そこで今回はフォートップスなんてのを。何故かウチにいくつかCDが転がっているので(笑)。っつってもベスト盤しかないけど、ちょこっと調べてみるともう何十曲もの曲が当時のチャートのベスト10に入っていたらしくて、正に黄金期を支えていたコーラスグループだったワケさ。何だろうなぁ、一番印象深いのは…、人によりけりだと思うけど「Reach Out I'll Be There」のあの美しいメロディだろうか…、「Standing in the Shadows of Love」とか …、いや、色々あるわ、ほんとに。前に若い女の子とカラオケ行ったら、結構知っててこのヘン歌っててさ、何で?って聴くと親の世代が聴いていて知ってるって言っててさ、まぁ、そういう世代だよな、と思うが、それでもちと古すぎないか?と。多分三世代目に入ってるな、これは…とふと思った。
そういう背景のバンドなので単独のアルバムなんてのが存在するハズがなく、ある種ボーカル抜きのモータウンが彼等のアルバムとも云える…、カラオケじゃないんだからそりゃ存在しないわな、と。それでも一枚だけそんなのを無理矢理リリースしてくれたのがこの「20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of the Funk Brothers」っつうCDで、全編インストもののCDなんだけど音が確かにモータウンの音でして、歌が乗ったらそりゃ誰でもよかったんじゃないかと思うくらいだけど、やっぱその歌い手の個性が重要な役割を担っていたんだな。彼等の演奏だけではどうにも惹き付けられるものでもないし…。もっとも歌ありきの演奏だからそりゃそうだけどさ。
それで、このセカンドアルバム「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」なんだけど、最初からもうタイトル曲の軽快なダンスソングで、ノリも良いし踊れる曲だもんな。以降、アルバム全編に渡ってキャッチーで明るくてノリの良い、そして全然重くないスライ&ザ・ファミリーストーンの初期のファンクバンドさが聴ける。「Dance To The Medley」はちょっと時代の洗礼を受けていてサイケデリックな雰囲気を醸し出しているけど彼等のファーストの延長だと思えば何て事はない。いやぁ〜それにしてもやっぱりベースラインが面白いし、効果的な音の使い方が既にあちこちでタメされていて、こういった実験が後の「暴動」なんんかで花開くってトコか。
んなことで1969年リリースの強烈なアジテーションを打ち出した問題作、佳作、名作、と呼ばれる「Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68」。「Sex Machine」前夜の最高ライブとも言える代物でして、タイトルがインパクトあるので白人からは嫌われたとか黒人支持を圧倒的にしたとか、時代背景を考えるとキング牧師暗殺事件の後、そしてケネディ暗殺の後とアメリカが揺れている時期の1968年8月のライブを収録したものなのだ。だから時代背景を知って聴かないとこのアルバムの本当のインパクトってのはわかんないだろうし、歌詞もしっかりと聴いて取るべきものだと思う。残念ながら自分的にもそこまではきっちりと聴けていないので、ひとつの歴史的作品として聴いているだけなのだが…。それでもその鬼気迫るライブ感は凄い印象的だし、名作と呼ばれる所以だと。
「Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68- 声を大にして云え、俺は黒人で誇りを持っているんだ」と。逆説的な人種差別ですらあるこのタイトル曲は決してハードなファンクソングではないけど、後のJBをイメージするシンプルなファンキーソング。こういうのってホントにリズムだけで進めていくっつうから楽器の音色とか云々じゃなくてグルーブだけで持って行かれる感じ。熱い。アルバム中いくつかはお得意のR&Bバラードがあって、それはもうJBの得意技なので感動しまくりの歌なんだけど、やっぱり強烈なのは「Licking Stick」とかに出ているようなうねるようなベースラインに乗ったチャカチャカしたギター、そしてJBのリズムの歌。これだよこれ。うん、黒い音にハマる人を理解できる思い切りファンクなナンバー。R&Bとファンクの中間なのかな、これ以降のライブとかでは圧倒的にファンクだからね。ま、P-Funkの面子がまだ参加していないアルバムでありながらこのグルーブっつうことはやっぱJBの音楽性だったワケだ。メイシオ・パーカーのサックスはここでも強烈に響いてます。
1975年にリリースされた自身のソロバンドによるアルバム「High Energy」なんだが…、なんでこんなもんがコレクションにあるのか不思議ではあるが…、うん、何十年ぶりに聴いたんだろう?完全にファンクです、はい。リズムがもう完全にその世界。が、しかし、要所要所に入ってくるギターのソロはともかくハープソロが完全にブルースなんですな、これ。だから凄く妙〜な雰囲気を出していて、このバックのファンキーさにハープの音って似合わないぞ、いや、聴き慣れないぞ、って感じ。ま、でも音楽なんてのは何でもありだからこれを認めてしてどう感じるか?なワケで…、後に流行したソウルジャズみたいなモンだろうか、それを70年代にバシバシやっていたのソウル側の人間ではなくってブルース側の人間ってのが面白い。ファンクとブルースとの接近の面白さを実践している作品。ライブ盤「」の方がたっぷりとそのグルーブは楽しめると思うので、ライブ盤「Live & On the Move」ももちろんオススメ。
ホントはライブ盤を紹介したかったけどアマゾンにないので、とりあえずベスト編集「Superman Lover: The Ultimate Collection」を挙げておこうかな。ライブDVDなら入手できるらしいので、それもジャケ出しておくとして、とにかく派手な人です。この人ほど多様性に満ちたブルースメンというかファンク野郎ってのもなかなかいないでしょう。「Ain't That a Bitch」(なんつうタイトル…)からしてみても思い切りファンクで、パーラメントみたいなもんでさ、見た目もP-Funkみたいにとにかく派手。ブルースメンの派手さとはちょっと違う、ファンク系の派手さ。ところが「Doing Wrong Woman」なんてのを聴いたりするととんでもなくヘヴィーで切ないギンギンギターが泣いているブルースを奏でてくれるという人で、このギターの腕前がファンクだけをやるには勿体なかったっつうとこだろう。多用なアプローチを試みる素晴らしいミュージシャン魂溢れるブルースメンなのだ。
1982年発表の「Grand Slam」が一番の名盤と呼ばれていて、確かにこのアルバムから自分も入っているからお薦めできるタイトルかな。割と質素でオーソドックスなパターンのブルース、いわゆる王道ブルースばかりが収められた作品で、ギターにしてもそういうブルース的な音でしっかり入ってくるし展開もそのまま、歌もかったるい感じのブルースそのままで、裏切られるところが全くない教科書みたいな作品。それで個性がないかと言うとそうではなくてしっかりとマジック・スリムっつうスタンスが出ている。ロックファンにもお馴染みの「Walking The Dog」なんてそのままアレンジなしで演奏されているから普通っちゃぁ普通なんだけどやっぱ黒人がやるとかっこいいんだなぁと素直に思ってしまう。ギターにしても線が細くて…そりゃまぁジャズマスターなんつう特異なギター使ってるからだろうけど、グイグイと太い音じゃなくてナヨナヨした感じの音色に太い指で弾いているっつう音でさ、割と面白い。次の「Slammin'」なんて曲もほとんどファンク調のリズムにロングトーンのギターソロが被ってくるっつう面白い試みで、ユニークな人ではあるなぁ。ただ、圧倒的に好きか、って言われるとちょっと困る部分はあるかな(笑)。