Fields - Fields

 アンディ・マッカロック=クリムゾン「リザード」時のドラマー。その割にはフリップ卿からは可愛がられていた様子で以降も仕事の紹介などを受けていたらしいし、更に凄いことにヴァーティゴの名作でもあるマンフレッドマン・チャプターIIIでの「Volume Two」にゲストで「It's Good To Be Alive」という曲で一曲叩いている。そしてアーサー・ブラウンとも交流があり、そのテクニックには定評がある人。アラン・バリー=ゴードン・ハスケルのセカンドソロアルバムでギターを弾いていた人で、スタジオミュージシャン的に評判が高かったようだ。グラハム・フィールド=云わずと知れたシンフォニックバンド レア・バードのリーダーで鍵盤奏者。この人がレア・バードにうんざりして解散して新たに組んだバンドがフィールズと言うバンドだ。

Chapter Three Vol.2

 アルバムリリースは1972年で、スーパーバンド的な位置付けだったにも関わらず一枚だけのリリースで終わってしまったメジャーながらもB級色の強いバンドだったとも言えるか(笑)。初っ端から鍵盤のピコピコで攻めてくるのでどうしてもEL&Pみたいな印象を持ってしまうんだけど、そんな曲ばかりではなくって妙~な曲、まぁ、あまり意味もない曲っつうかさ、そういうのも多くて実に散漫な印象を与えてしまったのが敗因か。もちろんアンディ君のドラムひとつで破壊的クリムゾン復活ってワケにはいかないワケで、当然ながらグラハム氏の鍵盤に依るトコロが大きくなってしまい、さすがにそれらはシンフォニックな味わいを出しているのでこじんまりとはしているけど壮大さはある。ただ、やっぱり壮大なシンフォニックという道を選ばずに短い時間に曲を追えるという時代に即した方向に向かったためにイマイチの印象なんだよな。残念。

 ただ、その中にも目を見張る曲がいくつかあるのがこういうバンドを漁る時の面白さでこのアルバムの場合は5曲目「Over and Over Again」かな。6分弱なんだけど、歌モノと起承転結とハードさとソフトさを持っていてコンパクトに仕上がっている秀作だね。

 そんなアルバムが当時CBSからリリースされていたんだけれど、今アマゾンでは簡単に見つからない…。アナログはもちろんなかなか見つからないと思うのでCDで十分だとは思うけど、自分のCD見たら1991年の再発盤になってたから今はどうなんだろうなぁ…。

Gordon Haskell - It Is And It Isn't

 クリムゾン史上最も劣悪な扱いを受けているゴードン・ハスケルという人はフリップ卿の学校の友達だったのだ。まぁ、一番適当なところから拝借してきているって気もするのでフリップ卿も友人関係とは別に評価だけで判断しているんだろうけど、可哀相なのはハスケル氏だろうなぁ。とは言えどもクリムゾンに加入する前から自分のバンドでシングル出したり、自身のソロとしてアルバムをリリースしたりしていたワケなので決して酷評されるようなミュージシャンではない。逆に友人だったからこそ、そのような評価をされてしまっているのではないだろうか。ハスケル氏としてはクリムゾンに参加さえしなければ平穏な日々だったのに、と思ったかそのおかげで脚光を浴びれたことを感謝していることか…。いずれにしてもハスケル氏がクリムゾン脱退後にリリースしたアルバムはそれなりの注目を浴びたことは間違いない。

It Is and It Isn't GOLDEN FLIGHT

 「It Is and It Isn't」=邦題「歳時期」

 まずもって面子が素晴らしいのだ。ジョン・ウェットン、アラン・バリー(Fields)、デイヴ・カフィネッティ(Rare Bird)、ビル・アトキンソンっつうところで、鍵盤バンドとして名高いRare BirdとFieldsの面々にジョン・ウェットンという組み合わせ。ちなみにフィールズにはそれこそクリムゾンでドラムを叩いているアンディ・マッカロックが参加していたワケで、偶然とは云えなかなか興味深い人選。そして肝心のやっている音楽は…。ハスケル氏作曲のほのぼのソフトなアコースティックサウンド中心の牧歌的な歌モノ。ただし、ジョン・ウェットンのベースが滅茶苦茶歌っているベースで、このプレイはさすがだなぁと感心してしまう。もちろん鍵盤もしっかりと曲の面白い要素を打ち出しているのでバックのセンスは素晴らしい。そしてハスケル氏の歌声も個人的に嫌いではないので何かホッとするような感じで良いのだが、いかんせん、曲が面白くない(笑)。どれもこれも似たような印象の曲ばかりでやっぱりそういう意味では才能がなかったのかなぁ、と思ってしまう。ただ、こういうアメリカに影響されたようなフォーク的音楽が好きなファンには受ける内容だろうね。クリムゾンの幻想に縛られないファンが聴く分には良いはずなのだが…、ちょっと好みではなかった。

 そのためか配給元がアトランティックであった割に再発もされずに埋もれていたようでアナログ時代からスーパーレアな作品だったし、見つけてもボロボロだったりしてなかなか貴重なアルバムだったのだ。93年に初めてCD化された時に速攻で入手して聴いたんだけど、やっぱ待ち望んでいたこともあって好きになろうとはしたんだがなぁ(笑)。で、今見たら今もまたレアなアイテムになっているのな。内容知ってるとそうか…とも思うんだが。

 蛇足…、知ってる人は知ってるんだろうけど、この人、山口百恵のロンドンレコーディングアルバム「GOLDEN FLIGHT」にバンドメンバーで参加していることから百恵さんとは知り合いらしい。

Gordon Haskell - The Lady Want's to Know The Lady Want's to Know

McDonald & Giles - McDonald & Giles

 1970年、英国アンダーグラウンドロックが盛んになっている頃、キング・クリムゾンで一旗揚げた連中がこぞってバンドを辞めて、更なる成功を掴みに行こうとしていたのか、単に渡り鳥的なミュージシャン気質がそうさせたのかはたまたフリップ卿への嫌悪感だけでそうなったのか、理由は多々ありそうなものだが、そのおかげで実に良い作品が幾つも聴けることとなったことには感謝せざるを得ないだろうなぁ。クリムゾンのメンバーがクリムゾンにこだわってしまったらそれぞれから派生したバンドが聴けなかった可能性があるワケで、例えばグレッグ・レイクがそのままクリムゾンにいたらEL&Pはどうなっただろう?とか(笑)。まぁ、そういうワケでバンドメンバーが固定されなかったことがシーンにとっては良い結果を与えてくれたとするならば、クリムゾンよりもクリムゾンらしくなるはずだったバンド(ユニット)がMcdonald & Gilesではないだろうか。

Mcdonald & Giles [HDCD]

 クリムゾンを脱退したばかりのイアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズによるユニットがクローズアップされているものの実際にはピーター・ジャイルズという弟くんやピート・シンフィールドの歌詞までもが登場するワケで、実質これだけでもオリジナルクリムゾンを凌駕するほどの面子でしょ?そこに何とマルチプレイヤーとして既に世間に知られていたプロ中のプロ、スティーヴ・ウィンウッドがその隙間を埋めるように華を添えているのだ。

 アルバムを流すと最初から心地良いギターサウンドで英国だなぁ~っていう感じなんだよ。こういうのはB級もメジャーも関係なしで音色で反応してしまうところなんだけどさ、ドラムが入ってくるとね、あぁ、これこれ、これこそマイケル・ジャイルズのドラミングだよ、っていうプレイと音。このスネアが心地良いのだ。最初から11分の曲で歌詞も一応あるんだけどコーラスワークの方が印象的で、そもそも歌っていう部分が少なくて長い起承転結を持ったインストものに近い音。そして更に心地良くさせてくれるのがフルートの音だよ。クリムゾンで聴けた優しい世界だけを抜き出したアルバムって感じで本家がハード路線を走っていたのとは別にクリムゾンのもう一つの側面を全面に出していったのがこの作品。ピーター・ジャイルズのベースもクリムゾンらしいと言ってはおかしいけれど、しっかりとこのバンドにハマっている、そしてプログレッシブにラインを刻んでいる素晴らしいものだ。多分スティーヴ・ウィンウッドが弾いていると思う鍵盤もかなりアヴァンギャルドで、クリムゾンでのキース・ティペットと相通じるかのような演奏なので、この時点まではクリムゾンと音楽的な方向性は似たようなモノがあったようにも思えるよね。

 なかなかクリムゾン関連のアルバムを漁らない人でもこの作品は是非聴いてもらいたい一枚で、ホントにクリムゾンの毒の部分が抜けた感じの英国プログレッシヴ…というかそんなにプログレって感じでもなくって、英国ロックの音、そしてこれぞメジャーの音とも云える作品。いわゆるB級バンドと呼ばれる類の音楽性と同じようなサウンドの結果となっているものの当然ながら圧倒的にメジャーな音に仕上がっているという素晴らしきアルバムだね。

King Crimson - In The Wake of Poseidon

 先日スプリングを書いたのでどうしても叙情的なモノを聴いてみたくなって探していたのがメロトロンバンド。そのメロトロンの神秘と言われて真っ先に思い出すバンドが二つある。ひとつは云わずと知れたキング・クリムゾン。もう一つはムーディ・ブルースだったりするんだけど、これはまぁ個人的な印象か。メロトロンって白木のタンス箱みたいなのに鍵盤が収まっていて実は当時の楽器なのでテープに録音されたストリングスの音を鍵盤で再生しているというとんでもない代物らしく、それが故に聴いている方は心地良いものの実際に演奏している側では全くチューニングも何も合わなくなるとんでもなく生演奏に使えない楽器だったらしく、どのバンドでも相当苦労していたらしい。だからライブアルバムなんかを聴いているとチューニング狂いまくったものとか結構あって面白い。時にはメロトロンを止めてオルガンに変えるとかってのもあって、それこそそんなのが聴けるなんて思わないから非常に楽しんで聴けたりするのもある。

 そんなメロトロン神話に代表されるクリムゾンだが、先日イアン・ウォーレス氏が亡くなったらしく、その前のボズ・バレルと言い、なかなかクリムゾン人脈も人が減っていくようになってきたかと我が身と共に年を感じるものだ。そんなクリムゾンの1970年の作品と云えば、残念ながらイアン・ウォーレス氏参加の「リザード」ではなくその前のセカンドアルバム「ポセイドンのめざめ」ですな。どっちでもよかったんだけどやっぱメロトロンだったのでこっち。

ポセイドンのめざめ+2(ボートラ入り)(紙ジャケット仕様) リザード(紙ジャケット仕様)

 ファーストアルバムで伝説を作ってしまったバンドはアメリカツアーに出掛けたが最後、メンバーがみんな辞めるって言い始めて慌てるフリップ卿、そんな状態でとりあえず曲はあるからってことで出来上がったモノを片っ端から協力してくれる人達を拝み倒して創り上げたある意味執念の作品とも言えるのだ。音だけを聴いているとそんな素振りは全く感じられず、ファーストと同様のコンセプトを持ったセカンドアルバムとして位置付けられるのだが、背景を考えてみるとよくぞまぁここまで出来上がったものだと考えさせられる。その時点でフリップ卿の強迫観念による音楽=クリムゾンという図式が浮かび上がるものだ。まずはイアン・マクドナルドが脱退を表明、理由は「もっと明るい音楽がいいよ」ってことらしい(笑)。続いてマイケル・ジャイルズが消えていく。もっとも「ポセイドンのめざめ」には参加させられてはいるのだが。そして有名なグレッグ・レイクがキース・エマーソンと新バンドのために脱退=EL&Pだね。結局オリジナルクリムゾンメンバー崩壊だけど、裏方ピート・シンフィールドとフリップ卿の執念でアルバム完成。ゲスト的に「Cat Food」で強烈なピアノの印象を残すキース・ティペット、そしてクリムゾン史上最も劣悪な扱いを受けているゴードン・ハスケルの歌とベースによる「Cadence And Cascade」が非常~に素晴らしく、ファーストにはなかった斬新さをもたらしている。こういうピアノの使い方って凄く好きだな。これはアコギも綺麗に入っていてやっぱり気合いの入った作品なんだと思う。「Peace」で始まるテーマが三つ入っていて、ひとつのプログレッシヴアルバムのテーマという重要性をも打ち出した面もあるしやっぱり面白いよなぁ。最後のホルスト…いや、「The Devil's Triangle」とかさ(笑)。

 日曜日の夜なのでちょっとメジャーな作品に話を持ってきました♪ 最近コメント書きたくても書けない方々、思い切りどうぞ(笑)。

Spring - Spring

 やっぱり英国ロックってのはジャケットアートと音がしっかりとマッチしてされに不思議な印象を生み出す、そしてそれがもちろんアナログ盤を眺めながらっていう空間の中で堪能できたらどんなに素晴らしいことか。しかも一人だけで極上のスピーカーで鳴らしながら聴く…、やっぱ個人的にはJBLが好きなのだが、英国ロックにはもう少し繊細な音が出てくるスピーカーの方が良いのかもしれない。そうは思いつつも実際にこのクソ忙しい世の中に生きている我々はなかなかそんなにゆとりのある時間と空間を楽しめないのも事実で、その時点で既に英国ロックを心から堪能するという贅沢ができていないことになる。う~む…、改めて書くと実に毎日忙しく過ごしているのだろう…と感じるな。ま、しょうがない。

spring.jpg

 しかし敢えて時間を割いてでもその贅沢な雰囲気と空間の中で身を委ねて堪能したい音楽というものもある。そのうちの一枚がこのSpringというバンドの作品。1971年リリース、憧れのネオンレーベルからのNE 6としてのリリースされた本作は見ての通りジャケットアートはキーフ。お得意の現実と非現実の空間に強烈な色彩をアクセントで印象付ける正しくアートと呼ぶに相応しい作品で、アフィニティと共に人気の高い一枚。アナログ時代には三面開きの豪華版で、真っ赤な制服を着た兵士が手首から血を流し、河を赤く染めていく…、そしてその河の向こうでは5人の男がそれを眺めているという…。うん、アートだ。

 そしてサウンド。一般的な情報ではトリプル・メロトロン…要するにメロトロンを弾く人が三人もいるんだよ、ってことで話題を取ることが多いんだけど、もちろんそのおかげもあって心に気持ちの良いサウンドが特徴的になるのは事実あるとして、それよりもこの牧歌的というか英国的と言うか正に英国でしかあり得ない素朴な感じの音楽は決してプログレ的なものではなくってひとつの音楽…、かと言ってポップスではないし、間違いなくこの時代にしか出てこないであろう英国ロックサウンド。普通に英国のソフトなロックを聴いたりするのが好きな人には多分受け入れられる音だね。テクニックもあるので安心して聴いていられるし、何気にギターなんかも綺麗に鳴っていたり、アレンジも結構できてる。そして何と言っても曲が長くないので普通に聴けるってのもプログレに代表される音ではないってトコ。もちろん拍子にこだわったりするのはあるけどさ。ただ、気になるとしたらこのパット・モランっつう人の歌声かな。頼りない声の割に粘っこいっつうかそれでいてさわやか…とワケのわからん書き方だけど、結構クセはあるかも。その分バックはさらりとしている面もあって素晴らしい。う~ん、これこそ英国ロック。

 ちなみにこのバンド、非常に短命だったみたいで1970年にレイセスターで結成、その年の暮れからレコーディングして71年にデビュー、そして驚くことにヴェルヴェット・アンダーグラウンドの英国ツアーのサポートを務めたらしい。どんなライブだったんだろうねぇ。それともう一つ不明瞭な情報なんだけど、このアルバムのプロデューサーにはGus Dudgeonという人がクレジットされているんだけどどうもエルトン・ジョンの変名?なのかな。ちょっとよくわかんないけど。そしてこのボーカルのパット・モランっつう人、このバンド以降もイギー・ポップロバート・プラントなんかのアルバムに参加しているらしい。この人もメロトロン弾くので鍵盤なのか歌なのか調べてないけど、なかなか強者ミュージシャンが集まったバンドだったようだ。他のメンバーもバート・ヤンシュマグナカルタとやってたりとかやっぱり英国ロックは全部繋がってくるよなぁ(笑)。

Jade Warrior - Released

 この時代の英国にはホントに色々と考えて出てくるヤツが多くて、その多彩さ加減は他に類を見ないほどのバリエーションじゃないだろうか?なんて思う。この時期のデヴィッド・ボウイが非常に日本について関心を持っていて知的な彼の場合は密やかに研究していたようだが、それ以外にはこの頃の英国に日本をテーマにするバンドもそうそうなかった。せいぜいWebというバンドから発展したSamuraiっつうバンドがあったんだけど、まぁ、名前がそれっぽいなぁ~、くらいのもので中味は別に和風なモノでもないしね。もっとも70年代後半にもなればかの有名なJapanなんつうのが出てくるんだけどさ。英国から見た日本ってどんなんなのかなぁと興味はあるけどなかなかそういうのはわかりにくい。

 話逸れるけど昔オランダのアムステルダムっつうトコに行った時に博物館に行ったんだよね。そしたらいっぱい浮世絵があったり、篭があったり刀があったりと日本の文化が展示してあって、日本にいるよりも日本のものに触れられたっつう経験があるのだが、英国にはそういうのないだろうしなぁ…。



 で、本日はそんな奇特な日本を思い切りテーマにしたJade Warriorっつうバンド。バンドなの意味はそのままサムライっつう意味。アルバムデビューは1971年、こんな変なバンドはもちろん我らがヴァーティゴからしかリリースされない(笑)。このファーストアルバムの時点からかなり独特のバンドサウンドを生み出していて、かなり異端の扱いだったと思うんだけど、音的に一番ヘヴィーで透き通っていて混沌としているっつうのがセカンドアルバム「Released」ではないかと。なんつうのかエスニック風味とも云えるし多国籍サウンドとも云えるちょっとそこらでは聴けない独自性を持っていて、基本的にはハードロック…、ヘヴィロックに近い音もあるけど、何故かものすごくクリスタルな音も奏でていて、表現が難しいね。歪んでるっつうのはもう綺麗な歪み方じゃなくってそうだなぁ、ハイタイドみたいな歪み方でうるさい!っていう感じなんだけど、周辺の楽器…、フルートとかサックスとかがギターと一緒に鳴り響くからハンパじゃないワケよ。んでサイケデリックな雰囲気もあるしさ。でも一方では同じフルートなんていう楽器が透明感溢れる音を出していてバラード系は見事に綺麗。う~ん不思議。そんな不思議感の集大成が7曲目の「Barazinger」かな。15分の大作でインストモノなんだけど聴いているとなんかこうハマる。三枚目まではヴァーティゴにいたけどその後はアイランドレーベルに移ってジャケットなんかもすっきりとしていくんだけど、その辺の布石となる音がこの曲だね。イメージ的にはアイランドの方は透明感をクローズアップ、ヴァーティゴ時代はヘヴィさを打ち出していた、みたいな感じ。

 ジャケットもオリジナルは6面開きで、まぁ、浮世絵…というかやはり西洋人から見た東洋の絵、っていう感じだけど凝ってる作りで、やっぱヴァーティゴからの三枚がいいな。ちなみにここ最近も活動しているみたいで新作が出ているようだ。オリジナルメンバーは一人くらいしかいないみたいだけど…、やるなぁ…。

Black Widow - Sacrifice

 60年代の英国ロックの文化にはもちろんサイケデリックカルチャーが蔓延していたけど、更にはいわゆる宗教っつうか信仰心っつうか、まぁ、ミハ・ババとかマハリシだとかそういうのまでもがどこか英雄視されていたものもあって、日本人的にはなかなか理解しにくい部分ではあったんだが、一方では後にジミー・ペイジにまつわる神話として有名な黒魔術というようなものも流行?していた。錬金術って言われたりね、なかなかこういう神秘的なものってのは興味をそそられるのでどんなもんかと思うモンだが、1970年に入る頃になるとそれらもひとつの音楽性というのかイメージ戦略として用いられるようになり、一番有名なのはヴァーティゴレーベルからキーフのジャケットでファーストアルバムをリリースした言うまでもないブラック・サバスだろうな。1970年2月13日の金曜日にリリースっつうくらいに徹底していたワケだし、その後もしっかりとイメージ戦略を守り続けた。



 そして同じことを考えていたのは何もヴァーティゴレーベルだけでなく、珍しくもCBSにもいたワケで、それがブラック・ウィドウと呼ばれるバンドなワケだ。どうしてもサバスのイメージが強く、黒魔術戦略のバンドは重々しいリフを中心としたハードロックと思われがちで、このバンドもジャケットはしっかりと妖しく黒魔術っぽいので実際に耳で聴くまではそういうイメージを持っていたのも事実。

 ところが、そのファーストアルバム「Sacrifice」を実際に聴いてみるとだな…、いやぁ、これが意外や意外、全然ハードロックの重々しさってのとは違ってね、もっとサイケ時代に近いようなカラフルさがあってさ、オルガンがあったりするかと思えばフルートやサックス、クラリネット、みたいなのが飛び交ってるし、曲の多彩さは見事なモンだよ。全然暗くて重いってのがなくって凄くユーモアがかった雰囲気のものもある。多分ねギターがそんなに目立ちまくってないからだろうな。何か重くて暗いと言うよりはイカれてしまった音楽バカ達による危なさっていう方が正しいんじゃないか(笑)。どこかジャジーな雰囲気とブルースな雰囲気と、それでもまだサイケデリック調なカラフルさ…、フルートって面白い楽器だな。ちなみにこのアルバム、今ではUltimate Sacrifice: Oneとしてオマケ付きでリリースされているみたい。

 てなことで、以降三作目までどんどん暗黒さがなくなっていくこのバンドなんだけど、それならばいっそエドガー・ブロートン・バンドの方がよほど重くて暗い感じがするよな、と思う。ちなみに三作目ではクレシダのギタリストが加入してもうちょっとプログレっぽくなってくるかな。驚くことにお蔵入りとなっていた4枚目「IV」という作品が1998年に突如としてリリースされているようだ。

Gravy Train - Gravy Train

 様々な音楽の融合こそがロックの醍醐味でもあり、古くから多くの人達がそれを模倣して新たなるサウンドを創り上げてきている。そして不景気だった英国の若者達はこぞって音楽=ロックバンドで飯を食うということに気づき初めて、それはもちろんアートスクールの先輩方の活躍によるトコロも大きかったのだろうが皆が皆楽器を手に取ってラジオでは流れてこない音楽を自らが創り上げてやろう、みたいな血気盛んなシーンの状況があったようだ。それが一気に爆発してきたのが1970年頃、サイケデリックムーブメントもそこそこにブルースとハードロックの融合、そしてそこに更なるサウンドを加えていくことで独自性を打ち出すバンドが多くなってきた。



 Gravy Trainと名乗る4人組のバンドもその一角を担っており、またその融合性のセンスはなかなかのものだと今でも語り継がれているバンドのひとつ。彼等はブルースロックというひとつのカテゴリにフルートやサックスと言った管楽器を加え、音楽的にも唐突な変拍子をノリの良いままに強引に挟み込むという、結局はそれが面白い効果と思い切りアングラな作風を生み出すこととなってひとつのバンドの方向性を打ち出したか、に見えた…のはセカンドあたりまでかな(笑)。いや、やっぱりパッと出てきたバンドが継続するとあまりロクなことにならないという典型でもあるのだが、ファースト一作で終わっていたらかなりインパクトのある無名バンドになっていただろうに、ロジャー・ディーンを起用したジャケットで有名な4枚目の作品があまりにもジャケの素晴らしさと中身のギャップが大きかったためか、リスナーをがっかりさせてしまうバンドのひとつにも数えられる(笑)。

 いや、ファーストは凄く面白いんだよ。1971年リリース、ジャケットはこう見えても実はヒプノシス。言われてみるとなるほどちょっと構図がヘンでしょ。ドラムはドコスコって感じなのにフルートの音色が響き渡るのでえらく繊細に聞こえてしまう曲が多く、そこにドロドロのブルースギターが絡んでくるもんだから不思議な不思議な音になる。しかも歌もねちっこくてしゃがれた声なので泥臭さのないフルートの音色が更に浮き立つ、そんな感じ。曲はもう無理矢理変拍子っぽくしてるのとかね、あるけど基本はブルースロック、だと思う。テクはそこそこあるのでジャジーな感じがしたりするけど、3曲目あたり聴いてるとこのバンドの真髄かなっていう気がするくらいにヘヴィーなブルースだしさ。そうだね、長めの曲が多いんだけどプログレらしい起承転結っていうのではなくてアップダウンっていう感じの組み立てなので、やっぱ力技での曲展開。B面なんてそんなので2曲なんだから大したもんだ…。このバンド、間違いなく男のファンしかいなかったんじゃないかと思うような泥臭さと汗臭さが漂う英国にしては珍しい感じのバンド。その分セカンドではややアメリカスワンプ寄りになった感じもするかな。

Gracious - Gracious!

 ヴァーティゴのロゴマークって面白いよね。日本語では「めまい」って意味なんだけど、レーベルロゴそのものがしっかりと主張してるもんな。で、あちこちのカタログや本で眺めているヴァーティゴレーベルのジャケット写真は燦然とこのロゴマークがジャケットの四つ角のどこかでしっかりと主張していて、ジャケットの一部にもなっているかのような印象を持つ。だから再発でレーベルロゴがなかったり、違うレーベルロゴが入っていたりすると結構違和感あるんだよ。このブログに出てくるジャケ写の中ではちょっと前にやったWarhorseがなんかおかしいな、と思ってたら左上のロゴマークがなくってさ、それで違和感あったのかぁ、なんて思った。



 で、今日書くグレイシャスってバンドのファーストアルバムなんだけど、このアルバムこそ左上にレーベルロゴがないとジャケットとしてのバランスが崩れるだろう、ってくらいにレーベルロゴをジャケットの一部にしてしまっているデザインセンスは見事なもの。再発盤ではレーベルロゴがないものもあったみたいで、ネットであれこれ見てたらやっぱり不思議な感じだった。でもね、やっぱあのロゴマークは重要だね。

 さてアルバム自体は1970年にリリースされていて、彼等のデビュー作。この後もう一枚リリースするもののもちろんそのままフェイドアウトしていったんだけど…、いやぁ、惜しいんだよこの才能は。クレシダと共にB級のレッテルがある意味似合わないバンドで、しかし徹底してB級でもあるという素晴らしきバンド。もちろん演奏能力も高く、楽曲もレベルが高いのだ。そしてヴァーティゴらしく重くてヘン(笑)。いや、基本的にはオルガンが入ってて、もちろんメロトロンとかハープシコードとかも綺麗に鳴っているんだけど、いかにもプログレって感じではある。でもねぇ、多分そんなの意識してないでああしたら面白いだろう、みたいな感じで作られていると思うんだよな。そんなのがさB面の大作一曲の中に散りばめられていて…、だってビートルズの「Hey Jude」とか「エリーゼのために」とかの旋律が一瞬入ってくるとかさ、英国人らしいユーモアだよな。うん、全体的にバンドとしては当時珍しかったであろう、クラッシック畑の影響が大きくて、ブルースやジャズロック~なんてのばっかりのこの頃、しっかりとした楽曲に仕上がっているのはそのためかなと思う。ただ、クラッシックの影響が2割程度であとは自由なロックっというバランスがこのバンドの煌びやかさだろう。それでいて実はコーラスワークが見事でさ、上手いんだよな。そ~んな作品で個人的にはヴァーティゴっつうとこのバンドのジャケが一番インパクトあるかも(笑)。

 …で、まぁ、驚くことに1996年に一度一度再結成してアルバム出してるのな。知らなかったけど。「Echo」っつうのをリリースしていて、メインメンバーの三人は参加しているらしい。レビューを読む限り無機質なサウンドってことらしいけど、どうなんだろ?まぁ、面白いなぁ、そういうのもさ。ちなみにこのファーストとセカンドが2in1になったCDも音だけならお得だね。それこそロゴなしだけど(笑)。

Cressida - Asylum

 オルガン=プログレッシヴロックという象徴的な印象は多分EL&Pによる構図がもたらした産物だと思っているんだけど、もしかしたらそれだけでなく、英国B級ロックをひたすら聴き続けた時に根付いてしまった意識なのかもしれない。そして通常のロックンロールを主体としたサウンドからプログレッシヴなものを聴き始めた時、音を楽しむということから音を学ぶという図式に変わり始め何故か何処かでこういうサウンドをわからなければダメだ、という強迫観念的なものもあって聴いていた。まぁ、そのうちそれらが心地良くなってきてハマりこむんで結論的には同じなんだけど、そういう行為と意識下によって英国B級ロックというものをあれやこれやと聴けるようになった部分はある。まぁ、それ意外にもコレクター的になりやすい要素ってのはいっぱいあるんだけどね。レーベルやらジャケットやら…。後追いだったから余計にそういうものにハマりやすかった、っつうか後追いじゃなきゃそんなにハマらないだろって思うが(笑)。



 そんな最初期の頃に出会った中で、B級と呼ばれる、もしくはアンダーグラウンドと呼ばれている割に、いや、全然メジャーには躍り出てこない割にもの凄い完成度と才能が感じられたアルバムがクレシダの「アサイラム」だ。ジャケット見て、その不思議なというか不気味な印象が広がったし、アクセント的に一体だけ火に包まれて倒れているってのもデザイン的だ~って思ってさ。そりゃ、もちろんキーフの作品なんだし、それだけ人を惹き付けるデザインだってことだけど。

 アルバム自体は1971年、ヴァーティゴからの作品で彼等としては二作目に位置するものだ。あ、ちなみに Vertigo VO-07 はこのバンドの一作目です(笑)。で、このバンド、かなり演奏能力が高い。そして曲のセンスも凄くよろしくって、もちろん全編ハモンドが鳴り響いているんだけど、ベースがしっかりしててねぇ。それとやっぱ歌かな。独特のクールな情感を繰り広げてくれているって感じでさ、しかもその歌メロが結構なメロディラインを持っているので聴きやすいときたもんだ。二曲目の「Munich」なんてのは9分以上にも渡る作品なんだけど正に名曲って言ってもおかしくないくらいのものでさ、起伏があって英国らしい旋律で良いんだよ。音が密集したチープな感触もあると言えばあるんだけど、ギターにしてもテクニシャンだしねぇ。音楽って面白いなぁと思う。

 ちなみにこのバンドの作品、今では感単にCDで手に入るし、いつでも真っ先に再発の対象になっているくらいだから今の時代には多分こういうのってのは十分にメジャーなバンドになってしまうのかもしれないな。当時の活動云々ではなくって、メジャーなものってのはいつでも入手できる状況のもの、ってことで言えば(笑)。そうそう2in1のCDも音的にはお得だね。ただなぁ、やっぱジャケットを楽しみたいバンドだよ。

 ちなみに、このバンドのドラマーはIain Clarkeです…うん、見たことある名前だったりしない?実はこの人このバンドの後にユーライア・ヒープに加入するワケで、しかもその時に参加したアルバムがあの「対自核」なワケで…。ヒープって結構そのへんのバンドと交流あるみたいで、コラシアムからもベーシストのMark Clarkeを引っ張ってくるし、他にもね、いっぱいあるわけさ。ま、このバンドもヴァーティゴからデビューしてるのでそういう人脈も多かったってことか。

Arcadium - Breath Awhile

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 英国マイナー系の作品群にも実は更に細分化される文化があって、このブログでは敢えてごちゃ混ぜにして書いてきたんだけどここの読者は凄いなぁ、と思う。見事にその細分化された最も頼もしいひとつの領域に反応する数が多いんだよね。逆に言えばそれ以外の領域の部分ってのはまだまだ宙ぶらりんな状態で辿り着いている人が少ないのかもしれないなぁ、などと深読みしてしまう。最も頼もしい領域のひとつにはもちろんあちこちで話題になっているキーフ、ヒプノシス、ロジャー・ディーンなんて名が並ぶジャケットのものやヴァーティゴ、ネオン、デラム/デッカ、などレーベルで特色が出ているものの部類だろう。この手のサウンドはやはり1970年代前後のなんでもあり的なプログレッシヴな音を中心に栄えているものが多く、またマニアックな視点になりがちな面も多いので人気が高いし、もちろん音もやっぱり楽しいし、正に英国ロックの象徴を語るにはこの辺を漁るべし。しかし一方ではCBSやマーキュリーなどのメジャーレーベルも似たようなバンド、もしくは全くそれらとは異なるバンドを発掘してきてデビューさせているものもあり、それらはどちらかと言うと王道路線に失敗したバンド、というようなものも数多くある。大物ミュージシャンの前身バンド、とかね。まぁ、この辺はどちらかと言うと調べにくくひとつの1970年代英国ロックというカテゴリだけに属さないでいるため、なかなか発掘されにくいもののようだ。

 …と、まぁ、ここのところのレビューに対する反応を見ているとそんなトコかなぁ、と思う次第で、その前に知らねぇよ、こんなバンドなんて、ってのばっかりってのはあるので絶対数が下がるのは必至なんだけど(笑)…。それはそれとして、本日はそんな英国ロックシーンが混沌としていた1969年、あまりにもマニアックでリリース枚数が少なすぎたために今では逆にそれが有名になってしまっているミドルアースレーベルからリリースされた不思議なバンド、アルカディウムで進めよう~。

 とにかく、ヘタ、だ(笑)。だがしかし、これほどに繊細でそれぞれの楽器の音色が生々しく聞こえてくるってアルバムはそうそうないんじゃないかと思うくらい、言い換えると稚拙なレコーディングでもあるんだが、それこそが空気感を出していて良いのだ。バンド自体は5人編成で、ビートルズの影響からかそのうちの4人が歌を歌うようだ。メインボーカルは非常にパンチもなく弱々しく絶対にボーカリスト的な才があるわけではないこと一目瞭然の歌い方なのだが、バンドってのは不思議なもので、そんな歌でも妙にマッチしているものなのだ。そしてサウンドそのものはかなり変化に富んでいてオルガンがメインかと重茂がファズが掛かりまくってるはずなのにマイルドっぽい音のするギターが前面に出てきたり、繊細な透き通るような音だったりフワフワ感が心地良い。プログレって言う程プログレにはならず、もちろんハードロックでもなく、初期パープルに近いと揶揄されることも多いみたいだけど、どっちかっつうとWarhorseかな。いつものことだがこれぞ英国ロックの味。過度期に変化に埋もれていったバンドの記念作にしてはピュアな音が詰め込まれている秀作、だね。

 同時代のブルースを採り入れたバンドや新たにプログレッシヴの道を開くバンド、Zepに続けとばかりにハード路線に進むバンド、実に多くのモデルが巣立っていった時期に、英国風ごちゃまぜサウンドを切り開いていたバンドのひとつとは言い過ぎだけど、アルバム一枚で当然オシマイ、それこそが美学だよ。

The Aynsley Dunber Retaliation - Doctor Dunbar's Prescription

Doctor Dunbar's Prescription The Aynsley Dunbar Retaliation
 どんどんとディープな世界に…と言いつつもアルバムそのものや参加している面子そのものは割とメジャーな人だったりするのも英国ロックの深い世界の特徴。古くから知ってる人はあの人がこんなバンドで、とか思う場合もあるだろうし、それぞれのバンドの活躍を知ってる人は、こんなバンドにも参加していたのかと思うものもあるだろう。そういう渡り鳥的なミュージシャンという人もいて、こないだのレイ・ラッセルなんかもそれに近いんだけど、そういう輩は大体どこかの時点で自分のリーダー作品というものを作っていたりするのが常だ。こういう感覚はジャズを聴き親しんできた人には当たり前の感覚でリーダー作品というアルバムの作り方ってそういうもんだろ、とか思う。

 そんな中、実に、本当に数多くの著名バンドを渡り歩く強者ドラマーにエインズレー・ダンバーと言う人がいる。そりゃアンタ、コージー・パウエルの世渡りなんてハンパじゃないくらいに渡り歩いている人なのでこの人についてのセッション活動を知りたい人は是非オフィシャルサイトのディスコグラフィーを見てもらいたい。更にその仕事を視覚的に感動したい人は参加アルバムジャケット一覧を見てもらうと良いかもしれん。もう~凄いんだから。

 古くはジョン・メイオールの作品でミック・テイラーが参加したものから初期ベック、更にザッパと一緒にやっていたもの、このヘンが有名なんだろうな。ルー・リード、ボウイ、ジャーニー、ジェファーソン系、モット系、更にはホワイトスネイクやUFO、マイケル・シェンカーなどなどとんでもなく無節操な仕事ぶり。しかしどれを取ってみても「重い」というドラミングがキーワードで、その重さがないと成り立たなかったかなというアルバムばかりに見えてしまうのだ。

 そんなエインズレー・ダンバーがリーダー作品として作ったバンドがエインズレー・ダンバー・リタリエーションというバンドで、その中でも最も重いブルースを奏でている作品が「Doctor Dunbar's Prescription」というアルバム。ジャケットのサイケデリックさ加減もどこか英国の重みを感じるものだし、何と言っても歌だよな、これ。重い。正当派ブルースもあるけどそれも正に時代を反映した楽曲だし、やっぱり多様な音がミックスされている曲も多い。う~ん、英国ロックってしか言えないトコロかなぁ。ちなみに先日歌声を披露していたアンネット・ブロンクス嬢のダンナさんのヴィクター氏が参加しているバンドなワケだ。

 1968年にリバティレーベルからリリースされたアルバムで、昔レコード発見した時は結構な値段したアルバムだったよなぁ…。それも当然今ではアマゾンでCDで買えるんだから良い時代だ。彼のミュージシャン人生の中で一番充実していた時期の作品じゃないかな。不器用っぽくてこの人のドラム凄く良い。このままやってればもうちょっとバンドとして成功したんじゃないかな、なんて思ったりするね。

Sweet Pain - Sweet Pain

Sweet Pain
 果たしてどこまで深く入り込むのかこの英国ロックコレクションシリーズ、書いている本人もどこまで進むのか全くわかっていない状態でいながらかれこれ20日間ぐらい続いてる様相を示している…、だがまだまだまだまだ断片くらいしか取り上げられていないので、一年間続けられる可能性もあるなぁ…と。まぁ、多分途中でメジャー物を聴きたいとか、いろいろと浮気する部分はあるんだけど、今のところまだハマってるなぁ…久々にホント、よく聴いてるわ、この辺。探せば探すほどCD買いたくなるのが増えてきて困る…ここ10年以上まともに情報収集していない世界だったので何がCDでリリースされたのかよく知らないし、まぁ、アナログ探して見つかれば安いかなぁとか考えるんだけど(笑)。

 と、まぁ、そんなことでジャジーな方向にも行きそうになったけどもうちょっとスタンダードなトコで面白いのを再発掘してきたのでそっちで行こう~っと。で、ヴァーティゴはどこかと被るからちょっと後回し。ホントはBENとか面白いかな、とか思ったけど、まぁ、週末にやるもんでもなかろう、と。

 二日前のバレンタインデーに書いたコラシアム…、ん?バレンタインデーの贈り物?う~ん、逞しい男はそんなことを振り返らないでひたすらロックあるのみ、なのだ。うん。だからいいんだ、それは。で、話を戻して、そのコラシアム在籍が一番メジャーな仕事だったんだろうと思うんだが、サックス奏者として名を馳せたディック・ヘクストール=スミスがコラシアム結成前夜に当時の、そうだな、1968年頃の英国ブルースロック界の名手ばかりを集めて行われたセッションバンド、スウィート・ペインってのをご存じだろうか。ん?バレンタインデーの痛手だからスウィート・ペイン(甘い痛み)なワケではない、はず、だ…。いや、それはもういいや。

面子:
Annette Brox - Vocals
Stuart Cowell - Guitar
Sam Crozier - Perc, Vocals
Junior Dunn - Drums
Alan Greed - Vocals
Dick Heckstall-Smith - Sax
John O'Leary - Harmonica
Keith Tillman - Bass

 知らないって?う~ん、そうかもなぁ。ハーモニカはサヴォイ・ブラウンから、歌は女性ボーカルだけどエインズレー・ダンバー・リタリエイションに在籍していたVictor Broxの奥様、これが渋いんだけどさ。そんなのを集めたセッションで、これまたそれぞれの培った技量を試すかのような英国然としてブルースアルバムに仕上がっていてその重さというか貫禄というか、輝きはそうそう出せるサウンドではない。当然ブルースに限らず、多様な音楽のミクスチュアー的要素が強く、それもこの面々だからこそ生きてくる音だ。ジャケットも見事な物で1969年にリリースされたおかげかサイケデリック色を反映したジャケットだ不気味さを出していてこのアルバムに色を添えている。う~ん、正に大英帝国ロック。なんかこのセリフばかりだが、だからこそ毎回毎回ハマるんだろうな。ちなみにレーベルはマーキュリーなのでそれほど特色があるわけではないし、十分にメジャーな作品のハズ、だけどあまり知られてないよね。アメリカでは「England's Heavy Blues Super Session」と言うそのままのタイトルで確かジャケ違いでリリースされたらしい。

Rock Workshop - Rock Workshop

The Very Last Time
 ジャズ系のサウンドをロックに持ち込むというのはいつ頃から誰が始めたものなのか…、改めて考えてみるとなかなか難しい。そもそも50年代のスキッフルだってジャズフェイヴァーがないとは云えないし、アメリカのブルースサウンドだってジャズだし…、う~ん、英国のロック界での表面的なトコロで古そうなのはやっぱコラシアムになるのかな。印象的なのは「スーパーショウ」での演奏なんだけど。で、コラシアムは既に本ブログで二回ほど登場しているが、やはり英国B級ロック系の中にはジャズロックをモチーフにしたバンドも数多くあるのでちょこっとだけ取り上げておこう~。定義的に難しいのはさ、ブラスが入ってるのがブラスロックなのかジャズロックなのかって話で、まだそんなカテゴリ分けがない頃だからジャズっぽいなぁ~っていうくらいでの分け方になっちゃうんだよ。まぁ、あんんまりジャンルにこだわることないけどね。

 …ってなことで、いきなりB級臭たっぷり…と云うか名前知らない人の方が圧倒的に多いワケで、何それ?って状態だよね。Rock Workshopっつうバンドで、まぁ、知る人ぞ知る放浪ロック(ジャズ)ギタリストのレイ・ラッセルがアレックス・ハーヴェイをフロントに出して大所帯のセッションを形にしたバンド、つうかセッション集に近いと思ってるけど、そんなアルバム。基本的にジャズミュージシャンによるロックアルバム、みたいな位置付けだったらしいね。それでも確か二枚リリースされたと記憶してるけど…、ああ、そうだ、二枚目リリースして解散したらしい。自分が知ってるのは最初のアルバムで、何つうのかさ、ジャズロックっつうかブラスロックっつうか、ポップロックっつうか難しいんだよ、ホントにそういうたとえをするのが(笑)。アレックス・ハーヴェイが歌ってるってことで、当然歌声については満足できるパワフルな歌なワケなんだけどオススメはやっぱりレイ・ラッセルのジャジーなギター奏法。多分ロックスピリッツ旺盛なんだけど、フレーズがモード奏法的なものなのでどうしてもジャジーなギターになっちゃうって感じだね。2曲目の「Wade In the Water」っつう曲のソロとかクラクラするもんな…。これ、ちなみにトラッド曲だからあちこちで演奏されている割と有名な曲…かな。メジャー所ではグラハム・ボンドのアルバムに入ってたような記憶があるが。

 アルバムリリースは1970年、レーベルはCBSだからやっぱりメジャーな人だったハズなのだ。しかし音楽的に非常に例えにくい方向性があって、上手く行かなかったのかもしれん。散漫なブラスロックにテクニカルなギターとパワフルな歌が入っている、しかし曲はどうにも中途半端、そんなまとめ方になるんかな。でも面白いんだよ、当然。だって英国ロックがこうして出来上がってきたっていう典型的なアルバムだし、アレックス・ハーヴェイは後に思い切り成功したとは云わないけど、センセーショナル・アレックス・ハーヴェイ・バンドでそれなりにシーンに残っていたワケだしね。

Colosseum - Valentyne Suite


 世の中の男どもにとっては一年で一番かっこつけないといけない日、それが2月14日のバレンタインデーってヤツだ(笑)。何がって、何ももらわないことをクールに当たり前にしていなければいけないからだ。もちろんそれは男同士の中での話で世の女性陣からしたらそんなくだらないことは全くどうでもいいこととしか捉えられないハズなのだが、いくつになっても男ってのはこの日に何かをもらうことがステータスのひとつでもあったりする…のは自分だけ?いや、ま、そうかもしれないが、年と共にもらうことが少なくなってきたような…。ま、いいや(笑)。で、楽しみに書くか、と思っていたらpapini嬢のトコで二日前に取り上げられていたのだなぁ…。しっかりと自分と同じような意味合いで書かれていたので満足なような不満なような、複雑な乙女心でした(笑)。

 そんなバレンタインデーと云うことでB級路線の英国ロックからちょっとだけメジャーに進んで…、ヴァレンタインにちなんでコラシアムの「バレンタイン組曲」で書き進めよう。気になったのはいわゆるバレンタインデーのバレンタインは「Valentine」というスペルなのでこの「Valentyne Suite」とは「i」と「y」の違いがある。しかしどうにもその意味の違いがよくわからないので、違いがあれば教えて下さい。

 さてさてこのコラシアムが1969年に発表した「バレンタイン組曲」という作品だけど、音よりも何よりも重要なポイントとしてはヴァーティゴレーベル発足の第一弾としてリリースされたアルバムっていうことだ。「Vertigo VO 01」っつう規格番号なので後の「6360 **」とはちと異なる。うん。papini嬢のトコで謎掛けして白熊店長さんが「Vertigo VO 01」って訊いてたのを見てついニヤけてしまった自分だったが、まさかこんなにすぐにそれを書くとは思わなかった(笑)。そしてジャケットはキーフの作品。ヴァーティゴってヒプノシスというメジャーな人ではなくってキーフを使った作品が一番多いのだ。それも併せてヴァーティゴのブランドを創り上げているんだろうな。ちなみに某ブログではVO 06とか07が出て盛り上がってるようで…、まぁ、一発だよな、その辺(笑)。06=B.T 07=CRSD って感じでしょうか(笑)。

 で、音。一般的にはジャズロックの名盤って云われてるけど、聴いてるとそんなにジャズでもないんじゃないかなと思う。ジョン・ハイズマンのドラムは確かに手数が多くてロック的なドラミングとは一線を画すんだけど、楽曲そのものは凄くハードなロックだと思うしさ。で、このバンドも結構面白いっつうか、この作品が二作目なんだけどまだクレム・クリムソンもクリス・ファーロウもいない時代の第一期。それでいてこの名盤を作ってしまったという、実はギターボーカルのジェームズ・リザーランド氏が曲者ではないかと…。良いギター弾くし歌もパワーあるし、良いんだよ。A面に於けるブルースロック的アプローチ面ではこの人とジョン・ハイズマンのドラムでアルバムのパワーを打ち出しているって感じだしさ。B面の組曲が有名だけど、どうしてなかなかA面のロックも実によろしい。B面はがらりと変わってデイブ・グリーンスレイドの才能爆発って感じのオルガンメインの組曲でこうなるとあのディック・ヘクストール=スミスとジョン・ハイズマンの三者でもの凄い迫力の演奏を聴かせてくれる。この辺聴くとジャズロックってのは納得するなぁ。だが敢えて云おう…やっぱハードロックのA面に軍配を上げたい(笑)。

Stray - Stray

Suicide
 さて、またしても時代は1970年に戻り、グラウンドホッグスと共に現在でもしっかりと英国内で活動している長寿バンドのひとつともなっているStrayと言うバンド。1970年のデビュー当時は平均年齢18歳くらいだったと云うことらしいので、今では50歳の半ばを超えていると云うことだろう。そして驚くことに、というかまぁ、当たり前にというかこのStrayオフィシャルサイトが存在しているのだ。当時の新聞切り抜きやディスコグラフィーなどはそれなりに見応えがあるし、今のライブ活動が確認できるってのもなかなか素晴らしい。

 さてさて、1970年当時色々なレーベルがこぞって売れそうなバンドを漁ってはリリースしていた時代、その頃は何が受けるのは誰にもわからなくて試行錯誤というかなりふり構わずと云うか、そんな楽しい時期だったけど、中でも不思議だったのは当時既に英国フォークの名門レーベルとして名を馳せていたトランスアトランティックというレーベルがストレイのようなハードロックを演奏する若者達にも門戸を開いていったことだろうか。このレーベル、この後もJody GrindやMetroなど多様なジャンルに手を出していくので、今では不思議はないけど当時は結構新鮮だったようだ。やっぱレーベルってのはそれなりにこだわりとかカラーがある方が面白いしね。ちなみにこのレーベル、今ではあのカラフルなレーベル面で知られているけどこの頃まではシンプルな白紫のレーベル面だったみたい。自分的にもカラフルなレーベルの方が印象的なので探してたんだけど、実はそっちの方が少ないんじゃないか、っつう…。まぁ、そこまで深く調べてないけどそんな感じなのかな…、ん?ああ、バンドの話しなきゃ(笑)。

 それでこのStrayと云うバンドのデビュー作、「Stray」は当然若気の至りを十分に収めたギター中心のハードロックがたっぷりと詰め込まれている。部分的にはまだサイケデリック的なアレンジっつうか空気感も漂ってはいるんだけど、ツェッペリンに影響を受けたのかやはりリフをメインとしたギター曲で攻め込んでくるっつうのが面白くて時代を象徴するかのようなハードロックアルバムになっていて結構かっこいいんだよなぁ…、多分デビューするレーベルが悪かったんじゃないだろうか、なんて思ってもしまう(笑)。ちょっと前に紙ジャケでリリースされたのかな?変形ジャケットも見事に再現されたとか…。ストレイ・キャッツでもストレイ・ドッグでもないただのストレイ、っつうバンドなのでちょっとお試しには面白いハードロックで、名盤って云っても良いんじゃない?翌年1971年にはセカンド「Suicide」、サード「Saturday Morning Pictures」と立て続けにリリースされていて、これもまた同じ路線のハードロックなのでなかなか心地良い。もちろん英国の香りたっぷりなのでオススメ盤だね。

Hard Stuff - Bullet Proof

Bolex Dementia
 凄く間接的なんだけどもうちょっとだけパープル繋がり?で行ってみようかな、なんて。いや、たまたまその辺聴いてたらハードスタッフを思い出して、そうだよなぁ、このバンドもアトミック・ルースタークォーターマスの融合で…なんて眺めてたら、あれ?ギラン&グローバーって参加してるんだ、と思わず感心…っつうかオリジナルってパープルレーベルからリリースされていたんじゃないか、なら納得納得。と言うことでこれもパープル全盛期に二人が参加したってことでそれなりに話題にはできたんじゃないだろうかとも思うがリアルタイムの英国ではどんな宣伝文句だったのかちょっと興味あるね。それで思い出したのだが、昨年末頃にここの常連さんのevergreenさんのトコで取り上げてたなぁ…と見直してみると、そうそうDeamonっつう前身バンドがあるってことを教えられたんだ…と。まぁ、まだそっちは聴いてないんだけど、1994年に発掘されたものらしいのでそういうのを漁りに行けるかどうかもマニアのボーダーラインではあるんだろうな(笑)。ちなみにそのDeamonっつうバンドはハードスタッフの三人にあと一名加わっていたバンドでハードスタッフの前身バンド、アレンジは異なる物の楽曲も多数ダブるものが収録されているらしい。う~ん、こうやって書くと聴きたくなるな(笑)。

 さて、そのハードスタッフだが、アルバムリリースは1972年、ジャケはまぁ、それなりのものなので特にコメントはないけど、音的にはやっぱりトリオ編成だから幅はそれほど広くはないかなって感じ。でも、純粋に英国的ハードロックでオルガンがないだけで、ちと硬質っつうかハードさが強くて重いテンポの曲が多め。ん~、歌がなぁ、ちょっと…とは思うが、ここのところそういうのばっかり聴いてるから結構こういうのが普通に聞こえてきた(笑)。簡単に言えばアトミック・ルースターの鍵盤の音をギターに置き換えたらこうなります、みたいな感じでまずまずの出来映えで、一応セカンドアルバム「Bolex Dementia」も出してるけど、知名度は低いのでやっぱファースト「Bullet Proof」だろうか…、ただ、このセカンドも結構良い線行ってる音出してるので実はハズしてはいけないのだが。うん、結構激しくハードロックしていてこの手の音が好きな自分には何の苦もなくすんなりとハマれる音♪ ただやっぱり何度も聴くモノではないっつうのがB級の性っつうところか(笑)。いやいや、十分かっこいいっすよ、ほんと。

Jerusalem - Jerusalem

 やっぱりパープルに参加する面々ってのはことごとくハードロック系のバンドが多くてせっかくなのでまとめて取り上げていったんだけど、もうちょっとあるかな?まぁ、B級と受け止めるかどうかってのはあると思うけど音的には絶対B級のバンドで進めて行こう~(笑)。よく書けばNWOBHM、この略称自体が凄いマニア的な気もするんだけど、ちなみにNew Wave Of British Heavy Metalの略。んで、その走りだと云われることもあるんだけど、まぁ、そういう聴き方もできるのかなぁ、と。ただ残念なことにNWOBHMバンドをあまりよく知らないので何とも言えないのだ。それこそメジャー所しか知らないんだよな…、これからハマって聴くこともあんまりないだろうし(笑)。



 さて、そんなことで全盛期のパープルのシンガーであるイアン・ギラン…、しかしイアン・ギランって名前ってどうも昔からウルトラマンに出てくる怪獣みたいな名前に思えてしまうのだが、ま、それはともかく(笑)、そのイアン・ギランが見い出してデビューさせた若干20歳の若者達によるバンド、エルサレム、1972年になんとも驚くことにデラムからの唯一のアルバムがリリースされている。もうパープルレーベルが発足していたと思うんだけどなぜか他社からのリリース。しかし音を聴くとこれがイアン・ギランの見出した才能なのかなぁ…、センスを疑う部分が大きいが、まぁ、それはそれとして…。

 良く云えば硬質なハードロックっつうトコロだけど、言い方を変えると結構線の細いギターの音と何故かスカスカ感のあるハードロックって感じで、その間を埋める音の厚みっつうのがないのかもしれない。でも曲そのものやアルバムの空気感っつうのはやっぱりしっかりパックされているので、嫌いじゃない。割と好みでもあったりするのだが…、そういえば20歳の集団なんだから多めに見てやらねば、とも思うワケで、そのまま何枚かリリースしていればもうちょっと何とかなったんじゃないかなと。しかしその歳でイアン・ギランに出会ったら結構人生変わってたハズだよ、君たち、って言いたいよな(笑)。

 バンド名が大胆過ぎるのだが、ジャケットもかなりインパクトのある出来映えで心なしか紫色がベースになっているところもパープルというバンドの亡霊を感じるのだが、繊細な曲そのものはなかなか聴き応えのあるものばかりなので悪くない。しかしアマゾンのプレミア付きCDの値段は凄いなぁ…。もっとも日本でしかCDリリースされていないのならばしょうがないが…、どうなんだろ?どっかで出してればそれで間に合わせても良いと思うけどな。

Captain Beyond - Captain Beyond

Captain Beyond Sufficiently Breathless

 1970年前後の英国B級バンドを羅列していたんだけど、いつの間にか本人気付かないまま無意識にヴァーティゴレーベルが並びまくってた(笑)。そうか、やっぱりそうなるのか…。そしてここのところ二作続けてパープル関連っつうことで1970年にこだわってみたんだけど、やっぱりなぁ、書いておかないとなぁと思ったワケである。うん、実際はどんなんだっけっかなぁ…と思い出してみたので聴いてみただけなんだけど、やっぱ面白いじゃん、と思って取り上げることにしただけなのだ。

 Captain Beyond。1972年、純粋な英国ロックバンドとは云えないし、レーベルもカプリコーンっつうことでそういう面白さはないのだが、かの有名なバンド。メジャーでしょ?自分的にはかなりB級に位置しているバンドなんだけど当時は日本ではかなり売れたってことらしい…。まぁ、人気絶頂だったパープルの初代ボーカリストが参加しているっつう触れ込みだったら当時は売れただろうな、と思うが。そんな時代を知らない後追い世代なので、勝手な推測の方が走ってしまうんだけど、やっぱり音だけを聴いていると完全なメジャー級のサウンド…とはちょっと違うような気もする。もちろんテクはあるし曲もかっこいいんだけどね。ロッド・エヴァンスの声ってハードロック似合うよな…。だからこの後のアルバムだとどうしても迷走しているようにしか聞こえない面もあるんだけどファーストは良いよ~。

 ちなみに面子はアイアン・バタフライに参加していたアメリカ人のギターとベース、更にジョニー・ウィンター・アンドに在籍していた凄腕ドラマー、ボビー君による四人編成のバンド。ほとんどアメリカ人のサウンドのハズなのだが、なぜかこのファーストは英国的な香りがする不思議なバンド。このドラマーのボビー君はこの後もキース・レルフとアルマゲドンを組むしねぇ。この人英国人なのかな?調査不足ですまぬ~。んで、このファーストだが、実によく出来ていて、ジャケットが表している通りスペイシーなコンセプトアルバムで、まぁ、歌詞まで見てないけど楽曲的なトータル感は凄いと思う。基本的にハードロックなんだけど、ドラムがね、やっぱ良いよ。歌とドラムが良いとバンドは良い音だせるからね、そういう意味で正しく良い(笑)。

 日本では売れたけどアメリカでは実際全然売れなかったらしいし、そもそもロッド・エヴァンスがアメリカ進出のために組んだバンドなのに本末転倒だったようで、上手くは行かないものだ。その度胸を持っていなかった当時のパープルは後にアメリカで成功するんだから皮肉だよな。人生、そんなもんさ、うん(笑)。

Trapeze - Trapeze

Trapeze Live at the Boat Club 1975

 ハードロック路線にこだわるべきかちょこっとプログレ路線に行くべきか悩んだんだけど、まぁ、一応メジャー路線繋がりということにしておこう(笑)。でもまだまだハードロック路線はやりたいので、続くんだけどね。やっぱ面白いんだもん。何でもありで英国らしさが充満しているってのがやっぱ堪らんのだよ。あまりに聴きたくなってきたのが多かったのでCD屋にフラフラと立ち寄ってみるとやっぱそういうのが流れていて、曲は知らないけどなんか英国だ~てのが一発でわかるもんな。ドラムの音も空気感もしっかりパックされてる音が多くて楽しめる。

 一応Captain Beyondとトラピーズとどっちにしようかと思ったのが最初の悩みなワケさ(笑)。で、Captain Beyondだと1972年のアルバムになってしまうので却下して、トラピーズで行こう~。ご存じ第三期パープルのベーシストとして有名なグレン・ヒューズがシーンに登場してきた最初のバンドだが、当然ここでは歌っているし、そもそも歌志向の強い人で本当は歌手なベーシストなんだよな。しかもその歌が凄くソウルフルってのはもちろん知ってる人は知ってるんだろうけど、それでもパープルのベーシストっつうイメージの方が強いはず。そんな彼がパープル前にやってたバンドって云って聞く人も多いと思うけど多分大半の人は興味ない、って感じになると思う(笑)。そりゃそうだろうなぁ…音楽性違いすぎるもんなぁ…、と。

 だが、思い切りハジケまくった後のパープルよりも英国ロックマニアにとってはトラピーズの方が面白味はいっぱい感じるものなのだ。そしてこのバンドは全然B級ではなくってかなり質の高い楽曲と演奏を誇るバンドなのでもちっとマジメに聴く人が多くても良いんじゃないかな、と。まずは1970年にリリースされたファーストアルバム、これがまた魅力的なコーラスワークと歌い上げるベースライン、そしてソウルフルなボーカルとプログレな曲構成、更にはテーマがもの凄くファンタジーに溢れる英国的なもので見事に楽曲と相まってひとつの世界を築き上げていると感じているんだけど、褒めすぎ?この後何枚かアルバム出すんだけど、このファーストが一番新鮮で好きだな。ちなみにドラマーはこの後ジューダスに参加するし、ギターはホワイトスネイクにも参加することになる人達。

 ジャケットもさぁ、凄くファンタジックで綺麗でしょ?で、面白いのはスレッシュルドレーベルっつうところからのリリースなんだけど、これってムーディ・ブルースが設立したレーベルで、こういう所からのバンドが売れるってのはやっぱりあまりないんだけど、その中でもかなり健闘したバンドでしょ。う~ん、いいなぁ、こういう音♪

Warhorse - Warhorse

Warhorse Red Sea

 1970年頃のハードロックバンドってのはもちろん何度も書いているようにプログレチックな側面とかアドリブ面を強調したりとか色々あるけど、大まかにはギター主体のバンドかハモンド主体のバンドか、みたいな感じに分かれてたんじゃないかな。所詮ハードロックってのは歪み具合と音量で勝負みたいなトコあるからさ。いや、もちろん歌も重要なんだけど、ある意味パープルのイアン・ギランみたいな超ハイトーンってのはあんまりいないワケで、プラントはちょっと別格だが…。いずれにしてもA級品なわけだ。で、ちょっと格が落ちるとシャウト系とかダミ声とかそういうのになる。そういう面ではまぁ、ポール・ロジャースも別格だったりするが…。

 そのディープ・パープルってバンドは実によく面子が入れ替わるバンドであまり興味のないファンは誰がいつ在籍していたのかなんてことにさほど興味を持たない。多くは当然第二期の面子こそがパープル、って思ってるだろうし、せいぜいカヴァーデールがいた頃まで、即ちリッチー時代だな。不思議なのはそのリッチー時代と云いつつも第一期は結構無視されている。これは音楽性の問題なんだろうけど、英国ロックファンは第一期パープルの方が好きなんだという人の方が多い。これは多分英国ロックらしい音を出しているからだと思うんだけどさ。ファーストとか中途半端な音で良いもん(笑)。

 …とまぁ、パープルの話はいいんだけど、この第一期のパープルの主力メンバー(?)だったベースのニック・シンパーがパーピルをクビになってから組んだバンドがWarhorseっつうんだけどさ、これがまたその後のパープルと同じようなハードロック路線を歩むワケだ。もっともギター中心というよりかは鍵盤主体で進められるハードロックに近いね。面白いのはやっぱりベース音がでかいってことか(笑)。音楽的には多分コッチの方が第一期パープルからリッチーを抜いてそのままハードにしていったらこうなっただろうというような音で、はっきり云って相当かっこよい。決してB級ではなくって正当派英国ハードロックに君臨するべきバンドの音だ。

 しかしこのバンド、アルバム二枚残して解散しちゃうんだよなぁ。ボーカルも結構野太い声でかっこよいし鍵盤もモロって感じで良かったんだが…。一般にはパープル関連だからそれなりに知られていたバンドだとは思うけど、今ではやっぱB級に近いところに位置してるかな(笑)。ちなみにファーストアルバムのジャケットはもちろん見開きでデザインはキーフ。そしてレーベルはヴァーティゴ♪ いいでしょ~、こういうのはそそられるんだよホント。そして音も素敵なので益々愛聴盤になるのだな。

Groundhogs - Thanks Christ For The Bomb



 英国内では非常なる人気を誇りながらも世界レベルになるとトンと人気のないバンドというものが英国には結構存在する。The Whoなんかはアメリカには力入れてたけど日本なんて論外だったためストーンズやビートルズに比べて日本での扱いは結構低かった。Status Quoなんかも英国ではとんでもない人気を誇っていたことがあるにもかかわらず、それ以外の国に行くと割と普通のバンド以下の扱いだったりする。まぁ、別に世界レベルを意識していたワケでもないだろうからそれで当たり前、バンドが外に出ようとしなければ外では売れないワケで、当然の帰結ではあるのだが…。

 同じように日本では、またアメリカでも多分そうだと思うんだけどB級的扱いをされながらも実は英国内に於いてはかなりメジャーなバンドだよ、って云うのがグラウンドホッグスというバンド。トニー・マクフィーというギタリストが有名ということだが、その風貌を見ると何で?って思う(笑)。いや、ま、それは良いんだが…、何でもジョン・リー・フッカーが渡英した時にその前座をトニー・マクフィーのバンドが引き受けたことで、それくらい直系のブルースができる人なのだという証明になったとかならないとか…。そんなことで当然バンドの方も時代に合わせたブルースをルーツとしたロックで、モロにクリームと被る時代を過ごしたおかげで全く存在感が無かったように見えてしまったのだ。しかもやってることもかなり似たような手法だったので、余計に、だ。もちろんこちらはギターがひたすら引っ張るというオーソドックスなものではあったが。そう、このグラウンドホッグスもトリオ編成のバンドで最も完成度の高いアルバムは恐らく「Who Will Save the World?」という彼等の5作目だと云われているし実際に完成度がかなり高いものだと思う。…が、今回はやはり1970年という年にこだわりたかったので彼等の出世作となったと云われている「Thank Christ for the Bomb」をオススメしていこう。

 まず、だ。基本的にストラトを中心に弾くトリオバンドのため、音は軽くて細い。そして歌はブルージーではあるのだが、これもやはり軽い。アルバム全体的にエコーを強めにかけていることもあって何となく軽い透明感が漂うんだけど、テーマ的には「神様、バクダンをありがとう」という反戦的なテーマを歌っているようで、この頃の英国民からするとトニー・マクフィーがこのようなテーマを扱うということ自体が驚きだったらしい。よくわからんが。まぁ、そんなことで重くて暗くて激しいのかと思ったら全くそんなことなくって軽くて割と落ち着いた感じのあるサウンド。まぁ、でもテーマ的には重いかな。それはともかくギター的には…、いやぁ、凄いね。よく弾いてる。ホントに弾きまくりというくらいに弾いていて、軽いブギーが多いから弾きやすいんだろうな、ブルースだけにこだわらない幅の広さでギター弾いてる部分もあって、やっぱ上手いなぁ、と。基本的にハードロック要素にブルーステイストなんだけど、タイトル曲ではアコギ一本で歌い上げている。これが一番印象的かもしれないな。

 このバンド1968年デビューなんだが、今でもトニー・マクフィーの生涯バンドとして活動しているようだ。もっともアルバムなどはたまに出るくらいだけど、それでもいくつかあるもんな。新作も出てるしさ。日本に誰か呼んだら凄いよなぁ(笑)。その他1973年に発表した初のソロアルバム「Two Sides of Tony (T.S.) McPhee」もアコースティックとハードロックを使い分けた作品になっていて佳作と呼ばれることが多い。しかしこの顔で売れる?う~ん…。

Bakerloo - Bakerloo

 アッチのバンドとコッチのバンドのメンバーのアイツが昔どこそこにいて、そこであいつと出会って一緒にやってて、その後で前の仲間が登場して意気投合したから一緒にバンドやって…みたいなのが見えてくるのもこの時代に凝縮された英国のロックシーンならではの楽しみかもしれない。王道バンドなら誰かがどこかに必ず書いているからわかりやすいんだけど、アングラになってくると全く取り上げられなくって、突如としてシーンに登場してくることになるんだよね。実際そういう希有な人もいるので全部が全部ってワケじゃないけど、それでもみんな何かしら繋がりがあったりするので英国ロックのファミリートゥリーは多分全部繋がると思う(笑)。

 メイ・ブリッツ結成秘話については昨日書いたんだけど、実はベイカールーがその元凶ってことまではなかなか知られていなかったハズ。しかし、そのBakerlooってのはなんぞや?ってことになると割と説明しやすいかもしれん。なぜならば、Humble Pieのギタリストとして名高いクレム・クリムソンが在籍していたバンド、と云うか彼が最初に大掛かりに自分の才能を示してみせたバンド、だな。ちなみにドラマーの名がキース・ベイカーであったのがバンド名の由来?地下鉄の駅名ってのもあるけどどうなんだろ?ベースの名前がテリー・プールっつうから英語的にBakerとPooleの合体でBakerlooって云うのかなぁとふと思った。クレム・クリムソンは多分最後にバンドに加わったんだと思う。元々のバンドの名はBakerloo Blues Lineっつう名前だったようだ。で、多分彼はこの時18歳くらいと云われているのでその辺は先輩に逆らわずにとりあえずバンドの主導権を握ってしまってライブをこなしているうちに曲作りのセンスが見い出されて見事レコードデビュー、って感じなんじゃないかなぁ、と。それが唯一の作品となったアルバム「Bakerloo」なのだ。



 うん、名盤。アルバムとしてはゴッタ煮状態でブルースからジャズ、クラッシックからハードロック、リフものなどなど滅茶苦茶バラエティに富んだもので、クレム・クリムソンの才能弾けまくりっつうものなんだけど、実は彼のギターの腕前としては後のcolosseumHumble Pieを知っているだけにまだまだだなぁと思ってしまうけど、自分的にはこの頃のこういうギターって好きだね。不器用っつうかたどたどしい部分もあるんだけど音が前に出てるし、ブルースだって全然ホンモノに聞こえないけどそれらしくやってるっつうのも好き(笑)。よく云われるのが「Drivin' Backwards」っつう曲がバッハの旋律をジャジーに弾いていて画期的ってやつね。確かに聴くとへぇ~って思う。しかも前の曲があの「Bring It On Home」だからさ。もちろんZepのアレとは同じ曲のくせに全然違うんだけど(笑)。A面最後にはドラムソロが挟まれるものもあって、初期Zepと構想自体は同じなんだなぁと。実力は別としてアイディアレベルではクレム・クリムソンの才能は凄いよね。で、B面の大曲がねぇ、いや、後のコロシアムの「Valentyne Suite」に繋がるのかな、と。

 1969年英国のハーヴェストからリリースされた作品でハーヴェストもかなりワケの分からんバンドをリリースしているけど、このバンドはハーヴェストレーベルのロゴが似合うバンドだった。ジャケットももちろんダブルジャケットで楽しみたい所。

May Blitz - May Blitz

 ミュージシャンという職業は華々しい時もあれば地味な活動をせざるを得ない時もある。一瞬の晴れ舞台に躍り出たことのある人物はまたその世界を堪能したくなるのだろうか、それも自分が中心となってスポットライトを浴びるという気持ちの良さを味わうために…。いや、そんなことをふと思うようなバンドもあってね。

 先日GunThree Man Armyと流れていったガーヴィッツ兄弟の話を書いたのだが、そのThree Man Armyの屋台骨となったドラマーであるトニー・ニューマンは、そもそもジェフ・ベック・グループの1969年発表の「Beck-Ola」のドラマーとして名を馳せていたワケだが…、しかし彼の来歴をよく把握していないのでわからんのだが、新人でいきなりベックと共演?ってなことではないと思うのでその前の来歴を知りたい所なのだ…。ま、それはそれとして、ドラマーとしては既にテクニカルな部類に入っていたワケで、しかもプロのメシの食い方もなんとなくわかっていたのであった。そんな時に二人の若者ジェームス君とレイド君に会ったことで一緒にバンドをやることになるのだ。それがメイ・ブリッツと云うバンド。

 う~ん、難しいのはその前後なんだよなぁ。音の話はもう少し後としてさ(笑)。実はMay Blitzってバンドは驚くことにBakerlooのドラマーであったキース・ベイカーがベースボーカルのテリー・プールとBakerloo脱退後に作ったバンドで、そこでギターボーカルのジェームス君(当時16歳?)に出会って一緒にプレイしてたらしいのだな。でも、すぐに首謀者二人が脱退してしまってどうしようかと思っていた所に同じ年代のレイド君をとりあえずキープして…って思ってたところにトニー・ニューマンが参加したってことらしい。その辺の関係はよくわかんないけど、何か面白そうなアンダーグラウンドシーンだよなぁ、と(笑)。

セカンド・オブ・メイ(紙ジャケット仕様)

 で、トニー・ニューマンの目論見でトリオ編成で望んだこのバンドは1970年に最初のアルバム「May Blitz」をリリースするのだが、これがまた正しく英国ハードロックサウンドで、しかも音が綺麗で演奏が上手い。だからもっとプッシュされていれば売れただろうに、残念ながらヴァーティゴレーベルからのリリースだったためか(笑)、それだけでB級バンド扱い…んなことないけど、プロダクションとの絡みももちろんあっただろうなぁ、勿体ないなぁ、と思うバンドのひとつです。当然ハードな路線だけでなくアコースティックを掻き鳴らしながら聴かせる曲もあったり、単なるハードロックではなくってそこにプログレッシヴな要素も多分に入ってきたり、コーラスワークがしっかりしていたり、当然この時代のバンドだからなんでもあるんだけど、そんなにマイナーなものでもないので聴いてみると良いと思う。

 アルバムは二枚しかリリースされていなくて後は翌年に同じくヴァーティゴからセカンドアルバム「セカンド・オブ・メイ」がリリースされていて、基本的に同様の路線のアルバム。ファースト「May Blitz」はダブルジャケットで縦長の絵になっているのも面白いね。

Patto - Hold Your Fire

 英国ハードロックバンドとして呼ぶべきなのかどうかと言うバンドも多々あって、それは皆ひとつのカテゴリーに収まりきらない多様なサウンドの塊のためなのだが、それこそが英国ロックの深みでもあり、また時代の産物だったワケだな。ん?んなこと毎回書いてるからもういいって?それもそうか(笑)。



 ってなことで、一見ハードロック的な仮面を被っているこのバンド、パトゥーだが、聴いてみるとよくわかるように何とも言えない音なのだ(笑)。う~ん、このバンドの場合は音が云々と言うよりもボーカルのマイク・パトゥーのダミ声による圧倒的な迫力とその隙を縫って恐ろしい超絶テクニックを披露してくれるオリー・ハルソールのギターに耳が行ってしまうんだよね。そのヘンが面白くてさ、1970年発表のファーストから既にそんな感じになっているんだけど、やっぱり1971年発表のセカンド「Hold Your Fire」が良いかな。アルバム的なバランスが取れているっていうことが言われているけど、そうだね、聴いてみるとそんな感じ。ハードロックテイストとブルーステイスト=パトゥーの歌声、更にオリーのジャジーな…と云うか、レス・ポール氏みたいなカントリータッチのフレージングというのか、そんなギターが全編ではなくって要所要所で弾かれているっつうとこがバランス良いんだと思う。曲は別にそんなに良いとは思わないが(笑)。しかしマイク・パトゥーの歌声ってのは英国ロック界でもかなり個性的な声で、ロジャー・チャップマンとかポール・ロジャースとかロッド・スチュワートとか好きな人は結構イケるんじゃないだろうか?バンドの音そのものは大してハードじゃないけど、この人の歌を聴くと凄くハードに聞こえる、だからハードロックバンドとも云えるのかな。

 このアルバム、ジャケットがコミカルなデザインで変形ジャケ。デザインはロジャー・ディーン作なんだけどかなり意外だよね。で、しかもヴァーティゴからのリリースなのでマニア的にはこれも興味深いものなんだけど、ご存じギターのオリー・ハルソールは後にアランホールズワースの抜けた穴を埋めるべくテンペストに加入してそのテクニックを思う存分に披露していることからメジャーになった感じが強いようだ。この人もセッション活動盛んなのでアチコチに登場するよ。ケヴィン・エアーズあたりはもう定番だけどさ。アルバム自体は基本的に三枚リリースして解散、後にフロント二人はボクサーを結成して更にハードロックに特化したようなサウンドで勝負してくるけど…、やっぱりB級だった(笑)。

Steamhammer - Mountains

 ブルースとハードロック、そしてプログレッシヴな曲展開、更にはコンセプトアルバムという趣向を凝らしたアルバムとしてはかなり早い時期の作品に数えられてもおかしくない・、とは言ってもこの時期の英国ロックにはそんなのがごまんと固まっていたので別段新しくは感じなかったのかもしれないな。それでも作品の質の高さから今でもたまに語られる…、ほんとにたまにだとは思う。しかも語られ方としてはギタリストのマーティン・ピューがヤードバーズのキース・レルフと一緒にアルマゲドンっつうバンドを組んだことで若干名が通っているっていう要因が大きいかも。そのアルマゲドンのアルバムの一曲目のギターリフはこのバンド、スティームハマーの4作目「Speech」の初っ端を飾る曲のリフとまったく同じ物であることはあまり知られていない。

Speech

 ってなことで本日はスティームハマーっつうバンドでデビューは1968年、混沌としたブルースロック調のアルバムでデビューを飾ったようだ。うん、だって、初期作品は持ってないので聴いてないのでよく知らないのだ(笑)。しかし、しかしだ、3作目となった「Mountains」と4作目の「Speech」は早い時期にレパートワーからCD化されたのでこぞって入手して聴いたのでかなり好きな類のバンドということに気付いてはいた。初期もそのうち探さないとダメかな。で、その三枚目の「Mountains」がB&Cカンパニーの有名レーベルとなったカリスマレーベル(ジェネシスが有名か)から1970年にリリースされていて、コンセプトはあの「指輪物語」としているみたいなんだけど、レパートワーからのCDは何故か曲順が変更されていてオリジナルアルバムのコンセプト通りになっていないという不思議な物。このレーベル結構そういうのあるんだよな。レア物リリースしてくれたからいいんだけどさ。で、オリジナル通りに曲順をいじって聴いてみるとどうなのか?と言われても正直それほど大差ないような気がする…、いやむしろレパートワー盤の方が曲順良いんじゃないかとすら思えるのだが(笑)。ちなみにAkarma盤はオリジナル通りの曲順。

 最初からハモンドの効果音と正しく英国的なギターの音色が鳴り響く「I Wouldn't...」という曲はこのアルバム一番の佳作だろうなぁ、時代を反映するかのようなブルースロックが基本なんだけどどこかヘンで繊細。アルバムではB面に収録された最後を飾る「Riding On...」という16分強の楽曲についてはどこかのライブを録音した模様で、目玉になっているんだけどこれもハモンドとギターの掛け合いと激しく展開していく曲構成が面白い。かと言ってプログレ的に展開しているワケでもなくあくまでもブルースロックの発展というような感じで、どこかテン・イヤーズ・アフター的なライブという気もする。何かすごくギターが丁寧で繊細なので聴いていて耳が行ってしまうんだよな。その他小曲群でもそれは同じで繊細な旋律を大切に奏でているという印象でバンドのそれぞれの音色が上手く融合しているものばかり。ロック…、うん、英国ロックとしか云えないんだけど情景の表現もやっぱり見事な物で「指輪物語」というストーリーをイメージして聴くとなるほどそうかな、と思える曲が並んでいるのは何となく納得(笑)。アコギの繊細な使い方とかやっぱ良いなぁ。

 アルバム4枚リリースして解散してるけど、英国よりもドイツでの人気が高かったと言われている。オフィシャルホームページなんつうものも存在していて、大した資料はないんだけどファミリートゥリーが貴重かな。英国的なハードロックのひとつとしてはかなり好きなアルバム。

Writing On The Wall - The Power of the Picts

 時代は1969年、レーベルはミドルアースというそれだけでもマニアックな感じがするでしょ?ミドルアースレーベルっつうと最初に浮かぶのがアルカディウムというバンドなんだけど、今回はもっともっとハードロック的な重さとテクニックを持ったバンドを書いてみよう。聴きようによっては最初期のイエスやパープル的なサウンドに聞こえるだろうし、音楽性の混沌さ具合もかなり時代を象徴していて面白い。



 ジャケット、強烈だよなぁ。右目の上辺りに注目ね。裏ジャケにはメンバーの写真があるんだけど、これがまた雰囲気のある連中でさ、決して若いとは思えない風貌と迫力。あぁ、バンド名はWRITING ON THE WALLって言って、このアルバムはもちろん唯一のアルバムなんだが(笑)、「The Power of the Picts」というタイトルね。オリジナル盤は見たことないです。レパトワーからのCD化の際に入手したので、手軽といえば手軽だったけど、このレーベルも凄いよな。こんなバンドのシングルでしかリリースされていないものをボーナストラックに付けてくれててさ、好きなんだろうなぁ、このレーベルの人達。わかるわかる。

 で、このアルバム、どんなんか、って言うとだな…。5人組でハモンドがギャーギャーと唸っていて、ギターはもの凄くチープなファズ音でブルージーに弾きまくるっつうもので歌は結構重いかな。ドラムはもちろん手数の多いパターンで基本的にはハモンドとギターが中心のバンドで正しくハードロックなのだ。しかも暗黒系。これなら十分にメジャーで通じそうなのだが、何がバンドの運命を変えていくのか、このアルバムのみで消滅してる。時代的にサイケもハードロックもブルースもあって、更にプログレの波が来てた頃だからホントにゴッタ煮状態でアーサー・ブラウン的な狂気も持っているし、それはハモンドの効果が凄く大きいのかもしれないけど、更にそこにリフもの一発のギターが刻まれるっつう面白い展開もあったりさ、ワケわからん状態の曲もある(笑)。かと思えば実に英国的なフォークダンス調の田園風景を思わせるイントロから始まる強烈なブギーがあったりさ…、しかもこれクラビネットだよ。

 …とまぁ、実に多様な音楽性に富んでるんだけど、面白い。今のバンドがどれだけ偏ったことしかやってないのかよくわかるくらいに滅茶苦茶。でも不思議なのはバンドの音というのが一貫しているところかな。これはどのバンドもそうなんだけどしっかりと持っているもんね。ミニチュアZepみたいなもんか(笑)。しかしアマゾンにこんなのがあるとは驚いた…。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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