Marillion - Misplaced Childhood

 1980年代頃に出てきたプログレッシヴバンド=ポンプロックと呼ばれるバンドについてはまるで詳しくない。当時から最近に至るまでほとんど耳にしていないし、しても軽く適度で、それもどこか軽い感じにしか聞こえなくてまともに接したことはない。なのであちこちで一応レビューらしきモノを目にするけど実際どんな音なのかあまり気にしたことなかったんだよね。ま、機会あれば、と思っていたんだけど、ここのところゴシック系やなんやと聴いているとポンプロックの流れも引き合いに出されることがあって、ならばどんなものかと正面から向き合って見ますか、ということで手を出したのが名盤の誉れ高いマリリオンの「Misplaced Childhood」という作品。

Misplaced Childhood The Thieving Magpie (La Gazza Ladra)
 1985年リリースの全41分に渡るほぼノンストップのアルバムで彼等の、というかポンプロックの世界では圧倒的な名盤として君臨している、らしい。確かにジャケットもよく見かけたしフィッシュの名前もよく聞いたなぁと聴いてみることにしましたが…。

 ん~、あまり得意じゃない音でした。それは多分簡単なことでボーカルのフィッシュの声質が軽くてマイルドで全然ロック的じゃなくて、しかも音そのものも非常に軽くてよろしくないからだな。構成美や展開やもちろん英国的な繊細な気遣いとか楽器の音色などはさすがに良くできているなぁと感動的な部分もあるし、特に二曲目の「ケイラー」のポップさはかなり面白いなと思えるんで、作品的にはさすがだなぁと思えるアルバム。ドラマティックな展開もコンセプトアルバムとして出来上がっているのでよく練られているし、素晴らしいものだ。この軽さも英国らしいといえばらしいところなので全否定ではないけど、好みの問題だな(笑)。

 ジェネシスのコピーバンド、とはよく言ったものだ。ジェネシスも個人的には得意じゃないけど、同じ流れのポンプ系のバンドは多分これで全部ダメなんだろうと言うことに気付いた。う、、単純に聴いていて面白くない、それだけ。ジェネシスも同じ感覚があって、「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」あたりとマリリオンの「Misplaced Childhood」はかなり被る。演劇性や音的なものも含めて。p-ガブの世界は自分的になかなかわからないのだけど、同じ理由でマリリオンの世界も多分まだわからない。

 他のバンドIQやペンドラゴン、パラスなんてのはどうなのか知らないんだけど、多分挑戦することなく別のバンドを聴くんだろうな、と。ジェネシスフォロワーかぁ…、やっぱりダメだぁ(笑)。

Northern Kings - Rebone

 いやぁ~、これもいつものブログ仲間Hiroshi-Kさんに感謝♪ またアクセス増えるのでHiroshi-Kさん、よろしく(笑)。なんかツボにハマる音を紹介してくれることが多くて、多分感性的な部分が似ているところがあるんだろうなぁなどと一人で思っているんだけど、新しい音については特に情報を貰うことが多い。それこそがブログやってると面白いなぁと思うところで、もちろん他にも色々な人と情報を共有させてもらったりするんだけど、何つうのかな、自分が知っているものだと知ってるから新しい情報ではないし、知らなかったら知らないで興味のアンテナに引っ掛からないから、微妙に知ってるけどちょっと待てよ、みたいなのが一番気になるんだよね。そういうので今回も思い切り引っ掛かったのがこれ。こういうのって情報だけの話だからさぁ、どうやって情報入れるか、なんだよね。

 話変わるけどそんなことでこないだ失敗したなぁってのがアリス・クーパーの来日公演。知らなかったもんなぁ…。知ってたら行ったかもしれないのにな。今彼は70年代のライブの焼き直しをやっているみたいなので是非見たかった。知ってれば…と悔やまれる。

Reborn

 さてさて、このアルバム「Reborn」自体は昨年リリースされていたらしいけど、この人達そんなにヒマじゃないだろうからっわりと根気よく参加できる時間と睨めっこして作ったんだろう。ナイトウィッシュのベース兼ボーカルのマルコ、ソナタ・アークティカのボーカリスト、トニー・カッコなどなど。みんな仲良いかどうか知らないが正に北欧の王達と呼ばれるに相応しい面々で彩られた作品。そして歌われている中身は80年~90年代にヒットした曲ばかりで、どれもこれも聴いたことのある、もしかしたら滅茶苦茶好きで、知っている曲ばかりなのだが、それが全く別の曲として、正に北欧メタルバージョンとしてカバー…と言うのか、歌メロ以外は全部独作だろう、ってなくらいにぐちゃぐちゃにされて収録してある。いや、ほんとに何これ?ってなモンで、ハードロック系統のものならばまだしもポップス系列のものまで北欧メタルなので素晴らしく驚く。ライオネル・リチオの「Hello」なんて、「おい!っ」てなくらいだし、レディヘの「Creep」だって「は?」ってな感じで…、ボウイの「Ashes To Ashes」だって原曲のリフはどこだよ?みたいなもんで、ジェスロ・タルなんてこんなにヘビメタになるのか?って感じでビリー・アイドルのヒット曲「Rebell Yell」だって、原曲忘れたぞ、これ、思い出せないくらい無茶苦茶になってるぞ?って感じで、とにかく面白い。単純なカバーアルバムとして捉えるよりも、ゆとり、だろうね、こういうのは。

 ってなことで、冗談みたいだけど時代が流れるとこういうのもアリってな感じでいっぱい出てくるから楽しみは増える。これから90年代のロックなんてのもそのうちこうしてカバーされるようになっていくんだろう、きっと。

Within Temptation - The Heart of Everything

 なんだかんだと言いながらも美しく妖しくハードな世界を求めるとウイズイン・テンプテーションに戻ってくるのかねぇ(笑)。いや、そんなことはないんだろうけど、先日アルバム「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」が再リリースされたのでちと入手してみて見てたのでそんなこと思った。やっぱり圧倒的に心地良いもんなぁ、と。しかし最近のアルバムリリースって反則だよな。新作出ましたって時は普通にアルバム曲しか入ってないワケで、日本盤だとせいぜい数曲、先行シングルB面曲とかがボーナストラックで入っていて、それでもお得と思って入手するんだけど、ここ最近はその後来日公演とかしたり、どこかのライブなんかをボーナスディスクとしてディスク2に入れて再リリースするという手法が用いられていてさ。ウイズイン・テンプテーションの今回の「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」にしても昨年リリースされているけどそれに合わせた来日公演の模様をDVDで収録して再リリースっつう…。いや、自分は安い英国盤を入手したんだけど(笑)。あ、ちなみに英国盤はPAL形式リージョン0なので一般的な国内DVDプレーヤーでは再生しないんだろうな、と思いますが、最近はもっぱらMacでしか再生していないので問題なし(笑)。

ザ・ハート・オヴ・エヴリシング~スペシャル・エディション(CD+DVD) ザ・サイレント・フォース(DVD付)


 2007年リリースの美しくも素晴らしい作品で、多分この「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」と前作「ザ・サイレント・フォース」は歴史的名盤になるだろうと思う。今後どういう作品をリリースしてくるかわからないけど、このクオリティを維持、もしくは超えるってのは難しいだろうなぁと。何せ捨て曲なしで、どれもこれもが心地良くそして気持ち良くさせてくれるもので、彼等の才能の豊かさには驚かされるばかり。今回のDVD付きスペシャルエディションにはアコースティックのライブ=生ピアノでのライブ演奏も加えられているんだけど、これはまたシャロン嬢が歌い方とキーを変えて歌っていて新鮮だしね。それよりもアルバム本編の曲は最初から最後まで口ずさみやすく、そしてロック的で重い部分もあるしメロディアスでもある。それでいて クラシカルな旋律を奏でているし、歌声は何かを突き抜けるような勢いで迫ってきて歌を聴くというよりは歌に溶け込まされるというような感触。自分だけかもしれないが音と一体化できる歌なんだよね。

 それでDVDの方だが、残念ながら自分はこのライブには参加できなかったので期待満々で見たのだが、まずは最初からDVDでリリースすることを想定していなかったのかハンディカメラレベルの画質と動画サイズなので少々画面が粗かったり暗かったり録画技術もいまいち問題あるだろうっていうくらいの代物だけど生々しいライブ感はその分よく反映されていて、これが普段のウイズイン・テンプテーションなんだよっていう姿がよく映し出されているんだと思う。だからこそ彼等もリリースをよしとしたんだろうけどね。作られていない生のウイズイン・テンプテーションってことで。いやぁ、ライブでも全く変わらないシャロン嬢の歌声に、バンドのメンバーの息の合い方も見事なもので、結構シンプルな楽器構成なのにあれだけ壮大なオーケストレーションってできちゃうもんなんだな。今の時代の楽器は凄い。そしてステージ後方には壮大な街並みの景色と中央部では照明でアクセント的に情景が映し出されるというセットでしっかりと雰囲気的にもゴシックしているという、DVD化された中では初めて見た最新ツアーの模様でよろしい。選曲は「「ザ・ハート・オヴ・エヴリシング」からの曲を中心にセレクトしてあるけど終盤は名曲の嵐で感動のフィナーレ。「アリガトウ」を連呼するシャロンとバンドの様子からすると相当日本でのライブは嬉しかったような印象だ。

 近いうちにまた来日公演してくれないかねぇ。こんだけの大柄な美女が歌う姿ってやっぱ見てみたいし、生での迫力も体感したいしね。夏フェスじゃなくて単独来日を願うところ。

Ayreon - The Human Equation

 ゴシック系を漁っている時にStream of Passionという実にメロウでダークなバンドを発見して、その天使の歌声に感動していたりしたんだけど、それもさることながらそのバンドを包み込む雰囲気がかなり異色で特徴のあるもので、何なんだろうなと思いつつ、まぁ、身を任せながらってトコだったんだけどあれこれと追求していくとどうやら、このStream of Passionと言うのはオランダのアルイエン・ルカッセンという人のサイドプロジェクトでもあるらしく、この人何者?ってことで調べていくと元々はヘヴィメタバンド、ヴェンジェンスのギタリストで云々、1990年代半ば頃からはアイリオンっつうプロジェクトを始動させながら実に多様なことを試みていると書かれていて、結構多彩な活動をしている人なのかな、と。そんなことまってならばちと試してみましょう、ってことでAyreonっつうのをあれこれとかき集めて来ました。その中で最も名作と呼ばれているのがこちら「The Human Equation」。

The Human Equation Into the Electric Castle
 2004年のCD二枚組の作品で、とにかく完成度が異常に高いコンセプトアルバム。ま、ロックオペラとも言うのだろう。ストーリー等についてはこちらのサイトが詳しく書いているのでご紹介しときます。まぁ、なんだ、プロジェクトとして活動しているからメンバー固定しなくて良いし、自分の好きな曲をふんだんに書いて世界にハマって世界的に名を挙げている友人達にゲスト参加で手伝って貰うという贅沢な環境下で薦められるレコーディングを続けていて、以前のアルバム「Into the Electric Castle」でもWithin Temptationのシャロン嬢参加とか色々あって、今作はドリーム・シアターのボーカリストさんが主役で参加とかね。その筋では色々と有名な人が参加してキャラクターを創り上げているらしい。その辺は詳しくないのだけど、音的には見事なまでの出来映えで、オープニングのスリリングさからメタル的なアプローチにプログレ的展開、そしてメランコリックなフォークを散りばめて人間臭さを出しながら終盤に向けて盛り上げていくという。そしてStream of Passionでも聴き慣れたマルセラ嬢のボーカルがこれまた心地良く聞こえてきたり、とにかく多様な声が聞けるので、飽きない。そして楽曲の幅も広いので飽きない。それでいてストーリーがしっかり出来ているのだから飽きるはずのない作品にもなるわな。オランダ人でこんだけフォークにも味があるっての珍しいんじゃないかなぁ。ヘヴィさも持っててオーケストレーションもあってさ。聴き始めると一気に聴くアルバムで決してiPodなんぞでながら聴きしてはいけないね(笑)。

 まだまだ勉強不足の世界なので音を聴いた程度での書き込みでダメだねぇ。いや、ほんとにかなりの好盤でして、プログレとかゴシックメタルとかそういうの全てを含み持った作品で、70年代プログレ好きからすると少々うるさい感じはあるけど、楽曲レベルはもうクラシック並みの高さ。ヘヴィメタ好きからからするとちょっと凝りすぎに聞こえるだろうから、難しいかな…。ってなことでなかなかメジャーに開花していかないのか、日本だけなのか、はたまた凄く実は人気があるけど自分が知らないだけなのか。そもそもアルバムが6~7枚出ているんだからやっぱそれなりには知名度もあるし売れてもいるんだろう。これは久々に深くまでハマり込まないと理解しにくいアルバムに出逢ったな、と。何てったってケン・ヘンズレーまで参加しているんだから捨ててはおけないでしょ♪

Paradise Lost - Draconian Times

 ゴシックメタルという語源はどこから出てきたのか?いや、そのままだから別に気にすることもないんだけど、どうやらパラダイス・ロストというバンドの1991年の作品「Gothic」というアルバムに発端を求めることが多く、今や割と定説になっているようだ。しかしまぁ、このバンド自体は元々デスメタルというカテゴリーに属していたので自分的に聴くことはなかったのだが、バンドというモノは進化するもので、徐々にデスメタル領域からメロディアスでゴシックな世界に移行してきたようだ。そこでは既にデス声なんつうものは封印してしまって、圧倒的な貫禄を誇る荘厳なメロディとアレンジ、そして暗く重く美しい世界を構築してきた最高峰のアルバムがこちら。

Draconian Times Gothic
 「Draconian Times」1995年リリース作品。このバンド、別に女性ボーカルじゃないし大して興味も持たなかったんだけど、何と言っても英国出身のバンドってことで、引っ掛かった。英国出身のバンドがゴシックの世界を創り上げるとどうなるんだろう?って。しかもオトコの普通の声でメタルを基準にしたとなるとやはり英国の荘厳さ、貫禄と言ったものがどういう形で出てくるのかなぁと。

 結果論:素晴らしく英国的な貫禄と雰囲気と空気と圧倒的な荘厳さと存在感と美しさで聞き手をその世界に誘ってくれました。ゴシックメタルとか何とかっていうか、ハードな音で英国のダークな側面を映し出してくれた、しかしそれすらも美しく…と言う感じで芸術的です。このアルバムで聴ける音は間違いなく英国のしかもアンダーグラウンドな香りたっぷりのヘヴィロック。しかもこのアルバム「Draconian Times」は彼等の歴史の中でも名盤の誉れ高く、ゴシックメタルの世界でも当然地位を確立しているので、もちろん世界的なレベルでも素晴らしい出来だろうなぁ。

 なんかね、聴いていると懐かしくもあり、そしてハードでもあり、でも凄くモノ哀しいという感じに襲われてハマるんだよ。曲作りが英国的なんだけど、無理がないっつうか、70年代にはこういうバンドなかったから例えられないんだけど…、正に新世代のバンドなんだろうな。もう10年以上前の話だが(笑)。なかなか面白いのでこれからもちょろちょろと聴いていこうかなと思ってるバンド。アルバムはもう十数枚出ているってことなのでこれまた根気がいる事ではあるが…。

Draconian - Turning Season Within

 タワレココーナー展開にあれこれと一緒に置いてあったのでついでにと思って聴いてみたのが、スウェーデンのドゥーム系男女ボーカルメタルゴシックバンド、とかいう触れ込みのドラコニアンっつうバンド。う~ん、名前だけはゴシックにハマっていた時に見たことあるけどオトコのデス声なんていらん、と思って全然手を出していなかったバンドだったので、これを機にちょろっと手を出してみるかと挑戦。

Turning Season Within The Burning Halo

 こないだリリースされた新作「Turning Season Within」が4枚目?なのかな。これくらいってのはバンドにとっても成熟してくる頃なので大体3枚目とか4枚目ってのは名作になることが多いんだけど、このバンドもこの例に漏れずかなり出来映えは良いとの評が多い。とすると、これで自分に合わなきゃやっぱダメってことだよなぁと考えながら聴いてみると…、おぉぉ~、初っ端から美しいお姉ちゃんの歌声で、しかも正にエンジェルボイスに相応しい透明感ではないか。しかも曲調は正しくヨーロッパの香りがプンプン漂ってきて、やはりこういうのがこの手の音楽の醍醐味だねぇ~なんて舞い上がっていたらいきなりデス声が(笑)。まぁ、随分とこういう声にも慣れてきたんだけど人様にオススメするようなものではないのは確かだ。…とは云え、作品的に聴くとこの男女の対比っつうのはその世界を紡ぎ出すには良い手法なんだろうな。世界観はよく表れているし、その世界に入ってしまえば見事にその美しさに惹かれてしまう、そんなサウンドの完成度の高さは圧倒的かもしれない。

 ヨーロッパ的荘厳さと様式美、そして決して勢いやパワーだけではない芸術性が底辺に走っているので、優雅にアルバムが聴けるのが好きだね。例えそれがこういうドゥーム系バンドだとしてもその世界観は変わらない、正に大陸的なゆとりがないと出てこない音。そしてこのドラコニアンというバンドもスウェーデンでの位置付けはどんなものなのか知らないけど、レベルはかなり高いでしょう。テクニック面ではなくって音の作りがね。

 …とは言ってもやっぱりあのデス声は好きじゃないなぁ…。世界観は良いんだけどねぇ…、とちょっと残念な気持ちもあってまた違う世界に飛び込むのだろう、きっと(笑)。

Eyes Set To Kill - Reach

 CD時代になってもアルバムジャケットのインパクトはあるものはある…、まぁ、やはりアメリカのバンドのジャケットというのはそれほどアート的な要素が強いのは多くないんだけど、それでも目を引くものはあってさ、先日のタワレコでコーナー展開されていた中に目立ったのがこれ。

Reach

 Eyes Set To Killっつうバンドで、男女混合編成のアリゾナ州のバンドらしくって、この「Reach」が二枚目だとか。ファーストからは女性ボーカルが脱退してしまったらしく、今回はギタリストのお姉ちゃんが歌っていて、なかなかキュートでよろしい。

 しかし、面白い試みがいっぱいあるんだなぁ。ゴシックメタルの世界ではデス声と呼ばれていたものがアメリカに渡ると何故かスクリーモ(咆哮)と呼ばれていて、まぁ、同じくデス声なんだけど、キュートで可愛い歌声とその咆哮声が入り混じってトーンを作ると言う感じか。ヨーロッパではそれが美しさと野獣という対比を醸し出すんだけど、そういうのではなくって単に入り混じっている感じ。まぁ、邪魔っちゃぁ邪魔なんだけど、もっと明るい感じで叫んでいるのでいいか、って(笑)。

 それでいてこのバンド、どんなんかと言うとだ、やっぱりエラクハードでヘヴィな音の上に可愛く歌声が乗っかり、先ほどのスクリーモ声も思い切り全面に出ているのでツインボーカルに等しい。ただ、女の子の声が可愛らしいので曲のヘヴィさとは裏腹にかなり聴きやすいし、洗練されているのはアメリカならではのセンス。もちろん何回か聴いて飽きてしまう部分はあるけど、悪くないアルバムで、ヨーロッパの一連のゴシックメタル系とはかなり異なっていてアメリカのラウドロックに女性が進出してきたと言うような感じが強い音作りかね。

Fireflight - Unbreakable

 久々にタワレコに顔を出してみると相変わらずプッシュプッシュのバンドコーナーが展開されていて、情報満載♪ その一角を見ると何やらアメリカ出身のゴシックメタル風バンドがいくつか展示されていて、なんのことはないヨーロッパでは標準化?されたゴシックメタルというジャンルをエヴァネッセンスがアメリカに持ち込み、ラウド&女性歌モノってとこでヨーロッパのそれとは大きく異なる独特のジャンルを形成していったのだが、それに釣られていくつかのバンドが発掘されていて、その延長上で展開されていったバンドが新作をリリースしていったことでコーナー展開していたらしい。まぁ、中にはフィンランドのHIMとかもあったので一慨にゴシックとも言い切れないんだけどね。

Unbreakable The Healing of Harms

 んで試聴してみるとなるほど、こういう風に進化したのか…とそれなりに感心して、更にその独自性には驚きすら覚えたが、ファイアーフライトというバンドのセカンドアルバム「Unbreakable」。ジャケットからしてどこか陰鬱…でもないけど、ちょっと気になる印象で、女性歌ものってことなので余計にね、気になって聴いてみるんだけど、いや、これがまたヨーロッパで聴かれるゴシックメタルの陰鬱で荘厳な、という世界とはかけ離れていて、そこがアメリカ、しかもこの人達フロリダ出身っていうから驚く。あの脳天気なフロリダからどうしてこんなのが出てくる?みたいな(笑)。

 そうだね、音的にはヘヴィーなギターをバックに可愛いお姉ちゃんが歌っているってことでエヴァネッセンス的ではあるけど、歌メロは完全にポップスだから非常に聴きやすい。ついでにファーストアルバム「The Healing of Harms」も聴いたんだけど、どちらも結構なクオリティを保っていて、聴かないと損、とは思わないけど聴いてみても面白いかな、というくらいの出来映えじゃないかな。突出してヒットに繋がるような曲がないから何とも云えないけど、まぁ、悪くない。伸び伸びと歌う歌声が心地良いし、ギターのヘヴィネスさも個人的には結構よろしいと思うし、曲自体もよく練られているし。それでもどこか不満が残るのは多分荘厳さが足りなくてどうしても大衆向けのサウンドになってるからかな。とは云え、今のジャンル分けには割と属しにくい音かもしれない。


Thin Lizzy - Thunder And Lightning

 シン・リジィを愛する英国の少年がそのままギタリストになり、あちこちのバンドのオーディションを受けながら晴れてタイガース・オブ・パンタンのギタリストになり、そのおかげで更にステップアップしたギタリストの座を射止める事となった。始めに自身のソロシングルのサポートにフィル・リノットを迎え、それ自体が凄い事ではあるが、そのセッションをきっかけにバンドの運営解散を決めていたフィル・リノットに最後の魂を熱くさせるアルバムを制作させた人、それがジョン・サイクスのシン・リジィ加入の経緯。何年か前にフィルなしでシン・リジィを再結成させて、自分で歌うっていうのをやった時点でこの人は心底シン・リジィが好きなんだなぁと思った。

Thunder and Lightning Life Live

 1983年リリースのシン・リジィのスタジオ盤ラストアルバム「Thunder and Lightning」。メンバーはもちろんいつもの三人にジョン・サイクス。この若者のエネルギーは老朽化していたバンドを明らかに活性化させ、70年代のトラッド路線からハード路線へ変化しながら突っ走ってきたシン・リジィというバンドを更に飛躍させる音楽性を持っていた。ジョン・サイクスのその後の功績はホワイトスネイクで開花し、一時代を築き上げたとも云えるが、それで没落したというのも事実でなかなか難しいものだなと思うが、後のBlue Murderあたりまでは勢いあったもんね。これがまた泣かず飛ばずだったので終わったんだが…。最近は何してるのか知らないけど、黒のレスポールにミラーピックガードを付けた勇姿はかなり印象的でそしてかっこよかった。

 と、まぁ、ジョン・サイクス寄りの話なんだけど、シン・リジィ最後のスタジオ盤である「Thunder and Lightning」は冒頭から思い切りハードでそしてこのバンドの特徴でもあるんだけど軽やかで勢いがある、そして必ず哀しみというキーワードが散りばめられている楽曲の塊で、最後にして更に名盤創作となった。「The Sun Goes Down」なんてのはもう哀愁という言葉がピッタリのフィルらしい曲で、心に染み入る。そして圧倒的なかっこよさを誇る「Cold Sweat」。ジョン・サイクスがソロになってもやり続けていたくらいにかっこよいナンバーで、アルバム中でも光っている。B面になってからも軽やかではあるが、ハードなテンションの曲が続き、「Bad Habits」なんて結構ポップなメロディでそれこそシン・リジィというもんだ。

 このアルバムをリリースした後フェアウェルツアーに出て、そしてラストライブアルバム「Life Live」をリリースするのだが、ストレートにかっこよいライブ、しかしどこか疲れの見えるバンドを知っているとどんどんとハマっていくような面白い音が記録されていて、ジョン・サイクスの頑張り具合も実によく聞こえるというものだ。彼のシン・リジィ好きが溢れんばかりに表れている。ライブ映像をテレビで見たことあるんだけど、もうねぇ、好きそう~に弾いていてさ、フィル・リノットが可愛がるハズだよ。



Black Sabbath - Heaven And Hell

 ロニー・ジェイムズ・ディオという人は天性のボーカリストなのだろう。アメリカ人なのだが何故か英国ハードロック界との関わりを持ち続け、アメリカのメンバーを育てていった、みたいなトコロがある…、のは穿った見方?いやいや…。レインボウでの強烈な歌声が軽めのハードなギターにピッタリ合うんだなぁ~と、すなわちレインボウのアメリカン化の布石だったのかもしれないのだが、驚くことにこの人、レインボウの後にブラック・サバスに加入してしまうのだ。

 まぁ、それ自体は当時から今も驚きの移籍ってことで有名な話なんだけど、そのブラック・サバスはオジーが抜けた後でどうしたもんかと悩んでいたトコロにロニー・ジェイムズ・ディオというなかなかの大物が浮いたので、というワケなのかどうか知らないが見事に獲得して新たなる世界に挑戦。大体ボーカリストが替わるってのはバンドが替わるみたいなくらい大きな出来事なので、果たしてブラック・サバスという伝統ある英国のヘヴィバンドがどうなるのか当時は皆興味津々だったに違いない。

Heaven and Hell Live Evil

 そして1980年に出てきたアルバムがコレ「Heaven and Hell」だが、ホントにこれがブラック・サバスなのか?いや、この名前使っていいのか?ってなくらいに別のバンドと化していた…ように聞こえるんだけど、自分だけじゃないだろう、多分。更に驚くことにそれでいて無茶苦茶かっこよいハードロックを展開している名盤っつうところだが、何てこった、見事に時代にマッチした軽めのハードロックでメロディもしっかりしたキャッチーさもある、そしてみんなで盛り上がれる、などと言う過去のブラック・サバスではあり得ないような面が出てきた作品で、名曲「Neon Nights」なんてのは今でもHR界最高峰に位置する素晴らしい曲でして、そんなのがアルバム全編に入っている駄作無しの傑作。ディオの歌声ももちろんマッチして、というかそのためにブラック・サバスがこういう方向性を選んだのだろうとしか思えない。

 ギターのトニー・アイオミはもちろん唯一のオリジナルメンバーとして未だに君臨しているが、この時のギタープレイは過去に類を見ない程のプレイで、何だこのギターソロは?と思うくらいに時代に合った、ともすればリッチーのようなソロプレイを聴かせてくれるのだが、これがまた良い。アルバムタイトル曲「Heaven and Hell」はさすがに往年のブラック・サバスらしいリフトコード進行で作られているのだが、それでもやはりディオのおかげか暗さがなくある程度の重さが存在するだけという…。そして見事にブラック・サバスとディオの融合が出ているのがもうひとつ、「Die Young」だろう。確かにブラック・サバスだよなぁと思うリフレインなのだが、ここでもやはりトニー・アイオミのギタープレイが驚くし、やっぱりHRの名曲に相応しいスピーディな展開で…。しかし「Walk Away」のこの明るい展開は果たして…、いや、良いのだ(笑)。

 昨年このブラック・サバスのメンバーで再結成して来日しているし、それこそかなり話題になったのだが、もちろん納得の演奏だったらしく好評。このまま弾いてたのかなぁ、トニー・アイオミさんは…、とちょっと気になるトコ(笑)。しかしプロモビデオでのディオさんの黒装束、似合わな過ぎ(笑)。

Rainbow - On Stage

 何度も書いているんだけど、個人的趣味のおかげでリッチー・ブラックモアというギタリストをきちんと聴いたり気に入ったりしたことはほとんどなくって、ディープ・パープルですら全部のアルバムを聴いてはいないし、それこそ曲名を言われてパッとフレーズが浮かぶなんて事はあり得ない。レインボウについては更に知らない、というか通っていない。ヘヴィメタだ何だと好きなので普通この辺の元祖に辿り着こうと言うものなのだが、不思議と今まで「好きじゃないから」と言う理由だけで聴くことが少なかったのだ。

 とまぁ、言いながらも当然ながら周りには好きなヤツもいたり聴くこともあったりするので全くの無知ではないのだが、アルバムをまとめて聴いたことはほとんどない。なのでリマスターだ何だと色々とリリースされているにもかかわらず古いレコードやらを流していても全く問題ないのだが、せっかくギタリスト関連で流れてきているので大物に挑戦してみようか、とのことでレインボウ「On Stage」です。

On Stage Rising
 名盤「Rising」時のツアーを収録したもので、日本公演が母体となりつつもドイツ公演で補足したりスタジオでいじったりとあれこれと補正されているとのことだが、別にいいじゃないか、れっきとしたナイスなライブ盤なんだから、と浅はかなリスナーは思ってしまうのだが、多分この辺のコダワリは出てくる人は出てくるでしょう、絶対。んなことで多くは触れません(笑)。

 オープニングのドロシーの声からして英国的な香りたっぷりで、ロマンティストなリッチーの趣味が出ているなぁと思うのだが、続いて当時未発表だった新曲でもある「Kill The King」からスタートすると言う暴挙もこの時代ならではなのか、やはり圧倒的な自信なのか、まったく考えてないか(笑)…、あんまり関係ないのかもしれない。んで、やっぱすごいな、と感心したのが「Catch The Rainbow」のギターの音とソロフレーズ。「Man Of The Silver Mountain」のメドレーでのブルースフレーズにもかなり驚いたけど、精度の高さはこの「Catch The Rainbow」がアルバム中最高の出来じゃないか?こういう絵心のあるフレーズを紡ぎ出す人ってなかなかいないもんなぁ。今まであんまり聴かなかったってのはちと勿体ないことしたかもしれない(笑)。それと最後の「Still I'm Sad」ってヤードバーズの原曲なんだけど、なるほど、ここまでこうなるかと最初に驚いた。この人達もカバーの時は完全に独自性を持たせるんだね、と。スタジオ盤とも違うしね。

 しかしレインボウってジャケットがどれもこれもイマイチなのは何故?しかしアルバム丸ごと聴いたけど、軽く感じてしまうのはそういう音を狙っているからだろうか?この後はアメリカ路線を意識したと言われているからそうなんだろうけど、重さはないなぁ、このバンド。…なんて新参者のリスナーが言ったところでしょうがない(笑)。こいつがバイブルだった!って人、このブログ読んでる人には多いと思うし…。



Ozzy Osbourne - Randy Rhoads Tribute

 悲劇のギターヒーローとして語られることの多いランディ・ローズ。もう26年の歳月が経つことになるのだが、現役時代にオフィシャルで残された作品はクワイエット・ライオットの二枚とオジー時代の初期二枚、それとトリビュート盤のこのライブアルバム「トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ」。

トリビュート~ランディ・ローズに捧ぐ ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説

 ある意味もっともランディ・ローズらしさの出ている作品というか、ライブ盤だからそのままの空気が出ているってことで多分名盤扱いされているハズなのだが、リリースは1987年。もちろんランディが亡くなったのが1982年だから没後5年後にオジーがようやく現実に目を向けてランディの素晴らしい仕事を世に出したというところかな。ライブそのものはセカンドアルバムリリース頃で、ライブで演奏されている曲はもうファースト「ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説」全編とセカンド「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」から少々。

 う~む、凄い。

 もちろんリアルタイムの時に聴いていたんだけど、その頃は他にもこういうギター弾く人いっぱいいたし、それらと合わせて聴いていたのでそんなに感銘を受けなかったんだけど、久々に聴くとランディ・ローズという人のギターのセンスがよくわかった。ギターヒーローが不在の時代に突如として出てきたヒーロー、それにはやっぱりその資格があるギターってのがある。もちろんかっこよい、ってことが重要なんだけど、これでもかと弾きまくる姿ってのも重要で、それが邪魔だとダメなんだけどさ、この人の場合は弾きまくるクセに控えめだったりするという面白い凹凸があって楽しめるんだよね。それと、個人的には何と言ってもレスポールの音ってのが圧倒的に聴きやすくて良い。テクニックやセンスなんてのはもう当たり前に凄いんで、何も言うことはないんだが、とにかくサバス時代の曲も含めて凄くかっこよい、昇華された曲になっているし、そんなのと混ざってランディ・ローズが作ったリフの名曲が今やスタンダードになって飛翔しているし、うわぁ、かっこよいなぁ。「自殺志願」のギターソロでその辺のかっちょよさは炸裂しまくってます。

 オジーのソロってオジーだけが英国人で他はアメリカ人だったりするので本来ならばアメリカンな音になるんだろうけど、そこが不思議でしっかり英国色がある。ともすればランディ・ローズのギターだってそういう風にも聞こえなくもないが、そこはやっぱりアメリカ的な音だったりするのが面白い。確かこのライブ盤、「Paranoid」までがひとつのライブで残りの二曲は別の時のモノだけど、ランディ・ローズのライブってことで記念的に入れているらしい。それで最後の「Dee」はもちろんファーストアルバム「ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説」に収録されてるんだけど、そのデモテイクらしくナマ声も聞こえるスタジオのアウトテイクスで貴重な瞬間。この「Dee」ってのがやっぱりランディ・ローズってクラシック畑だったんだなぁと感じるよね。

 凄くかっちょよいライブアルバムで、オジーのアルバムなんだけど、ランディ・ローズのライブアルバムでもあるワケで、彼の凄さを実感したい人はこいつを聴いてほしいし、感動してもらいたいなぁ。当時はランディ・ローズが動いている姿って見ることなかったけど今はYouTubeで簡単に…、ほんとに見れるわ…、凄いなぁ。うわ、見たらもっと感動した(笑)。良い時代だ…。



Paul Kossoff - Blue Soul

 1976年3月19日ロサンゼルスに向かう飛行機の中で小汚い若い英国人が死亡しているのを発見、となったのだろう、きっと。もちろんスタッフ等がいたからそのような事にはならなかったと思いたいのだが、現実的にはそんな話で別に美しくもない。しかもドラッグでボロボロになったカラダであれば尚更だろう。それがポール・コゾフの最後。享年25歳。早くから成功を収めたフリーと言うバンドのギタリストで、唯一無二のギタースタイルを持ち、とてもピュアな人でもあったと聞く。

Blue Soul: Best of Paul Kossoff Back Street Crawler (Bonus CD) (Dlx)

 キャリア的にはフリーに参加して活躍したのがまだ10代だったので、1973年のフリー解散後は自身の名義にて「Back Street Crawler」をリリース、つい先日デラックスエディション盤がリリースされて、セッションの内容がもっと明るみに出てきたのは非常に嬉しいことだが、もちろんギタリストのジャム的な作品という感は否めなくて、特に名盤とされるようなものでもないのも事実かな。その後はバック・ストリート・クロウラーというバンドを組み、二枚のアルバムをリリース。それでオシマイ。だけど、実はこの人結構色々なミュージシャンとセッション活動を行っていて、アイランドレーベルという共通の枠もあったようなんだけど、ゲスト参加しているアルバムや曲が多くあるんだよね。それでそんな活動をまとめたアルバムがポール・コゾフ名義で何タイトルかリリースされていて、多分有名だったのは「Blue Soul: Best of Paul Kossoff」ってヤツだと思うんだけど、随分前から廃盤になっているらしくていかん。勿体ないなぁ、と。フリー時代の曲も最初に入ってるんだけど、それはともかく当時は「Free Live」では聞けなかったライブ曲が入っていて、特に「Crossroad」なんてすごく興味を惹かれたもんな。うん、クリームのやってるあの「Crossroad」をフリーがやってるんだよ。さすがにフリーのアレンジ!と唸らされるようなリズムで、そこにポール・コゾフの泣きが詰まったギターがキュインキュインと鳴りまくるという逸品。何てったって冒頭のイントロからして早弾きのギターソロからなんだから、こりゃもう堪らんっつうくらいのモンでね、いやぁ、それでもってギターの音がマイルドで素晴らしいワケよ。この一曲だけでレコード探しまくったし、CDになってからも速攻で買った思い入れの強い編集版だね。ポール・コゾフで聴くって云ったらこれが最初に浮かぶ。フリーというバンドももちろんなんだけど、ギターを中心に聴きたいときはこっち。

 他には英国スワンプロックのアングラバンド?のアンクル・ドッグっつうバンドに参加した時の「We Got Time」とかね、これも凄く雰囲気良くハマってるワケで、まぁ、歌ってるのがあのキャロル・グライムだからそりゃ凄くもなるでしょう。ん?うん、デリヴァリーってバンド知ってる(笑)?カンタベリーの…云々とまぁ繋がってしまうのでその辺はまた今度にしておこう(笑)。

 それから同じレーベル仲間で割と良く一緒に活動していたらしいトラフィックのジム・キャパルディの作品にも何度か参加していて、まぁ、好みかどうかは別としてポール・コゾフらしいギターを聴けるのでこれも重要だね。あとはフランキー・ミラーとアンディ・フレイザーがやり始めたランブルタウン・バンドっつうのに参加したときの曲とかね。この編集版には入ってないけど、他にも色々とやっているのがあって、ヒープのケン・ヘンズレーのソロとか英国フォークのジョン・マーティンとかアメイジング・ブロンデルなんてのにも参加してたりね。なかなか多彩な人だったし、またその人柄の良さからか声掛けは多かったらしい。

 そしてまたフリーの「Fire and Water」という名盤がデラックスエディション盤として再度リリースされたらしいのでポール・コゾフの「Back Street Crawler」と共にまたしても楽しめる一枚が増えたってもんだ。

鮎川 誠 - Kool Solo

 日本でギターヒーローと呼ばれる人ってのは時代時代で存在していたとは思うし、ラウドネスの高崎晃ってのはその世界じゃ多分かなりのギターヒーローなんだと思う。が、やはり一般的に、そしてギターヒーローというかロックンロールのアイコン的にクールにかっこよく現役で存在している人と言えば、鮎川誠さんではないかい?昔何かの雑誌で鮎川さんが紹介されていた時の文章に「国籍不明のギタリスト」って書いてあって、この人って日本人じゃないのか?って思った記憶があるのだが(笑)、まぁ、それくらい色々なモノを吸収して出来上がったギタースタイルってことだったんだよな。れっきとした博多モンの方です。

クール・ソロ (紙ジャケット仕様) CRAZY DIAMONDS

 そんな鮎川さんもシーナ&ロケッツのライブでは何曲かソロで歌ってロケッツというバンド形態になるんだけど、その時の模様をそのまま記録してしまったに等しいアルバム「クール・ソロ」、それでもロケッツ名義じゃないのが不思議だが(笑)、だってバックはロケッツのメンバーだし、バックコーラスはシーナだし、そもそも1981年の野音でのライブをそのまま記録したものなんだから当たり前にライブの抜粋版のハズだが、何故か鮎川さんのソロアルバムとしてしっかりと名盤的に扱われている。聴いてみればわかるんだけど、これは紛れもなく鮎川さんのソロライブなんだよね。そして個人的にはシナロケよりも男臭いこっちの方が好き。

 初っ端からロックンロールで飛ばしまくってて、何か理屈とか分析とかレビューとかどうでも良くなるんだよね、こういうかっこいいの聴くと。三曲目くらいからはもうひとりサンハウスって感じで、柴山さんの声じゃないだけで思い切りサンハウス。それがまたかっこよい歌声だからなぁ、この人。ギター的にどうなの?ってのは別にどっちでも良くって、存在がかっこよい。もちろん60年代末期から博多では名前をとどろかせていたくらい巧いギタリストなので、当然ソツないギターフレーズもビシバシ入ってくる。A面ラストの「アイ・ラブ・ユー」ではカウントからシーナの声も入ってくるのでシナロケにちょこっとだけ戻る気がするが、それでもやっぱ鮎川さんのソロって雰囲気は変わらない。B面はもうさぁ、最初から最後までサンハウスよ、はっきり言って(笑)。「ぶちこわせ」は予想通り「爆弾」です、はい。

 ギタリストの作品っつうよりは鮎川さんのソロアルバムとして普通に成り立ってるので、この人存在自体がロック。何回かあちこちで出逢ったことがある人で、下北とか誰かのライブに行ったらいたとか、レコード屋とか、変な遭遇が合って、その度に背がデカイしかっこよいなぁ~と。黒のレスポールもいいしね。このジャケットもオトコだよな(笑)。ついでにロケッツのアルバムもCD化してもらいたいもんだ。

Ron Wood - Gimme Some Neck

 いかにもバッドボーイ然としたイメージを醸し出すキースを筆頭とする今でも元気なローリング・ストーンズのギタリストが今で三代目ってのももう今更の話なのだが、その三代目が既に30年ストーンズに在籍しているっつうことで、最早ストーンズのギタリストはキースとロニーというのが定説か。最初期のブライアン・ジョーンズや跡を継ぐミック・テイラーの影や如何に、やっぱりストーンズにはロニーだよってのもあるんだけど、何だろね、特別にバッドボーイ的な人じゃなくて、どう見ても人の良さそう~な顔してるのに、ストーンズにぴったりのイメージだと言うのも面白い。

Gimme Some Neck I've Got My Own Album to Do
 そんなロニーはジェフ・ベック・グループのベーシストから始まってフェイセスの花形ギタリスト、そしてストーンズへの加入となるんだけど、その隙間ではしっかりとソロアルバムをリリースしていて、それがまたその辺の仲間と気楽に作っているもんだから聞きやすくてロックンロールしていて、気張ってないのが良い。1974年に始めてソロ作品「I've Got My Own Album to Do」をリリースしてからセカンド「Now Look」を発表。その後ストーンズに加入してからすぐの1979年には今作「Gimme Some Neck」をリリース。当然ながらゲスト陣にはミック・ジャガーやキース、ボビー・キーズやチャーリー・ワッツなど皆さん揃って参加している。しかしこの頃のストーンズではメンバーがソロ活動することを良しとしていたのかねぇ。それともそういうのを条件に引っ張ったのかね?ミックがソロ出す時にかなりモメたような事を聞いたことあるんだけどさ。

 それはともかく、このアルバムでの名曲として有名なのがボブ・ディラン作の「Seven Days」っていう曲なんだが、これがまた音が悪い(笑)。それでも曲の良さが救うんだろうが、再リミックスし直した方が良いけどなぁ…。最近のリマスター盤とかでは直っているのかもしれない。何でもディランがクラプトンのソロ作品用に書き下ろしたらしいが、クラプトンが好みでないと切り捨てたこの曲を拾ったのがロニーということで、何ともまぁ、人柄の良さなのだろうか。この辺の絡みで思い出すのはライブエイドでのディランとキースとロニーの三人でフォークを持ってプレイした時にディランがギターの弦を切るとすかさずロニーが自分のギターを差し出すという、素朴な人柄の良さを思い出す。良いシーンだったんだ、これ。

 ん~と、アルバムの中身についてはだな、まぁ、ロニーの好きそうなロックンロールとか南部風のサウンドとかドブロでの弾き語りとかお得意のリラックスした、ある意味では大人の音がいっぱい詰め込まれていてBGM的に流しているという要素が強い作品だな。しかしこのタイム感はどう聞いてもチャーリーだ…、あ、やっぱほとんどチャーリーが叩いてる(笑)。ロニーの歌は別に可もなく不可もなくというところだけど、そういうのが許されてしまうキャラだしねぇ。ほんと、好き勝手やってるわぁ~(笑)。ジャケはもちろん自作の絵♪ そしてニュー・バーバリアンズに続いていくという…、あ、ストーンズの活動休止にも繋がるのだろうか…。

Andy McCoy - Building On Tradition

 ロックンローラーそのままの姿で生きている人、ともすればジョニー・サンダースが生きていればこうだったかもなと思わせるくらいの人間でもあるアンディ・マッコイ。もちろんジョニー・サンダースの二番煎じという気なんぞサラサラないのだろうが、モロにジプシー気質を持った人で、まぁ、適当、いい加減、怠慢、でもおしゃれで作曲の才能もギターの才能もあって、思い切りロックンローラーっつうタチの悪い人みたいだが、それでもここの所は結構マジメに仕事していてハノイ・ロックス再結成して既に6~7年やってる。現役の頃よりも長いし、その頃よりも売れている、と思う。そんなアンディ・マッコイが1995年にリリースしたソロアルバム。

Building on Tradition Building on Tradition

 「Building on Tradition」。国内盤はなんとエイベックスからリリースされているという快挙でジャケットも輸入盤とは異なる仕様で、圧倒的にセンスが良いのは日本での人気の象徴か。何つってもだな、これはもうハノイ・ロックスのアルバムなワケよ。これでマイケル・モンローが歌ったものをリリースしてもらいたいもんだ。それくらいにハノイ・ロックス的な音を詰め込んだ作品でアンディ・マッコイがソロ作品として歌うことを前提にしたものじゃなくて普通に作ったらこうなりました、そしてそれはハノイ・ロックスと同じ音なんです、だってアンディ・マッコイのバンドだったんだもん、みたいなさ。そこでマイケル・モンローがいなかったから自分で歌ったんだけど、やっぱりその辺は無理があって、いや、決してヘタとかダメとかじゃなくて味の問題。アンディ・マッコイの歌も味があって好きなんだけど、なんとも勿体ないなぁ、これはマイケル・モンローに歌わせたい!って思う曲が多いんだよ。それこそアンディ・マッコイもそう思っていたと思うし、本人も「これはハノイ・ロックスが新しいアルバムを出すならこれだろうな」と言っていたくらいの作品で、滅茶苦茶良い出来映え。単なるソロ作品として出すには勿体ないくらいの傑作。

 初っ端からもうロックンロールでさ、アルバム中何曲もそういうハノイ・ロックスならではのメロディセンス=アンディ・マッコイのフィンランド的歌メロセンスってのがたっぷり入ってるのが多くて、彼の才能の豊富さを物語っている。ホント独特のメロディセンスなんだよね。バラード「Unconditinal Love」とかさ、もう泣けてくるもん。一方では「Born Again Electric」なんつうホントかっちょよいロックンロールナンバーがあったり…、「Foxfield Junction」なんて凄く可愛い…というか面白い曲でこれもアンディ・マッコイならではのメロディ。そして「Heartattack」はハノイ・ロックス時代から温めていたものでハノイ・ロックスの「Lean on Me」という未発表曲集アルバムにデモテイクが入っているね。面白いのは9曲目に「Dreaming of Japan」っつうのがあって、何故に?って感じだけど多分アンディ・マッコイへのラブコールって日本からも結構多かったからだろうなぁと。もしかしたらそのおかげでこのソロアルバムができたからかもしれない。んで最初のイントロにお琴の音色が入っていてどことなく東洋的、な感じを出した曲なのだろうか?まぁ、始まってしまえばそんなに感じないんだけど(笑)。

 しかしまぁ、ホントにアンディ・マッコイの多様な音楽性を全て出してますって言うくらいに色々な音楽が詰め込まれていて、しかもそれが全部ハノイ・ロックスらしくもあるという…。見つけたら多分凄く安くてに入ると思うのでこれはよろしいよ~って言いたい。ダメな人はダメだろうけど、ロックンロール好きだったら多分大丈夫でしょ。何回聞いても楽しめるナイスな作品。決して名盤じゃないけど自分的には傑作だし、ツボにハマるロックンロール♪

 そういえばこの人の奥さんってジョニー・サンダースの従姉妹って言うからそこまでロックンロールかぁ~って思うが、面白い巡り合わせなもんだ。ジミヘンの彼女を自分の奥さんにしてしまったウリ・ロートとは違うが…。


Johnny Thunders - So Alone

 全くもってギタリストってのは幅が広いんだが、これもまた独特のロックンローラーとして親しまれている…、本来親しまれて良い人ではないと思うけど、いや、教育的な意味で、だけど(笑)。うん、ジャンキーロックンローラーの代表格でもあるジョニー・サンダース。この人のレスポールJr TVモデルダブルカッタウェイのギターが凄く好きで高校生の頃に探して買った記憶があるなぁ。予想通り全く使い物にならない音だったけど(笑)。そんなジョニーのアルバムってのはほとんどがライブだったり一発モノだったりライブの編集盤だったりするのであまりまともな作品がないのが残念。そもそもジャンキーで成功とか興味のない人だったのでしょうがないのだが、その分作った時の出来映えは見事でした。

So Alone Born Too Loose
 1978年リリースの最初のソロアルバム「So Alone」。基本ロックンロールだけど、泣けるメロウなナンバーやサーフロックやドールズのセルフカバーなんかも入っていて好きなモノなんでもやってみました、って感じの作品で非常によろしい。そして驚くことに参加しているゲストがもの凄い。当時ジョニー・サンダースはロンドンに在住していた関係上、ある意味英国のパンクスやロックンローラーからは英雄的に扱われていただろうし、ドールズを崇めていた人も多かったはずなのでその辺注目の的で、色々な人間が寄ってきたんだろうな。ジョニー・サンダースも人がよさそうだから全てウェルカムってとこでこんだけ豪華なゲスト陣になったんだろう。

 驚くところではスティーヴ・マリオットとフィル・リノット。しかも英国60年代ビート時代の有名曲「Daddy Rolling Stone」ではジョニー・サンダース、フィル・リノット、スティーヴ・マリオットという順番にボーカルが回っていくという豪華さ。フィル・リノットはベースも弾いているんだけどさ、なんつってもスティーヴ・マリオットのボーカルでぶっ飛ぶ(笑)。もう一つはこの頃はまだ全然有名じゃなかったハズのクリッシーハインドが「Subway Train」っつうドールズのカバー曲のバックボーカルで参加しているっつう…。当時まだ彼女は新聞記者だったんじゃないか?まぁ、それだからって参加してるのも不思議だが…。

 そして多くの曲でのバックがピストルズのスティーヴ・ジョーンズとポール・クックだったり、そもそもプロデュースが後にU2で有名になるスティーヴ・リリーホワイトっつう…。う~ん、凄い面々が揃っている。まぁ、そういったこと自体が凄いんだけど、それよりもそんな面々を従えようが何しようが滅茶苦茶かっこよいロックンロールアルバムを創り上げてしまったジョニー・サンダースが一番凄い(笑)。

Richard Thompson - Henry The Human Fly!

 ギタリストのソロアルバムと言うよりも一人のシンガーとしての可能性を思い切り前に出し、そして大衆にも感じさせてしまった、そして未来を築いていうサウンドの原点をも打ち出してしまったとも言える傑作アルバムをリリースした英国の最も英国らしいギタリスト、リチャード・トンプソン。この人の個性というのか良さというのか独自性はなかなかすぐには伝わらないんだけど、聞いてみてハマってみるととんでもなく心地良く聞こえるので是非試して貰いたい音ですね。

Henry the Human Fly Angel Delight

 1972年リリースのソロ作最初の作品「Henry the Human Fly」という仮想サントラアルバム、とでも言うべきものなのか…、アルバムの意味はよくわかってないんだけどさ(笑)。うん、直前までフェアポート・コンヴェンションで精力的に活動していたワケで、アルバム「Angel Delight」制作中に脱退してしまって、音楽性の違いと言われてはいたけど、客観的に聞いてみると何で脱退したのかよくわからない。だってフェアポート・コンヴェンションの「Angel Delight」っつうアルバムだって相当の傑作で、このソロアルバムと滅茶苦茶音楽性が違うというものでもないように聞こえるからね。でも多分、それ以外の要素も多かったのか、素人にはわからないレベルでの音楽性の違いってのがあったのか…。しかし脱退してからアチコチセッションもあったんだろうけどさっとソロアルバムの制作に走ったあたりさ正解。この頃のリチャード・トンプソンは明らかに絶頂期で、作曲にしてもギタープレイにしても天賦の才を披露しまくっていた時期で、そのおかげでこういった非常に独特のアルバムが聞けるわけなのだ。

 ロックファンの皆はこれを聞いても特にロックだとは思わないでしょう。だってビートにガンガン乗ったロックじゃないし、とんがってるワケでもないから。それよりも基本的にトラッドフォークの英国的な空気が支配していて、そこにエレクトリックとアコースティックのギターの音色が重厚に重なってきて、アコーディオンがあったりトロンボーンがあったり、もちろんフィドルがあったりするので決してロックではない。ただ、こういった音を重ねて創り上げる手法はロックだよなぁ…と。いや、それもどっちでも良くて、ほのぼのとした空気の中で美しい旋律を奏でて、そして聞き手を現実から逃避させてくれる…。更にギターという楽器の可能性も広げてくれたという意味ではもの凄く革新的でレベルの高いサウンドを楽しませてくれるのだ。

 ゲスト陣も凄い。もちろんのことながらフェアポート・コンヴェンション勢から多数参加しているし、サンディ・デニーだって参加しているさ。後に奥方となるリンダも参加しているし、個人的にはやっぱりシュレー・ハッチングスが嬉しい参加だけど、残念なのはデヴ・マタックスのドラムじゃかなったことくらいかな。しかしまぁ、見事なアルバムだ。ホントに単なるギタリストでは終われない人だし、バンドの一員としてだけでも勿体ない。しかし彼のこの才能がもっと開花するチャンスは以降それほど多くなかったのだった…。故に本作は燦然と輝く傑作として価値があるのかもしれない。

Buddy Guy - Feels Like Rain

 もう一人ロック界に近いブルースギタリストと言えばもう70歳を超えたバディ・ガイもいるな。こないだ来日した時のライブを見る限りでは全然そんな歳にも見えなくてバリバリにフィードバックしたギターを弾きまくってたのでその年齢とキャリアを聞くと驚くんだけどね。そんなバディも実は70年代80年代はかなり不毛な時代を過ごしていて、90年になってからクラプトンのおかげで息を吹き返したっていうところだが、その選択は非常に賢明で以降のバディ・ガイはセールス面でもパフォーマーとしても見事な働きぶりを示してくれている。そんな復活第一弾はクラプトンやベックなんていうゲスト陣を迎えての「Damn Right, I've Got the Blues」だったが、今回はその後にリリースされたアルバム「Feels Like Rain」にスポットを当ててみよう。

Feels Like Rain Damn Right, I've Got the Blues
 1993年リリースのシルバートーン移籍第二弾アルバム。ゲスト陣は相変わらず豪華で、ジョン・メイオールやポール・ロジャース、イアン・マクレガンなんてのが有名か。あ、あとタイトル曲はブルース界の名曲として君臨しているんだけど、スライドギターでボニー・レイットが弾いているね。ジミヘンの「Hey Joe」みたいな感じでしっとりと聴かせてくれます。そしてオリジナル曲もさることながらカバー曲が圧倒的で、だからこそジャムセッション的なアルバムになっていくのだろうけど、それがまた面白い。さすがにこのくらいになるとオリジナルの色がどうの、って言うよりもバディ・ガイの色が強く出ているので全然問題なし。ポール・ロジャースが歌う「Some Kind Of Wonderful」なんて好きそうだしねぇ。ジョン・メイオールとの「I Could Ciry」は掛け合いしていてなかなか迫力モノ。

 バディ・ガイのギターって豪快でノビノビと弾きまくっているタイプなので凄くロック的。ストラトってのもあってか聴きやすいし、弾き方も凄く力強いピッキングと指圧で攻めてくるのでこれぞブルースロックという音で、ある意味ロック野郎に対して同じアプローチでホンモノが歩み寄ってきているっていうスタイルなので受け手は大変(笑)。その分リスナーは普通に聴ける。う~ん、この辺のバディのアルバム、凄く良いぞ。

Freddie King - Larger Than Life

 アグレッシヴなギタープレイでグイグイとロックファン…ロック小僧を惹き付けてくれたのがフレディ・キング。この人は1976年暮れに42歳という若さで亡くなっており、ブルースマンの短命さを物語っているというのか、それでこそブルースマンというべきか、やはり滅茶苦茶幸せな人生というわけでもなかったようだけど、うん、そういうもんなのだろう。

Larger Than Life Burglar
 1975年リリースの生前最後のレコーディング作品としてリリースされたアルバム「Larger Than Life」を引っ張り出してみた。他にもフレディ・キングの作品は当然いくつもあって、結構聴いていたりしててやっぱりシェルター時代が一番好きなんだけどさ、その他のってあまりしっかり聴いてなかったりしたのでここのところチョコチョコとつまみ食いしててね、その中でこの遺作ってのが結構面白くて…、というかリリースされた当時、そして今でもあまりブルースファンには好まれない作品だし、フレディ・キングのキャリアを語る中でもRSO時代は割とないがしろにされているケースが多くてんで。最後の最後となった「Freddie King (1934-1976)」ってのは割ともてはやされるんだけどこの前の「Burglar」と「Larger Than Life」はあまり着目されない(笑)。

 そんなことで敢えて着目してみた…。うん、全然悪くないじゃん、これ。そりゃそうなんだけど、音のアレンジが非常にソウルフルというのかディスコでもかかるようなアレンジになっているっつうか、音もそういう雰囲気になっているってのもあるのでファンからは割と敬遠されてしまうっていうのがよくわかる。ホーンセクションとかもゴージャスな感じではなくってアクセント的にダンス調に使われていたりね。今となっては全然ハマっているし、面白いんだけどピュアでアグレッシヴなブルースギターを期待していたブルースファンは引くかな。言い方を変えればこれもまた新たな領域の拡大に挑むフレディ・キングの姿とも云えるね。

 でもさ、当然ながらギターはバリバリに弾いていて、それがまた相変わらずなのでやっぱり凄いワケさ。うわぁ~、こんなギター入ってくるんだ~と感動するもんね。そして歌声もあの覇気のある元気な声で全然いいじゃんね。どうやらスタジオ録音テイクとライブテイクが混在しているアルバムで、そのスタジオテイクはあのマイク・ヴァーノンがプロデュースしてるとか。この人、ブルーホライズンレーベルの人ね。フリーとかも思い切り関係してる人。

Albert Collins - Live 92-93

 同じギターでこうもスタイルが違うかと言うくらいに対極に位置している思い切り黒人ブルース…でもモダンブルースやデルタブルースではないからまだ近い領域かもしれない(笑)。テレキャスターを右肩に掛けて7フレット目にカポして超ワイルドに指で弾きまくるデカい黒人、アルバート・コリンズ。この人が亡くなったのも実に惜しいよなぁ…、そのちょっと前くらいに日本に来ていたんだよね。見たかったなぁ~。

Live '92/'93 Live

 そんなことで思い切りヘヴィーっつうか人間臭さ丸出しのライブアルバム、しかも晩年のライブ集大成とも言える「Live '92/'93」という作品だ。リリースは1995年なので当然没後のリリースだが、このジャケットが実に良いと思いません?こういう渋いセンスはアメリカならではで、まぁ、ロック系で言えばブルース・スプリングスティーンなんかと同じ男臭さっていう世界なんだろうけど、良いじゃないか、かっこよいし、そのかっこよさの中にはどこか男の香りがある、ってもんだ…、とは男の勝手な意識か?ま、なんでもいいんだけどさ(笑)。

 うん、あちこちのライブ録音素材から引っ張ってきたものらしいので、曲順とかは別にこだわりないんだろうけどこの人もこれくらいになると色々なライブアルバムがあったりするが、ほとんどいつも似たような曲が並ぶのが常で、このアルバムも大体似たようなものが並んでいるので曲そのものにはそれほど注意を払って聴いてはいないんだけど、初っ端「Iceman」はテーマみたいなもんで、もう始めからバキバキのテレキャスサウンドでいきなりハートに刺さるサウンドがガンガン来る。その後はすぐにソフト&メロウなアドリブ重視の11分弱にも渡る曲で、こういう曲での音使いってホントに本能的に巧いよなぁ…。ハードにバキバキってしながらメロウにやんわりと、ブルースメン曰く「ギターはオンナを抱くように可愛がるのさ」ってなことを見事に音で聴いていてもよくわかるくらい多様な触れ方をしていてそういう意味では非常にいやらしい…、でも凄く温かみがある心地良さ。その温かさが良いんだよね、ブルースってのは。特にこの人は普段のギターがシャープで尖ってるから余計にそう思う。

 ブギありシャッフルあり、そしてこの人のバンドの特徴でもあるけどホーンセクションはもちろんながらA.C.リードのサックスが結構メインに据えられていて、パーティバンド的なものでもあるけど、毎度のことながらお遊びが面白い。サイドギターの人、名前調べてないけど結構良い味でギター弾いてて、アルバート・コリンズと似たようなフレーズを結構キメてくれるし、面白い。しかし…、「Frosty」なんて毎度の曲ながらもやっぱり弾きまくっててクラクラするわ(笑)。

 キャリアは古くてデビューも古かったんだけど一端ブランクがあって、主に目立ち始めたのは80年前後くらいからという遅咲きブルースメンだけど、当然ホンモノのスジはしっかりある人でロックにも多大なる影響を与えているしロックに影響も受けている人で、バディ・ガイなんかとも双璧を張るかもしれん。まぁ、この手のギターはフレディ・キングあたりからなんだろうけどね。でもアルバート・コリンズ、かっちょよいっ!

Steve Howe - Not Necessarily Acoustic

 ギタリストってのは元来目立ちたがり屋なもので、それは多分どんなバンドのギター弾きにでも云えることだと思う。その表現は色々あるので一概に云えないんだけど、多分そうだと思う。殊にロック系は絶対そうだと思うね。本当にギターの巧い人っていうのももちろんたくさんいて、個性豊かで音色も豊かなので面白いんだけどさ、プログレ界を代表して皆に巧いと言われたのはこの人、スティーヴ・ハウくらいなんじゃないだろうか?もちろん他にもいるんだけど、キース・エマーソンですら彼とはバンドを組みたかったと言わせるくらいなのだから。

Not Necessarily Acoustic Turbulence
 そんなスティーヴ・ハウが無謀にもたった一人でツアーに出たときのライブ音源を収録したライブ盤、だけど全然完璧なソロ作品として成り立っている、そして自分が普段余り聞かないイエスとは全く切り離された世界で一ギタリストとして非常に好きな作品がこの「Not Necessarily Acoustic」だ。ジャケットはもちろんロジャー・ディーンで幻想的な世界が描かれていて1994年のリリースなのでCD時代になっているんだけど、惜しげもなく見事なアートワークを見せてくれているのは嬉しいね。

 そして中身は1993年12月のライブを収録したものでホントに一人だけでやっているので基本アコースティック。曲によってはバックに自分で録音したオケを流して、これもギター一本なんだけど、それをバックに多重演奏を聴かせてくれます。アコギメインで、エレキも使ってるけどフルアコなので歪んでいるワケじゃないから当然静かなる演奏。そして驚くことにイエスの「海洋地形学の物語」なんてのを9分間も独演しているのだ。故にボーカルもやってます。可もなく不可もなく、楽曲のラインは当然なぞっているのでハウ中心の曲だったんだなぁとつくづく思い知らされて、観客の盛り上がり方と言ったら凄いモノがある。それはもちろん「Roundabout」なんかもそうなんだけどさ。

 でもこのアルバムの真髄はやはりハウのフラメンコ、スパニッシュ、クラシック、フォーク、ジャズなど多様な弾き方で楽しませてくれる飽きの来ないギター演奏であって、もちろんイエス好きの人は聴くのかもしれないけど、個人的にはイエスよりこのアルバムの方が全然良い(笑)。凄いんだもん、やっぱり。ギター一本に近くてしかもアコースティック中心で一時間飽きないって凄いよ。そして聴いていれば聴いているほど音色とか指使いとかフレーズとかが気になる。

 モントルーのライブビデオってのがあって、それを見たことがあるんだけどさ、もうとんでもないワケよ。うわぁ~、こんな風に弾いてるんだ…、でも指は5本だよな?みたいな(笑)。いや、楽しめる作品で、ギタリスト向けのマニアックな作品で、何でイエスなんてやってるんだろうと不思議に思う作品でした。ん?廃盤?勿体ないねぇ…。

The Jeff Healey Band - See The Light

 トロント出身の盲目のブルースギタリスト、ジェフ・ヒーリー氏死去の方を聞いたのはつい最近のこと。ジェフ・ヒーリーの名前を聞いたのも久しぶりだったんだけど、まだ41歳という若さだったらしいが、ガンで逝去らしく盲目に加えて早くに逝ってしまうのも不運な人だったのか、満喫した人生が送れたのかわからないけど、そういえば出てきた当時はよく聴いたものだと追悼の意を込めて聴いてみました。

See the Light Hell to Pay

 1988年リリースのファーストアルバム「See the Light」。タイトルがモロに狙っているというのか、それを象徴しているんだけどアルバムリリースされた頃、話題ばかりが先行していて盲目のギタリストが膝の上にギターを載せて弾いていて、それが実に器用で素晴らしい、ということだったのでアルバムジャケットで見れるように確かに器用そうに弾いているんだろうなぁという印象はあったけど、アルバムを聴いてみると普通にモダンなブルースギターだったりして見た目と出てくる音のギャップを感じたモノの、かえって普通に聴いていたかもしれない。今の時代ならYouTubeとかで動く彼の映像を見れるので、その特異な奏法を目にして驚くこともできるだろうが、当時は全然見た記憶ないもんなぁ…、あ、MTVでプロモが流れてたのを目にしたことあるか。

 しかしそれくらい普通に聴けてしまうくらい別におかしくもなんともないブルースギタリストのアルバム。一曲目から思い切りマイルドで艶やかなギタートーンとフレーズで攻め立ててくるブルースソングで心に染み込む音が心地良い。アルバム全体としてもちろんギターは同様に鳴っているんだけど、ヘンにブルースしすぎてなくって聴きやすいモダンな音になっているのでおしゃれとも云えるかもしれないな。ブルースしすぎないってのは狙ったと思うけど、同時期に活躍していたロバート・クレイやスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターのトーンや曲調とは明らかに異なり、まぁ、カナダらしいとも云えるのかもしれないけど野生っぽいのではない(笑)。

 しかし今映像見て音を聴くとどうやって弾いてるんだこれ?って思うような弾き方で…、確かに1歳で視力を無くしていればどうやって人がギター弾いているか見たことないワケだから独自でこうなったんだろうなぁ。普通に弾いてみたら凄く巧かったりしてね。出てきた当時は話題も多かったけど以降はどんどんブルースマニア向けの人になっていったのかほとんど名前聞かなかったので、ほんと記憶から消えていた。こんな形で記憶が甦るのも良くないんだろうけど、久々にしっとりと聴いてみました。「Angel Eyes」の切なさを聴きながらね。



Michael Schenker - Adventures of the Imagination

 ハードロックギタリストのインストアルバムって結構いくつかリリースされているみたいで、調べてみると知らなかったがブラッド・ギルスとかトニー・マカパインとか出してるみたいで、どちらかと言うともうG3とかくらいしかないのかと思ってたけど、やっぱりあるもんですな。それならばってことでやっぱり永遠の神と崇めているマイケル・シェンカーもあるじゃないかと引っ張り出してきたワケで…、しかしこの人全盛期過ぎてから好きな事してるのでインストアルバムいっぱいあんだよね。有名なのは「Thank You」っつう作品でアコースティック中心のメロディアスなインストもので、正直言って非常に素晴らしい作品なのだ。これ聴いてると凄く落ち着くしさすがにメロディメイカーと唸らされるもん。

Adventures of the Imagination Thank You

 しかし今回はもちっとエレクトリックインストものが良いかな、ってことで2000年にリリースされた「Adventures of the Imagination」という作品。やっぱりメロディの素晴らしさは健在で、バンド単位でエレクトリック、というかフライングVを弾きまくってくれているので楽しめる。歌がない分、リズムの切り替えなども曲に合わせてドラマティックとまではいかないけど、結構ガラリと変わっていったりするのでそのヘンはフュージョン的なのかもしれないけど、やっぱりマイケル・シェンカーの場合は正確無比なピッキングと美しさだね。聴き慣れたテクニックがそこかしこに発揮されていて、早弾きなんてのはもちろんあるけど、ミュートしての三連とか三本指での繰り返しフレーズのスライドとか…、いや、やっぱ美しい。曲として完成されているかと言えばそういうのは少ないのがこうしたアルバムの難しいところだろうけど、それでもしっかりギターが歌ってるもんね。

 90年代以降の作品はあまり聴く回数が多くないだけにこうしたアルバムはとっつきやすいかも。マイケルのギターだけに耳を集中できるってのが良くって、ヘタに歌が耳に付くっていうのがないしさ。でも、まぁ、やっぱりホントはバンドとして機能して貰いたいところだよね。

 …って言ってあれこれ調べてたら2008年4月には新しいアルバムをリリースするらしくって、メンツがなかなか面白い♪ ドラム:サイモン・フィリップス、ボーカル:ゲイリー・バーデン、ベース:グレン・ヒューズがキャンセルして代わりにニール・マーレイ、鍵盤:ドン・エイリー、とのこと。やっぱりこういうメンツと思い切りやってもらいたいよなぁ、この人には。ローカルバンド的な活動ばかりしていて面白くないので、ここらでまた派手にロック界を騒がせてもらいたいものだ。期待しちゃうね、これ。



Steve Vai - Passion And Warfare

 ギターヒーローの座を得てから今に至るまでコンスタントに、そして常にチャレンジし続ける姿勢で追求していくギタリストは多くはない。ましてやそれがHR/HM的サウンドであるなんてのは多分スティーヴ・ヴァイ一人じゃないか?まぁ、イングヴェイも近い部分あるけどやはりある程度固定的な音ではあるし…。

パッション・アンド・ウォーフェア <エイリアン・ラヴ・シークレッツ
 そんなことで1990年リリースのヴァイのソロ作品としては傑作として名高いアルバム「パッション・アンド・ウォーフェア」。まぁ、正直言ってHR/HM的な、というかこれだけ歪んだギターとトリッキーな技を駆使した中でのインスト作品っつうのはジャズ界とかではないワケで、もちろんポップス界でもなくって、日本で言えばせいぜいチャーとかが思い付くくらいか。世界的に見たって、ジェフ・ベックが当てはまるくらいで、あんまりないよなぁ、こういうの。まぁ、あまり好まないから聴いてないだけなのかもしれないけど、一般的には面白い作品にはならないハズなんだよね。どうしても単調になるだろうし、そんなにバリエーション豊かな音色ってもあるけど曲調とのマッチングも難しいし。でも、それがこの人のこのアルバムでは見事に昇華されている。

 全体感で言えば、サウンドトラックみたいなもんで、テーマがあったりする中で音がそれを表現している。主旋律はギターで奏でられるけど、思い切りバンドのインストみたいなもんだからギタリスト主体の、という感じではなくってどちらかと言うとコンセプトアルバムで歌がないハードなバンド演奏というような感じ。だから曲がもちろんしっかりできているし、そこにはバンドアンサンブルも存在していて…、そしてギターの恐るべしテクニックが凝縮されているので更に「わぁ~!」っていう驚きと楽しみが秘められているのが良い。ジャケットに見られるようにカラフルなサウンドと曲調が散りばめられていて、まぁ、オシャレなバーで流れるインストモノじゃないけど、面白いよ、これ。

 元々そういう人だからこんな作品ができてもおかしくないし、ザッパの影響もやっぱり大きいだろうし、ザッパの枠から思い切り離れたところで世界を作ってる。マイク・ケネリーなんかも同じ部類だろうけど、まぁ、変態的ギタリストってのは通常はギターに走るんだけどちゃんと音楽に走ってるのが素晴らしい。果たしてどういう時に聴く音かっつうのが問題だが…。

Steve Stevens - Atomic Playboys

 HR/HM界ではないのだけど個性的で弾きまくるギタリストってことで表立っては出てこないけれど有名だったのがスティーヴ・スティーヴンスという冗談みたいな名前の人。一般的に言われるのはビリー・アイドルの片腕として頭角を現し始めてその後はマイケル・ジャクソンのアルバムで弾いてみたり、映画「トップガン」のサントラで弾いてみたり、マイケル・モンローとのエルサレム・スリム、その後裏切りのヴィンス・ニールのソロ活動、更にトニー・レヴィンやテリー・ボジオと組んだりと色々なところで名前が出るようになったんだけど、そんな彼が1989年にリリースした最初のアルバムがこの「Atomic Playboys」。

Atomic Playboys Flamenco A Go-Go
 ビリー・アイドルのトコロから飛び出てっつうワケでもないんだろうけど、機は熟したと言わんばかりにシーンには好意的に受け入れられたアルバムで何と言ってもジャケットがH.R.ギーガーってのが話題になった。もちろん「エイリアン」の、でもあるしEL&Pの「恐怖の頭脳改革」、でもあるしアイランドの「ピクチャーズ」でもいいけど、アレだ。一目見て分かるだろうけど、それで興味を持つ人も多かったんじゃない?

 そして音はバリバリのギタリストアルバム…かと思えば全然そういうんではなくってしっかりとしたバンド形式での作品。しかもかなりレベルの高い作品が並んでいるし、バンドの巧さも当然ながら相当にカッチリとしたバンド然としているアルバムで、スティーヴ・スティーヴンスも主役ではあるけれどギタリストの奔放さよりもバンドとしての一員として留めているってトコかな。最初のタイトル曲からして滅茶苦茶かっとんでてかっちょよい。歌っているのは別の人なんだけど、これもまたかなり個性が際立った上手い人で、エラく良いぞ。エモーショナル感もたっぷりあるし、それは4曲目なんかでのバラードで良く出ている。この曲でのスティーヴンスはしっかりとフラメンコ的サウンドという自分のルーツも出しながらポップなバラードという衣に埋もれさせているのも上手い。そして3曲目のスウィートのカバー曲「Action」だが、いやぁ~、これもまたよろしい。曲のポップさもあるけどアレンジのシャープさが疾走感あってかっこよくできてるしね。5曲目「Soul On Ice」なんてのもかなりスピーディに疾走してるけどうるさくなく、またちょこっと彼のプログレ的趣味も入っているのが面白い。9曲目「Woman of 1000Years」では自身のボーカルを披露…これがまたがなり立てるような歌ではなくって効果的に低い声で渋めに歌っているものでギタリストの歌声としてはかなりマルなんじゃない?そして聴き所はやっぱり10曲目の「Run Across Desert Sands」というインストナンバー。やっぱり隠しきれなかったか、思い切りフラメンコギターを演奏してくれている。こういうのがあるからスティーヴ・スティーヴンスという人はミュージシャンに好かれる玄人ウケする人なんだと思う。もちろん一般のファンもこういう側面というのは驚きの一幕でもあるし、だからこそ才能を認識するしね。凄いんだ、このフラメンコが。

 ってなことでギタリストのアルバムってことで選んでたんだけど実はひとつのバンド作品として成り立ってしまっているアルバムで、今でも名盤と誉れ高い作品。この後の「Flamenco A Go-Go」も傑作として有名なので結構騙されたと思って聞いても損しない作品だ。

H.S.A.S. - Through the Fire

 ヴァン・ヘイレン二代目のボーカリストとして迎えられたサミー・ヘイガーは今やそれで有名なのだろうが、もともとはモントローズのボーカリストとして1973年頃からシーンに登場してきた強者、75年にはモントローズを脱退してソロ活動に移るが、そこから結構地道に歌って名を売り始めていたのだ。80年代に入ってからはサントラで名前を見かけることも多くなってきて、どれもこれもスカッとしたアメリカンハードロックサウンドで何のクセもなくハイトーンボイスで実に気持ちの良い歌と音を聴かせてくれる人、だったのだが、同じく当時アメリカでヒットを放ちハードロックと産業ロックの橋を掛けていたジャーニーのニール・ショーンと意気投合して放った作品がこれ。

Through the Fire VOA
 1984年リリースのセッションアルバム「Through the Fire」で、歌はサミー・ヘイガー、ギターにニール・ショーン、ドラムはニール・ショーンがサンタナと一緒にやってた関係からのマイケル・シュリーブっつう人、ベースは元々はデリンジャーにいた、そしてサミーと一緒にやっていたことからのケニー・アーロンソンっつうメンツで、まぁ、ゲフィンの差し金ではあるけれど、大いに名盤として語られる域にあるアルバム。何でもジャーニーの活動休止中でのプロジェクトだったので一年程度でアルバム制作及びライブ活動というもので、そもそもこのアルバムも1983年のクリスマスチャリティでのライブ一発録音がベースになっているらしい。とてもそうは聞こえないくらい完璧なのでさすがにプロミュージシャンの集まりというところかね。

 いやぁ、一曲目からもう快活で心地良いアメリカンロックで正にサミー・ヘイガーの本領発揮。それこそサントラに入っていても納得の爽やかさだし、続いてはニール・ショーンの味が出ているのか名作という雰囲気でメジャーになりすぎないで心に残るメロディを奏でてくれる作品…、そしてあらゆる箇所でニール・ショーンのギターのオーケストレーションっつうか分厚い音の壁によるサウンドの広がりはさすがにアメリカンロックを支えている人なだけある。テクニックも申し分ないのでやはり心地良いね。歌のサビなんかもしっかりと売れるようにフックの効いた展開だし、ギターソロもばっちりハマっているし、単純にかっこよい。それはアルバム全編を通して云えることで、単なるセッションアルバム以上の出来上がりでそれこそパーマネントで活動していればもっと売れただろうに。

 そこにヴァン・ヘイレン加入の依頼が来てしまうんだな。まぁ、ニール・ショーンもそれは止められなかっただろうし、誰もが当時のヴァン・ヘイレンに行くべきだ、と考えるもんね。その後のサミー・ヘイガーの快進撃はご存じの通り。そして個人的には全然聴かなくなった頃(笑)。

Brian May + Friends - Star Fleet Project

 ギターヒーローによるソロ作品、と言ってもどれもが皆気合いの入ったものというワケでもなくほんのお遊び程度にリリースされるものもある。その最たる例がブライアン・メイの「Star Fleet Project」という作品ではないだろうか?

Hot Space

 1983年にリリースされた12インチミニアルバム、というのかそんなに大した事を言えるような作品ではないんだけどね。前3曲入りで、何でもブライアンの長男が当時英国で放送していた日本製のテレビ番組、いわゆるロボットものの「スターフリート=Xボンバー」の音楽をアレンジして収録。なんでまたそんなことしたのか知らないけど、まぁ、親バカのひとつなのかねぇ。1983年っつうとクィーンだと「Hot Space」の後くらいか…、あぁ、クイーン解散するかしないかっていうくらいにヤバい時期のことだからこういうのもあり得たんだろうな。

 中身はギタリストの豪勢な作品というのではなくってほんとにリラックスして自宅録音しましたって感じのもので今ならアマチュアの誰でも作れるような代物。二曲目の「Let Me Out」はブルース調のリズムに乗せてメランコリックに展開する曲で、こういった曲調はクィーンではあまり聴かれないので何となくわかる。それでいてギタリストであれば好きそうなリズムだしね。可もなく不可もない珍しくドロ臭い感じのする曲。そしてB面の全編13分弱を飾るのがエディ・ヴァン・ヘイレンをゲストに迎えて展開するフリージャムに近いブルースセッション。しかし、期待するほどエディは派手に弾きまくっていないしライトハンドも封印しているので一聴しただけでは面白味はないと思う。それはブライアンのギターにも云えるんだけど、味があるブルースギターというのではなくってやっぱり早弾きをどうやって出すか、みたいな感じでセッションされているからかなぁ…いや、多分本人達は凄く楽しくのんびりとプレイしているんだと思うけどさ。まぁ、いいか、それでも。

 当時は参加ギタリストの名前は伏せられていたし多分クレジットもされていなかったと思うのでエディ参加というのも目立たなかったみたいで、この二人が仲良いなんて思わなかったけど実はそうなんだ、って聴いてちょっと驚いた。エディって誰と懇意なのかね?ミック・マーズとかは知ってるけど他はあんまりセッションとか聞かないし、割と不思議。

 んなことでブライアンのソロ一作目はリラックスしまくった作品で、クィーンがあった頃は特にソロ作なんぞやらなくてもよかったんだろうね。以降はほとんど聴いたことないから知らないけど。

Van Halen - Fair Warning

 今でも真の意味のギターヒーローと云える人は数少ないだろうし、それが30年も言われ続けるっていう人になるともっと少なくなるだろうね。でも、笑顔の絶えないこの人エディ・ヴァン・ヘイレンは誰もが認めるテクニックとヒーロー性を持った人で、最近再結成ツアーを行っていることで話題なんだけど、それでまた何となくヴァン・ヘイレン熱が再燃してきたのでちと聴き直してみました♪

戒厳令 Diver Down

 1981年リリースの4枚目「戒厳令」。エディのギターで彩られたアルバムとして知られている作品で、この作品の反動があったために次の「Diver Down」はデイヴ色の強いアルバムになったとか…。それはともかく、やっぱりこの「戒厳令」はギタリスト的には面白いアルバムだ。冒頭からしてなんじゃこりゃ?ってな感じで始まるギターの音色と奏法。アルカトラズのセカンド「ディスタービング・ザ・ピース」でスティーヴ・ヴァイが似たようなことしてるけどこれのパクリかねぇ。そんなのが全編聴けるんだけど、やっぱりエディらしいって思うのはそんなギター小僧なのに、ギターを何本も重ねるというようなことはほとんどしていなくてせいぜい二本まで。それもソロのバックのギターを入れている程度で、ライブで叩き上げてきたからなのか、ライブを意識してあまり重ねていないのか、その辺のシンプルさもヴァン・ヘイレンらしいとこだね。

 楽曲の方はいつもながら名曲、っていう感じのものではなくって結構キャッチーで口ずさみやすい曲がいくつも入っているし、コーラスワークも健在なので取っ付きやすいのは取っ付きやすい。ただギター小僧が聴くとどうしてもギターにしか耳が行かないので、そのポップさやデイヴがどうの、ってのは全然後回しで、ここにこんなフレーズで入るか~!とかおぉ~、こんな音色でギターって鳴るのか?なんてのが気になってしまうので、全うにアルバムとして聴いていられないっていう(笑)。

 単なるライトハンド奏法から更に進化したエディのギターテクが聴けるし、ギターそのものの面白さなんてのも聴ける大変ギタリスト的なアルバムで、30分強しかないのも聴きやすい。しかしマイケル・アンソニーもシンプルに良いベース弾くなぁ…。しかし十年以上ぶりに聴くこのアルバム、割と色々なサウンドが詰め込まれていたんだ、と改めて気付いた。ギター一辺倒な聴き方だけではいけませんね、はい(笑)。

Aerosmith - Pump

 1980年代末、ボン・ジョヴィによるハードロックバンドのアイドル化に成功してからというもの同様の路線のバンドがいくつも出てきたがどれも長続きせず、やはり自社努力無しにて成功はあり得ないということが証明されつつあった中、起死回生の復活劇を遂げたエアロスミスも次なる方向性を模索していたのだろうか?「Permanent Vacation」での成功劇がいつまで続くのかと思われたがしっかりと次なる戦略も図ってきたあたりはさすがにプロ。

Pump Permanent Vacation

 しかし、70年代の栄光があるエアロスミスまでもがアメリカンロックビジネス戦略に乗ってしまうあたりは往年のファンからしてみたらかなりの裏切りに感じたものだ。やっぱりロックってのは自分で曲作って楽器やって、っていうのがあるからさ、そういうもんじゃないっていうのはアイドル、みたいなね。それがエアロスミスでヤラれちゃうんだから困ったもんだ。まぁ、もちろん曲調もアレンジのセンスもミックスも全てが昔のエアロスミスとは全く異なっているので、同じメンバーによる作品と云えども全く違うバンドと言っても良いくらいに80年代中期以降のエアロスミスは変化している。

 1989年リリースの「Pump」。この後来日公演をしているんだけどそれが78年かそこらに来て以来二度目の来日公演で、まだエアロスミスの商業戦略に気付いていなかった多くのファンは70年代の栄光を求めて群がったものだ。いやぁ、かっこよかったけどさ。そしてそこで気付いたのは往年の曲のかっこよさと当時の新作群、「Permanent Vacation」「Pump」と言ったアルバムに入っていた曲の圧倒的に垢抜けた王道ロックらしい音に驚いた。好みの問題ではなくってエンターティンメント的な部分とか大衆を惹き付ける曲展開とかサビとかノリの良さとかそういう部分では全然違うもん。

 「Pump」で言えば「Young Lust」にしろ「Love In An Elevator」「The Other Side」なんてのがその代表だし、古くからのエアロスミスを彷彿させるのは「Janie's Got A Gun」とかだけど、これ、上手過ぎ(笑)。でも面白いなぁ、当時も思ったけど今聴いても思うのが、まぁ、他人に依存しながら作られたアルバムでヌケが良いとかはあるけど、やっぱりエアロスミスの音なんだよな。だから多くのファンに受け入れられているんだろうし、新しいファンが70年代のエアロスミスを聴いても古くさく感じなくてちゃんと聴いていられるっていうのはあるんだな。う~んやはりこの辺はキャリアの成せる業、そしてまたもうどん底にハマりたくはないという全てのメンバーのサラリーマンシップ…とは言わないが、当たり前の真意だろう。

 最近のエアロスミスってあまり聴かないけど、この辺のはまだまだかっこよいなぁ。今のもかっこよいんだろう、きっと。自分的には何故かここまで、っていう…。うん、何か単なるアメリカンロックになってしまったからだと思う。最初期から聴いているとわかるけど、かなり英国的なロックの香りがしたバンドだったのがこうなっちゃうとね。ま、でも、ライブ見たり聴いたりしてるんだけどさ(笑)。

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