Van Morrison - Moondance

  ルーツを遡る、これはアーティストにとってはあまり重要なことではないと思う。アーティストはこれからの音楽を創り上げていくクリエイターである必要があるから過去に縛られてはいけないのだ。たまには良いのだろうが基本的に新たな音楽世界を作っていくことが仕事なのだ。故に新作が期待はずれに終わることがよくあるのはその果敢な挑戦をリスナーが受け入れてくれない時、もしくは自分のセンスがズレていた時、なのだ。が、一方でルーツを大切にして時代を超えて伝授していくべき音楽を奏でる人もいる。こういう人はミュージシャンと呼ぶ。ミュージシャンは如何に上手にそういったものを奏でて次世代にわかりやすく伝えていくか、であろう。

Moondance ゼム・ファースト~アングリー・ヤング・ゼム

 さて、ヴァン・モリソンという人をご存じだろうか。古くはゼムというバンドの一員であり、有名な「Gloria」の作曲者だ。60年代末期には既にバンドを脱退してソロ活動に入っており、今なお現役で自身のルーツをしっかりと見つめ直してアルバムをリリースし続けている人だ。どちらかというと歌い手の人なのであまり興味はなくて、大して聴いたことはない。が、何となく恒例の棚整理中に出てきたのでちょろっと聴いてみた、一般的に名盤と呼ばれている「Moondance」だ。

 1970年リリースのソロ二枚目、かな。アイルランド人なのでその筋でも有名ではあるが、一般的には英国ロックの人として語られる?と思う。いやぁ、ゼムって一瞬だけ光り輝いたバンドだったから、どっちかっつうとソロになってからの方が有名だからさ。ゼムの頃はR&Bに根ざしたロックンロールをやってたけど、ソロになってからはたまたま時代的なものもあってアメリカのカントリー、スワンプ的な音を追求していたらしい。その決定的な作品が「Moondance」というアルバムで、もちろんそれだけじゃないけど、どこか望郷的な香りのする曲が多く、ノスタルジックな気分になる作品。どんな気分の時にこういうの聴いたらいいのかな…、ハマってる時だと凹み過ぎるだろうし、元気の良い時にはあまり聴く気にならないし、難しいかなぁ。多分ちょこっと黄昏れている時にはピッタリなんだろうけど、そんな時ってのは自分にはあんまりないので聴かないのだろうか(笑)?いやいや…。

 多分凄く大人な音楽なんだと思う。いいなぁ~とは思うけれど自分にはまだ早いなんて感じかな。曲は良い曲ばかりで…、しっとりとするし楽しめるし。BGMとしてもかな~り良い感じになるだろうしなぁ。でもしっかり聴いてももちろんいいなぁ~っていう…。こういうアルバムがあるんだ、って改めて認識した。

Solas - The Hour Before Dawn

 女性歌モノってのもこれまた結構な数のCDが散乱していて、整理するのもなかなか大変なのだがちょこっと聴いて火が点くと立て続けに聴きたくなるもんだ。ソーラスっていう何となく魅惑的な名前を持つバンドのCDを発見してしまった。何となく哀愁を帯びるようなジャケットに惹かれて、そしてものすごくケルトだったような気がして聴いてみる。

The Hour Before Dawn The Words That Remain [Import]

 2000年リリースの「The Hour Before Dawn」で、驚くことにアメリカ在住のアイルランド系アメリカ人が集まって組んだケルティックバンドの作品。なので一応アメリカのバンドの作品ということになるのだが、いやこれがまたどこから聴いてもケルティックな音で、普通に聴いたらどこの国のバンドかわからない。ただ、知ってて聴くとやっぱりどこか垢抜けている感じがするのは多分知識と偏見からだろう(笑)。

 結構な枚数のCDをリリースしていて、本作「The Hour Before Dawn」からはボーカリストが変わっているらしい。ってもこのアルバムしか持ってないからよくわからないんだけど、これが一番良い作品じゃないか、と薦められたので持っているだけなのだ。基本的にオープニングから全てゆったりしたケルティックなサウンドでフィドルも良い感じに鳴っているのが好き。そしてもちろん美しい女性の歌声が響き渡るのも素晴らしい。コーラスワークとかもしっかりしていて、結構しっとりと聴かせる歌が多いかな。その中でジグが入ってくるからこれまた楽しくなってくる。ケルティックな旋律だけで構成されるジグって凄く好きなんだよね。気分が高揚してきて嬉しくなってくるんだもん(笑)。

 ギターから始まり男性ボーカルで通す曲なんてのもあるんだけど、パートパートだけ聴いているとどこかアメリカのカントリー的な雰囲気もするところが面白いな。他の音とかアレンジが入ってくるとやっぱケルティックかなと思うけど、ギターとコーラスだけだとカントリーチックで不思議。こういう融合が音楽を世界に渡らせてより豊かなモノにしたのだろうね。

The Farlanders - Moments

 ちょこっと変わった音を発見したのでご紹介…。一時期トラッド系列の音を色々と集めていたことがあって、基本的に英国やアイルランド、ケルトのものを中心にしていたんだけど、結構あちこちにその系譜からでてきたものなんてのもあったり、そもそも土着的な民族音楽に最近の味付けしたモノとか、女性が歌っていれば結構それだけでも良し、みたいなのもあってあれやこれやとCDがあったりするのでザラッとね♪

Moments The Dream Of Endless Nights

 2000年リリース「Moments」。ロシアの民謡ジャズトラッド女性歌モノバンド…、っつうのかなぁ(笑)。アルバムタイトルになった「Moments」っていうのはロシアのライブハウスのことで、このアルバムはその「Moments」っていうライブハウスでやったライブを収録したアルバムなので、ライブ盤らしい。聴いてみるとわかるんだけど何処がライブなんだ?と思うくらいに完璧なアンサンブルとテクニックで録音されているのでわからん。確かに合間合間に歓声が入っているのでライブ盤なのは確かなんだけどさ、エコーとかも完璧でさ。まぁ、最近のだからおかしくないけど、凄い。

 音的には基本アンビエント系の雰囲気で美しい女性の歌声が広がるという好きなパターンで、旋律はロシア民謡的なんだろうな、こういうのって。男性が歌うのもあるんだけどこの人がまた高名な方らしく、貴重なセッションでもあるらしい。そういう基本情報が押さえられていないのが問題なんだが…(笑)。何曲かはバンド単位での演奏になるんだけどその時のエレクトリックフレットレスベースのブイブイさが凄くて、ジャズ的とも言われるところかな。でも、聴いているとやっぱり落ち着いた民謡的なメロディーを中心に雰囲気と空気感で場を創り上げる音楽かな。エコーやコーラス感が強いので当然透明感も高まり、いわゆるロックな世界ではなく、透き通る川の底を見つめながら流れるそよ風に身を任せる、みたいな雰囲気あるかな。

 あんまり聴いたことのない楽器の音色もするし、拍子にしてもちょっと違う…、やっぱり民族系の音って面白いよね。ず~っと聴いていたいとは思わないけどたまに聴くと凄く新鮮で感性が磨かれる。タイトルが「7/8」とか「Blues」とかってあるんだけど「Blues」って、そういう解釈?みたいな(笑)。いや、新鮮だよ、ほんとに。何気に変拍子とかも普通にやってるってのも恐ろしいけど。結構プログレ好きな人は好きなんだろうな、と思った。最後はもの凄い盛り上がりを見せてくれるのでアンビエント系とか何とか関係なしにミュージシャンの楽しみ的に滅茶苦茶ハイテンション。ここまで聴ければ凄く面白いね、こういうのは。なかなかスカッとするライブ盤、良い♪

Donovan - The Hurdy Gurdy Man

 CDコレクションの山の中から何となく聴きたいモノを眺めて探し当てるのが好きなんだけど、そもそもお目当てのモノを探している間に全然違うモノを見つけてしまって、そっちを聴く、というようなことはいつもよくあるお話(笑)。んで、今回も全然違う音を探していたんだけど何となく見つけてしまって聴きたくなったのでつい手が出てしまいました。

The Hurdy Gurdy Man Sunshine Superman

 1968年リリースのドノヴァンの作品「The Hurdy Gurdy Man」。妙~にサイケデリックな路線やインド音楽、もちろんシタールが中心だったりするんだけど、そんなのがどわぁ~っと押し寄せてくるもの凄く浮游感漂うアルバムです。自分的には別に趣味ではないのに何であるんだろう?とか思いながら聴いてたワケなんだけど、ジャケット見ながら聴いてて、「あれ?」って思ったのが一発目のドラムの音…、「ん?」って見てみると、ジョン・ボーナムって名前があったり…、更にジョン・ポール・ジョーンズやジミー・ペイジも参加してるのか、これ、この一曲目ってバックツェッペリンかぁ…、で、プロデューサーはミッキー・モスト、なるほどね。しかも3曲目にはアラン・ホールズワースですか?うそぉ~、凄いセッションだぜ、これ。追いかけていくと5曲目にも見たような曲名が「Get Thy Bearings」…、クリムゾンがライブでやってたんじゃないか?初期に。このカバーかぁ…と感心しまくって聴いているのだが、ここで聴けるオリジナルはヘンにジャズっぽい感じで、そして退廃的な歌い方…、う~ん、クリムゾンがカバーするのは不思議だけどおかしくない(笑)。その他はどう聞いてもどれも時代を反映したフラワームーヴメントにピッタリのサイケサウンドなんだよね。まぁ、心地良いっちゃあ心地良いので参加メンバーの豪華さに釣られて入手しても決して音的に悪くない楽しめるCDだね。

 …で、何でウチにあったのかはこれで解明。そういえばドノヴァンの「Sunshine Superman」や「The Hurdy Gurdy Man」では結成前夜のツェッペリンが参加していたんだ。それを思い出して納得納得。そんなの他にもいっぱいあるけどあまり面白味がないので書かなかったなぁ、と。忘れて聴いたけどドノヴァンとして聴いても結構面白い位置付けの作品なんじゃないかな。後に色々な人がドノヴァンをカバーしていたことでわかるように英国ではかなり知名度があったようなので…。

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Kaleidoscope - White Faced Lady

 ロック史に於いてなかなか表に出てこない名盤というものは多々あるモノだ。その評価は非常に高いけど一般のリスナーには情報として届かないというようなもので、もちろんロック雑誌を漁ったりすれば出てくるのだろうが、なかなかそこまでしないってのが多いので表に出てこない名盤ってのはやっぱり多くなる。もちろん好みの問題だからいいんだけどさ、それでも勿体ないな~ってのもあるよね。多分みんなそういう自分だけのお気に入り名盤ってあるんだと思う。一般的な名盤はともかくとしてね。そんな意味で自宅発掘音源からは、あ、これもあったなぁ~ってのが本日のお題。

ホワイト・フェイスド・レディ フロム・ホーム・トゥ・ホーム

 カレイドスコープというバンドの…、と書くとちょっと違うか。このアルバムの背景から書かないと説明つかないのかなぁ…。元々は1967年に「Tangerine Dream」というアルバムでフォンタナからデビューしたサイケ調のフォークを中心としたバンドで正に60年代末期の音ってなもんだ。その後1969年にリリースした「Faintly Blowing」が割と有名で、英国らしい、そしてちょこっとプログレッシヴな展開を持ったポップさも持ったアルバムで評価が高い。ここでフォンタナからの配給は打ち止めで、同じメンバー構成でバンド名を「フェアフィールド・パーラー」と変更してヴァーティゴからキーフのジャケットで再デビューしたのだ。これが1970年のこと。この辺書くと、あ、あのジャケのバンドね、となる、かな?

 んで、フェアフィールド・パーラーとしてのセカンドアルバムを制作にかかって、出来上がったんだけど何とそれは二枚組コンセプトアルバムで一枚目が全然売れなかったバンドの作品としてはちと売るためのハードルが高すぎてお蔵入り。そうしてこのバンドは意気消沈してしまってバンド解散を遂げるという結果に落ち着くのだ。その主要メンバーであったピーター・ダルトレーは英国の詩人としてちょこっとは知られたシンガーソングライターになっているんだけど、まぁ、これもあまり明るい音ではなかったなぁ。

 さてさて、そんな背景の中で本日の「ホワイト・フェイスド・レディ」という作品は名義はカレイドスコープなのだが、作品的にはフェアフィールド・パーラーのセカンドアルバムとしてお蔵入りになった1970~71年に制作されたコンセプトアルバムです。1991年になってピーター・ダルトレーが全ての権利を保有したことでカレイドスコープレーベルを設立したおかげでようやくリリースすることのできた幻の一作。しかもこれほどレベルの高い音だとは果たして誰が予測できたことか。

 オーヴァーチュアから始まり正に万華鏡のようなカラフルな音世界としっとりとした世界観で進められる「ホワイト・フェイスド・レディ」という作品は元々彼等がもつアシッドでフォーキーな側面が十分に生かされており、更に構成もストーリー仕立てがはっきりしているので確かにコンセプトアルバムという捉え方で問題ないだろう。話自体はエンジェルという女性を云々というものらしいけどよくわかんない。まぁ、ホントは色々調べていかないといけない作品で、これから徐々に、かな(笑)。

 多分ねぇ、ジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」よりはわかりやすいんじゃないかと思える作品。フーの「Tommy」ほどとは言わないけど。プリティ・シングスの「S.F. Sorrow」よりも良いかな。騙されたと思って偏見無しに聴いてみると多分そう聞こえると思う。強いて云うならばもうちょっとはっきりとした曲調を幾つも従えた方がよかったかな、ってくらい。当時は二枚組という構想だったけどCDにしてみると一枚で間に合ってしまう60分強の作品なので当時リリースされていればなぁ…。今頃の評価はかなり違っただろうに。

 そういうワケでCDになってからいくつものジャケットでリリースされていて、どれもそれほどセンスが良くないのは勿体ないのだが、中身は抜群の出来映えなのだ。これぞ英国音楽の深み、ってなとこだね。日本ではこないだ紙ジャケでリリースされていて、それにはフェアフィールド・パーラーのファーストとカップリングで2枚組で収録されているのでオススメ。

Please - 1968/69

 いやぁ~、棚を漁っているととんでもないものが発掘されるものだ(笑)。果たして何だっけこれ?って思いながらプレイヤーで音を流すと、滅茶苦茶かっちょよい音…。うわぁ~好み~♪ なんてのが出てくると嬉しくなってしまうね。大物バンドとかだとそういうの全部覚えてるからいいんだけど…、B級くらいだとまだ記憶にあって、好きなアルバム♪なんてしっかりしてるんだけど、そこから先…、いいなぁ~と当時思ってもなかなか深く聞き込まないとか、資料的に集めてきたアルバムとかなんてのはふ~む、ってなもんで深追いしていなかったり。あぁ、そういう音楽の聴き方はいかんのだ。しっかりと制作者の思いを汲み取って聴かなければ、と思うのだよ。なので、こんだけ毎日聴いたり書いたりしてるんだけど(笑)。

Please 1968-69 Seeing Stars

 本日の大発掘音源はこれ、1960年代末期にどういういきさつでは、果たしてアルバムなんてものも存在したのか、よくわからない…、多分オリジナルアルバムという形では出てないのではないかと思うのだが、それなりに曲があるので全部シングルというワケでもないのだろう…。不明。エヴァ姉さんところが日本で一番詳しく書いてあるのでオススメ。背景はそこにお任せします♪

 プリーズっつうバンドで、ピーター・ダントンっつうドラマー兼ボーカルさんがいらっしゃるのでT2的な前身バンドとして捉えられるが、Gunのエイドリアン・ガーヴィッツさんも参加しているのでGunとも絡む…。ベースのバーニー・ジンクスさんから見るとブルドッグ・ブルードっつうバンドも絡んできて、そこにはT2のギタリストキース・クロスもいるっつうワケで…。まぁ、仲間内であれこれととっかえひっかえ試しに色々な音をやってみたってトコなんかな。このヘンの背景は線引きをアルバム単位でするのも難しいのでまぁ、音で判断すれば良いじゃないですか、ってとこか。

 多分CDで手に入るのって「Please 1968-69」と「Seeing Stars」だけなんだと思うが、「Please 1968-69」の方が面白い。いや、どちらも似たような音、サイケ調のハードロックでふわふわしていて、アシッド的感覚が散りばめられていて未熟なアレンジのくせに浮游感が堪らない…それもこれもダントンさんの歌声のおかげが大きいか。かたやかっちょよハードロックもあったりするので、もう実験的要素が強くって、でもそれ、アングラな世界じゃなくってやってるってのかな。ポップな側面は多分に持っている。

 もの凄く驚いたことにそんなメンバーの背景だから当然なんだけどT2のアルバムの3曲目に入っている「No More White Horses」はこっちがオリジナルです。3分半のちょこっとお茶目な良い曲っていう感じで入っているんだけどT2になってから再度持ち出してクローズアップしてアレンジしまくってあんなにかっちょいい音に仕上げたっつう…、他の曲も同様の手法を用いたら全く別のハードロックバンドとして生まれ変わるんじゃないか?ものすごいセンスだよ、それ。そういういきさつでウチにあったのかと納得したけど(笑)。いやぁ、ほんとにアレンジ施したら凄くなりそうな感じの曲が多い。「Strange Way」とかさ…。

 うん、多分、背景もあるけどプリーズというバンドの音自体で最高にかっこよい英国らしいバンド。明るい曲調ばかりではあるけどやっぱり湿ってる。で、センスが抜群。ブルドッグ・ブルードの方も合わせて聴いてアングラなバンドのファミリートゥリーを解明しながら音を聴いていくのも面白いし、それなりの価値は十分にある名バンド。いやぁ、この手のバンドでは久々に何度も聴いてハマりまくったね。

Camel - Mirage

 やはり音楽の叙情詩というものは重要だ。これは残念ながらアメリカからは出てこれないサウンドだろうな、と決めつけてはいけないが、やはりやむを得ない事実ではないかと。まぁ、偏見とも言うのだが(笑)。いや、でもやっぱりヨーロッパならではの伝統的な側面だというのはあるはず。殊に英国の叙情性というものは他のヨーロッパ諸国のモロに露骨な、例えばイタリアのようなものとは異なり大げさにはならない。それでも深くしっとりと染み渡ってくる叙情性なのだ。そんな叙情詩を音にしているバンドの大代表がフロイドだったりするし、キャメルというバンドもその一角だ。

Mirage Camel

 1974年リリースの二枚目「Mirage」というアルバム。ファーストアルバム「Camel」と音楽的にそれほど変化があるワケじゃなく、センスが磨かれたっていう感じかな。音的なものだけで言えばピーター・バーデンスの鍵盤が全面に出ているのでどっちかっつうとピコピコ系なイメージもあるんだけど、そこはさすがにキャメルの雄であるアンディ・ラティマーのギターが鋭いところでロックファンの心を刺激してくれるのだ。普通に意識しないで聴いているとこの鍵盤とギターの音色の違いを意識しなくなるもん。うん、違うんだけど、多分ラティマーのギターの音がスペイシーでマイルドでおよそギターの感じがしないからでしょ。コードを掻き鳴らして、っていうシーンも多くはないのでかなり特殊かな。

 そうだねぇ、このバンドって凄いのはアルバム全体を通してってのもあるけど一曲ごとに情景が目に浮かぶような音を聴かせてくれるってとこかな。別に解説も知識もなくっても音を聴くとなんとなくこんな情景なのかなぁってのが浮かぶ。目を閉じて聴くとしっかりと自分だけのイメージが沸き上がってくるから面白い。このアルバムのコンセプトって何だろな。多分「指輪物語」だと思うけど、それを露骨に明言しないでもリスナーとしてはそういうのをイメージして聴ける。するとまるで映画音楽のように楽しめる。しかしラティマーのギターは面白い。こういうのを歌うギタリスト=ギターを歌わせることの出来るギタリスト、と呼ぶのだ。しかもバンドアンサンブルが抜群。

 この「Mirage」という作品、冒頭から優れた旋律とアンサンブルによって歌が少ないのにもかかわらずアルバムとしての印象が強いものになっているんだけど、一般の例に漏れず、キャメルの世界の最高傑作と呼んでも過言ではないであろう「Lady Fantasy」という稀代の作品を配しているアルバムなのだ。壮大な一大叙情詩が描かれている作品で美しいんだよ、これ。プログレが好きとかキライとかっていうのじゃなくって流れていると心地良くなるサウンドなので聴かない方が損じゃないか?なんて思う。まぁ、こういう雰囲気を望まない時は別に興味ないのだろうけど、ひとつひとつの音が染み渡ってきてねぇ~、良い。ドラマティックな展開ももちろん素晴らしく12分を感じさせない物語♪この延長が後の「The Snow Goose」という素晴らしいコンセプトアルバムに繋がるんだろうな。

Happy The Man - Happy The Man

 偏見なんだけどプログレってのはやっぱヨーロッパでしかない音楽だと思うし、しかも英国のそれは真にプログレッシヴな音楽だったと思うんだよな。その他ヨーロッパ諸国でのユーロロックも当然同じ流れを持っているんだけどなんとなくそれはユーロロック。まだ、分かる気がするので別に良いんだけど、アメリカのプログレってのは結構信じられない世界があって…、いやぁ、アメリカ人の気質と風土でプログレってのはなかなか出てこないだろうし、あってもそれはプログレではなくってもっと洗練された別の何かになるのではないかと思っている。

Happy the Man Crafty Hands

 1977年にデビューを果たした一応アメリカのプログレバンドとして有名なハッピー・ザ・マンというバンドのアルバム。最高傑作はセカンドの「Crafty Hands」という呼び声も高いんだけど、まずは一枚目「Happy the Man」から。正直言って苦手な音です。何がって、別にアメリカ的だからとかじゃなくて、音的に鍵盤主体で綺麗なサウンドだからだと思う。あと何かが足りない…多分湿っぽさ。これはしょうがないとしてもどこかフュージョン的でそれにしては音が多いっつうか…、微妙にロックのフィールドにいるので苦手なのかも。何というのかな、細かいっつうか凝ってるっつうか、それでも全体のノリ自体は大きく流れている…全然違うけどジェントル・ジャイアントもこういう側面持ってるから苦手なのかな。ハッピー・ザ・マンは更に明るいという面は大きいけど。

 収録曲の大半がインストナンバーで、数曲歌が入っているけどおまけ程度にしか聞こえない。しっかりメロディもあるけどやっぱおまけ。その代わり曲ごとに雰囲気がしっかりと楽器の音色で確立されているので、カラフル、煌びやか、そしてガチャガチャとした楽しさや唐突の変拍子ってのも出てくる。演奏する側は大変楽しいかもしれないけど、聴いているとちょっとね、いや、集中してハマれるなら良いけど、ハマれなかったのでキウイかなぁ、というか軽いかなぁというところか。爽やかすぎるのもあるが。

 テクニックは抜群でどの楽器もしっかりと歌っているし、ハッピー・ザ・マンというバンドのカラーは凄く出ている。悪く言えばロックとフュージョンの境目にいるバンドで中途半端。よく言えばクロスオーヴァーを始めた初期のバンドかもしれない。一聴するとどこの国のバンドか全然わからないのも面白いっちゃぁ面白いね。オーストラリアとかかなぁって思うもん。

The Pretty Things - Savage Eye

 60年代のブリティッシュビートバンドの行く末はかなり狭き門だったが、当時そんなことに気付いていた人間は誰もおらず、どのバンドが前に出てくるかなんて、またどんな音楽性がウケるかなんてのももちろんわからなかった。しかし変わったことをやっていたバンドは何年か後に再評価されることも多く、そんな再評価によってバンドそのものが復活してしまうケースも少なくない。最近ではポリスだって現役時代の比にならないくらいの再燃ぶりを見せているワケだし。

Savage Eye S.F. Sorrow

 そういう意味では何度も不死鳥の如く音楽性も変えながら、そして姿勢は常にロックで変わらないまま今現在も復活しているプリティ・シングス。1976年にリリースされた「Savage Eye」という作品はツェッペリンの所有するスワンソングレーベルからのリリースと言うことで有名だが、昔からプリティ・シングスのファンだったというジミー・ペイジが解散していた彼等に声を掛けてスワンソングから再度アルバムリリースをしたということらしい。その時のアルバムでかっこよいのがこの「Savage Eye」という作品。

 60年代の彼等は当然ながらR&Bに基づいたビートバンドであり、60年代末には「S.F. Sorrow」という稀代の作品を生み出していたが如何せんメンバーの出入りが激しく、なかなかバンドの音というものが定着しなかった。そのまま70年代を迎えて「Parachute」というサイケに溢れた作品をリリースするけどそこまでで終わり、って感じだった。が、先の理由で再度バンド再編してきたものなのだ。

 その「Savage Eye」というアルバムだがヒプノシスのジャケットが有名かもしれないけど、中身はかなりセンスの良いハードロックに仕上がっているので実は結構な出来映え。バラード曲もいくつか入っていて完全に独立した曲という感もあるけど、それはそれで良し。アルバムのクオリティはかなりのものです。最初の「Under The Volcano」なんてバドカンかと思うようなインパクトがある警戒でキャッチーなハードロックだしね。「Remember That Boy」なんてパープルだぜ、これは。多分ハードロック時代のプリティ・シングス大傑作アルバムだね。

Sting - Fields of Gold

 大人のポップスってどんなの思い浮かべるかな。かなり前だとシナトラとかさ、トム・ジョーンズなんかもそうかもしれないけど甘くてムードのあるものがポップス=大人のポップス。その後だとAOR的なのとかかなぁ。でもさ、ロックでも凄く大人のロックってのがあって、落ち着いた感じの音がある。そういうのってのは大体がどこかのバンドに所属していた人がソロアルバムを作ると出てくる音だったりするんだけどね。

Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994The Dream of the Blue Turtles


 ポリスのスティングもその一人だ。1984年でポリスの活動を停止して、その後からソロ活動に入り「Set Them Free」という驚異的なビデオが印象的なソロヒット作を筆頭に以降、完全にソロアーティストとしてチャートに曲を送り込むアダルトなソングライターになった。でもさぁ、パンクというインパクト、または「四重人格」でのエースとして切り込んできた人という印象を持っているファンからすると非常に大人になってしまったなぁ~ってのが感想。あとで見たらこういうのって「ラウンジ」系の音っていうらしい。まぁ、どこかのバートかで軽く流れていてオシャレでアダルトな音なんだろうな。よくわかる。

 1994年にそれまでの10年間を祝してかベスト盤「Fields of Gold: The Best of Sting 1984-1994」が出ているんだけど、これまたなぜか家にあったので聴いてみたのだが、やっぱりアダルトで大人の歌ばかり収録されている。ん?なんかこういう音ってザ・フーのピート・タウンジェンドのソロ作品でも同じような系統だなぁとふと思った。オシャレで悪くない曲、しかもベスト盤だから良い曲ばかり入っているので好きな人は凄く好きになる選曲なんじゃないかな。あぁ、こういうのが流れるシーンっていいよなぁ…、と空想に走ってしまうのだが(笑)。いや、そういう話はまたいずれ…。

 でもやっぱロックかと言われるとちょっと違うな、これらの作品は。だから何度も聴かないし、あることすら忘れていたくらいだけどさ。一般人と話すには良い題材かもしれないけどちょっと、落ち着きすぎ。ロン・ウッドのソロの方が面白い。ま、単なる戯言にしかならないけどね(笑)。そういう大人の音を一枚って人にはぴったり裏切られることのない作品集かな。

Brian Ferry - Let's Stick Together

 いやぁ、色々なものが出てくる出てくる(笑)。こんなのなんであるの?ってのがあったりしてせっかくなので聴いてみたりするのだが、結構面白い。さっさと処分してしまえば良かったものを、何が哀しくて置いてあったのだろうか?まぁ、そのおかげで予想しなかったものが再度聴けたりするので良いのだが。

 さてさて今回は中でも全く記憶から消え去っていた人のレコード発見♪ 多分どういう音を一人でやってるのか興味あったんだと思う。もちろん好みかと言われるとそういう領域に入ってくる以前の問題でして…。

Let's Stick Together Another Time, Another Place

 ブライアン・フェリー1976年ソロ作三枚目のアルバム「Let's Stick Together」。ブライアン・フェリーと言えばもちろんロキシー・ミュージックのフロントマンとして有名で、しかも「ダンディ」の異名を取るくらいオシャレで正に英国紳士らしいおじさん。いや、おじさんではないのだが(笑)。そして時代はまだまだ70年代中盤、パンク登場前夜で、プログレがちょっと下火になった時期なので、何が起きたかと言うと…、この売れそうな人のソロのバックメンバーには蒼々たるメンツが揃ってしまったってことだ。

 ギターにクリス・スペディング、ベースのジョン・ウェットン、ドラムにポール・トンプソン、サックスにメル・コリンズ、バイオリンにエディ・ジョブソン、ゲスト陣にはショパンのアン・オデル嬢?ストリングアレンジでクレジットあるけど、ホントか?それと恒例フィル・マンザネラさん。

 凄くないか?これ?それで出てくる音は、妙な面はあるがポップス…とロックンロール、なのだ。まぁ、半分くらいがカバー曲なのでそうなっているのだろうけどさ。そういう意味ではロキシーの初期作品の代表でもある「Re-Make / Re-Model」も垢抜けた感じでカバーしているね。

 悪くない、悪くないが何が特徴的なんだ?う~ん、特にない…、と思う。でも、この人のキャリアの中では結構な作品として君臨しているらしい。わからんもんだなぁ。…と言うことは他の作品って多分あんまり聴かなくて良いんじゃないかと思うのだが、それは言い過ぎ?いやぁ、ま、ともかく、だ、メンツに驚いて再度聴き直したが、それでも全員ポップス畑が嫌いな人達ではないもんね。そう考えればこのアルバムも不思議はない。そして音的なプロフェッショナル加減で言えば、完璧に出来上がった作品で、しっかりとフェリーの魅力的な歌声もクローズアップされているし、曲の持つ雰囲気もしっかりと体現できているので良いよ。ただ、ロック的要素が自分的にはよくわからないだけだったりね(笑)。

Alvin Lee - Pure Blues

 自宅発掘音源シリーズ、まだまだ山のように出てきた(笑)。いや、全部それでもいいか、と思ってるんだけどさ、ほとんどのCDとかレコードってのは割ときっちりとアルファベット順とジャンル別にしてそれなりに整理してあるので探しやすくなってはいるんだけど、そこかしこで入手してきたモノの特にCDは棚の中にひたすら並べてあるだけで未整理になっているものもけっこうあったりしてなかなか整理整頓を始めると面白い。そんな中から多分いらないと思ってまとめてあるCDの山もあったりします。で、そこを漁ってて出てきたのが今日の作品。

Pure Blues Let It Rock

 1995年リリースのソロ名義でのライブか新録音か何かかと思って入手したんだと思うが…、「Pure Blues」というタイトルの作品。アルヴィン・リーって結構好きなギタリストで、フレージングやテクニックもともかく、音色が自然でギターの落としているのが好きかな。マイルドなトーンだしね。まぁ、そのヘンはセミアコ使ってるからだろうけど…、あとはやっぱり驚異的な早弾きのセンスだよねぇ。単純にかっこいい、って思わせてくれるもん。もちろんブルースもあるけどジャズの影響なんかも多いし、思い切りロックンロールって側面もあるので、テン・イヤーズ・アフターというバンドが初期は面白かったんだよ。

 バンド解散後も一応ソロ活動してたりしたのでその延長線上の作品かなぁ、と思って裏ジャケを見ると何となく知った曲目が並んでいたので、まぁ、ベスト盤か、ライブ盤か、ってなトコロで後者だろうと踏んだんだが、敢えなく敗退。単純にアルヴィン・リーの作品からアルバムタイトル通りブルースに根ざした曲ばかりを全年代の作品からチョイスして作られたブルース基準のアルバム。最初のアルバムから名盤「Ssssh」、再結成作品の「About Time」からの曲も含めたTYA時代のもの、それからソロ作時代の曲が入っていて、最後の一曲だけデモテイク収録っていう珍しいベスト盤。それでもブルースに根付いた作品が多いので楽しむことはできる。まぁ、ここから入ることはお薦めしないけど、悪い編集ではないかな、と。

 しかしこうして全年代を通して聴くとやっぱりTYA時代って密度が濃かったんだなぁと思うね。どこか神がかっていたっつうかさ、そういう空気感の違いってのはよく感じられるね。そんなことだったのでどうもお蔵入りCD群の中に紛れていたらしい。実際TYAの大半を所有していれば不要なタイトルではあるが…。

Humble Pie - In Concert 1973

 棚の中からの発掘音源シリーズ(?)と題するべきか…、立て続けに出てくる出てくる気になる音源♪ 1970年代の英国ロックが最も熱くて楽しい時代だったことはロックファンならば当然周知の事実ではあるが、埋もれているバンドや後に発掘音源としてリリースされたものには当時リリースされたアルバム以上に凄いものってのがあるのだ。だから今は結構良い時代かもしれないね。もちろんリアルタイムでアルバム聴けた方が絶対良いんだけどさ。

King Biscuit Flower Hour: In Concert Performance: Rockin' the Fillmore

 ハンブル・パイの傑作と言えば誰に聴いても多分「Performance: Rockin' the Fillmore」というライブ盤だと思う。このライブは本当に英国のロックバンドか、これ?と思うくらいに激しくかっこよくそしてパワーと自信に溢れている作品で以前このブログにも登場しているんだけど、1996年になってこのライブアルバムを凌ぐほどのハンブル・パイの全盛期のライブがリリースされたのだ。先の「Performance: Rockin' the Fillmore」のライブはギタリストがピーター・フランプトン時代で1971年のフィルモアのライブを収録しているんだけど、この「King Biscuit Flower Hour: In Concert」はギターがクレム・クリムソンに変わって、1973年5月6日のサンフランシスコでのライブを収めている。うん、キング・ビスケット・フラワー・アワーというアメリカのラジオ番組で放送されたものがこうしてCDになったんだけど、これがもう凄い迫力なんだよ。ちなみに来日公演直前のライブだったので当時を知っている人は思いっ切り記憶が甦ること間違いナシの発掘ライブ音源でしょ。

 うん、とにかく凄い迫力で音圧で攻めてくるライブで、これぞハードロックバンドだよ。マリオットのソウルフルな歌声はもちろんギターもマイルドなトーンで凄く良い音してるし、これはクレム・クリムソンの音がそうなんだろうな…、やっぱレスポールの音は素晴らしい!絶対にアメリカを制覇できたバンドだし、世界をも制覇できるパワーを持つライブのエネルギーがしっかりパックされているので、今更って気もするけど絶対オススメ♪

 ハンブル・パイって初期から追いかけているとなかなか不思議なバンドで…、サイケデリックから始まってヘンなロック行って、そしたら思い切りハードロックで…、うん、そういうところは凄く英国らしいかな(笑)。しかし思い切りブルージィなギター弾いてる中にザクザクと切り込んでくる音ってのもロックだ…。これこそロックの正しい音です。

Gentle Giant - Free hand

 プログレッシヴロックってどんな音をイメージする?そんな質問に答える場合結構困る。プログレ名盤の音ってもなかなか言い表せないし、そういうアルバムはやはり個性際立っているし、それひとつずつがジャンルになるんじゃないかっつうくらいのもんだからさ。でも、音のイメージはあるよね。人それぞれでフロイドの「おせっかい」かもしれないしクリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」かもしれないし、イエスかもしれない。うん。でもね、自分が一番いわゆるプログレバンドのプログレらしい音っていうのを出しているのはジェントル・ジャイアントだと思うワケで…。

Free Hand Free Hand Endless Life

 1975年リリースの彼等の7枚目のアルバムにして最高傑作と名高い「Free Hand」。7枚目にして最高傑作ってのもまた珍しいバンドではあるんだけど、初期からず~と聴いてみると分かるんだけど、基本的にあかるいヒネたポップスというかポップなメロディは押さえていて滅茶苦茶演奏能力が高くて完璧な演奏を誇るし、アレンジも変拍子も滅茶苦茶凝っている。更にコーラスも見事でそれだけで別のコーラスグループ作れるだろっていうくらい。そしてよくわかんないけどポリリズムっつうのか前に前にくるリズムっつうのが特徴的で聴いていて凄くひっかかるのでもっともプログレッシブって思うわけさ。

 この「Free Hand」っつうアルバムはそんな要素の全てが開花しまくった、時代が違ったらもしかしたらビートルズを超えるくらいの天才的な曲を持っていたりする。自分的にはこのバンド、すごく難しくて聴くのが苦手だったりしたんだよね。聴いてもなんかハマれないっつうかさ。でも、ちょっと違うセンスの人は相当ハマれるバンドだし、やっぱ面白い。苦手意識があったのであんまり聴こうっていう気にならなかったんだけど、こないだpapini嬢のブログおいみず~さんとこに出てきて、へぇ~って思ったのでちょっと何枚かアルバムを聴き直していたんだよね。で、やっぱ「Free Hand」が一番だろうなぁと思って手を出したら驚くことに驚いた(笑)。やっぱ凄いなぁ~このバンドって。この無邪気でヒネてて練られている歌メロは一体なんなんだ?そしてこの変態的アレンジもやっぱり変態だ、とか。コーラスもやっぱハンパじゃない(笑)。そして変拍子なプログレ度もやっぱ凄いわ。ちょっと声質がダメだけど、う~ん、聴き直してみるとなかなか面白い。曲的には好みではないけど、面白い。ベースのテクとか凄いしねぇ。

 ジェントル・ジャイアント聴いたことない人はこのアルバムから入ると良いかも。一番聴きやすいような気もするしさ。今ならヘンなおじさんのジャケットにくるまれた35周年記念盤が容易に買えるし♪ それと知らなかったけどこの頃のライブアルバム「Endless Life」ってのが出てるんだね。

Clouds - Scrapbook

 自宅内発掘音源シリーズが気に入ってしまったので、ちょっとヘンなのを紹介♪ まぁ、発掘っていうよりもあったんだ、これ?っていう感じで、アナログ盤だったらとんでもなく高価だったハズなんだけど、お手軽に2in1CDで入手しているのでどことなく貴重さが消えてしまっていてすっかり記憶から消え去っていたのだな。

Scrapbook/Watercolour Days

 クラウズのファースト「Scrapbook」1969年リリースのデビュー作。カップリングはセカンド「Watercolour Days」という作品で、こちらは1971年リリースだけどどちらもかなり良い。古いあの時代のサウンドを持ったバンドなんだけど、ハモンドから激しく始まるファーストのインパクトはかなり絶品♪ アードバーグほどのヘヴィさはないけど、やっぱハモンドっていう楽器の音が攻撃的なのかもしれない。強烈な印象を誇る一見ハードロック調なんだけど続く曲を聴いていると何これ?っていうか、もの凄く多様性に富んだカラフルなサウンドを持ったバンドで、サイケの雰囲気も入っているし、ヒッピー的なメロディもあったり、どこかアシッド的な雰囲気もあって、そしてかなりメロディは滅茶苦茶ポップ。いやぁ、このバンドの歌の声質って凄く好きかもしれない。そしてヴォードヴィルな音もあったり、よくわからん(笑)。ただ、レベルの高い曲と音なのでマイナーなバンドの割にお得感が凄く高いと思うんだよね。こういうのが主力になってもおかしくない時代だったし、相当かっこよい。

 で、このファーストアルバムって一応コンセプトアルバム的になってるのかな。どの曲も短くてカラフルなんだけど歌詞までは知らないなぁ…。セカンドはもうちょっと大人になった感じのアルバムで、やっぱりセンスは相当良いねぇ。ハモンド好きな人、聴くと絶対ハマる音です(笑)。

Audience - Friend's Friend's Friend

 久々に70年代英国ロックのメジャーじゃないところでのアルバムを見つけたのでちょこっと聴いてみた…。うん、やっぱりこの頃の英国はおかしい(笑)。バンド名もヘンだけど、音の方もかなりヘンで何とも言えないサウンドと強烈なアートワークでその筋のマニアを喜ばせているバンドのひとつ、オーディエンス。

Friend's Friend's Friend Lunch

 1970年、カリスマレーベルからリリースされた彼等のセカンドアルバム「Friend's Friend's Friend」。まぁ、簡単に言えばゴッタ煮ロックで、プログレの括りに入れられることも多いんだけどプログレっつうんでもないような気がする…、その辺の区分けは難しくてよくわかんないけど、展開は確かに多々あるのでプログレと言えばそうか(笑)。しかもそれが短い曲の中であったりするので、単にヘタウマなアレンジとも云うかもしれないけどさ。不思議なのはベース、ドラム、ギターに歌というのは一般的だけど、ここにサックス、ウッドウィンドっつう吹奏楽系が入ってきてさ、これがまだ凄く良い味を出しているので面白い。何となく、だけど普通鍵盤が味を出すところでの旋律をサックスうかウッドウィンドで出していて、これがまた人間味溢れる息使いまで聞こえるから新鮮で…、ヘンだよなぁ、やっぱ。大枠のリズムはベースが引っ張るグルーブ感でノリが良いというか…、そこにドラムがドッタンバッタンと叩かれて、多分ドラムのミックス結構大きいんじゃないかなぁ。個性的なドラムです。

 何だかんだで牧歌的な英国の雰囲気もしっかりと持っていて決してハードロックでもないしプログレでもない、正に英国のこの時代の音楽。コーラスワークもなかなか開放的で素敵だったり、アコギも綺麗に鳴っていたりします。吹奏楽も面白いし…。歌は決して上手くないけど、ちょっと粘っこい感じで土着的っつうのかな、好きなタイプの歌だね。

 このバンド結局全部で4枚のアルバムをリリースしてる。ヒプノシスのジャケットの「Lunch」ってのもあって、そっちはもおうちょっとモダンな雰囲気だったような気がするけどあまり覚えてないな(笑)。いやぁ、やっぱりこの頃の英国は今更ながら良い♪ またこういうのハマっちゃうかも…(笑)。

Vikki Clayton - Honor

 どうして自分のコレクションになるのかよくわからないCDってのも結構ある(笑)。何気なくCD棚を見ているとそういう宝物にいくつも出会えるのは面白いもんだが、今回も何であるのかよくわからないのだが、聴いてみると実に美しくて得した気分になった一枚をご紹介。

Honor Lost Lady Found Fotheringay

 1988年リリースのデビューアルバム「Honor」で、詳しい背景とか全然知らないんだけど確かフェアポート・コンヴェンションが毎年開催しているクロップレディフェスティバルでボーカルを務めてたことがあるハズ。それで多分気になったんだろうなぁ…、何かサンディ・デニーの再来とまで云われるくらい昔のフェアポート・コンヴェンションの曲を歌いこなしたとか云うので話題をさらった人だったと思う。うん、多分そうだ。

 それで音を聴いてみるのだが…、非常にシンプルなアコギと美しく透明感のある歌声だけで作られている作品で、とってもトラディショナルな曲調ばっかりなんだけど、トラディショナルな曲は何曲かしかなくって結構オリジナル作品ばかりで占められてて、違和感なく普通に聴けるので驚いた。この人心の底から英国トラッドシンガーソングライターなんだ…と。冒頭の「The Blacksmith」ってのはトラッドなので実はあちこちでお目に掛かる曲…、ペンタングルやシャーリー・コリンズ、スティライ・スパン、バート・ヤンシュなどなど…、そのどれもと張り合っても結構良い線イケるくらいしっかりとできてるし、本人も自信あったんだろうなぁ、曲の良さもあるけどすっきりとした歌声が特徴的で心地良い。

 更にサンディ・デニー好きを惜しげもなく表してなのか、渋いところでサンディの結成したFotheringayのアルバムにも収録されている多分トラッド曲の「Banks Of The Nile」ってのもバックがギターだけで歌ってて、さすがに声質似てるなぁ。で、今度はフェアポート・コンヴェンションの超名盤「Liege & Lief」の最後に入っている有名曲でもある「Crazy Man Michael」をカバーしてるんだけどさぁ、これもまた結構な迫力で完全にサンディに成り切っての熱唱だよなぁ。いいねぇ、こういうの。

 そんな感じでどうしてかウチにあったCDだけど、気分的にハマってたので結構よかった。やっぱ音楽は元気が出るもんなのだ。例えそれがトラッドであっても、ね♪

Radiohead - In Rainbows

 レイディオヘッドって最初に聴いたのは多分「Creep」だったと思う。何かで流れていて滅茶苦茶暗くて悲痛な歌だなぁ…でも良い曲だなと思って調べたらレイディオヘッドだったっていうのが最初。どうもそこまで暗くなれるかっていう気分でもなかったのでそれからしばらく全くほったらかしで、忘れてたんだけど結構アチコチで騒がれていて名前をよく見かけた。んで、「OK Computer」をちょこっと聴いたんだけど、やっぱり暗すぎてダメだったのでそれ以来割と敬遠してた。先日タワーレコード行ったらまた悲痛な歌声が店内で流れていたのを聴いて、あぁレイディオヘッドだ…と思ったら新作だった。

イン・レインボウズ OK Computer

 作品云々の前にプリンスと同じくウェブでダウンロード自由、お金は自分の好きな額を払ってくれという流通形態でリリースしたことで話題になったアルバムがこの「イン・レインボウズ」って作品。面白い試みだとは思うけど、作品がよくなかったら皆金払わないよなぁ、とかそんなファン層が子供だったりしたらそりゃ金払わないだろうとか色々あってさ。結局一人当たり無料から2ドル程度の支払い額だったって云うから、音楽ビジネスの底が見えたかもしれん。アーティストになるにはまず商売をどうするか考える必要があるってことだ。

 で、その音の中身なんだけど…、いや、最所に書いておくと自分もDL音源なんだけどさ(笑)。タワレコで流れてた曲は多分「Nude」っていう3曲目に入ってるヤツで、これはやっぱり暗くて自己中心的な曲だったので敢えて昔ながらのサウンドだったんだけど他はなんか散漫でね。特にやたらとデジタルビートを使ってごちゃごちゃした音にしてるのとかあって、あまり面白くない。皆どうしても昔みたいに暗くて重くてイヤになるようなレディヘの音を求めるだろうし。自分的にはそういうのがちょっと、と引いていたんだけどいざ明るくやられると全然魅力無くって…、難しいねぇバンドってのは。

Avenged Sevenfold - Avenged Sevenfold

 ブログ仲間のHiroshi-Kさんは何かと新しい音に敏感で古いモノも知っているし新しいモノも鋭いアンテナで聴き入れているので何かと情報を貰っているのだが(笑)、その徒然なる論評ってサイトでもちょっと前に紹介されていて、気になったので入手してなるほどなぁ~と聴いているバンドがこのアヴェンジド・セブンフォールドっつうバンドです。

アヴェンジド・セヴンフォールド オール・エクセス [DVD]

 2007年11月リリースの彼等の5枚目のアルバム「アヴェンジド・セヴンフォールド」。もっともインディーズ時代のリリースもあるのでキャリア自体は長そうなのだが、カリフォルニア州出身の若手…?バンド。音的にはなかなかメロディアスな歌メロを持ったハードロック、というかヘヴィメタに近いバンドか。そこに攻撃性を持たせているので精神的な激しさが感じられるところから一昔前のガンズとかモトリーとかっていう類に例えられることが多いみたい。聴いてみるとわかるんだけど、なるほど、これぞロックのスピリットっていうのは持っているのでかなりアグレッシヴな姿勢がよくわかる。

 うん、ギターの音がね、ヘヴィーなんだけど結構マイルドで耳障りではないのが気に入った。歌もハイトーンじゃなくってダミ声的に歌っているっていう、別に上手いとかじゃないけどメロディがしっかりしているからかな、聴きやすい。そういう意味では古いセンスを持ってるバンドなのかもしれないな。ただし当然ながらカリフォルニア出身のバンドなので巧さとかはあるにしても深さはない(笑)。エヴァネッセンス的なところもあると思うのは個人的偏見か…、いや、深みの問題ね。

 しかしそんなのを本人達も感じているのか今回のアルバムの最後の二曲では全くそれまでとは異なった曲を入れていて…、まぁ、なんつうのか、メランコリックなスカのようなハードな音で、これじゃギターはつまらんし、皆が期待しているような展開ではないぞ?みたいな。単なる遊びとして、これからもハードで進んでってほしいなぁ。

 いやぁ、スカッとする音で、良いよ、これ。アタマ振りながら楽しめるしさ。ギターソロとかがもっと流暢にあったらもっと昔風のバンドに聞こえたんだけどなぁ。調べてないけど多分ツインギターだと思うので、美しく奏でるワザを覚えれば結構最強か。まだまだこれからも楽しみなバンドでオススメできるね。



Iron Maiden - Powerslave

 大英帝国ヘヴィメタルの大御所となったアイアン・メイデンの最高傑作なんじゃないかと思うんだが、やっぱりさぁ、こういうのがかっちょよいメタルっつうかロックだよ。いや、ロックのかっこよさの定義なんてキリがないんだけど、これもひとつのかっこよさ♪ だって美しいもんね。全ての楽曲に誇りが脈打っているし、自信に溢れて燦然と輝いている楽曲ばかりが入っているしね。

Powerslave Live After Death

 1984年リリースの「Powerslave」でヘヴィメタル全盛期に正に最高のアルバムを出してくれたので一気にアイアン・メイデンというバンドが神格化されたものだ。この頃ってのはLAメタルも出てきててさ、そっちも流行ってたんだけどメイデンのこいつが出ると他のなんてもうどうでもよくってコレに飛びついたものだ。何つっても最初の「Aces High」の美しいリフから始められるスピード感に酔いしれたな。キメもかっこよくってベースは凄いしギターも早弾きとかではなくって美しい旋律を奏でるという、テクとかじゃなくて聴かせるっていう意味でも良作だしさ。で、往年のヘヴィメタルらしいリフで始まる「2 Minutes To Midnight」もキャッチーでアタマ振りたくなるくらいのかっこよさ♪ 6分くらいあるんだけど全然長いと感じないし、しっかりと展開やら何やらとあるので飽きない。この辺はスティーヴ・ハリスのこだわりっつうか趣味かね(笑)。その流れは次の「Loster Words」にも顕著に表れているんだけどね。インストでどんどん展開していく、もうベースのためにあるような感じでねぇ…。普通こういうインストものってギタリストのためにあったりするんだけど、メイデンの場合は違うんだよ。もちろん華麗なるツインギターを聴かせる箇所もあるけどやっぱベースが弾きまくってる。それがまた凄いセンス良くってさ、やっぱ恐るべし大英帝国。

 う~ん、全体的にどれも疾走感溢れるアルバムで、当時は凄くうるさくて速い、っていう印象のアルバムだったけどじっくりと聴き慣れてきて、今ではかなり普通のロックっていう感覚で聴いているし、特別に速いとかは感じないけど、でも心地良い疾走感はさすがだな~と。メタルなんだけど重くならないで走るっていうかさ、その中に様式美的なものがあるから神々しいんだろうな。元は汚いロックバンドだったと思うけど(笑)。

 「Back In The Village」のイントロとかも結構斬新だったしアルバムタイトル曲「Powerslave」はなるほど、ジャケットの雰囲気を醸し出すかのようなどことなくスペイシーな雰囲気のイントロで始まり、王道リフが心地良い…。うん、全編そんな感じなので普通飽きるんだけどなぁ、これが飽きないってのが凄い。最後までそんな感じで名曲揃いだからかね。全編口ずさめる人多分いっぱいいる(笑)。この後ライブ盤「Live After Death」がリリースされたんだけどそれもまた雰囲気がよくてよく聴いたなぁ。

 そして来月にはこのアルバムまでのセットリストを引っ提げての来日公演、オープニングは当然アレで決まりだろうけど、往年のパワーで見せてくれるのかな。

Red Hot Chili Peppers - Blood Sugar Sex Magik

 ミクスチュアーロックの元祖とも呼ばれることの多い、そして今でも立派に現役バンドどころか超大物バンドにまで成長してしまったレッチリ。出てきた時は完璧にキワモノ扱いされていたので、そのままの記憶しかないのだが、そんな古い親父みたいなことを云っていてはいけないのだ。何せバンド名に「Red」が入っているので一応取り上げておくかなぁと思って昔入手したCDを聴き直しているところなのだが…。

Blood Sugar Sex Magik Mother's Milk

 1991年リリースの彼等の作品群の中では最も充実していた最高傑作との呼び声も高いアルバム「Blood Sugar Sex Magik」。CDを入手した当時には全然ピンと来なくて数回も聴いてなかったのだが、十年以上ぶりに久々にレッチリにトライしてみた。その時の印象しかないのでそれ以来あちこちでレッチリの名を耳にしても別に聞かなかったし聞こうとも思わなかったもんね。なので、ずいぶん久しぶりに彼等の音楽に触れる…っても17年前のサウンドなのでそれが新しい音楽かどうかはちと問題ではあるが(笑)。

 結論から書くと…何が面白いかさっぱりわからん(笑)。いやぁ、ベースのうねるラインの凄さとかドラムのキレの良さはもちろんギターも含めてサウンドも凄く斬新で正にミクスチャーなロックでは勢いのあるバンドだしそれでいてしっかりと聴かせるところ、っつうかメロディがポップだったりするので非常に聴きやす感もあるしノリももちろん凄く良いので、どう聴いてもかっこいいハズなんだけど、自分的にはダメ(笑)。まぁ、こだわる気もないんだけど受け付けないんだよなぁ…、理由はわからんが、何かあるんだろう。ファンクならファンク的にもっと面白くできるだろうし、ロックならロックでもっとかっこよくできるだろうし、どうにも音的なトコロが中途半端っつうか、それが受け入れられる時代だから別にいいけど、何だろうなぁ~、多分アメリカ、しかもカリフォルニア出身だっけ?の空気感がよろしくないのかもしれん(笑)。いや、そうとは限らないけど…深みがないっつうかね。そういうトコ。もっともっと何度も何枚もアルバムを聴き込めばもしかしたら気に入るのかもしれないけれど、多分そこまでできないだろうからなぁ…。

 ってな辛辣な個人的意見を書いているけれど、アルバムとしての出来映えは音のかっこよさやウケってのはしっかりしているし、良い曲も幾つも入っている…。「Breaking Girl」とか売れた「Give It Away」とか「Under The Bridge」とかさ。なのでやっぱ名盤なんだろう、そして凄く人気があるので自分の感覚が違うだけなんだろう、と思うがロックなんてそんなもんだろ(笑)。まあいいじゃないか。しかしこういうロックってよくわかんないなぁ…。ロックってもっとかっこよくやるもんじゃないかな。

Black Uhuru - Red

 そういえば、ってことで思い出した大名盤…っつうかほとんどまともに聴いたことなくって何回か流した程度だったのが失敗だった!こんなに素晴らしいアルバムだとは…、やはり世の中の評論家の書くこともたまには信じて良いかもしれない(笑)。いや、それは冗談としてもレゲエっていうものへの偏見もあってまともに取り合っていなかったのが失敗だったなぁ…。うん、ブラック・ウフルの「Red」っつうアルバム。

Red Anthem

 1981年リリースの彼等の三枚目のアルバムで最高傑作と名高い作品。うん、傑作だ、これは。凄い。で、調べてみるとバックのリズムセクションはスライ&ロビーなワケで、いや、だから何だと云われても困るんだけど(笑)、もの凄いグルーブ感で良いねぇ~。レゲエってどれもこれも裏打ちでかったるい怠惰な音楽っていうイメージしかなくってこんなにロック的な音だとは思わなかったんだもん。それとも耳が肥えてきてアジテーションがあるものは何でもロックに聞こえるようになってきたのかな。でもこのアルバムは一般のレゲエとジャンル分けされる音とはかなり異なると思う。ボブ・マーリーは圧倒的にレゲエって感じだけど、ブラック・ウフルはロック寄りのレゲエ、かな。多分ポリスやノーダウトやクラッシュなんてのに慣れてきたおかげでそういう聴き方ができるようになったのかもしれん。そう、後期クラッシュの奏でていた音って正にこれだよなぁ、と。

 曲名がどれもシンプルなのもひとつのスタイルなのかな。良いよね、こういうの。んで、何と云ってもリズム隊の、というかベースラインが圧倒的に歌っている中、歌のメロディもどことなくロック的な…いや、逆なのか。細かい音の使い方とか英国のロック連中はよく研究してたんだなぁ、それをまたブラック・ウフルが研究して、ミクスチュアーなサウンドになったからこそ面白いのか。1981年ってことはクラッシュが「サンディニスタ!」出す頃だもんね。う~ん、被る。

 このクソ寒い真冬に聴く音楽ではないハズだけど妙にジャマイカンなこのレゲエの名盤が心地良く部屋で流れてました。低音バリバリにして気怠いグルーブ感に身を任せてダラダラと…。早く夏がこないかな(笑)。

板橋 文夫トリオ - Red Apple

 「Red」続きでアルバムを書き続けているんだけどそろそろ終わりかなぁ…。まだあると思うんだけどなんとなく雰囲気に合わないのでパスしてるのもあるし、U2の「Under a Blood Red Sky」なんてのもいいなぁと思うがこないだU2やったばっかだからまた今度で(笑)。んで、ちと今宵は懐かしき思い出話も含めて…。

Red Apple 時には母のない子のように2007

 板橋文夫トリオ「Red Apple」。残念ながらアマゾンにもないし今廃盤なのでCDでもレコードでも手にはいるのかどうかわかんないし、調べたこともあんまりないんだけどネットでちょこっと見ると何か手に入りそうな感じではあるなぁ…。持っている人は持っているっていう名盤、だと思う。…と云うのも昔何度となく聴いたことがあって、もちろんお店で聴いているので何かわかんなくて凄いかっこよいなぁ~っと思ってたんだけど、ある日それが板橋文夫トリオの1988年頃リリースのアルバムって判明して、ちょこっと探したんだけどジャズの探し方なんてよくわかんないし、結局そんなにメジャーな作品ではなかったらしくて簡単には手に入らなかったんだよね。んで、そのままロックをひたすら漁っていたので忘れていた、というかあまり気にしなかったワケさ。でも今でもメロディとか思い出すくらい美しい旋律だったような、そして迫力があったような気がしてて、結局未入手のまま。だから今も聴いていないで書いているので、細かいトコも知らないし、ましてや誰がいてどうの、とか書けるもんじゃない。ネットであれこれ見てると情報自体は転がってるけど…。

 梅津和時さんが参加していてそのサックスもまた強烈だった記憶がある。どうなのかなぁ、やっぱり記憶だけだと当時の雰囲気も一緒にあるから、音だけを聴き直したらわかんない(笑)。ただ、日本人のジャズも凄いんだな、と思ったもん。

曖昧な記事なんだけど、「Red」繋がりで思い出して、ジャズだけどまぁ、関係ないし(笑)、たまにはこんな思い出話も♪

 そして驚いたことに日本で最高の歌手だと思っているカルメン・マキさんは今ジャズシンガーとして歌っているのだけど、彼女が板橋文夫さんらと一緒に演奏しているCD「時には母のない子のように2007」が昨年リリースされていた。これもまたノスタルジックに、そして進行形で興味のある一枚だね。

Fairport Convention - Red & Gold

 ロックの歴史の中でもかなり長い歴史を刻んでいるバンドの一端を担っているフェアポート・コンヴェンション。アルバムデビューは1967年で、解散したようなしていないような、そのうち仲間が皆集まり始めて色々とセッションやらイベントやらを始めたりしているうちに皆が皆愛着を持って出たり入ったりしながら今でも存続しているワケで、ストーンズの生きながらえ方とは大きく異なってメンバーチェンジも当然ありきで皆の故郷のような位置付けでバンドというハコがあるってとこか。

Red & GoldIn Real Time: Live '87

 そんなフェアポート・コンヴェンションが1988年に何とラフトレード(!)からリリースしたアルバムに「Red & Gold」という作品がある。ラフトレードレーベルと云えばどことなくニューウェイブのバンドばかりというような印象があるが、結構オールドなロックにも門戸を開いていて、確かロバート・ワイアットなんかもアルバムリリースしていた気がする。ま、それはともかく、この頃のフェアポート・コンヴェンションって実はもの凄く充実していたらしいんだよね。1985年頃からメンバーが12年間くらい変わってなくてアルバムも8~9枚リリースしている時期でさ、なかなかフェアポート・コンヴェンションのディスコグラフィーとバイオグラフィーの実態が掴みきれないのであちこち紐解いた程度での知識なんだけど、いや、もちろん初期から70年代くらいまでは大丈夫だけどそれ以降がどうしても曖昧(笑)。まぁ、それでもバンド名に恥じないアルバムばかりをリリースしているので悪くはない作品群が多いかな。

 で、その「Red & Gold」なんだけど…の前にメンツか(笑)。しっかりとデイヴ・マタックスのあのドラムは健在だしサイモン・ニコルの味のある歌声とデイヴ・ペグのベースラインもそのままですな。バイオリンにはリック・サンダース…、ソフツの後期に在籍していた人ね。で、ギターは知らないんだけどマーティン・アロックって人かな。なかなかリチャード・トンプソン的なギターを弾く人なのでメンバー的には重宝したと思う。中身はねぇ、結構モダンなトラッド風味の大人のロック、というよりも聴かせるアダルトな音で、でももの凄く英国ならではのメロディだったりコーラスだったりして、普通は出せない味だし、新人じゃぁ当然出せないサウンド。落ち着いた音で暗さもそんなになくって聴きやすいね。しかしリズム隊、軽く演奏しているんだろうけどやっぱりとんでもなくロックな人達で、重くてかっこよいよぉ~。こんなにアダルトなことしてなくても十分にロックでイケるにな、とか思ってしまう(笑)。

 何気にね、アルバムジャケットを見てみると凄く英国らしくて、騎士の戦いはともかく下側には英国らしい湖に帽子が浮いていて、何故か右側には翡翠が飛んでいるという、おしゃれだよねぇ~、こういうセンス。色々な意味で親しみの持てる作品。多分この前後のアルバムも似たようなもので楽しめるかな。あ、そういえば、このメンツってこの時期に来日公演してたハズ…。

The Pogues - Red Roses for Me

 「赤い薔薇を僕に (Red Roses for Me)」。良いタイトルだね。でも「For Me」ってのがどこかおかしい(笑)。そう、1984年にデビューしたアイルランドの酔いどれ天使率いるポーグスの最初のアルバム。今ではリマスタリングされて更にボーナストラックが山のように追加された全19曲バージョンが出ているので心の底まで楽しめるってもんだ。

Red Roses for Me Rum Sodomy & the Lash

 普通にロックを聴いているうちは遭遇することのないバンドかもしれないな。パンクっていうには遅すぎるし、ニューウェイブっていうには音楽性が個性的すぎてジャンルで括れないし、かといって当然ながら80年代ポップスじゃないし。しかもアイルランドの民謡をベースにロック的に、というのかハチャメチャに明るく、そしてスタイル的にはロックで=パンクの勢いを持って本当に音を楽しんでいる姿をそのまま自分達のイメージにしているバンド。

 ちなみにこのファーストアルバム「Red Roses for Me」ではエレクトリック楽器ってのはベースくらいしかプレイされていないんじゃないか?ギターもアコギだし、後はバンジョーやら笛やらもちろんドラム、フィドル、マンドリンとかもあるかもしれない…、いやぁ、だから基本的にトラッドを演奏するバンドで、フェアポート・コンヴェンションと同じくトラッドをロック風に、というパターンでトラッドをパンク風に、そして明るく楽しく、っていう要素を加えて出来上がっているんだもん。アルバムの最初からかっ飛ばしてってひたすら脳天気に演奏される楽曲の数々、どれもこれもが勢い満載でかっちょ良い。多分後にも先にもこのバンドみたいなのはこのバンドだけだろうね。はちゃめちゃなお祭り騒ぎの中に一本筋の通ったスタイルが走っている、そしてラブソングなんていうものは皆無で、酒や夢なんてのをひたすら歌っている…そういうところの儚さや切なさってのもアイルランドの面白いところ。骨太な硬派主義なんだよね。

 この後色々作品を出していくんだけど次のアルバム「Rum Sodomy & the Lash」まではまだこの路線、その後の名盤「If I Should Fall from Grace with God」からエレクトリックというかロック的に羽ばたいていく感じで、名作。ジョー・ストラマーのプロデュースしたアルバム「Hell's Ditch」も凄く好きで、正にジョーの作品って感じだし。でも原点のファーストアルバム「Red Roses for Me」はダイヤの原石のように…というか「赤い薔薇」のように輝いている作品だね。

 そういえば昨年かそこらにボーカルのシェインが復帰して再結成、そして日本にも来てライブをやっていったらしい。その時も酔いまくっていて相変わらずのバカっぷりだったらしい(笑)。

Arcadia - So Red The Rose

 1980年代を風靡したデュランデュランはシングルヒットを立て続けに連発した後、音楽性の方向性の問題から二つのグループに分裂して更なるセールスを稼いだ…とは云えなかったのだが、今となっては再評価して然るべきタイミングかもしれない。元々ロキシー・ミュージックやジャパンと云ったデカダンで妖しげなバンドをモチーフとしていたことは一目瞭然だが、パワー・ステーションとアーケイディアという二つのグループに分裂してみるとバンド内での趣味嗜好の差がこれほどまでにはっきりと表れてくるかという程に出てきた。

情熱の赤い薔薇 So Red the Rose

 アーケイディア=サイモン・ル・ボン、ニック・ローズ、ロジャー・テイラーの三人が主体となって結成されたバンドで、1985年リリースの「情熱の赤い薔薇 (S o Red The Rose)」という作品はそれなりに売れた、ハズ。ゲスト陣が超豪華でギルモアからスティング、アンディ・マッケイ、スティーブ・ガッド、ハービー・ハンコック、カルロス・アロマー、グレース・ジョーンズなどなど誰が何をどうしてどこまで関わっているのかわかんないけど、話題は振りまいた、ハズ。先にも書いたけど、元々の嗜好がニューロマンティクス=ロキシーやジャパン、もしかしたらメトロなんてのもあるのかもしれないけどどこか退廃的なヨーロッパ的な感じを出した音楽と云ったところで、その嗜好が強いのはもちろん超ナルシストのニック・ローズなワケで、そこにサイモン・ル・ボンのハスキーで艶っぽい声が絡むというのはなかなか悦に入っている。この「情熱の赤い薔薇」というアルバムではしっかりとタイトル通りにカラフルで、しかも赤いバラという印象を与えているのでデカダンな雰囲気とともにもちっと評価されて然るべきアルバム、バンドかもしれない。そういう言い方すると一方のThe Power Stationの方もバリバリのロックンロールバンドっていう正反対の方向性を持ったバンドだけどもっと評価されても良いかもなぁ。でもこっちのアーケイディアの方が音楽的高貴度が高いっつうかオシャレだね。

 ただひとつ難点が…、あまりにも趣味的世界が広がりすぎているためにどれもこれもが似たような作風とか雰囲気や音になってしまっている感じもあってアルバム通して聴くとBGMみたいになっちゃうんだよね。これはまぁ、個人的にはロキシーやジャパンも同じ事が当てはまるので彼等だけのせいじゃないけど、好きな人は好きなんだと思う。YouTubeで見てみると結構な数のプロモビデオが作られていて、映像作品としてもかなりヨーロッパ的な耽美的な世界観を醸し出しているのでやっぱり面白いのかもしれないな、どっちかっつうと映像付きで楽しむものかもしれないと思った。これも今の時代だからこそ気付いたことかな。

 うん、タイトルに「Red」が付いてたから安直に選んだんだけどなかなか悪くないじゃん、これ。アイドルバンドからの派生というだけじゃなくってしっかりと音楽的に、センス的にもかなり良いセンしていて、やっぱりただ単に売れただけの連中ではない。しっかりとした背景があってのバンドだね。

Kate Bush - The Red Shoes

 キング・クリムゾンの「Red」に赤い色という印象は皆無に等しいので、何故に「Red」というタイトルになったのか調べるのを忘れていた…。何でだろ?そのうち解明しよう(笑)。そして今度は見事に「赤い靴」をイメージしたそのままズバリのタイトル「レッド・シューズ」というアルバムをリリースしているケイト・ブッシュの1993年の作品。これもまた前作「センシュアル・ワールド」から4年ぶりくらいの作品で話題となったものだが、この後2005年にリリースされた「エアリアル」までの12年という歳月を思えばまだ短いインターバルだった方なのだなぁ…。

レッド・シューズ(紙ジャケット仕様) 大人のための残酷童話 (新潮文庫)
 グリム童話の「赤い靴」をモチーフに自身がバレエを演じるということもありダブらせて創作された作品、らしい。英国のロックや音楽を漁っていると必ず「指輪物語」や「グリム童話」と云ったものに遭遇することになり、何となく調べたり何となく深堀したりするのだが、グリム童話ってのはどうにも苦手で…というかまともに取り組んだことがないのだなぁ。ジェネシスの「Nursery Cryme」とかもグリム童話からモジったものだし、他にも探せばいくらでも見つかるものだ。話はどんどん逸れるんだけど、原作に忠実なグリム童話はあまり知らないが「本当は恐ろしいグリム童話 」とか倉橋由美子の「大人のための残酷童話」はシニカルで面白いものだったね。実態はこんな感じなのだろうか?。

 …ってな話は置いといて(笑)、ケイト・ブッシュの「レッド・シューズ」。ケイトらしくない、というかケイトらしかった先進世界のアンビエントミュージック的要素がかなり薄くなり、通常人間の世界に近づいているところが物足りないというか…、声も使われている楽器も音の要素も透明感もケイトらしい部分が大きいんだけど曲がちょっとはっきりしすぎている感じでどこか中途半端な印象。それを補うためか、はたまた大物ミュージシャンからのオファーが多いのか、ゲスト陣の豪華さも作品を一般化させてしまっている要因かも。とは云え、2曲目の「And So Is Love」でのクラプトンのギターは完全に曲に合っていてケイトの歌声に呼応するかのようにギターが呟いているような感じで素晴らしいのだ。誰が聴いてもわかるくらいクラプトンならではの味が出ているし、ケイトらしさも出ている。それをサポートしているのがプロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーのハモンドオルガン。ゲストだけの話で行くと11曲目「Why Should I Love You?」は楽曲から演奏まで含めてプリンスの作品で、ケイトが歌だけ歌っている感じ。モロにプリンスの世界だよなぁ~とわかる。なのでアルバム的に散漫な印象も与えてしまうためか最後から二曲目に配置されてるのかな。そして最後の曲「You're The One」ではゲイリー・ブルッカーのハモンドもさることながらジェフ・ベックがゲストでギター弾いてる。ただ、どちらもそれほど目立つプレイじゃないからここは曲の荘厳さの勝利かな。ケイトのアルバムへのゲスト参加ならこれくらいで良いと思うけどね。

 他は、というかメインの楽曲群についてはコンテンポラリーな作風と時代が時代だからなのかどこかファンキーというかかっちりとしたリズムってのに乗せられたものが多くて、歌詞的にはかなり難解らしいけど、その辺はまぁあまり気にして無くって(笑)、コレでケイトもちょっと普通に戻ってきたかなぁと思ったくらい。悪くはないアルバムだけあまりにも現代的な音使いと作風であまり手が延びない作品かな。

 それと見たことないんだけどこのアルバムから何曲かを用いてケイト自身が監督した映画「THE LINE,THE CROSS AND THE CURVE」ってのもある。DVDになってないのでなかなか見れないんだけど、面白いのかな?リンゼイ・ケンプも出演しているとか…、う~ん、この辺の繋がりって色々あるなぁ…。

Red Garland - Groovy

ジャズ界ってのは実に広い。ロックの世界よりも更に広いんじゃないだろうか、って思うことがよくある。それは多分全員がソロイスト的にあちこちのセッションに動いていたりするからだろう。自身がリーダになって作品を作る場合とサポートとして参加する場合…、まぁ、サポートってもしっかりメンバーなのでたまに主役を食うくらいの仕事をしてしまう人もいるのだが。概ねそういった場合は名盤として語られることが多いので悪い話ではないが、主役はたまらんよなぁ。

Groovy Red Garland's Piano

 さて、マイルス・デイヴィスの門下生、というか50年代後期、マイルス・デイヴィスがマラソンレコーディングを行っている時のピアニストでもあったレッド・ガーランドの1957年リリースのソロ作の名盤が「Groovy」だ。自分的にはそんなにこの人の作品を聴いたことがあるワケじゃないので別に多くを語れるほどじゃないが、なんかジャズらしくて良いなぁ~ってことで昔よく聴いてた。アナログの頃ね。ポール・チェンバースのベースやアート・テイラーのドラムっつうのもよく聴く名前だったし、このトリオなら面白いのかな、と子供ながらに楽しんでた。久々に引っ張り出して聴いてみると、う~んジャズ(笑)。

 なんつうのかさ、この頃のジャズの作品て音も凄くナマナマしくて良いんだけど、とにかく演奏が絶対にナマじゃない?即ち全てがライブ盤なワケでさ、グルーブ感とかテンションの高さとかってのはその場に持ち込まれるもので、極端に云えば失敗は許されない状況下での録音だからやっぱり名盤がいっぱいあるハズだよね。今でもそういうの多いハズだけど、やっぱ違うんだろうな。そういう空気感がにじみ出ていて、あぁ…酒が飲みたくなる、すごく綺麗なピアノだ。躍動感はもちろん不思議なコードを掻き鳴らす中でもしっかりとベースがグルーブしていて…、やっぱ上手く書けないな、ジャズは。難しい。そして簡単に心地良くなれる。

King Crimson - Red

 ホントは新年三が日はお休みにしようかなと思ってたけど、今年は特にどこかに行くとか何かをするとかもなくってゆっくりしていたので、部屋の中をアレコレと整理など…、それでもやっぱり時間はあるのでひたすらロック三昧だったりDVD三昧だったりネットであれこれと情報収集などに励んでいて結局休みでも平日でもやりたいこともやることも大して変わらんなぁと反省。

 さてそんなことで新年一発目から強烈なモンでスタート。こういうの聴くと気合い入っていいねぇ~。ゆっくりしまくった後にはこういう気合いの入る作品で引き締めて新年開始♪

レッド(紙ジャケット仕様) USA(紙ジャケット仕様)

 キング・クリムゾン1974年の第一期最終アルバム。最後の最後になってようやく顔を出したメンバー達…、いや、これまでのクリムゾンってメンバーの写真なんてどこにも載ってなかったので、恐らく当時からリアルタイムで聴いていた人にしてみるともの凄く謎に包まれたバンドだったと思うんだよね。顔はわかんないしさ、雑誌にどれくらい露出してたのかまでは知らないけど、多分そんなに多くなかったと思うし、ツェッペリンなんかは十分に顔も知れ渡っていたと思うけどクリムゾンはホント不明だったと思う。しかもメンバーが毎回替わっているワケだから誰がどんな顔で、なんて知らないでしょ?そういうのをしっかりと区別して追いかけてきたファンって凄いと思う。だからここで最後で表ジャケットに顔を出したメンバーってインパクトあったと思うもん。しかもジョン・ウェットンの不敵な笑みがこれまた良い感じで、ロックな面構えしてるしさ。

 変なトコから入ってしまったが、今更語ることあるのかと云わんばかりの名盤…っつうかな、キング・クリムゾンのひとつの最終形でもあるし、集大成でもあるし、変化の途中でもあったかもしれん。最初の「Red」が始まった瞬間から何というのか神秘的というか正にクリムゾンでしかあり得ない旋律が奏でられて、しかもそれが硬質なだけでなくどこか優しいメロディで、インストのくせにどうしてこんなに訴えてくるものがあるロックなんだ?多分全ての楽器が歌いまくっているおかげで歌などに用がないっていうトコロかな。っつうよりも単なるオープニングの意味合いでのインストなのかもしれない。どっちにしても美しく破壊的、且つ繊細な楽曲で幕を開ける作品。続いての「Fallen Angel」はこれまた非常に優しい歌声を聴かせてくれるウェットンの歌い手心満載。オブリで入ってくるフリップの奥の方で鳴っているマイルドなトーンのギターも良い具合に味を出していて、基本的にはアコギの響きなのだけど、やっぱりウェットンのベースと歌の一人舞台に近いかなぁ。もちろんもの凄く高次の意味で、だけど(笑)。そして破壊的なクリムゾンを代表する「One More Red Nightmare」はブラッフォードのパッカッシブなドラミングこそ全てだ。しかしこの辺のクリムゾンの曲ってのは普通じゃ考えられないリフと旋律とリズムに対して歌が妙に優しいという絶妙なバランス感覚の上に成り立っているワケで、いやぁ、やっぱり怪物なバンド。後半のアドリブプレイでは中期を思い起こすような混沌としたアンサンブルもしっかりと記録されているんだけど、やっぱり単なる混沌さじゃなくてしっかりと計算されている、というか全員が計算しながらのインプロビゼーションが素晴らしい。この辺はライブで鍛え上げまくったこの時期のクリムゾンならではのインタープレイだね。

 そしてアナログだとB面へ。「Providence」ですか…。デヴィッド・クロスのバイオリンから始まり、静寂さの中で緊張感を紡ぎ出し、異常なまでのテンションの高さを見せつけ、もちろんメンバーのインタープレイを期待させる展開がず~っと続く凄い傑作。ジョン・ウェットンの恐るべきベースプレイが圧倒的に目立つんだけど、もちろんフリップの縦横無尽にヘヴィに弾きまくるギターも冷淡さを助長している。一方ブラッフォードのパーカッションドラミングはドラムという楽器として機能しているというよりかは確かにパーカッションとして機能している…、うん、難しいんだけどさ、リズムキープとかリズムを叩くっていうんじゃなくってドラムという楽器で戦いに参戦しているんだよ。そんな感じでやたらテンションが高いまま唐突に終わりを迎える…、多分これライブで演奏したのをそのまま編集して用いられた曲だな。確か。だからこんなに異常なテンションなんだ。そして最後、とんでもなく美しく、そして破壊的なキング・クリムゾンのレクイエムには最高の作品。これほどに美しい旋律をぶち壊しにしていけるのもクリムゾンならではの技。いやぁ、ホント、これ凄いいいんだよ。歌メロはもちろん、ほのぼの感も素晴らしいしさ、メロトロンも綺麗で…、そして中盤からはまた異常なテンション、というか静寂の中から生まれる緊張感をそのままレコーディングしていて、普通のバンドでは絶対に出来ないこのテンション。そしてオープニングの美しい旋律に戻ってくるんだけど、旋律以外は結構破壊的なんだけど、それでもやっぱり素晴らしいという…。こんなに凄いのを出しておいて解散かい(笑)。まぁ、逆にこんなテンションそうそう維持できなかっただろうなぁとも思うけど。

 うん、久々に聴いたけどハマった(笑)。とんでもなく凄い。やっぱこの時期のライブセットも聴きたくなってきたなぁ。今は色々とリリースされてるみたいで情報漁りが大変だけど、まずはボックスセットからでも聴き直そう…。あ、「USA」もあるか♪

謹賀新年!

新年明けましておめでとうございます。
本年も書きまくりますので皆様ご来訪よろしくお願いします。

今年の抱負はですねぇ、なるべくアルコールを控えて、と言うか飲みに行っている時間を短くしたいです。やっぱ時間を上手く使いたいので、はい(笑)。…と云いつつ多分無駄な努力になるでしょうから、好きに書きます(笑)。

ブログ始めてもう丸二年以上経過していて、ほぼ毎日更新してきて、書くモノはまだまだあるんだけど流れにマンネリさを感じているので、ちょっと変えないとなぁと思ってますが…、適当に聴いたものをアップしていくってのもあまりにも無茶苦茶な区分けになってしまうし、なかなか難しいっすね。他のブロガーさん達も色々と試行錯誤しているようですが…。

何はともあれ、健康に、そしてロックに身を任せて進んで行きます♪

2008年1月1日
フレ

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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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