Jeff Beck - Flash

 80年代にアルバムをリリースしたロック界の大物達はこぞって最先端の音を採り入れて、自分達もその輪の中に入ろうとした作品が目立つ。まぁ、ボウイやミックのソロ、ストーンズはいつものこととしてもフィル・コリンズにしてもクラプトンにしても、だ。そこでまさかこんな人が別に媚びを売らんでも良いだろう、って思うのにやってしまったジェフ・ベック。もちろん良いこともあったのだが…。

Flash There and Back

 1985年リリースの「Flash」当時「There and Back」から5年ぶりの新作ってことで話題と期待を呼んだ作品だったんだけど、う~ん、自分的には当時全く聴かなかったなぁ。「People Get Ready」はさすがにPVでよく見たけど、アルバムはわかんなかったな。そりゃそうか、と改めて聴くと思う。音は80年代の、というよりもナイル・ロジャースのプロデュースによるものなのであの音だし、そこにベックの革新的なギターサウンドが鳴っているってことで、決してポップなものでもないしさ。今考えると何でこのアルバムボーカルがいるんだ?って逆に思うんだけどね。

 うん、かっこいい。アルバム全体の感想としてはそう云えるアルバム。シャープでタイトに仕上がっていて、ギターがこれまた斬新なテクニックを聴かせてくれているし、面白い。もちろんベックのベックたるところを期待しているとちょっと異なるんだけど、いいよ、これ。まぁ、陳腐な曲もあるけど、それはそれとしてね。

 ダントツに光ってるのはもちろんロッドが歌う「People Get Ready」なんだけど、このPVでのベックはテレキャスを持って列車の中で弾いているっつうシーンで、ロッドとの再会っていうのを大々的にアピールしたってとこなのかな。歴史を知らないリスナーにとってみると、あのロッドが歌っているわけで、この曲ってロッドの作品じゃないの?ってなことになるようだが…。

 往年のファンにウケが良いのが「You Know We Know」っつうインスト曲で、もちろんベックらしい旋律が奏でられる曲で、バックの音が妙なデジタル系ってのがキズではあるがギターはさすがに耳を奪われるものだ。バックにはカーマイン・アピスやヤン・ハマーってのも参加しているし、ベックも歌っている。意外と盲点となっているこのアルバム、こういう流れで聴いているとなかなか、だね。

Phil Collins - No Jacket Required

 ついでと云っては何だが、クラプトンをAORでポップな売れ線世界に誘ったプログレッシヴロックバンドのドラマー兼ボーカリストとなっていたフィル・コリンズがポップスシーンで最も忙しいオトコとして君臨した時代の傑作、と呼ばれる作品も紹介しておこう。フィル・コリンズとしてソロデビューは1981年なのだが、もちろんそれまでにピーター・ガブリエルが抜けてからのジェネシスでフロントを担ってきた自信もあり、ジェネシス自体が滅茶苦茶ポップな方向に進んだのもこの人の根本的な趣味なのか売れ線を作れる才能によるものなのか、ポップスこそが最も難しくやりがいのある音だったのかはわからんが、とにかくそういう方向性に目覚めて売れまくった、それがこのアルバム。

フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド) Hits

 「フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド)」1985年リリースのソロ作品3枚目にしてグラミー賞最優秀レコード賞まで受賞した大ヒット大傑作アルバム。いやぁ、この頃確かにフィル・コリンズの曲や名前を聞かない日はなかったんじゃないかというくらいに売れまくっていて、このアルバムジャケットも全然センスないし、ジャケ見たら買いたくなくなるだろ、ってなモンだが、売れた。当時フィル・コリンズ35才。アメリカや英国のヒットチャートではこんなダサいオトコが売れるのかと日本のアイドルシーンを鑑みると不思議に感じたものだ。

 それで久々にコイツを耳にしてみるのだが…、いやぁ~、よく出来てる(笑)。一曲目の「ススーディオ」からもうダンサンブルなビートでキャッチーなサビで、しかも歌は巧くて軽くて聴きやすいという、見事だ~、と。当時もキライだったけど曲は全部覚えてしまえたくらいだからやはりそのキャッチーさは凄いんだろうな。そんなこと云うともっと好きじゃなかったクサい「One More Night」とかさ…、これももう甘ったるくて聴いてらんねぇな~っていうんだったけど、良い曲です(笑)。この曲はリズムマシンの音がある意味特徴的に鳴っていて、当時まだシモンズとか出てきたばっかりの頃だからこういう音使いかできたんだろうけど、やっぱり巧く使ってるよね。

 アルバムの他の曲はあまりピンと来てないんだけど、まぁ、そりゃぁそうか、当時全然聴かなかった作品だから今更聴いてもね(笑)。良くできてるなぁ~と感心した程度です。それでアルバムには入ってないけどこの頃フィル・コリンズって他にも色々あったような…。「カリブの熱い夜」っつう映画のサントラに入ってた「見つめてほしい」を歌ってたり、フィリップ・ベイリーとの競演による「Easy Lover」っつうこれまた大変よく出来た曲を歌っていて、これは聴いたなぁ…。一体何でこんなに売れたんだろう?あまりにも時代にマッチし過ぎた才能だったんだろう。ここからジェネシスには戻れないよな、普通(笑)。

Eric Clapton - Behind The Sun

 70年代を生き抜いてきたロックミュージシャンのとってみると80年代というのは何と生きにくい時代だったのだろうかと思う。当時の本人達は実際にそんなことを思っていたのかどうかわからないけど、今となって振り返ってみると誰もが自己を主張しつつ結局はあまり大した物が見つからなかった、というか70年代の自分達が一番輝いていたということに改めて気付いたというレベルではないだろうか。それでももちろん時代の波に乗って音楽性を変えながら生き抜いてきた人もいる。デヴィッド・ボウイやストーンズなんてのはその代表でもあるだろう。そしてもう一人、この人も激しい自己変革と共に生き抜いた、とも云える。

Behind the Sun August

 「Behind the Sun」、1985年リリース作品で、80年代になってからは「アナザー・チケット」「Money and Cigarettes」という相変わらず渋い音のアルバムをリリースしていたもののもちろんあまりパッとせず、英国は思い切り80年代ポップスの風が吹き荒れていった時代、丁度クラプトンがアルバムをリリースしなかった頃なのだが、そういう音楽シーンを尻目に色々と考えたのか、試行錯誤したのかわからんが、とにかく今までとは全く違う角度で制作したアルバムになったのが「Behind the Sun」だ。

 プロデューサーのみならず楽曲アレンジなどにも多大に貢献していたのがフィル・コリンズという話は有名。クラプトンって自分で曲とかはつくるけどアレンジなどは全部人任せらしいのは多分この辺のアルバムから始まったんだろうな。フィル・コリンズによるAOR的なアレンジは正に彼が自分でジェネシスをポップバンドに仕立て上げてソロアルバムも成功に結びつけた手法をなぞったもので、クラプトンもこれに乗ったというところか。その甲斐あってとっても聴きやすくなっているのは事実で、クラプトンのギタープレイはまるで単なるスタジオミュージシャンと同じレベルで聴けるようになっていて、歌は渋い声で歯切れ良く聴かせてくれるというもので、ロックというよりもミディアムテンポのオシャレな楽曲が並び、80年代半ばらしいゴージャスなアレンジがアルバム全編を包み込んでいる。なんつうおしゃれさだ…。

 一曲ごとにそりゃ云いたいこともあるんだけど、そうだなぁ、どれもこれもあまり得意ではない曲かな。ただ、さすがだな、って思うのは例えば「Forever Man」なんかで聴けるんだけど、一瞬だけギターソロが弾かれる小節なんてのがある時は凄くクラプトンのシャープなギターが出ているというのもある。「Same Old Blues」なんかだとちょっと頂けない感じなんだけどさ。他はまぁ、どれもこれもあれそれも…ってなトコで…。かと云って「Forever Man」という曲が良いかと云うと、決してそんなワケではないのだが。

 ファンの間でもあまり評判がよろしくないようだけど、そういったことはあまり気にしてなくって、やっぱり自分的に好みでないなぁ、と。まぁ、これで売れるアルバム作りってのがわかってきたクラプトンは次作「August」で更に洗練されてベルサーチを着こなしてダンディーになっていくのだ…。

David Bowie - Tonight

 ミック・ジャガーとデュエットで「Dancing In The Street」をリリースしてロック界大物同士のコラボレーションとして話題となったデヴィッド・ボウイ。確かにそれが1985年頃の話だからミックはストーンズの看板ボーカル、しかもソロ作出して売れまくってる頃、一方のボウイも70年代のグラムロック時代から脱出して、「Let's Dance」で一躍時代の寵児の仲間入り、ミックの相棒になっても全く違和感のない大物の風格として機が熟したというタイミングだったのだろう。

Tonight Let's Dance [ENHANCED CD]

 そんなボウイが「Let's Dance」の後に間髪入れずにリリースした1984年の作品「Tonight」。一般的に、どころか多分ボウイのコアなファンからも「Let's Dance」と同等の作品として認識されているんだろうけど、実はこっちの「Tonight」の方が元来のボウイの創作意欲に溢れた作品なんじゃないかと。いや、ナイル・ロジャースのパワーステーションサウンドじゃなくて、っつうか80年代のあの音じゃなくてさ、どっちかつうともっとボウイの持つ音楽性が出ていると思うんだよね。だから最初の「Living The Alien」からしてポップでダンサンブルなチューンではなくって、ひと味もふた味も深みのある歌詞とシリアスなサウンドで幕を明けるアルバムなんだよね。その流れはアルバム全体に流れているんだけど、ヒットチューンの「Blue Jean」がそのイメージを「Let's Dance」と同等のモノにしているんだろうな。ただ、明らかに作風が違うけどね。

 もうひとつこのアルバムで話題になったのは「Tonight」でのティナ・ターナーとのデュエットと最後の「Dancing with the Big Boys」でのイギー・ポップとのデュエットか。「Tonight」は良い曲だよね、これ。凄くムードがあるしさ。イギーとの作品はちょっとゴージャスなアレンジ過ぎて音自体はどうかと思うけど、根本はこの頃に独特の疾走感あるサウンドで悪くはない。ただ、まぁ、コーラスやらホーンやらがちとよろしくないかなっつうだけで、イギーも目立たないし。まぁ、それはそれで大して気にするほどでもないか。

 同じ頃にロックファンならお馴染みの「アブソリュート・ビギナーズ」っていう映画があってさ、その主題歌をボウイが歌ってたり、「スノーマン」っつう映画の中でも「This Is Not America」をパット・メセニーグループと一緒に歌っていたりするんで、知名度が上がるとセッションが増えるっていう面白い側面もあった。そして大体そういう作品の方がレベル高くて面白い。

 そういえばミックとやった「Dancing In The Street」のPVでの二人は正にロックンロールだったもんなぁ…。やっぱホンモノはかっこよい、って思ったもん。



Tonight (W/Tina Turner)

Mick Jagger - She's The Boss

 ボーカリストがソロアルバムをリリースしようと思う時ってのも色々あるんだろうけど、この人の場合はそのプレッシャーも一段と大きかったことと思う。ストーンズってのはまぁ、ブライアン・ジョーンズは実験的音楽をソロ名義でリリースしていたけど、それ以外にストーンズのメンバーってのはソロ名義でのアルバム作品ってのはほとんどなくって、誰かのバンドに参加したとかってのはあるけどさ。ミックとキースっつうのはもうストーンズの顔だからソロを出す必要あるのか?っていうくらいの雰囲気でね。ところが最も不仲と噂されていた頃、と言うかアルバム「Undercover」とか「ダーティ・ワーク」出した頃にはミックがソロアルバムをリリースするって云うことでストーンズ解散か!?と云われていた程。

シーズ・ザ・ボス ヴェリー・ベスト・オブ・ミック・ジャガー【限定デラックス・エディション】

 1985年リリースのミック・ジャガー最初のフルソロアルバム「シーズ・ザ・ボス」。いや、もうね、くだらなくて(笑)。ストーンズやってりゃいいのに、こんなケンカする要因になるもの出さなくてもいいから早くストーンズ見せろよ、っつう雰囲気が出まくっていた時代で、日本はバブリー真っ盛りだったんだけど、ミックも一人でバブリーで…、一方キースはまったく面白くないっていう発言をして「アイツとは縁を切ってやる」みたいなことばかりで…、いやいや、ハラハラした時代でしたが既に23年前のお話。

 そんな最初のソロアルバムは期待と自信に満ち溢れていて、はたしてどんな音?みたいな感じはあったけど当然そんなことも意識しつつ、そしてトレンドの音もしっかりと認識しつつ、更に古い友情もしっかりと押さえつつ制作されたもので、蓋を開けてみると「80年代クラブミュージック」でした。ヒップホップ的とも云うのかな。ナイル・ロジャースのプロデュースだからもう代表的なモンでしょ。彼も喜んだだろうなぁ、ミックのソロアルバムで自分に声かかるなんて思わないでしょ。パワーステーションサウンドにミックのロック声?みたいなさ。ところがどっこい、そんな方向くらいしかミックのできる道ってなかったのかな、とか思う。ブルースやロックはストーンズでやってるしね、それ以外ってせいぜいホンモノのR&B系が好みだろうけど、それもまぁストーンズでやってるし…。っつうと周りに合わせて売る、という方向だよ。いいじゃねぇか、っつうのもまたよろし。

 んでこれもまた久々に聴いたが…、音はともかく、ミックはミックなんだな、やっぱ。そして改めて「Just Another Night」でのジェフ・ベックのギターは素晴らしい~とシミジミ。「Lucky In Love」のハービー・ハンコックもいいけどさ、やっぱね。それよりもこれ聴いてたらボウイとの「Dancing In the Street」の方が聴きたくなってきてしまった(笑)。そうか~って思ってたら、去年ミックのベスト盤「ヴェリー・ベスト・オブ・ミック・ジャガー」ってのが出ていて、これがまた大変よろしい選曲っつうかレアな曲を選んでいてなかなか面白いらしい。ジョン・レノンのプロデュースした曲とかね。

 この後もミックはソロアルバムをリリースするんだけど、多分「シーズ・ザ・ボス」が一番意欲的で実験的で売れ線的だろうと思う。そういう意味では面白いし、若い…、うん。ジャケットもねぇ…。



Dancing In The Street (W/Bowie)

Roger Daltrey - Can't Wait to See the Movie

 あまりボーカリストとして名を挙げた人ではないけど実はソロ活動でもかなり秀逸な作品を残しまくっているロジャー・ダルトリー。ご存じザ・フーのボーカリストでザ・フーの印象があまりにも強くて、そして他のメンバーの個性が強すぎてあくまでもバンドの一員という位置付けに留まっている、これは他のメンバーも同じジレンマだったりすると、ツエッペリンのメンバーなんかも同じような印象があるんだけど、バンドが凄すぎるんだよね。だからソロ作品がきちんと評価されにくい、かく言う自分もやっぱソロ作か~っていう感じで聴くもんね。

Can't Wait to See the Movie Under a Raging Moon

 1987年リリースの「Can't Wait to See the Movie (今宵、シネマで)」、今のところ実はソロ作品としては最新作に留まっているんじゃないか?以降はベスト盤ばかり出しているし、もちろん90年代以降からはザ・フーの活動が盛んになったっつうのもあって、もともとソロ作をどうしても出したいというミュージシャン欲に駆られた人じゃないのでマイペースなんだろうけど、それでもザ・フー関係では一番ソロ作品が出ていると思う。それは単に彼自身は曲をあまり作るワケじゃないから、ってことだ(笑)。まぁ、ボーカリストなんだな、要するに。しかし、だ、ここでロジャー・ダルトリーと絡む英国ロックのメンバーってのがかなり面白くて、ここでも取り上げていたベーブ・ルースのアラン・シャックロックやラス・バラッド、それにクレム・クリムソンなんてのが絡んできていたのだ。

 この作品「Can't Wait to See the Movie (今宵、シネマで)」ではクレム・クリムソンがギター弾いてるのとデヴィッド・フォスターとラス・バラッドが鍵盤参加ってのがメジャーどころかな。もうロジャーはこの時点でまったく曲も歌詞も書いていない。単なるシンガーに徹しているんだけど、その分作品としての質は凄く高いモノに仕上がっていて、もっときちんとソロ活動をやってたら売れたんじゃないかと思うけど、コレも全く売れず仕舞とか。まぁ、しょうがないだろ(笑)。

 作風としてはもちろんちょっとアダルトな雰囲気のロック作品で、ガンガンのハードロックとかはなくて、かと云ってポップスでもない…、その間かな。歌声はどう聞いてもロックだけど、アレンジとかは妙に軽いポップよりの音とかそんなん。でも楽曲レベルは高いから、それとロジャーの魅力で飽きさせないってのはある。ジャケットはオシャレだし、この頃は多分映画俳優として確立し始めた頃で、そんなのがタイトルにも出ているし。

 いや、久しぶりに聴いたけど…、昔は単なるソロアルバムのポップ化したロジャーって思ってたんだよね。今聴いたら意外としっかりできていて悪くないじゃないか、と思ったりした。また全部聴き直そうかな。とりあえず一番好きな「Under a Raging Moon」から、だな。

Paul Rodgers - Cut Loose

 偉大なるボーカリスト、それも今でも現役で全盛期と変わらない声を聴かせてくれる人ってのはそうはいない。まぁ、トムー・ジョーンズとかくらいじゃないか?ってなワケだが、ロック系ではもちろんハイトーンボイスってのは当然陰りが出てくるのでなかなか…、ミック・ジャガーっつうのもある意味全く変わってない人に部類されるのかもしれないが…。

Cut Loose Live in Glasgow (Dol Dts)

 ポール・ロジャース、1983年リリースの初のソロアルバム「Cut Loose」。この人の歌声は年と共に凄くなってきているっても過言じゃないくらいに素晴らしい。ここ最近は露出する機会も多くて特にクィーンとの合体はこないだも新曲リリースしたりとまだ断続的に活動している様子。一方ではソロ活動でライブやってたり、忙しく働いてます。そんなポール・ロジャースの25年も前になってしまったソロアルバム「Cut Loose」がこないだリマスタリングされてリリースされたようで、まぁ、買い直してはいないんだけどね。そこまでの作品だったかなぁ…と。

 やっぱねぇマルチプレイヤーっつう程のものでもないけど全部自分で演奏しました、っつう作品で真のソロアルバムなんだよね、これ。ドラム叩いてベース弾いて鍵盤も弾いてギターも数本重ねて、もちろん歌って。曲がきっちりと出来上がってないと出来ないワザなんだけど、プライベート録音でしっかり作ったんだろうなぁ。ギターなんてソロも含めてかなりしっかりしたエモーショナルなプレイしていて、悪くない。いや、結構良い。多分使ってるのはストラトなんだろうけど、その枯れ具合が良い味出しててね。さすがにドラムがちょっと弱いんで勿体ないんだけど、バックの演奏ってのはそれなり、かな。ただ、歌は別。やっぱりこの歌を聴かせるためのアルバムだよなと思えるくらいにレベルが異常に高くて素晴らしい。曲そのものもポール・ロジャースだなと思えるものが多くて軽快なハードロックから静かに歌い上げるモノ、ゆとりが見られるモノなどと多様なんだけどやっぱこの人ブルースロック好きなんだな、と(笑)。軽快なロックもお得意だけど音とかそのものずばりだからさ、バドカン路線はやはりこの人の趣味だったんだな。

 ジャケットも力はいってないし、セールスも大してプッシュされなかったし、内容もバドカンやフリーほどのものではないけれどソロアルバムとしてアピールした狭間的な作品。この辺の曲ってライブで聴けるんだろうか?ちなみにこの後ARMSコンサートに出てThe Firmへと、となるのがこの人のここからの通過点♪

Robert Plant - Pictures At Eleven

 そういえば偉大なるバンドのボーカリスト達もそれぞれソロアルバムっつうのを出しているんだよなぁ、と思いつき、あちこちを探し回って引っ張り出してくる…、おぉ、あるあるあるある、あるけど…、全然記憶にないぞ(笑)。大体こういうボーカリストのソロアルバムってのは全く面白くないものと相場が決まっていて、それはもちろんギタリストなんかでもそうなんだけどさ、やっぱりバンドのマジックが働いていた中での偉大さだったっつうのはもう絶対的に証明されていて、全く違う雰囲気とか違うジャンルへの挑戦とかしかないんだよね。たまにスーパーバンドとかってことが話題になるけど、なかなかそれも上手く行かず仕舞ってのが定説。そんな中でも一番顕著な人です。

11時の肖像 ナウ・アンド・ゼン

 ロバート・プラントの1982年リリースの初ソロアルバム「11時の肖像」。ツェッペリンの「コーダ(最終楽章)」のリリースを遅らせてでもこのアルバムは売りたかったんだろうと云うことなんだが…、そしてその数ヶ月前にはジミー・ペイジが「ロサンゼル」のサントラをリリースしていたので、正に解散後に違う形でやってきたツェッペリンフィーバーだったんじゃないかな。しかし今の時代に燦然と歴史に輝いているのはもちろんツェッペリンの「コーダ(最終楽章)」なワケで…、いや、それこそがもうしょうがないんだけど事実よ。こだわるつもりもないけど、音的にねぇ。

 いやいや、それでも一応聴きましたさ。巷で評判の良いファーストアルバム「11時の肖像」を。それは多分この後ソロツアーで日本に来たから余計に伝説化されているんだと思うが、冷静に聴いてみると…、う~ん、中途半端(笑)。ドラムにフィル・コリンズと数曲でコージー・パウエルを配して意欲満々の作品。そして出てくる音もそれなりにツェッペリン的なサウンドの構築になっているもんだから余計にタチ悪い(笑)。どうしたってツェッペリンと比べてしまうし、聴いていれば物足りなさを感じるワケで、あぁ、ドラム、ここはもっとこうやってくるだろう~とかフィルインはこうくるだろ~、とかさ。ギターにしてもやっぱりそういう想像が働くので余計に聴けない…。いや、一生懸命それらしくやってるというのか、どこに向かうべきなのかっつうのも模索してるし、かと云って全然違う方向ってのは自分の求めているロックではないだろうし。結局一番ジレンマに陥ってしまったのがプラントなんだろうと思う。なんてったってこの人がこの声で歌ったらそれはもうツェッペリンなんだから。圧倒的な象徴だもん。それがメロウでポップなものやったってさ、やっぱりねぇ。キライじゃないけどだったらもっとハイレベルなアレンジで聴きたいし…。コージー参加の「Slow Dancer」が評価高くて、確かにこのアルバムの中では際立ったサウンドで、テンションも高いしある意味独自性のある音でもある。後期ツェッペリン的なものではあるけど、よくできてる。でも、物足りない。ボンゾなら、とかペイジなら、とかジョンジーのアレンジなら、と思わせてしまう曲だからこそ余計に。故に評判が高いのもわかるし、評価したくなるアルバムと取り組みなのは事実。でも、っていうのが入ってしまうので難しい。

 ホントにねぇ、この人可哀相、というのかツエッペリンでやってたことが一番やりたかったことなのにそこから外れなければいけないっていうか、そのおかげで迷走するんだよね。1988年の「ナウ・アンド・ゼン」からのシングル「Tall Cool One」でツェッペリンをもじることでようやく融合点を見つけた感じで吹っ切れたみたいだけど、一番ファンが期待していた時期にはどうしようもなかった。だから90年代になってからは逆にツェッペリンの影に引きずられないで独自の活動になったんだなぁと。

 ん?音についてあんまり書いてない?いや、ボーナストラック入りもリリースされたことだし、聴いてみるといんじゃないかな。圧倒的にツェッペリンの歌声だもん。違和感が残るっていうだけで。ちなみに自分はこれを聴いた後どうしても物足りなくてツェッペリンを聴きまくってしまったが(笑)。

Rod Stewart - Smiler

 昨年末くらいから何となく気軽に聴けるモノってことでちょこちょこと今まであまり聴かなかったモノに手を付けていて、その中で改めてその深さに驚いて聴いている人がいる。ハマってるってのとは違うんだけど、今までやっぱどこか小馬鹿にしてた部分あって、あまりマジメに聴いてなかったんだよね。それがここのところiPodにもほとんどの作品を入れてしまって何気によく聴いてる…、リラックスしながらってのが多くて曲を覚えようとかそういうのではないんだけど何か心地良くってね。それで今の気分にあってるのかなぁ、と。

Smiler Every Picture Tells a Story
 アメリカに渡る前の英国人としての望郷を持った時代、1974年リリースのいわゆる初期ロッドの作品「Smiler」。いや、この頃のアルバム「Every Picture Tells a Story」「Never a Dull Moment」あたりからならどれでも良いんだけど、何となくご機嫌なロックンロール「Sweet Little Sixteen」から始まる「Smiler」がいいなぁと。フェイセズが思い切りロックンロールバンドだとするとロッドのソロ作品はロッドの歌を聴かせるアルバムというような位置付けの曲が多くて、フェイセズの面々がバックを務めていても目立ったものではなくて、フォーク調だったりブルース調だったり、やっぱりバックに徹しているって感じだから、その分ロッドもフェイセズでは思い切りロックンロールやってるんだよね。だから彼等は仲良かったんだろうな、と。そんなことも改めて感じさせられる最後の作品ではあるが。

 うん、最初から最後までロッドの歌声が素晴らしくて、それは昔から知ってたけどやっぱり凄い。人を感動させる歌声だもん。アルバム自体はカバー曲が多いんだけど、割とソウルな曲のカバーが多いのかな。ま、ディランの「Girl From North Country」だったり、「Bring It On Home To Me - You Send Me」なんてのもあって、曲の良さもあるけどホント、ロックもフォークもブルースもソウルもあらゆるモノを歌いこなしてしまう天賦の才は見事だよなぁ。いいんだよ。あまり大きな声では言えないけど最近ホントよく聴いてる。適度なロックンロールも心地良いしね。そして感動的なのはロッドのソロアルバムなのに素晴らしいアコギのインスト「I`ve Grown Accustomed To Her」が聴けるところなんてのは嬉しいよねぇ。

 そんで初期ロッドの作品はどれもこれも聴き直していて、楽しんでます。これ以降のでもまだしばらくは良いアルバムなのでいずれまた、って思ってるけど、ここで一区切り。ロック界に留まれなかった世界のスーパースターになってしまうんだな。それもよい、と思えるか。

George Michael - Faith

 天性のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの跡を継ぐ者として何人かの候補が挙げられそしてまた噂されたんだけど、その回答は結局意外なトコロでもあったポール・ロジャースに落ち着いている。しかしそれまでの噂ってのはなかなか面白くて、まぁ、その辺はファンの思い入れっつうトコロが大きいから皆勝手に騒ぎ立てるんだけど、やっぱりフレディのように華麗にそして心地良く思い切り良く歌っえる人、しかもハイトーンがしっかり歌えて、更に云えば飾りだけのギターも弾けないといけないし、何よりもピアノは絶対弾けないとダメでしょ、みたいなことまであって、そう考えるとやっぱりフレディ・マーキュリーって人は希有な才能の持ち主だったということだ…。

 1992年4月20日、ロンドンのウェンブレーで行われたフレディ・マーキュリー追悼コンサートは半日を費やした盛大なイベントとなって、数々の歴史の邂逅が行われたものだ。本当にフレディ・マーキュリーと交流があったとかはともかく、これだけの面々に慕われていたというのはやはり凄い。正に早々たるメンツ、そして組み合わせも見事だった。これはまたこれでいつか取り上げるとして…。そんなイベントの中でもしかしたらクイーン再結成が可能なのはこのオトコだけじゃないか?と聴いていた皆に思わせたのがもの凄く意外なところから出てきたジョージ・マイケルだった。そう、ワム!のボーカル。

 共通点が凄い。ピアノOK。もちろんギターもOKだしゲイで妙な雰囲気もしっかり持っている、跡は歌声だけだが、これが見事な「Somebody To Love」を披露することによって全ての面でクリアーになって、正に彼しかいない、と話題になったものだ。この「Somebody To Love」も含めたCD「Five Live」はリリースされたけど、いや、ほんと凄くて、ジョージ・マイケルってこんなに歌巧かったんか?こんなに声出たんだ?みたいなのがあって、ロックファンに認められたと思う。そういうのがあって単なるゲイ野郎からもしかしたらフレディ・マーキュリーの跡はこいつしかいないのでは…と思わせたのだ。

Faith Five Live

 そしてワム!はともかくソロになってから何て全く聴いてない人だったので果たしてどんだけ凄いアルバムを作って歌っているんだろう、と期待しながらジョージ・マイケルの最初のソロアルバム=多分相当気合いの入った作品、を聴くワケだが…。

 「オイッ!」

 ってのが感想(笑)。もっと歌えばいいのに、プリンスみたいなファルセットもんばかりであの思い切りの良い歌声なんてのが全然ない。なんてこった。単なる変態野郎の自己満足アルバムじゃないか、と…。勿体ないなぁ…、いや、もしかしたらそういうアルバムがあるのかもしれないが、ちとなぁ…。曲作りの才能もあるし全ての才能を持った人なのにそういう作品を作ってくれなきゃ意味ないぜよ。ウェブ見ててもこの人の最高傑作はやっぱり「Faith」だ、って書いてるトコロが多くてね。アテにならんなぁ…と。

 しかし、フレディ・マーキュリー追悼コンサートで聴かせてくれた「愛こそすべて」は完全にフレディ・マーキュリーを甦らせてくれた歌声だったのは確かだ…。

Freddie Mercury - Mr.Bad Guy

 強烈なインパクトを持つロックボーカリスト、もちろんそれは声質だったり歌い方だったりするのだが、その中でもダントツにインパクトを持っている天性のコメディアン…いや、エンターティナーと云うべきか…、クィーンのフロントマンとして一世を風靡した、いや、今もか、完全なゲイ人、フレディ・マーキュリーその人。

Mr. Bad Guy Barcelona

 1985年リリースの初ソロ作「Mr. Bad Guy」だが、もうジャケットからしておかしい、絶対普通じゃないというのは中学生でもわかったに違いない。「何か違う」っていう印象が拭えなかったが、テレビを見ていてノエビア化粧品のCMのバックで流れる「I Was Born To Love You」の伸び伸びとして艶やかで思い切りのよい歌声と曲のメロディは瞬間的に記憶に留めるには十分なインパクトを持っていた。それがこの人のソロ作の印象。当時確かこのアルバムも聴いていたと思うけど何かすぐに飽きてしまったのかジャケットに違和感を覚えたのか、あまり聴いた記憶がない。不思議だ。

 さて、そんなことで再度聴いてみることにしたが、総論的には実に良くできたポップな歌モノアルバム「Mr. Bad Guy」で、売れないワケないだろうというくらい見事だと思う。しかしフレディの歌声がここまで気持ち良く収録されていて、歌い上げているってのもクィーンの作品を含めてもそんなにないんじゃない?クィーンの時はもうちょっと何というか、バンドに合わせているっていうのか…、それがここでは何の制約もなく思い切り歌っている。見事だ…。そしてクィーン最後の作品ともなった「Made in Heaven」は正にクィーンの曲としてもおかしくない出来映えで、バックが違うと云ってもあまり違和感なく、ブライアン・メイのギターが聞こえてくる感じで(笑)。いや、見事。続いての「I Was Bone To Love You」はもうやっぱりこの80年代のドラムの音で聴くのが良い♪ そしてこれもまたフレディの見事な歌声が素晴らしい。

 どうしてもこのヘンの曲に集中しちゃうんだけど、曲のタイトル見るだけでかなり怪しいのが多いよなぁ…。「Man Made Paradise」とか「My Love Is Dangerous」とかさ…。まぁ、いいんだけど(笑)。しかしどれも美しさがあるってのがフレディらしくて割とクセになる。この後のバルセロナオリンピックでのモンセラート・カバリエとのデュエット作「Barcelona」でもその美しさは保たれているんだけど、この美意識こそがフレディの貫禄なのだろう。うん。そしてやっぱり楽しく聴けるところがコメディアン♪

そういえば16年前の今頃はロンドンのウェンブリーで一大イベントが開かれてたなぁ…。

Family - Bandstand

 個性的なボーカリストが乱立している70年代英国ロック♪ やっぱこの辺が一番落ち着くなぁ~と我ながら納得しているのだが、そういえばいつもこの辺を漁ると忘れられずにレコードを探し出してくるのがファミリー。うん、ロジャー・チャップマンのムサ苦しい姿がこれまた英国らしくて(笑)。このバンドも結成してから短期間でアルバムリリース枚数が結構多いのでそれなりに精力的に活動していたんだろうなぁと思う。

バンドスタンド Music in a Doll's House

 今回はその筋では有名な1972年リリースの6作目のアルバム「バンドスタンド」を取り出してみた。うん、ジョン・ウェットンが参加して二枚目の作品でこれにてジョン・ウェットンはキング・クリムゾンに参加することになるので、その筋で有名、なワケだ。ファミリーの歴史的にもかなりの名盤と誉れ高いのでなかなか手の出ない英国ロックファンもいるとは思うんだけど、まぁ、確かに絶対聴け、という程の声を上げる気にはならないんだが(笑)、やっぱり英国好きな人には非常~に楽しめるバンドで、カテゴライズできないジャンルに属しているバンドだね。ファーストの「Music in a Doll's House」ではかなりサイケデリックにあれこれやってるし、楽器も色々使ってるからプログレに括られたりしてるけど、ロジャー・チャップマンの声聴いてたらやっぱり黒い独特のシャガレ声なワケで、そういう言い方したらやっぱりファンクネスな響き…、うん、特にこのアルバムはもの凄くグルーブしていて、R&Bとはまた違った感じで、そうだなぁ、パーラメント的っつうかそういうノリに近いグルーブ。それもこれも多分ジョン・ウェットンのベースによるノリが無茶苦茶大きいとは思うんだけどさ、それにしてもジョン・ウェットンだってこんなにグルーブ感のあるベースを弾くのも初めてなんじゃないか?っつうくらいだが…。もっとも、これ以降はあらゆるジャンルのバンドとセッションしていくわけだが…。

 いかんいかん、ファミリーの話なのでジョン・ウェットンに持って行かれてはいけない(笑)。最初の「バーレスク」からしてもうブイブイしてて「え?」って感じだけど、正にアルバムを象徴するかのような名曲で、シンプルでノリが良い。んで、それこそジョン・ウェットンが曲作りにも参加したってことで有名な「コロネーション」はまたしても「え?」ってな感じで、これファミリー、だよな?っていうくらいにジョン・ウェットンのコーラスが爽やか(笑)。まぁ、いいか、こういうのも。「Dark Eyes」ってのが次に入ってるんだけどさ、これはまたこれで「え?」ってな感じに英国的なコーラスから始まって実に美しいメロディと曲で、ウィットニーのギターのアルペジオが素晴らしい。やっぱ英国好きには堪らないね、こういうの。ピアノとフルート(?)もまた良い味出してて、素晴らしく綺麗な小曲。

 「Broken Nose」はまたしてもお得意という感じでグルーブしまくったノリにロジャー・チャップマンが叫ぶ。うん、これこそロジャーだ。完全にファンクしてるね、これ。んでまた一転して「My friend The Sun」なんてクサいタイトルの曲でさ、ジョージの「Here Come the Sun」じゃないんだから(笑)。しかしこれがまたアコギとアコベなのかな、これ、とメロデイで爪弾かれる美しい曲で、全く奥の深いバンドで面白い。こういうのが楽しめるとツウなロックファンだと思うけどね(笑)。そしてまた「Ready To Go」では本来のファミリー節が復活していて良い。基本的にメロディはポップというかメロディがあって、ロックしてるから聴きやすいと思うけど、まぁ、サビが一緒に口ずさめるとかではないな。うん、でもこれぞ英国ロックだよ、ホントに。

 変形アルバムジャケットが多いのもファミリーの特徴で、この「バンドスタンド」も見事に変形ジャケットでテレビを模倣したアルバム。意味はよくわからんけど、いいんじゃない(笑)。こういうの聴くとやっぱ英国が一番面白いなぁと思う。ジェスロ・タルあたりと立ち位置が似ているかもね。

Humble Pie - Rock On

 70年代ロックバンドの旗手として名を挙げられるバンドも2000年代後半になってくるとますますその存在価値が稀少なものになり、そしてまた記憶から消え去っていくバンドも増えているんだろう。昔B級だと思われたバンドでも今やC級かもしれん。また70年代の代表だったバンドももしかしたらB級に格下げとか…、いやいや、そんなことはどっちでも良いんだけどふとそういうネームバリューの変化ってのはあり得ることんだな、と思いながら耳にしたバンド、しかしとんでもないスーパーバンドでもあったハンブル・パイ。

Rock On <Performance: Rockin' the Fillmore

 1971年リリースの4枚目「Rock On」、これにてピーター・フランプトンはソロ活動に進んでいくのだが、まぁ、この頃のライブアルバム「Performance: Rockin' the Fillmore」が最高に重くてタイトでハジけているライブアルバムなんだけど、今回はそのメンツでの金字塔である「Rock On」ですな。

 これがまた素晴らしく重くてタイトでソウルフルでブルージィーでかっちょよい70年代英国ハードブルースロックの極めつけと言った感じのアルバムで、スタジオ作品の中では一二を争う出来映えではないかと思ってる。クレム・クリムソンが参加した作品となれば「Smokin'」ってのが有名なんだけどさ、いやいや、どうして、コイツもかな~り良い作品で、ヘヴィーだよ。初っ端の「Shine On」がピーター・フランプトンとはあまり思うまい。やっぱスティーヴ・マリオットの好みだよなぁ~なんて思って聴いてたら、「あれ?」ってな感じでこれ、フランプトン??みたいなね、そんな感じでさ。ただサビのコーラスの使い方とか聴くと「あぁ、やっぱりな」って思えるから面白い(笑)。もちろん当時リアルで聴いていたらそんなのわかんないかもしれないけど、後追いだとさ、聴く順番変わるからわかるんだよ…。

 それにしてもアルバム全体からスティーヴ・マリオットの雰囲気がガンガン出てきていて、もう曲聴いているだけでマリオットのハイトーンながらもソウルフルな歌がガシガシ響いてくるしさ。「Stone Cold Fever」から「Rollin' Stone」のあたりはもう絶品ね。逆にフランプトンの曲も一発でわかってしまうけど、それでもマリオットの意地に歩み寄ったフランプトンとの化学反応は見事で、意外と器用なギタリストという面を発揮。これでマリオットも安心したと思ったらねぇ、残念。

 しかし、この辺の香りっつうか空気はやっぱり良いなぁ…。親しんでいるからだろうけどロック的に一番落ち着く雰囲気♪

Wishbone Ash - Wishbone Ash

 改めて聴いてみるとその音楽性の斬新さにまたしても気付かされることがあって、音楽というものの深さに驚くことがしばしば。最近のバンドの音ならば進化系を聴くなんてのは当たり前の話なのだろうが、所詮「進化系」が多くて「革新性」を持つモノではないのだが、もしかしたらそんなのもあるのかな。なんでまたそんなこと思ったかと言うとだな、そういえば、ってことでWishbone Ashのファーストアルバムを聴き直してみたからなワケだ。

Wishbone Ash ファースト・ライト


 1970年リリースのWishbone Ashデビューアルバムでタイトルはそのまま「Wishbone Ash」で邦題は「光りなき世界」という叙情性のあるもので、昔の邦題を付ける人ってのはセンス鋭いんだよなぁとここでも感心(笑)。そしてなんでまた冒頭の「革新性」の話になったかと言うとだな、改めてこの「Wishbone Ash」を聴いてみると冒頭から結構ちゃちいギターフレーズが流れてくるんだけど、全編に渡ってこのちゃちなギターフレーズがユニゾンでツインギターで弾かれているんだよね。今の音世界ではこういうのっていくらでもあるから全然普通に聴いてたんだけどさ、ちと待て、1970年当時でここまで綺麗にツインギターでしっかりと弾きこなした、どちらも目立つというのでもなくしっかりと楽器として二つのギターが機能していたバンドってないんじゃないか?という当たり前の事に気付いたからです、はい。いや、もちろん知識的には知ってたけどさ、何となくようやく実感した、ってことで…。まだまだ未熟者です。

 そしてこのアルバム全編を通して聴いてみるとよくわかるんだけど、英国ハードロックという領域だけではないことは百も承知、しかし美しい旋律を作れるものだとつくづく思い知らされてしまった。これでファーストアルバムなのか?滅茶苦茶名盤じゃないか、と。そういえば昔も同じようなこと思ったけど結局ハマり込むまでは行かなかったんだった。美しさだけじゃ物足りなかったんだろうな、と思うので、多分自分も歳取ったんかなぁ…。ま、それは良しとして(笑)、アルバム前編はその叙情的な美しい音世界を紡ぎ上げてバンドのスタンスをしっかりと打ち出している、もちろん二つのギターの美学だけどさ、音色が似ているのでユニゾンしてもハモってもヘンじゃないし、どちらも重くて太い音じゃなくて割と線の細めな軽い音なので綺麗なんだろうな。

 そして後半部分、なんとデビューアルバムであるにもかかわらず、驚くことに10分強の大作が最後に二曲並んでいるのだなぁ。「Handy」の方はベースラインの心地良さにギターが絡むインストものでもちろん美しさってのはあって、展開も面白くてプログレまではいかないんだけど凝った構成になっていてアキさせない楽しさがある。しかしこれですらも次の「Phoenix」への序章でしかないのかなと思ってしまうくらいに「Phoenix」が素晴らしいのだ。英国じゃなきゃ出てこない曲だな、これは。最初から哀愁を帯びた美しいメロディが華麗なギターの音色で奏でられ、叙情的なテーマに移る…、そこではワウペダルで囁くように音を鳴らす左チャンネルと旋律を奏でる右チャンネルのギターが綺麗で、実はその間に入っているハイハットのリズムが凄く感情を感じさせる優しい音色で、歌が入ってくるが、旋律を奏でるギターはそのまま裏メロを奏でている…、う~ん、クサイっちゃぁクサイんだろうけど、日本人、好きだからさ、こういうの(笑)。そして徐々に音色も代わりバックの音も派手になっていき、これでもかと言うくらいのドラマティック性をこの10分で創り上げ聴き手を陶酔の世界に引きずり込む…、う~む、なんと素晴らしい音世界なのだろう。当時コレを聴いた人は間違いなくこのバンドの虜になったに違いない。

 ジャケットは片面だけじゃ意味不明だけど両面にして、しかも中ジャケを見ればわかるんだけどWishbone=鳥の肋骨、それのAsh=灰なので表ジャケットはその写真が使われているんだよね。何やら迷信だか伝説だかで焼いた鳥の肋骨を引っ張り合って長い方をゲットした人は幸福になれるという話があるらしい。そこまで英国伝承文学に親しんでいないので知らないけど、そういうところからして英国的で大変よろしい。

 そして驚くなかれとばかりにリリースされていたのがこのファーストアルバムのデモテイクっつうかファーストテイクを収録した「ファースト・ライト」という作品。何でもお蔵入りのテイクを収録したテープが発掘されたことでリリースされたらしいが…。うん、興味深い発掘音源だね。

Babe Ruth - Amar Caballero

 アナログレコードで音楽をゆったりと鑑賞する、これは今の時代では非常に贅沢な趣味なのかもしれない。と、久々にアナログでじっくりと聴いてみた時に思った。音の良い悪いとか暖かみとかクリアーさとか特性はあるものの、やっぱりレコードジャケットを眺めながら、そしてライナーノーツなどにも目を通し、クレジットをしっかりと見ながら飛び出してくる音を楽しむというのは満喫できるものだ。別にCDでもライナーがあったりするのでできる話なのだろうけど、実はあまりそうやって聴かない。MacにCD入れてそのまま流してネットやらなにやらをしながら聴いていることの方が多いワケなのでちょっと趣が異なる。聴いていたものは別に大した物じゃなくて、先日紙ジャケ化されたらしいけどアナログあったなぁ~と思って探してきたベーブ・ルース。

アーマー・キャバレロ(紙ジャケット仕様)

 1974年リリースのセカンドアルバム「アーマー・キャバレロ」だが、一般的に、と言うか一般的には知られていないだろうから言葉が適当ではないけど(笑)、どっちかっつうと英国ハードロック系列に分類される音のはずなんだけど、このセカンドアルバムはかなり異色の出来映えで、当時はこのままどこに行くのだろうかと不思議な期待感を抱かせるバンドだったのかもしれん。ファーストアルバム「ファースト・ベイス」は概ねハードロックに分類される音が中心で曲の長さも割と長めでザッパのカバーがあったりしたので名盤的扱いではあるが、このセカンドアルバム「アーマー・キャバレロ」はリーダーのアラン・シャックロックの趣味嗜好が恐らくスパニッシュ系統に向いたためか、スパニッシュ的センスを多く反映している作品に仕上がっている。更にそこに管楽器部隊も一緒に同居していることで実に不思議なサウンドを描いている。ハードロックらしいハードロックは3曲目くらいのもので、いや、これがまた後半の盛り上がりがすごくてさすが!と思えるので十分に満足できるのだが、それ以外は割と短めの曲で節々にスパニッシュギターフレーズを入れまくっていて、B面ではそれだけで出来ている曲も収録しているくらいだ。相変わらずリズムについても不思議なポリリズムがあったり変拍子ではないけどちょっとおかしいのとかあってね。多分凄くフランク・ザッパ的な楽曲構成になっているんだよ。好きなんだろうな。

 ジャケットはヒプノシスの作品なんだけど、アメリカ盤は英国盤の右側を削って馬が右端に来るようにして馬隊が表ジャケットで見えるようにズラしてある。そもそもダブルジャケットでリリースを考えなかったのがアメリカ盤ってトコだ。馬、っつうかユニコーンだよな、これ。角あるもん。。個人的にはこのバンド凄く好きで、ヤニタ・ハーンっつうお転婆娘のボーカルがぶち切れていてスカッとするのもあるし、この頃ハードロックで女性ボーカルってあんまりないから新鮮だったし楽曲構成もユニークだしと一気に集めて楽しんだものだ。4作目以降には主役のアラン・シャックロックが抜けてしまって、ある意味別バンドになる。その時のギタリストが後にホワイトスネイクに参加するバーニー・マースデンなのだな。

 しかしYouTube探ってみたら映像があったので驚いた。もしかしたら初めて動いている姿見たかもしれない…。やっぱりお転婆お姉ちゃんっぽくていいなぁ、ヤニタ。

IQ - The Wake

 マリリオンを取り上げた時にtommyちゃんから「IQ」ならばジェネシスクローンでもないから良いんじゃない?とコメント頂き、それに習い、ちと挑戦♪ まぁ、ジャケットは見たことあるしバンド名ももちろん聞いたりしたこともあったし、そもそもポンプロックの世界ってそんなに広くないから知ってた、っていう程度だけどね。そんなことで聴いてみたのが…。

The Wake Ever
 1985年リリース「The Wake」彼等の二枚目ながら傑作と誉れ高い、らしい。全体感で言えば今でこそ安っぽく聞こえてしまうシンセサイザーの音こそが80年代とも言えるんだけど、シンフォニックさをしっかり打ち出したアルバムで、その分ギターとかが目立つのが少なくてほとんど鍵盤でシンフォニックに畳みかけている中に歌が叙情的に入り込んでくるというようなところか。曲の作り方とか聴かせ方ってのが結構面白いし、ドラマ性もあるなぁというところで聴きやすい。雰囲気作るのが巧いんだろうね。そういう意味で「へぇ~」いう感動はあるもん。

 でもやっぱり何故か軽い…軽いのはよしとしても何かが足りないのは何故?時代の音だからだろうか?歌ももちろん軽めではあるのだけど、あぁ、多分あまりギターが派手に入ってこないからか…、それとも言われているように録音がよろしくないために迫力欠けになっているからかな。うん、それはともかく、ポンプロックってこんなにポップだったんだ、とちょっと驚いている。プログレッシブ的という面よりも歌があってバックが雰囲気出してと言うような感触が多く、ま、それだからこそポンプロックなのか。う~ん、70年代のホンモノはやっぱり偉大だったんだなぁ~と。余計に思ってしまった。

 ジェネシスフォロワー云々はどっちでも良いけど、音的なところが自分的にはイマイチ入り込めないところかな。曲はもちろん良くできてるし英国然とした雰囲気や音色もしっかりと醸し出しているので、ハマれる人はハマれると思う。あ、あとさ、ベース弾く人結構面白いかも。かなりベースが引っ張ってる部分多いしさ。

Moody Blues - On the Threshold of a Dream

 プログレッシヴロックバンドとして名の知れるムーディ・ブルース、それもジミー・ペイジをして真のプログレッシヴバンドと言わしめたためというのも大きいんだと思うけど、英国人の感覚でのプログレッシヴロックってどんなんかよくわかんないからあまりアテにしないとして(笑)、やはり荘厳さと混沌さが同居するバンドとして自分的にはイメージの強いバンドです。1965年デビューだけどその頃はビートバンドのひとつで、とてもその後のバンドをイメージするモノではなく別物として認識すべきだけど、1967年にリリースしたアルバム「Days of Future Passed」からの「サテンの夜」が当時、ではなく後にヒットしたことで一気にメジャー化したみたいだね。このバンド、基本的にず~っとコンセプトアルバム続きで、それたをまとめて聴くとそれもまたひとつのストーリーみたいに聞こえるからなんと壮大なスケールでの活動だったんだろう、と驚くが今回は彼等の三作目「夢幻」です。

On the Threshold of a Dream Every Good Boy Deserves Favour

 1969年リリースの「夢幻」。やっぱムーディー・ブルースのアルバムは日本語タイトルに限る♪ かっこよいんだもん、どれもこれもさ。「童夢」とか「夢幻」とか「失われたコードを求めて」はそのままか(笑)。コンセプトは「夢」なので、何となく幻想的な雰囲気に浸れるんだけど、よくよく聴いているとどこがプログレッシヴロックなんだ?と思うくらいに牧歌的でポップなメロディの曲が並び、確かに英国的な湿っぽさはあるんだけど別に一曲単位で売れても良いんじゃないかと思うくらいの軽やかな曲調が多い。意外なんだけど全然プログレっぽくないから(笑)。

 ただねぇ、音の作り込みというか楽器の使い方とか効果的な音の入れ方とか…例えばフルートにしてもここぞって時に入ってくるのはともかく、さりげなく後ろで鳴っていたりすると何となく変わった雰囲気になるし、笛なんかもそうだけど牧歌的になるでしょ。それもアコギの鳴ってるところとかさ。そこにコーラスワークだったりエコーがききまくっていたりするのでなんか、どわぁ~んってするんだよね。ベースとかメロトロンってのはやはり効果的に鳴っているのでこの辺がプログレ的になる所以なんだろうけど、基本的にジェスロ・タルなんかとも同じようなごちゃごちゃになったロックで、メロトロンのフューチャー度が大きいがためにそのジャンルに入ってしまっているだけで、「夢幻」にしても非常~に聴きやすい曲ばかりなのだ。ただ音数が多くて密集しているのでちと疲れるってのはあるかもしれないね。

 このバンド、面白いのは全員が作曲したりしているのでアルバムにしても個々で作った曲が単に並んでいるんだけど、それでもコンセプトアルバム的に一連の曲にひとつのストーリーが走っているようになっているのが凄い。誰かが作ったからと言っても決してその人の個性が出るのではなくって一旦バンド内で消化してから再構築して出しているというような感じで一貫性がある。まぁ、作った本人達は想いが異なるのだろうけど、それはそれでソロアルバムでやればよいってところなのかな。しかし実にホノボノとした春らしい音でした♪

Procol Harum - Exotic Birds and Fruit

 英国のプログレから始まり、70年代英国B級ロックまでをひたすら深い森の中で彷徨うことになるんだけど、それにも一応順序ってものがあってさ、まぁ、何だ、人によって違うのだろうけど最初からメロウキャンドルやルームなんてのに行く人もあまりいないだろう(笑)。大体は何かしらのプログレメジャーバンド、クリムゾンなりジェネシスなりフロイドなり、っていう辺りから入っていって、すぐにソフトマシーンとかキャラバンとかヴァン・ダー・グラフとかその辺が出てきてついでにジェスロ・タルとかプロコル・ハルムとかムーディー・ブルースとか出てくるか、その逆かってとこじゃないだろうか?ムーディー・ブルースとプロコル・ハルムってのは60年代にヒット曲を飛ばしているので、何となく入りやすい部分はあるのでメジャー所と同じ位置付けではあるだろうけど、それはあくまでも60年代サウンドだもんなぁ。

 …ってなことで勝手な解釈ではあるんだけど、プロコル・ハルム。つったら「青い影」が出てくるんだけど、どっちかっつうとあれが彼等としても異色な作品としてもいいんじゃないだろうか?まぁ、クラシカルで荘厳な音という点では代表曲なんだろうけどさ。自分的にこのバンドを聴き直したのは以降の「Grand Hotel」だったり今回紹介する「異国の鳥と果物」だったりする。どっちも名作扱いされていて、プロコル・ハルムの一番良い時期を映し出していると思うんだよね。

異国の鳥と果物 グランド・ホテル

 「異国の鳥と果物」。1974年リリースのファンタジックさが溢れ出る愛らしいジャケットに包まれた、そして中身もジャケットに負けず劣らずのカラフルさを持っているナイスなアルバム。重厚なサウンドに変わりはないけどそれまでのクラシカルな路線ではなくって音が密集しているという感じで、ステレオ感に乏しいんだけどその分重厚な音作り…、これってクリス・トーマスの作品?そうだ、そうだ。この人のって特徴的だもんね。いや、あんまりプロデューサーって意識しないようにしてるんだけど、やっぱ特徴的だと、ね。

 しかし良く出来てるアルバムで、ほのぼのとした曲なんだけどBJウィルソンのドラムはドカスカと重い音で鳴っているので軽くならない(笑)。そこにゲイリー・ブルッカーの鍵盤なのでやっぱり軽くはならないんだけどさ、その風格が英国的で良いなぁ~と。なんだろうね、この不思議な感覚は。彼の歌も妙に明るく脳天気な側面もあったりしてユニークだし、ギターは既にロビン・トロワーから変わっているのでミック・グラハムなんだけど、それでももちろんかなり曲にマッチした、逆に言えば実にハードにギターを弾いているのでロック的によい。しかしどの曲もメランコリックなメロディラインとコミカルな側面が面白いなぁ。特にA面はもの凄くとっつきやすいし楽曲的にもレベルが高くて面白いのでなかなか手の出ない人にもお勧めしたいね。意外な音世界に出会えると思います♪

残念ながらYouTubeにその頃の音も映像もないのですが…。

Gilgamesh - Gilgamesh

 カンタベリー系の音と言ってもそれなりに多様性はあるワケなのだが、一部非常~に酷似しているバンドの音というものもある。それはメンバーが被っていたりするからだと思うのだけれど、それが故に割と音だけでは判別しにくいものというバンド群がギルガメッシュとナショナル・ヘルスやハットフィールド&ザ・ノースだったりする。多分それらのどれかの曲の途中だけを聴かされて、「どのバンドだったでしょうか?」と訊かれても正確に答えられる自信は全くない(笑)。

ギルガメッシュ(紙ジャケット仕様) Another Fine Tune You've Got Me Into

 ギルガメッシュ1975年リリースのアルバム「ギルガメッシュ」。音的にはアラン・ゴウエンの鍵盤とフィル・リーのギターがメロディを奏でる美しい音で、ここでのベースがニール・マーレイだったり歌、というかコーラス担当がアマンダ・パーソンズという女性なワケで、半分以上ナショナル・ヘルスなワケだ。もっとも楽曲と演奏のイニシアチヴを取る鍵盤奏者とメロディを奏でているギタリストが違うのでレベル差はもちろんあるんだけど、やっぱりカンタベリー独特の音を奏でているので何とも言えないねぇ。もちろんギルガメッシュの方がこのメンツでの演奏は先なのでナショナル・ヘルスがギルガメッシュだ、という言い方が正しいのだが(笑)。そしてもうひとつ決定的に似ている音の理由にこのアルバムのプロデューサーがデイヴ・スチュアートだった、ってことだろう。そりゃ似てくるわな、と。

 一応楽曲的にギルガメッシュの方は大曲というよりも組曲構成になっていて複数楽曲が展開されていくという様相なのでドラマ性はあるんだけど、インスト中心に変わりはないのでちと集中して聴かないとハマりきれないかも。そういえば自分もインストモノってそんなに好んで聴かないけどカンタベリー系のはいつしか普通に聴いている。よくジャズ寄りと言われたりするんだけど、別にジャズっぽいとは思わないし、かと言ってバリバリロックでもないので不思議なんだけど、まぁ、フュージョンを思い切り暗くしてもっと多様な音色を散りばめたような音、とでも言えば良いのかな。いやぁ、やっぱカンタベリーはカンタベリーとしてひとつのジャンルになってしまっているなぁ。

 そしてこのギルガメッシュなるバンド、ナショナル・ヘルスに吸収合併されていくのだけど、かろうじてその合併劇から外れたメンツにヒュー・ホッパーというこれまた強烈な助っ人を入れてセカンドアルバム「Another Fine Tune You've Got Me Into」を1979年にリリース。音的な構成は似ているけれどなんとなくファーストの方が良いかなぁとは思う。まぁ、よく理解していないで書いているんだけど(笑)。

National Heallth - National Heallth

 カンタベリーロックという一大ジャンルを形成してしまったシーンの深さは現代に至るまで脈々と続けられていて、その誰も彼もが貧乏ミュージシャンっていうのもカンタベリーシーンでは当たり前の逸話(笑)。…かどうかは実際のところを知らないんだけれど、当然セールス的に芳しいものじゃないことは有名な事実で、決して売れているバンドがあるわけじゃないし、もちろんソフト・マシーンやキャラバンっつうくらいのところになればそれなり、かもしれないけど、それでもどうかわからん。ましてやそれ以外のバンドなどはシーンに興味のない人には全く知られていない名前ばかりなので必然的にアルバムリリースだけでは喰っていけないハズだろう。ま、いきなりそんな貧乏くさい話をしてもしょうがないのだが(笑)。

ナショナル・ヘルス(紙) オブ・キューズ・アンド・キュアーズ(紙ジャケット仕様)

 ナショナル・ヘルスの1978年リリースのファーストアルバム「ナショナル・ヘルス」だ。もちろんハットフィールド&ザ・ノースからの流れというものを知らないといけないのだが…、いや、結局カンタベリーシーンの連中ってのはメンバーがほとんど一緒でもバンド名をコロコロ変えているっていうのもあって、名前にこだわらないんだよ。こだわっていても今度は中身がまるで変わっているとか、とにかく友人同士でジャズのリーダー作のような感覚でアルバムを作っていたりセッションしていたりするので個人名で追いかけていかないとワケわかんなくなるのもユニークな集合体。

 まぁ、お馴染みのデイヴ・スチュワートとフィル・ミラーを中心にピプ・パイルのドラムと何とニール・マーレイがベースを弾いているのだ。そう、あのホワイトスネイクに参加していたニール・マーレイです。意外なところからシーンに参加してたんだなぁ。だからホワイトスネイクもカンタベリー一派なのだ(笑)。ま、そんな冗談はともかく、ロック界でも傑出した作品のひとつでもある本作「ナショナル・ヘルス」なのだが、まぁ、誰にでもお薦めというような代物ではない。ただ、このレベルのアルバムってなかなか見つからないぜ~っていうくらいに素晴らしい作品なので、実感してもらいたいな、とは思うけど。

 大曲ばかり収録した全5曲の作品でもちろんほとんど歌無し。歌があってもそれは美しいコーラス=アマンダ・パーソンズという女性によるもので、最初の「Tenemos Roads」という曲では大活躍するが、その程度のモノだ。何と言っても強烈なのはやっぱりデイヴ・スチュワートとフィル・ミラーの鍵盤とギターによる主旋律と彩り。そこにピプ・パイルの軽やかなドラミング…、後にブラッフォードも参加することになるのだが、かなり近いタイプのドラミングで面白い。そしてゲスト陣にはジミー・ヘイスティングやアラン・ゴウエンなどが参加しているというもので、カンタベリー主力が結集しているアルバムでもあるので悪いはずがない。ただし、普通にプログレやロックを期待してはいけない(笑)。やっぱりカンタベリーの香りを楽しめる人にしか楽しめない作品だろうから。ジャケットの賑やかさもカンタベリーらしくて頼もしい。

Egg - The Polite Force

 実験的音楽ってのはカンタベリーシーンでも行われていて、もちろんソフトマシーンやキャラバンの初期に代表されるようなサイケデリックさも挙げられるんだけど、1968年にはユリエルというバンドがあって、そこには後にゴングで有名になるスティーヴ・ヒレッジが在籍していたことで多少は有名、か?いまではアーザケルとして多少知名度があってもおかしくないが…。それはともかく、そのユリエルにはあのデイヴ・スチュワートとモント・キャンベルが在籍していたワケで、彼等はヒレッジの抜けたユリエルでは意味がないってことでギターレスのバンド=当時で言うナイスのイメージでバンドを再構築、それがエッグというバンドだ。

Polite Force Egg

 1970年デビューアルバム「Egg」をリリース、音を聴くと「は?」ってなモンだ(笑)。今回はそのファーストよりもバンドのやりたいことが明確になったセカンドアルバム「Polite Force」を取り上げてみよう~。1970年11月発表だからファーストと同じ年にリリースされた作品でバンドに勢いがあったことがわかる。相変わらずクラシカルな楽曲を奏でてくれるのだ。

 が…、これ、正にプログレッシブロックとも云える変態且つ複雑かつ美しく淡々としていてテクニックも申し分ないという代物で、あまりにも高度すぎる音楽世界が広がる。これだからプログレは難しいのだ(笑)。最初の一曲目だけは歌が一応あって、変拍子なんだけどまだ聴きやすい性格を持ったものだけど以降はもう恐ろしいまでの変拍子の組み合わせだったり全くリズムの取れないサウンドだったり、また3曲目では思い切り実験的で、その特異性はドイツのクラウトロック連中の実験性にヒケを取らないくらいのミニマル性を持った曲で、なんだこりゃぁ~ってくらいクールな世界。4曲目からの組曲はもう変態的な楽曲でマジメに聴いていたらとんでもなく複雑なことに気付くだろう。まぁ、普通に聴いてもヘンなんだが(笑)。

バンド編成が鍵盤、ドラム、ベース+その他楽器っていうトリオなのでもうちっとシンプルかと思いきや、とんでもなく多様な音が出てくるのも不思議で、何かと思えばトランペットとテナー・サックスにゲスト陣を迎えていた。その一人がボブ・ダウンズというブリティッシュ・ジャズ界でも割と著名な人。う~む、難しい。ただ、ジェントル・ジャイアントのような冷たさとはチト違っていて、温かみのある音色ってんが面白い。もしかしたらもっともプログレッシヴロックらしいプログレッシヴロックを奏でているバンドかもしれない。

 バンドはここで一旦解散して、1974年にもう一度再結成してアルバム「The Civil Surface」をリリースしているが、こちらにはそれこそスティーヴ・ヒレッジやリンゼイ・クーパーの参加したセッションアルバムに近いが、それでもやっぱりとんでもなく複雑な作品…。う~む、ホンモノのプログレッシヴミュージシャンなのだなぁ。

Slapp Happy - Sort Of

 アヴァンギャルドの定義って何?そう言わせたくなるバンドも中にはあって、これってポップスに近いじゃないか、ってのを実践していたのがスラップ・ハッピーというバンド。英国人のアンソニー・ムーアとアメリカ人のピーター・プレグヴァルっても名前がアメリカ人じゃないからなぁ…(笑)、それにアンソニー・ムーアの恋人だったドイツ人のダグマー・クラウゼの三人で創り上げたバンドで、不思議なんだけどドラムもベースもいないのにどうやって出てきたのか…、よほどアンソニー・ムーアの才能が光ったんだろう。

ソート・オヴ(紙ジャケット仕様) Casablanca Moon/Desperate Straights

 1972年リリースのデビューアルバム「ソート・オヴ」、バックの演奏はどういう交流があったのかわかんないけどファウストの面々がやっている。まぁ、その世界って結構狭かったりするのでアヴァンギャルド志向の人達が一緒にいてもおかしくないんだけど、その時点でなぜスラップ・ハッピーがアヴァンギャルドに属していたのか?まぁ、やっている当人達には単なるヘンなバンド仲間って感じなんだろうけど、不思議なアングラシーンだったんだねぇ。ファウストの面々にしても恐らく鍵盤と歌だけが入れられたテープを元にここまでのバックが付けられているだろうから、さすがにヘンな才能に秀でていたミュージシャン達なことが証明されているんだな、これ。

 しかしそれよりも凄いのはやはりダグマー・クラウゼの歌声。天使のように聞こえてしまう澄んだ声で妙~なバックのサウンドとは全く異なる異質なポップメロディを歌い上げてくれる。このファーストアルバム「ソート・オヴ」ではまだもう一人のピーター・プレグヴァルの歌もかなりフューチャーされているのでそれも不可思議な世界を作ってくれているんだけど、これってホントにアヴァンギャルドか?そう思えるくらいこの変なバンドは万人にオススメできるものなのだ。

 でも、ヘン、だけどね。

 何がなんだろうか?リズムもメロディもベースもあるしちょっとカラフルに彩られた音色が入っているだけで、一体何がヘンなんだ?メンツだけで決めていないか?という側面も大きいと思うけど、実際聴くとやっぱりどこかヘン…。このアルバム「ソート・オヴ」は後の「Casablanca Moon」の素晴らしさには劣るが、そんじょそこらのバンドからしたら圧倒的に素晴らしい質の作品なのだ。どれもこれも愛らしい歌声が良くてね。

 でも、ヘン(笑)。


Faust - Faust IV

 クラウトロックそのもののタイトルを冠した曲を一曲目に配した正にクラウトロックの代表格でもあるファウスト。1973年リリースの4枚目のアルバムは見事にタイトルも「Faust IV」だし、ジャケットは五線譜の羅列だし、そもそもファウストってかな~りゆるくていい加減なバンドだったらしいとは聴くけど、この「Faust IV」っつう作品を聴くとそんなことどうでもよくなってきて、ミニマルミュージックの音の洪水に飲み込まれてしまう。一般的なクラウトロックと違って割と温かみのある音色で迫ってくるので肌触りが良いのかな、などと勘違いしてしまうような音だ。

Faust IV ファースト・アルバム

 1973年リリースのタイトル通りファウストの4枚目「Faust IV」で、衝撃的な「ファースト・アルバム」からはかなり発展した音とも云えるワケで、一般的な感覚では理解しがたい発展系ではあるんだろうけど、紛れもなく発展している。何といっても音楽らしきものをやっているのだから。しかもそれが高度にコラージュされ、その中でもきちんとミニマルしていて反復ビートも心地良く流れている…、最初期のあの攻撃的なサウンドコラージュだけではないのだ。

 な~んて知ったかぶって書いてもねぇ(笑)。いやぁ、どんなんだろう?って気になって聴いているだけなので歴史的な背景とか音楽的なバックボーンとかアルバム毎の推移なんてよく知らないんだけど、「ファースト・アルバム」は衝撃的だったからそこからどうなったんだろ?っていう興味が今回聴きたくなったきっかけだね。もしかしたらピンク・フロイドの「狂気」も超えてしまう作品を作り出せたかもしれないバンド…とまでは言わないけど、少なくともフロイドよりも先にこういう世界に到達していたバンドだし、ユニークの塊でもある。

 多分これもハマる人はハマるんだろうなぁ…。静かなトコロで一人ひっそりと聴いていたら面白くなってくるし、どことなく愛着が沸いてくるし、しかもサウンドコラージュが絶妙に入ってくるから幻想の世界にも入り込むし、楽しい…。ん?ヤバイか?自分…。ファウスト聴くならこのアルバムからが一番わかりやすいかもしれないなぁとも思うけど、結局全部聴かないとわかんないし、聴いてもわかんない、かも(笑)。ただ、実験的且つ攻撃的なことはどれも一緒なので、それってロック、だよ。

 しかしYouTubeでライブ映像なんてのがあって見てみると結構普通のロックバンドなんだけどなぁ…。

Can - Tago Mago

 クラウトロックと言っても幅広い…、アヴァンギャルドと言っても幅広い…、う~ん、あまり極めたくないと言うか極められる世界ではないなぁと今の自分は思う。ただ、その主旨はロックとかパンクとかと大して変わらないと思っていて、所詮表現の違いなんだろうというのがあるから違和感はないんだよね。何かをぶつけたいだけ、みたいなのは伝わってくるからロックの世界でも受け入れられる人が多いんだと。しかしアヴァンギャルドの方向性ってある意味難しいだろうなぁと立て続けに聴いていると思う。

Tago Mago Future Days


 1971年リリースのサードアルバム「Tago Mago」。「Future Days」という最高傑作が知られるカンだけど、初期の実験的精神旺盛な頃の名盤としてはこの「Tago Mago」もよく挙げられるらしい。自分もカンを知ったのは多分この「Tago Mago」だったもん。ダモ鈴木という日本人が参加しているというのも日本ではウケが良いんだろうけど、この時代にこんなアヴァンギャルドなことをやる日本人がよくもまぁ、ドイツに行ってて、しかもこんなバンドのメンバーと知り合うものだと不思議な感じ。実際はカン側がダモ鈴木氏の街頭パフォーマンスを見て勧誘したとか…、まぁ、それでも奇遇な出会いだよね。運命なんだろうな。

 それで、音の方はだな…、サウンドコラージュとか何かよくわかんない音が鳴っているのではなくってしっかりと音楽してます。バンド形態のドラム、ベース、歌がちゃんと機能しているので、しっかりとロックバンドとして聴ける…ハズ。しかしまぁ、ビートが効いてるとかじゃないし、英国のプログレというような世界でもなくてもっと破壊的で攻撃的な音…、精神的に、っていう意味で。硬質で乾いた音の中に冷たい歌が情熱的に歌い上げているという不思議な構図で…、アナログ時代には二枚組でリリースされていた大作なんだけど、これさ、一気に聴けてしまう力強さがある…。なんでだろ?引き込まれるんだろうな、この世界に。単調さはもちろんあるんだけど意外さも展開もそこに含まれていて雰囲気に流されるというようなものじゃなくてしっかりと音が追っていけるからこそ時間を感じないっつうか…。

 3曲目の「Oh Yeah」という曲ではダモ鈴木さんが日本語で歌っているんだけど、全然わからん(笑)。完全に楽器のひとつとして歌が機能してしまっているからだろう。んで、何と言っても圧巻だ~ってのは「Peking O」っつう曲で…、最初から異常な緊張感の中に叫び声が反響しながら迫ってくる恐怖…、うわぁ~攻撃的だ~と感じるんだけど、これってパンクより凄いぞ…。人間の精神世界の怖さと言うのか、もの凄く冷徹に硬質な音が迫ってくる…。凄い…。叫び声とピアノのジャムセッション、そこにリズムマシンが絡む…。

 ただ、こんなの毎日聴いてたら病み付きになるからヤだな(笑)。しかしアマゾンみるとホント何回も再発されているし、売れてるんだろうな…。凄い世の中だ。

Kraftwerk - Kraftwerk

 クラウス・ディンガーが過去に在籍していたバンドとして有名なクラフトワーク。う~ん、書いてしまうと非常に簡単な言い方なんだけど、自分的にはそれを知った時って結構驚いた。何がって、クラフトワークって70年代後期のバンドだと思ってて、それこそYMOとかと同じ頃にヨーロッパで活躍していたっつう感じで認識していたので、それがクラウス・ディンガーが過去に在籍していたってどういうこと?みたいな(笑)。ノイ!の方が早いと思ってたもんなぁ。結局クラウス・ディンガーはクラフトワークになってすぐに離脱したみたいで、すぐに「ノイ!」を組んでリリースしているんだよね。だから不思議なもので、まるでEL&Pのグレッグ・レイクがクリムゾンにいた、みたいな感じで、どっちもビッグネームなワケだ。

Kraftwerk The Man-Machine
 1971年リリースのクラフトワーク最初のアルバム「Kraftwerk」。この時点で既にクラウス・ディンガーは不在なのだが、後に「The Man-Machine」などで聴かれるテクノポップなどというようなサウンドを最初からやっていたワケではないことがよくわかる、実験的サウンドの塊。ただ、一連のクラウトロック系のアンビエントな音からしてみたらかなりポップなのでそういう意味では十分にメジャー作品として聴けるのだが、本人達からは完全否定抹消されている作品らしく、未だにきちんとした形でCD化されていない模様。アマゾンとかで買えるのはイタリアのレーベルがリリースしたブツで、まぁ、オフィシャルっちゃぁオフィシャルだけどね。

 音的には、別に聴いても聴かなくても害のないものなんだけど(笑)、かなり固定された楽器の中で実験的にテーマを奏でているようなもので、不思議と暗さとか重さというものは感じない。淡々と垂れ流される無機質な音、うん、きちんと音楽しているのでその辺聴きやすい。後のテクノポップ路線へのシフトもよくわかる音。だけど本人達否定するように決して作品的にという意味ではないなぁ(笑)。好きな人は好きになるだろうけど、それにしては稚拙かもしれん。そこで以降の路線と傑作を発表していくワケだな。それにしてもコンセプトがしっかりしているバンドだったものだ。そして今でも現役で活動しているってことは既に40年近くやってるってこと?うわぁ~、知らなかった。そんなに長いんだ。

Neu! - Neu!

 何とはなしにジャーマンロック…クラウトロックというものに接したくなった。接する、というのは音楽を聴くという感じではなくってやっぱり接する、なのだ。ロックって深いなぁ~と思う世界を久々に体感♪ ドイツ産ロックだからジャーマンロックってのでもなく、ドイツのプログレだからジャーマンロックってのでもなく、ジャーマンロックって不思議な響きと意味合いがあって、更にクラウトロックとなると正にプログレではない、はずだ。プログレッシヴを超えてるんだもん(笑)。アヴァンギャルド、ってのともちょっと違って…、何というのかミニマルミュージックが相応しいのか果たして云々…。

ノイ! ノイ!2

 「ノイ!」と読むハズだ。英語の意味は「New」なのだろう。先日このバンドの中心人物のクラウス・ディンガーが亡くなったとのことで、あちこちでこのアルバムジャケットを目にした。う~ん、これが1971年リリースのファーストアルバムなんだけど、誰が好んでこんなのをメジャー配給でリリースしたんだろうか?まぁ、聴きようによってはリラクゼーションの部類に入るサウンドなのかもしれないけれど、ロックの世界で聴くと、そして間違った入り方すると「へ?」ってな音にしか聞こえなくて絶対一般化されるはずのないサウンド、でしょ。

 ところが音楽の不思議な世界、そして嗜好性の不思議な世界が化学反応を起こした時、またはそんなタイミングの時に聴くとだな、これが非常~に心地良かったりして恐ろしい。自然のリズムというか感性に響くというか、天然の奏でる音なのかあまり深く解明できるものじゃないけど、快感にすらなってくるから恐ろしい。勘違いされると困るので一応書いておくが、サウンドコラージュが散りばめられた音なので普通の音楽ではありません。そこには歌も歌詞もギターとかそういう音もなくて、メロディであるのはベースくらいか?まぁ、鍵盤もあるっちゃぁあるが、期待するようなものではない。

 これさ、最初の「ハロガロ」っつうのからして10分強なんだが、心地良いんだ~。おかしいんだけどさ、集中して聴いてしまうんだよ。これを愛聴盤とする人って多いんだろうと思う。ただ非常~にインドアな世界なので何とも言えないが…。ハンマービートと呼ばれる類のものらしいんだけど、やっぱりハマる人にはハマるね、こういうのは。

 う~ん、クラウトロックの世界、やっぱ深いわぁ~。

Van Der Graaf - Vital

 これぞ進化し続けるプログレバンド、と声を大にして云えるバンドは実はそう多くない。キング・クリムゾンはそういう意味で明らかに進化する、というよりも進化し過ぎているというプログレッシブ・バンドだとは思うけど、フロイドにしてもEL&Pにしてもイエスにしてもジェネシスにしてもまぁ、それぞれ変化してるけど、革新的な変化じゃないと思うし。ポップ化ってのはちと違うしさ(笑)。そんなことは実際的にはどうでもよくて要はその時々の音が楽しめれば良いのでそもそも瞬間的なシーンを切り取ったアルバム、として聴けば良いんだけどね。しかし、良い意味で今聴いても圧倒的に裏切られて革新的だと思うアルバムがある。バンド自体はそんなに革新的というものでもないのだけど、このアルバムはそういったイメージを破壊するパワーを持っている。クリムゾンで言うならば「Earthbound」ってトコロか。

Vital スティル・ライフ(紙ジャケット仕様)


 「バイタル」。1978年リリースの強烈なライブアルバム。同年1月16日ロンドンのマーキークラブでの収録と言うから、如何に狭いハコでこの偉大なるバンドがライブをやって録音したか、そしてとんでもなくヘヴィーで迫力のあるライブをしたか、そして時代はパンク真っ盛りの中、場所もマーキーとあればパンクとのせめぎ合いも当然あっただろうが、全くヒケを取らない、いや、それ以上に破壊的なパフォーマンスを魅せたヴァン・ダー・グラフのライブ。静かなる詩人ピーター・ハミルの属するバンド、だ。

 マジメにこれ、聴くと最初からぶっ飛ぶ。ヴァン・ダー・グラフを知っているかどうかではなく、普通に聴いてぶっ飛ぶと思う。初っ端から何と破壊的な曲なのかと驚くし、その破壊性はもちろんピーター・ハミルのボーカルに負うところが大きいんだけど、ギターのヘヴィーさも、そしてなんと言ってもベースの破壊力、バキバキ、ブイブイの音で全てをぶち壊すように攻め立ててくる素晴らしく破壊的な構築美。そして1975年の名曲として知られている「スティル・ライフ」の全く異なるアレンジによるプレイ。ここではオルガンなどには全く頼らず、ひたすら破壊的に、そして叙情的に、そして繊細に楽曲を再構築してリスナーを撃沈させる、そんなプレイを楽しめる、というか、衝撃を与える、か。ほんとに同じ曲かよと思うくらいのプレイはもうぐうの音も出ない程。以降もヴァイオリンの繊細さを聴かせながら素晴らしい緊張感を打ち出していながら、相変わらず攻撃的なベースによるリードからピーター・ハミルのパンクそこのけの歌声が世界を覆う、これがあの美しいプログレッシヴロックの組曲を編み出してきたバンドのライブの音なのか?ザ・フーのピート・タウンジェンドのスタジオとライブの変貌など可愛いもので、このバンドの化け方は音を聴いてみないとわからないだろう。

 ちなみに「バイタル」に収録されている楽曲の大部分は当時未発表曲で、何曲かはピーター・ハミルのソロ作で後にリリースされているが、この時点では当然ヴァン・ダー・グラフの作品として検討されていたものだと言われる。このままパンク時代にリリースしていたら若いファンが付いたのかもしれないが…。そもそもアルバムリリースの資金集めのライブだったとも言われていて、それなのに昔の楽曲のライブ盤という選択ではなくこれほど斬新なライブを届けてくれるのは逆説的にパンク時代に合わせたものかもしれない。

 「バイタル」を聴かないでヴァン・ダー・グラフは語れないだろう、と思う。これぞバンドの真髄で、繊細さ叙情性から破壊性と攻撃性、それらは全てキング・クリムゾンに劣るモノではない。うわぁ~~これ凄いわぁ~!

Jethro Tull - Aqualung

 どこかのお姉さんには三大ジェがダメという人もいて、更にヴァン・ダー・ジェ、も加わるとか…、いやいや、決して分からない話ではなくって割と近い感覚としてダメに近かったかなぁと気になることもあるんだけど、どれも巧くて独自性が強いし、個性的だし、自分の感性がまだまだ未熟だった頃に聴いたので苦手意識ができたのかもしれない。いや、今回のはそんなことは最初だけで今や割と愛聴盤に近くなっている作品のジェスロ・タル「Aqualung」。

Aqualung Stand Up

 1971年リリースのジェスロ・タル4枚目の作品で、全部聴いてないから断言できないんだけど世の中的に名盤との誉れ高いアルバム。ジェスロ・タルの場合はそうだなぁ、ファーストから「Songs from the Wood」あたりまでしか聴いてないからアレだけど、これこそゴッタ煮ロックの象徴かもしれない。フルートをロックの世界に持ち込み、あれほどまでに下品な楽器にしてしまったのもこの人、イアン・アンダーソンありきの話だろうしね。老人の乞食の格好で出てくるワケだし、そりゃ英国的なジョークっていうのもあるのだろうが、やっぱりヒネたセンスが凄くて、それはこのアルバムの曲のそこかしこに反映されている。

 冒頭のタイトル曲からしても妙~なリフと曲展開で一般的なビートの効いたロックとは全然異なるものだってことに気付くだろうし、それじゃプログレか?って言われるとそうでもないよな、これ、と思う。あるがまま、好きに曲作ってヒネて演奏してみたらこうなった、っつうところで、歌詞とかも多分深い意味があったりするのかな、とにかく最初は「?」だけど慣れると音楽的に凄く面白い。あり得ない展開とか平気でしていくので恐ろしい(笑)。2曲目ではフルートソロがやっぱりフルートの音していて、こんなに攻撃的か?ってくらいにノリの良いフルート、そうそうないぞ(笑)。

 アルバム的にはそんなロックと叙情的なアコースティックで牧歌的な曲があれこれと入れられているので、英国~って感じで良い。そういう小曲がいいんだよなぁ。イアン・アンダーソンの歌の巧さもよくわかるし。で、4曲目、「Mother Goose」のタイトル通りにアコースティックの牧歌的なトコロにフルートが入ってきてしかもパーカッションはなんだろ?タブラ?う~ん、英国的情景が目に浮かぶような素晴らしい雰囲気と展開。次もアコギで叙情的な風景を映し出してくれる曲で聴いて驚くなかれ、ジェスロ・タルというバンドはこういうのが真髄なのだ(笑)。

 フルートを堪能したかったら実にユニークな「My God」をオススメするね♪ やっぱりヘンなバンドだなぁ、ジェスロ・タルって(笑)。う~ん、プログレッシヴロックバンドって誰が言ったのか、この人達もツェッペリンも大いなるイメージの誤解をされているバンドかもね。しっかりと英国フォークの土壌や情景があってこそできるロックを奏でているワケで、単なるロックバンドじゃない。故に70年代はZeppにヒケを取らないくらいの人気を誇ったり、国民的バンドの側面を持ったりしていたワケで、そりゃそうだと納得する素晴らしき作品。アルバム後半は割とハードなロックを展開するので、盛り上がって、そしてエンディングという起承転結なアルバム作りもしっかりしてる。

 今は25周年記念盤ってことでボートラ付きのが出ているので入手には良いチャンスだし、イアン・アンダーソンの片足フルート吹きもYouTubeで見れるし、幸せな時代です。ジェスロ・タルの映像なんて全然見れなかったしなぁ。

Gentle Giant - Acquiring the Taste

 いやぁ~苦手ついでにどんどん苦手バンド書いていこう(笑)。こうでもしないとなかなか手が伸びないのは必至なのでおさらいするには丁度良い♪ 苦手バンドって言っても音楽的に全く受け付けないバンドと単に好き嫌いのあるバンド、それとどうしてもきっちりと聴いていないがために苦手になってしまっているバンドっていう感じに分かれるんだな。だから時間掛けてじっくり聞き込めば好きになる、というかしっかりと理解できるっていうバンドはもちろんたくさんあるんだろうと思う。ただ、そこまで入り込むのにちょっと時間かかるっていう=難解さに取り組むっていうのがある代表的なのがジェントル・ジャイアント。徐々に聞き込むようにはしているんだけどまだまだ取り組みが甘くて、真剣にしっかりと一枚一枚を聴いていくとハマること間違いないと思うんだけど、それはそれで実に時間が割かれることもあってなかなかできていない。

Acquiring the Taste Gentle Giant

 1971年リリースの二作目「Acquiring the Taste」。相変わらずジャケットのインパクトが強烈なアルバムでデビュー当時からバンドの音はもちろん売り方としても変なおじさんを出すことでインパクトを与えるなどと多々考えられていた様子だが、もちろんヴァーティゴからのリリースなのでメジャーにはなかなかならなかった…、ただし演奏能力はハンパじゃなく巧くて、楽曲の構成などもとんでもなくユニークなものだった。ただしその分当時何となくいい加減でもあったロックという世界にはあまりにもきっちりと作られすぎた感があって、それが難解という印象を思わせたんじゃないだろうか、と自分的には思う。

 そしてじっくりと聴いてみた「Acquiring the Taste」。やはり恐ろしくレベルの高い音で、プログレっつうか、正にプログレッシブなサウンドを奏でているとしか云えない。一般的なロックの領域ではなかなか出てこないであろう楽器がこれでもかとばかりにカラフルに飛び出してくるので、その音色の豊富さに戸惑う。一曲目からして7分弱の曲なんだけど、ムーグから始まってなんじゃこりゃ?っつうくらい多彩な展開、管楽器は出てくるはソロは唐突にヴィブラフォン?か何かだし、その後には突然ディストーションの効いたギターソロだったりしてなんのこっちゃ?と不思議な音がたくさん出てくる。それでいて聴きやすいメロディや楽曲の構成で、しっかりとロックっつうかポップな側面も持っているし、もちろん変拍子ってのもそんなにヘンに聞こえないくらい普通に変拍子してる(笑)からさ、面白いね。

 たまたまロックのフィールドにカテゴライズされているけど、もともと凄く色々な音楽を知っている人達なので、クラシックにジャズや他の黒人音楽、もちろんロックやポップスというものを消化して自分達のサウンドを出しまくってるという感じかなぁ。コーラスワークも当たり前のようにボーカルですら何人かで分け合っているし、その辺の常識から逸脱しているあたりがこのバンドの魅力か。

 後で評価されているけど、当時はバンドが売れなくて解散を考えていたと言うからミュージシャンは難しいものだ。その意思の表れはこのアルバム「Acquiring the Taste」のプロデューサーにあのトニー・ヴィスコンティを迎えて制作したにも拘わらず、ということもあるだろう。

Genesis - Foxtrot

 その本家本元ジェネシスはご存じのように1980年代には完全に別バンドになっていて、フィル・コリンズを配するポップバンドへと成り代わり、今またその形態とサウンドで再結成やら何やらと活動しているようで、一般的にはその方がウケが良かったので求められるのはその時代になっているんだろう。ま、イエスのように金のためと割り切ったつもりがそっちの方が面白かったってことだろうか。よくわからんが…。そんなジェネシスが1972年に放った一般的には名盤と呼ばれる作品「Foxtrot」を引っ張って聴いてみた。いや、マリリオンってなんでダメなんだろう?ってのをもう一度ジェネシスで確認したかったから(笑)。

Foxtrot Nursery Cryme

 「Foxtrot」。もちろん、何度も聴いているしやっぱり何回聴いても凄いアルバム。繊細さもあるし音の作り込みも美しさも正にジェネシスの世界。ピーガブだけじゃなくてスティーヴ・ハケットのギターの音色やここではトニー・バンクスの鍵盤にしてもそれをよく彩っている。逆にフィル・コリンズのドラムがどうってのはあまり感じないけど、多分裏方では相当役立っているんだろう。

 冒頭の「Watchers of the Sky」のイントロからしてユニーク。このリズム面白いなぁ~と思うし、そこに乗っかる歌メロと何とも言えない躍動感、ただし一辺倒では行かないプログレらしさ、っつうか英国らしさ、かな。次の「Time Table」だってやっぱり繊細な音色が全編を支配していてソフトに軽やかに優しくリスナーを和ませてくれる。こういうのってやっぱりジェネシスらしいよなぁ。メロトロンの支配力が強い「Get'em...」ではその手のファンを釘付けにする魅力を放ちまくってる。あぁ、ピーガブの歌詞の世界はよくわからないので割愛してるけど、それでもサウンドだけで十分に楽しませてくれるアルバムなので問題ないんだろうな。日本にもファンは多いし。そんなピーガブの多様な歌声が披露されていたのがこの「Get'em...」みたいで、へぇ~ってな感じに聞こえるので演劇性を楽しむには良い作品。当時のライブでは正に狐のメイクとドレスでキメていたらしい。やっぱり変人(笑)。

 ハケットの美しきアコギによる「Horizens」は些か硬質ながらもメロトロン一辺倒な作風のアルバムにアクセントを与えてくれる。いやぁ、これがまたメランコリックでギター一本だけで心地良い世界を奏でてくれているんだよね。それに続いて対極「Supper's Ready」へと。正にプログレらしい曲で23分もの長さ♪ もちろん叙情的に始まり鍵盤の繊細な繋ぎで曲調を変えていき、お得意の世界をガシガシと広げていく、これぞジェネシス、なワケだ。彼等の変拍子ってどういうわけかあまり変拍子に聞こえないので覚えやすい。それがジェネシスを聴きやすくしていると思うんだけど、メロディがあっての変拍子だからだろうね。それでいて軽いっつうのも強みか。そしてこの曲も同じリフレインをひたすら繰り返して盛り上がって最後はピーガブの陶酔の世界を気持ち良く歌い上げて終演を迎えるというモノだ。

 久しぶりに聴いたなぁ…。ホント良くできたアルバムで構築美と言い、陶酔度と言い、名盤とされるワケだ。またファンも多いし、聴いて当たり前だもん。他のジェネシスの作品と比べてもやっぱり良い出来だと思う。うん。で、好みは別ね(笑)。個人的にはやっぱりダメなんだ、これ(笑)。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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