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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Marillion - Misplaced Childhood 

 1980年代頃に出てきたプログレッシヴバンド=ポンプロックと呼ばれるバンドについてはまるで詳しくない。当時から最近に至るまでほとんど耳にしていないし、しても軽く適度で、それもどこか軽い感じにしか聞こえなくてまともに接したことはない。なのであちこちで一応レビューらしきモノを目にするけど実際どんな音なのかあまり気にしたことなかったんだよね。ま、機会あれば、と思っていたんだけど、ここのところゴシック系やなんやと聴いているとポンプロックの流れも引き合いに出されることがあって、ならばどんなものかと正面から向き合って見ますか、ということで手を出したのが名盤の誉れ高いマリリオンの「Misplaced Childhood」という作品。

Misplaced Childhood The Thieving Magpie (La Gazza Ladra)
 1985年リリースの全41分に渡るほぼノンストップのアルバムで彼等の、というかポンプロックの世界では圧倒的な名盤として君臨している、らしい。確かにジャケットもよく見かけたしフィッシュの名前もよく聞いたなぁと聴いてみることにしましたが…。

 ん〜、あまり得意じゃない音でした。それは多分簡単なことでボーカルのフィッシュの声質が軽くてマイルドで全然ロック的じゃなくて、しかも音そのものも非常に軽くてよろしくないからだな。構成美や展開やもちろん英国的な繊細な気遣いとか楽器の音色などはさすがに良くできているなぁと感動的な部分もあるし、特に二曲目の「ケイラー」のポップさはかなり面白いなと思えるんで、作品的にはさすがだなぁと思えるアルバム。ドラマティックな展開もコンセプトアルバムとして出来上がっているのでよく練られているし、素晴らしいものだ。この軽さも英国らしいといえばらしいところなので全否定ではないけど、好みの問題だな(笑)。

 ジェネシスのコピーバンド、とはよく言ったものだ。ジェネシスも個人的には得意じゃないけど、同じ流れのポンプ系のバンドは多分これで全部ダメなんだろうと言うことに気付いた。う、、単純に聴いていて面白くない、それだけ。ジェネシスも同じ感覚があって、「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」あたりとマリリオンの「Misplaced Childhood」はかなり被る。演劇性や音的なものも含めて。p−ガブの世界は自分的になかなかわからないのだけど、同じ理由でマリリオンの世界も多分まだわからない。

 他のバンドIQやペンドラゴン、パラスなんてのはどうなのか知らないんだけど、多分挑戦することなく別のバンドを聴くんだろうな、と。ジェネシスフォロワーかぁ…、やっぱりダメだぁ(笑)。

Northern Kings - Rebone 

 いやぁ〜、これもいつものブログ仲間Hiroshi-Kさんに感謝♪ またアクセス増えるのでHiroshi-Kさん、よろしく(笑)。なんかツボにハマる音を紹介してくれることが多くて、多分感性的な部分が似ているところがあるんだろうなぁなどと一人で思っているんだけど、新しい音については特に情報を貰うことが多い。それこそがブログやってると面白いなぁと思うところで、もちろん他にも色々な人と情報を共有させてもらったりするんだけど、何つうのかな、自分が知っているものだと知ってるから新しい情報ではないし、知らなかったら知らないで興味のアンテナに引っ掛からないから、微妙に知ってるけどちょっと待てよ、みたいなのが一番気になるんだよね。そういうので今回も思い切り引っ掛かったのがこれ。こういうのって情報だけの話だからさぁ、どうやって情報入れるか、なんだよね。

 話変わるけどそんなことでこないだ失敗したなぁってのがアリス・クーパーの来日公演。知らなかったもんなぁ…。知ってたら行ったかもしれないのにな。今彼は70年代のライブの焼き直しをやっているみたいなので是非見たかった。知ってれば…と悔やまれる。

Reborn

 さてさて、このアルバム「Reborn」自体は昨年リリースされていたらしいけど、この人達そんなにヒマじゃないだろうからっわりと根気よく参加できる時間と睨めっこして作ったんだろう。ナイトウィッシュのベース兼ボーカルのマルコ、ソナタ・アークティカのボーカリスト、トニー・カッコなどなど。みんな仲良いかどうか知らないが正に北欧の王達と呼ばれるに相応しい面々で彩られた作品。そして歌われている中身は80年〜90年代にヒットした曲ばかりで、どれもこれも聴いたことのある、もしかしたら滅茶苦茶好きで、知っている曲ばかりなのだが、それが全く別の曲として、正に北欧メタルバージョンとしてカバー…と言うのか、歌メロ以外は全部独作だろう、ってなくらいにぐちゃぐちゃにされて収録してある。いや、ほんとに何これ?ってなモンで、ハードロック系統のものならばまだしもポップス系列のものまで北欧メタルなので素晴らしく驚く。ライオネル・リチオの「Hello」なんて、「おい!っ」てなくらいだし、レディヘの「Creep」だって「は?」ってな感じで…、ボウイの「Ashes To Ashes」だって原曲のリフはどこだよ?みたいなもんで、ジェスロ・タルなんてこんなにヘビメタになるのか?って感じでビリー・アイドルのヒット曲「Rebell Yell」だって、原曲忘れたぞ、これ、思い出せないくらい無茶苦茶になってるぞ?って感じで、とにかく面白い。単純なカバーアルバムとして捉えるよりも、ゆとり、だろうね、こういうのは。

 ってなことで、冗談みたいだけど時代が流れるとこういうのもアリってな感じでいっぱい出てくるから楽しみは増える。これから90年代のロックなんてのもそのうちこうしてカバーされるようになっていくんだろう、きっと。

Within Temptation - The Heart of Everything 

 なんだかんだと言いながらも美しく妖しくハードな世界を求めるとウイズイン・テンプテーションに戻ってくるのかねぇ(笑)。いや、そんなことはないんだろうけど、先日アルバム「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」が再リリースされたのでちと入手してみて見てたのでそんなこと思った。やっぱり圧倒的に心地良いもんなぁ、と。しかし最近のアルバムリリースって反則だよな。新作出ましたって時は普通にアルバム曲しか入ってないワケで、日本盤だとせいぜい数曲、先行シングルB面曲とかがボーナストラックで入っていて、それでもお得と思って入手するんだけど、ここ最近はその後来日公演とかしたり、どこかのライブなんかをボーナスディスクとしてディスク2に入れて再リリースするという手法が用いられていてさ。ウイズイン・テンプテーションの今回の「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」にしても昨年リリースされているけどそれに合わせた来日公演の模様をDVDで収録して再リリースっつう…。いや、自分は安い英国盤を入手したんだけど(笑)。あ、ちなみに英国盤はPAL形式リージョン0なので一般的な国内DVDプレーヤーでは再生しないんだろうな、と思いますが、最近はもっぱらMacでしか再生していないので問題なし(笑)。

ザ・ハート・オヴ・エヴリシング~スペシャル・エディション(CD+DVD) ザ・サイレント・フォース(DVD付)


 2007年リリースの美しくも素晴らしい作品で、多分この「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」と前作「ザ・サイレント・フォース」は歴史的名盤になるだろうと思う。今後どういう作品をリリースしてくるかわからないけど、このクオリティを維持、もしくは超えるってのは難しいだろうなぁと。何せ捨て曲なしで、どれもこれもが心地良くそして気持ち良くさせてくれるもので、彼等の才能の豊かさには驚かされるばかり。今回のDVD付きスペシャルエディションにはアコースティックのライブ=生ピアノでのライブ演奏も加えられているんだけど、これはまたシャロン嬢が歌い方とキーを変えて歌っていて新鮮だしね。それよりもアルバム本編の曲は最初から最後まで口ずさみやすく、そしてロック的で重い部分もあるしメロディアスでもある。それでいて クラシカルな旋律を奏でているし、歌声は何かを突き抜けるような勢いで迫ってきて歌を聴くというよりは歌に溶け込まされるというような感触。自分だけかもしれないが音と一体化できる歌なんだよね。

 それでDVDの方だが、残念ながら自分はこのライブには参加できなかったので期待満々で見たのだが、まずは最初からDVDでリリースすることを想定していなかったのかハンディカメラレベルの画質と動画サイズなので少々画面が粗かったり暗かったり録画技術もいまいち問題あるだろうっていうくらいの代物だけど生々しいライブ感はその分よく反映されていて、これが普段のウイズイン・テンプテーションなんだよっていう姿がよく映し出されているんだと思う。だからこそ彼等もリリースをよしとしたんだろうけどね。作られていない生のウイズイン・テンプテーションってことで。いやぁ、ライブでも全く変わらないシャロン嬢の歌声に、バンドのメンバーの息の合い方も見事なもので、結構シンプルな楽器構成なのにあれだけ壮大なオーケストレーションってできちゃうもんなんだな。今の時代の楽器は凄い。そしてステージ後方には壮大な街並みの景色と中央部では照明でアクセント的に情景が映し出されるというセットでしっかりと雰囲気的にもゴシックしているという、DVD化された中では初めて見た最新ツアーの模様でよろしい。選曲は「「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」からの曲を中心にセレクトしてあるけど終盤は名曲の嵐で感動のフィナーレ。「アリガトウ」を連呼するシャロンとバンドの様子からすると相当日本でのライブは嬉しかったような印象だ。

 近いうちにまた来日公演してくれないかねぇ。こんだけの大柄な美女が歌う姿ってやっぱ見てみたいし、生での迫力も体感したいしね。夏フェスじゃなくて単独来日を願うところ。

Ayreon - The Human Equation 

 ゴシック系を漁っている時にStream of Passionという実にメロウでダークなバンドを発見して、その天使の歌声に感動していたりしたんだけど、それもさることながらそのバンドを包み込む雰囲気がかなり異色で特徴のあるもので、何なんだろうなと思いつつ、まぁ、身を任せながらってトコだったんだけどあれこれと追求していくとどうやら、このStream of Passionと言うのはオランダのアルイエン・ルカッセンという人のサイドプロジェクトでもあるらしく、この人何者?ってことで調べていくと元々はヘヴィメタバンド、ヴェンジェンスのギタリストで云々、1990年代半ば頃からはアイリオンっつうプロジェクトを始動させながら実に多様なことを試みていると書かれていて、結構多彩な活動をしている人なのかな、と。そんなことまってならばちと試してみましょう、ってことでAyreonっつうのをあれこれとかき集めて来ました。その中で最も名作と呼ばれているのがこちら「The Human Equation」。

The Human Equation Into the Electric Castle
 2004年のCD二枚組の作品で、とにかく完成度が異常に高いコンセプトアルバム。ま、ロックオペラとも言うのだろう。ストーリー等についてはこちらのサイトが詳しく書いているのでご紹介しときます。まぁ、なんだ、プロジェクトとして活動しているからメンバー固定しなくて良いし、自分の好きな曲をふんだんに書いて世界にハマって世界的に名を挙げている友人達にゲスト参加で手伝って貰うという贅沢な環境下で薦められるレコーディングを続けていて、以前のアルバム「Into the Electric Castle」でもWithin Temptationのシャロン嬢参加とか色々あって、今作はドリーム・シアターのボーカリストさんが主役で参加とかね。その筋では色々と有名な人が参加してキャラクターを創り上げているらしい。その辺は詳しくないのだけど、音的には見事なまでの出来映えで、オープニングのスリリングさからメタル的なアプローチにプログレ的展開、そしてメランコリックなフォークを散りばめて人間臭さを出しながら終盤に向けて盛り上げていくという。そしてStream of Passionでも聴き慣れたマルセラ嬢のボーカルがこれまた心地良く聞こえてきたり、とにかく多様な声が聞けるので、飽きない。そして楽曲の幅も広いので飽きない。それでいてストーリーがしっかり出来ているのだから飽きるはずのない作品にもなるわな。オランダ人でこんだけフォークにも味があるっての珍しいんじゃないかなぁ。ヘヴィさも持っててオーケストレーションもあってさ。聴き始めると一気に聴くアルバムで決してiPodなんぞでながら聴きしてはいけないね(笑)。

 まだまだ勉強不足の世界なので音を聴いた程度での書き込みでダメだねぇ。いや、ほんとにかなりの好盤でして、プログレとかゴシックメタルとかそういうの全てを含み持った作品で、70年代プログレ好きからすると少々うるさい感じはあるけど、楽曲レベルはもうクラシック並みの高さ。ヘヴィメタ好きからからするとちょっと凝りすぎに聞こえるだろうから、難しいかな…。ってなことでなかなかメジャーに開花していかないのか、日本だけなのか、はたまた凄く実は人気があるけど自分が知らないだけなのか。そもそもアルバムが6〜7枚出ているんだからやっぱそれなりには知名度もあるし売れてもいるんだろう。これは久々に深くまでハマり込まないと理解しにくいアルバムに出逢ったな、と。何てったってケン・ヘンズレーまで参加しているんだから捨ててはおけないでしょ♪

Paradise Lost - Draconian Times 

 ゴシックメタルという語源はどこから出てきたのか?いや、そのままだから別に気にすることもないんだけど、どうやらパラダイス・ロストというバンドの1991年の作品「Gothic」というアルバムに発端を求めることが多く、今や割と定説になっているようだ。しかしまぁ、このバンド自体は元々デスメタルというカテゴリーに属していたので自分的に聴くことはなかったのだが、バンドというモノは進化するもので、徐々にデスメタル領域からメロディアスでゴシックな世界に移行してきたようだ。そこでは既にデス声なんつうものは封印してしまって、圧倒的な貫禄を誇る荘厳なメロディとアレンジ、そして暗く重く美しい世界を構築してきた最高峰のアルバムがこちら。

Draconian Times Gothic
 「Draconian Times」1995年リリース作品。このバンド、別に女性ボーカルじゃないし大して興味も持たなかったんだけど、何と言っても英国出身のバンドってことで、引っ掛かった。英国出身のバンドがゴシックの世界を創り上げるとどうなるんだろう?って。しかもオトコの普通の声でメタルを基準にしたとなるとやはり英国の荘厳さ、貫禄と言ったものがどういう形で出てくるのかなぁと。

 結果論:素晴らしく英国的な貫禄と雰囲気と空気と圧倒的な荘厳さと存在感と美しさで聞き手をその世界に誘ってくれました。ゴシックメタルとか何とかっていうか、ハードな音で英国のダークな側面を映し出してくれた、しかしそれすらも美しく…と言う感じで芸術的です。このアルバムで聴ける音は間違いなく英国のしかもアンダーグラウンドな香りたっぷりのヘヴィロック。しかもこのアルバム「Draconian Times」は彼等の歴史の中でも名盤の誉れ高く、ゴシックメタルの世界でも当然地位を確立しているので、もちろん世界的なレベルでも素晴らしい出来だろうなぁ。

 なんかね、聴いていると懐かしくもあり、そしてハードでもあり、でも凄くモノ哀しいという感じに襲われてハマるんだよ。曲作りが英国的なんだけど、無理がないっつうか、70年代にはこういうバンドなかったから例えられないんだけど…、正に新世代のバンドなんだろうな。もう10年以上前の話だが(笑)。なかなか面白いのでこれからもちょろちょろと聴いていこうかなと思ってるバンド。アルバムはもう十数枚出ているってことなのでこれまた根気がいる事ではあるが…。

Draconian - Turning Season Within 

 タワレココーナー展開にあれこれと一緒に置いてあったのでついでにと思って聴いてみたのが、スウェーデンのドゥーム系男女ボーカルメタルゴシックバンド、とかいう触れ込みのドラコニアンっつうバンド。う〜ん、名前だけはゴシックにハマっていた時に見たことあるけどオトコのデス声なんていらん、と思って全然手を出していなかったバンドだったので、これを機にちょろっと手を出してみるかと挑戦。

Turning Season Within The Burning Halo

 こないだリリースされた新作「Turning Season Within」が4枚目?なのかな。これくらいってのはバンドにとっても成熟してくる頃なので大体3枚目とか4枚目ってのは名作になることが多いんだけど、このバンドもこの例に漏れずかなり出来映えは良いとの評が多い。とすると、これで自分に合わなきゃやっぱダメってことだよなぁと考えながら聴いてみると…、おぉぉ〜、初っ端から美しいお姉ちゃんの歌声で、しかも正にエンジェルボイスに相応しい透明感ではないか。しかも曲調は正しくヨーロッパの香りがプンプン漂ってきて、やはりこういうのがこの手の音楽の醍醐味だねぇ〜なんて舞い上がっていたらいきなりデス声が(笑)。まぁ、随分とこういう声にも慣れてきたんだけど人様にオススメするようなものではないのは確かだ。…とは云え、作品的に聴くとこの男女の対比っつうのはその世界を紡ぎ出すには良い手法なんだろうな。世界観はよく表れているし、その世界に入ってしまえば見事にその美しさに惹かれてしまう、そんなサウンドの完成度の高さは圧倒的かもしれない。

 ヨーロッパ的荘厳さと様式美、そして決して勢いやパワーだけではない芸術性が底辺に走っているので、優雅にアルバムが聴けるのが好きだね。例えそれがこういうドゥーム系バンドだとしてもその世界観は変わらない、正に大陸的なゆとりがないと出てこない音。そしてこのドラコニアンというバンドもスウェーデンでの位置付けはどんなものなのか知らないけど、レベルはかなり高いでしょう。テクニック面ではなくって音の作りがね。

 …とは言ってもやっぱりあのデス声は好きじゃないなぁ…。世界観は良いんだけどねぇ…、とちょっと残念な気持ちもあってまた違う世界に飛び込むのだろう、きっと(笑)。

Eyes Set To Kill - Reach 

 CD時代になってもアルバムジャケットのインパクトはあるものはある…、まぁ、やはりアメリカのバンドのジャケットというのはそれほどアート的な要素が強いのは多くないんだけど、それでも目を引くものはあってさ、先日のタワレコでコーナー展開されていた中に目立ったのがこれ。

Reach

 Eyes Set To Killっつうバンドで、男女混合編成のアリゾナ州のバンドらしくって、この「Reach」が二枚目だとか。ファーストからは女性ボーカルが脱退してしまったらしく、今回はギタリストのお姉ちゃんが歌っていて、なかなかキュートでよろしい。

 しかし、面白い試みがいっぱいあるんだなぁ。ゴシックメタルの世界ではデス声と呼ばれていたものがアメリカに渡ると何故かスクリーモ(咆哮)と呼ばれていて、まぁ、同じくデス声なんだけど、キュートで可愛い歌声とその咆哮声が入り混じってトーンを作ると言う感じか。ヨーロッパではそれが美しさと野獣という対比を醸し出すんだけど、そういうのではなくって単に入り混じっている感じ。まぁ、邪魔っちゃぁ邪魔なんだけど、もっと明るい感じで叫んでいるのでいいか、って(笑)。

 それでいてこのバンド、どんなんかと言うとだ、やっぱりエラクハードでヘヴィな音の上に可愛く歌声が乗っかり、先ほどのスクリーモ声も思い切り全面に出ているのでツインボーカルに等しい。ただ、女の子の声が可愛らしいので曲のヘヴィさとは裏腹にかなり聴きやすいし、洗練されているのはアメリカならではのセンス。もちろん何回か聴いて飽きてしまう部分はあるけど、悪くないアルバムで、ヨーロッパの一連のゴシックメタル系とはかなり異なっていてアメリカのラウドロックに女性が進出してきたと言うような感じが強い音作りかね。

Fireflight - Unbreakable 

 久々にタワレコに顔を出してみると相変わらずプッシュプッシュのバンドコーナーが展開されていて、情報満載♪ その一角を見ると何やらアメリカ出身のゴシックメタル風バンドがいくつか展示されていて、なんのことはないヨーロッパでは標準化?されたゴシックメタルというジャンルをエヴァネッセンスがアメリカに持ち込み、ラウド&女性歌モノってとこでヨーロッパのそれとは大きく異なる独特のジャンルを形成していったのだが、それに釣られていくつかのバンドが発掘されていて、その延長上で展開されていったバンドが新作をリリースしていったことでコーナー展開していたらしい。まぁ、中にはフィンランドのHIMとかもあったので一慨にゴシックとも言い切れないんだけどね。

Unbreakable The Healing of Harms

 んで試聴してみるとなるほど、こういう風に進化したのか…とそれなりに感心して、更にその独自性には驚きすら覚えたが、ファイアーフライトというバンドのセカンドアルバム「Unbreakable」。ジャケットからしてどこか陰鬱…でもないけど、ちょっと気になる印象で、女性歌ものってことなので余計にね、気になって聴いてみるんだけど、いや、これがまたヨーロッパで聴かれるゴシックメタルの陰鬱で荘厳な、という世界とはかけ離れていて、そこがアメリカ、しかもこの人達フロリダ出身っていうから驚く。あの脳天気なフロリダからどうしてこんなのが出てくる?みたいな(笑)。

 そうだね、音的にはヘヴィーなギターをバックに可愛いお姉ちゃんが歌っているってことでエヴァネッセンス的ではあるけど、歌メロは完全にポップスだから非常に聴きやすい。ついでにファーストアルバム「The Healing of Harms」も聴いたんだけど、どちらも結構なクオリティを保っていて、聴かないと損、とは思わないけど聴いてみても面白いかな、というくらいの出来映えじゃないかな。突出してヒットに繋がるような曲がないから何とも云えないけど、まぁ、悪くない。伸び伸びと歌う歌声が心地良いし、ギターのヘヴィネスさも個人的には結構よろしいと思うし、曲自体もよく練られているし。それでもどこか不満が残るのは多分荘厳さが足りなくてどうしても大衆向けのサウンドになってるからかな。とは云え、今のジャンル分けには割と属しにくい音かもしれない。


Thin Lizzy - Thunder And Lightning 

 シン・リジィを愛する英国の少年がそのままギタリストになり、あちこちのバンドのオーディションを受けながら晴れてタイガース・オブ・パンタンのギタリストになり、そのおかげで更にステップアップしたギタリストの座を射止める事となった。始めに自身のソロシングルのサポートにフィル・リノットを迎え、それ自体が凄い事ではあるが、そのセッションをきっかけにバンドの運営解散を決めていたフィル・リノットに最後の魂を熱くさせるアルバムを制作させた人、それがジョン・サイクスのシン・リジィ加入の経緯。何年か前にフィルなしでシン・リジィを再結成させて、自分で歌うっていうのをやった時点でこの人は心底シン・リジィが好きなんだなぁと思った。

Thunder and Lightning Life Live

 1983年リリースのシン・リジィのスタジオ盤ラストアルバム「Thunder and Lightning」。メンバーはもちろんいつもの三人にジョン・サイクス。この若者のエネルギーは老朽化していたバンドを明らかに活性化させ、70年代のトラッド路線からハード路線へ変化しながら突っ走ってきたシン・リジィというバンドを更に飛躍させる音楽性を持っていた。ジョン・サイクスのその後の功績はホワイトスネイクで開花し、一時代を築き上げたとも云えるが、それで没落したというのも事実でなかなか難しいものだなと思うが、後のBlue Murderあたりまでは勢いあったもんね。これがまた泣かず飛ばずだったので終わったんだが…。最近は何してるのか知らないけど、黒のレスポールにミラーピックガードを付けた勇姿はかなり印象的でそしてかっこよかった。

 と、まぁ、ジョン・サイクス寄りの話なんだけど、シン・リジィ最後のスタジオ盤である「Thunder and Lightning」は冒頭から思い切りハードでそしてこのバンドの特徴でもあるんだけど軽やかで勢いがある、そして必ず哀しみというキーワードが散りばめられている楽曲の塊で、最後にして更に名盤創作となった。「The Sun Goes Down」なんてのはもう哀愁という言葉がピッタリのフィルらしい曲で、心に染み入る。そして圧倒的なかっこよさを誇る「Cold Sweat」。ジョン・サイクスがソロになってもやり続けていたくらいにかっこよいナンバーで、アルバム中でも光っている。B面になってからも軽やかではあるが、ハードなテンションの曲が続き、「Bad Habits」なんて結構ポップなメロディでそれこそシン・リジィというもんだ。

 このアルバムをリリースした後フェアウェルツアーに出て、そしてラストライブアルバム「Life Live」をリリースするのだが、ストレートにかっこよいライブ、しかしどこか疲れの見えるバンドを知っているとどんどんとハマっていくような面白い音が記録されていて、ジョン・サイクスの頑張り具合も実によく聞こえるというものだ。彼のシン・リジィ好きが溢れんばかりに表れている。ライブ映像をテレビで見たことあるんだけど、もうねぇ、好きそう〜に弾いていてさ、フィル・リノットが可愛がるハズだよ。



Black Sabbath - Heaven And Hell 

 ロニー・ジェイムズ・ディオという人は天性のボーカリストなのだろう。アメリカ人なのだが何故か英国ハードロック界との関わりを持ち続け、アメリカのメンバーを育てていった、みたいなトコロがある…、のは穿った見方?いやいや…。レインボウでの強烈な歌声が軽めのハードなギターにピッタリ合うんだなぁ〜と、すなわちレインボウのアメリカン化の布石だったのかもしれないのだが、驚くことにこの人、レインボウの後にブラック・サバスに加入してしまうのだ。

 まぁ、それ自体は当時から今も驚きの移籍ってことで有名な話なんだけど、そのブラック・サバスはオジーが抜けた後でどうしたもんかと悩んでいたトコロにロニー・ジェイムズ・ディオというなかなかの大物が浮いたので、というワケなのかどうか知らないが見事に獲得して新たなる世界に挑戦。大体ボーカリストが替わるってのはバンドが替わるみたいなくらい大きな出来事なので、果たしてブラック・サバスという伝統ある英国のヘヴィバンドがどうなるのか当時は皆興味津々だったに違いない。

Heaven and Hell Live Evil

 そして1980年に出てきたアルバムがコレ「Heaven and Hell」だが、ホントにこれがブラック・サバスなのか?いや、この名前使っていいのか?ってなくらいに別のバンドと化していた…ように聞こえるんだけど、自分だけじゃないだろう、多分。更に驚くことにそれでいて無茶苦茶かっこよいハードロックを展開している名盤っつうところだが、何てこった、見事に時代にマッチした軽めのハードロックでメロディもしっかりしたキャッチーさもある、そしてみんなで盛り上がれる、などと言う過去のブラック・サバスではあり得ないような面が出てきた作品で、名曲「Neon Nights」なんてのは今でもHR界最高峰に位置する素晴らしい曲でして、そんなのがアルバム全編に入っている駄作無しの傑作。ディオの歌声ももちろんマッチして、というかそのためにブラック・サバスがこういう方向性を選んだのだろうとしか思えない。

 ギターのトニー・アイオミはもちろん唯一のオリジナルメンバーとして未だに君臨しているが、この時のギタープレイは過去に類を見ない程のプレイで、何だこのギターソロは?と思うくらいに時代に合った、ともすればリッチーのようなソロプレイを聴かせてくれるのだが、これがまた良い。アルバムタイトル曲「Heaven and Hell」はさすがに往年のブラック・サバスらしいリフトコード進行で作られているのだが、それでもやはりディオのおかげか暗さがなくある程度の重さが存在するだけという…。そして見事にブラック・サバスとディオの融合が出ているのがもうひとつ、「Die Young」だろう。確かにブラック・サバスだよなぁと思うリフレインなのだが、ここでもやはりトニー・アイオミのギタープレイが驚くし、やっぱりHRの名曲に相応しいスピーディな展開で…。しかし「Walk Away」のこの明るい展開は果たして…、いや、良いのだ(笑)。

 昨年このブラック・サバスのメンバーで再結成して来日しているし、それこそかなり話題になったのだが、もちろん納得の演奏だったらしく好評。このまま弾いてたのかなぁ、トニー・アイオミさんは…、とちょっと気になるトコ(笑)。しかしプロモビデオでのディオさんの黒装束、似合わな過ぎ(笑)。

Rainbow - On Stage 

 何度も書いているんだけど、個人的趣味のおかげでリッチー・ブラックモアというギタリストをきちんと聴いたり気に入ったりしたことはほとんどなくって、ディープ・パープルですら全部のアルバムを聴いてはいないし、それこそ曲名を言われてパッとフレーズが浮かぶなんて事はあり得ない。レインボウについては更に知らない、というか通っていない。ヘヴィメタだ何だと好きなので普通この辺の元祖に辿り着こうと言うものなのだが、不思議と今まで「好きじゃないから」と言う理由だけで聴くことが少なかったのだ。

 とまぁ、言いながらも当然ながら周りには好きなヤツもいたり聴くこともあったりするので全くの無知ではないのだが、アルバムをまとめて聴いたことはほとんどない。なのでリマスターだ何だと色々とリリースされているにもかかわらず古いレコードやらを流していても全く問題ないのだが、せっかくギタリスト関連で流れてきているので大物に挑戦してみようか、とのことでレインボウ「On Stage」です。

On Stage Rising
 名盤「Rising」時のツアーを収録したもので、日本公演が母体となりつつもドイツ公演で補足したりスタジオでいじったりとあれこれと補正されているとのことだが、別にいいじゃないか、れっきとしたナイスなライブ盤なんだから、と浅はかなリスナーは思ってしまうのだが、多分この辺のコダワリは出てくる人は出てくるでしょう、絶対。んなことで多くは触れません(笑)。

 オープニングのドロシーの声からして英国的な香りたっぷりで、ロマンティストなリッチーの趣味が出ているなぁと思うのだが、続いて当時未発表だった新曲でもある「Kill The King」からスタートすると言う暴挙もこの時代ならではなのか、やはり圧倒的な自信なのか、まったく考えてないか(笑)…、あんまり関係ないのかもしれない。んで、やっぱすごいな、と感心したのが「Catch The Rainbow」のギターの音とソロフレーズ。「Man Of The Silver Mountain」のメドレーでのブルースフレーズにもかなり驚いたけど、精度の高さはこの「Catch The Rainbow」がアルバム中最高の出来じゃないか?こういう絵心のあるフレーズを紡ぎ出す人ってなかなかいないもんなぁ。今まであんまり聴かなかったってのはちと勿体ないことしたかもしれない(笑)。それと最後の「Still I'm Sad」ってヤードバーズの原曲なんだけど、なるほど、ここまでこうなるかと最初に驚いた。この人達もカバーの時は完全に独自性を持たせるんだね、と。スタジオ盤とも違うしね。

 しかしレインボウってジャケットがどれもこれもイマイチなのは何故?しかしアルバム丸ごと聴いたけど、軽く感じてしまうのはそういう音を狙っているからだろうか?この後はアメリカ路線を意識したと言われているからそうなんだろうけど、重さはないなぁ、このバンド。…なんて新参者のリスナーが言ったところでしょうがない(笑)。こいつがバイブルだった!って人、このブログ読んでる人には多いと思うし…。



Ozzy Osboune - Randy Rhoads Tribute 

 悲劇のギターヒーローとして語られることの多いランディ・ローズ。もう26年の歳月が経つことになるのだが、現役時代にオフィシャルで残された作品はクワイエット・ライオットの二枚とオジー時代の初期二枚、それとトリビュート盤のこのライブアルバム「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」。

トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説

 ある意味もっともランディ・ローズらしさの出ている作品というか、ライブ盤だからそのままの空気が出ているってことで多分名盤扱いされているハズなのだが、リリースは1987年。もちろんランディが亡くなったのが1982年だから没後5年後にオジーがようやく現実に目を向けてランディの素晴らしい仕事を世に出したというところかな。ライブそのものはセカンドアルバムリリース頃で、ライブで演奏されている曲はもうファースト「ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説」全編とセカンド「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」から少々