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フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。

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Van Morrison - Moondance 

  ルーツを遡る、これはアーティストにとってはあまり重要なことではないと思う。アーティストはこれからの音楽を創り上げていくクリエイターである必要があるから過去に縛られてはいけないのだ。たまには良いのだろうが基本的に新たな音楽世界を作っていくことが仕事なのだ。故に新作が期待はずれに終わることがよくあるのはその果敢な挑戦をリスナーが受け入れてくれない時、もしくは自分のセンスがズレていた時、なのだ。が、一方でルーツを大切にして時代を超えて伝授していくべき音楽を奏でる人もいる。こういう人はミュージシャンと呼ぶ。ミュージシャンは如何に上手にそういったものを奏でて次世代にわかりやすく伝えていくか、であろう。

Moondance ゼム・ファースト〜アングリー・ヤング・ゼム

 さて、ヴァン・モリソンという人をご存じだろうか。古くはゼムというバンドの一員であり、有名な「Gloria」の作曲者だ。60年代末期には既にバンドを脱退してソロ活動に入っており、今なお現役で自身のルーツをしっかりと見つめ直してアルバムをリリースし続けている人だ。どちらかというと歌い手の人なのであまり興味はなくて、大して聴いたことはない。が、何となく恒例の棚整理中に出てきたのでちょろっと聴いてみた、一般的に名盤と呼ばれている「Moondance」だ。

 1970年リリースのソロ二枚目、かな。アイルランド人なのでその筋でも有名ではあるが、一般的には英国ロックの人として語られる?と思う。いやぁ、ゼムって一瞬だけ光り輝いたバンドだったから、どっちかっつうとソロになってからの方が有名だからさ。ゼムの頃はR&Bに根ざしたロックンロールをやってたけど、ソロになってからはたまたま時代的なものもあってアメリカのカントリー、スワンプ的な音を追求していたらしい。その決定的な作品が「Moondance」というアルバムで、もちろんそれだけじゃないけど、どこか望郷的な香りのする曲が多く、ノスタルジックな気分になる作品。どんな気分の時にこういうの聴いたらいいのかな…、ハマってる時だと凹み過ぎるだろうし、元気の良い時にはあまり聴く気にならないし、難しいかなぁ。多分ちょこっと黄昏れている時にはピッタリなんだろうけど、そんな時ってのは自分にはあんまりないので聴かないのだろうか(笑)?いやいや…。

 多分凄く大人な音楽なんだと思う。いいなぁ〜とは思うけれど自分にはまだ早いなんて感じかな。曲は良い曲ばかりで…、しっとりとするし楽しめるし。BGMとしてもかな〜り良い感じになるだろうしなぁ。でもしっかり聴いてももちろんいいなぁ〜っていう…。こういうアルバムがあるんだ、って改めて認識した。

Solas - The Hour Before Dawn 

 女性歌モノってのもこれまた結構な数のCDが散乱していて、整理するのもなかなか大変なのだがちょこっと聴いて火が点くと立て続けに聴きたくなるもんだ。ソーラスっていう何となく魅惑的な名前を持つバンドのCDを発見してしまった。何となく哀愁を帯びるようなジャケットに惹かれて、そしてものすごくケルトだったような気がして聴いてみる。

The Hour Before Dawn The Words That Remain [Import]

 2000年リリースの「The Hour Before Dawn」で、驚くことにアメリカ在住のアイルランド系アメリカ人が集まって組んだケルティックバンドの作品。なので一応アメリカのバンドの作品ということになるのだが、いやこれがまたどこから聴いてもケルティックな音で、普通に聴いたらどこの国のバンドかわからない。ただ、知ってて聴くとやっぱりどこか垢抜けている感じがするのは多分知識と偏見からだろう(笑)。

 結構な枚数のCDをリリースしていて、本作「The Hour Before Dawn」からはボーカリストが変わっているらしい。ってもこのアルバムしか持ってないからよくわからないんだけど、これが一番良い作品じゃないか、と薦められたので持っているだけなのだ。基本的にオープニングから全てゆったりしたケルティックなサウンドでフィドルも良い感じに鳴っているのが好き。そしてもちろん美しい女性の歌声が響き渡るのも素晴らしい。コーラスワークとかもしっかりしていて、結構しっとりと聴かせる歌が多いかな。その中でジグが入ってくるからこれまた楽しくなってくる。ケルティックな旋律だけで構成されるジグって凄く好きなんだよね。気分が高揚してきて嬉しくなってくるんだもん(笑)。

 ギターから始まり男性ボーカルで通す曲なんてのもあるんだけど、パートパートだけ聴いているとどこかアメリカのカントリー的な雰囲気もするところが面白いな。他の音とかアレンジが入ってくるとやっぱケルティックかなと思うけど、ギターとコーラスだけだとカントリーチックで不思議。こういう融合が音楽を世界に渡らせてより豊かなモノにしたのだろうね。

The Farlanders - Moments 

 ちょこっと変わった音を発見したのでご紹介…。一時期トラッド系列の音を色々と集めていたことがあって、基本的に英国やアイルランド、ケルトのものを中心にしていたんだけど、結構あちこちにその系譜からでてきたものなんてのもあったり、そもそも土着的な民族音楽に最近の味付けしたモノとか、女性が歌っていれば結構それだけでも良し、みたいなのもあってあれやこれやとCDがあったりするのでザラッとね♪

Moments The Dream Of Endless Nights

 2000年リリース「Moments」。ロシアの民謡ジャズトラッド女性歌モノバンド…、っつうのかなぁ(笑)。アルバムタイトルになった「Moments」っていうのはロシアのライブハウスのことで、このアルバムはその「Moments」っていうライブハウスでやったライブを収録したアルバムなので、ライブ盤らしい。聴いてみるとわかるんだけど何処がライブなんだ?と思うくらいに完璧なアンサンブルとテクニックで録音されているのでわからん。確かに合間合間に歓声が入っているのでライブ盤なのは確かなんだけどさ、エコーとかも完璧でさ。まぁ、最近のだからおかしくないけど、凄い。

 音的には基本アンビエント系の雰囲気で美しい女性の歌声が広がるという好きなパターンで、旋律はロシア民謡的なんだろうな、こういうのって。男性が歌うのもあるんだけどこの人がまた高名な方らしく、貴重なセッションでもあるらしい。そういう基本情報が押さえられていないのが問題なんだが…(笑)。何曲かはバンド単位での演奏になるんだけどその時のエレクトリックフレットレスベースのブイブイさが凄くて、ジャズ的とも言われるところかな。でも、聴いているとやっぱり落ち着いた民謡的なメロディーを中心に雰囲気と空気感で場を創り上げる音楽かな。エコーやコーラス感が強いので当然透明感も高まり、いわゆるロックな世界ではなく、透き通る川の底を見つめながら流れるそよ風に身を任せる、みたいな雰囲気あるかな。

 あんまり聴いたことのない楽器の音色もするし、拍子にしてもちょっと違う…、やっぱり民族系の音って面白いよね。ず〜っと聴いていたいとは思わないけどたまに聴くと凄く新鮮で感性が磨かれる。タイトルが「7/8」とか「Blues」とかってあるんだけど「Blues」って、そういう解釈?みたいな(笑)。いや、新鮮だよ、ほんとに。何気に変拍子とかも普通にやってるってのも恐ろしいけど。結構プログレ好きな人は好きなんだろうな、と思った。最後はもの凄い盛り上がりを見せてくれるのでアンビエント系とか何とか関係なしにミュージシャンの楽しみ的に滅茶苦茶ハイテンション。ここまで聴ければ凄く面白いね、こういうのは。なかなかスカッとするライブ盤、良い♪

Donovan - The Hurdy Gurdy Man 

 CDコレクションの山の中から何となく聴きたいモノを眺めて探し当てるのが好きなんだけど、そもそもお目当てのモノを探している間に全然違うモノを見つけてしまって、そっちを聴く、というようなことはいつもよくあるお話(笑)。んで、今回も全然違う音を探していたんだけど何となく見つけてしまって聴きたくなったのでつい手が出てしまいました。

The Hurdy Gurdy Man Sunshine Superman

 1968年リリースのドノヴァンの作品「The Hurdy Gurdy Man」。妙〜にサイケデリックな路線やインド音楽、もちろんシタールが中心だったりするんだけど、そんなのがどわぁ〜っと押し寄せてくるもの凄く浮游感漂うアルバムです。自分的には別に趣味ではないのに何であるんだろう?とか思いながら聴いてたワケなんだけど、ジャケット見ながら聴いてて、「あれ?」って思ったのが一発目のドラムの音…、「ん?」って見てみると、ジョン・ボーナムって名前があったり…、更にジョン・ポール・ジョーンズやジミー・ペイジも参加してるのか、これ、この一曲目ってバックツェッペリンかぁ…、で、プロデューサーはミッキー・モスト、なるほどね。しかも3曲目にはアラン・ホールズワースですか?うそぉ〜、凄いセッションだぜ、これ。追いかけていくと5曲目にも見たような曲名が「Get Thy Bearings」…、クリムゾンがライブでやってたんじゃないか?初期に。このカバーかぁ…と感心しまくって聴いているのだが、ここで聴けるオリジナルはヘンにジャズっぽい感じで、そして退廃的な歌い方…、う〜ん、クリムゾンがカバーするのは不思議だけどおかしくない(笑)。その他はどう聞いてもどれも時代を反映したフラワームーヴメントにピッタリのサイケサウンドなんだよね。まぁ、心地良いっちゃあ心地良いので参加メンバーの豪華さに釣られて入手しても決して音的に悪くない楽しめるCDだね。

 …で、何でウチにあったのかはこれで解明。そういえばドノヴァンの「Sunshine Superman」や「The Hurdy Gurdy Man」では結成前夜のツェッペリンが参加していたんだ。それを思い出して納得納得。そんなの他にもいっぱいあるけどあまり面白味がないので書かなかったなぁ、と。忘れて聴いたけどドノヴァンとして聴いても結構面白い位置付けの作品なんじゃないかな。後に色々な人がドノヴァンをカバーしていたことでわかるように英国ではかなり知名度があったようなので…。

YouTubeはこちら♪

Kaleidoscope - White Faced Lady 

 ロック史に於いてなかなか表に出てこない名盤というものは多々あるモノだ。その評価は非常に高いけど一般のリスナーには情報として届かないというようなもので、もちろんロック雑誌を漁ったりすれば出てくるのだろうが、なかなかそこまでしないってのが多いので表に出てこない名盤ってのはやっぱり多くなる。もちろん好みの問題だからいいんだけどさ、それでも勿体ないな〜ってのもあるよね。多分みんなそういう自分だけのお気に入り名盤ってあるんだと思う。一般的な名盤はともかくとしてね。そんな意味で自宅発掘音源からは、あ、これもあったなぁ〜ってのが本日のお題。

ホワイト・フェイスド・レディ フロム・ホーム・トゥ・ホーム

 カレイドスコープというバンドの…、と書くとちょっと違うか。このアルバムの背景から書かないと説明つかないのかなぁ…。元々は1967年に「Tangerine Dream」というアルバムでフォンタナからデビューしたサイケ調のフォークを中心としたバンドで正に60年代末期の音ってなもんだ。その後1969年にリリースした「Faintly Blowing」が割と有名で、英国らしい、そしてちょこっとプログレッシヴな展開を持ったポップさも持ったアルバムで評価が高い。ここでフォンタナからの配給は打ち止めで、同じメンバー構成でバンド名を「フェアフィールド・パーラー」と変更してヴァーティゴからキーフのジャケットで再デビューしたのだ。これが1970年のこと。この辺書くと、あ、あのジャケのバンドね、となる、かな?

 んで、フェアフィールド・パーラーとしてのセカンドアルバムを制作にかかって、出来上がったんだけど何とそれは二枚組コンセプトアルバムで一枚目が全然売れなかったバンドの作品としてはちと売るためのハードルが高すぎてお蔵入り。そうしてこのバンドは意気消沈してしまってバンド解散を遂げるという結果に落ち着くのだ。その主要メンバーであったピーター・ダルトレーは英国の詩人としてちょこっとは知られたシンガーソングライターになっているんだけど、まぁ、これもあまり明るい音ではなかったなぁ。

 さてさて、そんな背景の中で本日の「ホワイト・フェイスド・レディ」という作品は名義はカレイドスコープなのだが、作品的にはフェアフィールド・パーラーのセカンドアルバムとしてお蔵入りになった1970〜71年に制作されたコンセプトアルバムです。1991年になってピーター・ダルトレーが全ての権利を保有したことでカレイドスコープレーベルを設立したおかげでようやくリリースすることのできた幻の一作。しかもこれほどレベルの高い音だとは果たして誰が予測できたことか。

 オーヴァーチュアから始まり正に万華鏡のようなカラフルな音世界としっとりとした世界観で進められる「ホワイト・フェイスド・レディ」という作品は元々彼等がもつアシッドでフォーキーな側面が十分に生かされており、更に構成もストーリー仕立てがはっきりしているので確かにコンセプトアルバムという捉え方で問題ないだろう。話自体はエンジェルという女性を云々というものらしいけどよくわかんない。まぁ、ホントは色々調べていかないといけない作品で、これから徐々に、かな(笑)。

 多分ねぇ、ジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」よりはわかりやすいんじゃないかと思える作品。フーの「Tommy」ほどとは言わないけど。プリティ・シングスの「S.F. Sorrow」よりも良いかな。騙されたと思って偏見無しに聴いてみると多分そう聞こえると思う。強いて云うならばもうちょっとはっきりとした曲調を幾つも従えた方がよかったかな、ってくらい。当時は二枚組という構想だったけどCDにしてみると一枚で間に合ってしまう60分強の作品なので当時リリースされていればなぁ…。今頃の評価はかなり違っただろうに。

 そういうワケでCDになってからいくつものジャケットでリリースされていて、どれもそれほどセンスが良くないのは勿体ないのだが、中身は抜群の出来映えなのだ。これぞ英国音楽の深み、ってなとこだね。日本ではこないだ紙ジャケでリリースされていて、それにはフェアフィールド・パーラーのファーストとカップリングで2枚組で収録されているのでオススメ。

Please - 1968/69 

 いやぁ〜、棚を漁っているととんでもないものが発掘されるものだ(笑)。果たして何だっけこれ?って思いながらプレイヤーで音を流すと、滅茶苦茶かっちょよい音…。うわぁ〜好み〜♪ なんてのが出てくると嬉しくなってしまうね。大物バンドとかだとそういうの全部覚えてるからいいんだけど…、B級くらいだとまだ記憶にあって、好きなアルバム♪なんてしっかりしてるんだけど、そこから先…、いいなぁ〜と当時思ってもなかなか深く聞き込まないとか、資料的に集めてきたアルバムとかなんてのはふ〜む、ってなもんで深追いしていなかったり。あぁ、そういう音楽の聴き方はいかんのだ。しっかりと制作者の思いを汲み取って聴かなければ、と思うのだよ。なので、こんだけ毎日聴いたり書いたりしてるんだけど(笑)。

Please 1968-69 Seeing Stars

 本日の大発掘音源はこれ、1960年代末期にどういういきさつでは、果たしてアルバムなんてものも存在したのか、よくわからない…、多分オリジナルアルバムという形では出てないのではないかと思うのだが、それなりに曲があるので全部シングルというワケでもないのだろう…。不明。エヴァ姉さんところが日本で一番詳しく書いてあるのでオススメ。背景はそこにお任せします♪

 プリーズっつうバンドで、ピーター・ダントンっつうドラマー兼ボーカルさんがいらっしゃるのでT2的な前身バンドとして捉えられるが、Gunのエイドリアン・ガーヴィッツさんも参加しているのでGunとも絡む…。ベースのバーニー・ジンクスさんから見るとブルドッグ・ブルードっつうバンドも絡んできて、そこにはT2のギタリストキース・クロスもいるっつうワケで…。まぁ、仲間内であれこれととっかえひっかえ試しに色々な音をやってみたってトコなんかな。このヘンの背景は線引きをアルバム単位でするのも難しいのでまぁ、音で判断すれば良いじゃないですか、ってとこか。

 多分CDで手に入るのって「Please 1968-69」と「Seeing Stars」だけなんだと思うが、「Please 1968-69」の方が面白い。いや、どちらも似たような音、サイケ調のハードロックでふわふわしていて、アシッド的感覚が散りばめられていて未熟なアレンジのくせに浮游感が堪らない…それもこれもダントンさんの歌声のおかげが大きいか。かたやかっちょよハードロックもあったりするので、もう実験的要素が強くって、でもそれ、アングラな世界じゃなくってやってるってのかな。ポップな側面は多分に持っている。

 もの凄く驚いたことにそんなメンバーの背景だから当然なんだけどT2のアルバムの3曲目に入っている「No More White Horses」はこっちがオリジナルです。3分半のちょこっとお茶目な良い曲っていう感じで入っているんだけどT2になってから再度持ち出してクローズアップしてアレンジしまくってあんなにかっちょいい音に仕上げたっつう…、他の曲も同様の手法を用いたら全く別のハードロックバンドとして生まれ変わるんじゃないか?ものすごいセンスだよ、それ。そういういきさつでウチにあったのかと納得したけど(笑)。いやぁ、ほんとにアレンジ施したら凄くなりそうな感じの曲が多い。「Strange Way」とかさ…。

 うん、多分、背景もあるけどプリーズというバンドの音自体で最高にかっこよい英国らしいバンド。明るい曲調ばかりではあるけどやっぱり湿ってる。で、センスが抜群。ブルドッグ・ブルードの方も合わせて聴いてアングラなバンドのファミリートゥリーを解明しながら音を聴いていくのも面白いし、それなりの価値は十分にある名バンド。いやぁ、この手のバンドでは久々に何度も聴いてハマりまくったね。

Camel - Mirage 

 やはり音楽の叙情詩というものは重要だ。これは残念ながらアメリカからは出てこれないサウンドだろうな、と決めつけてはいけないが、やはりやむを得ない事実ではないかと。まぁ、偏見とも言うのだが(笑)。いや、でもやっぱりヨーロッパならではの伝統的な側面だというのはあるはず。殊に英国の叙情性というものは他のヨーロッパ諸国のモロに露骨な、例えばイタリアのようなものとは異なり大げさにはならない。それでも深くしっとりと染み渡ってくる叙情性なのだ。そんな叙情詩を音にしているバンドの大代表がフロイドだったりするし、キャメルというバンドもその一角だ。

Mirage Camel

 1974年リリースの二枚目「Mirage」というアルバム。ファーストアルバム「Camel」と音楽的にそれほど変化があるワケじゃなく、センスが磨かれたっていう感じかな。音的なものだけで言えばピーター・バーデンスの鍵盤が全面に出ているのでどっちかっつうとピコピコ系なイメージもあるんだけど、そこはさすがにキャメルの雄であるアンディ・ラティマーのギターが鋭いところでロックファンの心を刺激してくれるのだ。普通に意識しないで聴いているとこの鍵盤とギターの音色の違いを意識しなくなるもん。うん、違うんだけど、多分ラティマーのギターの音がスペイシーでマイルドでおよそギターの感じがしないからでしょ。コードを掻き鳴らして、っていうシーンも多くはないのでかなり特殊かな。

 そうだねぇ、このバンドって凄いのはアルバム全体を通してってのもあるけど一曲ごとに情景が目に浮かぶような音を聴かせてくれるってとこかな。別に解説も知識もなくっても音を聴くとなんとなくこんな情景なのかなぁってのが浮かぶ。目を閉じて聴くとしっかりと自分だけのイメージが沸き上がってくるから面白い。このアルバムのコンセプトって何だろな。多分「指輪物語」だと思うけど、それを露骨に明言しないでもリスナーとしてはそういうのをイメージして聴ける。するとまるで映画音楽のように楽しめる。しかしラティマーのギターは面白い。こういうのを歌うギタリスト=ギターを歌わせることの出来るギタリスト、と呼ぶのだ。しかもバンドアンサンブルが抜群。

 この「Mirage」という作品、冒頭から優れた旋律とアンサンブルによって歌が少ないのにもかかわらずアルバムとしての印象が強いものになっているんだけど、一般の例に漏れず、キャメルの世界の最高傑作と呼んでも過言ではないであろう「Lady Fantasy」という稀代の作品を配しているアルバムなのだ。壮大な一大叙情詩が描かれている作品で美しいんだよ、これ。プログレが好きとかキライとかっていうのじゃなくって流れていると心地良くなるサウンドなので聴かない方が損じゃないか?なんて思う。まぁ、こういう雰囲気を望まない時は別に興味ないのだろうけど、ひとつひとつの音が染み渡ってきてねぇ〜、良い。ドラマティックな展開ももちろん素晴らしく12分を感じさせない物語♪この延長が後の「The Snow Goose」という素晴らしいコンセプトアルバムに繋がるんだろうな。

Happy The Man - Happy The Man 

 偏見なんだけどプログレってのはやっぱヨーロッパでしかない音楽だと思うし、しかも英国のそれは真にプログレッシヴな音楽だったと思うんだよな。その他ヨーロッパ諸国でのユーロロックも当然同じ流れを持っているんだけどなんとなくそれはユーロロック。まだ、分かる気がするので別に良いんだけど、アメリカのプログレってのは結構信じられない世界があって…、いやぁ、アメリカ人の気質と風土でプログレってのはなかなか出てこないだろうし、あってもそれはプログレではなくってもっと洗練された別の何かになるのではないかと思っている。

Happy the Man Crafty Hands

 1977年にデビューを果たした一応アメリカのプログレバンドとして有名なハッピー・ザ・マンというバンドのアルバム。最高傑作はセカンドの「Crafty Hands」という呼び声も高いんだけど、まずは一枚目「Happy the Man」から。正直言って苦手な音です。何がって、別にアメリカ的だからとかじゃなくて、音的に鍵盤主体で綺麗なサウンドだからだと思う。あと何かが足りない…多分湿っぽさ。これはしょうがないとしてもどこかフュージョン的でそれにしては音が多いっつうか…、微妙にロックのフィールドにいるので苦手なのかも。何というのかな、細かいっつうか凝ってるっつうか、それでも全体のノリ自体は大きく流れている…全然違うけどジェントル・ジャイアントもこういう側面持ってるから苦手なのかな。ハッピー・ザ・マンは更に明るいという面は大きいけど。

 収録曲の大半がインストナンバーで、数曲歌が入っているけどおまけ程度にしか聞こえない。しっかりメロディもあるけどやっぱおまけ。その代わり曲ごとに雰囲気がしっかりと楽器の音色で確立されているので、カラフル、煌びやか、そしてガチャガチャとした楽しさや唐突の変拍子ってのも出てくる。演奏する側は大変楽しいかもしれないけど、聴いているとちょっとね、いや、集中してハマれるなら良いけど、ハマれなかったのでキウイかなぁ、というか軽いかなぁというところか。爽やかすぎるのもあるが。

 テクニックは抜群でどの楽器もしっかりと歌っているし、ハッピー・ザ・マンというバンドのカラーは凄く出ている。悪く言えばロックとフュージョンの境目にいるバンドで中途半端。よく言えばクロスオーヴァーを始めた初期のバンドかもしれない。一聴するとどこの国のバンドか全然わからないのも面白いっちゃぁ面白いね。オーストラリアとかかなぁって思うもん。

The Pretty Things - Savage Eye 

 60年代のブリティッシュビートバンドの行く末はかなり狭き門だったが、当時そんなことに気付いていた人間は誰もおらず、どのバンドが前に出てくるかなんて、またどんな音楽性がウケるかなんてのももちろんわからなかった。しかし変わったことをやっていたバンドは何年か後に再評価されることも多く、そんな再評価によってバンドそのものが復活してしまうケースも少なくない。最近ではポリスだって現役時代の比にならないくらいの再燃ぶりを見せているワケだし。

Savage Eye S.F. Sorrow

 そういう意味では何度も不死鳥の如く音楽性も変えながら、そして姿勢は常にロックで変わらないまま今現在も復活しているプリティ・シングス。1976年にリリースされた「Savage Eye」という作品はツェッペリンの所有するスワンソングレーベルからのリリースと言うことで有名だが、昔からプリティ・シングスのファンだったというジミー・ペイジが解散していた彼等に声を掛けてスワンソングから再度アルバムリリースをしたということらしい。その時のアルバムでかっこよいのがこの「Savage Eye」という作品。

 60年代の彼等は当然ながらR&Bに基づいたビートバンドであり、60年代末には「S.F. Sorrow」という稀代の作品を生み出していたが如何せんメンバーの出入りが激しく、なかなかバンドの音というものが定着しなかった。そのまま70年代を迎えて「Parachute」というサイケに溢れた作品をリリースするけどそこまでで終わり、って感じだった。が、先の理由で再度バンド再編してきたものなのだ。

 その「Savage Eye」というアルバムだがヒプノシスのジャケットが有名かもしれないけど、中身はかなりセンスの良いハードロックに仕上がっているので実は結構な出来映え。バラード曲もいくつか入っていて完全に独立した曲という感もあるけど、それはそれで良し。アルバムのクオリティはかなりのものです。最初の「Under The Volcano」なんてバドカンかと思うようなインパクトがある警戒でキャッチーなハードロックだしね。「Remember That Boy」なんてパープルだぜ、これは。多分ハードロック時代のプリティ・シングス大傑作アルバムだね。

Sting - Fields of Gold 

 大人のポップスってどんなの思い浮かべるかな。かなり前だとシナトラとかさ、トム・ジョーンズなんかもそうかもしれないけど甘くてムードのあるものがポップス=大人のポップス。その後だとAOR的なのとかかなぁ。でもさ、ロックでも凄く大人のロックってのがあって、落ち着いた感じの音がある。そういうのってのは大体がどこかのバンドに所属していた人がソロアルバムを作ると出てくる音だったりするんだけどね。

Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994The Dream of the Blue Turtles


 ポリスのスティングもその一人だ。1984年でポリスの活動を停止して、その後からソロ活動に入り「Set Them Free」という驚異的なビデオが印象的なソロヒット作を筆頭に以降、完全にソロアーティストとしてチャートに曲を送り込むアダルトなソングライターになった。でもさぁ、パンクというインパクト、または「四重人格」でのエースとして切り込んできた人という印象を持っているファンからすると非常に大人になってしまったなぁ〜ってのが感想。あとで見たらこういうのって「ラウンジ」系の音っていうらしい。まぁ、どこかのバートかで軽く流れていてオシャレでアダルトな音なんだろうな。よくわかる。

 1994年にそれまでの10年間を祝してかベスト盤「Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994」が出ているんだけど、これまたなぜか家にあったので聴いてみたのだが、やっぱりアダルトで大人の歌ばかり収録されている。ん?なんかこういう音ってザ・フーのピート・タウンジェンドのソロ作品でも同じような系統だなぁとふと思った。オシャレで悪くない曲、しかもベスト盤だから良い曲ばかり入っているので好きな人は凄く好きになる選曲なんじゃないかな。あぁ、こういうのが流れるシーンっていいよなぁ…、と空想に走ってしまうのだが(笑)。いや、そういう話はまたいずれ…。

 でもやっぱロックかと言われるとちょっと違うな、これらの作品は。だから何度も聴かないし、あることすら忘れていたくらいだけどさ。一般人と話すには良い題材かもしれないけどちょっと、落ち着きすぎ。ロン・ウッドのソロの方が面白い。ま、単なる戯言にしかならないけどね(笑)。そういう大人の音を一枚って人にはぴったり裏切られることのない作品集かな。

Brian Ferry - Let's Stick Together 

 いやぁ、色々なものが出てくる出てくる(笑)。こんなのなんであるの?ってのがあったりしてせっかくなので聴いてみたりするのだが、結構面白い。さっさと処分してしまえば良かったものを、何が哀しくて置いてあったのだろうか?まぁ、そのおかげで予想しなかったものが再度聴けたりするので良いのだが。

 さてさて今回は中でも全く記憶から消え去っていた人のレコード発見♪ 多分どういう音を一人でやってるのか興味あったんだと思う。もちろん好みかと言われるとそういう領域に入ってくる以前の問題でして…。

Let's Stick Together Another Time, Another Place

 ブライアン・フェリー1976年ソロ作三枚目のアルバム「Let's Stick Together」。ブライアン・フェリーと言えばもちろんロキシー・ミュージックのフロントマンとして有名で、しかも「ダンディ」の異名を取るくらいオシャレで正に英国紳士らしいおじさん。いや、おじさんではないのだが(笑)。そして時代はまだまだ70年代中盤、パンク登場前夜で、プログレがちょっと下火になった時期なので、何が起きたかと言うと…、この売れそうな人のソロのバックメンバーには蒼々たるメンツが揃ってしまったってことだ。

 ギターにクリス・スペディング、ベースのジョン・ウェットン、ドラムにポール・トンプソン、サックスにメル・コリンズ、バイオリンにエディ・ジョブソン、ゲスト陣にはショパンのアン・オデル嬢?ストリングアレンジでクレジットあるけど、ホントか?それと恒例フィル・マンザネラさん。

 凄くないか?これ?それで出てくる音は、妙な面はあるがポップス…とロックンロール、なのだ。まぁ、半分くらいがカバー曲なのでそうなっているのだろうけどさ。そういう意味ではロキシーの初期作品の代表でもある「Re-Make / Re-Model」も垢抜けた感じでカバーしているね。

 悪くない、悪くないが何が特徴的なんだ?う〜ん、特にない…、と思う。でも、この人のキャリアの中では結構な作品として君臨しているらしい。わからんもんだなぁ。…と言うことは他の作品って多分あんまり聴かなくて良いんじゃないかと思うのだが、それは言い過ぎ?いやぁ、ま、ともかく、だ、メンツに驚いて再度聴き直したが、それでも全員ポップス畑が嫌いな人達ではないもんね。そう考えればこのアルバムも不思議はない。そして音的なプロフェッショナル加減で言えば、完璧に出来上がった作品で、しっかりとフェリーの魅力的な歌声もクローズアップされているし、曲の持つ雰囲気もしっかりと体現できているので良いよ。ただ、ロック的要素が自分的にはよくわからないだけだったりね(笑)。

Alvin Lee - Pure Blues 

 自宅発掘音源シリーズ、まだまだ山のように出てきた(笑)。いや、全部それでもいいか、と思ってるんだけどさ、ほとんどのCDとかレコードってのは割ときっちりとアルファベット順とジャンル別にしてそれなりに整理してあるので探しやすくなってはいるんだけど、そこかしこで入手してきたモノの特にCDは棚の中にひたすら並べてあるだけで未整理になっているものもけっこうあったりしてなかなか整理整頓を始めると面白い。そんな中から多分いらないと思ってまとめてあるCDの山もあったりします。で、そこを漁ってて出てきたのが今日の作品。

Pure Blues