British Beat Classics Vol.1 - Compilation

 黒人音楽と英国少年の出会いっつうのは結構面白くて、まぁ、バンドではカバー曲から始めるんだが才能あるミュージシャン達は大人になってもステージでバンバンとカバー曲をやったりしていてやっぱり好きなんだなぁというのがよくわかる。それはもちろんビートルズにも当てはまるしストーンズにも当てはまるんだけど、結局みんな同じなんだな、と妙に安心(笑)。そんなコンセプトでのCDがいくつも出ていて、ルーツを追いかけるロック少年にしてみるとイチイチレコードとかを探さないでもまとめて聴けるというコレクターには決してなれない利便性を持ったCDがあって聴くには便利。まぁ、その方がよいんだろうなと。かくいう自分もさすがにこの辺はそんな纏まったCDで手軽に聴いて納得しているのだ。



 まずはモッズの話もあったのでザ・フーやキンクスのカバーした曲をまとめて一枚にしたCD「ブリティッシュ・ビート・クラシ」から。アマゾンにも画像はないしネットで探しても見当たらないので自分でアップしたという…。珍しいよね、そこまでネットで見つからないCDのジャケットってのもあんまりないのでよほど売れなかったのか企画外れだったのか…。結構面白いんだが。

Long Tall Sally / Little Richard
Beautiful Delilah / Chuck Berry
I'm A Loves Not A Fighter / Lazy Lester
Cadillac / Bo Diddley
Too Much Monkey Business / Chuck Berry
I Got Love If You Want It / Slim Harpo
Louie Louie / The Kingsmen
Naggin' / Jimmy Anderson
Dancing In The Street / Martha Reeves & The Vandellas
Milk Cow Blues / Sleepy John Estes
Batman Theme / The Marketts
Please Please Please / Ike & Tina Turner
I'm A Man / Bo Diddley
Buckett / Jan & Dean
Barbara Ann / The Regents
Heat Wave / Martha Reeves & The Vandellas
Summertime Blues / Eddie Cochran
Shakin' All Over / Johnny Kidd & The Pirates
Bonny Morone / Larry Williams
Baby Don't Do It / The 5 Royales
Road Runner / Bo Diddley
Twist & Shout / The Isley Brothers
Anytime You Want Me / Garnet Mimms

 ロックンロールってのは影響力あったんだよ、やっぱり。こういうの聴くとやっぱ英国ロック小僧達は単なるモノマネだったってことに改めて気付くもん(笑)。しかしみんな良いセンスしている。前半はキンクスがカバーした曲。後半はザ・フーがカバーした曲。でも面白いのは例えば「I Got Love If You Want It / Slim Harpo」なんてのはザ・フーの前身バンドでの「I'm the Face」と全く同じだし、似たような所から影響受けているってことだ。黒人音楽も白人ロックンロールも同居しているけど、どれも曲を知っているから原曲がかっこよく聞こえるし、発見は多い。これが、あれが、そんなアレンジになるのか、とか、そのままじゃねぇか、とか、原曲の方が圧倒的に良いじゃないか、とか。ルーツを漁るって面白いんだよな。だから色々な音楽に広がるんだけど、こういうのって素直に楽しめる。

 ただ、まぁ、聴いているとだんだん強烈なロックバージョンを聴きたくなってくるワケで、結局ザ・フーとかキンクスとかストーンズとか聴いてしまうんだけどさ(笑)。

The Mod Scene - Compilation

 古き良きアメリカの黒人サウンドは英国の若者を大いに刺激していたことはもう今更語るまでもないことなんだけど、そのヘンを自力で情報集めてせっせと聴いていた連中ってのはよほどの好き者なワケだ。ま、キースにしてもミックにしてもそういった部類の人間だったんだけど、一方その辺りではロックというものよりもモッズと呼ばれる連中の方がオシャレでスマした英国人には合っていたってのもある。まぁ、そのヘンの事はちょろっとネット調べると出てくるんだけど、わかりやすいのはやっぱ映画「さらば青春の光」ですかね。モッズ連中の聴いていたサウンドってのがモータウンとかも含むオシャレでクールなリズムの音。そしてそういったサウンドを聴いていた連中が自分達で演奏するようになったものが60年代に売れたんだな。まぁ、来歴は深いトコだけど、ザ・フーとかスモール・フェイセスだけじゃなかった、ってこと。そんなのをまとめたものがコレ。

The Mod Scene ザ・モッズ・シーン

 「The Mod Scene」日本盤と英国盤ではジャケが違ったり収録曲が違ったり順番が違ったりするんだけど、まぁ、細かいことにこだわらずにサクッと楽しめるモッズサウンド集。結構前になるけどリーバイスのCMにヒップスター・イメージっつうバンドの「Make Her Mine」が使われて、えらくクールでかっこよいCMとサウンドで皆が「誰の何という曲なんだ?」ってことで話題になっていて、その時に手軽に手に入ったのがこのCD。60年代にデッカからリリースされたシングル盤を集めたもの…っつうかイミディエイト集と言った方が良いのか。ヒップでクールなモッズサウンドシングルばかりなのでコンピレーションアルバム的にはとっても心地良く聴ける音で、割とヒマだと流していたりするCDのひとつでもある。まぁ、個々のバンドや曲で云ってもあんまりメジャーじゃないのでアレだけど、名前を知っているのを聴いているとへぇ~、と驚くものだ。CMの話題曲は良いとしても、聴いて自然にちょっと違う、と重うとthe Timeboxっつうバンドで、これってマイク・パトゥーとオリー・ハルソールがいたバンドだよなぁ~と。ちと毛色が変わっている。エーメン・コーナーあたりもちょっとサイケチックって感じかな。んで、クリス・ファーロウはやっぱり相当ヒップな歌声でモロにモータウンって感じで歌が突出してるかな。そしてグラハム・ボンドもこの時代は割と軽快にやっていたりするけど、やっぱ重い音してて後のバンドほどじゃないけど、どっかそんな片鱗を匂わせている。ま、スモール・フェイセスは言わずもがなだけど、面白いのはZoot Money's Big Roll Bandの「Walkin' The Dog」。1964年のシングルだからストーンズよりも早いんじゃない?軽快でかっちょよくやってるから今聴いても結構シビれるよ、これ。んで圧倒的に違和感があるというか個性的なのはトム・ジョーンズだろうな(笑)。なんだ、この声量と歌の巧さは。「Dr.Love」なんつうタイトルも凄いが、トム様らしい。そして最後には驚くことに、というかEyes of Blueが聴けるんだな。このバンド、どこに繋がるかっつうと…ジェントル・ジャイアントなんだよねぇ。いやぁ、面白い。普通にビートポップスやってるからさ。

 コンピレーションアルバムってあんまり聴かないんだけどこれは面白い。この辺のってアルバム単位で集めて聴くもんじゃないし、やっぱシングル時代だからシングルで聴くのが良いんだろうね。





Martha & the Vandellas - The Ultimate Collection

 モータウンガールズコーラスグループと言えば筆頭に挙がるのはやっぱりシュープリームスなんだろうな、と。ダイアナ・ロスの知名度とシュープリームスのポップさがモータウンの代表にもなっているって感じもあるしね。ヒット曲も圧倒的にシュープリームスの方が多いし。ただし、それは当時の話であってロック好きの側面からするとシュープリームスなんてのを聴く機会よりもマーサ&ザ・ヴァンデラスの方が名を聞く事が多いのだ。そりゃぁそうでしょ、ザ・フー、ザ・ジャムあたりを通っていればマーサ&ザ・ヴァンデラスの方が出てくるんだもん(笑)。

The Ultimate Collection 20th Century Masters: The Millennium Collection

 もちろんこれもベスト盤「The Ultimate Collection」くらいしか持ってないですが…、お得意の「Heat Wave」の原曲が聴けるし、ロックファンにはお馴染みの「Dancing In The Street」も彼女たちの持ち歌だしさ、ザ・フー絡みで渋い所で云えば「Motoring」なんてのも彼女たちのだね。そんだけ揃えばもうマーサ&ザ・ヴァンデラスの方が馴染み深いワケさ。「Dancing In The Street」なんてねぇ…、ミックとボウイですから(笑)。いやいや、やはりその時代を聴いていた人達なのです。彼女たちも60年代中盤にヒット曲を放ったグループなのでね。マーサ・リーヴスっていうメインボーカルの女性は結構苦労して歌手になった人で、人一倍プライドも高く、ダイアナ・ロスとはライバル心剥き出しにして頑張っていたらしい。まぁ、歌を聴いている限りではそういうの感じないけど、やっぱ上手いよなぁ~って思うくらい。

 全般的にR&B色の強いコーラスグループって感じなのでポップス志向のビートルズとは違ったザ・フーのR&B志向に合ったんだろうね。そういう曲がひたすら散りばめられていて、同じ感覚でカバーしてみるなら何が良いかな、などと楽しんで聴くのも一興。「In My Lonly Room」なんてのはいかが?ちとポップ傾向が強いけど、バンドでやったら渋い曲になりそうだけど(笑)。



The Supremes - The Ultimate Collection

 女性コーラスグループっつうのはいつの時代でも売れ筋には必ず存在しているもので、それは今の日本のポップスなんかでも多分同様なんだと思う。何となくいつも話題になるのっているじゃない?あんまり名前知らないけどさ。そんなのが50年代からず~っと続いているワケでして、うん、マーサんとこもそうだったけど何故か当時から破格の扱いだったダイアナ・ロスが在籍していたザ・スプリームス(シュープリームス)もその筆頭。ましてやモータウンの顔役みたいなところもあったらしい。

The Ultimate Collection ダイアナ・ロス&シュープリームス・ゴールド

 いつもの如くヒットソング満載の「The Ultimate Collection」ってのを紹介しておきましょう。うん、こっちはさ、やっぱロックサイドでカバーしている人ってのはほとんどいなくて、多分売れていたからあまりカバーしようっていう気にはならなかったんじゃないかな。どこか自分の発見した曲っていう感じじゃなくって皆が皆知ってる曲っていう感じになっちゃうとね、カバーもしなくなるモンなんだよ。だから後追い世代には名前は知ってるけど馴染みは全然ないグループ。ただし、「You Can't Hurry Love」だけは多分皆聴いたことがある曲だと思う。アチコチで使われているしあのモータウン独特のリズムで奏でられる曲で、恐ろしいほどキュートでキャッチーなメロディがこれもまた素晴らしいもの。今の時代でも立派に通じる軽いポップス。いいなぁ、こういうの。

 他は案の定馴染みがない…。うん、本当にこういう世界が好きなファンの人からしたらとんでもないブログ投稿になってるんだろうけど…、まぁ、ロック好きからしてみたらそういう位置付けなんだよね。ここのとこ一連のモータウンを聴いてみて思うことって、元の歌が素晴らしいのはよくわかったけど、それをロックの世界がやることでかっこよさが増すんだもん。どっちが良いとか言うのではなくテイストとしてそっちのが好み♪ってなだけっす。しかし恐るべしモータウンレーベル。この後80年代半ばにはMCAに売却することで自主レーベルとしての命運は終わったけど、憧れるアーティストも多くってプリンスなんぞは2006年になってモータウンレーベル所属になっているらしい。



The Temptations - The Ultimate Collection

 モータウンのコーラスグループってのは山のようにあるんだけど、なんとなく知名度が高いのってのがあってさ、それは自分だけなのかもしれないし世間一般から見てもそうなのかもしれないんだけど、テンプテーションズってのがある。改めて曲を聴いてみて、そんなに知っている曲が多いわけでもないし、誰かがこぞってカバーしていたってんでもないからやっぱ知名度が高かったっつうとこか。自分的にはなんでかよくわかんない(笑)。

Gold The Ultimate Collection

 もちろんこれもまたベスト盤「Gold」くらいで適当に聴いているんだけど、おぉ~、そうか「My Girl」ってコレ、有名じゃんよ。知ってるわぁ~、と当たり前なのかもしれないけど改めて感動したという(笑)。こういうコーラス技ってツボにハマるんだよね日本人。だけじゃなかったらしいけど、なるほど、これかぁと(笑)。それと「I'm Loosing You」ってロッド・スチュワートがフェイセス時代からカバーしてたアレか?と。やっぱそうだけど…いやぁ~、全然違うもんだな、これ。どっちも歌うまいけど、ロッドってやっぱロックンローラーなんだ、と。軽くないからね。それと…「Cloud Nine」ってのは当時結構革新的な曲だったらしくって、確かに聴いているともの凄くミクスチュアーな音してるし、新たな試みだったんだろうね、これ。今でも通じるアレンジ力と革新性を持ったポップな楽曲だと思う。へぇ~、やっぱ作る側は楽しんでるんだろうな。

 この辺の人達のを今の時代に楽しむには多分モータウンベストヒット集みたいなのを手に入れて一気に聴く方が自分の好みもわかるし、カバーされている曲の原曲集めって意味でも重宝すると思うので適当に聴いてみると面白いんじゃないかな。たま~に聴いてハマるってのもあるだろうし。自分は「Hitsville USA: The Motown Singles Collection 1959-1971」っていう4CDを入手して聴いてます~。

Hitsville USA: The Motown Singles Collection 1959-1971



The Four Tops - Motown Early Classics

 1960年代中盤から後半にかけて、ロック界では丁度ビートルズやストーンズ、フーなどが出てきて不良の音楽を奏で始めていた頃となったが、どのバンドでも割と顕著に取り上げてカバーしていたのがモータウンの曲。それもそのはずで、丁度この時期にモータウンが最全盛期を迎えていて、ヒットチャートにガンガンと色々なアーティストを送り込んでいたワケだな。それを聴いた英国の小僧達はそれぞれが虜になってバンドでもカバーしたというワケで、それらを通して自分達もモータウンのヒット曲を聴いていたりするのだ。中でも有名なのがテンプテーションズとかフォートップスとかシュープリームズとか…、モータウンのベストヒット集とか聴いてるといくつか知ってるのが出てくるし、どこかで聴いたことあるメロディもチラホラ…。さすが売れていただけあって今でも何かと流れてくるメロディは多い。

Motown Early Classics 50th Anniversary Anthology

 そこで今回はフォートップスなんてのを。何故かウチにいくつかCDが転がっているので(笑)。っつってもベスト盤しかないけど、ちょこっと調べてみるともう何十曲もの曲が当時のチャートのベスト10に入っていたらしくて、正に黄金期を支えていたコーラスグループだったワケさ。何だろうなぁ、一番印象深いのは…、人によりけりだと思うけど「Reach Out I'll Be There」のあの美しいメロディだろうか…、「Standing in the Shadows of Love」とか …、いや、色々あるわ、ほんとに。前に若い女の子とカラオケ行ったら、結構知っててこのヘン歌っててさ、何で?って聴くと親の世代が聴いていて知ってるって言っててさ、まぁ、そういう世代だよな、と思うが、それでもちと古すぎないか?と。多分三世代目に入ってるな、これは…とふと思った。

 話は逸れたんだけど、ベスト盤って、ホントにベスト盤だわ、これは(笑)。モータウンそのもののベスト盤も捨てがたいがグループ毎のベスト盤もやっぱ面白い。ハマり込んで何度も聴くというのではないけど、こういうの聴いてビートルズなりフーなりがカバーしてたんだなぁと思うとやっぱ研究しておくべき音楽だよね。H=D=Hのトリオ作曲家とかさ、普通知らないじゃん。ホランド、ドジャース、ホランドっつうモータウンの作曲チームの頭文字なんだけど、彼等が曲を作ってヒットさせていたという…。結局日本のアイドルと同じでバックはファンク・ブラザーズの的確な演奏、曲は専門家による狙い通りの楽曲、そして後は歌って売れそうな上手くて人なつこい歌手、という商品作り。それでもしっかりと今の時代に残る作品を作っていたんだから素晴らしいよな。

The Funk Brothers - The Best of the Funk Brothers

 モータウンの影の立役者として今となっては有名になった感のあるファンク・ブラザーズだけど、ちょっと前までは全く誰も、と言うくらいに知られていなかった。自分もそんなにソウルやモータウンっつうのはマニアックに知らなかったせいもあって、ファンク・ブラザーズなんて知らなかったもん。モータウンのヒット曲の過半数の曲ぼバックオーケストラを務めていたバンドのことです。ある意味、モータウンマジックを創り出していたバンドってことで数年前に「永遠のモータウン」っつう映画が出来ていて、そこで初めてクローズアップされたことでその業績が評価されたという珍しいバンド。

20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of the Funk Brothers

 そういう背景のバンドなので単独のアルバムなんてのが存在するハズがなく、ある種ボーカル抜きのモータウンが彼等のアルバムとも云える…、カラオケじゃないんだからそりゃ存在しないわな、と。それでも一枚だけそんなのを無理矢理リリースしてくれたのがこの「20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of the Funk Brothers」っつうCDで、全編インストもののCDなんだけど音が確かにモータウンの音でして、歌が乗ったらそりゃ誰でもよかったんじゃないかと思うくらいだけど、やっぱその歌い手の個性が重要な役割を担っていたんだな。彼等の演奏だけではどうにも惹き付けられるものでもないし…。もっとも歌ありきの演奏だからそりゃそうだけどさ。

 んで、この「永遠のモータウン」っつう映画…まだ観てないんだけど、バンドをきちんと描いているってことで当時結構な評判になった記憶はあるなぁ。サントラまで持ってるけど映画観てない。ん~、いずれどこかで観よう(笑)。あ、ファンク・ブラザーズっつっても別にJBみたいなファンクではないのでバンド名に惑わされないように…なんて書かなくても大丈夫か。しかしモータウンの音って個性的だったけど、彼等の功績だったんだなぁと。

Marvin Gaye - What's Going On

ホワッツ・ゴーイン・オン レッツ・ゲット・イット・オン+2

 ソウル界の名盤として誉れ高いアルバムを挙げよと云うと必ずベスト5内、いや、ベスト3内には入ってくるであろうマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」。正直に書くと…、苦手だ。この名盤を苦手としてどうする、と言われればそれまでなんだけど、何となく重いっつうのとハマり込めないっつうのがある。どこか宗教チックな部分があるからかもしれないけど、自分には音的に受け付けにくいらしい。やっぱりさ、何度も聴いてみたワケさ。だからアチコチで書かれているような優しさとか苦悩の後のアルバムとか向こうの世界から戻ってきてからのアルバムだとか、色々読んで見知った後でも聴いてみるんだけど…、イマイチ受け付けない。

 1971年リリースで、ベトナム問題とか公民権問題などなどを一括りにして歌詞としてもトータルアルバムを創り上げたという意味でブラックもんでは初めてじゃないかと言われているくらい画期的な作品だったようだ。もともと精神的にはシド・バレット並に変な部分がある人だったらしく、スピリチュアルな面でも相当向こう側の人のようだ。だからと言って音楽には凄くそういう美しき世界みたいなのが反映されているのでへぇ~ってなモンだけど、音的にパーカッションと歌と何となく流れている鍵盤のボーッとした音、ベースとかもあるけどあまり目立たない。なんかパーカッションが辛いのかな…。

 歌メロ的には凄いよく出来てると思うし、一般的に良い曲ってのもわかるんだけど、そこまで弱々しくなれないっつうかなぁ…、似たような曲調っつうか作風が多くて通して一曲って言われればそれまでだけど、メリハリに欠けるし、ちと辛い。このアルバムでこんなレビューっつうのも珍しいんだろうけど、歴史的背景を知って、その時代に聴いていればまた違ったかもしれないけど、今聴いてみると…、ん、自分的にはダメな作品だったなぁ。モータウンの最期の砦みたいな所あったけど、自分的にモータウンってのはやっぱ60年代までかな。その辺が明るくてキャッチーで良いよ、うん。

Sly & The Family Stone - Dance To The Music

 JBに迫るほどのファンクさとロック色を強めたソウルなグループってのはスライ&ザ・ファミリーストーンとP-Funk軍団くらいなもんじゃないだろうか。プリンスってのもありなんだが、もちっと後の話という感じがするので、やっぱスライかなぁ。もうすぐ、っつうか来週?には来日公演が行われるんだよね、確か。体力の問題からかほとんどステージに出てこないとかあまり評判の良いライブとは聞かないけどやっぱ歴史が動いているっていうのは見ておきたいって心境にさせるものだ。うん、行く予定は特にないんだけど金髪モヒカンでピアノの前に座っていたスライのこないだのテレビでのインパクトはもの凄かった。生きてたんだ~って感じの方が強くて、そのパフォーマンス性ってのはあまり気にしてなかったけど、どうなんだろうね。

ダンス・トゥ・ザ・ミュージック(紙ジャケット仕様) アンソロジー

 1968年リリースのセカンドアルバム「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」。うん、時代的なモノでこれが良いかなぁ~と。この後の「スタンド!」は前にもう書いてしまっているし、名作と呼ばれる「暴動」にしてももう書いたことあるしさ。そもそも「暴動」ってちと暗いっつうか独特の世界で夏の暑さに望むファンキーサーじゃないからねぇ。んで、セカンドアルバムの「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」ってのは暗さがまったくなくって、かと言って滅茶苦茶ファンキーで気合いのはいる作品か、っつうとそうでもなくって、その辺の妙~なバランスがスライ&ザ・ファミリーストーンの面白いところで、ロックバンドでありながらファンクバンドっつうかさ。そもそも白人黒人の混合バンドって珍しいし、しかもそれが60年代に出てきていたってのは凄いことだよね。人種差別が云々って言われていた時代にやってたんだから。んでリーダーのスライはビートルズやストーンズからの影響も明言しているし、音的にもロックフィーリングは出てきているから彼等はロックの世界で認知されてきたんだと。代表的なのはウッドストックの出演によるインパクトかな。

 それで、このセカンドアルバム「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」なんだけど、最初からもうタイトル曲の軽快なダンスソングで、ノリも良いし踊れる曲だもんな。以降、アルバム全編に渡ってキャッチーで明るくてノリの良い、そして全然重くないスライ&ザ・ファミリーストーンの初期のファンクバンドさが聴ける。「Dance To The Medley」はちょっと時代の洗礼を受けていてサイケデリックな雰囲気を醸し出しているけど彼等のファーストの延長だと思えば何て事はない。いやぁ~それにしてもやっぱりベースラインが面白いし、効果的な音の使い方が既にあちこちでタメされていて、こういった実験が後の「暴動」なんんかで花開くってトコか。

 一般的には結構取っ付きにくいバンドなのかもしれないし、名盤と呼ばれている部分ではスライ&ザ・ファミリーストーンの良いところがわかりにくいかもしれないので、「アンソロジー」とかのベスト盤が良いんじゃないかな、と。ただ、強烈なグルーブってのとはちと違うのでJB並のファンクを期待するとスカされます。気怠いグルーブはお得意だけどね。



James Brown - Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68

 ブルースとファンクの融合なんていう面白い試みを聴いてみると、それはそれで楽しめるんだけどどこか消化不良で、やっぱりモノホンのファンクっつうのを聴きたくなるものだ。しかし、そんなのいっぱい知らないしプリンスに飛ぶっつうのもちとなぁ~と思うのでやっぱ定番のジェームズ・ブラウンってトコですか。この人、凄く色々な人に影響も与えているしサンプリングもされているので、耳にしたことある人は多いはずなんだけど、いざJBのアルバムを聴いたことあるかと言う段になると途端に手を挙げれる人が減る。多分リリースされたアルバムが多すぎるからなんだろうと思う。自分もそうだけどどれ聴きゃいんだよ、と。ザッパなんかとも共通するし、ブルースメンなんかとも共通するんだけどね、ベスト盤で良いかと言われるとちょっともったいないんだよね。

Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68 Sex Machine

 んなことで1969年リリースの強烈なアジテーションを打ち出した問題作、佳作、名作、と呼ばれる「Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68」。「Sex Machine」前夜の最高ライブとも言える代物でして、タイトルがインパクトあるので白人からは嫌われたとか黒人支持を圧倒的にしたとか、時代背景を考えるとキング牧師暗殺事件の後、そしてケネディ暗殺の後とアメリカが揺れている時期の1968年8月のライブを収録したものなのだ。だから時代背景を知って聴かないとこのアルバムの本当のインパクトってのはわかんないだろうし、歌詞もしっかりと聴いて取るべきものだと思う。残念ながら自分的にもそこまではきっちりと聴けていないので、ひとつの歴史的作品として聴いているだけなのだが…。それでもその鬼気迫るライブ感は凄い印象的だし、名作と呼ばれる所以だと。

 「Say It Live and Loud: Live in Dallas 08.26.68- 声を大にして云え、俺は黒人で誇りを持っているんだ」と。逆説的な人種差別ですらあるこのタイトル曲は決してハードなファンクソングではないけど、後のJBをイメージするシンプルなファンキーソング。こういうのってホントにリズムだけで進めていくっつうから楽器の音色とか云々じゃなくてグルーブだけで持って行かれる感じ。熱い。アルバム中いくつかはお得意のR&Bバラードがあって、それはもうJBの得意技なので感動しまくりの歌なんだけど、やっぱり強烈なのは「Licking Stick」とかに出ているようなうねるようなベースラインに乗ったチャカチャカしたギター、そしてJBのリズムの歌。これだよこれ。うん、黒い音にハマる人を理解できる思い切りファンクなナンバー。R&Bとファンクの中間なのかな、これ以降のライブとかでは圧倒的にファンクだからね。ま、P-Funkの面子がまだ参加していないアルバムでありながらこのグルーブっつうことはやっぱJBの音楽性だったワケだ。メイシオ・パーカーのサックスはここでも強烈に響いてます。

 暑苦しい夏に暑苦しい音、でも思いきり熱くなれるアルバムでもある音。ロックだけじゃなくてこういう音でも心意気は一緒なんだよね。この時期ってさ、スライにしてもマーヴィン・ゲイにしてもJBにしても、もしかしたらジミヘンにしても黒人が凄く奮起していた頃で、やっぱり根本的なパワーの根元にブラックというのはあったと思うもん。自分的にもあまり触れない部分だけど、ロックの軽い部分では決して相容れられないソウルの深みってあるだろうな、と。んなことを時代を考えながら聴くとふと思った。



James Cotton - High Energy

 ちょっと変わり種のブルースというワケでもないけど、ハープでブルースを奏でる人ってのは実はそんなに多くない。もちろん有名どころがその名声を欲しいままにしていることが多くで、云わずと知れたソニー・ボウイとかね。後はリトル・ウォルターとかポール・バターフィールドとかになっちゃうんだけど、もう一人有名で且つ変わったサウンドをやっているのがジェイムズ・コットン。ま、顔立ちがブルースメンって感じじゃないけどさ(笑)。それでもマディ・ウォーターズのバックでハープ吹いてたりするのでその筋ではかなり有名な人のハズ。

High Energy Live & On the Move

 1975年にリリースされた自身のソロバンドによるアルバム「High Energy」なんだが…、なんでこんなもんがコレクションにあるのか不思議ではあるが…、うん、何十年ぶりに聴いたんだろう?完全にファンクです、はい。リズムがもう完全にその世界。が、しかし、要所要所に入ってくるギターのソロはともかくハープソロが完全にブルースなんですな、これ。だから凄く妙~な雰囲気を出していて、このバックのファンキーさにハープの音って似合わないぞ、いや、聴き慣れないぞ、って感じ。ま、でも音楽なんてのは何でもありだからこれを認めてしてどう感じるか?なワケで…、後に流行したソウルジャズみたいなモンだろうか、それを70年代にバシバシやっていたのソウル側の人間ではなくってブルース側の人間ってのが面白い。ファンクとブルースとの接近の面白さを実践している作品。ライブ盤「」の方がたっぷりとそのグルーブは楽しめると思うので、ライブ盤「Live & On the Move」ももちろんオススメ。

 王道ブルースのバックを務めていた人間がこういうのをやるってのはやはりブルースを知り尽くしたからというメンもあるだろうし、それで新たな音楽性を見出すってのは今のバンドミュージシャンでも同じことで、思い切りアンダーグラウンドというか全く注目されない世界でも同じように挑戦し続けていたミュージシャンもいたってことは重要でしょ。知らなきゃ知らないでいいんだけど、ささやかな楽しみだよね、こういう発掘ってさ。アルバムとしてどうだ、と問われると別にそんなに大したモンじゃないけど、いや、中途半端になっちゃってるので難しいんだけどさ、過程を考えると重要な作品じゃないのかな、なんて思う。

Johnny Guitar Watson - Ain't That a Bitch

 ブルースとジャズの接近というのは様々な所で聴いたり見たりすることが出来て、根っこが一緒なんだなぁとつくづく思うんだけど、同じ黒人特有のサウンドってことは認識していたものの、全く関連性を意識しなかったのがいわゆるファンク。ファンクとブルースの接近というか融合というか合いの子と言うか…、もちろんあってもおかしくないんだけど実際に聴いてみるとそれはどこまでブルースなんだ?という気もする。しかし、一応世間的にはファンクなブルースとして名が通っている人がいて、多分瞬間瞬間で鳴らされるギターの音が非常~にブルースだからだろうと思う。が、これはどう聴いてもファンクの部類に入る音だよなぁ…という人がジョニー・ギター・ワトソン。だからこそ多分名前の間に「ギター」を入れているんじゃないかと。

Superman Lover: The Ultimate Collection Ain't That a Bitch

 ホントはライブ盤を紹介したかったけどアマゾンにないので、とりあえずベスト編集「Superman Lover: The Ultimate Collection」を挙げておこうかな。ライブDVDなら入手できるらしいので、それもジャケ出しておくとして、とにかく派手な人です。この人ほど多様性に満ちたブルースメンというかファンク野郎ってのもなかなかいないでしょう。「Ain't That a Bitch」(なんつうタイトル…)からしてみても思い切りファンクで、パーラメントみたいなもんでさ、見た目もP-Funkみたいにとにかく派手。ブルースメンの派手さとはちょっと違う、ファンク系の派手さ。ところが「Doing Wrong Woman」なんてのを聴いたりするととんでもなくヘヴィーで切ないギンギンギターが泣いているブルースを奏でてくれるという人で、このギターの腕前がファンクだけをやるには勿体なかったっつうとこだろう。多用なアプローチを試みる素晴らしいミュージシャン魂溢れるブルースメンなのだ。

 ジョニー・ギター・ワトソンという人は、1996年5月にブルースカーニバルを開催した時の来日ミュージシャンだったんだけど、東京2公演を残したままその前の横浜公演の一曲目にてライブ中に心筋梗塞で倒れてしまいそのまま天命を全うしてしまったという、ある意味本望だったとは思うんだけど、日本人からしてみると非常に印象深いブルースメンなのだ。当時まだ61歳だったというからブルースメンにしては少々若目かもしれないが、立派に独自の世界を築き上げたブルースメン…っつうかファンク野郎、ってとこだ。こういう解釈によるブルースとファンクってのもあるんだなぁとつくづく思う人です。

Magic Slim - Grand Slam

 ブルースメンにあだ名が多いことは名前を見ているだけでもわかることだが、そのあだ名がこれまたいい加減な理由で付けられていることが多くて混乱を招くこともいくつか…。まぁ、有名なのはサニー・ボーイ・ウィリアムスンの一世と二世とか、マディ・ウォーターズだってやんちゃな泥水遊びからだし、ゲイトマウス・ブラウンだって大口野郎って意味だし、みんな適当なあだ名なんだよね。誰でもあだ名なんてのはそういうモンなんだろうけど。それで随分昔にブルースメンでマジック・サムって名前を聞いていて、探していた時期があった。んで、いつしか見つけた~と思って入手したらそれが実はマジック・スリムだったということで、「あれ?」って思いながらも結構良いブルースメン見つけちゃった~、みたいな(笑)。

Grand Slam Raw Magic

 1982年発表の「Grand Slam」が一番の名盤と呼ばれていて、確かにこのアルバムから自分も入っているからお薦めできるタイトルかな。割と質素でオーソドックスなパターンのブルース、いわゆる王道ブルースばかりが収められた作品で、ギターにしてもそういうブルース的な音でしっかり入ってくるし展開もそのまま、歌もかったるい感じのブルースそのままで、裏切られるところが全くない教科書みたいな作品。それで個性がないかと言うとそうではなくてしっかりとマジック・スリムっつうスタンスが出ている。ロックファンにもお馴染みの「Walking The Dog」なんてそのままアレンジなしで演奏されているから普通っちゃぁ普通なんだけどやっぱ黒人がやるとかっこいいんだなぁと素直に思ってしまう。ギターにしても線が細くて…そりゃまぁジャズマスターなんつう特異なギター使ってるからだろうけど、グイグイと太い音じゃなくてナヨナヨした感じの音色に太い指で弾いているっつう音でさ、割と面白い。次の「Slammin'」なんて曲もほとんどファンク調のリズムにロングトーンのギターソロが被ってくるっつう面白い試みで、ユニークな人ではあるなぁ。ただ、圧倒的に好きか、って言われるとちょっと困る部分はあるかな(笑)。

 この人も出だしが遅くて80年代以降にメジャーになってきた人なんだけどもちろんそれなりの年齢。大柄な黒人でかっちょよく弾く人。この「Grand Slam」っつうアルバムはもともと違うジャケットでリリースされていたみたいだけどいつしかこのベーブルースジャケットになってしまったらしい。まぁ、いいけど、あまり意味ないよなぁと。ブルースのジャケットってさ、やっぱ本人がデカデカと出ているのが良いじゃん。

Clarence Gatemouth Brown - Alright Again!

 数年前にアメリカのニューオリンズを駆け巡って多大なる被害を与えた台風カトリーナ。記憶にある人もまだ多いと思うんだけど、ニューオリンズって言ったら有象無象のミュージシャンがたむろしている所でドクター・ジョンなんかが有名なんだけど、ブルースメンも結構その辺に住まいを構えている人も多かったらしい。もっとも台風で飛ばされてしまうなんていうマヌケはそうそういないと思うんだけど、この災害により住居を異動しなければならなかった人は多く、ミュージシャンなんかだったら器材とかもやっぱり水没したりしたんだろうか。などと気になることもあるんだけど、クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンというミュージシャンもこの時に生まれ故郷のテキサスに戻ったらしいが、その後すぐに自宅で死去。肺ガンやら何やらとあちこちガタが来ていたらしいが、享年81歳ならまぁ本望かと。

Alright Again! American Music, Texas Style

 1981年リリースの「Alright Again!」。グラミー賞受賞作品ということらしいが、まぁ、そんなのは置いといても実に味わい深いアルバムでして、ブルースっつうのではなくって、もっとルーツ・オブ・アメリカな音楽がてんこ盛り。この人の本業は多分ギターだと思うんだけど、フィドルも器用に弾きこなすし、その他の楽器も手を付けていて正にミュージシャンというデカい黒人。珍しい人で、才能あったんだろうな。ギターフレーズ聴いててもブルースに根ざしてはいるけどどこかフレーズが面白いし、そもそも音色がペケペケなのでテキサスブルースメンらしい音じゃない。ところがフィドルになると良い音していてとてもバイオリンっつう音じゃないのも楽しめる。ケイジャン風なものからジャジーなもの、そしてブルースに根ざしたモノなどなど一辺倒にならない音楽性は彼の財産だ。

 ミュージシャンとしてのデビューは1945年で初アルバムをリリースしたのが72年?ヘンな人っつうかよくそれで生きながらえているものだと思うが、根っからのミュージシャンなんだろう。そういう下積みの長さからあらゆる楽器に精通したんだということか。このアルバム「Alright Again!」では初っ端からゴージャスとはちょっと違うホーンセクションによるご機嫌なナンバーが奏でられ、ペケペケギターが炸裂。う~ん、ゴキゲンな音でまたまた多様な音楽を聴きたくなってくるサウンド。

Jimmy Reed - Live At Carnegie Hall

 暑苦しいブルースを立て続けに聴いて、益々暑苦しく楽しむというほぼ自虐的な生活をしているが、あと少しで夏も終わるのだと言い聞かせて…。いやぁ、それにしてもブルーというカテゴリは実に幅が広い。多様化した現代ならともかく、40年代から60年代にかけてのブルースというジャンルでも各々が実に個性的な音楽を作っていて、今更ながらその幅の広さに驚くワケさ。戦前ブルースあたりはどれもこれも同じようなサウンドっつう感じはあったけど戦後ブルースからは凄く発展している。エレキの浸透もあるしレコーディング技術や器材の進歩ってのも大きいんだろうけど、そもそもの音楽性が広い。そんな中でもマイペースで伸びやかにゆったりとしたブルースを聴かせてくれるのがジミー・リード。

アット・カーネギー・ホール(紙ジャケット仕様) I'm Jimmy Reed

 1961年の「アット・カーネギー・ホール」っつう作品。ライブアルバムっつっても実は面白くて人を入れないでカーネギーホールでライブを行って一発録音したという代物。別にカーネギーホールでやんなくても、と思うけど、やっぱりその辺はステータスかね。カーネギーホールっつったらやっぱり名所だから、そこでのライブ盤つったらそれだけで箔が付くってもんだ。んなことで無人のカーネギーホールライブ盤。まぁ、それでも。この人のブルースっつうのは全く問題なくって…、なぜならジミー・リードのブルースっつうのは日本で言うと憂歌団みたいなもんで、一般にはホームタウンブルースと呼ばれている。要するにまったりとしたラグタイムのようなジャイブのような、そんな癒し系なサウンドばかりを立て続けにやってくれるからだ。故にライブによる熱さってのとは割と無縁で、如何にゆっくりとくつろげる状態を創り出すか、みたいなとこあるし。だから白熱したギターソロが云々とかってのではない。まぁ、珍しいブルースだよね。50年代から60年代にかけて活躍した人なんだけど、結構ヒット曲も持っていたらしく、割とメジャー。ま、あまり知らないけど何かのベスト編集盤とかでは名前を見かけることがあるかもしれない。

 んで、この「アット・カーネギー・ホール」っつうアルバムもそんなジミー・リードお得意のサウンドがたっぷりと詰め込まれているので暑い夏を少しだけ心地良いものにしてくれるね。BGM的に聴いてしまうけど、ジャケットのセンスとか音の雰囲気とかよくできているので割とオススメかも。バンド形式でバランス取れてるしね。うん、いいよ、こういうの。

 そういえば、この人の50年代のアルバムではどういうわけかあのアルバート・キングがドラマーとしてクレジットされていて、喰うためなら何でもやったよ、というアルバート・キングのセリフを裏付けているものだ…。

Muddy Waters - I'm Ready

 歴代のブルースメンはロック小僧がこぞってブルースの真似事を始めた時にはどう思ったのだろう?今でこそ感謝しているとは言うが、当時小僧が真似事やってるのを知った時ってのはやっぱ鼻で笑ってたのかな。それとも自分達の伝統音楽が他人に影響を与えているということを考えると歓迎ってとこだったんだろうか?なかなかそういう生身の声ってのはわからないもんだ。しかしアメリカってあんだけ広くてもブルースとロックを結びつけるギタリストってのはメジャー所では全然多くなくって、それが60年代にまで遡るともう数人しかいない。なんで60年代かっつうともちろんその頃には既に伝説のブルースメン達は50歳前後なワケで、ロックの台頭が60年代だからギリギリクロスオーバーするラインなんだよ。その中の一人、しかもそれが貴重な一人でもあるジョニー・ウィンターが70年代後半に自分の所属していたレーベル、Blue Skyにマディ・ウォーターズを迎えて4枚くらいアルバムを制作している。しかも制作のみならずプロデュースもしているし、もちろん要所要所では演奏にも参加しているようで、これはまた興味を引くセッションなわけ。

I'm Ready Muddy

 1978年、ジョニー・ウィンタープロデュース作品の二枚目となった「I'm Ready」。セルフカバーも多くなっているけど、もちろんマディ・ウォーターズの持ち味を損ねることなくバンド形式のサウンドで収録し直したもので、いやあ、マディ・ウォーターズの歌とギターはともかく隅っこの方で鳴ってくるジョニー・ウィンターのギターが荒々しくてアルバムのアクセントになってる。マディ・ウォーターズ自身はそんなにギターで派手なフレーズを弾く人じゃないので、すぐにわかるってもんだ。雰囲気も70年代後半…、言い換えれば表の世界ではディスコ全盛期だったのだが、その裏ではこんなセッションのレコードがあって、その雰囲気とか空気がまるで50年代のブルースの風景を表している感じで素晴らしい。ブルースカイレーベルってのは多分ブルース専門に近いレーベルなのかな、素晴らしい。そしてこの「I'm Ready」というアルバムではマディ・ウォーターズの代表曲を幾つも再録しているのでどこか聴き慣れた音が出てくるのが良いね。

 「Hoochie Voochie Man」にしても「I'm Ready」にしても「Rock Me」にしても「Good Morning Little School Girl」にしてもロックファンならお馴染みの曲ばかり。ポール・ロジャースが歌ってた曲も多いなぁ。ジミヘンもだし。いや~、半ば伝説化していたマディ・ウォーターズの楽曲がこれでまた聴けるっていう意味で当時はインパクトあったんじゃない?全然新しい音に聞こえないってのも面白いし。これ以降色々な人がリリースする多数のロックゲスト陣を迎えて制作するアルバムの走りともなった作品のひとつ。

 この後5年くらいで亡くなってしまうマディ・ウォーターズだけど、最後の頃のライブがレガシーエディション「Muddy "Mississippi" Waters Live」でリリースされていて、これもまた興味を引く一枚。

 しかしYouTubeの映像の豊富さにはとことん驚く。そんな二人がテレビでライブ放送をしている模様までもが残っているとは…。

B.B.King - Live in Cook County Jail

 現役ブルースメンの中でも最も有名というかメジャーというか、一般的な人と言えばB.B.キング。三大キングなどと呼ばれたりしたものだが、そういったブルースメンとはちと違う人種で、もっと音楽的商売的というか健全というか、ミュージシャンとしてブルースを選考しているみたいな部分が見えてしまうんだけど、それは多分かなり穿った見方なんだろう。ギタープレイや歌を聴いていれば唯一無二の独自の世界を持っているんだから圧倒的なブルースメンなんだよな。でも、どこかそんな感じがしたモノだ。しかし古い作品を聴いているとやっぱりモノホンのブルースメン。

Live in Cook County Jail Live at the Regal

 1971年リリースのライブ盤「Live in Cook County Jail」だが、タイトル通り前年の刑務所の中でのライブを記録したアルバムで、イベントそのものを歴史的価値として残したいという意向もあったんだろうと思えるんだけど、凄いことだったんだろうか。やはり刑務所の中でのライブ、しかも割とメジャーな人が当然観客はタダでの見物だろうから好き嫌いじゃなくって見ただろうし、しかしライブの最中に何があってもおかしくない会場というスリルはやっぱり実感してたんだろうな。好きこのんでそんなトコでライブしなくてもと思う背景がまずある。

 でもね、ライブ聴いていると拍手喝采だったりしてかなり盛り上がっている。そりゃそうかと思うくらいのB.B.キングの白熱したライブが素晴らしいんだが。B.B.キングのライブで有名なのは「Live at the Regal」なんだけど、こっちも全然負けないくらいの迫力と熱気。この人のはホーンセクションを主体にした独自のブルースでギターはソロしか弾かないし、しかもそのソロもロングトーンばかりで、正に俺様って感じのソロなのが個性的。曲によってゃホントに歌だけっていうのも多くて、物足りない感はいくつかあるけど、出てくるときのギターの音にヤラれる。こんなに短い音でヤラれる人ってのはそうそういなくて、B.B.キングはそういう意味で突出している。

 しかしこの頃からもう全然プレイされる曲が変わっていなくて、多分今B.B.キングのライブを見ても同じ曲が演奏されていると思う。このマンネリ感もB.B.キングの特徴。そしてこのアルバムは一番脂が乗っている時期なので聴いてみると結構ヤラれるかも(笑)。

 この辺の有名なライブ盤が三作セットになったお得なボックスセットなんてのがリリースされていることに今気が付いた。なかなかいいかもしれん…。

Chronicles: Live at the Regal/Blues Is King/Live in Cook County Jail
Chronicles: Live at the Regal/Blues Is King/Live in Cook County Jail

T-Bone Walker - The Complete Imperial Recordings: 1950-1954

 ブルースと呼ばれるジャンルの中でも結構細分化された区分けが存在することはもう以前に書いたような気もするし、あちこちで見られるので大して詳しく書くこともないんだろうけど、まぁ、簡単に言えばテキサス・ブルースはそれ自体がひとつのカテゴリーであって、あとはモダンブルースとかアーバンブルースとか戦前ブルースとかあるけど、うん、便宜上で知っておけばよいことで。それでだ、ブルースとジャズっつうのは凄く似通っているなぁとよく思うんだけど、そりゃ根元が一緒だから似てる雰囲気あるに決まってて、どっちも抑圧された中から自分の苦悩を元に楽器で表現した音楽で、楽器の種類こそ違えど魂同じだからね、そうなるワケさ。どっちも基本的には堕落しきった生活がベースになっていたみたいだし。

The Complete Imperial Recordings: 1950-1954 モダン・ブルース・ギターの父

 それで、ジャンプブルースっつうのがあってね、いわゆるジャズのスウィングみたいなリズムっつうか雰囲気でギターを掻き鳴らすっつう世界。ジャイヴってな感じとも言うかな。その代表がTボーン・ウォーカー。一番有名なのは「モダン・ブルース・ギターの父」っつうアルバムで、それはもう後の…、うん、この人40年代から活躍してた人なので後のテキサスブルース野郎やモダンブルースメン達にも多大な影響を与えていたくらい古い人。そんで50年代になるとインペリアルというレーベルに移って正にジャイブブルースっつうかジャンプブルースっつう世界を確立していく。それがまたブルースなのかジャズなのかって感じだけど、やっぱりギターも歌もブルースの世界で、この人の場合はバンド形式でそのスタイルを貫いている。歌も優しい感じで無骨な部分はあまり感じないし、やはり後にモダンな要素に変化していく雰囲気は既に持っている。ロバジョンとかの粗雑なブルースよりもおしゃれっつうのかな。そんな感じ。

 で、今回はその後のインペリアル時代の作品集を久々に聴いたので、「The Complete Imperial Recordings: 1950-1954」でいいかな。有名な曲はもちろん「Stormy Monday Blues」で、ブルースの定番曲になってるヤツね。それと面白いのはいくつかの曲に自分の名「Tボーン」が付いている。「Tボーン・シャッフル」とか「Tボーン・ブルース」とか。自信の表れなんだろうな。しかしこの人もいくつも楽曲があって何が何だかわかんないけどとりあえずキャピトル時代の作品とインペリアル時代の作品を集めておけばなんとなくわかるんじゃないかな。結構CDも出てるし、入手しやすいっつうのは人気があるってことだろう。

Lightnin' Hopkins - Mojo Hand

 テキサス野郎のブルースってのはホントに粋だ。気取ったところがなく思い切りハジけて好きに弾いているから聴いていても心地良いのかな。ロック好きには一番取っ付きやすいブルースの世界だと思うんだよね。ツェッペリンとかクラプトン、ストーンズあたりからブルースに遡っていく人はどういうワケか自然にロバジョンに行き着いてしまって、ちと困ったことになる。もちろんそれにハマり込める人は良いんだけど、何か違うなぁ~となる人も多いんじゃない?自分的にもやっぱりモダンブルースってのは聴かないワケじゃないけど何度も聴くというのとは違ったんだよね。んで、あれこれ聴いていていつしかい気に入って残ってるのがテキサスブルース。最初はエレキ系のだったけど、そのうちアコギ系の人達でもテキサスのブルースメンは面白いと気付くのだな。

モージョ・ハンド(コンプリート・セッション)(紙ジャケット仕様) テキサス・ブルースマン

 「モージョ・ハンド」。1962年のアルバム、かな。ライトニン・ホプキンスの名盤と呼ばれて、これはオリジナルアルバムのまま今でも普通に手に入る作品で、基本アコギ一本と歌のみというシンプルなブルース…っつうかライトニン・ホプキンスそのままが出ているアルバムなんだと思う。この人も別にギターが巧いとか歌が上手いとかじゃなくって、味があるんだよ。ブルースってそういうモンだから細かいことに拘らないで良さを感じられるもので、ギタリスト的にはいくらコピーしてもできない領域の人。クラプトン聴いててもやっぱ違うな~と思うんだから素人じゃ難しいだろうね。

 うん、ご機嫌な「Mojo Hand」から凄く質素な音色で攻め立ててくるアルバムなんだけど、溜まらなく美しい…っていう言い方はヘンだけど、何かそう思った。ベースやピアノやドラムなんてのも入ってるんだけど、ライトニン・ホプキンス一人舞台に仕上がってて凄く美しい音の編成なんだよ。音楽的に云々なんてよくわかんないけど、多分凄く人間的で自然だからだろうね。ここの所うるさいのをよく聴いていたのでこういう自然な音色の作品にほっとしているんだと思うけど(笑)。ライトニンなんて名前だけ見ると凄くうるさいギター弾きそうなんだけどそんなこともなくて、味のある歌とギターで生身の音。

 以前は9曲入りのアルバムだったんだけど最近では倍の18曲入りのCD「モージョ・ハンド(コンプリート・セッション)」が発売されていてせっかくなのでこのボーナストラック付きCDを楽しむ方がいい。ちなみにこの人そのものを表している「テキサス・ブルースマン」というタイトル通りの作品もよろしい♪

John Lee Hooker - King Of The Boogie

 しかし世間てのはこうもヒマなのかと思うくらいすることがなくなることがある。個人だけであればヒマするってことはまずないんだけど、世の中的にヒマになるとこれは困ったことになる。故に暑いからビールに走ることとなって結局いつも通りの日常。夏休み~と思いつつも、結局遊び歩くのが面白いのでなかなかくつろぐなんて事ができにくいのだ。が、やはり疲れている日々が増えてきているので、ゆっくりしたいなぁ~と。それはそうと、やっぱり夏こそロックだろう、とはどこかの人の弁でして、はい、深く頷くワケで決して涼しくなるために音楽を聴くのではなく、より一層燃えるためにロックだ~!と。うん。そこで、更に深堀して暑苦しいくらいの音、でもないけど心地良い音がブルース。うん、ブルース、気持ち良いよ。

The Very Best of John Lee Hooker Mr. Lucky

 「The Very Best of John Lee Hooker」。キング・オブ・ザ・ブギと異名を取ったジョン・リー・フッカー。まだここで取り上げたことなかったんだ、と我ながら過去ログ見て不思議に思った。この人結構まっとうな人生生きたみたいで2001年に83歳の老齢で亡くなっているんだけど、そこまで生きながらえていたブルースメンってのも珍しい。昔から伝説にもなっていたので21世紀にもなって亡くなったというニュースを聞いた時にはまだ生きてたのか、と思ったくらい。まだそういう生ける伝説って他にもいるんだろうな。

 さてさて、この人のブルースは、正にブギなワケです。っつっても想像すするようなブギー調のブギではなくって、なんつうのか心地良くカラダが揺れてしまうブギっつうか…、それをギター一本で醸し出してしまっているというかね。ギターソロとかアコギのプレイで聴かせるってんでもなくって歌とノリでノックアウトさせるっつう感じかね。有名な曲には「Boom Boom」とかあるけど、ツェッペリンマニアならば「Boogie Chillun」を知っているかもしれない。「胸いっぱいの愛を」のライブのメドレーでカバーされてるからさ。もっとも全然違う曲なんだが(笑)。

 っと、オリジナルアルバムは凄くたくさん出ていて、近年に至るまで多用なミュージシャンと一緒にアルバム作ったりしてたからそれこそ数限りなくあるみたいだけど、やっぱり初期のベスト盤あたりで満足出来る部分は大きいね。自分もそんなのが数枚ある感じで、大体この人のパターンが読めてきた~って感じだし。ブルースメンのアルバムってオリジナルのアルバム探すのってほとんど至難の業だしさ、こういう編集CDに頼らざるを得ないんだよね。

Albert Collins - Truckin' With

 そろそろ世間的には夏休みシーズン到来で、この暑さを体感していればもちろん休みに納得。オリンピックなんてのも始まって家でダラダラするには丁度よい休みなのかもしれない。ガソリン代高騰により交通機関を使って出掛ける人が多いとか…。人間何かと考えるものだ。それよりも出掛けない人も多いんだろうな。そういう世間的な事には全く疎いモンなので大して影響を及ぼさないのだが暑いのは暑い(笑)。それでも暑さを吹き飛ばす音を聴いて快活に楽しむのだ♪

Truckin' with Albert Collins Frostbite

 意外なことにブルース。しかもアルバート・コリンズっつう大御所で暑苦しい人ではあるんだが…、テキサスのブルースメンで割と遅咲きなんだが、これまた熱いブルースギターを弾いてくれる80年代の作品が好みなんだけど、聴いていると色々と集めてしまうもので、最初期の60年代前半にリリースしていたシングル?を寄せ集めたアルバム「Truckin' with Albert Collins」で。

 この人は最初から「Frosty」という曲のせいか、「アイスマン」とか「フローズン」などという氷とアイスをイメージさせる面をトレードマークとしていて、雪だったり曇った息だったり、寒さというモノを連奏させる曲やジャケットが多い。もちろんプレイは滅茶苦茶熱いんだけど、そのギャップが良いんだろう。そしてこの寄せ集めのアルバムは1969年になってリリースされたもので当時はほとんど見向きもされなかったらしい。それもそうだ。ほとんどの曲がインストで、ブルースというジャンルに囚われることもなく、かなり多用なリズムや曲調で遊んでいるから捕らえどころがないという感じだろうなぁ。それでもギターは相変わらずの個性が出ているので面白いし、やっぱテレキャス~って音だし。

 初っ端の「Frosty」がいいかな。まぁ、「Tremble」なんてのもシャープでかっちょよいけど。うん、ブルースで夏を楽しむにはこういうのも良いか。

Nightwish - Wishmaster

 早いモノでこのブログ始めてからもうすぐ丸三年が経過するみたい。まぁ、一日ひとつづつくらいでもアルバム書いていけば自分のコレクションももう一度聴き直せるだろうと思っていたのだが、当然その間に入手するCDなんてのもいっぱいあって、結局コレクションを聴いていけてるのかどうかあま自信がない(笑)。いや、もちろん書いている以上の枚数を聴いているので消化率は早いんだろうけど、それ以上に入ってくるモノも多いんだろうなぁ。特にゴシックメタルなんてジャンルはそれまで知らなかった世界なのにハマったらひたすらハマるワケで、すると一気に聴くべきアルバムは50枚くらい増えてさ。いや大変。もちろんそれでも凄く楽しめる世界を提供してくれるので満足なんだけどね。

 んなこともある中、現在ではマルコ・ヒエタラがベーシスト兼ボーカリストとして君臨しているナイトウィッシュ。新ボーカリストの存在も全世界にツアーをしたことでしっかりアピールできて、割と受け入れられている感じだね。まぁ、今更ターヤに戻せ~っても無理だろうから、それも良いか。現役バンドだしさ。音はかっこよいし。ってなことで、ナイトウィッシュを取り上げてみよう。どれでもよかったんだけどパッと手に取ったところで…。

Wishmaster Once

 「Wishmaster」2000年リリースの飛躍作とも言うのかな。正直言って無茶苦茶かっこよいツボを全部押さえてくれます(笑)。ギターリフの新鮮さはこのバンドの特色かもなぁ。目立たないギタリストなんだけど、リフメイカーとしては結構センス良くて、どのアルバムでも必ず「ハッ」とするようなギターリフが入っていたりして、このアルバムでは冒頭二曲のギターリフがもの凄くかっこよい。そういうギターリフが山のように詰め込まれているアルバムかもしれない。それと割と常識を覆すような楽曲のリフだったりするものも多くて、「Wanderlust」とか「Crownless」なんてのはこんなのあるのか?ってくらいのリフで攻め立ててくるしさ。鍵盤のツォーマスの才能はそこかしこで溢れ出ているので今更書くこともないけど、ホントに叙情的な、そしてハードなセンスに長けている音楽家という感じでそれをメタルで表現しているというのかな、ただひたすらかっこよい。このアルバムでは捨て曲なんてのはなくってね、最初から最後までリフと壮大なアレンジが練られたオーケストレーションとオペラチック名声によるある意味異色なメタルの世界を繰り広げてくれる傑作。

 このバンドって相当歴史に残るバンドだろうなぁ…。いやぁ、出会えてよかった。ブログとかやんあかったら出会えてたかどうかわかんないしさ。まぁなんだ、このバンドの弱点ってジャケットセンスくらいか(笑)。以降のアルバム群も音的にはどんどんレベルが高くなっている感じで「Once」でひとつの終演を迎えることは有名だね。うん、素晴らしい。



Tarot - Suffer Our Pleasures

 真夏日真っ盛り♪でもどこか残暑的な日差しを感じるのはちと間違い?7月末頃の日差しは真夏~って感じだったけど、最近は残暑~って勝手に思ってる。多分夕方は涼しくなるからかな。まぁ、暑い暑いって言っててもしょうがないワケでして、どうせ汗かくんだから燃えるもん聴いて燃えた方が良いじゃん、みたいな単純な思考でメタルってのは夏に受けるジャンルなのだ。自分的にもそんなロジックにいつの間にかハマっていて正にメタル真っ盛り。最近では色々なバンドをあちこちで教えてもらっているので更に増える増える。しかし、楽しめるのは数限られているのはしょうがないね。

Suffer Our Pleasures Crows Fly Black

 しかしマルコ・ヒエタラって人の野性味はどこまでも人を惹き付けるんかね。しかし本人がずーっとやってるバンド、タロットはそれほど注目を浴びていなかった、と思う。マルコがナイトウィッシュとかで売れてから後追いで発掘する人は多かったと思うけど、当時、1986年頃から注目してた人って少ないんじゃないかな。当時メタル全盛期だけどフィンランド産メタルで世界に出てくるってのはなかったしね。そんな中で一線でやってたバンドだったのがヒエタラ兄弟のタロットなワケだ。

 今回は2003年にリリースされた「Suffer Our Pleasures」というアルバム。ナイトウィッシュにはまだ加入していない頃だけど、結構良いアルバムでさ、古き良きヘヴィメタルの世界が広げられている感じだけどしっかりと最近の鍵盤もクローズアップされていて、美味しいところ取りができている感じ。最初の「I Role!」からマルコの野性的な叫びが入って凄くかっこよく展開されていく曲。音的には元祖のメタルなんだけどメロディセンスが優れているのかな。優れているというかメロディがしっかりとあるってのがフィンランド。聴いてみれば凄く納得できるアルバムなんだけど聴こうって気になるまでに時間がかかるんだよな。なぜか。

 派手じゃないけど結構コンスタントに活動していて、最新作は2006年「Crows Fly Black」。いずれ全部聴いてみたいバンドだなと頭の中で記憶はしているものの、見つからない。ま、気長に探すさ(笑)。ん~、やっぱ聴いているとかっこよいなぁ…。ただ何かが足りないのは何だろ?

Sinergy - Suicide by My Side

 あ~、夏休み欲しい~。一ヶ月も休めたら最高に何でもできるしどっかへ逃げる♪ なんかもうあれこれ面倒だなぁ~と言うことが増えてきて基本面倒くさがり屋なので、どうでもいいや~みたいに思ってしまうのだな。好きなことには一途に邁進してしまうので何でも、ってことはないんだけど、基本、メンドイのはメンドイ。ま、それ言ったらこのブログもよく続いているっつうか多分意地?いやいや、それはないけど、本人なかなか楽しんでるから良いのだ。しかし、そんな気分の時にたまたま流れ的に、結構スカッとするアルバムを聴いてしまったので、これはよろしいってことでこちら。

Suicide by My Side To Hell and Back

 シナジーっつうメロディアスヘヴィメタルバンドらしいが、その三枚目にして今のところ最新作…2002年にリリースされたんだけどね。

 「Suicide by My Side

 個々まで来るとゴシックメタル好きからはかなりかけ離れてしまって…、このバンドに辿り着いた経緯はいくつか…。まぁ、一番大きいのはナイトウィッシュ絡みだろうなぁ。ナイトウィッシュのベーシストであるマルコ・ヒエタラさんの歌が結構野獣的で面白くて好きなので、こんだけ歌える人って何やってたんだろう?って思って調べてみるとシナジーが出てきたりタロットが出てきたりするんだよね。んで、今度はシナジーって何?って調べてみるとチルボドのギタリストの奥さんが歌っているバンドってなことで、女性歌モンのメタルなら面白そうだな、と。それがキンバリー・ゴスという女性。

 ところがこのキンバリー・ゴスの歌と来たらこれだけの早くて流暢なヘヴィメタルバンドをバックにしながらまるで男並みの迫力で楽曲を歌い上げてしまうくらいパワーのある歌で、女の声ってのを全然意識しなくて聴けてしまう代物で、ある意味そういうのを期待していた自分的にはちと違うんだけど、これがまた凄いヘヴィメタでさ、早いし美しいし、巧いし、メロディーもしっかりしてるしってことでちとうるさかったけど、いいかな、と。あ、話逸れてるけどナイトウィッシュのベーシストのマルコはここでは割とベースに徹しています。まぁ、夫婦二人がフロント取ってたらあんまり前には出てこれないだろうねぇ。しかもキンバリーさんのあのガタイではちと恐れおののくなぁ…。

 で、このバンド面白いことにどうやらアチコチで活躍しているバンドのメンバー達から構成されていたがために皆が売れて忙しくなるとシナジーとしての活動が出来なくなってしまうらしい(笑)。ナイトウィッシュが忙しくなったマルコはいつの間にかクビになっているとか…、じゃダンナのアレクシはいいんかい?ん~、まぁ、やっぱり円滑な人間関係こそがバンドの秘訣ですな(笑)。

Therion - Gothic Kabblah

 スウェーデンのメタル層って結構厚いんだなぁと色々聴いていると思う。フィンランドがメタル層が非常に分厚いってのは割と有名で、スウェーデンもイングヴェイとかいるから北欧的なサウンドでは割とメジャーなんだろうと思うけどね。その分オランダとかってのはそんなに印象なかったけど、まぁ、この十数年でかなり進化してきたんだろう。日本は逆に退化したっつうか国内からアジアの代表へと進んでしまったから西洋で迎えられるような音楽をできるバンドってのは非常に少なくなってしまったのは残念。やっぱ言葉の問題が大きかったのかなぁ。でもアジアだって言葉違うけどな。ま、周りが日本語を理解するようになっているっつうのは大きいけど。

ゴシック・カバラ LEMURIA/SIRIUS B

 話は逸れたけど、スウェーデンのこちらも既に大御所になりつつあるセリオンっつうシンフォニックメタルバンドの新作「ゴシック・カバラ」、つっても昨年のリリースなので今更って感じもするんだけど聴いたのがついこないだなんだからまあいいじゃないか。同じようなバンド形式で音色もそれほど違わずやっているのにこうまで違うかと思うくらいに暗さがない。軽い、とも云えるかも。女性歌モンも割と中心に添えていて、一見ゴシックメタル的な要素は持ち得ているんだけど、もっと軽やかに女性ボーカルが使われていて、荘厳さや美しさっつうのとはかなり異なっていて、どっちかっつうとポップスに近い…っつうとファンに怒られるんだけど、そんくらいのイメージ。もちろんバンドはメタルなのでそんなことはないんだけどさ、聴いているとそう思うだもん。せっかくアルバムタイトルが「ゴシック・カバラ」なのにゴシックらしさが少ないってのも、ね。

 しかしギターソロとか凄く気持ち良いな。正にイングヴェイみたいなああいうトリッキーなフレーズがガシガシ出てくるのでハッとするんだけど、やっぱメタルってのはそうこなきゃ(笑)。それと過去の作品群をほとんど知らないで書いているのでアレだけど、合唱中心のバンドでもあったのかな?コーラスチームがしっかりと和声で組まれていてそういう美しさは見事なものだけど、あまりにも綺麗すぎてサラリと聴けてしまう(笑)。

 う~ん、聴きやすいけどどこまで聴くかなぁ…。美しいとかはあるけど引っ掛かりが少ないので、ちょっとわからん。誰にでも聴けるという取っ付きやすさはあるけど、自分的には何かが足りない。こういうの判別するって難しいわ。だってさ、やっぱ10枚以上アルバムをリリースしているってことはそれだけのバンドだろうから、たまたまこの作品が綺麗すぎるというだけなのかもしれないしね。うん、ま、前作「LEMURIA/SIRIUS B」とかその前の「シークレット・オブ・ザ・ルーンズ」とかつまみ食いしてみますかね。

Opeth - Watershed

 ゴシックメタルの荘厳な世界に美しき女性の歌声が絡むという耽美的な世界が好きなんだけど、どうしても似たような世界の、というかきっちりと分けられているモノでもないので、周辺の音楽も聴かざるを得ないというか、聴いてみないとわからないっつうトコあって、予備知識がないから何でも片っ端から聴くという状態で、ここ十数年の間に進化してきたメタル系の世界をおさらいしていかないといけないのか…、いや、別にメタル好きっつうワケでもないからほっときゃいいんだけど、何かスポッとハマり込める音に出会えたら凄く嬉しいからさ。

ウォーターシェッド ゴースト・レヴァリーズ

 2008年のつい先日リリースされたばかりの「ウォーターシェッド」で元々はデスメタルというカテゴリに属していたらしい、そして今ではプログレッシヴデスメタルっつう括りになるらしいオーペスっつうバンド…、スウェーデンのバンドらしいんだが、もう10年選手の大物になりつつあるバンド。前からちらちらと名前を見かけたバンドではあるんだけど、なかなか手を出す機会がなかったのでシカトしてたんだが、先日ふとしたことで手に入れたので、聴いてみました。そもそもこのアルバムしか聴いてないから過去からの繋がりがわかんないんだけど、どうなんだろうね。前作「ゴースト・レヴァリーズ」が名盤だった、という評論は見かけるけど、今作「ウォーターシェッド」もかなりの代物として書かれている…。

 アルバム全体を聴いてみて…、凄く対極性、二極性が高いバンドで、静と動とかがはっきりしていてメリハリが凄い。アルバム全体でもそうだし、一曲ごとの楽曲の構成にしてもそうだし歌でもそう。歌なんかはデス声もあったりするけど普通に歌っているのもあって…、デス声のトコはバックもうるさいんだけど、普通の時もうるさかったりデス声でバックが割とうるさくなかったりと色々と相反する使い方をしている感じ。そして楽曲も根っこがしっかりしているからか、メロディアスに静かに聴かせるところはしっかりとしっとりと聴かせてくれる力量があって、うるさくツーバスになるところはしっかりとそれでバンドの演奏力を見せつけてくれる。

 凄いなぁと思うのは一曲目とかそれ以降も曲のところどころで出てくるんだけど、アコースティックギターの使い方。ロック的なんだけど音色と言い音使いと言い、かなりしっかりと弾けているのでツボにはまる。ギターソロにしても流暢なメロディを奏でているので美しい。そしてこの一曲目では女性ボーカルとのデュエットも聴けてかな~り良い感じのバンドじゃない?って思っていられた…。二曲目の途中までそういうバンドかと思っていたらキターッ!って感じにツーバスドコドコデス声で(笑)。ま、いいけどさ。それでも単調じゃないから曲に飽きることはないし、一辺倒で畳みかけてくるようなこともないから音楽してます。その分昔からのファンはダメなんだろうな…。

 基本的に美しいバンドだな。でも邪悪なモノも入ってくるっつう…、そして歌モノもあったりと器用で面白い。プログレらしいと言われてるみたいだけど、そうかね?ドラマティックではあるがプログレっつうのとは違うだろ、と若くはないロック好きは言ってしまうんだが…。多分4曲目がどことなく「クリムゾン・キングの宮殿」に似ているからかな…(笑)。しかしギターソロとか泣きのフレーズとか見せ方が巧いなぁ…。ちょっと追いかけてみたくなるバンドかも。

1曲目「Coil」


4曲目「Burden」

Dark Moor - The Hall of the Olden Dreams

 日本の誇るヘヴィメタルバンド、ラウドネスが昔海外進出した時、最初はアメリカ制覇のつもりで出ていったんだけど、ワールドツアーとかやるウチにどういうワケだかオランダで大人気になったらしい。その時のビデオなんてのもあって、それはそれは凄い盛り上がり方なのだ。その時は多分他にヨーロッパの国でライブとかツアーをやったのかどうか知らないけど、一部のマニアにはラウドネスというバンドの持つ日本臭さ、っつうか多分演歌の血だろうけど(笑)、そういう哀愁とかメロディってんが妙に気になったんじゃないかな。元々はヨーロッパ人もそういう血が流れているワケでして、いや、演歌じゃないけどさ、哀愁とかそういうの。なんでまたそんな話かと言うとだ、ここ最近耳にするヘヴィメタバンドって非常~にクサいところがあって、もしかしてラウドネスなんか今言ったら凄くウケちゃったりするんじゃないか、と。というか、実はヨーロッパのバンドに多大なる影響を与えているんじゃないか、と。

THE HALL OF THE OLDEN DREAMS ゲイツ・オブ・オブリヴィオン


 2001年にリリースされたダーク・ムーアっつうスペインのヘヴィメタルバンドの「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」という名作、らしい。その筋では相当の名盤らしく、何でもクサ過ぎるからということらしいが…、言葉の定義がわかってないから会話にならないんだけど、クサい=あまりにも叙情的且つ哀愁を帯びたメロディーが多い=ベタベタってトコなんだろうと思う…。まぁ、聴いていればわかるんだけどさ、歌メロとかコーラスとかこれでもかっつうくらいにメロディを付けられていて、しかもそれがやたらマイナー調でして(笑)、ギターソロとかは異常に早弾きとかなのに何か哀愁を帯びたソロで、フレーズ的にもどこかラウドネスを想い出してしまったので冒頭の話になるワケさ。

 基本的にツーバスドコドコのスピードメタルで早弾きツインギターでボーカルはなんと女性なんだが、結構太い声しているので男のハイトーンよりは綺麗な声かなという程度で、女性らしさを売りにしているワケではないのがゴシックメタルとの違い。純粋にヘヴィメタが好きだから歌うんだ~ってな感じですな。ルックスモかなりしっかりしているらしい(笑)。こうなってくると女性ボーカルものなら良いと言うことではないと言うことにようやく気付いてくるワケでして、やはり荘厳さや美しさがある方が聴きやすくて耽美的で音楽的でいいなぁ…。

 …なのでここから先のソナタ・アークティカとかチルボドとかには進まないワケですな。そういう意味では非常にジャンルを色分けしてニッチに深い世界だけを追求するっつうか、狭い世界しか好きじゃないのかな、などと思ってしまう。う~ん、やっぱりブルースロック好きにはこの辺はちとキツイ(笑)。ただ、このギターのメロディの良さやソロの構成なんかはキライじゃないので、なかなかハマれる。

 この「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」がセカンドアルバムで、次の三枚目「ゲイツ・オブ・オブリヴィオン」でボーカルのエリサが脱退、以降は男性ボーカルになるんだけど大して違和感ないらしい、っつうかゴシックじゃないから別に男の歌でも良いというか男の歌の方がそれらしいっつうか(笑)。


Ebony Ark - When the City Is Quiet

When the City Is Quiet デコーダー

 ジャケット、良いなぁ…。

 papini嬢のブログで紹介されていて、そうかぁ~、そういう音なら女性歌モノだし聴いてみたいね、って思って入手♪ やっぱりイメージする音と実際に聴いてみるのとでは結構印象が異なるものだ。音楽ってのはやっぱりその人の感性によって異なる反応があって然るべきもので、それでも同じような感性の人ってのがあちこちにいることで話が盛り上がるんだけどね。

 エボニー・アークっつうスペインのバンドの2008年3月リリースのセカンドアルバム「When the City Is Quiet」ってことで、3年ほど前にファーストアルバム「デコーダー」がリリースされているらしく、そこそこの評価をされていたようだが?しかしみんなよくそんな情報入手してくるよなぁ。Burrn誌だけの功績でもないだろうから、きっと他にも色々な情報源があるに違いない。自分には全く近寄ってこない何かが…(笑)。

 それでだ、このエボニー・アークの「When the City Is Quiet」を聴いてみるんだが…、ジャケットから想像されるようなダークでゴシックな雰囲気はほとんどなくって、どっちかっつうとパワーのあるヘヴィメタにお転婆なお姉ちゃんがヒステリックに歌っているっつうか…、まぁ、ヒステリックなだけじゃないけど、美声というのではなくて、昔で言うとパーソンズのジル嬢みたいな感じかねぇ。透き通る声とかじゃなくてねちっこい声質で、その分メタル的ヘヴィなギターの音色には似合う声質…、浜田麻里とかもそうだけど、生理的に受け付けるかどうかってのがあるかもしれない。いや、このエボニー・アークのベアトリス嬢はもちっと多彩な声が出せるみたいで、ちと上品な歌い方をするものもあるんだけど、基本的にはねちっこい声。

 そしてバックの音だけど、いわゆる普通のヘヴィメタル、っつうか様式美バリバリのギターリフが中心となったサウンドでパワーは凄い。どこか昔の日本のヘヴィメタ的なエッセンスを持っているので、聴き慣れている感覚がある感じ。ピアノ曲やオーケストラ的なものもしっかりと打ち出されていて、しっかりとクラシカルな音をも出せるバンドということで、前作「デコーダー」も聴いたけど、圧倒的に飛躍的にバンドとして伸びていることは一目瞭然で、深みが出てきているかな。

 しかしまぁ長いアルバムだな…。80分フルに入ってるじゃないか…。この音で80分フルに攻め立てられたら結構キツイよな。作り手も大変だったと思うけど、聴く側も結構大変だぜよ、これは。集中力に欠けるからね。しかしお転婆娘の歌声が忙しいなぁ…。

Endless Road


Ectasy

Lacrimosa - Elodia

 思い起こせば昨年の今頃にゴシックメタルっつう世界を知って、それ以来あれこれと突き詰めていたりしたんだけど、それもようやく一年経ったかぁ…。しかしまだまだ知らない道の世界は山のようにある。そもそもヘヴィメタルの進化系である言葉っつうかジャンルがよくわからないので、あちこちで紹介されているものを片っ端から聴いてみて好みか否かを判別して何回か聴くか聴かないかってのが分かれていくんだよな。だからその手のモノは一応何でも聴き漁る。んで、覚えてられないようなものもあるのでメモ代わりにこのブログに記録を残しておくというような感じですな。そんなんでいいかどうかは別として、ひとつの活用法♪今回のは…、どこで知ったのか、調べてみるとエヴァ姉さんとこでも既に書かれていたりするので、何となく情報収集できていたというのかな、多分最近どっかで見かけたんだと思う。

エロディア ファサード

 ラクリモーサっつうスイスのバンドでゴシックメタルっつうかメタルだったんだけどそこから相当進化してしまってオペラチックなものへ行き、そこから完全にクラシックと同類の世界へ進んで行ったという正にマニアの極地の世界まで自分達が進んでいってしまったオトコとオンナのユニット。正直言って最初聴いたときはこれ、メタルとかロックとか言う次元のモノじゃなくて、オーケストラシンフォニーじゃないか?って思ったくらいだ。そんなラクリモーサだが既にアルバムは10枚近くリリースされているようで、どれもこれもジャケットがモノクロで統一されたアートワークってのが面白い。相当コダワリのキツイ、ニッチな人達がやってるバンドなんだろうな…。

 2000年にリリースされた「エロディア」だが、今のところ最高傑作として言われているらしいので聴いてみた。最高傑作って言っても、多分ロンドンシンフォニーオーケストラとの共演により、オーケストラ度合いとメタル度合いが見事に調和された一枚っていう点が多いのではないかな。メタリカみたいにメタルありきでオーケストラと共演していなくて、どっちかっつうとオーケストラありきでメタルらしい音を合わせているっていう感じで、その分歌メロは非常~に美しかったりして、オトコの歌も邪魔にはならないし、何つっても女性ボーカルの声が非常~に哀しげな歌い方で、日本人が好きそう~な演歌調っつうかね、暗くて哀愁漂う世界(笑)。男と女の絡み具合とドラマティックな盛り上がりの展開がもう凄くよく出来ていて、その辺ヨーロッパだなぁ~という感じ。ドイツ語と英語の掛け合いになるらしくて、ドイツ語ってなんかゴシック的な盛り上がりに非常によく似合うので、ここでも炸裂。

 しかし、ホントにこれロックの世界なのかなぁ…。いわゆるゴシックメタル的な楽曲構成なんだけど、ギターの代わりにすべてオーケストラが入っているっていうくらいシンフォニック。ま、交響楽団とやってるんだからシンフォニックなのは当たり前だが、スイス的でいいなぁ…。でかい音でハマり込んで聴いたらこのクサいまでの美しさと叙情さには惚れ惚れすると思う(笑)。ちょっと壮大過ぎるキライはあるけどね。しかしYouTube見ると…ちと引くなぁ…、ドラキュラ伯爵じゃねぇか…。

Renaissance - Ashes Are Burning

 どうにもやっぱり女性ボーカルものってのは英国好きには堪らないものがあるのかねぇ。もちろん男臭いハードロックやブルースなんてのも好きなんだけど、気軽にリラックスして聴くっつうか楽しむものには女性歌モノってのは割と良く出てくる。何となくBGM感覚に近いんだろうけど、それにしても我ながら女モン好きなんだなぁと思うことがある。しかし、色々聴き漁るもののやっぱりどんどん原点に戻っていくというのも人間の本能の成せるワザか。暑いからと言ってまたもやゴシックメタルやクロダー・シモンズ関係を漁っていたけど、とどのつまり、ってとこでAll About Eveに戻り、そしてその原点とも言えるアニー・ハスラムに戻ってくるのだな。そしてやっぱりアニー・ハスラムの歌声が最も心地良い事に改めて気が付くという輪廻転生…。

Ashes Are Burning Ashes Are Burning Ashes Are Burning
ロゴ大+微笑ジャケ ・ ロゴ小+微笑ジャケ ・ 可愛くないジャケ

 1973年リリースの新生ルネッサンスによるセカンドアルバム「Ashes Are Burning」邦題「燃ゆる灰」。非常~に有名な曲が三曲入っているのでどうしてもその三曲に耳が行ってしまいがちで、他の小曲…っつうか他の曲にはあまり触れられることがないんだけど…、と思って聴き直していたものの、やっぱりその三曲の偉大さは想像以上のもので、どうしてもアルバムを語る上では筆頭に挙がってしまうのだった。アルバム冒頭か10分の大作、イントロからして美しいピアノ曲で、アニー・ハスラムのクリスタルボイスが登場するまでが非常に待ち遠しいものだが、登場した瞬間からその声に惚れ惚れしてしまうという…、やはりここに原点があるのだなぁ~と。そして最後の大作「Ashes Are Burning」はもう、アニー・ハスラムをして一番好きな曲というもので、そりゃ素晴らしい出来映えさ。ピアノとリズムセクションにアニー・ハスラムの歌声が絶妙に絡み合って常にクライマックス状態を醸し出しながら、哀愁のギターフレーズを弾かせたらこの頃のトップであったこと間違い無しのウィッシュボーン・アッシュのギターの名手、アンディ・パウエルがゲスト参加して花を添えている。そしてそのギターがあるがために正にルネッサンス+ウィッシュボーン・アッシュとも云える音楽美の世界が構築された瞬間で、名曲をより一層深みのあるものに仕上げている。う~ん、素晴らしい。些か残念だなぁ~と思うのはそこまで盛り上げておいてフェイドアウトかぁ~ってとこ。ライブだと最後にアニー・ハスラムが超ハイトーンクリスタルボイスで「Ashes are burning the way~」と叫ぶから良いんだけど、スタジオ盤はちと寂しいな(笑)。

 最初と最後に挟まれた楽曲群についてはある意味この壮大な組曲の中のひとつとして捉えていくのも聴き方としてはありだろう。意外なことに「On The Frontier」なんてのはアニー・ハスラムの歌声だけでなく男性陣のコーラス部隊から始められる代物で、ちょっとしたアクセントになっているし、「The Harbour」はモロにクラシックピアノでまとめられているもの…、何かをモチーフにしたものらしい。どうやら盤によってはこの曲がエディットされていたりするものもあるらしい。どこ盤のいつの再発とかまでは調べてないんだけどね。そういう意味ではヒプノシスの手によるアルバムジャケットも遠くを見ているアニー・ハスラムと微笑しているアニー・ハスラムの二種類が存在していて、最初はアメリカ盤と英国盤だと思っていたんだけどそう単純でもないみたいで、どのプレスで、とかがよくわからない。確か「Renaissance」のロゴの大きさが異なるのもあって実に複雑怪奇なアルバムジャケットになっているんだよね。意外と纏め上げたサイトとかが見つからなかったので、まだ勉強中。こういうのにハマると面白くていかん(笑)。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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