Dead Can Dance - Aion

 民族的音楽もしくは宗教音楽の要素が入ってくると明らかにロックという世界からは離れたモノが出来上がってくることが多いが、まだ民族音楽ならば「要素」のレベルで終わるのだが宗教音楽となるとやはりそっちの要素が強くなってしまうことが多い。まぁ、ヤードバーズの「Still I'm Sad」なんつう傑作もあるんだが…。さて先日ニコを聴いていて変わってるなぁ~と思い、インドとか聴いたけどやっぱ違う…ってことで何がいいんだろ?と探している時に思い出したのがこのバンド。デッド・カン・ダンス。

エイオン<紙ジャケットCD> サーペンツ・エッグ<紙ジャケットCD>

 その筋の人が聴くと作品事にかなり変化しているバンドということなんだけどしっかりと研究していない自分からすると大体「ドーン」とした音楽をやる人達。「ドーン」ってのは悪い表現なので、きちんと言えば、中世音楽に従順に正にヨーロッパの荘厳な雰囲気を民族音楽的に、雰囲気を大切に、そう教会の中ででも聴けるような聖ナントカっていうような厳かな音楽。ロックっていうのかなぁ、これ。

 たまたま手元にあったのが「エイオン」っつう1990年にリリースされた作品で、ジャケットからして宗教画でしょ?よくみると結構お茶目なところもある絵なのでなかなか楽しい。そして中味は自分的には完全にヒーリングミュージックと化してます。美しいリサ嬢の天に昇るかのような歌声と心に染み入る天上の声、エコーばっちりで何も考えずに浸れるというものだ。普通のロックファンが聴く音楽ではないだろうし当時4ADレーベルには耽美的というイメージがあったが、このバンドほど特殊な耽美さを出していたバンドもない。

 やっぱロックじゃないよ、これ…。でも、じゃあ何かと言われても困るからしょうがない(笑)。この前の作品「サーペンツ・エッグと」共に何故かウチにある作品。

All About Eve - Touched by Jesus

 クロダー・シモンズを追いかけてシリーズは一段落終了して…(笑)、いや、もう他にはあまり見当たらないというかあるけど音が手に入りにくいので即座には難しいってことで、ちと違う角度でマニアックに…。

 メロウキャンドルってのは英国でどれだけ根強い人気があるのか知らないけど、多分、やっぱり日本と同じくそれなりのマニアでないと知らない音なんじゃないだろうか?そもそも英国人は自分トコの70年代のバンド群が世界的に意味を持っていたシーンだったという認識がどれくらいあるのか不明なので、メロウキャンドルって言っても、古い人が当たり前に知っているようなもんじゃないと思う。となると、やっぱりそれなりのコレクター向けのバンド、であるはずなのだ。

Touched by Jesus Cinemasonic

 ってなことを意識してなのか、プロダクションの意向なのかわかんないけど、何とも驚くことにその筋では有名なオール・アバウト・イヴっつう美しきジュリアンヌ嬢を配した英国耽美派バンドが90年代初頭にリリースしたシングル「Farewell Mr.Sorrow」という曲のB面でメロウキャンドルの「Silver Song」をカバーしているのだ。当時リリースされた12インチシングルのB面にしか収録されていないので、まずもってマイナーな存在ではあるのだが、80年代末というプログレ衰退期に彗星の如く登場した久々の女性ボーカルによる耽美派バンドとして日本ではマーキー誌がクローズアップしたもんだから音的には別にプログレでもなんでもないけどやたらとその筋のファンが付いていったという不思議なバンド。ジュリアンヌ嬢の美貌がその人気に拍車を掛けていることは間違いないが、どちらかと言うと英国のニューウェイヴから発展したポップスというような感じの方が強かったんだけど、それよりもアニー・ハスラム配するルネッサンスから流れてくる英国のクリスタルボイス系、そしてしっとりとした音色に絡みつくような美声という女性ボーカル信者には堪らない要素を持っていたワケだ。そこにメロウキャンドルの「Silver Song」のカバーと来たらこれはもうマニアはニヤけた笑顔が止まらないでしょう(笑)。

 で、そのシングルのA面となった「Farewell Mr.Sorrow」は三枚目のアルバム「Touched by Jesus」に収録されていて、残念ながら「Silver Song」はCDになって一度もボーナストラックにでも収録されたことのない超レアな曲になってしまっている。しょうがないのでアルバム「Touched by Jesus」を聴き直してみるのだが…、いやぁ~、これはもう極上のポップスとしか云えない作品ですね。ただ、レーベルがヴァーティゴのグルグルレーベルで出ていたのでやはりマニアはオール・アバウト・イヴというバンドにまだ幻想を抱くことになるワケだ。そうだなぁ、プログレとか抜きにして言うと、ポップなんだけどしっとりとした空間にジュリアンヌ嬢の歌が美しく響き、起伏に富んだ楽曲と美しい音色、ギターにしてもベースにしても鍵盤にしてもとにかく美しい音色が鳴り響いているので、耽美系ってのはよくわかる。心地良くなってくるもん(笑)。ということはやっぱゴシックの元祖でもあるんだろうな…。

 素晴らしきオール・アバウト・イヴのサイトを発見、「Silver Song」のサンプルも置いてあります♪ →コチラ

 2003年にリリースされた再結成?のCD「Cinemasonic」では多分ライブだと思うんだけど、ボウイの「Life On mars?」が最後に入っているなぁ…。う~む、ちと面白いかも…。

Currrent 93 - Black Ships Ate the Sky

 しかしまぁ、クロダー・シモンズ一人を追いかけるだけでこれほど多用なジャンルに巡り会えるってのもなかなか楽しめる。まだいい加減にしか当たってないからそれほど多くないから救いかな。これ以上ハマっていくとホント大変な事になりそうなんだもん(笑)。そしてふと気付いてみると、そんなにクロダー・シモンズって好きなんだろうか?と自己疑問。いやぁ~、メロウキャンドルの印象だけで、しかもそれが非常に素晴らしいアルバムだったがためにインパクト強かったから追いかけているだけで、まぁ、好きかどうかってのはそういえば別だなぁ~と。ま、それでも何かを追求していくのは好きだからたまたま今回は、ってことで良しとしておこう(笑)。

Black Ships Ate the Sky Black Ships Heat the Dancefloor

 2006年リリースの英国変態フォークバンド、と呼ばれているらしいカレント93っつうバンド?ユニット?人?よくわからんが、その「Black Ships Ate the Sky」というアルバムの一曲にしっかりと参加していてクレジットにはクロダー・シモンズと書かれている。聴いてみるとだ、これがまたニコみたいな感じになんつうのか現代音楽的というか鍵盤のベース音とユニゾンしながら歌を歌っているというものでここでもまた美しいフォークの調べに乗せて歌うという歌モノでもなくってアクセント的に入っているような感じ。残念だなぁ。どうして皆彼女をそうやって使わないのかなぁ。それとも本人の希望だろうか?確かにソロアルバム聴いているとデジタル音と共生した音の中で歌っているので、そういうことなのかもしれない。う~ん、ま、いいか、聴けりゃ。

 ついてに驚いたのは何とこのアルバムの最後にはシャーリー・コリンズまでもが参加している…。この人はもちっと普通の曲で歌っているので昔からの歌い回しとか声質が聴いて取れるね。昔と同じ声というワケじゃないけど、やっぱりクセは残ってるね。何せ自分が知ってるのは35年くらい前のアルバム「ノー・ローゼズ」なワケだからそりゃそうだ(笑)。

 そんなきっかけで聴くことになったこのカレント93っつうバンドなんだけど、冷静に見ていると最初から元ソフトセルのマーク・アーモンドがアシッド調なフォークをバックに歌うというもので、アルバム全編に渡りほぼ妙~なフォークなロックが繰り広げられる。しかもCDタイムが結構長く収録されているので多彩なゲスト陣でもいないと確かに飽きてくるわな、と。他のゲスト陣はあまりよく知らないんだけどオルタナ系のところから来ているのかな。面白いのはアルバムタイトル曲だけはもの凄いパワーのあるサウンドでyouTubeにもあるけど、結構インパクト有る音なんだな。この一曲だけアルバムで浮いているんだけど凄く新鮮に聞こえる。それが結構かっこよいからアルバム丸ごと聴いても面白いかなと思ったんだよね。んで実際なかなか面白い。こうして新たなるジャンルに手を付けていくことになるのだ…。

Russell Mills/Undark - Pearl & Umbra

 別にアンビエントサウンドが好きだというワケでもないんだけど、クロダー・シモンズ参加作品をひたすら追っかけていると何故かその手の作品が多いみたいだ。メロウキャンドルのように彼女自身の音楽的才能を生かせる場がないというのもなかなか残念だとは思うんだけどね。今のところすべてを聴いたワケでもないので、まったく彼女の音楽的センスを出せていないのかどうかわからないけど、近年に至るまで細々と活動しているみたいでいくつかの作品でクロダー・シモンズという名を見つけることができるし、ネットで探せる。いくつかを聴くとやっとまともに歌を歌っているってのにも巡り会うんだけど、その歌声や歌い方はやはり10代の頃のメロウキャンドル時代とは大きく異なっていて、あの天上の歌声ではないというのもちと残念。ま、そりゃそうなんだけどさ、あれは時代の賜物だった部分も大きいんだろうなぁ…と。

Pearl & Umbra Strange Familiar

 えっと、デヴィッド・シルヴィアンとかナイン・インチ・ネイルズのジャケットが有名だと思うんだけど、ラッセル・ミルズっていう画家がいて、この人がいくつかのCDジャケットも手がけている。オフィシャルサイトには見かけたことのあるジャケットがあると思うので、全く知らないアーティストってワケでもないんじゃないかな。んで、このラッセル・ミルズさんがよくわかんないけどCD出してるんだよ。それも凄い面子がバックについて。

Harold Budd / Brian Eno / Peter Gabriel / David Sylvian / Bill Laswell / Paul Schutze etc...

 アルバム名は「Russell Mills/Undark: Pearl & Umbra」ってもので1999年にリリースされている作品。全体的にまぁ、面子が面子だから明るいロックなワケがなくて(笑)、アンビエント的っつうかダークというかまぁ、ああいう音だ。それだけで言えば別に好きというワケじゃないんだけど、その中の「Golden Hair」っつう曲があって、それをクロダー・シモンズが歌っているんだよ。久々に歌詞もメロディもちゃんとあるしっかりした歌。ただし効果音とかがメインな感じなので歌声だけを堪能するという感じにはなっていないのが残念。うん、まぁ、声はさすがに大人だよなぁ…と。

 ソロアルバムだと彼女の世界がしっかり出ているけど、やっぱりこういうのだと必要とされる声で演出するというだけで、しかも過去の仕事がアンビエントクワイアだったおかげでどうしてもこうなっちゃうのかなぁ、とちと残念だけど、こういう発掘的作業は割とキライではなくってね(笑)。おぉ~、そんなトコロでやってたのか~、みたいな楽しみある。ま、このアルバムに関して言えば蒼々たる面子が揃っているので、実はその世界のファンでも知らなかったりするかもしれないしね。そんなところにクロダー・シモンズが参加しているってのもちょっと嬉しい気がするかな。

Thin Lizzy - Shades of a Blue Orphanage

 アイルランドの音楽家の豊富さというものはきっと想像よりも凄いんだろうな、とことごとく思い知る機会が多い。最近ハマっているクロダー・シモンズにしても10代前半の頃からメロトロンや鍵盤系の楽器をこなして作曲していたそうで、そもそも音楽家として生まれついているのかもしれない。その彼女のメロウキャンドルというバンドは実は1968年頃に結成されていて、あのサイモン・ネピア・ベルの元から一枚のシングルをリリースしている。その後泣かず飛ばずで解散してクロダー・シモンズはイタリアの学校に進むことになったとか。それでも一年後にはまたアイルランドに戻ってきて今度は古楽とトラディショナルな音楽に根ざしたサウンドをやるってことで再度メロウキャンドルを再編成して、スティーライ・スパンやリンディスファーンあたりとツアーに出たりしていたようだ。きっとクロダー・シモンズはそこでも歌だけに留まらずメロトロンや鍵盤を弾いてひたすら音楽の追究をしていたに違いない。メロウキャンドルの楽曲の骨子は大体が彼女の作品であることからも非凡な才能が伺い知れるってもんだ。

Shades of a Blue Orphanage Vagabonds of the Western World

 1972年、メロウキャンドルとしてもデビューアルバムが制作リリースされることとなるが、同時期に同じく同郷のスター、後のスターバンドであるシン・リジィがアルバム「Shades of a Blue Orphanage」をリリースしている。驚くことにその「Shades of a Blue Orphanage」というアルバムのメロトロンとハープシコード担当としてクロダー・シモンズがクレジットされているのだ。メロウキャンドルでツアーを行っている最中に当時まだハードロックではなくアイルランドの音楽にロックを被せたような最初期のシン・リジィとはどこかで知り合っている可能性はもちろんあるわけで、それほど不思議ではないのかもしれないが、それにしても今となってはシン・リジィの作品にメロウキャンドルのクロダー・シモンズが参加している、なんて言ったらやっぱ結構なキャッチコピーじゃない?なんて思って資料を紐解いて驚き楽しんでいるところ。あ、それとレーベルがデラムだからかな…。う~ん、深い。

 久々にじっくりとシン・リジィの「Shades of a Blue Orphanage」を聴いてみることに。元々このアルバムは好きで聴いていたんだけど、クレジットなんて大して気にしなかったってのと、そんなにメロトロンらしい音とかハープシコードなんて音入ってたかなぁ~と、にわかに疑問を持ちながら聴いてみたんだな。

 うん、やっぱりあまり入ってない。即ちクロダー・シモンズの出番はそれほど多くはない、ってことだ。ただ気になるのは名曲「Sarah」の原曲でもある「Sarah Versin 1」のバックはもしかして…、ってことか?だよな。う~ん、シン・リジィの初期の名曲のバックが実はクロダー・シモンズだったかぁ…とちと感傷的になれるか(笑)。

 そんな感じで、久々だったので二回も立て続けに聴いちゃいました。この「Shades of a Blue Orphanage」という作品は割と酷評されることが多くてその要因はまだまだスタイルが確立されてなくて、多用な音楽が消化不良のままぐちゃっと収録されているっていうところらしいけど、そういうところが好きなんだよね。だから名盤じゃないんだけどさ、凄くナマナマしいシン・リジィっていうかな、フィル・リノットの剥き出しの歌そのまま。まぁ、プロ的な意味で良いアルバムじゃない。でも、気持ち的によく分かる作品。

Jade Warrior - Kite

 ロックの系譜を漁るとき、多分最初はバンドそのものを追いかける。なぜならその音が気に入ったから、衝撃を受けたから。そのうちにそのバンドの人がどこに行った、とか前はどんなバンドにいたんだ、とかそういう情報からその前後に漁りに行く。そのうち、その人がどこそこの誰それのアルバムにゲスト参加している、なんていうことがあるとそっちを探し求めることになる。そうこうしてどんどん深みにハマっていくのが常だと思うんだけど、やっぱりゲスト参加作品というものを探し出すのは実に困難。メジャーな人ならそれこそあちこちで確認できるからまだ良いけどね。それでも結構抜けていたり新たな発見があったりするからキリがない。本人に聴いても覚えていないってのも多いだろうし。

 さて、それが、だ。クロダー・シモンズくらいのマイナーな人になるとなかなか調べがつかない、っつうかネット時代じゃなきゃ全然知る由もないって感じだったけど、さすがに今の時代はネットがあるから便利だねぇ~。ちょろっとググったらまぁ、割と出てきて、そしてまた驚いた。最近でも結構歌で参加してたりするので…、しかも全然知らない世界に行っているので、そこまで追いかけるのは止めました(笑)。ま、でも、どこかで多分探して聴くんだろうけど、焦らないってことです…。

Kites Elements: The Island Anthology

 そして、お仕事的にはマイク・オールドフィールドの「Ommadawn」の後になる1976年リリースの、まぁ、マイナーなバンドなんだろうなぁ…。英国の東洋チックな音階とラテン系の音をごっちゃにして英国風のハードな味付けを施してシーンに出てきたバンド、ジェイド・ウォリアー。4枚目からはレーベルをバーティゴからアイランドに移してそれまでの音とは一線を画す透き通ったアンビエントなサウンド、それでも和風且つエスニックな音階や楽器を用いての作風でここまで変わるか、って感じ。そしてアイランドからの三枚目となる「Kites」のクレジットにクロダー・シモンズが登場。その他にもフレッド・フリスがヴァイオリンでゲスト参加しているという不思議。ちなみにフレッド・フリスはヘンリー・カウの主要メンバーで、カンタベリー一派。う~ん、まぁ、この「Kites」というアルバムに限らず、ジェイド・ウォリアーはトム・ニューマンがいつも絡んでいるからねぇ。トム・ニューマン=ヴァージンのエンジニア=マイク・オールドフィールドとも仕事して有名=クロダー・シモンズの力量認識から紹介?ってなトコか。一方ではマイク・オールドフィールドからカンタベリー一派に繋がりヘンリー・カウ…、ヘンリー・カウもヴァージンだ(笑)。う~ん、ロックの世界は狭い(笑)。

 ってなことで、そんなゲスト陣を迎えて制作された「Kites」。最早メンバーはジョン・フィールドとサムライ魂の好きなトニー・デューイしかいないので、それぞれがアルバム片面づつを受け持って制作。お琴の音色が出てきたりカラカンカランのパーカッションの音と絡んでみたり、とにかく不思議なサウンドで、ま、ロックっつうよりもヒーリングミュージックに近い。マイク・オールドフィールドの大作でその感動を誘う手法を一曲ごとに完結させているという感じでまぁ、和む音ですな。よくわからんけど、リラクゼーションルームとかで流れていても結構面白いんじゃないか?まぁ、妙に気になる音ではあるだろうが(笑)。

 …しかしクロダー・シモンズはどこで歌っているんだ?一曲目と二曲目の旋律と重なる妙なクワイヤ部分か?またしてもそんな扱いなのか?やはり天上の歌声ってのはクワイヤで登場するのが一番美しいのだろうか?いやいや、もったいない…。そしてまたしてもそれだけのためにこのクレジットを探し当ててワクワクして聴き直したのだが…。ほんの何秒かしか登場しないというのもかなり残念。ん~、まぁ、ジェイド・ウォリアーの音自体はかなり楽しめる音作りだからよしとせざるを得ないだろうなぁ…。しかし、今世間的には彼等のCDってのはほとんど手に入らないのか?アマゾンほぼ全滅だ…。

Mike Oldfield - Hergest Ridge

 ここの所暑いせいかあまり無駄な活動をしなくなってきていて…、割と家に帰るようにしている…っつうか、それ当たり前なんだけど、なかなか難しくてさ(笑)。ついつい遊び呆けてしまうんだけど、さすがにねぇ~、なんか飽きてきたのでまた家に籠もって音楽聴いたりマックしたりする方が多くなってきたと思う。その分他のブログさんにもあれこれとコメントしたりトラバしたりと地味なことしてたり。んなことしてるとやっぱり情報が入ってくるもので、やっぱり相互の情報交換ってのは趣味の世界でも非常~に有益なことで、おぉ~、そんなのあったのか~、とかへ?そんなのあり?みたいなのとか色々あって面白い。それで、だ。ちょっと前に衝撃的且つ自身の知識のなさを実感したのが恒例のエヴァ姉さんのIron Rosaryで書かれていたマイク・オールドフィールドの「Ommadawn」。うん、「Ommadawn」そのものはともかくながら、そのクレジットで「Clodagh Simonds」ってあるワケよ。それで「へ?」って思った次第…。

 Clodagh Simondsって人はアイルランドの女性歌手でしてあのメロウキャンドルの歌姫として有名。メロウキャンドルがあまりにも素晴らしく、その後いくつかのバンドで…なんてのも見つけたり、ここで紹介したりしたけど他の人の作品に参加しているとは思わなかったし知らなかった。いやぁ~、英国のマイナー所の人達ってそういう繋がりってあんまりないのかなぁ~なんて思ってたからかもしれないけど、とにかく驚いた。有名な話だったんだろうか?そんでもってちろりと調べてみるとマイク・オールドフィールドの作品には結構参加しているみたいで、「Hergest Ridge」「Ommadawn」「Amarok」「Tubular Bells III」あたりでクレジットされているようだ。それで今あちこちと探して未聴分を集めているところ。いや、マイク・オールドフィールド自体にはそれほど興味はないんだけど、やっぱねぇ、そういうことなら英国好きとしてはやっぱり追求したくなるんです(笑)。しかし98年の「Tubular Bells III」にも参加しているんだからその交流は深いんだろうな。

Hergest Ridge Ommadawn

 ってなことでマイク・オールドフィールドのとりあえず「Hergest Ridge」という1974年リリースの二作目。前作「Tubular Bells」が世界的大ヒット…と言ってもその実、映画エクソシスト自体が1974年の公開なので、「Tubular Bells」がそこそこ売れた後にこの「Hergest Ridge」も売れかけていたところにエクソシストのホラー的人気がチャートを独走してしまったがために「Hergest Ridge」は自分の「Tubular Bells」に軽く追い越されることになったらしい。なんともやは、Virginにとっては嬉しい悲鳴だったんだろうな。

 それでこの「Hergest Ridge」なんだけど、最初の「Tubular Bells」とこの後の三枚目「Ommadawn」と比べると些か起伏に欠ける感じはあるけど、トータル的にはヒーリングミュージックに近いので悪くないしね。マイク・オールドフィールドのメロディアスなギターソロとかが大変よく目立つので、なんかいいなぁ~って思ったり。楽曲的にはもちろんトラディショナルな楽器がいっぱい使われていて相変わらず多重録音で凝ってるなぁ~と。まぁ、環境音楽に近いので、ここで英国フォークの、とかアイルランド的な、とか言う形容はなかなかできない。ただ、ひたすら垂れ流していても綺麗でシーン毎に情景を浮かべることのできる音。

 それで、だ、肝心のクロダー・シモンズという女性なんだが…、果たしてどこに?ちなみに姐のサリー・オールドフィールドも参加しているんだけど…、やっぱりこの女性コーラス部分しかないだろうなぁ…(笑)。あの天上の歌声を持つクロダー・シモンズを単なるクワイヤで使ってしまうというのもこれまた凄い…。マニア的に、コレクター的には何とも哀しい使われ方…。まぁ、しょうがない。仕事だ…。

 ついでに…。このアルバム、LP時代のオリジナルミックスとCD時代のミックスが異なっているらしく、その印象が全く違う作品として知られている。いまでもオリジナルミックスはCD化されていないんじゃない?意外な盲点だったけど、作品を進化させたいアーティストはそういう手段もあるのかなぁと、ザッパを見ていると思うけど、マイク・オールドフィールドもそういうところがあるのかもしれないね。

Blackmore's Night - Secret Voyage

 日増しに暑さに慣れていく自分に少々驚きながら、それでもやはり日本の湿気バリバリの暑さってのは心地良いモノではないよなぁ、と。そこへ行くとヨーロッパの暑さってのはきっともう少しカラッとしているのではないだろうかと勝手に夢想しながら緑の木々に覆われた田園風景を想像するワケですな。まぁ、ホントかどうかは知らないが。そして環境によって聴いている音楽の印象ってのは変わるモノでして、ジメジメの環境で聴く音楽と田園風景の中で聴く音楽では大きく異なることは間違いなく、勝手な空想の世界に旅立って聴くことに意義がある、というよりも音楽がそういう風に仕向けてくれるという方が正しいな。聴いているとそういう田園風景へと誘ってくれる、みたいな…。

Secret Voyage

 …とまぁ、そこまでじゃないけど一応新作が出ると毎回チェックしているブラックモアズ・ナイトの作品。今回もオリジナルアルバムとしては前作「ヴィレッジ・ランターン」から二年半ぶりにリリースされた「Secret Voyage」です。その間にクリスマス向けの「Winter Carols」ってのがあったけど、ま、企画モノなのでとりあえずオリジナル作品ってことで。

 ヨタ話から書いておくと最近何かと革新的且つ良心的なドイツSPVが発売にも絡んでいてオフィシャルサイトで全曲試聴可になっている。この辺は日本の音楽事情と大きく異なっていて実に時代に敏感に、そしてユーザーに親切に対応している。それで面白いのは全世界発売が決定しているにも拘わらず、日本での発売は未定らしい。要するに日本では売れないからどこも手を挙げてリリースしようとしないってことなんだろう。どうにもリッチー信者が多すぎる日本ではあまりにもかけ離れたサウンドを展開している今のリッチーには拒絶反応が大きいというかそこまでリッチーを追っかける必要性がないがために売れないってとこだろう。ま、そりゃそうだ。ある意味日本のリスナーは音楽そのものを評価しているという優良リスナーなのかもしれない。故にこういった古楽サウンドは日本では受け入れられにくいっつうことだ。ま、当たり前だが(笑)。

 それとヨタ話をもうひとつ。ブラックモアズ・ナイトって出てきたのが1997年、既に11年経過しているワケだが、当時から婚約者として紹介されていたキャンディス・ナイトももう11年分トシを重ねているワケで、なかなか良い年頃♪ なワケで、今年の10月にニューヨークのお城で結婚するらしい。おい、やっと年貢の収め時か?などと野暮なことは言わないが、この結婚の意味は何なんだろう?そうは思わないか、キャンディス?と言いたくなるが…、ま、カネと名声?ん~。

 さて、そして新作「Secret Voyage」だが、もうねぇ、最初から素晴らしくルネッサンス的な展開で壮大荘厳、そして美しさも兼ね添えた相変わらずの、いや、もしかしたら過去の中でもかなり良い作品集なんじゃないか?冒頭は2007年ツアーでのオープニングにも採用されていた曲らしく、荘厳なテーマソング。そこから導き出される二曲目はもちろんロマネスクな音楽なんだけど、アルバム全編に渡ってリッチーのストラトサウンドによるギターソロが美しく入っているから、正にリッチーのお得意だった世界と古楽の融合が果たされていて、古くからのファンも認めてよいんじゃない?もちろんハードロックじゃないけど。ただしギターのフレージングの美しさとか旋律の艶めかしさってのは昔よりも磨きがかかっていると思うけどね。

 何曲か「ハッ」とする楽曲も入っていて…、例えば「Toast To Tomorrow」は軽快な舞踏曲だし「prince Waldecks Galliard」はアコギだけのギター旋律曲で思い切りリッチーのギターセンスを堪能できる美しい曲。終盤の「Peasants Promise」も同様だけど後者はギターじゃないのかな?そして続いて出てくるのが「Rainbow Eyes」。別物なんだけどリッチーはここでは思い切りストラトで歪んだ音でソロをたっぷり聴かせてくれるのでアルバム中一番モノ哀しいソロを聴けるかもしれない。「The Circle」はもっと深い世界に行った感の強い、英国の奥地でのサウンドだし、かと思えばどうしてこのバンドでカバーする必要があったのか不思議なエルヴィスの「Can't Help Falling In Love」が軽快に演奏される。いやぁ、なかなか悪くないし、しっかりと古楽隊による演奏って感じになっているから面白い。最後も美しいギターの調べからキャンディスの歌声が響くしっとりとした曲で締め。

 う~ん、キャンディス歌巧くなったなぁ~。表現が多彩になったというか、切羽詰まって歌うって感じじゃなくて感情に起伏が出せるようになったし、リッチーも初期は古楽一辺倒ってイメージがあったのがライブをあれだけこなして自分の過去の楽曲も消化して、新たな世界を創っているから面白い。ただ、何度も何枚も聴いていると飽きるっつうのは自分の趣味の問題か(笑)。



Rainbow Eyes


Budgie - Never Turn Your Back on a Friend

 ルーツに根ざしたハードロックやヘヴィメタルってのはやっぱりかっこよいものなのだ。人間椅子がバンドのモチーフとしているバッジーを聴いていると今でもしっかりと通じる重さと鋭利さとスピードと何より大事な英国的美しさを持っていることがよくわかる。そんなことで、あぁ、バッジーかっこよいんだよなぁ~、どうにもB級なんだけどそのひたむきさがかっちょいんだよ…、と。

Never Turn Your Back on a Friend In for the Kill!

 伝説的名盤のサードアルバム「Never Turn Your Back on a Friend」。この頃が一番の全盛期で、この前後のアルバムがどれも素晴らしくヘヴィーで鋭利でプログレッシヴなスタイルが出ている。もう少し時代が前後にズレていたらもっと売れていたんじゃないかと思うんだけど、見事に英国ロックが素晴らしく全盛期に出てきてしまったので、他と比べてみるとB級になってしまったというところか(笑)。

 う~ん、なんつっても最初の「Breadfan」の鋭利で金属的なギターリフだな、シビれるのは。これだけアタック時に金属音を出すのもなかなか難しいと思うんだけどな。ピックを縦に近い感じにして上から叩くように弾いているんだと思うけど、慣れないとリフそのものがきちんと弾けないしね、いや、狙ってやってるんだろうから大変だろう。しかしまぁ、ベースも凄い音してるし…。二曲目の「Baby Please Don't Go」はブルース界での有名曲で、アレですな。ライトニン・ホプキンス、マディ・ウォーターズ、ストーンズ、フーなんかでも有名なヤツです。後にAC/DCがやってたらしいがまだ聴いてないな、それは。んで、このバッジーバージョン…、割と考えられないアレンジっつうかバッジーらしいっつうか、ブルースの代表曲だってことを完全に忘れ去ってしまうくらいのパワーで迫ってくるのが面白い。そしていかにも英国らしい、フォークでのバラードというか静かな楽曲「You Know I'll All」、こういうのが英国のセンスで、単なるハード&ヘヴィーバンドじゃないよ、ちゃんと英国のこと知ってるよ、みたいなね、音色があるんだよ。だから一辺倒なだけではなくってちゃんとスジを通したバンドの理屈ってのがしっかり通ってるんだな。まぁ、次のドラムソロから始まる曲はちとセンス悪い…、さすがにB級バンド(笑)。その代わりリフが始まってからのインパクトはもの凄いけどね。

 …と、まぁ、ベタ~な部分も持っているんだけどキラリと輝くセンスももちろん見え隠れしていて、トータル的には名盤って感じになるんだけど、ハマり込める人とそうでない人を分けてしまうかもしれない。ただ、これにハマれると深くて楽しい英国の世界へ入るセンスが備わっているってトコか。いや、ホントに小細工無しだしさ(笑)。ちなみに最後の「Parents」っつう曲はB面ラストを飾る大作で、どこかウィッシュボーン・アッシュの名盤「Argus」を想い出すような雰囲気から始まる…、う~ん、狙ってないにしてもやはり出てくるんだねぇ、こういう音の作り方。ドラマティックな展開がワクワクする傑作で、プログレではなくってあくまでもハードロックの中での大作と感動。うん、いいね。

 言う必要もないけどもちろんジャケットはロジャー・ディーン作。色遣いとかバランスとかすべての面でバッジーのロジャー・ディーン作品の中では一番好きなジャケかな。なんかさぁ、ジャケットと「Breadfan」の印象が重なるんだよね。本来のジャケットの在り方っていうか、そんな感じが良くて好き。しかし、アマゾン…どころか他も含めて全然CDがないのな…。まぁ、売れないからしょうがないけど、勿体ないっ!探して聴く価値あると思うけどな。

人間椅子 - 人間失格

 器用な日本人…、バンドの世界でも全く同じなことが云えて、既にロックが普遍化してからは独自性の強いロックを打ち出すというのはなかなか難しいことだとは思うし、それでも英米のシーンは何か新しいことが起きていて、だからこそフェスティバルなんてのが成功するんだろう。まぁ、そんなに堅苦しくならんでも日本でも色々と模索した結果による独自の世界を築き上げたバンドってのもいくつもある、はず。ま、普段あまり聴くワケでもないけどその中のひとつに人間椅子ってのがある。

人間失格 桜の森の満開の下

 バンド名みてわかるように江戸川乱歩の傑作から拝借していて、バンドのコンセプトそのものが日本的な要素とヘヴィメタル…しかもサバスとかバッジーとかその辺をモチーフにしていて…、つまり英国の悪魔主義的なトコロと日本にも古くから伝わる昔話の伝承とを組み合わせて音世界を構築しているバンドなワケだが、これがまた独特のオドロオドロしさを醸し出していて今でも現役で長寿バンドとなっている。

 そんな人間椅子のメジャー一発目の作品「人間失格」を取り上げてみよう。作風は最初期から確立されていて、初っ端から暗黒感漂うっつうか日本でここまで重い音出せるバンドってそうそうないかもしれないよね。インスト曲から始まって二曲目「針の山」…、これがまた知る人ぞ知るバッジーの「Breadfan」のカバーで、もの凄い白熱したバージョン。う~ん、日本でバッジー信者が集まってバンドやるってのもなかなか貴重な存在でしょ。YouTube見てもらうとわかるけど、もう見事に音色から迫力をカバーしていて、正直とんでもないバンド。

 脱線するけどYouTubeで探しているともっと面白いのをいっぱい発掘してしまってさ、人間椅子が如何に70年代ロックが好きかよくわかる(笑)。まずはツェッペリンの「Rock & Roll」のコピー…、いやぁ~、音色がそっくりだし、もちろんギターフレーズのコピーなんてそのまんまで、不甲斐なく感動してしまった。見事なもんです。それに信じられない事にクリムゾンの「21バカ」の完演!これは凄い。あのアドリブに近い壮絶なぶつかり合いを見事にコピーしてバンドでそれを、しかも三人で迫力を持ってやっているという凄さ。いやぁ~、つい見入ってしまった~。ついでながら「太陽と戦慄 Part.2」のもあって、これもまた実にとんでもないカバーをしていて、本家と大差ないじゃないかと思うくらいの迫力と音色で…、いやぁ~、やっぱ好きな人は凄い。当然ながら自分達の作品にも出てくるワケで、そんな思想を持った人達が何故に「りんごの泪」なんていう可愛い曲…でもないか(笑)、を出してくるか、う~ん、商売はやっぱり大変。

 結局アルバムについて書くというよりは人間椅子というバンドのポテンシャルの高さについてひたすら述べたようなモンになってしまったが、いや、ホント凄いんだよ、この人達。ここまでコピーできたら楽しいだろうなぁ…。

21バカ


Larks Tongues In Aspic Part.2

Rock'n Roll


Stargazer


Breadfan

Dead End - Ghost of Romance

 80年代中盤から後半にかけてインディーズシーンからメジャーに乗り込んでいったバンドが実に多数出てきた。多くはその音楽性が変わってしまったという理由からか古くからのファンが離れていってしまって、どこか尻すぼみ的になってしまったバンドが多かったんだけど、それは多分、メジャーで活躍できる程のキャパシティを持ったバンドではなかったということなんだろう。やっぱ商売だから商品的にどこまでの価値があるかというのは判断するのが難しいしね。

 そんな時代の最中、インディーズシーンでレコードセールスを1万枚という記録を打ち立てたデッド・エンドというバンドはメジャーシーンから見ても魅力的なバンドに見えたのだろう。そして結果的にメジャーになってもかなりのファンを獲得して、しかも音楽的にはもの凄い広がりを見せて且つ海外での評価まで獲得したというから日本の音楽シーンに出てきて正解と言ったところ。

GHOST OF ROMANCE SHAMBARA

 1988年リリースのメジャー移籍第一弾アルバム「GHOST OF ROMANCE」、インディーズ時代のアルバム「デッド・ライン」からすると二作目のアルバムで、メンバーも二人変更しているので、まぁ、別のバンドに近いんだけどモーリーの世界観がデッド・エンドのスタイルということは間違いないのでそれ自体はあんまり問題ないでしょ。最初のアルバム「デッド・ライン」はやっぱりインディーズの作品だから音作りやミックスなどちょっとデコボコしていてメジャープロダクションの音ではないから、ぎごちなさはあったけど中味は既に音楽性がきちんと確立されたものだった。そういったマイナス面を払拭して、しかもメジャー側もインディーズでのセールス実績を評価してか、かなりのカネをかけてアルバム制作をさせたみたいで、ジャケットからしてH.R.ギーガーのアートワークだもんね。これで世界的なコレクターにも訴えかける材料になったってもんだ。

 そんでもって、「GHOST OF ROMANCE」の中味。デッド・エンドっていうバンドって割と変化に強いバンドなんだけどやっぱり基本的には美しいハード&ヘヴィーなサウンドでメロディのしっかりしたバンド、ってトコか。モーリーの世界観ってのは、まぁ、ナルシストっつうか暗黒の帝王っつうか、圧倒的なカリスマ性を誇る存在感があるのでそれだけでバンドの他のメンバーとは一線を画すんだけど、ルックスがこれまたとんでもなくってかっこよい。そういうルックスを見ていたのでいざ音を聴いた時の声質にはちょっと驚いた。もっとドスの効いた声質かと思ったら外国勢に負けないくらいのハイトーンというか声質の歌で、普通に聴いたらこのバンドってどこの国のバンドかわかんないかもしれない。無国籍なサウンドを出しているもん。まぁ、せいぜいヨーロッパかなぁ~っていう感じがする。その辺は日本の他のメタルバンドとは大きく異なっていて、しかも鍵盤奏者なしでその世界を醸し出すってのはなかなか出来ないんじゃない?

 この後「SHAMBARA」っつう作品を出してひとつの境地を極めたデッド・エンドは最後に「ZERO」という作品を残して解散。やり尽くした感が大きかったんだろうか、インディーズ時代から走り続けてきたバンドってのは大体が5年くらいで寿命を終えるんだけど、ご多分に漏れずデッド・エンドもそれくらいの寿命だった…。ガスタンクとの比較論をよくされているが、個人的には全然比較対象として相応しくないバンド同士だと思うけどねぇ。

筋肉少女帯 - 大公式

 80年代に入ると日本のロックシーンもメジャーで活躍する人達、更にインディーズも盛り上がりを見せていて、アングラシーンで活躍するバンドなどと多岐に渡ってきた。時代の流れなんだろうなぁ…。もともと不良少年のロックっていう時代からメジャーシーンをひっくるめて健全でビートの効いた音楽、みたいなところでさ。まぁ、ダメ押ししたのは多分ボウイなんだろうけど。その頃にはまだまだ裏で訳の分からないことを展開していた、ある意味元祖オタクとも云える人が大槻ケンジ。ただのオタクとしてもかなりのモノだと思うけど、それがバンドをやってしまって、しかもアングラのみならずメジャーシーンに進んでも実は売れてしまった、いや売れ続けてしまったという日本全国オタク化進行の間違いなく旗手となった人達ではないだろうか(笑)。

オールタイム・ベストアルバム 筋肉少女帯 復活究極ベスト“大公式” 大公式2 筋肉少女帯 ナゴムコレクション

 しかし改めてアマゾンで見てみるとことごとく初期の作品が見つからない。自分的にはインディーズの頃が彼等のイメージなのでその辺は逆にナゴムベスト盤「筋肉少女帯 ナゴムコレクション」として聴けるからまだいいんだけど、メジャーになった頃あたりの作品がないのが残念だな。メジャー一発目の「仏陀L」を聴いていたので書こうと思ったんだけど、まぁ、いいか、適当なベスト盤でも出しておくとして(笑)、あれこれ進めていこう。「オールタイム・ベストアルバム 筋肉少女帯 復活究極ベスト“大公式”

 うん、とにかくバンド名からしてふざけているのでその時点でセンスが問われる。バリバリのロックだと思っていた若いウチ、即ちロックってのはやっぱりかっこよくなきゃダメだという信念が今でもあるけど、若い頃はそれしかなかったのでふざけたバンドってのは全く寄せ付けなかったので、その時点でもうダメだった(笑)。ところが、周りには必ずそういうのも聴いているヤツがいてなんだかんだと聴かされるハメになるんだよ。んで、その音のかっこよさに気付かされるんだな。ま、それでも自分で認めるまでは時間かかるんだけどさ。

 そもそも筋肉少女帯ってのを最初に知ったのはまだアングラのライブハウスでライブをやっている姿を写真で捉えたもの、確か白い袈裟を着て、顔も白塗りになっていてグチャグチャになってる写真でさ、これはヤバい人達だ、って思ったもん。「とろろの脳髄伝説」のジャケ写のヤツだね。当時インディーズシーンのライブではスターリンや原爆オナニーズのライブ伝説が生きていて、何が起きてもおかしくないって思ってたし。だから筋肉少女帯もその一環だと思ってたし。それで最初は「高木ブー伝説」さ(笑)。ヤバいんじゃない?って思ったけどやっぱりヤバかったらしい。インディーズだからこそできるワザ。そういう楽しみは筋肉少女帯としてもあっただろうね。

 そして音楽性、コレがまた素晴らしい。鍵盤のエディ(三柴さん)の美しきクラシックセンスがなければあり得なかったかもしれない筋肉少女帯の音楽の幅の広がり。大槻ケンジのオタクな歌詞も当然ながらこの人の楽曲センスが見事で、美しいピアノを聴かせてくれる。そういう背景があるのでロック的なスタイルに囚われずに、自由に変拍子やアレンジが登場するので、結果プログレ並みの画曲展開が普通に出てくるようになるんだな。そこにヘヴィーなギターが入ってくるので、日本では最初のプログレハードというバンドだったかもしれない。

 …単純に、面白いバンド。インディーズの頃から聴いていると更に楽しめるんだよねぇ…。

尾崎豊 - 17歳の地図

 酒を飲みに行くってのは、まぁ、今なら適当なチェーン店の居酒屋に行くのもあるし、いやいや、ちと独立系のおしゃれな居酒屋、いやいや、やっぱり赤提灯に近いところ、とか、ま、近場の単なる飲み屋さんで、とかあって、その後どうすっか~なんて時、まぁ、相手にもよるし状況にもよるが、バーやパブ、またはお姉ちゃん付きのトコ、などなど色々あるけど割と大人数集まってしまった場合は、何故かカラオケっていうパターンも多いはず。夜のカラオケ人気って凄いもんな。深夜になればなるほど人が増えてくるし、そりゃ終電ないから一晩中騒ぐしかないんだろうから余計に人が集まる。泊まるより安いしねぇ。

 話逸れるけど、そういえばバンドの連中なんかとも流れで行ったことあるなぁ…、あ、昔のバンドの連中なんてのと集まった時も一晩中カラオケで洋楽オンリーで騒いでたこともあった。普段カラオケなんて行くとJ-Popだったり知らない曲ばかりが歌われていて大して面白いとも思わないけど、ロックな仲間で行くと洋楽ばっかの実に意外なカラオケ大会になってしまって、いや、珍しい。日本語禁止なんだもん(笑)。

十七歳の地図 回帰線 壊れた扉から

 それで、昔は別に一生懸命聴いたわけじゃないけど、やっぱりそれなりに知っていて、周りでカラオケ歌っているから、ああ知ってるなぁって感じで聴いていたりして、素直に再発見したのが尾崎豊だったりする。まぁ、若気の至りっていうのが大きいから今更感動するっていうのでもないけど、当時はやっぱり衝撃的だったなぁと。この人ほど歌詞だけで引っ張られた人ってのもあんまりいなくて、もちろん音も旋律がよかったりロック的だったりするので聴きやすさってのはあるけど、ストレートな歌詞が直接心に響くっていう感じかね。どうもクサくていかん、ってのはあったけど、人間素直になると尾崎豊って多分嫌われない歌手かもしれない。

 アルバムで、っていう感覚でもないけど、でも、あ、やっぱ初期は全部聴いてるわ(笑)。んじゃ、最初のアルバム「十七歳の地図」で。いや、それこそカラオケでよく聴くしそれで覚えなおしてしまった「I Love You」とか「15の夜」とか「17歳の地図」とか入ってるし。しかし…、若い頃の歌だな(笑)。基本、ブルース・スプリングスティーンになりたかった人、って言ってしまえばホントにそれだけの人なんだけど、表現方法としてスプリングスティーンをモチーフとして表現そのものが自分の感情だったから良かったんだね。もちろん持って生まれたカリスマ性ってのもあるだろうけど。内容については言うことないし、それぞれが響けばそれでいいのかな、って思う。押し付けられてもね、困るし(笑)。ただ、赤裸々にここまで歌える人って少ないよな…、で、それがウケたんだと思う。そして凄いのは今の世代でもしっかりと尾崎豊って知っていることなんだよな。

Red Warriors - Lesson 1

 「武道館を満員にしてライブをやる」というのは日本でバンドをやる小僧達にとってみるとひとつの大きな夢なんじゃないかな。もちろん海外にも武道館という名は広がっているので、日本に行くなら是非武道館でやりたいなんていう声があるのも聞くけど、それとはちょっと違う(笑)。

 先日のA.R.B.は80年末頃に「三日で歴史を見せてやる」ってことで渋谷のエッグマン、渋谷公会堂、武道館と三日間でライブを行って大成功させたのがあったなぁ。もちろん見てません…。まぁ、なんでそんな話かと言うと、その頃日本のロックもかなりメジャーシーンになってきていて実に色々なバンドが出てきてた。そんな中でグラマラスでゴージャスなロックンロールというニッチな世界を体現して人気があったバンドがレッド・ウォーリアーズなワケさ。

LESSON 1 CASINO DRIVE

 セカンドアルバム「CASINO DRIVE」で完全にメジャーシーンでの地位を確立して以降、それこそ夢の実現に向けて走りまくって武道館、西武球場とキャパを広げて世界へ、なんて感じだったんだけどさすがに世界は無理で、解散。もったいないなぁ~って感じだけど、まぁ、残された音がかっこよかいから良いでしょ。それでも、最初にシーンに出てくる前から話題だったレッド・ウォーリアーズ、今回は敢えてファーストアルバム「LESSON 1」を取り上げてみよう。

 レッド・ウォーリアーズて別にインディーズで活躍していたワケじゃないのにメジャーデビュー前に、既に渋谷公会堂を満員にしていたという正にライブで客を集めまくっていたバンドで、確かにCDリリースされる前から話題だった。そんでデビューする頃にはあちこちで、このジャケットのポスターとかを見かけてさ、いやぁ~、なんてまた露骨なジャケなんだろうと。きっとまたゴツイ滑降したパンクなバンドなんだろうなぁ、なんて思ってたんんだけどね、やっぱり気になるから聴くワケよ、音を。そしてら凄くシンプルなロックンロールで、更に悲愴感があってかっこよい。それこそA.R.B.とかモッズとかルースターズとか日本のロックバンドが持つ悲愴感疾走感っていうのを持ってて、しかも良い曲が多いという…。いや、イメージと音が結構違ったな。周りのバンドとも全然違ってて、イロモノバンドとかビートバンドとかじゃなくってさ、しっかりと骨太なロックでグラマラス。そして聴きやすい旋律をもったロックンロールっていう感じで、好きだったね。歌詞がやっぱり響くってのは日本のバンドの良いところ、っつうか英語が堪能であればそんなことないんだろうけど、やっぱ日本語中心に生きているのでストレートに入ってくるんだよね。だからJ-Popが売れるってのわかるんだけどさ、ロックでも一緒だよ、それは、と思う。

 次のセカンドアルバム「CASINO DRIVE」ではファースト「LESSON 1」の悲愴感溢れるロックンロールからゆとりとゴージャス感を存分に表して、更に磨きがかかった名盤を創り上げている。う~ん、今聴くとちょっと子供騙しの部分もあるけど、まぁ、いいか。

A.R.B. - 魂こがして

 日本のロックってのはやっぱり身近にあって、ライブハウスからの叩き上げでシーンに出てくる、みたいな神話があってさ、よくわかんないけどやっぱりライブやって認められない限りレコード出したってしょうがない、みたいな感じがあった。多分70年代中期頃から出てきた日本のアンダーグラウンドシーンをどことなく感じていたからかな。ライブハウスの前はヤバそうな兄ちゃん姉ちゃんがいっぱい溢れていて、気軽に近寄れる雰囲気じゃなかったからロックというシーンに参加することだけでもなかなか勇気が必要だった時代。ましてやバンドやってライブハウス出るなんてのは更なる勇気か実力が必要で…、なんて懐かしい時代だなぁ。

ARB LIVE/魂こがして(紙ジャケット仕様) トラブル中毒

 そんな時代のど真ん中を新宿という街、その中の新宿ロフトで生き抜いていったバンドがいくつか存在している。A.R.B.はめんたいロックあがりの石橋凌がフロントを担っているのでその男気がクローズアップされるが、他は東京でのメンバー、っつうか結構紆余曲折あったバンドで、さすがにハンパじゃない人達。そしてロックに憧れる人間からはそのスタイルに惚れるってとこかな。キース、田中一郎、サンジという個性的な面子と労働者の歌を中心に歌い上げてきた骨太なロックバンド。

 1983年にリリースされたA.R.B.初期の集大成ライブ「ARB LIVE/魂こがして」。いくつかライブアルバムがリリースされているけど、やっぱりこのライブの熱さを超えるモノはなかなかない。後の「LOVE THE LIVE」もかなり良いけど、こっちの「ARB LIVE/魂こがして」はもっと勢いがあるし、その分粗野でもあるけどタイトル通り魂こがされる。初っ端の「ウィスキー&ウォッカ」から強烈にノレる正にロックなライブで息つく暇もなくかっこよさが響き渡るんだな。石橋凌のMCも勢いがあって観客の叫びも見事に入ってくる…そして何よりも田中一郎さんのシャープでソリッドなギターがグイグイと曲にエッジを加えてくれて、サンジのベースもブイブイとうねっていてすげぇかっちょよいワケよ。

 A.R.B.って多分オトコのファンが多いと思う。すごく男臭いもん。オトコに惚れられるバンド。まぁ、良いか悪いかはあるけどさ、自分がバンドやってる時もオトコのファンが多かったなぁ…、女の子にモテたいからやってたのに、あんまりそこで美味しい思いをしたことないから残念(笑)。ま、ファンというほどの人数のファンがいたわけじゃないけどさ。なんかね、そういうのある。

 いやぁ~、ジャケットの気合いと言い中味のかっこよさといい、泣ける切なさと言い、とにかくひとつの日本のロックがすべて詰め込まれているライブ盤。もうすぐ紙ジャケで再発されるらしいんだけど、できることなら更に曲数を増やして80分くらいまで拡張したライブ盤にして再発してくれないかなぁ。

サンハウス - 一番列車ブルース

 70年代ロックのバンドなんかは割と発掘音源なんかもどんどん出てきて、今それらのバンドのディスコグラフィーをちゃんと作ろうとすると結構大変なことになってきててさ、オリジナルアルバムがあって、ベット発掘音源的なラジオ音源、ライブ音源、未発表集などなどと時代考証を交えて追いかけていかないとワケ分からない状態になることが多い。まぁ、嬉しいっちゃぁ嬉しいけどマニアックに押さえていかないといけないので普通に入っていくのは大変。

 日本のバンド群に目を向けるともちろん権利上の問題やそもそもそこまでしてどれくらい売れるんだろうか、なんていう商業上の問題もあってなかなか出てこなかったけど、ここのところいくつか出てきているのはやっぱ嬉しいことだよね。最初にインパクトがあったのがルースターズの30枚組くらいのCD/DVDのセットもの。すべての音源とライブ映像が入っていて、もちろん未発表曲や映像なんてのも入っているという代物で5万円くらいしてたけど売れたんじゃないかな。確かフジロックで大江慎也が復活するってことで話題にもなっていた頃かな。以降は目立つのもあったんだろうけど、どっちかっつうと紙ジャケで再発とかいうのが先にあって、っていう感じだからまだまだこれからあるかも知れない。



 そしてサンハウス。90年後期くらいにCD三枚とVHSというBoxsetが出て、それで一応かなりのスタジオ盤が収録されて、更に1976年頃のライブが入っているってことでもちろんゲットしたんだけど、ファンは欲張りだ。しばらくすると更に色々なものを欲しがるんだから(笑)。サンハウスとしては今じゃCDでほとんど見かけることのない「Highway61 Vol1」「ハイウェイ61 Vol.2」なんていう未発表曲集なんてのがあったり「Live 1972」なんていう実際には1974年頃のライブが入っている海賊盤紛いのCDがあったりして、意外と全部揃えるのが大変だったりする…。

 そんなところについ先日、驚きのCDが2枚立て続けにリリースされて、寝た子を起こすくらいのフィーバーぶり…(ってほどではないが…)。「一番列車ブルース」と「House Stomp」というライブ盤…、うん、というか当時のぱわあはうすというライブハウスでオープンリールでマイク二本で録音していたもの、即ちほとんど客席録音盤と変わらないんだけど、それが正式にリリースされてね、これがまた1974年の春、即ちサンハウスがメンバーを入れ替える直前と直後のライブを収めてあるわけさ。すごいブルースバンドでさ、その後にリリースされる楽曲群なんかもあるんだけど全然バージョンが違っていたり、まだまだ鮎川さんのギターも不安定だったりして面白い。それでも一音聴くと鮎川さんのトーンだ、ってわかるけどね。うん、滅茶苦茶ナマナマしい音で入っていて、黎明期の日本のロックのナマの姿を記録したCDで通販とか赤黒の店くらいでしか手に入らないけど、聴く価値あるよね、こういうのは。それこそそのうち無くなっちゃうものだろうし、記録として、というか今後もある程度の期間をおいて継続的にリリースしてくれれば凄く楽しめるんだよなぁ、こういうのは。

 8月には確か1983年の再結成ライブ「CRAZY DIAMONDS」が2枚組リマスター盤となって再発されるってことなので、こいつも楽しみ。何気にサンハウスはず~っと追っかけてるバンドなんだけど、未だに全部揃わないという不思議なバンド。ライフワークに近いな(笑)。

柴山俊之 - 春歌

 先日恒例の赤黒のCD屋さんに行ってサンハウスとかないかな~と探していたりする。日本のロックも古いモノは奥が深くて骨があるので好きなんだけど、なかなか再発されないCDも多くて、いざ探すとなるとなかなか難しい。ネットでホイホイっと買えれば簡単なんだけど、見つけても大体会員登録しろとか、支払いはジャパンネット銀行とかヤフオクで、とかどうにも面倒でいかん。喫煙者だからと言って更にタスポなる身分証明を作れといわれてもそりゃ、面倒でイヤだということで多分作らない。故にたばこ買うのに結構困ることも多いんだけど、まぁ、その時はその時で吸わなきゃいいだろう…なんて思うモノの逆にコワイから普段からカートン単位で買うようにしているという悪循環。あると思うとたくさん吸うからねぇ(笑)。

 いや、結局あちこちに個人情報ばらまいて登録とか面倒なワケよ。もうちょっとシンプルにできると良いんだけどな。なのでアマゾンが拡張していくのは大歓迎なんだな。楽天ではマニアックなモノは揃わないから、やっぱCDが充実していて家電が充実していて、なんていうことが男心を擽るアマゾンの秘訣♪

 そうそう、それで赤黒の店でそんなの探してたら髪が真っ赤で長髪のおじさんがエサ箱漁っててさ、凄くインパクトあるんだけど、一目で柴山さんだぁ~とわかるワケさ。かと言ってやっぱり凄くロックな人で近寄るのはコワイという雰囲気があるのでおいそれと寄らないんだが(笑)。いや、ねぇ、別に話すこともないし、握手してもしょうがないし、サイン貰ってもね。だから結局遠目に普通にレコード探してただけ(笑)。でもさ、その時に柴山さんがいると知らない時点でサンハウスのCD見つけて「やった~」って喜んで手に持っていたんだよな。まぁ、なんたる偶然か。

春歌(SHYUNKA) 菊の花道―博多ロックの礎を築いた男、柴山俊之の終わらないロック道

 それで、だ、本日はそのCDではなくまたその後に見つけて買ったCD「春歌(SHYUNKA)」。柴山さんが90年代初頭に下山淳と奈良敏広、池畑潤二、Kyonと共に自主制作で録音していた作品にボーナストラックで2000年1月31日の同じメンバーでのライブでの模様を追加したCDでして、タイトル通りに見事に「春歌(SHYUNKA)」なワケだ。春歌ってわかるかな…、江戸時代に流行したのがきっかけで…、いや、まぁ、みなさんでお調べ下さい。

 しかし、歌詞のセンスはさすがに柴山さんなワケで、圧倒的な存在感と言葉の選択なんだけどさ、バックの演奏がやっぱりこれまた凄い。天才的とも云えるロックンローラーの集団で歌詞の強烈さよりもバックのかっこよさが来てしまうんだよね、自分的には。ま、歌詞のインパクトが強いから「ダケ」ってことはないけどさ。それと、ライブバージョンの方がこれもまた凄い。ストゥージーズの「No Fun」が「No Pun」でこれまた見事に…、そしてドアーズの「ハートに火をつけて」が「プラグに火をつけて」として完璧な演奏でカバーしている。このカバーセンスは見事にドアーズだよ。素晴らしい演奏でカバーしているしライブだから緊張感たっぷりで面白いし、見事。もう一曲そういう意味で圧巻だったのが最後の「BoBo三昧」…、歌詞はともかくだ、ライブのインプロビゼーションが凄くてジョー・ストラマーのライブで感じられたグルーブと同じような雰囲気を出している…、宇わぁ~すごいはこの面子はやっぱり。日本のロックンローラーをナメてはいけない。そして柴山さんはその中でもダントツに親分だし、歌と歌詞だけでそのすべてを威圧する真のロックおやじ。

 夏には北海道でロックのフェスティバルが行われる予定で、柴山さん率いるジライヤも鮎川さんのシナロケも椎名林檎も出演するんだよなぁ…。旅がてら行くのも手段、しかし東京にいるなら普段からチェックすれば良いだけと言うのも事実。なかなかライブに顔出さないからねぇ…。

Perfume - Game

 しかし暑くなってきたなぁ…。ダブやレゲエを聴いていると暑いのを更に気怠くさせてくれるという効果ははあるものの決して涼しげになるサウンドではないワケで、そこでプログレを流してみるとやっぱり濃い~音なので涼しいってのとはちと違うんだな。んで熱血漢的にヘヴィメタを流したりして休日の暑い日中をやり過ごそうとする…。いや、せっかくの休日なんだからもう少し生産的なことを何かしたいじゃないかとか思うのだが…、毎回思うだけで棚を開いて溢れ続けるCDの山を眺め、如何にして減らすか、また何を聴くか、なんてのを考えるばかり。そしてCD屋に行ってはまた買って来るという、う~ん、生産性のない毎日だ…(笑)。

GAME(DVD付) 【初回限定盤】 GAME

 んでもってようやくマジメに聴きました、パフューム♪何をそんなに騒ぎ立てる程のものかと不思議に思っていたので、じっくり聴いてみないとわからんなぁ~と。音だけだったら別に80年代ディスコサウンドにテクノ風味を付けただけなワケで、そこに昔で言うアイドルの若い女の子が振りを付けて踊っているってなもんで、別に目新しいとも思わないけど、何故か爆発的に売れたという…。わからんなぁ~と思ってじっくりと聴く、見る。

 YouTube大活躍(笑)。

 全部一緒じゃないか…。多分半年後にはどんなCDも200円程度で売られていること間違いないのだが、まぁ、だからといて中味が悪いとかではないから何も言うこともないけど、騒ぐほどではないなぁ。しかし、確かに面白い。耳障りが良いっていうのはあるだろうな。ここの所のJ-Popってのはひたすらラップの流れを汲んだモノが多かったし、それか歌モノだったりしてその隙間を縫った音かもしれない。でも、純粋にアイドルの歌という感じなんだが、どうだろう?どこがどんな風に良いのか分かる人教えて(笑)。多分よくわかんないけど癒されるというかフワフワして心地良いってなモンだろうと思う。それは理解するから。でもさぁ…

 単なるアイドルじゃねえか?

 と思うワケだな。アイドル好きだけど(笑)。でも、何か凄い惹き付けられるものを持っていて、ついつい聴いてしまって結局20曲くらいあれこれと同じ曲も含めて聴いてしまった(笑)。わからんけど面白い(笑)。アキバ系っつうかアニメとゲームと非現実が混同されていて、しかも可愛らしいオンナの子たちによる洗脳…、人間的に本質を突いてきているんだろうなぁ。たまにYouTubeで見ようかという気になる。何となく(笑)。いいなぁ、歴代アイドル特集でも続けようかしらん?いやいや、やっぱりロック好きのブログなのであまり踏み外しても…、いいか(笑)。ま、気分次第だけど多分やんない…。トシがバレるじゃん、アイドルってさ(笑)。

 しかしパフューム、面白いかも…。



椎名林檎 - 私の発電

 iPhoneの人気って凄いな。アップル好きなのでiPodにしろiTouchにしろ出てきた時からさっさと注目してたりするんだけど、iPhoneは日本はまだかぁ~なんて思ってたらやっぱり来たもんね。しかもソフトバンク=孫さんトコだしね。いやぁ~、そのくせすっかり発売日を意識してなくて、表参道からほんのすぐそこでアルコールを楽しんでました(笑)。そのまま回ればよかった…。ま、いいけど。

 ま、しかしiPhoneへの物欲もさることながら、月々の基本使用料がちと高い。電話として見たらいけないんだろうけどさ。しかしiTouchとして見たら凄く安い。難しいところだな。iPhone本体だけ買って、ソフトバンクと契約しなきゃいいのかな。そういうのできるんだろうか?それじゃ意味ないから売らないか。iTouchでネットワークにするか…、はたまたiPodと携帯でいいじゃないか、とか。選択肢は広がるけど結局シンプルに落ち着くのが世の常。しばらく様子見だな。

私の発電 私と放電(初回限定盤)
私の発電」「私と放電)

 そんな林檎繋がり、てワケでもないけれど、椎名林檎のベストクリップ集「私の発電」とベストアルバム「私と放電)」がリリースされたので、今更ながら…と言うか、この頃って結構ハマってたので実はほとんどのシングルとか関連作品とかCDは揃ってるので別にベスト盤を必要とはしないんだけど…、ちなみにDVDもほぼ見てるハズ。先日は実に久々に家にいてケーブルテレビ見てたら特集やってて、正にこのDVD通りの映像集に何かのライブとか合わせてたし。まぁ、そんなことで久々に聴くか…と。いうか見るか…。

 こうして年代順に見ていくとだんだん面白くなくなっていくのは不思議。アーティスト的に成熟していうのが伸びる人達で、飽きていくのはマンネリ化する人達。彼女の場合は不思議なことに後者。というか多分方向性の喪失なんじゃないかと勝手に思っているが、まぁ、そんなのは誰もが経験するわけで、マイペースです、って言えば終わるんだけど、さすがに若い頃に出来たパワーと鋭利なセンスが圧倒的に影を潜めていく。故に最初期の好き放題、しかし事務所、レーベルからの要望との境目で作られた作品がバランス取れている。全盛期は「椎名林檎 - 本能 - EP - 本能本能」から「椎名林檎 - 罪と罰 - EP - 罪と罰罪と罰」「椎名林檎 - ギブス - EP - ギブスギブス」あたりだろうなぁ。今見ても、聴いてもやっぱり新鮮な刺激はあるし。

 「椎名林檎 - りんごのうた - EP - りんごのうたりんごのうた」では昔の映像に歌を重ねていて、しかし唇の動きはしっかりと最新の歌詞にあっているワケでして、果たしていかなる映像技術か…、そうじゃなきゃおかしいんだけど凄いなぁ~と。これできるならどんな映像のどんなことでも作り直せるってことで、映像の証拠なんてのは全く信用できないってことじゃん。いや、写真も既に作り替えれる事実ってのがあるから…、音も可能でしょ?世の中で見聞きできるモノって一体何を信じれば良いんでしょ?

 な~んてこと、ちと考えた(笑)。いや、しかしやっぱ椎名林檎って人は面白いセンスしてたんだなぁ。もう10年経つのか。結局椎名林檎風の刺激を持った人は既にいなくなり、今また新しいサウンドと刺激の波が来ているJ-Popなんだろうと思う。聴かないからしらないけど。う~ん、やっぱパフュームにでも手を付けるかねぇ…(笑)。

正しい街


りんごのうた

Nico - Drama of Exile

 英国ではパンクの波が起きて一段落すると新たにニューウェイヴというジャンルで呼ばれる進化したサウンドを核としたバンドがゾクゾクと出てくるようになる。P.I.Lを筆頭にしてJoy Divisionなどのようなパンク的思想をより一層ダークに押し下げて内に秘めるエネルギーを内側に発散するスタイルなんてのもあったが、そのスタイルの発端というかきっかけになったのもパンクのきっかけになったのにも拘わっていたのがニコ。もちろんヴェルヴェット・アンダーグラウンドという元祖ガレージパンクバンドというのもあって知名度は高かったんだけど結局一作のみで、以降は独り歩きでいしてた状態だが、1974年の名作「The End」以降ふっつりと途絶えた。色々とモメ事があったりしたみたいだけどもちろん音楽意欲がなくなったわけじゃなくてあれこれ模索していたとか。

Drama of Exile Drama of Exile Drama of Exile

 1981年リリースの5枚目の作品「Drama of Exile」。諸事情は後に記載するとして、まずはこの音なんだけどね、いや、聴いたことないサウンドだったワケよ。なんかこうどよ~んと平べったい音がただただ流れていて、そこにあのニコの歌声だからもう抑揚なき音楽というのか(笑)。ちと調べてみたら音の核となっているギタリストがムハンマド君と言うらしく、なるほど中近東的な雰囲気が入っているからこうなるのか、と。そこにニコの地下の水道管と呼ばれる声と、基本的な歌メロにはなんどなくヨーロッパのメロディが入ってくるので、正に文化の融合。おかげで聴いたことのない、実に表現しにくいサウンドが出来上がっている。多分唯一無二の音世界で、以降のフォロワーにしてもこういうホンモノの中近東を混ぜた音は出来上がっていないしね。そこに思い切りドラムの音なんかも含めて80年代のあの音が処理されているので、妙にデジタル的なニュアンスもあって不思議。

 収録曲的に目立つのは「I'm Waiting For THe Man」と「Heores」だけど、それよりもオリジナル曲の方が独自性の強いサウンドで不思議さを確認できる。決してニコ初心者にはオススメしないけど、あれこれと聴いてみたい人には多分興味深い音。ただ、何回もず~っとは聴けないんじゃないかなぁ。

 このアルバム、リリース時にレーベルと紆余曲折あって、結局三種類のバージョンの「Drama of Exile」が出回っているらしい。自分は左端の「Drama of Exile」しか知らないけど、今アマゾンで見れるのはまた違うジャケットだし、そもそも収録曲も楽曲のバージョンも異なっているとのことで、あまりにも深すぎる一枚になっているみたい。とことんハマる程じゃないから集めてないけど、この人のもライブも含めて権利関係いい加減だったのか色々リリースされているんだよねぇ。

Patti Smith Group - Radio Ethiopia

 ニューヨークパンクの発祥は決してロンドンパンクの波と関わり合いがあるモノではない。それこそMC5やストゥージーズというわかりやすいモチーフがあって、そこに英国の王道ビート、The WhoやStonesなどの反骨的なロック魂をぶち込んで、そして更にアンダーグラウンドなアート、芸術性をその世界に持ち込み、ロンドンパンクのファッション性に飛んだ煌びやかなパンクの世界とは異なり、芸術性の高い、説得力のあるサウンドを打ち出していったものだ。しかし、そこはアメリカ、やはり深みの部分については一瞬の深さになってしまって継続的には出来ないジレンマもある。そしてパティ・スミスだ。MC5のギタリストであるフレッド・スミスを夫に迎えることで音楽活動から引退をもしたという潔さが彼女を伝説化させている部分かも。

ラジオ・エチオピア(紙ジャケット仕様) ホーセス

 そんなパティ・スミスが1976年、ロンドンパンク誕生前夜には既に市場にリリースしていたセカンドアルバム「ラジオ・エチオピア」。もちろんジャケット写真はロバート・メイプルソープの手によるモノでしっかりと見据えたパティ・スミスの表情が印象的。そして中味。何がそんなに良いのかわからないけれど、素晴らしい。メロディとかもあるんだろうけど、やっぱりパティ・スミスの歌声の説得力というのか、意志の強さなのか、伝わってくるものが凄く大きくて最初から最後まで感動しながら聴ける代物。くだらない曲がないんだよね。1976年だからホント、パンクという概念が一般化していない頃でしょ?だからこのアルバムも別にパンクの女王として言われるけれど、そういう音でもない。激しい曲があるワケでもないし。ただ説得力のある女性が歌を歌っているというだけで、楽曲的には言われるほどパンクらしいところは全くない。だから偏見なしに聴く方が正しい姿に痺れるんじゃないかな。ま、これは彼女の作品すべてに言えると思うけど。

 この頃のパティ・スミスってパティ・スミス・グループっていうバンド形式の名義にしていて、しかも最初のアルバム「ホーセス」をカーステで聴いたらえらくしょぼい音だったということに気付いてジャック・ダグラスをプロデューサーに迎えて分厚いサウンドを目指したってことだけど、そういう意味では確かに迫力のあるサウンドに仕上がっているかな。でも、そんなの今となってはあまり関係ないけど、そういうところにも気が付くのは本人のこだわりだろうね。確かに音の厚みってのは小さい音で聴いたときにもよくわかるし大きい音で聴いてもパンチが足りないわけで、その辺はファーストをプロデュースしたジョン・ケイルにはわからなかった、というかパティ・スミスの持つガレージ的なイメージには当てはめなかったところか。

 今の時代は幸せだよねぇ。昔この頃のパティ・スミスの映像なんて見れることなかったけど当然YouTubeにて見れる。そんなライブを繰り広げていたんだ…。もっと早く見たかったよねぇ。

MC5 - Kick Out The Jams

 ガレージサウンドが過激になってくると後にパンクと呼ばれるサウンドの母体となっていたというのが通説。故に元祖パンクサウンドと言われるものは大体ガレージバンドだったワケだ。あ、アメリカでの話ね。英国ではそもそもThe Whoだってパンクみたいなモンだったワケで、英国パンクバンド全員がThe Whoは好きだったっていうのも有名な話。さて、アメリカはその辺でいうとブルーチアーが最右翼に映るんだけど、どうかなぁ。それとイギーのストゥージーズと同郷でミシガンを騒がせて世界に出ていった元祖パンクバンドとして呼ばれるモーターシティファイヴ=通称MC5がいるね。

Kick Out the Jams High Time

 1969年リリースの「Kick Out the Jams」デビューアルバムにしてライブ盤という画期的なスタイルで出てきたバンド、ライブそのものは1968年のライブだというからぶっ飛ぶ。まずは収録されている音質が滅茶苦茶ワイルドで、今のかっちりしたような音じゃなくてライブ感が凄く溢れる音でさ、もしかしたら客席録音盤なんじゃないかと思うくらいワイルドな音で、ナマナマしいサウンド。もちろん上手いとかヘタとかいうレベルは超越していて、ただただバンドの持つパワーをひたすらぶつけてくるという感じのガレージサウンド。うん、パンクじゃない。そしてメロディも実はしっかりとしていて、さすがにアメリカのバンド、キャッチーなサビやメロディをしっかりとハードなバックの音の中に持たせているので、より一層市場価値が高まるワケだ。

 この「Kick Out the Jams」はねぇ、うん、個人的には音的にはなんか刺激がないんだよね。確かに凄いアジテーションと熱い演奏とパワーで攻めてくるのでガレージ~パンクの世界ではバイブルになるのもわかるんだけど昔からどこか違うんだよなぁ~と違和感があって…。多分、単なる怒りだけでバンドの音が構成されているからだろう。世の中的な名盤っていうのと自分の価値観の差を感じる一枚でもある。ま、ナマで見てたら違うだろうけど(笑)。ちなみにMC5は以降も何枚かリリースしているんだけれど、あまりパッとしない。このアルバムだけが脚光を浴びている印象。

 まぁ、昔からあんまりマジメに馴染めないサウンドだったんだけどせっかくなのでまた聴いてみたけれど、そんな感じでやっぱり馴染めない音だったなぁ。サウンドもやっているジャンルも結構好みのハズなんだけど、何かが足りないんかな。不思議。

Mark Stewart - Edit

 CD屋で情報通りの新作を確認しながら、当然同じように新作が陳列されているところを一通り眺めるのも楽しいものだ。意外なトコロで新作や再発ものが出ていたり、新たな発見というか出会い、いや、久々の出会いもあったり、また最近は昔の大物、っつうか昔の人が復活してアルバム出したりするのも多くて、懐かしい名前に出逢うことも多い。それもまたネット上では収集しきれない情報が店頭のコーナーでは一目瞭然で目に入ってくるのが嬉しい。やはり店頭の楽しみはそういうところにあるんだなぁと思う。そして今回出逢ったのはなんと、あのポップ・グループの主だった、既に伝説化されてしまっているマーク・スチュワートという人の新作ソロアルバム。なんと12年ぶりの新作っつうから驚いた。そんなに活動しないで生きていける人なのか?なんてね。もちろんローカルでライブ活動とかしてたりするんだろうけど。

Edit Learning To Cope With Cowardice-The Director’s Cut

 「Edit」、4月末にリリースされていたらしいけど全然知らなかった。普段からチェックしてる人じゃないからねぇ…。それでやっぱり気になったので聴いてみることに…。

 「変わってねぇ~…」

 過去の音は抜きにして、この「Edit」だけを聴いたリスナーがいたとしたら、多分音に対する感性の強い人間は相当衝撃を受けると思う。普通にポップス系を聴いていたりヘタにロック的なものを聴いていたりすると受け付けない可能性が高いんじゃないかな。これはねぇ、自分も今時の音楽のジャンルというか呼称というか、新しい用語を詳しく知らないので上手く語れないんだが…、昔の言葉で言うと…

 「デジタルテクノノイズダブパンク」

 う~ん(笑)。いやぁ、アジテーションが凄くて、それがギターの歪みとかじゃなくてリズムの歪みとビートで迫ってくるっつうか、空間のノイズっつうのか…、歌自体は全然叫んでるとかじゃなくて淡々としているんだけど、出来上がってくる音自体が攻撃的なパンクサウンド。速いリズムとか思いリズムとかじゃないんだよ、これ。でも圧倒的に最先端の攻撃的な音楽。どういう思想でどういう音作りだとこういうのが作れて、しかもそのような音が出せるんだろうか?チームが一体となっていないと出せないだろうなと思うし、そもそも最先端だから事例なしに創り上げていかないといけないんじゃないだろうか?まぁ、その辺は疎いから事例があるのかもしれないけどさ。

 うん、絶対に売れないサウンド。そして攻撃性な印象は実は歌詞にももの凄く反映されていて、今の時代でも英国と世界の政治や体制についてメッセージを発信し続けている貴重な存在。U2とはまるで違う表現で、もっと攻撃的だけど、そういう思想がしっかりしているというか変わっていない。だからこそポップ・グループもカリスマとなったし、マーク・スチュワートも伝説になってしまった。だがしかし、伝説を祭り上げているよりも現在のマーク・スチュワートが出している音とメッセージの方が重要なんじゃないか、とも思う。

Iggy Pop - Lust For Life

 ジム・モリソンになりたくてロックシンガーになったオトコというのは多分世の中に結構いると思うけど、同時代に生きていた人間がそう思い、正にジム・モリソンのような人生を生き、そして現在でも行ける神話として存在している人、イギー・ポップ。日本ではあんまり人気がないというか、世界的にも特にヒット曲に恵まれたワケでもないのでそんなにメジャーな人じゃない。ただ、そのパフォーマンスはロックを多少かじる人間であれば知られた話だし、恐らく名前も知っていることだろう。

Lust for Life The Idiot

 そんなイギー・ポップのソロデビュー作から二枚目のアルバムがこの「Lust for Life」だ。1977年リリースで、最初のソロアルバム「The Idiot」も同年にリリースされていることからもわかるように一気に録音してしまった作品なんだけど、過去のカタログからひっくるめてみても一番出来が良い作品。まぁ、充実していたんだろうね。ボウイとベルリンに籠もって創り上げた作品というのは最早有名な話で、ボウイの手腕が光る。

 このアルバム、まずはジャケットのイギー・ポップの笑みが不気味。怒りと反抗を信条にして世に出てきた元祖パンクロッカーがこの笑みとは何だ?と。まぁ、そういう信条を理解した上でのメッセージと、自信、だろうな。事実、「Lust for Life」という作品は素晴らしい作品だから。音は良くないし、荒削りな演奏で収録されているし、特にイギー・ポップの声が出ているとかじゃないけど、ロックな作品なんだな、これ。最初の「Lust for Life」の粗っぽいドラムのワイルドな音からして凄い。曲そのものも熱い情熱が熱唱されていて、伝わってくるものが凄く多い。曲調は異なるけど、同じように響いてくるので有名なのが「The Passanger」か。妙にポップなコーラスと曲の持つ迫力がアンバランスで面白い。

 それと有名なのはこの中から「Tonight」と「Neighborhood Threat」という曲はボウイが自身のアルバム「Tonight」で正にポップス界の音に仕立て上げてカバーして大ヒットさせている。まぁ、イギーとの共作と言えども大部分はボウイだろうからなぁ。それと面白いのはこのアルバムのリズム隊を努めているのが後のティン・マシーンを結成するトニー・セールスとハント・セールス。ここら辺で出逢ったってのも有名な話かな。それにギターはカルロス・アロマー(ボウイのトコのギタリスト)なのでほぼティン・マシーンの原型が聴けてしまうのだが、わかる、って感じ。

 アメリカ人のくせに全然明るくない、ヨーロッパ的な雰囲気のアルバムに仕上がっているのは面白くて、やはり制作者と制作場所によってアメリカの脳天気さは影を潜めるのか、はたまたヤクチュウ上がりだからこそこの雰囲気なのか、ニューヨークの暗さとはまた違う退廃的なサウンドは恐らく唯一無二。

Jim Morrison & The Doors - An American Prayer

 1971年7月3日、アメリカの産んだ偉大なるカリスマ、そしてトカゲの王がフランスで謎の死を遂げる。60年代から走りまくってきた奔放さから離れて自身が追い求めていた詩人としての道を貫くために人生を変えようとしていた矢先だった。ジャニスもジミヘンもジム・モリソンもブライアンも皆ドラッグで逝った。歴史的には美化されているがやはりその才能を考えるともったいないものだと思う。ま、それでこそロックなんだろうけどね。だから一般人ではなかった、ってことだ。そのジム・モリソンは圧倒的に他のロックシンガーとは異なり「詩人」だった。言葉にこだわった人で、生前からステージでもスタジオでも詩の朗読を行っていて、朗読集みたいなものを創りたがっていた人だったと知ったのはドアーズを知ってかなりしてからだと思う。もちろん聞いて衝撃を受ける作品がいっぱいあったからなんだけど、その中で「An American Prayer」というアルバムがある。これがまた面白いのでここで紹介。

An American Prayer 地獄の黙示録(特別完全版)

 1978年リリースなので死後7年後の作品だ。ジム・モリソンの死後ドアーズは三人でAOR的な音を出したアルバムを2枚リリースしていたが泣かず飛ばずに終わり解散状態だったが、ジム・モリソンが残したテープを整理しているウチに未発表の詩の朗読がいくつも発見されたことから、ジム・モリソンがやりたがっていた詩の朗読のバックに音楽を付けると言う作業をバンドはやってみることにした。もちろんバンドはジム・モリソンの呼吸やメロディセンスを知っていたことで、その作業に着手してみるとまるでドアーズの再生のように作品が仕上がっていったと言う。

 冒頭の「Awake」は恒例の「Wake up!」の雄叫びから始まるイントロダクションだが、以降ジム・モリソンの低い声ではっきりと呟く詩の朗読に見事にバックのメンバーが爽やかなサウンドで音を付けている。一聴しただけではまさか後から音楽を被せているようには絶対に聞こえないし、一緒にアドリブでやっているのだろうとしか思えないシーンもいくつもある。それこそがバンドという呼吸感の凄さなんだろうな。「Newborn Awakening」という曲では軽やかにジム・モリソンが詩の朗読と共にメロディを口ずさむのだが、それにも見事にバックが合わせてあって事情を知っていると驚くようなことばかり。それだけ作品としてよく出来ているということだ。

 「Roadhouse Blues」は当時未発表のライブ音源からと言われていて、今は出てるのかどうかしらないけど、多分60年代のライブなんじゃないかな。やっぱり生々しいライブはかっこよいね。ここが多分このアルバムのピークで、モノ哀しいシーンへと突入する。アルバム全体に起伏を付けて流しているのも彼等の音楽的センスなのかなぁ。ロビー・クリーガーのギターの音も切なくてよろしいんです。そし自分的にこのアルバムの中で一番美しいなぁ~と思うのが「A Feast of Friends」のバックのメロディ。ジム・モリソンの朗読の暗さを引き立たせるかのようなメロディでさ。多分クラシックのパクリなんだけど(笑)。いやぁ、この部分が凄く好きだなぁ。最後のジム・モリソンのアカペラの歌メロに繋げて奏でられる「Bird of Prey」ももの凄く良いけどね。

 そんなことで最初はどうやって詩の朗読に合わせてここまで作れたんだろうと不思議に聴いていたけれど、そのうちこの作品の良さにハマり始める。そういう意味でかなり変わり種の作品であることには違いないけど、ひとつの挑戦とジム・モリソンへの敬意なんじゃないかな、と。うん、この後「地獄の黙示録」でカリスマの度合いに拍車がかかり伝説のバンドへと昇華されていくことを思うとこの作品のリリースは良かったんじゃないかな。

The Rolling Stones - In The Park 1969

 ボブ・ディランが「Like A Rolling Stone」と呼んだ対象がブライアン・ジョーンズだったと言うのは有名なことだが、もちろん事実かどうかは知らない。多分、それくらい派手な人生だったブライアンを見て書いたのかもしれないけど、60年代半ばのアメリカと英国でそんなにも情報交流があったのか、はたまた本人達の交流があったのか、とはあまり考えられないのだけれど、でも、そのロックアイコンの存在は英米問わずに知られていたということだ。奇しくもアメリカ独立記念日である前の日にブライアン・ジョーンズはプールで謎の死を遂げ、その二日後には新生ストーンズお披露目ライブであったハイドパークでのフリーコンサートが開かれるというタイミング。それが1969年7月5日の出来事だ。

ハイド・パーク・コンサート リマスター版 Criterion Coll: Gimme Shelter

 1969年7月3日ブライアン・ジョーンズ死去。7月5日ハイドパークでのフリーコンサート。その前にブライアン・ジョーンズのストーンズ脱退劇。コレを受けてストーンズにはミック・テイラーが既に加入済みだった状態で、ミック・テイラーのストーンズでの最初のコンサートがこのハイド・パークだったのだ。しかし、皆若い(笑)。そりゃそうか、40年も前の話なんだからなぁ…。

 久々にまともにこの伝説のハイドパークコンサートを見たんだけど、いやぁ~、ヘタクソ、なのはともかく、すげぇ~トンがっててかっちょよい。観客もキースもトンでるし、ステージ下のガードはヘルズエンジェルズだっけ?そして最後には呪術師を迎えたかのようなヴードゥーとの共演による「悪魔を哀れむ歌」という演出で、とにかく凄い。冒頭には聖書を読み上げるミックが真っ白な衣装を着ていたので正に聖人君子に見えたものだが、ライブが始まったらもう全然パンクなバンドになってしまって、これこそロックだよ。一人でステージと観客の橋渡しをするミックのパフォーマンスとカリスマ性はもの凄いものがある。

 一方他のメンバーだが、まずはキース。ここでしか見たことないんだけどナチュラルなフライングVを弾いているんだよな、これ。珍しい。しかも2mくらいのコードだから全然動けなくて…しかもチューニング無茶苦茶でソロ弾いてて完全にイってます。そしてエグイ大人ので目立つんだ、これ。いやぁ~、かっちょいい。完全に時代をに乗り切っているロック。新加入のミック・テイラーは地味~にSGを弾いていて、まだ巧さもあまりだしていない感じ。全く目立たないもん。ま、それは他のメンバーも同じなんだけどさ。

 しかし何でこんなにステージ周りに人がいっぱいいるんだ?観客は30万人とも言われているので多いのはわかるけど、ステージの中とかにスタッフかね、これは?いやぁ、多分お手伝いさん達もストーンズ見たかったんだろうな。そして演奏されている曲目がこれまた素晴らしい。というか当時の曲から選曲されているから良いのばかりになってしまうんだけど、どれもこれもストーンズらしい粘っこいブルース基調な曲ばっかりで、ここでのミックの歌はモロにオーティス的かも。いやぁ~、かっこいい。

 有名なのはこの日の前座でキング・クリムゾンが出演していたということか。ストーンズのメンバーからそのことを聞くことはないので当然会場にはいなかったんだろう。その時のクリムゾンの映像が一部モノクロで残っているのが凄い。とんでもない演奏だったんじゃないかな~と興味津々なんだけどね。

 そんなことで、この二年後の7月3日、奇しくもブライアン・ジョーンズと同じ日に今度はザ・ドアーズのカリスマ、ジム・モリソンが謎の死を遂げることとなるのであった。





おまけ:クリムゾン

Bob Dylan - Highway 61 Revisited

 ここをよく訪れてくれる人はご存じのように自分自身はアメリカの音楽にはあんまり詳しくないし、それほど興味もそそらないのも事実。まぁ、メタルとかブルースとかってのは好きだし、カントリーやらブルーグラスってのとかも興味はあるから何も聴かないっていうのではないけど、モロにアメリカテイストな音ってのはあまり聴かない。まぁ、好みだからしょうがないね。レイドバックしたサウンドってどうも苦手で…。しかし、本日はそのアメリカが独立記念日~って言って騒ぎ立てる日なので一応アメリカもんにしとこうかな、と。アメリカらしい人っていっぱいいるんだけど、何となく原点だよな、って思うこの人の作品です。

追憶のハイウェイ61 ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム (CDサイズ・紙ジャケット仕様)

 超有名な作品で1965年リリースの名盤「追憶のハイウェイ61」です。ボブ・ディランって実にとっつきにくくてわからなくて、暗くてっていう印象しかなかったんだよね。このアルバム聴いてからもあまりイメージは変わらなかったんだけどさ、なんかやっぱり「Like A Rolling Stone」のカバー率の高さって凄いじゃない?ジミヘンやストーンズですらカバーしているワケでさ、どこがそんなに良いんだろうと思って聞き込み始めたんだよね。歌詞もそれほど気にしてなかったからどうしても曲だけで。ところが、そこで聞こえてくるオブリギターが気になってさ、それがマイク・ブルームフィールドだと気付くのも大して時間はかからなかったんだけど、それよりもディランかぁ…と。

 うん、時間かかったなぁ。まともに聴けるようになるまで。なんつうかぁ、この人のって音楽というよりも言葉で押してくるから、そういうのってあまり受け付けなかったんだよね。フォーク的なのっていうかさ、そういうの。どっちかっつうと楽曲で攻めてくるのが好きだったから。多分それは今でも変わらないかな。そんなことで、めげずに何度も何度も聴いて、良さを理解するように努めたアルバムでした(笑)。

 それがだな、わかってしまうともの凄い名盤なんだよ、この「追憶のハイウェイ61」というヤツは。特に「Like A Rolling Stone」はもう最高なんだけど、それに続く「Tombstone Blues」だってさ、凄く熱い曲で、これもまたギターが凄くかっちょよくってさぁ。マイク・ブルームフィールドが無茶苦茶脂乗ってる時期だから余計に凄い。今時代にこんなに熱いのヤラれたら観客大変だろうなぁ~と。フォークと熱い口調で一本槍で攻め立ててくるんだけどさ、何か凄い。基本的にカラッとしたアメリカンな乾いたサウンドなんだけどね。アル・クーパーのハモンドもかなり特徴的になっていて、そこかしこでフォークアルバムにヘヴィーさを添えているってトコか。そんでもて、最後の「Desolation Row」がまた11分半にも渡って同じく一本調子で攻め立ててくるんだよ。ここでのアコギのオブリも素晴らしいんだけど、やはりこれは歌の表現が天下一品なんだろうと思う。それがあるから他の楽器のオブリが生きてくる…。それはこの熱いハーモニカの音にも云えることで、この切なさってのはアメリカならではだなぁ。

 一般的にディランがフォークからロックに転換したアルバムと云われていて、それは65年のニューポート・フォーク・フェスティバルでそれまでフォークギターでライブをこなしていたディランがポール・バターフィールド・ブルース・バンドをバックに従えてエレキで演奏をしたことからロック化したと言われていて…、うん、それまでのアルバムってあまり興味なかったからわかんないけど、時代的にはそういう衝撃だったんだと思う。以降名作を幾つも出し続けているディラン、いつかは制覇しないといけない人なんだろうけど、まだまだ追い付いてません~。

近年制作リリースされたボブ・ディラン の「ノー・ディレクション・ホーム」という映画ではこの時のことも色々と描かれていて貴重な映像になってます。



Mick Farren - Vampires Stole My Lunch Money

 歴代の奇人ミック・ファーレンという人物、どんな人なんだろうと気になっているところになんとも見事に自分の顔のどアップをアルバムジャケットにした作品を1978年にリリースして、そのひょうきんな表情を遙か東の彼方の国のロック少年たちに見せてくれたのだ。もちろんアナログ時代には多分見たことなかったかなぁ、自分は。当時リアルでもなかなか見なかったとは思うけど、へぇ~、ってな感じでして、よく見れば見るほどにヘンなの~って思うんだけどね。

泥棒ヴァンパイアに御用心(VAMPIRES STOLE MY LUNCH MONEY) モナ(人喰いサーカス団)(MONA)(THE CARNIVOROUS CIRCUS)

 「泥棒ヴァンパイアに御用心」というソロではセカンドアルバムとなっていて、意外と作品出していないかなという感じだけど、面子が面白い。昔のデヴィアンツからの仲間がサポートしているんだけど、さすがにノッティングヒルゲイトの主と呼ばれるだけあって、ウィルコ・ジョンソンがギターで参加していて、バックコーラスにはなんとソーニャ・クリスティーナとクリッシー・ハインドという豪華な女性陣。この二人が並んでコーラスやってるってのが信じられんのだけど…。この二人のコーラスワークはアルバム冒頭の「Trouble Coming Every Day」から炸裂していて、なんか強烈なバックコーラスだなぁ~と思って見るとこんな面子。どんな繋がりなんだろ?クリッシー・ハインドはまだわかる。クラッシュの面々とノッティングヒルゲイト周辺でたむろっていたらしいからさ。しかしソーニャだよなぁ。彼女のそういう生い立ちというか育ち的なトコロって全然記憶にないから、ピンと来ない。ステチュワート・コープランドの奥さん時代なのかな…、でも彼はノッティングヒルゲゲイト周辺にいたのだろうか?う~む、なかなか奥が深い。

 さて、このセカンドアルバム「泥棒ヴァンパイアに御用心」ではウィルコ・ジョンソンが参加している関係からか全体的にパブロック的なシャープでソリッドなサウンドが多く、そこにミック・ファーレンのキャッチーなメロディを持ったセンスが入り込んでいるのでアルバム的に決して質は高くないけれど、聴きやすく創られている感じ。60年代から生きてきたオトコが久々に放つ音にしてはかなり面白いんだkど、時代はパンクとディスコだから、もちろん無視されただろうことは想像に難くない(笑)。

 ま、一般的いはどうしてもファーストアルバム「モナ(人喰いサーカス団)」への関心が高い様子で、もちろんデヴィアンツの延長を期待してというものなんだろうけど、こちらのセカンドアルバム「泥棒ヴァンパイアに御用心」は全然違った意味で新鮮なミック・ファーレンを聴けるね。

The Deviants - #3

 もう一人の奇人変人と呼ばれる、というかやっぱり奇人変人だと思うんだけど、ミック・ファーレンという人が英国のアングラシーンには存在していて、この人の変わり者ぶりも割とクローズアップされることも多いね。当然ながらノッティングヒルゲイトの住人でボスとも呼ばれる人なので、歴史は古いっす。んなところでピンク・フェアリーズ繋がりでデヴィアンツを登場させよう~。有名なのはファーストの「プトゥーフ!」かな。最もサイケでワケのわからない世界を紡ぎ出しているアルバムなんだけど、今回はもっとジャケットだけでインパクトを放つ三枚目のアルバム「サード」で。

サード(紙ジャケット仕様)(THE DEVIANTS 3RD)(PAPER SLEEVE) プトゥーフ!(紙ジャケット仕様)(PTOOFF!)(PAPER SLEEVE)

 1969年リリースでバンドの特色でもあったワケの分からないサイケデリックな世界はさすがに時代と共に薄れていっているので聴きやすい一枚のはず。しかも最初に入っている「Billy The Monster」なんて、最高のポップスで驚くくらいの楽曲なのだ。まぁ、ガレージ色の強いバンドではあるんだけど所々で正に宇宙からの音とも聞こえる世界=サイケデリック効果音が聴けたりするのでやはりデヴィアンツだなぁと微笑ましくなる。ギターの音とかも凄く安っぽいし、ドラムなんてポンポン言ってるし、アレンジもちゃちいし、とにかく全編がふざけてる「BLACK GEORGE DOES IT WITH HIS TONGUE」とかさ、口で楽器を歌っているという冗談みたいな曲(?)で、正にタイトル通りなんだけど笑えるよ、これ(笑)。

 まぁ、なんだ、何でもありの60年末期にリリースされただけのことはあってやれることは何でもやってるってトコだ。そしてジャケットもまたふざけていて、ケバくメイクした尼さんがアイスキャンディーを舐めているというもので、このダブルジャケットを開くと足下で子供が同じアイスキャンディーを持ってしゃがんでいるというものだ。そして中ジャケは風格を醸し出したバンドメンバーがガレージ前で演奏している写真をコラージュしたものが載ってて、なかなかハクがあってよろしい。そんなバンドの音は実に多岐に渡った世界です。

 この中の二人がピンク・フェアリーズを結成し、その中の一人、ラリー・ウォリスはモーターヘッドへとコマを進めていくし、ボスのミック・ファーレンはソロ活動へと進み英国アングラの重鎮となっていくのだった。

Pink Fairies - Never Never Land

 ノッティングヒルゲイトから出てきたロックミュージシャンは割と多いし、今でもノッティングヒルゲイトでたむろするロッカーは非常に多いと聞く。それは70年代にも同じことが言えるらしく、先のホークウィンドなんかもノッティングヒルゲイト出身のバンドだし、同じくサイケ、パンク、ドラッグという要素を持ち込んでいた英国ロック界の奇人の中では必ず名が挙がるトゥインクが中心となったピンク・フェアリーズというバンドもノッティングヒルゲイト出身のバンドだ。デビューが1971年なので、まぁ、ホークウィンド当たりとも当然交流があったワケで、三枚目のアルバム「キングズ・オブ・オブリヴィオン」に参加したギタリストのラリー・ウォーリスは後にモーターヘッドに参加するというのもあって、多分交流が盛んだったんだと思う。

ネヴァー・ネヴァー・ランド+4(紙ジャケット仕様) キングズ・オブ・オブリヴィオン+4(紙ジャケット仕様)

 1971年リリースのデビューアルバム「ネヴァー・ネヴァー・ランド)」。まぁ、ジャケットからして可愛らしいワケで、ジャケだけでもファンが付いて、手にとって買った人は多かったんじゃないだろうかとも思うが、英国オリジナル盤ではかなり濃い色合いの絵柄に薄いビニールが被せてある珍しい形態で、レコード盤はピンク色という奇抜なものだった。しかもしれがポリドールというメジャー会社からの配給ってことでかなり期待されて出てきたんじゃないかとも思うんだけどねぇ。前身はデヴィアンツというバンドの面々で、トゥインクがUFOクラブ周辺から集めてきた面子ってことらしい。

 そして中味だけど、これがまた、最初の「Do IT」なんてのはもう怒濤のパンクロックで、いきなり度肝を抜かれる激しさ。アルバム全編通してインパクトは圧倒的。これでこのバンドを気に入ったもん。そしたら以降は割と静かめなフォークサイケだったり妙~なポップスだったり、要するにファンタジックな英国らしい音を出しているワケさ。最初の「Do IT」は一体何だったんだ?と思うくらいに別モノの曲が並ぶというヘンなバンド。面白いなぁ。もちろん何十年かぶりに聴いたんだけど、いやぁ~、面白い。独自カラーが凄く出ているので、一概に片付けられないサウンドなんだもん。ギターも不器用に上手くて、ドラムは縦横無尽に駆け巡っているし…、しかもスカスカの音で(笑)。

 そんなピンク・フェアリーズは都合三枚のアルバムをリリースしているのかな。常にメンバーチェンジされているのでなかなか実態が掴めないけど、「ネヴァー・ネヴァー・ランド)」と三枚目の「キングズ・オブ・オブリヴィオン」が有名。別バンドに近いくらい出してる音は違うけど、どっちも面白い。昔アナログでは全然高くて手が出なかったけど今は紙ジャケでもリリースされたみたいで、お手軽に聴けるハズなのでお試しすると割と楽しめます。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


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