Jerusalem Slim - Jerusalem Slim

 世に出るはずのなかったアルバムが様々な理由で公式に世に出ることということもあればやっぱりお蔵入りのまま何十年も陽の目を見ることがないというものもある。ファンからしてみれば聴いてみたいものではあるのでもちろん世に出てくれる方が良いのだが、その時期に出すのが適当かどうかはわからない。後になってから出す方が正当な評価を得られるものもあるが、一方ではそんな音源をリリースできるタイミングがいつ生じるかわからないというデメリットも売る側にはあるし、担当者がその音源の存在を覚えていなかったら終わりなワケで…、いや、昨今の紙ジャケみたいなブームがあったりリマスター盤がいっぱい出てくる時代になるってわかってればいいけど、もちろん昔はそんなこと露知らず、そのためにお蔵入りのままという音源はまだまだ山のようにあるはずだ。しかしそのタイミングではなく、またアーティストの意向にも反してオンタイムでリリースしてしまうという策もあるのだ。そのおかげで貴重な歴史的レコーディング音源を聴くことができるのは後になると実に嬉しいこと…。



 前置きが長くなってしまったが、誰の何を言っているのかっていうとだ、別に大したもんじゃないっす。決してビートルズのモノ盤とかの話じゃなくて…、ハノイ・ロックスのマイケル・モンローが超絶ギタリストスティーヴ・スティーヴンスとサム・ヤッファと組んだバンドエルサレム・スリムの話です。1992年かそれくらいの頃なのでマイケル・モンローがソロで活動していてスティーヴ・スティーヴンスも宙ぶらりんな状態の頃。まぁ、ビリー・アイドルが沈んでいた時期だからね。ひょんなことから一緒にやることになって、結構ウマが合ってマジメにレコーディングまでしていたのにスティーヴ・スティーヴンスが裏切ってヴィンス・ニールとのツアーに出ていってしまったことで反目。そりゃそうだ、ハノイ・ロックス解散の元凶はモトリー・クルーなワケで、また新たなバンドをやろうとしていた矢先にまたしてもモトリー・クルーの元ボーカルに相棒を奪われたんだからさ。全くよろしくない出来事だわさ。

 まぁ、それはともかく、マイケル・モンローはこのエルサレム・スリムの作品をリリースしたくなかったらしくて、今でも世界的にはリリースされていないんじゃないかな?多分日本だけでのリリースということで1992年にCDが特別ジャケットで出ている。写真集付きでジャケットも正にエルサレムの象徴って感じで悪くないし、来日公演もしたのかな?よく知らないけど、ナスティ・スーサイドをギタリストにして来るとかライナーに書いてある。ん?英国盤も出てるのか、でもそんなもんだろうな…。

 いやぁ…、音的にはかなりかっこよいぞ、これ。思い切りハード&ヘヴィギタリストのスティーヴ・スティーヴンスのリフにパンクなマイケル・モンローの歌が被るっつうことなんだけど、結構損ねていなくて異色なハードロックって感じで面白い。ちょっとポップ感に欠けるし勢いにも欠ける気がするがかなり気合い入ってるし作品としてもきっちりと作られている。うん、リリースされてよかったなぁ…という感じ。そしてマイケル・モンローはこの後更に低迷期に入りデモリション23というバンドを組むのだった…、明らかにエルサレム・スリムの後遺症から組まれているバンドだけど音が全然違う。それについてはまた今度…。

Grand Slam - Studio Sessions

 なんとなくハードロックな気分の中、ちょこっとだけマイナーな人達のバンドをいくつか…、と思ったんだけど多分長くは続かないだろうなぁ(笑)。ハードロックってつまんないバンドのだと滅茶苦茶つまんなくてさ、英国のバンドだとまだ聴き所を探せるんだけどアメリカとかはもう全然つまんなくてダメなのが多い、っつうかそもそもそんなに深堀してないが。余所の国の場合はそもそも情報があんまり入ってこないし、マイナーなものは余計に入ってこないので情報が入るということはそれなりに聴く価値がある音、という認識で挑めるからまだマシかも。まぁ、マニアックな領域に入ってしまうといくらでも出てくるが、別に日本でも同じ事が云えて、インディーズってのは基本的にインディーズの音だもん。

Studio Sessions Twilight's Last Gleaming Whiter Shade of Pale / Like a Rolling Stone


 そんな小話はともかく、アイルランドの英雄フィル・ライノットの最初の、とも最後の、とも言う伝説のプロジェクト…とは言い過ぎだが、グランド・スラムというバンドがあった。フィル・リノットがThin Lizzyを組む前にはこのバンド名で活動していたみたいで、要するにアマチュア時代のバンド名だったんだけどThin Lizzyを1983年に解散してから次のプロジェクトとしてソロアルバム制作の後、また同じくグランド・スラムというバンド名で活動開始して、いくつかライブを行ったりデモ録音をしていたらしい。結局メジャー契約が取れなくてきちんとしたスタジオアルバムというものは制作されなかったのだが、フィル・リノットほどの人物でも次のバンドの音で契約が取れなかったというのはかなり驚いた。まぁ時代が80年代ど真ん中なので、と言うこともあるかも知れないが、一方ではNWOBHMから発展してきたバンドの最全盛期でもあるし、う~ん、やっぱりメジャーのハードルは高かったのかな。

 そんな状況ではあったけど今ではしっかりとフィル・リノットの偉業が評価されて、無理矢理音源発掘されていくつかのCDがリリースされている。ひとつは「Twilight's Last Gleaming」という1984年のマーキーでのライブ盤。未聴なんだけど、あまり音がよろしくないライブアルバムらしく、出来映えもそんなに、という代物らしいが、ライブでの音が聴けるというだけでもよろしいことなんじゃないかと思う。まぁ、買ってないからなんとも云えないのだが(笑)。それと、多分同じマーキーからの音源じゃないかと思うけど、Thin Lizzy時代の名曲「Whiskey in the Jar: Live」を再度カバーしているライブ音源がシングルCDでアマゾンで買えるみたい。シングルではもうひとつアマゾンで入手できるのが「Whiter Shade of Pale / Like a Rolling Stone」をメドレーにした絶妙なカバー曲。いや、この二曲が同じコードと進行と展開のまま繋がるとは知らなかった。全く違和感なく「青い影」のギターのアルペジオのまま「ライク・ア・ローリング・ストーン」が歌われるんだよ。これは面白い。素晴らしいセンス。

 このシングルを収録していて、それから最後のシングルとなった「Ninteen」という素晴らしくフィル・リノットらしいハードロックを展開している曲を冒頭に収録した「Studio Sessions」というCDが発売されている。デモテープをそのままCDにした代物なのでバンド感というものは少々欠けているものの、今となってはフィル・リノットがどういうのをやりたかったのか、また実際にどんな音だったのかがよくわかる唯一の記録。普通にリリースされていたらあまり陽の目を浴びなかったことは間違いないけど、こうして出されると妙に気になるし、良いところを探そうとしたくなるのは無い物ねだりだから?駄作も多いけどやっぱりフィル流のハードロックで、いいけどな。そんな貴重なセッションの記録。彼の熱い気持ちと音が胸に染みるなぁ…。「Ninteen」かっこよいなぁ、YouTubeにちょこっとだけあったので是非…。

Nektar - Down To Earth

 英国のバンドって時に英国よりもドイツで売れることが多かったり、ドイツで修行するとかいうのもあるよね。まぁ、それは言わずもがなのビートルズだったりするんだけど、どこかドイツと通じるモノがあるのかな。スティームハマーなんてのもドイツで人気のあったバンドだと聞くし、スティースミルに至ってはドイツでしかアルバムがリリースされなかったとか…、このバンドも面白いハードロックだったのでそのうち、ね(笑)。知りたい方はIron Roseryへどうぞ~(姉さんよろしくっ!)

Down to Earth リサイクルド

 さてさて、同じようにドイツでは結構成功していた英国人バンドとして有名なモノにはこのネクターっつうのも入ってくるでしょう。1971年から77~78年くらいまで活動していたのかな、思い切り70年代のど真ん中をドイツで築き上げていた英国のバンド。変わった視点を持っていたのかもしれんなぁ…。音的にはなんだろ、基本的にハードロックなんだがやっぱりプログレッシヴな展開があったり、軽めの組曲があったりと割と器用貧乏というか、何でもできるみたいな所があるバンド。言い換えればその場その場で変化に対応していったバンドとも言うべきか。

 で、アルバム的には何が有名かと言うと、非常に困る。多分「リサイクルド」っつう5枚目のアルバムなんじゃないかと思うのだが、これは多分プログレッシヴ的展開が好まれて話題になる場合で、バンドの本質かどうかはわからん…。好きだけど(笑)。で、その前に出ていた全く同じバンドとは思えない程異なった音を出している「Down to Earth」という駄作と呼ばれている作品があるのだが、これが実は自分的に最初に聴いて面白いなと思ったアルバムだったりするのでちょこっと書いてみようかと。ここからあちこち聴いたから他のアルバムがカラフルじゃなくて意外だったんだよね。

 サイケとは言わないけど、アルバムコンセプトがサーカス集団なのでそういうカラフルさがあった。曲にしても賑やかで楽しくするホーンやコーラスなんてのもいっぱい入ってたり、そもそも曲自体が明るくてとてもドイツ人には受けないだろうっつうくらいのものだ。だから故にアメリカ志向と言われるのだろうが…、うん、それくらいポップで賑やか。でも決して聴きやすいっつうのではないのが面白いね。他のアルバムではやはりジャーマン的音楽という側面は持っているバンドなんだけど、このアルバムはそれが薄いからね。そんなバンド。音的にはハードロックっつうのでもないしプログレっつうのでもないが…、かと言って英国的っつうとやっぱりドイツも入ってるし、みたいな(笑)。アテにならんレビューだなこれ。マジに書きにくいバンドです。

貴重なライブ映像のYouTubeはこちら

Boxer - Below The Belt

 英国生まれのハードロックバンド、それこそ数限りなく存在しているものだが、A級メジャーバンドを渡り歩いたような人がいればそこそこ話題にもなろうというものだが、なかなかそういうわけでもないのが実情。

Below the Belt Blood Letting

 この二人、もちろん1960年代末期頃のタイムボックスっつうバンドで友人になり、バンドをPattoに変えても一緒にプレイし、数年の間だけ袂を分かって仕事をしている。まぁ、知ってる人は知ってるんだろうけど、この間オリー・ハルソールはテンペストで仕事してますね。そこからまたしてもオリー・ハルソールとマイク・パトゥーは合流することとなり、ボクサーを結成。1975年にはまだまだプログレレーベルだったヴァージンからインパクト満点のジャケット「Below the Belt」でデビュー。しかもドラムにはメイ・ブリッツやベックと一緒にやっていたトニー・ニューマンを配し、ベースにはVDGGにも関わっていたキース・エリスを持ってきたという、正に英国B級というか王道というかハードロック路線の職人が集まったバンドなので、楽しみと期待が一杯詰まったアルバムなワケです。

 しかしまぁ、実際にジャケットを手に取ってみるとなんと衝撃的な…というのが最初の感想です。若かった…(笑)。それはともかく、中身の方が楽しみだったんだけど、これがまた一辺倒では行かないハードロックで構成されたアルバムというか、単なるハードロックと言うべきか…、実に英国B級的センスに満ち溢れた作品。きっと今のバンドがどこかで取り上げてカバーでもしたら凄くかっこよい曲となって生まれ変わってもっとボクサーが有名になるのかもしれない、そんな曲が多く詰め込まれているかな。シンプルに4人のプレイが中心でところどころ鍵盤もあるけど、やっぱり中心はオリー・ハルソールの線は細いけど荒々しく歪んだSG独特のギターの音色だな。そこにパトゥーのどこかこもり気味だけどシャウトされている熱い歌声が被ってきて…と悪くないのだ。ただ、どうしても曲調に激しい切り替えがなくってイマイチ売れないバンドという位置付けに甘んじている(笑)。好きな人は好きだろうけどな、こういうの。自分も嫌いじゃないけど、もうちょっとかっこよい曲が欲しいかな(笑)。いや、そんなこと言ってては英国B級は聴けないのでガタガタ抜かしてはいかん。

 結局この後二枚出して自然消滅したらしいが…、それにしてもこの二人のコンビの作品っつうのはどれもこれも結構取っ付きやすいってのが面白い。パトゥにしても変なリフが多いけど基本的にシンプルなハードロックではあるからさ。よくわかんないって?うん、書くの難しい人達なんだよ、このへん(笑)。

Uriah Heep - Look At Yourself

 1970年代初頭、数多くのハードロックバンドが現れては消えていくということの繰り返しで、だからこそB級バンドの面白さなんてのも英国ロック界に於いては重要なものとなっているんだけど、当時超メジャーの人気を誇りながらもメンバー脱退等によって今となってはどうしてもB級バンド的のレッテルを貼られてしまっているバンドがある。うん、いっぱいあるんだけど、特にB級落ち、と言うような印象を与えているのがユーライア・ヒープ。多分ギターヒーローが求められていた時代だったのにギターヒーローという印象ではない陽気な職人ミック・ボックスの派手さのなさが要因のひとつかなぁ、と(笑)。

対自核 Salisbury


 それでも、だ。1971年にリリースされた彼等としては三枚目の作品となる邦題「対自核」=原題「Look at Yourself」という名盤を作るのだ。元々ユーライア・ヒープと言うバンドはあのヴァーティゴレーベルに所属していたんだけどプロデューサーが独立したっつうことでバンドごとそっちに移籍してしまうっつう快挙。それがブロンズレーベルだったんだけど、元々ヴァーティゴ畑だから何せアングラの香りがたっぷり(笑)。いやぁ、この独特のノリにしても決してメジャー級のグルーヴじゃないでしょ。でもそれが凄く個性を出していて人気を上げていったんだな、ある意味では英国ハードロックのひとつのカテゴリーを創り上げたと言っても過言じゃないバンドだとも思う。だって、他にこういうのないもん。ま、それ言ったらB級バンド全てがそういう要素あるのだが…。

 さて話を戻すとだ、セカンド「Salisbury」までの路線はもっともっとハードでヘヴィな音だったんだけどこの三枚目「Look at Yourself」ではグルーヴはそのまま維持してきたけど、音の出し方が少々軽めにしてある。それで「Salisbury」までよりも聴きやすくなっていたのも売れた要因かな。まぁ、それよりも最初のタイトル曲からハネないブギノリっつう独自三連のリズムで相変わらず素晴らしい曲なのだ。ケン・ヘンズレーの才能だね、これはもう。ハモンドオルガンがここまでかっこよく鳴っているバンドってのもそうそう見当たらないので貴重じゃないか?B級じゃないぞ、メジャーで、だ。ちなみにどういうワケかこのかっこよいナンバーのボーカルはケン・ヘンズレーなんだな…、それでこの後この人が気になってきてソロアルバムとかに走ることとなるのだが…、いや、ソロもかな~り良いんだが、それはまた今度♪ んで次はコーラスの美しいバラード、に見せかけたヘヴィなナンバー「自由への道」か。素晴らしい、正に重鎮英国の音…。そして、そして、だ。やっぱ名曲「7月の朝」だよ。ハモンドのイントロから何かが起きそうな予感はばっちりあるし、英国プログレ的展開をしっかりと持ち合わせていて、どこか哀愁漂うメロディライン、バークレイ・ジェームズ・ハーヴェストみたいなもんかな…、こういう展開って好きだな(笑)。Wishbone Ashにも通じるモンあるしね。当時はこれだけ長い曲をハードロックバンドがやってもなんら違和感なくきちんとドラマティックに仕上がっていたものなのだ。ミック・ボックスの奏でる印象的な上昇メロディラインが象徴的。最後のミニムーグソロはゲストのマンフレッド・マンの奏でるモノでヴァーティゴレーベル繋がりだろうけど、なんっつうゲスト、凄いわ。正直言ってこのアルバムはこの一曲に7割、他に3割っつう金のかけ方としても悪くないアルバム。

 ジャケットは結構色々なバージョンがあって、もちろん英国オリジナルは日本でもこないだ紙ジャケになってる銀色のヤツね。で、ドイツ盤だと睫毛がかかれていて結構お茶目にできてる。アメリカ盤はなぜか黒い下地になってるもの。で、今CDではデラックス・エディションがリリースされていて、リマスター&ボーナストラック付きっつうのが一般的らしい。

 B面に行くともちろんヘヴィ路線なんだけど結構スピーディな曲が並んでいて、ついついハマってしまう(笑)。ヒープのこの独特のノリってのはクセになるんだよな、ほんとに。「瞳に光る涙」なんて素敵なタイトルのクセにそんなヘヴィチューンだし、次の「悲嘆のかげり」なんてさ、普通バラードだと思うようなもんだが、甘い。彼等の歴史の中でも相当重い部類に入る一曲じゃないかと思う。そんなのが続くとやはり軽いモノが入ってくるようで次の「What Should Be Done」は正にケン・ヘンズレーのソロ作とも云えるような優しい英国的な曲。こういうセンスが凄いところか。最後は「Love Machine」っつう曲で、これはレスリースピーカーとハモンドとハードなギターで相変わらず独特の三連曲でキラーチューンでもある。これぞハードロック、と言わんばかりの名曲。デヴィッド・バイロンってそれこそイアン・ギランよりもハードロックな人だよなぁと。

 うん、バンドとしては凄くかっこよいし、曲も良くできてるのになぁ、勿体ない(笑)。多分根強いファンがいっぱいいるバンドのひとつだと思うけど、自分も一時期全アルバム揃えて順番に聴いていったことある。ただ、だからこそ途中から「ん?」ってのはあったけど(笑)。でもこの時期のユーライア・ヒープはどれも名盤です、はい。

Deep Purple - In Rock

 1970年英国ではどんなサウンドが世の中に受け入れられるのか全く読めない状況であり、それはまた常に自分達自身にもチャンスがある、プレイヤー側であってもレーベル側であっても同じ思いがよぎることが多かったことだろう。そんな中デビューはしていたけれど、そしてアルバムを三枚もリリースしてはいたけれど、どうにもパッとしないバンドのひとつにディープ・パープルがいた。それまでは特段何かのコンセプトに基づいてバンドが動いていたわけでもないのでちょっと時間が経ってくるとバンドの本質とか何がしたいか、そして何をしたら売れるのかを考える時期だったんだろうね。そんな時にそれまでは鍵盤奏者のジョン・ロードが音楽的なイニシアチヴを取っていたものの、売れなかった理由のひとつでもあったと判断したこともあり、その後わがままギタリストとして地位を築いていくリッチー・ブラックモアが強靱にハードロックバンドへの変貌を提唱したことで実現したハードロックバンドとしてのディープ・パープル。それがこの「In Rock」だね。

In Rock: 25th Anniversary (UK) Deep Purple - Rock Review 1970-1972
Deep Purple - Live In Stockholm 1970 Live In Stockholm 1970

 最近は25周年記念盤が出ているので結構当時リリースされた様相と音も変わっているんだけど、確かにハードロックを代表するかのようなサウンドに仕上がっていてそれまでのディープ・パープルの音とは一線を画す。言い方を変えれば鍵盤とギターが絡み合うハードなロックにイアン・ギランという正にハードロックの啓示とも言えるボーカリストが参加していることだ。こうして仕上がったアルバムが「In Rock」である。一説にはリッチーがディープ・パープルをハードロックバンドに仕立てたかったのはレッド・ツェッペリンの影響が一番大きかったとか。まぁ、Zepはハードロックバンドじゃないしなぁとも思うが、ああいう部分をやりたかったんだろうね。

 さてさてアルバムの方だが、まぁ、自分的にはそんなに聴いた回数は多くないのであまり語れないんだよね、実は。毎回ディープ・パープルの時に書いてるけどあまり好みでなかったんだもん(笑)。ただ、さすがにこれだけロックを聴いていると聴き方も変わってくるし好みとかじゃない部分で聴くこともあるから何度か聴くんだけどさ、やっぱり凄いアルバムだったのかな、ってのが最近の印象。もちろんこのアルバムに絶大な影響を受けている人達って多いし、今更そんな冷静に語るとは何事だとお叱りを受けそうなのだが…。

 アルバム中一番好きなのは「Child In Time」だね。スリリングさとアドリブっつうかハードにギターとオルガンが掛け合うのと静と動がしっかりしてるのとか熱くていいなぁ~って。イアン・ギランの叫び声も凄いしさ。かっこいいよね、これ。「Speed King」はもちろんハードなんだけどギターの音色的にちょっと細くてジャリッとしているのがなぁ、あれがハムバッカーの音だったら、と思うが、このヘンは好みだ。オルガンソロの後のギターのソロがさすがに主張したリッチーなだけあってかっちょよい。この音色の問題はアルバム全編に渡って気になるので聴く回数を減らしていた原因なんだろうと後で思った。

 しかしまぁ、ビートに乗せた正にハードロックと言った「Bloodsucker」とか「Fight of The Rat」とかってのは単純にかっこよいし、音的にもしっかり英国してるので好まれるだろう。最後の「Into The Fire」はハードロックというよりかは英国ロックの音で…、いや、そうやって聴いているとやっぱりこのバンド英国ロックとしてもかなりしっかりしているよなと言うことに気がついた。何を今更ってのはあるんだろうけど、結構そういう位置付けであまり意識して聴いたことないからさ。どっちかっつうとHR/HMのバンドっていうので聴いてたから、逆に70年代英国ロックとして聴いてないんだよ(笑)。

まぁ、そんなことで初めて聴いてから20年経ってからようやくまともに聴き始めたバンド(笑)。往年のファンの方には大変失礼なことではありますが…、はい、まだまだこれから楽しむことにします。ただなぁ、今の垂れ流しの姿を見てるとちょっと、ね(笑)。

The Police - Synchronicity

 暑い暑い夏がようやくちょっと収まりかけてきた…、ことないか?日本の夏って湿気が多いからか、いわゆる南国で聴くような音楽っつうのを暑いからと言って日本で聴いてもなかなかカラダに馴染まなかったりする。まぁ、ハッパと時間があってどよ~んとできるのなら違うのかも知れないが文化的な一員として生きている以上そうもなかなかできないしね。んで、そういう暑い国でのサウンドっつうのは自分が知ってる範囲だとやっぱレゲエとかスカ、ダブサウンドとか、あとは暑い国の土着的な音楽くらいなのかな、と。イメージ的にはフュージョンっつうのもあるけど…、これは昔夏の夜中にテレビでF1とかサマーフェスティバルみたいなのをよく見ていたからだと思う。

Synchronicity シンクロニシティ・コンサート
The Police - Synchronicity Synchronicity
The Police - The Police: Live! The Police: Live!

 そんな中やっぱりロックのエッセンスがないと面白くなかろうってことでレゲエとロックを融合させてパンクの振りしてシーンに出てきたポリスを久々に聴く。再結成して話題を振りまいている今現在だが、日本公演もあるとかないとか…、まぁ、やるんだろうな。80年代当時に聴いていたポリスは別にそんなに目立ったバンドでもなかったし、もちろんヒットチャートに顔を出していたからそういうバンドなのかなと思っていた程度で、ロック的にどうこうっていう範疇には入ってなかった。うん、あくまでも個人的な意見です。そこにアルバム「シンクロニシティー」をリリースしてタイトル曲のPV見たら滅茶苦茶かっこよくってさ。いや、曲が疾走感溢れるサウンドで、「え?」これってあの暗い曲やってたポリス?みたいな。いや、暗いっつっても面白味のない曲って意味だけどさ。んでアルバム入手して聴くとこれがまたへぇ~ってなくらいにかっこよいのがいっぱいあって、そこから見直して色々聴いた。

 で、暑いなぁ~っていう所から始まって久々に聴いたんだけどさ、昔のイメージとはもちろん違うワケで、今時点の感動を書いてみようかな、と。アルバム「シンクロニシティー」の中ではもちろん「シンクロニシティ」のI、II共好きだし「Mother」の訳の分からない怒りみたいな曲も凄くロック的で良い。レコードで言うところのA面はそういういみではかなりストレートの怒りというか思いをぶつけてきたロックサイドという作り方だったんだな。んで、裏返して…、この間がいいんだけどさ(笑)、そこで名曲「The Police - Synchronicity - Every Breath You Take見つめていたい」のあの印象的なイントロ、ギターのミュートで紡ぎ出している音だとはしばらく気付かなかったし、気付いたらひたすらコピーしてた、これ。かっこいいじゃんね、こういうのをサラリとどこかで女の子の前で弾けたらさ(笑)。なんてことを考えてたワケじゃないが…、良い曲だ。時間が経てば経つほど良い曲に聞こえてくる名曲。次の「King of Pain」もシングルになったのかな?これもちょこっと悲愴感があってよろしいね。B面はこういうちょこっと切ない印象の曲を集めているみたいだ。それは「Wrapped Around Your Finger」も当てはまるしもちろん「サハラ砂漠でお茶を」にもだ。このタイトル好きだな。イメージがさ、サハラ砂漠のど真ん中の何もないところでお茶するって感じで不思議(笑)。

 そんでもってこの時彼等のキャリア最高潮で、アメリカ制覇してた。そのツアーの様子を捉えたDVDが出ていて、昔ビデオで出てるときに見たことあったけどスティングがベース弾きながらちゃんとあの変なリズムを歌っていたりっしてさすがだな~と。とにかくエンターティンメントというライブの要素はもちろんあるんだけど、やたらとかっこよい。このライブも好きだね。

 いや、夏の暑い中、レゲエどころか全然レゲエからかけ離れた滅茶苦茶ロックな音だったじゃないか(笑)。

Rodrigo Y Gabriela - Rodrigo Y Gabriela

 音楽ってのは常に刺激的なものなのだ。普段ロックだ~とか良いながらも結構ロックじゃない音楽も聴いていたりするのだが、暑い夏はやっぱりギンギンのヘヴィメタかハードロックが多かったなぁ、いや、今年はゴシックメタルにもハマったから余計にそうだったんだけど、まぁ、そのヘンの音をガンガンに流しているとスカッとするものではある。しかしもちろん何枚も立て続けにそんなもんを聴いていられるほどではないので途中途中で毛色の変わったモノを探すのだ。まぁ、レゲエみたいなポリスを聴いたりスカみたいなクラッシュを聴いたり…って結局ロックなんだが(笑)。

Rodrigo y Gabriela Live: Manchester and Dublin

 そんな時にタンゴとかスパニッシュとかラテン系とかそういうものに気が行くってことは自分だけの世界ではまずなくって、思い付かない。でもって、普段からアチコチのブログを駆け巡る中にそういう面白そうな脈があるものってのもあるんだけど、これはねぇ、なかなか買うっていうところまで行くのが多くないんだよね。いや、もちろんいいなぁ~って思うのはあるんだけど、さて、これを何回聴くかな?みたいな問いかけが自分にあってさ(笑)。まぁ、ネットの試聴レベルでわかるもんでもないけど、そんなに滅茶苦茶なんでも買わないかなぁ…。まぁ、適当にネットで探してあれば聴いてみて、って感じ。

 それと書き手の文章表現が結構重要だったりする。何か気になるなぁ…っていう書き方ってあったり、琴線に触れるモノってあったりするから、何か刺激されるってのあるな。これは音的な直感と文章の中にある思い入れってトコだと思う。我ながら反省点も多いんだが(笑)。

 で、たまたまこないだpapini嬢のトコで紹介されていた「Rodrigo y Gabriela」っつうのがあって、ちょろっと見たときからジャケットが気になってはいたんだけど、紹介文読んでてえらく面白そうじゃないか?って思って早速試聴…、うん、暑い時にこういうラテンなスパニッシュなのって滅茶苦茶心地良いじゃないか、ってことに気付いた(笑)。音がナチュラルなスパニッシュギターだから激しく弾いていてもやっぱり優しい音してるしね。それとパーカッショナブルなリズムギターのお姉ちゃん、これ、凄いよ。いやリードの方も凄いのはもちろんなんだけどさ。スパニッシュ聴く度にこういうのって凄い、って思うんだけど、どういう感性なんだろ?って思う。練習量もハンパじゃないと思うけど、とにかく日本人的にはない感性だと思うからさ。

 そのCD「Rodrigo y Gabriela」なんだけど、まずはジャケット。は虫類。瞳の両側にうっすらと人影が…。いいね。それで中身はやっぱりスパニッシュなフレージングが鳴りまくっている曲が多くて最初から凄く良いなぁ~と。途中以降にZepの「天国への階段」とかメタリカの「Orion」とかやってるんだけど、まぁ、ロックファン的には取っ付きやすいのはあるが、ちょっとなぁ、と。「天国への階段」はかなりイケてるけど「Orion」はこれでやらんでも…って感じがするな。それでもやっぱオリジナル曲の方が断然良い。そういうもんだ。

 しかしこの手の音楽ってのはどれもこれもこのレベルなのか、たまたまこれがそういうレベルにあるアルバムなのかわからないのが素人の強み(笑)。良いアルバムだという事実だけに感謝♪

Queensryche - Operation : Mindcrime

 時代が70年代ならばコンセプトアルバムというものもあり得ただろうし、それが受け入れられる市場というものもあったと思うが、80年代になってそんなコンセプトアルバムというものはまず出てこなかったような気がする。もちろんアルバムとしてのコンセプトっつう意味ではたくさんのアルバムがモチーフなりコンセプトなりっつうのがあったと思うけど、ストーリー性を持たせてアルバムを作るっつうのはなかなかなかったんじゃないかな。ちなみにピンク・フロイドの「ザ・ウォール」は1980年リリースだから、まぁ、なくはないけど。そんな時代変化の中で、何とも驚くことにヘヴィメタルというジャンルが深みを持ち始めてプログレッシヴロックとの融合を果たした。その代表格がDream TheaterであったりQueensrycheだったりするのだが、そのQueensrycheが1988年にリリースした「Operation: Mindcrime」と言う作品が何とも映画仕立てのコンセプトアルバムということだ。

Operation: Mindcrime オペレーション:マインドクライムII オペレーション:マインドクライム I&II -コンプリート・ライヴ
Queensr?che - Operation: Mindcrime Operation: Mindcrime
Queensr?che - Operation: Live Crime Operation: Live Crime

 ストーリー的には正にアメリカの抱える問題点というか社会的問題を反映したもののようで、麻薬組織にいいように使われる少年が恋をして云々というものらしい。最近そのパート2である「オペレーション:マインドクライムII」をリリースして話題となり、更に両方をまとめてライブで演奏している模様を収録したDVDもリリースしたらしく、かなり話題となっているみたい。うん、自分的にはこの作品とかこういうバンド群を聴き始めたのはつい最近なので…、いや、デビューした当時からバンド名ややってることも知ってたし、ちょこっとは聴いたことあったんだけど全然ピンと来なくてほったらかしだったんだな。まぁ、そんなもんだろ。んで、最近アレコレ聴いている中で聴き始めたバンドで、その最高傑作がこの「Operation: Mindcrime」だっつうことでやっと手を出してみました。

 う~ん、ヘヴィメタっつうことを意識する必要もないくらいによく出来てる…。こういうハードな音でもコンセプトアルバムとしてきちんと訴えることができるんだなぁと。もうちょっと小曲とか話を展開させるための曲とかってのがあるかと思ったけど見事にグイグイと突っ走る疾走感溢れる曲ばかりでアルバムを継ぎ目なく成り立たせている。効果音とかはもちろんあるんだけど、それがまた映画みたいに入れられていてバンドの曲としてっていうのではないから面白いのかも。しかしこのパワーっつうか勢いっつうか執念っつうのは凄いモノがあるな。緊張感があるから飽きずに一気に聴けるし、一曲一曲もしっかりと作られているし、メタルとしてもかなり質の高い作品だし、適度なポップ感もかなりイケてる。当時からハマった人が多い理由がよくわかるし、今でもこのバンドの代表作になってるのも納得。

 ところどころの女性コーラスを使うところとかはやっぱピンク・フロイド的影響かなぁとか思うけど、そういうのも全てあってこそのロックだからさ、上手く作ってるってね。ライブでもこのまま再現してるんだろうな…。

Nightwish - Dark Passion Play

 インターネットによるニューアルバムの先行流出っつうのはどうしようもないものなのかなと思うくらいにアーティストの新作音源がCDリリース前にネット上で転がっているっていう状況。ミュージシャン側からしたらとんでもないこと、なのか早めのプロモーションとして捉えるのか…、とは云え、どう考えても関係者周辺の人間じゃなきゃアップできないものだろうし、そういう管理体制の問題っていうことなのかな。狙ってるっつうのもあるんだろうけど…例えばプロモ用に宣伝を入れてネットに流せばとにかく広がる速度は速いので瞬時にして宣伝ができると言うものではあるが。

Dark Passion Play Amaranth

 ターヤ嬢が脱退した後にシングル「Amaranth」をリリースしてアネット姫の歌声を世間に知らせたナイトウィッシュだが、9月末にリリースされるフルアルバムの中身をたまたまネットで拾ってきて聴けたのでさっさとレビューしちゃおう~ってことだが、簡単に手に入らない状況じゃしょうがないよな…。まぁ、いいか。

 「ダーク・パッション・プレイ

 最初から14分にも渡る大曲で、これがまたキャッチーなメロディも押さえているので全然聴きにくいとかはなくって音が出てくると、それだけでナイトウィッシュの音、ってのが明確にわかる。こんなにバンドの音がわかるっつうのもなかなかないので、その新鮮さに驚いた。そして、そしてアネット姫の歌声…。うん…、やっぱターヤ嬢はとんでもなく凄かったんだ、と実感。アネット姫の歌声はあまりにも普通過ぎてナイトウィッシュの強烈なオーケストレーションと様式美を打ち出したサウンドの洪水に完全に食われている…。ターヤ嬢だったらこれも凄くかっこよいアルバムに仕上がってただろうなぁと思うくらい楽曲のレベルと音楽は素晴らしいもので、75分フルにその音世界を創り上げてくれてるもん。それだけに歌の弱さが露呈してしまって、なかなかこれでファンを納得させるのは難しいんじゃない?ま、認めるしかないんだろうけど。

 またCDがきちんとリリースされた時にちゃんと書くかもしれないけど…、アルバムとしては悪くないのだけは云える。相変わらず激しくて美しい世界だしね、好みは好み♪

Procol Harum - Grand Hotel

 クラシックとロックの融合…、古くから使われてきた言葉だし手法でもある。そしていくつものアルバムでそれが上手く融合した例もあるし、全く面白味のないものもある。しかし今でもロックの世界ではオーケストラが使われることは多いし、やはりクラシックとの融合という手法は当たり前に行われるようになってきたと考える方が自然かな。だからあまりそれを仰々しく書くようなこともないのかもしれん。こないだまでハマりまくっていたフィメールゴシックメタルだってやっぱり美しい音世界の構築=クラシックからの手法論がモチーフになっているワケだし。

Grand Hotel 異国の鳥と果物

 時代は1973年、というか1967年からなのだが正にロックとクラシックを融合した、と言うかその頃は未だロックですらきちんと確立されていなかったから、クラシック要素を最小単位のバンドが演奏するとこうなります、というお手本を提示し、更にそれがスタンダードになってしまったというプロコル・ハルムの「青い影」はあまりにも有名でしょ。荘厳さ漂うオルガンの音の中で美しメロディを聴かせてくれるアレです。

 でも一般的にはこの「青い影」の他にプロコル・ハルムってバンドの曲やアルバムなんて知ってる人少ないんだろうなぁ、と。ロックファンでもそう多くないんじゃないだろうか?このバンドも結構話題に上らないバンドのひとつで、実は色々な人が出入りしているしアルバムは多彩だし、実験精神も旺盛でサウンドは実に英国的だしという面白いバンドなのだ。かく言う自分もこれだけブログで英国ロック~って書きながらついぞ思い出すことなく書くのは今回初めてだったりする…、はい、それくらい地味、というか目立たないバンドなんです。そういえば昔ほとんどのアルバム買い揃えて聴いていたなぁ~と思い出した次第なんだが(笑)。

 で、その中で一番荘厳で雄大で感動的ですらあったアルバムはと言うと「Grand Hotel」っつう作品だったのだ。アナログで聴いていた時からそういう印象だったのできっと今のリマスターCDで聴いたら凄く広がりのある音になっているのかなと好奇心が疼くモノの、まだまだCDを買い直すっつうとこには行かないのもこのバンドだからだろうか?いや、そういうワケではないが(笑)。何というのかな、バンドがあってオーケストラがある、っていうんじゃなくてオーケストラがバンドと同じレベルで存在していて、一緒に楽曲を演奏しているという一体感が融合の成功の事例だと思うんだけど、正にそんな感じで多分メロトロンとかで誤魔化して作っていなくて全部ホンモノのオーケストラ使ってるからその荘厳さは圧倒的だし、気品あるっていう言葉になるのか、様式美の美しさを物語っている作品。だから当然ながらロックだぜ~って言ってる音楽からは全然かけ離れたロック…、というか英国音楽、だな。ムーディー・ブルースやBJHもそうだけどプログレっつうよりはシンフォニックロック、それよりも英国音楽という特殊ジャンルを形成しているバンド群だと思うモン。

 この後の「異国の鳥と果物」とこの「Grand Hotel」は彼等の音楽的最高傑作を極めた作品で、前者はジャケットも素晴らしくて是非アナログで欲しくなるもの。「Grand Hotel」もジャケットからして貴族的な印象だし、素晴らしいよね。

Barclay James Harvest - Barclay James Harvest

 プログレバンドというカテゴライズをされつつも聴いてみるとどうにもそこまで発展した音楽をやっているワケじゃないよな、と思うようなバンドっていうのはもちろんいくつもあるんだけど、このバークレイ・ジェームス・ハーヴェストというバンドも英国ならではの摩訶不思議な側面を持ったバンド。最初期から何枚か…、ライブ盤あたりまでが一般的にプログレッシヴロックとして解釈されているようなんだけど、ホントの最初期を聴いてみると「ん?」っていう感じです(笑)。

Their First Album Their First Album
Barclay James Harvest - Barclay James Harvest: The Collection The Collection
Barclay James Harvest - Mocking Bird: The Best of Barclay James Harvest Mocking Bird: The Best of Barclay James Harvest

 Barclay James Harvestが1970年にリリースしたデビュー盤「Their First Album」。まぁ、バンド名から蝶々をイメージとしてモチーフにしていて、その影響がこの後も含めてず~っとジャケットに登場する。こういうこだわりって好きだけどね。ファーストはその蝶々をステンドグラスにイメージし直したものでなかなかよろしい。が、再発ジャケットのセンス、何とかしてくれんかねぇ…、これはアーティストのオリジナルジャケットに対してあまりにも模倣過ぎるだろう、と思う、うん。

 さてさて、そんなファーストアルバムだけど、方向性の未決定っつうのかゴッタ煮ロックの中から整然と纏め上げてきたのか、そもそもオーケストレーション豊富で叙情性の高いプログレッシヴバンドっつう印象はそれほど強くない。どっちかっつうと穏やかな英国トラッドフォークに起因するソングライティングが発展したのだなと思うような素朴なメロディの曲が多く、その味付けに歪ませたギターをヒステリックに、というかオーヴァーファズ気味に出力しているというようなところか。もちろんストリングスによるオーケストレーションも入ってるけど、そんなに仰々しくというようなものでもなく、ましてはプログレと呼ばれるようなものでもなかろう。叙情性を重要視しているのは聴けばよくわかるし、正に叙情性が良い味を出していてハマっていくんだけど(笑)。ん~、メロトロン好きだからかな。とは言ってもオルガンの音色もなかなか素晴らしいし、いやぁ、どれもほのぼのする曲でいいなぁ…。最後の曲だけは12分くらいあるんだけど、この後のバークレイ・ジェームス・ハーヴェストを予言している壮大な楽曲。こういう白々しいまでの大らかなストリングスを配した曲って好きだし、そこで上昇旋律とかで凄く雰囲気を盛り上げてくれるのはもっと好きだね。長さを感じさせずにハマれるのが良い。

 そんなバンドなので何処のジャンルにカテゴライズも出来ないでいるバンドのひとつなのかもしれない。多分英国の牧歌的なトラッドの空気にクラシカルなオーケストラを入れ込んで叙情性を持たせたらこうなるという実験のひとつだったのかもしれない。後にThe Enidでオーケストラを大活躍させるロバート・ゴドフリーがアレンジしているってので勝手な推測だけどさ。この人のソロはもっと垢抜けている作品だったような気がするが。

 しかしこれぞ英国と言わんばかりのメロディとセンスには正に脱帽。他の国では絶対に出てこない音楽だし、それでいて全く深みのあるサウンド…、う~ん、やっぱり英国は深いっ。


The Moody Blues - Every Good Boy Deserves Favour

 コンセプトアルバムの勇者と言えばザ・フーの「Tommy」だったりフロイドの「The Wall」だったり、ちょっと下がって並び称されるのはキンクスの「Village Greeen Preservation Society」だったりプリティ・シングスの「S.F.Sorrow」だったりと、まぁ、色々とあるのだが、大体話していても話題に上がらずに終わってしまう偉大なる英国のコンセプトメーカーバンドというのが実はムーディー・ブルースではないかと。っつうか初期の頃は出すアルバム出すアルバムほとんどがコンセプトアルバムとして打ち出されているワケで、何を今更というようなことだったのかもしれないね。

童夢 デイズ・オブ・フューチャー・パスト

ムーディー・ブルース & ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団 - Days of Future Passed Days of Future Passed
ムーディー・ブルース - To Our Children's Children's Children To Our Children's Children's Children

 そんな中でも最高傑作として言われているアルバムが1971年にリリースされた6枚目のアルバム「童夢」。もちろんどれもこれもが水準の高いプログレッシヴ…というかどうかは別としてサウンドを奏でているのでその中でも最も取っ付きやすいアルバムが「童夢」というだけなのかもしれない。ジャケットの神秘さ、原題タイトルは「Every Good Boy Deserves Favour」と頭文字を取ると「E G B D F」っつうコード進行となるワケさ。そんなところからしてコンセプトアルバムです(笑)。いや、そもそも超有名な「サテンの夜」っつう曲が入っているファーストアルバム「デイズ・オブ・フューチャー・パスト」だって一日の模様を朝から夜まで物語るというコンセプトの元で作られていたワケで、そういうバンドなんです。ただ、どういうワケか一般的に認知されにくいというか、あまり話題に上らないグループですな。

 多分ねぇ、演奏とか曲の構想とか構成、展開ってのは結構プログレッシヴバンド以上のものを持っているんだけど、基本的に牧歌的でメロディもフワフワした感じで切羽詰まるような感覚やスリリングさは一切なし。更にここの演奏力がとんでもなく優れているというワケでもなく、専属のボーカリストもいないのでみんなで歌う、みたいな曲が多くてアイコンがいない、さらにギターヒーローがいたワケでもなく、スタープレイヤーがいなかったんだな。だから聴く側もどこか意識が分散されてしまっていたのかな、と。

 それで、このアルバム「童夢」は捨て曲なしで、どれもこれもが牧歌的で美しいコーラスとメロトロンに包まれた作品。統一感が凄いので聴きやすいし、これでプログレバンドとは言われないでしょ。ムードメーカー的な曲がやたらと曲を盛り上げてくれるという荘厳な世界です。そうだな、自分的には冒頭「Desolation」「Confusion」とかのけたたましい轟きが好きでね。それがB面一曲目に曲として出てくるあたりが面白い。もちろん初っ端の印象が強いからB面最初でもしっかり残ったまま聴けるっつうとこだね。ホント、どれもこれも基本的にアコギでメロディアスに作ったんじゃないかと思うくらいに素朴。そこに壮大なアレンジを被せているだけなんだが、これがまた壮大すぎてハマる(笑)。そういうバンドで、そんな傑作がこの「童夢」だね。

Genesis - The Lamb Lies Down on Broadway

 ロック二枚組名作選というワケでもないけど、せっかくなのでちょっと続けてみよう~って思って見つけてきたのがジェネシスの「眩惑のブロードウェイ」。う~ん、実は前にも書いたけど自分的にはジェネシスって全然聴かない部類のバンドだったりする。多分音的にプログレなんだけど音が軽いのと歌が好きじゃないんだと思う。あとはまぁギターが歪んだ曲ってのが多くないからかな(笑)。よくわからんのだけど、昔から何度も何度も挑戦しながらもハマることが一度もなかったんだよね。不思議だが。聴いてみると確かにプログレらしい音出してて、それこそ正に英国のミュージシャンの多くが好んだバンドっていうのもわかるんだが…、不思議だ。

ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ Live

ジェネシス - The Lamb Lies Down On Broadway

 それでもまぁもちろんピーガブ時代は何度も聴いているんだが、どれが良かったか?と問われると難しい。だが、なんか難解そうで面白そうだったのが「眩惑のブロードウェイ」っていう二枚組だね。あちこちでレエルという少年が云々っつうストーリー性が重要で、その世界は独特の解釈と実に英国的で高尚なものなのだというのを読むんだけれど、もちろん歌詞カードをきっちりと読んで解析したことなんかないからよく知らない。ただ、ピーガブのやりたいことはこれで全部やり尽くしたんだろう、というくらいの悲愴感っつうか勢いっつうのはよくわかる作品。特にアナログで言うところの1枚目に凝縮されているし、二枚目も後半からまた素晴らしくなっていくんだよね。凄いな。ただなぁ、どこか喜劇的っつうか演劇的っつうか、やっぱ声、なのかな、ダメなのは。メロトロンとかはすごく良いんだけどねぇ…。フィル・コリンズのドラムも凄く上手いしさ、この後の彼の奇行…ではなくポップスへの進出度を考えると実に不思議なんだけど、きっと芯からミュージシャンの人なんだろうね。

 話がどんどん逸れていったけど「眩惑のブロードウェイ」というアルバム、きっちりと攻略できた人って凄いと思う。自分的にはまだまだ攻略できていない、というかそこまで聴けない…ってのが大きいけど、それでもなぁ、やっぱ名盤だろうしなぁ、と(笑)。いや、まぁ、いいんだが。1974年、ピーガブ最後の参加アルバム。コレを機にソロへの転向、そしてジェネシスはフィル・コリンズのあまりにもピーガブに似た歌声でファンをまやかしながら継続させている。いつ聴いても不思議なバンドだ。最後の「It」なんてもう素晴らしく明るくて大円団~って感じに仕上がっていて、ここまで一気に聴ければまだまだ攻略できる余地はあるかな…。

Pink Floyd - Ummagumma

 二枚組の名作と呼ばれている作品…、ピンク・フロイドで言えば「ザ・ウォール」だったりするのだろうなぁ。そして実はもう一枚、と言うか世代によっては圧倒的にこっちだろ、って言うのが「ウマグマ」だね。どうしても個人的趣味からすると「ウマグマ」ってのは入ってこないのでついつい後回しになっちゃうんだけど、もちろん一般的には名盤と呼ばれる二枚組、です、ね。

ウマグマ 恋の手ほどき

 ピンク・フロイド「ウマグマ

 1969年リリースでアナログ時代はAB面がライブ、CD面がスタジオ盤という変則もの。そうだなぁ、まぁ、普通はスタジオ盤ってのを後で聴いて新曲群を堪能して覚えるという楽しみ方なんだろうけど、このアルバムの場合は思い切り顕著に出てくるんだが、AB面のライブがとにかく圧倒的に人気が高くて、CD面をマジメに聞き込む人ってのはそうそう多くないというアルバムだと思う。それでも傑作に挙げられるのはライブの面白さだろうな。ちなみにCD面のスタジオ盤は完全に実験音楽の世界なので普通はそんなに売れるもんでもないのだが、このバンドの場合は売れるのだなぁ(笑)。どれもこれも面白くない曲ばかりが詰め込まれているのがCD面で、その実験精神の旺盛さとかもちろん完成度の高い曲もあるし、しっかりと起承転結が出来上がっているというのもあるんだけどねぇ、ちょっとイマイチ宇宙的過ぎるかな(笑)。だからこのCD面はあんまり書けることがないのだ。

 で、ジャケットなんだけど、これも面白い構造になってるね。壁に掛けた絵の中がどんどんメンバーが入れ替わっていくという面白い着眼点。ヒプノシスだもんな。で、その絵の下にあるレコードが「恋の手ほどき」という映画のサントラかなにかのジャズ系作品のアルバム。一度レコードを見かけたけど買わなかったなぁ、失敗した。多分このサイトを読んでいる人の5%くらいはこの「恋の手ほどき」のアルバム持ってるんじゃないだろうか?

 さて、肝心のAB面のライブだけど、まだまだ実験精神旺盛な頃のライブで、シド・バレットがいなくなった後の不安定なフロイドをどうするか、というようなテーマの中皆が皆意見を持ち合って、演奏することでとにかく何かを生み出して行こうという姿勢が詰め込まれている。実際に楽器を持った連中がこういう自由度の高いものをテーマにジャムるとこういう形で気分が高揚するケースも非常に多いので、ここに収録されている狂気じみた雰囲気のテンションはよくわかるし、好きだね。やっぱ「ユージン」の迫力は凄い。ただ、まぁ、一般の人からしたらそれほど面白くない、と言うか全く聴くに値しない音楽だろう(笑)。この曲だけでこのアルバムの名作という評価を維持しているような気がするなぁ。

 今の時代にこれが名盤になるとはとても思えないけど、こういった時代背景と過程があったことでピンク・フロイドというバンドがどんどんと巨大化していったという重要作品。ライブ面は確かにかっこよくってハマりやすいからそういう意味ではオススメだけど、決して万人向けではない、と。自分的には好きだけど、どっちかっつうと「狂気」以降のフロイドが好きだからねぇ…。

The Clash - London Calling

 二枚組のアルバムがロックの名盤ってことになるのはなかなかしんどいことではないのかな、と思うが、実際にはそれなりにたくさんあるモンだなと不思議に思った。ここの所そんなのを意識していたワケでもなかったけど、各アーティストに一作くらいはそういうのがあって、ロック全体的にそういうボリューム感を評価する傾向もあるのだろう。まぁ、じっくり聴くと大概のモノは飽きてくるのだが…、しかしここ最近のCD世代のバンドなんてのは標準で80分なんだから凄いボリュームだよな。作る方はともかく聴く方はチャプターピッピッて飛ばして聴くんだろうな。だから音楽が軽い扱いになっちゃうんだよねぇ、きっと。いや、それはいいんだけどさ。ロックってのはもっと重みがあって欲しいものだ。

The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition Sandinista!

 The Clash 「The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition

 1979年、というか実際は1980年リリースのアルバムなんだよね。でも多くの資料を見ると何故か70年代のアルバム傑作選に入ってくるんだよ。気持ちはわかるが、そりゃウソだろ、って言いたくなることが多々…、実際ジョー・ストラマーもインタビューでそんなこと答えてた(笑)。

 そうだなぁ、このアルバムと「Sandinista!」はとにかく攻略するのに時間かかった。15年くらいかかったもんなぁ。「Sandinista!」よりはこっちの方が時間かからなかったけど、それでも結構かかった。そりゃ、パンクの勢いとか攻撃性ってのに惹かれてたワケで、それがいきなりこのアルバムでは多くがレゲエ・ダブへのアプローチなワケでさ、好き嫌いがはっきりと曲によって分かれてしまって、自分で編集して聴きたいと思ったくらいだもん。そういう聴き方しないから、どうなるかと言うと無理矢理アルバム全部を聴くんだけど、やっぱ苦痛になってきた時あるしなぁ。でも、ジャケットは滅茶苦茶かっこいい。コレ、ポール・シムノンがベースを叩きつけている所なんだよね。このイメージのままだと攻撃的なパンクなんだが(笑)。うん、でもやっぱ「London Calling」とか「Clampdown」てのは昔からのクラッシュらしい曲だしね、ちょっとクールでさ。他のはちょっとダラダラ過ぎるんじゃないか?なんて気がしてて、やっぱ二枚組の名盤ってのは難しいのかもな。

 なんて思ってるところにこないだリリースされたのが25周年記念盤の2CD+DVDっつうデラックスなヤツ。アルバム本編はともかく、ミック・ジョーンズの自宅から発見された有名なヴァニラテープ。要するにスタジオでのリハテイクっつうとこだけど、これがまたダラダラのセッションでさ(笑)、本編があれだけダレてるってことは、やっぱりリハ段階からかなりダレてるのがわかる。DVDではプロデューサーのガイ・スティーヴンスの気違いじみた様子がよく見れて、全くこれでレコーディングできたバンドってのは凄いな、と。フリーにしてもモットにしてもクラッシュにしてもよく付き合ってるわ。そんな妙な感動があった(笑)。

 うん、だからこの「London Calling」っつうアルバムなんだが、昔はそんなんであまり聴けなかったけど、時間と共に聴けるようになるとなかなか頼もしい。特にアルバム前半は粒揃いかもしれん。「新型キャディラック」は思い切りクールなロカビリーだし、「Jimmy Jazz」もクールにスウィングしたダブっつうか独特の音だね、いいよ、これも。で、「Hateful」は言葉の過激さから昔風のパンクかと思えば、もっと最先端のビートを効かしたボ・ディドリーのパンク編って感じかな。「Rudie Can't Fail」はねぇ、凄く良いクラブダブサウンド。ジョーのソロでもやってたけどじわじわと染みてくる名曲。…とまぁ、そんな感じに続くのでビートの効いたものはたまにスパイス混じりに、あとは妙なビート感とダブ感でロック界にこういうのを持ち込んだと言う意味での傑作かな。

The Kinks - Everybody's In Show-Biz

 1972年のリリースなんだけど既にキャリア8年目ということでアルバムにして12作目となる、この時点でもうベテランの領域に入っていたザ・キンクス。ストーンズみたいにそれなりのステータスで売れていればそんなにたくさんアルバム創らなくてもよかったのかもしれないけど、そこはひねくれ者のレイ・デイヴィス、売れるヒーローになることよりもどんどんとニッチな世界を突き詰めていくことにしたようで、おかげでニッチなファンが一杯付いてしまったというのも思惑通りか、うん、キンクスって凄く魅力的で良いよね。

この世はすべてショー・ビジネス +2 マスウェル・ヒルビリーズ


 「この世はすべてショー・ビジネス」っつう邦題が付いているんだけど原題は「Everybdy's In Show-Biz」。まぁ、いいか。レコード時代にはこれもまた二枚組になっていて、一枚目がスタジオ盤、二枚目はそれこそ1972年のライブツアーからのライブ盤という変則な作品で、多分RCAに移籍したからパイ時代の曲を出したいという目的があったんだろうなと容易に想像が付く代物(笑)。もちろん重役共の思惑でしょ、多分。ま、それでもアルバム的には全然悪くないのでOKっす。

 初っ端の「Here Come Yet...」からゴキゲンな、というか緩いというか、キンクスらしい軽い感じのロールが始まって決して同時期のストーンズあたりにもヒケを取らないアメリカナイズの部分と英国ならではのこだわり、そんなサウンドが最初からね、きたきた~って感じ。こういう気取らない所が良いねぇ。次はマイナーな曲だけど、レイらしくまとまってて可愛らしくて良いのだ。「Unreal Reality」なんつうヒネたタイトルもまた良くってね、これもドタバタって行くんだけどもうそういうもんよ、いいねぇ~。次は「Hot Potatos」なんつう脳天気なコーラスが印象的な爽やかな曲もこれまた素晴らしい…、あぁ、やっぱり英国の、というかレイ・デイヴィスのこういう天才的才能があればロックだ~と粋がることなく素直にロックを奏でられるものなのだなぁ…。そしてA面ラストの本作の最高傑作のひとつでもある素晴らしくもモノ哀しくそして美しいバラード曲「Sitting In My Hotel」。これほどに美しい曲と言うモノはそうそう存在しないのではないか?それくらいに素晴らしい名曲。聴いてみてほしいねぇ…。さてさて、B面では一転して「Motorway」というカントリータッチな作品が最初に配置されているけど、とは言ってもこういうのってアメリカのミュージシャンが実際にやっているかと言うとなかなか挙げられない…、やっぱ独自解釈なんだろうな。「You Don't Know My Name」も可愛らしい曲でねぇ、やっぱアメリカ的なんだけどレイ風。うん、このアルバムはそんなんばっかかもしれん(笑)。で、一応シングルにもなった「Supersonic Rocketship」っつうのはカリプソ風というのかな、そんな流れが次の「Look A Little...」にも繋がってるね。うん、コンセプトアルバムっつうよりもほのぼの軽快なアルバム、だな。いいなぁ、この季節にピッタリだもん。そしてB面ラストの超名曲「Celluloid Heroes」。これ聴いたことない人いたらもったいないよ、ホントに。良い曲だよな、マジに。夢があってねぇ、こういうハリウッドを題材にした作品って名曲が多いけど、これはもう最高。この曲のためだけにアルバム買ってもいいくらいだろうね。素晴らしい…。

 ここまででスタジオ盤は終わるんだけどものすごく軽快で聴きやすいアルバム。別にロックだとかなんだとか意気込む必要もなくって、そのままにキンクスを聴ける作品かな。前作「マスウェル・ヒルビリーズ」での作風から更に垢抜けた感じで実に良い。素晴らしい、とか良い、としか言えない自分が情けないが(笑)、とにかく名盤。絶賛です。

 以降のライブ面は逆にスタジオ盤とは大きく異なっていて、え?これがあの大人しいポップバンドのキンクス?っていうくらいにハードでロックンロールしているんだよね。アドリブもバリバリだし、ステージングの上手さも凄いしさ。途中途中の「Banana Boat Song」っつう40年代風のキャバレーソングが好きでねぇ…、こういうのって誰の作品がいいんだろ?探し方がわからないからキンクスのこういうので楽しんでるんだけど、面白いよね。うん、もうライブもスタジオ盤も最高、これ。

The Rolling Stones - Exile On Main Street

 1972年、ローリング・ストーンズは新たなギタリスト、ミック・テイラーをしっかりとリードギタリストに据え、ロック史に語り継がれる最高のツアーを敢行している。そんな最絶頂期を迎えたストーンズがその時にリリースした新作アルバムはと言えば泣く子も黙る「メイン・ストリートのならず者」なのだ。

メイン・ストリートのならず者(でかジャケ) Exile on Main Street(Tシャツ)(ブラック)(Lサイズ)(HWZCI-07643)

 今でもストーンズファンの間では人気の高いアルバム、だと思う。ジャケットからして退廃的というかストーンズのストーンズらしいアルバムジャケットというのは万人が認めるところだろう。そして何と言っても充実しまくったストーンズのバンドパワーでさ、グルーヴ感がとんでもなく漂っているアルバムで、ストーンズらしいノリが集約されていると思うんだな。初っ端の「Rocks Off」からキース独特のリフでスタートされて、そこにミックが絡むという、まぁ、当たり前と言えば当たり前なんだけど強烈なグルーヴがかっこよくってね。正にR&R。バンドにギターが二本いたらやってみたくなる曲だよな、これは。続く「Rip The Joint」はかなりアップテンポでホンキートンクなピアノとサックスが入ってくるので単調なビートの曲には聞こえなくて相当カッコよりR&Rになってて、これこそお手本、って感じ。で、スリム・ハーポのナンバーから「Shake Your Hips」だそうだ。このアルバムにかかるとカバーも何も関係なしに聞こえるからなぁ。それからタイトルがやたらとかっこよくって気になって聴いていたのが「Casino Boogie」。見事にストーンズ風な、ちょっと乾いた感じのルーズなR&Rで、可愛らしい…っつうかコジャレてる。スライドにしてもサックスにしても目立つ感じで入ってるんじゃなくってさ、パーツ的に存在していてそれが凄く良い。そしてもうお馴染みの名曲「Tumbling Dice」は有名な一曲だね。微妙なポップさとストーンズらしいルーズなリズムがマッチした曲でねぇ、確か最初の日本公演でもやたからその時の印象が凄く残ってる。ここまでがアナログ時代のA面かな。んでこれも日本公演の印象が残っている「Sweet Virginia」。アメリカのカントリーチックな雰囲気を醸し出したアコギとピアノ中心のリラックスした曲でねぇ、ミックの歌がやたらとロックしているのがアンマッチで面白い。ここでもやっぱりサックスがモノ哀しげに奏でるソロが美しい。そして地味だけど結構アルバムを象徴するかのような曲調なのが「Torn And Frayed」だと思うんだけど…、ちょっと弱いのであまり目立たないが「Sweet Virginia」からの流れはかなり良いよね。次の「Sweet Black Angel」もそういう一貫性という意味では乾いたアコギ中心のイントロから始まるので結構繋がってて良い。損な雰囲気をピアノに変えたのが「Loving Cup」かな。この面はとにかくそんなカントリーチックな雰囲気をたっぷりと詰め込んだ面だよ。だからやっぱアナログでこういう切り分け方をしていたってことはこの辺でCDも一旦切らないといかんだろ(笑)。

 さてさてC面トップのキースの代表曲「Happy」。しっかしなぁ、こういうストーンズ的ギターフレーズというかリフっつうかオブリガードの面白さも合わせて単なるR&Rでは終わらないグルーヴだよな、やっぱ。面白いモン。キースの歌っていっても全然ストーンズしてるしさ、ミックが歌っても全然OKだろうし。かっちょいいわぁ…。続く「Turn On The Run」でもまた新しいリズムにトライしているし。全く飽きさせないアルバムとしてよく出来ているもんだ。かと思えば思い切りアフタービートな「Ventilator Blues」なんつうのもあって…、このリフにこのベースが絡んで、こういうリズムと歌が入ってくるか…というくらいに刺激的なダークブルース。いや、いいな、こういうの。ここに入ってくるのがいいんだよ。次はまぁ雰囲気を創るモノとして…、その次の「Let It Loose」でまた新たな雰囲気を持ち込む…、かったるいけど何か気怠くてストーンズらしくなくて、エフェクトかかりまくりなんだけどでもどこかドラマティックな空気感が良いのかな、ミックが頑張ってるなぁと。うん。ここでC面おしまい。最後のD面は一気に突っ走るぜ~って感じで「All Down The Line」っつう堅実なR&Rナンバーからスタート。うん、またA面一曲目を聴いているような感覚になるくらいかっちょいい出来映えだよね、これも。次の「Stop Breaking Down」も二曲目に相応しい、スライドをクローズアップしたミドルテンポの曲でシンプルながらも不思議なことに飽きがこないっつう(笑)。さあ、エンディングも近づいてきたという雰囲気を出しまくっている「Shine A Light」ではまた女性コーラス隊を駆使してピアノと共にストーンズ風壮大なアレンジが再び。今回はそこにミック・テイラーのナイスなソロが被ってくるから興味深いけどね。そしてラストチューンは「Soul Suvivor」。ストーンズっぽいグルーヴ感に包まれたものではあるけどちょっと印象弱いかな。しかしミックのシャウトは見事なモノで、やっぱり締めてくれる(笑)。

 しかしまぁ、どういう録音手法を取ったのか知らないけど、凄くラフでライブ的雰囲気がたっぷり出ていて、それでこそストーンズ、って感じのアルバムの出来映えはかなりロック的でいいんだよね。作り込まれたアルバムではなくってバンドらしいアルバムっつうのが良い。で、やっぱグルーヴ。うん、一気に聴ける二枚組作品だったな。

King Crimson - Lark's Tongues In Aspic

 1973年、英国ロックの重鎮になりつつあった、かどうかは定かでないがキング・クリムゾンにしても大きく変化を遂げる年になった。その前までのクリムゾンはもちろん強烈な楽曲を発表することでシーンにインパクトを放っていたが、この年にリリースされた「太陽と戦慄」というアルバムの持つ破壊力はそのイメージを一掃し、攻撃的な姿勢を持つバンドとして市場に認識させたものだ。

太陽と戦慄(紙ジャケット仕様) 暗黒の世界(紙ジャケット仕様)

 最初にこれ聴いた時は驚いた~。静寂の中に聞こえる音から爆発するみたいにガツーンって音が鳴ってきたりして、正にプログレだな~って思って聴いたけど、それよりも雰囲気が凄くかっこよかった。ジェイミー・ミューアの奏でるパーカッションの静かなイントロからアルバムはスタートするんだけど、その序章が終わりを迎えた時、唸るような、というかこれから絶対に何かが起きるぞっていうようなバイオリンの静かなる序章、そしてこれ以上ないってくらいに歪んだギターがフェイドインで入ってくると言う…、いやぁ、一言で言えば「怖い」音楽。強烈だよな、この破壊力は。リフに入ってからはもう攻撃性が凄くて、それでも静と動がしっかりと使い分けられていて間をバイオリンが取り持つ、みたいな感じかな。フリップ卿のギターワークは当然ながらやっぱりブラッフォードのドラムとウェットンのベースプレイが何とも凄い状況を創り出していて、正に傑作、名盤。ミューアのパーカッションも所々で狂気とばかりに聴けることでこのアルバムの「怖さ」に大きく貢献している。13分にも渡る強烈な殺人的楽曲のあとはもちろん心優しいメロディを聴かせてくれるのはクリムゾンの常套手段。そしてこの「Book of Saturday」ってのがこれまた綺麗な曲でねぇ…。メランコリックというか、これもクリムゾンらしいっつうか、ウェットンもこういう曲で本領発揮しているっつうのが多彩な人だよね。そしてもう一丁静かなバイオリンのイントロから奏でられるメランコリックな楽曲「Exiles」。ブラッフォードのドラムがらしくないんだが、その分曲にマッチしていて心洗われる気分になる心地良さ。コレも凄いなぁ…。

 ここでA面終了なんだが、とにかく一曲目のインパクトが強烈すぎて、その余韻を他の二曲が補ってなだめてくれるみたいな構図かね(笑)。ジャケットはシンプルに太陽と月が重なったもので、宗教的な香りがするけど、まぁ、クリムゾンっつうのは錬金術師という印象もあるし、大体がフリップ卿の思想だからこういうのもありかな~って。良いジャケットだと思う。

 B面はブラッフォード叩きまくりの「Easy Money」からだね。ここのスタジオ盤はまだまだ大人しいもので、これはもうライブで本領発揮してしまう曲だな。終盤を聴いていればわかるけどどうにでも変化していく曲だからクリムゾンの真髄をじっくりと楽しめるナンバー。歌詞の皮肉さも面白くて良い(笑)。そして実験的な「The Talking Drum」。正にインプロビゼーションをイメージしたこの曲はクリムゾンのこれからを予見したものかもしれない。淡々とというかスリリングに奏でるウェットンの強烈なグルーブによるベースラインに対してメロディアスに絡んでくるクロスのバイオリン、そして疾走感溢れるドラミングで曲を引っ張るブラッフォードのリズム、そこへフリップ卿が思い切り噛ませてくれるという構図はもうクリムゾンの縮図そのもの。普通に聴いていたら全然面白いとは思えない曲なんだが、そこがクリムゾンの凄いところ。どうも聞き耳を立ててしまうんだよね。もちろん歌ないんだけどさ(笑)。さて、最後はアルバムの冒頭と同じく、そのパート2なのでやっぱり攻撃的なリフが変拍子で奏でられ、ひたすらと攻めまくられる。ある種ミニマル効果もあってだんだんと洗脳されてくる。このノイズの心地良さというか、どんどんと自分がこの音圧に押しつぶされていくような感覚。

 いやぁ、これもまた久々に聴いたんだけどやっぱ凄いなぁ…。どの曲も引き込まれていく魅力たっぷりだし、聴き直したりしてしまう曲もいくつもあって、また新たな聴き方もできたな。うん、この迫力と期待感はなかなか他では楽しめないしやっぱ強烈っ!

Led Zeppelin - Houses of The Holy

 1973年レッド・ツェッペリンは大掛かりなアメリカツアーに乗り出ることで世界制覇を完全に成し遂げた年とも言える。その片鱗は映画「永遠の詩 (狂熱のライヴ)」に記録されているのでイメージが付く人も多いだろう。どうやら今年の年末頃にはこの映画のサントラであったマジソン・スクェア・ガーデンのライブの模様がCD二枚組に拡大されてリリースされるとか…、そしたら凄く嬉しいことだなぁ。あの3daysからの編集版になるんだろうけど、それでもやっぱり新たなるライブがリリースされてくるというのはファンにとっては魅力的なものだ。うん。

聖なる館 永遠の詩 (狂熱のライヴ)

 で、まぁ、夏休み特集ってことで王道バンドをひたすら書き連ねてみるかな、と。改めて名盤を聴き直すことも必要だし、っつうかやっぱこの辺聴いてると落ち着くんだもん。んなわけで、何かと御用達なのはやっぱりツェッペリン♪ 今回は5枚目となる「聖なる館」ですな。

 1968年のファーストアルバムリリースから4枚目までアルバムタイトルはなくって数字表記だったのがここにきてようやくタイトルらしいタイトルが付いた作品。もう、バンドメンバー全員の才能が集約された傑作に仕上がっていて、一昔前まではこのアルバムが一番好きな作品だったなぁ。オシャレ感覚もあるし。うん。もうさ、最初の「永遠の詩」のイントロからして痺れた。なんだこのかっこよさは、って。ハードロックとか何とかっていう枠では絶対に捉えられないスケールの大きな曲で音色も独特。未だにこれを超える楽曲ってのは耳にすることがない。これがライブになると更に強力なナンバーになっていて、全く驚かされる一曲だね。ドラムもベースも強烈に自己主張しているし、最高。んですぐに続くのが「Rain Song」。これもメロトロンの響きと変則チューニングギターによる何とも言えない独自の空間を紡ぎ出す音色とアレンジ、そしてコードの奏でられ方にしても妙な和音で構成されているので非常~に面白い。そして不思議な感覚。こんな曲に歌メロを付けるプラントの才能も凄いがやっぱりジョンジーの職人芸が唸らせる。プログレッシヴロックが全盛の中、ツェッペリンは独自の解釈で英国のロックバンドとして全く異なる解釈からプログレッシヴロック勢を相手に瞬時にしてイニシアチブを取ってしまったというのは言い過ぎか…。それくらいに強烈なインパクトのある曲でねぇ。この二曲の流れは実に美しいっ!そこへ「丘の向こうに」が登場するのだ。静と動を組み合わせたこれも美しい曲で、イントロの響きからして素晴らしいし、途中の変則上昇フレーズによる錯覚もお手の物、さすがツェッペリンと唸らせるアレンジが堪らないねぇ。ロックってのはこういう曲の醍醐味が必要よ、ほんと。惜しむことなくフレーズを用意して瞬間瞬間のためだけにそのアイディアが用いられて、最強の曲が出来上がる、正にそんな例。ここからはちょっとお茶目になって(笑)、1972年のライブあたりから登場していた変拍子の妙なリフで構成された「クランジ」半音進行のキメが妙に心地良くって、またボンゾ好みのファンキーなリズムにトライしたツェッペリンの面々によるグルーブファンク。ま、ただ、そういうシンプルな音にはなってないんだが(笑)。

 アナログだとここでA面終了。うん、ジャケットは両面開きでないと意味がないのだが、多分ツェッペリンって再発でもなんでもシングルジャケで出直したってことはないだろう。多分。売れないバンドだとダブルジャケットなんて初回だけであとはシングルジャケに変更っての一杯あるけどツェッペリンは多分そんなのなかったんじゃないかな。世界各国盤になるとわからんが…。ヒプノシスによる幻想的なイメージを放つ絵で、もう有名な英国の北部にあるジャイアンツコーズウェイっていうところにある六角形の石柱が立ち並ぶ場所での撮影写真から創られたモノだな。一変このジャイアンツコーズウェイって行ってみたいなぁ…。自然が創り出すモノなのに六角形って一体どんなん?って思うし、見てみたい。うん、いつか行こう…。

 さてB面、「Dancing Days」でちょっとルーズなロックへ。このアルバム発表前の日本公演でもライブでやっていたし、割と早い段階での新曲だったみたいでこなれている感が強かったのかな、逆にオーバーダブの部分が気になっちゃってね、それでも独特の雰囲気を持った曲だよね。そしてご存じおちゃらけソング「D'Yer Mak'er」。時代背景から調べないとわからないだろうけど、とにかくレゲエってのが発掘されてブームになって、っていうのがあったのかな。そこでツェッペリンも遊び感覚でどういった曲調でもツェッペリン流にできまっせ~っていう趣味の範疇を試した曲だね。だからレゲエチックなんだけど、ボンゾのドラムであの軽いノリは無理(笑)。しっかり重くてハードロック的解釈を持つレゲエになっちゃってて、ペイジのソロはさすがに流暢なものだけど、ってマジメに書いてみる曲じゃないな(笑)。さぁ、そこへ今度は超幻想的な名曲「No Quater」。メロトロンを駆使した、そしてペイジのギターにしてもリディアンモード、だっけ?全開のツェッペリンを象徴するかのような美しき、そして幻想的、夢想的な空間を与えてくれる傑作。ライブでも出来てしまうのが凄いのだが、もうどんな欠点も見出せない完璧な曲。ポップスばかりを聴いている人には苦痛でしかないかもしれないが、この魅力がわからなきゃロック好きとか言えんだろ。全てに於いて素晴らしすぎる作品。そんな曲の後に更に強烈な「Ocean」があったりして、これがもうねぇ、最高にロックな曲とリフでさぁ、気持ち良いんだよ、この爽快感が。最後の最後まで楽しませてくれる傑作中の傑作。う~ん、やっぱ凄い。

 改めて、改めて聴き直してみるともの凄い作品だよ、やっぱこれは。他のどんなロックバンドでもここまでのものは創れない。そんな素晴らしい完成度を誇るアルバムで出会えたことに感謝するよなぁ、と。このアルバムリリース後の映画「永遠の詩 (狂熱のライヴ)」があるがために余計に印象深い曲が多いのも事実だけど、とにかく絶賛。これこそがツェッペリンだ。

Janis Joplin - Live from the Festival Express Tour

 昨今の発掘音源によるリリースラッシュは凄まじいものがあって、もちろんそんなのについていく情報収集力など持っていないのでいつの間にかリリースされていた、という事態が多くて入手に困るということが往々にしてあるのだが、最近はそこまで物欲もないのでふ~んそうなのかという程度で流していくことが多い。見つければ入手するのだが必至になって探すまでは行かないので、やっぱり自身でも熱が冷めてきたのか、市場が煽るブームに着いて行けてないだけなのか…、まぁ、良いモノは勝手に情報が集まってきて聴けるようになるのだろうからあまり心配していない(笑)。

パール/レガシー・エディション フェスティバル・エクスプレス ジャニス

 いや、そういう状況下であったもののひとつにジャニス・ジョプリンの「パール/レガシー・エディション」っつうのがあって、以前「Pearl」というアルバムについては本ブログでも取り上げたことがあるのでまぁ、良いかとも思っていたけど、せっかく入手してしかもディスク2のライブ盤がかなり素晴らしかったのでちょこっと書いてみようかな、と。ディスク1の本編は以前書いてるのでパスして、ボーナストラックだけど、未発表バージョンの曲が多くて、確かに聴いてみるとなるほど、聴き慣れたモノとは違うというものではあるが大幅に云々ってものでもないのでまぁ、いいか、と。資料的に感動はそれなりにあるけどね。

 で、ディスク2のライブ。先にリリースされた発掘映画「フェスティバル・エクスプレス」と同じライブからの収録されているもので、1970年6月のカナダでのライブらしい。映画「ジャニス」にも幾つか収録されていたものなのだが、こうしてCDでまとめてライブ盤がリリースされるってのは嬉しいね。やっぱりライブ盤ってのはひとつの会場のひとつのライブが丸ごと入っているのが一番聴きやすいし、迫力があるってもんだ。このライブ盤もそういう意味では多少編集はあるんだろうけど空気感が同じで良いね。

 うん、やっぱり好きだなぁって思うのが「Maybe」とか「Summertime」とかね。後半の「Peace Of My Heart」以降ってのはもうそれだけで好きだからさ、何も言うことないけど何か迫力っつうか本人普通に全力投球しているだけだろうけど、それが凄くてさ。バックのギターが下手なのが問題だが(笑)、まぁ、それでも迫力は凄い。こういうロックの熱ってのはやっぱ時代の産物かね。途中「That's Rock'n Roll」なんてしゃれたタイトルが付けられた曲があるけどジャニスのバンドには珍しくシンプルでスピーディなロックンロールが展開されている。ジャニスは歌ってないのでバックの演奏だけだけど、こういうのにジャニスが絡むとどうなるのかなという興味があったりした(笑)。

 映画の方もまだ見てないんだけど、好評を博しているし、ジャニスのこのライブを聴く限りではやっぱり良い雰囲気で行われたライブだろうから楽しそうだなと思われるのでいずれ、って感じではあるかな。映画「ジャニス」もDVD化されたみたいだね。

Ten Years After - Ssssh

 1969年ウッドストックに出演したことで一躍ヒーローの座を獲得した若き英雄アルヴィン・リー。もちろんそれ以前にアルバムデビューしており、ファーストアルバム「Ten Years After」ではまだまだサイケデリックな雰囲気も残したサウンドで、そしてセカンドアルバム「Undead」ではいきなりのライブ収録アルバムとしてリリースし、「I'm Going Home」を収録していることで有名なアルバム。まだまだサイケデリック的な印象を残したままではあるが、ジャジーに展開する秀作だよね。その後「Stonedhenge」も1969年にリリースしていて、これはかなりブルースロックの原点でもあって良い作品だと思う。

Ssssh Live At The Fillmore EastUndead

 んで、ウッドストック自体が宣伝となったアルバム「Ssssh」はウッドストック後にリリースされて、ロック名盤一覧には必ず挙がってくるくらい定番化された傑作。初っ端の「Bad Scene」から意表を突く曲展開が繰り広げられていて、バンドの一体感と曲のアグレッシヴさが目立つ入魂の一曲。ともすれば単なるキワモノバンド扱いされてもおかしくない曲ではあるが…、フォーカスみたいなおちゃらけさではないと認識されているのでマシではある(笑)。そしてその分ギターソロが滅茶苦茶かっこよい。ブルース一辺倒でもなくて結構メロディをなぞっている部分もあってまろやかに弾かれている。そしてバックのオルガンとベースとドラムとの一体感が何と言っても熱くて素晴らしい演奏。う~ん、いいなぁ、こういうのは燃えてくるぜ。その分二曲目はアコースティックに展開した曲で、なかなか趣がある小曲。「Stoned Woman」はリフ一発、みたいな感じで時代の産物かな、もちろんギター弾きまくりなので悪くないのだ。そして入魂の一曲「Good Morning Little Scoolgirl」。ヤードバーズもカバーしていた有名曲だが、圧倒的にTYAのこのバージョンの方がかっこよいし、演奏力も違う。いや、クラプトンを向こうに回してそれは言い過ぎかもしれないが、聴いてみると絶対そうなんだからしょうがない。アレンジ力の差なんだけど、それよりもアルヴィン・リーの技量の凄さが全面に出せているってのが強いかな。ここでのギタープレイこそがブルースロックのお手本、みたいな面大きいよね。静と動、バンドとのバランス、心地良いところでリフレインに戻る、などなどZep好きの自分的にはこういうのはツボにハマるのだ(笑)。

 以降はアルバムで言うB面なのだが、う~ん、こちらはA面ほどのアグレッシヴさがなくて少々テンションダウン。まぁ、悪くないけど実験的な面が大きいのでちょっと求めてるのと違うかな、と。しかし、最後の「夜明けのない朝」という曲はもう王道ブルースロックそのもので、かっちょいいっす。リフはともかくギターのフレージングや歌の絡みやハモンドなどもひっくるめてTYAの最高作の最後を飾るに相応しい曲。スタンダードなところで期待するフレージングが必ず出てくるという裏切られない曲だから余計にいいんだろうな。英国ブルースロックとはこういうものだ、っていう象徴。

 やっぱりこの人達はライブに尽きる。「Live at the Fillmore East」というウッドストックから半年後のライブ盤がリリースされていて、これがまたかなり熱くてよろしいライブです。「revorded Live」だとちょっと大人しいから、やっぱ70年前後のが良いね。

Johnny Winter - Pieces & Bits

ロックン・ロール・フーチークー~ベスト・ライヴ Live in Times Square 狂乱のライヴ

 割と知られていないことではあるが、100万ドルのブルースギタリストと呼ばれたジョニー・ウィンターがあの伝説のロックフェスティバル「Woodstock」に出演していたという事実がある。映画に収録されなかったというだけでその事実は簡単に忘れ去られてしまうのだから如何に映画というメディア効果の力が大きいことかと実感するだろう。ジミヘンがウッドストックで確立した地位の凄さを思うとジョニー・ウィンターがここでデビューしたてとは言えメジャーに一気に躍り出なかったのは実に残念。残された映像をYouTubeあたりで見てもジミヘン並みの凄さを既に持っていることが聴いていてわかるだけに勿体ないことだ。まぁ、そこまでいわなくても同じウッドストックでの脚光を浴びたテン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リー並みには取り上げられてもよかったものだろう。



 いや、人間的なモノを聴きたくなって、やっぱりブルースという実に人間クサイものに手を付け始めた時にジョニー・ウィンターの映像があってさ、それを見ていたらやっぱり凄いかっちょいいサウンドじゃねぇかってことに気付いてね、アレやコレやと聴いたり見たりしてたんだけどこの人の場合音はまぁ、そこそこあるのでライブ盤でも楽しめるんだけど、映像となると全然少なくてね。昔レーザーディスクとかでリリースされていた「Live!」ってのは既に入手困難でDVDにはなってないし、今入手できるのは「ロックン・ロール・フーチークー~ベスト・ライヴ」というDVDだけらしいが、これはまた見てないのでわかんないけど、どうやら色々な時代のライブ映像が入ってるらしくて、多分アチコチのテレビ放送映像とかをまとめたのかなと思う編集盤でしょ。ネットでも結構テレビ放送映像は散らばっているので適当に入手して見ているんだけど、それだけでも十分にこの人の凄さが楽しめる。YouTubeにある映像だけだってとんでもないことは一目瞭然だし、久々にYouTubeを片っ端から見てしまったもんな(笑)。

 ロックンロールとブルースの中間を走る70年代の頃がやっぱり面白いんだけど、ライブの中では必ずギター一本でブルースをやるシーンがあって、それがまたとんでもなかったりするのでホンモノだ~っていうことになるんだな。フィンガーピッキングでもスライドでも早弾きでもお手のモンでさ。見たことないのはアコギでのプレイくらいかな。あ、でもこの人ドブロ弾くから一緒か(笑)。それとバックバンドは割とロックミュージシャンが多いってのも面白い。その辺はジミヘンと一緒かもしれないね。いやぁ~暑い夏にこれだけ暑いブルースロックを聴けるってのはホントに熱くなる。いいねぇ~。

Jimi Hendrix - Electric Lady Land

エレクトリック・レディランドメイキング・オブ・エレクトリック・レディランド
 天才ジミ・ヘンドリックス、1968年リリースの世紀の傑作「エレクトリック・レディランド」。当時レコードでは二枚組でリリースされたもので、イギリス盤や日本盤では19人の女の裸を描いた強烈なインパクトを放ったアルバムジャケットで、既に敷居が高かった作品なのだが(笑)、音を聴いてもかなり敷居が高かった記憶があるアルバム。ファーストやセカンドを聴いていて、また幾つかのライブ映像を見ていた後に入手して聴いたものだから、余計にそのジミヘンの音楽性という崇高な思想とライブなどでのワイルド感とのギャップが埋まらずにいつまでもこの「エレクトリック・レディランド」というアルバムを攻略できないでいたのだ。

 いくつもの作品を聴いて、またジミヘンの思想も理解しながら何度となく「エレクトリック・レディランド」に挑戦していたし、そりゃ常人よりはよく聴いているだろうし、曲もフレーズも知っている…が、どうにもこぞってCDを手にとって何度も聴くというアルバムにはならなかったのだな。これは今でもなんだけど、やっぱり初期かライブ盤に走っちゃう。アーティスティックな作品として位置付けて捉えればそりゃもう素晴らしい傑作だよ、と思うんだが、どうにもそういう聴き方にならないのが問題なんだな(笑)。で、再度そういう視点で聴き直す…。やっぱ凄い(笑)。

 最初の二曲はまぁ、ご愛敬って感じで別に必要とは思わないが「Crosstown Traffic」で昔からのジミ節炸裂、ちょっと元気になる。で、16分にも及ぶスペイシーなブルース「Voodoo Chile」で好みは分かれるだろうなぁ…、ちょっとスタジオ盤にしては冗長感があるよね。その後の「Little Miss Strange」は…、まぁ、ノエル・レディングでしょ、これ?まぁ、いいんじゃない(笑)。一聴すると偉くかっこよく聞こえるリフから始まる「Long Hot Summer Night」はワイルド感に欠けた歌モノみないになってしまってイマイチで、どこかポップス的になってるのもね、うん。「Come On」は昔ながらのジミ節でいいんだけどバンドが元気ないんだよなぁ…、多分ミックスの問題もあるんだろうけどさ。「Gypsy Eyes」、こいつは新たなるジミヘンの世界を打ち出した傑作だ~と思う。この後のジプシーズにも持ち込まれるファンク性を打ち出しているし、勢いもある。ただ曲はちょっと単純ってのが発展途上かな。そして「真夜中のランプ」、これはもう素晴らしい作品で、やっぱり天才ジミヘン~って感じるし、こういう叙情性と斬新さがジミに求めることなのかな、と。エフェクトも含めてこのアルバム最高作の一、二を争う出来映えでは?

 「Rainy Day, Dream Away」も新たな境地を開いた作品で、ジャジーなサウンドの中に繊細なストラトサウンドでソロをぶち込み、心地良いシャッフルビートに仕上げた実験的でかなり成功している曲。ジミのギターとオルガン、サックスとの対比が面白い。ジミがマイルスあたりとセッションするなんていうのも実現していたら面白かっただろうなぁと思えるね。以降「1983」からはプログレッシブな展開を見せるがスタジオ職人ジミヘンという一面を見せられるものでスペイシーさというキーワードは相変わらずだが、叙情性が伴ってきているのが新境地か。この流れは「Moon...」「Still Raining...」まで続けられて「House Burning Down」のイントロまで引っ張られている。「House Burning Down」自体は「Gypsy Eyes」と共にファンキーさを打ち出してきた作品で、特別に面白いものでもないけど、ジミヘンらしい作風だなぁという感じで、好きだね。そしてジミが奏でるディランの作品「All Along Watch Tower」。まぁ、曲が良くできているのでジミ風解釈がどうなのかってとこだろうけど、やっぱ良いよなぁ…。多分ギターの音色の切なさというかフレーズの切なさが曲をよく表しているからだと思う。んでもって、オーラスにはもう有名な「Voodoo Chile (Slight Return」」で、言うことなし。ワウワウペダルをココまで強調された曲はこれ以外に知らないもん。もちろんギタープレイについては言うことなしの教科書的作品で、ジミヘンらしいライブ感覚の生き生きとした感性が詰め込まれていて言うことなし。

 ん~、ってことはやっぱ1/3くらいは好みで1/3は実験音楽的要素が強いので好き嫌いではなく試みをどう聴くか、ってとこで、残りは覇気に欠けるとか単調とか言う理由であまり好みではないらしい。そうか、だからあまり聴こうという意欲がなかったんだ。二枚組クラスになるとどうしてもそういう偏りが出てきてしまって難しいところだよね。

 が、まぁ、ジミヘンの「エレクトリック・レディランド」という歴史的傑作について自分の感想や意見を述べたってタカが知れてるっつうのも事実なので勝手に書いてるけどさ、うん、そういう評論があってもいいじゃん。事実なんだもん(笑)。いや、ジミヘンは好きだしね、やっぱ凄い。が、どうしても攻略しきれなかった「Electric Lady Land」は今のところそんな感じかなぁ…。

イージー★ライダー

 60年代のアメリカそのものを投影したロック映画として有名な「イージー★ライダー」。やっぱりデニス・ホッパーの人柄に惚れるんだが、それはともかくこの映画のストーリーは全くよくわからない(笑)。ロック好きならば「ウッドストック」と共に見るべき作品として位置付けられているので、そうかそうかと思い若かりし頃から見始めたものだが、いやぁ、とんと理解できない。理解できないところがこの映画を理解する最も賢明な手段ってことに気付くのはもう少し経ってから…。

イージー★ライダー イージーライダー [PB-657] [ポスター]

 チョッパーのバイクであの広くてまっすぐな道を悠然と駆けていく、コレこそ正にアメリカン。それだけでかっこいいってのあるもんなぁ。いきなり話飛ぶけど、その壮大なスケールが最後のシーンにも繋がっていって、あっけなく銃殺されるっつう…、一体何だったんだ?こいつらは?って感じの映画。LSDで乱痴気になるところとかはそのままの雰囲気が出ていたりするけど、あとは全くよくわからん。ただ、何かに向かって走っているってことだけで、意味はない。人生なんてマジメに考えてもしょうがない、その場よければ全て良しみたいな流れで作られている。ヒッピー時代ってのは結局のトコとそういうイージーな考え方でよかったんだなぁと改めて思う。まぁ、現代でもそういういい加減なのはいっぱいいるんだろうけど、正に象徴かな。

 一方、ロックサウンドだけで映画が構成されているてのは映画界に於いては画期的なことだったみたいで、ロック界ではそれ自体がこの映画とロックを結びつけることでもあるが、何せステッペンウルフの「Born To Be Wild」なんてのはこの映画の象徴だもん。他の曲知らなくてもこの曲は誰でも知ってるだろ、ってくらい有名。後はジミヘンとかバーズとかザ・バンドとかね。

地獄の黙示録

 60年代アメリカ文化を描いた映画は非常にたくさんある。それと言うのも当時ベトナム戦争真っ最中ということもあって、題材に取り上げられやすいというのと、ヒッピー文化、フラワーチルドレンと呼ばれる世代、またロックではもちろんウッドストックという象徴なんかもあるね。そんなことでこの時代を描いたものはいくつでもあるけど、今でもダントツにインパクトを放って自分を惹き付けて病まない作品がある。

地獄の黙示録 特別完全版 地獄の黙示録・特別完全版 解読「地獄の黙示録」 (文春文庫)

 「地獄の黙示録

 そんなに何回も見て研究するほどハマってたワケじゃないけど、最初に見たときから強烈な印象が残ってて、もちろんドアーズの「The End」の美しさも実感してたんだけど、自分的にはドアーズを知る前にこの映画を見ていて、なんか凄くハマったサントラだな…という印象でドアーズを聞いていた。何せ映画が始まった冒頭から雰囲気たっぷりのシーンに溢れていて、そこで既に「The End」のあのイントロが流れるワケだからインパクトあるはずだ。

 映画そのものの話となると、これはもう深く研究している人がネット上にもいくらでもいるし、素人的に大して書けることはないのだが、明らかに狂気というテーマを打ち出して一般に知らしめた作品だと思う。狂気って、ロックの世界でも結構出てくるんだけど、真の狂気となるともの凄く静かなものだったりするんだと思う。シド・バレットのソロ作品なんて聴いていると一見まともな音楽に聞こえるしさ。でもその中に狂気が確実に存在していて、それは発狂というのではない。「地獄の黙示録」にもそれが描かれていて…、まぁ、映画だからもうちょっと直接的な表現があるので実際に狂気の断片が見て取れるんだけど、その存在感と権力を誇示することで狂気を見せている部分もあるのかな、ちょっと表現が難しいが。そこにT.S.エリオットの詩が持ち込まれたりして妙に静寂さがあったりさ。

 最初にこの映画を見たときは何か凄い戦争映画と思ったし、後半のカーツ大佐のシーンなんて気持ち悪いだけだったけど、そのうちカーツ大佐のシーンの方が興味深くなってきて、それまでの映像は序章でしかないとまで思うようになったくらいあの狂気のシーンにハマっていった。唐突に出てくるデニス・ホッパーのヒッピー記者という役割も、今度は実態としてこの時期のヒッピー役にはこの人ぴったり、っていう感じで笑った。

 えっと、音楽的な話で言えば「地獄の黙示録」の映画で使われたドアーズの「The End」は通常のスタジオ盤から6分半くらいに切りつめられたバージョンで、一部のベスト盤に収録されている…って言っても、まぁ、編集によるものなので大したことはないか。それよりもアナログ時代のサントラの迫力が凄かったなぁ。リマスタリングCDの音は未聴だけどさ。

ザ・ドアーズ

ドアーズ プラトーン (特別編) ディレクターズカット JFK 特別編集版

 ついでだからちょっと脱線して映画の「ドアーズ」について走ってみよう(笑)。1991年に上映されたこの映画、もちろん云わずと知れたオリバー・ストーン監督の60年代懐古シリーズ三作目…ちなみに「プラトーン」「JFK」に続いての作品で、どれもこれも印象的な作品だったので十分に期待して見に行った、しかもジム・モリソン率いるドアーズの伝記映画っつうことでそりゃ、ロックファンは駆けつけるワケだな。

 まずはバル・ギルマーのクリソツの演技というか風貌というか熱演というか、もう本人に成り切っているしルックスもそんなに似てたっけ?って思うくらいそっくりで、もう素晴らしいの一言。恋人役のメグ・ライアンもどこか初々しくってヒッピー的でなかなかだったし、黒魔術的な女も雰囲気あってよかったな。映画作品として見れば、もちろんへぇ~って感じでライブシーンとかも本当のドアーズのライブで行われた模様を再現しているし、概ね伝説的な面は劇化しているみたいで当時は結構ハマった。サントラもドアーズの楽曲の別バージョンが収録されているとかあって、割と珍しいテイクだったような。コアなファンには不評だったり映画ファンでロックを知らない人はこの映画何が言いたいの?って感じらしいが、そんなことはどうでもよくって、ジム・モリソンっていうのはこんなような人だったんだよ、っていうオマージュなんじゃないかな。もちろん映画的に脚色しているところもあるのはよくわかるんだが(笑)。いや、でもやっぱり面白い。インディアンの霊が憑依してくるシーンは多分創作なんだと思うけど、雰囲気あってていいしね。

 これだけの有名な人がロック映画作るってのもなかなかないからそういう意味では結構革新的。オリヴァー・ストーンって昔は問題作をよく作ってたけど最近聞かないな。知らないだけかもしれないけど。「プラトーン」とかなぁ、やっぱ強烈だったし。話も映像も、そしてアクションも。結構焼き付いてるな…。

The Doors - Strange Days

 パティ・スミスがカバーしたドアーズの「Soul Kitchen」が素晴らしくハマっていたので、ホンモノが聴きたくなってドアーズを取り出す。うん、「Soul Kitchen」ってファーストの二曲目なんだよな。やっぱ凄い雰囲気のアルバムだ…。なんて感動しまくったのはいいけどドアーズのファーストってもう過去に書いてるので、しょうがない。興味ある方はそちらも見て下さい~。

まぼろしの世界

 で、セカンドアルバム「まぼろしの世界」を引っ張り出して聴き直すことに(笑)。ドアーズってデビュー時の印象が強いからベースレスの4人組っていうバンド編成だと思われてることもあるんだけど、実際にベースが不在のままレコーディングしたのはファーストだけでセカンド以降はもちろん全部ベースが入ってるんだよね。ライブでは敢えてベースレスを維持してやってたけどね。まぁ、スタジオ作品とライブは別物という考え方で良いと思うけど。

 セカンドアルバム「まぼろしの世界」も基本路線はファーストと一緒でまだまだ勢いがある初期の状態で曲をひたすら作りまくってレコーディング、そしてどこか幻想的な雰囲気を持った楽曲と、古くから伝わるサウンドを少々アレンジし直したようなシンプルな楽曲をまぜこぜにしてジム・モリソンのカリスマ的な歌を入れれば出来上がり、みたいな感じだけど、それにしては凄くハイレベルで良い作品に仕上がっているので人気も高いんじゃないかな。個人的にはどれもこれも好きなので何とも言えないけどさ(笑)。

 アルバム冒頭の「Strange Days」のイントロからして幻想的でいいよねぇ…。何か引き込まれちゃう魅力たっぷりでさ、それでいて3分の曲っつうのが凄い。この雰囲気はアルバム全体に広がっていて次の「迷子の少女」でもしっかりと引き継がれていてね、いやぁ、幻想的っていうのもあるけど煌びやかな音世界ってのもある。これは多分ギターの音色の問題だけど、キラキラしてるんだよね。そこに鍵盤が妙~に被さってくるもんだからヘンな雰囲気になってくる。ジム・モリソンの歌も割と普通に渋く低い声で迫ってくるので別に狂気の雰囲気じゃないし。当時はこんなコーラスギターを全面に出すのも少なかったのかな。そんなギターのロビー・クリーガーが本領発揮とばかりにリフを刻む「Love Me Two Times」は3コードのポップソングなんだけど、こういうポップさをきちんと持っているのがドアーズの面白いところ。ジム・モリソンのインパクトだけだったらここまで売れなかったと思うけどやっぱり楽曲のポップさってのが受け入れやすさにかかってる。叫び声とかはさすがにかっこいいなぁ~って思うのがいっぱいあるんだけど、それくらいなもんで、後はキャッチーなポップソング。うん、アルバム「ソフト・パレード」くらいまではそういうのが続くよね。まぁ、最後までそうだったけど、キャッチーで煌びやかだったのが「ソフト・パレード」あたりまでかな、と。「Unhappy Girl」にしても同じ路線で口ずさみながら聴いてる自分がいるしね(笑)。

 そんなポップな中に所々入り混じるのが効果音とジム・モリソンの叫び声だけで構成された「放牧地帯」とか最後の「音楽が終わったら」とかかな。こういう重さがあるからドアーズというバンドってのは深いんだ。一方ではジム・モリソンが最初に書いた歌詞を元にした「Moonlight Drive」なんていう可愛い曲があったりさ。でも、このバンドって実はブルースに根ざした音楽志向なんだよね。ライブなんかではそんなのばっかをやってたみたいだし。そう聞こえないアレンジ力は凄いんだけどさ。

 うん、やっぱり久々にこういう系統の王道モノを聴いていると改めて凄さを実感するな。この夏は再度王道バンドの実力に感動するシリーズで攻め立ててみようかな…。うん、1967年にこの音を出していた、ってことは40年前の作品か。凄いなぁ…。今でも全く新鮮さを失っていないこのアルバム、面白いっ。


Patti Smith - Twelve

 ロックという世界は実に面白い。最近またそれを実感している。別にテーマを決めなくても聴きたいモノを聴けばいいんだけど、それがあまりにも広がりすぎていったためになかなかアーティスト側の意図した想いをきちんと受け止めると、いうところまで辿り着かないものも数多い。いかんなぁと思うのだが、そこまでピンと来ないものはあるもので、多分ロックを聴くというキャリアを積んでいるから何となく自分的に感覚が必要と思うモノにはちゃんとアンテナが立つもので、そうじゃないものは途中で飽きる(笑)。いや、ま、好き嫌いで聴くものだからしょうがないでしょ。

 ん~と、何を書きたかったかと言うとだ、メタリックな世界の様式美に感動して、アイルランドの歌姫とスコットランドのトラディショナルなど色々と感動するものがあるけど、今日もまた新たに知り抜いた世界の中で感動したのです。

トゥエルヴ

 Patti Smith 「トゥエルヴ

 こないだ出た新作…っつうかタイトル通り12曲のカバーソングが収録されたもので、これがまた勝手知ったるものから意外なモノ、そして深く頷いてしまうモノまで多種多様にカバーされていて、どれもこれもがパティ・スミスの曲じゃないかと思うくらいに彼女らしいアレンジと歌い方が施されていて…、見事。若い世代でパティ・スミスのファンが付いたらこのアルバムから古き良き時代のロックにまで遡ることだろう。原曲が負けているものだっていくつもある。それくらいに痺れるカバーアルバムだね。

 1曲目からジミヘン。しかも「Are You Experienced?」なんつう渋いトコロを持ってくるあたり、さすが。しかも超斬新なパティ・スミス風アレンジで楽曲を丸裸にしてから構築し直しているこのアルバム一番の作品。こんなにも素朴に赤裸々にこの曲を歌う人はパティ・スミス意外にはいないし、この曲をそういう風に持っていく人もまぁいないだろうな。ジミがギターで語っていたエモーションを淡々と歌声で伝え直した、って感じでね、コイツでヤられました。次は驚きの曲で、歌メロが流れてきた瞬間に「あれ?何だっけ?」って思ってしまったらTears For Fearsの「Everybody Wants To Rule The World」だった。80年代に売れたアレです。これはまぁ、好きだったのかな、彼女。そんなに力入ったカバーじゃないけど、圧倒的に自分のモノにしている点は変わらない、やっぱ迫力。いや、何だろうね、この貫禄は。で、何?ニール・ヤングの「Helpless」。アコギで静かに歌い上げている…、圧倒的に原曲よりも良いなぁ、と思ってしまうね、これ。4曲目、ストーンズの名曲「Gimmie Shelter」なんてのを取り上げているってのも興味津々だったんだけど、聴いてみると、結構忠実にカバーされていて、迫力はさすがにパティ・スミスの持ち味が出ているけど特にストーンズとのアレンジの違いはないかな。いや、アコースティックでハードにって感じだけどさ。しかし、これこそロック、だよ。ロック。うん。ロックなバンドの曲をロックな彼女が歌う。だから違和感なし。素晴らしい感動モノの迫力。これもかなり良かったなぁ。

 で、次は…おぉ、やってしまったかビートルズ(笑)。だが選曲がさすが(笑)。「Whithin You Without You」だもんな。それをドラムのロールと12弦ギター?とベースとパティ・スミスの歌だけでひたすら宗教チックに歌い上げていくアレンジで、これもかなり斬新というかパティ・スミスらしい…。カバーとはわからないだろうと思える作風には驚くね。ガレージサウンド的でもあるし、幻想的でもある。こういう世界って凄いなぁ…。正に60年代っていう雰囲気出まくってるよ、これ。で、次もまた60年代の曲なんだけどジェファーソン・エアプレーンの「White Rabbit」で、これもまた有名曲だね。どこかスペイシーなアレンジでなんかトリップしている雰囲気を出している様子だなぁ、このヘンの曲は。7曲目のディランの曲はもうパティ・スミスお得意のパターンで淡々といつものように言葉を音に乗せて紡いでいくというもので、まぁ、ディランよりは全然聴きやすいかな。…と思ったら今度はポール・サイモンですか。これは原曲聴いてないから知らないけど、最近のパティ・スミスの音によるアレンジでやっぱりしっかりとらしさが出ているアレンジ、かな。

 そしてアルバム中最も本人に成り切っているんじゃないかと思うようなドアーズの「Soul Kitchen」。もう、ハマってるなんてもんじゃない。今のドアーズ再結成バンドもパティ・スミスをボーカルに迎えて何曲かやってくれたらそれでドアーズ復活って言われるぜ。それくらいにハマってる。ジム・モリソンを聴いているようにしか聞こえないもん。音の雰囲気も何もかもがドアーズ。こういうのがロックだよ、うん。いいなぁ。続いて静かにベースのが奏でられて始められるこのアルバム収録曲中もうひとつの思い入れが確実に伝わってくるニルバーナの「Smells Like Teen Spirit」。あの大ヒット曲を物静かにそしてパワフルにカバーしている。同じアンダーグラウンドからの出立でパティ・スミス的にも思い入れがあったんだろうなぁ、と。自身の周辺の出来事も含めてあまりにも重すぎるカバーかもしれないな。考えすぎかな。サウンド的には全然ハードじゃなくてアコーディオンまで入れて明るくしているくせにやたらと重くて…、好きだな、こういうの。途中のパティ・スミスの語りの部分なんてもう堪らないよ、ほんと。気分の高揚する、このアルバム中最高峰に位置するカバー。YouTubeリンクしとくので聴いてみて。スタジオ盤はもっと重いけどね。

 以降、オールマンのカバーはこの流れでは妙にホットする雰囲気だけど、やっぱパティ・スミスにはこういうの似合わないなぁ(笑)。いや、それでも聴いているとそんなに違和感ないんだけどさ、その辺がアーティスティックだね。最後はスティーヴィー・ワンダーの曲で、やっぱりピアノをフューチャーしたアレンジ。やっぱり重くなるのはしょうがないとしても、曲の良さは際立ってるし、何と言ってもラストチューンに相応しい最後の盛り上がりはもう迫力と貫禄とパワーに脱帽。素晴らしい。

 なんか久々に長々と書いてしまったけど、やっぱりパティ・スミスという人は暗くて重い。…が、ロックって暗くて重くないとダメなんだよね、自分的には。だから凄く好きな人の一人なんだけど、それをね、自分が聴いているのと同じようなところからカバーしてくるってのがさ、ある意味嬉しいし、その料理の方法を楽しめる。そして原曲に負けないセンスの良さと自我の在り方ってのを見せてくれると最高。このアルバムはそれをきっちりと示してくれたのでもう言うことなし♪


 

Capercaillie - To The Moon

 スコットランドの音を現代風ポップスにハメ込んでしっかりとそれに成功したことで更に国民的…というかトラディショナルな世界からポップスのシーンに存在感を示したカパーケリー。キャリアは長く、そういう意味でこういったトラディショナルバンドっつうのは国民的なバンドになる要素が強いよな。今でも現役で25年のキャリアを誇るワケだし。もちろんメンバーに変化はいくらかあるものの、基本的な音楽路線に変更はないので基本的にどれを聴いてもバンドの本質はよくわかる。でも、さすがに音楽好きな人間が集まっているだけあって、あれこれよ新たなる試みに挑戦する時期もあったり、素朴に音楽を奏でることもあったりとキャリアに応じて多様な音をアルバムとしてリリースしているね。

グレンフィナン

 Capercaillie 「トゥー・ザ・ムーン

 何枚目になるのかな、ジャケットの雰囲気も作品的にもそして現代的な試みを行った意欲的な作品という意味でも「トゥー・ザ・ムーン」というアルバムはなかなか面白い。もちろん女性ボーカルなのだが、普段は完全にトラッド要素が強かったところにこの時期はモロにエレクトリックな要素を詰め込んで軽快なポップスに仕上がっている頃なのでまったくヒットチャートに顔を出していてもおかしくない出来映え。フィドルの響きとポップで軽やかなサウンドが妙に心地良い。コアーズみたいな派手でキャッチーなメロディではないけど(その辺は若さの違いか…)、なんつうかアダルトポップス、って感じかな(笑)。ひたすらロックだけにこだわるのでない限りこういうのを一枚くらい置いておくと心地良く過ごせるよ。多分この暑い夏にもピッタリだね。

 このアルバム、昔から欲しい欲しいと思っててなかなか見つからなくってね、結構探した。その間に他の作品をいくつも聴いてしまってそんなに違いがないから焦って全部集める必要もなくってさ、それで結局このアルバムを探し当てるのに時間かかったなぁ。ようやく見つけた時はあまりトラッドにハマってない時で、なかなか気分にならなくて大変だった(笑)。ただまぁ、聴いてしまうとやっぱりほっとする音だよね。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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