はみなオークションとかでサクッとネットで探すのかな…。



Fallen Angels - Fallen Angels

 早くも秋深まり10月も終わりになってしまった…。聴いている音楽はと言えばだんだんとハードで派手なものからちょっと大人しめのモノになりつつある今日この頃。とは言ってもまだまだロックンロールを聴いていたりはするんだけどさ(笑)。そんな気分なのでちょっとマニアックなものを聴いておこうかな、と。

Fallen Angels Pure Mania

 1984年リリースのフォーリン・エンジェルス「Fallen Angels」という作品。まぁ、ハノイ・ロックスの面々が全員参加しているアルバムで、メインは元ヴァイブレーターズのKNOXというボーカル兼ギター兼鍵盤奏者でして、実質彼のソロアルバムなので特にハノイらしさっつうのがあるワケじゃないけど、やっぱり演奏はハノイだな(笑)。アンディは要所要所でしか参加していないみたいで、マイケル・モンローはサックスで参加。結構サックスは入っているので多分ほとんどマイケル・モンローだと思う。故にベースのサミーとドラムのラズルは全曲参加。ナスティもだね。ラズルが参加しているっつうのが大きいなぁ。

 それで、そのKNOXっつう人なんだけど、ヴァイブレーターズも全然聴いたことないのでよくわかんないけど、このアルバムを聴いている限りは結構なロックンロールばかりなので割と聴けるかも。まぁ、ただかなりB級の香り漂う楽曲が多くて決して明るくはなく、ドロッとしたロックンロールっつうのかな、なかなかベタな感じ。派手なハノイらしさとは割と裏腹。ただ、ルーズなノリの部分は共通するところあるかな。これはやっぱりアンディ・マッコイの才能が入っていないことの違いだろうけど、こういうアルバムって珍しいから面白いね。ツェッペリンがP.J.プロビーのバックやってた時はどう聴いても音がZepだったけど、ここでもそういうのに近い感覚はある。やっぱバンドはバンドで音が出てくるもんなんだ。

 ちなみに1986年にももう一枚アルバムをリリースしているらしいけど、そっちは聴いたことないのでわかんない。ヴァイブレーターズにも手を出してみても良いカモしれないけど、ちょっと子供じみてる感じもするかな…。

Michael Monroe - Not Fakin' It

 2001年に再結成して順調に活動、アルバムも三枚リリースして全盛時代よりも充実した活動と見せてくれていたハノイ・ロックスが年内で解散とのこと。11月は英国とフィンランドツアーをしてオシマイ。ただしその後来年の春頃に日本に上陸して解散コンサートをするらしい。ま、ハノイ・ロックスって日本での人気が結構高いので解散の挨拶ライブは行っておいても良いと思ったのかな。マイケル・モンローとアンディ・マッコイがまた音楽的な側面で別々の道を歩みたいってことらしけど、もうねぇ、いいじゃんねぇ、そのままで。ソロになっても音的には大して変わらないだろうし、どっちも何かが欠けているっていう感じはするだろうし、と思うが。またどこかで、今度は昔の面々で再結成でもしてくれれば良いかな。最後の日本公演決まったら行くだろうなぁ、やっぱ。

Not Fakin' It Whatcha Want

 そんなことで1989年にリリースされたマイケル・モンローの実質のソロデビュー作となる「Not Fakin' It」を久々に。中古CD屋さんとかではほんと100円とかで手に入るくらいあちこちで見かけるし安い。多分売れたんだろうからそうなっているんだが、内容は全然悪くないから美味しい一粒。初っ端の「Dead Jail or R&R」はガンズの全盛期にアクセル・ローズがPVで共演していることで話題になって、一気にマイケル・モンローをロックヒーローの座に戻した一曲で、ハードにドライブするロックンロール。古くからのファンには違和感があるアメリカンなサウンドではあるけど、キャラ的にはイケてる曲で、代表作だろうね。勢いありまくりで、ぱっと聴くとエアロスミスみたいでもある(笑)。バックの面子はあちこちの経歴を持つ連中を集めているけど、やっぱり上手いね。だからしっかりとロックンロールが聴ける。まだマイケル・モンローも自分だけでロックンロールできるって思いが強かった頃なので、パワフルな作品が集まってるし、この人マニアなのでしっかりとHeavy Metal Kidsのカバー曲「She's No Angel」とかやってる。

 そういえば、マイケル・モンローのソロデビューアルバムってのは「ナイト・ア・ソー・ロング」っつうやつで、確か1987年頃に出てたはずなんだよな。どうやらフィンランドのマイナーレーベルからリリースされたカバーアルバムらしいけど、日本ではしっかりとビクターから出ていて、当時レコード聴いてたもん。今じゃCDも見当たらないのでなかなかレアアイテムらしいけど、なんかゴツゴツとした感じで派手なマイケル・モンローってのとはちょっと違った、古い感じがしたな。多分やってる曲がカバー曲ばっかりだったからだろうね。今となっては入手に手間取る一枚かもしれん。

 しかしこの人の作品はジャケットに必ず顔が出てくる(笑)。ルックスで惹き付ける魅力ってのがあるからだが、自信もあるんだろう。ジャケのセンス的にはイマイチだけど、まぁ、わかりやすいか(笑)。タイトル曲「Not Fakin' It」とか「Shakedown」とかやっぱノリの良いかっこよい曲も入っているのでパワフルにR&Rを楽しめます♪



The Clash - Live At Shea Stadium

 相も変わらず70年代のバンドの発掘作品やリマスター作品が市場を賑わせている。結局メディアを買って聴く、というスタイルに慣れきっている世代にしかCDってのは売れないのかもしれない。新しい世代ではもうダウンロードでファイルを落とす、という概念が優先で、FMラジオから録音する、というような概念はないと思うし、自分も実際にそういう概念から切り離されつつある。気になったらダウンロード、みたいな感じだしね。それでもどこかでコレクター的精神が働くのでブツとしては所有したくなるモノも当然多いのだが…。今回のザ・クラッシュのライブアルバム「ライヴ・アット・シェイ・スタジアム」はそういう概念を無視して、さっさと見つけて聴いてみたいと思って入手した一枚。ここ最近ではそういう買い方ができるのはそう多くはない。

ライヴ・アット・シェイ・スタジアム(初回生産限定盤) レヴォリューション・ロック

 1982年10月13日のニューヨークシェアスタジアムに於けるライブ盤「ライヴ・アット・シェイ・スタジアム」。当時ザ・フーがフェアウェルツアーと題してアメリカを回っていた時のツアーサポートとしてクラッシュが招集されて前座としてクラッシュとしても初めてとなるスタジアムクラスでのライブツアーとなったので話題は大きかったらしい。ちなみに10月13日っつうのはザ・フーの解散ライブ最終日。なワケでこの日の演奏が持ち出されたんだろうと思う。ただ、パンク発祥時代から追いかけていたファンからしてみるとクラッシュがビートルズアメリカ侵攻の証となったニューヨークシェアスタジアムでライブをするってのはどうにも解せない部分があったんじゃないかな。ザ・フーに対してはパンクファンも名にも言わなかったが、ビートルズを引き合いにだされると嫌悪感出るもんね。しかもこのライブってファンの大半がザ・フーのファンってワケだから決して会場と一体となったライブという図式ではないハズなんだよね。ま、今となっては単なる記念ってことで良いんだろうけど、ライブ盤としてリリースするならもっと良いソースいっぱいあるだろうに、というのはマニア的見地の穿った見方か。

 んなことで、このライブアルバム、全編を収録しているんだけど40分程度という短いもので非常~に聴きやすい。最初の印象では序盤、ちょっと調子よろしくないのかな、なんて感じで中盤以降はいつもの調子を取り戻して白熱したライブになってきたって思ったけど、何度となく聴いているとそれは多分ドラムがテリーに変わっているから感じられたグルーブ感の欠落が要因かと。いや、悪くないんだけど、やっぱりシャープさとかキレ具合ってのがトッパーとは違うんだよね。ポール・シムノンとのグルーブが違うんだと思う。まぁ、このテリーもこの後はジョニー・サンダースのバックでドラム叩いたり、ハノイ・ロックスのアンディ・マッコイとチェリー・ボムを組むので決して悪いドラマーではないんだろうとは思うが、やっぱトッパーのシャープなセンスがよく似合っていたんだってのを実感。

 曲はもう往年のヒット曲満載で、アメリカ人なら大喜びってセット。最初期の悲愴なパンク的ソングは少ないのが個人的には物足りないけど、スタジアムでのライブだからねぇ、パフォーマンス性の方が重要にはなるか。そういう言い方で書けば、相当気合いの入ったかっこよいライブで、ジョー、ミック、ポールの歌が聴けるし、それぞれの出来映えも素晴らしい。これからクラッシュのアイテムはこうやって発掘アーカイヴばかりがリリースされるんだろうな。嬉しいっちゃぁ嬉しいけど、どこまでちゃんと聴けるかなぁ…。





Rammstein - Herzeleid

 インダストリアルメタルなどというジャンルもあるのか、と何となく日本語的に産業的とか工業的なという意味で、まぁ、無機質なというところなんだろう。言われてみればなるほどって感じはあるけど、もうねぇ、最近の細かいジャンル的な単語はよくわからん。今回紹介するラムシュタインというバンド、ちょっと前にpapini嬢の所でクローズアップされていて、あぁ、久々にファーストアルバムてのもいいかもなぁと。このバンドは凄く進化していて、今や超重鎮扱いのバンドでもあるし、音的にはやはりヨーロッパのバンド、ドイツのバンドなので荘厳さを増しているのが最近の傾向。そんなラムシュタインの最初のアルバムを見直してみよう~♪

Herzeleid Lichtspielhaus

 1995年リリース「Herzeleid」、未だ日本盤がリリースされたことのない傑作。もう13年も前のことなのか、と驚くものだが、自分がラムシュタインを知ったのは多分1998年頃なのでちょっと遅かったね。何と言っても映像を見て楽しむバンドでもあるので最初はDVD「Lichtspielhaus」を見て楽しんだ。何度も何度も見て新しい音世界を満喫しながら刺激を受けましたねぇ。「Herzeleid」はセカンドアルバム「Sehnsucht」のツアー時の様子を収めたモノなので、まだこのファーストアルバム「Herzeleid」とセカンドアルバム「Sehnsucht」からの曲しかなくって初期の新鮮さが…、いや、それでもスタジアムでやってるから初々しいワケじゃなくって既に貫禄たっぷりではあるが、相当楽しめる。それでハマった。

 「Herzeleid」は屈強な男達のバックに花のアップという気色の悪い、いかにもホモっぽいジャケットで、アメリカでは確か違うジャケットになってリリースされているはず。こういうブラック名ジョークを本気でやれるところが面白いし、基本的にラムシュタインはコミックバンドだし、エンターティナーなのだが、最初期からなかなかメディアにそれをアピールするのも難しかろう。それをジャケットで表現したのかもしれんな。ヘンな奴ら(笑)。

 いかし、中味は凄いよ~。最初からついついアタマ振ってしまう超金属的なメタルサウンドで、ボーカルは重低音ボイス、そしてどこか無機質なデジタルビート…、とにかく燃える。前半の楽曲群の激しさとノリ具合はとんでもないスケールで、とても新人バンドのファーストアルバムとは思えない出来映え。中でも「Asche Zu Asche」はキラーチューン。ライブでも実際にマイクに火を点けながら歌うという演出なのだが、とにかく燃えるリフとキャッチーなフレーズによる歌メロ、鍵盤が白音符を鳴らし続けることで荘厳な雰囲気を出しつつ、単調なギターの激しいリフが繰り広げられていくので宗教的に盛り上がってくる…、炎を使ったステージングも入るので、正にゾロアスター教のように火を崇めながら陶酔できる環境が構築されるのだな。いや見事。続けて演奏される「Seemann」ではベースのリフレインが印象的なバラードのような曲で、ライブではここで観客席にゴムボートを出してメンバーが乗っていくという演出も見られた曲だ。アレンジは超ヘヴィだが、楽曲センス、メロディラインのセンスは素晴らしく、ポップスターが可愛くアレンジして歌っても十分に通じるクオリティじゃないかと。ラムシュタインってこういうバラード系はものすごく実は上手くて、美しい曲が出てくる。これはやはりヨーロッパ人の成せる業かもしれん。

 「Du Richst So Gut」なんてのももうキャッチーでとにかく燃える(笑)。なんだろうな、単純さを思い切り単純にプレイしているってのとアレンジ的にはそこに鍵盤を入れて、デジタル的な要素も織り込んでいるから新しさもあるし、バンドコンセプトがきっちりしているから魅力的なバンドになっている感じ。ま、そこにコメディも入るから余計に楽しめるってトコだ。まずは映像を見てインパクトを楽しんでもらって、音で二度美味しいってワケっす。

 こないだDVD「Volkerball」をリリースして今は一段落している様子なんで、また活動再開を楽しみにしているんだけど、いつの時代でも驚かせてくれるパフォーマンスが準備されているのでじっくりと機が熟した頃にまた見たい。また来日してくれんかなぁ~。まずはYouTubeでその雰囲気をお楽しみ下さい♪



Kidneythieves - Trickster

 今頃になってインダストリアル系やゴシック系なんてのを聴いているもんだから今現在既に廃っているものなのか、まだ人気のあるモノなのかってのは全然わからなくてね、自分的にはどれもこれも新しい音なので全部新鮮なんだけど、リリース年を見ていると既に10年以上前のものとかあって…、いや、ちょっと時代に遅れているなぁと。なのでこの辺はもの凄くズレているような気がしています(笑)。

Trickster Zerospace

 そんな中の一枚、1998年リリースだから既に10年前の作品なのだが、Kidneythievesっつうバンドの最初の作品「Trickster」。時代的にはマリリン・マンソンとかああいうのが出てきた頃で、アメリカ出身なんだけど結構音的にはインダストリアル系の冷たい無機質な機械的な音でリズムもゆっくりと重苦しく迫ってくるもの。そこに女性ボーカルが妖しげに被ってくるので自分的追求バンドになってきたんだけど、まぁ、暗い。暗さが、ヨーロッパ的暗さじゃなくて単に暗い。でも音的には悪くなくって、最初からドラムのゲートリバーブとか結構今聴くと新鮮で、楽しいかな、と。ただ、まぁ、そうだなぁ、何回も聴いてハマるかっつう音でもないのは確かかな。

 次作「Zerospace」では何かの映画のサントラで使われたらしくて、そこで一応メジャー的に名前が売れたらしいけど、それでオシマイだったみたいで最近の作品はリリースされていない。うん、あんまり今の時代に歓迎される音でもないし、変化していけなかったバンドだったのかもしれないね。でも興味深い音なのでキライじゃないね。深みを追求していったらまだまだ出来たような気もする。

 こういう音の元祖ってやっぱりディペッシュ・モードあたりなんだろうか。アメリカ人のこの辺がそんなのに影響受けているとは思えないから、その間にはいくつかのフィルターが入るんだろうけど、俄然英国の音ってのが興味深く追求できる側面でもあるな。ふむふむ…。

Velcra - Consequences of Disobedience

 聴けば聴くほどにロックという器の広さを実感する…、それはもうすべてのジャンルに当てはまることなんだろうけどさ、ひとつ何かネタとなるサウンドがあるとそこから更に発展したり何かと組み合わせたりという試行錯誤というか何でもありっつう実験が若い世代によってどんどん試みられていくっていう構図。中にはパフュームでわかるように売り手が意図的に創り上げるサウンドってのもあるけど、それだってやっぱり若い才能が試していることであって、古くからの音楽家はやっぱり淘汰されていってしまうのかな。そう考えると長寿バンドってのは何かしら尊敬すべき所が多いってことだ。若いウチは組み合わせや複合技が才能だと思っているからいいのかもしれないな。

Consequences of Disobedience Hadal

 いやぁ、そういう意味では典型的だなぁ~と思ったのがこのバンド、Velcra、ヴェルクラって読むんだろう。何かと自分も好きなフィンランド出身のバンドで、なんつってもこのアルバム「Consequences of Disobedience」のジャケットのインパクトが聴くきっかけだね。可愛い顔してピストルの銃口をこっちに向けてるっていうアンバランスさ、っつうかどこかブレードランナー的な…、ラン・ローラ・ラン的な、トレインスポッティング的な…うん、そういう感じでね。気になったので、まぁいいかと聴いてみました。

 おぉ~、これはこれは驚いた…、女性ボーカルによるインダストリアルメタルサウンド?いや、どういうのがインダストリアルなのかよくわかってないけど、デジタルビートをメタルサウンドに持ち込んだものっていう認識で、どこか無機的な音っていう意味なんだろうけど、簡単に言えばデジタルビート的メタルサウンドにラップの歌を持ち込んだというか…、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの女性版…が知ってる中では近いのかもしれん。まぁ、そんな感じなんだけど、凄く驚いたのはそのジェシー嬢のパワフルな歌声、ラップ声。ただし要所要所ではしっかりと北欧メロディーが歌われていて、しっかりと狙ってこういうのをやってるんだな、というのがよくわかるんだよね。もの凄くインパクトのあるアルバムだと思う。

 冒頭に書いた文章はね、このバンド、Velcraがこの後に辿った道なんだが…、いや、このアルバム「Consequences of Disobedience」は2002年の作品で、昨年かな、三枚目の作品「Hadal」がリリースされた頃にはもはやインダストリアルメタルというカテゴリに属さないようなサウンドに変貌しているらしい。まぁ、ゴシックに近づいたってとこで、そういう面では割とクオリティの高い作品らしいのだが、往年のファンからすると「え?」ってモンらしい。まぁ、早くも変貌を遂げているってのは時代に敏感なんだろうけど、今後の自分達の音楽性ってのはどうしていくんだろうねぇ?と言うところが悩ましいトコなんじゃないかと。

 ま、それでもこのファーストアルバム「Consequences of Disobedience」のインパクトの強さは確かに驚くものもあるし、まだまだサウンドの未来は明るいっていう光明を差してくれている気がするもん。そこら辺のヘンなの聴くんだったら絶対この方がロックの激しさを持ってるね。そういう音。





Sirenia - Nine Destinies and a Downfall

 最近のメタル系の世界はやたらと深い…っつうのも多分、最近ってのが全然最近じゃなくてここ10年くらいの間のことを言っているからだと思うので、やたらとメタル系が進化した時代だったのかもしれないけどさ。えらく細分化されているので言葉的にもよくわからないし、他のレビューとか読んでても単語からしてよくわからんのだよな。メロスピとかシンフォ系とか言われてもさ、どういうのがメロディアスなスピードメタルでシンフォニックってどういうレベルのことを言うのか…、メランコリック調で云々なんて言われても甘ったるい感じなのか?みたいに言葉と音のニュアンスが上手くマッチしないからよくわからんのだよ。んで、適当に聴くハメになるんだけど、大体ジャケットで判断(笑)。まぁ、ハズレもあるが、いいでしょう、それなりに楽しめれば。

Nine Destinies and a Downfall An Elixir for Existence

 んで、結構当たったのがこのサイレニア?シレニア?のアルバム「Nine Destinies and a Downfall」。2007年にリリースされたフルアルバムでは3枚目らしいが、以前ここでも書いたトリスタニアっつうバンドのメンバーが脱退して出来上がったバンドらしい。そもそも1st「At Sixes and Sevens」や2nd「An Elixir for Existence」ではかなりデスヴォイスも使われていたシンフォニック度の高いバンドだったらしいが、このアルバム「Nine Destinies and a Downfall」では多少そういうのもあるけど、もっとソフトでメロディスでモニカ嬢の甘い声が全面に出ていて素晴らしくも美しい楽曲が並ぶ。確かにメタル的なバックのサウンド…歪んでいるし鍵盤も鳴ってて重い音作りなんだけど、どういうワケかあまりメタルに聞こえない、どっちかっつうと女性歌モノ、ドラマティックなスケールの大きいオーケストレーションを聴いているような感覚に陥る。多分メロディと歌声がしっかりしているからだろうと思うけど、非常に聴きやすい。もちろんテクはしっかりしているので聴かせるのも上手いんだろうけどね。

 アルバムジャケもなかなか北欧的でしょ?うん、ノルウェーのバンドらしい。この手のバンドで何枚もCD出せるってのはやっぱ実力もあるし認められているんだと思う。しかしノルウェーらしいんだろうね、こういう音ってのは。普通に出てくる哀愁のメロディが日本人好み。それとギタリストもしっかりと泣きを弾けるってのが良いかな(笑)。今度は1st2ndを聴いてみようかなと思うバンドです。



In This Moment - Beautiful Tragedy

Beautiful Tragedy The Dream

 In This Momentというバンドの2007年リリース作品「Beautiful Tragedy」。こちらもジャケットの印象でそのまま試してしまった一枚で、どんなバンドなのかもロクに調べもせずに聴き始めたのでちと驚いた。今度は女性歌モノ叫び声系ですが…。っつっても普通に歌う曲もあったりするので全編ではないけどやっぱりバンドがヘヴィーで重い音なのでどうしたって叫びたくなるわな。それでもキャッチーなメロディを歌うというある種近年に見られる妙なミクスチュアー感覚のあるバンド。

 ん?これもカリフォルニア出身か…。どうにも最近はその辺の変わり種バンドに多く巡り会っているようでそれぞれ個性的っつうのも驚くことだが、確実に音楽シーンは進化しているな。ヨーロッパの方のバンドではやり切れていないアプローチを既にアメリカのこのヘンのシーンでは実践していたり、局部的にクローズアップしたりと進化のスピードはかなり早い。しかし本質的な部分を失いすぎていないか?と思うがそれは今に始まったことではない…。しかしここ最近はアメリカもヨーロッパも複合的に影響を受け合っているのか変わり者バンドも多いな…。

 しかしこのバンド…ちょっと自分にはうるさ過ぎて聴けない箇所が多い(笑)。楽曲は悪くないかもしれないけど、やっぱりなぁ、こういうのは好みではないんだなぁと実感。何でも聴いてみないとわからんけど、スクリーモ系はダメらしい。でもジャケット、割とよろしいよね。

Otep - The Ascension

 ここのところの女性歌モノ系で結構面白いと言うか、個性的なモノに巡り会えていたので欲を出してちょっと派手なものないかなとアマゾンで思うがままに進められるものをチョロチョロと手を出してみる…。ネットがこんだけ普及していてもなかなかそのバンドの実態とかわかんなかったりするんだよな。だから失敗することも大いにあるのだが…。

The Ascension Sevas Tra

 Otep(オーテップ)の三枚目「The Ascension」2007年リリース作品。いや…、ジャケットがさ、こう…、真摯に見つめられるものだからちょっとゴシックとかとは違う路線だな…と思いつつもシュールさとロゴの機械的な部分から面白そうかな、とね。ネットでの評判を見るとどうもデス声のできる女性ボーカリスト、オーテップ嬢らしい。ん?デス声?それってもしかしてArch Enemyみたいなもんか?とちと不安になったが…。

 一曲ごとに書いていけないからサクっと書くけど、アルバム冒頭からメランコリックな呟きで始まるので、何やらこのまま荘厳な世界が繰り広げられるのかなと思いきや、一気に女性版Slipknotと言われるだけあってもの凄いスピードメタルでデス声で迫ってくるメタルサウンドで驚いた。次ももう叫びまくっててうわぁ~タマらんなぁ~って思ってたんだけどさ。いや、慣れてくるんだけど何曲も聴きたくないから…。と思ったら三曲目はもの凄く普通に可愛らしくしっとりと歌声を聴かせてくれて、それはもう普通以上にしっとりとしてて愛らしいものだ。こういう起伏ってのはある意味ワザだな。そして四曲目ではラップ調のリズムに乗せて普通に歌っているのと所々叫ぶっつう面白い展開。なのである種のジャンルを横断して歌っているバンドっていう意味で幅を広げているかな。5曲目は途中まで普通にしっとり、途中からうわぁ~、デス~だけど(笑)。

 …まぁ、そんな感じでジェットコースターに乗っているかのようなサウンドの…と言うか歌声の変化が楽しめて悪くはなかったか。楽曲レベルは割と高いんじゃない?ちとそこまでまだ分析出来るほど慣れてないからアレだけど、クリーンに普通に歌っている曲は前後の起伏もあるけど、良いな、と思える曲だもん。しかし彼等もロサンゼルス出身のバンドなんだ…。アメリカは広い…っつうか何でオススメCDってアメリカばっかなんだ?



Jack Off Jill - Clear Hearts Grey Flowers

 新世代のロックをたまに耳にするとそのサウンドの斬新さにはいつも驚かされる。楽器に対する取り組みもメロディや音の組み立てに至るアプローチなども従来型ではあまり考えられなかった、というよりも全く考えられなかった展開や組み合わせが出てくる。テクニックがそれについていってないケースもあるけど、そこはテクノロジーでカバー、アーティスティックに創造する力の方が優先する。ルックスにしても当然市場戦略のひとつでもあるけど、自分が好きだっていうのもあって目立つ格好をしているワケで、それが個性的に映る。まぁ、オールドタイムな世代からある話だけど常に驚かされるものだ。

Clear Hearts Grey Flowers Sexless Demons and Scars

 Jack Off Jillというバンドの2000年の作品「Clear Hearts Grey Flowers」にして最後の作品。以降Scarlingというバンドに移行してヴォーカルのジェシカ嬢の夢は続けられていくこととなる…。ま、なんだ、音的なものから入ると言うよりかはジャケットの奇抜さが面白そうだったってことなんだが(笑)、日本にもこういう絵ってあるよなぁ~と。果たしてどんな音?って思ったんだけどさ。

 メランコリックなメロディでキッチュな感性に従ってやってみました的なサウンド。深みは全然ない(笑)。いや、それはフロリダ出身のバンドだからか?しかしその世界を完全に構築しているのは間違いないので結構聴きやすい音かな。別に特に突き刺さるようなハードな音でもないし、どちらかというと美しい傾向の曲が多い。そしてアルバムがなんとなくドラマ仕立てのように曲が並んでいるのもよろしい。一見ハードな音世界に映る曲もあるけど、それはそれで最先端の音として出てくる…、んな感じか。ま、メタルというジャンルになるのかなぁ、やっぱり。ジェシカ嬢の絶叫の世界も割と悲愴感あって雰囲気出ている。

 多分何回も聴かないけど、刺激的なサウンドとファッションを持ったバンドだってことで割と楽しめたのでよろしい。ちと調べてみるとナイン・インチ・ネイルズとかマリリン・マンソン関係での人気があったらしいってことで、まぁ、ゴシックという世界というか魔女的な音なのかね。楽曲レベルは結構しっかりしていると思う。

 YouTube見ると…、下の映像だけど「ファイナル・ファンタジー」が使われているんだが、そういう関連性もあったのか?ゲームの世界はよくわからんけど、ま、この曲も結構面白いからいいや。



Collide - Chasing the Ghost

 エキセントリックでダークなアンビエントを持つサウンドって言うとどうしてもヨーロッパを嗜好してしまうんだけど、ここ何年かではアメリカも相当病んだ影響からかそういったサウンドを持つバンドも出てきていた。まぁ、NINとかマリマンとかはどこかショウ的でもある部分があるけど、そうだなぁ、確かに90年代に入ってからは退廃的なアメリカっつうのが流行したワケで、映画「セブン」や「羊たちの沈黙」っつうのに象徴されるサイコもんも売れたしな。音楽映像の世界でもそうだったもんな。その頃に出てきたバンドって即座に消えていった感じするけど、実際的にはほとんど興味なかったのであんまり知らないんだよね。んで、最近あれこれ探してたり、似たようなモノ~って紹介されるものの中にCollideっつうバンドがああった。

Chasing the Ghost Two Headed Monster

 2000年リリースの4枚目の作品「Chasing the Ghost」。パッと見たところアメリカって感じしないよね。しかもロサンゼルスっつうから不思議だ。ま、どんなもんかと試しにとばかりにアルバムを聴くのだが、どういうんだろうかね、これは。ドラムマシーンと鍵盤打ち込みによるエレクトリックな世界だけどいわゆるビートという感覚ではなくって確かにインダストリアルな、というか退廃的なゆっくりと淡々と刻み続けられるリズムをバックに妖しげな女性ボイスが宙を舞うと言った様式か。心地良くカラダをリズムに任せてユラユラと揺れて楽しむ、そんな音楽で昔で言えばデペッシュ・モード的なものが象徴なんだろう。別に聴かなくても人生損しない音ではあるが、こういう音楽もあるんだなぁと。美しさと言う面ではかなりのものだし、妖しげでもあるから悪くはない。ただし家で一人で聴くもんだな(笑)。

 なんつうのか、抑揚が全然ないのでホントに淡々と流して浸る音なんだが、ヨーロッパ的深みはないからやっぱり廃れていく、っつうか残していくにはかなりハードルが高くなるだろうと言うのがわかるもん。時代に合わせていればよかったんだろうけど、なかなかね。それでもCollideと言うバンドは今でも新作「Two Headed Monster」をリリースしていて、市場に受け入れられているという事実があると言うことは需要もまだまだあるんだろう。アメリカってのは不思議な一面があるねぇ。



Mortal Love - Forever Will Be Gone

 昨年夏頃にゴシックメタルにハマってしまった時に多種多様のバンドを聴きまくっていて、結構探したり漁ったり試してみたりとやったんだけどその時メモっていた中にあったけど聴くまでに至らなかった、いや、即座に手に入れられなかったという理由で後回しにしていたCDも非常に多くあって、その中のひとつがこのモータル・ラブというバンドだった。結構気になっていたので見つからなくって残念~なんて思っていたんだけど、すっかり忘れてた(笑)。ま、そんなもんだ。だが、しっかり今回ふと見つけて聴いてみたのでよしとしよう。ホントはセカンドアルバム「I Have Lost」を聴きたかったんだけど、ま、いいか。

Forever Will Be Gone I Have Lost


 2006年にリリースされたモータル・ラブの三枚目のアルバム「Forever Will Be Gone」。ちなみにこのバンドはノルウェー出身のバンド。うん、素晴らしくよろしい作品じゃないですか。1st、2ndがどのような作品なのかまだ知らないのでこの一作だけのレビューになっちゃうけど、ミドルテンポの楽曲でヘヴィーに彩られているものの、Cat嬢の甘い歌声がその陰鬱さをすべて帳消しにしているが故、何とも甘ったるくて美しいメタルというよりもオーケストレーションとううような感じで歪んだギターが鳴っている印象。なかなかこのアンバランスさが武器になるってのは難しいので、このバンドの個性としてしっかりと確立されたサウンドなんじゃないかな。もちっと起伏に富んだメロディがいくつかあると煌びやかになるというものだが、多分それがないのが良いんだろう。結構な傑作なんじゃないかな、この作品。

 男性コーラスによる美女と野獣的なコーラスは入ってくるんだけど、これくらいの声が一番音楽として合っているワケで、はい、デス声ではなくって囁いているようなコーラスなのでドラマティックさはかなり持っている。特に「While Everything Dies」なんつう曲ではストリングスによる楽曲のドラマティックさの中にヘヴィーなギターとアコースティックな要素が詰め込まれているので割とレベルの高い作品だろうね。いや、いいわ、このバンド。秋冬にぴったりの叙情性を持ってるので好み♪

Coronatus - Lux Noctis

 女性の歌モノに対する興味ってのは自分でも思うのだが尽きないのか、はたまた飽きないのか、飽きてもまた違うのを欲するのか、まぁ、適当な周期で新しい音を聴くっつうのもあって、ここのところはまた女性歌モノに走ってる。ゴシックメタルっつうジャンルに拘ろうとは思ったけど聴いてみるまではわかんないし、聴いてみたら一応メモっておく意味も含めてブログにアップしておく方が良いかなってことでまとめて聴いているので今度も書いておこう。

Lux Noctis

 2007年リリースのCoronatusっつうドイツのバンドのファーストアルバム「Lux Noctis」。なんと女性ボーカルを二人配した6人編成のバンドで、一人はナイトウィッシュのターヤみたいにオペラティックな歌唱をするボーカルで、もう一人は普通にロック的に歌う女性ボーカルってことで、その対比がアルバム全編でも通されている。なかなか興味深い組み合わせなのでちょっと興味そそられたんだよね。んで聴いてみるとなるほど、他とは一線を画したバンドの個性が出ているなぁと。オープニングのイントロから始められるギターリフとかは結構盛り上がるし、結構好みのツボにハマるバンドです。2曲目「Silberlicht」はドイツの民謡的メロディーを用いながら起伏に富んだ楽曲をメタルで演奏していて結構面白い。ソングライティング的にはまだまだ未熟な部分が多いかなという気もするけど、ファーストアルバムってのはそんなもんでしょ。勢いはしっかりと伝わってくるので面白い。ま、意外性って面ではそれほど多くないけど、「My Rose Desire」っつう曲も面白い。かと思えば「Winter」って曲ではしっかりとアコースティックギターをで正に冬を表現してくれているし、結構期待できそうなバンド。

 こういうバンドってここからどうやって個性を出していくのかが難しくてね、音楽的にはドイツならではの方向ってのが一番良いと思うんだよな。女性ボーカル二人ってのも巧く使っていかないと意味ないだろうし、シンフォニックに展開して激しく起伏を持った楽曲ともなればなかなか…。ただし初期ナイトウィッシュとの違いはしっかり出さないといけない。やっぱゴシックの世界って難しいねぇ。ジャケットの絵はElisやLeave's Eyesと同じ人が手がけているようで、国が違っても狙いは同じってトコか。ちょっと面白いので聴いてみてもよいかも。



Within Temptation - Black Symphony

 ロックバンドが生のオーケストラと共演するライブってのは古くから実践されていて、プロコル・ハルムやディープ・パープルってのからず~っとあるし、メタリカですらそんなのをやってたりするので別に珍しいものでもない。ただ、ヨーロッパのクラシカルなバンドがこういった試みを行うってのはなかなか興味深くて、例えばルネッサンスがオーケストラと共演したってのはやっぱそれなりに荘厳な雰囲気だし、クラシックに影響を受けたバンドがオーケストラと共演するのは聴き所があるものだ。

Black Symphony The Heart of Everything

 ウィズイン・テンプテーションのついこないだリリースされた新作「Black Symphony」は正にそんな代表的なライブで、地元アムステルダムのオーケストラと共演した壮大なるライブの模様を記録したアルバム。基本的にCDは二枚組でライブ全編を収録、おまけに、というかDVD一枚にライブ丸ごと収録していて、更におまけの映像が多々付けられている三枚組のパッケージが国内盤の基本。ただ、ヨーロッパ盤だと更におまけのDVDが付いてくるというものもあり、せっかくなので個人輸入でそれをゲットして都合2DVD+2CDで20ポンド未満という格安のプライスも驚く。更に素晴らしいのは早速ブルーレイディスクバージョンもリリースしているという、正に時代の先端を走るバンドらしいリリースの取り組みが見事。DVD二枚も付いているとそれだけで350分あるんだからたっぷり見れるっつうのも良い。そこまでじっくりとなかなか見れないぜよ。あ、ちなみにPAL形式なので普通のメジャーなDVDプレイヤーでは見れないのでご注意を。

 さてライブの方だが、もう演奏云々とかシャロン嬢の歌声云々は語る必要のないくらいに素晴らしいもので、正に完璧な美と演奏を聴かせてくれてるし、オーケストラとのマッチングやピアノと歌とのセットなど究極の美を追究したショウになっているのでたっぷりと浸りまくれる作品です。衣装も素晴らしくゴージャスだし、ゲスト陣を迎えてのセッションもアクセントになっているけど、やっぱウィズイン・テンプテーションというバンドの完成度の高さは何物にも代え難いレベルを維持してるね。今が最高に熟しているって感じだもん。

 ちょっと前に最新スタジオアルバム「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」のDVD付きってのがリリースされて、それは昨年の日本公演のライブDVDを付けたものなんだけど、その時点で既にセット的な完成度は仕上がっていた感じもするから、今回の「Black Symphony」ではより一層磨きを掛けたライブってとこかな。一気に見て聴いて楽しんでしまう彼等のひとつの金字塔であることは間違いなし。楽曲のレベルの高さとオーケストレーションとの合体による効果、ステージングでの効果など文句なしの傑作。



The Birthday Massacre - Walking with Strangers

 音楽の裾野はもの凄く広がっているなぁと実感する。今時のバンドって何でまたそんなに応用力というか発展性というか独自性を持ち合わせているのか…、別に今までなかったワケじゃないけど妙に新しく作り直されていて新鮮だったりする。もちろんそれがアルバム何枚も作って変化し続けるものなのか、留まり続けて売れるために音楽をやり続けるのはわからないけど、少なくとも発展性を持ったバンドは多い。

Walking with Strangers Violet

 The Birthday Massacreっつうバンド名でそれだけでもインパクトあるんだけど、彼等の三枚目のフルアルバム「Walking with Strangers」が2007年にリリース。もちろんここに辿り着くまでに紆余曲折あったことは過去のアルバムを聴いてみればわかるんだけど、さすがに脂が乗ってきたのか非常に洗練されたアルバムサウンドでシーンに投入。音的にはねぇ、基本ハードロック/ヘヴィーメタルサウンドなんだが、鍵盤が巧く入り込んでいてデジタルテクノっぽい印象を与えてくれている。ドラムも一時期のドラムマシーンのような音色で録音されているのでどこか機械的なサウンド。そこに女性ボーカルが被ってくるんだけど、これは普通に何の個性もない歌声ってのが収まりが良くなっている。歌メロは割とポップなのでメタルサウンドがバックに流れていることを忘れるくらいの軽さがあるのはミックスの面白さかな、へぇ~っていう感じ。どこかのヒットチャートに顔を出してもおかしくない曲もあるもんね。

 バンドイメージがこの紫色なのかな。過去三作とも同じ色使いで統一性を持たせている。うさぎの影絵ってのもイメージなんだろう、きっと。なかなか可愛らしいけど、どこかダブルミーニング的に見えてしまうのは自分だけ?いやぁ、普通じゃ面白くないしね。しかしまぁ、キャッチーなアルバム、っつうかバンド、なんだな。やっぱり聴いてみないとわかんない世界だが、かなり良質の作品だってことは明言できる。カナダのメルヘンバンド、と言われているらしいけど、確かにメルヘンチックで微笑ましい作品。

 しかし日本のセーラー服姿で歌う彼女…、なかなか新鮮かもしれん。

Katra - Beast Within

 新たなるサウンドに飛び込むとき、もしくは何か気になる時ってのは大体ジャケットで選んだりすることが多い。もちろん今時なのでネットであれこれ誰かが書いた感想みたいなのを読むのもあるけど、レビュー読んでから聴いてみようというのよりもジャケット見てどんなんだろ?って気になってレビューを読むことが多い。それで結局聴いてみないとってことでYouTubeとか行けば良いのに何故かそこではあまりサンプル聴きしない自分。音悪いからかな。音悪いと良いものも良く聞こえないってことあるので、YouTubeで最初に聴く、見るってのはあんまりないかなぁ。でも、ひとつの手段だからやっぱり使うけどね。

Beast Within

 Katraっつうバンドのこないだリリースされたワールドワイド向けアルバムとしては一枚目の作品「Beast Within」。この前に自国フィンランドでは同じようなジャケットでフィン語でのアルバムがリリースされていたみたいだけど、英語にし直して楽曲もリメイクや新作を詰め込んだ世界に放つ作品として仕上げている。なんつっても叶美香さんのような女性が前面に写し出されたアルバムジャケットを見ればやっぱり気になるでしょう(笑)。如何にも私を聴いて、と言わんばかりのジャケットなので女性ボーカル好きの自分としては素直に聴くワケですな。最初は別にゴシックなメタルだとかも知らなかったので、ポップスでもいいか、ってな気分だったんだけど、しっかりとその筋のメタルサウンドだったので驚いた。例のユーロビジョンコンテストにも出場したらしく、その際にNightwish似のバンドと評論されたようで、ターヤのいなくなったNightwishをイメージさせるバンドならば、ってことで話題になったらしいが日本では全然情報がないなぁ…、と。

 サウンドはね、確かにNightwish的なオーケストレーションとハードなギターに加えてソプラノボーカルが宙を舞うっつう感じではある。ボーカルのカトラ嬢の歌声も見事にソプラノボイスで確かにターヤ云々と言われる部分はあるけど、あそこまでじゃないから普通に巧いボーカルってトコかな。ウィズンのシャロンに近いかもしれん。ま、いいじゃないか、どちらにしてもそれくらい綺麗な声だってことで。ルックスはジャケットが証明しているワケだし(笑)。バンドサウンドは如何にもゴシックメタルって感じだけど、ちょっと一辺倒な部分もあって音楽的な幅の広さが今後の課題、っつうか深みも必要だな。フィンランドなんだから素直に作ればメランコリックに出来ちゃうと思うんで是非頑張って貰いたいバンド。鍵盤があまり目立たない普通のメタルサウンドに近く聞こえる曲が多いのは古い曲なのかな。ま、それでも面白い聴き所は満載なのでよろし♪

 いや、これさ、Within Temptationって検索してたりするときにアマゾンなんかだと関連バンド出てくるじゃない?そこで出てきて気になってクリック、っつうパターンなんだよね。アルバムタイトルが「Beast Within」だから余計に引っ掛かるワケさ(笑)。おかげで良いモノに出会えました。



Emilie Autumn - Opheliac

 日本の文化ってのが近年では世界に進出していることが多くて、それは意図して流出しているものではなくって世界が勝手に注目することで流出していくことばかりだ。平たく言えばアニメやゲーム。完全に日本の文化が世界に流出して標準系を作っているようだし、また評価されまくっている。それとヘンな話だがビジュアル系のバンド。サウンドはともかくああいうイロモノ系ってのが世界には類を見ることがなくってアニメのコスプレなんかと被るのか、イロモノ系のバンドのファッションが流出しているらしい。その派生か、ゴスロリっつうファッション=ゴシック・ロリータなんだが、これもまた日本からの流出、だよな?大体青い瞳を持つ人種がゴスロリファッションしたらそのまんまじゃねぇか。日本人がやるからヘンなワケで、欧米人がやったらそのままフランス人形になっちゃうワケで、そもそも必要があるのかっつうか意味ないだろ、と思うのだが、やはりファッションというのは世界を制す。好きなヤツはどこにでもいるんだな…。

Opheliac Laced/Unlaced

 ってなことを好きで地でやっているエミリー・オータムという女性。シカゴ出身の天才バイオリニスト兼アーティストなのでした。ちょっと前にリリースされている「Opheliac」という作品が一番エキセントリックかな、と思って取り上げとこう。いや、最近知った人なんだけどさ、凄く面白い。Emilie Autumnは完璧にアーティストな人だし、こんなルックスだけどバイオリン弾かせたらイングヴェイ顔負けのプレイです。もちろんクラシックなバイオリンなどは普通に弾けるワケで、それをロックの世界に持ち込んで歪ませて早弾きプレイまでしてしまうとギター顔負けの音ですよ。ところがそれだけでなくこのファッションでインパクトありすぎだし、アーティスティックには鍵盤も弾くけど歌ってパフォーマンスも素晴らしい。そしてEmilie Autumnから出てくる音世界と来たら超アヴァンギャルドっつうのかインダストリアルなサウンドだったり戸川純だったりケイト・ブッシュだったりどこか椎名林檎だったり、いや、完全に独自の世界だったり絶対天才としか思えないようなマルチアーティストぶり。奇抜なルックスで普通のファンを獲得して、音世界でマニアを引き入れ、彼女の映像美を楽しみに待っているファンは多いはず。

 ん?ってか日本での知名度低いっす、ホントに。ネットで調べてもあんまり出てこないしさ。ま、偏った情報群で生きている世の中じゃしょうがないが、自分はこれをもちろんジャケットの奇抜さが気になって聴いてみた次第。YouTubeで見て更に驚いたワケさ。こんなルックスでアーパーかと思ったら驚くばかりのバイオリニストじゃないですか、ってことで、アルバム聴いたら更にぶっ飛んでて…。エミリー・オータムって人は多分今のところ出ているアルバム全部聴かないと彼女の世界がわからないと思う。アヴァンギャルドな世界ならこの「Opheliac」というアルバムだけど、「Laced/Unlaced」では完全にバイオリニストに徹している作品で歌無しだしさ。

 最近新曲としてクイーンの「Bohemian Rhapsody」なんつうのもやってるので聴いてみると面白いかもよ。こういうカバーもあり?ってな感じだしね。でもやっぱエミリー・オータムの独自世界を知ってもらった方が楽しいと思うな…。最近滅茶苦茶ハマっている音です。最近の新作はコチラ↓

A Bit O'this & That Liar/Dead Is the New Alive

必殺バイオリンソロ!




Bohemian Rhapsody





Oasis - Dig Out Your Soul

 秋の快晴な天気でささやかな休日を満喫し、もちろんロック、と言うか音楽は身近にあるものなんだけど、さて何を…、と。ここの所懐かしいハードなサウンドを好んで聴いていたけど、さすがに三連休の三日目ともなるとようやくゆとりが出来てきてくつろいだ音楽に目を向けることになる。もちろん相変わらず多種多様の好みを縦横無尽に楽しむんだけど、そういえばオアシスの新作が出てたな、と。オアシスってやっぱ秋とか冬向けでしょ(笑)。いや、何となくね。

ディグ・アウト・ユア・ソウル(初回生産限定盤)(DVD付) ファミリアー・トゥ・ミリオンズ

 ついこないだリリースされた新作「ディグ・アウト・ユア・ソウル」だけど、15年選手にしてまだ7枚目くらいなんじゃない?これくらいのペースで丁度良いんだよね。聴く側からすると。最初は年一枚ってのがいいけどだんだん数年に一枚って感じで、途中ライブアルバムとかで間をつないでっていうのが一番聴きやすい。昨今の様々なバンドのリリース状況ではDVDも普通にリリースしてくるからもう追い付かないもんね。うん、だから、これくらい待ち望みましたってのが良いんじゃないかな。…とは云え、自分的にはそんなに滅茶苦茶ファンなワケじゃないから別に良いんだけどさ。

 一言で言うならば、力抜いてるな、ってトコか。これくらいの楽曲なら彼等の才能を持ってすれば瞬間的に作れるだろうから大して力入れて作ってないのがバレバレ。これで真剣に作りましたって言ったらこのバンド終わってる。いつも通りの予想できるメロディ展開と大して凝ってもいないアレンジと曲展開、言い換えるとデビュー時代に戻ったかのような楽曲でもあると云えるけど、そもそも音楽性は全く変わらないバンドなんだからどれだけ良いメロディとかを聴かせるかが肝なんだよな。

 とは云え、さすがにオアシス節は健在で、過去の多様なバンドの曲からパクリまくりながら自分達なりのグルーブで表現しているところは相変わらず。残念なのはドラムにはザック・スターキーが座っていないってことか。どうやらザ・フーの活動に専念するってことで脱退したらしいが、オアシス的にも残念だろう。CDの序盤から半ばくらいにかけては割と楽しめて聴けるんだけど、だんだんかったるくなってくる。なんか、どっかで聴いた曲ばかりが並ぶのは自分がオールドロックファンだからか。

 まぁ、秋の空に聴いている分には結構心地良かったりして悪くないんだけど、ちゃんと聴くと不満いっぱい(笑)。ま、かなりのレベルでほざいているので一般論からしたら上出来、ってことにはなるんだろうね。

Cheap Trick - Heaven Tonight

 ハードロックの形態にも色々あるよなぁと思わせるバンドはもちろんいくつもあったりして、昔はやっぱり滅茶苦茶男臭くてかっこよくないとダメってのがあったけど、だんだんとコダワリがなくなってきて(笑)、何でもいいのかな、というかそういうロックの表現方法もあるんだな、という感じに聴けるようになってきたのはある。ま、歳のせいかもしれないが、いつまでもこだわってるとチャンスを無くしてしまうのでそういうのも良いかと。だからと言うワケじゃないが、チープ・トリック。メンバー4人のウチ、二人はルックスも良く、女の子の人気もバッチリの美少年。残りの二人は体型もルックスもどうしてもコメディにしか見えないワケで、それに徹しているというバンド。

Heaven Tonight At Budokan

 1978年リリースの「Heaven Tonight」。チープ・トリック三枚目の作品でこの後に来日公演を行って名盤「At Budokan」をリリースして世界的なバンドになるワケだ。しかし、この「Heaven Tonight」っつうアルバムは正に脂の乗りまくった時期の作品で、最初の曲「Surrender」からして超ポップなハードロック。聴いたことある人はわかるようにいつの間にか口ずさんでいる、というような曲だもん。やっぱ好きだよね、こういうの。このアルバムのツアーで日本に来ているし、「At Budokan」もあるから馴染み深い曲が多く入っているのも「Heaven Tonight」を聴きやすいアルバムにしているところ。

 話逸れるけど、このバンドの音ってどこかT-Rexのマーク・ボラン的な雰囲気するのが多くない?いつも聴く度にそう思うんだけどさ、なんつうのか、軽いリズムっつうかメロディもだけど、マーク・ボランなんだよね。影響されてるとは到底思えないので偶然同じセンスなんだろうけど。

 そういえば今年の4月24日に一日だけの来日公演をやったんだよな。キャッチフレーズは「At Budokan Again!」って。「At Budokan」と同じ曲目で武道館でライブやりますっていう過剰告知でさ、いや、実はそのライブ行ったんだよね。期待して。そしたら案の定、そのままの曲をやるってことはなかった。だって「Flame」とかやってるんだからさ(笑)。ただ、ステージ冒頭とか最後とかはあのままだったので雰囲気的には正に30年後に甦った「At Budokan」ではあったね。客層ももちろんそれなりの年代でして、いや、楽しかったな。忘れてた(笑)。



Thin Lizzy - Live And Dangerous

 ロックのライブ名盤を挙げる時に必ず入ってくるアルバムというのはあって、そのアルバムはもうほぼ固定されているんじゃないだろうか?多分誰でもが思い付くものが名盤として君臨しているのだ。ザ・フーの「Live at Leeds」やキッスの「Alive!」、UFOの「Strangers in the Night」やチープ・トリックの「At Budokan」など皆が皆なるほど、と思うものが多いハズ。ただ最近では発掘モノなども多くリリースされているのでそういったものまで含めるとかなりバラけてくるしマニアックになってくると思うので、あくまでも当時リリースされたものという前提だが。

Live and Dangerous ライヴ・アンド・デンジャラス

 シン・リジィのライブ名盤「Live and Dangerous」は1978年リリースの傑作。それこそライブ名盤には必ず入ってくるアルバムで、正に飛ぶ取り落とす勢いのシン・リジィを丸ごと収録したもので今聴いてももの凄い迫力とロックなライブ感が素晴らしいんだよね、これ。あまりにも熱くてグルーブ感があるので普通のスタジオ盤がつまらなくなってしまうくらい突出したライブアルバム。曲の構成も見事で、最初は飛ばしながらもペースダウンしたり泣かせてくれたり、そしてまた皆で楽しんだりとライブの醍醐味を見事に伝えてくれるアルバム。

 最初っから「Jailbreak」だからねぇ。燃えるよ、これは。ツインギター云々の語りはもう当たり前だけど、やっぱり最強と言わざるを得ないくらいのプレイでぶっとぶ。そのままの勢いで早速「Emerald」と来たらこれまた美しい旋律を奏でるツインギターのハードロック作品で燃えまくる(笑)。フィルのベースだって冴え渡っているし、圧巻というしかないもん。そんなハードなのが続いたと思ったら徐々にソフトなサウンドで会場を押さえていく曲順。「Rosalie」も割としっとりめだしね。そしてサックスが綺麗に響き渡る正にアイルランド風な曲「Dancing In the Moonlight」もシン・リジィらしい作品で、会場を和ませてくれている。ん~、やっぱ余裕があるバンドは違う。キりがないな(笑)。次の「Massacre」はもうノリまくってしまうくらいのアレンジで堪らん。美しいハードロックってのはこういうのを言うんだよな、と。その美しさを違う形で表しているのが「Still In Love With You」という名バラード。

 ここから一気に終盤に向けてテンションを上げていく…「The Cowboy Song」でこれもまたアイルランド風に盛り上げていきながら「The Boys Are Back In Town」でしょ。もうねぇ、凄い展開で攻めてくる。このアルバム聴いてて飽きるとかつまらないとか言うのって多分ないんじゃないかな。今時のハードロック好きでも多分このライブ盤は楽しめるハズ。いや、これわからなかったらロック聴かない方が良いよ(笑)。ま、それくらいよくできてるライブアルバムでさ。まだ途中なんだけどそう思う。そしてこの後もまだまだ立て続けにハードでメロディアスなナンバーが来ますな。「Warrior」の期待させるイントロからツボにハマる引っ掛かるようなリフがこれもまた堪らん。ほぼ全編に渡ってツインギターの醍醐味をたっぷりと楽しませてもらえるね。サウンド的にもフィルがベースと歌でど真ん中にどっしりと構えていてサイドを二人が彩るというアンサンブルでさ。かっちょよいんだよもう。最後はお決まりの「Baby Drives Me Crazy」と「The Rocker」で大円団…。

 DVDでも「ライヴ・アンド・デンジャラス」っつうのが出ているんだけどこれはまた別のライブを収録しているのでアルバムと共に二度美味しい。発掘音源なんかも入れれば割と色々なライブが聴けるシン・リジィだけど、やっぱりフィル存命中に快心のリリースを果たした「Live and Dangerous」はそれらとは一線を画す出来映え。映像でも楽しみたいが、やっぱ音でライブを想像して楽しむのが良いね。正に傑作ライブ!



Rainbow - Long Live Rock'n Roll

 70年代後期には80年代に繋がっていくバンドがいくつか出てきていたし、英国ではレインボウが圧倒的に評判となっていたワケで、この風潮は日本にも影響を及ぼしていたこともまた有名。その影響下からジャパメタブームが発足したと言っても過言ではない。もっともNWOBHMブームの走りも見えていたという時代ではあったので世界的にハードでシャープなロックが注目されたというところか。

バビロンの城門(アーチ)(紙ジャケット仕様) レインボー・オン・ステージ(紙ジャケット仕様)

 リッチー、ディオ、コージーの三人によるレインボウのアルバム「バビロンの城門」。1978年リリースだから既に30年前の作品。多分思い入れの強い人が多いだろうし、擦り切れるほど聴いていた人も多いアルバムだと思う。自分的にはそうでもないけど、やっぱレインボウだからなぁ。

 最近の作品を聴いている人からしたらエラク音の悪いアルバムって聞こえるんじゃないかな。もう少しレコーディングに気を遣ってもらいたいものだが…。しかし音の中味的にはさすがに70年代の音という感じで、重い。コージーのドラムがシンプルで重くなっていて、あぁコージーファンってこういうの好きだろうなぁ~と思うくらいにかっこよい。ドラムがここまで主張するのも珍しいよね。そこにディオの絞り上げるようなボーカルが乗っかるので正にHR/HMの元祖的な要素が詰まっているのだ。もちろんリッチーのプレイもあるが、基本ストラトなの粒の粗い歪んだギターってことでちと軽めに聞こえるのはレスポール系のギタリストばかりを聴いていたせいかもしれない。

 曲的にはねぇ…、どうなんだろ?圧倒的に「Gates of Babylon」「Kill the King」の人気が高くてそりゃそうなんだろうと思うが、もちろん「Long Live R&R」なんてのも人気ある。その合間合間に入れられた曲は割とポップ的な志向があって後にアメリカナイズされる兆候かもしれない。このアルバムにはヨーロッパ的に長い楽曲ってほとんどないしね。「Gates of Babylon」くらいかな、ヨーロッパな雰囲気出してるのは。ギターソロとかもそういう雰囲気しっかり出てるし、オーケストレーションも雰囲気あるから、やっぱり人気が高い曲なのは理解するでしょ。後は割と軽快…。しかしこのノリは凄いな。リッチーのリフは単純なものなんだけどグルーブがもの凄くて、多分それはコージーの力も大きいんだが、聴いてすぐにかっこいい~って思えるグルーブだから皆飛びつくのだ。あと、結構トリッキーなフレージングを編み出して弾いているのも面白い。ついでにベースもリッチーが弾いているのでバンドのグルーブ感が一体となっているのは当たり前なのかもしれない。「The Shed」ではここぞとばかりにリッチーのギターソロプレイから始められる曲で、ギターキッズのハートを擽るところだ。

 このアルバムでロニー・ジェイムズ・ディオは脱退して次の「ダウン・トゥ・アース」ではグラハム・ボネットが参加するということとなるが、レベル感としてはこのアルバムまでが凄く英国的HRバンドとして面白い頃。以降はちょっと方向が変わっていったのでファンも割と離れていったしさ。



Van Halen - Van Halen II

 1970年代末、新世代のギターヒーローが彗星の如く現れることで直後のLAメタルブームやHR/HMブームによる高速ギタリストを量産することになったエディ・ヴァン・ヘイレン率いるヴァン・ヘイレン。今聴いてもちっとも古く感じさせない楽曲センスとギタープレイは時代を先取っていた証拠でもあるか。…などと宣ってみたが、何とはなしにヘヴィなモノを聴きたいという欲から、すっかりコイツを忘れていたとばかりに取り出して聴く。

伝説の爆撃機(紙ジャケ) Van Halen

 1979年リリースのセカンドアルバム「伝説の爆撃機」。ファーストアルバム「Van Halen」で衝撃的なインパクトを市場に与えて一躍ヒーローの座に躍り出たエディのギターだが、そのまんまのアルバム構成と楽曲の雰囲気で創り上げられたセカンドアルバム。ジャケットもシンプルに仕立てたもので、もちろん四人での制作によるもの。なんつうか、アメリカンな空気は彼等の特徴でもあるくせにどこか暗い雰囲気を持っているのはジャケットによるところが大きいんじゃないかと。ま、それはともかくアルバム的な印象ではかなりコーラスワークが増えていて、その分パワーが前に出てくる。それもいやらしくない程度に迫ってくるのでクイーンなどとはちと違う。音はもちろんエディのマーシャル直結に近い音で複雑なワザは特になく、シンプルなギターリフが多いからストレートにかっこよさが伝わってくるね。ただギターソロはやっぱりとんでもない(笑)。

 意外と捨て曲もなくって、レベルが高い作品。の割にあまり人気がないってのも不思議だけど、カラッと騒いでいて楽しいよ、これ。ノリも良いしップだし。「Somebody Get Me A Doctor」とか面白い。しかしギタリスト諸氏にとってみると「Spanish Fly」の驚愕さはやはり異常。楽曲の複雑さはないからマニアックに楽しむことはないけど、ギターキッズは虜になるバンドだな。やっぱデイヴの歌がこのバンドには似合う。オーバーダビングもほとんどなくって生々しいバンドのサウンドで迫ってくるこのアルバム、割と名盤の雰囲気。

 紙ジャケでリマスター盤で出てるみたいでリマスター盤を聴いたんだけどかなり音がくっきりしていてなかなかよろしい。このまま「1984」までは揃えて聴きたいところだね。

Aerosmith - Night In The Rats

 70年代を制覇したバンドって多いモンだが、どれもこれも今思えば短命だった。みんな5,6年くらいしか活動できてないのに伝説になっていたりする。今のバンドなんて10年以上やってても何となく新しいバンドって思っちゃうし、時間の流れの感覚の違いと文化創造の時代の違いかね。フー・ファイターズがもう15年選手になるくらいだろうけど、全然伝説化されるバンドって思わないでしょ?エアロスミスの70年代なんて6年くらいで終わってるけど、80年代には伝説になってた。ま、解散してたからってのはあるだろうけど。まぁ、それ言ったらニルヴァーナとかアルバム数枚で伝説か。ガンズもアルバム一枚で伝説だから…、一慨に言えないものではあるんだが…。

ナイト・イン・ザ・ラッツ(紙ジャケット仕様) ドロー・ザ・ライン


 そんなエアロスミスの70年代最後の、オリジナルメンバーで最後と思われたアルバムが1979年リリースの「ナイト・イン・ザ・ラッツ」。以降ジョー・ペリーがドラッグに走り脱退、ブラッド・ウィットフォードも脱退、なんかとんでもない方向にバンドが進んでしまってボロボロ…。でも83年に復活しているんだから今思えば大した時間の長さではなかったってことだ。ちょっとまともに休養すればよかっただけの話だったんだろう。その辺が70年代のバンドの大変な時期だったんだよね。

 さて、そんな話題ばかりが先行してしまってアルバムリリース時には割と不運を招く風潮が強かったためにアルバムそのものの評判も芳しくなかったんだが、正直に書くとだな、自分がエアロスミスというバンドに興味を持って最初に聞き込んだのがこのアルバム。なので非常~に思い入れもあるし悪い作品だなんて全然思わないのだな。ここからヤードバーズにも入った部分あるしさ。うん、「Think About It」をカバーしていてさ、かっこよいなぁ~、この単音リフ…って思ってコピーしててさ、エアロのだと思ってたら実は違うってことがわかって、ヤードバーズ?んそういうこと?ってこの曲を探しに走ったもん。もう一曲の「Remember」っつうカバーは原曲さがさなかったが…、これはこれでエアロっぽくて良いんじゃない、って。んで、他はだ、確かに派手な明るさはないが、エアロらしいグルーブあるしバリエーションにも富んでいるアルバムだと思うんだよね。誰かが突出しているんじゃなくてバンドとして作品になってるもん。これが崩壊寸前のバンド?みたいなさ。ま、そのレベルに到達していたんだから凄いんだろうが。

 エアロってミディアムとかバラードとかっつうのが結構味があるバンドで、それはスティーブン・タイラーの歌唱力の成せる業なのかもしれないけど、このアルバムはそういう雰囲気のが割と多いから暗い印象を持つ。でもそれが結構良かったりするね。だから圧倒的なロックンロールアルバムじゃないと思う。そういう意味では確かに評価下がるか…。うん、なんか年取ってきてからわかるようになった(笑)。

 エアロってこの前の「ドロー・ザ・ライン」とか「ロックス」とかまだ書いてないの多くてねぇ…、いずれやるけどこれもまた久々に聴くとかっこよい音なのでいいかな。アメリカのバンドってのはそういうのが多い(笑)。しかしYou Tubeには「Think About It」の当時の映像なんてあるんだ・凄いなぁ。

Avenged Sevenfold - Live In The LBC & Diamonds In The Rough

 どの世代でもバッドボーイロックと呼ばれるバンドってのは必ず存在していて、それがまたきちんと売れていたり支持されていたりするから面白い。ニューヨーク・ドールズあたりから始まるのかな。70年代には多かったけど80年代になってそのものがシーンになってしまったLAメタル群、モトリー・クルーが代表か。で、ガンズやファスタープッシーキャットに流れて90年代はちと沈静化?ま、以降はあまり詳しくないが、今の時代では割と刺青バンドも多いからどれって特定できないけど、このAvenged Sevenfoldってのはそういうバンドの筆頭にも挙がるんじゃないだろうか?

ライヴ・アンド・レア City of Evil

 最近ライブDVDと未発表曲集のCDをセットにした「ライヴ・アンド・レア」をリリースしてまたまた話題を振りまいているようで、早速見て聴いてみる。ライブならではの迫力を期待して…、っつうか巧いんだよ彼等。意外な程にしっかりしている…、これが生ライブの音を収録しているものだとすれば、だが。何だろね、音楽性とか音そのものっつうよりもバンドのパワーとか若さとか勢いとか、そういうのが圧倒的に優れていて、見事にライブ盤にパッケージされている。やっぱライブで迫力ないとダメだし、それこそロックだもん。んで彼等の場合はカリフォルニア出身のバンドだからやっぱね、音が脳天気なんだよ(笑)。とにかくスコーンって抜けているサウンドだから悩むことないし、そういう気分になりたい時には心地良い。ギターも思い切り歪んでいるしソロワークも結構入ってきているので往年のハードロックファンには聴きやすい音でもあるしね。ただ、ボーカルのセンスは凄く不思議なバランスを保っていて、ロック的だけどラップ的なリズムも持っていてその世代の影響だろうけど、そういうのが新しい側面。いや~、ドラムのロールが心地良いです。

 それと未発表曲集のCDの方ではどうして未発表?って思うような楽曲がひたすら垂れ流されてきます。うん、レベル高い。コーラスワークとかギターのリフとかメロディそのものもだけど、全く悪くないので、ここでのリリースは正解。彼等的にはこれを新しいアルバムとしてリリースする程ではないと判断してのボーナストラック扱いで出したんだろうけど、それも良いリリース方法だよね。どうせライブの映像出すなら特典で未発表曲も付けてしまえってのは今後色々なバンドが真似してほしい。そういうマテリアルあるなら(笑)。

 うん、ちょっと前に知ったバンドだけど、気分によっては凄くハマるので割と捨てられないバンド。かと言って常日頃から聴いているバンドではない…、その辺がアメリカのバンドなのかもしれないが、底抜けに楽しむっていうのは良いじゃないか。

Velvet Revolver - Contraband

 ガンズ&ローゼズが一世を風靡したのももう20年前のお話になってしまって、それ以来アルバム数枚しか出さずに空中分解に近い状態で大物呼ばわりだけ伝説にされているというワケのわからないバンド。まぁ、あまり追求する気もないからいいけど、一作目のアルバム「Appetite for Destruction」は確かにかっこよかった。その主要人物であると思われたギターのスラッシュはガンズ崩壊後放浪のギタリストと成り下がり、バンドのギタリストというスタンスが似合うこの人はソロアルバムでは開花せず、やはり放浪の人生…っつうか不運のギタリスト、だろうね。別にギターテクが突出してるワケじゃなくてどっちかっつうとバンド内でのギタリストポジションで花開く人だから。そんな放浪の旅を2004年に終わらせてバンドらしいものができあがった。それがヴェルヴェット・リヴォルヴァーだと思うが。

コントラバンド リベルタド

 ファーストアルバム「コントラバンド」は多くのガンズ信者に期待された作品で、かなり売れたらしい。ま、元メンバーが3人もいれば話題になるわな。どうせならもう一人呼べればよかったのにね。途中で消え去ってしまったらしい。声がガンズだと主張できるアクセルのガンズと音がガンズだ、と主張できるヴェルヴェット・リボルヴァーと二つのガンズで商売になったのに(笑)。いやいや、しっかりこのバンドもそういう売りにしていたとは思うが…、ただ、もちろんガンズ時代から16年も経過しているワケだから音に対する取り組みや好み、スタンス、またギタープレイやバンドに対するアプローチ、更にはビジネス面での成長なども含めてガンズ時代と同じような音が出てくるとは思われなかったが…、しっかりと古き良きハードロックのスタンスを出してきた。それが「コントラバンド」。

 ボーカルを担っているスコット君の在籍していたストーン・テンプル・パイロッツってのは知らないが、悪くないんじゃない?元々ボーカル候補ってバックチェリーの刺青兄ちゃんだと思ってたからちょっと毒の度合いが違うけど、まぁ、あんまり影響ないでしょ。何となく21世紀型ハードロックを聴かせてくれているので、割と好み。キャッチーでポップだし、わかりやすいっつうのがビジネス面での成長か、それとももともとそういうセンスか。もちっとギターソロ聴かせてくれても良い感じはするが…。全体的には一本調子のキライはあるけどオールドタイムなハードロック好きな人なら好む音です。割とキライじゃないね。かっこよいよ。

 結構ウマが合ったらしく世界ツアーをこなして荒稼ぎして、2007年にはセカンドアルバム「リベルタド」をリリースしたみたいだが、そこで崩壊。ボーカルが脱退ってことで現在メンバー物色中とのこと。この手の歌い手って結構いるとは思うけど、ま、焦る必要がないだろうからじっくり決めるんだろう。しかし彼等ももう45歳くらい?う~ん…、よくやるわ。しかしスラッシュってバンド名に銃をイメージする単語を入れるのは無意識だろうか?

Hanoi Rocks - Bangkok Shocks, Saigon Shakes

 最近は飲酒運転の取締が厳しくなってきて随分とその率も減っているし社会認知もされているので環境変化というものを実感するが、ひょうんなことから飲酒運転の悲惨さを間近に感じたのがハノイ・ロックスのドラマー、ラズルの事故死。ハノイ・ロックスがアメリカ進出を狙いアルバム「トゥー・ステップス・フロム・ザ・ムーヴ」を制作し、ツアーを目論んでいたがその時にまだ駆け出しだったモトリー・クルーと意気投合し…、ま、そりゃふたつのバンドメンバーのロックンローラーさを見れば若さもあって意気投合するだろうと思うが、そこでパーティをやっていて酒が切れたっつうことでモトリー・クルーのヴィンス・ニールとラズルが車で買い出しに行った際の自爆事故。ヴィンス・ニールはかすり傷ひとつ負わなかったがラズルは死亡。そんなのを雑誌か何かで知ったので、飲酒運転はしてはいけない、などという戒めを改めて実感したもん。まぁ、破天荒なロックンローラーらしい話だが。でもさ、これ、逆だったらロック史はどうなっていたことだろう、って思う。

 ラズルが生きててヴィンス・ニールが死んでたら…、モトリー・クルーの歴史はなくなっていたかもしれない。あんまりボーカルに依存しないかもしれないけど。ハノイ・ロックスは全米制覇してたかもしれない…、モトリーの代わりに収まっていたかも?う~ん、なかなか夢のある推測だ。

白夜のバイオレンス(K2HD/紙ジャケット仕様) Bangkok Shocks, Saigon Shakes, Hanoi Rocks

 1981年ハノイ・ロックスデビューアルバム「白夜のバイオレンス」。そもそもフィンランドのバンドが日本でこんだけ人気あるってのも不思議なもんで、他にフィンランドのバンドなんて全くなかった時代だからね。間違いなく志摩あつ子さんの「8ビートギャグ」の影響は大きいと思う(笑)。たらこくちびるのモンちゃんだし。派手さとかグラマラスな毒気とかはインパクトある人達で、それはもう後のLAメタル連中にも大きな影響を及ぼしているワケだし、再結成したハノイ・ロックスを見ていても全然それは変わらずケバい。それが普段からそのままってのもロックンローラーだ。

 さて、このファーストアルバム「白夜のバイオレンス」だが、良い曲いっぱい入ってる。アンディ・マッコイの非凡な音楽センスがたっぷりと聴ける作品で、滅茶苦茶ロックでハチャメチャ。プロとしてこれで良いのかっつう演奏のいい加減さはあるが、ロックならこれで良いのだ。こじんまりとまとまったロックバンドじゃなくてドールズ直系の野性味が良いんだよ。素人を惹き付けるんだよ、そういうのが。それでハマったもん。「Tragedy」なんて今でもしっかり定番曲になってるけど、これまで聴いたことのないロックのメロディラインだしさ。それは後にリメイクされる「Don't You Never Leave Me」の美しさも同じか。「Lost In The City」のブルースに根ざしたロックンロールもハノイ・ロックスらしい楽曲で、ストーンズの「Satisfaction」のリフなんかもカマしてくれる楽しい曲。スライドにハープ、ギターっつうオーソドックスな演奏でなんでこんなにハノイ風?って思うくらい。ほんとにゴチャゴチャになった音楽エッセンスがアンディのフィルターを通して出てくるところが面白い。アンディの才能をキラリと聴けるのは「Cheyenne」かな。ま、キース風っちゃあそうなんだけどなんかグッと来るんだよね。

 えっと、自分、凄くハノイ好きだけど、実は初期の作品集はあまり聴かない。ん~、デカイ音で聴ける時は聴くけどそうじゃない時は結構聴き辛かったりするから。それはもテクとかレコーディングミックスとかそういう出来の問題。ただ単純にロックンロールだから別に普段から聴かなくても大丈夫なんだよね。んで、たまに聴くとかっこよくって毎回ハマる(笑)。だからフェイバリットじゃなくて常に一目惚れ状態のバンドかもしれんな。

 そんなバンドなのにこないだK20HDっつうわけのわからない規格で…要は音が良くなっているらしいが、紙ジャケットでCDがリリースされているので入手は容易でしょ。別に中古で500円とかで変えるからそれで良いと思うけど。このバンドのリマスター作品って全然興味沸かないもん。そんなのとは違う世界のバンドだし、ね。

 ハノイ・ロックスって日本で人気あったと言う理由からか、どれも日本盤独自のアルバムジャケットを採用されているケースが多くて、このファーストアルバムも圧倒的に日本盤のジャケのセンスがよろしい。逆に「ミステリー・シティ」なんかはどっちもどっち…、「オリエンタル・ビート」はどっちもかっこよいが、やっぱオリジナル盤の方がアルバムを良く表してるかも。



Motley Crue - Girls, Girls, Girls

 日本経済がバブリー期を迎えていた頃、もちろんそれが当たり前の世の中だったからバブルってことに気付かなかったんだが、アメリカの音楽シーンもそのバブルに合わせて派手に煌びやかにゴージャスに見えたモノだ。冷静に考えれば別の国なんだから経済状況は異なるハズだけど、それが日本のバブル期と上手くシュリンクしたんだと思う。そしてバブル崩壊と共にアメリカの音楽シーンも派手さは一切無くなって退廃的なグランジがシーンを覆うこととなる。その象徴って感じもするのがキッスの衰退の後に出てきたモトリークルーかな。ケバいイメージはあったものの時代に合わせ変化、もちろん音楽性も変化させて上手く生き抜いてきたバンドで市民権は得ていないが妙に有名。ある種デッドヘッズ的にコミューンが形成されるファンの作り方になっている。ま、わかりやすく言えばバイカーが集団になった時、皆が聴いているのがモトリー・クルーっていう感じか。わからんけど(笑)。

ガールズ、ガールズ、ガールズ(紙ジャケット仕様) シアター・オブ・ペイン(紙ジャケット仕様)

 1987年リリースの4枚目「ガールズ、ガールズ、ガールズ」。自分はここから聴かなくなった。なんでだろ?飽きたんだろうな、こういうのに。それか他に面白くて深みのある世界にハマっていったからだな。なんかね、瞬間的に通り過ぎてしまったアルバム、っつうかこの頃は音楽シーン全般をそんな風に聴いていた。多分自分の趣味追求に費やしていたからだ。古き良きロックと比べてこれってさぁ~、みたいな感じで聴いていた頃だもんな。

 んなことで思い入れあって聴いていたことはないんだけど、バンドやってると回りにはこれが好きだ~ってのももちろんいて、聴かされたりすることもあった。それで知ってるんだな。ま、そういう時って大体暑く語られるワケよ。「モトリーのさ、これがな」とか「このアルバムの、ここがよぉ」みたいな感じでギター持ちながらああだこうだとね。んでまた簡単だからその場で「おぉ、そうか」と弾けてしまうから愛される(笑)。だがしかし、そこで自分は「やっぱな、ツェッペリンのさ…」となるんだが、ま、そんなもんだ。

 さて、正直にこのアルバム、最初の二曲で完結。いや、全編よく仕上がっているんだろうけど、最初の二曲が突出してキャッチーなので。でもアルバムのレベルは結構高いものだし、平均点以上の作品だろうね。ただ、バランスがよろしくない感じ。ジャケットがちょっと暗めのトーンというのもなんとなく作品の雰囲気と絡みが悪い。なんてのが率直な感想でして、きっちりと聴いて分析してってのじゃないからそんな感じ~なんてなってるけど、ライブの映像とか見てるとやっぱ理屈抜きに楽しめるライブバンドだもんな。ヘタだけど関係なく騒いでいられるバンド。ま、ワイルドなロックンローラーてのが似合う。

 今じゃ何か、こんなにボーナストラック収録されたCDがリリースされているんだ。彼等も歴史になりつつあるんだなと…。



Kiss - Dressed To Kill

 ロックが市民権を得たのはエルビスの登場からってのはあるが、それでも以降完全に受け入れられているバンドってのは少ないような気がする。ロックの世界では黄金期と呼ばれる70年代に市民権を得たロックバンドは果たしてどれだけあったかと言うと結構疑問。ま、それが30年以上も経つと明らかに境界線が引かれてくるワケで、特に若い世代のロックファンにしてみると名前が残っているバンドから入るだろうし、名前の残っていないバンドが如何に多いかと思う。一方では極端化が進んで大物は圧倒的大物、伝説的な大物になるとかね、そうなってる。ボン・ジョヴィとかエアロとかキッスとか。ま、スーパーボウルの休憩タイムでやるようなのは市民権得てるんだろう。しかしキッスが市民権を得るとはねぇ…。キワモノ扱いだったハズなんだが…。

地獄への接吻(紙ジャケット仕様) アライヴ!~地獄の狂獣(紙ジャケット仕様)


 そんなキッスががむしゃらに売れることを望み続けていた時代の産物「地獄への接吻」。デビューから1年強で三枚のアルバムをリリースしていたキッスだが、その三枚目、1975年リリース作品。多分ね、こういう時代で、しかもエンターティナー性の強いキッスというバンドで、市民権を得ているバンド、更にアルバムリリース枚数も相当なものとなると一枚一枚のアルバムの重要性というものが薄れてくるもんだ。だから手軽な廉価版ベストCDを乱発するようになる。特にアメリカのバンドやアーティストはそういう売り方をされることが多くて、またそれで需要も十分に満たされてしまうことが多いのも事実。だからここでアルバム一枚づつ語っても結構しょうがないのかなという向きはある(笑)。ま、なんだ、エルビスとかチャック・ベリーのアルバム全部聴くか?みたいなもんだな(笑)。

 話を戻して…「地獄への接吻」、時代背景はまだキッスが売れる前の産物だが「Rock'n Roll All Nite」が収録されていて、ヒットし始めた頃の作品。ファーストから一貫してポップさを持ったちょっとヘヴィーなバンド、でも全員歌えるし、見たらインパクト絶大のパフォーマンスとメイクという奇抜さで世に出てきたが、このアルバムでもそれはもちろん変わらない。この後、キッスを有名にした「アライヴ!~地獄の狂獣」と言うアルバムは初期三枚のアルバムの集大成だったが、「地獄への接吻」からチョイスされていたのは4曲。だからその4曲は馴染み深いんだが、その実このアルバムの冒頭からの楽曲群も忘れられがちではあるがキッスフレイヴァー満載のR&Rです。ま、ちょっとキャッチーさが不足しているかもしれないけど、それでも歌詞にしてもさびにしてもわかりやすいんで、ベスト盤とかライブ盤ばかり聴いてしまうリスナーにもちょっとした深みを味わえる作品として初期はオススメしたいね。

 ま、今もキッスは活動しているが既に懐メロバンドになっていてもちろん新しい試みもあるけれど、それは決してこのアルバムなどから埋もれた曲を取り上げてやることもないだろうし、新作が過去の作品ほど浸透することもないだろうから、やっぱり忘れ去られていく楽曲群になっちゃうんだろう。勿体ないからアルバム単位で聴いてほしいよね。ま、ただ彼等自身もそういう状況を認識しているようで、しっかりと過去の作品の再録作品「地獄烈伝~ニュー・レコーディング・ベスト~」をこないだリリースしてくれたのだが…。

 そういえば懐かしい話だけど自分はもちろんアナログ時代にキッスに出逢ってるんだけど当時手軽に聴けたのが初期三枚がセットになった「The Originals」を中古で買って聴いてたな。思えばこれも商魂魂溢れるレコードのセットだった…。

Loudness - Thunder In The East

 う~む、ストレス溜まってるなぁ~ってのが自分でわかる(笑)。秋が強まってきて気分的には英国の森に進もうと思ってはいるものの、現実的になかなかその世界に浸れない。そしてひたすら聴いているのがヘヴィメタみたいなハードなのばかり。別にスカッとするワケでもないし、大音量で鳴らしているワケでもないので単に気分の問題だな。世の中めんどくせぇな~と思いつつ日々過ごしているからそうなるのかもしれん(笑)。だから割とあれこれ聴いていて、その中に何故かラウドネスが入ってたりする。

THUNDER IN THE EAST(紙ジャケット仕様) RE・MASTERPIECES~ザ・ベスト・オブ・ラウドネス~

 最近リマスター作品がリリースされたのかテレビでプロモビデオ集みたいなのをやっててね、見てて気になってさ。このアルバム以前のまでしかまともに聴いたことなかったので、ラウドネスが世界に放った最初のアルバム「THUNDER IN THE EAST」をきちんとは聴いてはいなかったのだ。それで気になったので聴いてみることに…。

 いや、このバンド、一体何処の国のバンド?ってなくらいに日本らしさがない。かと言ってアメリカでもない。ヨーロッパ的と言えばそうかもしれないけど、違っていてやっぱ日本人がアメリカのマーケットに対して取り組んだ英国ハードロックを祖先とするヘヴィメタバンド、っていうそのままの姿なんだと思う。でもね、聴いてるとホントよく出来ていて、もっと売れてもよかったんじゃないか?と思うくらい完成度が高い。今聴いても凄い完成度だと思う。びっくりした。テクニックは文句なしだしバンドも凄く巧い。曲も思い切りヘヴィメタではあるけど細かいところでよく練られていて、ドラムのリズムとか凝ってるし、ギターももちろん王道メタルギターでボーカルもどこから声出してるんだってくらいに遠いところから聞こえてくるようなハイトーンを駆使して、ヘンな日本人らしいメロディは全然ない。凄い。

 楽曲もさ、「Crazy Night」はもう言うまでもなく王道リフだが、次の「Like Hell」の裏メロチックな単音リフって好きでさ、こういうのが曲に絡んできて歌は別物、みたいなのって如何にもリフから出来た曲らしくて好きなんだよ(笑)。別に一生懸命聴いて研究したワケじゃないけど、何となくパッと聴いていてギターの音の凝り方とかエフェクトとか、あ、ここでこうしてるんだ、とか結構音を飽きさせないように変えたりしていて、そういう凝り方は日本人かもしれない。プロデューサーの意思ではないだろうから。

 ジャケットはモロに日本らしく出しているけどかっこよい、かな。ま、賛否両論。しかし、当時はラウドネスアメリカ進出ってスゲェ~ってのあったしメタルキッズからは本当に世界を取ってきてくれ、と英雄視されていたけど、自分はちょっと引いてたな。ジャパメタシーンそのものをね。で、世界に出たけど、ってトコまでは知ってたけどアルバムは聴かなかったなぁ。ただ、アマチュアバンドが集まってライブやったりしてると必ずどこかの誰かがラウドネスとかってのはコピーしててさ(笑)。それで覚えてしまった。


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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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