Snowy White - Snowy White

 英国周辺の音楽シーンは実に多様且つ混在しているものでアングラシーンで活躍する人とメジャーシーンのミュージシャンが突然一緒にやってみたり、端から見ると全くジャンル違いの人間が一緒にやってみたりと音楽という共通項以外の何者でもない関係だけで成り立っているケースが往々にしてある。シン・リジィもそういう雰囲気に近いモノが一時期あった。うん、アルバムではあまり出てこないんだけどツアーでそんな要素があったりする。例えば後に英国ニューウェイブシーンで活躍するウルトラボックスのミッジ・ユーロがツアーでのサポートギタリストになってみたり、ピンク・フロイドのツアーでサポートギターを弾いていたスノーウィ・ホワイトがシン・リジィの正式メンバーになってしまったり、ゲイリー・ムーアにしては言わずもがな、ジョン・サイクスはそのまんま進むんだけどさ(笑)。まぁ、そんなことでなかなか奥の深いバンドだったわけさ。

Snowy White White Flames Chinatown

 で、中でも異色なのがスノーウィ・ホワイト。どちらかと言えば落ち着いた感じのある、そして人前ではそんなに目立つタイプじゃないしやはり職人ギタリスト的な側面の方が強い人でフロントマンじゃぁないよな。それが1980年にはシン・リジィの「Chinatown」でアルバムにも参加してしまうことになるんだよ。不思議だよなぁ。その前って言えばピンク・フロイドの「アニマルズ」とツアーに参加していたワケだし、ピーター・グリーンの「In the Skies」にも参加していた。そしてリック。ライトのソロアルバムでも参加していたっつう経歴なのでどちらかと言えば流暢な綺麗系のギターを効果的に鳴らすという印象なんだよね。

 んで、彼のソロ作品っつうのも何枚かリリースされていて自分的に初めて聴いたのがセカンドアルバムの「Snowy White」。セルフタイトルなんだけどセカンドアルバムで、結構若い頃に聴いたんだよな。なんか、こういう陰で活躍しているギタリストってきっと凄いんだろうなぁ、ってイメージでさ。まぁ、職人技だっただけなんだけど…。最初の「Land of Freedom」からなんかえらくキャッチーでポップで流暢でさわやかなんだよ…、ん?って感じでさ、ロックじゃないので全然耳に残らなかった。ただ、綺麗でそつのないギターを弾く人なんだなぁと思ったな、その時は。もうちょっとして聴いた時は結構ブルースも入ってて、と言うか透明感のあるブルース…、うん、ギルモアさんみたいなもんだよなぁと。あそこまでしつこくないけどさ(笑)。そんな印象だったね。この後ファースト「White Flames」聴いたのかな。結局あまり自分には合わない音だったので忘れ去ってしまったけど(笑)。

 そして今ではロジャー・ウォーターズのツアーメンバーでずっと参加してたりするしね。ここには似たような職人のアンディ・フェアウェザー・ロウという人もいるんだがな…。

Philip Lynott - The Philip Lynott Album

 アイルランドのダブリンにはロッカーの銅像がある。日本でも海外でもそうそうそんな人はいないワケで、如何に英雄視されているのかがよくわかる…もしくあアイルランドという音楽国の象徴なのかもしれないけれど、だからこそ若者からある程度の年齢の人間まで、または国民的な人気があるのかもしれない。コアーズという若い姉妹バンドが「アンプラグド」アルバムでフィル・リノットの1982年のソロ作「The Philip Lynott Album」に収録されていた「Phil Lynott - The Philip Lynott Album - Old Town Old Town」をカバーしてなかなかの好評を得たものだが、年齢的に見ても彼女たちが幼少の頃にリリースされた作品だったハズで、そんなのが今時の若者にカバーされてしまうと言う程メジャーな人だったのかと驚いたモノだが、まぁ、そういうものなのだろう。しかしフィル・リノットのアナログ時代のレコードはなかなか入手できなくて苦労していたのに、現地ではいとも簡単に聞けたものなんだなぁと、音楽の街ダブリンを羨ましく思った記憶がある。時代はCD時代、まぁ、何でも再発されるようになってフィル・リノットの作品も今や簡単に手に入るってもんだ。全く良い時代。

The Philip Lynott Album Solo in Soho
Phil Lynott - Solo in Soho Solo in Soho
Phil Lynott - The Philip Lynott Album The Philip Lynott Album

 とりあえず最初のソロアルバムは1980年リリースの「Solo in Soho」で、さすがにシン・リジィが現存していた頃なので当然ながらシン・リジィの空気が充満したソロ作に仕上がっている。ただ、やっぱりハードさはなくってもう少し実験的というかポップ的というか丸みを帯びた印象の作品だね、これは。もちろん傑作ではないけど悪くはなくって、フィル・リノットの楽曲らしさはたっぷりと出ているアルバム。そしてやっぱり人気の面でも音楽面でも「らしさ」が出ているのが1982年リリースのセカンドアルバム「The Philip Lynott Album」。シン・リジィが暗礁に乗り上げた頃に作られた作品で、今じゃ豪華ゲストを迎えてのアルバムとして云われる面子が顔を揃えている。

 ミッジ・ユーロ、ヒューイ・ルイス、マーク・ノップラー、もちろんリジィの面々などなどだな。意外な面子が揃ってる気もするんだけどどれもこれも彼のアイルランドに於ける音楽のバックアップ体制の結果から導かれたものでその活動背景を知っていると不思議はないんだよね。ま、一見不思議だけど(笑)。セカンドアルバムの音的にはちょこっと熟した感があるしキラリと輝く名曲も「Old Town」を始めミッジ・ユーロの「Phil Lynott - The Philip Lynott Album - Yellow Pearl イエロー・パール」なんてのもあってなかなかホロリとくるロックアルバム。もっともこの曲はファーストにも入ってたりするんだけどさ(笑)。しかしまぁ全体的かなりポップな路線に走っている感があってロッカーとしてのフィルっていうか、新たな領域に挑戦っていうアレンジ。メロディラインはやっぱりフィル・リノットなんだけどね。

 それにしてもこの人とゲイリー・ムーアの友情ってのはホントに不思議なモノで、元々スキッド・ロウの頃から一緒にプレイしていたようだけど、シン・リジィになってからも1974年、76年にヘルプでツアーでギターを弾いていたり、その後78年にはご存じ「Black Rose: A Rock Legend」という名盤でゲイリー全面参加、というか加入したのにすぐに脱退してるし…、かと思えばもちろん83年の解散ライブには参加しているし、その後も85年には一緒に滅茶苦茶かっこいいシングル「Gary Moore & Phil Lynott - Wild One: The Very Best Of Thin Lizzy - Out In the Fields Out in the Fields」を作って結構売れたりね、それフィルは他界しちゃったんだけど、不思議な友情だよなぁ。こういうのって親友なんだろうと思う。


Old Town

Skid Row - Skid Row

 ゲイリー・ムーアにしてもロリー・ギャラガーにしても10代の頃から天才ギター少年として地元では騒がれていたらしく、どちらも早いウチにメジャーシーンへの進出を果たしている。まぁ、日本で言うならチャーさんみたいなもんだろうな。そしてその二人の共通項はどちらもトリオ編成のバンドでシーンにデビューしたという点だね。もちろんソロで出てくる方が難しかっただろうから仲間とバンドを組んで、みたいな感じだろうけどさ。

Skid Row (Gary Moore/Brush Shiels/Noel Bridgeman) 34 Hours Skid Row (Gary Moore/Brush Shiels/Noel Bridgeman)

 同名バンドがアメリカから出てきた時には結構笑ったモンだけど、今じゃそのHR/HMバンドの方が売れているワケで、逆にゲイリー・ムーアの初デビュー時のバンドなんていう方が「ふ~ん」って感じなのかな。まぁ、どっちでもいいけどね。で、このバンド一応アルバム二枚リリースされていて、この後ゲイリーはコロシアムIIだったりシン・リジィだったりするんだけどこのデビュー作「Skid Row」では時代の流れかブルージー且つスワンプ的なロックが中心になった作品で、やっぱりかなりドタバタした感じは否めない。しかしさすがにピーター・グリーンに見初められた少年だっただけあってギタープレイについては既にプロレベルを発揮しているのは聴いてみれば一発。かなりレベルの高いプレイだよね。セカンド「34時間」では更にテクニックが上がっているのもわかるし、まぁ、音楽性についてはさほど問われることもないけどジャズからプログレからブルースから全て消化済みというのがプレイに出ていてね、さすがだなぁと。

 アマチュア時代のスキッド・ロウにはあのフィル・リノットも参加していたらしく、アイルランドを代表するプレイヤーがアマチュア時代から一堂に会していたことも不思議なものだが、まぁ三大ギタリストのご近所友達の不思議に比べればまだわかるってなもんだ。きっとゲイリー・ムーアも神童と呼ばれていたことだろう…。

 しかしファーストのアマゾンのこの値段、凄いな。こないだアナログでこれ見つけた時は500円くらいだったぞ(笑)。

Rory Gallagher - Irish Tour '74

 アイリッシュの熱い魂は大地を駆け巡り、そして歴史をも駆け巡るものだ…。それを「魂の叫び」と歌ったU2は世界の英雄に祭り上げられているが根は熱いロックンローラーだ。ゲイリー・ムーアの泣きのギターにやられた後、同じアイルランドを代表するギタリストの熱いプレイが聴きたくなって思わず手を伸ばしたギタリストがロリー・ギャラガー。まぁ、当然の選択なんだろうな(笑)。

ライヴ・イン・アイルランド(紙ジャケット仕様) Irish Tour 1974

Rory Gallagher - Live At Montreux Live At Montreux

 晩年のライブまで全くしの衰えを見せることなく熱い魂そのままでギターを弾き続けていた人で、その人生の不器用さと言うかまっすぐなプレイスタイルは全く変わることなく密やかにそして真のロックファンを魅了し続けてきたものだ。アルバムはいくつもリリースされているし、当然作品毎に苦労話やスタイルはあったようだが一貫して熱いギターを聴かせることに変わりはなく、言い方は悪いがスタジオ盤では彼の魅力が発揮できたとはとても言い難い。当然ながらロリー・ギャラガーの真骨頂はライブにあり、名盤と呼ばれるものもライブ盤がまず挙げられるものだ。自分もいくつもスタジオ盤を聴いたのだが、やはりこの作品「ライヴ・イン・アイルランド」が一番好きな作品になってしまうものだ。

 前年に名作アルバム「Tattoo」をリリースし、それを受けてのツアー、しかも故郷であるアイルランドツアーからの収録のため気合いも入るというものだ。初っ端から滅茶苦茶熱いプレイでグイグイと引き込まれていくし、ライブステージの状況が容易に想像できるような激しいサウンドはギター好きには堪らない。近年DVDでもリリースされているのでこれを見るのも絶対にオススメだが、やっぱり想像通りに髪を振り乱し目を閉じて恍惚とギターと心中している姿を楽しめるものだ。

 このライブアルバムアナログ時には二枚組の作品だったんだけど今はもちろん1CDに収録されているし、挙げ句ジャケットまで変わっているというもんだ。アマゾンで探して一瞬わからなかったけど、まぁ、それでもいいんだろう。アルバムの価値に何ら変化を及ぼすものではないだろうから。背景ではアイルランド紛争の影響がかなり大きい時代なのでより一層ステージへの波及効果もあったんだろうなぁ。

 まぁ、何でもいいや、とにかく滅茶苦茶熱くてかっこいいライブアルバムで、聴かなきゃ損なロックスピリッツ満載のサウンド。映像と共に楽しむべしっ!

Gary Moore - Wild Frontier

 以前別のアルバムで記事を書いた時にご来訪の方々から多数ご推薦をされまして、聴いていなかったことを大いに反省せざるを得なかったアルバムをふとしたことで入手したのでついでに書こう~って(笑)。いや、単にユニオンのアナログセールコーナー見てたら100円で売ってたから買っただけなんだけどさ。ちなみにCDでもアナログでも大して気にしないで買ってしまうので大抵はアナログになる。なぜなら安いから(笑)。で、気に入ったら結局CDも買ったりっつうのはいくらでもあるんだけど、まぁ、ここの所はそこまで行く作品って多くないかなぁ。自力でアナログからiTunes=iPod行きにしているからだろうけど。いや、この作業も凝り始めるとキリがないんで自分的には全然凝らないでナチュラルに取り込んで切り分けてオシマイっつうだけなのでノイズはブチブチ入ってたりします。ま、自分しか聴かないのでいいかな、と。

Wild Frontier Out in the Fields: The Very Best of Gary Moore

Gary Moore - Wild Frontier Wild Frontier


 そんなことでゲイリー・ムーアのアイルランドへの回帰アルバム、そして自身を振り返る意味もあって原点回帰と言われた作品。想像していたよりもアイルランド色が強くなくってちょっと意外だったんだけどそれはそれとしてアルバムの、というか曲毎の気合いの入れ方が凄いなぁと。当然ながら各人にお勧め頂いた「Gary Moore - Wild Frontier - The Loner The Loner」というギターインストゥルメンタル作品の素晴らしさにはかなり感動しましたな。「Gary Moore - Ballads & Blues 1982 - 1994 - Parisienne Walkways パリの散歩道」と同じ路線なんだろうけど、コッチの方が情感豊かなギターを弾いているよね。音色もテクニックも含めて。すげぇな、この人。こういうのやらせたら天下一品だもん。聴いているとついつい握り拳になっちゃうっつうくらいの熱さが堪らないねぇ。アルバム全般では当然ギターを弾きまくっているのでギタリスト的にはかなり心地良いんだけど、面白いのは「Ovet the Hills And Far Away」なんて言うZepの名曲と同じタイトルを付けてくる恐い者知らずの曲なんかでも聴けるように、ギターフレーズをフィドルと絡めたり旋律にアイリッシュフレーズを混ぜてきたりと瞬間瞬間にアイルランドフレーヴァーがかかっているっつうやり方になってて、他の人には出せない味付けが魅力的なんだろう。ただし最後の「Johnny Boy」なんてのはモロにアイルランド民謡から引っ張ってきているモンだな。

 どうにもシンセドラムで作られた作品らしいんだけどそれほど気にならないのでやっぱりよく作られているアルバムだな~って。結構気に入ったのでしばしコレ聴く機会増える予感♪ちなみにアナログで購入しているのでボーナストラック全てなし。まぁ、いいんだけど、この時期の作品なのか本田美奈子に提供した「愛の十字架」とかが加えられているCDが一般的らしい。

Ozzy Osbourne - Black Rain

 何気に本ブログへの登場回数の多いオジー・オズボーン。つい先日新作アルバムがリリースされたばかりなので早速聴いてみた♪ 昔から特にオジーへの思い入れがあるワケではないんだけどこの何年かでオジーへの興味が割と高まってる気がするな。やってることが面白いからなのかもしれない。話題作りの上手さとかも含めてどこか愛嬌を感じるんだもんね。まぁ、音に直接影響があるワケじゃないんだろうけど、イメージ的にはかなり○だな。
ブラック・レイン

 うん、ジャケットがなんか雰囲気違う気もするんだが、タイトルは「ブラック・レイン」…松田優作最後の作品になった映画のタイトルと一緒でジャケのイメージもどこか被る…、それは多分気のせいだと思うんだけど、「黒い雨」となればこういうイメージになるんだろうな。しかしジャケのオジー怖いなぁ(笑)。

 メンバーにはザック・ワイルド全面協力ってことでかなり重くてワイルドなギターサウンドが核になっている作品だと思う。オジーの歌も別に年取ったとか感じることはなくって相変わらずのオジー節だし、今の時代のヘヴィメタリックサウンドの主と言わんばかりの存在感は見事なモノだよね。ザックが大人になってしまったのかギターソロ中心の作品が少なくてギター小僧的には少々物足りないんだけど、曲を占めるギターのリフの洪水がそれを解消してくれる。そしてなんともキャッチーな「I Don't Wanna Stop」…と呼ばれるチューンなんだが、こんなメロディアスというかポップな曲を歌ってしまうオジーって一体どうしたんだい?と思わずにはいられない。いや、別におかしくはないんだけど不思議な感じがするよな。そしてベースには噂になった元メタリカのジェイソンではなくってロブ・ゾンビにいた人が配されているみたいで、少々残念、というかやはりシャロンの話題作りのためだったんだなぁと彼女のマネージメント力に脱帽。

 うん、全体的にはやっぱりハードロック魂全開のオジーらしい作品だと思うし、今の時代にずっしりと響く音だと思うからかなり良いと思う。ポップ調はバラードももちろんあるし一般のリスナーでも聴きやすい仕上がりだしね。

Supertramp - Breakfast in America

 しかしまぁ、飽きもせず毎日飲み歩いているとやりたいこともできないもんだ。しゃあないんだけどそれからも情報が一杯はいるワケでだからこそこのブログの元ネタも広がるっつうもんだ(笑)。で、まぁ、ここのところ英国ヘンなポップ集で進んでいるんだが、ネタとしては幾つも思い付くものの聴いている時間が少なすぎるっ!ホントはさ、ケストレルとかセイラーとかパイロットとかスタックリッジなんつうのもやりたいんだよなぁ…。が、しょうがない、少しでも楽しめるモノを聴いていくしかないってことで、本日のお題…、ん?どこかのサイトみたいな書き方(笑)<papini嬢に感化されてる?

Breakfast in America Crime of the Century

 スーパートランプ。活動経歴は古くて、元々プログレッシブバンドとして位置付けられていたこともあるんだな。ただ、単なるプログレッシブバンドにしてはやけにポップな曲調があって一重にジャンルに括れないバンドの代表格でもある。三枚目の「Crime of the Century」がその筋ではメジャーな作品と言われているんだけど、これはアルバム全体感としての評価が大きい。もちろん面白いんだけどさ。が、このメジャーなポップアルバムの流れだともちろん「Breakfast in America」っつうアルバムだよな。ここで一気にアメリカ市場を制圧したことで素人目にはアメリカのバンド、みたいにイメージされているのも事実。聞く人が聴けばどう聴いてもアメリカのサウンドではないんだけどなぁ。英国のキッチュなポップさでしかあり得ないよね?

 しかしまぁ、ここまでポップな作品っつうのが作れるものかね?って言うくらいキャッチーでポップな作品、それでいてよく出来ているっつうプロ中のプロなアルバム。英国的シニカルさとしてアルバムタイトルはともかくアルバム冒頭の曲からして「Goodbye Hollywood」だぜ(笑)。これを単純に受け止められるのがアメリカの凄いところなんだが、これがまたよく出来ていてさ…。で、もちろん好きなのは「Goodbye Strangler」っつう三曲目の作品♪ 美味しいところ全てを集約したような曲でキャッチーなメロディとサビ、更にはリフレインで印象付けてコーラスワークを駆使してテンポチェンジするっつう聞き手を絶対に飽きさせない手法が完璧に収まっている。それはもちろん他の曲にも使われていてね、今聴いても滅茶苦茶新鮮。こういうのポップっつうんだよな。素晴らしい。

Sparks - Kimono My House

 スパークス、って知ってる?まぁ、知ってる人は知ってるだろうけど、多分このジャケットのアルバムしか知らない人多いハズ…いや、自分もそうだから(笑)。この辺のニッチでキッチュなサウンド系ってのはさ、ロックの歴史を紐解いていてもなかなか巡り会わないし、ロック的見地から書いている論評だと決して推薦盤なワケではないのでやっぱり後回しになってしまうものだったのだ。そう、だから聴くまでに時間がかかるのだ。後追いはツライんだよね、こういう時さ。しかし一度コイツを聴いてみればわかるんだが…、凄いインパクト(笑)。え?っていうくらいにジャケット通りと言うか意表を突くと言うか…。

Kimono My House Propaganda
Sparks - Kimono My House Kimono My House

 このバンドってそもそもロサンゼルス出身のバンドメンバーが結成したバンドが母体になっていて、アメリカではあまりにもきわど過ぎるのか、英国の方がウケると踏んだのかロンドンに飛んできたらしい。そこで1974年になってリリースされたのがこのキワものアルバム「Kimono My House」なワケで…、いやぁ、とにかくこのテンションの高さは追随を許さないくらいのレベルでそのテンションだけでやられた~ってなる。ある意味ミッシング・パーソンズみたいなモンなんだけど、時代は1974年だからなぁ、すごい。これをポップだと言う評論をよく見かけるのだが、どうだろ?ポップと言えばとんでもなくポップなアルバムなんだが、個人的にはキッチュという言葉で評したいところだねぇ。ここのところ書いてるのはどれもこれもキッチュロックって感じでさ、ポップなんだけどヘン、そしてロックにしてはポップすぎる、みたいな…、そこに少々変態性が入ってくるっつう面白さ。

 スパークスのこのアルバムも全てがハイテンション、そして驚くことについ昨年に再結成して来日公演なんてやってたんだね。そりゃ往年のファンは行くだろうけど冒頭に書いたように各アルバムからの選曲なんて全部知っている人少ないんじゃないだろうか?いくつかアルバムリリースされているみたいだしさ…。

 うん、今の季節こういう脳天気なのを聴くのは良いかもしれない♪

Cockney Rebel - The Psychomode

 一括りにグラムロック的アーティスト/バンドとして括られることで大いなる誤解を生んだままというバンドは幾つもあるんだろう。グラムロックっつったって緒戦は70年初頭に出てきたものなので、当然英国内の音楽シーンではまだまだ発展途上中だったため、ジャンルで括れない人も数多くいたと言うことだ。まぁ、それでもロックンロール寄りのバンドだったりポップ寄りのバンドだったりはするワケで、そもそもグラムロックっつうものを音楽では括ろうとすること自体が難しい選択で、どちらかと言えばファッショナブルなラインで括るべきだろう。音的にはあまりにもどれもこれもが違い過ぎてる(笑)。

The Psychomodo ヒューマン・メナジュリー
Cockney Rebel & Steve Harley - The Cream of Steve Harley & Cockney Rebel The Cream of Steve Harley & Cockney Rebel

 そんな中、被害に一端を被ったバンドにコックニーレベルっつうのがある。スティーヴ・ハーレー率いる、と言った方が懸命なんだろうか。中でもグラムと言うかニッチなポップ路線っつうか…、デカダンの走りと言うか…、こういうのも英国ならではなんだろうなぁ、としか言えない、敢えて言うならばロキシーミュージックとか同じなんだろう。このワケの分からないポップさとニッチな香り…。キッチュっつうべきなのか。いやぁ、昔少し聴いた時期があったんだけどどうにもロックじゃなくって面白くなかったバンドのひとつ(笑)。久々に聴いてみると…、へぇ、英国的で面白いじゃん。こういうのこそまだまだ楽しめるものなんじゃない?って感じで割と喜んで聴いてます。ファーストアルバム「ヒューマン・メナジュリー」は割と耽美系ってことらしいけど有名なのはセカンド「The Psychomodo」かな。邦題「さかしま」ってよくわからんのだが(笑)、まぁ、これが良いんだな。う~ん、今ならキンクスのレイ・デイヴィス風センスと言えるんだろうけど、それだけで英国的でしょ。ポップでキャッチーで且つどこか冷静にヒネてる、みたいな。でもメロディセンスは抜群っつう…、いいなぁ、こういうの。日本ではあんまりウケないんだろうけど、良い曲揃ってます。

 …が、これでこのバンド終わりなんだよね。以降はスティーヴ・ハーレー&コックニーレベル名義になるんだね。以降は聴いたことないのでわからんけど、このまま場末のライブハウスあたりでやってるなら結構聴いてみたい気がする、しかも英国のパブかなんかでね。そういう人かなぁ。

10cc - The Original Soundtrack

 うん、まぁ、なんだ、たまたまアナログレコードの棚を漁っててシルバーヘッドを引っ張り出したら一緒に出てきてしまったので、これも久々に聴いてみるか、ってことで聴いていた10ccです。音楽ジャンル的には何になるんだろうねぇ、こういう人達は。多分一般的な英国ロックとかポップスとかって棚に入るんだろうけど…、やっぱり天才的な才能を持った人達による音楽ってトコなんだろうなぁ。ちなみに自分的には10ccってバンドはコレ一枚くらいしかまともに聴いてない…っつうかこの一枚はすごく聴いているんだけど他の作品には手を出していないってとこか。何でだろ?多分大人になったら聴こうと思ってたんだろうと思う(笑)。

10cc ? オリジナル・サウンドトラック+2 How Dare You!
10cc - The Original Soundtrack The Original Soundtrack

 んなことで、架空のサウンドトラックアルバムとして最も有名な「オリジナル・サウンドトラック」。こういうネタってのはちょっと知性的なバンドだとあったりするので取り立てて珍しい企画ではなかったみたいだけど、音楽的には凄く新鮮に響いたなぁ、これ。まずはサウンドトラックとしての趣旨もキチンと最初の導入部…パリでの出会いのシーン、から有名な「10cc - The Original Soundtrack - I'm Not In Love I'm Not In Love」へと繋がって、素晴らしくポップでキャッチーで聴きやすいサウンドがあれよあれよという間に時間を過ぎ去らせてくれるんだよ。まぁ、コンセプトアルバムっつう方が適切なんだろうなと思うが、それにしてもよく出来ている。アルバムリリースは1975年なんだよな…、いや、聴いているとクィーンを彷彿とさせるコーラスワークも見事なものなので、多分「Queen - Queen: Greatest Hits - Bohemian Rhapsody ボヘミアン・ラプソディ」による影響なのかなぁとかさ、考えちゃうワケさ。

 英国のゴドレー&クリームという面々とエリック&グラハムっつうポップな仲間が一緒に組んでるバンドなのでその融合性が見事に作品に生きている、と言われている(笑)。あんまりこの辺のポップでキャッチーな世界を通ってないんだよ、だからそう言われてもピンとこなかったりしてね(笑)。この作品を気に入ってるのは最初の曲がものすごくボードヴィル的な雰囲気を持っていて、そういうのが凄く色っぽくて好きなんだ。そういう香りをさせる音ってあんまりロックの世界では聴くことがないので不思議感覚いっぱいだからさ。

 しかしまぁ、どこからどう切っても英国的センス満載のバンドだな(笑)。

Silverhead - Silverhead

 我らがグラマスロックと言わんばかりに当時は凶暴さと美学を体現していたバンドと言えば何と言ってもシルバーヘッドでしょう。他のグラムロックバンドがどこかおもちゃのような、そしてコミカルなイメージがあったとは正反対に古くからのロックンロールを踏襲したトゲのある、そして毒のあるロックンロールバンドだったシルバーヘッドはグラムロックのカテゴリに括られなければもうちょっと息の長いバンドになったんじゃないだろうか。ニューヨークドールズのような毒々しさをもったこのバンドは当時日本では大いに受け入れられたと聞く。うん、そうだろうなぁ、それで日本独自のライブ盤が二枚も出ているワケだし。そんな最高のロックンロールバンド、シルバーヘッドのファースト、行ってみよう♪

Silverhead 熱狂のライヴ(SHOW ME EVERYTHING) 16 and Savaged

 もうねぇ、最初っから飛ばすよっ!基本的にこのバンド、どこからどう切ってもテクニカルではないシンプルでダーティなロックンロールを演奏するバンドで、それでもどこかキャッチーな面は残しているしケバさが音にも出ている。なんつうかね、ノリが凄くワイルドで大きなノリなのでついつい体が持っていかれるようなロックンロール。うん、このノリがロックンロールの中でも一番好きかな。最初の「Long-Legged Lisa」からそんな独自のノリで引っ張っていくし、続く「Underneath the Light」でもノリは変わらずなのでかなりゴキゲン。このアルバムってメンバー募集してから6ヶ月でリリースされているっつうからバンドとしての上手さっつうのはあんまり出てないけどバンド感が凄いある。しかしベースのグルーブとラインはかなりインパクトあるしセンスもあって結構耳がそっちに吸い寄せられる。盛り上がってくるとベースでも引っ張るんだもん。結構特徴的。で、3曲目シングルヒットにもなった「Ace Supreme」。こうして並べられるとそれほど突出した出来というワケでもなく…と言うか、ここまでの曲のどれもがシングルヒットしてもおかしくないレベルのノリだったりするので違和感ないだけかも。そして美しきアコースティック曲「Johnny」。マイケル・デ・バレスの生の素晴らしさが一番発揮されている曲でやっぱり英国人なんだなぁと思う旋律がさすが。ご機嫌なロックンロールって言えばB面最初の「Rolling With My Baby」もいいね。こうして聴くとどれもこれもがキャッチーなロックンロールでまったく時代がもうちょっと早ければなぁ、と思う。まぁ、そしたらドールズいなかったからこうはならなかったんだろうけど。それは最後の「Rock And Roll Band」っつうそのままの曲にも言える話だね。

 う~ん、やっぱロックンロールはこうじゃなきゃいかん。日曜の昼下がりにガンガンとコイツを書けているとエラク心地良くてノリまくってしまったぜ(笑)。願わくば彼等のライブ映像でも見てみたいものだ。どこかDVD出してくれないかなぁ。ライブCDだったら日本独自企画で75年に一枚、2001年に一枚出ているワケだからやっぱりDVDも日本からリリースしてもらいたいなぁ。紙ジャケでの「電撃のライブ」も出して欲しい。未だに未CD化作品なんて数少ないでしょ。是非是非♪

Sweet - Give Us A Wink

 グラムロックバンドの一角として英国では割と有名になったものの、バンドの実質的なサウンドとして確立されてきたのはアメリカマーケットを意識し始めた1975~6年あたりで、何と言っても最大のポップソング「Action」に尽きるのだろうが、その実バンドの歴史は古く60年代末期から存続していたようだ。しかも驚くことに当時のバンドメンバーにはイアン・ギランやロジャー・グローヴァーが参加していたワケで、どっちかっつうとパープル人脈へと派生するものだったのだ。1976年頃のライブにはリッチーが飛び入りでギターを弾いたという実績もあって、バンドのイメージと大きく異なるパープルとの兄弟的人脈。う~む、これだから英国は恐ろしい(笑)。

Give Us a Wink Desolation Boulevard ヴェリー・ベスト・オブ・スウィート

 そんなスウィートの数ある作品っつうかシングル曲をまとめて聴くにはもちろんベスト盤が一番であれやこれやと多数リリースされているので適当に入手してみるのが一番なんだろうけれど、ここは一発大ヒット名作アルバムで進めてみよう♪ 「Give Us a Wink(邦題:甘い誘惑)」なんてのが一番だろうなぁ…それと言うのもやっぱり「Action」に尽きるんだけど、何のかんのとサウンドが一番しっかりしているような気がするもん。しかし、このバンドの音に触れたことのない人には是非お勧めしたいんだけど、驚くばかりのポップさと明るさと軽さキャッチーさには全く度肝を抜かれるはず。いわゆるロックバンドと呼ばれるバンドでここまで軽いノリっつうのをきちんとした歪んだギターを使っているにもかかわらず出せるバンドはまず、ない。踊りたくなるくらいユーモラスで軽快なノリ、そして全くクィーンばりとも言えるキャッチーなコーラスワーク、堪らん(笑)。今の時代、こういうのウケるんじゃない? その実結構ハードロック的な音だったりするんだけど、とてもそんな風には聞こえないという特徴を持っているし、かと言って演奏なんかも別にそこそこなものだしね。たまに聴くと凄く楽しくなってくるバンドのひとつ。

 う~ん、やっぱシングル曲を集めたベスト盤とコレがあればいいのかなぁ。この前のアルバム「Desolation Boulevard」もかなり良質な作品で正直云ってこの二枚あれば十分に事足りるとは思う。グラムロックって一体どんな定義なんだろうねぇ…。まぁイメージとかルックスの方が重要視されるバンド群って感じなんだろうけどさ。しかしルックスも全然良いとは思えないしな(笑)。昔高校生の頃、このバンドの名前を知ってレコード屋を駆け巡ってようやく入手したのが二枚組のベスト盤で、今思えば結構色々と詰め込まれたアルバムなんだけど、当時それを二回くらい聴いて、とてもロックに思えなくて全然受け付けなかった。それ以来このバンドは全然手を付けなかったんだけど、とある時Beat Clubか何かを見ていてえらくゴキゲンで面白いバンドがあったので見てたらスウィートだった。それでまた聴き直したというパターンだね。それでも今回久々に聴いたんだけど…、意外と面白い(笑)。ちょっと気分直しには最適なバンドかもしれんな。

Paul Rodgers - Live In Glasgow

 しかしとにかく元気な人だ。60年代からロックシーンに登場してきて今でもバリバリに現役でしかもまだまだ全盛期と言わんばかりのその声量と歌の巧さと言ったら他のジジイロック連中とは比べモノにならないくらいの現役度なのだ。そして活動の幅も広がる一方でファンを魅了して止まない最高の歌い手の一人と言えるポール・ロジャース。ついこないだにはクィーンとの合体というセンセーショナルな話題と共に来日公演を果たし、しかもそれがフレディ・マーキュリーを完全に塗り替えてしまうくらいのパワーで迫ってくるという圧倒的存在感によってクィーンの曲をクィーンのメンバーをバックに従えたポール・ロジャースのソロライブという図式にしてしまったし、かと思えばその後すぐにサマーソニックに単独で来日し、今度は自身のキャリア総括的な、しかも今まであまりライブでは聴かれなかった曲を率先して選曲したかのようなチョイスでライブを果たし、その模様はスカパーで放送されたので見れた人も多いだろうし、何も期待せずに見ていた自分的にはかなり驚いた次第だ。なんせファームの曲まで持ってくるとは思わなかったもんなぁ。

Live in Glasgow Live in Glasgow (Dol Dts)

 そんなポール・ロジャースがそのライブの延長か、最新作では2006年にグラスゴーで行われたライブアルバム「Live in Glasgow」をリリースした。もうじきDVDもリリースされるみたいなのでそれも気になるんだけど、まずは音を聴いてみたのだ。う~む、やっぱり相変わらずっつうか、凄いよなぁ、この歌の巧さと声量と迫力は。しかもライブで歌われた曲目を見てもらうとわかるんだけど、正に往年の名曲のオンパレードでサマソニ公演での意外性ほどではないけど万遍なく網羅してる…っつうかもう一度フリーというバンドにスポットを当てているような感じだよね。バドカンからの曲は恒例とも言えるけど、フリーの曲をここまで歌うのってそうそうなかったような気がするもん。まぁ、名作「マディ・ウォーター・ブルーズ」アルバム以降の十数年間のライブはあまりよく知らないので実際はどうだったのかわかんないけど、ここで聴けるのは正に一人フリー状態。しかも全盛期よりも歌に磨きが掛かっているのでもの凄くこなれているんだよね。

 ただまぁ、音的な違和感としては最先端のギターの歪んだ音なのでやっぱり最近のハードロックみたいな音が鳴ってるのがニール・ショーンと一緒にやってる時なんかもそうだけどかなり耳についてしまうんだよね。しょうがないけどさ。もうちょっとフリーマニアなギタリストとかベーシストを集めてプレイすればいいのになぁと思ってしまう。まぁ、あの個性を再現できないことが分かっている時点でまったく新しいアプローチで曲を復活させるというのも分かるんだけどさ、ファンってのはわがままだよなぁ(笑)。しかしこのライブ盤、今のポール・ロジャースの歌が完全に詰め込まれたもので最後まで声を枯らすこともなく完璧に仕上がっている見事なアルバムで、素晴らしいな。今後も色々な試みに挑戦してもらいたいなぁ。

Ian Hunter - Ian Hunter

 圧倒的なカリスマと共に仕事をすることの多い、そしてそのカリスマに気に入られる程の美男子…と云うのか好青年と云うのか、どうにも不思議な存在が、そして大してギターの腕前も優れているワケでもないのに重宝がられるというミック・ロンソンだが、デヴィッド・ボウイという稀代のスーパースターとの仕事でロック界の貴公子としてもてはやされ、その後も伝説的ですら合ったモット・ザ・フープルにミック・ラルフスの後釜として加入、そして更にユニークなことに、そのモット・ザ・フープルの圧倒的カリスマだったイアン・ハンターがバンドから離脱する際に引き連れていったのもミック・ロンソンだったワケだ。この二人はミック・ロンソンが亡くなるまで続いていた友情で、かなりウマがあったようだ。

Ian Hunter You're Never Alone with a Schizophrenic Just Another Night: Live at Astoria

 そんなイアン・ハンターが1975年にモット・ザ・フープルを脱退して最初に作ったアルバムがセルフタイトルの「Ian Hunter」というアルバム。自分が探していたアナログ時代にはほとんど見かけたことがないアルバムで、こんなジャケットだったんだなぁとしみじみCD時代になってから痛感する一枚でもあるんだけど、およそイアン・ハンターらしくはないジャケ。でもねぇ、やっぱりモット・ザ・フープルの顔だったイアン・ハンターのファーストソロアルバムなワケで、そもそもこういう音を続けたくてバンドを離脱したワケだからこの人のソロ作品が最もモット・ザ・フープルに近いサウンドになるのは当然と云えば当然のことで、これこそモット・ザ・フープルの音楽性だろ、と突っ込みたくなるくらい。強いて云えばちょっと垢抜けたっつうかイアン・ハンターらしさが出ているってトコかな。冒頭の「恨みつらみのロックンロール」だっけ?凄い邦題だよなぁと思うんだけど、確かそんな感じだったと思う。以降彼の代表曲になっていったしね。正にモット・ザ・フープル調の軽快なロックンロールで妙なテンションの高さも良いねぇ。別に誰にでもオススメっていうアルバムじゃないけど、こういうのにハマっていくとロックンロールの面白さって倍増するような、ね。

 この人って多分凄く繊細で優しい人なんだろうなぁって思う。だからロックンロールやってても軽さもあるししなやかなんだよね。で、この後の「You're Never Alone With a Schizophrenic」っていうアルバム…これが一番有名だと思っているんだけど、こいつでは更にその優しさってのが出ていてさ…、モット・ザ・フープルってもっと攻撃的なバンドじゃなかったんかい?って思い直すくらい秀作でね。うん、この人の名義だとDVD出てるんだな、これなら簡単に見れるのか…。

Mick Ronson - Slaughter On 10th Avenue

 この系統で同じ空気と時代を歩んできたギタリストと言えば、やっぱりミック・ロンソンを於いて他にないだろうなぁ。ミック・ラルフス脱退後のモット・ザ・フープルに派手派手しくギタリストで参加したことからイアン・ハンターのソロ活動に至るまでパートナーであり続けた稀代のギタリスト、正に唯一のグラムロックギタリストとして活躍した美形のオトコなのだ。もちろんギタリスト的なテクニックや音楽的な才能というものはあまり評価されることはないのだが、アイドルと同じくその存在感とルックス、そしてある種のカリスマ性が時代にマッチして、ひとつのアイコンとして存在していたのだ。そんな彼がボウイの元を去って最初にリリースしたソロ作品が「スローター・オン・10th・アベニュー」だ。

スローター・オン・10th・アベニュー(紙ジャケット仕様) プレイ・ドント・ウォリー(紙ジャケット仕様)

 ボウイとの共作曲やボウイ名義での未発表曲、そしてボウイが歌詞を付けた曲などボウイの全面的な協力なしにはできなかったであろうこのファーストアルバムは数多くのカバー曲で占められていて、裏名盤としてアナログ時代にはそれこそかなりの高値で取引されていた一枚でもあるのだ。CDになった時に最初は悪名高きGolden Yearsレーベルからのリリースでファーストとセカンドの「プレイ・ドント・ウォリー」が一緒になった二枚組だったんだよね。んで、こぞってそれを入手して初めて聴いたんだが…、こんなもんかぁ…って思ったのが正直な感想(笑)。いやぁ、別に悪くないんだけど…っつうか今聴いたら全然悪くない。ただ、カバー曲とかは面白いんだけどミック・ロンソンの曲はまいったな(笑)。センスないだろ、これ、とか思うのだが(笑)。いや、それはまぁ置いとこう。そしてギターもあれほど弾きまくってなくてもっと曲に合わせて弾いているっつうか、およそギタリストのソロアルバムらしくない作品に仕上がっていて、意外とこの人の歌って切なく聞こえたりするので歌モノとしても悪くないんだよね。かなり味があるのでエルビスの「Love Me Tender」でもなかなかだし、イタリア人のルチオ・バティスティの曲にボウイが歌詞を付けたという「Music Is Lethal」なんてのもかな~りよろしい感じ。まるでボウイが呟いて歌っているかのような曲で、滅茶苦茶素晴らしかったりする…アレンジもアコースティックとバイオリンがイタリアンでこのアルバム最高の作品じゃないかと思うのだが…。まぁ、そういう意味ではボウイとの共作でもある「Pleasure Man / Hey Ma Get Papa」なんて曲もどこかイタリアンな香りがする曲で面白いな…。なんか久しぶりに聴いたら悪くないじゃん(笑)。アルバムタイトル曲にもなった「Slaughter On 10th Avenuee」もヴェンチャーズのヒットが有名らしいんだけど、ようやくミックのギターがまともに聴ける曲で、もっともっとこういうの入れればよかったのになとも思うけど、多分この頃のミックはアーティストとして独り立ちしていくという思いが強かったんだろうな、そう考えるとこのアルバムの出来映えも納得するし、かなりのクォリティではあるよな…。

 …とまぁ好き嫌いも含めて色々書くんだけど、アルバム最後まで聴いた後には妙に心地良さが残る作品なのでやっぱ優れたミュージシャンだったんだろうか。何故か疑問が沸くんだけど圧倒的なヒーローのはずのミック・ロンソン。まだまだ裏名盤を堪能しまくってないってことかなぁ。

Mick Ralphs - Take This!

 ちょろっとミック・ラルフスが続いたのでソロアルバムなんつうものに手を出してみよう~。随分昔になるけどモットやらバドカンやらを聴き始めた頃に当然の如くメンバーの名前とかソロアルバムの有無とか過去の経緯とか分かる範囲で調べるワケだよ。もちろんその頃はインターネットなんてないワケで、調べるっつってもタカが知れていた。レコードに入っているライナーが一番頼りだったけど、それ以外でも色々とまとまったロック本なんてのはあったから結構重宝したし、ギター雑誌やプレイヤー誌なんかでも結構色々なバンドの特集をやっていたりしたのでそんなのでちまちまと情報集めしてたな。それでミック・ラルフスもソロアルバム出してるってのを知ったんだけど、これがねぇ、なかなか見つからないんだよ、当然ながら。

It's All Good That's Life

 そんな最初のソロアルバムは1984年リリースの「Take This!」なのだが、時期的にはバドカンからポール・ロジャースが脱退した頃にサイモン・カークと共に作った作品ってところか。他のメンバーにはあまり有名な人が参加していないので趣味的に作ったんだろうな。音の方は結構さっぱりと軽快ロックを奏でていて、自分で歌ってる。モットの頃から自分で歌っている人なんだけどここでようやくフルで歌ってるのだが、まぁ、線が細い感じなので歌向きではないのかな、っつうかバックがハードなロックだとちと大変そうなのだ。だからなのかこのアルバムはそんなに重くてハードな曲は入っていなくて、どっちかっつうと大人のロック(笑)。いや、多分この頃に本人が好きだったと思われるフュージョンっぽいのもあったりして不思議。弾ける人だからそういう曲があってもおかしくないけどさすがにソロ作品じゃないと出せないだろうなぁ、こういうのは。他はもうアメリカナイズされまくったサウンドで一方では80sポップスがガンガン売れていた頃に一人でこんなソロやってるんだから面白い。まぁ、ロックだからな(笑)。

 それで結局新宿レコードでようやくこのアルバムを売っているのを見つけて購入、2,800円だった記憶もしっかりあるんだな。まぁ、何回も聴いてないのだが久々に引っ張り出したよ。懐かしいなぁ~って思いながら聴いてたんだが(笑)。それで今アマゾンで見てみるとなんとCDではジャケットが変わっているのか?しかもこの訳の分からないボーナストラックの山は何なんだ?う~ん、恐るべしCD産業。もちろんそこまでして揃える気力があるワケじゃないので良いのだが…。そして面白い発見は彼がそれ以降1999年頃にまたソロアルバムをリリースしていたっていう事実に気付いたこと。何だこのアメリカンなジャケットは(笑)。なかなか楽しみな作品を出してるねぇ…と。気になる方、購入後感想をお知らせ下さい(笑)。「It's All Good」「That's Life」なんてのがある。

Bad Company - Straight Shooter

 ミック・ラルフス最大の貢献バンドと言えばやっぱりバッド・カンパニーだねぇ。貢献バンドと言ってはいけないのだろうけど、後追いロックファンからしてみるとどうしてもポール・ロジャースの圧倒的な歌声の存在感がダントツで、その他はそのサポート、みたいに見えてしまうんだな。いや、当時はスーパーバンドって云うことで騒がれたのは知ってるんだけど、やっぱりそうやって見えてしまう。それと云うのもミック・ラルフスもそれほど目立つギタリストかというもんじゃないし、ボズ・バレルにしてもやはり地味だし、サイモン・カークも同じく。ただ、別にそれが悪いっていうのではなくってそういうカラーで彩られたバンドだからこそよかったんだよね。

Straight Shooter バッド・カンパニー(紙ジャケット仕様) Run with the Pack

 最も有名なのはやっぱり話題性の高かったファーストアルバムで、スカッと抜けたアメリカ志向のサウンドは大いに受けた。そしてこのセカンドアルバム「Straight Shooter」もまたファーストアルバムと同じ路線のまま間を開けずにリリースされたものなので、その音楽性は変わっていない。云うならばファーストよりも更に粒揃いの曲が多いとも云えるかな。一般的なファンはここまでがバドカンだったりするんだろうな。三枚目以降はもちろんファン的には聴くんだけどどこか音楽性が不安定というのかまとまりのないアルバムになりつつあるというのか、そんな感じなので、バンドとしての一体感があるセカンドアルバムまでは結構良いと思う。

 初っ端からご機嫌な曲が二発続くし、しっかりとミック・ラルフスのギターもモット時代よりも更にハードにドライヴしているし、ポール・ロジャースの歌はかなり垢抜けてブルース歌手というものからロックシンガーと云うような歌い方に成熟しているしね。この頃のポールって凄く充実してるよなぁやっぱり。曲もカラフルだし、歌も一生懸命歌うんじゃなくって味を出した歌い方になってるし、多分あれこれと楽器もやってるだろうからなぁ。確かこのアルバム出してツアーやってる最中にフリー時代の親友ポール・コゾフが亡くなってしまって、ライブ前には誰も教えてくれなくて終わってから聞いたってことで激怒したとか。一方ではフリー時代よりも更にスターダムに昇っていったにもかかわらず、他方では天に召されてしまったという対極のロックスター達。そんな想いを馳せて名曲「Shooting Star」を聴くとね、ミック・ラルフスのギターソロが良い味出してるんだよねぇ。

 まだまだこのバンドが青春という人も多いだろうし、これから聴く人も多分ロックというものの面白さを味合わせてくれる重要な英国ロックバンドだからね、いいよ。

Mott The Hoople - All The Young Dudes

 グラマラスな香りを匂わせながらその実かなり暴力的なイメージをも発散させていたバンド、今でもあまりその全貌が知られていない不思議なバンド、そしてデヴィッド・ボウイ全盛期でもあったジギー時代に気に入ったバンド、そしてライブツアーではクィーンを前座に従えて悪さの限りを尽くしたと言われるバンド、更にはクラッシュのミック・ジョーンズ敬愛のバンドでもあり数多くのパンクバンドのシンボルにもなったバンド、そしてミック・ラルフスと云ういぶし銀のギタリストを輩出したバンド…、モット・ザ・フープル。

すべての若き野郎ども オール・ザ・ウェイ・フロム・ストック・ホルム・トゥ・フィラデルフィア:ライヴ71?72 華麗なる煽動者~モット・ライブ(紙ジャケット仕様)
Mott the Hoople - All the Way from Stockholm to Philadelphia - Live 71 - 72 All the Way from Stockholm to Philadelphia - Live 71 - 72
Mott the Hoople - Two Miles from Live Heaven Two Miles from Live Heaven

 1972年の出世作「すべての若き野郎ども」。タイトル曲は云わずと知れたボウイ作の名曲。恐るべくはこれほどの名曲をいともたやすく作曲し、更にどこかパッとしないがきらりと輝く物を持ち合わせていたロックンロールバンドにポンとあげてしまうと云う気前の良さと云うか溢れ出るほどの才能。もっとも受け取る側も最初は戸惑ったらしいが、やってみると自分たちのイメージに合うということであれよあれよと云うまにトップバンドの仲間入り。その辺がクローズアップされることが多いのでバンド全体を捉えられることが少ないのも残念な話だが…、やはりこのアルバムは凄いのだ。

 アルバムの最初からルー・リードの快作「Sweet Jane」という軽快で深みのあるナンバーで今までのモットとは違った印象をリスナーに与えてくれるし、軽めの生きが良いサウンドに惹かれるってもんだ。次の「Momma's...」だってまったりとしたイアン・ハンターお得意のモット節に乗せたサウンドでかなり心地良いんだな、これがまた。んでもって三曲目に「All The Young Dudes」で毛色の変わったサウンドを聴かせるというパターン。うん、それからこのアルバムのもう一つのポイントはミック・ラルフスが歌う「Ready For Love」だね。もちろんこの後バドカンに移籍する彼の曲で、そのままバドカンで花開いた一曲なんだけど、ここで聴けるバージョンもしっかりとロックナンバー調の部分は出ていたので、モットでやらなかった理由はなんだったんだろうな、とちょっと不思議に思う。イアン・ハンターの思想からはズレていたのかもしれないね。そんなことでカバー曲以外もかなりグレードアップした曲調に聞こえるんだけど、やっぱりちょっと単調かなぁという気はするか(笑)。いやいや、それでもロック史に残す名盤というに相応しいアルバムではあると思う。

 いくつか当時のライブ盤なんてのもリリースされているのでモットの真髄を聴きたい場合はやっぱりその辺をオススメした方が良いんだろうね。「オール・ザ・ウェイ・フロム・ストック・ホルム・トゥ・フィラデルフィア:ライヴ71?72」なんてのはボウイが飛び入りで参加した時のライブを押さえた歴史的アイテムだしね。あぁ、やっぱりこのバンドの全盛期のライブ映像を見たいなぁ…。

T.Rex - Electric Warrior

 ようやく春というか初夏の気候を感じる日が多くなり些か暑いと感じるものだが、そんな時あまりにもジメジメとした英国の湿っぽいサウンドを聴きまくるというのもちと違うかなという気がして…、しかし現実にはそんなものが一番コレクションを占めているワケでまぁ、気楽に聴けるものでもってことで何気なく取り出したのがT-Rex。普段は全然聴かないし、昔もそんなに一生懸命聴きまくるというバンドではなかったんだけど一応ほぼ全てのアルバムは聴いているようだ。好み的には初期のアコースティック時代ってのもかなりインパクトがあっていずれ取り上げたいなと思っているんだけど、今の気分ではやっぱり軽快なブギーを奏でていた時期の傑作達♪

電気の武者 スライダー タンクス

 一般的に「電気の武者」「スライダー」「タンクス」ってのはマーク・ボランの最全盛期の作品ってことでかなり好評を博していることは有名な話。そして実際に聴いてみると圧倒的にこの辺の作品のレベルが高くって、しかも聴きやすいんだな。軽快なブギとジョン・レノンのような切ない優しさを持ち合わせたアルバムという印象が「電気の武者」。2曲目の「Cosmic Dancer」が好きでねぇ…、凄く優しくて心に染み入る曲。冒頭に書いた初夏には似合わない曲なんだけど聴いてたらそれもいいなぁ~って(笑)。もちろん続いて流れてくる軽快な「jeepstar」でまたまた気分も帳消しになって軽快にノレるんだけどね。うん、このアルバムってやっぱ凄いな…。超有名な「Get It On」はこのアルバムに収録されているんだけどアルバム単位で聴くとそんなに傑出した作品には聞こえない、ってことは他の楽曲もかなり優れていたってことだ。静かな「Girl」もまた優しさを感じるし、不思議な雰囲気を持つ「Life A Gas」も名曲だよ。そんな一連のマーク節をたっぷりと詰め込んだ傑作。

 ただし何故か何回も何回も一生懸命聴けないのもT-Rexの哀しい性。多分軽すぎるんだろうなぁ、それこそが彼等の信条でもあるので好きな人は凄く好きだと思う。今となってはマークのルックスとか甘さってのはあまり全面に打ち出されてこないのでどうしてもサウンドで聴いてしまうからかな。かっこいいんだけどね、ちょっとハマりこめない、でもたまに聴くと偉く新鮮な音でこういう音を出すバンドって未だに出てきていないんじゃない?そう言うところがオリジナリティで凄いよな。なんてったって初期はパーカッションと二人で出てくるんだもん。元々アングラの人だから変わったこと平気なんだよね。売れたのが不思議だったりする人のはず。グラムロックって言ってもちょっと違うかなぁ~と思うけどね。

The Greatest Show On Earth - Horizons

 独自性の強い音楽を発揮していた時代に誰もが皆バンドを組み、才能にかかわらずやりたいことをやり通す、そしてレーベル側も何でも市場にバラ蒔いていく、そういう図式だったことは以前にも書いたことがあるが、やっぱり面白いものだ。一巡りしてまたここに戻ってきてしまうのだから英国のロックは奥深い。いや、別に繋がりなく戻ってきてるんだが(笑)。



 The Greatest Show On Earthという大層な名を持つバンドがある。レーベルはあのハーベストからリリースされていて、ジャケットはヒプノシスの強烈なインパクトを放つ目玉ジャケ。時代は1970年、全く売れてもおかしくないシチュエーションだったがアルバム二枚で消え去った。しかし残されたアルバムの輝きは以降のバンドにはなかなか出せない代物だったことはこのバンドにも当てはまるものだ。アルバム「Horizons」の出来映えがとにかく素晴らしい。最初から鍵盤中心の音を静かに聴かせてくれるが歪んだギターや管楽器、エフェクト音からドタバタドラムス、安定したベースに加えて湿っぽい歌声と英国的情緒を味わうにはたっぷりのエッセンスを保有しているバンドと言える。曲調も当然一辺倒のハズがなくメロディアスにムーディに、そして激しく展開していくアイディア満載のかなりハイクォリティのアルバムだ。

 ジャケットのインパクトはさすがにヒプノシスと思えるもので、これはやっぱりアナログで飾っておきたいけど、アナログって見たことない。幾らくらいするんだろう?ハーベストだからそんなに高くないとは思うけど結構探すのは大変じゃないかな。CDでは何回かリリースされていてデジタルリマスターまでされているみたいなのでそこそこメジャーな扱いなのだろう。手に入るウチに一度聴いておくにはオススメのバンドのひとつだね。

Julie Driscoll, Brian Auger & The Trinity - Streetnoise

 1969年混沌とした時代が終演を迎えようとしていた時、既に本格的なサウンドをプレイしていたにもかかわらずあまり表舞台に出てくることもなくあまりにもマニア向けになってしまった感のある実力派バンドがいた。ハモンドオルガンと女性ボーカルを主とした独特なサウンド世界はこの頃に英国に溢れてきたゴッタ煮バンドとは一線を画した洗練された音であり、それはもちろんブライアン・オーガーという実力のあるオルガニストとジュリー・ドリスコールというソウルフルな歌を歌える女性の成せる業だ。

Streetnoise Open

 アルバム「Streetnoise」は1969年にリリースされ、当時は二枚組のレコードとしてリリースされたためかなかなか売上げには結びつかなかったとか…。自分がレコードを探している頃も割と高値だった作品で、オリジナルが云々っていうよりも枚数的なもんなのかそこそこ見かけたけど高かったかな、と。ただ、レーベルがポリドールだった関係か嬉しいことにCD化されるのが早くて、忘れないウチに入手できたのが幸いで一時期結構聴いた。初っ端からハモンドのリフで攻めまくってくる怒濤のサウンドはまずもって唯一無二のバンドの証明か。生ギターと歌とハモンドという妙なバランス感覚がこのバンドのアシッド感を上手い具合に引き上げていて、その幻覚加減がかなり心地良い。アルバム中の効果音にそれらの影響は色濃く出ているものもあって一人でじっくり聴いているとかなりヤバくなれるかも(笑)。

 アルバム中誰でも知っている曲がひとつ入っている。当時はまだ売れてたんじゃないかと思われるが、ザ・ドアーズの「ハートに火をつけて」だ。もちろん最初から全然異なった解釈の音作りなのであの華麗なキーボードのイントロもなく、淡々とアシッドなオルガンが曲全体を圧迫してジュリーの迫力のある歌声が制する、そんな風格のあるカバーになっている、というかこれはオリジナルをヘタしたら超えているアレンジかもしれない。そう言うにはかなり勇気がいるが、これは相当なもので、彼等のオリジナルと言っても通じてしまうくらいに独自色が出ている。う~ん素晴らしい…。

 アルバム全体的にどこか牧歌的な雰囲気があるものの根底にはどろ~っとしたものが流れていて、オルガンという楽器でそれを見事に表現している。ジュリーの歌も決して派手で明るい声ではないので丁度相まって最も優れた空間が出来上がった集大成なのだろう。ちなみにプロデュースはあのジョルジョ・ゴメルスキー。だから二曲目にロシア語の曲があるのか…。

The Battered Ornaments - Mantle Peace

 時代はどんどんと遡っていってしまうのだが、変幻自在のギタリスト、クリス・スペディング氏にもそれなりの玄人経緯があってこそ職人芸とも言えるギタリストになったんだろうと言うことでそのルーツの一部を漁ってみることに。なかなかマニアックな領域に入っていくのでGWあけの週半ばには丁度良いかな(笑)。

Mantlepiece A Meal You Can Shake Hands with in the Dark A Meal You Can Shake Hands with in the Dark/Mantlepiece

 ピート・ブラウンとバタード・オーナメンツという布陣で1969年7月にファーストアルバム「A Meal You Can Shake Hands with in the Dark」がリリースされて、どちらかと言うとピートブラウンと言う人がクリームの歌詞を書いている人という有名な詩人であったがためにそっちに注目が集まりがちだったようだが、アルバムの中味はどうしてなかなかしっかりと英国ゴッタ煮ロックの真っ最中と言わんばかりの音が詰め込まれていてユニークな作品に仕上がっていた。しかしながらどうしても詩人歌手=ポエトリーシンガーとしてのピート・ブラウンという人はいわゆるボーカリストには不向きだったのか、はたまたバタード・オーナメンツというバンドの面々からすると妙に鼻についたか、アルバムリリース直後くらいになんとその有名人ピート・ブラウンと袂を分かつこととなる。

 で、丁度時代はストーンズのハイドパーク公演が騒がれている頃で、かのキング・クリムゾンもこの公演に出演していたが、このバタード・オーナメンツもピート・ブラウンなしで出演しているのだ。なかなか勇気のあるというかミュージシャン魂溢れるというか、良い時代だなぁ、と。で、ファーストアルバムから4ヶ月後にリリースされたバタード・オーナメンツとしてのアルバム「Mantle-Piece」。これがねぇ、結構面白い。一言で言えばロック。ただ、スカスカの音にそれぞれの楽器がスカスカに入っているっていう感じで、何というんだろうなぁ、何風とは言えない独特の音楽感で、ただ言えるのは時代を感じさせる音ってことだ。スペディングのギターも要所要所で凄く良い味を出しているんけど、歌も歌ってるし…、う~ん、これを名盤とかオススメとか言う気はないけど、こういう空気感って凄くいいね。ビートの効いたロックなんてなしで、ただ垂れ流すだけ、みたいな。浸れるよ、これ。

Nucleus - We'll Talk About It Later

 中期以降のソフト・マシーンは明らかにカール・ジェンキンスが中心となってバンドの音を引っ張っていったことで更にジャズ色が強くなったのはこの人のせいとも言える。そして同胞のジョン・マーシャルあたりを引き込むと最早それはイアン・カーのいないニュークリアスに近い存在となっていった。しかしソフツにはまだマイク・ラトリッジのカラーが残っており、やはりソフト・マシーンというバンドであり続けた。そして一方のニュークリアスも同じくイアン・カーがいることでニュー・クリアスであり続けた。まぁ、イアン・カーの場合はソロ名義でニュークリアスの4作目とも言える「Belladonna」をリリースしているのだが…。ちなみにこのアルバムのプロデューサーはジョン・ハインズマンでギターを弾いているのはアラン・ホールズワース。しかもテンペストのアルバムリリースと同じ1972年の作品なワケで何となく当時の人脈による仕事ぶりってのが目に浮かぶ。

Elastic Rock/We'll Talk About It Later Solar Plexus / Belladonna

 さて、そんなニュークリアスだが、自分でも意外なことにあまり聴いていた時期がなかった。ソフト・マシーンは割と聴いているのだがニュークリアスの方はファースト、セカンドくらいまでしか持っていないし、しかもトンと聴いた記憶がない。不思議なモノだ。まぁ、これから聴けるバンドが増えたからいいとしよう(笑)。

 それで、そのセカンドアルバム「We'll Talk About It Later」なんだけど、あれ?この一曲目ってこないだ聴いた…、あぁ、ソフト・マシーンの「Bandles」にも流用されているワケな(笑)、なるほど。こういうのはカンタベリー系に多いよねぇ…。しかし何とも凄いジャズロックなんだろうか。オーボエって凄く特徴的な音でとてもロックには似合わないけどこういうのだと滅茶苦茶目立ってくるし、旋律がしっかりしているのかな、メロディアスでよろしいよね。聴いていると非常にスリリングで盛り上がる(笑)。完全にフリージャズだよなぁ…サックスも然り。よほどテンションをキープできる時でないと聴けないアルバムかも。集中力を要す作品で、それは入ってしまえばOKだけど、そこまでの時間が難しいかな。アルバムはそんなテンションの高さが良い。

 確かオリジナルはヴァーティゴ変形ジャケットだったような…。そうだ、思い出した。レコードを探していたときに全然見つからなくてそのうちに探すことを忘れてたバンドだったんだ(笑)。あぁ、あとギターにクリス・スペディングが在籍しているので結構気になってたんだ…。なんかアクセント的なギター弾く人なんだよね。アマゾンで調べてみるといくつか全盛期のライブ盤がでているみたい。「The Pretty Redhead」とか「Live in Bremen」かな。

Tempest - Tempest

 ホールズワース繋がりということであと一枚だけ書いておこう。いや、別にホールズワース先生のことを凄く好きだとか言うのではなくって、単にこの人を線で繋いでいくと実に色々なバンドに在籍していたんだなぁと言うことがよくわかって、あっちこっちのバンドに繋ぎやすいだけです(笑)。ソフト・マシーンの後だからゴングでもニュークリアスでも行けたんだけど、とりあえずその前に今出さないとちょっとチャンスなくなるかなぁってところで、大英帝国の誇りが脈打つ偉大なるバンド、テンペストってところだ。



 ご存じジョン・ハインズマンがコロシアム解体後に組んだバンドで、このバンドの後にはコロシアムIIを組むのだからその隙間ってワケだな。しかし単なる隙間として聴いてはいけないくらいのテンションの高さが保たれていて、アルバムが二枚リリースされているんだけど、最初のアルバムが1972年に発表、メンバーはホールズワースさんと同じコロシアムのマーク・クラーク、後にジューシー・ルーシーで活躍することになるポール・ウィリアムズの4人で結成されている。いやぁ、このファーストアルバムがホールズワースさん云々はもちろんあるんだけど、音が凄い。とにかく大掛かりなハードロックっつうかドタバタ劇のジャズロックっつうかかなり王道を歩んでいるハードロックで…ってさ、ハードロックってのは普通ギターが歪んでいて重いことが重要だったりするんだけど、ホールズワースさんが正にそれをやっていて、さらに高速早弾きをカマしているワケで、まぁ、時代が時代だったワケでヴァン・ヘイレン以上のインパクトだったハズなのだが、あまりにもシーンに登場するには早すぎた感じなのかな。思い切りロックしているホールズワース先生最後の作品だね。それはともかくどの曲も英国的な香りに包まれた雰囲気が漂っていてちょっと重いけど良いねぇ。

 この後のセカンドアルバムは1974年にリリースってことでギターはオリー・ハルソールに交代、そしてポール君も脱退しているのでトリオ編成になってしまうのだ。そのセカンドアルバムはややポップになったかなという感じだが、それはまたいずれとして、何と驚くべきことにホールズワースが脱退する直前にオリー・ハルソールが参加してツインギターになった時期が一瞬だけあって、それがちょっと前にCDリリースされているらしい。「アンダー・ザ・ブロッサム~ジ・アンソロジー(紙ジャケット仕様)」。BBCのライブ音源を収録しているらしくて、これまだ聴いてないけど凄そうだな(笑)。

Soft Machine - Bundles

 進化し続けたロックバンドという定義に当てはまるバンドってのは代表的なのはクリムゾンだったりするんだろうけど、まだ想定の範囲内っつうかわからんでもないって気がするんだけど、全くよくわからない変化をしていったバンドのひとつにソフト・マシーンってのがある。元々はサイケポップなバンドだったのがミニマルミュージックにも行くしブラスジャズロックにも進むし完全にフリージャズの世界にも突入するし、かと思えば思い切りフュージョンの世界にも行ってしまうという完全に理解不能の世界を築き上げていったバンドなのだ。

Bundles Floating World Live

 そしてこのバンドも末期…っつっても1975年頃なのでまだまだなんだけど、メンバーがニュークリアスの面々で占められてしまった頃にどういうワケかアラン・ホールズワースを迎えて制作された最高のジャズフュージョンロックアルバムが残されているのだ。それが邦題「収束」と呼ばれる「Bundles」と言う作品で、何と言っても最初を飾る「Hazard Profile」組曲のリフレインとバンドアンサンブル、更にはホールズワースの驚異的テクニックを駆使したソロパートなど絶妙な息の合い方とも言える素晴らしき作品になっているのだ。ソフト・マシーンを追いかけて聴いていた頃は当然フリージャズロック的なところを追っていたのでまさかこんなにさわやかで明るめの曲が登場するっつうのは予想してなかった作品だったからあんまり聴かなかったんだけど、ここのトコロのホールズワース関連を聴いているとなかなかどうして、いいじゃない、って思ってね。ベックがフュージョンアルバム出した頃、既にこんなのをしっかりとやっていたソフツっつうかホールズワースってやっぱ凄いなぁと思うんだけどね。

 もちろんホールズワースをクローズアップしていない曲はやっぱりニュークリアスソフツのいつもの、というかお馴染みの音が聴けるので古いファンが離れる必要があったとも思えないんだよな、今聴くならば、だけどさ。タイトル曲とかかなりスリリングで良いけどな。まぁ、ソフツである必要性もないからその辺難しいんだろうけど、こういうの結構いいな。ブログ書いてて色々な音楽の棚卸し気分であれこれ聴いているんだけれど、昔聴いたのなんてのも聴き直すと印象が違うってのが結構あるので面白いし、また新たに楽しめるという嬉しさもあってね、いいんだよ、それが。このアルバムは正にそれに当たった感じ。この後の「Softs」っつうアルバムも楽しめそうだな…。

 しかしこの「Bundles」ってこんなプレミア付いてるの?今回の紙ジャケシリーズでリリースされてほしいよね、こういうのはさ。自分はコレ、アナログで聴いてるんだけどさ(笑)。で、結構ホールズワース時代のライブ盤ってリリースされてるんだね。「Floating World Live」とか「BBC Radio 1971-1974」ってところね。

U.K. - U.K.

U.K. デンジャー・マネー(紙ジャケット仕様) ナイト・アフター・ナイト(ライヴ・イン・ジャパン)(紙ジャケット仕様)

 ついでだからホールズワースが後から関わった割に自身を有名にしてしまったU.K.というバンドの紹介もしておこう。簡単に言えば末期キング・クリムゾンからロバート・フリップの変わりにホールズワースを加入させたバンドメンバー構成になっている。しかし当然それは結果論の偶然であってクリムゾンの延長線だなどとは誰も思ってないんだろうなぁ。自分も含めてね。言われてみると、そうか、そういうメンバーだ、とは思うけど、それはやっぱフリップ卿がいないからそう考えられないだけだろうな。うん。

 まぁ、自分的に聴いた感じでは「テクニック史上主義バンド」みたいなモンで、そりゃ、みんなそんんだけのテクがある人が集まっているので当然そうなるわけだ。しかし、曲を聴いているとわかるんだけど、どうしてこんなに変拍子で曲がグイグイとグルーブしていくんだ?それこそがジョン・ウェットンの恐ろしいトコロで、変拍子とか気にしなければ普通のビートでグルーブが効いているっていうくらいにしか聞こえないくらいに普通にのれるんだもん。オカシイよ、それ(笑)。ブラッフォードのプレイも相変わらずなんだけど、やっぱこの二人はヘン。アルバムを効いているとホールズワースもそんなに出しゃばってなくって普通にバンドに溶け込んだ演奏なんだけど、やっぱりこのバックメンバー二人とエディ・ジョブソンがいたにも関わらず思い切り目立ってしまったらしい。やっぱりホールズワースもかなりヘンだ(笑)。

 しかしこの後のウェットンがエイジアに進んだようなことからわかるように彼はポップ志向が割と強い傾向にある人で、純粋にテクニカル志向が強いブラッフォードとホールズワースは脱退してしまい、その穴埋めにテリー・ボジオ参加、っつう冗談みたいな話になるのだ。で、もともとトリオ編成志向だったウェットンとジョブソンはボジオを含めた超絶ポップバンドを目指すのだが、あまりにもメンバーのアクが強くて実に素晴らしいアルバム「デンジャー・マネー」が出来上がってしまったのだった(笑)。それで来日公演して更にインパクトを残すのであった…。その日本公演もCDになってるので聞いてみれば一目瞭然か。

Allan Holdsworth - I.O.U.

I.O.U. Road Games

 超絶ギタリストとして名が挙がる人なんてのはいくらでもいるんだろうけど、その超絶ギタリスト達から超絶ギタリストとして崇められている職人的超絶ギタリストってのがアラン・ホールズワース。イングヴァイをしてそう言わせ、ヴァン・ヘイレンに至っては同じレーベルからレコードをリリースさせてしまうくらいの強引さで惚れ込んでいるようだ。当のアラン本人は結構偏屈というか変わった人らしく、決してメジャーフィールドには出てこないような人でいつも自分のやりたいことを追求するがあまりバンドという枠組みではなかなか収まり切らなかったようだし、ソロでもレコード会社との意向が合わないことが多かったようだ。しかし英国ロックファンの間では相当以前の作品から彼の名前は飛び交っていた。イギンボトムで英国シーンに出てきたのが最初だろうが、やっぱり重鎮ジョン・ハインズマン率いるテンペストの初代ギタリストとしてそのテクニックを散々披露してテンペストの名に恥じない神々しさを保っていたのだ。その後、丁度ジェフ・ベックが「Blow By Blow」出す頃にはそれよりもヘタしたら更に凄いと云われていたかも知れないソフト・マシーンの「Bundles」というアルバムでギターを弾いているが、いや、ソフツのファンからは結構好まれていない作品なんだけど、ホールズワース的感覚からしたらかなり面白いアルバムで凄いんだよね。で、後はまぁ、ゴングとかビル・ブラッフォードとやったり、その流れからU.K.に参加したりと流浪のミュージシャンぶりを発揮している。

 さてさてそんな中でもホールズワースのソロ作品として本人も満足度が高い「I.O.U.」という1982年の作品が割とメジャーではない?その後のワーナーから出した、エディ・ヴァン・ヘイレンの強い要請もあって出された「Road Games」と共にメジャーな作品。もうホールズワースのやりたいことやりまくりって感じで、要するに売れ筋なんて関係なしにテクニックと変拍子を披露しまくり当然フレージングも考えられているしアレンジもバランスもよくできている作品で、音を聴いているとどこかザッパのギターアルバム的な作りに似ているような感じで…、ロックジャズフュージョンっつうのかな、音的な好みではないけど、やっぱり凄い、と唸らせられるギタリスト的作品。それでもバックの面々との掛け合いやテクニカル面ではかなり良いトコ行っているのでやっぱり実力派集団で政策されたみたいだね。久々に聴いたけど、えらく聴きやすかった(笑)。これもベックでこういう音に慣れたからだろう。

 それにしても渡り鳥的に英国のプログレバンドを渡り歩いてきている人だねぇ。そしてそれらのバンドの作品のどれもあまり好みでないってことでそれほど聴かなかったものばかりなので、多分ホールズワースのギターが好きじゃなかったんだろうな。ゴングの「Gazeuse!」くらいかな、好みだったアルバムは。まぁ、いいじゃないか、それでも聴いてから好みが分かれるんだから(笑)。

Blackmore's Night - Under A Violet Moon

 日本のロックファンにとって三大ギタリストという印象よりもジミー・ペイジとリッチー・ブラックモアっていう図式の方が印象深い人多いんじゃないかな。自分的にはどうしてもZepに行ってしまうのでパープルとかにはあまり傾かなかったのでよくわからないけど、1974年にはパープルが「Burn」を発表してグレン・ヒューズとデヴィッド・カヴァーデイルを迎え入れた頃だから、かなりハードなロックで一世を風靡していた時期で既にギターヒーローだったんだよな、リッチーはね。

アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン シャドウ・オブ・ザ・ムーン ヴィレッジ・ランターン
Blackmore's Night - Village Lanterne Village Lanterne

 まぁ、なんでそんな話かと言うと、最近リッチーさんをよく聴いているからです(笑)。いや、パープルとかレインボウではなくってブラックモアズ・ナイトです。知らなかったんだけど、キャンディス・ナイトってアメリカ人だったんだね。結構驚いた。それがあんなにしっとりと歌わせられるんだからリッチーのコントロール術も見事なものだなぁと妙に感心してるのもある。うん、1997年にリッチーがルネッサンス音楽をやって女性ボーカルと一緒にやったアルバムが出るらしい、ってことで「ふ~ん」なんて別に何の気もなく話を聞いていたんだけど、とある時に自分がトラッドフォークとか好きなのを知っている友人からリッチーのやってるブラックモアズ・ナイトのアルバム結構いいぞ、と薦められて聴いてみたのが最初かな。いやマジで驚いた。完璧にルネッサンス古楽的サウンドに綺麗な女性ボーカルが乗っかってるじゃないですか。リッチーって言われなければ全然気付かないし、素晴らしいアルバムだと思ったもんね。このファーストアルバムではアニー・ハズラムの歌っていたルネッサンスの「Ocean Gypsy」もカバーしているのでかなり面白い作品。

 そして今のところ最高傑作だと思っているのがセカンドアルバムの「アンダー・ア・ヴァイオレット・ムーン」で、ファースト「シャドウ・オブ・ザ・ムーン」のルネッサンス古楽傾向からもう少し砕けてきて、トラッドよりと言うか、庶民的になってきた感じだね。堅苦しくない。タイトル曲の美しさもよく話されるらしいけど、個人的には「Wind In The Willows」ってのが好き。白々しい壮大なアレンジとわずかなハードロックギターとソロが上手く溶け込んでいるってのがね、プログレッシヴな感じで好きなんだな。もちろんアルバム全体的にも面白いので「Morning Star」のフィドルをモロにフューチャーしたのも面白いし、やっぱりリッチーのアコースティックのプレイが下手したらジミー・ペイジのそれよりも上手いんじゃないかと思うくらいだし、やっぱりこういうのも簡単に出来るのね、って感じ。そう言う意味でパープルやレインボウ時代は完全にハードロックという枠を決めたバンドだっただけになかなかこういうセンスが出せなかったのかそれ以降に練習したのか…、ここまでスタイルが変わるってのはなかなかあり得ないので面白い。

 この辺からリッチーに入っていく新しいファンがいてもおかしくないし、今のスタイルの方が幅も広くて奥が深いので楽しめるかなぁ。邪道、っつうかここからまともに聴き始めたと思ってくれればいいんだけど、いいよね、この二人のユニットは。

Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard

 GWの合間の仕事時間、全く持って力が入らないのは言うまでもないことで、ついつい遊び呆けてしまうのは誰も皆そうだろうと思いたい。しかし全くアルコールの抜ける日がなんと少ないことか、そしてダラダラと飲み明かす楽しみ、これもまたロックな会話だったりする。先日ミュージシャンの方と飲む機会があった。もちろんギタリストだったんだけどやっぱりどことなくオーラを発していて、特に気張っているわけでもなく色々な仲間と楽しく飲んでいただけなのだが、やっぱり好きを仕事にしている人っていうのは羨ましいな、と思ったよね。もちろんそれがツライってなることもあるんだろうけどそこはやっぱり好きで始めたし、これしかないからなんてことでサバけているのかもしれないなぁと。ウチのブログにもharukko45さんていうプロのミュージシャンの方が来てくれていて、ブログでは気さくにあれこれと書かれているのでなかなか興味深い(笑)。いつもありがと~ございますっ!

 で、話は全く逸れまくっていたんだけど、何が書きたかったかと言うと、性格ってのがギターに表れるし、その時々の状況も音に表れるんだろうなぁ、と楽器というものの良さを言いたかったワケです…。そこでGW中と言うこともあり、ホントはベックからテクニシャンギタリストスペシャルへと進もうと思っていたんだけど、どうにもマニアックになりすぎそうだったのでメジャー路線に進みます(笑)。

461 Ocean Boulevard There's One in Every Crowd
Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) 461 Ocean Boulevard
Eric Clapton - There's One In Every Crowd There's One In Every Crowd

 ベックが世紀の一枚を発表する頃、三大ギタリストの筆頭でもあったクラプトンはと言えば、「461 Ocean Boulevard」をリリースしていた頃=すなわちレイドバック時代だったワケで、そのあまりにも差が開きすぎてしまったこの二人の音楽性というか人生と言うか表現方法と言うのか…、ジャケットからしてどこか寂れたシーサイドホテルの様相だったりして決して明るく心地良いサウンドには思えないしロックなサウンドにも思えないという佇まいだ(笑)。いや、中味はそうでもないんだけどね。…っつうかこの頃のクラプトンって私生活では散々でドラッグまみれになっていたトコロからの復帰作だったんだな。その割に出来上がっている音はかなりまとも、いや、だからまともなのか。個人的な好みではないけれど、今聴いてみるとかなりロックしてるんだ、と思った。「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Motherless Children Motherless Children」から結構勢いあるし…ただ、やっぱりレイドバックした雰囲気が漂っているので脳天気にはならないっつうのが良いのかな。曲調的にはそれほど突出したものってあんまり入ってないアルバムだけど、結構聴いたのかなぁ、高校生くらいの頃にね。「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Let It Grow Let It Grow」とかあんまり好みじゃないけど、やっぱりこのアルバムは「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - I Shot the Sheriff I Shot The Sheriff」が一番マッチしているのかな。ご存じボブ・マーリーの曲のカバーね。緊張感というのか気負いは凄く感じる作品だってのは大きいのかもしれない。それはアルバム全体に云えることでもあるなぁ。でもなんであまり好みじゃないんだろ?ま、理由なんてないか(笑)。

 一応書いておくとクラプトンソロ史の70年代のアルバムの中では結構な名盤に入るハズで、こういうのもクラプトンなんだよっていうのは知っておくべきことかな、と。

Jeff Beck - Blow By Blow

 知的なギターとクールなプレイと言えば英国からのこの人、ジェフ・ベック。孤高のギター達人とも呼ばれるベックの場合は天才にしてなかなかセールスには結びつかない不運な人でもあるんだけど、確かにヤードバーズから始まり三大ギタリストと呼ばれる中、決して派手な活動があったワケでもなく…っつっても普通に比べりゃ全然派手なんだけど、比較対照がクラプトンとペイジだからなぁ…、そりゃしょうがないだろ(笑)。しかし今でも現役バリバリのギタープレイと相変わらず革新的なギターへの試みという点では圧倒的にベックに軍配が上がるし、その状況はここの所の来日公演でも十分にファンに知らしめていることだろう~。。。

Blow by Blow Wired There and Back

 さてさて、そんなベックがロッド・ステュワートとのソロ作品からBB&Aを経て1975年にリリースした「ギター殺人者の凱旋」という何ともよくわからん邦題が付けられていた「Blow by Blow」。フュージョンという言葉がなかった時代に正にフュージョンの走りとも云えるギターを中心としたインストアルバムをリリース、そしてギターという楽器にスポットを当てて、しかも革新的な試みでもあり且つ楽曲が実に親しみやすいメロディを持っているのでこの作品以降にはギタリストもギターで歌わせるアルバムというひとつの方向性を見つけられたとも云える。そういう意味で実に歴史的価値の高いアルバム。16ビートのカッティングや裏リズム、もちろん聴かせるギタープレイとフレージングとトリッキーな技による効果的なギター音の使い方、もちろんリズム楽器としてのギターとしても活躍するし、ワンコードでのフレーズの変化の付け方、スケールの使い方などなどギタリストにとっては好み好みでないという以前に研究して分析し、そして自身のものにするべく要素がたんまり詰まった作品であることに間違いはないのだ。大体歌がないのに名曲として語られる「哀しみの恋人達」なんてのがあったり、カバー曲とは云えベックバージョンも十分にメジャーになってしまった「スキャッターブレイン」なんてのも入ってるワケだ。

 う~ん、自分的にはもちろんギタリストへのオマージュという意味では何度も聴いたんだけど、好きか嫌いかという基準で言えば決して好きなアルバムじゃなかったね。つい最近まで全然聴かない名盤のひとつだったし(笑)。ところがまぁ、最近ちょこっと聴く機会があって、聴いてみると結構ハマる面もあって、なかなかフュージョンとは言えども聴けるんじゃん、自分、みたいな感じでさ。爽やかすぎるのはさすがに好みじゃないんだけど…、あ、あとね、多分リズムが妙にファンキーだったりするから好みじゃないんだろうと思う。しかしまぁ、そう言うこと言ってられるアルバムでもなくって、やっぱり名盤っつうか、価値のあるアルバム、ってのは納得するし、今のベックの原型でもあるワケで、これ以来ベックってのはロック畑にいるんだけどフュージョン界の大御所なんかとも平気で渡り歩けるギタリストに進化していくし、ボーカリストを必要としないミュージシャンとして歩んで行くことになるんだな。珍しい人だよなぁ…。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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