英国音楽探求の旅に出ると最初の方で出逢うこととなる名盤というものがいくつかある。もちろん入る人それぞれに道は異なるのだろうが、多くの人はこのバンドには割と早いウチに出会うこととなると思う。
Tudor Lodge、
Mellowcandle、
Spirogyraという三美神による心洗われるほどに美しく落ち着いた雰囲気を堪能できる英国サウンドもそうそう見つからない。素朴な音で聴く者を和ませる
Vashti Bunyanという手はあるけど、まぁ、いいじゃないか、秋ってのはこういう素朴で美しい音を聴くには実に心地良いのだから。

1971年リリースのちょっと前までは唯一のアルバムとして名高く、そして非常にレアな貴重盤としても永い間知れ渡っていたアルバム。理由はもちろん詰め込まれた素朴なサウンドの美しさもあるが、ヴァーティゴレーベルの6面開き変形ジャケットによるリリースというところも大きい。よってオリジナル盤はかなりの覚悟が必要なお値段で出回っているみたいで、何回か見かけたけど、いやぁ、とてもとても…。で、自分的には90年代のCD再発シリーズで入手したので割と聴くのはラクだったからよかった。今じゃ6面開きアナログ200g盤にてそのままの形で再度リリースされているのだから恐ろしい。CDの紙ジャケだけでは飽き足らないと見える…。まぁ、そんな伝説ばかりが先走るので英国好きになってからは大体の人が早めに通るものだろうってことだ。
中身はねぇ、ホントに三人によるフォークバンドなので派手さを期待してはいけないし、サイケさもそんなにあるワケじゃないし、ちらりと言われるようなアシッドフォークってこともない。本当にフォークサウンドで、そこに細々とした小技の効いた楽器の音色が被さってくるくらいのもので、美神と言われるもののその実男性が歌う歌も多く、女性の歌だけで彩られているメロウキャンドルとは大きくことなる。どっちかっつうとトレイダー・ホーンみたいなもんだと思うけど、まぁ、あそこまでではないか。うん、クリムゾンの小曲あるじゃない?ああいうのがいくつもいくつもあって、それがフォークで形作られているっていう感じで思ってもらえれば良いのかな。雰囲気的にはね。
驚くことに1990年代末になってからすっかりおじさんとおばさんになってしまった元メンバー二人によるセカンドアルバム「
It All Comes Back」がリリースされているようだ。もっとも一般的なファンはこれを認めるかどうか知らないが、基本的に変わらない音楽性っていうから凄い(笑)。いや、まぁ、そうだろうけどさ。